JPH0137472B2 - - Google Patents
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- JPH0137472B2 JPH0137472B2 JP16788181A JP16788181A JPH0137472B2 JP H0137472 B2 JPH0137472 B2 JP H0137472B2 JP 16788181 A JP16788181 A JP 16788181A JP 16788181 A JP16788181 A JP 16788181A JP H0137472 B2 JPH0137472 B2 JP H0137472B2
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Description
本発明は、軟窒化用鋼、特に軟窒化処理を行な
つたときに硬化深さが大であつて、表面部から芯
部への硬さ勾配の緩かな硬化曲線が得られ、かつ
溶接性および冷間加工性の優れた軟窒化用鋼に関
する。 軟窒化処理は、A1変態点以下、一般に570℃程
度の温度で、例えばシアン系化合物の塩溶、RX
ガス(吸熱型変性ガス)またはNXガス(発熱型
変性ガス)等により被処理物を処理して、窒素と
共に一部の炭素を鋼中に侵入させ、表層部を硬化
させる表面硬化法の1種である。 この方法は浸炭−焼入法の如く被処理物に歪を
生じさせることがなく、また窒化法の如く長時間
を要することもないので、機械部品等の量産に適
した方法であるが、これに適する鋼種としての軟
窒化用鋼の開発は未だ十分でなく、短時間の軟窒
化処理で所望の特性が得られるものはこれまでみ
られなかつた。 例えば、従来、軟窒化用鋼としては、
JISSCM435(0.35C−0.75Mn−1.1Cr−0.2Mo)や
SACM645(0.45C−0.4Si−1.5Cr−0.2Mo)が多く
使用されているが、SCM435鋼の場合、軟窒化処
理後の有効硬化深さ(微小ビツカース硬さHv=
500に対応する表面からの距離)はたかだか0.10
mm程度であり、表面硬さ(表面下25μmでの微小
ビツカース硬さ)もHv650以上にはならないた
め、疲労強度、耐摩耗性の点で満足のゆくもので
なかつた。また、このような欠点を改良して窒化
特性を向上させるAlおよびCrを多量に添加した
SACM645の場合には、軟窒化処理によつて表面
硬さはHv800〜1100と非常に高くなるが、有効硬
化深さは高高0.15mm程度と小さいため、表面部か
ら芯部への硬さ勾配が急激になりすぎる。そのた
め、高負荷の下で運転される歯車やベアリングな
どでは、表面硬化部と芯部の境界付近からの剥離
現象が起きやすく、耐ピツチング性あるいは耐ス
ポーリング性が劣つていた。また、酸素含有が高
いため、Al2O3やSiO3などの酸化物が上述のよう
な剥離の起点になりやすく、耐ピツチング性およ
び耐スポーリング性の劣化の原因となつていた。 なお、上述のように、軟窒化鋼はSi含有量が比
較的高く、したがつて溶接性或いは、冷間加工性
の点で必ずしも満足のゆくものではなかつた。 かくして、本発明の目的は、疲労強度、耐摩耗
性にすぐれていると共に、耐ピツチング性、耐ス
ポーリング性にもすぐれた軟窒化用鋼を提供する
ことである。 さらに、本発明の別の目的は、溶接性、冷間加
工性が改良された軟窒化用鋼を提供することであ
る。 本発明者らは、通常の軟窒化処理条件下で、表
面硬さをHv650以上、有効硬化深さを0.2mm以上
とすることによつて疲労強度および耐摩耗性は著
しく改善され、一方、同時に表面硬さをHv750以
下に制限すると共に芯部硬さを大きくすることに
よつて、表面部から芯部への硬さ勾配を緩やかに
することができ、さらには、Al2O3を形成してAl
の軟窒化硬化性を劣化させることにより、硬化深
さおよび表面硬さのバラツキを大きくし、かつ
