JPH0130920B2 - - Google Patents
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- JPH0130920B2 JPH0130920B2 JP58083793A JP8379383A JPH0130920B2 JP H0130920 B2 JPH0130920 B2 JP H0130920B2 JP 58083793 A JP58083793 A JP 58083793A JP 8379383 A JP8379383 A JP 8379383A JP H0130920 B2 JPH0130920 B2 JP H0130920B2
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- Electrochemical Coating By Surface Reaction (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
本発明は、たとえば金属めつきされた物品の表
面に透明ないし半透明のアニオン電着塗装を施す
際に、その塗膜の密着性を向上させる方法に関す
る。 従来から、鉄、銅、黄銅、白銅、亜鉛、アルミ
ニウムなどの金属製物品は無論のこと、合成樹脂
製物品に対しても防食性、耐食性ないしは装飾目
的をもつて、広く金属めつきがなされていた。と
ころが、めつき金属がニツケル(Ni)またはニ
ツケル合金などである場合には、硫黄酸化物
(SOx)含有雰囲気中で、きわめて短時間に黒変
をきたし、また人体に由来する汗や湿気によつて
もその光択を失つたり変色したりする。めつき金
属が、金、銀、ロジウムなどのような貴金属であ
る場合には、上記のような化学変化や変色はない
けれども、その価各が高価であるために、厚いめ
つきを施すことは経済的に困難で、きわめて薄い
めつき層となつている。このため、使用中にめつ
き層が摩耗し、既述した防食などのめつき目的が
果たせないものとなつてしまう。さらに外観的に
は、めつきに使用されている金属の種類に特有な
金属光択が尊重される場合も多く、もつと緩和さ
れた金属光沢や他の色彩が要求されることも少な
くない。 このような目的のために、金属めつき層の表面
に透明ないし半透明の塗料を塗装することが試み
られてきた。そのような塗装方法として、一般的
には、浸漬法ないしスプレー法が用いられる。こ
れらの塗装方法でも、塗装されるべきめつきされ
ている物品に外形が単純である場合には、比較的
均一に塗装を施すことができるけれども、外形が
複雑なものではスプレー法によつてさえも、いわ
ゆるタレやカリブが発生し易く、均一な塗膜を得
ることは困難である。その上、これらの方法で
は、通常、塗料中の有機溶剤、たとえばシンナー
による環境衛生上の難点があり、また塗装作業そ
のものから言つても塗料粘度の調整などに特別な
技能が必要とされ、かつ塗装能率も低い。 しかもめつきされた物品表面への上述した塗装
には、根本的とも言うべき難点がある。それはめ
つき層と塗膜との間の密着性が悪く、塗膜が剥離
し易いということである。通常、物品表面に施さ
れているめつき層の表面はきわめて平滑であるが
ために、塗膜と機械的に密着し難いということの
ほか、めつき層金属には酸化ないし不動態化のよ
うな経時変化があり、それに起因して塗膜との密
着が悪くなることが知られている。また従来の全
ての場合がめつき工程と塗装工程とは必然的に独
立した別工程として構成されているので、油や塵
埃などがめつき層表面を汚染し、それが密着性不
良の誘因ともなつている。 めつき層表面と塗膜との密着性を向上するため
の方法は、特公昭49−25537号、特公昭43−2768
号、特公昭53−19981号、特公昭47−44417号、特
公昭57−35697号に記載されている。これによれ
ば、めつきなどが施された物品表面にクロム酸ま
たはその塩や重クロム酸塩などによるクロメート
処理および電解クロム酸処理が施される。しかし
