JP7829366B2 - プラネタリギヤ機構 - Google Patents

プラネタリギヤ機構

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Description

本発明は、プラネタリギヤ機構に関する。
近年、変速装置等に用いられているプラネタリギヤ機構に対して、電動化のニーズに伴い高速回転が求められている。高速回転によって生じる音の低減を図り、伝達トルクを向上する観点からプラネタリギヤ機構にハス歯ギヤが用いられる。プラネタリギヤ機構は、サンギヤと、サンギヤの周囲に配置された複数のプラネタリギヤと、複数のプラネタリギヤの周囲に配置されたリングギヤと、を備えており、複数のプラネタリギヤは、プラネタリキャリアに支持されている(特許文献1参照。)。特許文献1に示すプラネタリギヤ機構では、ハス歯の歯面を潤滑する潤滑油が供給され、潤滑油はギヤの回転に従って回転軸に沿って流動する。
特開2011-112127号公報
しかしながら、電動化のニーズに伴ってハス歯プラネタリギヤ機構を採用すると、潤滑油は回転軸に沿って流動し、一方向に偏った状態となり、プラネタリギヤの歯面とプラネタリキャリアの間から潤滑油が排出され難くなるため、潤滑油による回転ロスが大きくなる。潤滑油が排出されやすくするために、プラネタリキャリアとプラネタリギヤ歯面との間隔を大きくすることが考えられるが、間隔を大きくした場合、トルクを伝達するための強度を確保し難くなる。
本開示は、潤滑油が排出され易く、且つ強度を確保することが可能なプラネタリギヤ機構を提供することを目的とする。
本開示にかかる第1の態様のプラネタリギヤ機構は、複数のプラネタリギヤと、サンギヤと、リングギヤと、複数のシャフトと、第1支持壁と、第2支持壁と、複数の連結部と、を備える。複数のプラネタリギヤは、ハス歯を有する。サンギヤは、複数のプラネタリギヤの内側に配置され、複数のプラネタリギヤと噛み合う。リングギヤは、複数のプラネタリギヤの外側に配置され、複数のプラネタリギヤと噛み合う。複数のシャフトは、複数のプラネタリギヤを回転可能に支持する。第1支持壁は、複数のシャフトの第1端を支持する。第2支持壁は、複数のシャフトの第1端とは反対側の第2端を支持し、第1支持壁に対向して配置されている。複数の連結部は、周方向において隣り合うプラネタリギヤの間に配置され、第1支持壁と第2支持壁とを連結する。連結部は、第1支持壁と接続される第1端部と、第2支持壁と接続される第2端部と、を有する。連結部は、連結部と連結部の周方向における第1周方向側に配置されたプラネタリギヤとの間隔が第2端部側より第1端部側において広くなるように配置されている。
本開示にかかる第2の態様のプラネタリギヤ機構は、複数のプラネタリギヤと、サンギヤと、リングギヤと、複数のシャフトと、第1支持壁と、第2支持壁と、複数の連結部と、を備える。複数のプラネタリギヤは、ハス歯を有する。サンギヤは、複数のプラネタリギヤの内側に配置され、複数のプラネタリギヤと噛み合う。リングギヤは、複数のプラネタリギヤの外側に配置され、複数のプラネタリギヤと噛み合う。複数のシャフトは、複数のプラネタリギヤを回転可能に支持する。第1支持壁は、複数のシャフトの第1端を支持する。第2支持壁は、複数のシャフトの第1端とは反対側の第2端を支持し、第1支持壁に対向して配置されている。複数の連結部は、周方向において隣り合うプラネタリギヤの間に配置され、第1支持壁と第2支持壁とを連結する。連結部は、第1支持壁と接続される第1端部と、第2支持壁と接続される第2端部と、を有する。連結部の第1端部は、連結部の周方向における第1周方向側に配置されたプラネタリギヤとの間隔が、連結部の第1周方向とは反対の第2周方向側に配置されたプラネタリギヤとの間隔より広くなるように配置されている。
本開示によれば、潤滑油が排出され易く、且つ強度を確保することが可能なプラネタリギヤ機構を提供することができる。
本開示にかかる実施形態における作業機械の駆動系を示す模式図。 本開示にかかる実施形態における潤滑システムを示すブロック図。 本開示にかかる実施形態におけるプラネタリギヤ機構を示す断面図。 図3のサンギヤ近傍を示す拡大図。 本開示にかかる実施形態におけるプラネタリギヤユニットを軸に沿って視た正面図。 本開示にかかる実施形態におけるプラネタリギヤユニットを軸に対して垂直な方向から視た側面図。 図5のBB間におけるプラネタリギヤユニットの矢視断面図。 図5のCC間におけるプラネタリギヤユニットの矢視断面図。 図7のDD間におけるプラネタリギヤユニットの矢視断面図。 図7のEE間におけるプラネタリギヤユニットの矢視断面図。 図7のFF間におけるプラネタリギヤユニットの矢視断面図。 (a)第1方向に沿ってプラネタリギヤ機構を見た場合における潤滑油を吐出する開口とギヤとの位置関係を示す模式図、(b)第2方向に沿ってプラネタリギヤ機構を見た場合における潤滑油を吐出する開口とギヤとの位置関係を示す模式図。 (a)サンギヤとプラネタリギヤが噛み合っている状態を示す側面模式図、(b)サンギヤおよびプラネタリギヤを第1方向に沿って視た場合の模式図。 本開示にかかる実施形態における潤滑システムの制御動作を示すフロー図。
本開示にかかる実施形態のプラネタリギヤ機構を有する潤滑システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態のプラネタリギヤ機構は、例えば、作業機械の駆動系に用いられる。
<構成>
(作業機械1の駆動系2の概要)
図1は、作業機械1の駆動系2を示す模式図である。作業機械1の駆動系2は、エンジン3と、トルクコンバータ4と、トランスミッション5と、トランスファ6と、アクスル7a、7bと、一対のフロントタイヤ8と、一対のリアタイヤ9とを有する。エンジン3は、例えば、ディーゼル式のエンジンである。エンジン3で発生した駆動力は、トルクコンバータ4に伝達される。トルクコンバータ4は、トランスミッション5にエンジン3で発生した駆動力を伝達する。
トランスミッション5は、トルクコンバータ4を介して伝達されるエンジン3の駆動力を減速してトランスファ6に伝達する。本実施形態のプラネタリギヤ機構11(後述する)は、例えばトランスミッション5の減速機として用いられる。
トランスファ6は、トランスミッション5から伝達された駆動力を前後のアクスル7a、7bに分配する。前側のアクスル7aには、一対のフロントタイヤ8が接続されている。一対のフロントタイヤ8は、前側のアクスル7aに分配されたエンジン3からの動力によって回転する。後側のアクスル7bには、一対のリアタイヤ9が接続されている。一対のリアタイヤ9は、後側のアクスル7bに分配されたエンジン3からの動力によって回転する。
作業機械1は、プラネタリギヤ機構11のギヤを潤滑する潤滑システム10を有している。図2は、潤滑システム10の構成を示すブロック図である。潤滑システム10は、プラネタリギヤ機構11と、ポンプ12と、切り替えバルブ13と、回転センサ14と、コントローラ15と、を有する。
