JPH0133490B2 - - Google Patents
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- JPH0133490B2 JPH0133490B2 JP59106451A JP10645184A JPH0133490B2 JP H0133490 B2 JPH0133490 B2 JP H0133490B2 JP 59106451 A JP59106451 A JP 59106451A JP 10645184 A JP10645184 A JP 10645184A JP H0133490 B2 JPH0133490 B2 JP H0133490B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は3種の特定な塩化ビニリデン共重合体
からなるラテツクスを混合することにより得られ
た混合ラテツクスを熱可塑性フイルムに塗布乾燥
後熱処理することを特徴とする耐ブロツキング
性、ガスバリヤー性及び印刷適性にすぐれた複合
フイルムの製造方法に関する。 〔従来技術〕 塩化ビニリデン共重合体ラテツクスは既に熱可
塑性樹脂フイルム、特にポリオレフイン、ポリア
ミドおよびポリエステルのフイルムに塗布したと
きに、そのフイルムのガスバリヤー性を顕著に改
良できることが既に知られている。 この塩化ビニリデン共重合体ラテツクスから得
られる塗布膜はラテツクスより水を蒸発乾燥させ
ることにより得られる。この膜は、ラテツクス中
の重合粒子が主に毛細管圧によつて充填・変形
し、粒子同志が密着し、融着することにより形成
される。 このラテツクスより得られる膜は他の成膜加工
方法、たとえば樹脂を加熱溶融し、押出延伸する
方法、あるいは樹脂を可溶性の溶剤に溶解した溶
液から乾燥成膜する方法等によつて得られる膜と
比較すると、膜の樹脂組成が均質ではなく、また
乳化剤等の不純物を含有しているものである。 すなわち、柔軟温度が高く、常温で殆んど可塑
化流動性をもたない結晶性の塩化ビニリデン共重
合体を含む。 ラテツクスから塗布乾燥することによつて得ら
れた膜では、ラテツクス粒子同志は、その界面で
相互に接着しているに過ぎず、粒子間で樹脂が完
全に溶融均一化し合うことは殆ど無いと考えられ
る。そのため、このような膜では膜中に微小な
孔、クラツク等が多数存在することが顕微鏡によ
り、容易に観察される。このことは ラテツクスから造膜した膜と該ラテツクスと同
一の共重合体組成の有機溶剤に溶解した溶液から
成膜した同一の厚みのある膜とを比較すると、前
者の膜のガスバリヤー性が劣る大きな原因となつ
ている。 一方、この有機溶剤を使用した塩化ビニリデン
共重合体溶液は低固形分濃度でも粘度が高く、塗
布できる量に大きな制限があることと、溶剤を使
用するための不利益が成膜上の一大欠点となつて
いる。 ラテツクスから造膜する場合は、塗布できる量
の制限が少ないかわりに、前述のように得られる
膜の材質が不均質で、ガスバリヤー性の劣ること
が欠点となつている。この点を改良するためにラ
テツクスから造膜した膜を加熱溶融してガスバリ
ヤー性を向上する方法について、種々の提案がな
されている。すなわち、基材フイルムに塩化ビニ
リデン共重合体を塗布後、熱処理を行なう方法
で、結果的に基材フイルムとの接着、ガスバリヤ
ー性、耐ボイル性等が改良されることが特開昭49
―10973号公報、特開昭57―165253号公報に示さ
れている。 さて、このような熱処理を行なう利点は上記の
通りであるが、この熱処理には実際の使用にあた
り大きな問題がある。すなわち、熱処理された塩
化ビニリデン共重合体塗布フイルムでは、その塩
化ビニリデン共重合体が熱処理中に融解し、非晶
状態となり、室温に冷却しても極めて柔軟な皮膜
となり、ブロツキングするため、そのままロール
状態に巻取ることが事実上不可能なことである。 このブロツキングを防止するためには、塩化ビ
ニリデン共重合体が熱処理を受けた後、急激に結
晶化し、塗膜の硬化を促進する作用のある高融点
の塩化ビニリデン共重合体を少量混合することが
有効である。既に、特公昭58―8702号公報、特開
昭57―57741号公報、特開昭57―164111号公報、
特開昭58―176235号公報等に示されている通りで
ある。 しかし、この方法には致命的な欠点が二つほど
あげられる。第一に、この高融点の塩化ビニリデ
ン共重合体の結晶化誘発作用により、ロール状に
巻取られた後の熟成工程で塗膜が高結晶化度にな
り、耐薬品性が極めて良好なものになる。しかし
この塩化ビニリデン共重合体の耐薬品性が良好で
あるということは、この共重合体面に有機溶剤等
を使用する印刷インキあるいはフイルムラミネー
ト用接着剤を塗布する場合、インキあるいは接着
剤に対する親和性あるいは接着性という性質が殆
ど無いことを意味する。このようにして得られた
塗布フイルムの後加工性は、他の一般的な方法で
製造される塩化ビニリデン共重合体塗工フイルム
と比較して極めて劣つており、その用途に大きな
制限を受け、商品価値を低くするという致命的な
欠点を有している。更に、この高融点の塩化ビニ
リデン共重合体は一般にその単量体組成において
塩化ビニリデンの含有量が高く、場合によつては
ほぼ100%の塩化ビニリデン含有量の共重合体も
あるほどある。そのためこの高融点の塩化ビニリ
デン共重合体を含む共重合体を塗布したフイルム
を高温で熱処理するとその共重合体が容易に熱分
解するため、フイルムが著しく着色してフイルム
の商品価値を低くするという欠点もある。 〔発明の概要〕 本発明者等はこれらの欠点を排除すべく鋭意研
究し、3種の塩化ビニリデン共重合体ラテツクス
の混合物を熱可塑性フイルムに塗布、熱処理する
ことによりこの問題を解決することができた。 すなわち、本発明は、塩化ビニリデン80〜94重
量%を含む共重合体からなり、かつ最底増膜温度
が25℃以下のラテツクス(A)を樹脂分として50〜94
重量部、塩化ビニリデン94〜100重量%を含む共
重合体ラテツクス(B)を樹脂分として3〜30重量部
及びガラス転移温度(Tg)が35〜90℃で塩化ビ
ニリデン40〜80重量%を含む共重合体からなるラ
テツクス(C)を樹脂分として3〜20重量部を、ラテ
ツクス状態で混合する〔全樹脂分を100重量部と
する〕ことにより得られた塩化ビニリデン共重合
体混合ラテツクスをフイルムに塗布乾燥後熱処理
することを特徴とする耐ブロツキング性、印刷性
の改良されたガスバリヤー性フイルムの製造法に
関するものである。 ラテツクス(A)が単独の場合には、フイルム表面
に塗布乾燥後熱処理することによりそのガスバリ
ヤー性が向上するものの熱処理後、ロール状に巻
き取る際にブロツキングを起し易い。本発明では
ラテツクス(B)が含まれているため、その高融点の
塩化ビニリデン共重合体の結晶誘発効果により耐
ボイル性、ブロツキング性を改良することができ
る。しかも混合ラテツクス中に更にラテツクス(C)
をも含むためラテツクス(B)の存在に帰因する高結
晶化が防止され、印刷適性にも優れたフイルムを
得ることができた。このように耐ブロツキング
性、耐ボイル性、印刷適性およびガスバリヤー性
という相矛盾する諸性質を兼備えた極めてバラン
スのよい複合フイルムは本発明のラテツクス(A),
(B),(C)を特定割合に混合した混合ラテツクスを使
用することによりはじめて得ることができたので
ある。 〔発明の具体的説明〕 本発明方法で使用する基材フイルムとしては一
般に使用されるフイルムが用いられる。ここにフ
イルムとはいわゆるフイルムは勿論、シート状物
をも含むものとする。本発明で使用するフイルム
としてはポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン
―酢酸ビニル共重合体及びエチレン―酢酸ビニル
