JP7832027B2 - 支持シート、及びワーク加工物の製造方法 - Google Patents
支持シート、及びワーク加工物の製造方法Info
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Description
[1].支持シートであって、前記支持シートは、基材と、前記基材の一方の面上に設けられた粘着剤層と、を備え、前記一方の面がマット面であり、前記粘着剤層が、エネルギー線硬化性化合物を含有し、かつエネルギー線硬化性であり、23℃での前記エネルギー線硬化性化合物の粘度が、350mPa・s以下であり、前記支持シートを、前記粘着剤層によってシリコンミラーウエハのミラー面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層をエネルギー線硬化させ、前記粘着剤層のエネルギー線硬化物と、前記シリコンミラーウエハと、の間の粘着力(X1)を測定したとき、前記粘着力(X1)が400mN/25mm以下である、支持シート。
[2].前記粘着剤層が、さらに、エネルギー線硬化性アクリル樹脂を含有する、[1]に記載の支持シート。
[3]. 前記支持シートを、前記粘着剤層によってステンレス鋼板の表面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層と、前記ステンレス鋼板と、の間の粘着力(Y2)を測定したとき、前記粘着力(Y2)が13000mN/25mm以上である、[1]又は[2]に記載の支持シート。
[4].前記支持シートを、前記粘着剤層によってステンレス鋼板の表面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層をエネルギー線硬化させ、前記粘着剤層のエネルギー線硬化物と、前記ステンレス鋼板と、の間の粘着力(Y1)を測定したとき、前記粘着力(Y1)が300mN/25mm以上である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の支持シート。
[6].前記支持シートの、400~800nmの波長域での光透過率の平均値が、80%以上である、[1]~[5]のいずれか一項に記載の支持シート。
[7].ワーク加工物の製造方法であって、前記製造方法は、[1]~[6]のいずれか一項に記載の支持シート中の前記粘着剤層を、ワークとリングフレームに貼付することにより、前記ワークと、前記ワークに設けられた前記支持シートと、を備えた支持シート付きワークを、前記リングフレームに固定する貼付工程と、前記貼付工程の後に、前記リングフレームに固定した前記支持シート中の前記粘着剤層を加熱する加熱工程と、前記貼付工程の後に、前記リングフレームに固定した前記支持シート付きワーク中の前記ワークを加工することにより、前記ワーク加工物を作製する加工工程と、前記加熱工程及び加工工程の後に、前記リングフレームに貼付した前記粘着剤層をエネルギー線硬化させる硬化工程と、前記硬化工程の後に、前記粘着剤層の硬化物から前記ワーク加工物を引き離してピックアップするピックアップ工程と、を有する、ワーク加工物の製造方法。
本発明の一実施形態に係る支持シートは、基材と、前記基材の一方の面上に設けられた粘着剤層と、を備え、前記一方の面がマット面であり、前記粘着剤層が、エネルギー線硬化性化合物(本明細書においては、「エネルギー線硬化性化合物(α)」と称することがある)を含有し、かつエネルギー線硬化性であり、23℃での前記エネルギー線硬化性化合物の粘度が、350mPa・s以下であり、前記支持シートを、前記粘着剤層によってシリコンミラーウエハのミラー面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層をエネルギー線硬化させ、前記粘着剤層のエネルギー線硬化物と、前記シリコンミラーウエハと、の間の粘着力(X1)(本明細書においては、単に「粘着力(X1)」と称することがある)を測定したとき、前記粘着力(X1)が400mN/25mm以下である。
本実施形態の支持シートは、例えば、後述するように、保護膜形成フィルムと積層することで、保護膜形成用複合シートを構成できる。
このように、基材のマット面の粘着剤層による埋め込み性が高いことによって、支持シートの可視光領域での光透過率の平均値が高くなるため、支持シートを用いてワークを加工して得られたワーク加工物が支持シート上で保持されている状態で、支持シート越しに、ワーク加工物での割れや欠け等の破損、いわゆるチッピングの有無を検査するときに、検査精度が高くなる。可視光領域での光透過率としては、例えば、400~800nmの波長域での光透過率(本明細書においては、「光透過率(400~800nm)」と称することがある)が挙げられる。
さらに、基材のマット面の粘着剤層による埋め込み性が高いことによって、粘着剤層に対して、基材越しにエネルギー線を照射することで、粘着剤層を硬化させるときに、正常に照射できるため、粘着剤層を正常に硬化させることができる。
これらウエハを代表とするワークの一方の面上には、回路が形成されており、本明細書においては、このように回路が形成されている側のワークの面を「回路面」と称する。そして、ワークの回路面とは反対側の面を「裏面」と称する。
ウエハは、ダイシング等の手段により分割され、チップとなる。本明細書においては、ウエハの場合と同様に、回路が形成されている側のチップの面を「回路面」と称し、チップの回路面とは反対側の面を「裏面」と称する。
ワークの回路面には、いずれもバンプ、ピラー等の突状電極が設けられていることが好ましい。突状電極は、はんだで構成されていることが好ましい。
本明細書において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味し、「非エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射しても硬化しない性質を意味する。
本明細書において、「非硬化性」とは、加熱やエネルギー線の照射等、如何なる手段によっても、硬化しない性質を意味する。
基材11の一方の面11aは、マット面である。
粘着剤層12は、エネルギー線硬化性化合物(α)を含有しており、エネルギー線硬化性である。
支持シート1を用いて測定した前記粘着力(X1)は、400mN/25mm以下である。
例えば、図1に示す支持シート1は、剥離フィルム13を備えているが、本実施形態の支持シートにおいて、剥離フィルムは任意の構成であり、本実施形態の支持シートは剥離フィルムを備えていなくてもよい。
例えば、図1に示す支持シート1は、基材11と、粘着剤層12と、剥離フィルム13と、を備えているが、本実施形態の支持シートは、基材と、粘着剤層と、剥離フィルムと、のいずれにも該当しない他の層を備えていてもよい。前記他の層は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。ただし、本実施形態の支持シートにおいては、基材及び粘着剤層が互いに直接接触して設けられ、粘着剤層及び剥離フィルムが互いに直接接触して設けられていることが好ましい。
前記粘着剤層は、シート状又はフィルム状であり、前記エネルギー線硬化性化合物(α)を含有し、エネルギー線硬化性である。粘着剤層は、その硬化前及び硬化後での物性を調節できる。
ここで、「粘着剤層の厚さ」とは、粘着剤層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる粘着剤層の厚さとは、粘着剤層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
同様に、粘着剤組成物(I)において、粘着剤組成物(I)の総質量に対する、粘着剤組成物(I)の1種又は2種以上の後述する含有成分の合計含有量の割合は、100質量%を超えない。
前記エネルギー線硬化性化合物(α)は、その23℃での粘度が350mPa・s以下であり、エネルギー線硬化性を有していれば、特に限定されない。
23℃でのエネルギー線硬化性化合物(α)の粘度は、例えば、320mPa・s以下、220mPa・s以下、120mPa・s以下、及び60mPa・s以下のいずれかであってもよい。前記粘度が低いほど、基材のマット面の粘着剤層による埋め込み性が高くなる。
23℃でのエネルギー線硬化性化合物(α)の粘度の下限値は、特に限定されない。例えば、前記粘度が5mPa・s以上であるエネルギー線硬化性化合物(α)は、より容易に入手できる。
23℃でのエネルギー線硬化性化合物(α)の粘度は、例えば、5~350mPa・s、5~320mPa・s、5~220mPa・s、5~120mPa・s、及び5~60mPa・s以下のいずれかであってもよい。ただし、これらは、前記粘度の一例である。
1分子のエネルギー線硬化性化合物(α)は、前記エネルギー線重合性不飽和基を1個又は2個以上有し、3個以上有していてもよいが、1個又は2個有することが好ましい。
エネルギー線重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基が挙げられる。
好ましい前記置換基としては、例えば、酸素原子(-O-)等が挙げられる。
前記エネルギー線硬化性化合物(α2)の一例としては、実施例で後述するエネルギー線硬化性化合物(α)-2が挙げられる。
前記エネルギー線硬化性化合物(α3)の一例としては、実施例で後述するエネルギー線硬化性化合物(α)-3が挙げられる。
エネルギー線硬化性化合物(α1)、エネルギー線硬化性化合物(α2)及びエネルギー線硬化性化合物(α3)で、ここに示すいずれかの分子量を有するものは、特に好ましいエネルギー線硬化性化合物(α)である。
このようなエネルギー線硬化性化合物(α)は、前記炭化水素基がアルキル基、アルキレン基又はアラルキル基であるものが好ましく、前記置換基が酸素原子であるものが好ましく、前記エネルギー線硬化性化合物(α1)、前記エネルギー線硬化性化合物(α2)又は前記エネルギー線硬化性化合物(α3)であることが好ましく、上述のさらに限定されたいずれかの数値範囲の分子量であるものが好ましく、これら4条件の1以上を同時に満たすものがより好ましい。
この内容は、粘着剤層における、粘着剤層の総質量に対する、エネルギー線硬化性化合物(α)の含有量の割合が、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上、及び14質量%以上のいずれかであってもよく、前記割合は100質量%以下である、ことと同義である。
これは、溶媒を含有する樹脂組成物から溶媒を除去して、樹脂膜を形成する過程では、溶媒以外の成分の量は、通常、変化しないことに基づいており、樹脂組成物と樹脂膜とでは、溶媒以外の成分同士の含有量の比率は同じである。そこで、本明細書においては、以降、粘着剤層の場合に限らず、溶媒以外の成分の含有量については、樹脂組成物から溶媒を除去した樹脂膜での含有量のみ記載する。
