JPH0151483B2 - - Google Patents
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- JPH0151483B2 JPH0151483B2 JP20035982A JP20035982A JPH0151483B2 JP H0151483 B2 JPH0151483 B2 JP H0151483B2 JP 20035982 A JP20035982 A JP 20035982A JP 20035982 A JP20035982 A JP 20035982A JP H0151483 B2 JPH0151483 B2 JP H0151483B2
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Description
本発明は、熱可塑性樹脂の回収方法に関し、さ
らに詳しくは、熱可塑性樹脂エマルジヨンに凝固
剤を添加して熱可塑性樹脂を回収する方法に関す
るものである。 従来、乳化重合法により製造された熱可塑性樹
脂エマルジヨンから樹脂を回収する場合、一般的
には塩酸等の凝固剤を用いて凝固が行われてい
る。その方法としては、例えば、凝固剤を溶かし
た水溶液に熱可塑性樹脂エマルジヨンを投入し、
樹脂分を凝固・回収したり、または熱可塑性樹脂
エマルジヨンに凝固剤を溶解した溶液を投入して
樹脂を凝固・回収する方法が行われている。 しかしながら、従来の凝固方法によつて回収さ
れた樹脂粉体は、粒子径のそろつたものが得られ
にくく、微粒子および粗粒子が相当量含まれ、ま
た粒子の形状が不安定であるため、下記のような
種々の問題を生じる。 (1) 粉体中に微粒子が多いと、熱可塑性樹脂ラテ
ツクスからの樹脂の分離回収、および乾燥時に
微粒子粉体の流出または飛散を生じ、そのため
樹脂の損失、粉塵発生による作業環境の悪化、
粉塵爆発の危険性を与える原因となる。 (2) 粉体中の微粒子と粗粒子は、分離および乾燥
工程で各装置内で目詰りの原因となり、そのた
め生産性の低下およびエネルギー消費の原因と
なる。 (3) 粒子の軽状が不定形であると、粉体をホツパ
ー、袋等に収納したとき、粉体同志がブロツキ
ングを起こし、ホツパー等から粉体を容易に取
り出すことができず、粉体取扱い上、大きな支
障となる。 上記(1),(2),(3)の問題解決方法としては、設備
上の改善が考えられるが、その改善には限度があ
り、また多額の費用がかかる。 本発明の目的は、従来技術の欠点を除き、粒径
分布が可及的に狭く、かつ粒子形状が円形に近い
粉体を得ることができる熱可塑性樹脂の回収方法
を提供することにある。 上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研
究を重ねた結果、熱可塑性樹脂ラテツクスを2段
階以上の工程で特定条件で凝固させることによ
り、粒子形状が球状に近く、かつ粗大粒子および
微粒子の極めて少ない樹脂粉体が得られることを
見出し、本発明に到達したものである。 すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂エマルジヨ
ンから熱可塑性樹脂を回収する方法において、凝
固剤類の添加を2段階以上の工程で行い、第1段
工程では凝固剤および/または凝固助剤を添加
し、第2段以降の工程では凝固剤、または凝固剤
と凝固助剤を添加し、かつ第1段工程よりも液の
温度を高くすることを特徴とする。 本発明において、上記2段階以上の工程は、通
常は2回以上の凝固槽を用いて行われるが、これ
らに限定されるものではなく、例えば2室以上に
区画され、各室に撹拌手段を備えた筒状容器など
でもよい。また1つの凝固槽を用い、第1段の工
程が終了後第2段以降の工程を行ない、いわゆる
バツチ方式を用いることもできる。 本発明における熱可塑性樹脂エマルジヨンとし
ては、公知のものを使用することができる。熱可