ポンプ12は、潤滑油を貯留するタンク16からプラネタリギヤ機構11に潤滑油を供給する。詳しくは後述するが、プラネタリギヤ機構11には、ギヤに潤滑油を供給する複数の供給路が設けられている。切り替えバルブ13は、複数の供給路の間で潤滑油の供給を切り替える。回転センサ14は、ギヤの回転方向を判断するための情報を検出する。コントローラ15は、ポンプ12および切り替えバルブ13を制御する。コントローラ15は、回転センサ14の検出情報に基づいて、切り替えバルブ13を制御する。
(プラネタリギヤ機構11)
図3は、本実施形態のプラネタリギヤ機構11を示す断面図である。
プラネタリギヤ機構11は、入力シャフト21と、サンギヤ22と、プラネタリギヤユニット20と、リングギヤ26と、固定部材27と、出力シャフト28と、ハウジング29と、を備える。
入力シャフト21には、動力が入力される。図1では、エンジン3の動力がトルクコンバータ4を介して入力される。入力シャフト21は、円柱状の部材である。入力シャフト21は、ハウジング29に挿入されている。入力シャフト21は、ハウジング29に配置された軸受け51によって、ハウジング29に対して回転可能に支持されている。図3では、入力シャフト21の中心軸をOとして示す。入力シャフト21は、後述する出力シャフト28と同軸上に配置されている。中心軸Oと平行な方向のうち、入力シャフト21から出力シャフト28に向かう方向を第1方向A1とし、第1方向A1と反対方向であって、出力シャフト28から入力シャフト21に向かう方向を第2方向A2とする。入力シャフト21は、本体部111と、端部112と、を有する。本体部111の第1方向A1側の端に端部112が配置されている。図4は、サンギヤ22近傍を示す拡大図である。端部112は、本体部111の外径よりも小さく形成されている。本体部111と端部112で段差が形成されている。段差の部分に、本体部111は、中心軸Oに対して垂直な端面111aを有する。
サンギヤ22は、入力シャフト21の先端に固定されている。サンギヤ22は、入力シャフト21と同軸上に配置されている。サンギヤ22は、入力シャフト21のハウジング29内に配置された端部112の周囲に配置されている。サンギヤ22は、入力シャフト21とともに軸Oを中心として回転する。サンギヤ22は、ハス歯歯車である。サンギヤ22は、ハス歯22bを含む歯面22aを有する。サンギヤ22のハス歯22bは、図3および図4において二点鎖線で示されている。ハス歯22bは、軸Oに対して傾斜している。
プラネタリギヤユニット20は、図3に示すように、サンギヤ22の外側を覆うように配置されている。図5は、軸Oに沿ってA1側から視たプラネタリギヤユニット20の正面図である。図6は、プラネタリギヤユニット20の側面図である。図7は、図5のBB間におけるプラネタリギヤユニット20の矢視断面図である。図8は、図5のCC間におけるプラネタリギヤユニット20の矢視断面図である。図9は、図7のDD間におけるプラネタリギヤユニット20の矢視断面図である。図10は、図8のEE間におけるプラネタリギヤユニット20の矢視断面図である。図11は、図8のFF間におけるプラネタリギヤユニット20の矢視断面図である。
プラネタリギヤユニット20は、図5および図6に示すように、複数のプラネタリギヤ23と、ピニオンシャフト24(図7参照)と、プラネタリキャリア25と、を有する。プラネタリギヤユニット20の複数のプラネタリギヤ23は、サンギヤ22の外周側に配置されており、サンギヤ22と噛み合っている。
本実施形態では、図5に示すように、3つのプラネタリギヤ23が設けられている。プラネタリギヤ23は、ハス歯歯車である。図3に示すように、プラネタリギヤ23は、ハス歯23bを含む歯面23aを有する。プラネタリギヤ23のハス歯23bは、図3において二点鎖線で示されている。ハス歯23bは、軸Oに対して傾斜している。プラネタリギヤ23は、ピニオンシャフト24に回転可能に支持されている。プラネタリギヤ23は、軸Oと平行な方向を中心に回転する。
図7および図8に示すように、ピニオンシャフト24は、プラネタリギヤ23の中心に挿入されている。ピニオンシャフト24の周囲には軸受け52が配置されている。軸受け52の周囲にはプラネタリギヤ23が配置されている。軸受け52によって、プラネタリギヤ23はピニオンシャフト24に対して回転することができる。図9に示すように、ピニオンシャフト24は、各々のプラネタリギヤ23に対して設けられている。本実施形態では、3つのプラネタリギヤ23に対応して、3つのピニオンシャフト24が設けられている。
プラネタリキャリア25は、複数のピニオンシャフト24を支持する。複数のピニオンシャフト24は、図7および図8に示すように、プラネタリキャリア25に固定されている。図6に示すように、プラネタリキャリア25は、第1キャリアディスク31(第1支持壁の一例)と、第2キャリアディスク32(第2支持壁の一例)と、複数のキャリア柱33(連結部の一例)と、第1キャリアボス34と、第2キャリアボス35とを、有している。
第1キャリアディスク31は、円盤状である。図7に示すように、第1キャリアディスク31には、複数のピニオンシャフト24の第1端241(第2方向A2側の端)が固定されている。第1キャリアディスク31は、複数のプラネタリギヤ23の第2方向A2側に配置されている。第1キャリアディスク31には、中心軸Oに沿って貫通孔が形成され、貫通孔に入力シャフト21が挿入されている。
第2キャリアディスク32は、円盤状である。第2キャリアディスク32には、複数のピニオンシャフト24の第2端242(第1方向A1側の端)が固定されている。第2キャリアディスク32は、複数のプラネタリギヤ23の第1方向A1側に配置されている。第2キャリアディスク32には、中心軸Oに沿って貫通孔が形成され、貫通孔に出力シャフト28が挿入されている。
図7および図8に示すように、複数のキャリア柱33は、第1キャリアディスク31と第2キャリアディスク32の間に配置されている。複数のキャリア柱33は、第1キャリアディスク31と第2キャリアディスク32の間を繋ぐ。キャリア柱33は、周方向Hにおいてプラネタリギヤ23の間に配置されている。
キャリア柱33は、図9~図11に示すように、隣り合うプラネタリギヤ23の間に配置されている。キャリア柱33は、図7および図8に示すように、第1キャリアディスク31と接続される第1端部331と、第2キャリアディスク32と接続される第2端部332と、を有する。
ここで、説明のために複数のプラネタリギヤ23を区別して説明する際には、図9に示す右上方のプラネタリギヤ23を23cとし、左上方のプラネタリギヤ23を23dとし、下方のプラネタリギヤ23を23eとする。なお、図では、符号23の後の括弧内に23c、23d、23eを示す。
また、説明のために複数のキャリア柱33を区別して説明する際には、図9に示すように、プラネタリギヤ23cとプラネタリギヤ23dの間のキャリア柱33を33cとし、プラネタリギヤ23dとプラネタリギヤ23eの間のキャリア柱33を33dとし、プラネタリギヤ23eとプラネタリギヤ23cの間のキャリア柱33を33eとする。なお、図では、符号33の後の括弧内に33c、33d、33eを示す。