前記粘着剤層及び粘着剤組成物(I)は、さらに、エネルギー線硬化性アクリル樹脂を含有する(本明細書においては、「エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)」とも称する)ことが好ましい。エネルギー線硬化性化合物(α)及びエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を含有する粘着剤層は、基材のマット面の埋め込み性と、粘着力(X1)と、の双方を調節することが、より容易である。
前記非エネルギー線硬化性アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位と、官能基含有モノマー由来の構成単位と、を有するアクリル重合体が挙げられる。
これらの中でも、前記水酸基含有モノマーは、粘着力(X1)をより小さくできる点では、メタクリル酸ヒドロキシアルキルであることが好ましく、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル又はメタクリル酸2-ヒドロキシブチルであることがより好ましい。
前記他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド等が挙げられる。
前記エネルギー線重合性不飽和基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基(エテニル基)、アリル基(2-プロペニル基)等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
非エネルギー線硬化性アクリル樹脂中の前記官能基と結合可能な基としては、例えば、水酸基又はアミノ基と結合可能なイソシアネート基及びグリシジル基、並びにカルボキシ基又はエポキシ基と結合可能な水酸基及びアミノ基等が挙げられる。
一方、非エネルギー線硬化性アクリル樹脂中の前記官能基の総モル数に対する、前記不飽和基含有化合物中の前記不飽和基の総モル数は、1倍以下であることが好ましい。
粘着剤層及び粘着剤組成物(I)は、本発明の効果を損なわない範囲内において、エネルギー線硬化性化合物(α)と、エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)と、のいずれにも該当しない、他の成分を含有していてもよい。
前記他の成分としては、例えば、架橋剤(β)、光重合開始剤(γ)、添加剤等が挙げられる。
エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)の調製時に、非エネルギー線硬化性アクリル樹脂中の前記官能基として、前記不飽和基含有化合物と未反応のものが残存した場合、エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)は、この官能基を有する。このようなエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を用いる場合には、粘着剤層及び粘着剤組成物(I)は、さらに、架橋剤(β)を含有していてもよい。前記架橋剤(β)を含有する粘着剤層及び粘着剤組成物(I)では、エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)同士が架橋され得る。
これらの中でも、架橋剤(β)は、粘着力(X1)を後述の範囲とすることがより容易となる点では、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体、又はヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体であることが好ましい。
粘着剤層及び粘着剤組成物(I)は、さらに光重合開始剤(γ)を含有していてもよい。光重合開始剤(γ)を含有する粘着剤層及び粘着剤組成物(I)は、紫外線等の比較的低エネルギーのエネルギー線を照射しても、十分に硬化反応が進行する。
光重合開始剤(γ)としては、例えば、アミン等の光増感剤等を用いることもできる。
これらの中でも、光重合開始剤(γ)は、粘着力(X1)を後述の範囲とすることがより容易となる点では、2-ヒドロキシ-1-(4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル)フェニル)-2-メチルプロパン-1-オンであることが好ましい。
前記添加剤としては、例えば、帯電防止剤、酸化防止剤、軟化剤(可塑剤)、充填材(フィラー)、防錆剤、着色剤(顔料、染料)、増感剤、粘着付与剤、反応遅延剤、架橋促進剤(触媒)等の公知の添加剤が挙げられる。
前記反応遅延剤とは、例えば、粘着剤組成物(I)中に混入している触媒の作用によって、保管中の粘着剤組成物(I)において、目的としない架橋反応が進行するのを抑制する成分である。反応遅延剤としては、例えば、触媒に対するキレートによってキレート錯体を形成するものが挙げられ、より具体的には、1分子中にカルボニル基(-C(=O)-)を2個以上有する成分が挙げられる。
粘着剤組成物(I)は、溶媒を含有していてもよい。粘着剤組成物(I)は、溶媒を含有していることで、塗工対象面への塗工適性が向上する。
好ましい粘着剤層及び粘着剤組成物(I)の一例としては、エネルギー線硬化性化合物(α)、エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)、架橋剤(β)及び光重合開始剤(γ)を含有するものが挙げられる。
粘着剤組成物(I)は、エネルギー線硬化性化合物(α)と、必要に応じてエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)等の、粘着剤組成物(I)を構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15~30℃であることが好ましい。
前記基材は、シート状又はフィルム状であり、その構成材料としては、例えば、各種樹脂が挙げられる。
前記樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン;ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ノルボルネン樹脂等のポリエチレン以外のポリオレフィン;エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-ノルボルネン共重合体等のエチレン系共重合体(モノマーとしてエチレンを用いて得られた共重合体);ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂(モノマーとして塩化ビニルを用いて得られた樹脂);ポリスチレン;ポリシクロオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート、すべての構成単位が芳香族環式基を有する全芳香族ポリエステル等のポリエステル;2種以上の前記ポリエステルの共重合体;ポリ(メタ)アクリル酸エステル;ポリウレタン;ポリウレタンアクリレート;ポリイミド;ポリアミド;ポリカーボネート;フッ素樹脂;ポリアセタール;変性ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリスルホン;ポリエーテルケトン等が挙げられる。
また、前記樹脂としては、例えば、前記ポリエステルとそれ以外の樹脂との混合物等のポリマーアロイも挙げられる。前記ポリエステルとそれ以外の樹脂とのポリマーアロイは、ポリエステル以外の樹脂の量が比較的少量であるものが好ましい。
また、前記樹脂としては、例えば、ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上が架橋した架橋樹脂;ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上を用いたアイオノマー等の変性樹脂も挙げられる。
前記支持シートにおいては、基材のマット面上に粘着剤層が設けられている。そして、基材の両面がマット面である場合には、表面粗さ(Ra)が大きい方のマット面上に、粘着剤層が設けられていることが好ましい。
基材のマット面の表面粗さ(Ra)の上限値は、特に限定されない。例えば、表面の凹凸度が過剰に大きくならない点では、前記表面粗さは2μm以下であることが好ましい。
基材のマット面の表面粗さ(Ra)は、例えば、0.05~2μm、0.1~2μm、0.4~2μm、及び0.7~2μmのいずれかであってもよい。ただし、これらは、前記表面粗さの一例である。
基材のツヤ面の表面粗さ(Ra)の下限値は、特に限定されない。例えば、基材を重ね合わせて保管したときの基材のブロッキングが抑制される点では、前記表面粗さは0.01μm以上であることが好ましい。
基材のツヤ面の表面粗さ(Ra)は、例えば、0.01μm以上0.05μm未満、及び0.01~0.04μmのいずれかであってもよい。ただし、これらは、前記表面粗さの一例である。
ここで、「基材の厚さ」とは、基材全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる基材の厚さとは、基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
前記剥離フィルムは、公知のものであってよい。
剥離フィルムとして、より具体的には、例えば、剥離フィルム用基材の一方の面又は両面が、剥離処理面であるものが挙げられる。前記剥離フィルム用基材は、ポリエチレンテレフタレート製フィルムであることが好ましい。
前記剥離処理面は、剥離フィルム用基材の表面を、公知の剥離処理剤によって剥離処理することで形成できる。
剥離フィルムの厚さは、例えば、2~300μmであってもよく、20~100μmであることが好ましい。
前記粘着力(X1)は、400mN/25mm以下であり、340mN/25mm以下であることが好ましく、例えば、280mN/25mm以下、220mN/25mm以下、及び180mN/25mm以下のいずれかであってもよい。粘着力(X1)が小さいほど、ワーク加工物を硬化済み支持シートから異常無くピックアップできるピックアップ性が高くなる。
粘着力(X1)の下限値は、特に限定されない。例えば、粘着力(X1)が30mN/25mm以上である粘着剤層は、より容易に形成できる。
粘着力(X1)は、例えば、30~400mN/25mm、30~340mN/25mm、30~280mN/25mm、30~220mN/25mm、及び30~180mN/25mm以下のいずれかであってもよい。ただし、これらは、粘着力(X1)の一例である。
