JPH0155282B2 - - Google Patents
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- JPH0155282B2 JPH0155282B2 JP8924282A JP8924282A JPH0155282B2 JP H0155282 B2 JPH0155282 B2 JP H0155282B2 JP 8924282 A JP8924282 A JP 8924282A JP 8924282 A JP8924282 A JP 8924282A JP H0155282 B2 JPH0155282 B2 JP H0155282B2
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Description
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物(ケン化度85%以上)を該共重合体のメタノ
ール溶液または第3級ブチルアルコール(以下t
−ブタノールと記す)−メタノール混合溶液にア
ルカリまたはアルカリ金属アルコラートを存在せ
しめてケン化することにより得るに当り、メタノ
ールまたはt−ブタノールを重合溶剤とし、ラジ
カル開始剤を使用し、該溶剤濃度を20重量%以
下、温度を35〜80℃の条件を保持し、かつ平均滞
留時間、使用開始剤の半減期及び酢酸ビニルの反
応率の間に設定された特定の条件を満たして連続
共重合を行つて得たエチレン・酢酸ビニル共重合
体を用いて得られた表面特性、特にフイツシユア
イの少いエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
物の成形物の製造法に関するものである。 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物とは
エチレン−酢酸ビニル共重合物またはエチレン−
酢酸ビニル及び他の重合可能な第3成分の1種を
共重合して得られる3元共重合物をケン化して製
造されるもので適当量のエチレン及びビニルアル
コール成分を有するものは、機械的に強じんで酸
素ガスバリアー性の優れたフイルム成形物を与え
る有用な熱可塑性ポリマーであることはよく知ら
れている。 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物は、
通常エチレン−酢酸ビニル系共重合体に苛性アル
カリまたはアルカリ金属アルコラートを加えてケ
ン化することにより得られるが、該ケン化物をそ
のまま溶融成形、あるいは溶融成膜する場合は熱
分解し易く、溶融粘度が低下すると共に著しく着
色して使用できず、熱安定性の向上を目的に種々
の対策が従来から採られてきた。すなわち、エチ
レン・酢酸ビニル系共重合体をケン化して該共重
合体ケン化物を得るためには、公知技術、たとえ
ば該共重合体をメタノールまたはメタノール−t
−ブタノール混合溶液中でアルカリ、あるいはア
ルカリ金属のアルコラートの如きアルコール分解
触媒を用いてケン化する方法などが採用される。
このケン化反応の際反応系に水が存在するとこれ
らの触媒は、反応中に生成する酢酸エステルと反
応して、急速に破壊されるため該反応系の含水率
は低いほど好ましい。 また特公昭43−14958号公報および特公昭45−
40547号公報に開示された方法、すなわち、塔型
の反応器の塔上部よりケン化される共重合物のメ
タノール溶液またはメタノール、t−ブタノール
混合溶液を供給し、塔下部より飽和または過熱下
のメタノール蒸気を塔内に吹込んで常圧下または
加圧下に塔内に均一な溶液層を形成して、反応を
進行せしめ、メタノール蒸気または、メタノール
−t−ブタノール蒸気とともに酢酸メチルの蒸気
を系外に除去しながらケン化する方法が好適で、
高ケン化度の該共重合体ケン化物を得る際には特
に好ましい。 ケン化反応後の該共重合体ケン化物のメタノー
ル溶液または、メタノールに一部t−ブタノール
を含む溶液から共重合体ケン化物を分離するに当
つては、特公昭47−38634号公報等に開示された
方法が使用出来る。このようにして得られた該共
重合体ケン化物は、熱安定性に乏しく熱安定化処
理を行う必要があるが、該処理については、例え
ば該樹脂を水で充分洗浄したり、酸を該酸の水溶
液に浸漬するなどの操作により添加したり、また
ある種の金属塩を添加するなどの操作によつて行
われ、たとえば特公昭46−37664号公報、特開昭
48−25048号公報、特公昭51−88544号公報、特開
昭51−88545号公報、特公昭57−5834号公報等に
開示されている。 更に該樹脂の好適な乾燥方法として、たとえば
特公昭56−206号公報等が開示されており、これ
らの方法により乾燥することができる。 これらの各種熱安定化に関する操作および乾燥
方法は、該樹脂をフイルムなどへの成形加工を行
う際に生ずる該樹脂の熱分解、ゲル化、着色等の
防止を主たる目的とするとともに特にこれら現象
とともに、または関連して生ずるいわゆるフイツ
シユアイの発現の排除を指向するものでもある。
かかる従来からの当業者の努力にもかかわらず、
なお該共重合体ケン化物のフイルム等への成形加
工時のフイツシユアイ発現の排除については、充
分満足しうるものでなく、未だ市販セロハン等の
市販各種フイルムに比し劣り、外観上、印刷上な
どに問題が多く、該共重合体ケン化物の重要な品
質改善上の技術課題の一つとなつている。 本発明者等は、従来の開示された技術上の観点
からは、全く異なる観点から鋭意研究を行い、本
発明の方法に到達し、該フイツシユアイの発現を
排除することに成功した。 従来は、該共重合体ケン化物そのものの好まし
くない特性の発現を、熱安定化処理を行うことに
より抑制するとか、また該共重合体ケン化物中に
残存する開始剤、アルカリ性物質またはそれらの
変性物などの除去等にのみ該品質の向上をはかつ
ていた。しかし、本願は該共重合過程およびその
関連過程にフイツシユアイ発現の潜在要因を求め
特定の該共重合の条件下に得られた該共重合体を
ケン化して得た該共重合体ケン化物についてフイ
ツシユアイの排除の点から検討した。その結果、
従来技術ではなお除去し得なかつたフイツシユア
イ排除の目的を達成した。すなわち、重合条件が
異なるエチレン−酢酸ビニル系共重合体を用いて
従来技術による熱安定化処理・乾燥方法を適用し
て同一条件で処理した結果、特定の条件下に連続
重合して得たゲル状物が存在しないか、極めて少
い該共重合体を用いた場合のみフイツシユアイが
極めて少く、実質上フイツシユアイのないフイル
ム等の成形物が得られることを見出た。該フイツ
シユアイ発現の新規で重大な要因が共重合過程、
特に連続共重合を特定条件下に行う場合における
該共重合過程で生成するゲル状物と相関があるこ
とに着目し、該ゲル状物の生成を防止する該共重
合条件を確立し、これに基づいて従来技術上排除
することができなかつた該フイツシユアイの排除
を達成し得て表面特性が優れた該共重合体ケン化
物の成形物の製造法に到達したのである。 すなわち、下記一般式(1)で表わされる共重合体
ケン化物(ケン化度85%以上)を該共重合体のメ
タノール溶液または、 t−ブタノール混合溶液にアルカリまたはアル
カリ金属アルコラートを存在せしめて、ケン化す
ることにより得るに当り、メタノールまたはt−
ブタノールを重合溶剤とし、ラジカル開始剤を使
用し、該溶剤濃度を20重量%以下、温度を35〜80
℃かつ下記(2)の条件を保持して連続共重合を行つ
て得た該共重合体を用いる /θ1.5x/1−x (2) ことを特徴とする表面特性がすぐれたエチレン−
酢酸ビニル系共重合体ケン化物の成形物の製造法
である。但し、(1)式において X/(Y+Z)=0.3ないし1.5 Z/Y=0ないし0.1 Rは水素またはメチル基、R1はメチル基また
は、COOR基である。 また(2)式においてx0.85 xは酢酸ビニルの重合率、は重合槽の平均滞
留時間、θは重合開始剤の半減期である。 従来ビニル系モノマーの重合法としては、各種
の方法が知られているが、連続重合法は、生産性
品質の均一性など工業的に有利なため、広く採用
されている。 本発明者等は、エチレン・酢酸ビニル系共重合
反応において、その重合条件の諸因子と、重合槽
内に生成するゲル状物との関係を詳細に検討した
結果、これら諸因子とゲル状物生成の間に一定の
関係があることを見出し、これに基づいて従来困
難であつたゲル状物の生成を防止しうる連続共重
合方法に達した。すなわち、下記一般式(1)で表わ
される共重合体を製造するに際しメタノール または、t−ブタノールを重合溶剤とし、ラジカ
ル開始剤を使用し、該溶剤濃度を20重量%以下温
