JPH0144259B2 - - Google Patents
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- JPH0144259B2 JPH0144259B2 JP60185574A JP18557485A JPH0144259B2 JP H0144259 B2 JPH0144259 B2 JP H0144259B2 JP 60185574 A JP60185574 A JP 60185574A JP 18557485 A JP18557485 A JP 18557485A JP H0144259 B2 JPH0144259 B2 JP H0144259B2
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Description
[産業上の利用分野]
この発明はポリアミド系樹脂組成物に関し、さ
らに詳しく言うと、塗膜性能、成形性、機械的特
性等に優れたポリアミド系樹脂組成物に関する。 [従来の製造およびその問題点] 従来、ポリアミド系樹脂として、ナイロン66、
ナイロン6等が知られている。前記樹脂そのまま
であると、つまり前記樹脂単品であると、剛性が
低いので、前記樹脂に充填剤を配合してなる樹脂
組成物として利用されている。 しかしながら、ナイロン66等のポリアミド系樹
脂に充填剤を配合してなる樹脂組成物は、この充
填剤の配合により、成形性が低下し、成形品の外
観が不良となり、また、大型あるいは肉厚の成形
品に成形することが困難である等の問題点を有す
る。 さらに、前記樹脂組成物は、成形時に生じるバ
リを切削、研磨により除去した面の、化学塗料一
般の塗装性が著しく低下するとの問題点もある。 充填剤の配合により生じる前記問題点を解決す
るために、ナイロン66等にポリエチレンテレフタ
レート等をブレンドすることが公知である。 しかしながら、ポリエチレンテレフタレートを
ブレンドしてなる従来の樹脂組成物は、ポリアミ
ド樹脂とポリエチレンテレフタレートとの間で相
分離を生じるので成形品の機械的特性が不十分
で、しかも化学塗料の密着性が低下し、さらに、
バリ除去後の面での塗装性の向上がない。 この発明は前記事情に基づいてなされたもので
ある。 すなわち、この発明の目的は、機械的特性が良
好で、大型あるいは肉厚の成形品に成形可能と言
う意での成形性、塗装性が優れたポリアミド系樹
脂組成物を提供することにある。 [前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するためにこの発明者が鋭意研
究したところ、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
樹脂、および無機質充填剤に、特定の高分子化合
物を配合し、しかも各成分を特定の配合割合にし
てなるものは、前記問題点を解決することができ
ることを見出してこの発明に到達した。 すなわち、前記問題点を解決するためのこの発
明の概要は、60重量%を越え80重量%以内のポリ
アミド系樹脂と、20重量%よりも少なく10重量%
以上のポリエステル樹脂と、5重量%以上であり
15重量%よりも少ない無機質充填剤と、1重量%
以上で5重量%よりも少ないアイオノマーと、1
〜5重量%の変性ポリオレフインとを有すること
を特徴とするポリアミド系樹脂組成物である。 前記ポリアミド系樹脂としては、たとえばナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン8、ナイロン11、
ナイロン610等が挙げられる。 こられの中でも、ナイロン6、ナイロン66が好
ましく、ナイロン6およびナイロン66をそれぞれ
単独で使用しても良いが、これらを混合して使用
するのがさらに良い。 前記ポリエステル樹脂としては、特に限定がな
く、熱可塑性ポリエステル成形材料として汎用さ
れているものたとえば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等を使用する
ことができる。好ましいのは、ポリエチレンテレ
フタレートである。 前記無機質充填剤としては、たとえば、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭
酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の硫
酸塩、亜硫酸カルシウム等の亜硫酸塩、タルク、
クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラ
スビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイ
ト、ベントナイト等のケイ酸塩、鉄、亜鉛、アル
ミニウム等の金属粉、炭化ケイ素、チツ化ケイ素
等のセラミツクおよびこれらのウイスカ、カーボ
ンブラツク、グラフアイト、炭素繊維等が挙げら
れ、これらの無機質充填剤を単独で、あるいは2
種以上の前記無機質充填剤を混合して使用するこ
とができる。 前記無機質充填剤は、粒状、板状、繊維状のい
ずれの形態であつてもよいが、この発明において
は、その粒径が1〜20μm、特に5〜10μmの範囲
内にある板状の無機質充填剤が好ましく、そのよ
うな無機質充填剤としては、タルク、マイカ等が
ある。 この無機質充填剤の粒径が1μmより小さくなる
と、その効果が少なく、また、粒径が20μmより
も大きくなると樹脂組成物中での分散が悪くなつ
て、機械的特性に悪影響を生じることがある。 前記アイオノマーは、エチレンを主成分とする
共重合体の分子鎖間が、ナトリウム、カリウム、
マグネシウム、亜鉛等の金属でイオン結合したポ
リマーあり、商業的には商品名「ハイミラン」、
「サーリン」として入手可能である。 前記変性ポリオレフインとしては、ポリオレフ
インをエラストマーおよび/または不飽和カルボ
ン酸(その無水物を含む。)あるいはその誘導体
で化学変性したものを好適に使用することができ
る。 ここで、前記変性ポリオレフインの原料となる
ポリオレフイン樹脂としては、如何なるものであ
つても良く、たとえば、低密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、ポリ―4―メチルペンテ