また、第1方向A1に沿って視てプラネタリギヤ23の回転方向のうち左回転方向を矢印G1(図9参照)で示し、右回転方向を矢印G2(図11参照)で示す。また、図9に示すように、軸Oを中心として周方向Hのうち左周方向を矢印H1で示し、右周方向を矢印H2で示す。サンギヤ22の回転方向のうち左回転方向を矢印L(図11参照)で示し、右回転方向を矢印R(図9参照)で示す。
キャリア柱33cと、キャリア柱33dと、キャリア柱33eの形状は、軸Oを中心として回転対称に配置されている。そのため、キャリア柱33cを例に挙げて、キャリア柱33の形状について説明する。
図7~図11に示すように、キャリア柱33cは、中心Oから径方向外側に向かって周方向の両側のプラネタリギヤ23の外縁に沿って広がるように形成されている。キャリア柱33cと、キャリア柱33cの左周方向H1側に配置されているプラネタリギヤ23dとの間には、所定の間隔d1の流路S1が設けられている。キャリア柱33cと、キャリア柱33cの右周方向H2側に配置されているプラネタリギヤ23cとの間には、所定の間隔d2の流路S2が設けられている。詳しくは後述するが、潤滑油は、流路S1または流路S2を通ってプラネタリギヤユニット20の外部に排出される。
キャリア柱33cは、図7および図8に示すように、軸Oに対して傾斜するように形成されている。周方向においてキャリア柱33cの第1端部331の位置は、第2端部332の位置よりも右周方向H2側に配置されている。
図7および図8に示すように、キャリア柱33cは、第2端部332から第1端部331に向かって、プラネタリギヤ23dから徐々に遠ざかっている。流路S1は、第2端部332から第1端部331に向かうに従って間隔d1が徐々に広くなるように形成されている。流路S1のうち、第1端部331側の部分が流路部分S11で示され、第2端部332側の部分が流路部分S12で示されている。流路部分S11の方が流路部分S12よりも間隔d1が広くなるようにキャリア柱33が形成されている。
キャリア柱33cは、第1端部331から第2端部332に向かって、プラネタリギヤ23cから徐々に遠ざかっている。流路S2は、第1端部331から第2端部332に向かうに従って間隔d2が徐々に広くなるように形成されている。流路S2のうち、第1端部331側の部分が流路部分S21で示され、第2端部332側の部分が流路部分S22で示されている。流路部分S22の方が流路部分S21よりも間隔d2が広くなるようにキャリア柱33が形成されている。
図7に示すDD断面の位置は、キャリア柱33の第1端部331の側を切断する位置である。そのため、図9は、キャリア柱33の第1端部331の側における断面を示す。図9に示すように、DD断面における流路S1の間隔d1は流路S2の間隔d2よりも広くなっている。
図7に示すEE断面の位置は、キャリア柱33の中央を切断する位置である。そのため、図10は、キャリア柱33の中央における断面を示す。図10に示すように、EE断面における流路S1の間隔d1は、流路S2の間隔d2と同等になっている。
図7に示すFF断面の位置は、キャリア柱33の第2端部332の側を切断する位置である。そのため、図11は、キャリア柱33の第2端部332の側における断面を示す。図11に示すように、FF断面における流路S2の間隔d2は、流路S1の間隔d1よりも広くなっている。
なお、上述したようにキャリア柱33dは、軸Oを中心にしてキャリア柱33cを120度、左周方向H1側に回転させた形状となっている。また、キャリア柱33eは、軸Oを中心にしてキャリア柱33cを240度、左周方向H1側に回転させた形状となっている。
第1キャリアボス34は、図6に示すように、第1キャリアディスク31から第2方向A2に向かって突出している。第1キャリアボス34の内側には、図3に示すように、入力シャフト21が挿入されている。
第2キャリアボス35は、図6に示すように、第2キャリアディスク32から第1方向A1に向かって突出している。第2キャリアボス35の内側には、図3に示すように、出力シャフト28が挿入されている。
第1キャリアボス34は、軸受け53を介してハウジング29に回転可能に支持されている。第2キャリアボス35は、軸受け54を介してハウジング29に回転可能に支持されている。
リングギヤ26は、図3に示すように、複数のプラネタリギヤ23の周囲に配置されている。リングギヤ26は円環状である。リングギヤ26の内周面には、プラネタリギヤ23のハス歯23bと噛み合うハス歯を有する歯面26aが形成されている。リングギヤ26は、固定部材27を介してハウジング29に固定されている。
固定部材27は、環状である。固定部材27は、リングギヤ26の外周側に配置されている。固定部材27は、ハウジング29に固定されている。固定部材27は、リングギヤ26の外周に配置された歯と噛み合っている。
出力シャフト28は、入力シャフト21と同軸上(中心軸O上)に配置されている。出力シャフト28は、プラネタリキャリア25にスプラインの歯で噛み合っている。出力シャフト28は、ハウジング29に配置された複数の軸受け55によってハウジング29に対して回転可能に支持されている。プラネタリキャリア25および第2キャリアディスク32の各々には、軸Oに沿って貫通孔が形成されている。出力シャフト28は、これらの貫通孔に挿入されて、第2キャリアディスク32および第2キャリアボス35に固定されている。
ハウジング29は、サンギヤ22と、複数のプラネタリギヤ23と、ピニオンシャフト24と、プラネタリキャリア25と、リングギヤ26と、固定部材27と、を収容する。
ハウジング29には、入力シャフト21と出力シャフト28が挿入されている。
ハウジング29は、図3に示すように、第1支持部41と、第2支持部42と、第3支持部43と、第4支持部44と、を有する。
第1支持部41は、第1キャリアディスク31の第2方向A2側に配置されている。第1支持部41は、壁部411と、突出部412と、を有する。壁部411は、第1キャリアディスク31と平行に配置されている。壁部411は、第1キャリアボス34の周囲に配置されている。突出部412は、壁部411から第2方向A2に向かって突出している。突出部412には、入力シャフト21が挿入される貫通孔が形成されている。突出部の貫通孔の内壁と入力シャフト21の間に軸受け51が配置されている。これにより、ハウジング29は、入力シャフト21を回転可能に支持する。壁部411は、軸Oに沿った貫通孔を有する。この貫通孔に第1キャリアボス34が挿入されている。壁部411の貫通孔の内壁と第1キャリアボス34の間に軸受け53が配置されている。これにより、第1支持部41は、第1キャリアボス34を回転可能に支持する。
第2支持部42は、第2キャリアディスク32の第1方向A1側と、リングギヤ26の径方向外側を覆うように配置されている。第2支持部42は、壁部421と、外縁部422と、を有する。壁部421は、第2キャリアディスク32の第1方向A1側に配置されている。壁部421は、軸Oに沿った貫通孔を有する。この貫通孔に第2キャリアボス35が挿入されている。第2支持部42は、第2キャリアボス35を回転可能に支持する。壁部421の貫通孔の内壁と第2キャリアボス35の間に軸受け54が配置されている。