SiO2およびAl2C3を形成して耐ピツチング性およ
び耐スポーリング性をも害する酸素の含有量を可
及的に少なくすることによつて、硬化深さおよび
表面硬さのバラツキを小さくし、かつ耐ピツチン
グ性およびスポーリング性著しく改善されるとの
知見を得た。 このような知見に基き本発明者らがさらに研究
を続けたところ、Hv650〜750の表面硬さを得る
ためにCrおよびAlの添加量を調整すると共に、
表面からの硬さ勾配を緩やかにするために、まず
第一に硬化深さを大きくするのに有効なVを添加
し、同時に、Vとの共存効果によつて芯部の硬さ
向上に有効な鋼中Nの量を特定し、第二に、硬化
深さをさらに大きくするために浸炭阻害元素とし
てのSiの量を制限することによつて、そしてさら
に耐ピツチングおよび耐スポーリング性を低下せ
しめる酸素の存在量を制限することによつて、本
発明の上叙の目的が達成されることを見出して本
発明を完成した。 なお、本発明においては、Si量を従来のものに
比べて大幅に制限することができるため、本発明
鋼の溶接性および冷間加工性は飛躍的に向上す
る。 ここに、本発明は、 C:0.15〜0.35%、Si:0.15%以下、 Mn:0.60〜1.30%、Cr:0.70%を越え1.05%以
下、 V:0.05〜0.50%、sol.Al:0.05〜0.05%未満、 N:0.006〜0.020%、O:0.0025%以下、 さらに、必要により、S:0.04〜0.13%、Pb:
0.03〜0.35%およびCa:0.0010〜0.0100%のうち
の1種または2種以上を含有し、残部Feと不可
避的不純物からなる、軟窒化処理の表面硬さが
Hv650〜750となる軟窒化用鋼である。 本発明に係る鋼の組成を上述の範囲内に限定し
た理由について次に述べる。 C:Cは強度確保のための基本成分であり、芯
部強度確保のためには最低0.15%必要である。し
かし、0.35%を越えると芯部の延性、靭性が低下
し、切削性、冷間加工性、溶接性が低下すると共
に、軟窒化後の表面硬さ、硬化深さの減少も著し
くなる。したがつて、本発明におけるC量は下限
を0.15%、上限を0.35%とした。 Si:Siは通常脱酸剤として添加されるが、浸炭
を阻害する元素であるため、浸炭と窒化が同時に
進行する軟窒化においてもSiが少ないほど硬化特
性は向上し、より大きな硬化深さが得られる。ま
た、Siは溶接性、溶接熱影響部の靭性、冷間加工
性に対しても有害な元素であり、特に0.10%以上
になると急激にこれらの特性が劣化し始める。そ
のため、本発明ではSi量の上限を0.10%とした。
Siは脱酸および強度確保のため一般に比較的多量
に添加されるが、本発明においてはSiが浸炭阻害
元素であること、及び上記の溶接性、溶接熱影響
部の靭性、冷間加工性の劣化を考慮して、0.10%
以下という少量に制限した。芯部強度はむしろ後
述するVおよびN添加による析出硬化によつて確
保する。 Mn:Mnは製鋼時の脱酸剤として不可欠であ
ると共に、芯部の強度、靭性の向上にも有効であ
つて、軟窒化処理品の性能確保のために最低0.60
%は必要である。しかし、1.30%を越えると切削
性が著しく低下し始めるので、下限を0.60%、上
限を1.30%とした。 Cr:Crは軟窒化による侵入Nと結合して表面
硬さを高め、且つ硬化深さを大きくする極めて有
効な元素である。その効果を十分に発揮せしめる
には0.70%を越える量のCr量が必要であが、1.50
%を越えると通常の軟窒化処理条件での軟窒化後
に表面硬さがHv750以上になるため、上限を1.50
%とした。 V:Vは軟窒化による侵入Nおよび侵入Cと結
合して微細なバナジウム炭窒化物を析出すること
により、表面硬さおよび表面深さを向上させる。
特に、VはCrに比して、表面硬さの上昇の割合
が小さいのに対して硬化深さの向上の割合は極め
て大きく、且つ析出硬化によつて芯部硬さが増大
