JPH0149450B2 - - Google Patents
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- JPH0149450B2 JPH0149450B2 JP56120739A JP12073981A JPH0149450B2 JP H0149450 B2 JPH0149450 B2 JP H0149450B2 JP 56120739 A JP56120739 A JP 56120739A JP 12073981 A JP12073981 A JP 12073981A JP H0149450 B2 JPH0149450 B2 JP H0149450B2
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Description
この発明は、蛋白食品を加え蛋白含量を増加さ
せた糠又は/及び〓をプロテアーゼ処理し、可溶
性窒素を増加させた後、糠床などの発酵している
糠又は/及び〓を加え、PHを一定範囲に保つて発
酵させ、次いで濃縮又は乾燥した発酵処理物を原
料とし、要すればこれに食塩、有機酸、化学調味
料等を加える漬物の素の製造法に関するものであ
る。 この発明は、糠漬の良好な風味を有し、おいし
い漬物が簡便にできる漬液を作るための漬物の素
を供することを目的としており、これを利用する
ことにより良好な風味を有し、おいしい漬物を短
時間で供することができるようにすることを目的
としている。 糠漬は、多くの家庭において行われているが、
おいしくて良好な風味を有する糠漬を得るには、
熟成された糠床を用いなければならず、それには
糠床を作つてから少なくとも数か月、時には1〜
2年を要した。 しかも、糠床を良好な状態に維持するのは難し
く、手数と熟練を要し、その上特有の悪臭がある
ため特に若い人は、その手入れをきらつている。
更に、その手入れが悪いと、かびや腐敗菌等が繁
殖し悪臭を生成するためにすぐまずいものとな
り、時には使用に耐えぬものとなつた。 この発明の発明者は、時間と手数と熟練を要す
る糠床を用いなくとも、短時間でおいしく風味良
好な漬物を誰もが簡単に作れる方法を開発すべ
く、糠床における風味の生成を総合的に研究し、
発酵前の糠等の可溶性窒素含量、発酵中の菌叢特
にグラム陰性菌の消長などが熟成された糠床のに
おい及び風味と密接に関係することなどを見いだ
し、先に糠漬の素組成物に関する特許出願をした
(特願昭55−12197号)。 これは、糠に蛋白食品を加えプロテアーゼ処理
した後、糠床より分離した培養菌を加えPHを一定
範囲に保つて発酵することにより、短時間で熟成
した糠床と同じ良好な風味の発酵糠となし、これ
を原料として糠漬の素を調製するものである。 しかし、その後の研究により糠床より分離した
培養菌を用いなくとも糠床などの発酵している糠
又は/及び〓を加えることにより同様に良好な風
味を有する漬物が得られることを見いだし、この
発明を完成させた。 すなわち、可溶性窒素を増加させた糠等に発酵
している糠などを加え、PHを一定の範囲に保つて
発酵することにより、加えた発酵している糠など
と同様の望ましい状態の菌叢とすることができ、
これにより良好な風味を有する発酵処理物が短時
間で得られた。 熟成した糠床の有している好ましいにおいは、
発酵中の糠等に一定のレベルでグラム陰性菌を繁
殖させることにより生じさせることができ、これ
により、従来熟成された糠床を得るのに数か月〜
数か年を要したものが数日の発酵で得られるよう
になつた。 糠床の発酵には、多くの微生物が関与している
が、これらと風味生成との関係については、ほと
んど研究されていない。従つて、グラム陰性菌が
風味に関係することも知られていず、むしろ腐敗
の原因となるため、その発生がきらわれていた。 しかし、この発明の発明者の得や知見による
と、乳酸菌、酵母とともにグラム陰性菌を共存さ
せることが熟成された糠床の良好な風味を生成さ
せるのに重要であつた。 この機序は、まだ明らかでない点があるが、低
分子ペプチドやアミノ酸等の可溶性窒素の一部が
デアミナーゼやデカルボキシラーゼにより揮発性
又は不揮発性の塩基性化合物に変ること、パーオ
キシダーゼやエステラーゼの生産により揮発性有