塑性樹脂としては、共役ジエン系ゴム、共役ジエ
ン系共重合体(例えばポリブタジエン、ブタジエ
ン―スチレン共重合体、ブタジエン―アクリロニ
トリル共重合体)またはエチレン―プロピレン系
共重合体の存在下に、不飽和ニトリル単量体、芳
香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル
単量体またはこれらと共重合可能な単量体等の1
種または2種以上を重合して得られるグラフト共
重合体、例えばABS樹脂、エチレン―プロピレ
ン系ゴム変性スチレン―アクリロニトリル樹脂、
メチルメタクリレート・ブタジエン―スチレン系
樹脂(MBS樹脂)、ハイインパクトポリスチレン
樹脂(HIPS樹脂)等が好適に用いられる。特に
ゴム含量が45重量%以上の樹脂は、ブロツキング
性を改良することができるので有効である。 本発明方法は、これらゴム変性熱可塑性樹脂の
粉体特性の改良に特に有効であるが、これらの重
合体以外に、エチレン酢酸ビニル共重合体
(EVA)、塩化ビニル共重合体、スチレン―アク
リロニトリル共重合体、スチレン重合体、高スチ
レン―ブタジエン共重合体などの熱可塑性樹脂の
エマルジヨンへの適用も可能である。 本発明においては、典型的には2基以上の凝固
槽を使用し、第1凝固槽へ凝固剤および凝固助剤
から選ばれる1種又は2種以上、第2以降の凝固
槽では凝固剤単独または凝固剤と凝固助剤を添加
することにより本発明の目的とする樹脂粉体がえ
られる。 本発明で使用する凝固剤としては、例えば塩
酸、硫酸等の無機酸、塩化カルシウム、硫酸マグ
ネシウム等の無機塩、ギ酸、酢酸等の有機酸、酢
酸アルミニウム等の有機酸塩があげられる。これ
らのうち無機酸はより好ましいものである。また
凝固助剤としては、ポリエチレンオキサイド、ポ
リビニルアルコール、アミン類、イミド類、アミ
ド類等の水溶性高分子化合物があげられる。これ
ら凝固剤、凝固助剤は第1凝固槽および第2凝固
槽以降の凝固槽で使用するときは、1種または2
種以上使用することができる。凝固剤および凝固
助剤の使用量は、熱可塑性樹脂ラテツクスの種類
により一概に定めることはできないが、凝固槽内
のスラリーのPH値、凝固状態および粉体の粒子状
態をみて適宜決められる。凝固剤および凝固助剤
の使用量が多すぎると、水洗性が悪化して、洗浄
時間が長くなつたり、水洗水を多量に必要とし、
経済的ではない。一方、少なすぎると、熱可塑性
樹脂エマルジヨンが完全に凝固せず、未凝縮部分
がスラリー中に存在することになり、そのため樹
脂回収率の低下および分離・乾燥工程での運転中
のトラブルの原因となる。 本発明で使用される凝固剤および凝固助剤の種
類の選択については、一般には熱可塑性樹脂エマ
ルジヨン中に含まれる石けんの種類により適宜決
定される。一般に、ロジン酸石けん、脂肪酸石け
ん等は、通常の凝固剤および凝固助剤で十分凝固
できるが、リン酸エステル石けん、硫酸エステル
石けん、スルホン酸石けんおよびカチオン石けん
等では、有機酸塩、無機酸塩および水溶性高分子
化合粉等を主体とした凝固剤および凝固助剤の使
用が適している。 本発明の各工程で用いる凝固槽は適当な撹拌機
を備えたものであればよく、撹拌機としては通常
用いられるプロペラ羽根、平板羽根等の撹拌機、
らせん帯撹拌機、および高速せん断力をもつホモ
ジナイザ等の撹拌機があげられる。なお、熱可塑
性樹脂エマルジヨンと凝固剤および凝固助剤は
別々に加えることもできるし、または予備混合
槽、ラインミキサー等でこれらをあらかじめ混合
し、しかる後第1凝固槽に導入することも可能で
ある。 第1凝固槽のスラリーは、エマルジヨンの安定
性が一部破壊され、凝固が完結されていない不完
全凝固状態が好ましく、そのためにはスラリーの
PHは3〜7の範囲が適当であり、更に好ましくは
3〜6である。上記不完全凝固状態としてはエマ
ルジヨンの50%以上が凝固し、かつ凝固が完結し
てない状態が好ましく、スラリーを東洋濾紙No.