外縁部422は、壁部421の外周側の端から第2方向A2に向かって延びる。外縁部422の第2方向A2側の端は、壁部411の外周部分と接続されている。
第1支持部41が第1キャリアボス34を回転可能に支持し、第2支持部42が第2キャリアボス35を回転可能に支持することによって、プラネタリキャリア25はハウジング29に回転可能に支持される。
第3支持部43は、第2支持部42の第1方向A1側に配置されている。第3支持部43は、第2支持部42に固定されている。第3支持部43は、軸Oに沿った貫通孔を有する。貫通孔には、出力シャフト28が挿入されている。貫通孔の内壁と出力シャフト28の間には、複数の軸受け55が配置されている。これにより、第3支持部43は、出力シャフト28を回転可能に支持する。
第4支持部44は、第3支持部43の第1方向A1側に配置されている。第4支持部44は、第3支持部43に固定されている。第4支持部44は、軸Oに沿った貫通孔を有する。貫通孔には、出力シャフト28が挿入されている。
(供給路61~64)
次に、サンギヤ22、プラネタリギヤ23およびリングギヤ26に潤滑油を供給する供給路61~64について説明する。図3に示すように、プラネタリギヤ機構11は、供給路61~64を更に有する。
供給路61は、サンギヤ22の第2方向A2側に配置されている。供給路61は、サンギヤ22の歯面22aに向かって潤滑油を吐出するように形成されている。供給路61は、入力シャフト21に配置されている。供給路61は、図4に示すように、第1部分611と、複数の第2部分612と、複数の第3部分613と、を含む。
第1部分611は、入力シャフト21の本体部111の中心軸に沿って配置されている。複数の第2部分612は、第1部分611の第1方向A1側の端から径方向外側に向かって形成されている。第3部分613は、各々の第2部分612の径方向外側の端から第1方向A1に形成され、本体部111の端面111aに開口61aを有する。開口61aは、図4に示すように、軸Oに沿った方向において、サンギヤ22のハス歯22bと対向するように配置されている。開口61aは、第1方向A1に沿って視た場合に歯面22aと重なるように配置されている。
図12(a)は、第1方向A1に沿ってプラネタリギヤ機構11を見た場合における潤滑油を吐出する開口とギヤとの位置関係を示す模式図である。図12(a)および後述の図12(b)では、分かり易くするために開口を大きく示している。図12(a)に示すように、複数の第3部分613の開口61aは、軸Oを中心として周方向に沿って配置されている。開口61aは、軸Oを中心として、等間隔に配置されている。開口61aの数は、プラネタリギヤ23の数と同じ数に設定されている。第1部分611から第1方向A1に供給された潤滑油は、複数の第2部分612に分かれて第3部分613を通って複数の開口61aから歯面22aに向かって吐出される。
供給路62は、図3に示すように、サンギヤ22の第1方向A1側に配置されている。供給路62は、サンギヤ22の歯面22aに向かって潤滑油を吐出するように形成されている。供給路62は、図3に示すように、出力シャフト28およびハウジング29に配置されている。供給路62は、第1部分621と、第2部分622と、第3部分623と、第4部分624と、第5部分625と、第6部分626と、を有する。
第1部分621は、第4支持部44に配置されている。第1部分621は、第4支持部44の外面から出力シャフト28まで形成されている。第2部分622は、出力シャフト28の外周面に周方向に沿って形成された溝である。第1部分621は、溝である第2部分622に繋がっている。第3部分623は、第2部分622から出力シャフト28の中心軸に向かって形成されている。第4部分624は、第3部分623の中心側の端から、図4に示すように、出力シャフト28の第2方向A2側の端面28a近傍まで形成されている。第5部分625は、第4部分624の第2方向A2側の端から径方向外側に向かって形成されている。第6部分626は、第5部分625の径方向外側の端から第2方向A2に形成されている。第6部分626は、出力シャフト28の第2方向A2側の端面28aに開口62aを有する。開口62aは、図4に示すように、軸Oに沿った方向においてサンギヤ22のハス歯22bと対向するように配置されている。開口62aは、第2方向A2に沿って視た場合に歯面22aと重なるように配置されている。図12(b)は、第2方向A2に沿ってプラネタリギヤ機構11を見た場合における潤滑油を吐出する開口とギヤとの位置関係を示す模式図である。図12(b)に示すように、開口62aは、出力シャフト28の端面28aの1か所に配置されている。
潤滑油は、第1部分621、第2部分622、第3部分623、第4部分624、第5部分625および第6部分626を通って開口62aから歯面22aに向かって吐出される。
供給路63は、図3に示すように、リングギヤ26の第2方向A2側に配置されている。供給路63は、リングギヤ26の歯面26aに向かって潤滑油を吐出するように形成されている。供給路63は、ハウジング29に配置されている。供給路63は、第1支持部41の壁部411に配置されている。供給路63は、壁部411の外面から内面まで形成されている。供給路63は、軸Oと平行に配置されている。供給路63は、壁部411の内面に開口63aを有する。開口63aは、軸Oに沿った方向においてリングギヤ26の内側のハス歯と対向するように配置されている。開口63aは、第1方向A1に沿って視て、歯面26aと重なるように配置されている。図12(a)に示すように、開口63aは、例えば、リングギヤ26の歯面26aの最上部に1か所設けられている。
供給路64は、図3に示すように、リングギヤ26の第1方向A1側に配置されている。供給路64は、リングギヤ26の歯面26aに向かって潤滑油を吐出するように形成されている。供給路64は、ハウジング29に配置されている。供給路64は、第2支持部42の壁部421に配置されている。供給路64は、第2支持部42の外面から内面まで形成されている。供給路64は、第1部分641と、第2部分642と、を有する。第1部分641は、壁部421の外周面から内側(軸Oの方向)に向かって、軸Oに対して垂直に配置されている。第2部分642は、第1部分641の内側の端から第2方向A2に向かって配置されている。第2部分642は、壁部421の内周面に開口64aを有する。開口64aは、軸Oに沿った方向においてリングギヤ26の内側のハス歯と対向するように配置されている。開口64aは、軸Oに沿った方向において開口63aと対向する。開口64aは、第2方向A2に沿って視て、歯面26aと重なるように配置されている。図12(b)に示すように、開口64aは、例えば、リングギヤ26の歯面26aの最上部に1か所設けられている。
(切り替えバルブ13)