機酸やそれが引き金となつて生ずるカルボニル化
合物が生成すること、などが複雑なにおいを形成
するのに役立つているためと考えられる。 従つて、これらの酵素を生産する酵母、乳酸菌
及びグラム陰性菌の菌数レベルと塩基性化合物、
有機酸、カルボニル化合物の量などが糠漬の風味
と関係すると考えられる。 可溶性窒素から生じた塩基性化合物は、一般に
腐敗と関係し、量が多いと腐敗臭等の不快なにお
いとなることが知られているが、発明者の試験に
よると量が少ないと熟成された糠床の好ましいに
おいが感じられた。すなわち、この好ましいにお
いを感じる発酵している糠等には、105〜7/gの
菌数のグラム陰性菌が存在しており、これより少
ないと熟成糠床臭が感じられず、これより多くな
ると不快なにおいとなつた。 従つて、発酵中の糠等のグラム陰性菌の菌数
を、105〜7/gに維持することにより、他の酸生
成菌による有機酸、カルボニル化合物に加えて塩
基性化合物がほどよく生じ熟成された糠床の良好
なにおいとすることができた。 発酵中の糠等のグラム陰性菌の菌数を105〜7/
gとするには、そのPHを4.4〜5.8に維持する必要
がある。すなわち、乳酸菌、酵母は比較的広いPH
範囲で生育できるが、グラム陰性菌はPHが少し低
いと生育が抑制され、PHが少し高いと急激に繁殖
して悪臭を発生するので、発酵中のPHを調節する
ことにより、その菌数を制御することができた。 塩基性物質の基質となる可溶性窒素は、プロテ
アーゼ処理をしないと少なく、蛋白の分解にも時
間がかかつた。しかし、蛋白食品を加えプロテア
ーゼ処理をすることにより、可溶性窒素が増加
し、短時間の発酵で熟成された糠床の有する望ま
しいにおいを生じさせることができた。 糠等の発酵の際、従来の糠漬のごとく野生菌の
繁殖を待つことなく、すでに望ましい菌叢となつ
ている発酵している糠等を加えPHを所定の範囲に
維持することによりグラム陰性菌も所望の菌数が
生じ、短時間のうちに望ましい菌叢とすることが
できた。 すなわち、風味良好な熟成した糠床などを加え
ることにより、そこに生息しているすべての有効
菌が加えられ、これを望ましい条件で発酵するこ
とにより短時間で風味良好な熟成した糠床などと
同じ菌叢の発酵物となつた。 なお、この発明の漬物の素は、単に水に溶解懸
濁した漬液に野菜を浸漬するだけで風味良好な漬
物が、失敗することなく、誰にも、簡単に、作る
ことができた。しかも、漬液は従来のベトベトし
た糠床と異なりサラリとした懸濁液であり、しか
も、毎日手で撹拌しなくとも良く、手指に悪臭が
付く心配がなく短時間で調製ができた。更に、こ
の発明の漬物の素は保存が利き、特に水分を少な
くした粉末状の場合、長時間の保存ができるので
家庭に常備しておき、必要となつたときその場で
必要な量の漬液を調製して野菜を漬けることがで
き、大変便利であつた。 この発明を実施するには、まず糠又は/及び〓
に蛋白食品を加えて蛋白含量を高める。 ここに用いる糠としては、生糠のみならず焙
煎、蒸煮などの処理したものも用いることができ
る。 しかし、糠は、油脂が多く、しかも油脂を構成
する脂肪酸に不飽和脂肪酸が多いためか変敗しや
すく、長期間保存することが困難である。従つ
て、工業的に大量に使うため原料を保管しておく
のに適さず不便である。そのため、所望に応じ糠
の一部又は全部を糠より保存性が優れた〓と置換
することも可能である。 この場合、〓としては、小麦〓のみならず、ひ
え、えん麦、メイズ、ソルガム、コーンなどのい
わゆる雑穀類の〓も使用可能である。 しかし、いずれにしてもビタミン、ミネラル等
の発酵時の菌の栄養成分も配慮するのが望まし
い。 また、蛋白食品として大豆蛋白、小麦蛋白、カ
ゼイン、ゼルチン等の分離した動、植物性蛋白の
みならず、大豆、おから、脱脂大豆、魚粉、脱脂
粉乳等の蛋白質含量の多い食品をも用いることが
できる。 蛋白食品の配合量は、その種類、蛋白質含量等
により定める必要があるが、大豆蛋白のような分
離蛋白を用いた場合で糠等の重量の5〜100%と
するのが望ましい。 次いで、プロテアーゼを作用させ、蛋白質を分
解し可溶性窒素を増加させる。 蛋白質を分解させるには、蛋白食品を加えた糠
等に水を加え、PHを調節した後プロテアーゼを加