度を35〜80℃とし、さらに下記(2)式の条件を保持
して連続共重合反応せしめることにより /θ1.5x/1−x (2) ゲル状物の生成を防止しうることを見出した。 該ゲル状物等の生成については、未だ明かでな
いが、該共重合系においては、重合成分の1つが
酢酸ビニルであり、いわゆるポリマー連鎖移動に
起因して、架橋現象が生じ易いこと、架橋度の増
加に伴つて副生する架橋構造化物が該反応液に不
溶となること、X/(X+Y)値(以下エチレン
含量という)の増加に伴つて、該ゲル状物の生成
蓄積が助長されるが、エチレン−酢酸ビニル系共
重合反応の場が共重合成分の1つであるエチレン
の溶存を必須要件としており、該溶存エチレン濃
度がエチレン含量の増加とともに増大すること、
および該共重合体の架橋構造物の溶解性が減少す
ること等に関連があるものとみられる。 通常比較的高い重合度の該重合体を得るために
は、該重合槽内の溶剤濃度は低く保持する必要が
あり、他方該溶剤濃度を低く保持して連続重合を
行うときは、該ゲル状物の生成蓄積が著しくなる
という二律背反性がある。たとえば、エチレンビ
ニルアルコール系重合体を成形物の原料樹脂とし
て用いる場合、必要な該ポリマーの重合度を確保
するためには該溶剤濃度を20重量%以下に保持す
ることが要求されるが、かかる低溶剤濃度領域に
おいて特に該ゲル状物の生成蓄積が著しい。該共
重合法は、かかる20重量%以下の低溶剤濃度にお
いて、極めて顕著な効果をもたらし、前記障害を
解消する。該溶剤濃度が20重量%より大きくなる
と該ゲル状物の生成・蓄積が緩和されて該共重合
法の効果は減殺される。 該共重合体等の重合度は、重合温度の上昇とと
もに低下するため80℃以下に選定されることが多
く、該温度領域ではゲル状物が生成し易い。該共
重合法は、かかる温度領域で顕著な効果を発揮
し、前記障害を解消する。他方80℃より高温の温
度領域になると、該共重合体の重合度の低下と相
俟つて、該共重合法の効果は顕著でなくなる。重
合温度は、かように重合度の観点からは低いほど
好ましいが、温度の低下に伴つて重合速度が低下
するため、経済的見地からは好ましくない。この
不利を補うため、たとえば開始剤濃度を増加して
重合速度を増大させる等の手段を採りうるが、こ
の場合重合温度が35℃より低温の領域では、重合
度の上昇等とも関連があるとみられるものの未だ
明かでないが、該共重合法を適用しても該ゲル状
物の生成を効果的に防止することができない。 重合溶剤が異なれば該共重合体の架橋構造物と
みられるゲル状物の溶解性等が異なり、該ゲル状
物の生成・蓄積の程度も異るため該生成・蓄積を
防止するためには、それぞれの溶剤について異つ
た共重合条件を必要とするが、重合溶剤として、
メタノールまたはt−ブタノールを用いる場合に
は、該共重合法の効果を享受することができる。
工業的見地からも安価なメタノールは、最も有利
であり、また高重合度の該共重合体が要望される
場合にはt−ブタノールが好適である。 エチレンと酢酸ビニル等との共重合反応でエチ
レン・酢酸ビニル系共重合体を得るには、該共重
合反応の場でエチレンが重合槽内の酢酸ビニル等
および溶剤に溶存していることが必須要件であり
必要な、該溶存エチレン濃度は、該共重合体のエ
チレン含量の増加とともに増大する。生成するエ
チレン・酢酸ビニル共重合体の架橋構造物とみら
れる該ゲル状物等の該共重合反応液への溶解性は
溶存エチレン濃度および該共重合体のエチレン含
量の増加に伴つて減少するためともみられるが、
該エチレン含量が増大するにつれて、該ゲル状物
の生成蓄積の程度は著しくなり、該エチレン含量
が60モル%を越える領域においては、該共重合法
を適用してもその効果はそれ程顕著なものとはな
らない。 他方該エチレン含量が低い領域については、前
記の観点からは該ゲル状物の生成・蓄積は緩和さ
れると考えられる一面があるが、反面該領域にお
いては同一溶剤濃度、同一重合濃度等の条件では
未だ明かでないものの該エチレン含量の低下とと
もに生成共重合体の重合度が増加するためであろ
うか、相当量のゲル状物の生成が認められる。特
に該溶剤濃度が20重量%以下の領域において該障
害は著しいが、かかる低エチレン含量かつ低溶剤
濃度の領域においても当該共重合法の効果を享受
することができる。 該共重合法は、エチレン及び酢酸ビニル以外の
第3成分を比較的少量含有する共重合反応系にお
いても、その効果を発揮しうる。第3成分の存在
量が増加すれば生成共重合体の特性も変化し、ま
た第3成分の種類如何によつても該効果の発現に
影響を与える。本発明の効果を享受しうるために
は、第3成分は、CH2・CRR1〔但し、Rは水素
またはメチル基、R1はメチル基またはCOORで
ある〕であり、かつ生成共重合体中に含まれる第
3成分量は、該共重合体の酢酸成分に対するモル
比(Z/Y)が0ないし0.1であることが必要で
あり、該第3成分量を越えると当該共重合法の効
果が減殺される場合が多い。 該共重合法の効果は、エチレン・酢酸ビニル系
共重合における酢酸ビニルの重合率と関係があり
該重合率が85%を越える高重合率領域においては
減殺されて実質的には当該共重合法を効果的に適
用することができない。該重合率が80%以下であ
ることはより好ましい。 該共重合法は、撹拌混合型重合槽における平均
滞留時間を下記式 /θ1.5x/1−x ただしx0.85 〔式中は平均滞留時間、θは該開始剤の半減
期、xは酢酸ビニルの重合率を表わす。〕を満足
するように選定する必要があり、該平均滞留時間
を保持しなければ当該共重合法の効果を享受でき
ない。該共重合法にいう開始剤の半減期とは、使
用濃度および使用溶剤中における半減期を意味
し、また平均滞留時間とは、連続重合時において
該重合槽内の定常状態における反応液量を該重合
槽から排出される反応液流量で除した商で与えら
れる。該平均滞留時間と該ゲル状物との関連につ
いては、該ゲル状物の生成の場における重合反応
と開始剤の分解反応の時系列的事項と関連がある
ものと推察される一面があるものの未だ明かでな
い。しかし、該平均滞留時間を選定し保持するこ
とは、他の要件とも相俟つて当該共重合法のきわ
めて重要な要件の一つである。平均滞留時間は経
済的見地から小さいことが望まれ、通常凡そ15時
間以内に選ばれることが多い。 本発明には、当該共重合法の条件を充足する範
囲内において、ほとんどのラジカル開始剤が使用
できる。好適に用いられるラジカル開始剤の例と
しては、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビ
ス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2′−アゾビス−(2,4,4−トリメチルバレロ
ニトリル)、2,2′−アゾビス・イソブチロニト
リル、などのアゾ化合物、t−ブチルパーピバレ
ートなどのアルキルパーエステル類、ビス−(4
−t−ブチル・シクロヘキシル)パーオキシ・
ジ・カーボネート、ジ−シクロヘキシルパーオキ
シ・ジ・カーボネート、ビス−(2−エチルヘキ
シル)ジ−sec−ブチル・パーオキシ・ジ・カー
ボネート、ジ−イソプロピル・パーオキシ・ジ・
カーボネートなどのパーオキシ・ジ・カーボネー
ト類、ジラウロイル・パーオキシド、ジ・デカノ
イル・パーオキシド、ジ・オクタノイル・パーオ
キシド、ジ・プロピルパーオキシドなどのパーオ
キシド類などがある。前述の如く経済的見地から
は、該重合槽の効率を高めるために該平均滞留時
間を減少させることが好ましく、かかる観点から
は当該共重合法に使用する開始剤としては、半減
期が比較的短かい開始剤が好適である。特に該半
減期がたとえば5時間以内の開始剤が好ましく、
2、3の例を挙げると該重合反応温度が60℃の場
合、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス
−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチ
ル・パーオキシ・ネオデカノエート、ビス−
(4・t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ・
ジ・カーボネートなどがあり、また該重合温度が
75ないし80℃の温度領域にある場合、これらの開
始剤の他に2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
などがある。 該共重合体ケン化物は、酸素バリヤー性に優れ
食品包装に好適に使用されるが、この場合該共重
合体ケン化物の色相、臭い等についてきびしい要
求が提示される。特に開始剤または/及びその変
