JP7812246B2 - 塗装コストの算出方法 - Google Patents

塗装コストの算出方法

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Description

本発明は、ワークの塗装に伴う塗装コストを算出するための方法に係り、より詳しくは、入力した各種データに基づいて、塗装のシミュレーションをバーチャルに行いながら、短時間で正確に塗装コストを算出可能とした塗装コストの算出方法に関する。
近年、塗装の分野においては、被塗装物(以下「ワーク」と言う。)を大量に塗装する場合において、塗装ロボットを用いて自動的に塗装を行なう方法が採用されている。
また、従来、前述のようなロボットを用いて大量のワークの塗装を自動的に行う場合には、予め、ワークの外形寸法等に基づいて、スプレーガンの位置を順にロボットコントローラーに登録し、それにより、ロボットコントローラーにスプレーガンの軌道を記憶させる作業が行われており、この作業は一般に「ティーチング」と言われている。そしてこのティーチングにより、人件費等の経費を削減することを可能としている。
更に、一般的に、ティーチングを行った後には、ティーチングされた軌道データによって正確にワークの塗装を行うことができるかどうかを検証する必要があるが、本出願人は過去において、塗装ロボットのスプレーガンから噴霧された塗料粒子がワークに向けて移動していきワークに塗着していく状態をPCの表示部に動画で表示することで塗装のシミュレーションを行い、それによりティーチングの検証をバーチャルに行う方法を提案しており、これにより、コスト削減等を達成した。
このように、塗装ロボットを用いて自動的に塗装を行なう場合には、予めティーチングを行うとともに、ティーチングの検証をバーチャルに行う方法を採用することで塗装コストの削減を可能にしているが、その一方、従来、塗装コストを算出する作業自体は手動により行われており、それにより塗装コストの算出に伴うコストがかかってしまうため、塗装コストの算出の自動化が望まれていた。
即ち、前述のような塗装ロボットを用いて大量のワークの塗装を自動的に行う場合には、それに伴うコストを算出することは不可欠であるが、従来は、塗装対象のワークの類似品のデータ(塗装時間、塗装面積、塗料代)をもとに、塗装管理者が経験則や実績から塗装コストを算出することが一般的であった。
そのために、従来はコスト算出を行うことが可能な者は経験者に限定されており、更に、コスト算出に際しては、時間がかかるとともに計算のミスも考えられるという問題点があった。
特開2019-814号公報 特開平10-202184号公報
そこで、本発明は、塗装コストを自動的に算出可能にすることで、経験によることなく塗装コストを算出可能にすることで塗装コスト算出に要する作業時間を短縮し、更に、人的な計算ミスを無くして正確な計算を可能にすることを課題としている。
本発明の塗装コストの算出方法は、
ワークの塗装に伴う塗装コストを自動的に算出する方法であり、
塗装ロボットの外形、機構、及び寸法に関するデータと、ワークの外形、寸法、及び配置個数のデータと、塗装ロボットとワークとの位置データと、スプレーガンとワークとの距離データと、及びティーチングに基づいたスプレーガンの軌道データと、及び塗装ロボットやワークを3Dの空間に表示するための3Dデータを制御手段に記憶させ、
塗料の噴霧条件としての、塗装時間、塗装面積、塗料の粒子径、粒子速度、霧化圧、パターン圧、吐出量、及び膜厚データを制御手段に記憶させ、
塗料条件としての塗料価格を制御手段に記憶させ、
前記記憶させた、塗装ロボット(6)の外形、機構、及び寸法に関するデータと、ワーク(7)の外形、寸法、及び配置個数のデータと、塗装ロボット(6)とワーク(7)との位置データと、スプレーガンとワークとの距離データと、ティーチングに基づいたスプレーガン(8)の軌道データと、及び塗装ロボットやワークを3Dの空間に表示するための3Dデータを用いて、塗装ロボット(6)とワーク(7)の3D表示データを作成して、該作成した3D表示データを用いて、ワーク(7)及びスプレーガン(8)を表示部(3)に3Dで表示するとともに、