ながら、これらの従来技術では、塗膜の密着性が
不充分であり、たとえば眼鏡のフレームの塗装な
どにおいては、汗が塗膜内に浸透し、錆を発生
し、塗膜が剥離するなどの問題を解決することは
できなかつた。また浸漬法ないしスプレー法など
によつて塗装が行なわれるため、均一な塗膜を得
ることは困難であり、物品表面の金属光沢の美感
を損なうという問題は解決されなかつた。 さらに化学処理皮膜(クロメート皮膜を含む)
を形成した上に、電着塗装による塗膜を形成する
方法は、特公昭48−29379号に開示されている。
しかしながら、この方法によれば、ある程度の密
着性が得られる場合もあるけれども、表面状態を
透明かつ均一にすることはできず、やはり物品表
面の金属光沢の美感を損なうという問題は解決さ
れていない。 本発明は、少なくとも表面が金属層である物品
に、最終仕上げとしてアニオン電着塗装を行うア
ニオン電着塗膜の密着性向上法において、 物品を、6価クロムイオンを5〜100g/含
み、電解触媒を0.01〜1g/含むPH0〜8の水
溶性を電解浴とし、浴温20〜60℃、電流密度0.5
〜5A/dm2の電解条件で、0.5〜5分間陰極電解
を行い、 前記電解触媒は、アンモニウムを共存させた状
態における硫酸イオンまたはカルボン酸イオンを
有する水溶性物質であり、 前記陰極電解を行つた後に、アニオン電着塗装
を施して、透明ないし半透明の塗膜を形成するよ
うにしたことを特徴とするアニオン電着塗膜の密
着性向上法であり、工程的には金属めつき工程か
らこの陰極電解を経てアニオン電着塗装工程へと
直結させることができるのである。 本発明に適用される少なくとも表面が金属層で
ある物品とは、通常めつき処理の施された物品で
あり、電解めつき、無電解めつき、溶融めつきな
ど全ての方法によつてめつきされた物品を含む。
めつき金属の種類としては、Ni、Au、Zn、Cr、
などの単一金属のほかにSn−Cu、Sn−Ni−Cu、
Ni−Co、Sn−Coなどの合金も含まれる。このよ
うなめつきが施される物品の素材は、金属のほか
導電性を付与された合成樹脂および表面に導電性
が付与されている合成樹脂が含まれる。そのよう
な合成樹脂としては、ABS樹脂のような複合性
樹脂、ポリプロピレンのようなポリオレフイン系
樹脂、ナイロンのようなポリアミド系樹脂などを
挙げることができる。 本発明の目的は、このようなめつき処理が施さ
れ、少なくとも表面が金属層である物品に、この
めつきによる金属光沢の美感を維持しつつ密着性
に非常に優れた透明ないし半透明の塗膜を形成さ
せることである。 本発明に使用する電解浴たる6価クロムイオン
含有水溶液とは、Cr6+を5〜100g/含み、PH
0〜8の水溶液であつて、電解触媒を0.1〜1
g/の範囲で含有する。この電解触媒は、アン
モニウムを共存させた状態における硫酸イオンま
たはカルボン酸イオンを有する水溶性の物質であ
る。 Cr6+の供給源としてクロム酸またはその塩たと
えばクロム酸カリウム、クロム酸アンモニウム、
クロム酸ナトリウム、重クロム酸アンモニウム、
重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウムなど
が挙げられる。 このような電解浴を用いて、少なくとも表面が
金属層である物品を陰極電解するときには、この
物品を常法どおりその係着用具に係着させた状態
で浴中に浸漬し、この物品を陰極として電解する
のである。 電解条件としては、浴温20〜60℃、電流密度
Dk0.5〜5A/dm2で0.5〜5分間行う。陽極には、
通常用いられているステンレスカーボン、鉛−錫
の合金が用いられる。電流密度が0.5A/dm2よ
りも小さい場合には、無色透明な6価クロムを含
むクロメート皮膜が充分に形成されない。また電
流密度が5A/dm2を超える場合には、クロメー
ト皮膜にむらが生じ、表面に形成されている金属
光沢の美感が損なわれてしまう。また0.5分以下
の電解時間では、形成されるクロメート皮膜の層
