JPH0226936B2 - - Google Patents
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- JPH0226936B2 JPH0226936B2 JP59160038A JP16003884A JPH0226936B2 JP H0226936 B2 JPH0226936 B2 JP H0226936B2 JP 59160038 A JP59160038 A JP 59160038A JP 16003884 A JP16003884 A JP 16003884A JP H0226936 B2 JPH0226936 B2 JP H0226936B2
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- seawater
- shrimp
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- aquarium
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Landscapes
- Artificial Fish Reefs (AREA)
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[技術分野]
本発明は、オニテナガ海老の養殖過程において
抱卵したオニテナガ海老を飼育する方法およびそ
の飼育装置に関するものである。
抱卵したオニテナガ海老を飼育する方法およびそ
の飼育装置に関するものである。
[背景技術]
東南アジア原産のオニテナガ海老は、川に棲息
する淡水海老であり、甲羅は青味がかつた赤で、
体長の2培近い細長いハサミを持つことから、俗
に松葉海老とも呼ばれ、近年、クルマ海老やアマ
海老に代わる食用海老として注目されつつある。
かかるオニテナガ海老は、従来鑑賞用のペツトと
して輸入して飼育されることはあつたが、これは
既に海老の形になつたものを輸入して水槽内で餌
を与えて飼育するというだけの極めて単純なもの
であり、卵の孵化は天然の状態でなければできな
いとされてきた。しかるに本発明者は、オニテナ
ガ海老は本来淡水産であるが、産卵期には河口付
近で棲息するため、少なくとも卵が孵化する前後
の期間中はある程度の塩分を含む水を必要とする
という点に着目して、少なくともオニテナガ海老
の雌が抱卵した時点から、その後その卵が孵化
し、浮遊期幼生(ゾエア)を経て稚海老になるま
での期間は天然の河口と同じ条件となるように、
海水を真水で希釈した希釈海水内にてオニテナガ
海老を飼育することにより、従来不可能とされて
きたオニテナガ海老の卵の人工孵化を可能とした
ものである。しかしながら、このようにしてオニ
テナガ海老の卵を孵化させるためには必ず海水が
必要であり、海水を入手しにくい地域でオニテナ
ガ海老の養殖をする場合には、比較的狭い水槽の
中で多数の抱卵した海老を飼育する必要があり、
このため抱卵した海老が水槽の中で互いに争つて
卵を落とすような不都合が生じる場合があり、歩
留まりが悪くなるという問題があつた。
する淡水海老であり、甲羅は青味がかつた赤で、
体長の2培近い細長いハサミを持つことから、俗
に松葉海老とも呼ばれ、近年、クルマ海老やアマ
海老に代わる食用海老として注目されつつある。
かかるオニテナガ海老は、従来鑑賞用のペツトと
して輸入して飼育されることはあつたが、これは
既に海老の形になつたものを輸入して水槽内で餌
を与えて飼育するというだけの極めて単純なもの
であり、卵の孵化は天然の状態でなければできな
いとされてきた。しかるに本発明者は、オニテナ
ガ海老は本来淡水産であるが、産卵期には河口付
近で棲息するため、少なくとも卵が孵化する前後
の期間中はある程度の塩分を含む水を必要とする
という点に着目して、少なくともオニテナガ海老
の雌が抱卵した時点から、その後その卵が孵化
し、浮遊期幼生(ゾエア)を経て稚海老になるま
での期間は天然の河口と同じ条件となるように、
海水を真水で希釈した希釈海水内にてオニテナガ
海老を飼育することにより、従来不可能とされて
きたオニテナガ海老の卵の人工孵化を可能とした
ものである。しかしながら、このようにしてオニ
テナガ海老の卵を孵化させるためには必ず海水が
必要であり、海水を入手しにくい地域でオニテナ
ガ海老の養殖をする場合には、比較的狭い水槽の
