JPH0114176B2 - - Google Patents
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- JPH0114176B2 JPH0114176B2 JP57150492A JP15049282A JPH0114176B2 JP H0114176 B2 JPH0114176 B2 JP H0114176B2 JP 57150492 A JP57150492 A JP 57150492A JP 15049282 A JP15049282 A JP 15049282A JP H0114176 B2 JPH0114176 B2 JP H0114176B2
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Description
本発明は、磁気記録媒体の記録素子として有用
なコバルト及び第1鉄含有強磁性酸化鉄の改良さ
れた製造方法に関する。 コバルト及び第1鉄含有磁性酸化鉄は、従来汎
用されているγ―Fe2O3粉末などのコバルト及び
第1鉄を含まない磁性酸化鉄に比べて高保磁力を
有しており、これを磁気記録媒体に使用すると高
密度記録ができ、高周波領域における感度が高い
など数多くの利点がある。 近年、このようなコバルト及び第1鉄含有磁性
酸化鉄を製造する方法が種々提案されている。例
えばγ―Fe2O3を第1鉄塩とコバルト塩とを含む
液中で特定のOH基濃度のもとで、非酸化性雰囲
気中で、50〜100℃の温度で処理する方法(特公
昭52―36751号公報)、γ―Fe2O3粒子の表面に水
酸化コバルトを被覆した後、第1鉄塩溶液を添加
する方法(特公昭56―48444号公報)、磁性酸化鉄
を分散した懸濁液にアルカリとコバルトイオンを
含む水溶液とを交互に少くとも2回以上分割して
最後に前記アルカリ溶液を添加する方法(特開昭
52―5495号公報)などが提案されているが、さら
に高度の磁気特性を有するものが要求され、その
製法の改良が求められている。 本発明者等は、コバルト塩と第1鉄塩との添加
方法、反応条件などについて検討を重ね、磁性酸
化鉄粉末の表面にコバルト化合物及び第1鉄化合
物を被着しおわつたあとの懸濁液のOH基濃度が
0.05〜3モル/となるよう、予め磁性酸化鉄粉
末を分散した懸濁液のOH基濃度を調整してお
き、次いで該懸濁液にコバルト塩と第1鉄塩とを
交互に、かつそれぞれの全添加量を少くとも2回
以上に分割して加えて被着したところ従来のもの
より保磁力、保磁力分布などの優れた磁性酸化鉄
粉末が得られ、更にこのものを用いて製作した磁
気テープは角形比、配向性、飽和磁束密度、反転
磁界分布などを低下させることなく、高保磁力を
有することを見い出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、磁性酸化鉄粉末の表面に
コバルト化合物及び第1鉄化合物を被着して強磁
性酸化鉄を製造する方法において、コバルト化合
物及び第1鉄化合物を被着しおわつたあとの懸濁
液のOH基濃度が0.05〜3モル/となるよう、
予め磁性酸化鉄粉末を分散した懸濁液のOH基濃
度を調整しておき、次いで該懸濁液にコバルト塩
と第1鉄塩とを交互に、かつそれぞれの全添加量
を少くとも2回以上に分割して被着することを特
徴とする強磁性酸化鉄の製造方法である。 本発明方法で用いる磁性酸化鉄粉末としては、
γ―Fe2O3粉末、Fe3O4粉末又はγ―Fe2O3を適
宜の手段、例えば水素などの還元性気体中で部分
還元して得られるベルトライド化合物粉末などが
挙げられ、中でもγ―Fe2O3粉末が好ましい。 これらの磁性酸化鉄粉末を水或はアルカリ水溶
液に分散させて懸濁液とし、所望によりアルカリ
水溶液を添加して、磁性酸化鉄の表面にコバルト
化合物及び第1鉄化合物を被着しおわつたあとの
懸濁液のOH基濃度が0.05〜3モル/、望まし
くは0.5〜2モル/とする。 この濃度が上記範囲より低すぎると、第1鉄イ
オンの磁性酸化鉄粉末への作用が弱くなつて、表
面層付近にコバルトフエライト層が生成しにくく
なり、保磁力などの点で所望の効果が得られにく