するため、硬化深さが深く、表面から芯部への硬
度勾配が緩やかな硬化曲線を得るのに非常に有効
な元素である。 その効果を十分に発揮せしめるには少なくとも
0.05%必要であるが、0.50%を越えるとその効果
が飽和するかむしろ低下し始めるので、下限を
0.05%、上限を0.50%とした。 sol.Al:AlもCrと同様に侵入Nと結合して表面
硬さを高めるが、硬化深さ向上にはあまり有効で
はない。特にVと複合添加では、0.05%以上のAl
を添加すると硬化深さはむしろ低下する。しかし
表面硬さに対しては微量添加でも有効であり、
Hv650以上を確保するには少なくとも0.02%必要
であるので、下限を0.02%、上限を0.10%未満と
した。 N:Nは結晶粒度を微細化させ、それにより芯
部の靭性を向上せしめると共に、Vとの共存下に
おいてVとの化合物を生成することにより析出硬
化を生じ、芯部硬さの向上ももたらす。このよう
な析出硬化を生じさせるためには少なくとも
0.006%は必要である。しかし、0.020%を越える
と、過剰量の窒化物が生成するため冷間加工性お
よび芯部の靭性が急激に劣化するので、本発明に
おいてはN量の下限を0.006%、上限を0.020%と
した。 O:鋼中の酸素はAlと結合してAl2O3を生成す
るため、Alの軟窒化硬化特性を左右し、硬化深
さおよび表面硬さのバラツキに影響する重要な元
素である。また、酸素はAlばかりでなく、Siと
も結合してAl2O3およびSiO2を与えるが、これら
は転動疲労における剥離の起点になりやすい。し
たがつて、過剰量の酸素の存在は耐ピツチング性
および耐スポーリング性を低下せしめる。酸素含
量が0.0025%を越えるとかかる欠点が顕著となつ
てくるため、本発明では酸素含量の上限を0.0025
%とした。 S、Pb、Ca:これらの成分は、軟窒化処理前
に切削を施す場合の切削性向上に有効である。軟
窒化処理前に深穴穿孔、重切削、高速切削などが
施される場合には、切削性が要求される度合いに
応じて、これらの元素の1種又は2種以上を含有
させることができる。これらの成分は硬化特性に
対しては影響を及ぼさない。 構造用鋼の切削性を高めるのに必要最少限の添
加量は、S:0.04%、Pb:0.03%、Ca:0.0010%
である。またSは0.13%、Pbは0.35%を越えると
強度・靭性の低下が甚しくなり、一方Caは溶製
上0.0100%以上添加するのは困難であるので、S
については下限を0.04%、上限を0.13%、Pbにつ
いては下限を0.03%、上限を0.35%、Caについて
は下限を0.0010%、上限を0.0100%とした。 次に本発明を実施例によつて説明する。 実施例 第1表に示す組成を有する鋼を調製して直径20
mmの丸棒とし、950℃で1時間焼ならしし、その
後、直径12mm×長さ22mmの円筒状試験片を作成し
た。 これら一連の試験片に対しアンモニアガス+
RXガス(1:1)の混合ガス中においても570
℃で4時間、ガス軟窒化処理を施した。 軟窒化処理後、表面硬さ(Hv)および有効硬
化深さ(mm)、芯部硬さ(表面から1mmの地点で
のビツカース硬さHv)を測定した。結果も第1
表に併せて示す。 鋼種No.1〜10は本発明に係る鋼であり、鋼種No.
11およびNo.12はSi、Cr、Vおよびsol.Alの含有量
の点で本発明の範囲外である比較用の鋼であり、
鋼種No.13〜16は酸素含有量の点で本発明の範囲外
である比較用の鋼であり、そして鋼種No.17および
No.18はそれぞれJIS−SCM435およびJIS−
SACM645に相当する従来鋼である。本発明鋼は
いずれでも表面硬さがHv650〜750の範囲内にあ
り、また有効硬化深さも0.2mmをこえている。一
方、比較鋼の有効硬化深さは鋼種No.13〜16を除い
ていずれも0.16mm以下と小さく、また表面硬さを
みても、鋼種No.17はHv620と低すぎ、逆に鋼種No.