131(JIS P3801の第3種)でろ過した場合、ろ紙
上に50%以上のポリマーが残り、かつろ紙が白濁
している状態が適当である。一方、スラリーの温
度は、第2以降の凝固槽のスラリー温度より低い
温度であり、好ましくは該スラリー温度より10℃
低い温度以下が適当である。上記第1凝固槽のス
ラリーのPHが3未満であると、得られる樹脂粉体
の粒子形状が不定形となりやすく、一方、PHが7
を越えると微粒子を生じ易くなる。また第1凝固
槽のスラリー温度が第2以降の凝固槽のスラリ温
度を越えると、粒径分布の広い粉体を生じ易くな
る。 第2以降の凝固槽では、スラリーの凝固を完結
させる必要があり、そのためには使用する凝固剤
が有機酸、無機酸等の酸性凝固剤を主体とすると
きは、第2以降の凝固槽のスラリーのPHが1〜3
の範囲であることが好ましく、一方、無機酸塩、
有機酸塩を主体にするとき、または凝固助剤を併
用する時は、スラリーのPHが2〜7の範囲になる
ように、凝固の完結状態を観察しながら、適宜、
該凝固剤および凝固助剤の使用量を決めることが
望ましい。 凝固槽のスラリー温度は通常、0〜100℃、好
ましくは室温〜100℃である。第2以降の凝固槽
のスラリー温度は、熱可塑性樹脂エマルジヨンの
種類によりその適温が変わるので、粉体の特性お
よび凝固状態を観察しながらその温度を決めるこ
とができる。温度が高すぎると、粉体粒子が凝集
しすぎ粗大粒子が生成し、また低すぎると粉体粒
子が微粒子となり、また凝固が完結しないので好
ましくない。 以上、本発明方法によれば、粒径のそろつた熱
可塑性樹脂粉体を高効率で連続的に回収すること
ができ、得られた樹脂粉体は、粒子の形状がほぼ
球形であり、粒径分布が狭く、かつ安息角が小さ
いのでブロツキングがおこりにくく、工業生産に
おいて非常に扱い安い粉体となる。 次に本発明の実施例を示すが、実施例中の部お
よび%はそれぞれ重量部および重量%である。ま
た実施例中のブロツキング性、粒径分布安息角お
よび粒子形状の測定は下記の方法によつた。 (1) ブロツキング性評価 樹脂粉体3mgを直径4cmの円筒型金型に入れ、
次いで室温で15秒荷重をかけ、樹脂成型品が得ら
れる最小の荷重G(Kg)を求める。 ブロツキング性〔Kg/cm2〕=G〔Kg〕/金型の断面積
〔cm2〕 この値が大きいとブロツキングがおこりにく
い。 (2) 粒径分布測定方法 条 件 振とう機 :ロータツプ式篩振とう機 振とう時間:20分 篩 :標準篩(JIS―28801) 試 料 :50mg 各篩上の残存量A(%)を求める。 各篩上の残存量(%)=A/全試料×100 A:振とう終了後の各篩上の残存量 この試験により粉体を構成している粒子の大き
さの分布状態を知ることができる。 (3) 安息角測定法 昭和エンジニヤリング株式会社製の安息角測定
器AN―1型を使用し、測定法は該AN―1型の
測定方法に従つて行つた。安息角が小さいと、粉
体が崩れやすく、ホツパー袋に収納された粉体を
取り出す時、パウダーブリツジをおこしにくい性
質となり、粉体の取り出しが容易でブロツキング
も起こりにくくなる。 (4) 顕微鏡観察 光学顕微鏡を用いて、凝固後のスラリー中の樹
脂分の粒子および粉体中の粒子の形状をしらべ
た。倍率は200倍である。 実施例 1 熱可塑性樹脂エマルジヨンとして、スチレン―
ブタジエンゴム状共重合体45部にスチレン35部お
よびメチルメタクリレート20部をグラフト共重合
させた、固形分濃度30%のMBS樹脂のエマルジ
ヨンを用いた。撹拌機を装備した第1凝固槽に、
MBS樹脂エマルジヨンおよび硫酸を別々のポン
プを用いて連続的に供給してPH4.0のスラリーを
生成させた。なお、硫酸の供給量はスラリーのPH
が4.0になるように調整した。次いで、このスラ
リーを第2凝固槽に導き、さらに第2凝固槽へ硫
酸を連続的に供給し、スラリーのPHを2.5に制御
