JPH0151486B2 - - Google Patents
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- JPH0151486B2 JPH0151486B2 JP8071984A JP8071984A JPH0151486B2 JP H0151486 B2 JPH0151486 B2 JP H0151486B2 JP 8071984 A JP8071984 A JP 8071984A JP 8071984 A JP8071984 A JP 8071984A JP H0151486 B2 JPH0151486 B2 JP H0151486B2
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Description
本発明は改善された硬化速度と高い機械強度及
び剛性を有するジアリルフタレート系樹脂組成物
に関する。 従来、ジアリルフタレート系樹脂は、寸法安定
性、熱時の剛性などの機械的特性、電気的特性な
どに優れ、高い信頼度を要求される分野で広く使
われるが、一方、該樹脂は脆く、靭性が不十分で
ある難点があり、近年、成形品の小型化に伴つ
て、その成形品の肉薄部分や小さな突起部分など
の割れや欠け発生の問題が大きくなつてきた。本
出願人はこのようなジアリルフタレート系樹脂の
性質を改善することを目的として新規なテレフタ
ル酸ジアリルエステル共重合体及びこれを含むジ
アリルフタレート系樹脂組成物を開発し提案した
(特願昭57―189981号特願昭58―10766号)。本発
明者らは上記の樹脂組成物の物性をさらに改善す
るため鋭意研究の結果、フマル酸またはフマル酸
誘導体の添加が機械的強度、剛性等の向上にきわ
めて有効なことを見出し本発明を完成したもので
ある。 すなわち、本発明はテレフタル酸ジアリルエス
テル共重合体を含むジアリルフタレート系樹脂に
フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及び
フマル酸のジアルキルエステルより選ばれる1種
または2種以上の化合物を配合したことを特徴と
する樹脂組成物である。 本発明にいうテレフタル酸ジアリルエステル共
重合体とは式() で表わされるテレフタル酸ジアリルエステルと式
() (但し式中、R1R2はそれぞれ、水素原子およ
び低級アルキル基よりなる群から選ばれた基を示
しnは1〜3の整数を示す)で表わされるベンジ
ル位に少なくとも1個の水素原子を有する芳香族
炭化水素とから導かれたテレフタル酸ジアリルエ
ステル共重合体であつて、(a)・式()モノマー
単位の末端に式()モノマー単位1個が、上記
ベンジル位において式()モノマー単位のアリ
ル基とそのC*および/又はC*と炭素―炭素結合
した構造を有する。さらに(b)・該共重合体の式
()モノマー単位のアリル基で形成された炭素
―炭素結合分子鎖部分の該式()モノマー単位
の数が3〜11個、好ましくは3〜10個であるとい
う構造的特徴を有する共重合体である。 該共重合体の構造を例えば、式()化合物と
してトルエン(R1=R2=H,n=1)を用いた
場合で示すと次式()で表わされる。 上式()において、Rは未反応のアリル基及
び/又は該共重合体の分子鎖部分を構成するアリ
ル基から導かれた鎖 を表わす。このような態様の例として、例えば、
次式() で表わされる構造部分を挙げることができる。
又、上記式()の構造部分中、式()モノマ
ー単位のアリル基で形成された炭素―炭素結合分
子鎖部分の式()モノマー単位の数は式()
に示したとおり3〜11であるが、この炭素―炭素
結合分子鎖部分は、式()に示した頭一尾結
合、即ち、次式() のほかに、下記の式()ごとく頭一頭結合部分
を有することができる。 上記構造部分式()中の式()モノマー単
位は、2つのエステル結合を介して2つの式
()及び()の構造部分を結合させる分岐点
を構成している。 又、Rが未反応のアリル基の場合は、次式
()で表わすことができる。 上記式()構造部分は、テレフタル酸ジアリ
ルエステル共重合体の硬化に際して架橋点となる
部分である。 本発明に用いるテレフタル酸ジアリルエステル
共重合体は、以下に挙げるような諸性質をもつ共
重合体が望ましい。 (c) ウイス(Wijs)法測定によるヨウ素価40〜
85。 (d) 25℃における真比重が1.20〜1.25 (e) 軟化範囲約50〜約120℃ (f) 50%メチルエチルケトン溶液粘度80〜300セ
ンチポイズ(30℃)。 (g) GPC(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグ
ラフイー)法で測定したポリスチレン換算数平
均分子量(n)が4000〜10000、重量平均分
子量(w)が70000〜200000で、且つnと
Mwとの比w/nで表わした分子量分布が
10〜40。 (h) ブラベンダープラストグラフで測定したブラ
ベンダー溶融粘度が250〜2600m・gで、プロ
セツシング時間が5〜65分。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体を製造するにあたつては、原料モノマーである
式()の芳香族炭化水素と式()のテレフタ
ル酸ジアリルエステルとを有機過酸化物もしくは
アゾ化合物触媒の存在下に、好ましくは(a),(b)の
構造及び(e)〜(h)の諸性質をもつ共重合体を得るべ
く反応条件を設定して共重合反応を行わしめるこ
とによつて製造される。 上記式()の芳香族炭化水素のR1及びR2は、
それぞれ、水素原子及び低級アルキル基よりなる
群から選ばれるが、上記低級アルキル基としては
C1〜C5のアルキル基が例示できる。このような
式()化合物の例としては、たとえば、トルエ
ン、エチルベンゼン、n―プロピルベンゼン、イ
ソプロピルベンゼン、n―ブチルベンゼン、イソ
ブチルベンゼン、sec―ブチルベンゼン、n―ア
ミルベンゼン、sec―アミルベンゼン、イソアミ
ルベンゼン、(2―メチルブチル)―ベンゼン、
O―キシレン、m―キシレン、p―キシレン、キ
シレン異性体混合物、プソイドクメン、1,2―
ジエチルベンゼン、1,3―ジエチルベンゼン、
1,4―ジエチルベンゼン、1,2―ジプロピル
ベンゼン、1,3―ジプロピルベンゼン、1,4
―ジプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン
類、p―シメン、1,2―ジブチルベンゼン、
1,3―ジブチルベンゼン、1,4―ジブチルベ