厚が小さすぎて、有機溶剤などに対する耐性が低
くなつてしまう。また5分を超える電解時間で電
解を行う場合は、形成されるクロメート皮膜にむ
らを生じ、前述したように金属めつきによる美感
が損なわれてしまう。またPH8よりも大きい水溶
液中で電解を行うと、後述するアニオン電着塗装
による塗膜との密着性の低下を招来する。 電解触媒として硫酸イオンを用いる場合には、
この硫酸イオンによつて物品表面が黄色に着色さ
れるため、この着色を緩和するためにアンモニウ
ムを併用する必要がある。このアンモニウムは、
前述したCr+ 6の供給源としてアンモニウム塩を使
用する際のものでもよいし、硫酸アンモニウムな
どを使用してもよい。さらに電解触媒としてカル
ボン酸イオンを有する水溶性の物品を含有させて
もよい。このような電解触媒は、0.01〜1g/
で電解浴を構成する水溶液に含有させれば、後述
するアニオン電着塗装を行う際に良好な塗膜を形
成することができる。 上述したところにより、陰極電解を行うと、物
品のめつき層の表面に無色透明あるいは半透明の
6価クロムを含むクロメート皮膜が形成される。
このクロメート皮膜が次に施されるアニオン電着
塗膜とのバインダの役割を果たすのである。 本発明の方法によつては、このようなクロメー
ト皮膜の上に水性塗料のアニオン電着塗装が施さ
れるのである。そのような水性塗料としては、ア
クリル樹脂、フエノール−アルデヒド初期縮合
物、エーテル化メラミン樹脂、アミン中和アルキ
ツド樹脂などをビヒクルとした市販のものがその
まま使用できる。電着条件は、従来のアニオン電
着塗装法の条件と特に異ならない。 電着を施した後には、常法どおり塗膜硬化処
理、たとえば160〜200℃が適用され、ここに本発
明に係るめつき物品表面への塗装が完結する。本
発明においてアニオン塗装を行う理由としては、
塗膜厚を均一とするだけでなく、前述した電解に
よつて形成されたクロメート皮膜が電極反応によ
つてCr6+を溶出し、このCr6+とアニオンとが反応
して不溶化析出することによつて、その密着強度
を非常に高めることができるからである。したが
つてクロメート皮膜から溶出されたCrは、アニ
オン電着によつて形成された塗膜にも分布するこ
ととなり、通常の浸漬法ないしスプレー法などの
塗装方法では得られない高い密着強度を有する塗
膜を形成することができる。またカチオン型の電
着塗装においても、このような現象は起きないの
で、本発明においてはアニオン電着塗装を行なわ
なければならない。 このように本発明によれば、同じ水性塗料の塗
膜でも、めつき層に対する著しい密着性の向上が
認められる。この密着性の試験には、次に記す、
A〜Eなる5種の試験法を採用した。 A:テープ剥離…JIS K−5400 B:アセトン浸漬…アセトン(試薬1級)中に24
時間浸漬後、テープハクリ(クロスカツト)。 C:エタノール浸漬…エタノール(試薬1級)中
に48時間浸漬後、テープハクリ(クロスカツ
ト)。 D:キヤステスト…JIS H8610による(48h)。 E:エリクセン…JIS B7729によるエリクセン試
験機を用い、6mm押出し後テープハクリ。 実施例 1 黄銅板(7×15×0.3cm)を、常法通り電解用
の係着用治具に係着し、常法通りに電解法によつ
て厚さ5μのNiめつきを施し、さらに浴のみを替
えて、その上に厚さ0.1μのAuめつきを施した。 係着用治具から取外すことなく、このものを陰
極とし、18−8ステンレスを陽極として、次記の
クロムイオン電解浴中で陰極電解を行つた。 クロムイオン電解浴 重クロム酸カリ …120g/ 硫酸アンモニウム …0.5g/ PH …4.3 電解条件 浴 温 …45℃ 電流密度(Dk) …3A/dm2 電解時間 …2分間 上記陰極電解が済んだら直ちにこれを浴から引
き上げ、係着具に係着したまま水洗槽内ですすぎ
洗いしたのち、引きつづいて同じ係着具に係着し
たまま、アニオン電着塗装を行つた。 即ち、固形分12%のアニオン型アクリル系熱硬
化性樹脂電着塗料浴中に懸吊し、これを陽極と