くなる。一方高すぎると、一旦表面に形成された
被着物が一部溶解し、所定量のコバルト化合物を
表面に被着できず、保磁力の低下をきたすので望
ましくない。ここで用いるアルカリとしては、ア
ルカリ金属或はアルカリ土類金属の水酸化物、酸
化物或は炭酸塩などであり、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、酸化ナトリウム、炭酸カ
ルシウムなどが挙げられる。この懸濁液のスラリ
ー濃度は、通常20〜200g/とするのがよい。 次いで、以上のように調製した懸濁液にコバル
ト塩と第1鉄塩とを交互に少くとも2回以上に分
割添加して被着を行なう。この分割添加の度数
は、通常2〜10回、望ましくは3〜7回であり、
各々の添加時間は一般に0.1〜1時間であり、次
の塩の添加までの間隔は別段とらなくてもよい
が、場合によつてはとつてもよい。コバルト塩と
第1鉄塩のいずれを先に添加するかは添加方法、
反応条件などにより適宜選択すればよい。この分
割添加時の反応温度は、通常0〜100℃、望まし
くは10〜50℃であり、雰囲気はできるだけ非酸化
性雰囲気にするのが望ましい。ここでいう非酸化
性雰囲気とは、できるだけ反応物が酸化されない
雰囲気のことであつて、例えば反応容器を不活性
ガスで置換したり、反応容器の溶液中に不活性ガ
スをパブリングさせたりしてもよい。ここで用い
るコバルト塩としては、硫酸コバルト、塩化コバ
ルト、酢酸コバルトなどが挙げられ、コバルト塩
の添加量は該磁性酸化鉄粉末の鉄原子に対して
Coとして通1〜20原子%、望ましくは2〜10原
子%である。第1鉄塩としては、硫酸第1鉄、塩
化第1鉄などが挙げられ、第1鉄塩の添加量該磁
性酸化鉄粉末の鉄原子に対してFeとして通常2
〜30原子%、望ましくは4〜20原子%である。 このように処理して得られる磁性酸化鉄スラリ
ーは、通常の方法により過、水洗、乾燥して本
発明方法によるコバルト及び第1鉄含有強磁性酸
化鉄粉末とすることができる。なお、この過の
前にアルカリ中で100〜200℃の温度でオートクレ
ーブにて水熱処理を施したり、この過、水洗後
或は更に非酸化性雰囲気中での乾燥の後に非酸化
性雰囲気中で120〜250℃の温度で乾式熱処理を施
したり、この過、水洗の後に60〜300℃の温度
で水蒸気処理を施したりすると、さらに高度の磁
気特性を有する強磁性酸化鉄粉末が得られるので
望ましい。ここでいう水蒸気処理というのは、水
蒸気の存在下で加熱することをいい、具体的には
例えば過、水洗した後の強磁性酸化鉄の湿ケー
キをそのまま又は水洗の後非酸化性雰囲気中でで
きるだけ低温での乾燥を行なつたものを、密閉容
器中において水蒸気の存在下で加熱する方法、流
動層中において加熱水蒸気を存在させて加熱する
方法などがある。またオートクレーブによる水熱
処理後は水蒸気処理後にさらに前記のような非酸
化雰囲気中での乾式熱処理を施してもよい。 以上のようにして得られた本発明方法によるコ
バルト及び第1鉄含有強磁性酸化鉄は、保磁力、
保磁力分布などの磁気特性に優れ、更にこのもの
を用いて製作した磁気テープは角形比、配向性、
飽和磁束密度、反転磁界分布などを低下させるこ
となく、高保磁力を有する。この理由については
充分明らかではないが、コバルト塩及び第1鉄塩
の分割添加を行なうことによつて磁性酸化鉄粉末
の表面にコバルト及び第1鉄の化合物が多層に被
覆され、各層の第1鉄イオンとコバルトイオンと
が磁性酸化鉄からの第2鉄イオンと反応してフエ
ライト化する際に、より均一でつ強固な被覆層を
表面に形成させることが可能になるものと推定さ
れる。 実施例 1 γ―Fe2O3粉末〔保磁力:410Oe、軸比(L/
W):9、長軸長:0.4〜0.5μ〕100gを水に分散さ
せて1のスラリーとし、10モル/の濃度の
NaOH水溶液182mlを加え、懸濁液(このときの
OH基濃度:1.6モル/)を得た。この濁液を入
れた反応容器に窒素ガスを供給して系内を非酸化
性雰囲気とし、撹拌しながら液温を30℃とした。
この中へ0.85モル/の硫酸コバルト水溶液14ml
を3分間で添加し、次に1モル/の硫酸第1鉄
水溶液30mlを同じく3分間で添加するという操作