え、プロテアーゼの種類に応じ20〜55℃望ましく
は30〜40℃として3〜50時間処理する。ここに用
いるプロテアーゼは、市販のものなど所望のもの
を任意に選んで用いられるが、その種類に応じ最
も望ましいPHとする。また、プロテアーゼ処理の
温度、時間もその種類、力価等により適宜定め
る。しかし、アルカリ性プロテアーゼを用いて長
時間かけて処理すると異臭の発生のおそれがある
ので、望ましくは酸性プロテアーゼを用いて低い
PHで処理するようにする。蛋白質の分解により可
溶性窒素が100mg%以上となるようにする。なお、
蛋白質の分解は、後で漬液とした時ベタベタ粘着
せずに粘度の低いサラツとしたものとなる効果も
有している。 次いで、可溶性窒素を増加させた糠等に発酵し
ている糠又は/及び〓を加え、PH4.4〜5.8に保つ
て発酵させる。 ここに加える発酵している糠等は、各自の趣向
に応じ所望の風味を有する糠床などを用いること
により、所望の風味を有する漬物が得られる漬物
の素とすることが可能である。 発酵は、乳酸菌10〓/g、酵母107/g及びグ
ラム陰性菌105〜7/gとなるように行う。そのた
めに発酵中のPHを4.4〜5.8、温度を15〜40℃(望
ましくは25〜35℃)に保つて発酵させる。これに
より好ましいにおいの発酵物となる。 発酵時間は、短いとにおいが生じないので2日
以上とするのが望ましい。しかし、PHの低いとき
には発酵時間を長くし、PHの高いときには短くす
るようにする。すなわち、PH5.0より低いときに
は5〜6日間、PH5.5より高いときには3〜4日
間発酵するのが望ましい。しかし、菌の種類、温
度などにより発酵時間は違つてくるので、におい
などに注意して終了点を定めるようにする。 また、発酵中、乳酸菌等により酸性が強くなる
ことがあるので、その時は常法に従い水酸化アル
カリ、炭酸カルシウム、貝殻、骨粉、リン酸アル
カリ塩等のアルカリ性物質にて中和し、所定のPH
を保つようにする。 次いで、濃縮又は乾燥した発酵処理物とする。 濃縮又は乾燥は、ドラム乾燥、凍結乾燥、噴霧
乾燥、流動乾燥、泡沫乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥
等任意の方法で実施でき、これらを適宜組み合わ
せて行つてもよい。しかし、有香成分が揮散する
おそれがあるので、なるべく低い温度で行うよう
にする。 なお、水分が25〜30%又はそれ以上存在する
と、ドウ状又はペースト状の濃縮物となるが、保
存性等を考慮した場合、水分20%以下の顆粒状又
は粉末状の発酵処理物とするのが望ましい。 次いで、このようにして得た発酵処理物を原料
として漬物の素を調製する。 漬物の素として、この発酵物をそのまま用いて
も良いが、食塩及び所望に応じ有機酸、呈味成
分、香気成分等を混合しておくと、別に食塩等を
用意しなくとも漬物が作れるものとなり、大変便
利である。 特に、水に溶解懸濁した漬液に野菜を浸漬する
ための漬物の素とする場合、漬液の食塩濃度が4
〜8%、有機酸濃度が0.2〜1.4%となるように食
塩及び有機酸が含まれるものとするのが望まし
い。これにより、野菜を浸漬したとき短時間で漬
かり、しかもおいしい漬物となる漬物の素とする
ことができる。 なお、有機酸として乳酸を使用するのが望まし
いが、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、
酢酸等食品用に使われる有機酸を任意に用いるこ
とができる。また、呈味成分、香気成分としてグ
ルタミン酸ナトリウム等の化学調味料、昆布、鰹
節、唐辛子、さんしよ、珍皮、ねぎ、たまねぎ、
にんにく、ハーブ、スパイス、香料等を所望に応
じ任意に用いることができる。 なお、食塩、呈味成分又は香気成分などは、発
酵前、発酵中、発酵後など任意の段階で加えるこ
とが可能である。 この発明の漬物の素は、従来の糠床に比べ水分
が少ないため、保存性が良く、特に乾燥発酵処理
物を用いた場合、保存性が著しく向上する。しか
も従来の糠床と異なり量がはるかに少ないため貯
蔵に場所をとらず運搬、携帯に便利である。 また、この発明による発酵終了物、発酵処理
物、漬物の素などは、常法により調製した糠床に
加えることにより、望ましい風味の糠床とするこ