し、18−8ステンレスを陰極として、電圧100V、
浴温25℃で1分間通電した。 通電が完了したら、これを塗料浴から引き上
げ、ついで170℃、20分間の焼付処理を行つた。
得られた塗膜の密着性の試験結果は、クロムイオ
ン電解浴電解を行なわない比較例1と共に第1表
に併記した通りである。 実施例 2 厚さ10μにNiの電解めつきを施した鉄板(7×
15×0.3cm)を用い、これを次記クロムイオン電
解浴中で実施例1と同ようにして陰極電解を行つ
た。 クロムイオン電解浴 クロム酸カリウム …50g/ 酢酸ナトリウム …1g/ PH …8.0 電解条件 浴 温 …25℃ 電流密度(Dk) …0.5A/dm2 電解時間 …5分間 通電完了後該電解浴から引上げて、水洗し、同じ
係着具に係着したまま、下記のアニオン電着塗装
を行つた。この塗装に用いた塗料および電解条件
は実施例1と同じである。塗装後に行われた焼付
け条件も、実施例1と同じく170℃、20分とした。 得られた塗膜の密着性試験成績は、クロムイオ
ン電解浴電解を省略した比較例2と共に第1表に
併載した通りである。
面に透明ないし半透明のアニオン電着塗装を施す
際に、その塗膜の密着性を向上させる方法に関す
る。 従来から、鉄、銅、黄銅、白銅、亜鉛、アルミ
ニウムなどの金属製物品は無論のこと、合成樹脂
製物品に対しても防食性、耐食性ないしは装飾目
的をもつて、広く金属めつきがなされていた。と
ころが、めつき金属がニツケル(Ni)またはニ
ツケル合金などである場合には、硫黄酸化物
(SOx)含有雰囲気中で、きわめて短時間に黒変
をきたし、また人体に由来する汗や湿気によつて
もその光択を失つたり変色したりする。めつき金
属が、金、銀、ロジウムなどのような貴金属であ
る場合には、上記のような化学変化や変色はない
けれども、その価各が高価であるために、厚いめ
つきを施すことは経済的に困難で、きわめて薄い
めつき層となつている。このため、使用中にめつ
き層が摩耗し、既述した防食などのめつき目的が
果たせないものとなつてしまう。さらに外観的に
は、めつきに使用されている金属の種類に特有な
金属光択が尊重される場合も多く、もつと緩和さ
れた金属光沢や他の色彩が要求されることも少な
くない。 このような目的のために、金属めつき層の表面
に透明ないし半透明の塗料を塗装することが試み
られてきた。そのような塗装方法として、一般的
には、浸漬法ないしスプレー法が用いられる。こ
れらの塗装方法でも、塗装されるべきめつきされ
ている物品に外形が単純である場合には、比較的
均一に塗装を施すことができるけれども、外形が
複雑なものではスプレー法によつてさえも、いわ
ゆるタレやカリブが発生し易く、均一な塗膜を得
ることは困難である。その上、これらの方法で
は、通常、塗料中の有機溶剤、たとえばシンナー
による環境衛生上の難点があり、また塗装作業そ
のものから言つても塗料粘度の調整などに特別な
技能が必要とされ、かつ塗装能率も低い。 しかもめつきされた物品表面への上述した塗装
には、根本的とも言うべき難点がある。それはめ
つき層と塗膜との間の密着性が悪く、塗膜が剥離
し易いということである。通常、物品表面に施さ
れているめつき層の表面はきわめて平滑であるが
ために、塗膜と機械的に密着し難いということの
ほか、めつき層金属には酸化ないし不動態化のよ
うな経時変化があり、それに起因して塗膜との密
着が悪くなることが知られている。また従来の全
ての場合がめつき工程と塗装工程とは必然的に独
立した別工程として構成されているので、油や塵
埃などがめつき層表面を汚染し、それが密着性不
良の誘因ともなつている。 めつき層表面と塗膜との密着性を向上するため
の方法は、特公昭49−25537号、特公昭43−2768
号、特公昭53−19981号、特公昭47−44417号、特
公昭57−35697号に記載されている。これによれ
ば、めつきなどが施された物品表面にクロム酸ま
たはその塩や重クロム酸塩などによるクロメート
処理および電解クロム酸処理が施される。しかし