を5回繰返した。この添加終了後室温(30℃)で
5時間撹拌した。この時のOH基濃度1モル/
であつた。 次いで、この得られたスラリーを過、水洗
し、得られた湿ケーキを別容器に入れた水と共に
オートクレーブに入れて、N2ガスで置換した後
密閉し、130℃で6時間水蒸気の存在下で加熱処
理した。処理後、大気中で60℃で15時間乾燥し、
目的の強磁性酸化鉄粉末Aを得た。 実施例 2 実施例1において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを3分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく3分間で添加す
るという操作を5回繰返すことを、0.85モル/
の硫酸コバルト水溶液14mlを10分間で添加し、次
に1モル/の硫酸第1鉄溶液30mlを同じく10分
間で添加し、さらに5分間充分撹拌するという操
作を5回繰返すことに代える以外は前記実施例1
の場合と同様にして、目的の強磁性酸化鉄粉末B
を得た。 実施例 3 実施例2において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを10分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく10分間で添加
し、さらに5分間充分撹拌するという操作を5回
繰返すことを、0.85モル/の硫酸コバルト水溶
液7mlを5分間で添加し、次に1モル/の硫酸
第1鉄水溶液15mlを同じく5分間で添加し、さら
に2.5分間充分撹拌するという操作を10回繰返す
ことに代える以外は前記実施例2の場合と同様に
して、目的の強磁性酸化鉄粉末Cを得た。 実施例 4 実施例2において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを10分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく10分間で添加
し、さらに5分間充分撹拌するという操作を5回
繰返すことを、0.85モル/の硫酸コバルト23.3
mlを17分間で添加し、次に1モル/の硫酸第1
鉄水溶液50mlを17分間で添加し、さらに6分間充
分撹拌するという操作を3回繰返すことに代える
以外は前記実施例2の場合と同様にして、目的の
強磁性酸化鉄粉末Dを得た。 比較例 1 実施例1において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを3分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく3分間で添加す
るという操作を5回繰返すことを、0.85モル/
の硫酸コバルト水溶液70mlを1時間で添加し、次
に30分間充分撹拌した後、1モル/の硫酸第1
鉄水溶液150mlを1時間で添加することに代える
以外は前記実施例1の場合と同様にして、強磁性
酸化鉄粉末Eを得た。 実施例 5 実施例1において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを3分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく3分間添加する
という操作を5回繰返すことを、1モル/の硫
酸第1鉄水溶液30mlを6分間で添加し、次に0.85
モル/の硫酸コバルト水溶液14mlを6分間で添
加するという操作を5回繰返すことに代える以外
は前記実施例1の場合と同様にして、目的の強磁
性酸化鉄粉末Fを得た。 実施例 6 実施例5において、1モル/の硫酸第1鉄水
溶液30mlを6分間で添加し、次に0.85モル/の
硫酸コバルト水溶液14mlを6分間で添加するとい
う操作を5回繰返すことを、1モル/の硫酸第
1鉄水溶液30mlを10分間で添加し、次に0.85モ
ル/の硫酸コバルト水溶液14mlを同じく10分間
で添加し、さらに5分間充分撹拌するという操作
を5回繰返すことに代える以外は前記実施例5の
場合と同様にして、目的の強磁性酸化鉄粉末Gを