ン―1等のモノオレフインポリマーあるいはエチ
レン―プロピレンコポリマーまたはこれらのポリ
マーの混合物等が好適に挙げられる。 前記エラストマーとしては、たとえば分子内に
カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、ハロゲ
ン原子、アミノ基、アジリジノ基、エポキシ基等
の官能基を有する1,2―ポリブタジエン、1,
4―ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロ
ロプレン、1,2―ポリペンタジエン、スチレン
―ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル―ブ
タジエンコポリマー、ブタジエン―イソプレンコ
プリマー、ブタジエン―ペンタジエンコポリマー
のようなエラストマーや末端ヒドロキシル化1,
2―ポリブタジエン、1,4―ポリブタジエン等
の不飽和ジカルボン酸半エステル化物、あるいは
官能基を有しない数平均分子量500〜10000の1,
2―ポリブタジエン、1,4―ポリブタジエン、
スチレン―ブタジエンコポリマー、アクリロニト
リル―ブタジエンコポリマー等、または熱分解ゴ
ム、オゾン分解ゴム等、更には、以上に挙げたエ
ラストマーの混合物等が挙げられる。 前記不飽和カルボン酸またはその誘導体として
は、たとえばマレイン酸、無水ナジツク酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロト
ン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、ソルビン酸、
アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水シトラコン酸等が好ましく、また、前記不飽
和カルボン酸の誘導体としては、前記不飽和カル
ボン酸の金属塩、アミド、イミド、エステル等を
使用することができる。なお、この変性ポリオレ
フイン樹脂に使用する前記不飽和カルボン酸およ
びその誘導体は、前記各種の中の一種あるいは二
種以上を使用することができる。 この変性ポリオレフインを製造するに当つて
は、ポリプロピレン等のポリオレフイン、液状ゴ
ムおよび不飽和カルボン酸またはその誘導体をキ
シレン、トルエン、ヘプタン、モノクロルベンゼ
ン等の溶媒中でベンゾイルパーオキシド等のラジ
カル発生剤を用いて反応させれば良い。この変性
ポリオレフインの製法の詳細については、特開昭
54−124049号公報に開示しているので、その詳細
な説明を省略する。 このような各種の変性ポリオレフインの中で
も、ポリオレフイン樹脂と不飽和カルボン酸また
まその誘導体と、要すればエラストマーと、ラジ
カル発生剤との溶媒の存在下または不存在下に加
熱混合することにより得られる樹脂が好ましく、
特にポリオレフイン樹脂と無水マレイン酸と末端
ヒドロキシル化ポリブタジエンとをキシレン、ト
ルエン、ヘプタン、モノクロルベンゼン等の溶媒
中で、ベンゾイルパーオキシド等のラジカル発生
剤を使用して反応して得られる樹脂が好適であ
る。 この発明の重要なことの一は、前記ポリアミド
系樹脂、ポリエステル樹脂、前記無機質充填剤、
前記アイオノマーおよび前記変性ポリオレフイン
の配合割合である。 すなわち、このポリアミド系樹脂組成物におい
て、前記ポリアミド系樹脂の配合量は60重量%を
越え80重量%以内、好ましくは65〜75量%であ
る。この配合量が60重量%以下であると、成形品
の衝撃強度の低下、成形品の塗膜密着性の低下、
樹脂組成物中でポリエステル樹脂たとえばポリエ
チレンテレフタレートとの相分離の発生等の不都
合を生じ、この配合量が80重量%よりも多くなる
と、剛性特に熱時剛性が低下する。 ナイロン6とナイロン66とを混合して使用する
ときは、その混合比[ナイロン66/ナイロン6
(重量比)]が5〜15、好ましくは7〜13であるの
が好ましい。この混合比が前記範囲を外れると、
塗装特性特に塗膜の密着性、熱時剛性、曲げ剛性
が低下することがある。 前記ポリエステル樹脂の配合量は、10重量%以
上で20重量%を越えず、好ましくは12〜18重量%
である。この配合量が10重量%よりも少ないと、
曲げ剛性の低下、特に熱時剛性の低下を生じ、こ
の配合量が20重量%以上であると、樹脂組成物中
で相分離を起こし、また塗膜性能が低下する。 前記無機質充填剤の配合量は、5重量%を越え
15重量%以下であり、好ましくは7〜13重量%で
ある。この配合量が5重量%以下であると、熱時
剛性および曲げ剛性が低下し、この配合量が15重
量%よりも多くなると、衝撃強度の低下、塗膜密
着性の低下を生ずる。 前記アイオマーの配合量は、1重量%以上で5
重量%を越えず、好ましくは2〜4重量%であ
る。この配合量が1重量%よりも少ないと、樹脂
組成物中で相分離を生じるばかりか塗膜密着性が
低下し、この配合量が5重量%以上であると、熱
時剛性および曲げ剛性が低下する。 前記変性ポリオレフインの配合量は、1〜5重
量%、好ましくは2〜4重量%である。この配合
量が1重量%よりも少ないと衝撃強度の低下を生
じ、また、この配合量が5重量%よりも多くなる
と、成形品の外観が不良となり、塗膜性能が悪く
なる。 このポリアシド系樹脂組成物は、前記各成分が
前記配合割合で配合されている限り、他の添加剤
を適宜に配合しても良い。 前記添加剤としては、たとえば滑剤、帯電防止
剤、着色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、無機充填剤、熱安定剤等を挙げるこ
とができ、これらの中から必要に応じて適宜に添
加剤を添加配合することができる。 前記滑剤としては、たとえば流動パラフイン、
天然パラフイン、ワツクス等の炭化水素系滑剤;
高級脂肪族、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤;脂
肪酸の低級アルコール、ポリグリコール等のアル
コール系滑剤;ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸バリウム等の金属石ケン;シリコンオイ
ル、変性シリコン等のシリコン等が挙げられる。