中で多数の抱卵した海老を飼育する必要があり、
このため抱卵した海老が水槽の中で互いに争つて
卵を落とすような不都合が生じる場合があり、歩
留まりが悪くなるという問題があつた。
[発明の目的]
本発明は上述のような点に鑑みて為されたもの
であり、その目的とするところは希釈海水を入れ
た比較的狭い水槽内に、複数匹の抱卵したオニテ
ナガ海老を安全に飼育できるようにして、海水を
入手しにくい地域でも少ない海水で容易にオニテ
ナガ海老の養殖ができるようにすることにある。
であり、その目的とするところは希釈海水を入れ
た比較的狭い水槽内に、複数匹の抱卵したオニテ
ナガ海老を安全に飼育できるようにして、海水を
入手しにくい地域でも少ない海水で容易にオニテ
ナガ海老の養殖ができるようにすることにある。
[発明の開示]
本発明は、海水を真水で希釈して海水含有率を
20%乃至40%とし、水温を23℃乃至32℃とした希
釈海水を入れた水槽内を網にて複数個の区画に分
割し、抱卵した雌を各区画内にて1匹づつ隔離し
て飼育することを特徴とするものである。本発明
にあつてはこのような希釈海水を入れた水槽を網
で複数個の区画に区分して各区画について1匹づ
つ抱卵した雌を飼育するようにしたから、比較的
狭い水槽内に多数の雌を飼育していても、各雌同
士が互いに争つて卵を落とすようなことがなく、
海水を余り多量に必要とすることがなくて、海水
を入手しにくい地域でもオニテナガ海老の養殖を
容易に行なうことができるものである。また網で
仕切られた各区画の間においては水が自由に行き
来できるようになつているので、水の循環浄化や
エアの注入、ヒータによる水温制御等は、網で仕
切られた各区画について共通して行なうことがで
き、水槽内を水が行き来できないガラス板等で仕
切つた場合に比べると、水質、水温、酸素量等の
管理コストを低減することも可能となるものであ
る。卵の孵化に最も適した水温は28℃であり、ま
た希釈海水の濃度については、海水含有率が30%
のときに最も好ましい結果が得られたものであ
る。本発明者の実験によれば、卵が孵化する際に
は必ず海水が必要であることがわかつている。ま
た海水が必要であるとはいつても、純海水、つま
り100%海水の中ではたとえ卵が孵化しても稚海
老になる前の浮遊期幼生の間に死んでしまうこと
がわかつた。
20%乃至40%とし、水温を23℃乃至32℃とした希
釈海水を入れた水槽内を網にて複数個の区画に分
割し、抱卵した雌を各区画内にて1匹づつ隔離し
て飼育することを特徴とするものである。本発明
にあつてはこのような希釈海水を入れた水槽を網
で複数個の区画に区分して各区画について1匹づ
つ抱卵した雌を飼育するようにしたから、比較的
狭い水槽内に多数の雌を飼育していても、各雌同
士が互いに争つて卵を落とすようなことがなく、
海水を余り多量に必要とすることがなくて、海水
を入手しにくい地域でもオニテナガ海老の養殖を
容易に行なうことができるものである。また網で
仕切られた各区画の間においては水が自由に行き
来できるようになつているので、水の循環浄化や
エアの注入、ヒータによる水温制御等は、網で仕
切られた各区画について共通して行なうことがで
き、水槽内を水が行き来できないガラス板等で仕
切つた場合に比べると、水質、水温、酸素量等の
管理コストを低減することも可能となるものであ
る。卵の孵化に最も適した水温は28℃であり、ま
た希釈海水の濃度については、海水含有率が30%
のときに最も好ましい結果が得られたものであ
る。本発明者の実験によれば、卵が孵化する際に
は必ず海水が必要であることがわかつている。ま
た海水が必要であるとはいつても、純海水、つま
り100%海水の中ではたとえ卵が孵化しても稚海
老になる前の浮遊期幼生の間に死んでしまうこと
がわかつた。
以下、本発明を実施例に沿つてさらに詳述す
る。第1図乃至第5図は、本発明の飼育方法を用
いた養殖装置の概略構成を示す図である。第1図
に示すものは淡水用の水槽であり、一坪程の広さ
の水槽1内に、雄1匹に対して雌5〜8匹の割合
で親のオニテナガ海老を放してハーレムを作り、
交尾の準備をする。雄は必ずしも1匹である必要
はなく、雌を複数匹入れるときにはそれに応じて
前記の割合で雌の数を増やせばよいものである。
この水槽1内の水はポンプで汲み上げてフイルタ
を介して濾過してから再び水槽1内に返されるよ