とができる。特に新しく調製した糠床に加える
と、熟成期間がなくとも、熟成した糠床で作られ
たおいしい糠漬と同じようにおいしい漬物が得ら
れる。 更にまた、この発明は、糠漬のみならず沢庵
漬、白菜漬など発酵により風味の生ずる漬物に広
く利用できる。 次に、この発明を実施例により説明する。 実施例 1 糠100部に脱脂大豆50部及び水500部を加え、20
分間煮沸した後、冷水500部を加えて40℃に冷却
する。次いで70%乳酸を加えてPHを3.5にした後、
酸性プロテアーゼ(モルシン)0.2部を加え、37
℃で24時間蛋白を分解して可溶性窒素を増加させ
る。これに糠床より取つた発酵糠を10部加え、30
℃で6日間発酵させた。この時の乳酸菌、酵母、
グラム陰性菌の菌数、揮発性塩基性化合物量及び
発酵物の臭気は、表1のようになつた。なお、発
酵中は、水酸化ナトリウム溶液を滴下し、PH5.2
付近を保つようにした。
せた糠又は/及び〓をプロテアーゼ処理し、可溶
性窒素を増加させた後、糠床などの発酵している
糠又は/及び〓を加え、PHを一定範囲に保つて発
酵させ、次いで濃縮又は乾燥した発酵処理物を原
料とし、要すればこれに食塩、有機酸、化学調味
料等を加える漬物の素の製造法に関するものであ
る。 この発明は、糠漬の良好な風味を有し、おいし
い漬物が簡便にできる漬液を作るための漬物の素
を供することを目的としており、これを利用する
ことにより良好な風味を有し、おいしい漬物を短
時間で供することができるようにすることを目的
としている。 糠漬は、多くの家庭において行われているが、
おいしくて良好な風味を有する糠漬を得るには、
熟成された糠床を用いなければならず、それには
糠床を作つてから少なくとも数か月、時には1〜
2年を要した。 しかも、糠床を良好な状態に維持するのは難し
く、手数と熟練を要し、その上特有の悪臭がある
ため特に若い人は、その手入れをきらつている。
更に、その手入れが悪いと、かびや腐敗菌等が繁
殖し悪臭を生成するためにすぐまずいものとな
り、時には使用に耐えぬものとなつた。 この発明の発明者は、時間と手数と熟練を要す
る糠床を用いなくとも、短時間でおいしく風味良
好な漬物を誰もが簡単に作れる方法を開発すべ
く、糠床における風味の生成を総合的に研究し、
発酵前の糠等の可溶性窒素含量、発酵中の菌叢特
にグラム陰性菌の消長などが熟成された糠床のに
おい及び風味と密接に関係することなどを見いだ
し、先に糠漬の素組成物に関する特許出願をした
(特願昭55−12197号)。 これは、糠に蛋白食品を加えプロテアーゼ処理
した後、糠床より分離した培養菌を加えPHを一定
範囲に保つて発酵することにより、短時間で熟成
した糠床と同じ良好な風味の発酵糠となし、これ
を原料として糠漬の素を調製するものである。 しかし、その後の研究により糠床より分離した
培養菌を用いなくとも糠床などの発酵している糠
又は/及び〓を加えることにより同様に良好な風
味を有する漬物が得られることを見いだし、この
発明を完成させた。 すなわち、可溶性窒素を増加させた糠等に発酵
している糠などを加え、PHを一定の範囲に保つて
発酵することにより、加えた発酵している糠など
と同様の望ましい状態の菌叢とすることができ、
これにより良好な風味を有する発酵処理物が短時
間で得られた。 熟成した糠床の有している好ましいにおいは、
発酵中の糠等に一定のレベルでグラム陰性菌を繁
殖させることにより生じさせることができ、これ
により、従来熟成された糠床を得るのに数か月〜
数か年を要したものが数日の発酵で得られるよう
になつた。 糠床の発酵には、多くの微生物が関与している
が、これらと風味生成との関係については、ほと
んど研究されていない。従つて、グラム陰性菌が
風味に関係することも知られていず、むしろ腐敗
の原因となるため、その発生がきらわれていた。 しかし、この発明の発明者の得や知見による
と、乳酸菌、酵母とともにグラム陰性菌を共存さ
せることが熟成された糠床の良好な風味を生成さ
せるのに重要であつた。 この機序は、まだ明らかでない点があるが、低
分子ペプチドやアミノ酸等の可溶性窒素の一部が
デアミナーゼやデカルボキシラーゼにより揮発性
又は不揮発性の塩基性化合物に変ること、パーオ