すなわち、はじめに、支持シートから、幅が25mmの試験片を切り出す。
次いで、この試験片(支持シート)を、その中の粘着剤層によってシリコンミラーウエハのミラー面に貼付することで、試験片付きシリコンミラーウエハを作製する。このときの貼付は、常温下で行うことが好ましく、貼付速度を290~310mm/minとし、貼付圧力を0.3MPaとして、ラミネートローラーを用いて、行うことが好ましい。
次いで、得られた試験片付きシリコンミラーウエハを、130℃で2時間加熱する。
次いで、試験片付きシリコンミラーウエハを、放冷によりその温度が23℃になるまで冷却した後、照度230mW/cm2、光量200mJ/cm2の条件で、この冷却後の試験片付きシリコンミラーウエハ中の粘着剤層に対して、基材越しにエネルギー線を照射することで、試験片中の粘着剤層を硬化させる。
次いで、常温下で、剥離速度を300mm/minとして、シリコンミラーウエハから試験片を剥離する。このとき、シリコンミラーウエハの試験片が貼付されていた面と、試験片のシリコンミラーウエハが貼付されていた面と、が180°の角度を為すように、試験片をその長さ方向へ剥離する、いわゆる180°剥離を行う。そして、この180°剥離のときの荷重(剥離力)を測定し、測定の長さを50mmとして、最初の長さ5mm分での測定値と、最後の長さ5mm分での測定値を、有効値から除外する。そして、その測定値の平均値を粘着力(X1)(mN/25mm)として採用する。
本実施形態においては、このような剥離力の測定を、2枚以上の複数枚の試験片(支持シート)に対して行い、得られた複数の測定値の平均値を、粘着力(X1)として採用してもよい。
前記支持シートを、前記粘着剤層によってシリコンミラーウエハのミラー面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層と、前記シリコンミラーウエハと、の間の粘着力(X2)(本明細書においては、単に「粘着力(X2)」と称することがある)を測定したとき、前記粘着力(X2)が13000mN/25mm以上であることが好ましい。このような支持シートを用いることで、ワーク又はワーク加工物が貼付された状態の支持シートを高温で加熱した後であっても、ワークの加工や、ワーク加工物の水洗などによって、ワーク加工物に大きな力が加えられても、ワーク加工物の支持シートからの剥離が抑制される。
粘着力(X2)の上限値は、特に限定されない。例えば、粘着力(X2)が19000mN/25mm以下である粘着剤層は、より容易に形成できる。
粘着力(X2)は、例えば、13000~19000mN/25mm、14000~19000mN/25mm、14700~19000mN/25mm、15400~19000mN/25mm、及び16100~19000mN/25mmのいずれかであってもよい。ただし、これらは、粘着力(X2)の一例である。
すなわち、粘着力(X1)の測定時と同じ方法で、試験片付きシリコンミラーウエハを作製し、130℃で2時間加熱した後、放冷によりその温度が23℃になるまで冷却する。
次いで、23℃の環境下で、剥離速度を300mm/minとして、この冷却後のシリコンミラーウエハから試験片を剥離する。このとき、シリコンミラーウエハの試験片が貼付されていた面と、試験片のシリコンミラーウエハが貼付されていた面と、が180°の角度を為すように、試験片をその長さ方向へ剥離する、いわゆる180°剥離を行う。そして、この180°剥離のときの荷重(剥離力)を測定し、測定の長さを50mmとして、最初の長さ5mm分での測定値と、最後の長さ5mm分での測定値を、有効値から除外する。そして、その測定値の平均値を粘着力(X2)(mN/25mm)として採用する。
本実施形態においては、このような剥離力の測定を、2枚以上の複数枚の試験片(支持シート)に対して行い、得られた複数の測定値の平均値を、粘着力(X2)として採用してもよい。
前記支持シートを、前記粘着剤層によってステンレス鋼(SUS)板の表面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層をエネルギー線硬化させ、前記粘着剤層のエネルギー線硬化物と、前記ステンレス鋼板と、の間の粘着力(Y1)(本明細書においては、単に「粘着力(Y1)」と称することがある)を測定したとき、前記粘着力(Y1)が300mN/25mm以上であることが好ましい。
後述するワーク加工物の製造方法においては、ワークと、前記ワークに設けられた支持シートと、を備えた支持シート付きワークが、リングフレームに固定される。そして、この状態で、ワークからワーク加工物が作製され、支持シート中の粘着剤層がエネルギー線硬化物とされて、硬化済み支持シートとなる。すなわち、粘着剤層のエネルギー線硬化後には、支持シート付きワークからは、ワークと、前記ワークに設けられた硬化済み支持シートと、を備えた硬化済み支持シート付きワーク;ワーク加工物と、前記ワーク加工物に設けられた硬化済み支持シートと、を備えた硬化済み支持シート付きワーク加工物等が得られる。このように、粘着剤層のエネルギー線硬化後には、ワーク又はワーク加工物と、硬化済み支持シートと、の積層物が、リングフレームには固定される。
そして、前記粘着力(Y1)が300mN/25mm以上である支持シートを用いることで、支持シート付きワークが、リングフレームに固定された状態で、さらに加熱され、その後に、支持シート(粘着剤層)のリングフレームとの接触部にエネルギー線が照射されてしまっても、上述のワーク又はワーク加工物と、硬化済み支持シートと、の積層物の、リングフレームからの剥離が抑制される。
粘着力(Y1)の上限値は、特に限定されない。例えば、粘着力(Y1)が2000mN/25mm以下である粘着剤層は、より容易に形成できる。
粘着力(Y1)は、例えば、300~2000mN/25mm、400~2000mN/25mm、500~2000mN/25mm、及び600~2000mN/25mmのいずれかであってもよい。ただし、これらは、粘着力(Y1)の一例である。
すなわち、はじめに、支持シートから、幅が25mmの試験片を切り出す。
次いで、この試験片(支持シート)を、その中の粘着剤層によって、厚さ1000μmのSUS板の一方の面に貼付することで、試験片付きSUS板を作製する。このときの貼付は、常温下で行うことが好ましく、貼付速度を290~310mm/minとし、貼付圧力を0.3MPaとして、ラミネートローラーを用いて、行うことが好ましい。
次いで、得られた試験片付きSUS板を、130℃で2時間加熱する。
次いで、試験片付きSUS板を、放冷によりその温度が23℃になるまで冷却した後、照度230mW/cm2、光量200mJ/cm2の条件で、この冷却後の試験片付きSUS板中の粘着剤層に対して、基材越しにエネルギー線を照射することで、試験片中の粘着剤層を硬化させる。
次いで、常温下で、剥離速度を300mm/minとして、SUS板から試験片を剥離する。このとき、SUS板の試験片が貼付されていた面と、試験片のSUS板が貼付されていた面と、が180°の角度を為すように、試験片をその長さ方向へ剥離する、いわゆる180°剥離を行う。そして、この180°剥離のときの荷重(剥離力)を測定し、測定の長さを50mmとして、最初の長さ5mm分での測定値と、最後の長さ5mm分での測定値を、有効値から除外する。そして、その測定値の平均値を粘着力(Y1)(mN/25mm)として採用する。
本実施形態においては、このような剥離力の測定を、2枚以上の複数枚の試験片(支持シート)に対して行い、得られた複数の測定値の平均値を、粘着力(Y1)として採用してもよい。
前記支持シートを、前記粘着剤層によってステンレス鋼(SUS)板の表面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層と、前記ステンレス鋼板と、の間の粘着力(Y2)(本明細書においては、単に「粘着力(Y2)」と称することがある)を測定したとき、前記粘着力(Y2)が13000mN/25mm以上であることが好ましい。このような支持シートを用いることで、後述するワーク加工物の製造方法において、支持シート付きワーク、又は、ワーク加工物と、前記ワーク加工物に設けられた支持シートと、を備えた支持シート付きワーク加工物が、リングフレームに固定された状態で、さらに加熱されても、支持シート付きワーク又は支持シート付きワーク加工物のリングフレームからの剥離が抑制される。
粘着力(Y2)の上限値は、特に限定されない。例えば、粘着力(Y2)が20000mN/25mm以下である粘着剤層は、より容易に形成できる。
粘着力(Y2)は、例えば、13000~20000mN/25mm、14000~20000mN/25mm、15000~20000mN/25mm、16000~20000mN/25mm、及び17000~20000mN/25mmのいずれかであってもよい。ただし、これらは、粘着力(Y2)の一例である。
すなわち、粘着力(Y1)の測定時と同じ方法で、試験片付きSUS板を作製し、130℃で2時間加熱した後、放冷によりその温度が23℃になるまで冷却する。
次いで、23℃の環境下で、剥離速度を300mm/minとして、この冷却後のSUS板から試験片を剥離する。このとき、SUS板の試験片が貼付されていた面と、試験片のSUS板が貼付されていた面と、が180°の角度を為すように、試験片をその長さ方向へ剥離する、いわゆる180°剥離を行う。そして、この180°剥離のときの荷重(剥離力)を測定し、測定の長さを50mmとして、最初の長さ5mm分での測定値と、最後の長さ5mm分での測定値を、有効値から除外する。そして、その測定値の平均値を粘着力(Y2)(mN/25mm)として採用する。
本実施形態においては、このような剥離力の測定を、2枚以上の複数枚の試験片(支持シート)に対して行い、得られた複数の測定値の平均値を、粘着力(Y2)として採用してもよい。
前記支持シートを、前記粘着剤層によってシリコンミラーウエハのミラー面に貼付し、前記支持シートを備えた前記シリコンミラーウエハを、23℃の温度条件下で30分間静置保管し、前記粘着剤層と、前記シリコンミラーウエハと、の間の粘着力(X0)(本明細書においては、単に「粘着力(X0)」と称することがある)を測定したとき、前記粘着力(X0)が2000mN/25mm以上であることが好ましい。このような支持シートを用いることで、ワーク又はワーク加工物が支持シートに貼付された状態で、ワークの負荷の大きい加工(例えば、半導体ウエハの高速でのダイシング)や、ワーク加工物の負荷の大きい水洗(例えば、ダイシング後の半導体チップの高い水圧での水洗)など、ワーク加工物により大きな力が加えられても、ワーク加工物の支持シートからの剥離が抑制される。