ンゼン、1,2―ジイソアミルベンゼン、1,3
―ジイソアミルベンゼン、1,4―ジイソアミル
ベンゼン、1,2,3―トリメチルベンゼンなど
を例示することができる。 又、有機過酸化物触媒、アゾ化合物触媒の例と
しては、以下の如き化合物を例示することができ
る。 過酸化ジ―tert―ブチル、過酸化―sec―ブチ
ル、過酸化tert―ブチル―sec―ブチル、過酸化
ジクミル等の過酸化ジアルキル類や過酸化ジアリ
ール類。 過酸化ベンゾイル等の過酸化ジアロイル類や過
酸化ジアシル類。 過シユウ酸ジ―tert―ブチル、過安息香酸tert
―ブチル等の如き過カルボン酸のアルキエステル
類;2,2′―アゾビスイソブチロニトリル、2,
2―アゾビス―(2―メチルブチロニトリル)、
2,2′―アゾビス―(2―メチルヘプタニトリ
ル)、1,1′―アゾビス―(1―シクロヘキシル
カルボニトリル)、2,2′―アゾビスイソ酪酸メ
チル、4,4′―アゾビス―(4―シアノペンタン
酸)、アジドベンゼン等の如きアゾ化合物;tert
―ブチルヒドロペルオキシド、sec―ブチルヒド
ロペルオキシド、テトラリルヒドロペルオキシ
ド、クミルヒドロペルオキシド、ベンジルヒドロ
ペルオキシド、ベンズヒドリルヒドロペルオキシ
ド、デカリルヒドロペルオキシド、アセチルペル
オキシド、シクロヘキシルヒドロペルオキシド、
n―デシルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオ
キシド類;更に、分子状酸素によつて、酸化され
やすい化合物、本発明においてはテレフタル酸ジ
アリルエステル、式()で表されるベンジル位
に少くとも1個の水素原子を有する芳香族炭化水
素或いは本発明共重合体が相当するが、これらが
予め或いは共重合反応中に空気または酸素により
酸化して過酸化物を生成させれば、本発明の共重
合反応の触媒として十分使用できる。 なお、上記テレフタル酸ジアリルエステル共重
合体については、本出願人の先の出願に係る特願
昭57―189981号に詳細に記載している。 本発明において用いられるジアリルフタレート
系樹脂とは必須成分として上記のテレフタル酸ジ
アリルエステル共重合体を含み、他の成分として
ジアリルフタレート樹脂のオルソ、イソ、テレの
当該モノマーの重合によつて得られる。通常数平
均分子量2000〜20000、溶剤可溶、加熱可融であ
つて、分子内にアリル基を有する後重合可能なジ
アリルフタレートプリポリマーの単独、あるいは
該プリポリマーと反応性モノマーやオリゴマーと
の混合物及び/又は不飽和ポリエステル及び/又
はエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応
物、すなわちエポキシアクリレート等を含んでも
よい樹脂の総称をいう。 上記反応性モノマーあるいはオリゴマーとして
は、ジアリルオルソフタレート、ジアリルイソフ
タレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルテ
トラクロロまたはブロモオルソ、イソ及びテレフ
タレート、ジアリルクロレンデート、トリアリル
イソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ト
リアリルトリメリテート、トリアリルホスフエー
ト、スチレン、α―クロルスチレン、メチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリ
ル(メタ)アクリレート、メチルアクリレートア
クリルアミド、ダイアセントアクリルアミド、N
―ビニルカルバゾン、N―メチロールアクリルア
ミド、メチレンビスアクリルアミド、メタアクリ
ルアミド、N―ターシアリ―ブチルアクリルアミ
ド、2,4―又は2,6―トリレンジイソシアネ
ート、マレイン酸セミエステル、フタル酸モノア
リルエステル、アリルグリシジルエーテル等、あ
るいはこれらの低分子量重合体等が挙げられ、こ
れらの中から単独で又は適当に組合せて用いるこ
とができる。 反応性モノマーあるいはオリゴマーの配合量は
ジアリルフタレートプリポリマー100重量部あた
り200重量部以下が好ましい。200重量部をこえる
配合は、硬化速度の不当な遅延、硬化収縮率の増
加による成形物の内部歪みの増大等が顕著になり
好ましくない。 又不飽和ポリエステルとしては、不飽和二塩基
酸として、たとえばマレイン酸、無水マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸、メサコン酸等の1種又は2種以上、
飽和二塩基酸として、たとえばコハク酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、及びこれらのハロゲン化物、テトラ
ヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の1種
又は2種以上とエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコールのような多
価アルコールとから合成されるものを指す。各成
分の選択とその組合せは成形品の用途に応じて決
めればよい。たとえば高度の寸法安定性、耐熱性
等が要求される場合はテレフタル酸系の不飽和ポ
リエステルを用いるのが好ましい。不飽和ポリエ
ステルの配合量はジアリルフタレートプリポリマ
ー100重量部あたり400重量部以下が好ましい。
400重量部をこえる場合は、従来保有するジアリ
ルフタレート樹脂の特性が著しく減少すると共に
得られた成形品の耐湿性が低下し好ましくない。 テレフタル酸ジアリルエステル共重合体を上記
のような他のジアリルフタレート系樹脂と混合す
る場合、その比率はジアリルフタレート系樹脂合
計量中、テレフタル酸ジアリルエステル共重合体
を好ましくは5重量%以上さらに好ましくは20重
量%以上とすることが組成物の耐衝撃性を改善す
る上で好ましい。配合量の上限には特に制限な
く、特に耐熱性が要求されるときは該共重合体の
配合比率を大にすればよい。 本発明組成物に配合されるフマル酸のモノアル
キルエステル又はジアルキルエステルとしてはア
ルキル基が直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族炭化
水素基であり、たとえばメチル、エチル、n―プ
ロピル、イソプロピル、n―ブチル、イソブチ
ル、sec―ブチル、tert―ブチル、1―アミル、
イソアミル、ネオペンチル、n―オクチル、2―
エチルヘキシル等が挙げられるが、これら以外の