12および18はHv842以上と極端に高くなつてい
る。したがつて、例えば鋼種No.17では耐摩耗性、
疲労強度が劣り、一方鋼種No.12、18では耐ピツチ
ング性、耐スポーリング性が劣る。
つたときに硬化深さが大であつて、表面部から芯
部への硬さ勾配の緩かな硬化曲線が得られ、かつ
溶接性および冷間加工性の優れた軟窒化用鋼に関
する。 軟窒化処理は、A1変態点以下、一般に570℃程
度の温度で、例えばシアン系化合物の塩溶、RX
ガス(吸熱型変性ガス)またはNXガス(発熱型
変性ガス)等により被処理物を処理して、窒素と
共に一部の炭素を鋼中に侵入させ、表層部を硬化
させる表面硬化法の1種である。 この方法は浸炭−焼入法の如く被処理物に歪を
生じさせることがなく、また窒化法の如く長時間
を要することもないので、機械部品等の量産に適
した方法であるが、これに適する鋼種としての軟
窒化用鋼の開発は未だ十分でなく、短時間の軟窒
化処理で所望の特性が得られるものはこれまでみ
られなかつた。 例えば、従来、軟窒化用鋼としては、
JISSCM435(0.35C−0.75Mn−1.1Cr−0.2Mo)や
SACM645(0.45C−0.4Si−1.5Cr−0.2Mo)が多く
使用されているが、SCM435鋼の場合、軟窒化処
理後の有効硬化深さ(微小ビツカース硬さHv=
500に対応する表面からの距離)はたかだか0.10
mm程度であり、表面硬さ(表面下25μmでの微小
ビツカース硬さ)もHv650以上にはならないた
め、疲労強度、耐摩耗性の点で満足のゆくもので
なかつた。また、このような欠点を改良して窒化
特性を向上させるAlおよびCrを多量に添加した
SACM645の場合には、軟窒化処理によつて表面
硬さはHv800〜1100と非常に高くなるが、有効硬
化深さは高高0.15mm程度と小さいため、表面部か
ら芯部への硬さ勾配が急激になりすぎる。そのた
め、高負荷の下で運転される歯車やベアリングな
どでは、表面硬化部と芯部の境界付近からの剥離
現象が起きやすく、耐ピツチング性あるいは耐ス
ポーリング性が劣つていた。また、酸素含有が高
いため、Al2O3やSiO3などの酸化物が上述のよう
な剥離の起点になりやすく、耐ピツチング性およ
び耐スポーリング性の劣化の原因となつていた。 なお、上述のように、軟窒化鋼はSi含有量が比
較的高く、したがつて溶接性或いは、冷間加工性
の点で必ずしも満足のゆくものではなかつた。 かくして、本発明の目的は、疲労強度、耐摩耗
性にすぐれていると共に、耐ピツチング性、耐ス
ポーリング性にもすぐれた軟窒化用鋼を提供する
ことである。 さらに、本発明の別の目的は、溶接性、冷間加
工性が改良された軟窒化用鋼を提供することであ
る。 本発明者らは、通常の軟窒化処理条件下で、表
面硬さをHv650以上、有効硬化深さを0.2mm以上
とすることによつて疲労強度および耐摩耗性は著
しく改善され、一方、同時に表面硬さをHv750以
下に制限すると共に芯部硬さを大きくすることに
よつて、表面部から芯部への硬さ勾配を緩やかに
することができ、さらには、Al2O3を形成してAl
の軟窒化硬化性を劣化させることにより、硬化深
さおよび表面硬さのバラツキを大きくし、かつ
SiO2およびAl2C3を形成して耐ピツチング性およ
び耐スポーリング性をも害する酸素の含有量を可
及的に少なくすることによつて、硬化深さおよび
表面硬さのバラツキを小さくし、かつ耐ピツチン
グ性およびスポーリング性著しく改善されるとの
知見を得た。 このような知見に基き本発明者らがさらに研究
を続けたところ、Hv650〜750の表面硬さを得る
ためにCrおよびAlの添加量を調整すると共に、
表面からの硬さ勾配を緩やかにするために、まず
第一に硬化深さを大きくするのに有効なVを添加
し、同時に、Vとの共存効果によつて芯部の硬さ
向上に有効な鋼中Nの量を特定し、第二に、硬化
深さをさらに大きくするために浸炭阻害元素とし