得た。 比較例 2 実施例5において、1モル/の硫酸第1鉄水
溶液30mlを6分間で添加し、次に0.85モル/の
硫酸コバルト水溶液14mlを6分間で添加するとい
う操作を5回繰返すことを、1モル/の硫酸第
1鉄水溶液150mlを1時間で添加し、次に30分間
充分撹拌した後、さらに0.85モル/の硫酸コバ
ルト水溶液70mlを1時間で添加することに代える
以外は前記実施例5の場合と同様にして、強磁性
酸化鉄粉末Hを得た。 比較例 3 実施例1において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを3分間で添加し、次に1モル/
の硫酸水溶液30mlを同じく3分間添加するという
操作を5回繰返した後、室温(30℃)で5時間撹
拌することを、0.85モル/の硫酸コバルト水溶
液70mlと1モル/の硫酸第1鉄水溶液150mlと
の混合液を2時間で添加した後、液温を90℃とし
て3時間撹拌することに代える以外は前記実施例
1の場合と同様にして、強磁性酸化鉄粉末Iを得
た。 比較例 4 実施例1において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを3分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく3分間で添加す
るという操作を5回繰返すことを、0.85モル/
の硫酸コバルト水溶液14mlと1モル/の硫酸第
1鉄水溶液30mlとの混合液を20分間添加し、次に
5分間充分撹拌するという操作を5回繰返すこと
に代える以外は前記実施例1の場合と同様にし
て、強磁性酸化鉄粉末Jを得た。 比較例 5 実施例1で用いたγ―Fe2O3粉末100gを水に分
散させて1のスラリーとし、10モル/の濃度
のNaOH水溶液30mlを加え、懸濁液(このとき
のOH基濃度:0.29モル/)を得た。この懸濁
液を入れた反応容器に窒素ガスを供給して系内を
非酸化性雰囲気とし、撹拌しながら液温を30℃と
した。この中へ0.85モル/の硫酸コバルト水溶
液14mlと1モル/の硫酸第1鉄水溶液30mlとの
混合液を20分間で添加し、次いで10モル/の濃
度のNaOH水溶液30mlを2分間で添加し、さら
に3分間撹拌するという操作を5回繰返し、最後
に10モル/の濃度のNaOH水溶液32mlを加え
た。この添加終了後、室温(30℃)で5時間撹拌
した。 次いで、この得られたスラリーを前記実施例1
の場合と同様に処理して、強磁性酸化鉄粉末Kを
得た。 上記サンプルA〜Kについて、通常の方法によ
り保磁力を測定した結果を第1表に示す。 さらにサンプルA〜Kについて、下記の配合割
合に従つて配合物を調製し、ボールミルで混練し
て磁性塗料を製造した。 (1) コバルト含有磁性酸化鉄粉末 100重量部 (2) 大豆レシチン 1 〃 (3) 界面活性剤 4 〃 (4) 塩ビ―酢ビ共重合樹脂 15 〃 (5) ジオクチルフタレート 5 〃 (6) メチルエチルケトン 111 〃 (7) トルエン 122 〃 次いで、各々の磁性塗料をポリエステルフイル
ムに通常の方法により塗布、配向した後乾燥して
約9μの磁性塗膜を有する磁気テープを作成した。
それぞれのテープについて通常の方法により、保
磁力(Hc)、角形比(Br/Bm)、配向性(OR)、
飽和磁束密度(Bm)、反転磁界分布(SFP)を
測定した結果を第1表に示す。
なコバルト及び第1鉄含有強磁性酸化鉄の改良さ
れた製造方法に関する。 コバルト及び第1鉄含有磁性酸化鉄は、従来汎
用されているγ―Fe2O3粉末などのコバルト及び
第1鉄を含まない磁性酸化鉄に比べて高保磁力を
有しており、これを磁気記録媒体に使用すると高
密度記録ができ、高周波領域における感度が高い
など数多くの利点がある。 近年、このようなコバルト及び第1鉄含有磁性
酸化鉄を製造する方法が種々提案されている。例
えばγ―Fe2O3を第1鉄塩とコバルト塩とを含む
液中で特定のOH基濃度のもとで、非酸化性雰囲
気中で、50〜100℃の温度で処理する方法(特公
昭52―36751号公報)、γ―Fe2O3粒子の表面に水
酸化コバルトを被覆した後、第1鉄塩溶液を添加