共重合体鹸化物等の熱可塑性樹脂フイルム、セロ
ハン等の再生セルロースのフイルムが好ましく使
用される。熱可塑性樹脂フイルムの場合は未延伸
でも1軸もしくは2軸延伸したものでも用いるこ
とができる。 これらの基材の表面もしくはその酸化処理面に
必要に応じてアンカーコート剤(以後AC剤と称
する)を塗布する。AC剤は通常使用されている
アクリル系樹脂のエマルジヨンあるいは有機溶剤
の溶液、ポリウレタンまたはポリエステルの接着
剤の有機溶剤の溶液等が使用できる。 次に、基材の表面もしくは酸化処理面あるいは
AC剤塗布面上に塗布する塩化ビニリデン共重合
体ラテツクスは以下の(A),(B)および(C)の3種類の
塩化ビニリデン系共重合体ラテツクスの混合物で
ある。 ラテツクス(A)は塩化ビニリデン80〜94重量%未
満を含む共重合体〔以後共重合体(A)と称する〕か
らなり、かつ最低増膜温度が25℃以下のラテツク
スであり、造膜性の良好な一般的な塗布用の塩化
ビニリデン共重合体ラテツクスである。 ラテツクス(A)は通常使用される最低増膜温度
(以下MFTと略す)が25℃以下で、造膜性が良好
な一般的な共重合体ラテツクスである。 MFTは濃度勾配のついたステンレススチール
製平板上に固形分濃度50±1%の試料ラテツクス
を0.2mmの厚さに塗布し、20℃、65%RHの雰囲気
中で乾燥し、皮膜にひび割れが発生しない下限の
温度として測定した。 この共重合体(A)は塩化ビニリデン80〜94重量%
と塩化ビニリデンと共重合可能な少なくとも1種
の単量体6〜20重量%とからなるものである。こ
の共重合体(A)は全混合塩化ビニリデン共重合体
100重量部のうち50〜94重量部、望ましくは60〜
85重量部を占める。共重合体(A)中の塩化ビニリデ
ンの含有量が94重量%以上ではラテツクスとして
造膜性が劣るものとなり、また80重量%以下では
得られる膜のガスバリヤー性が劣るものとなる。
この共重合体(A)が混合ラテツクスの全樹脂分100
重量部中50重量部以下では混合ラテツクスの造膜
性が劣るものとなる。 ラテツクス(B)中の塩化ビニリデン94〜100重量
%を含む共重合体〔以後共重合体(B)と称す〕は後
述する熱処理後にロール状にフイルムあるいはシ
ートを巻取つたときにブロツキングを防止するの
に必要不可欠なものである。この共重合体(B)は好
ましくは融点180〜210℃を有し、主に共重合体(A)
の結晶核として作用するものであり、そのために
は共重合体(B)中の塩化ビニリデン含有量が94重量
%以上、望ましくは96重量%以上のものが極めて
有効であり、既に特公昭58―8702号公報に示され
ている如き塩化ビニリデン共重合体が用いられ
る。この共重合体(B)は混合樹脂分100重量部中3
〜30重量部、望ましくは5〜25重量部を占める。
3重量部以下ではフイルムあるいはシートをロー
ル状に巻取つた時の耐ブロツキング性および耐ボ
イル性が劣化する。一方、30重量部以上では混合
ラテツクスの造膜性が劣化してしまう。 ラテツクス(C)中の塩化ビニリデン40〜80重量%
を含む共重合体〔以後、共重合体(C)と称する〕は
本発明の最大の特徴をもつ共重合体であつて、こ
の使用により熱処理後にロール状に巻取つた時の
耐ブロツキング性の改良と塗布フイルムの印刷
性、特にセロフアン用印刷インキの印刷適性が顕
著に改良される。また、共重合体(C)の使用により
共重合体(B)の使用量を減少させることができるの
で熱安定性の改良にもつながる。この共重合体(C)
は混合樹脂分100重量部中3〜20重量部、望まし
くは5〜15重量部使用される。この共重合体(C)が
3重量部以下では、耐ブロツキング性,印刷性が
劣り、20重量部以上では、ガスバリヤー性が劣
り、さらにボイル処理した場合にボイル白化する
という不都合が生じる。この共重合体(C)は塩化ビ
ニリデン40〜80重量%と塩化ビニリデンと共重合
可能な少なくとも1種の単量体20〜60重量%とか
らなるもので、この共重合体のガラス転移温度
(Tg)が35〜90℃望ましくは40〜80℃の範囲もの
が使用される。Tgは試料を20mg採取し、差動走
査熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度
で測定した。 共重合体(C)は印刷性の改良に必要不可欠であ
り、この性質の改良には実質的に非晶性共重合体
であることが極めて有効である。共重合体中の塩
化ビニリデン含有量が80重量%以上では、共重合
体が結晶性となり、また耐ブロツキング性の改良
に有効なTgが35℃以上の共重合体を得ることが
困難となる。一方、40重量%以下ではガスバリヤ
ー性の劣化が著しい。共重合体(C)が塩化ビニリデ
ン共重合体であるため、共重合体(A)と共重合体(B)
との屈折率の差が小さくなり、造膜後の膜の透明
性を良くすることができる。 単に印刷性および耐ブロツキング性の改良のた
めには他の樹脂、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル共重合体、アクリル共重合体、スチレン共重
合体等を使用してもよいが、前述のようにガスバ
リヤー性と透明性の点からは共重合体(C)を用いる
ことが必要である。 共重合体(C)のTgは耐ブロツキング性の点から
は高い方が望ましいが、後述する熱処理、特に比
較的低温で延伸する場合には、塗膜にクラツク等
が発生するため90℃以下、望ましくは80℃以下の
ものが用いられる。 本発明に使用する塩化ビニリデン共重合体(A),
(B),(C)の塩化ビニリデンと共重合可能な単量体と
しては例え塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル
酸2―エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、スチレン
スルフオン酸ソーダ、メタクリル酸メトキシポリ
エチレングリコール、アクリル酸グリシジル、メ
タクル酸グリシジル等が少くとも1種以上使用さ
れ得る。勿論、共重合体(A),(C)はそのMFTある
いはTgの制限があるのでこれを満足する単量体
及び量で使用するのは当然である。Tgの観点か
らは共重合体(C)の共単量体としてはメチルメタア
クリレート、アクリロニトリル、スチレン、メチ
ルアクリレート、塩化ビニル等が特に好ましい。 これらの塩化ビニリデン共重合体ラテツクスの
重合には通常のアニオン性乳化剤あるいはノニオ
ン性乳化剤または前記乳化剤の混合物が使用さ
れ、40〜80℃の範囲で重合が行われるものであ
る。 また塩化ビニリデン共重合体ラテツクスにはブ
ロツキング防止剤としてシリカ、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレイ等の無機質粉体、あるいはワ
ツクスさらに顔料、染料等を添加しても使用でき
る。 ラテツクス(A),(B),(C)の樹脂濃度は夫々通常30
〜60重量%が好ましく、3者を混合した場合45〜
55重量%の樹脂濃度とすることが好ましい。以上
のラテツクス(A),(B),(C)を共重合体(A),(B),(C)が
夫々全樹脂分100重量部中94〜100重量部、3〜30
重量部、3〜20重量部となるように混合して使用
する。これらのラテツクスの使用量は各ラテツク
スの樹脂濃度により異なるが共重合体(A),(B),(C)
がその量的関係を満足する範囲で使用される。 ラテツクスの塗布量には特に規制はないが、通
常1回で塗布できる量、すなわち樹脂分で1〜20
g/m2程度が好適に使用される、このラテツクス
をフイルムに塗布、乾燥後熱処理を行い、室温に
冷却した後ロール状に巻取る。 熱処理は基材として2軸延伸フイルムあるいは
シートを使用する場合、基材が熱変形しない温度
で、かつ少なくとも共重合体(A)の融点以上の温度
が好適に使用できる範囲である。 基材が二軸延伸ポリアシドまたはポリエチレン
