JPH0214331B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPH0214331B2 JPH0214331B2 JP57150733A JP15073382A JPH0214331B2 JP H0214331 B2 JPH0214331 B2 JP H0214331B2 JP 57150733 A JP57150733 A JP 57150733A JP 15073382 A JP15073382 A JP 15073382A JP H0214331 B2 JPH0214331 B2 JP H0214331B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nisin
- mice
- group
- administered
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は新規な制癌剤に関するものである。
更に詳細には、本発明は、ストレプトコツカ
ス・ラクチス(Streptococcus lactis)の特定の
菌株によつて生産される抗菌性ペプチド物質であ
るナイシン(Nisin)を有効成分とする新規な制
癌剤に関するものである。 一般に、臨床上の癌は、その組織型、原発部
位、薬剤感受性、悪性度などで生物学的多様性を
有しており、それ故に一種類の薬剤でこれを治療
することは極めて困難であると言わねばならな
い。したがつて、新規な制癌剤の開発は医療上の
急務であり、産業上においてもまた甚大なる意義
を有するものである。 本発明者らは、新規制癌剤の開発を目的として
乳酸菌の代謝産物の制癌活性を鋭意検討した結
果、ストレプトコツカス・ラクチスの特定の菌株
によつて生産されるポリペプチドであるナイシン
に顕著なる制癌活性を見出し、本発明に至つたも
のである。 ナイシンは、下記に示すように34個のアミノ酸
から構成されるポリペプチドで(J.Amer.Chem.
Soc.93,4634〜4635,1971)、グラム陽性細菌に
対して抗菌力を示すことが報告されてはいるが、
抗菌スペクトルがせまく生理PHでの溶解性がよく
ないために抗菌剤としては臨床上の使用に至つて
いない。 ABA:アミノ酪酸(aminobutylic acid) DHA:デヒドロアラニン DHB:デヒドロブチリン(β―メチルデヒドロ
アラニン) しかしながら、ナイシンは毒性が低くしかもク
ロストリデイウム・ブチリカム(Clostridium
butyricum)やクロストリデイウムチロブチリカ
ム(Cl.tyrobutyricum)のような有害菌の生育を
効果的に抑えるため、食品の保存剤としては有効
であり、ヨーロツパ諸国の中には食品添加物とし
ての使用を法的に認めている国もある。実際に、
東欧諸国では野菜類のかん詰にこのナイシンを利
用することが行われており、ポーランドやソ連邦
ではナイシンの工業生産が行われている
(Antibiotiki18,162〜165,1973)。 本発明はナイシンを有効成分とする制癌剤に関
するが、本発明に使用するナイシンとしては上述
のごとき市販品を使用することも可能であるが、
ストレプトコツカス・ラクチス ATCC11454株
のごときナイシン生産性の菌株からナイシンを単
離、精製して使用することも可能である。 ナイシンの単離、精製法の一例を示せば次のと
おりである。すなわち、ナイシン生産菌の倍養液
をPH2とした後、遠心分離して菌体を除去し、上
精をPH4.2〜4.5として5%のクロロホルムと0.1%
の2級オクチルアルコールで乳濁させる。この混
合物をしばらく静置すると比較的少量の安定なク
ロロホルムゲルを生じ、活性はこのゲルに存在す
る。このゲルにアルコールを加えてクロロホルム
を溶解すると、活性物質の沈殿が得られる。この
沈殿を希酸中に溶解してPH2.5〜3に調整し、等
量のアルコールを加えることによつて不純物を沈
殿として除去した後、アルコール溶液を減圧下で
濃縮し、PH4に調整して冷却すると活性物質が沈
殿してくる。この沈殿を1/100規定の塩酸に溶解
して凍結乾燥すると、1g当たり106〜2×106リ
ーデイングユニツト(Reading Unit)の力価を
有するナイシンが得られる。なおリーデイングユ
ニツトとは、ナイシンの標準力価のことで、トレ
イマー(Tramer)らによつて定められ、WHO
にも承認されている(1969年)。 本発明にかかるナイシンの制癌活性は、エール
リツヒ腹水腫瘍を用いて判定された。すなわち、
1群10匹のddYマウスにエールリツヒ腹水腫瘍細
胞を腹腔内接種し、翌日から連続9日間毎日ナイ
シンの投与を続け、対照群には生理食塩水の投与
を続けた。実験の詳細は実施例中に述べるが、ナ
イシン投与群と対照群との間には、体重の経時的
変化(第1図)および延命(実施例の表―1)に
顕著な差異が認められた。なお第1図において、
ナイシン投与群Aに比して対照群Bの体重の著し
い増加は、エールリツヒ腫瘍細胞の増殖に伴う腹
水の貯留を反映したものである。 本実験では、通常のddYマウスを発癌させるの
に十分なエールリツヒ腫瘍細胞数を接種したにも
拘らず、ナイシン投与時では癌細胞の腹腔内での
増殖がまつたく認められないか、発癌しないマウ
スが大半を占めた。また発癌したマウスでも、ナ
イシン投与群のマウスは対照群に比べて顕著に延
命した。 以上の結果より、本発明者らは抗菌性ポリペプ
チド物質ナイシンに従来思いもよらなかつた新規
な制癌活性を確認し、ナイシンのかかる性質を利
用することを特徴とする有用な制癌剤を発明する