前記制御手段に記憶させた塗料の噴霧条件に基づいて塗料粒子の流体解析を行い、その解析結果に従って、スプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料を表示部上に動画表示し、
更に、前記塗料の噴霧条件および塗料価格に基づいて塗料消費コストを算出することで、塗装コストを算出することを特徴としている。
本発明の塗装コストの算出方法では、塗装ロボットの外形、機構、寸法に関するデータ、ワークの外形、寸法、配置個数のデータ、塗装ロボットとワークとの位置データ、スプレーガンとワークとの距離データ、及びティーチングに基づいたスプレーガンの軌道データや、塗料の噴霧条件としての、塗装時間、塗装面積、塗料の粒子径、粒子速度、霧化圧、パターン圧、吐出量、及び膜厚データや、塗料条件としての塗料価格を制御手段に記憶させ、ワークとスプレーガンを表示部に3Dで表示するとともに、スプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料を表示部上に表示し、更に、噴霧条件と塗料価格に基づいて塗料消費コストを算出し、それにより塗装コストを算出することとしている。そのために、本発明によれば、経験によることなく自動的に塗装コストを算出可能にすることで作業時間を短縮することができ、更に、人的な計算ミスを無くして正確な計算を可能にすることが可能である。
本発明の塗装コストの算出方法の実施例を説明するためのシステム全体のブロック図である。 本発明の塗装コストの算出方法の実施例を説明するためのフローチャートである。 本発明の塗装コストの算出方法の実施例の他の形態を説明するためのフローチャートである。 本発明の塗装コストの算出方法の実施例における画面表示の方法を説明するための図である。 本発明の塗装コストの算出方法の実施例における画面表示の方法を説明するための図である。
本発明の塗装コストの算出方法は、ワークの塗装に伴う塗装コストを自動的に算出する方法であり、まず、塗装ロボットの外形、機構、寸法に関するデータ、ワークの外形、寸法、配置個数のデータ、塗装ロボットとワークとの位置データ、スプレーガンとワークとの距離データ、ティーチングに際してロボットコントローラー等のコントローラーに記憶されたスプレーガンの軌道データ、及び塗装ロボットやワークを3Dの空間に表示するための3Dデータを制御手段に記憶させる。
そして、それとともに、塗料の噴霧条件としての、塗装時間、塗装面積、塗料の粒子径、粒子速度、霧化圧、パターン圧、吐出量、及び膜厚データを制御手段に記憶させ、更に、塗料条件としての塗料価格を制御手段に記憶させる。
そして、記憶させた、塗装ロボットの外形、機構、及び寸法に関するデータと、ワークの外形、寸法、及び配置個数のデータと、塗装ロボットとワークとの位置データと、スプレーガンとワークとの距離データと、ティーチングに基づいたスプレーガンの軌道データと、及び塗装ロボットやワークを3Dの空間に表示するための3Dデータを用いて、3D空間に塗装ロボットとワークを表示するための3D表示データを作成し、作成した3D表示データを用いて、ワーク及びスプレーガンを表示部に3Dで表示する。
そして、それとともに、制御手段に記憶させた塗料の噴霧条件に基づいて、スプレーガンからワークに向けて噴霧される塗料粒子の流体解析を行い、その解析結果に従って、スプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料を、表示部上に動画で表示する
そして更に、塗料条件としての塗料価格や塗料の噴霧条件に基づいて塗料消費コストを算出し、それにより、塗装コストを算出する。
また、スプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料の動画表示に修正が必要なときには、少なくとも塗料の噴霧条件の制御手段への記憶を再度行うとともに、制御手段に再度記憶させた塗料の噴霧条件に基づいて塗料粒子の流体解析を行い、その解析結果に従って、スプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料を表示部上に動画表示し、更に、再度記憶させた塗料の噴霧条件に基づいて塗料消費コストを再度算出することで新たな塗装コストを算出するとよく、これにより、バーチャルなシミュレーションを行うことで塗装コストの見直しを行うことが可能となる。