する方法(特公昭56―48444号公報)、磁性酸化鉄
を分散した懸濁液にアルカリとコバルトイオンを
含む水溶液とを交互に少くとも2回以上分割して
最後に前記アルカリ溶液を添加する方法(特開昭
52―5495号公報)などが提案されているが、さら
に高度の磁気特性を有するものが要求され、その
製法の改良が求められている。 本発明者等は、コバルト塩と第1鉄塩との添加
方法、反応条件などについて検討を重ね、磁性酸
化鉄粉末の表面にコバルト化合物及び第1鉄化合
物を被着しおわつたあとの懸濁液のOH基濃度が
0.05〜3モル/となるよう、予め磁性酸化鉄粉
末を分散した懸濁液のOH基濃度を調整してお
き、次いで該懸濁液にコバルト塩と第1鉄塩とを
交互に、かつそれぞれの全添加量を少くとも2回
以上に分割して加えて被着したところ従来のもの
より保磁力、保磁力分布などの優れた磁性酸化鉄
粉末が得られ、更にこのものを用いて製作した磁
気テープは角形比、配向性、飽和磁束密度、反転
磁界分布などを低下させることなく、高保磁力を
有することを見い出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、磁性酸化鉄粉末の表面に
コバルト化合物及び第1鉄化合物を被着して強磁
性酸化鉄を製造する方法において、コバルト化合
物及び第1鉄化合物を被着しおわつたあとの懸濁
液のOH基濃度が0.05〜3モル/となるよう、
予め磁性酸化鉄粉末を分散した懸濁液のOH基濃
度を調整しておき、次いで該懸濁液にコバルト塩
と第1鉄塩とを交互に、かつそれぞれの全添加量
を少くとも2回以上に分割して被着することを特
徴とする強磁性酸化鉄の製造方法である。 本発明方法で用いる磁性酸化鉄粉末としては、
γ―Fe2O3粉末、Fe3O4粉末又はγ―Fe2O3を適
宜の手段、例えば水素などの還元性気体中で部分
還元して得られるベルトライド化合物粉末などが
挙げられ、中でもγ―Fe2O3粉末が好ましい。 これらの磁性酸化鉄粉末を水或はアルカリ水溶
液に分散させて懸濁液とし、所望によりアルカリ
水溶液を添加して、磁性酸化鉄の表面にコバルト
化合物及び第1鉄化合物を被着しおわつたあとの
懸濁液のOH基濃度が0.05〜3モル/、望まし
くは0.5〜2モル/とする。 この濃度が上記範囲より低すぎると、第1鉄イ
オンの磁性酸化鉄粉末への作用が弱くなつて、表
面層付近にコバルトフエライト層が生成しにくく
なり、保磁力などの点で所望の効果が得られにく
くなる。一方高すぎると、一旦表面に形成された
被着物が一部溶解し、所定量のコバルト化合物を
表面に被着できず、保磁力の低下をきたすので望
ましくない。ここで用いるアルカリとしては、ア
ルカリ金属或はアルカリ土類金属の水酸化物、酸
化物或は炭酸塩などであり、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、酸化ナトリウム、炭酸カ
ルシウムなどが挙げられる。この懸濁液のスラリ
ー濃度は、通常20〜200g/とするのがよい。 次いで、以上のように調製した懸濁液にコバル
ト塩と第1鉄塩とを交互に少くとも2回以上に分
割添加して被着を行なう。この分割添加の度数
は、通常2〜10回、望ましくは3〜7回であり、
各々の添加時間は一般に0.1〜1時間であり、次
の塩の添加までの間隔は別段とらなくてもよい
が、場合によつてはとつてもよい。コバルト塩と
第1鉄塩のいずれを先に添加するかは添加方法、
反応条件などにより適宜選択すればよい。この分
割添加時の反応温度は、通常0〜100℃、望まし
くは10〜50℃であり、雰囲気はできるだけ非酸化
性雰囲気にするのが望ましい。ここでいう非酸化
性雰囲気とは、できるだけ反応物が酸化されない
雰囲気のことであつて、例えば反応容器を不活性
ガスで置換したり、反応容器の溶液中に不活性ガ
スをパブリングさせたりしてもよい。ここで用い
るコバルト塩としては、硫酸コバルト、塩化コバ
ルト、酢酸コバルトなどが挙げられ、コバルト塩
の添加量は該磁性酸化鉄粉末の鉄原子に対して
Coとして通1〜20原子%、望ましくは2〜10原
子%である。第1鉄塩としては、硫酸第1鉄、塩
化第1鉄などが挙げられ、第1鉄塩の添加量該磁