キシダーゼやエステラーゼの生産により揮発性有
機酸やそれが引き金となつて生ずるカルボニル化
合物が生成すること、などが複雑なにおいを形成
するのに役立つているためと考えられる。 従つて、これらの酵素を生産する酵母、乳酸菌
及びグラム陰性菌の菌数レベルと塩基性化合物、
有機酸、カルボニル化合物の量などが糠漬の風味
と関係すると考えられる。 可溶性窒素から生じた塩基性化合物は、一般に
腐敗と関係し、量が多いと腐敗臭等の不快なにお
いとなることが知られているが、発明者の試験に
よると量が少ないと熟成された糠床の好ましいに
おいが感じられた。すなわち、この好ましいにお
いを感じる発酵している糠等には、105〜7/gの
菌数のグラム陰性菌が存在しており、これより少
ないと熟成糠床臭が感じられず、これより多くな
ると不快なにおいとなつた。 従つて、発酵中の糠等のグラム陰性菌の菌数
を、105〜7/gに維持することにより、他の酸生
成菌による有機酸、カルボニル化合物に加えて塩
基性化合物がほどよく生じ熟成された糠床の良好
なにおいとすることができた。 発酵中の糠等のグラム陰性菌の菌数を105〜7/
gとするには、そのPHを4.4〜5.8に維持する必要
がある。すなわち、乳酸菌、酵母は比較的広いPH
範囲で生育できるが、グラム陰性菌はPHが少し低
いと生育が抑制され、PHが少し高いと急激に繁殖
して悪臭を発生するので、発酵中のPHを調節する
ことにより、その菌数を制御することができた。 塩基性物質の基質となる可溶性窒素は、プロテ
アーゼ処理をしないと少なく、蛋白の分解にも時
間がかかつた。しかし、蛋白食品を加えプロテア
ーゼ処理をすることにより、可溶性窒素が増加
し、短時間の発酵で熟成された糠床の有する望ま
しいにおいを生じさせることができた。 糠等の発酵の際、従来の糠漬のごとく野生菌の
繁殖を待つことなく、すでに望ましい菌叢となつ
ている発酵している糠等を加えPHを所定の範囲に
維持することによりグラム陰性菌も所望の菌数が
生じ、短時間のうちに望ましい菌叢とすることが
できた。 すなわち、風味良好な熟成した糠床などを加え
ることにより、そこに生息しているすべての有効
菌が加えられ、これを望ましい条件で発酵するこ
とにより短時間で風味良好な熟成した糠床などと
同じ菌叢の発酵物となつた。 なお、この発明の漬物の素は、単に水に溶解懸
濁した漬液に野菜を浸漬するだけで風味良好な漬
物が、失敗することなく、誰にも、簡単に、作る
ことができた。しかも、漬液は従来のベトベトし
た糠床と異なりサラリとした懸濁液であり、しか
も、毎日手で撹拌しなくとも良く、手指に悪臭が
付く心配がなく短時間で調製ができた。更に、こ
の発明の漬物の素は保存が利き、特に水分を少な
くした粉末状の場合、長時間の保存ができるので
家庭に常備しておき、必要となつたときその場で
必要な量の漬液を調製して野菜を漬けることがで
き、大変便利であつた。 この発明を実施するには、まず糠又は/及び〓
に蛋白食品を加えて蛋白含量を高める。 ここに用いる糠としては、生糠のみならず焙
煎、蒸煮などの処理したものも用いることができ
る。 しかし、糠は、油脂が多く、しかも油脂を構成
する脂肪酸に不飽和脂肪酸が多いためか変敗しや
すく、長期間保存することが困難である。従つ
て、工業的に大量に使うため原料を保管しておく
のに適さず不便である。そのため、所望に応じ糠
の一部又は全部を糠より保存性が優れた〓と置換
することも可能である。 この場合、〓としては、小麦〓のみならず、ひ
え、えん麦、メイズ、ソルガム、コーンなどのい
わゆる雑穀類の〓も使用可能である。 しかし、いずれにしてもビタミン、ミネラル等
の発酵時の菌の栄養成分も配慮するのが望まし
い。 また、蛋白食品として大豆蛋白、小麦蛋白、カ
ゼイン、ゼルチン等の分離した動、植物性蛋白の
みならず、大豆、おから、脱脂大豆、魚粉、脱脂
粉乳等の蛋白質含量の多い食品をも用いることが
できる。 蛋白食品の配合量は、その種類、蛋白質含量等
により定める必要があるが、大豆蛋白のような分
離蛋白を用いた場合で糠等の重量の5〜100%と
するのが望ましい。 次いで、プロテアーゼを作用させ、蛋白質を分
解し可溶性窒素を増加させる。 蛋白質を分解させるには、蛋白食品を加えた糠
等に水を加え、PHを調節した後プロテアーゼを加