に到つた。本発明に用いるナイシンは毒性が著し
く低いため(Journal of the Science of Food
and Agriculture 13,32〜42,1962)、大量生体
投与が可能であり、長期間投与が可能である。投
与量は、1〜104mg/Kg/day程度であり、その
剤状は散剤、カプセル剤、水剤、乳剤などで、注
射薬、内服薬、坐薬などによつて投与される。 次に本発明の実施例を示す。 実施例 ddY系6週令の雌性マウスを用い、1群10匹と
し予め1週間ddYマウスに継代増殖したエールリ
ツヒ腹水腫瘍細胞を3×105個腹腔内に接種し、
翌日より連続9日間、対照群には生理食塩水を、
試験群には生理食塩水に溶解したナイシンをそれ
ぞれ腹腔内に投与した。ナイシンの投与量は40
mg/Kg/dayとしたが、本実験に用いたナイシン
は106ユニツト/gの力価のものであり、マウス
1匹1日当たりに投与されたナイシンの力価は約
1000ユニツトである。 対照群および試験群中で、第1匹目のマウスが
死亡するまで経時的に体重の測定を続けた。対照
群のマウスは10匹中のすべてが発癌し、腫瘍細胞
接種後35日目までにすべて死亡したのに対し、ナ
イシンを投与した試験群では、発癌は10匹中でわ
ずか2匹に認められたのみであつた。 結果は表―1に示される。 【表】
ス・ラクチス(Streptococcus lactis)の特定の
菌株によつて生産される抗菌性ペプチド物質であ
るナイシン(Nisin)を有効成分とする新規な制
癌剤に関するものである。 一般に、臨床上の癌は、その組織型、原発部
位、薬剤感受性、悪性度などで生物学的多様性を
有しており、それ故に一種類の薬剤でこれを治療
することは極めて困難であると言わねばならな
い。したがつて、新規な制癌剤の開発は医療上の
急務であり、産業上においてもまた甚大なる意義
を有するものである。 本発明者らは、新規制癌剤の開発を目的として
乳酸菌の代謝産物の制癌活性を鋭意検討した結
果、ストレプトコツカス・ラクチスの特定の菌株
によつて生産されるポリペプチドであるナイシン
に顕著なる制癌活性を見出し、本発明に至つたも
のである。 ナイシンは、下記に示すように34個のアミノ酸
から構成されるポリペプチドで(J.Amer.Chem.
Soc.93,4634〜4635,1971)、グラム陽性細菌に
対して抗菌力を示すことが報告されてはいるが、
抗菌スペクトルがせまく生理PHでの溶解性がよく
ないために抗菌剤としては臨床上の使用に至つて
いない。 ABA:アミノ酪酸(aminobutylic acid) DHA:デヒドロアラニン DHB:デヒドロブチリン(β―メチルデヒドロ
アラニン) しかしながら、ナイシンは毒性が低くしかもク
ロストリデイウム・ブチリカム(Clostridium
butyricum)やクロストリデイウムチロブチリカ
ム(Cl.tyrobutyricum)のような有害菌の生育を
効果的に抑えるため、食品の保存剤としては有効
であり、ヨーロツパ諸国の中には食品添加物とし
ての使用を法的に認めている国もある。実際に、
東欧諸国では野菜類のかん詰にこのナイシンを利
用することが行われており、ポーランドやソ連邦
ではナイシンの工業生産が行われている
(Antibiotiki18,162〜165,1973)。 本発明はナイシンを有効成分とする制癌剤に関
するが、本発明に使用するナイシンとしては上述
のごとき市販品を使用することも可能であるが、
ストレプトコツカス・ラクチス ATCC11454株
のごときナイシン生産性の菌株からナイシンを単
離、精製して使用することも可能である。 ナイシンの単離、精製法の一例を示せば次のと
おりである。すなわち、ナイシン生産菌の倍養液
をPH2とした後、遠心分離して菌体を除去し、上
精をPH4.2〜4.5として5%のクロロホルムと0.1%
の2級オクチルアルコールで乳濁させる。この混
合物をしばらく静置すると比較的少量の安定なク
ロロホルムゲルを生じ、活性はこのゲルに存在す
る。このゲルにアルコールを加えてクロロホルム
を溶解すると、活性物質の沈殿が得られる。この
沈殿を希酸中に溶解してPH2.5〜3に調整し、等
量のアルコールを加えることによつて不純物を沈
殿として除去した後、アルコール溶液を減圧下で
濃縮し、PH4に調整して冷却すると活性物質が沈
殿してくる。この沈殿を1/100規定の塩酸に溶解
して凍結乾燥すると、1g当たり106〜2×106リ
ーデイングユニツト(Reading Unit)の力価を
有するナイシンが得られる。なおリーデイングユ
ニツトとは、ナイシンの標準力価のことで、トレ
イマー(Tramer)らによつて定められ、WHO
にも承認されている(1969年)。 本発明にかかるナイシンの制癌活性は、エール
リツヒ腹水腫瘍を用いて判定された。すなわち、
1群10匹のddYマウスにエールリツヒ腹水腫瘍細
胞を腹腔内接種し、翌日から連続9日間毎日ナイ
シンの投与を続け、対照群には生理食塩水の投与
を続けた。実験の詳細は実施例中に述べるが、ナ
イシン投与群と対照群との間には、体重の経時的
変化(第1図)および延命(実施例の表―1)に
顕著な差異が認められた。なお第1図において、
ナイシン投与群Aに比して対照群Bの体重の著し
い増加は、エールリツヒ腫瘍細胞の増殖に伴う腹
水の貯留を反映したものである。 本実験では、通常のddYマウスを発癌させるの
に十分なエールリツヒ腫瘍細胞数を接種したにも
拘らず、ナイシン投与時では癌細胞の腹腔内での
増殖がまつたく認められないか、発癌しないマウ
スが大半を占めた。また発癌したマウスでも、ナ