性物に起因するとみられる臭いが該ケン化物には
あるのが通常であるがこの点についての要求は最
もきびしい。前記開始剤の中でも2,2′−アゾビ
ス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル)を用いて得た該共重合体ケン化物は、臭
気が実質上全くなく、該共重合体ケン化物の製造
に関しては最も好適な開始剤である。 該共重合法においては、酢酸ビニルの反応率は
高々85%であるため該共重合体を工業的に製造す
る場合、酢酸ビニル及びエチレンの未反応分は分
離回収して循環再使用するのが普通である。該共
重合反応液に溶存するエチレンの未反応分は、該
反応液を常圧に至らしめることにより容易に分
離・回収できる。分離・回収したエチレンを循環
再使用するに好適な方法は、特開昭53−119801号
公報に開示されている。酢酸ビニルの未反応分
は、公知の方法、たとえば未反応エチレンを分離
した後の該共重合反応液を段塔に導き、塔下部へ
溶剤蒸気を吹込むストリツピング操作により重合
反応液より除去され、該溶剤との混合液のまま、
あるいは溶剤と分離した後重合槽へ導かれ循環再
使用される。該ストリツピング塔より排出される
該共重合体の該溶剤溶液は、既述の如く公知の方
法によりケン化され、該共重合体ケン化物が分離
され、洗浄、熱安定化処理され、乾燥される。 フイツシユアイ発現要因については、未だ明か
ではないが該ゲル状物の該ケン化物製品への混入
従来技術により共重合を連続的に行う場合に生ず
る膨潤状態にある該ゲル状物が極めて粘性の大き
い不溶解の形で該反応液中に分散した状態にある
ことからくる弊害、たとえば該ストリツピング操
作において、通常共存させる重合禁止剤の該ゲル
状物内への拡散・浸透を極めて困難としているこ
と等に関連があるものとみられる。 当該共重合反応の後、未反応のエチレン分、酢
酸ビニル分を分離回収する工程において、未反応
モノマーが更に重合することにより、特性の異な
るポリマーが生成するのを防止するために該共重
合反応後速かに重合禁止剤の添加が行われるのが
通常である。該禁止剤としては、たとえば酢酸
銅、チオ尿素等があるが、該ケン化物の製造に好
適に用いられるためには、以後のケン化工程等に
おいても該ケン化物に着色、臭いなどを与えない
等の要件を満足するものであることが要求され使
用可能な禁止剤の種別は著しく制限をうける。ま
た使用可能となつた禁止剤といえどもその添加量
は極力減少させることが好ましく、そのために
は、重合禁止能力の極めて大きいことが要求され
る。前記酢酸銅、チオ尿素などについても該禁止
能力を更に向上させることが好ましく、この点も
解決さるべき技術上の課題の一つであつた。 本発明者等は、該共重合法に関連して、該禁止
剤の重合禁止能力を相対的に向上せしめる手段に
ついて種々検討を加え、極めて効果的な方法に達
した。すなわち、極めて半減期の短かい開始剤を
用いて該共重合反応操作を行う場合、該共重合反
応後、該共重合反応と同じ条件下に更に開始剤を
添加することなく少くとも0.5時間以上の滞留時
間を保持させた後、該共重合反応液から未反応エ
チレンを放散させ、酢酸ビニルの未反分を分離回
収する方法である。該効果を効果的に得ることが
出来、かつ該ケン化物の着色、臭気等から最も好
ましい開始剤として、2,2′−アゾビス−(4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)が
ある。当該開始剤を用いても反応後の該滞留時間
が0.5時間以内であれば、該操作を該共重合反応
後に行う効果は小さい。また該共重合反応後0.5
時間以上の滞留時間を保持させるに当つて、温度
が50℃より低い場合には該滞留時間が2時間以上
にも及び該操作を効率よく行うことは困難とな
る。50℃以上の温度に保持して行うことにより、
はじめて該操作の効率的顕著な効果が得られる。 該共重合体ケン化物の成形方法は押出成型、中
空成形及び真空成形等従来から知られている各種
の方法が使用できる。また製品形状はフイルム、
可塑物等何れも可能である。これらの成形物は容
器、包装用フイルム等各種用途に使用できる。 以下実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
尚実施例は表面状態の評価の便宜上、製品形状は
フイルムに関するもののみ挙げたが本発明はフイ
ルムに限定されるものではない。 実施例 1 容量1m3で内部に冷却用コイルをもつ撹拌機付
重合槽においてエチレン・酢酸ビニル共重合体を
製造するため、以下に示す条件により連続重合を
実施した。 酢酸ビニル供給量 48Kg/hr メタノール 〃 4 〃 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル供給量
3.3g/hr 重合温度 77℃ 重合槽エチレン圧力 60Kg/cm2G 平均滞留時間 6hrs 上記条件におけるアゾビスイソブチロニトリル
の半減期は約2時間であり、また酢酸ビニルの重
合率は約50%であつた。重合反応液は70Kg/hrで
重合槽より排出され、以下の組成を有していた。 エチレン・酢酸ビニル共重合体(エチレン含有
率40モル%) 42重量% 酢酸ビニル 34 〃 エチレン 18 〃 メタノール 6 〃 45日間の連続運転中、コイルからの冷却による
重合温度制御は安定に行われ、また重合反応液中
にゲル状物は全く認められなかつた。 重合反応液は重合槽より排出された直後に、チ
オ尿素の10g/メタノール溶液を2/hrで添加
混合後、段塔に導かれ、塔底よりメタノール蒸気
を40Kg/hrで吹込んで、未反応の酢酸ビニル、エ
チレンを塔項より分離し、塔底よりエチレン・酢
酸ビニル共重合体45重量%のメタノール溶液が65
Kg/hrで得られた。 かくして得られたエチレン・酢酸ビニル共重合
体溶液100重量部に対して、苛性ソーダ1重量部
を加えたメタノール溶液を110℃、3.5Kg/cm2G下
で、メタノール蒸気を吹込みつつ30分間鹸化反応
させ、反応中に生成する酢酸メチルはメタノール
の一部とともに留出させて系外へ除去した。得ら
れた鹸化溶液に、更に水−メタノール蒸気を吹込
み、メタノール−水の混合蒸気を留出させ、鹸化
度99.3モル%の共重合体鹸化物濃度35重量%のメ
タノール−水混合系の鹸化溶液(メタノール/水
=7/3重量比)を得た。この溶液を2mmの孔径
の穴をもつダイスより、5℃の水/メタノール混
合液(メタノール10重量%)中に吐出して、スト
ランド状に凝固させた。このストランド状物をカ
ツターで切断して、2.5〜3.5mmの長さのペレツト
状物にした後、ペレツト状物1重量部に対し、15
重量部のプロセス水を用いて洗浄した。この洗浄
後ペレツト状物を、更に酢酸濃度2g/の酢酸
水溶液に浸漬処理した後、105℃で24時間乾燥し、
これを220℃で押出製膜して厚さ17μのフイルム
を得たところ、膜面外観は極めて良好で、フイツ
シユアイ数は0.02個/m2であつた。 対照例 1 実施例1において、重合開始剤のみを変えて他
の条件は全く同一で重合した。開始剤としてt−
ブチルパーオキシイソブチレートを使用し、7.8
g/hrで供給して連続重合を実施した。得られた
エチレン・酢酸ビニル共重合体のエチレン含有率
は40モル%で、酢酸ビニルの重合率は約50%であ
つた。また上記条件におけるt−ブチルパーオキ
シイソブチレートの半減期は約12時間であつた。 連続運転4日目より、重合槽より排出される反
応液中にゲル状物が認められるようになり、運転
を停止した。 重合反応液は、実施例1と同様な操作で以後処
理され、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物の
厚さ17μのフイルムを得たところ、重合運転日数
とそれに対応するフイルムのフイツシユアイ数
は、以下のようになつた。
化物(ケン化度85%以上)を該共重合体のメタノ
ール溶液または第3級ブチルアルコール(以下t
−ブタノールと記す)−メタノール混合溶液にア
ルカリまたはアルカリ金属アルコラートを存在せ
しめてケン化することにより得るに当り、メタノ
ールまたはt−ブタノールを重合溶剤とし、ラジ
カル開始剤を使用し、該溶剤濃度を20重量%以
下、温度を35〜80℃の条件を保持し、かつ平均滞
留時間、使用開始剤の半減期及び酢酸ビニルの反
応率の間に設定された特定の条件を満たして連続
共重合を行つて得たエチレン・酢酸ビニル共重合
体を用いて得られた表面特性、特にフイツシユア
イの少いエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化
