JPH0224780B2 - - Google Patents

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JPH0224780B2
JPH0224780B2 JP57060921A JP6092182A JPH0224780B2 JP H0224780 B2 JPH0224780 B2 JP H0224780B2 JP 57060921 A JP57060921 A JP 57060921A JP 6092182 A JP6092182 A JP 6092182A JP H0224780 B2 JPH0224780 B2 JP H0224780B2
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Japan
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zirconia
sintered body
tetragonal
layer
cubic
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JP57060921A
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Inventor
Fumio Yoshida
Yoshiki Masaki
Toshio Nishina
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、ジルコニア焼結体に関する。 ジルコニアは、周知のように、単斜晶系、正方
晶系および立方晶系の3種類の結晶構造をもつて
いるが、そのようなジルコニアからなるジルコニ
ア焼結体は、強靭性、耐蝕性、酸素イオン伝導性
など、他の材料にはみられないユニークな特性を
もつていることから、いろいろな用途に応用さ
れ、あるいは応用されようとしている。 たとえば、正方晶系の結晶構造をもつジルコニ
アを主体とするジルコニア焼結体(以下、正方晶
系の結晶構造をもつジルコニアを正方晶ジルコニ
アといい、その正方晶ジルコニアを主体とするジ
ルコニア焼結体を正方晶焼結体という)は、優れ
た靭性をもつていることもあつて、包丁などの刃
物に応用されている。そのような正方晶焼結体製
の刃物は、かえりを発生しないので刃立てが容易
であり、よく切れ、また酸化物であるので錆びな
いといつた数多くの特長をもつている。しかしな
がら、正方晶焼結体は硬度が十分に高くないの
で、上記刃物は耐摩性がそれほどよくない。ま
た、正方晶焼結体は乳白色をしているので、上記
刃物は従来使いなれている金属製の刃物にくらべ
て色調が著しく異なり、使用者に違和感を与える
という欠点もあつた。 また、立方晶系の結晶構造をもつジルコニアを
主体とするジルコニア焼結体(以下、立方晶系の
結晶構造をもつジルコニアを立方晶ジルコニアと
いい、その立方晶ジルコニアを主体とする焼結体
を立方晶焼結体という)は、酸素イオン伝導性を
有しているので、酸素センサや酸素ポンプに応用
されている。すなわち、酸素センサは、上記立方
晶焼結体を隔壁としてその相対向する両面に電子
伝導性をもつ多孔質電極を設け、一方の電極を基
準極として空気の如き酸素分圧既知のガスに接触
させ、他方の電極を測定極として酸素分圧未知の
ガスに接触させると、これら両電極間に起電力を
発生することを利用したものである。この起電力
の大きさは、周知のネルンストの式、すなわち E=RT/4FlnPS/PM ただし、E:起電力 F:フアラデー定数 R:気体定数 T:隔壁の絶対温度 PS:基準極側のガスの酸素分圧 PM:測定極側のガスの酸素分圧 によつて表されるので、その起電力の大きさから
測定極側のガスの酸素分圧を知ることができる。
これとは逆の使い方、すなわち両電極間にある一
定の電圧を印加し、一方の電極に酸素分圧が一定
の、たとえば空気を接触させると、他方の電極の
側では上記ネルンストの式を満足するような酸素
分圧をもつガスが得られる。すなわち、酸素ポン
プとして作用するわけである。 しかして、上記電極は、隔壁の壁面に白金ペー
ストなどの導電性ペーストを塗布し、高温で焼き