イシン投与群のマウスは対照群に比べて顕著に延
命した。 以上の結果より、本発明者らは抗菌性ポリペプ
チド物質ナイシンに従来思いもよらなかつた新規
な制癌活性を確認し、ナイシンのかかる性質を利
用することを特徴とする有用な制癌剤を発明する
に到つた。本発明に用いるナイシンは毒性が著し
く低いため(Journal of the Science of Food
and Agriculture 13,32〜42,1962)、大量生体
投与が可能であり、長期間投与が可能である。投
与量は、1〜104mg/Kg/day程度であり、その
剤状は散剤、カプセル剤、水剤、乳剤などで、注
射薬、内服薬、坐薬などによつて投与される。 次に本発明の実施例を示す。 実施例 ddY系6週令の雌性マウスを用い、1群10匹と
し予め1週間ddYマウスに継代増殖したエールリ
ツヒ腹水腫瘍細胞を3×105個腹腔内に接種し、
翌日より連続9日間、対照群には生理食塩水を、
試験群には生理食塩水に溶解したナイシンをそれ
ぞれ腹腔内に投与した。ナイシンの投与量は40
mg/Kg/dayとしたが、本実験に用いたナイシン
は106ユニツト/gの力価のものであり、マウス
1匹1日当たりに投与されたナイシンの力価は約
1000ユニツトである。 対照群および試験群中で、第1匹目のマウスが
死亡するまで経時的に体重の測定を続けた。対照
群のマウスは10匹中のすべてが発癌し、腫瘍細胞
接種後35日目までにすべて死亡したのに対し、ナ
イシンを投与した試験群では、発癌は10匹中でわ
ずか2匹に認められたのみであつた。 結果は表―1に示される。 【表】
第1図はddYマウスにエールリツヒ腹水腫瘍細
胞を腹腔内接種した後の体重変化を示す図であ
る。 A…ナイシン投与群、B…対照群。
胞を腹腔内接種した後の体重変化を示す図であ
る。 A…ナイシン投与群、B…対照群。
Claims (1)
- 1 ナイシン(Nisin)を有効成分とすることを
特徴とする制癌剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57150733A JPS5942322A (ja) | 1982-09-01 | 1982-09-01 | 制癌剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57150733A JPS5942322A (ja) | 1982-09-01 | 1982-09-01 | 制癌剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5942322A JPS5942322A (ja) | 1984-03-08 |
| JPH0214331B2 true JPH0214331B2 (ja) | 1990-04-06 |
Family
ID=15503220
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57150733A Granted JPS5942322A (ja) | 1982-09-01 | 1982-09-01 | 制癌剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5942322A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0442630U (ja) * | 1990-08-10 | 1992-04-10 |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7378386B2 (en) * | 2002-07-15 | 2008-05-27 | Board Of Regents, The University Of Texas System | Anti-viral treatment methods using phosphatidylethanolamine-binding peptide derivatives |
| EP2283868B1 (en) * | 2002-07-15 | 2016-03-30 | Board of Regents, The University of Texas System | Peptides binding to phosphatidylethanolamine and their use in treating viral infections and cancer |
| CA2485178A1 (en) * | 2004-11-22 | 2006-05-22 | Universite Du Quebec A Chicoutimi | Lactic acid bacteria-derived bacteriocin and uses thereof for prevention or treatment of cancer |
-
1982
- 1982-09-01 JP JP57150733A patent/JPS5942322A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0442630U (ja) * | 1990-08-10 | 1992-04-10 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5942322A (ja) | 1984-03-08 |
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