した。各凝固槽の温度は、第1凝固槽は外気温
度、第2凝固槽は85℃に保持した。次に、第2凝
固槽のスラリーから樹脂分を遠心分離機を用いて
分離し、さらに水洗、脱水、乾燥して、樹脂粉体
を得た。 比較例 1 実施例1の全硫酸量を、第1凝固槽で連続的に
供給してPHを2.5に調整し、第2凝固槽へ硫酸を
供給しない以外は、実施例1と同様の方法で樹脂
粉体を得た(従来方法)。 上記実施例1および比較例1で得られた樹脂粉
体の粒子経分布、安息角、ブロツキング性等の特
定結果を第1表に示す。また樹脂乾燥粉体の粒子
形状の顕微鏡写真(×200)を第1図および第2
図に示す。第1図は実施例1、第2図は比較例1
の場合である。
らに詳しくは、熱可塑性樹脂エマルジヨンに凝固
剤を添加して熱可塑性樹脂を回収する方法に関す
るものである。 従来、乳化重合法により製造された熱可塑性樹
脂エマルジヨンから樹脂を回収する場合、一般的
には塩酸等の凝固剤を用いて凝固が行われてい
る。その方法としては、例えば、凝固剤を溶かし
た水溶液に熱可塑性樹脂エマルジヨンを投入し、
樹脂分を凝固・回収したり、または熱可塑性樹脂
エマルジヨンに凝固剤を溶解した溶液を投入して
樹脂を凝固・回収する方法が行われている。 しかしながら、従来の凝固方法によつて回収さ
れた樹脂粉体は、粒子径のそろつたものが得られ
にくく、微粒子および粗粒子が相当量含まれ、ま
た粒子の形状が不安定であるため、下記のような
種々の問題を生じる。 (1) 粉体中に微粒子が多いと、熱可塑性樹脂ラテ
ツクスからの樹脂の分離回収、および乾燥時に
微粒子粉体の流出または飛散を生じ、そのため
樹脂の損失、粉塵発生による作業環境の悪化、
粉塵爆発の危険性を与える原因となる。 (2) 粉体中の微粒子と粗粒子は、分離および乾燥
工程で各装置内で目詰りの原因となり、そのた
め生産性の低下およびエネルギー消費の原因と
なる。 (3) 粒子の軽状が不定形であると、粉体をホツパ
ー、袋等に収納したとき、粉体同志がブロツキ
ングを起こし、ホツパー等から粉体を容易に取
り出すことができず、粉体取扱い上、大きな支
障となる。 上記(1),(2),(3)の問題解決方法としては、設備
上の改善が考えられるが、その改善には限度があ
り、また多額の費用がかかる。 本発明の目的は、従来技術の欠点を除き、粒径
分布が可及的に狭く、かつ粒子形状が円形に近い
粉体を得ることができる熱可塑性樹脂の回収方法
を提供することにある。 上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研
究を重ねた結果、熱可塑性樹脂ラテツクスを2段
階以上の工程で特定条件で凝固させることによ
り、粒子形状が球状に近く、かつ粗大粒子および
微粒子の極めて少ない樹脂粉体が得られることを
見出し、本発明に到達したものである。 すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂エマルジヨ
ンから熱可塑性樹脂を回収する方法において、凝
固剤類の添加を2段階以上の工程で行い、第1段
工程では凝固剤および/または凝固助剤を添加
し、第2段以降の工程では凝固剤、または凝固剤
と凝固助剤を添加し、かつ第1段工程よりも液の
温度を高くすることを特徴とする。 本発明において、上記2段階以上の工程は、通
常は2回以上の凝固槽を用いて行われるが、これ
らに限定されるものではなく、例えば2室以上に
区画され、各室に撹拌手段を備えた筒状容器など
でもよい。また1つの凝固槽を用い、第1段の工
程が終了後第2段以降の工程を行ない、いわゆる
バツチ方式を用いることもできる。 本発明における熱可塑性樹脂エマルジヨンとし
ては、公知のものを使用することができる。熱可
塑性樹脂としては、共役ジエン系ゴム、共役ジエ
ン系共重合体(例えばポリブタジエン、ブタジエ