切り替えバルブ13は、ポンプ12から送られる潤滑油をギヤに供給する供給路を切り替える。図2に示すように、ポンプ12とタンク16の間は、第1管路71によって接続されている。切り替えバルブ13とポンプ12との間は第2管路72によって接続されている。切り替えバルブ13には、第3管路73と第4管路74が接続されている。第3管路73は、プラネタリギヤ機構11の供給路61と供給路63に接続されている。第4管路74は、プラネタリギヤ機構11の供給路62と供給路64に接続されている。
切り替えバルブ13は、第2管路72の接続先を、第3管路73と第4管路74の間で切り替える。切り替えバルブ13によって第2管路72と第3管路73が接続された場合、潤滑油はプラネタリギヤ機構11の供給路61と供給路63に供給される。また、切り替えバルブ13によって第2管路72と第4管路74が接続された場合、潤滑油はプラネタリギヤ機構11の供給路62と供給路64に供給される。
プラネタリギヤ機構11とタンク16の間は、第5管路75によって接続されている。図2および図3に示すように、プラネタリギヤ機構11から排出された潤滑油がタンク16に戻される。
(回転センサ14)
回転センサ14は、サンギヤ22の回転方向を判断するための情報を検出する。回転センサ14は、検出情報をコントローラ15に送信する。回転センサ14としては、例えばロータリーエンコーダを用いることができる。
サンギヤ22の回転方向を判断するための情報としては、他に、入力シャフト21または出力シャフト28の回転方向の情報であってもよいし、作業機械1の前後進切り替えレバーの位置の情報であってもよい。前後進切り替えレバーが前進の位置にあるときは、サンギヤ22が所定方向に回転し、後進位置にあるときは、サンギヤ22が所定方向とは反対方向に回転していると判断できる。
(コントローラ15)
コントローラ15は、CPUなどのプロセッサを含む。プロセッサは、ポンプ12および切り替えバルブ13の制御のための処理を行う。コントローラ15は、記憶装置を含む。記憶装置は、RAM或いはROMなどのメモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)或いはSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置を含む。記憶装置は、ポンプ12および切り替えバルブ13の制御のためのデータ及びプログラムを記憶している。
コントローラ15は、回転センサ14の検出情報に基づいて切り替えバルブ13を制御する。コントローラ15は、回転センサ14の検出情報を受信すると、サンギヤ22の回転方向を判断し、判断した回転方向に応じて切り替えバルブ13を切り替えて、供給路61と供給路63、または供給路62と供給路64から潤滑油を吐出する。
ハス歯歯車の回転と潤滑油の流れについて説明する。図13(a)は、サンギヤ22とプラネタリギヤ23が噛み合っている状態を示す側面模式図である。説明を分かり易くするためにプラネタリギヤ23の大きさおよび形状は図3と異なっている。図13(b)は、サンギヤ22およびプラネタリギヤ23を第1方向A1に沿って視た場合の模式図である。
図13(b)に示す左回転方向Lにサンギヤ22が回転した場合、複数のプラネタリギヤ23は右回転方向G2に回転する。サンギヤ22のハス歯22bの形状およびプラネタリギヤ23のハス歯23bの形状によって、潤滑油は、歯面22aと歯面23a上を図13(a)に示す第1方向A1に向かって流動する。潤滑油は、図7に示すキャリア柱33の第1端部331側から第2端部332側に向かって流動する。第2端部332側に向かった潤滑油は、図11に示すように、プラネタリギヤ23の右回転方向G2への回転に伴って、流路S2を通ってプラネタリギヤユニット20の外側に向かって排出される。図11に太い矢印で潤滑油の排出方向が示されている。潤滑油は第2端部332側に移動し、プラネタリギヤ23の回転に伴って流路S2から排出されるため、流路S2のうち流路部分S22を主に流れる。流路部分S22は、流路S2において間隔d2が広く形成されているため、潤滑油が排出されやすく、したがって潤滑油による回転ロスを低下させることができる。このように、プラネタリギヤ23が右回転方向G2に回転した場合、キャリア柱33c、33d、33eの各々の右周方向H2側の流路S2における第2端部332側の流路部分S22を主に通って潤滑油が排出される。
なお、図7および図8に示すように、流路S2の流路部分S21は、潤滑油の流動方向の上流側であり潤滑油が流れる量が少ないため流路の間隔d2を広げる必要がない。そのため、流路部分S21の間隔d2を流路部分S22よりも狭く形成することで、キャリア柱33の断面積を増やし、プラネタリキャリア25の強度を確保することができる。また、図11に示すように、プラネタリギヤ23が右回転方向G2へ回転した場合、プラネタリギヤ23の流路S1に面する部分は、軸Oに向かって移動しているため、潤滑油が外側に向かって流動しない。そのため、流路S1の流路部分S11の間隔d1を狭く設定し、キャリア柱33の断面積を増やすことによってプラネタリキャリア25の強度を確保することができる。
一方、図13(b)に示す右回転方向Rにサンギヤ22が回転した場合、複数のプラネタリギヤ23は左回転方向G1に回転する。サンギヤ22のハス歯22bの形状およびプラネタリギヤ23のハス歯23bの形状によって、潤滑油は歯面22aと歯面23aの上を図13(a)に示す第2方向A2に向かって流動する。潤滑油は、図7に示すキャリア柱33の第2端部332から第1端部331に向かって流動する。第1端部331側に移動した潤滑油は、図9に示すように、プラネタリギヤ23の左回転方向G1への回転に伴って、流路S1を通ってプラネタリギヤユニット20の外側に向かって排出される。図9に太い矢印で潤滑油の排出方向が示されている。図9に示すように、潤滑油は第1端部331側に移動し、プラネタリギヤ23の回転に伴って流路S1から排出されるため、流路S1のうち流路部分S11を主に流れる。流路部分S11は、流路S1において間隔d1が広く形成されているため、潤滑油が排出されやすく、したがって潤滑油による回転ロスを低下させることができる。
このように、プラネタリギヤ23が左回転方向G1に回転した場合、キャリア柱33c、33d、33eの各々の左周方向H1側の流路S1における第1端部331側の流路部分S11を主に通って潤滑油が排出される。
なお、図7および図8に示すように、流路S1の流路部分S12は、潤滑油の流動方向の上流側であり潤滑油が流れる量が少ないため、流路の間隔d1を広げる必要がない。そのため、流路部分S12の間隔d1を、流路部分S11よりも狭く形成することで、キャリア柱33の断面積を増やし、プラネタリキャリア25の強度を確保することができる。また、図9に示すように、プラネタリギヤ23が左回転方向G1へ回転した場合、プラネタリギヤ23の流路S2に面する部分は、軸Oに向かって移動しているため、潤滑油が外側に向かって流動しない。そのため、流路S2の流路部分S21の間隔d2を流路部分S11の間隔d1よりも狭く形成し、キャリア柱33の断面積を増やしてプラネタリキャリア25の強度を確保することができる。