これらの中でも特に脂肪族系滑剤、アルコール系
滑剤、シリコン等が好適である。 前記帯電防止剤としては、各種の界面活性剤を
使用することができる。また、前記着色剤として
は、難溶性アゾ染料、赤色着色剤、カドミウムイ
エロー、クリームイエロー、チタン白等が挙げら
れる。前記難燃剤としては、たとえば、無機系の
酸化アンチモン、酸化ジルコン等や有機系のリン
酸エステル、トリクレジルホスフエート等が挙げ
られる。前記酸化防止剤としては、トリアゾール
系、サリチル酸系、アクリロニトリル系のものが
用いられる。さらに前記可塑剤としては、たとえ
ば、フタル酸ジエステル、ブタノールジエステ
ル、リン酸ジエステル等が挙げられる。前記無機
充填剤としては、炭酸カルシウム、石膏、タル
ク、マイカ、硫酸バリウム、ガラス繊維、ワラス
トナイト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等が挙げられる。 このポリアミド系樹脂組成物は、前記ポリアミ
ド系樹脂、ポリエステル樹脂、無機質充填剤、ア
イオノマー、変性ポリオレフインおよび前記各種
の添加剤を配合することにより製造することがで
きる。配合の方法としては、特に制限は無く、た
とえば全成分を一度に混練する方法、前記ポリエ
ステル樹脂、無機質充填剤、アイオノマー、変性
ポリオレフインおよびその他の添加剤を予備混合
または混練後、ポリアミド系樹脂を添加し、混練
する方法等がある。前記混合は、たとえば、リボ
ンブレンダー、タンブルミキサー、ヘンシエルミ
キサー等により、前記混練は、オープンロール、
バンバリミキサー、単軸スクリユー押出機、2軸
スクリユー押出機、単軸往復動スクリユー混練機
等により行なうことができる。 このようにして得られるポリアミド系樹脂組成
物は、射出成形、プレス成形、押出成形、金型成
形等の各種の成形法により種々の成形品に成形さ
れる。 ポリアミド系樹脂組成物の成形品は、成形後た
だちに一般的な化学合成塗料あるいは漆塗料等の
天燃塗料をその表面に塗布しても良いが、成形方
法によつて成形品からバリを除去する必要が生じ
るときは、成形品につき研磨等のバリ取り作業を
してから、その成形品を溶剤で脱脂し、その後塗
装するのが望ましい。というのは、従来のポリア
ミド樹脂製品にあつては、バリ除去面での塗装性
が不良であつたが、このように、溶剤で脱脂する
と、バリ除去面の塗装性の向上を図ることができ
るからである。 前記溶剤としては、ベンゼン環、ナフタレン
環、その他の芳香族性の環に結合している水素原
子が水酸基で置換された化合物を使用することが
でき、たとえば、フエノル、o―,m―またはp
―クレゾール、キシレノール、カルバクロール、
チモール、α―またはβ―ナフトール等の1価フ
エノール;カテコール、レゾルシノール、ヒドロ
キノン等の2価フエノール;ピロガロール、フロ
ログルシン等の3価フエノール等が挙げられる。
これら各種のフエノールは単独で使用しても良い
し、また混合して使用しても良い。さらに、これ
らのフエノールをメタノール、エタノール等のア
ルコール類で希釈して使用しても良い。 これらの内、望ましいのはフエノール、クレゾ
ールである。 このような溶剤で脱脂すると、成形品のバリ取
り面の塗装性の向上を図ることができる。 このようにして、このポリアミド系樹脂組成物
を成形し、さらに塗装した成形品は、家電ハウジ
ング、熱が加わる熱負荷部材、自動車内装部材等
の工業部材、食器等の漆器、家具、日用品雑貨
等、スピーカーボツクス、プレーヤーハウジング
等の音響部材、ワープロ等のOA機器のハウジン
グとして好適に使用することができる。 [発明の効果] この発明によると、ポリアミド系樹脂とポリエ
ステル樹脂と無機質充填剤とアイオノマーと変性
ポリオレフインとを、特定の割合で配合してなる
ので、次の効果を奏することができる。 成形品の塗装性を高めることができる。従来
品では成形品の表面を下塗り、中塗り、上塗り
等何回も重ねて塗装しなければならなかつたと
ころ、この発明に係るポリアミド系樹脂組成物
の成形品は1回の塗装で十分であり、その1回
の塗装による塗膜はその初期密着性、煮沸密着
性が優れている。 このポリアミド系樹脂組成物は、成形性に優
れていて、肉厚品、大型品を好適に成形するこ
とができ、しかも外観が良好である。 このポリアミド系樹脂組成物の成形物は、機
械的特性に優れている。特に、衝撃強度、熱時
剛性が大きい。 このポリアミド系樹脂組成物は、ポリエステ
ル樹脂を配合しているにもかかわらず、ポリア
ミド系樹脂とポリエステル樹脂との、成形時の
剪断力による相分離を生じない。この相分離を
生じないことが塗膜性能、機械的特性の向上に
寄与しているものと推定される。 [実施例] 次にこの発明の実施例および比較例を示す。 (実施例1〜20、比較例1〜16) 第1表に示す配合割合で、ポリアミド系樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、アイオノマー、変
性ポリオレフイン、および無機質充填剤を、90ミ
リ単軸押出し機[ナカタニ機械(株)製]で、温度
250〜280℃、吐出量150Kg/時間の条件にて、ペ
レツトを得た。このペレツトを110℃に加熱した
乾燥器中で5時間放置して乾燥してから、各テス
ト片に成形し、第1表に示す項目につき評価し
た。 使用した原料を以下に説明する。 [ポリアミド系樹脂] ナイロン66として東レ(株)製の商品名「アミラン
3007」を使用。第1表中では、「66」、「66―PA」
と略記した。ナイロン6として沖本商事(株)製の
「TC―A」を使用。第1表中では、「6―PA」、
「6」と略記した。 [ポリエチレンテレフタレート] 鐘淵化学工業(株)製の「EFG―6」を使用。 [無機質充填剤] 浅田製粉(株)製のタルク(粒径5〜10μm) [アイオノマー] 三井ポリケミカル(株)製の「ハイミラン1555」 [変性ポリオレフイン] 出光ポリタツクH―1100P、出光石油化学(株)
製。 次に評価方法を説明する。 [MI] 230℃の加熱温度、2.16Kgの荷重下でのメルト
インデツクス値である。 単位;g/10分 [衝撃強度] ASTM D―256(ノツチ付き)に準拠した。 単位;Kg・cm/cm [相分離性] 縦横150×150mm、厚み3.2mmのプレートを押出