てのSiの量を制限することによつて、そしてさら
に耐ピツチングおよび耐スポーリング性を低下せ
しめる酸素の存在量を制限することによつて、本
発明の上叙の目的が達成されることを見出して本
発明を完成した。 なお、本発明においては、Si量を従来のものに
比べて大幅に制限することができるため、本発明
鋼の溶接性および冷間加工性は飛躍的に向上す
る。 ここに、本発明は、 C:0.15〜0.35%、Si:0.15%以下、 Mn:0.60〜1.30%、Cr:0.70%を越え1.05%以
下、 V:0.05〜0.50%、sol.Al:0.05〜0.05%未満、 N:0.006〜0.020%、O:0.0025%以下、 さらに、必要により、S:0.04〜0.13%、Pb:
0.03〜0.35%およびCa:0.0010〜0.0100%のうち
の1種または2種以上を含有し、残部Feと不可
避的不純物からなる、軟窒化処理の表面硬さが
Hv650〜750となる軟窒化用鋼である。 本発明に係る鋼の組成を上述の範囲内に限定し
た理由について次に述べる。 C:Cは強度確保のための基本成分であり、芯
部強度確保のためには最低0.15%必要である。し
かし、0.35%を越えると芯部の延性、靭性が低下
し、切削性、冷間加工性、溶接性が低下すると共
に、軟窒化後の表面硬さ、硬化深さの減少も著し
くなる。したがつて、本発明におけるC量は下限
を0.15%、上限を0.35%とした。 Si:Siは通常脱酸剤として添加されるが、浸炭
を阻害する元素であるため、浸炭と窒化が同時に
進行する軟窒化においてもSiが少ないほど硬化特
性は向上し、より大きな硬化深さが得られる。ま
た、Siは溶接性、溶接熱影響部の靭性、冷間加工
性に対しても有害な元素であり、特に0.10%以上
になると急激にこれらの特性が劣化し始める。そ
のため、本発明ではSi量の上限を0.10%とした。
Siは脱酸および強度確保のため一般に比較的多量
に添加されるが、本発明においてはSiが浸炭阻害
元素であること、及び上記の溶接性、溶接熱影響
部の靭性、冷間加工性の劣化を考慮して、0.10%
以下という少量に制限した。芯部強度はむしろ後
述するVおよびN添加による析出硬化によつて確
保する。 Mn:Mnは製鋼時の脱酸剤として不可欠であ
ると共に、芯部の強度、靭性の向上にも有効であ
つて、軟窒化処理品の性能確保のために最低0.60
%は必要である。しかし、1.30%を越えると切削
性が著しく低下し始めるので、下限を0.60%、上
限を1.30%とした。 Cr:Crは軟窒化による侵入Nと結合して表面
硬さを高め、且つ硬化深さを大きくする極めて有
効な元素である。その効果を十分に発揮せしめる
には0.70%を越える量のCr量が必要であが、1.50
%を越えると通常の軟窒化処理条件での軟窒化後
に表面硬さがHv750以上になるため、上限を1.50
%とした。 V:Vは軟窒化による侵入Nおよび侵入Cと結
合して微細なバナジウム炭窒化物を析出すること
により、表面硬さおよび表面深さを向上させる。
特に、VはCrに比して、表面硬さの上昇の割合
が小さいのに対して硬化深さの向上の割合は極め
て大きく、且つ析出硬化によつて芯部硬さが増大
するため、硬化深さが深く、表面から芯部への硬
度勾配が緩やかな硬化曲線を得るのに非常に有効
な元素である。 その効果を十分に発揮せしめるには少なくとも
0.05%必要であるが、0.50%を越えるとその効果
が飽和するかむしろ低下し始めるので、下限を
0.05%、上限を0.50%とした。 sol.Al:AlもCrと同様に侵入Nと結合して表面
硬さを高めるが、硬化深さ向上にはあまり有効で
はない。特にVと複合添加では、0.05%以上のAl
を添加すると硬化深さはむしろ低下する。しかし
表面硬さに対しては微量添加でも有効であり、
Hv650以上を確保するには少なくとも0.02%必要
であるので、下限を0.02%、上限を0.10%未満と