え、プロテアーゼの種類に応じ20〜55℃望ましく
は30〜40℃として3〜50時間処理する。ここに用
いるプロテアーゼは、市販のものなど所望のもの
を任意に選んで用いられるが、その種類に応じ最
も望ましいPHとする。また、プロテアーゼ処理の
温度、時間もその種類、力価等により適宜定め
る。しかし、アルカリ性プロテアーゼを用いて長
時間かけて処理すると異臭の発生のおそれがある
ので、望ましくは酸性プロテアーゼを用いて低い
PHで処理するようにする。蛋白質の分解により可
溶性窒素が100mg%以上となるようにする。なお、
蛋白質の分解は、後で漬液とした時ベタベタ粘着
せずに粘度の低いサラツとしたものとなる効果も
有している。 次いで、可溶性窒素を増加させた糠等に発酵し
ている糠又は/及び〓を加え、PH4.4〜5.8に保つ
て発酵させる。 ここに加える発酵している糠等は、各自の趣向
に応じ所望の風味を有する糠床などを用いること
により、所望の風味を有する漬物が得られる漬物
の素とすることが可能である。 発酵は、乳酸菌10〓/g、酵母107/g及びグ
ラム陰性菌105〜7/gとなるように行う。そのた
めに発酵中のPHを4.4〜5.8、温度を15〜40℃(望
ましくは25〜35℃)に保つて発酵させる。これに
より好ましいにおいの発酵物となる。 発酵時間は、短いとにおいが生じないので2日
以上とするのが望ましい。しかし、PHの低いとき
には発酵時間を長くし、PHの高いときには短くす
るようにする。すなわち、PH5.0より低いときに
は5〜6日間、PH5.5より高いときには3〜4日
間発酵するのが望ましい。しかし、菌の種類、温
度などにより発酵時間は違つてくるので、におい
などに注意して終了点を定めるようにする。 また、発酵中、乳酸菌等により酸性が強くなる
ことがあるので、その時は常法に従い水酸化アル
カリ、炭酸カルシウム、貝殻、骨粉、リン酸アル
カリ塩等のアルカリ性物質にて中和し、所定のPH
を保つようにする。 次いで、濃縮又は乾燥した発酵処理物とする。 濃縮又は乾燥は、ドラム乾燥、凍結乾燥、噴霧
乾燥、流動乾燥、泡沫乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥
等任意の方法で実施でき、これらを適宜組み合わ
せて行つてもよい。しかし、有香成分が揮散する
おそれがあるので、なるべく低い温度で行うよう
にする。 なお、水分が25〜30%又はそれ以上存在する
と、ドウ状又はペースト状の濃縮物となるが、保
存性等を考慮した場合、水分20%以下の顆粒状又
は粉末状の発酵処理物とするのが望ましい。 次いで、このようにして得た発酵処理物を原料
として漬物の素を調製する。 漬物の素として、この発酵物をそのまま用いて
も良いが、食塩及び所望に応じ有機酸、呈味成
分、香気成分等を混合しておくと、別に食塩等を
用意しなくとも漬物が作れるものとなり、大変便
利である。 特に、水に溶解懸濁した漬液に野菜を浸漬する
ための漬物の素とする場合、漬液の食塩濃度が4
〜8%、有機酸濃度が0.2〜1.4%となるように食
塩及び有機酸が含まれるものとするのが望まし
い。これにより、野菜を浸漬したとき短時間で漬
かり、しかもおいしい漬物となる漬物の素とする
ことができる。 なお、有機酸として乳酸を使用するのが望まし
いが、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、
酢酸等食品用に使われる有機酸を任意に用いるこ
とができる。また、呈味成分、香気成分としてグ
ルタミン酸ナトリウム等の化学調味料、昆布、鰹
節、唐辛子、さんしよ、珍皮、ねぎ、たまねぎ、
にんにく、ハーブ、スパイス、香料等を所望に応
じ任意に用いることができる。 なお、食塩、呈味成分又は香気成分などは、発
酵前、発酵中、発酵後など任意の段階で加えるこ
とが可能である。 この発明の漬物の素は、従来の糠床に比べ水分
が少ないため、保存性が良く、特に乾燥発酵処理
物を用いた場合、保存性が著しく向上する。しか
も従来の糠床と異なり量がはるかに少ないため貯
蔵に場所をとらず運搬、携帯に便利である。 また、この発明による発酵終了物、発酵処理
物、漬物の素などは、常法により調製した糠床に