性酸化鉄粉末の鉄原子に対してFeとして通常2
〜30原子%、望ましくは4〜20原子%である。 このように処理して得られる磁性酸化鉄スラリ
ーは、通常の方法により過、水洗、乾燥して本
発明方法によるコバルト及び第1鉄含有強磁性酸
化鉄粉末とすることができる。なお、この過の
前にアルカリ中で100〜200℃の温度でオートクレ
ーブにて水熱処理を施したり、この過、水洗後
或は更に非酸化性雰囲気中での乾燥の後に非酸化
性雰囲気中で120〜250℃の温度で乾式熱処理を施
したり、この過、水洗の後に60〜300℃の温度
で水蒸気処理を施したりすると、さらに高度の磁
気特性を有する強磁性酸化鉄粉末が得られるので
望ましい。ここでいう水蒸気処理というのは、水
蒸気の存在下で加熱することをいい、具体的には
例えば過、水洗した後の強磁性酸化鉄の湿ケー
キをそのまま又は水洗の後非酸化性雰囲気中でで
きるだけ低温での乾燥を行なつたものを、密閉容
器中において水蒸気の存在下で加熱する方法、流
動層中において加熱水蒸気を存在させて加熱する
方法などがある。またオートクレーブによる水熱
処理後は水蒸気処理後にさらに前記のような非酸
化雰囲気中での乾式熱処理を施してもよい。 以上のようにして得られた本発明方法によるコ
バルト及び第1鉄含有強磁性酸化鉄は、保磁力、
保磁力分布などの磁気特性に優れ、更にこのもの
を用いて製作した磁気テープは角形比、配向性、
飽和磁束密度、反転磁界分布などを低下させるこ
となく、高保磁力を有する。この理由については
充分明らかではないが、コバルト塩及び第1鉄塩
の分割添加を行なうことによつて磁性酸化鉄粉末
の表面にコバルト及び第1鉄の化合物が多層に被
覆され、各層の第1鉄イオンとコバルトイオンと
が磁性酸化鉄からの第2鉄イオンと反応してフエ
ライト化する際に、より均一でつ強固な被覆層を
表面に形成させることが可能になるものと推定さ
れる。 実施例 1 γ―Fe2O3粉末〔保磁力:410Oe、軸比(L/
W):9、長軸長:0.4〜0.5μ〕100gを水に分散さ
せて1のスラリーとし、10モル/の濃度の
NaOH水溶液182mlを加え、懸濁液(このときの
OH基濃度:1.6モル/)を得た。この濁液を入
れた反応容器に窒素ガスを供給して系内を非酸化
性雰囲気とし、撹拌しながら液温を30℃とした。
この中へ0.85モル/の硫酸コバルト水溶液14ml
を3分間で添加し、次に1モル/の硫酸第1鉄
水溶液30mlを同じく3分間で添加するという操作
を5回繰返した。この添加終了後室温(30℃)で
5時間撹拌した。この時のOH基濃度1モル/
であつた。 次いで、この得られたスラリーを過、水洗
し、得られた湿ケーキを別容器に入れた水と共に
オートクレーブに入れて、N2ガスで置換した後
密閉し、130℃で6時間水蒸気の存在下で加熱処
理した。処理後、大気中で60℃で15時間乾燥し、
目的の強磁性酸化鉄粉末Aを得た。 実施例 2 実施例1において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを3分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく3分間で添加す
るという操作を5回繰返すことを、0.85モル/
の硫酸コバルト水溶液14mlを10分間で添加し、次
に1モル/の硫酸第1鉄溶液30mlを同じく10分
間で添加し、さらに5分間充分撹拌するという操
作を5回繰返すことに代える以外は前記実施例1
の場合と同様にして、目的の強磁性酸化鉄粉末B
を得た。 実施例 3 実施例2において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを10分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく10分間で添加
し、さらに5分間充分撹拌するという操作を5回
繰返すことを、0.85モル/の硫酸コバルト水溶
液7mlを5分間で添加し、次に1モル/の硫酸
第1鉄水溶液15mlを同じく5分間で添加し、さら
に2.5分間充分撹拌するという操作を10回繰返す