粘着力(X0)の上限値は、特に限定されない。例えば、粘着力(X0)と、粘着剤層の他の物性値と、の両立の点では、粘着力(X0)は6000mN/25mm以下であることが好ましい。
粘着力(X0)は、例えば、2000~6000mN/25mm、2500~6000mN/25mm、3000~6000mN/25mm、3500~6000mN/25mm、及び4000~6000mN/25mmのいずれかであってもよい。ただし、これらは、粘着力(X0)の一例である。
すなわち、はじめに、支持シートから、幅が25mmの試験片を切り出す。
次いで、この試験片(支持シート)を、その中の粘着剤層によってシリコンミラーウエハのミラー面に貼付することで、試験片付きシリコンミラーウエハを作製する。このときの貼付は、常温下で行うことが好ましく、貼付速度を290~310mm/minとし、貼付圧力を0.3MPaとして、ラミネートローラーを用いて、行うことが好ましい。
次いで、この試験片付きシリコンミラーウエハを、23℃の温度条件下で30分間静置保管する。
次いで、常温下で、剥離速度を300mm/minとして、シリコンミラーウエハから試験片を剥離する。このとき、シリコンミラーウエハの試験片が貼付されていた面と、試験片のシリコンミラーウエハが貼付されていた面と、が180°の角度を為すように、試験片をその長さ方向へ剥離する、いわゆる180°剥離を行う。そして、この180°剥離のときの荷重(剥離力)を測定し、測定の長さを50mmとして、最初の長さ5mm分での測定値と、最後の長さ5mm分での測定値を、有効値から除外する。そして、その測定値の平均値を粘着力(X0)(mN/25mm)として採用する。
本実施形態においては、このような剥離力の測定を、2枚以上の複数枚の試験片(支持シート)に対して行い、得られた複数の測定値の平均値を、粘着力(X0)として採用してもよい。
上述の粘着剤層の各種粘着力、すなわち、加熱後の粘着剤層のエネルギー線硬化物と、シリコンミラーウエハと、の間の粘着力(X1);加熱後の粘着剤層と、シリコンミラーウエハと、の間の粘着力(X2);加熱後の粘着剤層のエネルギー線硬化物と、SUS板と、の間の粘着力(Y1);加熱後の粘着剤層と、SUS板と、の間の粘着力(Y2);粘着剤層とシリコンミラーウエハとの間の粘着力(X0)は、粘着剤層の含有成分の種類と含有量を調節することで、調節できる。
例えば、ガラス転移温度が比較的高いエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を、粘着剤層に含有させることで、粘着力(X1)を低くできる。
例えば、前記アクリル重合体中の官能基(例えば、水酸基)に、前記不飽和基含有化合物中の前記官能基と結合可能な基(例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート中のイソシアネート基)を反応させるときに、前記アクリル重合体中の前記官能基の総モル数に対する、前記不飽和基含有化合物中の前記官能基と結合可能な基の総モル数を、比較的多い量 (例えば、0.75倍以上)としてエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を調製し、このようなエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を粘着剤層に含有させることで、粘着力(X1)を低くできる。
例えば、前記アクリル重合体中の官能基(例えば、水酸基)に、前記不飽和基含有化合物中の前記官能基と結合可能な基(例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート中のイソシアネート基)を反応させて得られたエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を用いるときに、前記アクリル重合体由来の未反応の前記官能基が少ない(換言すると、架橋剤(β)と反応可能な前記官能基が少ない)エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を粘着剤層に含有させることで、粘着力(X2)を高くできる。
例えば、粘着剤層の架橋剤(β)の含有量を少なくすることで、粘着力(X2)を高くできる。
例えば、前記置換基として酸素原子(-O-)を有する(メタ)アクリル酸エステルを、エネルギー線硬化性化合物(α)として、粘着剤層に含有させることで、粘着力(Y1)を高くできる。
例えば、前記アクリル重合体中の官能基(例えば、水酸基)に、前記不飽和基含有化合物中の前記官能基と結合可能な基(例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート中のイソシアネート基)を反応させて得られたエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を用いるときに、前記アクリル重合体由来の未反応の前記官能基が少ない(換言すると、架橋剤(β)と反応可能な前記官能基が少ない)エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を粘着剤層に含有させることで、粘着力(Y1)を高くできる。
例えば、粘着剤層の架橋剤(β)の含有量を少なくすることで、粘着力(Y1)を高くできる。
例えば、前記アクリル重合体中の官能基(例えば、水酸基)に、前記不飽和基含有化合物中の前記官能基と結合可能な基(例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート中のイソシアネート基)を反応させて得られたエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を用いるときに、前記アクリル重合体由来の未反応の前記官能基が少ない(換言すると、架橋剤(β)と反応可能な前記官能基が少ない)エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)を粘着剤層に含有させることで、粘着力(Y2)を高くできる。
例えば、粘着剤層の架橋剤(β)の含有量を少なくすることで、粘着力(Y2)を高くできる。
例えば、粘着剤層の架橋剤(β)の含有量を少なくすることで、粘着力(X0)を高くできる。
例えば、エネルギー線硬化性化合物(α)、エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)及び架橋剤(β)を含有する粘着剤層においては、架橋剤(β)として、ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体等のウレタン結合を有するものを用いることで、ウレタン結合を有しないものを用いた場合よりも、粘着力(Y2)を高くし、粘着力(X1)を低くできる傾向にある。
例えば、エネルギー線硬化性化合物(α)、エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)及び架橋剤(β)を含有する粘着剤層においては、エネルギー線硬化性化合物(α)の含有量を少なくすることで、多くした場合よりも、粘着力(X1)を低くできる。
前記支持シートの光透過率(400~800nm)の平均値は、80%以上であることが好ましく、例えば、82%以上、及び84%以上のいずれかであってもよい。前記光透過率(400~800nm)の平均値が前記下限値以上であることで、ワーク加工物が支持シート上で保持されている状態で、支持シート越しに、ワーク加工物での割れや欠け等の破損(例えばチッピング)の有無を検査するときに、検査精度が高くなる。
前記光透過率(400~800nm)の平均値の上限値は、特に限定されない。例えば、前記光透過率(400~800nm)の平均値が95%以下である支持シートは、より容易に製造できる。
前記光透過率(400~800nm)の平均値は、例えば、80~95%、82~95%、及び84~95%のいずれかであってもよい。ただし、これらは、前記光透過率(400~800nm)の平均値の一例である。
ただし、本明細書においては、特に断りのない限り、支持シートの光透過率とは、400~800nmの波長域での光透過率に限らず、剥離フィルムを備えていない状態での支持シートの光透過率を意味する。
すなわち、支持シートに対して、その基材側の外部から光を照射し、積分球を使用せずに、直接受光により、光線透過率を測定し、400~800nmの波長範囲で、1nmごとに、波長がn(nm)である場合の光透過率の値Tn(式中、nは400~800の整数である)を測定する。そして、nが400~800である場合のTnをすべて合算し、その合計値T400-800を算出する。得られたT400-800を、Tnの測定数(すなわち、800-400+1=401)で除する(T400-800/401)ことにより、支持シートの光透過率(400~800nm)の平均値を算出できる。
前記支持シートは、粘着力(X1)以外に、さらに、粘着力(X2)、粘着力(Y1)、粘着力(Y2)、粘着力(X0)、及び光透過率(400~800nm)の平均値からなる群より選択される1種又は2種以上が、上述のいずれかの数値範囲であることが好ましい。
すなわち、好ましい支持シートの一例としては、例えば、下記条件(1-1):
(1-1) 加熱後の粘着剤層のエネルギー線硬化物と、シリコンミラーウエハと、の間の粘着力(X1)が、400mN/25mm以下である。
を満たし、かつ、下記条件(1-2)~(1-6):
(1-2) 加熱後の粘着剤層と、シリコンミラーウエハと、の間の粘着力(X2)が、13000mN/25mm以上である。
(1-3) 加熱後の粘着剤層のエネルギー線硬化物と、SUS板と、の間の粘着力(Y1)が、300mN/25mm以上である。
(1-4) 加熱後の粘着剤層と、SUS板と、の間の粘着力(Y2)が、13000mN/25mm以上である。
(1-5) 粘着剤層とシリコンミラーウエハとの間の粘着力(X0)が、2000mN/25mm以上である。
(1-6) 支持シートの光透過率(400~800nm)の平均値が、80%以上である。
からなる群より選択される1種又は2種以上を満たす支持シート、が挙げられる。
より好ましい支持シートの一例としては、例えば、前記条件(1-1)~(1-6)をすべて満たす支持シートが挙げられる。
ここに例示する支持シートにおいては、粘着力(X1)、粘着力(X2)、粘着力(Y1)、粘着力(Y2)、粘着力(X0)、及び光透過率(400~800nm)の平均値からなる群より選択される1種又は2種以上が、先に説明したいずれかの数値範囲にさらに限定されていることが、特に好ましい。