し成形し、そのプレートにおけるゲート付近のス
キン層部に粘着テープを貼付し、その後その粘着
テープを剥離して、剥離面の状態を目視により評
価した。評価内容と第1表における記号との関係
は次のとおりである。 〇…異常なし。 △…若干スキン層がはがれる。 ×…スキン層が完全に剥離する。 [曲げ剛性] ASTM D―790に準拠した。 単位;Kg/cm2 [熱時剛性] 均一な肉厚の半球状ボール(容量350ml)を成
形し、この半球状ボール内に95℃以上の熱湯を注
ぎ、1分経過後に半球状ボールの開口部における
直径方向の両端を手で押えてその変位を測定し
た。 〇…変位は2mm以下である。 △…変位は2〜3mmである。 ×…変位は3mm以上である。 [塗膜密着性] 縦横150×150mm、厚み3.2mmのプレートを押出
し成形し、そのプレートにカシユー(株)製のウレタ
ン塗料(ストロン#800)を1回塗装後、120℃で
30分間焼き付け処理をした。 (1) 初期密着性 前記プレートの塗膜面に、素地まで達するよう
に、100ケの碁盤目を刻み、粘着テープ{ニチバ
ン(株)製、巾18mmの「セロテープ」}を貼付し、そ
の後強く剥離した。剥離後の碁盤目の残数により
塗膜の密着性を判定した。 (2) 煮沸密着性 沸騰水中に前記プレートを30分間放置後、初期
密着性の場合と同様にして塗膜の密着性を判定し
た。 (3) 電子レンジテスト 電子レンジ{シヤープ(株)製、型式「R―528、
高周波出力500W」内に、肉厚2mm、容量350mlの
半球状のボールを入れ、前記ボール内に入れた水
を前記電子レンジ内で20回沸騰させた。その後、
前記初期密着性の場合と同様にして塗膜の密着性
を評価した。 評価結果と第1表中の記号との関係を次に示
す。 〇…100個の碁盤目の内残数は95以上である。 △…100個の碁盤目の内残数は80〜95である。 ×…100個の碁盤目の内残数は80以下である。 (第1表についての考察) 第1表中の実施例1〜3、比較例1、2はポリ
アミド系樹脂の配合量を変化した場合に関する。
実施例4、5および比較例3、4はポリエチレン
テレフタレートの配合量を変化した場合に関す
る。実施例6〜8、比較例5、6はアイオノマー
の配合量を変化した場合に関する。実施例9〜
11、比較例7〜9は無機質充填剤の配合量を変化
した場合に関する。実施例12〜17、比較例10〜14
はナイロン66/ナイロン6の配合比を変化させた
場合に関する。実施例18〜20、比較例15、16は変
性ポリオレフインの配合量を変化させた場合に関
する。 第1表の結果から、この発明で規定する配合割
合で各成分を配合した場合に限り、相分離がな
く、機械的特性および塗装性能の優れたポリアミ
ド系樹脂組成物が得られることがわかる。 なお、比較例16における成形品の塗膜の外観
は、非常に荒れたものであつた。
らに詳しく言うと、塗膜性能、成形性、機械的特
性等に優れたポリアミド系樹脂組成物に関する。 [従来の製造およびその問題点] 従来、ポリアミド系樹脂として、ナイロン66、
ナイロン6等が知られている。前記樹脂そのまま
であると、つまり前記樹脂単品であると、剛性が
低いので、前記樹脂に充填剤を配合してなる樹脂
組成物として利用されている。 しかしながら、ナイロン66等のポリアミド系樹
脂に充填剤を配合してなる樹脂組成物は、この充
填剤の配合により、成形性が低下し、成形品の外
観が不良となり、また、大型あるいは肉厚の成形
品に成形することが困難である等の問題点を有す
る。 さらに、前記樹脂組成物は、成形時に生じるバ
リを切削、研磨により除去した面の、化学塗料一
般の塗装性が著しく低下するとの問題点もある。 充填剤の配合により生じる前記問題点を解決す
るために、ナイロン66等にポリエチレンテレフタ
レート等をブレンドすることが公知である。 しかしながら、ポリエチレンテレフタレートを
ブレンドしてなる従来の樹脂組成物は、ポリアミ
ド樹脂とポリエチレンテレフタレートとの間で相
分離を生じるので成形品の機械的特性が不十分
で、しかも化学塗料の密着性が低下し、さらに、
バリ除去後の面での塗装性の向上がない。 この発明は前記事情に基づいてなされたもので
ある。 すなわち、この発明の目的は、機械的特性が良
好で、大型あるいは肉厚の成形品に成形可能と言
う意での成形性、塗装性が優れたポリアミド系樹
脂組成物を提供することにある。 [前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するためにこの発明者が鋭意研
究したところ、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
樹脂、および無機質充填剤に、特定の高分子化合
物を配合し、しかも各成分を特定の配合割合にし
てなるものは、前記問題点を解決することができ
ることを見出してこの発明に到達した。 すなわち、前記問題点を解決するためのこの発
明の概要は、60重量%を越え80重量%以内のポリ
アミド系樹脂と、20重量%よりも少なく10重量%
以上のポリエステル樹脂と、5重量%以上であり
15重量%よりも少ない無機質充填剤と、1重量%
以上で5重量%よりも少ないアイオノマーと、1
〜5重量%の変性ポリオレフインとを有すること
を特徴とするポリアミド系樹脂組成物である。 前記ポリアミド系樹脂としては、たとえばナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン8、ナイロン11、
ナイロン610等が挙げられる。 こられの中でも、ナイロン6、ナイロン66が好
ましく、ナイロン6およびナイロン66をそれぞれ
単独で使用しても良いが、これらを混合して使用
するのがさらに良い。 前記ポリエステル樹脂としては、特に限定がな
く、熱可塑性ポリエステル成形材料として汎用さ
れているものたとえば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等を使用する
ことができる。好ましいのは、ポリエチレンテレ
フタレートである。 前記無機質充填剤としては、たとえば、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭
酸塩、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の硫
酸塩、亜硫酸カルシウム等の亜硫酸塩、タルク、
クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラ
スビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイ
ト、ベントナイト等のケイ酸塩、鉄、亜鉛、アル
ミニウム等の金属粉、炭化ケイ素、チツ化ケイ素
等のセラミツクおよびこれらのウイスカ、カーボ
ンブラツク、グラフアイト、炭素繊維等が挙げら
れ、これらの無機質充填剤を単独で、あるいは2
種以上の前記無機質充填剤を混合して使用するこ
とができる。 前記無機質充填剤は、粒状、板状、繊維状のい
ずれの形態であつてもよいが、この発明において
は、その粒径が1〜20μm、特に5〜10μmの範囲
内にある板状の無機質充填剤が好ましく、そのよ
うな無機質充填剤としては、タルク、マイカ等が
ある。 この無機質充填剤の粒径が1μmより小さくなる
と、その効果が少なく、また、粒径が20μmより
も大きくなると樹脂組成物中での分散が悪くなつ
て、機械的特性に悪影響を生じることがある。 前記アイオノマーは、エチレンを主成分とする
共重合体の分子鎖間が、ナトリウム、カリウム、
マグネシウム、亜鉛等の金属でイオン結合したポ
リマーあり、商業的には商品名「ハイミラン」、
「サーリン」として入手可能である。 前記変性ポリオレフインとしては、ポリオレフ
インをエラストマーおよび/または不飽和カルボ
ン酸(その無水物を含む。)あるいはその誘導体
で化学変性したものを好適に使用することができ
る。 ここで、前記変性ポリオレフインの原料となる
ポリオレフイン樹脂としては、如何なるものであ
つても良く、たとえば、低密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、ポリ―4―メチルペンテ
ン―1等のモノオレフインポリマーあるいはエチ
レン―プロピレンコポリマーまたはこれらのポリ
マーの混合物等が好適に挙げられる。 前記エラストマーとしては、たとえば分子内に
カルボキシル基、水酸基、メルカプト基、ハロゲ
ン原子、アミノ基、アジリジノ基、エポキシ基等
の官能基を有する1,2―ポリブタジエン、1,
4―ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロ
ロプレン、1,2―ポリペンタジエン、スチレン
―ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル―ブ
タジエンコポリマー、ブタジエン―イソプレンコ
プリマー、ブタジエン―ペンタジエンコポリマー
のようなエラストマーや末端ヒドロキシル化1,
2―ポリブタジエン、1,4―ポリブタジエン等
の不飽和ジカルボン酸半エステル化物、あるいは
官能基を有しない数平均分子量500〜10000の1,
2―ポリブタジエン、1,4―ポリブタジエン、
スチレン―ブタジエンコポリマー、アクリロニト
リル―ブタジエンコポリマー等、または熱分解ゴ
ム、オゾン分解ゴム等、更には、以上に挙げたエ
ラストマーの混合物等が挙げられる。 前記不飽和カルボン酸またはその誘導体として
は、たとえばマレイン酸、無水ナジツク酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロト
ン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、ソルビン酸、
アクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、
無水シトラコン酸等が好ましく、また、前記不飽
和カルボン酸の誘導体としては、前記不飽和カル
ボン酸の金属塩、アミド、イミド、エステル等を
使用することができる。なお、この変性ポリオレ
フイン樹脂に使用する前記不飽和カルボン酸およ
びその誘導体は、前記各種の中の一種あるいは二
種以上を使用することができる。 この変性ポリオレフインを製造するに当つて
は、ポリプロピレン等のポリオレフイン、液状ゴ
ムおよび不飽和カルボン酸またはその誘導体をキ
シレン、トルエン、ヘプタン、モノクロルベンゼ
ン等の溶媒中でベンゾイルパーオキシド等のラジ
カル発生剤を用いて反応させれば良い。この変性
ポリオレフインの製法の詳細については、特開昭
54−124049号公報に開示しているので、その詳細
な説明を省略する。 このような各種の変性ポリオレフインの中で
も、ポリオレフイン樹脂と不飽和カルボン酸また
まその誘導体と、要すればエラストマーと、ラジ
カル発生剤との溶媒の存在下または不存在下に加
熱混合することにより得られる樹脂が好ましく、
特にポリオレフイン樹脂と無水マレイン酸と末端
ヒドロキシル化ポリブタジエンとをキシレン、ト
ルエン、ヘプタン、モノクロルベンゼン等の溶媒
中で、ベンゾイルパーオキシド等のラジカル発生
剤を使用して反応して得られる樹脂が好適であ
る。 この発明の重要なことの一は、前記ポリアミド
系樹脂、ポリエステル樹脂、前記無機質充填剤、
前記アイオノマーおよび前記変性ポリオレフイン
の配合割合である。 すなわち、このポリアミド系樹脂組成物におい
て、前記ポリアミド系樹脂の配合量は60重量%を
越え80重量%以内、好ましくは65〜75量%であ
る。この配合量が60重量%以下であると、成形品
の衝撃強度の低下、成形品の塗膜密着性の低下、
樹脂組成物中でポリエステル樹脂たとえばポリエ
チレンテレフタレートとの相分離の発生等の不都
合を生じ、この配合量が80重量%よりも多くなる
と、剛性特に熱時剛性が低下する。 ナイロン6とナイロン66とを混合して使用する
ときは、その混合比[ナイロン66/ナイロン6
(重量比)]が5〜15、好ましくは7〜13であるの
が好ましい。この混合比が前記範囲を外れると、
塗装特性特に塗膜の密着性、熱時剛性、曲げ剛性
が低下することがある。 前記ポリエステル樹脂の配合量は、10重量%以
上で20重量%を越えず、好ましくは12〜18重量%
である。この配合量が10重量%よりも少ないと、
曲げ剛性の低下、特に熱時剛性の低下を生じ、こ
の配合量が20重量%以上であると、樹脂組成物中
で相分離を起こし、また塗膜性能が低下する。 前記無機質充填剤の配合量は、5重量%を越え