付けることによつて形成しているが、そのような
電極はガスを吸着しやすいので、上記酸素センサ
や酸素ポンプは、特にガスが還元性ガスである場
合に応答が遅い。また、白金ペーストの如き導電
性ペーストは、一般に極めて高価でもある。 また、立方晶焼結体は、その酸素イオン伝導性
による導電性を利用してヒータに応用されてい
る。しかるに、酸素イオン伝導性は約400℃以下
の温度では極めて低く、ヒータとして必要な導電
性を得るためには1000℃前後の高温まで加熱しな
ければならないので、上記ヒータは大容量のプレ
ヒータを付設して予熱しないと作動しない。 上記のように、従来のジルコニア焼結体は実用
上いろいろな問題をもつていて、他の材料にみら
れないユニークな特性を有しているにもかかわら
ず、その具体的な応用についてはそれほど進んで
いないので現状である。 本発明は、従来のジルコニア焼結体の上記諸問
題に鑑みてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、表面硬度が高く、黒色ないし黒灰色の表面
をもち、しかも良好な導電性を示すようなジルコ
ニア焼結体を提供するにある。 上記目的を達成するための本発明は、表層部が
炭化ジルコニウム化されているジルコニア焼結体
を特徴とするものである。 次に、本発明のジルコニア焼結体をさらに詳細
に説明する。 本発明のジルコニア焼結体は、いわゆる母材で
あるジルコニア焼結体の表面にコーテイング、メ
ツキ、蒸着などによつて炭化物の層を形成してい
るのではなく、母材を構成しているジルコニウム
原子そのものを利用して、表層部のみを炭化ジル
コニウム化したものである。以下においては、こ
の炭化ジルコニウム化された表層部を炭化層とい
い、それ以外の部分をジルコニア層という。 炭化層の比重は6.4〜6.9程度であり、ジルコニ
ア層のそれの5.8〜6.1に極めて近い。また、炭化
層の厚みは、ジルコニア焼結体にどのような特性
を付与したいかということによつて異なるが、通
常、0.1〜100(μ)程度である。すなわち、硬度
や耐摩耗性の向上を目的とする場合には厚いほう
がよく、好ましくは1μ以上である。また、装飾
的な色彩の強い、色調の改変が目的であれば、
0.5μ以下の厚みで十分である。導電性の付与を目
的とする場合、その低抗値は炭化層の厚みによつ
て制御できる。厚いほど導電性は高くなる。
100μを越える厚みにすることも可能であるが、
極端に高い導電性を付与したいような場合以外あ
まり必要なことではない。 ジルコニア層は、いずれの結晶構造をもつジル
コニアからなるものであつてもよく、ジルコニア
焼結体の使用目的に応じて適宜選ばれる。 たとえば、刃物や各種機械部品など、構造材的
色彩が強い用途の場合には、機械的強度、特に靭
性や破壊強度が高いという理由で、上記ジルコニ
ア層は、そのほとんど全部が正方晶ジルコニアで
あるか、または正方晶ジルコニアが30モル%以
上、好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは
70モル%以上であり、これに立方晶ジルコニアが
共存しているようなもの、すなわち正方晶焼結体
からなつているのが好ましい。いずれにしても、
単斜晶系の結晶構造をもつジルコニア(以下、単
斜晶ジルコニアという)を実質的に含まないもの
であるのが好ましい。ここにおいて、単斜晶ジル
コニアを実質的に含まないということは、上記正
方晶焼結体がもし単斜晶ジルコニアを含んでいた
としても、その量が全体に対して10モル%以下で
あるということである。 正方晶焼結体をジルコニア層とするジルコニア
焼結体の機械的強度が高いので、それが外力を受
けると、正方晶系から単斜晶系への結晶構造の変
態が十分に起こり、この変態に必要なエネルギー
が応力を緩和する方向に働くからである。 また、正方晶焼結体中に立方晶ジルコニアが共
存していると、立方晶ジルコニアは、ジルコニア
の結晶構造のなかで熱に対する安定性が最も高い
ので、ジルコニア焼結体の熱的安定性が向上す
る。 正方晶焼結体が単斜晶ジルコニアを含んでいる
ということは、単斜晶ジルコニアの周囲または近
傍に、正方晶系から単斜晶系への結晶構造の変態
に伴うマイクロクラツクを生じているということ
