JPH0135839B2 - - Google Patents
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- JPH0135839B2 JPH0135839B2 JP55046990A JP4699080A JPH0135839B2 JP H0135839 B2 JPH0135839 B2 JP H0135839B2 JP 55046990 A JP55046990 A JP 55046990A JP 4699080 A JP4699080 A JP 4699080A JP H0135839 B2 JPH0135839 B2 JP H0135839B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、一般に、新規なペプチドおよびその
誘導体、それを含有する治療学的組成物、および
その組成物の使用方法に関する。 米国特許第4190646号は、序列H−ARG−LYS
−ASP−VAL−TYR−OHのペンタペプチドな
らびにこのペンタペプチドのアミノ末端またはカ
ルボキシル末端において種々の基で置換されてい
るペプチドの組成を開示している。この特許をこ
こに引用によつて加える。前記序列のペンタペプ
チドを、本明細書では、略して、「サイモポイエ
チン(thymopoietin)ペンタペプチド」または
「TP5」と呼ぶ。前記の特許は、サイモポイエチ
ンペンタペプチドおよびその誘導体が、サイモポ
イエチンとして知られ且つ米国特許第4002740号
および同第4077949号に記載されている長鎖ポリ
ペプチドのそれに類似する生物学的活性を有する
ことを開示している。この特許中に最も活性な化
合物であるとして開示されているサイモポイエチ
ンペンタペプチドは、その実施例のマウスの検
定において1ng/ml〜10μg/mlの範囲の濃度にお
いて活性を示した。TP5の生物学的活性は、ま
た、文献M.E.Weksler、et al.、J.Exp.Med.
148:996−1006(1978)に開示されている。この
文献をここに引用によつて加える。 前記のサイモポイエチンペンタペプチドの特許
および文献を、他の先行技術および本発明に含ま
れる生物学的方法の考察のために引用する。 本発明は、サイモポイエチンペンタペプチドよ
りも驚ろくほど且つ有意に活性であるペプチドお
よびペプチド組成物を提供する。 したがつて、本発明の1つの目的は、骨髄細胞
のT細胞への分化(differentiation)を誘発し、
かくして胸腺誘導リンパ球(thymusderived
lymphocyte)を生じ、それ故人間および動物の
免疫系において高度に有用である、新規なペプチ
ドおよびその誘導体を提供することである。 他の目的は、ピコグラム/ml濃度においてこの
分化する能力を有するペプチドを提供することで
ある。 さらに他の目的は、これらのペプチドおよび誘
導体を含有する組成物および治療学的処置におけ
る使用方法を提供することである。 本発明の他の目的および利点は、説明が進むに
つれて明らかとなるであろう。 前記の目的および利点を満足するため、本発明
によれば、下記の配列: 式中、XはSARまたはLYSであり、 YはVALまたはSARであり、 R′はOHまたはNH2である、ただし、 H−ARG−LYS−ASP−VAL−TYR−R′は
除く、 を有することを特徴とする、T−リンパ球の分化
を誘発する生物学的能力をもつが、相補的受体
(CR+)Bリンパ球の生物学的能力をもたない新
規なペプチドおよび製薬学的に許容できるその塩
が提供される。 驚ろくべきことには、主題のペプチドはサイモ
ポイエチンペンタペプチドよりも10000倍程度に
大きい効力があることがわかつた。ポリペプチド
分野においてポリペプチドの活性領域における置
換の効果を予測することは不可能であるので、主
題化合物が少しでも活性をもつであろうことは明
らかでなく、まして顕著な効力を実際にもつであ
ろうことは全く予期せざることである。この予測
されざる性質は、本明細書の特許請求の範囲に記
載するペンタペプチドH−ARG−SAR−ASP−
SAR−TYR−NH2(SAR2、SAR4−TP5アミド)
が後記の実施例の検定において0.1pq/mlにお
いて活性があつたという事実によつて証明され
る。 上に示したように、本発明は種々の領域におい
て治療学的価値を有する新規なペプチド、これら
のペプチドを含有する治療学的組成物、およびそ
れらの使用に関する。 本発明のペンタペプチドは、長鎖の天然のペプ
チドサイモポイエチン(その一部は本発明のペン
タペプチドに類似する)と同じ生物学的活性を示
すので、高度に異常と思われる。したがつて、こ
の分子の活性の要件は分子の立体化学、すなわ
ち、分子の「折り重なり(folding)」によつて発
現すると考えられる。これに関して、ポリペプチ
ド結合は剛性でなくて柔軟性であり、かくしてポ
リペプチドはシート、螺旋などとして存在できる
ことを理解すべきである。結局、分子全体は柔軟
であり、ある方法で「折り重なる」であろう。本
発明において、ペンタペプチドは長鎖の天然ポリ
ペプチドと同じ方法で「折り重なり」、したがつ
て同じ生物学的特性を示すことが見い出された。
この理由で、ペンタペプチドは、置換基が生物学
的活性に実質的影響を及ぼさないかぎり、すなわ
ち分子の自然の「折り重なり」を妨害しないかぎ
り、種々の置換基で置換されうる。 ペンタペプチドがその生物学的活性および自然
の折り重なりを保持する能力は、前述の特許中に
サイモポイエチンペンタペプチドについて開示さ
れているのと同じ活性、ならびにサイモポイエチ
ン自体と同じ活性をもつという事実によつて説明
される。 また、本発明の範囲内には、ペプチドの製薬学
的に許容しうる塩が包含される。 該ペプチドと塩を形成しうる酸として、次のも
のを挙げることができる:無機酸、たとえば、塩
酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン
酸、硫酸、リン酸など;および有機酸、たとえ
ば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、
乳酸、ピルビン酸、シユウ酸、マロン酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸、アントラニル酸、桂
皮酸、ナフタレンスルホン酸またはスルフアニル
酸。 上記構造式において、ペプチドのアミノ酸成分
は便宜上略号で表示する。これらの略号は次の通
りである: アミノ酸 略号 L−アルギニン ARG L−リシン LYS L−アスパラギン酸 ASP L−バリン VAL L−チロシン TYR サルコシン SAR 本発明のペプチドは、前記米国特許中に開示さ
れた牛の胸腺(サイモポイエチン)から単離した
49−アミノ酸ポリペプチドに類似する特性を示
す。本発明のペプチドは、0.1pg/ml〜10ng/ml
の濃度において、Thy−1+T細胞(CR+B細胞で
はない)の選択的分化を誘発する能力において特
に特徴づけられる。Thy−1はB細胞ではなくて
T細胞の中に存在する分化異常抗原
(differentiation alloantigen)であり、これに対
してCRはT細胞ではなくてB細胞の中に存在す
る相補的受体(complement receptor)である。 試験管内の誘発検定におけるこれらの合成ペプ
チドの研究は、それらがサイモポイエチンと同
じ誘発特異性を有することを示した。すなわち、
それらはThy−1-細胞のThy−1+T細胞への分化
を誘発したが、CR-細胞のCR+B細胞への分化を
誘発しなかつた。試験管内でサイモポイエチンに
