JP7797379B2 - イソソルビドの味のマスキング - Google Patents

イソソルビドの味のマスキング

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Description

本技術は、イソソルビドの味、特にその苦味のマスキングに関する。したがって、本明細書において展開される技術は、イソソルビドの味を改善することを可能にする新しい剤形、及びこの剤形を調製するためのプロセスを提案する。
経口投与を意図した医薬形態で使用される活性物質のほとんどは不快な味を特徴とする。しかしながら最近では、味覚は、薬剤の投与を許容可能なものにして治療コンプライアンスを改善することから必須の基準になってきている。したがって、味のマスキングは、特に、経口投与が毎度のこと比較的困難である小児集団及び老齢集団を対象とした薬剤の、薬物開発者にとって、実際の課題となっている。様々なアプローチに基づいて、薬物処方物に利用可能な、多くの味マスキング技術がある。主としてマスキングされる活性物質、医薬形態、及び対象とする技術のコストに応じた技術の選択によっては、決定的方法が1つもない。これらの技術は、香味剤又は甘味料を添加することなど、実施が簡易な方法同士で区別されるが、これらの方法では多くの場合不十分であり、シクロデキストリン又はイオン交換樹脂の使用などのより複雑な技術の使用を必要とする。
イソソルビドは、メニエール病の治療において数ケ国で使用されている浸透圧利尿薬である。大量に摂取する必要があるこの活性成分は、その非常に不快な味、特にその強い苦味について知られている。典型的には、イソソルビドの用量は、70%のイソソルビドを含有する経口吸収の40mLのスティックからなる(すなわち、1用量当たり28gのイソソルビドを投与)。しかしながら、今日まで、特に摂取される濃度及び量を考慮したイソソルビドの味の効果的マスキングを可能にする方法は見出されていない。
発明の目的
したがって、本発明の目的は、特にこの活性成分が大量に及び/又は高濃度で投与される場合に、イソソルビドの味のマスキングのための有効な手段を提供することである。
本明細書では、本発明者らは、この課題を解決することを可能にする剤形を提案する。この経口剤形は、イソソルビドのゲル化ビーズの形態であり、好ましくはゲル化剤としてアルギン酸塩を使用する。
以下の例を読むことで明らかなように、この方法は、患者に不快な味を知覚させることなく、大量のイソソルビドを投与することを可能にする。このようにして得られたゲル化ビーズは、80重量%超のイソソルビドを含有し得る。
更に以下の例を読むことで、本発明の方法は、有利には、従来の味マスキング技術、例えば甘味料、香味剤、又はシクロデキストリンの使用などでは失敗している場面で成功することが観察される。
更に、本発明によって提案される剤形は、使用する必要がある材料数が多くないため、実施が簡易である。
イソソルビドが小さな高可溶性の分子である場合、特に投与される量及び濃度を考慮すると、苦味が知覚されないことが観察されるのは驚くべきことである。実際、イソソルビドは、ビーズから出て口腔の唾液中に非常に迅速に拡散し、その苦味は、味蕾によって検知され、ひいてはテイスターのパネルによって知覚されることが予想される。
例えば、刊行物国際公開第2006/001344号は、アルギン酸塩イソソルビド及び他のゲル化構成成分に基づくゲル化調製物に関する。かかる組成物は、ビーズを製造するのに好適ではない。更に、この文書は、カカオ粉末を添加することによって、味マスキングが最適化されることを教示している。刊行物米国特許出願公開第2010/120712号は、これら2つの成分を含む組成物であって、当該組成物が、押出顆粒又は粉末の形態である、組成物に関する。ビーズ形態の組成物は、記載されていない。
活性成分の味をマスキングするためのゲル化アルギン酸ビーズの使用は、先行技術で言及されている。しかしながら、この技術を、イソソルビドの味をマスキングするためにイソソルビドに適用することは提案されたことがない。先行技術には、特に、有意な量のイソソルビドが投与されることを考慮してこの技術がイソソルビドに適用可能であるとする示唆がない。
例えば、刊行物国際公開第00/06122号は、活性成分の粒子及びゲル化剤を含む経口投与のための医薬組成物を記載している。活性成分の粒子は、任意選択的に、アルギン酸塩ビーズの形態(実施例12)であり得る。得られた活性成分の粒子を、最終剤形を得るためにゲル化剤及び他の物質と混合する。投与中、ゲル化組成物を得るためにこの固体形態を水に添加し、活性成分の不快な味をマスキングする。この刊行物はイソソルビドについて述べておらず、最終的に摂取される医薬組成物が含む活性成分は非常に少量である。
発明の概要