であり、外力を受けた場合にこのマイクロクラツ
クを起点とする破壊が進行しやすいので、ジルコ
ニア焼結体の機械的強度は若干低下する。 ジルコニア焼結体の酸素イオン伝導性を主とし
て利用する用途、たとえば上述した酸素センサや
酸素ポンプなどの用途においては、上記ジルコニ
ア層は立方晶焼結体、すなわちほとんど立方晶ジ
ルコニアであるか、または立方晶ジルコニアを主
体とし、これに若干の正方晶ジルコニアが共存し
ているようなものであるのが好ましい。この場合
も、単斜晶ジルコニアが実質的に含まれていない
のが好ましい。 上記において、正方晶ジルコニアおよび単斜晶
ジルコニアの量は次のようにして求める。 すなわち、ジルコニア焼結体の炭化層を、ダイ
アモンド刃を備えた研削盤で研削するか、あるい
はダイアモンド砥石で研磨するなどして除去し、
これによつて露出したジルコニア層の面をガイガ
ーカウンタによる自動記録式X線回折装置を用い
て分析し、立方晶ジルコニア(400)面、正方晶
ジルコニア(004)面および正方晶ジルコニア
(400)面の回折パターンをチヤート上に記録す
る。次に、上記チヤートから立方晶ジルコニア
(400)面の回折ピークの面積強度を求め、さらに
この面積強度を、同じくチヤート上から読み取つ
た立方晶ジルコニア(400)面の回折角θを用い
てローレンツ因子L〔ただし、L=(1+
cos22θ)/sin2θ・cosθ〕で除し、立方晶ジルコ
ニア(400)面の回折線強度Aを求める。全く同
様に、チヤート上から読み取つた正方晶ジルコニ
ア(400)面のピークの面積強度および回折角と、
正方晶ジルコニア(400)面の面積強度および回
折角から、正方晶ジルコニア(004)面の回折線
強度Bと正方晶ジルコニア(400)面の回折線強
度Cを求め、これらの値を次式に代入して正方晶
ジルコニアの量CT(モル%)を算出する。 CT=B+C/A+B+C×100 ……(1) ここにおいて、X線回折にあたつては、上記各
結晶面の回折ピークがチヤート上で重なり合わな
いような回折条件を設定するのが好ましい。この
点に関しては、X線源としてニツケルフイルタ付
の銅管球を用い、管電圧および管電流をそれぞれ
24kV、10mAとしたとき、レートメータの時定
数を4秒、ゴニオメータの回転速度を0.25度/
分、チヤートスピードを20mm/分とすれば好まし
い。 ところで、上記方法は、いわゆる簡便法であつ
て、厳密にはこれによつて正方晶ジルコニアの正
確な量(モル%)が求まるわけではない。正確な
量を求めるためには、上記算出値をさらに補正す
る必要がある。しかしながら、補正後の値は補正
前の値とそう変わりはないので、上記(1)式による
値が焼結体中の正方晶ジルコニアの量(モル%)
を表しているものとみなし得る。 すなわち、上記方法は、ロナルド・C・ガルビ
イ(Ronald C.Garvie)らがジヤーナル・オブ・
ザ・アメリカン・セラミツク・ソサエテイ、
Vol.55、No.6、第303〜305頁、1972年6月で報告
している多形法(Polymorph Method)に準拠
したものであるが、この多形法においては、正方
晶ジルコニアは高温になると立方晶ジルコニアに
変態するが、かかる変態において、正方晶ジルコ
ニアの(004)面と(400)面は立方晶ジルコニア
(400)面から分離したものであるから、立方晶ジ
ルコニア(400)面の回折線強度は、正方晶ジル
コニアの(004)面の回折線強度と(400)面の回
折線強度との和に等しいものと仮定して上記(1)式
をたてている。そして、正方晶ジルコニア粉末と
立方晶ジルコニア粉末とを種々のモル比で混合し
てなる幾種類かの標準試料についてX線回折を行
い、その回折パターンのピークから、上記簡便法
と同様、ローレンツ因子で補正した立方晶ジルコ
ニア(400)面、正方晶ジルコニア(004)面およ
び(400)面の回折線強度を求め、それらの値を
上記(1)式に代入して算出した値を縦軸とし、全体
に対する正方晶ジルコニアの量(モル%)を横軸
とする検量線を作成し、この検量線上に、正方晶
ジルコニアの量が未知である焼結体について同様
にして算出した値をプロツトすることによつて、
その焼結体中の正方晶ジルコニアの量(モル%)