テレフタレートのフイルムあるいはシートの場合
には140〜180℃で、また二軸延伸ポリプロピレン
フイルムの場合には120℃以下で少なくとも塩化
ビニリデン共重合体の共重合体(A)が融解する温度
に達するまでの時間が必要である。加熱する方法
としては熱風、赤外線、熱ロール接触等が用いら
れ、熱処理時間は0.5〜30秒程度が望ましい。一
般に熱ロールに塩化ビニリデン共重合体を直接接
触させて、加熱する方法が最も有効である。 基材が熱可塑性樹脂フイルムであつて塗布と延
伸を兼ね行つて複合延伸フイルムを製造する場合
には、混合ラテツクスを塗布乾燥後、1軸もしく
は2軸に延伸し、その後熱処理を行うことが好ま
しい。もちろん延伸時もしくは熱固定時に熱処理
を兼ね行うこともできる。延伸もしくは熱固定温
度によつては混合ラテツクスに使用するラテツク
スを適度に選択する必要がある。 以上の如く塩化ビニリデン共重合体混合ラテツ
クスが塗布され熱処理された複合フイルムは共重
合体(C)のTg以下、通常室温迄冷却し、ロール状
に巻取られる。 以下に本発明の有用性を実施例により示す。表
示した%および部はそれぞれ重量%および重量部
である。 最初に評価試験方法について以下に説明する。 (1) 酸素透過度: 試料の複合フイルムを20℃、90%RHの状態
でMOCON OX―TRAN100型試験機で測定し
た。その評価は加熱処理をしない場合で、かつ
共重合体(A)のみを塗布した酸素透過度と比較し
て、少なくとも劣つていない場合を良とした。 (2) 耐ブロツキング性: 熱処理後直に基材フイルム面と塩化ビニリデ
ン共重合体面を接触させた2cm×2cmの大きさ
の平面に1Kgの荷重をかけ40℃のオーブン中に
20時間放置した。その後23℃、60%RH条件下
で試料フイルムのブロツキング強度を、試料の
両端を互に反対方向に引張ることにより、その
剥離する強度として測定した。ブロツキング強
度は基材フイルムのフイルム強度によりその許
容度が異なるので、基材フイルムがポリエチレ
ンテレフタレートの場合には1500g以下を良、
ナイロンフイルムの場合には1800g以下を良、
ポリプロピレンフイルムの場合には900g以下
を良と判定した。 (3) 印刷適性 塩化ビニリデン共重合体塗布面に、防湿セロ
フアン用印刷インキGNC―STとその希釈溶剤
GN―102(東洋インキ社製)を2:1の比に混
合したものを、固形分で2g/m2になるように
塗布し、60℃の熱風式にオーブン中で1分間乾
燥した。その後印刷インキ面にセロフアン粘着
テープを密着させ、速い速度で引きはがし、印
刷インキ面の剥離程度を判定した。印刷インキ
の剥離面の広さが20%以下の場合を良と判定し
た。また、この印刷適性の良好なフイルムはラ
ミネート適性も良好であつた。 (4) 耐ボイル性: ボイル白化:基材フイルムとしてポリエチレン
テレフタレートおよびナイロンを用いた場合
のみ試験した。熟成後95℃の熱水に30分間浸
漬したのちJISK―6714に準じて曇価を測定
した。曇価が15%以下を良とした。 接着性:熟成後95℃の熱水に30分間浸漬したの
ち、塩化ビニリデン共重合体面の水滴をよく
ふき取る。その面にセロフアン粘着テープを
強く密着させたのち、セロフアン粘着テープ
を強く引きはがし、基材フイルムより塩化ビ
ニリデン共重合体膜が剥離する面積が20%以
下を良とした。 次に本発明の実施例に使用する塩化ビニリデン
共重合体ラテツクスの重合について述べる。 (1) ラテツクス(A)の場合: ラテツクス(A―1): ステンレススチール製オートクレーブを充分
に窒素置換した後、 塩化ビニリデン 22.9部 アクリル酸メチル 2.1 脱イオン水 77.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5 過硫酸カリウム 0.01 亜硫酸水素ナトリウム 0.007 を仕込み、45℃で10時間撹拌した。その後 塩化ビニリデン 68.7 アクリル酸メチル 4.5 アクリロニトリル 1.5 アクリル酸 0.3 脱イオン水 5.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.7 過硫酸カリウム 0.01 亜硫酸水素ナトリウム 0.005 を加え、20時間撹拌し、さらに 脱イオン水 3.0 過硫酸カリウム 0.02 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 を添加し、5時間撹拌してラテツクスを得た。 重合収率はほぼ100%なので得られた共重合
体(A−1)の組成は仕込比にほぼ等しい。こ
のラテツクスのMFTは16℃であつた。 ラテツクス(A―2): 共重合体(A―1)の単量体とその仕込量を
以下の単量体と量に変える以外は前記と同一方
法で重合した。 最初に 塩化ビニリデン 21.7部 アクリル酸メチル 2.8 メタクリル酸メチル 0.5 を仕込み、次に 塩化ビニリデン 64.9 アクリル酸メチル 8.3 メタクリル酸メチル 1.5 アクリル酸 0.3 を加えて反応を行つた。 ラテツクス(A―2)のMFTは17℃であつ
た。 (2) ラテツクス(B)の重合: ステンレススチール製オートクレーブを充分
に窒素置換した後、 塩化ビニリデン 97.0 アクリル酸メチル 2.0 アクリル酸 1.0 脱イオン水 250 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 3.0 過硫酸カリウム 0.03 亜硫酸水素ナトリウム 0.015 を仕込み、45℃で15時間撹拌して、ラテツクス
を得た。重合収率はほぼ100%なので得られた
共重合体(B)の組成はほぼ仕込比に等しい。 (3) ラテツクス(C)の重合: ラテツクス(C―1): ステンレススチール製オートクレーブを充分
に窒素置換した後、 塩化ビニリデン 5.0部 メタリル酸メチル 5.0 脱イオン水 50 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5部 過硫酸カリウム 0.01 亜硫酸水素ナトリウム 0.07 を仕込み、6時間撹拌した。その後 脱イオン水 30部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1.0 過硫酸カリウム 0.03 亜硫酸水素ナトリウム 0.02 を添加し、次に 塩化ビニリデン 44.9部 メタクリル酸メチル 44.8 アクリル酸 0.3 の混合物を毎時9部づつ添加した。 この混合物の添加終了後、 脱イオン水 5.0 過硫酸カリウム 0.01 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 を一度に添加し、5時間撹拌し、ラテツクス
(C―1)を得た。重合収率はほぼ100%なので
得られた共重合体(C―1)の組成は仕込比に
ほぼ等しい。 ラテツクス(C―2): ラテツクス(C―1)の単量体とその仕込量
を以下の単量体と量に変え以外は同一方法で重
合した。 塩化ビニリデン 65部 メタクリル酸メチル 35 ラテツクス(C―3): ラテツクス(C―1)の単量体とその仕込量
を以下の単量体と量に変える以外は同一方法で
重合した。 塩化ビニリデン 75部 メタクリル酸メチル 25 ラテツクス(C―4): ラテツクス(C―1)の単量体とその仕込量
を以下の単量体と量に変える以外は同一方法で
重合した。 塩化ビニリデン 70部 アクリロニトリル 30 ラテツクス(C―1),(C―2),(C―3),
(C―4)中の共重合体を夫々共重合体(C―
1),(C―2),(C―3),(C―4)と称す
る。 各ラテツクス(A),(B),(C)を凍結させた後、脱
水し、メタノールで洗浄後、室温で乾燥し、各
共重合体(A),(B),(C)の粉体を得た。この粉体を