したがって、第1に、本発明は、特に経口投与のための、イソソルビドを含むゲル化ビーズであって、イソソルビド含有量が、当該ゲル化ビーズの総重量に対して乾燥重量で少なくとも50重量%のイソソルビドである、ゲル化ビーズに関する。
第2に、本発明は、本発明のゲル化ビーズを含むか、又はそれからなる医薬組成物に関する。
第3に、本発明は、本発明のゲル化ビーズを調製するためのプロセスであって、
ステップ(a):イソソルビド及び1つ以上のゲル化剤を含む溶液を調製することと、
ステップ(b):ゲル化溶液を調製することと、
ステップ(c)ステップ(a)で調製された溶液を、ステップ(b)で調製されたゲル化溶液に滴下するステップと、
ステップ(d)このようにして得られたイソソルビドのゲル化ビーズを回収するステップと、
を含む、プロセスに関する。
第4に、本発明は、イソソルビドの不快な味をマスキングするための方法であって、当該イソソルビドをゲル化ビーズの形態に入れることで構成される、方法に関する。
以下の段落に開示される特性は、任意選択的に実施され得る。それらは、互いに独立して、又は互いに組み合わせて実施され得る。
第1に、本発明は、特に経口投与のための、イソソルビドを含むゲル化ビーズであって、イソソルビド含有量が、当該ゲル化ビーズの総重量に対して乾燥重量で少なくとも50重量%のイソソルビドである、ゲル化ビーズに関する。好ましくは、イソソルビドの乾燥重量でのこの含有量は、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは更に少なくとも80重量%である。イソソルビドの乾燥重量でのこの含有量は、概して95重量%以下、又は更に90重量%以下、又は更に85重量%以下である。
イソソルビドの、当該ゲル化ビーズの総重量に対する乾燥重量でのこの含有量は、例えば、水素炎イオン化検出及び内部標準法を用いたガスクロマトグラフィーによって、好ましくは、内部標準としてメチルα-D-グルコピラノシドを使用して、例えば、以下の例に記載のプロトコルによって、当業者によって決定することができる。
本発明のゲル化ビーズは、典型的には、1つ以上のゲル化剤を含む。周囲温度及び水の存在下で迅速にゲル化可能なゲル化剤は、本明細書で特に有用である。これらは、好ましくは、多価金属イオンの存在下での架橋によるゲル化が可能なポリマーである。
ゲル化剤は、とりわけ、組み合わせて使用されたときにゲル化可能な剤を含む。ゲル化剤の例は、アルギン酸塩、ペクチン酸塩、カラギーナン、及びゼラチンである。使用は、好ましくは、特にゼラチンが動物由来の産物であるという事実により、ゼラチンではなされない。使用は、好ましくは少なくとも、ゲル化剤としてアルギン酸塩でなされる。複数のゲル化剤が存在する場合、アルギン酸塩の割合は、ゲル化剤の総乾燥重量に対して、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも重量40重量%、好ましくは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも重量90%である。より好ましくは更に、アルギン酸塩は、ゲル化ビーズ中の唯一のゲル化剤である。
概して、これらのゲル化剤は、塩、例えばナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩の形態であり、好ましくはナトリウム塩の形態である。アルギン酸ナトリウムが特に好ましい。
好ましくは、使用されるゲル化剤は、20℃、1%で測定したときに、2000cps以下、好ましくは1000cps以下、好ましくは800cps以下、好ましくは500cps以下、好ましくは400cps以下、好ましくは300cps以下、好ましくは250cps以下、好ましくは200cps以下のブルックフィールド粘度を有する。好ましくは、このブルックフィールド粘度は、10cps以上、好ましくは20cps以上、好ましくは30cps以上、好ましくは35cps以上、好ましくは50cps以上、好ましくは80cps以上、好ましくは100cps以上である。この粘度は、例えば、35~65cps、又は100~200cps、又は300~400cpsにわたる範囲内で選択される。
好ましくは、ゲル化剤の、ゲル化ビーズの総乾燥重量に対する乾燥重量での含有量(乾燥/乾燥)、特にアルギン酸塩含有量は、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.3重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%、好ましくは少なくとも0.7重量%、好ましくは少なくとも1.0重量%、好ましくは少なくとも1.2重量%、好ましくは少なくとも1.4重量%である。ゲル化剤、又はより具体的にはアルギン酸塩のこの乾燥/乾燥重量含有量は、好ましくは5.0重量%以下、好ましくは4.0重量%以下、好ましくは3.0重量%以下、好ましくは2.0重量%以下、好ましくは1.8重量%以下、好ましくは1.6重量%以下である。