フマル酸モノ又はジアルキルエステルも使用で
き、単独あるいは適当に組合せて用いることがで
きる。 フマル酸および/又はフマル酸アルキルエステ
ルの配合量はジアリルフタレート系樹脂100重量
部に対し0.01〜5重量部が好ましく0.01重量部未
満では曲げ強さ、剛性、耐衝撃性等の機械的特性
の改善が十分達成されず、また5重量部をこえる
と硬化速度の改善や機械的特性の向上は達成され
るが耐水性や電気的特性が低下する傾向がある。 本発明の組成物を硬化させる硬化剤としては、
過酸化ジ―tert―ブチル、過酸化ジクミル等の過
酸化ジアルキル類や過酸化ジアリール類;メチル
エチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペ
ルオキシドの如きケトンペルオキシド;1,1―
ビス(tert―ブチルペルオキシ)―3,3,5―
トリメチルシクロヘキサンの如きペルオキシケタ
ール;クメンヒドロペルオキシドの如きヒドロペ
ルオキシド;過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化2,4―ジクロルベンゾイルの如き過
酸化ジアロイルや過酸化ジアシル;ジイソプロピ
ルオキシカルボネートの如きペルオキシカルボネ
ート;tert―ブチルペルオキシアセテート、tert
―ブチルペルオキシピバレート、tert―ブチルペ
ルオキシオクトエート、tert―ブチルペルオキシ
ベンゾエートの如きペルオキシエステルが例示で
き、更に上記有機過酸化物以外のアゾビスイソブ
チロニトリルの如きアゾ化合物も同様に用いるこ
とができる。これらの硬化剤はそれぞれ単独で、
あるいは2種以上組合せて使用することができ、
その使用量はジアリルフタレート系樹脂100重量
部あたり0.1〜6重量部である。また重合促進剤
として、たとえばナフテン酸あるいはオクトエ酸
のコバルト塩、バナジウム塩、マンガン塩等の金
属石けん類、ジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ンの如き芳香族第三級アミン類等をジアリルフタ
レート系樹脂100重量部に対し0.005〜6重量部添
加してもよい。 本発明樹脂組成物には充填剤、難燃剤、カツプ
リング剤、重合抑制剤、内部離型剤、顔料その他
の添加剤を、該組成物の特性を損わない範囲で必
要に応じて自由に配合することができる。充填剤
の例としては無機質充填剤として、タルク、マイ
カ、アスベスト、ガラス粉末、シリカ、クレー、
シラス、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、アルミナ、ガラス繊維、アスベスト繊
維、アルミナ繊維、炭素繊維、ボロン繊維、ベリ
リウム繊維、スチール繊維、ホイスカー等、有機
質の充填剤としては、セルロース等の天然繊維、
パルプ、アクリル繊維、ポリエチレンテレフタレ
ート等のポリエステル系繊維、木綿、レーヨン、
ビニロン(商品名)等が挙げられ樹脂分の重量に
基いて約1〜約300重量%の使用量を例示できる。
難燃剤の例としては、酸化アンチモン、水酸化ア
ルミニウム等の無機化合物、トリス(クロロエチ
ル)ホスフエート、トリス(2―ブロモ―3―ク
ロロプロピル)ホスフエート、ポリりん酸アンモ
ニウム等のりん系化合物、塩素化パラフイン、ジ
アリルクロレンデート等の塩素系化合物、デカブ
ロモジフエニルエーテル、テトラブロモ無水フタ
ル酸等の臭素系化合物等ジアリルフタレート系樹
脂において公知のものが挙げられる。カツプリン
グ剤としてはγ―メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリ
ルトリメトキシシラン等を例示することができ
る。重合抑制剤としてはP―ベンゾキノン、ナフ
トキノンの如きキノン類、ハイドロキノン、P―
tert―ブチルカテコール、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル、P―クレゾールの如き多価フエノ
ール類、塩化トリメチルアンモニウムの如き第四
級アンモニウム塩類等を例示できる。 内部離型剤としては、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
ムの如きステアリン酸の金属塩を例示できる。顔
料としては、カーボンブラツク、鉄黒、カドミイ
エロー、ベンジジンイエロー、カドミオレンジ、
ベンガラ、カドミレツド、コバルトブルー、アン
トラキノンブルーの如き顔料を例示できる。 本発明組成物の成形方法としては、従来のジア
リルフタレート系樹脂と同様な公知の成形方法及
び成形条件がそのまま採用できる。またフマル酸
およびフマル酸誘導体はジアリルフタレート系樹
脂とインテグラルブレンドしてもよいし、繊維シ
ート等の補強剤や充填剤の前処理剤として使用し
てもよい。このような前処理剤として使用する場
合は、該フマル酸やフマル酸誘導体を適当な溶剤
に溶解せしめこれを充填剤や補強材に合浸させた
後、溶剤を除去すればよい。 本発明樹脂組成物は従来のジアリルフタレート
系樹脂組成物より硬化速度が速いため、成形サイ
クルを大幅に短縮することが可能であるほか、得
られた成形品は従来のジアリルフタレート系樹脂
の欠点とされていた脆さを顕著に改善し、それに
加えて改善された曲げ強さ及び耐熱性を有しジア
リルフタレート系樹脂の優れた特徴とされていた
寸法安定性、耐薬品性、耐湿性、電気特性を保有
するという特性を示す。またフマル酸、フマル酸
誘導体を配合しないテレフタル酸ジアリル共重合
体配合ジアリルフタレート系樹脂に比較しても一
段と高い機械的強度及び剛性を示す。硬化速度が
改善されるのはフマル酸及びフマル酸誘導体とジ
アリルフタレート系樹脂との共重合性が良いため
と思われ、強度及び剛性の向上はフマル酸及びフ
マル酸誘導体のカツプリング効果により樹脂と成
形時に用いられる各種補強剤、充填剤との密着性
が向上することに起因すると思われる。以下実施
例および比較例により説明する。 テレフタル酸ジアリルエステル共重合体の製造例
1〜2 タービン翼式可変式撹拌機、モノマー及び触媒
供給用二重管式供給ノズル、チツ素パージ口、リ
ーク弁、サンプリング口、温度計及び圧力計を備
えた内径600mm、内容積120のジヤケツト付
SUS304製重合槽を使用した。モノマー及び触媒
供給用二重管式供給ノズルは重合層の胴部の液面
下に取り付け、重合槽にはいる前からは外管の内
径を1.5mmとし、供給配管中での滞留時間をでき
るだけ短くした。ノズルの閉塞に備えて、このよ