うになつており、また水槽1内の水には常時エア
ーを供給して水中の酸素量が減らないようにして
いる。水槽1内の水の温度は温度制御装置付きの
ヒータにて28℃から30℃の範囲内に保たれるよう
になつている。この状態で餌を与えながら飼育す
ると、交尾が行なわれ、交尾後6〜20時間の間に
産卵が行なわれる。雌海老は抱卵した状態で卵が
孵化し幼生が泳ぎ出すまで卵を保護している。抱
卵した雌は淡水の中に放置しておくとと卵を落と
してしまうので、淡水用の水槽1から引き上げて
第2図に示すような希釈海水用の水槽2に放すも
のである。この際、抱卵した雌を水槽1から容易
に引き上げるためには、水槽1が余り広過ぎない
方が良く、上述のように一坪程度の広さの水槽1
を使用することが最も好ましいものである。水槽
2内の希釈海水は海水含有率が容積比で30%とな
つている。海水としては、自然海水を使用してい
る。本発明者は食塩水や人工海水を使用しての孵
化実験も試みたが、自然海水以外では卵の孵化そ
のものは行なわれるが、幼生の段階で死んでしま
い、海老の形にまで成長することは難しいことが
わかつた。水槽2の水温も28℃〜30℃の範囲内に
保たれており、エアーの注入およびポンプによる
水の循環濾過も水槽1の場合と同様に行なわれて
いるものである。希釈海水用の水槽2は金網3で
仕切つてあり、抱卵した雌を一匹づつ隔離して飼
育しているのである。抱卵した雌をこのように隔
離する理由は、上述のように、仮に抱卵した雌を
狭いスペース内に密集して飼育すると、争いをす
るなどして卵を落としてしまうことがあるからで
ある。発明者の実験によれば、広さが60cm×30cm
程度で、水深を30cm程度としたガラス製の水槽2
を3枚の金網3で4等分して使用したところ、ほ
とんど卵を落とすようなこてはなかつた。抱卵し
てから、その卵が孵化するまでに要する日数は水
温によつて異なり、水温が高いほうが孵化に要す
る日数は少なくなる。実験によれば、水温が23
℃、24℃、26℃、28℃、30℃、および32℃の各場
合について、孵化に要する日数はそれぞれ抱卵し
てから25日、23日、20日、17日、16日、および15
日であつた。雌が抱卵してからその卵が孵化する
までの間、水温はできるだけ一定にしておいた方
が良いが、やむを得ず温度が変化する場合には、
28℃〜30℃の範囲内に設定することが好ましい。
水温を32℃にまで上げると、孵化に要する日数は
さらに短縮されるが、水温を高く保つために要す
るエネルギコストが高くつくので、好ましくな
い。また水温を32℃よりもさらに上げると、水が
濁りやすくなり、卵が孵化しても幼生の段階で死
んでしま率が高くなつて、好ましくない。水温を
28℃とした場合、抱卵してからその卵が孵化する
までの日数は17日であるので、その2、3日前に
抱卵した雌をさらに第3図に示すような別の水槽
4に移すものである。この水槽4の中では、抱卵
して孵化寸前の状態になつた雌が金網製の飼育網
5内に入れられて飼育される。水槽4の水温およ
び海水含有率は水槽2の場合と同様であり、また
エアを注入して水中の酸素が減らないようにする
点も水槽2の場合と同様であるが、ポンプによる
水の循環濾過は行なわない。なぜなら、卵が孵化
すると幼生が泳ぎ出すので、ポンプによる水の循
環濾過を行なつていると、幼生がフイルタに捕捉
されて死んでしまうからである。水槽4の水が汚
れたときには20%〜30%づつ水を交換するもので
ある。水槽4は、500〜1000リツトルのポリエチ
レン製またはコンクリート製の丸形水槽としてあ
り、このように丸形の水槽を使用する理由は、角
形の水槽に比べるとコーナの部分が生じないので
水が澱みにくく、水が腐りにくいからである。卵
から孵化した幼生は、飼育網5の網目よりも遥か
に小さいので飼育網5の内外を自由に行き来する
ことができ、水槽4全体に広がつていく。この状
態で雌海老を飼育網5ごと水槽4から引き上げ
て、淡水用の水槽1に戻すものである。この後、
約40日間は第4図に示すように水槽4内にバブリ
ング装置6等を挿入した状態で、エアの注入とヒ
ータによる保温とが行なわれ、幼生が稚海老にな
るまで飼育管理されるものである。水温および海
水含有率は第3図の場合と同様である。孵化して
から10日以内の初期の段階では、幼生自体が小さ
なプランクトンであるから、この幼生よりもさら
に小さいプランクトンを餌として与える必要があ