物の成形物の製造法に関するものである。 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物とは
エチレン−酢酸ビニル共重合物またはエチレン−
酢酸ビニル及び他の重合可能な第3成分の1種を
共重合して得られる3元共重合物をケン化して製
造されるもので適当量のエチレン及びビニルアル
コール成分を有するものは、機械的に強じんで酸
素ガスバリアー性の優れたフイルム成形物を与え
る有用な熱可塑性ポリマーであることはよく知ら
れている。 エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物は、
通常エチレン−酢酸ビニル系共重合体に苛性アル
カリまたはアルカリ金属アルコラートを加えてケ
ン化することにより得られるが、該ケン化物をそ
のまま溶融成形、あるいは溶融成膜する場合は熱
分解し易く、溶融粘度が低下すると共に著しく着
色して使用できず、熱安定性の向上を目的に種々
の対策が従来から採られてきた。すなわち、エチ
レン・酢酸ビニル系共重合体をケン化して該共重
合体ケン化物を得るためには、公知技術、たとえ
ば該共重合体をメタノールまたはメタノール−t
−ブタノール混合溶液中でアルカリ、あるいはア
ルカリ金属のアルコラートの如きアルコール分解
触媒を用いてケン化する方法などが採用される。
このケン化反応の際反応系に水が存在するとこれ
らの触媒は、反応中に生成する酢酸エステルと反
応して、急速に破壊されるため該反応系の含水率
は低いほど好ましい。 また特公昭43−14958号公報および特公昭45−
40547号公報に開示された方法、すなわち、塔型
の反応器の塔上部よりケン化される共重合物のメ
タノール溶液またはメタノール、t−ブタノール
混合溶液を供給し、塔下部より飽和または過熱下
のメタノール蒸気を塔内に吹込んで常圧下または
加圧下に塔内に均一な溶液層を形成して、反応を
進行せしめ、メタノール蒸気または、メタノール
−t−ブタノール蒸気とともに酢酸メチルの蒸気
を系外に除去しながらケン化する方法が好適で、
高ケン化度の該共重合体ケン化物を得る際には特
に好ましい。 ケン化反応後の該共重合体ケン化物のメタノー
ル溶液または、メタノールに一部t−ブタノール
を含む溶液から共重合体ケン化物を分離するに当
つては、特公昭47−38634号公報等に開示された
方法が使用出来る。このようにして得られた該共
重合体ケン化物は、熱安定性に乏しく熱安定化処
理を行う必要があるが、該処理については、例え
ば該樹脂を水で充分洗浄したり、酸を該酸の水溶
液に浸漬するなどの操作により添加したり、また
ある種の金属塩を添加するなどの操作によつて行
われ、たとえば特公昭46−37664号公報、特開昭
48−25048号公報、特公昭51−88544号公報、特開
昭51−88545号公報、特公昭57−5834号公報等に
開示されている。 更に該樹脂の好適な乾燥方法として、たとえば
特公昭56−206号公報等が開示されており、これ
らの方法により乾燥することができる。 これらの各種熱安定化に関する操作および乾燥
方法は、該樹脂をフイルムなどへの成形加工を行
う際に生ずる該樹脂の熱分解、ゲル化、着色等の
防止を主たる目的とするとともに特にこれら現象
とともに、または関連して生ずるいわゆるフイツ
シユアイの発現の排除を指向するものでもある。
かかる従来からの当業者の努力にもかかわらず、
なお該共重合体ケン化物のフイルム等への成形加
工時のフイツシユアイ発現の排除については、充
分満足しうるものでなく、未だ市販セロハン等の
市販各種フイルムに比し劣り、外観上、印刷上な
どに問題が多く、該共重合体ケン化物の重要な品
質改善上の技術課題の一つとなつている。 本発明者等は、従来の開示された技術上の観点
からは、全く異なる観点から鋭意研究を行い、本
発明の方法に到達し、該フイツシユアイの発現を
排除することに成功した。 従来は、該共重合体ケン化物そのものの好まし
くない特性の発現を、熱安定化処理を行うことに
より抑制するとか、また該共重合体ケン化物中に
残存する開始剤、アルカリ性物質またはそれらの
変性物などの除去等にのみ該品質の向上をはかつ
ていた。しかし、本願は該共重合過程およびその
関連過程にフイツシユアイ発現の潜在要因を求め
特定の該共重合の条件下に得られた該共重合体を
ケン化して得た該共重合体ケン化物についてフイ
ツシユアイの排除の点から検討した。その結果、
従来技術ではなお除去し得なかつたフイツシユア
イ排除の目的を達成した。すなわち、重合条件が
異なるエチレン−酢酸ビニル系共重合体を用いて
従来技術による熱安定化処理・乾燥方法を適用し
て同一条件で処理した結果、特定の条件下に連続
重合して得たゲル状物が存在しないか、極めて少
い該共重合体を用いた場合のみフイツシユアイが
極めて少く、実質上フイツシユアイのないフイル
ム等の成形物が得られることを見出た。該フイツ
シユアイ発現の新規で重大な要因が共重合過程、
特に連続共重合を特定条件下に行う場合における
該共重合過程で生成するゲル状物と相関があるこ
とに着目し、該ゲル状物の生成を防止する該共重
合条件を確立し、これに基づいて従来技術上排除
することができなかつた該フイツシユアイの排除
を達成し得て表面特性が優れた該共重合体ケン化
物の成形物の製造法に到達したのである。 すなわち、下記一般式(1)で表わされる共重合体
ケン化物(ケン化度85%以上)を該共重合体のメ
タノール溶液または、 t−ブタノール混合溶液にアルカリまたはアル
カリ金属アルコラートを存在せしめて、ケン化す
ることにより得るに当り、メタノールまたはt−
ブタノールを重合溶剤とし、ラジカル開始剤を使
用し、該溶剤濃度を20重量%以下、温度を35〜80
℃かつ下記(2)の条件を保持して連続共重合を行つ
て得た該共重合体を用いる /θ1.5x/1−x (2) ことを特徴とする表面特性がすぐれたエチレン−
酢酸ビニル系共重合体ケン化物の成形物の製造法
である。但し、(1)式において X/(Y+Z)=0.3ないし1.5 Z/Y=0ないし0.1 Rは水素またはメチル基、R1はメチル基また
は、COOR基である。 また(2)式においてx0.85 xは酢酸ビニルの重合率、は重合槽の平均滞
留時間、θは重合開始剤の半減期である。 従来ビニル系モノマーの重合法としては、各種
の方法が知られているが、連続重合法は、生産性
品質の均一性など工業的に有利なため、広く採用
されている。 本発明者等は、エチレン・酢酸ビニル系共重合
反応において、その重合条件の諸因子と、重合槽
内に生成するゲル状物との関係を詳細に検討した
結果、これら諸因子とゲル状物生成の間に一定の
関係があることを見出し、これに基づいて従来困
難であつたゲル状物の生成を防止しうる連続共重
合方法に達した。すなわち、下記一般式(1)で表わ
される共重合体を製造するに際しメタノール または、t−ブタノールを重合溶剤とし、ラジカ
ル開始剤を使用し、該溶剤濃度を20重量%以下温
度を35〜80℃とし、さらに下記(2)式の条件を保持
して連続共重合反応せしめることにより /θ1.5x/1−x (2) ゲル状物の生成を防止しうることを見出した。 該ゲル状物等の生成については、未だ明かでな
いが、該共重合系においては、重合成分の1つが
酢酸ビニルであり、いわゆるポリマー連鎖移動に
起因して、架橋現象が生じ易いこと、架橋度の増
加に伴つて副生する架橋構造化物が該反応液に不
溶となること、X/(X+Y)値(以下エチレン
含量という)の増加に伴つて、該ゲル状物の生成
蓄積が助長されるが、エチレン−酢酸ビニル系共
重合反応の場が共重合成分の1つであるエチレン
の溶存を必須要件としており、該溶存エチレン濃
度がエチレン含量の増加とともに増大すること、
および該共重合体の架橋構造物の溶解性が減少す
ること等に関連があるものとみられる。 通常比較的高い重合度の該重合体を得るために
は、該重合槽内の溶剤濃度は低く保持する必要が
あり、他方該溶剤濃度を低く保持して連続重合を
行うときは、該ゲル状物の生成蓄積が著しくなる
という二律背反性がある。たとえば、エチレンビ
ニルアルコール系重合体を成形物の原料樹脂とし
て用いる場合、必要な該ポリマーの重合度を確保
するためには該溶剤濃度を20重量%以下に保持す
ることが要求されるが、かかる低溶剤濃度領域に
おいて特に該ゲル状物の生成蓄積が著しい。該共
重合法は、かかる20重量%以下の低溶剤濃度にお
いて、極めて顕著な効果をもたらし、前記障害を
解消する。該溶剤濃度が20重量%より大きくなる
と該ゲル状物の生成・蓄積が緩和されて該共重合
法の効果は減殺される。 該共重合体等の重合度は、重合温度の上昇とと
もに低下するため80℃以下に選定されることが多