うなノズルを3個設置した。サンプリング口も重
合槽の胴部に設置し、重合反応中内圧を利用し
て、液相のサンプルが採取できるようにした。チ
ツ素パージ口には油回転式真空ポンプとチツ素ボ
ンベを接続し、必要に応じて切替えられるように
した。 上記重合槽に、後掲表1に示した式()芳香
族炭火水素(HC)の60Kgを仕込み、常温で、真
空ポンプで減圧し、チツ素ガスで常圧に戻す操作
を3回繰返して槽内の空気をチツ素で置換したの
ち、再び減圧にし、重合槽を密閉した。撹拌機を
起動して240RPMで撹拌しながら、ジヤケツトに
スチームを通じて、温度140℃に昇温した。 撹拌速度を上げて720RPMとし、二重管式ノズ
ルの外管からテレフタル酸ジアリルエステルを所
定の速度で、また同時に過酸化ジ―tert―ブチル
(DTBPO)と式()芳香族炭化水素(HC)を
モル比0.5:1となるように予め混合しておいた
ものを所定の速度で、吐出圧70Kg/cm2のポンプで
重合槽へ供給した。この間、重合槽の温度は140
℃を保つようにスチームを調節した。なお供給す
べき式()テレフタル酸ジアリルエステル
(DAT)は15℃に、過酸化ジ―tert―ブチルと芳
香族炭化水素の混合物は5℃にそれぞれ冷却し、
重合槽へ至る配管はそれぞれ保冷した。重合槽圧
力は0.3〜2Kg/cm2Gであつた。 所定量のテレフタル酸ジアリルエステル、芳香
族炭化水素、過酸化ジ―tert―ブチルの供給が終
了すれば、スチームをとめ、撹拌速度を下げて
240RPMとし、ジヤケツトに冷却水を通して冷却
した。常温付近まで冷却したのち、リーク弁を開
けて、常圧に戻し、重合反応を終了した。 重合反応中はサンプリング口から適宜サンプル
を採取して、屈折率、及びGPCで反応を追跡し
た。 テレフタル酸ジアリルエステル、芳香族炭化水
素及び過酸化ジ―tert―ブチルの供給速度と供給
量を後掲表1に示した。 上で得られた重合反応液を、薄膜式蒸発器を用
いて、揮発分を留去し、蒸発残分中の未反応芳香
族炭化水素の、共重合体と未反応テレフタル酸ジ
アリルエステルの合計に対する比率を、重量で
0.3:1とし、次いで蒸発残分を、供給したテレ
フタル酸ジアリルエステルの、重量で5倍のメタ
ノールを仕込んだ撹拌槽に滴下しながら撹拌し、
共重合体を析出させた。析出した共重合体を同量
のメタノールでよく洗い、ろ過、乾燥、粉砕して
粉末状の共重合体を得た。 共重合体の収率及び物性を表1に示した。
び剛性を有するジアリルフタレート系樹脂組成物
に関する。 従来、ジアリルフタレート系樹脂は、寸法安定
性、熱時の剛性などの機械的特性、電気的特性な
どに優れ、高い信頼度を要求される分野で広く使
われるが、一方、該樹脂は脆く、靭性が不十分で
ある難点があり、近年、成形品の小型化に伴つ
て、その成形品の肉薄部分や小さな突起部分など
の割れや欠け発生の問題が大きくなつてきた。本
出願人はこのようなジアリルフタレート系樹脂の
性質を改善することを目的として新規なテレフタ
ル酸ジアリルエステル共重合体及びこれを含むジ
アリルフタレート系樹脂組成物を開発し提案した
(特願昭57―189981号特願昭58―10766号)。本発
明者らは上記の樹脂組成物の物性をさらに改善す
るため鋭意研究の結果、フマル酸またはフマル酸
誘導体の添加が機械的強度、剛性等の向上にきわ
めて有効なことを見出し本発明を完成したもので
ある。 すなわち、本発明はテレフタル酸ジアリルエス
テル共重合体を含むジアリルフタレート系樹脂に
フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及び
フマル酸のジアルキルエステルより選ばれる1種
または2種以上の化合物を配合したことを特徴と
する樹脂組成物である。 本発明にいうテレフタル酸ジアリルエステル共
重合体とは式() で表わされるテレフタル酸ジアリルエステルと式
() (但し式中、R1R2はそれぞれ、水素原子およ
び低級アルキル基よりなる群から選ばれた基を示
しnは1〜3の整数を示す)で表わされるベンジ
ル位に少なくとも1個の水素原子を有する芳香族
炭化水素とから導かれたテレフタル酸ジアリルエ
ステル共重合体であつて、(a)・式()モノマー
単位の末端に式()モノマー単位1個が、上記
ベンジル位において式()モノマー単位のアリ
ル基とそのC*および/又はC*と炭素―炭素結合
した構造を有する。さらに(b)・該共重合体の式
()モノマー単位のアリル基で形成された炭素
―炭素結合分子鎖部分の該式()モノマー単位
の数が3〜11個、好ましくは3〜10個であるとい
う構造的特徴を有する共重合体である。 該共重合体の構造を例えば、式()化合物と
してトルエン(R1=R2=H,n=1)を用いた
場合で示すと次式()で表わされる。 上式()において、Rは未反応のアリル基及
び/又は該共重合体の分子鎖部分を構成するアリ
ル基から導かれた鎖 を表わす。このような態様の例として、例えば、
次式() で表わされる構造部分を挙げることができる。
又、上記式()の構造部分中、式()モノマ
ー単位のアリル基で形成された炭素―炭素結合分
子鎖部分の式()モノマー単位の数は式()
に示したとおり3〜11であるが、この炭素―炭素
結合分子鎖部分は、式()に示した頭一尾結
合、即ち、次式() のほかに、下記の式()ごとく頭一頭結合部分
を有することができる。 上記構造部分式()中の式()モノマー単
位は、2つのエステル結合を介して2つの式
()及び()の構造部分を結合させる分岐点
を構成している。 又、Rが未反応のアリル基の場合は、次式
()で表わすことができる。 上記式()構造部分は、テレフタル酸ジアリ
ルエステル共重合体の硬化に際して架橋点となる
部分である。 本発明に用いるテレフタル酸ジアリルエステル
共重合体は、以下に挙げるような諸性質をもつ共
重合体が望ましい。 (c) ウイス(Wijs)法測定によるヨウ素価40〜
85。 (d) 25℃における真比重が1.20〜1.25 (e) 軟化範囲約50〜約120℃ (f) 50%メチルエチルケトン溶液粘度80〜300セ
ンチポイズ(30℃)。 (g) GPC(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグ
ラフイー)法で測定したポリスチレン換算数平
均分子量(n)が4000〜10000、重量平均分
子量(w)が70000〜200000で、且つnと
Mwとの比w/nで表わした分子量分布が
10〜40。 (h) ブラベンダープラストグラフで測定したブラ
ベンダー溶融粘度が250〜2600m・gで、プロ