好ましくは、本発明のゲル化ビーズは、40以上、好ましくは50以上、好ましくは55以上、好ましくは60以上の乾燥重量比のイソソルビド/ゲル化剤を有する。この比は、好ましくは200以下、好ましくは150以下、好ましくは140以下、好ましくは130以下、好ましくは120未満、好ましくは100以下、好ましくは80以下、好ましくは75以下である。
好ましくは、アルギン酸塩が使用される場合、本発明のゲル化ビーズは、40以上、好ましくは50以上、好ましくは55以上、好ましくは60以上の乾燥重量比のイソソルビド/アルギン酸塩を有する。この比は、好ましくは200以下、好ましくは150以下、好ましくは140以下、好ましくは130以下、好ましくは120未満、好ましくは100以下、好ましくは80以下、好ましくは75以下である。
本発明のゲル化ビーズは、溶媒、好ましくは水、更により好ましくは脱塩水を含む。好ましくは、ゲル化ビーズの溶媒含有量は、ゲル化ビーズの総重量に対して30重量%以下、好ましくは25重量%以下、好ましくは20重量%以下、例えば18重量%以下である。この溶媒含有量は、概して1%以上、又は更に5%以上、又は更に10%以上、例えば13%、14%、又は15%以上である。
ゲル化ビーズは、当該ビーズの調製のために用いられるプロセスに応じて、概して微量でイオンを含有し得る。
更に、ゲル化ビーズは、特にゲル化ビーズの味の品質及び/若しくはその安定性、並びに/又はイソソルビドの薬理学的活性に関して、所望の特性を乱さないものであるならば上記列挙のもの以外の物質も含有し得る。このような他の物質には、例えば、香味剤、甘味料、特に強力な甘味料、シクロデキストリンなどのカプセル化剤、イソソルビド以外の活性成分、特にイソソルビドのバイオアベイラビリティを改変することを目的とした、ビーズの活性成分のバイオアベイラビリティを目標とする化合物、がある。
好ましくは、ゲル化ビーズは、ゲル化ビーズの総重量に対して30重量%未満、好ましくは20重量%未満、好ましくは10重量%未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは1重量%未満、好ましくは0重量%の他の物質を含む。実際、以下の例では、本明細書において課された課題を解決するのに、他の物質は必須ではないことが示された。
最も好ましいことには、ゲル化ビーズは他の物質を含まない。特に、このことは、ゲル化ビーズが、単にイソソルビドと、ゲル化剤と、溶媒、好ましくは水、より好ましくは脱塩水と、だけからなることを意味する。有利な一実施形態では、ゲル化ビーズは、イソソルビドと、アルギン酸塩と、溶媒、好ましくは水、より好ましくは脱塩水と、だけからなる。
好ましくは、ゲル化ビーズは、5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下、好ましくは2.0mm以下、好ましくは1.5mm以下の平均直径を有する。この平均直径は、概して0.1mm以上、又は更に0.2mm以上、又は更に0.3mm以上、又は更に0.4mm以上、又は更に0.5mm以上である。
好ましくは、ビーズは、20℃の温度で水に不溶性である。
本発明はまた、本発明のゲル化ビーズを含む医薬組成物に関する。イソソルビドは、この医薬組成物において活性成分として作用する。
「医薬組成物」は、患者への投与を意図した、その最終的な剤形の組成物を意味することを意図している。
この医薬組成物はまた、本発明のゲル化ビーズのみからなり得る。したがって、ゲル化ビーズは、実際には、そのまま投与され得る。あるいは、ゲル化ビーズは、例えば、ゲル化ビーズのシロップ中懸濁液の形態で、他の物質と共に投与され得る。
好ましくは、本発明の医薬組成物は、少なくとも10g、好ましくは少なくとも20g、好ましくは少なくとも25g、例えば28gの量の、用量当たりのイソソルビドを含有する。
好ましくは、本発明の医薬組成物は、1日1回、2回、又は3回、好ましくは1日3回投与されることが意図される。
好ましくは、本発明の医薬組成物は、当該医薬組成物の総重量に対して乾燥重量で少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%、好ましくは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも80重量%の、イソソルビド含有量を含有する。イソソルビドの乾燥重量でのこの含有量は、概して95重量%以下、又は更に90重量%以下、又は更に85重量%以下である。