DSC(差動走査熱量計)によりそのTgおよび融
点(Tm)を測定した。その結果を第1表に示
す。
からなるラテツクスを混合することにより得られ
た混合ラテツクスを熱可塑性フイルムに塗布乾燥
後熱処理することを特徴とする耐ブロツキング
性、ガスバリヤー性及び印刷適性にすぐれた複合
フイルムの製造方法に関する。 〔従来技術〕 塩化ビニリデン共重合体ラテツクスは既に熱可
塑性樹脂フイルム、特にポリオレフイン、ポリア
ミドおよびポリエステルのフイルムに塗布したと
きに、そのフイルムのガスバリヤー性を顕著に改
良できることが既に知られている。 この塩化ビニリデン共重合体ラテツクスから得
られる塗布膜はラテツクスより水を蒸発乾燥させ
ることにより得られる。この膜は、ラテツクス中
の重合粒子が主に毛細管圧によつて充填・変形
し、粒子同志が密着し、融着することにより形成
される。 このラテツクスより得られる膜は他の成膜加工
方法、たとえば樹脂を加熱溶融し、押出延伸する
方法、あるいは樹脂を可溶性の溶剤に溶解した溶
液から乾燥成膜する方法等によつて得られる膜と
比較すると、膜の樹脂組成が均質ではなく、また
乳化剤等の不純物を含有しているものである。 すなわち、柔軟温度が高く、常温で殆んど可塑
化流動性をもたない結晶性の塩化ビニリデン共重
合体を含む。 ラテツクスから塗布乾燥することによつて得ら
れた膜では、ラテツクス粒子同志は、その界面で
相互に接着しているに過ぎず、粒子間で樹脂が完
全に溶融均一化し合うことは殆ど無いと考えられ
る。そのため、このような膜では膜中に微小な
孔、クラツク等が多数存在することが顕微鏡によ
り、容易に観察される。このことは ラテツクスから造膜した膜と該ラテツクスと同
一の共重合体組成の有機溶剤に溶解した溶液から
成膜した同一の厚みのある膜とを比較すると、前
者の膜のガスバリヤー性が劣る大きな原因となつ
ている。 一方、この有機溶剤を使用した塩化ビニリデン
共重合体溶液は低固形分濃度でも粘度が高く、塗
布できる量に大きな制限があることと、溶剤を使
用するための不利益が成膜上の一大欠点となつて
いる。 ラテツクスから造膜する場合は、塗布できる量
の制限が少ないかわりに、前述のように得られる
膜の材質が不均質で、ガスバリヤー性の劣ること
が欠点となつている。この点を改良するためにラ
テツクスから造膜した膜を加熱溶融してガスバリ
ヤー性を向上する方法について、種々の提案がな
されている。すなわち、基材フイルムに塩化ビニ
リデン共重合体を塗布後、熱処理を行なう方法
で、結果的に基材フイルムとの接着、ガスバリヤ
ー性、耐ボイル性等が改良されることが特開昭49
―10973号公報、特開昭57―165253号公報に示さ
れている。 さて、このような熱処理を行なう利点は上記の
通りであるが、この熱処理には実際の使用にあた
り大きな問題がある。すなわち、熱処理された塩
化ビニリデン共重合体塗布フイルムでは、その塩
化ビニリデン共重合体が熱処理中に融解し、非晶
状態となり、室温に冷却しても極めて柔軟な皮膜
となり、ブロツキングするため、そのままロール
状態に巻取ることが事実上不可能なことである。 このブロツキングを防止するためには、塩化ビ
ニリデン共重合体が熱処理を受けた後、急激に結
晶化し、塗膜の硬化を促進する作用のある高融点
の塩化ビニリデン共重合体を少量混合することが
有効である。既に、特公昭58―8702号公報、特開
昭57―57741号公報、特開昭57―164111号公報、
特開昭58―176235号公報等に示されている通りで
ある。 しかし、この方法には致命的な欠点が二つほど
あげられる。第一に、この高融点の塩化ビニリデ
ン共重合体の結晶化誘発作用により、ロール状に
巻取られた後の熟成工程で塗膜が高結晶化度にな
り、耐薬品性が極めて良好なものになる。しかし
この塩化ビニリデン共重合体の耐薬品性が良好で
あるということは、この共重合体面に有機溶剤等
を使用する印刷インキあるいはフイルムラミネー
ト用接着剤を塗布する場合、インキあるいは接着
剤に対する親和性あるいは接着性という性質が殆
ど無いことを意味する。このようにして得られた
塗布フイルムの後加工性は、他の一般的な方法で
製造される塩化ビニリデン共重合体塗工フイルム
と比較して極めて劣つており、その用途に大きな
制限を受け、商品価値を低くするという致命的な
欠点を有している。更に、この高融点の塩化ビニ
リデン共重合体は一般にその単量体組成において
塩化ビニリデンの含有量が高く、場合によつては
ほぼ100%の塩化ビニリデン含有量の共重合体も
あるほどある。そのためこの高融点の塩化ビニリ
デン共重合体を含む共重合体を塗布したフイルム
を高温で熱処理するとその共重合体が容易に熱分
解するため、フイルムが著しく着色してフイルム
の商品価値を低くするという欠点もある。 〔発明の概要〕 本発明者等はこれらの欠点を排除すべく鋭意研
究し、3種の塩化ビニリデン共重合体ラテツクス
の混合物を熱可塑性フイルムに塗布、熱処理する
ことによりこの問題を解決することができた。 すなわち、本発明は、塩化ビニリデン80〜94重
量%を含む共重合体からなり、かつ最底増膜温度
が25℃以下のラテツクス(A)を樹脂分として50〜94
重量部、塩化ビニリデン94〜100重量%を含む共
重合体ラテツクス(B)を樹脂分として3〜30重量部
及びガラス転移温度(Tg)が35〜90℃で塩化ビ
ニリデン40〜80重量%を含む共重合体からなるラ
テツクス(C)を樹脂分として3〜20重量部を、ラテ
ツクス状態で混合する〔全樹脂分を100重量部と
する〕ことにより得られた塩化ビニリデン共重合
体混合ラテツクスをフイルムに塗布乾燥後熱処理
することを特徴とする耐ブロツキング性、印刷性
の改良されたガスバリヤー性フイルムの製造法に
関するものである。 ラテツクス(A)が単独の場合には、フイルム表面
に塗布乾燥後熱処理することによりそのガスバリ
ヤー性が向上するものの熱処理後、ロール状に巻
き取る際にブロツキングを起し易い。本発明では
ラテツクス(B)が含まれているため、その高融点の
塩化ビニリデン共重合体の結晶誘発効果により耐
ボイル性、ブロツキング性を改良することができ
る。しかも混合ラテツクス中に更にラテツクス(C)
をも含むためラテツクス(B)の存在に帰因する高結
晶化が防止され、印刷適性にも優れたフイルムを
得ることができた。このように耐ブロツキング
性、耐ボイル性、印刷適性およびガスバリヤー性
という相矛盾する諸性質を兼備えた極めてバラン
スのよい複合フイルムは本発明のラテツクス(A),
(B),(C)を特定割合に混合した混合ラテツクスを使
用することによりはじめて得ることができたので
ある。 〔発明の具体的説明〕 本発明方法で使用する基材フイルムとしては一
般に使用されるフイルムが用いられる。ここにフ
イルムとはいわゆるフイルムは勿論、シート状物
をも含むものとする。本発明で使用するフイルム
としてはポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン
―酢酸ビニル共重合体及びエチレン―酢酸ビニル
共重合体鹸化物等の熱可塑性樹脂フイルム、セロ
ハン等の再生セルロースのフイルムが好ましく使
用される。熱可塑性樹脂フイルムの場合は未延伸
でも1軸もしくは2軸延伸したものでも用いるこ
とができる。 これらの基材の表面もしくはその酸化処理面に
必要に応じてアンカーコート剤(以後AC剤と称
する)を塗布する。AC剤は通常使用されている
アクリル系樹脂のエマルジヨンあるいは有機溶剤
の溶液、ポリウレタンまたはポリエステルの接着
剤の有機溶剤の溶液等が使用できる。 次に、基材の表面もしくは酸化処理面あるいは
AC剤塗布面上に塗布する塩化ビニリデン共重合
体ラテツクスは以下の(A),(B)および(C)の3種類の
塩化ビニリデン系共重合体ラテツクスの混合物で
ある。 ラテツクス(A)は塩化ビニリデン80〜94重量%未