更に、本発明の塗装コストの算出方法は、回転可能な回転テーブルに複数のワークを取り付け、回転テーブルを回転させながらスプレーガンからワークに向けて塗料を噴霧してワークの塗装を行う塗装方法において用いると良い。
本発明の塗装コストの算出方法の実施例について説明すると、本実施例の塗装コストの算出方法は、回転可能な回転テーブルに複数のワークを取り付け、回転テーブルを回転させながらスプレーガンからワークに向けて塗料を噴霧してワークの塗装を行う塗装方法において、塗装コストを自動的に算出する方法としている。
ここで、図を参照して本実施例の塗装コストの算出方法を説明すると、図1は、本実施例の塗装コストの算出方法を実施するためのシステムを説明するためのブロック図である。そして、図において1は制御手段としてのPCであり、このPC1は、PC本体2と表示部3を備えている。即ち、本実施例の塗装コストの算出方法では、CPU等の演算手段を備えたPC本体2と表示部3を具備したPC1を有しており、ティーチングによりロボットコントローラー等に記憶された塗装ロボットとワークの位置情報や軌道データをPC1に記憶させる。そして、この記憶させたデータを用いて、更に塗装ロボットのスプレーガンの3Dデータを入力して、3D空間上に塗装ロボットのスプレーガンを表示するための3D表示データを作成し、更に、この3D表示データを用いて、表示部3に、塗装ロボットのスプレーガンと、ワークを3Dで表示することとしている。
次に、図において4はロボットコントローラーであり、このロボットコントローラー4にはティーチングペンダント5が接続されている。また、図において6は塗装ロボット、7は被塗装物としてのワークであり、前記ロボットコントローラー4には塗装ロボット6が接続されており、塗装ロボット6は、ロボットコントローラー4からの信号に従って稼働することとしている。そして、ティーチングペンダント5は、塗装ロボット6を用いてティーチングを行う際に用いるものであり、ティーチングペンダント5を用いて、塗装ロボット6のスプレーガンの位置を所望する位置に登録すると、その軌道データがロボットコントローラー4に送られて記憶される。そうすると、ロボットコントローラー4は、送られてきた軌道データに基づいて、塗装ロボット6を制御して、ティーチングされた通りに塗装ロボット6を稼働させ、更に、軌道データ等を用いて、塗装ロボットやワークの位置情報やスプレーガンとワークとの距離等を演算する。
そしてPC本体2では、ロボットコントローラー4に記憶された各種のデータを用いて、塗装ロボット6とワーク7の3D表示データが生成され、これらの3D表示データに基づいて前記表示部3には、塗装ロボット6とワーク7が3Dで表示される。
なお、本実施例においては、各種の情報をPC1に記憶させ、この記憶させたデータ等を用いて、表示部3に塗装ロボットのスプレーガンとワークを3Dで表示することとしているため、塗装ロボットやロボットコントローラーはPC1に接続されてはいない。
また、本実施例では、ロボットコントローラーと同様の機能を有するバーチャルなロボットコントローラーがPC1内に組み込まれており、このバーチャルなロボットコントローラーを用いることで、塗装ロボットとはオフラインの状態でティーチング等を行うこととしている。即ち、表示部3に塗装ロボットのスプレーガンやワークを表示し、表示部上のスプレーガンを移動させながらバーチャルにティーチングを行い、その軌道データをバーチャルなロボットコントローラーに登録することとしている。そのため、ティーチングで登録されるスプレーガンの軌道データやこの軌道データに基づいて演算された塗装ロボットやワークの位置情報は、直接にPCに記憶されることとしている。
そして、塗装ロボットを用いたワークの塗装を行う際に、バーチャルなロボットコントローラーに登録された軌道データが、実際のロボットコントローラーにオンライン又はオフラインで転送されることとしている。