く、該温度領域ではゲル状物が生成し易い。該共
重合法は、かかる温度領域で顕著な効果を発揮
し、前記障害を解消する。他方80℃より高温の温
度領域になると、該共重合体の重合度の低下と相
俟つて、該共重合法の効果は顕著でなくなる。重
合温度は、かように重合度の観点からは低いほど
好ましいが、温度の低下に伴つて重合速度が低下
するため、経済的見地からは好ましくない。この
不利を補うため、たとえば開始剤濃度を増加して
重合速度を増大させる等の手段を採りうるが、こ
の場合重合温度が35℃より低温の領域では、重合
度の上昇等とも関連があるとみられるものの未だ
明かでないが、該共重合法を適用しても該ゲル状
物の生成を効果的に防止することができない。 重合溶剤が異なれば該共重合体の架橋構造物と
みられるゲル状物の溶解性等が異なり、該ゲル状
物の生成・蓄積の程度も異るため該生成・蓄積を
防止するためには、それぞれの溶剤について異つ
た共重合条件を必要とするが、重合溶剤として、
メタノールまたはt−ブタノールを用いる場合に
は、該共重合法の効果を享受することができる。
工業的見地からも安価なメタノールは、最も有利
であり、また高重合度の該共重合体が要望される
場合にはt−ブタノールが好適である。 エチレンと酢酸ビニル等との共重合反応でエチ
レン・酢酸ビニル系共重合体を得るには、該共重
合反応の場でエチレンが重合槽内の酢酸ビニル等
および溶剤に溶存していることが必須要件であり
必要な、該溶存エチレン濃度は、該共重合体のエ
チレン含量の増加とともに増大する。生成するエ
チレン・酢酸ビニル共重合体の架橋構造物とみら
れる該ゲル状物等の該共重合反応液への溶解性は
溶存エチレン濃度および該共重合体のエチレン含
量の増加に伴つて減少するためともみられるが、
該エチレン含量が増大するにつれて、該ゲル状物
の生成蓄積の程度は著しくなり、該エチレン含量
が60モル%を越える領域においては、該共重合法
を適用してもその効果はそれ程顕著なものとはな
らない。 他方該エチレン含量が低い領域については、前
記の観点からは該ゲル状物の生成・蓄積は緩和さ
れると考えられる一面があるが、反面該領域にお
いては同一溶剤濃度、同一重合濃度等の条件では
未だ明かでないものの該エチレン含量の低下とと
もに生成共重合体の重合度が増加するためであろ
うか、相当量のゲル状物の生成が認められる。特
に該溶剤濃度が20重量%以下の領域において該障
害は著しいが、かかる低エチレン含量かつ低溶剤
濃度の領域においても当該共重合法の効果を享受
することができる。 該共重合法は、エチレン及び酢酸ビニル以外の
第3成分を比較的少量含有する共重合反応系にお
いても、その効果を発揮しうる。第3成分の存在
量が増加すれば生成共重合体の特性も変化し、ま
た第3成分の種類如何によつても該効果の発現に
影響を与える。本発明の効果を享受しうるために
は、第3成分は、CH2・CRR1〔但し、Rは水素
またはメチル基、R1はメチル基またはCOORで
ある〕であり、かつ生成共重合体中に含まれる第
3成分量は、該共重合体の酢酸成分に対するモル
比(Z/Y)が0ないし0.1であることが必要で
あり、該第3成分量を越えると当該共重合法の効
果が減殺される場合が多い。 該共重合法の効果は、エチレン・酢酸ビニル系
共重合における酢酸ビニルの重合率と関係があり
該重合率が85%を越える高重合率領域においては
減殺されて実質的には当該共重合法を効果的に適
用することができない。該重合率が80%以下であ
ることはより好ましい。 該共重合法は、撹拌混合型重合槽における平均
滞留時間を下記式 /θ1.5x/1−x ただしx0.85 〔式中は平均滞留時間、θは該開始剤の半減
期、xは酢酸ビニルの重合率を表わす。〕を満足
するように選定する必要があり、該平均滞留時間
を保持しなければ当該共重合法の効果を享受でき
ない。該共重合法にいう開始剤の半減期とは、使
用濃度および使用溶剤中における半減期を意味
し、また平均滞留時間とは、連続重合時において
該重合槽内の定常状態における反応液量を該重合
槽から排出される反応液流量で除した商で与えら
れる。該平均滞留時間と該ゲル状物との関連につ
いては、該ゲル状物の生成の場における重合反応
と開始剤の分解反応の時系列的事項と関連がある
ものと推察される一面があるものの未だ明かでな
い。しかし、該平均滞留時間を選定し保持するこ
とは、他の要件とも相俟つて当該共重合法のきわ
めて重要な要件の一つである。平均滞留時間は経
済的見地から小さいことが望まれ、通常凡そ15時
間以内に選ばれることが多い。 本発明には、当該共重合法の条件を充足する範
囲内において、ほとんどのラジカル開始剤が使用
できる。好適に用いられるラジカル開始剤の例と
しては、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビ
ス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2′−アゾビス−(2,4,4−トリメチルバレロ
ニトリル)、2,2′−アゾビス・イソブチロニト
リル、などのアゾ化合物、t−ブチルパーピバレ
ートなどのアルキルパーエステル類、ビス−(4
−t−ブチル・シクロヘキシル)パーオキシ・
ジ・カーボネート、ジ−シクロヘキシルパーオキ
シ・ジ・カーボネート、ビス−(2−エチルヘキ
シル)ジ−sec−ブチル・パーオキシ・ジ・カー
ボネート、ジ−イソプロピル・パーオキシ・ジ・
カーボネートなどのパーオキシ・ジ・カーボネー
ト類、ジラウロイル・パーオキシド、ジ・デカノ
イル・パーオキシド、ジ・オクタノイル・パーオ
キシド、ジ・プロピルパーオキシドなどのパーオ
キシド類などがある。前述の如く経済的見地から
は、該重合槽の効率を高めるために該平均滞留時
間を減少させることが好ましく、かかる観点から
は当該共重合法に使用する開始剤としては、半減
期が比較的短かい開始剤が好適である。特に該半
減期がたとえば5時間以内の開始剤が好ましく、
2、3の例を挙げると該重合反応温度が60℃の場
合、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス
−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチ
ル・パーオキシ・ネオデカノエート、ビス−
(4・t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ・
ジ・カーボネートなどがあり、また該重合温度が
75ないし80℃の温度領域にある場合、これらの開
始剤の他に2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
などがある。 該共重合体ケン化物は、酸素バリヤー性に優れ
食品包装に好適に使用されるが、この場合該共重
合体ケン化物の色相、臭い等についてきびしい要
求が提示される。特に開始剤または/及びその変
性物に起因するとみられる臭いが該ケン化物には
あるのが通常であるがこの点についての要求は最
もきびしい。前記開始剤の中でも2,2′−アゾビ
ス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル)を用いて得た該共重合体ケン化物は、臭
気が実質上全くなく、該共重合体ケン化物の製造
に関しては最も好適な開始剤である。 該共重合法においては、酢酸ビニルの反応率は
高々85%であるため該共重合体を工業的に製造す
る場合、酢酸ビニル及びエチレンの未反応分は分
離回収して循環再使用するのが普通である。該共
重合反応液に溶存するエチレンの未反応分は、該
反応液を常圧に至らしめることにより容易に分
離・回収できる。分離・回収したエチレンを循環
再使用するに好適な方法は、特開昭53−119801号
公報に開示されている。酢酸ビニルの未反応分
は、公知の方法、たとえば未反応エチレンを分離
した後の該共重合反応液を段塔に導き、塔下部へ
溶剤蒸気を吹込むストリツピング操作により重合
反応液より除去され、該溶剤との混合液のまま、
あるいは溶剤と分離した後重合槽へ導かれ循環再
使用される。該ストリツピング塔より排出される
該共重合体の該溶剤溶液は、既述の如く公知の方
法によりケン化され、該共重合体ケン化物が分離
され、洗浄、熱安定化処理され、乾燥される。 フイツシユアイ発現要因については、未だ明か
ではないが該ゲル状物の該ケン化物製品への混入
従来技術により共重合を連続的に行う場合に生ず
る膨潤状態にある該ゲル状物が極めて粘性の大き
い不溶解の形で該反応液中に分散した状態にある
ことからくる弊害、たとえば該ストリツピング操
作において、通常共存させる重合禁止剤の該ゲル
状物内への拡散・浸透を極めて困難としているこ