ン―スチレン共重合体、ブタジエン―アクリロニ
トリル共重合体)またはエチレン―プロピレン系
共重合体の存在下に、不飽和ニトリル単量体、芳
香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル
単量体またはこれらと共重合可能な単量体等の1
種または2種以上を重合して得られるグラフト共
重合体、例えばABS樹脂、エチレン―プロピレ
ン系ゴム変性スチレン―アクリロニトリル樹脂、
メチルメタクリレート・ブタジエン―スチレン系
樹脂(MBS樹脂)、ハイインパクトポリスチレン
樹脂(HIPS樹脂)等が好適に用いられる。特に
ゴム含量が45重量%以上の樹脂は、ブロツキング
性を改良することができるので有効である。 本発明方法は、これらゴム変性熱可塑性樹脂の
粉体特性の改良に特に有効であるが、これらの重
合体以外に、エチレン酢酸ビニル共重合体
(EVA)、塩化ビニル共重合体、スチレン―アク
リロニトリル共重合体、スチレン重合体、高スチ
レン―ブタジエン共重合体などの熱可塑性樹脂の
エマルジヨンへの適用も可能である。 本発明においては、典型的には2基以上の凝固
槽を使用し、第1凝固槽へ凝固剤および凝固助剤
から選ばれる1種又は2種以上、第2以降の凝固
槽では凝固剤単独または凝固剤と凝固助剤を添加
することにより本発明の目的とする樹脂粉体がえ
られる。 本発明で使用する凝固剤としては、例えば塩
酸、硫酸等の無機酸、塩化カルシウム、硫酸マグ
ネシウム等の無機塩、ギ酸、酢酸等の有機酸、酢
酸アルミニウム等の有機酸塩があげられる。これ
らのうち無機酸はより好ましいものである。また
凝固助剤としては、ポリエチレンオキサイド、ポ
リビニルアルコール、アミン類、イミド類、アミ
ド類等の水溶性高分子化合物があげられる。これ
ら凝固剤、凝固助剤は第1凝固槽および第2凝固
槽以降の凝固槽で使用するときは、1種または2
種以上使用することができる。凝固剤および凝固
助剤の使用量は、熱可塑性樹脂ラテツクスの種類
により一概に定めることはできないが、凝固槽内
のスラリーのPH値、凝固状態および粉体の粒子状
態をみて適宜決められる。凝固剤および凝固助剤
の使用量が多すぎると、水洗性が悪化して、洗浄
時間が長くなつたり、水洗水を多量に必要とし、
経済的ではない。一方、少なすぎると、熱可塑性
樹脂エマルジヨンが完全に凝固せず、未凝縮部分
がスラリー中に存在することになり、そのため樹
脂回収率の低下および分離・乾燥工程での運転中
のトラブルの原因となる。 本発明で使用される凝固剤および凝固助剤の種
類の選択については、一般には熱可塑性樹脂エマ
ルジヨン中に含まれる石けんの種類により適宜決
定される。一般に、ロジン酸石けん、脂肪酸石け
ん等は、通常の凝固剤および凝固助剤で十分凝固
できるが、リン酸エステル石けん、硫酸エステル
石けん、スルホン酸石けんおよびカチオン石けん
等では、有機酸塩、無機酸塩および水溶性高分子
化合粉等を主体とした凝固剤および凝固助剤の使
用が適している。 本発明の各工程で用いる凝固槽は適当な撹拌機
を備えたものであればよく、撹拌機としては通常
用いられるプロペラ羽根、平板羽根等の撹拌機、
らせん帯撹拌機、および高速せん断力をもつホモ
ジナイザ等の撹拌機があげられる。なお、熱可塑
性樹脂エマルジヨンと凝固剤および凝固助剤は
別々に加えることもできるし、または予備混合
槽、ラインミキサー等でこれらをあらかじめ混合
し、しかる後第1凝固槽に導入することも可能で
ある。 第1凝固槽のスラリーは、エマルジヨンの安定
性が一部破壊され、凝固が完結されていない不完
全凝固状態が好ましく、そのためにはスラリーの
PHは3〜7の範囲が適当であり、更に好ましくは
3〜6である。上記不完全凝固状態としてはエマ
ルジヨンの50%以上が凝固し、かつ凝固が完結し
てない状態が好ましく、スラリーを東洋濾紙No.