15重量%以下であり、好ましくは7〜13重量%で
ある。この配合量が5重量%以下であると、熱時
剛性および曲げ剛性が低下し、この配合量が15重
量%よりも多くなると、衝撃強度の低下、塗膜密
着性の低下を生ずる。 前記アイオマーの配合量は、1重量%以上で5
重量%を越えず、好ましくは2〜4重量%であ
る。この配合量が1重量%よりも少ないと、樹脂
組成物中で相分離を生じるばかりか塗膜密着性が
低下し、この配合量が5重量%以上であると、熱
時剛性および曲げ剛性が低下する。 前記変性ポリオレフインの配合量は、1〜5重
量%、好ましくは2〜4重量%である。この配合
量が1重量%よりも少ないと衝撃強度の低下を生
じ、また、この配合量が5重量%よりも多くなる
と、成形品の外観が不良となり、塗膜性能が悪く
なる。 このポリアシド系樹脂組成物は、前記各成分が
前記配合割合で配合されている限り、他の添加剤
を適宜に配合しても良い。 前記添加剤としては、たとえば滑剤、帯電防止
剤、着色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、無機充填剤、熱安定剤等を挙げるこ
とができ、これらの中から必要に応じて適宜に添
加剤を添加配合することができる。 前記滑剤としては、たとえば流動パラフイン、
天然パラフイン、ワツクス等の炭化水素系滑剤;
高級脂肪族、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤;脂
肪酸の低級アルコール、ポリグリコール等のアル
コール系滑剤;ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸バリウム等の金属石ケン;シリコンオイ
ル、変性シリコン等のシリコン等が挙げられる。
これらの中でも特に脂肪族系滑剤、アルコール系
滑剤、シリコン等が好適である。 前記帯電防止剤としては、各種の界面活性剤を
使用することができる。また、前記着色剤として
は、難溶性アゾ染料、赤色着色剤、カドミウムイ
エロー、クリームイエロー、チタン白等が挙げら
れる。前記難燃剤としては、たとえば、無機系の
酸化アンチモン、酸化ジルコン等や有機系のリン
酸エステル、トリクレジルホスフエート等が挙げ
られる。前記酸化防止剤としては、トリアゾール
系、サリチル酸系、アクリロニトリル系のものが
用いられる。さらに前記可塑剤としては、たとえ
ば、フタル酸ジエステル、ブタノールジエステ
ル、リン酸ジエステル等が挙げられる。前記無機
充填剤としては、炭酸カルシウム、石膏、タル
ク、マイカ、硫酸バリウム、ガラス繊維、ワラス
トナイト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等が挙げられる。 このポリアミド系樹脂組成物は、前記ポリアミ
ド系樹脂、ポリエステル樹脂、無機質充填剤、ア
イオノマー、変性ポリオレフインおよび前記各種
の添加剤を配合することにより製造することがで
きる。配合の方法としては、特に制限は無く、た
とえば全成分を一度に混練する方法、前記ポリエ
ステル樹脂、無機質充填剤、アイオノマー、変性
ポリオレフインおよびその他の添加剤を予備混合
または混練後、ポリアミド系樹脂を添加し、混練
する方法等がある。前記混合は、たとえば、リボ
ンブレンダー、タンブルミキサー、ヘンシエルミ
キサー等により、前記混練は、オープンロール、
バンバリミキサー、単軸スクリユー押出機、2軸
スクリユー押出機、単軸往復動スクリユー混練機
等により行なうことができる。 このようにして得られるポリアミド系樹脂組成
物は、射出成形、プレス成形、押出成形、金型成
形等の各種の成形法により種々の成形品に成形さ
れる。 ポリアミド系樹脂組成物の成形品は、成形後た
だちに一般的な化学合成塗料あるいは漆塗料等の
天燃塗料をその表面に塗布しても良いが、成形方
法によつて成形品からバリを除去する必要が生じ
るときは、成形品につき研磨等のバリ取り作業を
してから、その成形品を溶剤で脱脂し、その後塗
装するのが望ましい。というのは、従来のポリア
ミド樹脂製品にあつては、バリ除去面での塗装性
が不良であつたが、このように、溶剤で脱脂する
と、バリ除去面の塗装性の向上を図ることができ
るからである。 前記溶剤としては、ベンゼン環、ナフタレン
環、その他の芳香族性の環に結合している水素原
子が水酸基で置換された化合物を使用することが
でき、たとえば、フエノル、o―,m―またはp
―クレゾール、キシレノール、カルバクロール、
チモール、α―またはβ―ナフトール等の1価フ
エノール;カテコール、レゾルシノール、ヒドロ
キノン等の2価フエノール;ピロガロール、フロ
ログルシン等の3価フエノール等が挙げられる。
これら各種のフエノールは単独で使用しても良い
し、また混合して使用しても良い。さらに、これ
らのフエノールをメタノール、エタノール等のア
ルコール類で希釈して使用しても良い。 これらの内、望ましいのはフエノール、クレゾ
ールである。 このような溶剤で脱脂すると、成形品のバリ取
り面の塗装性の向上を図ることができる。 このようにして、このポリアミド系樹脂組成物
を成形し、さらに塗装した成形品は、家電ハウジ
ング、熱が加わる熱負荷部材、自動車内装部材等
の工業部材、食器等の漆器、家具、日用品雑貨
等、スピーカーボツクス、プレーヤーハウジング
等の音響部材、ワープロ等のOA機器のハウジン
グとして好適に使用することができる。 [発明の効果] この発明によると、ポリアミド系樹脂とポリエ
ステル樹脂と無機質充填剤とアイオノマーと変性
ポリオレフインとを、特定の割合で配合してなる
ので、次の効果を奏することができる。 成形品の塗装性を高めることができる。従来
品では成形品の表面を下塗り、中塗り、上塗り
等何回も重ねて塗装しなければならなかつたと
ころ、この発明に係るポリアミド系樹脂組成物
の成形品は1回の塗装で十分であり、その1回
の塗装による塗膜はその初期密着性、煮沸密着
性が優れている。 このポリアミド系樹脂組成物は、成形性に優
れていて、肉厚品、大型品を好適に成形するこ
とができ、しかも外観が良好である。 このポリアミド系樹脂組成物の成形物は、機
械的特性に優れている。特に、衝撃強度、熱時
剛性が大きい。 このポリアミド系樹脂組成物は、ポリエステ