セツシング時間が5〜65分。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体を製造するにあたつては、原料モノマーである
式()の芳香族炭化水素と式()のテレフタ
ル酸ジアリルエステルとを有機過酸化物もしくは
アゾ化合物触媒の存在下に、好ましくは(a),(b)の
構造及び(e)〜(h)の諸性質をもつ共重合体を得るべ
く反応条件を設定して共重合反応を行わしめるこ
とによつて製造される。 上記式()の芳香族炭化水素のR1及びR2は、
それぞれ、水素原子及び低級アルキル基よりなる
群から選ばれるが、上記低級アルキル基としては
C1〜C5のアルキル基が例示できる。このような
式()化合物の例としては、たとえば、トルエ
ン、エチルベンゼン、n―プロピルベンゼン、イ
ソプロピルベンゼン、n―ブチルベンゼン、イソ
ブチルベンゼン、sec―ブチルベンゼン、n―ア
ミルベンゼン、sec―アミルベンゼン、イソアミ
ルベンゼン、(2―メチルブチル)―ベンゼン、
O―キシレン、m―キシレン、p―キシレン、キ
シレン異性体混合物、プソイドクメン、1,2―
ジエチルベンゼン、1,3―ジエチルベンゼン、
1,4―ジエチルベンゼン、1,2―ジプロピル
ベンゼン、1,3―ジプロピルベンゼン、1,4
―ジプロピルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン
類、p―シメン、1,2―ジブチルベンゼン、
1,3―ジブチルベンゼン、1,4―ジブチルベ
ンゼン、1,2―ジイソアミルベンゼン、1,3
―ジイソアミルベンゼン、1,4―ジイソアミル
ベンゼン、1,2,3―トリメチルベンゼンなど
を例示することができる。 又、有機過酸化物触媒、アゾ化合物触媒の例と
しては、以下の如き化合物を例示することができ
る。 過酸化ジ―tert―ブチル、過酸化―sec―ブチ
ル、過酸化tert―ブチル―sec―ブチル、過酸化
ジクミル等の過酸化ジアルキル類や過酸化ジアリ
ール類。 過酸化ベンゾイル等の過酸化ジアロイル類や過
酸化ジアシル類。 過シユウ酸ジ―tert―ブチル、過安息香酸tert
―ブチル等の如き過カルボン酸のアルキエステル
類;2,2′―アゾビスイソブチロニトリル、2,
2―アゾビス―(2―メチルブチロニトリル)、
2,2′―アゾビス―(2―メチルヘプタニトリ
ル)、1,1′―アゾビス―(1―シクロヘキシル
カルボニトリル)、2,2′―アゾビスイソ酪酸メ
チル、4,4′―アゾビス―(4―シアノペンタン
酸)、アジドベンゼン等の如きアゾ化合物;tert
―ブチルヒドロペルオキシド、sec―ブチルヒド
ロペルオキシド、テトラリルヒドロペルオキシ
ド、クミルヒドロペルオキシド、ベンジルヒドロ
ペルオキシド、ベンズヒドリルヒドロペルオキシ
ド、デカリルヒドロペルオキシド、アセチルペル
オキシド、シクロヘキシルヒドロペルオキシド、
n―デシルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオ
キシド類;更に、分子状酸素によつて、酸化され
やすい化合物、本発明においてはテレフタル酸ジ
アリルエステル、式()で表されるベンジル位
に少くとも1個の水素原子を有する芳香族炭化水
素或いは本発明共重合体が相当するが、これらが
予め或いは共重合反応中に空気または酸素により
酸化して過酸化物を生成させれば、本発明の共重
合反応の触媒として十分使用できる。 なお、上記テレフタル酸ジアリルエステル共重
合体については、本出願人の先の出願に係る特願
昭57―189981号に詳細に記載している。 本発明において用いられるジアリルフタレート
系樹脂とは必須成分として上記のテレフタル酸ジ
アリルエステル共重合体を含み、他の成分として
ジアリルフタレート樹脂のオルソ、イソ、テレの
当該モノマーの重合によつて得られる。通常数平
均分子量2000〜20000、溶剤可溶、加熱可融であ
つて、分子内にアリル基を有する後重合可能なジ
アリルフタレートプリポリマーの単独、あるいは
該プリポリマーと反応性モノマーやオリゴマーと
の混合物及び/又は不飽和ポリエステル及び/又
はエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応
物、すなわちエポキシアクリレート等を含んでも
よい樹脂の総称をいう。 上記反応性モノマーあるいはオリゴマーとして
は、ジアリルオルソフタレート、ジアリルイソフ
タレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルテ
トラクロロまたはブロモオルソ、イソ及びテレフ
タレート、ジアリルクロレンデート、トリアリル
イソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ト
リアリルトリメリテート、トリアリルホスフエー
ト、スチレン、α―クロルスチレン、メチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリ
ル(メタ)アクリレート、メチルアクリレートア
クリルアミド、ダイアセントアクリルアミド、N
―ビニルカルバゾン、N―メチロールアクリルア
ミド、メチレンビスアクリルアミド、メタアクリ
ルアミド、N―ターシアリ―ブチルアクリルアミ
ド、2,4―又は2,6―トリレンジイソシアネ
ート、マレイン酸セミエステル、フタル酸モノア
リルエステル、アリルグリシジルエーテル等、あ
るいはこれらの低分子量重合体等が挙げられ、こ
れらの中から単独で又は適当に組合せて用いるこ
とができる。 反応性モノマーあるいはオリゴマーの配合量は
ジアリルフタレートプリポリマー100重量部あた
り200重量部以下が好ましい。200重量部をこえる
配合は、硬化速度の不当な遅延、硬化収縮率の増
加による成形物の内部歪みの増大等が顕著になり
好ましくない。 又不飽和ポリエステルとしては、不飽和二塩基
酸として、たとえばマレイン酸、無水マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸、メサコン酸等の1種又は2種以上、
飽和二塩基酸として、たとえばコハク酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、及びこれらのハロゲン化物、テトラ
ヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の1種
又は2種以上とエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコールのような多