満を含む共重合体〔以後共重合体(A)と称する〕か
らなり、かつ最低増膜温度が25℃以下のラテツク
スであり、造膜性の良好な一般的な塗布用の塩化
ビニリデン共重合体ラテツクスである。 ラテツクス(A)は通常使用される最低増膜温度
(以下MFTと略す)が25℃以下で、造膜性が良好
な一般的な共重合体ラテツクスである。 MFTは濃度勾配のついたステンレススチール
製平板上に固形分濃度50±1%の試料ラテツクス
を0.2mmの厚さに塗布し、20℃、65%RHの雰囲気
中で乾燥し、皮膜にひび割れが発生しない下限の
温度として測定した。 この共重合体(A)は塩化ビニリデン80〜94重量%
と塩化ビニリデンと共重合可能な少なくとも1種
の単量体6〜20重量%とからなるものである。こ
の共重合体(A)は全混合塩化ビニリデン共重合体
100重量部のうち50〜94重量部、望ましくは60〜
85重量部を占める。共重合体(A)中の塩化ビニリデ
ンの含有量が94重量%以上ではラテツクスとして
造膜性が劣るものとなり、また80重量%以下では
得られる膜のガスバリヤー性が劣るものとなる。
この共重合体(A)が混合ラテツクスの全樹脂分100
重量部中50重量部以下では混合ラテツクスの造膜
性が劣るものとなる。 ラテツクス(B)中の塩化ビニリデン94〜100重量
%を含む共重合体〔以後共重合体(B)と称す〕は後
述する熱処理後にロール状にフイルムあるいはシ
ートを巻取つたときにブロツキングを防止するの
に必要不可欠なものである。この共重合体(B)は好
ましくは融点180〜210℃を有し、主に共重合体(A)
の結晶核として作用するものであり、そのために
は共重合体(B)中の塩化ビニリデン含有量が94重量
%以上、望ましくは96重量%以上のものが極めて
有効であり、既に特公昭58―8702号公報に示され
ている如き塩化ビニリデン共重合体が用いられ
る。この共重合体(B)は混合樹脂分100重量部中3
〜30重量部、望ましくは5〜25重量部を占める。
3重量部以下ではフイルムあるいはシートをロー
ル状に巻取つた時の耐ブロツキング性および耐ボ
イル性が劣化する。一方、30重量部以上では混合
ラテツクスの造膜性が劣化してしまう。 ラテツクス(C)中の塩化ビニリデン40〜80重量%
を含む共重合体〔以後、共重合体(C)と称する〕は
本発明の最大の特徴をもつ共重合体であつて、こ
の使用により熱処理後にロール状に巻取つた時の
耐ブロツキング性の改良と塗布フイルムの印刷
性、特にセロフアン用印刷インキの印刷適性が顕
著に改良される。また、共重合体(C)の使用により
共重合体(B)の使用量を減少させることができるの
で熱安定性の改良にもつながる。この共重合体(C)
は混合樹脂分100重量部中3〜20重量部、望まし
くは5〜15重量部使用される。この共重合体(C)が
3重量部以下では、耐ブロツキング性,印刷性が
劣り、20重量部以上では、ガスバリヤー性が劣
り、さらにボイル処理した場合にボイル白化する
という不都合が生じる。この共重合体(C)は塩化ビ
ニリデン40〜80重量%と塩化ビニリデンと共重合
可能な少なくとも1種の単量体20〜60重量%とか
らなるもので、この共重合体のガラス転移温度
(Tg)が35〜90℃望ましくは40〜80℃の範囲もの
が使用される。Tgは試料を20mg採取し、差動走
査熱量計(DSC)を用いて10℃/分の昇温速度
で測定した。 共重合体(C)は印刷性の改良に必要不可欠であ
り、この性質の改良には実質的に非晶性共重合体
であることが極めて有効である。共重合体中の塩
化ビニリデン含有量が80重量%以上では、共重合
体が結晶性となり、また耐ブロツキング性の改良
に有効なTgが35℃以上の共重合体を得ることが
困難となる。一方、40重量%以下ではガスバリヤ
ー性の劣化が著しい。共重合体(C)が塩化ビニリデ
ン共重合体であるため、共重合体(A)と共重合体(B)
との屈折率の差が小さくなり、造膜後の膜の透明
性を良くすることができる。 単に印刷性および耐ブロツキング性の改良のた
めには他の樹脂、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル共重合体、アクリル共重合体、スチレン共重
合体等を使用してもよいが、前述のようにガスバ
リヤー性と透明性の点からは共重合体(C)を用いる
ことが必要である。 共重合体(C)のTgは耐ブロツキング性の点から
は高い方が望ましいが、後述する熱処理、特に比
較的低温で延伸する場合には、塗膜にクラツク等
が発生するため90℃以下、望ましくは80℃以下の
ものが用いられる。 本発明に使用する塩化ビニリデン共重合体(A),
(B),(C)の塩化ビニリデンと共重合可能な単量体と
しては例え塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル
酸2―エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、スチレン
スルフオン酸ソーダ、メタクリル酸メトキシポリ
エチレングリコール、アクリル酸グリシジル、メ
タクル酸グリシジル等が少くとも1種以上使用さ
れ得る。勿論、共重合体(A),(C)はそのMFTある
いはTgの制限があるのでこれを満足する単量体
及び量で使用するのは当然である。Tgの観点か
らは共重合体(C)の共単量体としてはメチルメタア
クリレート、アクリロニトリル、スチレン、メチ
ルアクリレート、塩化ビニル等が特に好ましい。 これらの塩化ビニリデン共重合体ラテツクスの
重合には通常のアニオン性乳化剤あるいはノニオ
ン性乳化剤または前記乳化剤の混合物が使用さ
れ、40〜80℃の範囲で重合が行われるものであ
る。 また塩化ビニリデン共重合体ラテツクスにはブ
ロツキング防止剤としてシリカ、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレイ等の無機質粉体、あるいはワ
ツクスさらに顔料、染料等を添加しても使用でき
る。 ラテツクス(A),(B),(C)の樹脂濃度は夫々通常30
〜60重量%が好ましく、3者を混合した場合45〜
55重量%の樹脂濃度とすることが好ましい。以上
のラテツクス(A),(B),(C)を共重合体(A),(B),(C)が
夫々全樹脂分100重量部中94〜100重量部、3〜30
重量部、3〜20重量部となるように混合して使用
する。これらのラテツクスの使用量は各ラテツク
スの樹脂濃度により異なるが共重合体(A),(B),(C)
がその量的関係を満足する範囲で使用される。 ラテツクスの塗布量には特に規制はないが、通
常1回で塗布できる量、すなわち樹脂分で1〜20
g/m2程度が好適に使用される、このラテツクス
をフイルムに塗布、乾燥後熱処理を行い、室温に
冷却した後ロール状に巻取る。 熱処理は基材として2軸延伸フイルムあるいは
シートを使用する場合、基材が熱変形しない温度
で、かつ少なくとも共重合体(A)の融点以上の温度
が好適に使用できる範囲である。 基材が二軸延伸ポリアシドまたはポリエチレン
テレフタレートのフイルムあるいはシートの場合
には140〜180℃で、また二軸延伸ポリプロピレン
フイルムの場合には120℃以下で少なくとも塩化
ビニリデン共重合体の共重合体(A)が融解する温度
に達するまでの時間が必要である。加熱する方法
としては熱風、赤外線、熱ロール接触等が用いら
れ、熱処理時間は0.5〜30秒程度が望ましい。一
般に熱ロールに塩化ビニリデン共重合体を直接接
触させて、加熱する方法が最も有効である。 基材が熱可塑性樹脂フイルムであつて塗布と延
伸を兼ね行つて複合延伸フイルムを製造する場合
には、混合ラテツクスを塗布乾燥後、1軸もしく
は2軸に延伸し、その後熱処理を行うことが好ま
しい。もちろん延伸時もしくは熱固定時に熱処理
を兼ね行うこともできる。延伸もしくは熱固定温