した。 N:Nは結晶粒度を微細化させ、それにより芯
部の靭性を向上せしめると共に、Vとの共存下に
おいてVとの化合物を生成することにより析出硬
化を生じ、芯部硬さの向上ももたらす。このよう
な析出硬化を生じさせるためには少なくとも
0.006%は必要である。しかし、0.020%を越える
と、過剰量の窒化物が生成するため冷間加工性お
よび芯部の靭性が急激に劣化するので、本発明に
おいてはN量の下限を0.006%、上限を0.020%と
した。 O:鋼中の酸素はAlと結合してAl2O3を生成す
るため、Alの軟窒化硬化特性を左右し、硬化深
さおよび表面硬さのバラツキに影響する重要な元
素である。また、酸素はAlばかりでなく、Siと
も結合してAl2O3およびSiO2を与えるが、これら
は転動疲労における剥離の起点になりやすい。し
たがつて、過剰量の酸素の存在は耐ピツチング性
および耐スポーリング性を低下せしめる。酸素含
量が0.0025%を越えるとかかる欠点が顕著となつ
てくるため、本発明では酸素含量の上限を0.0025
%とした。 S、Pb、Ca:これらの成分は、軟窒化処理前
に切削を施す場合の切削性向上に有効である。軟
窒化処理前に深穴穿孔、重切削、高速切削などが
施される場合には、切削性が要求される度合いに
応じて、これらの元素の1種又は2種以上を含有
させることができる。これらの成分は硬化特性に
対しては影響を及ぼさない。 構造用鋼の切削性を高めるのに必要最少限の添
加量は、S:0.04%、Pb:0.03%、Ca:0.0010%
である。またSは0.13%、Pbは0.35%を越えると
強度・靭性の低下が甚しくなり、一方Caは溶製
上0.0100%以上添加するのは困難であるので、S
については下限を0.04%、上限を0.13%、Pbにつ
いては下限を0.03%、上限を0.35%、Caについて
は下限を0.0010%、上限を0.0100%とした。 次に本発明を実施例によつて説明する。 実施例 第1表に示す組成を有する鋼を調製して直径20
mmの丸棒とし、950℃で1時間焼ならしし、その
後、直径12mm×長さ22mmの円筒状試験片を作成し
た。 これら一連の試験片に対しアンモニアガス+
RXガス(1:1)の混合ガス中においても570
℃で4時間、ガス軟窒化処理を施した。 軟窒化処理後、表面硬さ(Hv)および有効硬
化深さ(mm)、芯部硬さ(表面から1mmの地点で
のビツカース硬さHv)を測定した。結果も第1
表に併せて示す。 鋼種No.1〜10は本発明に係る鋼であり、鋼種No.
11およびNo.12はSi、Cr、Vおよびsol.Alの含有量
の点で本発明の範囲外である比較用の鋼であり、
鋼種No.13〜16は酸素含有量の点で本発明の範囲外
である比較用の鋼であり、そして鋼種No.17および
No.18はそれぞれJIS−SCM435およびJIS−
SACM645に相当する従来鋼である。本発明鋼は
いずれでも表面硬さがHv650〜750の範囲内にあ
り、また有効硬化深さも0.2mmをこえている。一
方、比較鋼の有効硬化深さは鋼種No.13〜16を除い
ていずれも0.16mm以下と小さく、また表面硬さを
みても、鋼種No.17はHv620と低すぎ、逆に鋼種No.
12および18はHv842以上と極端に高くなつてい
る。したがつて、例えば鋼種No.17では耐摩耗性、
疲労強度が劣り、一方鋼種No.12、18では耐ピツチ
ング性、耐スポーリング性が劣る。
【表】
次に第1図に、酸素含有量だけが異なり、他の
組成は実質上同一である鋼種No.3、13、14および
15について、10個の試験片の表面硬さおよび有効
硬化深さの測定値の範囲を示す。なお、プロツト
点はそれらの測定値の平均値である。図示のデー
タからもわかるように、酸素含有量が多くなるほ
ど表面硬さおよび有効硬化深さのバラツキ、特に
表面硬さのバラツキが大きくなる。 使用例 実施例において得られた軟窒化処理鋼(鋼種No.