価アルコールとから合成されるものを指す。各成
分の選択とその組合せは成形品の用途に応じて決
めればよい。たとえば高度の寸法安定性、耐熱性
等が要求される場合はテレフタル酸系の不飽和ポ
リエステルを用いるのが好ましい。不飽和ポリエ
ステルの配合量はジアリルフタレートプリポリマ
ー100重量部あたり400重量部以下が好ましい。
400重量部をこえる場合は、従来保有するジアリ
ルフタレート樹脂の特性が著しく減少すると共に
得られた成形品の耐湿性が低下し好ましくない。 テレフタル酸ジアリルエステル共重合体を上記
のような他のジアリルフタレート系樹脂と混合す
る場合、その比率はジアリルフタレート系樹脂合
計量中、テレフタル酸ジアリルエステル共重合体
を好ましくは5重量%以上さらに好ましくは20重
量%以上とすることが組成物の耐衝撃性を改善す
る上で好ましい。配合量の上限には特に制限な
く、特に耐熱性が要求されるときは該共重合体の
配合比率を大にすればよい。 本発明組成物に配合されるフマル酸のモノアル
キルエステル又はジアルキルエステルとしてはア
ルキル基が直鎖状又は分岐鎖状の飽和脂肪族炭化
水素基であり、たとえばメチル、エチル、n―プ
ロピル、イソプロピル、n―ブチル、イソブチ
ル、sec―ブチル、tert―ブチル、1―アミル、
イソアミル、ネオペンチル、n―オクチル、2―
エチルヘキシル等が挙げられるが、これら以外の
フマル酸モノ又はジアルキルエステルも使用で
き、単独あるいは適当に組合せて用いることがで
きる。 フマル酸および/又はフマル酸アルキルエステ
ルの配合量はジアリルフタレート系樹脂100重量
部に対し0.01〜5重量部が好ましく0.01重量部未
満では曲げ強さ、剛性、耐衝撃性等の機械的特性
の改善が十分達成されず、また5重量部をこえる
と硬化速度の改善や機械的特性の向上は達成され
るが耐水性や電気的特性が低下する傾向がある。 本発明の組成物を硬化させる硬化剤としては、
過酸化ジ―tert―ブチル、過酸化ジクミル等の過
酸化ジアルキル類や過酸化ジアリール類;メチル
エチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペ
ルオキシドの如きケトンペルオキシド;1,1―
ビス(tert―ブチルペルオキシ)―3,3,5―
トリメチルシクロヘキサンの如きペルオキシケタ
ール;クメンヒドロペルオキシドの如きヒドロペ
ルオキシド;過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化2,4―ジクロルベンゾイルの如き過
酸化ジアロイルや過酸化ジアシル;ジイソプロピ
ルオキシカルボネートの如きペルオキシカルボネ
ート;tert―ブチルペルオキシアセテート、tert
―ブチルペルオキシピバレート、tert―ブチルペ
ルオキシオクトエート、tert―ブチルペルオキシ
ベンゾエートの如きペルオキシエステルが例示で
き、更に上記有機過酸化物以外のアゾビスイソブ
チロニトリルの如きアゾ化合物も同様に用いるこ
とができる。これらの硬化剤はそれぞれ単独で、
あるいは2種以上組合せて使用することができ、
その使用量はジアリルフタレート系樹脂100重量
部あたり0.1〜6重量部である。また重合促進剤
として、たとえばナフテン酸あるいはオクトエ酸
のコバルト塩、バナジウム塩、マンガン塩等の金
属石けん類、ジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ンの如き芳香族第三級アミン類等をジアリルフタ
レート系樹脂100重量部に対し0.005〜6重量部添
加してもよい。 本発明樹脂組成物には充填剤、難燃剤、カツプ
リング剤、重合抑制剤、内部離型剤、顔料その他
の添加剤を、該組成物の特性を損わない範囲で必
要に応じて自由に配合することができる。充填剤
の例としては無機質充填剤として、タルク、マイ
カ、アスベスト、ガラス粉末、シリカ、クレー、
シラス、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、アルミナ、ガラス繊維、アスベスト繊
維、アルミナ繊維、炭素繊維、ボロン繊維、ベリ
リウム繊維、スチール繊維、ホイスカー等、有機
質の充填剤としては、セルロース等の天然繊維、
パルプ、アクリル繊維、ポリエチレンテレフタレ
ート等のポリエステル系繊維、木綿、レーヨン、
ビニロン(商品名)等が挙げられ樹脂分の重量に
基いて約1〜約300重量%の使用量を例示できる。
難燃剤の例としては、酸化アンチモン、水酸化ア
ルミニウム等の無機化合物、トリス(クロロエチ
ル)ホスフエート、トリス(2―ブロモ―3―ク
ロロプロピル)ホスフエート、ポリりん酸アンモ
ニウム等のりん系化合物、塩素化パラフイン、ジ
アリルクロレンデート等の塩素系化合物、デカブ
ロモジフエニルエーテル、テトラブロモ無水フタ
ル酸等の臭素系化合物等ジアリルフタレート系樹
脂において公知のものが挙げられる。カツプリン
グ剤としてはγ―メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリ
ルトリメトキシシラン等を例示することができ
る。重合抑制剤としてはP―ベンゾキノン、ナフ
トキノンの如きキノン類、ハイドロキノン、P―
tert―ブチルカテコール、ハイドロキノンモノメ
チルエーテル、P―クレゾールの如き多価フエノ
ール類、塩化トリメチルアンモニウムの如き第四
級アンモニウム塩類等を例示できる。 内部離型剤としては、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウ
ムの如きステアリン酸の金属塩を例示できる。顔
料としては、カーボンブラツク、鉄黒、カドミイ
エロー、ベンジジンイエロー、カドミオレンジ、
ベンガラ、カドミレツド、コバルトブルー、アン
トラキノンブルーの如き顔料を例示できる。 本発明組成物の成形方法としては、従来のジア
リルフタレート系樹脂と同様な公知の成形方法及
び成形条件がそのまま採用できる。またフマル酸
およびフマル酸誘導体はジアリルフタレート系樹
脂とインテグラルブレンドしてもよいし、繊維シ
ート等の補強剤や充填剤の前処理剤として使用し
てもよい。このような前処理剤として使用する場
合は、該フマル酸やフマル酸誘導体を適当な溶剤
に溶解せしめこれを充填剤や補強材に合浸させた
後、溶剤を除去すればよい。 本発明樹脂組成物は従来のジアリルフタレート
系樹脂組成物より硬化速度が速いため、成形サイ
クルを大幅に短縮することが可能であるほか、得