前記支持シートは、これを構成する上述の各層を対応する位置関係となるように積層し、必要に応じて、一部又はすべての層の形状を調節することで、製造できる。各層の形成方法は、先に説明したとおりである。
例えば、基材の一方の面(マット面)上に上述の粘着剤組成物(I)を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、支持シートを製造できる。
このような粘着剤層と基材との貼り合わせは、例えば、15℃以上の温度条件下で行うことが好ましく、常温下で行ってもよい。
前記支持シートは、保護膜形成フィルムと積層することで、保護膜形成用複合シートを構成できる。すなわち、前記保護膜形成用複合シートは、前記支持シートと、前記支持シート中の前記粘着剤層の前記基材側とは反対側の面上に設けられた保護膜形成フィルムと、を備えている。より具体的には、前記保護膜形成用複合シートは、基材と、前記基材の一方の面上に設けられた粘着剤層と、前記粘着剤層の前記基材側とは反対側の面上に設けられた保護膜形成フィルムと、を備える。前記保護膜形成用複合シートは、さらに、保護膜形成フィルムの前記粘着剤層側とは反対側の面上に設けられた剥離フィルムを備えていてもよい。
前記保護膜形成フィルムは、前記ワーク加工物のいずれかの箇所に保護膜を形成するためのフィルムである。前記保護膜形成用複合シートを用いることにより、ワーク加工物と、前記ワーク加工物のいずれかの箇所に設けられた保護膜と、を備えた保護膜付きワーク加工物を製造できる。例えば、ワークがウエハである場合、前記保護膜形成用複合シートを用いることにより、チップと、前記チップの裏面に設けられた保護膜と、を備えた保護膜付きチップを製造できる。
硬化性の保護膜形成フィルムは、熱硬化性及びエネルギー線硬化性のいずれであってもよく、熱硬化性及びエネルギー線硬化性の両方の特性を有していてもよい。
重合体成分(A)としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
熱硬化性成分(B)としては、例えば、エポキシ系熱硬化性樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
本明細書において、熱硬化性ポリイミド樹脂とは、熱硬化することによってポリイミド樹脂を形成する、ポリイミド前駆体と、熱硬化性ポリイミドと、の総称である。
前記エポキシ系熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)からなる。
エネルギー線硬化性成分(a)としては、例えば、エネルギー線硬化性基を有する、重量平均分子量が80000~2000000の重合体(a1)、エネルギー線硬化性基を有する、分子量が100~80000の化合物(a2)等が挙げられる。
エネルギー線硬化性基を有しない重合体(b)としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
前記重合体成分としては、例えば、上述の熱硬化性保護膜形成フィルムの含有成分として挙げた重合体成分(A)等の、硬化性ではない樹脂と同様のものが挙げられる。
ここで、「保護膜形成フィルムの厚さ」とは、保護膜形成フィルム全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる保護膜形成フィルムの厚さとは、保護膜形成フィルムを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
前記保護膜形成用複合シートは、これを構成する上述の各層を対応する位置関係となるように積層し、必要に応じて、一部又はすべての層の形状を調節することで、製造できる。各層の形成方法は、先に説明したとおりである。
例えば、剥離フィルムの一方の面上に保護膜形成用組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、剥離フィルム上に保護膜形成フィルムを形成しておき、この保護膜形成フィルムの露出面(剥離フィルム側とは反対側の面)を、支持シート中の粘着剤層の露出面(基材側とは反対側の面)と貼り合わせることで、保護膜形成用複合シートを製造できる。保護膜形成用組成物は、剥離フィルムの剥離処理面に塗工することが好ましい。
前記支持シートは、ワーク加工物の製造に用いることができる。
すなわち、本発明の一実施形態に係るワーク加工物の製造方法は、前記支持シート中の前記粘着剤層を、ワークとリングフレームに貼付することにより、前記ワークと、前記ワークに設けられた前記支持シートと、を備えた支持シート付きワークを、前記リングフレームに固定する貼付工程と、前記貼付工程の後に、前記リングフレームに固定した前記支持シート中の前記粘着剤層を加熱する加熱工程と、前記貼付工程の後に、前記リングフレームに固定した前記支持シート付きワーク中の前記ワークを加工することにより、前記ワーク加工物を作製する加工工程と、前記加熱工程及び加工工程の後に、前記リングフレームに貼付した前記粘着剤層をエネルギー線硬化させる硬化工程と、前記硬化工程の後に、前記粘着剤層の硬化物から前記ワーク加工物を引き離してピックアップするピックアップ工程と、を有する。
図2は、ワークが半導体ウエハである場合の前記製造方法の一例を模式的に説明するための断面図である。ここでは、図1に示す支持シート1を用いた場合の製造方法について説明する。
前記貼付工程においては、支持シート1中の粘着剤層12を、ワークである半導体ウエハ9(より具体的には、半導体ウエハ9の裏面9b)と、リングフレーム8と、に貼付することにより、図2(a)に示すように、半導体ウエハ9と、半導体ウエハ9の裏面9bに設けられた支持シート1と、を備えた支持シート付き半導体ウエハ109を、リングフレーム8に固定する。支持シート付き半導体ウエハ109は、前記支持シート付きワークである。
支持シート1は、剥離フィルム13を取り除いてから用いる。粘着剤層12の基材11側とは反対側の面12aは、支持シート1の一方の面(粘着剤層12側の面)1aと同じである。
図2においては、半導体ウエハ9において、回路面9a上のバンプ等の図示を省略している。
支持シート1(粘着剤層12)を半導体ウエハ9とリングフレーム8へ貼付するときの貼付速度は、特に限定されないが、200~400mm/minであることが好ましい。
前記貼付工程の後、前記加熱工程においては、図2(b)に示すように、リングフレーム8に固定した支持シート1中の粘着剤層12を加熱する。この場合の粘着剤層12の加熱は、支持シート付き半導体ウエハ109全体の加熱に伴うものであり、この加熱によって、例えば、半導体ウエハ9の表面(例えば、回路面9a)に付着している低分子量の樹脂成分等の異物を、揮発によって除去できる。
前記貼付工程及び加熱工程の後、前記加工工程においては、図2(c)に示すように、リングフレーム8に固定した、加熱後の支持シート付き半導体ウエハ109中の半導体ウエハ9を分割することにより、ワーク加工物である半導体チップ90を作製する。加工工程により、1枚の支持シート1上で複数個の半導体チップ90が整列して保持されて構成されている、支持シート付き半導体チップ群901が得られる。
符号90bは、半導体ウエハ9の裏面9bに対応する、半導体チップ90の裏面を示している。
また、半導体ウエハ9として、ステルスダイシング(登録商標)によって改質層を形成し、かつ分割を行っていないものを用い、半導体ウエハ9を、その回路面9a又は裏面9bに対して平行な方向においてエキスパンドすることでも、半導体ウエハ9を分割できる。
前記加熱工程及び加工工程の後、前記硬化工程においては、図2(d)に示すように、リングフレーム8に貼付した粘着剤層12をエネルギー線硬化させる。硬化工程により、1枚の硬化済み支持シート1’上で、複数個の半導体チップ90が整列して保持されて、構成されている、硬化済み支持シート付き半導体チップ群901’が得られる。
支持シート1は、粘着剤層12がエネルギー線硬化されて、エネルギー線硬化物12’となることによって、硬化済み支持シート1’となる。
硬化済み支持シート付き半導体チップ群901’は、先に説明した、ワーク加工物と、硬化済み支持シートと、の積層物(換言すると、硬化済み支持シート付きワーク加工物)であり、粘着剤層12がそのエネルギー線硬化物12’となっている点を除けば、支持シート付き半導体チップ群901と同じである。
エネルギー線は、基材11越しに(基材11を介して)、支持シート1の外部から、粘着剤層12に照射することが好ましい。
前記硬化工程の後、前記ピックアップ工程においては、図2(e)に示すように、硬化済み支持シート1’中の粘着剤層のエネルギー線硬化物12’から、半導体チップ90を引き離してピックアップすることにより、硬化済み支持シート付き半導体チップ群901’から、目的とする半導体チップ90を取り出すことができる。ここでは、ピックアップの方向を矢印Pで示している。
粘着剤層のエネルギー線硬化物12’の基材11側とは反対側の面12a’は、粘着剤層12の基材11側とは反対側の面12aに対応しており、硬化済み支持シート1’の一方の面(粘着剤層のエネルギー線硬化物12’側の面)1a’と同じである。
前記製造方法は、貼付工程と、加熱工程と、加工工程と、硬化工程と、ピックアップ工程と、のいずれにも該当しない他の工程を有していてもよい。
前記他の工程の種類と、前記他の工程の数と、前記他の工程を行うタイミングは、いずれも目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
ここまでは、ワーク加工物の製造方法として、貼付工程、加熱工程、加工工程、硬化工程及びピックアップ工程を、この順に行う場合の製造方法(以下、「製造方法(1)」と称することがある)について説明したが、本実施形態のワーク加工物の製造方法は、これ(製造方法(1))に限定されない。例えば、前記製造方法においては、上述のとおり、加熱工程及び加工工程を行う順序が逆であってもよい。
このようなワーク加工物の製造方法(以下、「製造方法(2)」と称することがある)においては、まず、貼付工程を行う。製造方法(2)の前記貼付工程は、製造方法(1)の貼付工程と同じである。
製造方法(2)の前記貼付工程の後、前記加工工程においては、リングフレームに固定した未加熱の支持シート付き半導体ウエハ中の半導体ウエハを分割することにより、ワーク加工物である半導体チップを作製する。加工工程により、加熱されていない点を除けば、製造方法(1)の場合と同じ支持シート付き半導体チップ群が得られる。