ル樹脂を配合しているにもかかわらず、ポリア
ミド系樹脂とポリエステル樹脂との、成形時の
剪断力による相分離を生じない。この相分離を
生じないことが塗膜性能、機械的特性の向上に
寄与しているものと推定される。 [実施例] 次にこの発明の実施例および比較例を示す。 (実施例1〜20、比較例1〜16) 第1表に示す配合割合で、ポリアミド系樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、アイオノマー、変
性ポリオレフイン、および無機質充填剤を、90ミ
リ単軸押出し機[ナカタニ機械(株)製]で、温度
250〜280℃、吐出量150Kg/時間の条件にて、ペ
レツトを得た。このペレツトを110℃に加熱した
乾燥器中で5時間放置して乾燥してから、各テス
ト片に成形し、第1表に示す項目につき評価し
た。 使用した原料を以下に説明する。 [ポリアミド系樹脂] ナイロン66として東レ(株)製の商品名「アミラン
3007」を使用。第1表中では、「66」、「66―PA」
と略記した。ナイロン6として沖本商事(株)製の
「TC―A」を使用。第1表中では、「6―PA」、
「6」と略記した。 [ポリエチレンテレフタレート] 鐘淵化学工業(株)製の「EFG―6」を使用。 [無機質充填剤] 浅田製粉(株)製のタルク(粒径5〜10μm) [アイオノマー] 三井ポリケミカル(株)製の「ハイミラン1555」 [変性ポリオレフイン] 出光ポリタツクH―1100P、出光石油化学(株)
製。 次に評価方法を説明する。 [MI] 230℃の加熱温度、2.16Kgの荷重下でのメルト
インデツクス値である。 単位;g/10分 [衝撃強度] ASTM D―256(ノツチ付き)に準拠した。 単位;Kg・cm/cm [相分離性] 縦横150×150mm、厚み3.2mmのプレートを押出
し成形し、そのプレートにおけるゲート付近のス
キン層部に粘着テープを貼付し、その後その粘着
テープを剥離して、剥離面の状態を目視により評
価した。評価内容と第1表における記号との関係
は次のとおりである。 〇…異常なし。 △…若干スキン層がはがれる。 ×…スキン層が完全に剥離する。 [曲げ剛性] ASTM D―790に準拠した。 単位;Kg/cm2 [熱時剛性] 均一な肉厚の半球状ボール(容量350ml)を成
形し、この半球状ボール内に95℃以上の熱湯を注
ぎ、1分経過後に半球状ボールの開口部における
直径方向の両端を手で押えてその変位を測定し
た。 〇…変位は2mm以下である。 △…変位は2〜3mmである。 ×…変位は3mm以上である。 [塗膜密着性] 縦横150×150mm、厚み3.2mmのプレートを押出
し成形し、そのプレートにカシユー(株)製のウレタ
ン塗料(ストロン#800)を1回塗装後、120℃で
30分間焼き付け処理をした。 (1) 初期密着性 前記プレートの塗膜面に、素地まで達するよう
に、100ケの碁盤目を刻み、粘着テープ{ニチバ
ン(株)製、巾18mmの「セロテープ」}を貼付し、そ
の後強く剥離した。剥離後の碁盤目の残数により
塗膜の密着性を判定した。 (2) 煮沸密着性 沸騰水中に前記プレートを30分間放置後、初期
密着性の場合と同様にして塗膜の密着性を判定し
た。 (3) 電子レンジテスト 電子レンジ{シヤープ(株)製、型式「R―528、
高周波出力500W」内に、肉厚2mm、容量350mlの
半球状のボールを入れ、前記ボール内に入れた水
を前記電子レンジ内で20回沸騰させた。その後、
前記初期密着性の場合と同様にして塗膜の密着性
を評価した。 評価結果と第1表中の記号との関係を次に示
す。 〇…100個の碁盤目の内残数は95以上である。 △…100個の碁盤目の内残数は80〜95である。 ×…100個の碁盤目の内残数は80以下である。 (第1表についての考察) 第1表中の実施例1〜3、比較例1、2はポリ
アミド系樹脂の配合量を変化した場合に関する。
実施例4、5および比較例3、4はポリエチレン
テレフタレートの配合量を変化した場合に関す
る。実施例6〜8、比較例5、6はアイオノマー
の配合量を変化した場合に関する。実施例9〜
11、比較例7〜9は無機質充填剤の配合量を変化
した場合に関する。実施例12〜17、比較例10〜14
はナイロン66/ナイロン6の配合比を変化させた
場合に関する。実施例18〜20、比較例15、16は変
性ポリオレフインの配合量を変化させた場合に関
する。 第1表の結果から、この発明で規定する配合割
合で各成分を配合した場合に限り、相分離がな
く、機械的特性および塗装性能の優れたポリアミ
ド系樹脂組成物が得られることがわかる。 なお、比較例16における成形品の塗膜の外観
は、非常に荒れたものであつた。
【表】
【表】
(実施例21〜23、比較例17,18)
第2表に示す配合割合で、ポリアミド系樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、アイオノマー、変
性ポリオレフイン、および無機質充填剤を、90ミ
リ単軸押出し機[ナカタニ機械(株)製]で、温度
250〜280℃、吐出量150Kg/時間の条件にて、ペ
レツトを得た。このペレツトを110℃に加熱した
乾燥器中で5時間放置して乾燥してから、縦横
150×150mm、厚み3.2mmのプレートに押出し成形
し、そのプレートの表面中央部を、鋭利な刃物
で、巾20mm、長さ150mmの帯状に研磨した。その
その研部部につき、第2表に示す項目の評価し
た。 [研磨未処理部の初期密着性] 前記プレートの研磨面に、カシユー(株)製のウレ
タン塗料(ストロン#800)を1回塗装後、120℃
で30分間焼き付け処理をした。その塗装面につ
き、前記実施例1〜20における初期密着性の評価
と同様にして評価した。 [研磨処理部の初期密着性] 前記プレートの研磨部をフエノール/メタノー
ル(20/80重量比)混合溶媒で脱脂してから、前
記研磨未処理部の初期密着性の場合と同様に処理
し、かつ初期密着性を評価した。 [研磨処理部の煮沸密着性] 研磨処理部の初期密着性の評価に使用したのと
同様のプレートを、沸騰水中に30分間放置後、初
期密着性の場合と同様にして塗膜の密着性を判定
した。 [研磨処理部の電子レンジテスト] 研磨処理部の初期密着性の評価に使用したのと