加えることにより、望ましい風味の糠床とするこ
とができる。特に新しく調製した糠床に加える
と、熟成期間がなくとも、熟成した糠床で作られ
たおいしい糠漬と同じようにおいしい漬物が得ら
れる。 更にまた、この発明は、糠漬のみならず沢庵
漬、白菜漬など発酵により風味の生ずる漬物に広
く利用できる。 次に、この発明を実施例により説明する。 実施例 1 糠100部に脱脂大豆50部及び水500部を加え、20
分間煮沸した後、冷水500部を加えて40℃に冷却
する。次いで70%乳酸を加えてPHを3.5にした後、
酸性プロテアーゼ(モルシン)0.2部を加え、37
℃で24時間蛋白を分解して可溶性窒素を増加させ
る。これに糠床より取つた発酵糠を10部加え、30
℃で6日間発酵させた。この時の乳酸菌、酵母、
グラム陰性菌の菌数、揮発性塩基性化合物量及び
発酵物の臭気は、表1のようになつた。なお、発
酵中は、水酸化ナトリウム溶液を滴下し、PH5.2
付近を保つようにした。
【表】
次いで、発酵物をドラムドライヤーで乾燥し発
酵処理物を得た。 この発酵処理物20部に食塩30部、クエン酸4.3
部、グルタミン酸ナトリウム1.4部、コハク酸ナ
トリウム0.5部、粉末乳酸1.5部を混合し、漬物の
素を調製した。 この漬物の素85gを約500mlの水に懸濁させた
漬液に、きゆうりを約10時間浸漬して取り出す
と、おいしいきゆうりの糠漬が得られた。 また、発酵処理物100部に対し、食塩21部、ク
エン酸3部、粉末ソルビツト40部、グルタミン酸
ナトリウム3部、コハク酸ナトリウム2部、アミ
ノ酸旨味料6部、甘草末2部、ステビオサイド2
部、うこん末4部、とうがらし末1部の割合で加
え混合し、漬物の素を調製した。この漬物の素10
部に対し生糠5部を混合し、塩漬けした大根に加
え樽に詰め、たくあん漬の樽詰を得た。このたく
あんは、大変風味よく、おいしいものであつた。 なお、糠床を加え発酵する際、発酵中のPHを調
節しないと、表2に示すように熟成した糠床臭が
なかなか発生しなかつた。
酵処理物を得た。 この発酵処理物20部に食塩30部、クエン酸4.3
部、グルタミン酸ナトリウム1.4部、コハク酸ナ
トリウム0.5部、粉末乳酸1.5部を混合し、漬物の
素を調製した。 この漬物の素85gを約500mlの水に懸濁させた
漬液に、きゆうりを約10時間浸漬して取り出す
と、おいしいきゆうりの糠漬が得られた。 また、発酵処理物100部に対し、食塩21部、ク
エン酸3部、粉末ソルビツト40部、グルタミン酸
ナトリウム3部、コハク酸ナトリウム2部、アミ
ノ酸旨味料6部、甘草末2部、ステビオサイド2
部、うこん末4部、とうがらし末1部の割合で加
え混合し、漬物の素を調製した。この漬物の素10
部に対し生糠5部を混合し、塩漬けした大根に加
え樽に詰め、たくあん漬の樽詰を得た。このたく
あんは、大変風味よく、おいしいものであつた。 なお、糠床を加え発酵する際、発酵中のPHを調
節しないと、表2に示すように熟成した糠床臭が
なかなか発生しなかつた。
【表】
実施例 2
糠50部及び〓100部を混合し、脱脂粉乳50部、
魚粉10部、水1000部を加え、6N−HClでPH2.2と
し、ペプシン0.3部を加えた後38℃で24時間蛋白
分解を行い可溶性窒素を増加させた。 生糠10部、水60部、食塩4部、味液4部を混合
し、乳酸菌(ラクトバチルス・プラレタルム)、
酵母(デバリオマイセス・ハンゼニー)、グラム
陰性菌(サイトロバクター・フロインデイ)を接
種し、PH4.8〜5.0で25℃の条件でおよそ2週間発
酵しておいた発酵糠を5部、前記蛋白分解混合物
に加え、PH4.8〜5.0、温度30℃で5日間発酵した
後、ドラムドライヤーで乾燥し、発酵処理物を得
た。 次いで、この発酵処理物100部にクエン酸3部、
コハク酸1部、粉末乳酸2部、グルタミン酸ナト
リウム4部、食塩80部を混合し、漬物の素を調製
した。 この漬物の素を水に懸濁させた漬液に、二つ切
りしたなすびを約12時間浸漬することにより、お
いしいなすびの漬物が得られた。
魚粉10部、水1000部を加え、6N−HClでPH2.2と
し、ペプシン0.3部を加えた後38℃で24時間蛋白
分解を行い可溶性窒素を増加させた。 生糠10部、水60部、食塩4部、味液4部を混合