る。発明者の実験では、ブラインジユリンプ(ア
ルテミア:えびの一種)の卵を孵化して間なしの
状態のプランクトンを与えることが好ましいこと
がわかつた。ブラインシユリンプの卵は、例えば
「日本動物薬品株式会社」等から市販されている。
このブラインシユリンプは孵非常に容易であり、
3%食塩水または純海水内で水温を約28℃とした
場合に、孵化に要する時間は24〜48時間とされて
いる。ブラインシユリンプは必ず孵化して間なし
の状態で、幼生にえる必要がある。孵化してから
かなり長い間放置したプランクトンを与えると、
その間にそのプランクトンが大きくなつてしまう
ので、オニテナガ海老の幼生の方が逆に食われて
しまうのである。孵化後10日過ぎ頃からアサリや
アミエビの身をミンチにして与える。稚海老の形
になる前の幼生は水槽4の比較的上方を泳いでい
るものである。飼育を続けると、孵化してから早
いものでは約28日ぐらいで稚海老の形となるもの
もあり、孵化してから30〜35日ぐらいすると、約
半分(強)の幼生が稚海老の形になつて水槽4の
底まで降りてくる。そして孵化してから約40日を
経ると、ほとんどすべてが稚海老の形となる。こ
の状態にまで成長すると、後は淡水で飼育しても
死ぬこととはないので、第5図に示すような大形
の水槽7または他等に放流して、淡水にて飼育す
る。この状態での飼育は非常に容易である。オニ
テナガ海老の食性は雑食性で、天然のものは、水
棲みみず、水棲昆虫類の他、小さな貝類や、甲殼
類、魚や動物の肉、殼類、藻、水棲植物の柔らか
い葉や茎など何でも食べる。水槽7の中などで養
殖する際には、マス、コイ、アユ等の配合飼料
や、いりこ、卵の殼等を与える。水温について
は、もともと熱帯ないし亜熱帯産の海老であるの
で、高水温には強いが低水温には弱く、正常に棲
息可能な水温は、18℃から35℃の範囲内、好適な
水温は25℃から32℃の範囲内である。水温が20℃
を下回ると餌を食わなくなり、14℃以下になれば
死んでしまう。オニテナガ海老は、孵化後4、5
箇月で親海老に成長し、卵を産む。1尾の親の産
卵数は大きさによつて異なるが、平均2万粒から
3万粒程度であつて、水温その他の棲息条件が良
ければ年に5〜7回産卵する。大きさは孵化後、
約半年間で体長11〜15センチ、2年間で体長30〜
40センチに育つが、国内市場用としては15センチ
程度のときに水槽7から出して出荷するのが好適
と思われる。
る。第1図乃至第5図は、本発明の飼育方法を用
いた養殖装置の概略構成を示す図である。第1図
に示すものは淡水用の水槽であり、一坪程の広さ
の水槽1内に、雄1匹に対して雌5〜8匹の割合
で親のオニテナガ海老を放してハーレムを作り、
交尾の準備をする。雄は必ずしも1匹である必要
はなく、雌を複数匹入れるときにはそれに応じて
前記の割合で雌の数を増やせばよいものである。
この水槽1内の水はポンプで汲み上げてフイルタ
を介して濾過してから再び水槽1内に返されるよ
うになつており、また水槽1内の水には常時エア
ーを供給して水中の酸素量が減らないようにして
いる。水槽1内の水の温度は温度制御装置付きの
ヒータにて28℃から30℃の範囲内に保たれるよう
になつている。この状態で餌を与えながら飼育す
ると、交尾が行なわれ、交尾後6〜20時間の間に
産卵が行なわれる。雌海老は抱卵した状態で卵が
孵化し幼生が泳ぎ出すまで卵を保護している。抱
卵した雌は淡水の中に放置しておくとと卵を落と
してしまうので、淡水用の水槽1から引き上げて
第2図に示すような希釈海水用の水槽2に放すも
のである。この際、抱卵した雌を水槽1から容易
に引き上げるためには、水槽1が余り広過ぎない
方が良く、上述のように一坪程度の広さの水槽1
を使用することが最も好ましいものである。水槽
2内の希釈海水は海水含有率が容積比で30%とな
つている。海水としては、自然海水を使用してい
る。本発明者は食塩水や人工海水を使用しての孵
化実験も試みたが、自然海水以外では卵の孵化そ
のものは行なわれるが、幼生の段階で死んでしま
い、海老の形にまで成長することは難しいことが
わかつた。水槽2の水温も28℃〜30℃の範囲内に
保たれており、エアーの注入およびポンプによる
水の循環濾過も水槽1の場合と同様に行なわれて
いるものである。希釈海水用の水槽2は金網3で
仕切つてあり、抱卵した雌を一匹づつ隔離して飼
育しているのである。抱卵した雌をこのように隔