同様のプレートを、前記実施例1〜20における電
子レンジテストと同様にして、塗膜密着性を評価
した。 評価結果と第1表中の記号との関係を次に示
す。 〇…100個の碁盤目の内残数は95以上である。 △…100個の碁盤目の内残数は80〜95である。 ×…100個の碁盤目の内残数は80以下である。 (第2表についての考察) 第2表から、研磨部をフエノール系溶剤で処理
したプレート表面は、塗膜の密着性能が優れてい
ることが明らかである。また、ポリアミド樹脂単
品から成形したプレートは、研磨処理しても塗膜
密着性能が悪い。
ポリエチレンテレフタレート、アイオノマー、変
性ポリオレフイン、および無機質充填剤を、90ミ
リ単軸押出し機[ナカタニ機械(株)製]で、温度
250〜280℃、吐出量150Kg/時間の条件にて、ペ
レツトを得た。このペレツトを110℃に加熱した
乾燥器中で5時間放置して乾燥してから、縦横
150×150mm、厚み3.2mmのプレートに押出し成形
し、そのプレートの表面中央部を、鋭利な刃物
で、巾20mm、長さ150mmの帯状に研磨した。その
その研部部につき、第2表に示す項目の評価し
た。 [研磨未処理部の初期密着性] 前記プレートの研磨面に、カシユー(株)製のウレ
タン塗料(ストロン#800)を1回塗装後、120℃
で30分間焼き付け処理をした。その塗装面につ
き、前記実施例1〜20における初期密着性の評価
と同様にして評価した。 [研磨処理部の初期密着性] 前記プレートの研磨部をフエノール/メタノー
ル(20/80重量比)混合溶媒で脱脂してから、前
記研磨未処理部の初期密着性の場合と同様に処理
し、かつ初期密着性を評価した。 [研磨処理部の煮沸密着性] 研磨処理部の初期密着性の評価に使用したのと
同様のプレートを、沸騰水中に30分間放置後、初
期密着性の場合と同様にして塗膜の密着性を判定
した。 [研磨処理部の電子レンジテスト] 研磨処理部の初期密着性の評価に使用したのと
同様のプレートを、前記実施例1〜20における電
子レンジテストと同様にして、塗膜密着性を評価
した。 評価結果と第1表中の記号との関係を次に示
す。 〇…100個の碁盤目の内残数は95以上である。 △…100個の碁盤目の内残数は80〜95である。 ×…100個の碁盤目の内残数は80以下である。 (第2表についての考察) 第2表から、研磨部をフエノール系溶剤で処理
したプレート表面は、塗膜の密着性能が優れてい
ることが明らかである。また、ポリアミド樹脂単
品から成形したプレートは、研磨処理しても塗膜
密着性能が悪い。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 60重量%を越え80重量%以内のポリアミド系
樹脂と、20重量%よりも少なく10重量%以上のポ
リエステル樹脂と、5重量%以上であり15重量%
よりも少ない無機質充填剤と、1重量%以上で5
重量%よりも少ないアイオノマーと、1〜5重量
%の変性ポリオレフインとを有することを特徴と
するポリアミド系樹脂組成物。 2 前記ポリアミド系樹脂がナイロン66およびナ
イロン6の混合物である前記特許請求の範囲第1
項に記載のポリアミド系樹脂組成物。 3 前記混合物は、ナイロン66/ナイロン6(重
量比)が5〜15である前記特許請求の範囲第1項
および第2項のいずれかに記載のポリアミド系樹
脂組成物。 4 前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフ
タレートである前記特許請求の範囲第1項から第
3項までのいずれかに記載のポリアミド系樹脂組
成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60185574A JPS6245651A (ja) | 1985-08-23 | 1985-08-23 | ポリアミド系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60185574A JPS6245651A (ja) | 1985-08-23 | 1985-08-23 | ポリアミド系樹脂組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6245651A JPS6245651A (ja) | 1987-02-27 |
| JPH0144259B2 true JPH0144259B2 (ja) | 1989-09-26 |
Family
ID=16173188
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60185574A Granted JPS6245651A (ja) | 1985-08-23 | 1985-08-23 | ポリアミド系樹脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6245651A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2528163B2 (ja) * | 1988-07-20 | 1996-08-28 | 宇部興産株式会社 | 高剛性および耐衝撃性ボリアミド樹脂組成物 |
| JP2013107955A (ja) * | 2011-11-18 | 2013-06-06 | Lealea Enterprise Co Ltd | 建材製造用の樹脂組成物 |
| CN103642228A (zh) * | 2013-11-18 | 2014-03-19 | 安徽宜万丰电器有限公司 | 一种汽车塑料件用耐高温芳香改性尼龙66材料 |
| KR102239881B1 (ko) * | 2019-12-27 | 2021-04-14 | 주식회사 삼양사 | 내마찰성능이 향상된 고강성 폴리아미드 수지 조성물 및 이를 포함하는 성형품 |
-
1985
- 1985-08-23 JP JP60185574A patent/JPS6245651A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6245651A (ja) | 1987-02-27 |
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