度によつては混合ラテツクスに使用するラテツク
スを適度に選択する必要がある。 以上の如く塩化ビニリデン共重合体混合ラテツ
クスが塗布され熱処理された複合フイルムは共重
合体(C)のTg以下、通常室温迄冷却し、ロール状
に巻取られる。 以下に本発明の有用性を実施例により示す。表
示した%および部はそれぞれ重量%および重量部
である。 最初に評価試験方法について以下に説明する。 (1) 酸素透過度: 試料の複合フイルムを20℃、90%RHの状態
でMOCON OX―TRAN100型試験機で測定し
た。その評価は加熱処理をしない場合で、かつ
共重合体(A)のみを塗布した酸素透過度と比較し
て、少なくとも劣つていない場合を良とした。 (2) 耐ブロツキング性: 熱処理後直に基材フイルム面と塩化ビニリデ
ン共重合体面を接触させた2cm×2cmの大きさ
の平面に1Kgの荷重をかけ40℃のオーブン中に
20時間放置した。その後23℃、60%RH条件下
で試料フイルムのブロツキング強度を、試料の
両端を互に反対方向に引張ることにより、その
剥離する強度として測定した。ブロツキング強
度は基材フイルムのフイルム強度によりその許
容度が異なるので、基材フイルムがポリエチレ
ンテレフタレートの場合には1500g以下を良、
ナイロンフイルムの場合には1800g以下を良、
ポリプロピレンフイルムの場合には900g以下
を良と判定した。 (3) 印刷適性 塩化ビニリデン共重合体塗布面に、防湿セロ
フアン用印刷インキGNC―STとその希釈溶剤
GN―102(東洋インキ社製)を2:1の比に混
合したものを、固形分で2g/m2になるように
塗布し、60℃の熱風式にオーブン中で1分間乾
燥した。その後印刷インキ面にセロフアン粘着
テープを密着させ、速い速度で引きはがし、印
刷インキ面の剥離程度を判定した。印刷インキ
の剥離面の広さが20%以下の場合を良と判定し
た。また、この印刷適性の良好なフイルムはラ
ミネート適性も良好であつた。 (4) 耐ボイル性: ボイル白化:基材フイルムとしてポリエチレン
テレフタレートおよびナイロンを用いた場合
のみ試験した。熟成後95℃の熱水に30分間浸
漬したのちJISK―6714に準じて曇価を測定
した。曇価が15%以下を良とした。 接着性:熟成後95℃の熱水に30分間浸漬したの
ち、塩化ビニリデン共重合体面の水滴をよく
ふき取る。その面にセロフアン粘着テープを
強く密着させたのち、セロフアン粘着テープ
を強く引きはがし、基材フイルムより塩化ビ
ニリデン共重合体膜が剥離する面積が20%以
下を良とした。 次に本発明の実施例に使用する塩化ビニリデン
共重合体ラテツクスの重合について述べる。 (1) ラテツクス(A)の場合: ラテツクス(A―1): ステンレススチール製オートクレーブを充分
に窒素置換した後、 塩化ビニリデン 22.9部 アクリル酸メチル 2.1 脱イオン水 77.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5 過硫酸カリウム 0.01 亜硫酸水素ナトリウム 0.007 を仕込み、45℃で10時間撹拌した。その後 塩化ビニリデン 68.7 アクリル酸メチル 4.5 アクリロニトリル 1.5 アクリル酸 0.3 脱イオン水 5.0 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.7 過硫酸カリウム 0.01 亜硫酸水素ナトリウム 0.005 を加え、20時間撹拌し、さらに 脱イオン水 3.0 過硫酸カリウム 0.02 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 を添加し、5時間撹拌してラテツクスを得た。 重合収率はほぼ100%なので得られた共重合
体(A−1)の組成は仕込比にほぼ等しい。こ
のラテツクスのMFTは16℃であつた。 ラテツクス(A―2): 共重合体(A―1)の単量体とその仕込量を
以下の単量体と量に変える以外は前記と同一方
法で重合した。 最初に 塩化ビニリデン 21.7部 アクリル酸メチル 2.8 メタクリル酸メチル 0.5 を仕込み、次に 塩化ビニリデン 64.9 アクリル酸メチル 8.3 メタクリル酸メチル 1.5 アクリル酸 0.3 を加えて反応を行つた。 ラテツクス(A―2)のMFTは17℃であつ
た。 (2) ラテツクス(B)の重合: ステンレススチール製オートクレーブを充分
に窒素置換した後、 塩化ビニリデン 97.0 アクリル酸メチル 2.0 アクリル酸 1.0 脱イオン水 250 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 3.0 過硫酸カリウム 0.03 亜硫酸水素ナトリウム 0.015 を仕込み、45℃で15時間撹拌して、ラテツクス
を得た。重合収率はほぼ100%なので得られた
共重合体(B)の組成はほぼ仕込比に等しい。 (3) ラテツクス(C)の重合: ラテツクス(C―1): ステンレススチール製オートクレーブを充分
に窒素置換した後、 塩化ビニリデン 5.0部 メタリル酸メチル 5.0 脱イオン水 50 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5部 過硫酸カリウム 0.01 亜硫酸水素ナトリウム 0.07 を仕込み、6時間撹拌した。その後 脱イオン水 30部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 1.0 過硫酸カリウム 0.03 亜硫酸水素ナトリウム 0.02 を添加し、次に 塩化ビニリデン 44.9部 メタクリル酸メチル 44.8 アクリル酸 0.3 の混合物を毎時9部づつ添加した。 この混合物の添加終了後、 脱イオン水 5.0 過硫酸カリウム 0.01 亜硫酸水素ナトリウム 0.01 を一度に添加し、5時間撹拌し、ラテツクス
(C―1)を得た。重合収率はほぼ100%なので
得られた共重合体(C―1)の組成は仕込比に
ほぼ等しい。 ラテツクス(C―2): ラテツクス(C―1)の単量体とその仕込量
を以下の単量体と量に変え以外は同一方法で重
合した。 塩化ビニリデン 65部 メタクリル酸メチル 35 ラテツクス(C―3): ラテツクス(C―1)の単量体とその仕込量
を以下の単量体と量に変える以外は同一方法で
重合した。 塩化ビニリデン 75部 メタクリル酸メチル 25 ラテツクス(C―4): ラテツクス(C―1)の単量体とその仕込量
を以下の単量体と量に変える以外は同一方法で
重合した。 塩化ビニリデン 70部 アクリロニトリル 30 ラテツクス(C―1),(C―2),(C―3),
(C―4)中の共重合体を夫々共重合体(C―
1),(C―2),(C―3),(C―4)と称す
る。 各ラテツクス(A),(B),(C)を凍結させた後、脱
水し、メタノールで洗浄後、室温で乾燥し、各
共重合体(A),(B),(C)の粉体を得た。この粉体を
DSC(差動走査熱量計)によりそのTgおよび融
点(Tm)を測定した。その結果を第1表に示
す。
【表】
実施例 1
12μmの厚みの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レート製フイルムの酸化処理面に、ラテツクス
(A―1)、ラテツクス(B)およびラテツクス(C―
1)各々を樹脂分で85部、10部、5部の割合にな
るように混合したラテツクス樹脂分で5g/m2に
なるように塗布し、80℃の熱風オーブン中で30秒
間乾燥した。この塩化ビニリデン塗布面をテフロ
ンで表面処理した180℃の熱ロールに4秒間接触
加熱した。このフイルムを室温まで放冷後ロール
状に巻取つた。このフイルムを直ちに前述の耐ブ
ロツキング性試験の試料とした。また、残りの熱
処理したフイルムを40℃で2日間熟成処理を行な
い、酸素透過度、印刷適性、耐ボイル性の測定あ