好ましくは、本発明による医薬組成物は、特に、メニエール病を治療するための、薬剤としての使用のためのものである。本発明の別の主題は、本発明の医薬組成物の投与を含む、特にメニエール病のための治療方法に関する。言い換えれば、これは、メニエール病の治療におけるその使用のための組成物である。更に、メニエール病の治療における治療的使用を目的とした薬剤を製造するための、本発明による組成物の使用も対象とする。好ましくは、治療を受ける患者は、メニエール病に罹患している個体である。
本発明の別の主題はまた、本発明によるゲル化ビーズを調製するためのプロセスであって、
ステップ(a):イソソルビド及び1つ以上のゲル化剤を含む溶液を調製することと、
ステップ(b):ゲル化溶液を調製することと、
ステップ(c)ステップ(a)で調製された溶液を、ステップ(b)で調製されたゲル化溶液に滴下するステップと、
ステップ(d)このようにして得られたイソソルビドのゲル化ビーズを回収するステップと、
を含む、プロセスに関する。
好ましくは、ステップ(a)の溶液の調製のために、ゲル化剤が最初に溶媒中に溶解され、この溶媒は、好ましくは水であり、より好ましくは脱灰水であり、その後イソソルビドが添加される。
好ましくは、ステップ(a)の溶液は、当該溶液の総重量に対して30~80重量%にわたる範囲内で選択されるイソソルビド含有量を有する。好ましくは、この含有量は、40%以上、好ましくは45%以上、好ましくは50%以上、好ましくは55%以上である。好ましくは、この含有量は、80%以下、好ましくは75%以下、好ましくは70%以下、好ましくは65%以下である。この含有量は、例えば、50%又は60%に等しい。
好ましくは、ステップ(a)の溶液は、当該溶液の総重量に対して0.1~5.0重量%にわたる範囲内で選択される、ゲル化剤の含有量、特にアルギン酸塩含有量を有する。好ましくは、この含有量は、0.2%以上、好ましくは0.3%以上、好ましくは0.4%以上、好ましくは0.5%以上である。好ましくは、この含有量は、4.5%以下、好ましくは4.0%以下、好ましくは3.5%以下、好ましくは3.0%以下、好ましくは2.5%以下、好ましくは2.0%以下、好ましくは1.5%以下、好ましくは1.0%以下である。
好ましくは、ステップ(a)の溶液のイソソルビド及びゲル化剤の量は、イソソルビド/ゲル化剤の重量比が40以上、好ましくは50以上、好ましくは60以上になるように選択される。この比は、好ましくは200以下、好ましくは150以下、好ましくは140以下、好ましくは110以下、好ましくは100以下である。
好ましくは、アルギン酸塩が使用される場合、ステップ(a)の溶液のイソソルビド及びアルギン酸塩の量は、イソソルビド/アルギン酸塩の重量比が40以上、好ましくは50以上、好ましくは60以上になるように選択される。この比は、好ましくは200以下、好ましくは150以下、好ましくは140以下、好ましくは110以下、好ましくは100以下である。
好ましくは、ステップ(a)の溶液中の固形分の合計量は、当該溶液の総重量に対して30~80重量%にわたる範囲内で選択される。好ましくは、この固形分量は、50~70%、好ましくは60~65%の範囲内で選択される。
好ましくは、ステップ(b)のゲル化溶液は、1つ以上の多価金属イオンを含む。実際、本発明のゲル化剤は、好ましくは、多価金属イオンの存在下での架橋によるゲル化可能なポリマーであることが想起される。あるいは、及び選択されるゲル化剤に応じて、ゲル化溶液は、冷却によってゲル化が起こるように、ステップ(a)の溶液の温度よりも低い温度を有する溶液であり得る。
これらの多価金属イオンは、例えば、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、鉄イオン、銅イオン、又は亜鉛イオン、又はそれらの混合イオンから選択される。カルシウムイオンが特に好ましい。これらのカルシウムイオンは、好ましくは、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、炭酸カルシウムなどの無機塩の形態であり得る。それらはまた、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、クエン酸カルシウムなどの有機塩の形態であり得る。それは、好ましくは、水溶性塩である。最も好ましくは、本発明における使用の多価金属イオンは、少なくとも塩化カルシウムを含む。より好ましくは更に、塩化カルシウムは、使用される唯一の多価金属イオンである。
多価金属イオンが水不溶性塩の形態である場合(例えば、炭酸カルシウムについての場合のとおり)、酸を添加して、特に、クエン酸、アジピン酸、グルコノ-デルタ-ラクトン酸などの塩を溶解することが必要である。これは、水溶性カルシウム塩、特に塩化カルシウムを使用することが好ましい理由である。