ながら、これらの従来技術では、塗膜の密着性が
不充分であり、たとえば眼鏡のフレームの塗装な
どにおいては、汗が塗膜内に浸透し、錆を発生
し、塗膜が剥離するなどの問題を解決することは
できなかつた。また浸漬法ないしスプレー法など
によつて塗装が行なわれるため、均一な塗膜を得
ることは困難であり、物品表面の金属光沢の美感
を損なうという問題は解決されなかつた。 さらに化学処理皮膜(クロメート皮膜を含む)
を形成した上に、電着塗装による塗膜を形成する
方法は、特公昭48−29379号に開示されている。
しかしながら、この方法によれば、ある程度の密
着性が得られる場合もあるけれども、表面状態を
透明かつ均一にすることはできず、やはり物品表
面の金属光沢の美感を損なうという問題は解決さ
れていない。 本発明は、少なくとも表面が金属層である物品
に、最終仕上げとしてアニオン電着塗装を行うア
ニオン電着塗膜の密着性向上法において、 物品を、6価クロムイオンを5〜100g/含
み、電解触媒を0.01〜1g/含むPH0〜8の水
溶性を電解浴とし、浴温20〜60℃、電流密度0.5
〜5A/dm2の電解条件で、0.5〜5分間陰極電解
を行い、 前記電解触媒は、アンモニウムを共存させた状
態における硫酸イオンまたはカルボン酸イオンを
有する水溶性物質であり、 前記陰極電解を行つた後に、アニオン電着塗装
を施して、透明ないし半透明の塗膜を形成するよ
うにしたことを特徴とするアニオン電着塗膜の密
着性向上法であり、工程的には金属めつき工程か
らこの陰極電解を経てアニオン電着塗装工程へと
直結させることができるのである。 本発明に適用される少なくとも表面が金属層で
ある物品とは、通常めつき処理の施された物品で
あり、電解めつき、無電解めつき、溶融めつきな
ど全ての方法によつてめつきされた物品を含む。
めつき金属の種類としては、Ni、Au、Zn、Cr、
などの単一金属のほかにSn−Cu、Sn−Ni−Cu、
Ni−Co、Sn−Coなどの合金も含まれる。このよ
うなめつきが施される物品の素材は、金属のほか
導電性を付与された合成樹脂および表面に導電性
が付与されている合成樹脂が含まれる。そのよう
な合成樹脂としては、ABS樹脂のような複合性
樹脂、ポリプロピレンのようなポリオレフイン系
樹脂、ナイロンのようなポリアミド系樹脂などを
挙げることができる。 本発明の目的は、このようなめつき処理が施さ
れ、少なくとも表面が金属層である物品に、この
めつきによる金属光沢の美感を維持しつつ密着性
に非常に優れた透明ないし半透明の塗膜を形成さ
せることである。 本発明に使用する電解浴たる6価クロムイオン
含有水溶液とは、Cr6+を5〜100g/含み、PH
0〜8の水溶液であつて、電解触媒を0.1〜1
g/の範囲で含有する。この電解触媒は、アン
モニウムを共存させた状態における硫酸イオンま
たはカルボン酸イオンを有する水溶性の物質であ
る。 Cr6+の供給源としてクロム酸またはその塩たと
えばクロム酸カリウム、クロム酸アンモニウム、
クロム酸ナトリウム、重クロム酸アンモニウム、
重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウムなど
が挙げられる。 このような電解浴を用いて、少なくとも表面が
金属層である物品を陰極電解するときには、この
物品を常法どおりその係着用具に係着させた状態
で浴中に浸漬し、この物品を陰極として電解する
のである。 電解条件としては、浴温20〜60℃、電流密度
Dk0.5〜5A/dm2で0.5〜5分間行う。陽極には、
通常用いられているステンレスカーボン、鉛−錫
の合金が用いられる。電流密度が0.5A/dm2よ
りも小さい場合には、無色透明な6価クロムを含
むクロメート皮膜が充分に形成されない。また電
流密度が5A/dm2を超える場合には、クロメー
ト皮膜にむらが生じ、表面に形成されている金属
光沢の美感が損なわれてしまう。また0.5分以下
の電解時間では、形成されるクロメート皮膜の層
厚が小さすぎて、有機溶剤などに対する耐性が低