るいは試験を行なつた。試験結果を第2表に示し
た。 実施例 2 実施例1の混合ラテツクスを下記の混合ラテツ
クスに変更したことを除き、実施例1と同様方法
で試料を作製し、試験した。試験結果を第2表に
示す。 ラテツクス(A―1) 70部(樹脂分として) ラテツクス(B) 15部(樹脂分として) ラテツクス(C―3) 15部(樹脂分として) 実施例 3 15μmの厚みの二軸延伸ナイロン製フイルムの
酸化処理面に、ラテツクス(A―1)、ラテツク
ス(B)およびラテツクス(C―2)を樹脂分で各々
75部、15部、10部の割合で混合し、樹脂分で5
g/m2になるように塗布し、80℃の熱風オーブン
中で30秒間乾燥した。直ちに180℃の表面テフロ
ン処理した熱ロールに4秒間、塩化ビニリデン共
重合体塗布面を接触加熱した後、室温まで放冷
し、前述の耐ブロツキング性試験の試料とした。
その他の試験はこのフイルムを40℃で2日間熟成
後に行なつた。試験結果を第2表に示す。 実施例 4 20μmの厚みの二軸延伸ポリプロピレン製フイ
ルムの酸化処理面に、AC剤としてアドコートEL
―220/CAT―200(東洋モートン社製)を固形分
として0.3g/m2になるように塗布し、80℃の熱
風オーブン中で30秒間乾燥した。このAC剤塗布
面にラテツクス(A―2)、ラテツクス(B)および
ラテツクス(C―4)を樹脂分で各々85部、5
部、10部になるように混合したものを樹脂分で3
g/m2になるように塗布し、80℃の熱風オーブン
中で、30秒間乾燥した。直ちに、115℃の表面テ
フロン処理をした熱ロールに4秒間、塩化ビニリ
デン共重合体塗布面を接触加熱し、放冷した後、
ロール状に巻き取つた。このフイルムを耐ブロツ
キング性試験の試料とした。さらにこのフイルム
を40℃で、2日間熟成し、その他の試験を行なつ
た。試験結果を第2表に示す。 実施例 5 6―ナイロン(東レ(株)製、アミランCM―
1021)を用いて厚さ140μmの未延伸シートを作製
し、片面をコロナ放電により処理した。この処理
面の上にラテツクス(A―1)、ラテツクス(B)お
よびラテツクス(C―2)を各々樹脂分で70部、
20部、10部になるように混合し、樹脂分で約23
g/m2になるように塗布し、最初に赤外線により
1分間加熱し、次に60℃の熱風オーブン中で風量
を少なくし2分間乾燥した。この塗布シートを
170℃までに加熱し、縦横3×3倍に同時2軸延
伸を行なつた後、200℃の熱風オーブン中で熱処
理を行なつた。次に冷却してロール状に巻取り、
耐ブロツキング性試験の試料とした。残りは40℃
で2日間熟成した後、他の試験を行なつた。試験
結果を第2表に示す。 実施例 6 6―66共重合ナイロン(東(株)製、アミランCM
―6001)を用いて厚さ140μmの未延伸シートを作
製し、片面をコロナ放電により処理した。この処
理面にラテツクス(A―2)、ラテツクス(B)およ
びラテツクス(C―3)を樹脂分で各々85部、10
部、5部になるように混合し、樹脂分で約23g/
m2になるように塗布し、最初に赤外線で1分間加
熱し、次に60℃の熱風オーブン中で風量を少なく
して2分間乾燥した。この塗布シートを70℃に加
熱し、縦横3×3倍に同時二軸延伸を行なつた。
この後120℃の熱風オーブン中で熱処理を行い、
冷却し、その一部を耐ブロツキング性試験の試料
とした。残りは40℃で2日間熟成した後、他の試
験を行なつた。試験結果を第2表に示す。 実施例 7 ポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、
PET)を押出し急冷して厚さ120μmのシートを
成形した。このシートの片面をコロナ放電により
処理を行なつた。この処理面に、ラテツクス(A
―1)、ラテツクス(B)およびラテツクス(C―2)
を樹脂分で各各60部、25部、15部になるように混
合し、樹脂分で約23g/m2になるように塗布し、
最初に赤外線で1分間加熱し、次に60℃の熱風オ
ーブン中で風量を少なくして2分間乾燥した。こ
の塗布シートを90℃に加熱し、縦横3×3倍に同
時二軸延伸を行なつた。この後210℃の熱風オー
ブン中で熱処理を行ない、冷却した。このフイル
ムの一部を耐ブロツキング性試験の試料とした。
残りは40℃で2日間熟成した後、他の試験を行な
つた。試験結果を第2表に示す。 比較例 1 実施例1の方法において熱処理しなかつたこと
を除き、同一方法で試料を作製した。この試料は
実施例1に比しガスバリヤー性、耐ボイル性が劣
るものであつた。 比較例 2 実施例1の塗布した混合ラテツクスをラテツク
ス(A―1)のみとした以外は同一方法で試料を
作製した。この試料はラテツクス(B)を含まないた
め耐ブロツキング性は極めて劣るものであつた。 比較例 3 実施例5において、ラテツクス(A―1)およ
びラテツクス(B)のみを樹脂分で各々78部、22部と
なるように混合した混合ラテツクスに変更する以
外は、実施例5と同一方法で試料を作製した。こ
の試料はラテツクス(C―2)を含まないために
ブロツキング性、耐ボイル性は優れているものの
印刷適性の劣るものしか得られなかつた。 比較例 4 実施例5の混合ラテツクスを以下のような混合
ラテツクスに変えたことを除き同一方法で試料を
作製した。 ラテツクス(A―1) 60部(樹脂分として) ラテツクス(B) 15部(樹脂分として) ラテツクス(C―2) 25部(樹脂分として) 得られた試料は、ラテツクス(C―2)の含量
が大にすぎるため印刷適性は優れているものの耐
ボイル性が劣化した。
レート製フイルムの酸化処理面に、ラテツクス
(A―1)、ラテツクス(B)およびラテツクス(C―
1)各々を樹脂分で85部、10部、5部の割合にな
るように混合したラテツクス樹脂分で5g/m2に
なるように塗布し、80℃の熱風オーブン中で30秒
間乾燥した。この塩化ビニリデン塗布面をテフロ
ンで表面処理した180℃の熱ロールに4秒間接触
加熱した。このフイルムを室温まで放冷後ロール
状に巻取つた。このフイルムを直ちに前述の耐ブ
ロツキング性試験の試料とした。また、残りの熱
処理したフイルムを40℃で2日間熟成処理を行な
い、酸素透過度、印刷適性、耐ボイル性の測定あ
るいは試験を行なつた。試験結果を第2表に示し
た。 実施例 2 実施例1の混合ラテツクスを下記の混合ラテツ
クスに変更したことを除き、実施例1と同様方法
で試料を作製し、試験した。試験結果を第2表に
示す。 ラテツクス(A―1) 70部(樹脂分として) ラテツクス(B) 15部(樹脂分として) ラテツクス(C―3) 15部(樹脂分として) 実施例 3 15μmの厚みの二軸延伸ナイロン製フイルムの
酸化処理面に、ラテツクス(A―1)、ラテツク
ス(B)およびラテツクス(C―2)を樹脂分で各々
75部、15部、10部の割合で混合し、樹脂分で5
g/m2になるように塗布し、80℃の熱風オーブン
中で30秒間乾燥した。直ちに180℃の表面テフロ
ン処理した熱ロールに4秒間、塩化ビニリデン共
重合体塗布面を接触加熱した後、室温まで放冷
し、前述の耐ブロツキング性試験の試料とした。
その他の試験はこのフイルムを40℃で2日間熟成
後に行なつた。試験結果を第2表に示す。 実施例 4 20μmの厚みの二軸延伸ポリプロピレン製フイ
ルムの酸化処理面に、AC剤としてアドコートEL
―220/CAT―200(東洋モートン社製)を固形分
として0.3g/m2になるように塗布し、80℃の熱
風オーブン中で30秒間乾燥した。このAC剤塗布
面にラテツクス(A―2)、ラテツクス(B)および
ラテツクス(C―4)を樹脂分で各々85部、5
部、10部になるように混合したものを樹脂分で3
g/m2になるように塗布し、80℃の熱風オーブン
中で、30秒間乾燥した。直ちに、115℃の表面テ
フロン処理をした熱ロールに4秒間、塩化ビニリ