好ましくは、ステップ(b)のゲル化溶液は、当該溶液の総重量に対して乾燥重量で1~20重量%にわたる範囲内で選択される、多価金属イオンの含有量、特に塩化カルシウム含有量を有する。好ましくは、この含有量は、3%以上、好ましくは5%以上、好ましくは7%以上、好ましくは9%以上である。好ましくは、この含有量は、18%以下、好ましくは16%以下、好ましくは14%以下、好ましくは12%以下、好ましくは11%以下である。この含有量は、例えば、10%に等しい。
ステップ(c)を実施するために、ある貯蔵ユニットに入れたステップ(a)の溶液をポンプで送ることにより、ステップ(a)の溶液を、別の貯蔵ユニットに入れたゲル化溶液に搬送することが可能である。使用されるポンプは、典型的には、ゲル化剤を含有するステップ(a)の溶液の粘度に応じて異なる。ステップ(a)で調製された溶液を、ステップ(b)で調製されたゲル化溶液に滴下することにより、ビーズの瞬間的な形成が可能になる。
好ましくは、ゲル化ビーズを調製するためのプロセスは、ステップ(c)とステップ(d)との間に、ゲル化ビーズを洗浄するステップ、好ましくは脱塩水中で洗浄するステップを更に含む。このステップは、典型的には、プロセスで使用される塩、例えば、塩化カルシウムを生成物から除去するために実施される。
ゲル化ビーズを調製するためのプロセスは、好ましくは、ステップ(c)とステップ(d)との間にゲル化ビーズを乾燥させるステップを含む。このステップは、好ましくは、当該洗浄ステップが実施される場合、洗浄ステップ後にある。この乾燥は、オーブン内で実施することができる。但し、工業規模では、移動するビーズに適用される加熱空気流の作用を使用する技術が好ましい。一例は、空気流動床での乾燥である。
ゲル化ビーズの安定性を高めることに加えて、乾燥はまた、ビーズの直径を縮小する効果も有する。したがって、所望の直径を制御するために、ゲル化するために液滴を形成するのに好適なシステムを選択することに加えて、この加熱ステップの効果を考慮する必要がある。
好ましくは、乾燥前に、ゲル化ビーズは液体コアを含有する。実際、この場合、乾燥ステップにより、有利には、ビーズ中のイソソルビドを濃縮することが可能である。
好ましくは、乾燥後、ゲル化ビーズは、液体コアを含有しない。
本発明はまた、本発明のゲル化ビーズを調製するためのプロセスによって得ることが可能な、又はそれによって得られる、ゲル化ビーズ、特に経口投与のためのゲル化ビーズに関する。これらのゲル化ビーズの好ましい実施形態は、ゲル化ビーズに関する説明において上記のとおりである。
本発明の別の主題は、イソソルビドの不快な味をマスキングするための方法であって、当該イソソルビドをゲル化ビーズの形態に入れることで構成される、方法に関する。
「不快な味」は、従来、1組の個体によって知覚されるような風味及び/又は香味を意味することが意図されている。イソソルビドを指す観点の場合、これは、典型的にはその苦味である。
好ましくは、ゲル化ビーズは、同じ濃度及び量のイソソルビドを有するイソソルビド溶液と比較して、イソソルビドの苦味を統計的に有意に低減することを可能にし、当該苦味は、脂質膜を有する苦味センサを備える、電子舌(味覚センサ)によって、例えば、苦味センサSB2AC0(苦味1、カチオン性物質)、SB2AN0(苦味2、カチオン性物質)、及びSB2C00(苦味3、アニオン性物質)を備える、例えば、Inset(登録商標)電子味感知システムTS-5000Z(Atsugi-Chi,Japan)のタイプの機器を使用して、検知される。
好ましくは、ゲル化ビーズは、同じ濃度及び量のイソソルビドを有するイソソルビド溶液と比較して、イソソルビドの味を統計的に有意に改善することを可能にし、当該改善は、テイスターのパネルを使用して評価される。
あるいは、同じ濃度のイソソルビド溶液と比較する代わりに、28gのイソソルビドを含む40mLのイソソルビド溶液と比較することも可能であり、これは、メニエール病を治療するための参照投与量を表す。
好ましくは、ゲル化ビーズは、イソソルビドの不快な味、特にその苦味を完全にマスキングすることを可能にする。
好ましくは、ゲル化ビーズは上記のとおりである。
好ましくは、イソソルビドは、上記の本発明のゲル化ビーズを調製するためのプロセスによる形態のゲル化ビーズに入れられる。
本明細書では、「乾燥重量」による量は、無水物質の重量による量を指すことが理解される。反対に、特に指示がない限り、「重量」(典型的には、調製プロセスに関する説明の一部)によって単純に表される量は、「商用」と呼ばれる物質の量、すなわち、そのまま使用される全般的に粉末の製品の量を指す。したがって、これらの重量による含有量は、任意選択的に、これらの商用粉末において本来存在する水を含む。これに関して、イソソルビド及びその塩は、典型的には、好ましくは0重量%の水を含み、ゲル化剤、特にアルギン酸塩は、最大15重量%の水を含むことに留意されたい。