類似することができ、そして細胞内の環式AMP
を増加することによつてT細胞の分化を誘発しう
る多くの物質が確認されてきているが、このよう
な低い濃度において活性である物質は殆んど存在
しないことが強調され、そして本発明のペプチド
はCR+B細胞の分化ではなくてT細胞の分化にお
いて選択的である。 本発明のペプチドのこれらの特性のため、それ
らは人間および動物の処置において治療学的に有
用である。それらはヘモポイエチン組織において
生ずるリンパ造成幹細胞(lymphopoietic stem
cell)の胸腺誘導細胞すなわちT細胞への分化を
誘発する能力をもち、そしてT細胞は体への免疫
応答を改良することができるからである。結局、
本発明の生成物は多数の治療学的用途をもつと考
えられる。第1に、該化合物は胸腺(thymus)
の示した機能のあるものを実施する能力をもつの
で、種々の胸腺機能および免疫の領域における用
途を有する。第1の応用分野はデイシヨージ・シ
ンドローム(DiGeorge Syndrome)、すなわち、
先天的に胸腺が存在しない状態の処置である。該
ペプチドの注射はこの欠乏を克服する。低濃度で
極めて活性である生物学的特性のため、該ペプチ
ドは細胞の免疫の治療学的刺激を増加または助
け、これによつて生体内の慢性の感染、たとえ
ば、菌(fungal)または真菌形質
(mycoplasma)の感染、結核癩症(leprosy)、
急性および慢性のウイルスの感染などを含む病気
の処置に有用となるということにおいて、それら
は体の総体的免疫を促進するのに有用であると考
えられる。さらに、該化合物は細胞免疫が1つの
結果である領域、特に前述のデイジヨージ・シン
ドロームのような免疫の欠乏が存在する場合にお
いて有用であると考えられる。また、不均合いの
T細胞およびB細胞による過剰の抗体生成が存在
する場合、該化合物はT細胞の生成を刺激するこ
とによりこの状態を補正できる。かくして、これ
らは損傷を与える抗体が存在するある種の自己免
疫の病気、たとえば、全身的紅斑性狼瘡
(systemic lupus erythematosus)の治療におい
て使用することができる。さらに、該ペプチドの
特性のため、それらは試験管内でT細胞の表面抗
原の発現の誘発において、抗体を生成するB細胞
の能力を高める際における糸原(mitogen)およ
び抗原への応答並びに細胞の共同(cell
collaborativity)を達成する機能的能力の発現の
誘発において有用である。また、該ペプチドはサ
イモポイエチン応答性リンパ球の調節されない増
殖の阻止において有用である。 該ペプチドの重要な特性は、T細胞の特性をも
つ細胞を回復する生体内の能力である。したがつ
て、本発明のペプチドはそれらが体内の免疫の応
答を高めることができる結果、多くの場合活性で
ある。本発明のペプチドは筋神経の伝達に影響を
及ぼすので、本発明のペプチドの非常に高い投与
量は過剰の筋神経の伝達の病気、たとえば、痙攣
性の処置に有用であろう。 本発明のペプチドの他の重要な性質は、それら
が0.1pg/mlからの非常に低い濃度において高度
に活性であるということである。担体はこの目的
によく知られた担体、たとえば、普通の食塩溶
液、好ましくはこれらの低い濃度においてガラス
器具類への吸収の損失を防ぐためにウシ血清アル
ブミン(BSA)のようなタンパク質の希釈剤を
含むものであることができる。本発明のペプチド
は約1ng/Kg体重において非経口的に活性であ
る。デイジヨージ・シンドロームの処置のために
は、該ポリペプチドは約0.1〜10ng/Kg体重の割
合において投与することができる。一般に、投与
量の同じ範囲を前述の他の状態または病気の処置
に使用することができる。 本発明の製薬学的組成物を調製するため、式
(I)ポリペプチドまたはその酸付加塩を活性成
分として、製薬学的担体と普通の製薬学的活性配
合技術に従い均質に混合して組合わせる。この担
体は望む投与に際して望まれる製剤の形態たとえ
ば、舌下、経直腸的、鼻、または非経口的投与に
適した製剤の形態に依存して広範な形態をとるこ
とができる。経口的投与の形態の組成物を調製す
る場合、通常の製薬学的媒体のいかなるものをも
使用でき、たとえば、水、グリコール、油、アル
コール、香味剤、防腐剤、着色剤などを経口的液
体製剤、たとえば、懸濁液、エリキシル、および
溶液の場合に使用することができ、或いは、デン
プン、糖類、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、
崩壊剤などを経口的固体製剤、たとえば、粉末、
カプセル剤および錠剤の場合に使用することがで
きる。投与容易のため、錠剤及びカプセル剤は最
も有利な経口的投与単位形態を代表し、この場合
において固体の製薬学的担体を明らかに使用す
る。望むならば、錠剤の標準の技術により糖類で
被覆するか、或いは腸溶皮で被覆することができ
る。非経口的投与に際して、担体は通常滅菌した
水からなるが、他の成分を、たとえば、溶解を促
進するため、或いは防腐の目的で含有させること
ができる。注射可能な懸濁液を調製することもで
き、この場合適当な液状担体、懸濁剤などを使用
することができる。本発明の非経口的製薬学的組
成物は、本発明のポリペプチドを約0.1〜約
100ng/Kg体重の割合で投与するように調製すべ
きである。経口的組成物は非経口的組成物の投与
量の約100〜1000倍、すなわち、約10ng/Kg〜約
μg/Kg体重を投与すべきである。したがつて、
非経口的組成物は、投与単位当り、約5ng〜約
5μgを含有し、これに対し経口的投与組成物は、
投与単位当り、約500ng〜約5mgの本発明のポリ
ペプチドを含有すべきである。 本発明のポリペプチドは、文献Journal of
Mmerican Chemical Society、85、pp2149−
2154、1963に報告されているメリフイールド
(Merrifield)に類似する概念を用いて製造され
る。この合成は固体の樹脂粒子へ共有結合により
結合した生長するペプチド鎖に、保護されたアミ
ノ酸を段階的に付加することからなつていた。こ
の方法により、試薬と副生物は、過および中間
体の再結晶により除去できる。この方法の一般的
概念は、鎖のC−末端アミノ酸の共有結合による
結合、および望む序列が構成されるまで段階的方
法における1度に1つの継続するアミノ酸の付加
に依存する。最後に、ペプチドを固体の支持体か
ら除去し、そして保護基を除去する。この方法は
完全に不溶性の固体粒子へ付着した生長するペプ
チド鎖を提供するので、それは試薬と副生物を
過し、洗浄除去するのに便利な形態である。 アミノ酸は、未反応の試薬から単に容易に分離
できなければならない、任意の適当な重合体に結
合することができる。重合体は使用する溶媒に不
溶性であることができ、或いはある溶媒に可溶性
であり且つ他の溶媒に不溶性であることができ
る。重合体は過を容易とさせる安定な物理的形
態をもつべきである。それは第1の保護されたア
ミノ酸が共有結合により堅く結合できる官能基を
もたなくてはならない。この目的に適する種々の
不溶性重合体は、セルロース、ポリビニルアルコ
ール、ポリメタクリレートおよびスルホン化ポリ
スチレンのようなものであるが、本発明の合成に
おいて、一例として、スチレンとジビニルベンゼ
ンとのクロロメチル化コポリマーを使用した。有
機溶媒に可溶性であるが、水性溶媒に不溶性であ
る重合体を使用することもできる。1つのこのよ
うな重合体は、塩化メチレンには可溶性である
が、水には不溶性である、分子量が約20000のポ
リエチレングリコールである。ペプチド合成にお
けるこの重合体の使用は、F.BayerおよびM.