ことに代える以外は前記実施例2の場合と同様に
して、目的の強磁性酸化鉄粉末Cを得た。 実施例 4 実施例2において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを10分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく10分間で添加
し、さらに5分間充分撹拌するという操作を5回
繰返すことを、0.85モル/の硫酸コバルト23.3
mlを17分間で添加し、次に1モル/の硫酸第1
鉄水溶液50mlを17分間で添加し、さらに6分間充
分撹拌するという操作を3回繰返すことに代える
以外は前記実施例2の場合と同様にして、目的の
強磁性酸化鉄粉末Dを得た。 比較例 1 実施例1において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを3分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく3分間で添加す
るという操作を5回繰返すことを、0.85モル/
の硫酸コバルト水溶液70mlを1時間で添加し、次
に30分間充分撹拌した後、1モル/の硫酸第1
鉄水溶液150mlを1時間で添加することに代える
以外は前記実施例1の場合と同様にして、強磁性
酸化鉄粉末Eを得た。 実施例 5 実施例1において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを3分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく3分間添加する
という操作を5回繰返すことを、1モル/の硫
酸第1鉄水溶液30mlを6分間で添加し、次に0.85
モル/の硫酸コバルト水溶液14mlを6分間で添
加するという操作を5回繰返すことに代える以外
は前記実施例1の場合と同様にして、目的の強磁
性酸化鉄粉末Fを得た。 実施例 6 実施例5において、1モル/の硫酸第1鉄水
溶液30mlを6分間で添加し、次に0.85モル/の
硫酸コバルト水溶液14mlを6分間で添加するとい
う操作を5回繰返すことを、1モル/の硫酸第
1鉄水溶液30mlを10分間で添加し、次に0.85モ
ル/の硫酸コバルト水溶液14mlを同じく10分間
で添加し、さらに5分間充分撹拌するという操作
を5回繰返すことに代える以外は前記実施例5の
場合と同様にして、目的の強磁性酸化鉄粉末Gを
得た。 比較例 2 実施例5において、1モル/の硫酸第1鉄水
溶液30mlを6分間で添加し、次に0.85モル/の
硫酸コバルト水溶液14mlを6分間で添加するとい
う操作を5回繰返すことを、1モル/の硫酸第
1鉄水溶液150mlを1時間で添加し、次に30分間
充分撹拌した後、さらに0.85モル/の硫酸コバ
ルト水溶液70mlを1時間で添加することに代える
以外は前記実施例5の場合と同様にして、強磁性
酸化鉄粉末Hを得た。 比較例 3 実施例1において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを3分間で添加し、次に1モル/
の硫酸水溶液30mlを同じく3分間添加するという
操作を5回繰返した後、室温(30℃)で5時間撹
拌することを、0.85モル/の硫酸コバルト水溶
液70mlと1モル/の硫酸第1鉄水溶液150mlと
の混合液を2時間で添加した後、液温を90℃とし
て3時間撹拌することに代える以外は前記実施例
1の場合と同様にして、強磁性酸化鉄粉末Iを得
た。 比較例 4 実施例1において、0.85モル/の硫酸コバル
ト水溶液14mlを3分間で添加し、次に1モル/
の硫酸第1鉄水溶液30mlを同じく3分間で添加す
るという操作を5回繰返すことを、0.85モル/
の硫酸コバルト水溶液14mlと1モル/の硫酸第
1鉄水溶液30mlとの混合液を20分間添加し、次に
5分間充分撹拌するという操作を5回繰返すこと
に代える以外は前記実施例1の場合と同様にし
て、強磁性酸化鉄粉末Jを得た。 比較例 5 実施例1で用いたγ―Fe2O3粉末100gを水に分
散させて1のスラリーとし、10モル/の濃度