サンギヤ22が左回転方向Lに回転した場合は、第1方向A1に潤滑油が流動するため、流動する方向の上流側であるサンギヤ22の第2方向A2側から第1方向A1に向かうように潤滑油を供給することにより、歯面22a、23a上に常時潤滑油を供給することができる。また、サンギヤ22が右回転方向Rに回転した場合は、第2方向A2に潤滑油が流動するため、流動方向の上流側であるサンギヤ22の第1方向A1側から第2方向A2に向かうように潤滑油を供給することにより、歯面22a、23a上に常時潤滑油を供給することができる。
なお、リングギヤ26とプラネタリギヤ23の間においても、サンギヤ22が左回転方向Lに回転した場合、潤滑油が第1方向A1に流動し、サンギヤ22が右回転方向Rに回転した場合、潤滑油が第2方向A2に流動する。
このため、コントローラ15は、回転センサ14の検出情報に基づいてサンギヤ22の回転方向が左回転方向Lであると判断した場合、切り替えバルブ13を駆動して、第2管路72と第3管路73を接続する。これによりポンプ12によってタンク16から供給された潤滑油は、サンギヤ22の第2方向A2側に位置する供給路61の開口61aからサンギヤ22の歯面22aに向かって吐出される。また、ポンプ12によってタンク16から供給された潤滑油は、リングギヤ26の第2方向A2側に位置する供給路63の開口63aからリングギヤ26の歯面26aに向かって吐出される。
また、コントローラ15は、回転センサ14の検出情報に基づいてサンギヤ22の回転方向が右回転方向Rであると判断した場合、切り替えバルブ13を駆動して、第2管路72と第4管路74を接続する。これによりポンプ12によってタンク16から供給された潤滑油は、サンギヤ22の第1方向A1側に位置する供給路62の開口62aからサンギヤ22の歯面22aに向かって吐出される。ポンプ12によってタンク16から供給された潤滑油は、リングギヤ26の第1方向A1側に位置する供給路64の開口64aからリングギヤ26の歯面26aに向かって吐出される。
<動作>
次に、本実施形態の潤滑システム10の制御動作について説明する。図14は、本実施形態の潤滑システム10の制御動作を示すフロー図である。
はじめに、ステップS101において、コントローラ15は、ポンプ12を駆動する。
次に、ステップS102において、コントローラ15は、回転センサ14の検出情報を受信する。
次に、ステップS103において、コントローラ15は、受信した検出情報に基づいて、サンギヤ22の回転方向を判断する。例えば、コントローラ15は、検出情報からサンギヤ22の回転方向が左回転方向Lであるか否かを判断する。
ステップS103において、回転方向が左回転方向Lであると判断した場合、制御はステップS104に進む。
ステップS104において、コントローラ15は、切り替えバルブ13を駆動して、第2管路72と第3管路73を接続し、制御が終了する。これによりポンプ12の駆動によってタンク16から供給された潤滑油は、サンギヤ22の第2方向A2側に位置する供給路61の開口61aからサンギヤ22の歯面22aに向かって吐出される。吐出された潤滑油は、第1端部331側から第2端部332側に向かう方向(第1方向A1)に流動する。第2端部332側に向かった潤滑油は、プラネタリギヤ23の右回転方向G2への回転に伴って、図11に示すように、流路S2の流路部分S22を主に通ってプラネタリギヤユニット20の外側に排出される。
また、ポンプ12の駆動によってタンク16から供給された潤滑油は、リングギヤ26の第2方向A2側に位置する供給路63の開口63aからリングギヤ26の歯面26aに向かって吐出される。
プラネタリギヤユニット20の外側に排出された潤滑油および開口63aから吐出された潤滑油はハウジング29内から第5管路75を通ってタンク16に戻される。
一方、ステップS103において、回転方向が左回転方向Lでないと判断した場合、回転方向が右回転方向Rであると判断でき、制御はステップS105に進む。
ステップS105において、コントローラ15は、切り替えバルブ13を駆動して、第2管路72と第4管路74を接続し、制御が終了する。これによりポンプ12の駆動によってタンク16から供給された潤滑油は、サンギヤ22の第1方向A1側に位置する供給路62の開口62aからサンギヤ22の歯面22aに向かって吐出される。吐出された潤滑油は、第2端部332側から第1端部331側に向かう方向(第2方向A2)に流動する。第1端部331側に向かった潤滑油は、プラネタリギヤ23の左回転方向G1への回転に伴って、図9に示すように、流路S1の流路部分S11を主に通ってプラネタリギヤユニット20の外側に排出される。
また、ポンプ12の駆動によってタンク16から供給された潤滑油は、リングギヤ26の第1方向A1側に位置する供給路64の開口64aからリングギヤ26の歯面26aに向かって吐出される。
プラネタリギヤユニット20の外側に排出された潤滑油および開口64aから吐出された潤滑油はハウジング29内から第5管路75を通ってタンク16に戻される。
なお、回転センサ14は、サンギヤ22の回転方向に関する情報を常時検出してコントローラ15に送信している。このため、検出情報を受信する毎に回転方向を判断する。例えば、前回受信した検出情報に基づいて判断したサンギヤ22の回転方向と、今回受信した検出情報に基づいて判断したサンギヤ22の回転方向が一致する場合、コントローラ15は切り替えバルブ13を駆動せず、同じ状態を維持すればよい。
(特徴等)
(1)
本実施の形態のプラネタリギヤ機構11は、複数のプラネタリギヤ23と、サンギヤ22と、リングギヤ26と、複数のピニオンシャフト24(シャフトの一例)と、第1キャリアディスク31(第1支持壁の一例)と、第2キャリアディスク32(第2支持壁の一例)と、複数のキャリア柱33(連結部の一例)と、を備える。複数のプラネタリギヤ23は、ハス歯23bを有する。サンギヤ22は、複数のプラネタリギヤ23の内側に配置され、複数のプラネタリギヤ23と噛み合う。リングギヤ26は、複数のプラネタリギヤ23の外側に配置され、複数のプラネタリギヤ23と噛み合う。複数のピニオンシャフト24は、複数のプラネタリギヤ23を回転可能に支持する。第1キャリアディスク31は、複数のピニオンシャフト24の第1端241を支持する。第2キャリアディスク32は、複数のピニオンシャフト24の第1端241とは反対側の第2端242を支持し、第1キャリアディスク31に対向して配置されている。複数のキャリア柱33は、周方向Hにおいて隣り合うプラネタリギヤ23の間に配置され、第1キャリアディスク31と第2キャリアディスク32とを連結する。キャリア柱33は、第1キャリアディスク31と接続される第1端部331と、第2キャリアディスク32と接続される第2端部332と、を有する。キャリア柱33は、キャリア柱33とキャリア柱33の周方向Hにおける左周方向H1方向側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d1が第2端部332側より第1端部331側において広くなるように配置されている。