製造方法(2)の前記貼付工程及び加工工程の後、前記加熱工程においては、リングフレームに固定した支持シート中の粘着剤層を加熱する。この場合の粘着剤層の加熱は、支持シート付き半導体チップ群全体の加熱に伴うものである。この加熱によって、例えば、半導体チップの表面(例えば、回路面)に付着している低分子量の樹脂成分等の異物を、揮発によって除去できる。また、半導体ウエハのダイシング時に発生し、半導体チップの表面に付着している微細な異物を水によって洗浄し、除去した後に、この加熱によって、半導体チップ等を乾燥させることができる。加熱工程により、製造方法(1)の場合と同様の支持シート付き半導体チップ群が得られる。
製造方法(2)の前記加熱工程及び加工工程の後、前記硬化工程は、製造方法(1)の場合と同様に行うことができ、前記硬化工程により、製造方法(1)の場合と同様の硬化済み支持シート付き半導体チップ群が得られる。
製造方法(2)の前記硬化工程の後、前記ピックアップ工程は、製造方法(1)の場合と同様に行うことができ、前記ピックアップ工程により、製造方法(1)の場合と同様の、目的とする半導体チップを取り出すことができる。
製造方法(2)は、製造方法(1)の場合と同様の他の工程を有していてもよい。
製造方法(2)においても、前記他の工程の種類と、前記他の工程の数と、前記他の工程を行うタイミングは、いずれも目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
本実施例及び比較例において略記している、樹脂の製造原料の正式名称を、以下に示す。
2EHA:アクリル酸2-エチルへキシル
2EHMA:メタクリル酸2-エチルへキシル
HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル
HEMA:メタクリル酸2-ヒドロキシエチル
MOI:2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート
本実施例及び比較例において、粘着剤組成物(I)の製造時に用いた製造原料を、以下に示す。
4種の架橋剤(β)の23℃での粘度は、ビスコテック社製デジタル回転式粘度計「ビスコリード・アドバンス」を用いて測定した。
[エネルギー線硬化性化合物(α)]
(α)-1:2-(2-フェノキシエトキシ)エチルアクリレート、新中村化学工業社製「AMP-20GY」、23℃での粘度18mPa・s、分子量236.1
(α)-2:日本化薬社製「R-684」、23℃での粘度180mPa・s、分子量304.4)
(α)-3:(2-(1-(アクリロイルオキシ)-2-メチルプロパン-2-イル)-5-エチル-1,3-ジオキサン-5-イル)メチルアクリレート、新中村化学工業社製「A-DOG」、23℃での粘度310mPa・s、分子量326.4)
[他のエネルギー線硬化性化合物(α’)]
(α’)-1:新中村化学工業社製「ATM-4E」、23℃での粘度360mPa・s、分子量528.6
[架橋剤(β)]
(β)-1:1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートの トリメチロールプロパンアダクト体(東ソー社製「コロネートHL」)
(β)-2:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(東ソー社製「コロネートHX」)
[光重合開始剤(γ)]
(γ)-1:2-ヒドロキシ-1-(4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル)フェニル)-2-メチルプロパン-1-オン(IGM Resins社製「オムニラッド(登録商標) 127」)
一方、エネルギー線硬化性化合物(α)-2は、置換基を有しないアクリル酸エステルである。エネルギー線硬化性化合物(α)-2において、アルコールに由来する炭化水素基の炭素数は12である。
<<支持シートの製造>>
<エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)の製造>
アクリル重合体(1)にMOIを加え、空気気流中において50℃で48時間付加反応を行うことで、エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-1を得た。前記アクリル重合体(1)は、2EHA(35質量部)と、2EHMA(45質量部)と、HEMA(20質量部)と、の共重合体である。MOIの使用量は、前記アクリル重合体(1)中のHEMA由来の水酸基の総モル数に対して、MOI中のイソシアネート基の総モル数が、0.95倍となる量とした。得られたエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-1の重量平均分子量は440000であり、ガラス転移温度は-26℃である。
エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-1(100質量部)、エネルギー線硬化性化合物(α)-1(15質量部)、架橋剤(β)-1(1.17質量部)、及び光重合開始剤(γ)-1(3質量部)を含有し、さらに溶媒としてメチルエチルケトンを含有しており、溶媒以外のすべての成分の合計濃度が25質量%である、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物(I)-1を調製した。なお、ここに示すメチルエチルケトン以外の成分の含有量はすべて、溶媒を含まない目的物の含有量である。
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された剥離フィルム(第2剥離フィルム)を用い、その前記剥離処理面に、上記で得られた粘着剤組成物(I)-1を塗工し、100℃で2分加熱乾燥させることにより、厚さ15μmのエネルギー線硬化性の粘着剤層を形成した。
次いで、常温下で、この粘着剤層の露出面に、基材としてポリプロピレン製フィルム(ダイヤプラスフィルム社製、厚さ80μm)を、貼付速度を5m/minとし、0.4MPaの圧力を加えて貼り合わせた。このポリプロピレン製フィルムの一方の面は、その表面粗さ(Ra)が0.90μmのマット面であり、他方の面は、その表面粗さ(Ra)が0.12μmの微マット面であって、このポリプロピレン製フィルムの前記マット面に、前記粘着剤層を貼り合わせた。
以上により、目的とする支持シートを得た。
<加熱後の粘着剤層のエネルギー線硬化物とシリコンミラーウエハとの間の粘着力(X1)の測定>
上記で得られた支持シートから、幅が25mmの試験片を切り出した。
23℃の貼付温度条件(ラミネートローラーの温度23℃、シリコンミラーウエハの温度23℃)で、貼付速度を300mm/minとし、貼付圧力を0.3MPaとして、この試験片をその中の粘着剤層によって、シリコンミラーウエハ(厚さ650nm)のミラー面に貼付し、試験片付きシリコンミラーウエハを得た。この試験片付きシリコンミラーウエハを、130℃に温度調節したオーブンの内部に入れて、この温度(130℃)で2時間加熱した。
次いで、オーブンから試験片付きシリコンミラーウエハを取り出し、放冷によりその温度が23℃になるまで冷却した。そして、紫外線照射装置(リンテック社製「RAD-2000UV」)を用いて、照度230mW/cm2、光量200mJ/cm2の条件で、この取り出した試験片付きシリコンミラーウエハ中の粘着剤層に対して、基材越しに紫外線を照射することで、試験片中の粘着剤層を紫外線硬化させた。
このような、粘着力の測定を2回行い、その時の平均値を、加熱後の粘着剤層のエネルギー線硬化物とシリコンミラーウエハとの間の粘着力(X1)(mN/25mm)として採用した。結果を表1に示す。
上記の粘着力(X1)の測定時と同じ方法で、試験片付きシリコンミラーウエハを作製し、130℃で2時間加熱し、放冷によりその温度が23℃になるまで冷却した。
次いで、23℃の環境下で、剥離速度を300mm/minとして、この冷却後のシリコンミラーウエハから前記試験片を剥離した。このとき、シリコンミラーウエハの前記試験片が貼付されていた面と、前記試験片のシリコンミラーウエハが貼付されていた面と、が180°の角度を為すように、前記試験片をその長さ方向へ剥離した(180°剥離を行った)。そして、この180°剥離のときの荷重(剥離力)を測定し、測定の長さを50mmとして、最初の長さ5mm分での測定値と、最後の長さ5mm分での測定値を、有効値から除外した。そして、その測定値の平均値を粘着力(mN/25mm)として採用した。
このような、粘着力の測定を2回行い、その時の平均値を、加熱後の粘着剤層とシリコンミラーウエハとの間の粘着力(X2)(mN/25mm)として採用した。結果を表1に示す。
試験片の貼付を、前記シリコンミラーウエハのミラー面に代えて、SUS板(パルテック社製「SUS304 ♯1200HL、厚さ1000μm、サイズ70mm×150mm」)の♯1200研磨された面に対して行った点以外は、上記の粘着力(X1)の測定時と同じ方法で、試験片付きSUS板を得た。
次いで、この試験片付きSUS板について、上記の粘着力(X1)の測定時の試験片付きシリコンミラーウエハの場合と同じ方法で、130℃で2時間加熱し、放冷によりその温度が23℃になるまで冷却し、試験片付きSUS板中の粘着剤層に対して、基材越しに紫外線を照射することで、試験片中の粘着剤層を紫外線硬化させた。
このような、粘着力の測定を2回行い、その時の平均値を、加熱後の粘着剤層のエネルギー線硬化物とSUS板との間の粘着力(Y1)(mN/25mm)として採用した。結果を表1に示す。
上記の粘着力(Y1)の測定時と同じ方法で、試験片付きSUS板を作製し、130℃で2時間加熱し、放冷によりその温度が23℃になるまで冷却した。
次いで、23℃の環境下で、剥離速度を300mm/minとして、この冷却後のSUS板から前記試験片を剥離した。このとき、SUS板の前記試験片が貼付されていた面と、前記試験片のSUS板が貼付されていた面と、が180°の角度を為すように、前記試験片をその長さ方向へ剥離した(180°剥離を行った)。そして、この180°剥離のときの荷重(剥離力)を測定し、測定の長さを50mmとして、最初の長さ5mm分での測定値と、最後の長さ5mm分での測定値を、有効値から除外した。そして、その測定値の平均値を粘着力(mN/25mm)として採用した。
このような、粘着力の測定を2回行い、その時の平均値を、加熱後の粘着剤層とSUS板との間の粘着力(Y2)(mN/25mm)として採用した。結果を表1に示す。
上記の粘着力(X1)の測定時と同じ方法で、試験片付きシリコンミラーウエハを作製した。
次いで、この試験片付きシリコンミラーウエハを、23℃の温度条件下で30分間静置保管した。