Mutter、Nature 237、512(1972)およびその
中に含まれる参考文献に記載されている。 活性であるが、反応に関与しないアミノ酸の
種々の官能基は、この反応を通じてポリペプチド
分野において使用されている普通の保護基で保護
される。かくして、リジンの官能基は序列の完結
後ポリペプチドの最終生成物に悪影響を及ぼすこ
となく除去できる保護基で保護する。合成におい
て、ニンヒドリンを使用して、結合が完結したか
どうかを決定する。完全結合が指示されなかつた
とき、脱保護前に同じ保護されたアミノ酸で結合
を反復する。 C−末端アミノ酸は種々のよく知られた方法で
重合体に結合する。ハロメチル樹脂への結合法の
要約は、Horiki et al、Chem、Letters、165
−168(1978)およびGisin、Helv.Chem.Acta、
56、1476(1973)、およびそれらの中に記載される
参考文献に記載されている。C−末端アミドを製
造しようとする場合、2つの経路の1つを使用す
ることができる。メリフイールドの技術に従つて
製造したペプチド樹脂は無水アンモニアを用いて
樹脂から分裂させることができ、或いはベンズヒ
ドリルアミン樹脂を使用することができる。この
後者の樹脂をフツ化水素で分裂させると、C−末
端アミドのペプチドがえられる。ベンズヒドリル
アミン樹脂の使用は、たとえば、J.Rivier、et
al.J.Med.Chem.、16、545−549(1973)中に示
されている。 C−末端カルボキシルペプチドの一般的製造方
法は、初めアミノ基またはヒドロキシル基が保護
されたL−チロシンを、ギシン(Gisin)の方法
により、CsHCO3でエステル化してクロロメチル
樹脂とすることから成る。チロジンアミノ酸のα
−アミノ基の保護基(たとえば、t−BOC、す
なわち、t−ブチルオキシカルボニル)を、次に
他の保護基に影響を及ぼさないようにして除去す
る。次いで結合したアミノ酸樹脂を過し、洗浄
し、中和する。次いで、遊離アミノ基を有する、
生ずる結合したアミノ酸−樹脂を保護されたL−
バリン、好ましくはアルフアt−BOC−L−バ
リンと反応させて、L−バリンをアミノ酸−樹脂
へ結合する。次いでこれらの反応を保護されたア
スパラギン酸、サルコシンおよびL−アルギニン
を用いて反復して、完全な分子を製造する。この
方法を用いて基本の5−アミノ酸活性序列を形成
する。鎖の両端への中性のアミノ酸残基の付加
は、この分野で知られた反応の同じ序列を用いて
実施する。5員のアミノ酸活性部位を製造するた
めの反応の順序は、次のようにして実施すること
ができる: 【表】 ↓
H−Arg−Sar−Asp−Val−Tyr−OH
上の反応の順序において、R1、R2およびR3は、
アミノ酸側鎖上の種々の反応性基の保護基であ
り、そしてα−アミノ保護を除いて反応をされに
進行させるときに影響を受けたり或いは除去され
ないものである。好ましくは、上記の中間体のペ
ンタペプチド樹脂において、記号R1はトシル
(Tos)であり、R2はベンジル(Bzl)であり、
そしてR3はブロモベンジルオキシカルボニルで
ある。樹脂は、C−末端カルボキシルペプチドを
製造する方法において有用であると述べた、前述
の樹脂のいずれであつてもよい。 ペプチド−樹脂を開裂させて、ペプチドを樹脂
および保護基R1、R2、R3およびt−AOCから同
時に遊離させて、最終生成物のペプチドを得る。
保護基と樹脂は普通の手順により、たとえば、無
水フツ化水素で処理し、そしてペプチドを回収す
る。 上に指摘したように、この方法を実施すると
き、アミノ基を保護し、すなわちブロツクして反
応をコントロールし、望む生成物を得ることが必
要である。有効に使用できる適当なアミノ保護基
は、強く塩基性のアミノ基を保護するための塩の
形成、或いはウレタン保護置換基、たとえば、ベ
ンジルオキシカルボニルおよびt−ブチルオキシ
カルボニルを包含する。分子のカルボキシル末端
において反応を行うアミノ酸中のα−アミノ基を
保護するためには、t−ブチルオキシカルボニル
(t−BOC)またはt−アミルオキシカルボニル
(t−AOC)を使用することが好ましい。何故な
らBOCおよびAOC保護基は、このような反応後
に、且つ引き続く工程前に(このようなα−アミ
ノ基自体が反応を行うとき)、酸(たとえば、ト
リフルオロ酢酸)を比較的穏やかに作用させるこ
とにより除去されるからである。この処理は他の
方法では該鎖上の保護基に影響を及ぼすであろ
う。こうして、α−アミノ基は引き続く反応に対
してそれを保護するが、分子の残部に影響を及ぼ
さない条件下に除去できる任意の物質との反応に
より保護できることがわかるであろう。このよう
な物質の例は、アミノ基をアシル化する有機カル
ボン酸またはカルボン酸の誘導体である。 一般に、アミノ基は式 式中、R4はアミノ基が引き続く反応に関与す
るのを防ぎ、そして分子を破壊しないで除去でき
る任意の基である、 の基を有する化合物との反応により保護すること
ができる。かくして、R4は不飽和であることが
できる、好ましくは1〜10個の炭素原子をもつ、
好ましくはハロまたはシアノ置換された直鎖また
は分枝鎖のアルキル;好ましくは6〜15個の炭素
原子をもつ、アリール;好ましくは5〜8個の炭
素原子をもつシクロアルキル;好ましくは7〜18
個の炭素原子をもつアラルキル;或いは複素環式
基、たとえば、イソニコチニルである。アリー
ル、アラルキルおよびアルカリール部分は、さら
に置換されていてもよく、たとえば、1〜約4個
の炭素原子の1個またはそれ以上のアルキルで置
換されていてもよい。高度に好ましい特定のアミ
ノ保護基は次のものを包含する:ベンジルオキシ
カルボニル;フエニル環が1個またはそれ以上の
ハロゲン、たとえば、ClまたはBr、ニトロ、低
級アルコキシ、たとえば、メトキシ、または低級
アルキルで置換された置換ベンジルオキシカルボ
ニル;t−ブチルオキシカルボニル;t−アミノ
オキシカルボニル;シクロヘキシルオキシカルボ
ニル;ビニルオキシカルボニル;アダマンチルオ
キシカルボニル;ビフエニルイソプロポキシカル
ボニルなど。 使用できる他の保護基の例は、イソニコチルオ
キシカルボニル、フタロイル、p−トリルスルホ
ニル、ホルミルなどである。 本発明の一般的方法を実施するとき、ペプチド
は遊離のα−アミノ基とブロツクされたα−アミ
ノ基を含有する化合物との反応によりつくられ
る。反応または結合のため、結合される化合物の
カルボキシル成分をそのカルボキシル基において
活性化し、次いでカルボキシル基がペプチド鎖上
の遊離のα−アミノ基と反応できるようにする。
活性化を達成するため、カルボキシル基を反応性
基、たとえば、エステル、無水物、アジド、酸塩
物などの基に変えることができる。別法として、
適当な結合試薬を反応中に加えることができる。
適当な結合試薬は、たとえば、Bodansky、et
al.、Peptide Synthesis Interscience、第2版、
1976、第5章に記載されており、その例はカルボ
ジイミド(たとえば、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド)カルボニルジイミダゾールなどである。 また、これらの反応中、アミノ酸部分はアミノ
基とカルボキシル基との両方を含み、そして通常
一方の基が反応に関与し、その間他方の基は保護
されている。結合工程前に、樹脂へ結合されたペ
プチドのα−すなわち末端−アミノ基の保護基
を、他の保護基、たとえば、チロジン分子のヒド
ロキシル基上の基に実質的に影響を及ぼさない条
件下に除去する。この工程を実施するのに好まし
い手順は穏やかな酸加水解、たとえば、室温にお
けるトルフルオロ酢酸との反応である。 前述のように、前記の一連の工程は、次式の特
定のペンタペプチドを生成する: H−ARG−SAR−ASP−VAL−TYR−OH 末端のARGおよびTYRアミノ基が前述のよう
にさらに置換されている式Iの置換されたペンタ
ペプチドは、次いでこのペンタペプチドまたは適
当な試薬で保護されたペプチド樹脂との反応によ
り望む誘導体を製造することによつて製造され
る。このタイプの反応、たとえば、アミド化など
はこの分野でもちろんよく知られている。 対応するC−末端アミドペプチドは、前述のよ
うにではあるが、そこで使用したクロロメチル樹
脂の代わりにベンズヒドリルアミン樹脂を使用
し、適当な結合剤、たとえば、ジシクロヘキシル
カーボジイミドによりC−末端アミノ酸をその樹
脂へ結合することによつて製造することができ
る。 本発明のポリペプチドは前述のメリフイールド
の固相合成法を用いて実際に合成されるが、古典
的に溶液合成法を使用できることは容易に考えら
れる。たとえば、M.BodanskyおよびM.A.