られた成形品は従来のジアリルフタレート系樹脂
の欠点とされていた脆さを顕著に改善し、それに
加えて改善された曲げ強さ及び耐熱性を有しジア
リルフタレート系樹脂の優れた特徴とされていた
寸法安定性、耐薬品性、耐湿性、電気特性を保有
するという特性を示す。またフマル酸、フマル酸
誘導体を配合しないテレフタル酸ジアリル共重合
体配合ジアリルフタレート系樹脂に比較しても一
段と高い機械的強度及び剛性を示す。硬化速度が
改善されるのはフマル酸及びフマル酸誘導体とジ
アリルフタレート系樹脂との共重合性が良いため
と思われ、強度及び剛性の向上はフマル酸及びフ
マル酸誘導体のカツプリング効果により樹脂と成
形時に用いられる各種補強剤、充填剤との密着性
が向上することに起因すると思われる。以下実施
例および比較例により説明する。 テレフタル酸ジアリルエステル共重合体の製造例
1〜2 タービン翼式可変式撹拌機、モノマー及び触媒
供給用二重管式供給ノズル、チツ素パージ口、リ
ーク弁、サンプリング口、温度計及び圧力計を備
えた内径600mm、内容積120のジヤケツト付
SUS304製重合槽を使用した。モノマー及び触媒
供給用二重管式供給ノズルは重合層の胴部の液面
下に取り付け、重合槽にはいる前からは外管の内
径を1.5mmとし、供給配管中での滞留時間をでき
るだけ短くした。ノズルの閉塞に備えて、このよ
うなノズルを3個設置した。サンプリング口も重
合槽の胴部に設置し、重合反応中内圧を利用し
て、液相のサンプルが採取できるようにした。チ
ツ素パージ口には油回転式真空ポンプとチツ素ボ
ンベを接続し、必要に応じて切替えられるように
した。 上記重合槽に、後掲表1に示した式()芳香
族炭火水素(HC)の60Kgを仕込み、常温で、真
空ポンプで減圧し、チツ素ガスで常圧に戻す操作
を3回繰返して槽内の空気をチツ素で置換したの
ち、再び減圧にし、重合槽を密閉した。撹拌機を
起動して240RPMで撹拌しながら、ジヤケツトに
スチームを通じて、温度140℃に昇温した。 撹拌速度を上げて720RPMとし、二重管式ノズ
ルの外管からテレフタル酸ジアリルエステルを所
定の速度で、また同時に過酸化ジ―tert―ブチル
(DTBPO)と式()芳香族炭化水素(HC)を
モル比0.5:1となるように予め混合しておいた
ものを所定の速度で、吐出圧70Kg/cm2のポンプで
重合槽へ供給した。この間、重合槽の温度は140
℃を保つようにスチームを調節した。なお供給す
べき式()テレフタル酸ジアリルエステル
(DAT)は15℃に、過酸化ジ―tert―ブチルと芳
香族炭化水素の混合物は5℃にそれぞれ冷却し、
重合槽へ至る配管はそれぞれ保冷した。重合槽圧
力は0.3〜2Kg/cm2Gであつた。 所定量のテレフタル酸ジアリルエステル、芳香
族炭化水素、過酸化ジ―tert―ブチルの供給が終
了すれば、スチームをとめ、撹拌速度を下げて
240RPMとし、ジヤケツトに冷却水を通して冷却
した。常温付近まで冷却したのち、リーク弁を開
けて、常圧に戻し、重合反応を終了した。 重合反応中はサンプリング口から適宜サンプル
を採取して、屈折率、及びGPCで反応を追跡し
た。 テレフタル酸ジアリルエステル、芳香族炭化水
素及び過酸化ジ―tert―ブチルの供給速度と供給
量を後掲表1に示した。 上で得られた重合反応液を、薄膜式蒸発器を用
いて、揮発分を留去し、蒸発残分中の未反応芳香
族炭化水素の、共重合体と未反応テレフタル酸ジ
アリルエステルの合計に対する比率を、重量で
0.3:1とし、次いで蒸発残分を、供給したテレ
フタル酸ジアリルエステルの、重量で5倍のメタ
ノールを仕込んだ撹拌槽に滴下しながら撹拌し、
共重合体を析出させた。析出した共重合体を同量
のメタノールでよく洗い、ろ過、乾燥、粉砕して
粉末状の共重合体を得た。 共重合体の収率及び物性を表1に示した。
【表】
【表】
上記表1において
(1)は、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフ法
によりポリスチレン換算測定値で、ウオーターズ
社製「150CGPC」装置を用いた。 (2)は、ハトラー社製「PF61」光透過式自動融
点測定装置を用いた。 (3)は、ブラペンダー社(独)製のブラペンダー
プラストグラフによる測定値。 混練室容量50c.c.、ロータ型式W50H、試料50g
+ステアリン酸亜鉛0.5g、混練室温度130℃、ロ
ータ回転数22RPMで混練抵抗が5000m・gに達
するまで行い、記録紙のトルク曲線から、トルク
最低値をブラペンダー溶融粘度とし、試料投入終
了時から5000m・gまでの時間をプロセツシング
時間とした。 実施例1〜7 比較例1〜4 表2に示す各組成物をよく混合した後、ロール
練に(前ロール90〜100℃、後ロール60〜80℃、
混練時間6分)してシート状とし、これをヘンシ
エルミキサーで粉砕してコンパウンドとした。上
記コンパウンドを20〜30gとり、金型を用いて手
動プレスで直径50mm、厚さ10mmのほぼ円板状のタ
ブレツトをつくり、高周波予熱器で約80℃に予熱
した後、直ちに所定の温度に調整しておいた圧縮
成形用金型のキヤビテイの中央部に置き、自動プ
レスで全型温度160℃、圧力100Kg/cm2で5〜20分
間成形し、直径100mm、厚さ2mmの円板状成形品
を得た。各プレス時間で得られた成型品を沸騰ク
ロロフオルム中に1時間侵漬後取出し成型品表面
がクロロフオルム煮沸前と比較して何ら変化がな
くなるプレス時間を最低硬化時間とした。最抵硬
化時間で成形した成型品について、JISK―6911
に準ずる一般試験、JISK―7211に準ずる落錘衝
撃試験を行い、その結果を表2に示した。なお、
表2の成型品物性中、落錘衝撃値は以下の方法で
測定した。 すなわち成形品2枚から36個のテストピースを
ダイヤモンドカツターで切り出し測定にあてた。
試験機は、デユポン式落球試験機(荷重500g、
支持台フラツト、撃芯1/2インチR)を用い、デ
イクソン・モード法により50%破壊高さを求め
た。 (参考:JISK―7211)。
によりポリスチレン換算測定値で、ウオーターズ
社製「150CGPC」装置を用いた。 (2)は、ハトラー社製「PF61」光透過式自動融
点測定装置を用いた。 (3)は、ブラペンダー社(独)製のブラペンダー
プラストグラフによる測定値。 混練室容量50c.c.、ロータ型式W50H、試料50g
+ステアリン酸亜鉛0.5g、混練室温度130℃、ロ
ータ回転数22RPMで混練抵抗が5000m・gに達
するまで行い、記録紙のトルク曲線から、トルク