131(JIS P3801の第3種)でろ過した場合、ろ紙
上に50%以上のポリマーが残り、かつろ紙が白濁
している状態が適当である。一方、スラリーの温
度は、第2以降の凝固槽のスラリー温度より低い
温度であり、好ましくは該スラリー温度より10℃
低い温度以下が適当である。上記第1凝固槽のス
ラリーのPHが3未満であると、得られる樹脂粉体
の粒子形状が不定形となりやすく、一方、PHが7
を越えると微粒子を生じ易くなる。また第1凝固
槽のスラリー温度が第2以降の凝固槽のスラリ温
度を越えると、粒径分布の広い粉体を生じ易くな
る。 第2以降の凝固槽では、スラリーの凝固を完結
させる必要があり、そのためには使用する凝固剤
が有機酸、無機酸等の酸性凝固剤を主体とすると
きは、第2以降の凝固槽のスラリーのPHが1〜3
の範囲であることが好ましく、一方、無機酸塩、
有機酸塩を主体にするとき、または凝固助剤を併
用する時は、スラリーのPHが2〜7の範囲になる
ように、凝固の完結状態を観察しながら、適宜、
該凝固剤および凝固助剤の使用量を決めることが
望ましい。 凝固槽のスラリー温度は通常、0〜100℃、好
ましくは室温〜100℃である。第2以降の凝固槽
のスラリー温度は、熱可塑性樹脂エマルジヨンの
種類によりその適温が変わるので、粉体の特性お
よび凝固状態を観察しながらその温度を決めるこ
とができる。温度が高すぎると、粉体粒子が凝集
しすぎ粗大粒子が生成し、また低すぎると粉体粒
子が微粒子となり、また凝固が完結しないので好
ましくない。 以上、本発明方法によれば、粒径のそろつた熱
可塑性樹脂粉体を高効率で連続的に回収すること
ができ、得られた樹脂粉体は、粒子の形状がほぼ
球形であり、粒径分布が狭く、かつ安息角が小さ
いのでブロツキングがおこりにくく、工業生産に
おいて非常に扱い安い粉体となる。 次に本発明の実施例を示すが、実施例中の部お
よび%はそれぞれ重量部および重量%である。ま
た実施例中のブロツキング性、粒径分布安息角お
よび粒子形状の測定は下記の方法によつた。 (1) ブロツキング性評価 樹脂粉体3mgを直径4cmの円筒型金型に入れ、
次いで室温で15秒荷重をかけ、樹脂成型品が得ら
れる最小の荷重G(Kg)を求める。 ブロツキング性〔Kg/cm2〕=G〔Kg〕/金型の断面積
〔cm2〕 この値が大きいとブロツキングがおこりにく
い。 (2) 粒径分布測定方法 条 件 振とう機 :ロータツプ式篩振とう機 振とう時間:20分 篩 :標準篩(JIS―28801) 試 料 :50mg 各篩上の残存量A(%)を求める。 各篩上の残存量(%)=A/全試料×100 A:振とう終了後の各篩上の残存量 この試験により粉体を構成している粒子の大き
さの分布状態を知ることができる。 (3) 安息角測定法 昭和エンジニヤリング株式会社製の安息角測定
器AN―1型を使用し、測定法は該AN―1型の
測定方法に従つて行つた。安息角が小さいと、粉
体が崩れやすく、ホツパー袋に収納された粉体を
取り出す時、パウダーブリツジをおこしにくい性
質となり、粉体の取り出しが容易でブロツキング
も起こりにくくなる。 (4) 顕微鏡観察 光学顕微鏡を用いて、凝固後のスラリー中の樹
脂分の粒子および粉体中の粒子の形状をしらべ
た。倍率は200倍である。 実施例 1 熱可塑性樹脂エマルジヨンとして、スチレン―
ブタジエンゴム状共重合体45部にスチレン35部お
よびメチルメタクリレート20部をグラフト共重合
させた、固形分濃度30%のMBS樹脂のエマルジ
ヨンを用いた。撹拌機を装備した第1凝固槽に、
MBS樹脂エマルジヨンおよび硫酸を別々のポン
プを用いて連続的に供給してPH4.0のスラリーを
生成させた。なお、硫酸の供給量はスラリーのPH
が4.0になるように調整した。次いで、このスラ
リーを第2凝固槽に導き、さらに第2凝固槽へ硫
酸を連続的に供給し、スラリーのPHを2.5に制御
した。各凝固槽の温度は、第1凝固槽は外気温
度、第2凝固槽は85℃に保持した。次に、第2凝
固槽のスラリーから樹脂分を遠心分離機を用いて
分離し、さらに水洗、脱水、乾燥して、樹脂粉体
を得た。 比較例 1 実施例1の全硫酸量を、第1凝固槽で連続的に
供給してPHを2.5に調整し、第2凝固槽へ硫酸を
供給しない以外は、実施例1と同様の方法で樹脂
粉体を得た(従来方法)。 上記実施例1および比較例1で得られた樹脂粉
体の粒子経分布、安息角、ブロツキング性等の特
定結果を第1表に示す。また樹脂乾燥粉体の粒子
形状の顕微鏡写真(×200)を第1図および第2
図に示す。第1図は実施例1、第2図は比較例1
の場合である。
【表】
【表】
第1表の結果から、粒径分布については、実施