なお、前記塗装用ロボット6は、一般的にワークの大量塗装に用いられる塗装ロボットと同様に、ティーチングされた軌道を移動するアームにスプレーガンが備えられた構成としている。
次に、このように構成されるシステムを用いて行う本実施例の塗装コストの算出方法について図2のフローチャートを参照して説明すると、本実施例の塗装コストの算出方法では、まずステップ1において、制御手段としてのPC1へのデータの記憶が行われる。即ち、各種データが入力され、入力されたデータが制御手段に記憶される。
ここで、PC1に記憶させるデータとしては、ティーチングの際の初期設定においてロボットコントローラーに記憶される情報と、ティーチングによってロボットコントローラーに記憶される各種情報と、塗装ロボットやワークを3Dの空間に表示するための3Dデータがある。
そして、ティーチングの際の初期設定においてロボットコントローラーに記憶される情報としては、塗装ロボット6に関する基本データ、ワーク7に関する基本データ、塗装ロボット6とワーク7との位置データ、及びスプレーガンとワークとの距離データがあり、ティーチングによってロボットコントローラーに記憶される情報としては、スプレーガンの軌道データがある。
また、塗装ロボット6に関する基本データとしては、塗装ロボットの外形、機構、寸法があり、ワーク7に関する基本データとしては、ワークの外形、寸法、配置個数がある。
そして、本実施例の塗装コストの算出方法では、それらのデータとともに、塗料の噴霧条件と、塗料条件としての塗料価格を、制御手段に記憶させる。
ここで、塗料の噴霧条件としては、塗装時間、塗装面積、塗料の粒子径、粒子速度、塗料をエアーにより霧化するときの霧化圧、また、霧化した塗料を所定パターンに成型するためのパターンエアーのパターン圧、塗料の吐出量、及び膜厚データがある。
次に、PC1においては、ステップ2において、前記記憶させた各種のデータに基づいて、塗装ロボット6及びワーク7を3D空間上に表示するための3D表示データが作成される。そして、ステップ3において、前記作成した3D表示データによって、表示部3に、スプレーガン及びワークが3Dで表示される。
そして、次にステップ4で、前記ティーチングの際の初期設定においてロボットコントローラーに記憶された情報や、ティーチングによってロボットコントローラーに記憶される各種情報、及び塗料の噴霧条件に基づき、スプレーガンからワークに向けて噴霧される塗料粒子の流体解析が行われる。
即ち、図1において11が解析手段であり、本実施例においては、解析手段としてコンピューター11が用いられている。そして、このコンピューター11が前記PC1に接続されており、ステップ1において前記PC1に記憶させた各種のデータや、塗料の噴霧条件がコンピューター11に供給され、コンピューター11において、スプレーガンからワークに向けて噴霧される塗料粒子の流体解析が行われ、コンピューター11による流体解析が終了した後に、その結果がPC1に供給される。
また、実際の塗装においては、塗装ブース内ではワークに付着しなかった塗料ミストを回収するために塗装ブース内で気流を流しており、スプレーガンから噴霧された塗料はこの気流の影響を受けるため、本実施例においては、塗料粒子の流体解析において、この気流を加味することで、ワークに対するリアルな塗着を表現してバーチャル塗着の制度を上げている。
更に、本実施例において前記ワーク7は、図4に示すように、回動自在の支柱9の上部に治具10を介して放射状に複数個が取り付けられ、塗装の際には、前記支柱9とともにワーク7を回転させることとしているが、このワークの回転によっても塗装ブース内に気流が発生する。そこで、本実施例においては、塗料粒子の流体解析において、ワーク7の回転により発生する気流をも加味することで、ワークに対するよりリアルな塗着を表現してバーチャル塗着の制度を上げている。
なお、本実施例においては、霧化圧0.2MPa、パターン圧0.15MPa、吐出量70ccと設定し、ブースの気流を0.5m/sec、ワーク回転を150rpmと設定した。そして、この設定データに基づき、ステップ4において塗料の流体解析を行った。また流体解析においては、100万個/秒レベルの粒子の追跡をおこなった。