のNaOH水溶液30mlを加え、懸濁液(このとき
のOH基濃度:0.29モル/)を得た。この懸濁
液を入れた反応容器に窒素ガスを供給して系内を
非酸化性雰囲気とし、撹拌しながら液温を30℃と
した。この中へ0.85モル/の硫酸コバルト水溶
液14mlと1モル/の硫酸第1鉄水溶液30mlとの
混合液を20分間で添加し、次いで10モル/の濃
度のNaOH水溶液30mlを2分間で添加し、さら
に3分間撹拌するという操作を5回繰返し、最後
に10モル/の濃度のNaOH水溶液32mlを加え
た。この添加終了後、室温(30℃)で5時間撹拌
した。 次いで、この得られたスラリーを前記実施例1
の場合と同様に処理して、強磁性酸化鉄粉末Kを
得た。 上記サンプルA〜Kについて、通常の方法によ
り保磁力を測定した結果を第1表に示す。 さらにサンプルA〜Kについて、下記の配合割
合に従つて配合物を調製し、ボールミルで混練し
て磁性塗料を製造した。 (1) コバルト含有磁性酸化鉄粉末 100重量部 (2) 大豆レシチン 1 〃 (3) 界面活性剤 4 〃 (4) 塩ビ―酢ビ共重合樹脂 15 〃 (5) ジオクチルフタレート 5 〃 (6) メチルエチルケトン 111 〃 (7) トルエン 122 〃 次いで、各々の磁性塗料をポリエステルフイル
ムに通常の方法により塗布、配向した後乾燥して
約9μの磁性塗膜を有する磁気テープを作成した。
それぞれのテープについて通常の方法により、保
磁力(Hc)、角形比(Br/Bm)、配向性(OR)、
飽和磁束密度(Bm)、反転磁界分布(SFP)を
測定した結果を第1表に示す。
【表】
Claims (1)
- 1 磁性酸化鉄粉末の表面にコバルト化合物及び
第1鉄化合物を被着して強磁性酸化鉄を製造する
方法において、コバルト化合物及び第1鉄化合物
を被着しおわつたあとの懸濁液のOH基濃度が
0.05〜3モル/となるよう、予め磁性酸化鉄粉
末を分散した懸濁液のOH基濃度を調整してお
き、次いで該懸濁液にコバルト塩と第1鉄塩とを
交互に、かつそれぞれの全添加量を少くとも2回
以上に分割して被着することを特徴とする強磁性
酸化鉄の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57150492A JPS5939730A (ja) | 1982-08-30 | 1982-08-30 | 強磁性酸化鉄の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57150492A JPS5939730A (ja) | 1982-08-30 | 1982-08-30 | 強磁性酸化鉄の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5939730A JPS5939730A (ja) | 1984-03-05 |
| JPH0114176B2 true JPH0114176B2 (ja) | 1989-03-09 |
Family
ID=15498047
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57150492A Granted JPS5939730A (ja) | 1982-08-30 | 1982-08-30 | 強磁性酸化鉄の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5939730A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS638223A (ja) * | 1986-06-27 | 1988-01-14 | Showa Denko Kk | 磁気記録用強磁性粉末の製造方法 |
-
1982
- 1982-08-30 JP JP57150492A patent/JPS5939730A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5939730A (ja) | 1984-03-05 |
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