次いで、23℃の環境下で、剥離速度を300mm/minとして、この静置保管後のシリコンミラーウエハから前記試験片を剥離した。このとき、シリコンミラーウエハの前記試験片が貼付されていた面と、前記試験片のシリコンミラーウエハが貼付されていた面と、が180°の角度を為すように、前記試験片をその長さ方向へ剥離した(180°剥離を行った)。そして、この180°剥離のときの荷重(剥離力)を測定し、測定の長さを50mmとして、最初の長さ5mm分での測定値と、最後の長さ5mm分での測定値を、有効値から除外した。そして、その測定値の平均値を粘着力(mN/25mm)として採用した。
このような、粘着力の測定を2回行い、その時の平均値を、粘着剤層とシリコンミラーウエハとの間の粘着力(X0)(mN/25mm)として採用した。結果を表1に示す。
UV-vis測定装置(島津製作所社製「UV-vis―NIR3600」)を用いて、上記で得られた支持シートに対して、その基材側の外部から光を照射し、積分球を使用せずに、直接受光により、光線透過率を測定した。このときの測定の波長範囲は、190~2000nmとした。そして、可視光領域の400~800nmの波長範囲で、1nmごとに光透過率の値を合算し、その合計値を、合算した光透過率の値の数(すなわち、800-400+1=401)で除することにより、支持シートの光透過率(400~800nm)の平均値(%)を算出した。そして、この平均値から、下記基準に従って、基材のマット面の粘着剤層による埋め込み性を評価した。これらの結果を表1に示す。
(評価基準)
A:支持シートの光透過率(400~800nm)の平均値が80%以上であり、基材のマット面の粘着剤層による埋め込み性が高い。
B:支持シートの光透過率(400~800nm)の平均値が80%未満であり、基材のマット面の粘着剤層による埋め込み性が不十分である。
(支持シート付きシリコンチップ群の製造)
一方の面が#2000研磨された8インチシリコンウエハ(厚さ350μm)を用意した。上記で得られた支持シート中の粘着剤層のうち、その幅方向における中央寄りの領域を、このシリコンウエハに貼付し、このシリコンウエハへの貼付領域を取り囲む領域を、リングフレームに貼付した。このときの、粘着剤層のシリコンウエハ及びリングフレームへの貼付は、23℃の貼付温度条件(ラミネートローラーの温度23℃、シリコンウエハの温度23℃)で、貼付速度を300mm/minとし、貼付圧力を0.3MPaとして行った。これにより、シリコンウエハと、前記シリコンウエハの一方の面に設けられた支持シートと、を備えた支持シート付きシリコンウエハを、リングフレームに固定した(貼付工程)。
次いで、リングフレームに固定した支持シート付きシリコンウエハを、オーブンの内部に入れて、130℃で2時間加熱した(加熱工程)。
次いで、オーブンから、リングフレームに固定した支持シート付きシリコンウエハを取り出し、放冷によりその温度が23℃になるまで冷却した。そしてダイシング装置(ディスコ社製「DFD6362」)を用いて、リングフレームに固定した支持シート付きシリコンウエハ中のシリコンウエハをダイシングすることにより、大きさが1mm×1mmのシリコンチップを複数個作製した(加工工程)。このとき、ダイシングブレードとしてはディスコ社製「ZH05-SD2000-N1-90 CC」を用い、ブレード回転数を20000rpm、ブレード送り速度を50mm/s、ブレード高さを0.06mmとして、支持シート付きシリコンウエハに対して、そのシリコンウエハ側の表面からブレードを入れて、基材の、その粘着剤層側の面から20μmの深さの領域まで、切り込んだ。
以上により、1枚の支持シート上で複数個のシリコンチップが整列して保持されている、支持シート付きシリコンチップ群を作製した。
この支持シート付きシリコンチップ群中のシリコンチップのうち、ダイシング前のシリコンウエハにおける中心とその近傍の領域から分割された、直交する2方向における10列分の領域の、合計で100個のシリコンチップを選択した。光学顕微鏡(KEYENCE社製「VHX-7000」)を用いて、200倍の倍率で、これら100個のシリコンチップの支持シートへの貼付面に対して、支持シート越しに焦点を合わせ、支持シート越しにこれらシリコンチップを観察した。このとき、1個のシリコンチップを約1秒で観察した。そして、シリコンチップの支持シートへの貼付面において、大きさが100μm以上の割れ又は欠け(チッピング)が認められるシリコンチップの数を確認した。このような数の確認を、異なる3人の観察者で行い、平均値を算出して、チッピングの数C1として採用した。
次いで、紫外線照射装置(リンテック社製「RAD-2000UV」)を用いて、この粘着テープを貼付後の支持シート付きシリコンチップ群中の粘着剤層に対して、その基材側の外部から基材越しに、照度230mW/cm2、光量200mJ/cm2の条件で紫外線を照射することで、粘着剤層を紫外線硬化させた。
次いで、得られた硬化済み支持シート付きシリコンチップ群から、硬化済み支持シートを取り除いた。そして、これにより露出したシリコンチップ群中のシリコンチップのうち、上記のC1の算出時と同じ100個のシリコンチップを選択し、光学顕微鏡(KEYENCE社製「VHX-7000」)を用いて、200倍の倍率で、これら100個のシリコンチップの露出面(支持シートへ貼付されていた面)に対して焦点を合わせ、これらシリコンチップを観察した。このとき、シリコンチップでの異常を見逃さないように、1人の観察者が十分な時間をかけてシリコンチップを観察した。そして、シリコンチップの前記露出面において、大きさが100μm以上の割れ又は欠けが認められるシリコンチップ(チッピング)の数C2を確認した。
[チッピングの検査精度値]=(C2-C1)/C2×100 (i)
(評価基準)
A:検査精度値が3未満であり、支持シートのチッピング検査精度が高く、検査精度が合格である。
B:検査精度値が3以上10未満であり、Aには劣るが、支持シートのチッピング検査精度が良好であり、検査精度が合格である。
C:検査精度値が10以上であり、支持シートのチッピング検査精度が低く、検査精度が不合格である。
(支持シート付きシリコンチップ群の製造)
上記の「支持シートのチッピング検査精度の評価」時と同じ方法で、支持シート付きシリコンウエハを、リングフレームに固定し(貼付工程)、このリングフレームに固定した支持シート付きシリコンウエハを、オーブンの内部に入れて、130℃で2時間加熱した(加熱工程)。
次いで、オーブンから、リングフレームに固定した支持シート付きシリコンウエハを取り出し、放冷によりその温度が23℃になるまで冷却した。そしてダイシング装置(ディスコ社製「DFD6362」)を用いて、リングフレームに固定した支持シート付きシリコンウエハ中のシリコンウエハをダイシングすることにより、大きさが3mm×3mmのシリコンチップを複数個作製した(加工工程)。このとき、ダイシングブレードとしてはディスコ社製「ZH05-SD2000-N1-90 CC」を用い、ブレード回転数を35000rpm、ブレード送り速度を30mm/s、ブレード高さを0.06mmとして、支持シート付きシリコンウエハに対して、そのシリコンウエハ側の表面からブレードを入れて、基材の、その粘着剤層側の面から20μmの深さの領域まで、切り込んだ。
以上により、1枚の支持シート上で複数個のシリコンチップが整列して保持されている、支持シート付きシリコンチップ群を作製した。
次いで、紫外線照射装置(リンテック社製「RAD-2000UV」)を用いて、この支持シート付きシリコンチップ群中の粘着剤層に対して、その基材側の外部から基材越しに、照度230mW/cm2、光量200mJ/cm2の条件で紫外線を照射することで、リングフレームに貼付した粘着剤層を紫外線硬化させた(硬化工程)。
次いで、ピックアップ・ダイボンディング装置(キャノンマシナリー社製「BESTEM D-510」)を用いて、硬化済み支持シート付きシリコンチップ群のシリコンチップを、下記のピックアップ条件で、粘着剤層の硬化物から引き離してピックアップした(ピックアップ工程)。このピックアップは、硬化済み支持シート付きシリコンチップ群のシリコンチップのうち、ダイシング前のシリコンウエハにおける中心とその近傍の領域から分割された、直交する2方向における10列分の領域の、合計で100個のシリコンチップに対して行い、1個のシリコンチップを、支持シート側から1本のピンによって突き上げる方式で行った。そして、下記基準に従って、支持シートのピックアップ性を評価した。結果を表1に示す。
(ピックアップ条件)
突き上げ速度:5mm/s
エキスパンド量:4mm
ピン先端部の曲率半径:0.75mm
(評価基準)
A:すべて(100個)のシリコンチップを正常にピックアップできた。
B:1~4個のシリコンチップを正常にピックアップできなかったが、他のすべて(96~99個)のシリコンチップを正常にピックアップできた。
C:5個以上のシリコンチップを正常にピックアップできなかった。
<<支持シートの製造及び評価>>
エネルギー線硬化性化合物(α)-1(15質量部)に代わりエネルギー線硬化性化合物(α)-3(10質量部)を含有する点と、架橋剤(β)-1の含有量が1.17質量部に代わり1.33質量部である点、以外は、実施例1の場合と同じ組成である、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物(I)-2を調製した。そして、粘着剤組成物(I)-1に代えてこの粘着剤組成物(I)-2を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、支持シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
<<支持シートの製造及び評価>>
エネルギー線硬化性化合物(α)-1(15質量部)に代わりエネルギー線硬化性化合物(α)-2(10質量部)を含有する点と、架橋剤(β)-1の含有量が1.17質量部に代わり1.33質量部である点、以外は、実施例1の場合と同じ組成である、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物(I)-3を調製した。そして、粘着剤組成物(I)-1に代えてこの粘着剤組成物(I)-3を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、支持シートを製造し、評価した。結果を表1に示す。
<<支持シートの製造>>
<エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)の製造>