Ondetti、Peptide Synthesis、Interscience、
1966を参照。 次の実施例により本発明をさらに説明する。こ
れらの実施例および明細書を通じて、部は特記し
ないかぎり重量による。 実施例 I 本発明の1つのペプチドの製造において、次の
材料を商業的に入手した。 アルフア−AOC−N−Tos−L−アルギニン アルフア−BOC−サルコシン アルフア−BOC−O−ベンジル−L−アスパラ
ギン酸 アルフア−BOC−L−バリン アルフア−BOC−O−t−ブロモベンジルオキ
シカルボニル−L−チロシン これらの試薬において、BOCはt−ブチルオ
キシカルボニルであり、AOCはt−アミルオキ
シカルボニルであり、そしてTosはトシルであ
る。「序列(sequenal)」級のアミノ酸序列決定用
試薬、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ニンヒ
ドリン、および樹脂を商業的に入手した。使用し
た樹脂は1%のジビニルベンゼンを含有し、0.75
ミリモル/g樹脂の塩化物を含有する、200〜400
メツシユの大きさのポリスチレンジビニルベンゼ
ン樹脂であつた。 ペンタペプチドの製造において、α−BOC−
O−ブロモベンジルオキシカルボニル−L−チロ
シンを前述のギシン(Gisin)の文献に記載され
ているCsHCO3法によつてエステル化してクロロ
メチル化樹脂とした。生ずる保護されたアミノ酸
樹脂は、樹脂1g当り0.4〜0.5ミリモルのアミノ酸
を含有した。シユワルツ/マン自動ペプチド合成
器(Schwarz/Mann Automatic Peptide
Synthesizer)を用い、次のプログラムを用いて
各BOC−保護アミノ酸をBOC−アミノ酸樹脂へ
結合した。 1 CH2Cl2中の40%のTFAで1.5分間1回予備洗
浄する。 2 CH2Cl2中の40%のTFAで20分間1回脱保護
する。 3 CHCL3で1.5分間1回洗浄する。 4 EtOHで1.5分間1回洗浄する。 5 CH2Cl2で1.5分間2回洗浄する。 6 CH2Cl2中の10%のEt3Nで1.5分間1回洗浄す
る。 7 CH2Cl2中の10%のEt3Nで10分間1回中和す
る。 8 CH2Cl2中で1.5分間3回洗浄する。 9 DMFおよびCH2Cl2(1:9vol/vol)中の
BOC−保護アミノ酸(5モル過剰)を加える。 10 CH2Cl2中のDCC(0.5モル、5モル過剰を加
える。反応時間は2時間までであつた。 11 CH2Cl2で1.5分間2回洗浄する。 その後、α−BOCまたはα−AOCアミノ酸を
同様に正しい順序でペプチド−樹脂の脱保護され
たα−アミノ基に、当量のジシクロヘキシルカル
ボジイミドを用いて結合して本発明のペプチドを
生成した。各結合反応後、樹脂の一部をニンヒド
リンで試験し、陽性の結果が見い出されたとき、
結合は不完全であり、同じ保護されたアミノ酸を
用いて反応復した。いくつかの結合反応の結果、
次のペンタペプチド−樹脂がえられた: ここでAOCはアミルオキシカルボニルであり、
Tosはトシルであり、Bzlはベンジルであり、そ
してBrzはブロモベンジルオキシカルボニルであ
つた。 Kel−F開裂装置(Peninsula Laboratories、
Inc.)中で、スキヤベンジヤーとしてペプチド−
樹脂1g当り5mlのアニソールを含有する、樹脂
1g当り10mlの無水フツ化水素を用いて、このペ
プチド−樹脂を開裂させ且つ保護基を除去した。
真空蒸発乾固した後、残留物を無水エーテルで洗
浄した。粗製ペプチドを10gの水性酢酸中に溶か
し、過した。この樹脂を10%の水性酢酸で洗
い、合わせた液を集め、凍結乾燥して粗製ペプ
チドを得た。この粗製ペプチドを向流分配によ
り、分配相としてn−ブタノール:酢酸:水
(4:1:5)を用いて精製して純粋なペプチド
を得た。生ずるポリペプチドは次の序列を有す
る: V.H−ARG−SAR−ASP−VAL−TYR−OH 確認のため、薄相クロマトグラフイーと電気泳
動法を用いた。アミノ酸の組成はアミノ酸分析器
により決定した。 薄相クロマトグラフイーは20μgの試料につい
てシリカゲル(Kieselgel、5×20cm)上で溶媒
系として1:1:1:1のn−ブタノール:酢
酸:酢酸エチル:水(Rf 1)を用い、そしてセル
ロース6064(Eastman 20×20cm)上で溶媒系と
して15:10:3:12のn−ブタノール:ピリジ
ン:酢酸:水(Rf 2)を用いて実施した。H−
ARG−SAR−ASP−VAL−TYR−OHに関す
るRf値はRf 1=1.84およびRf 2=1.11であつた。ニ
ンヒドリンを噴霧試薬として使用した。 電気泳動は100μgの試料についてウイツトマン
(Whitman)No.3紙(5.7×55cm)上で、PH5.6の
ピリジン−酢酸塩緩衝剤を用い1000Vの電圧にお
いて1.0時間実施した。ペンタペプチドはH−
ARG−SAR−ASP−VAL−TYR−OHに関し
て陰極に向かつて0.29の移動度を有した。ニンヒ
ドリンとパウリ(Pauly)の噴霧試薬を使用し
た。 実施例 実施例Iのポリペプチドの活性および特性を決
定するため、両方の性別の健康な5〜6週間の
nu/nuマウスについて決定を実施し、マウスを
BALB/C バツクグラウンド(Thy−1.2表面
抗原を表わす胸腺細胞)で飼育し、通常の条件下
に維持した。抗血清について、抗Thy−1.2血清
をThy−1先天性マウスにおいて調製した。 Thy−1+T細胞またはCR+B細胞の分化の試験
管内の誘発のため、試験管内の前胸腺細胞
(prothymocyte)からの胸腺細胞の分化の誘発
を、KomuroおよびBoyse(Lancet、1、740、
1973)が記載しているようにして、T細胞の分化
のマーカーとしてThy−1.2の獲得を用いて実施
した。試験管内のCR-B細胞前駆物質からの
CR+B細胞の分化の誘発を同じ条件で実施し、検
定基準として、凝集化より少ない
(subagglutinating)量のウサギの抗体および非
分解性の補体で被覆したヒツジの赤血球を結合す
るCR+B細胞の能力を用いた。不連続のウシ血清
アルブミンのこう配上で分配した健康なnu/nu
マウスからの脾細胞の個体群を両方の前駆物質の
タイプ(Thy−1-およびCR-)の源として使用し
た。なぜならそれらはThy−1+細胞を殆んどまた
は全くもたず、そして低い数のCR+細胞をもつか
らである。 この決定の結果、このポリペプチドは相補的受
体(CR+)B−リンパ球の分化ではなくT−リン
パ球の分化の誘発においてサイモポイエチンの
それに類似した作用の選択性を示すことがわかつ
た。このポリペプチドは1pg〜10ng/mlの範囲の
濃度においてTh−1+T細胞の分化を誘発した。
それは同じ濃度でCR+B細胞の分化を誘発しなか
つた。 実施例 実施例Iの手順に従うが、当量の適当なアミノ
酸(適当に保護された)を使用すると、次のペン
タペプチドが製造される(「A」を製造するのに
ベンズヒドリルアミン樹脂を使用する): A H−ARG−SAR−ASP−SAR−TYR−
NH2 B H−ARG−LYS−ASP−SAR−TYR−OH これらのペンタペプチドは実施例Iにおいて製
造したペンタペプチドと同じ生物学的活性を示
す。 これらのペプチドの序列はアミノ酸分析器によ
り決定した。実施例Iについてと同じ条件でBお
よびCの薄相クロマトグラフイーと電気泳動法を
行うと、次の情報がえられた。ペプチド Rf 1 Rf 2 陰極への移動度 A 1.76 0.95 1.03 B 0.80 0.78 0.97
誘導体、それを含有する治療学的組成物、および
その組成物の使用方法に関する。 米国特許第4190646号は、序列H−ARG−LYS
−ASP−VAL−TYR−OHのペンタペプチドな
らびにこのペンタペプチドのアミノ末端またはカ
ルボキシル末端において種々の基で置換されてい
るペプチドの組成を開示している。この特許をこ
こに引用によつて加える。前記序列のペンタペプ
チドを、本明細書では、略して、「サイモポイエ
チン(thymopoietin)ペンタペプチド」または
「TP5」と呼ぶ。前記の特許は、サイモポイエチ
ンペンタペプチドおよびその誘導体が、サイモポ
イエチンとして知られ且つ米国特許第4002740号
および同第4077949号に記載されている長鎖ポリ
ペプチドのそれに類似する生物学的活性を有する
ことを開示している。この特許中に最も活性な化
合物であるとして開示されているサイモポイエチ
ンペンタペプチドは、その実施例のマウスの検
定において1ng/ml〜10μg/mlの範囲の濃度にお
いて活性を示した。TP5の生物学的活性は、ま
た、文献M.E.Weksler、et al.、J.Exp.Med.