例1の粉体は、比較例1の従来の凝固方法によつ
て回収去れた粉体に比べ、粗粒子および微粒子が
極めて少なく、粒子がそろつていることが分る。
また実施例1の粉体は、比較例1に比べて安息角
が小さく流動し易いことを示しており、また耐ブ
ロツキング性値も大きく、ブロツキングが起こり
にくいことが分かる。さらに顕微鏡写真からは、
実施例1の粉体(第1図)は球状を示しているの
に対し、比較例1の粉体(第2図)は不規則な粒
子形状を示していることが分かる。 実施例 2 実施例1の方法において第1凝固槽のスラリー
のPHを3.0になるように、硫酸の供給量を制御し
た以外は実施例1と同様にして樹脂粉体を得た。
該樹脂粉体の粒径分布、安息角ブロツキング性を
第1表に示す。 実施例 3 実施例1の方法において、第1凝固槽スラリー
のPHが7.0になるように硫酸の供給量を制御した
以外は実施例1と同様の方法で樹脂粉体を得た。
該樹脂粉体の粒径分布、安息角、ブロツキング性
の測定結果を第1表に示す。 実施例 4 ここでは凝固助剤の組合せの実験例を示す。実
施例1の方法において、第1凝固槽の凝固剤とし
て硫酸および該硫酸の7.5%重量のポリエチレン
オキサイド(分子量430×480×104)を供給し、
第1凝固槽のスラリーのPHを6.0になるようにし
た以外は実施例1と同様の方法で樹脂粉体を得
た。該樹脂粉体の粒径分布、安息角、ブロツキン
グ性の測定結果を第1表にしめす。 実施例 5 実施例1の方法において、第1凝固槽へ供給す
る凝固助剤として実施例4のポリエチレンオキサ
イドのみをスラリー中の樹脂分100重量部に対し
て0.09重量部の割合で連続的に該1凝固槽へ投入
し、第1凝固槽のスラリーのPHを7.0とした以外
は実施例1と同様の方法で樹脂粉体を得た。該樹
脂粉体の粒径分布、安息角、耐ブロツキング性の
測定結果を第1表に示す。 実施例 6 熱可塑性樹脂としてポリブタジエンにスチレン
とアクリロニトリルの混合物をグラフト重合させ
た、スチレン45%、アクリロニトリル17%、ブタ
ジエン38%からなる、固形分濃度30%の熱可塑性
樹脂エマルジヨンを用いた以外は実施例1と同様
の方法で樹脂粉体を得た。該樹脂粉体の粒径分
布、安息角、耐ブロツキング性を第1表に示す。 比較例 2 実施例6で用いたと同じ熱可塑性樹脂エマルジ
ヨンをポンプにより連続的に第1凝固槽へ供給
し、実施例6の第1凝固槽および第2凝固槽で用
いた硫酸の加算された全量を第1凝固槽へポンプ
により連続的に供給し、第2凝固槽に硫酸を投入
しない以外は実施例1と同様の方法で樹脂粉体を
得た。なお、第1凝固槽のPHは2.5に調節した。
第2凝固槽で得た樹脂粉体の粒径分布、安息角、
耐ブロツキング性を第1表に示す。
例1の粉体は、比較例1の従来の凝固方法によつ
て回収去れた粉体に比べ、粗粒子および微粒子が
極めて少なく、粒子がそろつていることが分る。
また実施例1の粉体は、比較例1に比べて安息角
が小さく流動し易いことを示しており、また耐ブ
ロツキング性値も大きく、ブロツキングが起こり
にくいことが分かる。さらに顕微鏡写真からは、
実施例1の粉体(第1図)は球状を示しているの
に対し、比較例1の粉体(第2図)は不規則な粒
子形状を示していることが分かる。 実施例 2 実施例1の方法において第1凝固槽のスラリー
のPHを3.0になるように、硫酸の供給量を制御し
た以外は実施例1と同様にして樹脂粉体を得た。
該樹脂粉体の粒径分布、安息角ブロツキング性を
第1表に示す。 実施例 3 実施例1の方法において、第1凝固槽スラリー
のPHが7.0になるように硫酸の供給量を制御した
以外は実施例1と同様の方法で樹脂粉体を得た。
該樹脂粉体の粒径分布、安息角、ブロツキング性
の測定結果を第1表に示す。 実施例 4 ここでは凝固助剤の組合せの実験例を示す。実
施例1の方法において、第1凝固槽の凝固剤とし
て硫酸および該硫酸の7.5%重量のポリエチレン
オキサイド(分子量430×480×104)を供給し、
第1凝固槽のスラリーのPHを6.0になるようにし
た以外は実施例1と同様の方法で樹脂粉体を得
た。該樹脂粉体の粒径分布、安息角、ブロツキン
グ性の測定結果を第1表にしめす。 実施例 5 実施例1の方法において、第1凝固槽へ供給す
る凝固助剤として実施例4のポリエチレンオキサ
イドのみをスラリー中の樹脂分100重量部に対し
て0.09重量部の割合で連続的に該1凝固槽へ投入
し、第1凝固槽のスラリーのPHを7.0とした以外
は実施例1と同様の方法で樹脂粉体を得た。該樹
脂粉体の粒径分布、安息角、耐ブロツキング性の
測定結果を第1表に示す。 実施例 6 熱可塑性樹脂としてポリブタジエンにスチレン