図面及び以下の説明は、本質的に特定のものである、特定の要素を実質的に含む。したがって、それらにより、本発明をよりよく理解するのに役立つことだけでなく、適宜本発明を特定することにも寄与し得る。
材料
脱塩水、イソソルビド(イソソルビド C PHARMA、ROQUETTE、バッチE2366)、キシリトール(XYLISORB(登録商標)P90、ROQUETTE、バッチE302Y)、マルチトール(SWEETPEARL(登録商標)P90、ROQUETTE、バッチEMM29)、アミロース富化エンドウマメマルトデキストリン(KLEPTOSE(登録商標)Linecaps、ROQUETTE、バッチE4118)、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(KLEPTOSE(登録商標)HPB、ROQUETTE、バッチE0262)、イエローペクチン(LOUIS FRANCOIS、バッチ342CS)、微結晶セルロース(MCC)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)のコンパウンド(「共加工コンパウンド」)(TABULOSE591F、ROQUETTE、バッチ165004073)、可溶性加水分解ヒドロキシプロピルエンドウマメデンプン(LYCOAT(登録商標)RS720、ROQUETTE、バッチE001R)、アスパルテーム(味の素)、サッカリンナトリウム(Sigma)、スクラロース(NIUTANG)、クエン酸(Sigma)、低粘度アルギン酸ナトリウム(1.0%、20℃で35~56cpsのブルックフィールド粘度)(アルギン酸ナトリウムIL6G、AGI)、中粘度アルギン酸ナトリウム(1.0%、20℃で100~200cpsのブルックフィールド粘度)(アルギン酸ナトリウムI1G80、AGI)、高粘度アルギン酸ナトリウム(1.0%、20℃で300~400cpsのブルックフィールド粘度)(アルギン酸ナトリウムI3G80、AGI)、塩化カルシウム(Sigma)、香味剤(MANE):バナナ/Bitterマスキング/ブラックカラント/チェリー/ハーバル/レモン/ミント/オレンジピーチ/イチゴ/Tutti frutti/チョコレート/キャラメル。
実施例1:強い甘味料(液体媒体)を使用する、イソソルビドの味のマスキング
イソソルビドの味のマスキングにおける強い甘味料の有効性を評価するために、様々な液体処方物を試験した。使用される処方物は、以下の表1及び表2に提示され、百分率は、処方物の総重量に対する重量で表される。
このようにして調製された溶液を、5名のテイスターからなるパネルに経口投与した。
アスパルテーム及びサッカリンナトリウムの使用によっては、イソソルビドによって引き起こされる苦味感覚を低減することはできなかった。スクラロースをアスパルテーム及びサッカリンナトリウムで代用しても、イソソルビドによって引き起こされる苦味感覚を低減することはできず、更にはスクラロースの濃度を増加させても低減できなかった。処方物中にマルチトール及びキシリトールを添加した場合も、調製物の味を改善することはできなかった。
実施例2:カプセル化技術(液体媒体)を使用しての、イソソルビドの味のマスキング
イソソルビドの味のマスキングにおける、複合体形成によるカプセル化技術の有効性を評価するために、様々な液体処方物を試験した。使用される処方物は、以下の表3及び表4に提示され、百分率は、処方物の総重量に対する重量で表される。
このようにして調製された溶液を、5名のテイスターからなるパネルに経口投与した。
使用されるヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン及びエンドウマメマルトデキストリンの濃度に関係なく、苦味に対する影響は限定された。処方物9~14の全てについて、焦がしたカラメルの味がパネルによって知覚されたが、苦味は排除できなかった。
実施例3:食感加工技術(ゲル化媒体)を使用しての、イソソルビドの味のマスキング
イソソルビドの味のマスキングにおける、食感加工技術の有効性を評価するために、ゲル形態の様々な処方物を試験した。使用される処方物は、以下の表5及び表6に提示され、百分率は、処方物の総重量に対する重量で表される。これらの処方物の調製に際し、その溶解を容易にするために、イソソルビドを事前に(IKAミル)粉砕した。
このようにして調製されたゲルを、5名のテイスターからなるパネルに経口投与した。