離する理由は、上述のように、仮に抱卵した雌を
狭いスペース内に密集して飼育すると、争いをす
るなどして卵を落としてしまうことがあるからで
ある。発明者の実験によれば、広さが60cm×30cm
程度で、水深を30cm程度としたガラス製の水槽2
を3枚の金網3で4等分して使用したところ、ほ
とんど卵を落とすようなこてはなかつた。抱卵し
てから、その卵が孵化するまでに要する日数は水
温によつて異なり、水温が高いほうが孵化に要す
る日数は少なくなる。実験によれば、水温が23
℃、24℃、26℃、28℃、30℃、および32℃の各場
合について、孵化に要する日数はそれぞれ抱卵し
てから25日、23日、20日、17日、16日、および15
日であつた。雌が抱卵してからその卵が孵化する
までの間、水温はできるだけ一定にしておいた方
が良いが、やむを得ず温度が変化する場合には、
28℃〜30℃の範囲内に設定することが好ましい。
水温を32℃にまで上げると、孵化に要する日数は
さらに短縮されるが、水温を高く保つために要す
るエネルギコストが高くつくので、好ましくな
い。また水温を32℃よりもさらに上げると、水が
濁りやすくなり、卵が孵化しても幼生の段階で死
んでしま率が高くなつて、好ましくない。水温を
28℃とした場合、抱卵してからその卵が孵化する
までの日数は17日であるので、その2、3日前に
抱卵した雌をさらに第3図に示すような別の水槽
4に移すものである。この水槽4の中では、抱卵
して孵化寸前の状態になつた雌が金網製の飼育網
5内に入れられて飼育される。水槽4の水温およ
び海水含有率は水槽2の場合と同様であり、また
エアを注入して水中の酸素が減らないようにする
点も水槽2の場合と同様であるが、ポンプによる
水の循環濾過は行なわない。なぜなら、卵が孵化
すると幼生が泳ぎ出すので、ポンプによる水の循
環濾過を行なつていると、幼生がフイルタに捕捉
されて死んでしまうからである。水槽4の水が汚
れたときには20%〜30%づつ水を交換するもので
ある。水槽4は、500〜1000リツトルのポリエチ
レン製またはコンクリート製の丸形水槽としてあ
り、このように丸形の水槽を使用する理由は、角
形の水槽に比べるとコーナの部分が生じないので
水が澱みにくく、水が腐りにくいからである。卵
から孵化した幼生は、飼育網5の網目よりも遥か
に小さいので飼育網5の内外を自由に行き来する
ことができ、水槽4全体に広がつていく。この状
態で雌海老を飼育網5ごと水槽4から引き上げ
て、淡水用の水槽1に戻すものである。この後、
約40日間は第4図に示すように水槽4内にバブリ
ング装置6等を挿入した状態で、エアの注入とヒ
ータによる保温とが行なわれ、幼生が稚海老にな
るまで飼育管理されるものである。水温および海
水含有率は第3図の場合と同様である。孵化して
から10日以内の初期の段階では、幼生自体が小さ
なプランクトンであるから、この幼生よりもさら
に小さいプランクトンを餌として与える必要があ
る。発明者の実験では、ブラインジユリンプ(ア
ルテミア:えびの一種)の卵を孵化して間なしの
状態のプランクトンを与えることが好ましいこと
がわかつた。ブラインシユリンプの卵は、例えば
「日本動物薬品株式会社」等から市販されている。
このブラインシユリンプは孵非常に容易であり、
3%食塩水または純海水内で水温を約28℃とした
場合に、孵化に要する時間は24〜48時間とされて
いる。ブラインシユリンプは必ず孵化して間なし
の状態で、幼生にえる必要がある。孵化してから
かなり長い間放置したプランクトンを与えると、
その間にそのプランクトンが大きくなつてしまう
ので、オニテナガ海老の幼生の方が逆に食われて
しまうのである。孵化後10日過ぎ頃からアサリや
アミエビの身をミンチにして与える。稚海老の形
になる前の幼生は水槽4の比較的上方を泳いでい
るものである。飼育を続けると、孵化してから早
いものでは約28日ぐらいで稚海老の形となるもの
もあり、孵化してから30〜35日ぐらいすると、約
半分(強)の幼生が稚海老の形になつて水槽4の
底まで降りてくる。そして孵化してから約40日を
経ると、ほとんどすべてが稚海老の形となる。こ
の状態にまで成長すると、後は淡水で飼育しても
死ぬこととはないので、第5図に示すような大形
の水槽7または他等に放流して、淡水にて飼育す
る。この状態での飼育は非常に容易である。オニ
テナガ海老の食性は雑食性で、天然のものは、水