また、流体解析に関しては、流体解析ソフトを用いて行われており、流体解析方法には種々の方法があるため、具体的な計算方法等の詳細は省略するが、一例としては、スプレーガンとワーク間の空間を要素に分け、その間を計算させることで、塗料粒子の移動をバーチャルとして実現する方法が考えられる。
次に、本実施例の塗装コストの算出方法では、前述したようにステップ3において、前記作成した3D表示データによって、表示部3に、スプレーガン及びワークが3Dで表示されるとともに、ステップ5において、前記流体解析の結果に従い、スプレーガンから噴霧された塗料がワークに向けて移動していく状態を表示部上に動画表示する。
即ち、図4がPC1の表示部3にワーク、スプレーガン、及び、スプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料粒子を示している。そして、図において7がワークで、本実施例において前記ワーク7は、ドアミラーとし、回転自在の支柱9に、治具10によって放射状に6個が取り付けられ、表示部3における表示は、支柱9の回転に伴ってワーク7が回転している動画表示としている。
また、図において8はスプレーガンであり、本実施例の塗装コストの算出方法では、表示部3にスプレーガン8を表示するとともに、この表示部3に表示したスプレーガン8を、ティーチングされた軌道データに従い移動させることとしている。
そして、前述したようにワーク7を回転させるとともに、前記流体解析の結果に従い、スプレーガン8から噴霧された塗料粒子がワーク7に向けて移動していきワークに塗着していく状態を、表示部上に動画で表示することとしている。
そのため、本実施例の塗装コストの算出方法では、実際に塗料がどのように噴霧されてワークに向けて移動してワーク7に塗着していくかを表示部3で確認することができるので、ティーチングされた軌道データの検証を行う場合に、実際にワークに塗料を噴射することが不要であるので、検証時の塗料の無駄を無くするとともに、空調エネルギーを使用することも不要で、コストを大幅に抑えることが可能である。またこのように、本実施例では塗装シミュレーションを行うために、塗料粒子をカウントすることができるので、ワークに塗着しない塗料粒子の割合をオーバースプレー係数として入力することなく、ワークに塗着する塗料粒子の塗着割合(塗着効率)を得ることができる。
なお、図4は軌道データに従ってスプレーガン8が移動している途中を示しており、ワーク7は矢印で示すように、支柱9及び治具10の回転によって時計回りに円状に移動し、スプレーガン8は上方から下方に向けて移動している状態を表示している。そして、スプレーガン8から噴霧された塗料粒子は、スプレーガン8からワーク7に向けて霧状に移動していく状態を表示している。なお図においては、理解を容易にするために、噴霧している塗料粒子及びワークに塗着した塗料粒子を細かい点で表示しており、塗着の多少によって点の数を変えている。
次に、図5は、ティーチングに従った塗装が完了した後のワーク7の一つを拡大して表示したものであり、ワークの全域に塗料粒子が塗着した状態を表示している。即ち、本実施例の塗装コストの算出方法では、流体解析の結果に従ってスプレーガン8から噴霧された塗料粒子がワーク7に向けて移動していきワークに塗着していく状態を表示部上に動画で表示するとともに、ティーチングに従った塗装が完了した後のワーク7における塗着状態をも表示可能としている。従って、この塗着状態の表示によって、ティーチングに従ってスプレーガンから塗料を噴射した場合にワークのどの部分に塗料が付着するかを視覚により確認することができる。そのために、本実施例の塗装コストの算出方法では、ティーチングされた軌道データの検証を行う場合には、実際にワークに塗料を噴射することが不要であるので、検証時の塗料の無駄を無くするとともに、空調エネルギーを使用することも不要で、コストを大幅に抑えることが可能である。