MCC/CMCコンパウンドの使用及び可溶性加水分解ヒドロキシプロピルエンドウマメデンプンの使用により、使用濃度に応じて、いくらか粘性のあるゲルを得ることができた。イエローペクチンの使用により、より良好な食感を得ることができた。
MCC/CMCコンパウンドを含む処方物並びにペクチンは、強い甘味料を処方物に添加した場合でも、イソソルビドの苦味に対して有した影響は限定された。可溶性加水分解ヒドロキシプロピルエンドウマメデンプンに基づく処方物によっては、イソソルビドの味を改善することができなかった。
実施例4:食感加工技術(ゲル化媒体)を使用し、香味料を使用しての、イソソルビドの味のマスキング この実施例では、本発明者らは、イソソルビドの苦味に対して限定された影響のみを有した実施例3のゲルを改善しようと試みた。この目的のために、香味剤が添加されたゲルを試験した。使用される処方物は、以下の表7及び表8に提示され、百分率は、処方物の総重量に対する重量で表される。これらの処方物の調製に際し、その溶解を容易にするために、イソソルビドを事前に(IKAミル)粉砕した。上記の「材料」の項に列挙されている全ての香味剤、すなわち以下の香味料を試験した。バナナ/Bitterマスキング/ブラックカラント/チェリー/ハーバル/レモン/ミント/オレンジピーチ/イチゴ/Tutti frutti/チョコレート/キャラメル。
このようにして香味付けされたゲルを、5名のテイスターからなるパネルに経口投与した。
ここでもまだ、試験された香味剤に関係なく、またその濃度に関係なく、結果は決定的なものではなかった。全ての試験について、パネルによって引き続き強い苦味が検知された。
実施例5:ゲル化ビーズを形成することによる、イソソルビドの味のマスキング
イソソルビドの味のマスキングにおけるこの技術の有効性を評価するために、ゲル化ビーズの形態の様々な処方物を試験した。
以下の表9及び表10に提示される溶液[A]を最初に調製した(百分率は、処方物の総重量に対する重量で表される)。
アルギン酸ナトリウムを脱塩水中に分散し、高剪断ミキサ(POLYTRON型)を使用し、全てを混合した。その溶解を促進するために粉砕した後にイソソルビドを添加した。
その後、90重量%の脱塩水及び10重量%の塩化カルシウムからなるゲル化溶液[B]を調製した。
各溶液[A]について、以下を実施した:溶液[A]を、ピペットを使用して抜き出し、次いで溶液[B]に滴下することにより、ゲル化ビーズを瞬間的に得た。このようにして形成されたビーズを取り出し、ビーカー内の脱塩水ですすぐことにより、残留塩化カルシウムを除いた。
このようにして得られたビーズは、約2~3mmの直径を有した。その後、それらをオーブン内で乾燥したところ、その時点で約1mmの直径を有した。
溶液[A]の化合物がゲル化ビーズ形態に完全に入ったかどうかを判定するために、溶液[A]に青色の染料を導入することで構成される試験を実施した。ビーズの形成中に溶液[B]の染色は観察されず、したがって、溶液[A]の化合物がこれらのビーズに実質的に入っていたことが示された。
3種の異なるアルギン酸ナトリウム、すなわち低粘度アルギン酸塩(35~65cps)、中粘度アルギン酸塩(100~200cps)、及び高粘度アルギン酸塩(300~400cps)を、処方物33~37について試験した。3種のアルギン酸塩の全てにより満足のいくビーズを得ることができた。しかしながら、本発明者らは、中粘度アルギン酸塩が、特にゲル化ビーズの乾燥効率に関して最適のものであることを示したことに注目した。この中粘度アルギン酸塩を、処方物38に使用した。
このようにして得られたイソソルビドのゲル化ビーズは、イソソルビドの苦味を完全にマスキングした。溶液(処方物34及び35)中のイソソルビド濃度を増加させた場合、ビーズは処方物33と比較して弱くなった。50%イソソルビド(処方物36及び37)を含有する溶液中のアルギン酸塩濃度を増加させた場合、液体コアを有していないビーズ(ビーズが完全にゲル化)が得られた。この段階では、乾燥によってイソソルビドを効果的に濃縮することが可能になるため、液体コアの存在は有利であることが想起される。最終的に、最も良好なビーズは、60%のイソソルビド、39%の脱塩水、及び1.0%のアルギン酸ナトリウムを含有する溶液[A]から得られ(イソソルビド/アルギン酸塩比=60、固形分含有量=61%の処方物38)、次に良好なビーズは、50%のイソソルビド、49.5%の脱塩水、及び0.5%のアルギン酸ナトリウムを含有する溶液[A]から得られた(イソソルビド/アルギン酸塩比=100、固形分含有量=50.5%の処方物33)。
処方物38から得られたビーズを、イソソルビドの乾燥重量でのそれらの含有量を決定するために、水素炎イオン化検出及び内部標準法を用いたガスクロマトグラフィーによって分析した。