棲みみず、水棲昆虫類の他、小さな貝類や、甲殼
類、魚や動物の肉、殼類、藻、水棲植物の柔らか
い葉や茎など何でも食べる。水槽7の中などで養
殖する際には、マス、コイ、アユ等の配合飼料
や、いりこ、卵の殼等を与える。水温について
は、もともと熱帯ないし亜熱帯産の海老であるの
で、高水温には強いが低水温には弱く、正常に棲
息可能な水温は、18℃から35℃の範囲内、好適な
水温は25℃から32℃の範囲内である。水温が20℃
を下回ると餌を食わなくなり、14℃以下になれば
死んでしまう。オニテナガ海老は、孵化後4、5
箇月で親海老に成長し、卵を産む。1尾の親の産
卵数は大きさによつて異なるが、平均2万粒から
3万粒程度であつて、水温その他の棲息条件が良
ければ年に5〜7回産卵する。大きさは孵化後、
約半年間で体長11〜15センチ、2年間で体長30〜
40センチに育つが、国内市場用としては15センチ
程度のときに水槽7から出して出荷するのが好適
と思われる。
[発明の効果]
本発明は上述のように、海水を真水で希釈して
海水含有率を20%乃至40%とし、水温を23℃乃至
32℃とした希釈海水を入れた水槽内を網にて複数
個の区画に分割し、抱卵した雌を各区画内にて1
匹づつ隔離して飼育するようにしたから、天然の
オニテナガ海老が抱卵後そその卵が孵化するまで
の間は河口付近で棲息するという生態によく合致
した状況を人工的に造り出すことができ、これに
よつて従来不可能とされてきたオニテナガ海老の
卵の人工孵化が可能になり、しかも希釈海水を入
れた水槽を網で複数個の区画に区分して各区画に
ついて1匹づつ抱卵した雌を飼育するようにした
から、比較的狭い水槽内に多数の雌を飼育してい
ても、各雌同士が互いに争つて卵を落とすような
ことがなく、海水を余り多量に必要とすることが
なくて、海水を入手しにくい地域でもオニテナガ
海老の養殖を容易に行なうことができるという利
点があり、また網で仕切られた各区画の間におい
ては水が自由に行き来できるようになついるの
で、水の循環浄化やエアの注入、ヒータによる水
温制御等を各区画について共通して行なうことが
でき、水質、水温、酸素量等の管理を各区画につ
いて共通して行なうことができ、管理コストを低
減せしめることができるという利点をも有するも
のである。また本発明の飼育装置にあつては、希
釈海水を入れた水槽に、水温を23℃乃至32℃の範
囲内に保持する自動水温制御手段を設けたもので
あるから、水温を常時監視していなくても抱卵し
た雌を卵の孵化に適した水温で飼育することが可
能であるという効果を有するものであり、卵の孵
化の成功率を高めることができるという効果があ
る。
海水含有率を20%乃至40%とし、水温を23℃乃至
32℃とした希釈海水を入れた水槽内を網にて複数
個の区画に分割し、抱卵した雌を各区画内にて1
匹づつ隔離して飼育するようにしたから、天然の
オニテナガ海老が抱卵後そその卵が孵化するまで
の間は河口付近で棲息するという生態によく合致
した状況を人工的に造り出すことができ、これに
よつて従来不可能とされてきたオニテナガ海老の
卵の人工孵化が可能になり、しかも希釈海水を入
れた水槽を網で複数個の区画に区分して各区画に
ついて1匹づつ抱卵した雌を飼育するようにした
から、比較的狭い水槽内に多数の雌を飼育してい
ても、各雌同士が互いに争つて卵を落とすような
ことがなく、海水を余り多量に必要とすることが
なくて、海水を入手しにくい地域でもオニテナガ
海老の養殖を容易に行なうことができるという利
点があり、また網で仕切られた各区画の間におい
ては水が自由に行き来できるようになついるの
で、水の循環浄化やエアの注入、ヒータによる水
温制御等を各区画について共通して行なうことが
でき、水質、水温、酸素量等の管理を各区画につ
いて共通して行なうことができ、管理コストを低
減せしめることができるという利点をも有するも
のである。また本発明の飼育装置にあつては、希
釈海水を入れた水槽に、水温を23℃乃至32℃の範
囲内に保持する自動水温制御手段を設けたもので
あるから、水温を常時監視していなくても抱卵し
た雌を卵の孵化に適した水温で飼育することが可
能であるという効果を有するものであり、卵の孵
化の成功率を高めることができるという効果があ
る。
図面は本発明の方法を用いる養殖装置を示すも
のであり、第1図はオニテナガ海老の交尾産卵時
に用いる水槽の概略構成図、第2図は本発明の飼