を求める。本発明者は、このようにして求めた値
と、検量線は用いないで、上記(1)式によつて直接
求めた、いわゆる簡便法による値とを比較した結
果、両者の値は大差ないことから、簡便法による
値がそのまま焼結体中の正方晶ジルコニアの量
(モル%)を表しているものとみなしている。 そして、正方晶ジルコニアの量CT(モル%)が
求まれば、上述した焼結体中の立方晶ジルコニア
の量CC(モル%)は、その焼結体は単斜晶ジルコ
ニアを実質的に含んでいないわけであるから、実
用上 CC=(100−CT) ……(2) であるとみて差し支えない。 なお、単斜晶ジルコニアの量を求める必要があ
る場合には、正方晶ジルコニアの場合と全く同様
に、簡便法を用いて下記(3)式によつて求める。 CM=E+F/D+E+F×100 ……(3) ただし、 CM:単斜晶ジルコニアの量(モル%) D:正方晶ジルコニア(111)面の回折線強度 E:単斜晶ジルコニア(111)面の回折線強度 F:単斜晶ジルコニア(111)面の回折線強度 上記のようなジルコニア焼結体は、好ましくは
0.1〜5(μ)、さらに好ましくは0.1〜1(μ)の
平均結晶粒子径を有している。すなわち、平均結
晶粒子径が上記範囲にあるということは結晶が緻
密であるということであり、より一層高い機械的
強度のジルコニア焼結体を得ることができる。 同様に、さらに高い機械的強度のジルコニア焼
結体を得るために、ジルコニア焼結体の気孔率は
3%以下であるのが好ましい。さらに好ましい気
孔率は、1%以下である。ここにおいて、気孔率
P(%)は次式によつて求める。 P=(1−実際の密度/理論密度)×100 本発明のジルコニア焼結体は、たとえば次のよ
うにして製造することができる。すなわち、ジル
コニアにイツトリア、カルシア、マグネシアなど
の安定化剤の少なくとも1種を、1〜5(モル%)
程度(ジルコニア層を正方晶焼結体で構成したい
場合)、あるいは5〜20(モル%)程度(ジルコニ
ア層を立方晶焼結体で構成したい場合)固溶さ
せ、適当な形状に成形して焼結した後、その焼結
体を一酸化炭素の如き炭素ガスの存在下で、かつ
0.1〜50(mmHg)の減圧下で100〜1000(℃/時)
の速度で約1400〜1800(℃)まで昇温し、その温
度に数分〜数時間保持して上記焼結体の表層部を
炭化ジルコニウム化する。焼結と炭化層の形成と
を同時に行うことも可能である。炭化層の厚み
は、加熱温度や加熱時間を変えることによつて制
御できる。 本発明のジルコニア焼結体は、いろいろな用途
に使用することができる。次にその一例をあげ
る。 A ジルコニア層が正方晶焼結体からなり、主と
して導電性を利用する用途……発熱体、電気抵
抗体、静電気防止用各種ガイドなど。 B ジルコニア層が立方晶焼結体からなり、主と
して導電性を利用する用途……還元性雰囲気ま
たは不活性雰囲気中で使用する酸素センサまた
は酸素ポンプ、サーミスタ、発熱体、電気抵抗
体など。 C ジルコニア層が正方晶焼結体からなり、主と
して表面硬さを利用する用途……各種切削工
具、各種ダイス、ボルト、ナツト、各種バル
ブ、ベアリング、ベアリング用ボール、ボール
ペン用ボール、各種ノズル、各種メカニカルシ
ール、各種カツタ、各種ガイドなど。 D ジルコニア層が正方晶焼結体からなり、主と
して表面硬さおよび黒色ないしは黒灰色の色調
を利用する用途……手術用メス、フオーク、ナ
イフ、包丁、鋸、はさみ、登山用ガイド、釣糸
ガイド、ゴルフ用パター、ウツドクラブのフエ
ース、碁石など。 以上説明したように、本発明のジルコニア焼結
体は、表層部が炭化ジルコニウム化されているの
で、表面硬度が高い。また、炭化ジルコニウムは
黒色ないし黒灰色の色調を呈するので、本発明の
ジルコニア焼結体は、たとえば金属やサーメツト
の代替として使用しても使用者に違和感を与えな
い。さらに、炭化ジルコニウムは良好な導電性を
有するので、本発明のジルコニア焼結体は、酸素
イオン電導性をほとんどもたないような低温領域
においても高い導電性を示す。 実施例 1 平均粒子径が0.1μであるジルコニア粉末とイツ
トリア粉末とを、モル比で97:3になるように混
合した後、この混合物を約1000℃で約3時間仮焼
し、さらにポツトミルで約24時間粉砕し、かかる