とアクリロニトリルの混合物をグラフト重合させ
た、スチレン45%、アクリロニトリル17%、ブタ
ジエン38%からなる、固形分濃度30%の熱可塑性
樹脂エマルジヨンを用いた以外は実施例1と同様
の方法で樹脂粉体を得た。該樹脂粉体の粒径分
布、安息角、耐ブロツキング性を第1表に示す。 比較例 2 実施例6で用いたと同じ熱可塑性樹脂エマルジ
ヨンをポンプにより連続的に第1凝固槽へ供給
し、実施例6の第1凝固槽および第2凝固槽で用
いた硫酸の加算された全量を第1凝固槽へポンプ
により連続的に供給し、第2凝固槽に硫酸を投入
しない以外は実施例1と同様の方法で樹脂粉体を
得た。なお、第1凝固槽のPHは2.5に調節した。
第2凝固槽で得た樹脂粉体の粒径分布、安息角、
耐ブロツキング性を第1表に示す。
第1図および第2図は、それぞれ実施例1およ
び2の第2凝固槽で得られた粉体断面の顕微鏡写
真(200倍)である。
び2の第2凝固槽で得られた粉体断面の顕微鏡写
真(200倍)である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性樹脂エマルジヨンから熱可塑性樹脂
を回収する方法において、凝固剤類の添加を2段
階以上の工程で行い、第1段工程では凝固剤およ
び/または凝固助剤を添加し、第2段以降の工程
では凝固剤、または凝固剤と凝固助剤を添加し、
かつ第1段工程よりも液の温度を高くすることを
特徴とする熱可塑性樹脂の回収方法。 2 第1段工程において、凝固剤および/または
凝固助剤を添加した後の液のPHが3〜7である特
許請求の範囲第1項記載の熱可塑性樹脂の回収方
法。 3 第1段工程において、凝固剤および/または
凝固助剤を添加した後の液が、樹脂エマルジヨン
の50%以上が凝固し、かつ凝固が完結してない不
完全凝固状態である特許請求の範囲第1項記載の
熱可塑性樹脂の回収方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20035982A JPS5991103A (ja) | 1982-11-17 | 1982-11-17 | 熱可塑性樹脂の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20035982A JPS5991103A (ja) | 1982-11-17 | 1982-11-17 | 熱可塑性樹脂の回収方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5991103A JPS5991103A (ja) | 1984-05-25 |
| JPH0151483B2 true JPH0151483B2 (ja) | 1989-11-02 |
Family
ID=16422981
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20035982A Granted JPS5991103A (ja) | 1982-11-17 | 1982-11-17 | 熱可塑性樹脂の回収方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5991103A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0678392B2 (ja) * | 1985-09-28 | 1994-10-05 | 日本合成ゴム株式会社 | 金属腐蝕性が小さいゴム状重合体の製造方法 |
| EP0611788B1 (en) * | 1993-02-16 | 2000-05-03 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd | Method for producing powdery and granular polymers |
| JP5020450B2 (ja) * | 2001-09-28 | 2012-09-05 | ローム アンド ハース カンパニー | 粉体性状に優れた粉末線状重合体の製造方法 |
| JP5029389B2 (ja) * | 2008-01-24 | 2012-09-19 | ダイキン工業株式会社 | 樹脂分散液連続凝析方法 |
-
1982
- 1982-11-17 JP JP20035982A patent/JPS5991103A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5991103A (ja) | 1984-05-25 |
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