と等に関連があるものとみられる。 当該共重合反応の後、未反応のエチレン分、酢
酸ビニル分を分離回収する工程において、未反応
モノマーが更に重合することにより、特性の異な
るポリマーが生成するのを防止するために該共重
合反応後速かに重合禁止剤の添加が行われるのが
通常である。該禁止剤としては、たとえば酢酸
銅、チオ尿素等があるが、該ケン化物の製造に好
適に用いられるためには、以後のケン化工程等に
おいても該ケン化物に着色、臭いなどを与えない
等の要件を満足するものであることが要求され使
用可能な禁止剤の種別は著しく制限をうける。ま
た使用可能となつた禁止剤といえどもその添加量
は極力減少させることが好ましく、そのために
は、重合禁止能力の極めて大きいことが要求され
る。前記酢酸銅、チオ尿素などについても該禁止
能力を更に向上させることが好ましく、この点も
解決さるべき技術上の課題の一つであつた。 本発明者等は、該共重合法に関連して、該禁止
剤の重合禁止能力を相対的に向上せしめる手段に
ついて種々検討を加え、極めて効果的な方法に達
した。すなわち、極めて半減期の短かい開始剤を
用いて該共重合反応操作を行う場合、該共重合反
応後、該共重合反応と同じ条件下に更に開始剤を
添加することなく少くとも0.5時間以上の滞留時
間を保持させた後、該共重合反応液から未反応エ
チレンを放散させ、酢酸ビニルの未反分を分離回
収する方法である。該効果を効果的に得ることが
出来、かつ該ケン化物の着色、臭気等から最も好
ましい開始剤として、2,2′−アゾビス−(4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)が
ある。当該開始剤を用いても反応後の該滞留時間
が0.5時間以内であれば、該操作を該共重合反応
後に行う効果は小さい。また該共重合反応後0.5
時間以上の滞留時間を保持させるに当つて、温度
が50℃より低い場合には該滞留時間が2時間以上
にも及び該操作を効率よく行うことは困難とな
る。50℃以上の温度に保持して行うことにより、
はじめて該操作の効率的顕著な効果が得られる。 該共重合体ケン化物の成形方法は押出成型、中
空成形及び真空成形等従来から知られている各種
の方法が使用できる。また製品形状はフイルム、
可塑物等何れも可能である。これらの成形物は容
器、包装用フイルム等各種用途に使用できる。 以下実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
尚実施例は表面状態の評価の便宜上、製品形状は
フイルムに関するもののみ挙げたが本発明はフイ
ルムに限定されるものではない。 実施例 1 容量1m3で内部に冷却用コイルをもつ撹拌機付
重合槽においてエチレン・酢酸ビニル共重合体を
製造するため、以下に示す条件により連続重合を
実施した。 酢酸ビニル供給量 48Kg/hr メタノール 〃 4 〃 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル供給量
3.3g/hr 重合温度 77℃ 重合槽エチレン圧力 60Kg/cm2G 平均滞留時間 6hrs 上記条件におけるアゾビスイソブチロニトリル
の半減期は約2時間であり、また酢酸ビニルの重
合率は約50%であつた。重合反応液は70Kg/hrで
重合槽より排出され、以下の組成を有していた。 エチレン・酢酸ビニル共重合体(エチレン含有
率40モル%) 42重量% 酢酸ビニル 34 〃 エチレン 18 〃 メタノール 6 〃 45日間の連続運転中、コイルからの冷却による
重合温度制御は安定に行われ、また重合反応液中
にゲル状物は全く認められなかつた。 重合反応液は重合槽より排出された直後に、チ
オ尿素の10g/メタノール溶液を2/hrで添加
混合後、段塔に導かれ、塔底よりメタノール蒸気
を40Kg/hrで吹込んで、未反応の酢酸ビニル、エ
チレンを塔項より分離し、塔底よりエチレン・酢
酸ビニル共重合体45重量%のメタノール溶液が65
Kg/hrで得られた。 かくして得られたエチレン・酢酸ビニル共重合
体溶液100重量部に対して、苛性ソーダ1重量部
を加えたメタノール溶液を110℃、3.5Kg/cm2G下
で、メタノール蒸気を吹込みつつ30分間鹸化反応
させ、反応中に生成する酢酸メチルはメタノール
の一部とともに留出させて系外へ除去した。得ら
れた鹸化溶液に、更に水−メタノール蒸気を吹込
み、メタノール−水の混合蒸気を留出させ、鹸化
度99.3モル%の共重合体鹸化物濃度35重量%のメ
タノール−水混合系の鹸化溶液(メタノール/水
=7/3重量比)を得た。この溶液を2mmの孔径
の穴をもつダイスより、5℃の水/メタノール混
合液(メタノール10重量%)中に吐出して、スト
ランド状に凝固させた。このストランド状物をカ
ツターで切断して、2.5〜3.5mmの長さのペレツト
状物にした後、ペレツト状物1重量部に対し、15
重量部のプロセス水を用いて洗浄した。この洗浄
後ペレツト状物を、更に酢酸濃度2g/の酢酸
水溶液に浸漬処理した後、105℃で24時間乾燥し、
これを220℃で押出製膜して厚さ17μのフイルム
を得たところ、膜面外観は極めて良好で、フイツ
シユアイ数は0.02個/m2であつた。 対照例 1 実施例1において、重合開始剤のみを変えて他
の条件は全く同一で重合した。開始剤としてt−
ブチルパーオキシイソブチレートを使用し、7.8
g/hrで供給して連続重合を実施した。得られた
エチレン・酢酸ビニル共重合体のエチレン含有率
は40モル%で、酢酸ビニルの重合率は約50%であ
つた。また上記条件におけるt−ブチルパーオキ
シイソブチレートの半減期は約12時間であつた。 連続運転4日目より、重合槽より排出される反
応液中にゲル状物が認められるようになり、運転
を停止した。 重合反応液は、実施例1と同様な操作で以後処
理され、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物の
厚さ17μのフイルムを得たところ、重合運転日数
とそれに対応するフイルムのフイツシユアイ数
は、以下のようになつた。
【表】
実施例 2
実施例1と同じ重合槽を用いて、以下に示す条
件で連続重合を実施した。 酢酸ビニル供給量 44Kg/hr t−ブタノール供給量 6 〃 イソブチレン供給量 1.5 〃 2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)供給量 17g/hr 重合温度 60℃ 重合槽エチレン圧力 47Kg/cm2G 平均滞留時間 8hrs その結果、エチレン・酢酸ビニル・イソブチレ
ン共重合体が29Kg/hrで得られ、共重合体のエチ
レン含有率は36モル%で酢酸ビニルの重合率は約
55%であつた。また上記条件におけるアゾビス−
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)の半減期は約15分であつた。 3ケ月間の連続運転中、コイルからの冷却によ
る重合温度制御は安定に行われ、また重合反応液
中にゲル状物は全く認められなかつた。 重合液は重合槽より排出された後、実施例1と
同様に処理されて、エチレン・酢酸ビニル・イソ
ブチレン共重合体鹸化物ペレツトを得て、これを
220℃で押出製膜し厚さ20μのフイルムを得たと
ころ、膜面外観は極めて良好で、フイツシユアイ
は0.01個/m2であつた。 実施例 3 実施例2において、重合槽より排出された重合
液を、径4インチ、長さ6mの配管に導き、温度
60℃、圧力47Kg/cm2Gを保持して通過させた。重
合液の配管中の滞留時間は約40分であつた。重合
液はこの配管より排出された後、チオ尿素を添加
することなく段塔に導かれ、以後実施例2と同操
作で処理されて、エチレン・酢酸ビニル・イソブ
チレン共重合体鹸化物ペレツトを得て、これを
220℃で押出製膜し厚さ20μのフイルムを得たと
ころ、膜面外観は極めて良好で、フイツシユアイ
数は0.02個/m2であつた。 一方、本例において重合槽より排出された重合
液を、径4インチ、長さ6mの配管を通過させる
ことなく、直ちに段塔に導き、以後同様に処理し
て20μのフイルムを得たところ、フイツシユアイ
数は1.5個/m2に増加した。 実施例 4〜9 実施例1と同じ重合槽を用いて、下表に示した
条件で連続重合を実施し、いずれも30日間安定な
運転が継続され、その間重合槽より排出されるポ
リマー溶液中にゲル状物は全く認められなかつ
た。 重合反応液は重合槽より排出された直後に、酢
酸銅の1g/メタノール溶液を添加混合(共重
合体ポリマーに対して酢酸銅5ppm添加)後、段
塔に導かれ、塔底よりメタノール蒸気を吹込ん
で、未反応の酢酸ビニル、エチレンを塔頂より分