148:996−1006(1978)に開示されている。この
文献をここに引用によつて加える。 前記のサイモポイエチンペンタペプチドの特許
および文献を、他の先行技術および本発明に含ま
れる生物学的方法の考察のために引用する。 本発明は、サイモポイエチンペンタペプチドよ
りも驚ろくほど且つ有意に活性であるペプチドお
よびペプチド組成物を提供する。 したがつて、本発明の1つの目的は、骨髄細胞
のT細胞への分化(differentiation)を誘発し、
かくして胸腺誘導リンパ球(thymusderived
lymphocyte)を生じ、それ故人間および動物の
免疫系において高度に有用である、新規なペプチ
ドおよびその誘導体を提供することである。 他の目的は、ピコグラム/ml濃度においてこの
分化する能力を有するペプチドを提供することで
ある。 さらに他の目的は、これらのペプチドおよび誘
導体を含有する組成物および治療学的処置におけ
る使用方法を提供することである。 本発明の他の目的および利点は、説明が進むに
つれて明らかとなるであろう。 前記の目的および利点を満足するため、本発明
によれば、下記の配列: 式中、XはSARまたはLYSであり、 YはVALまたはSARであり、 R′はOHまたはNH2である、ただし、 H−ARG−LYS−ASP−VAL−TYR−R′は
除く、 を有することを特徴とする、T−リンパ球の分化
を誘発する生物学的能力をもつが、相補的受体
(CR+)Bリンパ球の生物学的能力をもたない新
規なペプチドおよび製薬学的に許容できるその塩
が提供される。 驚ろくべきことには、主題のペプチドはサイモ
ポイエチンペンタペプチドよりも10000倍程度に
大きい効力があることがわかつた。ポリペプチド
分野においてポリペプチドの活性領域における置
換の効果を予測することは不可能であるので、主
題化合物が少しでも活性をもつであろうことは明
らかでなく、まして顕著な効力を実際にもつであ
ろうことは全く予期せざることである。この予測
されざる性質は、本明細書の特許請求の範囲に記
載するペンタペプチドH−ARG−SAR−ASP−
SAR−TYR−NH2(SAR2、SAR4−TP5アミド)
が後記の実施例の検定において0.1pq/mlにお
いて活性があつたという事実によつて証明され
る。 上に示したように、本発明は種々の領域におい
て治療学的価値を有する新規なペプチド、これら
のペプチドを含有する治療学的組成物、およびそ
れらの使用に関する。 本発明のペンタペプチドは、長鎖の天然のペプ
チドサイモポイエチン(その一部は本発明のペン
タペプチドに類似する)と同じ生物学的活性を示
すので、高度に異常と思われる。したがつて、こ
の分子の活性の要件は分子の立体化学、すなわ
ち、分子の「折り重なり(folding)」によつて発
現すると考えられる。これに関して、ポリペプチ
ド結合は剛性でなくて柔軟性であり、かくしてポ
リペプチドはシート、螺旋などとして存在できる
ことを理解すべきである。結局、分子全体は柔軟
であり、ある方法で「折り重なる」であろう。本
発明において、ペンタペプチドは長鎖の天然ポリ
ペプチドと同じ方法で「折り重なり」、したがつ
て同じ生物学的特性を示すことが見い出された。
この理由で、ペンタペプチドは、置換基が生物学
的活性に実質的影響を及ぼさないかぎり、すなわ
ち分子の自然の「折り重なり」を妨害しないかぎ
り、種々の置換基で置換されうる。 ペンタペプチドがその生物学的活性および自然
の折り重なりを保持する能力は、前述の特許中に
サイモポイエチンペンタペプチドについて開示さ
れているのと同じ活性、ならびにサイモポイエチ
ン自体と同じ活性をもつという事実によつて説明
される。 また、本発明の範囲内には、ペプチドの製薬学
的に許容しうる塩が包含される。 該ペプチドと塩を形成しうる酸として、次のも
のを挙げることができる:無機酸、たとえば、塩
酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン
酸、硫酸、リン酸など;および有機酸、たとえ
ば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、
乳酸、ピルビン酸、シユウ酸、マロン酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸、アントラニル酸、桂
皮酸、ナフタレンスルホン酸またはスルフアニル
酸。 上記構造式において、ペプチドのアミノ酸成分
は便宜上略号で表示する。これらの略号は次の通
りである: アミノ酸 略号 L−アルギニン ARG L−リシン LYS L−アスパラギン酸 ASP L−バリン VAL L−チロシン TYR サルコシン SAR 本発明のペプチドは、前記米国特許中に開示さ
れた牛の胸腺(サイモポイエチン)から単離した
49−アミノ酸ポリペプチドに類似する特性を示
す。本発明のペプチドは、0.1pg/ml〜10ng/ml
の濃度において、Thy−1+T細胞(CR+B細胞で
はない)の選択的分化を誘発する能力において特
に特徴づけられる。Thy−1はB細胞ではなくて
T細胞の中に存在する分化異常抗原
(differentiation alloantigen)であり、これに対
してCRはT細胞ではなくてB細胞の中に存在す
る相補的受体(complement receptor)である。 試験管内の誘発検定におけるこれらの合成ペプ
チドの研究は、それらがサイモポイエチンと同
じ誘発特異性を有することを示した。すなわち、
それらはThy−1-細胞のThy−1+T細胞への分化
を誘発したが、CR-細胞のCR+B細胞への分化を
誘発しなかつた。試験管内でサイモポイエチンに
類似することができ、そして細胞内の環式AMP
を増加することによつてT細胞の分化を誘発しう
る多くの物質が確認されてきているが、このよう
な低い濃度において活性である物質は殆んど存在
しないことが強調され、そして本発明のペプチド
はCR+B細胞の分化ではなくてT細胞の分化にお
いて選択的である。 本発明のペプチドのこれらの特性のため、それ
らは人間および動物の処置において治療学的に有
用である。それらはヘモポイエチン組織において
生ずるリンパ造成幹細胞(lymphopoietic stem
cell)の胸腺誘導細胞すなわちT細胞への分化を
誘発する能力をもち、そしてT細胞は体への免疫
応答を改良することができるからである。結局、
本発明の生成物は多数の治療学的用途をもつと考
えられる。第1に、該化合物は胸腺(thymus)
の示した機能のあるものを実施する能力をもつの
で、種々の胸腺機能および免疫の領域における用
途を有する。第1の応用分野はデイシヨージ・シ
ンドローム(DiGeorge Syndrome)、すなわち、
先天的に胸腺が存在しない状態の処置である。該
ペプチドの注射はこの欠乏を克服する。低濃度で
極めて活性である生物学的特性のため、該ペプチ
ドは細胞の免疫の治療学的刺激を増加または助
け、これによつて生体内の慢性の感染、たとえ
ば、菌(fungal)または真菌形質
(mycoplasma)の感染、結核癩症(leprosy)、
急性および慢性のウイルスの感染などを含む病気
の処置に有用となるということにおいて、それら
は体の総体的免疫を促進するのに有用であると考
えられる。さらに、該化合物は細胞免疫が1つの
結果である領域、特に前述のデイジヨージ・シン
ドロームのような免疫の欠乏が存在する場合にお
いて有用であると考えられる。また、不均合いの
T細胞およびB細胞による過剰の抗体生成が存在
する場合、該化合物はT細胞の生成を刺激するこ
とによりこの状態を補正できる。かくして、これ
らは損傷を与える抗体が存在するある種の自己免
疫の病気、たとえば、全身的紅斑性狼瘡
(systemic lupus erythematosus)の治療におい
て使用することができる。さらに、該ペプチドの
特性のため、それらは試験管内でT細胞の表面抗
原の発現の誘発において、抗体を生成するB細胞
の能力を高める際における糸原(mitogen)およ
び抗原への応答並びに細胞の共同(cell
collaborativity)を達成する機能的能力の発現の
誘発において有用である。また、該ペプチドはサ
イモポイエチン応答性リンパ球の調節されない増
殖の阻止において有用である。 該ペプチドの重要な特性は、T細胞の特性をも
つ細胞を回復する生体内の能力である。したがつ
て、本発明のペプチドはそれらが体内の免疫の応
答を高めることができる結果、多くの場合活性で
ある。本発明のペプチドは筋神経の伝達に影響を
及ぼすので、本発明のペプチドの非常に高い投与
量は過剰の筋神経の伝達の病気、たとえば、痙攣
性の処置に有用であろう。 本発明のペプチドの他の重要な性質は、それら
が0.1pg/mlからの非常に低い濃度において高度
に活性であるということである。担体はこの目的
によく知られた担体、たとえば、普通の食塩溶
液、好ましくはこれらの低い濃度においてガラス
器具類への吸収の損失を防ぐためにウシ血清アル
ブミン(BSA)のようなタンパク質の希釈剤を
含むものであることができる。本発明のペプチド
は約1ng/Kg体重において非経口的に活性であ
る。デイジヨージ・シンドロームの処置のために