例えば、図5に示す塗着状態では、上方部分の一部分が濃くなっており、この部分の塗着数が他の部分の塗着数よりも多いことを示している。そしてそれにより、その部分の塗料の膜厚が他の部分よりも厚くなってしまうことを知ることが可能である。
そしてまた、本実施例の塗装コストの算出方法では、前述したように、ロボットコントローラーと同様の機能を有するバーチャルなロボットコントローラーがPC1内に組み込まれているため、表示部3に表示された塗装ロボットのスプレーガンを移動させながらバーチャルにティーチングを行うことができるために、ティーチングされた軌道データの検証を行いながら、ティーチングデータの修正を行うことができる。
次に、本実施例の塗装コストの算出方法では、ステップ6において、記憶された塗料の噴霧条件及び塗料価格に基づいて、塗料消費コストが算出される。そして、本実施例の塗装コストの算出方法では、算出された塗料消費コストを塗装コストとしており、この塗装コストを適宜、ステップ7において、表示部上の任意の箇所に表示される。
そのために、本実施例の塗装コストの算出方法では、塗装管理者に限らず、誰でも正確な塗装コストの算出を行うことが可能であるとともに、人的な計算ミスを減らすことができる。従って、コスト算出に使う時間を削減できるとともにコスト管理が明確になり、更に、算出した塗装コストを表示部に表示することで、直感的に塗装コストを確認することができる。
このように、本実施例の塗装コストの算出方法では、表示部にワークとスプレーガンを表示部に表示するとともに、予め設定した塗料の噴霧条件に基づいて塗料粒子の流体解析を行い、その解析結果に従って、スプレーガンからワークに向けて噴霧されて移動していきワークに塗着していく状態の塗料粒子を表示部上に表示することとしているため、この噴霧状況を確認することで、ティーチングされた軌道データが正しいかどうかを検証することができる。
また、本実施例の塗装コストの算出方法では、流体解析の結果として、塗装が完了した後のワークへの塗着状態をも表示部に表示することとしているため、この塗着状態を確認することによっても、軌道データが正しいかどうかを検証することができる。
従って、本実施例によれば、実際の塗装ロボットとワークを用いて塗料をワークに噴射することなく、ティーチングされた軌道データの検証ができるため、塗料を無駄にすることなく、また空調エネルギーを使用することなく、ティーチングされた軌道データの検証、及び修正を容易に行うことが可能である。
更に、本実施例の塗装コストの算出方法では、予め制御手段に記憶させた各種のデータに基づいて、塗装コストとしての塗料消費コストが算出されるため、類似品のデータ(塗装時間、塗装面積、塗料代)をもとに塗装管理者が経験則や実績から塗装コストを算出していた従来と異なり、誰でも正確な塗装コストの算出ができ、それにより、塗装コスト算出に使う時間を削減できるとともにコスト管理が明確になり、更に、算出した塗装コストを表示部に表示することで、直感的に塗装コストを確認することが可能となる。
なお、前述したように、本発明の塗装コストの算出方法では、ティーチングの際にティーチングペンダント5で登録された起動データやこの軌道データに基づいて演算された塗装ロボットやワークの位置情報をリアルタイムでロボットコントローラー4からPC本体7へ送る必要は無く、ティーチングが完了した後に、ロボットコントローラー4に記憶された塗装ロボット及びワークの位置情報やスプレーガンの軌道データをPC本体2に記憶させることが可能であればよい。
なお図3は、塗装コストの算出方法の実施例の他の形態を示す図であり、図3においては、図2のステップ5においてスプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料の動画を検証した結果、塗料の噴霧条件等に修正が必要と判断した場合の処理を加えている。