デン共重合体塗布面を接触加熱し、放冷した後、
ロール状に巻き取つた。このフイルムを耐ブロツ
キング性試験の試料とした。さらにこのフイルム
を40℃で、2日間熟成し、その他の試験を行なつ
た。試験結果を第2表に示す。 実施例 5 6―ナイロン(東レ(株)製、アミランCM―
1021)を用いて厚さ140μmの未延伸シートを作製
し、片面をコロナ放電により処理した。この処理
面の上にラテツクス(A―1)、ラテツクス(B)お
よびラテツクス(C―2)を各々樹脂分で70部、
20部、10部になるように混合し、樹脂分で約23
g/m2になるように塗布し、最初に赤外線により
1分間加熱し、次に60℃の熱風オーブン中で風量
を少なくし2分間乾燥した。この塗布シートを
170℃までに加熱し、縦横3×3倍に同時2軸延
伸を行なつた後、200℃の熱風オーブン中で熱処
理を行なつた。次に冷却してロール状に巻取り、
耐ブロツキング性試験の試料とした。残りは40℃
で2日間熟成した後、他の試験を行なつた。試験
結果を第2表に示す。 実施例 6 6―66共重合ナイロン(東(株)製、アミランCM
―6001)を用いて厚さ140μmの未延伸シートを作
製し、片面をコロナ放電により処理した。この処
理面にラテツクス(A―2)、ラテツクス(B)およ
びラテツクス(C―3)を樹脂分で各々85部、10
部、5部になるように混合し、樹脂分で約23g/
m2になるように塗布し、最初に赤外線で1分間加
熱し、次に60℃の熱風オーブン中で風量を少なく
して2分間乾燥した。この塗布シートを70℃に加
熱し、縦横3×3倍に同時二軸延伸を行なつた。
この後120℃の熱風オーブン中で熱処理を行い、
冷却し、その一部を耐ブロツキング性試験の試料
とした。残りは40℃で2日間熟成した後、他の試
験を行なつた。試験結果を第2表に示す。 実施例 7 ポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製、
PET)を押出し急冷して厚さ120μmのシートを
成形した。このシートの片面をコロナ放電により
処理を行なつた。この処理面に、ラテツクス(A
―1)、ラテツクス(B)およびラテツクス(C―2)
を樹脂分で各各60部、25部、15部になるように混
合し、樹脂分で約23g/m2になるように塗布し、
最初に赤外線で1分間加熱し、次に60℃の熱風オ
ーブン中で風量を少なくして2分間乾燥した。こ
の塗布シートを90℃に加熱し、縦横3×3倍に同
時二軸延伸を行なつた。この後210℃の熱風オー
ブン中で熱処理を行ない、冷却した。このフイル
ムの一部を耐ブロツキング性試験の試料とした。
残りは40℃で2日間熟成した後、他の試験を行な
つた。試験結果を第2表に示す。 比較例 1 実施例1の方法において熱処理しなかつたこと
を除き、同一方法で試料を作製した。この試料は
実施例1に比しガスバリヤー性、耐ボイル性が劣
るものであつた。 比較例 2 実施例1の塗布した混合ラテツクスをラテツク
ス(A―1)のみとした以外は同一方法で試料を
作製した。この試料はラテツクス(B)を含まないた
め耐ブロツキング性は極めて劣るものであつた。 比較例 3 実施例5において、ラテツクス(A―1)およ
びラテツクス(B)のみを樹脂分で各々78部、22部と
なるように混合した混合ラテツクスに変更する以
外は、実施例5と同一方法で試料を作製した。こ
の試料はラテツクス(C―2)を含まないために
ブロツキング性、耐ボイル性は優れているものの
印刷適性の劣るものしか得られなかつた。 比較例 4 実施例5の混合ラテツクスを以下のような混合
ラテツクスに変えたことを除き同一方法で試料を
作製した。 ラテツクス(A―1) 60部(樹脂分として) ラテツクス(B) 15部(樹脂分として) ラテツクス(C―2) 25部(樹脂分として) 得られた試料は、ラテツクス(C―2)の含量
が大にすぎるため印刷適性は優れているものの耐
ボイル性が劣化した。
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 塩化ビニリデン80〜94重量%を含む共重合体
からなりかつ最低造膜温度が25℃以下のラテツク
ス(A)を樹脂分として50〜94重量部、塩化ビニリデ
ン94〜100重量%を含む共重合体ラテツクス(B)を
樹脂分として3〜30重量部及びガラス転移温度
(Tg)が35〜90℃で塩化ビニリデン40〜80重量%
を含む共重合体からなるラテツクス(C)を樹脂分と
して3〜20重量部を、ラテツクス状態で混合する
〔全樹脂分を100重量部とする〕ことにより得られ
た塩化ビニリデン共重合体混合ラテツクスをフイ
ルムに塗布乾燥後熱処理することを特徴とする耐
ブロツキング性、印刷性の改良されたガスバリヤ
ー性フイルムの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59106451A JPS60250041A (ja) | 1984-05-28 | 1984-05-28 | ガスバリヤ−性フイルムの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59106451A JPS60250041A (ja) | 1984-05-28 | 1984-05-28 | ガスバリヤ−性フイルムの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60250041A JPS60250041A (ja) | 1985-12-10 |
| JPH0133490B2 true JPH0133490B2 (ja) | 1989-07-13 |
Family
ID=14433966
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59106451A Granted JPS60250041A (ja) | 1984-05-28 | 1984-05-28 | ガスバリヤ−性フイルムの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60250041A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN101878115A (zh) * | 2007-11-30 | 2010-11-03 | 尤尼吉可株式会社 | 涂布有偏氯乙烯系共聚物混合物的聚酰胺膜及其制造方法 |
| JP2009274223A (ja) * | 2008-05-12 | 2009-11-26 | Unitika Ltd | 塩化ビニリデン系共重合体コーティングフィルム |
| CN115244091B (zh) * | 2020-03-27 | 2025-03-25 | 旭化成株式会社 | 卤化乙烯共聚物的水分散体和膜 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS53141381A (en) * | 1977-05-17 | 1978-12-09 | Daicel Chem Ind Ltd | Manufacture of coated polyolefin film |
| JPS5689552A (en) * | 1979-12-21 | 1981-07-20 | Daicel Ltd | Coating film having excellent printing property |
-
1984
- 1984-05-28 JP JP59106451A patent/JPS60250041A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60250041A (ja) | 1985-12-10 |
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