は、該ポリペプチドは約0.1〜10ng/Kg体重の割
合において投与することができる。一般に、投与
量の同じ範囲を前述の他の状態または病気の処置
に使用することができる。 本発明の製薬学的組成物を調製するため、式
(I)ポリペプチドまたはその酸付加塩を活性成
分として、製薬学的担体と普通の製薬学的活性配
合技術に従い均質に混合して組合わせる。この担
体は望む投与に際して望まれる製剤の形態たとえ
ば、舌下、経直腸的、鼻、または非経口的投与に
適した製剤の形態に依存して広範な形態をとるこ
とができる。経口的投与の形態の組成物を調製す
る場合、通常の製薬学的媒体のいかなるものをも
使用でき、たとえば、水、グリコール、油、アル
コール、香味剤、防腐剤、着色剤などを経口的液
体製剤、たとえば、懸濁液、エリキシル、および
溶液の場合に使用することができ、或いは、デン
プン、糖類、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、
崩壊剤などを経口的固体製剤、たとえば、粉末、
カプセル剤および錠剤の場合に使用することがで
きる。投与容易のため、錠剤及びカプセル剤は最
も有利な経口的投与単位形態を代表し、この場合
において固体の製薬学的担体を明らかに使用す
る。望むならば、錠剤の標準の技術により糖類で
被覆するか、或いは腸溶皮で被覆することができ
る。非経口的投与に際して、担体は通常滅菌した
水からなるが、他の成分を、たとえば、溶解を促
進するため、或いは防腐の目的で含有させること
ができる。注射可能な懸濁液を調製することもで
き、この場合適当な液状担体、懸濁剤などを使用
することができる。本発明の非経口的製薬学的組
成物は、本発明のポリペプチドを約0.1〜約
100ng/Kg体重の割合で投与するように調製すべ
きである。経口的組成物は非経口的組成物の投与
量の約100〜1000倍、すなわち、約10ng/Kg〜約
μg/Kg体重を投与すべきである。したがつて、
非経口的組成物は、投与単位当り、約5ng〜約
5μgを含有し、これに対し経口的投与組成物は、
投与単位当り、約500ng〜約5mgの本発明のポリ
ペプチドを含有すべきである。 本発明のポリペプチドは、文献Journal of
Mmerican Chemical Society、85、pp2149−
2154、1963に報告されているメリフイールド
(Merrifield)に類似する概念を用いて製造され
る。この合成は固体の樹脂粒子へ共有結合により
結合した生長するペプチド鎖に、保護されたアミ
ノ酸を段階的に付加することからなつていた。こ
の方法により、試薬と副生物は、過および中間
体の再結晶により除去できる。この方法の一般的
概念は、鎖のC−末端アミノ酸の共有結合による
結合、および望む序列が構成されるまで段階的方
法における1度に1つの継続するアミノ酸の付加
に依存する。最後に、ペプチドを固体の支持体か
ら除去し、そして保護基を除去する。この方法は
完全に不溶性の固体粒子へ付着した生長するペプ
チド鎖を提供するので、それは試薬と副生物を
過し、洗浄除去するのに便利な形態である。 アミノ酸は、未反応の試薬から単に容易に分離
できなければならない、任意の適当な重合体に結
合することができる。重合体は使用する溶媒に不
溶性であることができ、或いはある溶媒に可溶性
であり且つ他の溶媒に不溶性であることができ
る。重合体は過を容易とさせる安定な物理的形
態をもつべきである。それは第1の保護されたア
ミノ酸が共有結合により堅く結合できる官能基を
もたなくてはならない。この目的に適する種々の
不溶性重合体は、セルロース、ポリビニルアルコ
ール、ポリメタクリレートおよびスルホン化ポリ
スチレンのようなものであるが、本発明の合成に
おいて、一例として、スチレンとジビニルベンゼ
ンとのクロロメチル化コポリマーを使用した。有
機溶媒に可溶性であるが、水性溶媒に不溶性であ
る重合体を使用することもできる。1つのこのよ
うな重合体は、塩化メチレンには可溶性である
が、水には不溶性である、分子量が約20000のポ
リエチレングリコールである。ペプチド合成にお
けるこの重合体の使用は、F.BayerおよびM.
Mutter、Nature 237、512(1972)およびその
中に含まれる参考文献に記載されている。 活性であるが、反応に関与しないアミノ酸の
種々の官能基は、この反応を通じてポリペプチド
分野において使用されている普通の保護基で保護
される。かくして、リジンの官能基は序列の完結
後ポリペプチドの最終生成物に悪影響を及ぼすこ
となく除去できる保護基で保護する。合成におい
て、ニンヒドリンを使用して、結合が完結したか
どうかを決定する。完全結合が指示されなかつた
とき、脱保護前に同じ保護されたアミノ酸で結合
を反復する。 C−末端アミノ酸は種々のよく知られた方法で
重合体に結合する。ハロメチル樹脂への結合法の
要約は、Horiki et al、Chem、Letters、165
−168(1978)およびGisin、Helv.Chem.Acta、
56、1476(1973)、およびそれらの中に記載される
参考文献に記載されている。C−末端アミドを製
造しようとする場合、2つの経路の1つを使用す
ることができる。メリフイールドの技術に従つて
製造したペプチド樹脂は無水アンモニアを用いて
樹脂から分裂させることができ、或いはベンズヒ
ドリルアミン樹脂を使用することができる。この
後者の樹脂をフツ化水素で分裂させると、C−末
端アミドのペプチドがえられる。ベンズヒドリル
アミン樹脂の使用は、たとえば、J.Rivier、et
al.J.Med.Chem.、16、545−549(1973)中に示
されている。 C−末端カルボキシルペプチドの一般的製造方
法は、初めアミノ基またはヒドロキシル基が保護
されたL−チロシンを、ギシン(Gisin)の方法
により、CsHCO3でエステル化してクロロメチル
樹脂とすることから成る。チロジンアミノ酸のα
−アミノ基の保護基(たとえば、t−BOC、す
なわち、t−ブチルオキシカルボニル)を、次に
他の保護基に影響を及ぼさないようにして除去す
る。次いで結合したアミノ酸樹脂を過し、洗浄
し、中和する。次いで、遊離アミノ基を有する、
生ずる結合したアミノ酸−樹脂を保護されたL−
バリン、好ましくはアルフアt−BOC−L−バ
リンと反応させて、L−バリンをアミノ酸−樹脂
へ結合する。次いでこれらの反応を保護されたア
スパラギン酸、サルコシンおよびL−アルギニン
を用いて反復して、完全な分子を製造する。この
方法を用いて基本の5−アミノ酸活性序列を形成
する。鎖の両端への中性のアミノ酸残基の付加
は、この分野で知られた反応の同じ序列を用いて
実施する。5員のアミノ酸活性部位を製造するた
めの反応の順序は、次のようにして実施すること
ができる: 【表】 ↓
H−Arg−Sar−Asp−Val−Tyr−OH
上の反応の順序において、R1、R2およびR3は、
アミノ酸側鎖上の種々の反応性基の保護基であ
り、そしてα−アミノ保護を除いて反応をされに
進行させるときに影響を受けたり或いは除去され
ないものである。好ましくは、上記の中間体のペ
ンタペプチド樹脂において、記号R1はトシル
(Tos)であり、R2はベンジル(Bzl)であり、
そしてR3はブロモベンジルオキシカルボニルで
ある。樹脂は、C−末端カルボキシルペプチドを
製造する方法において有用であると述べた、前述
の樹脂のいずれであつてもよい。 ペプチド−樹脂を開裂させて、ペプチドを樹脂
および保護基R1、R2、R3およびt−AOCから同
時に遊離させて、最終生成物のペプチドを得る。
保護基と樹脂は普通の手順により、たとえば、無
水フツ化水素で処理し、そしてペプチドを回収す
る。 上に指摘したように、この方法を実施すると
き、アミノ基を保護し、すなわちブロツクして反
応をコントロールし、望む生成物を得ることが必
要である。有効に使用できる適当なアミノ保護基
は、強く塩基性のアミノ基を保護するための塩の
形成、或いはウレタン保護置換基、たとえば、ベ
ンジルオキシカルボニルおよびt−ブチルオキシ
カルボニルを包含する。分子のカルボキシル末端
において反応を行うアミノ酸中のα−アミノ基を
保護するためには、t−ブチルオキシカルボニル
(t−BOC)またはt−アミルオキシカルボニル
(t−AOC)を使用することが好ましい。何故な
らBOCおよびAOC保護基は、このような反応後
に、且つ引き続く工程前に(このようなα−アミ
ノ基自体が反応を行うとき)、酸(たとえば、ト
リフルオロ酢酸)を比較的穏やかに作用させるこ
とにより除去されるからである。この処理は他の
方法では該鎖上の保護基に影響を及ぼすであろ
う。こうして、α−アミノ基は引き続く反応に対
してそれを保護するが、分子の残部に影響を及ぼ
さない条件下に除去できる任意の物質との反応に
より保護できることがわかるであろう。このよう
な物質の例は、アミノ基をアシル化する有機カル
ボン酸またはカルボン酸の誘導体である。 一般に、アミノ基は式 式中、R4はアミノ基が引き続く反応に関与す
るのを防ぎ、そして分子を破壊しないで除去でき
る任意の基である、 の基を有する化合物との反応により保護すること