くなつてしまう。また5分を超える電解時間で電
解を行う場合は、形成されるクロメート皮膜にむ
らを生じ、前述したように金属めつきによる美感
が損なわれてしまう。またPH8よりも大きい水溶
液中で電解を行うと、後述するアニオン電着塗装
による塗膜との密着性の低下を招来する。 電解触媒として硫酸イオンを用いる場合には、
この硫酸イオンによつて物品表面が黄色に着色さ
れるため、この着色を緩和するためにアンモニウ
ムを併用する必要がある。このアンモニウムは、
前述したCr+ 6の供給源としてアンモニウム塩を使
用する際のものでもよいし、硫酸アンモニウムな
どを使用してもよい。さらに電解触媒としてカル
ボン酸イオンを有する水溶性の物品を含有させて
もよい。このような電解触媒は、0.01〜1g/
で電解浴を構成する水溶液に含有させれば、後述
するアニオン電着塗装を行う際に良好な塗膜を形
成することができる。 上述したところにより、陰極電解を行うと、物
品のめつき層の表面に無色透明あるいは半透明の
6価クロムを含むクロメート皮膜が形成される。
このクロメート皮膜が次に施されるアニオン電着
塗膜とのバインダの役割を果たすのである。 本発明の方法によつては、このようなクロメー
ト皮膜の上に水性塗料のアニオン電着塗装が施さ
れるのである。そのような水性塗料としては、ア
クリル樹脂、フエノール−アルデヒド初期縮合
物、エーテル化メラミン樹脂、アミン中和アルキ
ツド樹脂などをビヒクルとした市販のものがその
まま使用できる。電着条件は、従来のアニオン電
着塗装法の条件と特に異ならない。 電着を施した後には、常法どおり塗膜硬化処
理、たとえば160〜200℃が適用され、ここに本発
明に係るめつき物品表面への塗装が完結する。本
発明においてアニオン塗装を行う理由としては、
塗膜厚を均一とするだけでなく、前述した電解に
よつて形成されたクロメート皮膜が電極反応によ
つてCr6+を溶出し、このCr6+とアニオンとが反応
して不溶化析出することによつて、その密着強度
を非常に高めることができるからである。したが
つてクロメート皮膜から溶出されたCrは、アニ
オン電着によつて形成された塗膜にも分布するこ
ととなり、通常の浸漬法ないしスプレー法などの
塗装方法では得られない高い密着強度を有する塗
膜を形成することができる。またカチオン型の電
着塗装においても、このような現象は起きないの
で、本発明においてはアニオン電着塗装を行なわ
なければならない。 このように本発明によれば、同じ水性塗料の塗
膜でも、めつき層に対する著しい密着性の向上が
認められる。この密着性の試験には、次に記す、
A〜Eなる5種の試験法を採用した。 A:テープ剥離…JIS K−5400 B:アセトン浸漬…アセトン(試薬1級)中に24
時間浸漬後、テープハクリ(クロスカツト)。 C:エタノール浸漬…エタノール(試薬1級)中
に48時間浸漬後、テープハクリ(クロスカツ
ト)。 D:キヤステスト…JIS H8610による(48h)。 E:エリクセン…JIS B7729によるエリクセン試
験機を用い、6mm押出し後テープハクリ。 実施例 1 黄銅板(7×15×0.3cm)を、常法通り電解用
の係着用治具に係着し、常法通りに電解法によつ
て厚さ5μのNiめつきを施し、さらに浴のみを替
えて、その上に厚さ0.1μのAuめつきを施した。 係着用治具から取外すことなく、このものを陰
極とし、18−8ステンレスを陽極として、次記の
クロムイオン電解浴中で陰極電解を行つた。 クロムイオン電解浴 重クロム酸カリ …120g/ 硫酸アンモニウム …0.5g/ PH …4.3 電解条件 浴 温 …45℃ 電流密度(Dk) …3A/dm2 電解時間 …2分間 上記陰極電解が済んだら直ちにこれを浴から引
き上げ、係着具に係着したまま水洗槽内ですすぎ
洗いしたのち、引きつづいて同じ係着具に係着し
たまま、アニオン電着塗装を行つた。 即ち、固形分12%のアニオン型アクリル系熱硬
化性樹脂電着塗料浴中に懸吊し、これを陽極と