し、乳酸菌(ラクトバチルス・プラレタルム)、
酵母(デバリオマイセス・ハンゼニー)、グラム
陰性菌(サイトロバクター・フロインデイ)を接
種し、PH4.8〜5.0で25℃の条件でおよそ2週間発
酵しておいた発酵糠を5部、前記蛋白分解混合物
に加え、PH4.8〜5.0、温度30℃で5日間発酵した
後、ドラムドライヤーで乾燥し、発酵処理物を得
た。 次いで、この発酵処理物100部にクエン酸3部、
コハク酸1部、粉末乳酸2部、グルタミン酸ナト
リウム4部、食塩80部を混合し、漬物の素を調製
した。 この漬物の素を水に懸濁させた漬液に、二つ切
りしたなすびを約12時間浸漬することにより、お
いしいなすびの漬物が得られた。
Claims (1)
- 1 糠又は/及び〓に蛋白食品を加え、プロテア
ーゼ処理して可溶性窒素を増加させた後、発酵し
ている糠又は/及び〓を加え、PH4.4〜5.8に保つ
て発酵させ、次いで濃縮又は乾燥した発酵処理物
を原料として用いた漬物の素の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56120739A JPS5823746A (ja) | 1981-08-03 | 1981-08-03 | 漬物の素の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56120739A JPS5823746A (ja) | 1981-08-03 | 1981-08-03 | 漬物の素の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5823746A JPS5823746A (ja) | 1983-02-12 |
| JPH0149450B2 true JPH0149450B2 (ja) | 1989-10-24 |
Family
ID=14793782
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56120739A Granted JPS5823746A (ja) | 1981-08-03 | 1981-08-03 | 漬物の素の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5823746A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2011205923A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Yahiro Sangyo Co Ltd | 乾燥キムチの製造方法 |
| CN114903161B (zh) * | 2022-05-10 | 2023-06-16 | 云南省农业科学院农产品加工研究所 | 一种用谷物麸皮预处理液制作泡菜的方法 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5713250B2 (ja) * | 1974-08-08 | 1982-03-16 | ||
| JPS5186159A (ja) * | 1975-01-28 | 1976-07-28 | Rikizo Kobayashi | Nukamisozukenoinsutantojukuseiho |
| JPS51144752A (en) * | 1975-06-06 | 1976-12-13 | Rikizou Kobayashi | Method of instantly maturing vegetables seasoned in riceebran paste |
| JPS603805B2 (ja) * | 1979-02-28 | 1985-01-30 | 合名会社とをしや薬局 | 野菜類の塩味性漬物の製造法 |
-
1981
- 1981-08-03 JP JP56120739A patent/JPS5823746A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5823746A (ja) | 1983-02-12 |
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