このように、キャリア柱33は、左周方向H1側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d1が第2端部332側より第1端部331側において広くなるように配置されている。プラネタリギヤ23が左回転方向G1に回転した場合、第2端部332側から第1端部331側に向かって潤滑油が流動する。このため、キャリア柱33とプラネタリギヤ23との間隔d1を、潤滑油の流動方向の下流側で広くできるため、潤滑油を排出しやすくでき、したがって潤滑油による回転ロスを低下させることができる。また、潤滑油の流動方向の上流側は、潤滑油の量が少なくなるため、流路S1の間隔d1を広くする必要がない。そのため、キャリア柱33の断面積を広くでき、プラネタリキャリア25の強度を確保することができる。
(2)
本実施の形態のプラネタリギヤ機構11では、プラネタリギヤ23が左回転方向G1(所定方向の一例)に回転した場合に、キャリア柱33とキャリア柱33の左周方向H1側(第1周方向側の一例)に配置されたプラネタリギヤ23との間において潤滑油は第2端部332側から第1端部331側に向かって流動する。
これにより、キャリア柱33とプラネタリギヤ23との間隔d1を、潤滑油の流動方向の下流側で広くできるため、潤滑油を排出しやすくでき、したがって潤滑油による回転ロスを低下させることができる。
(3)
本実施の形態のプラネタリギヤ機構11では、キャリア柱33は、右周方向H2側(第2周方向側の一例)に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d2が、第1端部331側より第2端部332側において広くなるように配置されている。
これにより、プラネタリギヤ23が左回転方向G1とは反対側の右回転方向G2に回転した場合の潤滑油の流動方向における下流側のキャリア柱33とプラネタリギヤ23との間隔d2を広くすることができ、潤滑油を排出しやすくでき、したがって潤滑油による回転ロスを低下させることができる。また、潤滑油の流動方向の上流側は、潤滑油の量が少なくなるため、流路S2の間隔d2を広くする必要がない。そのため、キャリア柱33の断面積を広くでき、プラネタリキャリア25の強度を確保することができる。
(4)
本実施の形態のプラネタリギヤ機構11では、キャリア柱33の第1端部331は、キャリア柱33の周方向Hにおける左周方向H1方向側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d1が、キャリア柱33の左周方向H1とは反対の右周方向H2側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d2よりも広くなるように配置されている。
このように、キャリア柱33の第1端部331は、左周方向H1方向側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d1が、右周方向H2側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d2よりも広くなるように配置されている。第1端部331の周方向Hにおける両側の流路のうちプラネタリギヤ23の回転によって潤滑油が外側に排出される方の流路S1の第1端部331とプラネタリギヤ23との間隔d1を大きくすることにより、潤滑油を効率よく排出することができ、したがって潤滑油による回転ロスを低下させることができる。また、第1端部331の周方向Hにおける両側の流路のうちプラネタリギヤ23の回転によって潤滑油が外側に排出され難くなる方の流路S2の第1端部331とプラネタリギヤ23との間隔d2を狭くすることにより、キャリア柱33の断面積を大きくできるため、プラネタリキャリア25の強度を確保することができる。
(5)
本実施の形態のプラネタリギヤ機構11では、キャリア柱33の第2端部332は、キャリア柱33の右周方向H2方向側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d2が、キャリア柱33の左周方向H1側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d1よりも広くなるように配置されている。
このように、第2端部332の周方向Hにおける両側の流路のうち、プラネタリギヤ23が左回転方向G1とは反対の右回転方向G2に回転した場合に、プラネタリギヤ23の回転によって潤滑油が外側に排出される流路S2のキャリア柱33とプラネタリギヤ23との間隔d2を大きくしている。このため、潤滑油を効率よく排出することができ、したがって潤滑油による回転ロスを低下させることができる。また、第2端部332の周方向Hにおける両側の流路のうちプラネタリギヤ23の回転によって潤滑油が外側に排出され難い流路S1の第2端部332とプラネタリギヤ23との間隔d1を狭くすることにより、キャリア柱33の断面積を大きくできるため、プラネタリキャリア25の強度を確保することができる。
(6)
本実施形態のプラネタリギヤ機構11は、複数のプラネタリギヤ23と、サンギヤ22と、リングギヤ26と、複数のピニオンシャフト24と、第1キャリアディスク31と、第2キャリアディスク32と、複数のキャリア柱33と、を備える。複数のプラネタリギヤ23は、ハス歯23bを有する。サンギヤ22は、複数のプラネタリギヤ23の内側に配置され、複数のプラネタリギヤ23と噛み合う。リングギヤ26は、複数のプラネタリギヤ23の外側に配置され、複数のプラネタリギヤ23と噛み合う。複数のピニオンシャフト24は、複数のプラネタリギヤ23を回転可能に支持する。第1キャリアディスク31は、複数のピニオンシャフト24の第1端241を支持する。第2キャリアディスク32は、複数のピニオンシャフト24の第1端241とは反対側の第2端242を支持し、第1キャリアディスク31に対向して配置されている。複数のキャリア柱33は、周方向Hにおいて隣り合うプラネタリギヤ23の間に配置され、第1キャリアディスク31と第2キャリアディスク32とを連結する。キャリア柱33は、第1キャリアディスク31と接続される第1端部331と、第2キャリアディスク32と接続される第2端部332と、を有する。キャリア柱33の第1端部331は、キャリア柱33の周方向Hにおける左周方向H1方向側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d1が、キャリア柱33の左周方向H1とは反対の右周方向H2方向側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d2よりも広くなるように配置されている。