最低値をブラペンダー溶融粘度とし、試料投入終
了時から5000m・gまでの時間をプロセツシング
時間とした。 実施例1〜7 比較例1〜4 表2に示す各組成物をよく混合した後、ロール
練に(前ロール90〜100℃、後ロール60〜80℃、
混練時間6分)してシート状とし、これをヘンシ
エルミキサーで粉砕してコンパウンドとした。上
記コンパウンドを20〜30gとり、金型を用いて手
動プレスで直径50mm、厚さ10mmのほぼ円板状のタ
ブレツトをつくり、高周波予熱器で約80℃に予熱
した後、直ちに所定の温度に調整しておいた圧縮
成形用金型のキヤビテイの中央部に置き、自動プ
レスで全型温度160℃、圧力100Kg/cm2で5〜20分
間成形し、直径100mm、厚さ2mmの円板状成形品
を得た。各プレス時間で得られた成型品を沸騰ク
ロロフオルム中に1時間侵漬後取出し成型品表面
がクロロフオルム煮沸前と比較して何ら変化がな
くなるプレス時間を最低硬化時間とした。最抵硬
化時間で成形した成型品について、JISK―6911
に準ずる一般試験、JISK―7211に準ずる落錘衝
撃試験を行い、その結果を表2に示した。なお、
表2の成型品物性中、落錘衝撃値は以下の方法で
測定した。 すなわち成形品2枚から36個のテストピースを
ダイヤモンドカツターで切り出し測定にあてた。
試験機は、デユポン式落球試験機(荷重500g、
支持台フラツト、撃芯1/2インチR)を用い、デ
イクソン・モード法により50%破壊高さを求め
た。 (参考:JISK―7211)。
【表】
(4) 旭フアイバーグラス社製品。
(5) 〓A−174〓 (日本ユニカー社製品)
実施例8 比較例5 フマル酸0.5重量%水溶液を調整し、これに坪
量200g/m2のガラスクロス(L7628―S502、(株)
有沢製作所製品)を含浸し、風乾後110℃で2時
間熱風乾燥して約0.6g/m2のフマル酸をコーテ
イングしたガラスクロスを得た。別に次に示す配
合の組成物を濃度50重量%になるようにメチルエ
チルケトンに溶解した。 テレフタル酸ジアリル共重合体(製造例)
95部 ジアリルテレフレートモノマー 5部 ターシヤリーブチルパーベンゾエート 2部 この樹脂溶液に上記の処理で得たガラスクロス
を含浸し、風乾後90℃で20分熱風乾燥してプリプ
レグを得た。これを8枚重ね合せクツシヨン板を
介し熱板温度160℃、圧力30Kg/cm2で25分間プレ
スして厚み約1.6mmの積層板を得た。比較のため
フマル酸処理を施さないガラスクロスを使用し、
プレス時間を40分とした以外は上記と全く同様に
して積層板を得た。樹脂量はいずれも46重量%で
あり、次表にJISK―6911による積層板の曲げ特
性の測定結果を配した。 表 3 実施例6 比較例5 曲げ強さ 54Kg/mm2 41Kg/mm2 曲げ弾性率 1810 〃 1560 〃
(5) 〓A−174〓 (日本ユニカー社製品)
実施例8 比較例5 フマル酸0.5重量%水溶液を調整し、これに坪
量200g/m2のガラスクロス(L7628―S502、(株)
有沢製作所製品)を含浸し、風乾後110℃で2時
間熱風乾燥して約0.6g/m2のフマル酸をコーテ
イングしたガラスクロスを得た。別に次に示す配
合の組成物を濃度50重量%になるようにメチルエ
チルケトンに溶解した。 テレフタル酸ジアリル共重合体(製造例)
95部 ジアリルテレフレートモノマー 5部 ターシヤリーブチルパーベンゾエート 2部 この樹脂溶液に上記の処理で得たガラスクロス
を含浸し、風乾後90℃で20分熱風乾燥してプリプ
レグを得た。これを8枚重ね合せクツシヨン板を
介し熱板温度160℃、圧力30Kg/cm2で25分間プレ
スして厚み約1.6mmの積層板を得た。比較のため
フマル酸処理を施さないガラスクロスを使用し、
プレス時間を40分とした以外は上記と全く同様に
して積層板を得た。樹脂量はいずれも46重量%で
あり、次表にJISK―6911による積層板の曲げ特
性の測定結果を配した。 表 3 実施例6 比較例5 曲げ強さ 54Kg/mm2 41Kg/mm2 曲げ弾性率 1810 〃 1560 〃
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 テレフタル酸ジアリルエステル共重合体を含
むジアリルフタレート系樹脂に、フマル酸、フマ
ル酸のモノアルキルエステル及びフマル酸のジア
ルキルエステルから選ばれる1種または2種以上
の化合物を配合したことを特徴とする樹脂組成
物。 但し上記テレフタル酸ジアリルエステル共重合
体とはテレフタル酸ジアリルエステルと次式で表
わされるベンジル位に少なくとも1個の水素原子
を有する芳香族炭化水素との共重合体をいう。 上式中R1及びR2は、それぞれ水素原子及び低
級アルキル基よりなる群から選ばれた基を示し、
n=1〜3の整数である。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8071984A JPS60223814A (ja) | 1984-04-20 | 1984-04-20 | 樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8071984A JPS60223814A (ja) | 1984-04-20 | 1984-04-20 | 樹脂組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60223814A JPS60223814A (ja) | 1985-11-08 |
| JPH0151486B2 true JPH0151486B2 (ja) | 1989-11-02 |
Family
ID=13726158
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8071984A Granted JPS60223814A (ja) | 1984-04-20 | 1984-04-20 | 樹脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60223814A (ja) |
-
1984
- 1984-04-20 JP JP8071984A patent/JPS60223814A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60223814A (ja) | 1985-11-08 |
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