離し塔底よりエチレン・酢酸ビニル共重合のメタ
ノール溶液として得られた。得られた溶液に10%
苛性ソーダメタノール溶液を添加し(共重合体ポ
リマーに対して苛性ソーダ5重量%添加)、60℃
で2時間鹸化反応を行つた後、反応液に対し5倍
量の水中に反応液を移してポリマーを充分析出さ
せ脱液し、更に同量の水で2回洗浄、脱液後、同
量の酢酸水溶液(酢酸濃度1.5g/)に浸漬、処
理した後、105℃で24時間乾燥し、鹸化度98〜99
モル%のエチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物を
得た。これを230℃で押出製膜して厚さ20μのフ
イルムを得たところ、膜面外観は良好で、フイツ
シユアイ数は下表に示した通り0.02〜0.05と極め
て少なかつた。
件で連続重合を実施した。 酢酸ビニル供給量 44Kg/hr t−ブタノール供給量 6 〃 イソブチレン供給量 1.5 〃 2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)供給量 17g/hr 重合温度 60℃ 重合槽エチレン圧力 47Kg/cm2G 平均滞留時間 8hrs その結果、エチレン・酢酸ビニル・イソブチレ
ン共重合体が29Kg/hrで得られ、共重合体のエチ
レン含有率は36モル%で酢酸ビニルの重合率は約
55%であつた。また上記条件におけるアゾビス−
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)の半減期は約15分であつた。 3ケ月間の連続運転中、コイルからの冷却によ
る重合温度制御は安定に行われ、また重合反応液
中にゲル状物は全く認められなかつた。 重合液は重合槽より排出された後、実施例1と
同様に処理されて、エチレン・酢酸ビニル・イソ
ブチレン共重合体鹸化物ペレツトを得て、これを
220℃で押出製膜し厚さ20μのフイルムを得たと
ころ、膜面外観は極めて良好で、フイツシユアイ
は0.01個/m2であつた。 実施例 3 実施例2において、重合槽より排出された重合
液を、径4インチ、長さ6mの配管に導き、温度
60℃、圧力47Kg/cm2Gを保持して通過させた。重
合液の配管中の滞留時間は約40分であつた。重合
液はこの配管より排出された後、チオ尿素を添加
することなく段塔に導かれ、以後実施例2と同操
作で処理されて、エチレン・酢酸ビニル・イソブ
チレン共重合体鹸化物ペレツトを得て、これを
220℃で押出製膜し厚さ20μのフイルムを得たと
ころ、膜面外観は極めて良好で、フイツシユアイ
数は0.02個/m2であつた。 一方、本例において重合槽より排出された重合
液を、径4インチ、長さ6mの配管を通過させる
ことなく、直ちに段塔に導き、以後同様に処理し
て20μのフイルムを得たところ、フイツシユアイ
数は1.5個/m2に増加した。 実施例 4〜9 実施例1と同じ重合槽を用いて、下表に示した
条件で連続重合を実施し、いずれも30日間安定な
運転が継続され、その間重合槽より排出されるポ
リマー溶液中にゲル状物は全く認められなかつ
た。 重合反応液は重合槽より排出された直後に、酢
酸銅の1g/メタノール溶液を添加混合(共重
合体ポリマーに対して酢酸銅5ppm添加)後、段
塔に導かれ、塔底よりメタノール蒸気を吹込ん
で、未反応の酢酸ビニル、エチレンを塔頂より分
離し塔底よりエチレン・酢酸ビニル共重合のメタ
ノール溶液として得られた。得られた溶液に10%
苛性ソーダメタノール溶液を添加し(共重合体ポ
リマーに対して苛性ソーダ5重量%添加)、60℃
で2時間鹸化反応を行つた後、反応液に対し5倍
量の水中に反応液を移してポリマーを充分析出さ
せ脱液し、更に同量の水で2回洗浄、脱液後、同
量の酢酸水溶液(酢酸濃度1.5g/)に浸漬、処
理した後、105℃で24時間乾燥し、鹸化度98〜99
モル%のエチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物を
得た。これを230℃で押出製膜して厚さ20μのフ
イルムを得たところ、膜面外観は良好で、フイツ
シユアイ数は下表に示した通り0.02〜0.05と極め
て少なかつた。
【表】
対照例 2〜6
実施例1と同じ重合槽を用いて、下表に示した
条件で連続重合を実施したが、いずれも運転日数
2〜4日目で、重合槽より排出されるポリマー溶
液中にゲル状物が認められ、14日以上安定に連続
重合運転ができた例はなかつた。 連続運転停止1日前の重合反応液を実施例4〜
9と同様に処理して厚さ20μのフイルムを得たと
ころ、膜面の荒れが激しく、フイツシユアイ数は
下表に示した通りであつた。
条件で連続重合を実施したが、いずれも運転日数
2〜4日目で、重合槽より排出されるポリマー溶
液中にゲル状物が認められ、14日以上安定に連続
重合運転ができた例はなかつた。 連続運転停止1日前の重合反応液を実施例4〜
9と同様に処理して厚さ20μのフイルムを得たと
ころ、膜面の荒れが激しく、フイツシユアイ数は
下表に示した通りであつた。
【表】
実施例10〜12、対照例7
実施例1と同じ重合槽において、酢酸ビニル供
給量45Kg/hr、メタノール供給量5Kg/hr、重合温
度40℃、重合槽エチレン圧力35Kg/cm2G、開始剤
2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)(重合条件における半減
期は2、3時間)、平均滞留時間7時間なる条件
で連続重合を実施し、エチレン含有率34〜37モル
%のエチレン・酢酸ビニル共重合体が得られた。 この場合、開始剤の供給量を調節して酢酸ビニ
ルの重合率を変化させた。重合液は実施例1と同
様に処理して、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸
化物の厚さ17μのフイルムを得た。酢酸ビニル重
合率、連続重合運転日数とそれに対応するポリマ
ーより得たフイルムのフイツシユアイ数は下表の
ようであつた。対照例として重合率70%の場合の
結果も示した。
給量45Kg/hr、メタノール供給量5Kg/hr、重合温
度40℃、重合槽エチレン圧力35Kg/cm2G、開始剤
2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)(重合条件における半減
期は2、3時間)、平均滞留時間7時間なる条件
で連続重合を実施し、エチレン含有率34〜37モル
%のエチレン・酢酸ビニル共重合体が得られた。 この場合、開始剤の供給量を調節して酢酸ビニ
ルの重合率を変化させた。重合液は実施例1と同
様に処理して、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸
化物の厚さ17μのフイルムを得た。酢酸ビニル重
合率、連続重合運転日数とそれに対応するポリマ
ーより得たフイルムのフイツシユアイ数は下表の
ようであつた。対照例として重合率70%の場合の
結果も示した。
【表】
実施例13〜15、対照例8
実施例1と同じ重合槽において、重合温度50
℃、重合槽エチレン圧力36Kg/cm2G、開始剤とし
て2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)(重合条件における半
減期0.9時間)を使用してエチレン・酢酸ビニル
共重合の連続重合を実施した。この場合酢酸ビニ
ル、メタノール供給量を下表に示すように変更し
て平均滞留時間を調節し、また開始剤供給量を調
節して酢酸ビニル重合率を65%に保つた。得られ
たエチレン・酢酸ビニル共重合体のエチレン含有
率は30〜32モル%であつた。重合液は実施例1と
同様に処理して、エチレン・酢酸ビニル共重合体
鹸化物の厚さ17μのフイルムを得た。重合槽平均
滞留時間、連続重合運転日数とそれに対応するポ
リマーより得たフイルムのフイツシユアイ数は下
表のようであつた。対照例として平均滞留時間2
時間の場合の結果も示す。
℃、重合槽エチレン圧力36Kg/cm2G、開始剤とし
て2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)(重合条件における半
減期0.9時間)を使用してエチレン・酢酸ビニル
共重合の連続重合を実施した。この場合酢酸ビニ
ル、メタノール供給量を下表に示すように変更し
て平均滞留時間を調節し、また開始剤供給量を調
節して酢酸ビニル重合率を65%に保つた。得られ
たエチレン・酢酸ビニル共重合体のエチレン含有
率は30〜32モル%であつた。重合液は実施例1と
同様に処理して、エチレン・酢酸ビニル共重合体
鹸化物の厚さ17μのフイルムを得た。重合槽平均
滞留時間、連続重合運転日数とそれに対応するポ