ができる。かくして、R4は不飽和であることが
できる、好ましくは1〜10個の炭素原子をもつ、
好ましくはハロまたはシアノ置換された直鎖また
は分枝鎖のアルキル;好ましくは6〜15個の炭素
原子をもつ、アリール;好ましくは5〜8個の炭
素原子をもつシクロアルキル;好ましくは7〜18
個の炭素原子をもつアラルキル;或いは複素環式
基、たとえば、イソニコチニルである。アリー
ル、アラルキルおよびアルカリール部分は、さら
に置換されていてもよく、たとえば、1〜約4個
の炭素原子の1個またはそれ以上のアルキルで置
換されていてもよい。高度に好ましい特定のアミ
ノ保護基は次のものを包含する:ベンジルオキシ
カルボニル;フエニル環が1個またはそれ以上の
ハロゲン、たとえば、ClまたはBr、ニトロ、低
級アルコキシ、たとえば、メトキシ、または低級
アルキルで置換された置換ベンジルオキシカルボ
ニル;t−ブチルオキシカルボニル;t−アミノ
オキシカルボニル;シクロヘキシルオキシカルボ
ニル;ビニルオキシカルボニル;アダマンチルオ
キシカルボニル;ビフエニルイソプロポキシカル
ボニルなど。 使用できる他の保護基の例は、イソニコチルオ
キシカルボニル、フタロイル、p−トリルスルホ
ニル、ホルミルなどである。 本発明の一般的方法を実施するとき、ペプチド
は遊離のα−アミノ基とブロツクされたα−アミ
ノ基を含有する化合物との反応によりつくられ
る。反応または結合のため、結合される化合物の
カルボキシル成分をそのカルボキシル基において
活性化し、次いでカルボキシル基がペプチド鎖上
の遊離のα−アミノ基と反応できるようにする。
活性化を達成するため、カルボキシル基を反応性
基、たとえば、エステル、無水物、アジド、酸塩
物などの基に変えることができる。別法として、
適当な結合試薬を反応中に加えることができる。
適当な結合試薬は、たとえば、Bodansky、et
al.、Peptide Synthesis Interscience、第2版、
1976、第5章に記載されており、その例はカルボ
ジイミド(たとえば、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド)カルボニルジイミダゾールなどである。 また、これらの反応中、アミノ酸部分はアミノ
基とカルボキシル基との両方を含み、そして通常
一方の基が反応に関与し、その間他方の基は保護
されている。結合工程前に、樹脂へ結合されたペ
プチドのα−すなわち末端−アミノ基の保護基
を、他の保護基、たとえば、チロジン分子のヒド
ロキシル基上の基に実質的に影響を及ぼさない条
件下に除去する。この工程を実施するのに好まし
い手順は穏やかな酸加水解、たとえば、室温にお
けるトルフルオロ酢酸との反応である。 前述のように、前記の一連の工程は、次式の特
定のペンタペプチドを生成する: H−ARG−SAR−ASP−VAL−TYR−OH 末端のARGおよびTYRアミノ基が前述のよう
にさらに置換されている式Iの置換されたペンタ
ペプチドは、次いでこのペンタペプチドまたは適
当な試薬で保護されたペプチド樹脂との反応によ
り望む誘導体を製造することによつて製造され
る。このタイプの反応、たとえば、アミド化など
はこの分野でもちろんよく知られている。 対応するC−末端アミドペプチドは、前述のよ
うにではあるが、そこで使用したクロロメチル樹
脂の代わりにベンズヒドリルアミン樹脂を使用
し、適当な結合剤、たとえば、ジシクロヘキシル
カーボジイミドによりC−末端アミノ酸をその樹
脂へ結合することによつて製造することができ
る。 本発明のポリペプチドは前述のメリフイールド
の固相合成法を用いて実際に合成されるが、古典
的に溶液合成法を使用できることは容易に考えら
れる。たとえば、M.BodanskyおよびM.A.
Ondetti、Peptide Synthesis、Interscience、
1966を参照。 次の実施例により本発明をさらに説明する。こ
れらの実施例および明細書を通じて、部は特記し
ないかぎり重量による。 実施例 I 本発明の1つのペプチドの製造において、次の
材料を商業的に入手した。 アルフア−AOC−N−Tos−L−アルギニン アルフア−BOC−サルコシン アルフア−BOC−O−ベンジル−L−アスパラ
ギン酸 アルフア−BOC−L−バリン アルフア−BOC−O−t−ブロモベンジルオキ
シカルボニル−L−チロシン これらの試薬において、BOCはt−ブチルオ
キシカルボニルであり、AOCはt−アミルオキ
シカルボニルであり、そしてTosはトシルであ
る。「序列(sequenal)」級のアミノ酸序列決定用
試薬、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ニンヒ
ドリン、および樹脂を商業的に入手した。使用し
た樹脂は1%のジビニルベンゼンを含有し、0.75
ミリモル/g樹脂の塩化物を含有する、200〜400
メツシユの大きさのポリスチレンジビニルベンゼ
ン樹脂であつた。 ペンタペプチドの製造において、α−BOC−
O−ブロモベンジルオキシカルボニル−L−チロ
シンを前述のギシン(Gisin)の文献に記載され
ているCsHCO3法によつてエステル化してクロロ
メチル化樹脂とした。生ずる保護されたアミノ酸
樹脂は、樹脂1g当り0.4〜0.5ミリモルのアミノ酸
を含有した。シユワルツ/マン自動ペプチド合成
器(Schwarz/Mann Automatic Peptide
Synthesizer)を用い、次のプログラムを用いて
各BOC−保護アミノ酸をBOC−アミノ酸樹脂へ
結合した。 1 CH2Cl2中の40%のTFAで1.5分間1回予備洗
浄する。 2 CH2Cl2中の40%のTFAで20分間1回脱保護
する。 3 CHCL3で1.5分間1回洗浄する。 4 EtOHで1.5分間1回洗浄する。 5 CH2Cl2で1.5分間2回洗浄する。 6 CH2Cl2中の10%のEt3Nで1.5分間1回洗浄す
る。 7 CH2Cl2中の10%のEt3Nで10分間1回中和す
る。 8 CH2Cl2中で1.5分間3回洗浄する。 9 DMFおよびCH2Cl2(1:9vol/vol)中の
BOC−保護アミノ酸(5モル過剰)を加える。 10 CH2Cl2中のDCC(0.5モル、5モル過剰を加
える。反応時間は2時間までであつた。 11 CH2Cl2で1.5分間2回洗浄する。 その後、α−BOCまたはα−AOCアミノ酸を
同様に正しい順序でペプチド−樹脂の脱保護され
たα−アミノ基に、当量のジシクロヘキシルカル
ボジイミドを用いて結合して本発明のペプチドを
生成した。各結合反応後、樹脂の一部をニンヒド
リンで試験し、陽性の結果が見い出されたとき、
結合は不完全であり、同じ保護されたアミノ酸を
用いて反応復した。いくつかの結合反応の結果、
次のペンタペプチド−樹脂がえられた: ここでAOCはアミルオキシカルボニルであり、
Tosはトシルであり、Bzlはベンジルであり、そ
してBrzはブロモベンジルオキシカルボニルであ
つた。 Kel−F開裂装置(Peninsula Laboratories、
Inc.)中で、スキヤベンジヤーとしてペプチド−
樹脂1g当り5mlのアニソールを含有する、樹脂
1g当り10mlの無水フツ化水素を用いて、このペ
プチド−樹脂を開裂させ且つ保護基を除去した。
真空蒸発乾固した後、残留物を無水エーテルで洗
浄した。粗製ペプチドを10gの水性酢酸中に溶か
し、過した。この樹脂を10%の水性酢酸で洗
い、合わせた液を集め、凍結乾燥して粗製ペプ
チドを得た。この粗製ペプチドを向流分配によ
り、分配相としてn−ブタノール:酢酸:水
(4:1:5)を用いて精製して純粋なペプチド
を得た。生ずるポリペプチドは次の序列を有す
る: V.H−ARG−SAR−ASP−VAL−TYR−OH 確認のため、薄相クロマトグラフイーと電気泳
動法を用いた。アミノ酸の組成はアミノ酸分析器
により決定した。 薄相クロマトグラフイーは20μgの試料につい
てシリカゲル(Kieselgel、5×20cm)上で溶媒
系として1:1:1:1のn−ブタノール:酢
酸:酢酸エチル:水(Rf 1)を用い、そしてセル
ロース6064(Eastman 20×20cm)上で溶媒系と
して15:10:3:12のn−ブタノール:ピリジ
ン:酢酸:水(Rf 2)を用いて実施した。H−
ARG−SAR−ASP−VAL−TYR−OHに関す
るRf値はRf 1=1.84およびRf 2=1.11であつた。ニ
ンヒドリンを噴霧試薬として使用した。 電気泳動は100μgの試料についてウイツトマン
(Whitman)No.3紙(5.7×55cm)上で、PH5.6の
ピリジン−酢酸塩緩衝剤を用い1000Vの電圧にお
いて1.0時間実施した。ペンタペプチドはH−
ARG−SAR−ASP−VAL−TYR−OHに関し
て陰極に向かつて0.29の移動度を有した。ニンヒ
ドリンとパウリ(Pauly)の噴霧試薬を使用し
た。 実施例 実施例Iのポリペプチドの活性および特性を決
定するため、両方の性別の健康な5〜6週間の
nu/nuマウスについて決定を実施し、マウスを
BALB/C バツクグラウンド(Thy−1.2表面
抗原を表わす胸腺細胞)で飼育し、通常の条件下
に維持した。抗血清について、抗Thy−1.2血清