前記アクリル重合体(1)にMOIを加え、空気気流中において50℃で48時間付加反応を行うことで、エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-2を得た。MOIの使用量は、前記アクリル重合体(1)中のHEMA由来の水酸基の総モル数に対して、MOI中のイソシアネート基の総モル数が、0.785倍となる量とした。得られたエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-2の重量平均分子量は500000であり、ガラス転移温度は-26℃であった。
エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-2(100質量部)、エネルギー線硬化性化合物(α)-1(25質量部)、架橋剤(β)-2(4.12質量部)、及び光重合開始剤(γ)-1(3質量部)を含有し、さらに溶媒としてメチルエチルケトンを含有しており、溶媒以外のすべての成分の合計濃度が25質量%である、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物(I)-4を調製した。なお、ここに示すメチルエチルケトン以外の成分の含有量はすべて、溶媒を含まない目的物の含有量である。
粘着剤組成物(I)-1に代えてこの粘着剤組成物(I)-4を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、支持シートを製造した。
上記で得られた支持シートについて、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
<<支持シートの製造>>
<粘着剤組成物の製造>
エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-1(100質量部)、架橋剤(β)-1(0.53質量部)、及び光重合開始剤(γ)-1(3質量部)を含有し、さらに溶媒としてメチルエチルケトンを含有しており、溶媒以外のすべての成分の合計濃度が25質量%である、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物(R)-1を調製した。なお、ここに示すメチルエチルケトン以外の成分の含有量はすべて、溶媒を含まない目的物の含有量である。
粘着剤組成物(I)-1に代えてこの粘着剤組成物(R)-1を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、支持シートを製造した。
上記で得られた支持シートについて、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
<<支持シートの製造>>
<エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)の製造>
アクリル重合体(2)にMOIを加え、空気気流中において50℃で48時間付加反応を行うことで、エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-3を得た。前記アクリル重合体(2)は、2EHA(35質量部)と、2EHMA(45質量部)と、HEA(20質量部)と、の共重合体である。MOIの使用量は、前記アクリル重合体(2)中のHEA由来の水酸基の総モル数に対して、MOI中のイソシアネート基の総モル数が、0.7倍となる量とした。得られたエネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-3の重量平均分子量は880000であり、ガラス転移温度は-35℃であった。
エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-3(100質量部)、架橋剤(β)-1(9.26質量部)、及び光重合開始剤(γ)-1(3質量部)を含有し、さらに溶媒としてメチルエチルケトンを含有しており、溶媒以外のすべての成分の合計濃度が25質量%である、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物(R)-2を調製した。なお、ここに示すメチルエチルケトン以外の成分の含有量はすべて、溶媒を含まない目的物の含有量である。
粘着剤組成物(I)-1に代えてこの粘着剤組成物(R)-2を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、支持シートを製造した。
上記で得られた支持シートについて、実施例1の場合と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
<<支持シートの製造>>
<粘着剤組成物の製造>
エネルギー線硬化性アクリル樹脂(Ia)-3(100質量部)、他のエネルギー線硬化性化合物(α’)-1(10質量部)、架橋剤(β)-1(9.26質量部)、及び光重合開始剤(γ)-1(3質量部)を含有し、さらに溶媒としてメチルエチルケトンを含有しており、溶媒以外のすべての成分の合計濃度が25質量%である、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物(R)-3を調製した。なお、ここに示すメチルエチルケトン以外の成分の含有量はすべて、溶媒を含まない目的物の含有量である。
粘着剤組成物(I)-1に代えてこの粘着剤組成物(R)-3を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、支持シートを製造した。
上記で得られた支持シートについて、実施例1の場合と同じ方法で評価を試みた。結果を表1に示す。
また、実施例1~4では、粘着力(X1)が350mN/25mm以下であり、シリコンミラーウエハが貼付された状態の支持シートを130℃で2時間加熱した後であっても、シリコンチップを概ねすべて正常にピックアップでき、ピックアップ性が高かった。特に、実施例1~3では、粘着力(X1)が200mN/25mm以下であり、ピックアップ性よりが高かった。
このように、実施例1~4の支持シートは、目的とする特性を有していた。
さらに、実施例1~3では、粘着力(X2)が15000mN/25mm以上であり、十分に大きく、支持シート付きシリコンウエハを高温で加熱した後、シリコンミラーウエハのダイシングや、ダイシング後のシリコンチップの水洗などによって、シリコンチップに大きな力が加えられても、シリコンチップの支持シートからの剥離が抑制された。
さらに、実施例1~3では、粘着力(X0)が2900mN/25mm以上であり、十分に大きく、例えば、シリコンミラーウエハの高速でのダイシングや、ダイシング後のシリコンチップの高圧での水洗などによって、シリコンチップに顕著に大きな力が加えられても、シリコンチップの支持シートからの剥離が抑制可能であると推測された。
加えて、比較例2では、粘着力(X1)が大きく、シリコンミラーウエハが貼付された状態の支持シートを130℃で2時間加熱した後、シリコンチップを正常にピックアップできず、ピックアップ性が低かった。
さらに、比較例2では、粘着力(X2)が小さく、支持シート付きシリコンウエハを高温で加熱した後、シリコンミラーウエハのダイシングや、ダイシング後のシリコンチップの水洗などによって、シリコンチップに大きな力が加えられたときの、シリコンチップの支持シートからの剥離を抑制する効果が低いと推測された。
加えて、比較例3では、粘着力(X1)が大きく、比較例2の場合よりもさらに大きかった。
このように、比較例3の支持シートは、比較例1~2の支持シートよりも、特性の点でさらに劣っていたため、比較例3ではこれ以上の評価を行わなかった。
Claims (6)
- 支持シートであって、
前記支持シートは、基材と、前記基材の一方の面上に設けられた粘着剤層と、を備え、
前記一方の面がマット面であり、
前記粘着剤層が、エネルギー線硬化性化合物を含有し、かつエネルギー線硬化性であり、
23℃での前記エネルギー線硬化性化合物の粘度が、350mPa・s以下であり、
前記支持シートを、前記粘着剤層によってシリコンミラーウエハのミラー面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層をエネルギー線硬化させ、前記粘着剤層のエネルギー線硬化物と、前記シリコンミラーウエハと、の間の粘着力(X1)を測定したとき、前記粘着力(X1)が400mN/25mm以下であり、
前記支持シートを、前記粘着剤層によってシリコンミラーウエハのミラー面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層と、前記シリコンミラーウエハと、の間の粘着力(X2)を測定したとき、前記粘着力(X2)が13000mN/25mm以上である、支持シート。 - 前記粘着剤層が、さらに、エネルギー線硬化性アクリル樹脂を含有する、請求項1に記載の支持シート。
- 前記支持シートを、前記粘着剤層によってステンレス鋼板の表面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層と、前記ステンレス鋼板と、の間の粘着力(Y2)を測定したとき、前記粘着力(Y2)が13000mN/25mm以上である、請求項1又は2に記載の支持シート。
- 前記支持シートを、前記粘着剤層によってステンレス鋼板の表面に貼付し、貼付後の前記粘着剤層を130℃で加熱し、加熱後の前記粘着剤層をエネルギー線硬化させ、前記粘着剤層のエネルギー線硬化物と、前記ステンレス鋼板と、の間の粘着力(Y1)を測定したとき、前記粘着力(Y1)が300mN/25mm以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の支持シート。
- 前記支持シートの、400~800nmの波長域での光透過率の平均値が、80%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の支持シート。
- ワーク加工物の製造方法であって、
前記製造方法は、請求項1~5のいずれか一項に記載の支持シート中の前記粘着剤層を、ワークとリングフレームに貼付することにより、前記ワークと、前記ワークに設けられた前記支持シートと、を備えた支持シート付きワークを、前記リングフレームに固定する貼付工程と、
前記貼付工程の後に、前記リングフレームに固定した前記支持シート中の前記粘着剤層を加熱する加熱工程と、
前記貼付工程の後に、前記リングフレームに固定した前記支持シート付きワーク中の前記ワークを加工することにより、前記ワーク加工物を作製する加工工程と、
前記加熱工程及び加工工程の後に、前記リングフレームに貼付した前記粘着剤層をエネルギー線硬化させる硬化工程と、
前記硬化工程の後に、前記粘着剤層の硬化物から前記ワーク加工物を引き離してピックアップするピックアップ工程と、を有する、ワーク加工物の製造方法。
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