リマーより得たフイルムのフイツシユアイ数は下
表のようであつた。対照例として平均滞留時間2
時間の場合の結果も示す。
【表】
実施例 16
実施例13において、実施例3と同様に、重合槽
より排出された重合液を、径4インチ、長さ6m
の配管に導き、温度50℃、圧力36Kg/cm2Gを保持
して通過させた。重合液の配管中の滞留時間は約
40分であつた。重合液はこの配管より排出された
後、チオ尿素を添加することなく段塔に導かれ、
以後実施例13と同様に処理されて厚さ17μのフイ
ルムを得たところ、膜面外観は極めて良好で、フ
イツシユアイ数は0.03個/m2であつた。 一方、本例において重合槽より排出された重合
液を、径4インチ、長さ6mの配管を通過させる
ことなく直ちに段塔に導き、以後同様に処理して
17μのフイルムを得たところ、フイツシユアイ数
は1.2個/m2に増加した。
より排出された重合液を、径4インチ、長さ6m
の配管に導き、温度50℃、圧力36Kg/cm2Gを保持
して通過させた。重合液の配管中の滞留時間は約
40分であつた。重合液はこの配管より排出された
後、チオ尿素を添加することなく段塔に導かれ、
以後実施例13と同様に処理されて厚さ17μのフイ
ルムを得たところ、膜面外観は極めて良好で、フ
イツシユアイ数は0.03個/m2であつた。 一方、本例において重合槽より排出された重合
液を、径4インチ、長さ6mの配管を通過させる
ことなく直ちに段塔に導き、以後同様に処理して
17μのフイルムを得たところ、フイツシユアイ数
は1.2個/m2に増加した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記一般式(1)で表わされる共重合体のケン化
物(ケン化度85%以上)を 該共重合体のメタノール溶液またはメタノール−
第3級ブチルアルコール混合溶液にアルカリまた
はアルカリ金属アルコラートを存在せしめてケン
化することにより得るに当り、メタノールまたは
第3級ブチルアルコールを重合溶剤とし、ラジカ
ル開始剤を使用し、該溶剤温度を20重量%以下温
度を35−80℃、かつ下記(2)の条件を保持して連続
共重合を行つて得た該共重合体を用いることを特
徴 /θ1.5x/1−x (2) とする表面特性がすぐれたエチレン−酢酸ビニル
系共重合体ケン化物の成形物の製造法。 但し、(1)式においてX/(Y+Z)=0.3ないし
1.5 Z/Y=0ないし0.1 Rは水素またはメチル基、R1はメチル基また
はCOOR基である。また(2)式においてx0.85
xは酢酸ビニルの重合率、は重合槽の平均滞留
時間、θは重合開始剤の半減期である。 2 15時間である特許請求の範囲第1項記載
のエチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物成形
物の製造法。 3 θ5時間である特許請求の範囲第1項また
は第2項記載のエチレン−酢酸ビニル系共重合体
ケン化物成形物の製造法。 4 該ラジカル開始剤が2,2′−アゾビス−(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)
である特許請求の範囲第1項または第2項記載の
エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物成形物
の製造法。 5 下記一般式(1)で表わされる共重合体ケン化物
(ケン化度85%以上)を、 該共重合体のメタノール溶液または、メタノー
ル−第3級ブチルアルコール混合溶液にアルカリ
または金属アルコラートを存在させしめてケン化
することにより得るに当り、メタノールまたは第
3級ブチルアルコールを重合溶剤とし、2,2′−
アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバ
レロニトリル)を開始剤として使用し、該溶剤濃
度を20重量%以下、温度を50〜80℃かつ下記(2)式
の条件を保持して連続共重合を行つた後、該共重
合反応液に更に開始剤を添加 /θ1.5x/1−x (2) することなく該重合温度下に少くとも0.5時間の
滞留時間を保持させて得た該共重合体を用いるこ
とを特徴とする成形品の表面特性がすぐれたエチ
レン・酢酸ビニル系共重合体ケン化物の成形物の
製造法。 但し、(1)式においてX/(Y+Z)=0.3ないし
1.5 Z/Y=0ないし0.1 Rは水素原子またはメチル基、R1はメチル基
またはCOOR基である。また(2)式においてx
0.85 xは酢酸ビニルの重合率、は重合槽の平
均滞留時間、θは2,2′−アゾビス−(4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)の半減
期である。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8924282A JPS58206606A (ja) | 1982-05-25 | 1982-05-25 | エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物の成形物の製造法 |
| NL8301740A NL185927C (nl) | 1982-05-25 | 1983-05-17 | Werkwijze voor het vervaardigen van een voorwerp door extrusie van een verzeept produkt en door extrusie verkregen filmvormig voorwerp. |
| FR8308629A FR2527617B1 (fr) | 1982-05-25 | 1983-05-25 | Procede de preparation d'un produit de saponification d'un copolymere ethylene-acetate de vinyle |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8924282A JPS58206606A (ja) | 1982-05-25 | 1982-05-25 | エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物の成形物の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58206606A JPS58206606A (ja) | 1983-12-01 |
| JPH0155282B2 true JPH0155282B2 (ja) | 1989-11-24 |
Family
ID=13965275
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8924282A Granted JPS58206606A (ja) | 1982-05-25 | 1982-05-25 | エチレン−酢酸ビニル系共重合体ケン化物の成形物の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58206606A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4864196B2 (ja) * | 1999-11-18 | 2012-02-01 | 株式会社クラレ | アルコキシル基含有エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物及びその成形物 |
| TWI705999B (zh) * | 2015-12-28 | 2020-10-01 | 日商三菱化學股份有限公司 | 乙烯-乙烯醇系共聚物組成物、丸粒、多層結構體及乙烯-乙烯醇系共聚物組成物之製造方法 |
| JP7089351B2 (ja) * | 2017-09-01 | 2022-06-22 | 株式会社クラレ | 樹脂組成物、並びにそれを用いた成形体及び多層構造体 |
| JP7079270B2 (ja) * | 2017-12-27 | 2022-06-01 | 株式会社クラレ | エチレン-ビニルアルコール共重合体含有樹脂組成物の製造方法 |
-
1982
- 1982-05-25 JP JP8924282A patent/JPS58206606A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58206606A (ja) | 1983-12-01 |
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