即ちこの場合には、少なくとも、ステップ1において制御手段に記憶している塗料の噴霧条件等を修正して入力することで、制御手段への記憶を再度行う。そして、制御手段に再度記憶させた塗料の新たな噴霧条件に基づいて、塗料粒子の流体解析を行い、その解析結果に従って、スプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料を表示部上に動画表示し、更に、前記再度記憶させた塗料の噴霧条件に基づいて塗料消費コストを再度算出することで新たな塗装コストを算出する。そしてこのとき、塗装ロボットの外形、機構、及び寸法に関するデータやと、ワークの外形、寸法、及び配置個数のデータ、あるいは、塗装ロボットとワークとの位置データやスプレーガンとワークとの距離データを修正してもよい。
なお、図2及び図3のいずれの場合も、塗料消費コストを塗装コストとした場合を説明したが、この塗料消費コストに、塗装作業に伴う経費として、設備償却費、電気代、人件費、治具代、梱包費、賃貸費等を加えて、全体として塗装コストとしてもよい。
本発明の塗装コストの算出方法は、ティーチングされた軌道データのシミュレーションをバーチャルに行うことで、塗料の噴霧条件等に基づいて塗装コストを自動的に算出可能であるため、塗装ロボットを用いた塗装の全般に適用可能である。
1 PC
2 PC本体
3 表示部
4 ロボットコントローラー
5 ティーチングペンダント
6 塗装ロボット
7 ワーク
8 スプレーガン
9 支柱
10 治具
11 流体解析用コンピューター

Claims (3)

  1. ワークの塗装に伴う塗装コストを自動的に算出する方法であり、
    塗装ロボット(6)の外形、機構、及び寸法に関するデータと、ワーク(7)の外形、寸法、及び配置個数のデータと、塗装ロボット(6)とワーク(7)との位置データと、スプレーガンとワークとの距離データと、ティーチングに基づいたスプレーガン(8)の軌道データと、及び塗装ロボットやワークを3Dの空間に表示するための3Dデータを制御手段(1)に記憶させ、
    塗料の噴霧条件としての、塗装時間、塗装面積、塗料の粒子径、粒子速度、霧化圧、パターン圧、吐出量、及び膜厚データを制御手段(1)に記憶させ、
    塗料条件としての塗料価格を制御手段(1)に記憶させ、
    前記記憶させた、塗装ロボット(6)の外形、機構、及び寸法に関するデータと、ワーク(7)の外形、寸法、及び配置個数のデータと、塗装ロボット(6)とワーク(7)との位置データと、スプレーガンとワークとの距離データと、ティーチングに基づいたスプレーガン(8)の軌道データと、及び塗装ロボットやワークを3Dの空間に表示するための3Dデータを用いて、塗装ロボット(6)とワーク(7)の3D表示データを作成して、該作成した3D表示データを用いて、ワーク(7)及びスプレーガン(8)を表示部(3)に3Dで表示するとともに、
    前記制御手段(1)に記憶させた塗料の噴霧条件に基づいて塗料粒子の流体解析を行い、その解析結果に従って、スプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料を表示部上に動画表示し、
    更に、前記塗料の噴霧条件及び塗料価格に基づいて塗料消費コストを算出することで、塗装コストを算出することを特徴とする塗装コストの算出方法。
  2. 請求項1において、スプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料の動画表示に修正が必要なときに、少なくとも塗料の噴霧条件の制御手段への記憶を再度行うとともに、制御手段(1)に再度記憶させた塗料の噴霧条件に基づいて塗料粒子の流体解析を行い、その解析結果に従って、スプレーガンからワークに向けて噴霧されてワークに塗着していく塗料を表示部上に動画表示し、更に、前記再度記憶させた塗料の噴霧条件に基づいて塗料消費コストを再度算出することで新たな塗装コストを算出することを特徴とする請求項1に記載の塗装コストの算出方法。
  3. 前記ワークの塗装が、回転可能な回転テーブルに複数のワークを取り付け、回転テーブルを回転させながらスプレーガンからワークに向けて塗料を噴霧して行うワークの塗装であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗装コストの算出方法。
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