このように、キャリア柱33の第1端部331は、左周方向H1方向側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d1が、右周方向H2側に配置されたプラネタリギヤ23との間隔d2よりも広くなるように配置されている。第1端部331の周方向Hにおける両側の流路のうちプラネタリギヤ23の回転によって潤滑油が外側に排出される流路S1の第1端部331とプラネタリギヤ23との間隔d1を大きくすることにより、潤滑油を効率よく排出することができ、したがって潤滑油による回転ロスを低下させることができる。また、第1端部331の周方向Hにおける両側の流路のうちプラネタリギヤ23の回転によって潤滑油が外側に排出され難くなる流路S2の第1端部331とプラネタリギヤ23との間隔d2を狭くすることにより、キャリア柱33の断面積を大きくできるため、プラネタリキャリア25の強度を確保することができる。
(7)
本実施の形態のプラネタリギヤ機構11では、プラネタリギヤ23が左回転方向G1に回転した場合に、キャリア柱33とキャリア柱33の左周方向H1方向側に配置されたプラネタリギヤ23との間において潤滑油は第2端部332側から第1端部331側に向かって流動する。
これにより、キャリア柱33とプラネタリギヤ23との間隔d1を、潤滑油の流動方向の下流側で広くできるため、潤滑油を排出しやすくでき、したがって潤滑油による回転ロスを低下させることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)
上記実施の形態では、プラネタリギヤ23が左回転方向G1と右回転方向G2の双方に回転するため、流路S1と流路S2の双方とも第1端部331側と第2端部332側において間隔が異なるように形成されているが、これに限らなくてもよい。例えば、プラネタリギヤ23が主に左回転方向G1に回転し、右回転方向G2に回転する頻度が少ない場合には、流路S2を通る潤滑油の量が少ないため、流路S2は、間隔d2が狭く第1端部331側と第2端部332側の間隔が同じ長さに設定されていてもよい。
(B)
上記実施形態のプラネタリギヤ機構11では、プラネタリギヤ23およびキャリア柱33は3つ配置されているが、これに限られるものではなく、4つ以上であってもよい。
(C)
上記実施形態では、リングギヤ26がハウジング29に固定されており、サンギヤ22とプラネタリギヤ23がハウジング29に対して回転し、動力がサンギヤ22に入力されてプラネタリキャリア25から出力されているが、これに限らなくてもよい。例えば、ハウジング29に対してプラネタリキャリア25を固定し、サンギヤ22とリングギヤ26を回転させ、リングギヤから動力が出力されてもよい。
(D)
上記実施の形態では、流路S1は、第2端部332側から第1端部331側に向かって間隔d1が徐々に広がっているが、これに限らず、段階的に広がってもよい。同様に、流路S2は、第1端部331側から第2端部332側に向かって間隔d2が徐々に広がっているが、これに限らず、段階的に広がってもよい。
(E)
上記実施形態の作業機械1は、フロントタイヤおよびリアタイヤが設けられたホイールローダ、およびフォークリフト等を例として挙げることができるが、これに限らず、履帯を有するショベルおよびブルドーザ等も挙げることができる。
本開示によれば、潤滑油が排出され易く、且つ強度を確保することが可能なプラネタリギヤ機構を提供することができる
20 :プラネタリギヤユニット
23 :プラネタリギヤ
31 :第1キャリアディスク
32 :第2キャリアディスク
33 :キャリア柱
331 :第1端部
332 :第2端部

Claims (6)

  1. ハス歯を有する複数のプラネタリギヤと、
    前記複数のプラネタリギヤの内側に配置され、前記複数のプラネタリギヤと噛み合うサンギヤと、
    前記複数のプラネタリギヤの外側に配置され、前記複数のプラネタリギヤと噛み合うリングギヤと、
    前記複数のプラネタリギヤを回転可能に支持する複数のシャフトと、
    前記複数のシャフトの第1端を支持する第1支持壁と、
    前記複数のシャフトの前記第1端とは反対側の第2端を支持し、前記第1支持壁に対向して配置された第2支持壁と、
    周方向において隣り合う前記プラネタリギヤの間に配置され、前記第1支持壁と前記第2支持壁とを連結する複数の連結部と、
    を備え、
    前記連結部は、前記第1支持壁と接続される第1端部と、前記第2支持壁と接続される第2端部と、を有し、
    前記連結部は、前記連結部と前記連結部の前記周方向における第1周方向側に配置された前記プラネタリギヤとの間隔が前記第2端部側より前記第1端部側において広くなるように配置され、
    前記連結部は、前記連結部と前記第1周方向とは反対側の第2周方向側に配置された前記プラネタリギヤとの間隔が、前記第1端部側より前記第2端部側において広くなるように配置されている、
    プラネタリギヤ機構。
  2. 前記プラネタリギヤが所定方向に回転した場合に、前記連結部と前記連結部の前記第1周方向側に配置された前記プラネタリギヤとの間において潤滑油は前記第2端部側から前記第1端部側に向かって流動する、
    請求項1に記載のプラネタリギヤ機構。
  3. 前記連結部の前記第1端部は、前記連結部の前記第1周方向側に配置された前記プラネタリギヤとの間隔が、前記連結部の前記第2周方向側に配置された前記プラネタリギヤとの間隔よりも広くなるように配置されている、
    請求項に記載のプラネタリギヤ機構。
  4. 前記連結部の前記第2端部は、前記連結部の前記第2周方向側に配置された前記プラネタリギヤとの間隔が、前記連結部の前記第1周方向側に配置された前記プラネタリギヤとの間隔よりも広くなるように配置されている、
    請求項に記載のプラネタリギヤ機構。
  5. ハス歯を有する複数のプラネタリギヤと、
    前記複数のプラネタリギヤの内側に配置され、前記複数のプラネタリギヤと噛み合うサンギヤと、
    前記複数のプラネタリギヤの外側に配置され、前記複数のプラネタリギヤと噛み合うリングギヤと、
    前記複数のプラネタリギヤを回転可能に支持する複数のシャフトと、
    前記複数のシャフトの第1端を支持する第1支持壁と、
    前記複数のシャフトの前記第1端とは反対側の第2端を支持し、前記第1支持壁に対向して配置された第2支持壁と、
    周方向において隣り合う前記プラネタリギヤの間に配置され、前記第1支持壁と前記第2支持壁とを連結する複数の連結部と、を備え、
    前記連結部は、前記第1支持壁と接続される第1端部と、前記第2支持壁と接続される第2端部と、を有し、
    前記連結部の前記第1端部は、前記連結部の前記周方向における第1周方向側に配置された前記プラネタリギヤとの間隔が、前記連結部の前記第1周方向とは反対側の第2周方向側に配置された前記プラネタリギヤとの間隔よりも広くなるように配置されている、
    プラネタリギヤ機構。
  6. 前記プラネタリギヤが所定方向に回転した場合に、前記連結部と前記連結部の前記第1周方向側に配置された前記プラネタリギヤとの間において潤滑油は前記第2端部側から前記第1端部側に向かって流動する、
    請求項に記載のプラネタリギヤ機構。
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