し、18−8ステンレスを陰極として、電圧100V、
浴温25℃で1分間通電した。 通電が完了したら、これを塗料浴から引き上
げ、ついで170℃、20分間の焼付処理を行つた。
得られた塗膜の密着性の試験結果は、クロムイオ
ン電解浴電解を行なわない比較例1と共に第1表
に併記した通りである。 実施例 2 厚さ10μにNiの電解めつきを施した鉄板(7×
15×0.3cm)を用い、これを次記クロムイオン電
解浴中で実施例1と同ようにして陰極電解を行つ
た。 クロムイオン電解浴 クロム酸カリウム …50g/ 酢酸ナトリウム …1g/ PH …8.0 電解条件 浴 温 …25℃ 電流密度(Dk) …0.5A/dm2 電解時間 …5分間 通電完了後該電解浴から引上げて、水洗し、同じ
係着具に係着したまま、下記のアニオン電着塗装
を行つた。この塗装に用いた塗料および電解条件
は実施例1と同じである。塗装後に行われた焼付
け条件も、実施例1と同じく170℃、20分とした。 得られた塗膜の密着性試験成績は、クロムイオ
ン電解浴電解を省略した比較例2と共に第1表に
併載した通りである。
【表】
上述したように本発明によれば、少なくとも表
面に金属層を有する物品に最終仕上げとして塗装
を行う方法において、表面の金属光沢の美感を維
持しつつ、均一、なおかつ非常に高い密着性で透
明ないし半透明の塗膜を簡便に形成することがで
きる。しかも金属層をめつきで形成する場合は、
その金属めつきの形成に用いて治具で6価クロム
による電解浴中での陰極電解を行うことができ、
さらに引き上げて係着用治具から取外すことなく
電着塗装工程ないしは焼き付け工程まで一連工程
として表面処理を遂行することができる。このた
め作業工程を格段に合理化することが可能とな
る。しかも、この場合には、金属めつき工程と電
着塗装工程間にめつき金属の不動態化または汚染
を生じることがないので、形成された塗膜の密着
性はさらに向上される。
面に金属層を有する物品に最終仕上げとして塗装
を行う方法において、表面の金属光沢の美感を維
持しつつ、均一、なおかつ非常に高い密着性で透
明ないし半透明の塗膜を簡便に形成することがで
きる。しかも金属層をめつきで形成する場合は、
その金属めつきの形成に用いて治具で6価クロム
による電解浴中での陰極電解を行うことができ、
さらに引き上げて係着用治具から取外すことなく
電着塗装工程ないしは焼き付け工程まで一連工程
として表面処理を遂行することができる。このた
め作業工程を格段に合理化することが可能とな
る。しかも、この場合には、金属めつき工程と電
着塗装工程間にめつき金属の不動態化または汚染
を生じることがないので、形成された塗膜の密着
性はさらに向上される。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少なくとも表面が金属層である物品に、最終
仕上げとしてアニオン電着塗装を行うアニオン電
着塗膜の密着性向上法において、 物品を、6価クロムイオンを5〜100g/含
み、電解触媒を0.01〜1g/含むPH0〜8の水
溶液を電解浴とし、浴温20〜60℃、電流密度0.5
〜5A/dm2の電解条件で、0.5〜5分間陰極電解
を行い、 前記電解触媒は、アンモニウムを共存させた状
態における硫酸イオンまたはカルボン酸イオンを
有する水溶性物質であり、 前記陰極電解を行つた後に、アニオン電着塗装
を施して、透明ないし半透明の塗膜を形成するよ
うにしたことを特徴とするアニオン電着塗膜の密
着性向上法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8379383A JPS59208098A (ja) | 1983-05-12 | 1983-05-12 | アニオン電着塗膜の密着性向上法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8379383A JPS59208098A (ja) | 1983-05-12 | 1983-05-12 | アニオン電着塗膜の密着性向上法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59208098A JPS59208098A (ja) | 1984-11-26 |