使用したキャピラリーカラムは、長さ30メートルであり、0.32mmの内径及び1μmの膜厚を有した。
操作条件は以下のとおりであった:カラム温度140~250℃、3℃/分の速度、次いで10℃/分の速度で300℃まで、インジェクション部温度300℃、検出器温度300℃、ベクトルガスヘリウム、一定流量1.7mL/分;スプリットインジェクションモード、スプリット80mL/分の流量、水素流量30mL/分、空気流量400mL/分、インジェクション体積1マイクロリットル
100~150mgのゲル化ビーズと30mgの内部標準(メチルα-D-グルコピラノシド)を100mLのビーカーに入れた。10mLの10%ドデシル硫酸ナトリウム及び50mLの逆浸透精製水を添加し、全てを撹拌下に置くことにより、ゲル化ビーズを溶解した。
1mLの溶液に、1mLのピリジンを添加し、ねじ式の蓋を備えた2mL皿に堆積させた。全てを、窒素流下で蒸発乾固させた。残渣を、1mLのピリジン及び0.5mLのBSTFAに再び取り込み、撹拌又は超音波処理下に置くことにより、堆積物を分離した。全てを浴中で乾燥させ、温度を70℃に30分間制御した後、1マイクロリットルをインジェクションした。
イソソルビド含有量は、ゲル化ビーズ100g当たりの乾燥重量(g)で表され、以下の式によって与えられる:
(式中、
Si=イソソルビドの表面積、
Se=内部標準ピークの表面積、
Pe=ビーカーに導入された内部標準の重量(mg)、
P=秤量されたビーズの重量(mg)
Ki=イソソルビドの応答係数(本明細書で使用される分析条件において約0.8)。
使用した乾燥方法が異なっていない、2つの試料を試験した。タービンで乾燥した試料は、81.7±0.9%(9回の測定にわたって作成された平均)の、ゲル化ビーズの総重量に対するイソソルビドの乾燥重量での含有量を有した。オーブンで乾燥した試料は、83.6±1.0%の、ゲル化ビーズの総重量に対するイソソルビドの乾燥重量での含有量を有した(6回の測定にわたる平均)。

Claims (10)

  1. イソソルビドを含む、ゲル化ビーズであって、イソソルビド含有量が、前記ゲル化ビーズの総重量に対して乾燥重量で少なくとも50重量%のイソソルビドであり、
    前記ゲル化ビーズが、唯一のゲル化剤としてアルギン酸塩を含み、
    イソソルビド/アルギン酸塩の乾燥重量比が、55以上120未満であり、
    5.0mm以下の平均直径を有する、ゲル化ビーズ。
  2. イソソルビド含有量が、前記ゲル化ビーズの総重量に対して、乾燥重量で少なくとも60重量%のイソソルビドであることを特徴とする、請求項1に記載のゲル化ビーズ。
  3. ゲル化剤の、前記ゲル化ビーズの総重量に対する含有量が、乾燥重量で少なくとも0.1重量%かつ5.0%重量以下であることを特徴とする、請求項又はに記載のゲル化ビーズ。
  4. ゲル化ビーズの総重量に対して30重量%以下の水分含有量を有することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のゲル化ビーズ。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載のゲル化ビーズを含むか、又はそれからなる、医薬組成物。
  6. 薬剤としてのそれらの使用のための、請求項に記載の医薬組成物。
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載のゲル化ビーズを調製するためのプロセスであって、
    ステップ(a):イソソルビド及びアルギン酸塩を含む溶液を調製することと、
    ステップ(b):ゲル化溶液を調製することと、
    ステップ(c)ステップ(a)で調製された前記溶液を、ステップ(b)で調製された前記ゲル化溶液に滴下するステップと、
    ステップ(d)このようにして得られたイソソルビドの前記ゲル化ビーズを回収するス
    テップと、
    を含む、プロセス。
  8. ステップ(b)の前記ゲル化溶液が、1つ以上の多価金属イオンを含む、請求項に記載のゲル化ビーズを調製するためのプロセス。
  9. 前記多価金属イオンが、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、鉄イオン、銅イオン、又は亜鉛イオン、又はこれらの混合イオンから選択されることを特徴とする、請求項に記載のゲル化ビーズを調製するためのプロセス。
  10. 前記ゲル化ビーズを、乾燥するステップを更に含むことを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載のゲル化ビーズを調製するためのプロセス。
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