1、3、13〜16)に対し、耐ピツチング性、耐ス
ポーリング性を評価するため、円筒型転動疲労寿
命試験機を用いて転動寿命試験(最大ヘルツ接触
応力=500Kgf/mm2、繰り返し数=24)を行ない、
ワイブル線図を求めた。この結果、得られた10%
累積破損寿命(負荷の総回数で示す)を酸素含有
量に対してプロツトしたグラフを第2図に示す。 図示のデータから、酸素含有量が0.0025%以下
になると累積破損寿命は急激に向上することがわ
かる。つまり転動寿命が改善され、耐ピツチング
性、耐スポーリング性が向上する。
組成は実質上同一である鋼種No.3、13、14および
15について、10個の試験片の表面硬さおよび有効
硬化深さの測定値の範囲を示す。なお、プロツト
点はそれらの測定値の平均値である。図示のデー
タからもわかるように、酸素含有量が多くなるほ
ど表面硬さおよび有効硬化深さのバラツキ、特に
表面硬さのバラツキが大きくなる。 使用例 実施例において得られた軟窒化処理鋼(鋼種No.
1、3、13〜16)に対し、耐ピツチング性、耐ス
ポーリング性を評価するため、円筒型転動疲労寿
命試験機を用いて転動寿命試験(最大ヘルツ接触
応力=500Kgf/mm2、繰り返し数=24)を行ない、
ワイブル線図を求めた。この結果、得られた10%
累積破損寿命(負荷の総回数で示す)を酸素含有
量に対してプロツトしたグラフを第2図に示す。 図示のデータから、酸素含有量が0.0025%以下
になると累積破損寿命は急激に向上することがわ
かる。つまり転動寿命が改善され、耐ピツチング
性、耐スポーリング性が向上する。
第1図は実施例において得られた軟窒化処理鋼
の表面硬さおよび有効硬化深さの測定値の範囲を
酸素含有量に対して示すグラフ;ならびに第2図
は、転動疲労試験の結果を酸素含有量に対して示
すグラフである。
の表面硬さおよび有効硬化深さの測定値の範囲を
酸素含有量に対して示すグラフ;ならびに第2図
は、転動疲労試験の結果を酸素含有量に対して示
すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.15〜0.35%、Si:0.10%以下、 Mn:0.60〜1.30%、Cr:0.70%を越え1.50%以
下、 V:0.05〜0.50%、N:0.006〜0.020%、 sol.Al:0.02〜0.05%未満、 O:0.0025%以下、 残部Feと不可避的不純物からなる、軟窒化処
理後の表面硬さがHv650〜750となる軟窒化用鋼。 2 C:0.15〜0.35%、Si:0.10%以下、 Mn:0.60〜1.30%、Cr:0.70%を越え1.50%以
下、 V:0.05〜0.50%、N:0.006〜0.020%、 sol.Al:0.02〜0.05%未満、 O:0.0025%以下、 さらにS:0.04〜0.13%、Pb:0.03〜0.35%お
よびCa:0.0010〜0.0100%のうちの1種または2
種以上を含有し、 残部Feと不可避的不純物からなる、軟窒化処
理後の表面硬さがHv650〜750となる軟窒化用鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16788181A JPS5871357A (ja) | 1981-10-22 | 1981-10-22 | 軟窒化用鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16788181A JPS5871357A (ja) | 1981-10-22 | 1981-10-22 | 軟窒化用鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5871357A JPS5871357A (ja) | 1983-04-28 |
| JPH0137472B2 true JPH0137472B2 (ja) | 1989-08-07 |
Family
ID=15857807
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16788181A Granted JPS5871357A (ja) | 1981-10-22 | 1981-10-22 | 軟窒化用鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5871357A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR930010411B1 (ko) * | 1988-07-11 | 1993-10-23 | 니혼 세이코오 가부시끼가이샤 | 로울링 베어링(Rolling Bearing) |
| US6083455A (en) * | 1998-01-05 | 2000-07-04 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Steels, steel products for nitriding, nitrided steel parts |
| CN103003459B (zh) | 2010-11-17 | 2014-09-03 | 新日铁住金株式会社 | 氮化用钢及氮化处理部件 |
-
1981
- 1981-10-22 JP JP16788181A patent/JPS5871357A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5871357A (ja) | 1983-04-28 |
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