| JPH0130920B2 true JPH0130920B2 (ja) | 1989-06-22 |
Family
ID=13812522
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8379383A Granted JPS59208098A (ja) | 1983-05-12 | 1983-05-12 | アニオン電着塗膜の密着性向上法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59208098A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS60211081A (ja) * | 1984-04-04 | 1985-10-23 | Nippon Steel Corp | 電気メツキ塗装方法及び装置 |
| JPS61107199U (ja) * | 1984-12-18 | 1986-07-07 | ||
| EP1302565B1 (de) * | 2001-10-11 | 2004-09-22 | FRANZ Oberflächentechnik GmbH & Co KG | Beschichtungsverfahren für Leichtmetalllegierungsoberflächen |
Family Cites Families (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| BE787597A (fr) * | 1971-08-16 | 1973-02-16 | Siemens Ag | Thyristor |
| JPS4925537A (ja) * | 1972-06-30 | 1974-03-07 | ||
| JPS49100147A (ja) * | 1972-11-17 | 1974-09-21 | ||
| JPS4999936A (ja) * | 1972-11-28 | 1974-09-20 | ||
| JPS511541A (ja) * | 1974-06-26 | 1976-01-08 | Shinto Paint Co Ltd | Tosomaeshorihoho |
| JPS5275627A (en) * | 1975-12-20 | 1977-06-24 | Nitsutetsu Kaatenooru Kk | Surface treatment of aluminum or its alloy |
| JPS5319981A (en) * | 1976-08-09 | 1978-02-23 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Functional organic material |
| JPS5932556B2 (ja) * | 1980-08-14 | 1984-08-09 | 新日本製鐵株式会社 | 溶接性と塗装後の耐食性がすぐれた容器用クロメ−ト被膜鋼板の製造法 |
| JPS57123999A (en) * | 1981-01-21 | 1982-08-02 | Nippon Steel Corp | Steel plate for drawn and ironed can |
-
1983
- 1983-05-12 JP JP8379383A patent/JPS59208098A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59208098A (ja) | 1984-11-26 |
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