仮焼、粉砕を2回繰り返し行つて原料粉末を得
た。 次に、上記原料粉末1Kgにバインダとして2%
ポリビニルアルコール水溶液1を加え、ボール
ミルでよく混合した後、約150℃で熱風乾燥し、
さらにラバープレス法によつて板状に成形した
(成形圧力約1000Kg/cm2)。 次に、上記成形体を、プロパンガス炉に入れ、
約300℃/時の速度で約1600℃まで昇温し、その
温度に約2時間保持した後、約1000℃までは約
200℃/時の速度で冷却し、その後常温まで炉冷
して板状の焼結体を得た。この焼結体の表面を顕
微鏡で観察したところ、約1μの結晶粒子径を有
していた。また、X線回折によれば、約80モル%
が正方晶ジルコニアであり、約20モル%が立方晶
ジルコニアであつた。すなわち、この焼結体は正
方晶焼結体である。 次に、上記焼結体をダイアモンドカツタで切断
し、ダイアモンド刃を有する研削盤で研削して、
厚み3mm、幅3mm、長さ24mmの棒状体を12本作つ
た。 次に、上記12本の棒状体のうちの1本を、一酸
化炭素雰囲気が得られるように黒鉛るつぼに入
れ、そのるつぼを約1mmHgの減圧下に約600℃/
時の速度で約1400℃まで昇温し、その温度に4時
間保持した後炉冷し、表層部が炭化ジルコニウム
化されたジルコニア焼結体からなる試料1を得
た。さらに、他の10本の棒状体について、炭化層
形成温度と時間を変更したほかは全く同様にし
て、次表に示す試料2〜11を得た。これら試料1
〜11の表面は、いずれも黒色であつた。また、そ
の表面をX線回折法を用いて分析したところ、炭
化ジルコニウムであることが確認された。一方、
比較のため、残りの1本の棒状体を、炭化層を形
成していない試料12として準備した。 次に、上記試料1〜12について、その硬度、炭
化層厚み、長手方向電気抵抗および曲げ強度を測
定した。硬度の測定はマイクロビツカース硬度計
によつた、また、炭化層厚みは、最後に試料を切
断し、その切断面を顕微鏡で観察することによつ
て測定した。長手方向電気抵抗は、試料の長手方
向両端面に電極を当て、4端子法によつて測定し
た。また、曲げ強度は、3点曲げ試験法を用い、
スパン長20mm、荷重印加速度1mm/分という条件
で測定した。各測定結果を次表に示す。
【表】 上表から、炭化層の厚みはその形成条件によつ
て自由に制御することができ、その厚みが増すと
硬度が高くなり、かつ電気抵抗が小さくなること
がわかる。また、曲げ強度は、炭化層を有しない
ものにくらべて優るとも劣らない。 次に、上記試料6の切断面をダイアモンドペー
ストで研磨し、顕微鏡写真を撮つた。その写真を
第1図に示す。第1図において、この写真の倍率
は2000倍であり、やや白つぼく見えるのが炭化層
であり、その下方の、上記炭化層よりもやや黒つ
ぽく見えるのがジルコニア層である。黒い斑点状
に見えるのは、焼結時にできた気孔である。な
お、左右方向に走る筋状の線は研磨痕である。 実施例 2 実施例1と同様の方法により、板状の成形体を
作つた。ただし、ジルコニア粉末とイツトリア粉
末との混合モル比は95:5とした。 次に、上記成形体を約1100℃で仮焼した後これ
を黒鉛のるつぼに入れ、約3mmHgの減圧下に約
300℃/時の速度で約1600℃まで昇温し、その温
度に約4時間保持した後、約1000℃までは約200
℃/時の速度で冷却し、その後常温まで炉冷して
本発明のジルコニア焼結体を得た。得られたジル
コニア焼結体は表面が黒色をしており、X線回折
によつて炭化層の形成が認められた。また、切断
面を顕微鏡で観察したところ、上記炭化層の厚み
は約10μであつた。さらに、上記炭化層を研削除
去して得たジルコニア層をX線回折によつて分析
したところ、そのジルコニア層はは、約65モル%
の正方晶ジルコニアと約35モル%の立方晶ジルコ
ニアからなる正方晶焼結体であつた。 このように、本発明のジルコニア焼結体は、焼
結と炭化層の形成とを同時に行うことによつても
製造することができる。 実施例 3 平均粒子径が0.1μ以下であるジルコニア粉末と
カルシア粉末とを、モル比で85:15になるように
混合し、以下実施例1と同様にして原料粉末を作
り、さらに2本の成形体を得た。ただし、成形体