をThy−1先天性マウスにおいて調製した。 Thy−1+T細胞またはCR+B細胞の分化の試験
管内の誘発のため、試験管内の前胸腺細胞
(prothymocyte)からの胸腺細胞の分化の誘発
を、KomuroおよびBoyse(Lancet、1、740、
1973)が記載しているようにして、T細胞の分化
のマーカーとしてThy−1.2の獲得を用いて実施
した。試験管内のCR-B細胞前駆物質からの
CR+B細胞の分化の誘発を同じ条件で実施し、検
定基準として、凝集化より少ない
(subagglutinating)量のウサギの抗体および非
分解性の補体で被覆したヒツジの赤血球を結合す
るCR+B細胞の能力を用いた。不連続のウシ血清
アルブミンのこう配上で分配した健康なnu/nu
マウスからの脾細胞の個体群を両方の前駆物質の
タイプ(Thy−1-およびCR-)の源として使用し
た。なぜならそれらはThy−1+細胞を殆んどまた
は全くもたず、そして低い数のCR+細胞をもつか
らである。 この決定の結果、このポリペプチドは相補的受
体(CR+)B−リンパ球の分化ではなくT−リン
パ球の分化の誘発においてサイモポイエチンの
それに類似した作用の選択性を示すことがわかつ
た。このポリペプチドは1pg〜10ng/mlの範囲の
濃度においてTh−1+T細胞の分化を誘発した。
それは同じ濃度でCR+B細胞の分化を誘発しなか
つた。 実施例 実施例Iの手順に従うが、当量の適当なアミノ
酸(適当に保護された)を使用すると、次のペン
タペプチドが製造される(「A」を製造するのに
ベンズヒドリルアミン樹脂を使用する): A H−ARG−SAR−ASP−SAR−TYR−
NH2 B H−ARG−LYS−ASP−SAR−TYR−OH これらのペンタペプチドは実施例Iにおいて製
造したペンタペプチドと同じ生物学的活性を示
す。 これらのペプチドの序列はアミノ酸分析器によ
り決定した。実施例Iについてと同じ条件でBお
よびCの薄相クロマトグラフイーと電気泳動法を
行うと、次の情報がえられた。ペプチド Rf 1 Rf 2 陰極への移動度 A 1.76 0.95 1.03 B 0.80 0.78 0.97
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記の配列 式中、XはSARまたはLYSであり、 YはVALまたはSARであり、 R′はOHまたはNH2である、ただし、 H−ARG−LYS−ASP−VAL−TYR−R′は
除く、 を有することを特徴とするペプチドおよび製薬学
的に許容できるその塩。 2 下記の配列 H−ARG−SAR−ASP−VAL−TYR−NH2 のペンタペプチドおよび製薬学的に許容できるそ
の塩である特許請求の範囲第1項記載のペプチ
ド。 3 下記の配列 H−ARG−SAR−ASP−SAR−TYR−NH2 のペンタペプチドおよび製薬学的に許容できるそ
の塩である特許請求の範囲第1項記載のペプチ
ド。 4 a) α−アミノ基及びヒドロキシル基が保
護されているL−チロシンを重合体樹脂に共有
結合により結合し、該重合体はL−チロシンが
該共有結合により堅く結合できる官能基を含有
する重合体であり、 b) L−チロシン部分から該α−アミノ保護基
を除去し、 c) α−アミノ基及び他の如何なる反応性基も
保護されているが、α−カルボキシル基が保護
されていないYアミノ酸と反応させて、Yアミ
ノ酸をL−チロシン樹脂に結合し、 d) Yアミノ酸部分からα−アミノ保護基を除
去し、 e) α−アミノ基及び他の如何なる反応性基も
保護されているが、α−カルボキシル基が保護
されていないL−アスパラギン酸と反応させ
て、L−アスパラギン酸をY−L−チロシン樹
脂に結合し、 f) L−アスパラギン酸部分からα−アミノ保
護基を除去し、 g) α−アミノ基及び他の如何なる反応性基も
保護されているが、α−カルボキシル基が保護
されていないXアミノ酸と反応させて、Xアミ
ノ酸をL−アスパラギン−Y−L−チロシン樹
脂に結合し、 h) Xアミノ酸部分からα−アミノ保護基を除
去し、 i) α−アミノ基及びアニジノ基が保護されて
いるが、α−カルボキシル基が保護されていな
いL−アルギニンと反応させて、L−アルギニ
ンをX−L−アスパラギン−Y−L−チロシン
樹脂に結合し、そして j) 樹脂とすべての保護基をペプチドから、適
当な試薬を用いて除去し、 そして、必要に応じて、得られるペプチドを製薬
学的に許容しうる塩に変えることを特徴とする下
記の配列 式中、XはSARまたはLYSであり、 YはVALまたはSARであり、 R′はOHまたはNH2である、ただし、 H−ARG−LYS−ASP−VAL−TYR−R′は
除く、 を有することを特徴とするペプチドおよび製薬学
的に許容できるその塩の製造方法。 5 工程a)においてベンズヒドリルアミン樹
脂、工程c)においてVALアミノ酸、工程e)
においてASPアミノ酸、工程g)においてD−
ALAアミノ酸、および工程i)においてARGア
ミノ酸をそれぞれ使用することを特徴とする特許
請求の範囲第4項記載の配列H−ARG−D−
ALA−ASP−VAL−TYR−NH2のペンタペプ
チドの製造方法。 6 工程a)においてスチレンとジビニルベンゼ
ンとのクロロメチル化共重合体、工程c)におい
てVALアミノ酸、工程e)においてASPアミノ
酸、工程g)においてSARアミノ酸、そして工
程i)においてARGアミノ酸をそれぞれ使用す
ることを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の
配列H−ARG−SAR−ASP−VAL−TYR−
OHのペンタペプチドの製造方法。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US2959579A | 1979-04-12 | 1979-04-12 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS55149237A JPS55149237A (en) | 1980-11-20 |
| JPH0135839B2 true JPH0135839B2 (ja) | 1989-07-27 |
Family
ID=21849861
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4699080A Granted JPS55149237A (en) | 1979-04-12 | 1980-04-11 | Thymopoietin active peptide |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS55149237A (ja) |
| ZA (1) | ZA802170B (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0423300U (ja) * | 1990-04-13 | 1992-02-26 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4505853A (en) * | 1983-11-18 | 1985-03-19 | Ortho Pharmaceutical Corporation | Enzyme-resistant immunomodulatory peptides |
| US4629723A (en) * | 1984-06-27 | 1986-12-16 | Ortho Pharmaceutical Corporation | Potent thymopentin analogs |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| SE446867B (sv) * | 1977-11-15 | 1986-10-13 | Sloan Kettering Inst Cancer | Sett att framstella en polypeptid med formaga att inducera differentiering av t-lymfocyter men inte av komplementreceptor (cr?72+) b-lymfocyter |
-
1980
- 1980-04-11 JP JP4699080A patent/JPS55149237A/ja active Granted
- 1980-04-11 ZA ZA00802170A patent/ZA802170B/xx unknown
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0423300U (ja) * | 1990-04-13 | 1992-02-26 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| ZA802170B (en) | 1981-11-25 |
| JPS55149237A (en) | 1980-11-20 |
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