の形状は板状ではなく、一端が閉塞された管状、
すなわち縦断面がU字状の管状とした。 次に、上記2本の成形体を、プロパンガス炉に
入れ、約300℃/時の速度で約1700℃まで昇温し、
その温度に約2時間保持した後炉冷し、外径6
mm、内径4mm、長さ100mmの、縦断面がU字状の
焼結体を得た。 次に、上記2本の焼結体のうちの1本を黒鉛る
つぼに入れ、約5mmHgの減圧下に約500℃/時の
速度で約1600℃まで昇温し、その温度に約2時間
保持した後炉冷し、本発明のジルコニア焼結体を
得た。得られたジルコニア焼結体は黒色をしてい
て、その表面をX線回折法を用いて分析したとこ
ろ、炭化ジルコニウムであることが確認された。 次に、上記ジルコニア焼結体の開放端側をダイ
アモンドカツタによつて切断し、表裏の炭化層を
電気的に絶縁した。同時に顕微鏡で上記切断面を
観察したところ、炭化層の厚みは約15μであつ
た。また、ジルコニア層は、立方晶ジルコニアが
約100モル%である立方晶焼結体からなつていた。 一方、炭化層は形成していないもう1本の焼結
体の表裏両面に白金ペーストを塗り、約1000℃で
1時間加熱して焼き付けた。 かくして、縦断面がU字状で、開放端面を除く
表裏に炭化層をもつ本発明のジルコニア焼結体か
らなる管状体と、炭化層はもたない従来のジルコ
ニア焼結体の表裏に白金ペーストを焼き付けてな
る管状体とを得た。 次に、上記2種類の管状体を、約900℃に維持
した電気炉中にその閉塞端から挿入し、酸素セン
サとして作動させてその応答特性を調べた。この
とき、管状体の内側には1.2ppmの酸素を含むア
ルゴンガスを基準ガスとして導入し、一方管状体
の外側には、測定ガスとして、一酸化炭素と二酸
化炭素とを10:90の割合で混合したガスと、1:
99の割合で混合したガスとを5分間隔で交互に切
り換えて導入した。 測定結果を第2図に示す。第2図において、時
間tの経過と上記ネルンストの式に基づく起電力
Eとの関係をみるに、実線で示す本発明のジルコ
ニア焼結体からなる酸素センサは、点線で示す従
来のジルコニア焼結体からなる酸素センサにくら
べて応答が速く、しかも一酸化炭素ガスの吸着に
よる応答速度の経時的な低下もほとんどないこと
がわかる。このように、本発明のジルコニア焼結
体は、酸素センサの素材としても極めて優れたも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のジルコニア焼結体の切断面を
示す顕微鏡写真、第2図は本発明および従来のジ
ルコニア焼結体からなる酸素センサの応答特性を
示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 表層部が炭化ジルコニウム化されていること
    を特徴とするジルコニア焼結体。
JP57060921A 1982-04-14 1982-04-14 ジルコニア焼結体 Granted JPS58181766A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57060921A JPS58181766A (ja) 1982-04-14 1982-04-14 ジルコニア焼結体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57060921A JPS58181766A (ja) 1982-04-14 1982-04-14 ジルコニア焼結体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS58181766A JPS58181766A (ja) 1983-10-24
JPH0224780B2 true JPH0224780B2 (ja) 1990-05-30

Family

ID=13156329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP57060921A Granted JPS58181766A (ja) 1982-04-14 1982-04-14 ジルコニア焼結体

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