育装置であつてオニテナガ海老の抱卵後孵化寸前
までの期間に用いる水槽の斜視図、第3図はオニ
テナガ海老の卵の孵化時に用いる水槽の斜視図、
第4図は孵化した後の幼生の飼育に用いる水槽の
斜視図、第5図は稚海老の飼育に用いる水槽の斜
視図である。 1,2,4,7は水槽、3は金網、5は飼育
網、6はバブリング装置である。
のであり、第1図はオニテナガ海老の交尾産卵時
に用いる水槽の概略構成図、第2図は本発明の飼
育装置であつてオニテナガ海老の抱卵後孵化寸前
までの期間に用いる水槽の斜視図、第3図はオニ
テナガ海老の卵の孵化時に用いる水槽の斜視図、
第4図は孵化した後の幼生の飼育に用いる水槽の
斜視図、第5図は稚海老の飼育に用いる水槽の斜
視図である。 1,2,4,7は水槽、3は金網、5は飼育
網、6はバブリング装置である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 海水を真水で希釈して海水含有率を20%乃至
40%とし、水温を23℃乃至32℃とした希釈海水を
入れた水槽内を網にて複数個の区画に分割し、抱
卵した雌を各区画内にて1匹づつ隔離して飼育す
ることを特徴とする抱卵したオニテナガ海老の飼
育方法。 2 海水は自然海水であり、海水含有率は30%で
あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
の抱卵したオニテナガ海老の飼育方法。 3 水温は28℃乃至30℃であることを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載のオニテナガ海老の飼
育方法。 4 海水を真水で希釈して海水含有率を20%乃至
40%とした希釈海水を入れた水槽に、前記希釈海
水の水温を23℃乃至32℃の範囲内に自動的に保持
する自動水温制御手段を設けると共に、水槽内に
抱卵した雌を飼育し得る大きさの区画を複数個形
成するように網を配設して成ることを特徴とする
抱卵したオニテナガ海老の飼育装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16003884A JPS6137041A (ja) | 1984-07-30 | 1984-07-30 | 抱卵したオニテナガ海老の飼育方法およびその飼育装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16003884A JPS6137041A (ja) | 1984-07-30 | 1984-07-30 | 抱卵したオニテナガ海老の飼育方法およびその飼育装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6137041A JPS6137041A (ja) | 1986-02-21 |
| JPH0226936B2 true JPH0226936B2 (ja) | 1990-06-13 |
Family
ID=15706591
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16003884A Granted JPS6137041A (ja) | 1984-07-30 | 1984-07-30 | 抱卵したオニテナガ海老の飼育方法およびその飼育装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6137041A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH06349464A (ja) * | 1993-06-11 | 1994-12-22 | Nissin Electric Co Ltd | 電池容器 |
-
1984
- 1984-07-30 JP JP16003884A patent/JPS6137041A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH06349464A (ja) * | 1993-06-11 | 1994-12-22 | Nissin Electric Co Ltd | 電池容器 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6137041A (ja) | 1986-02-21 |
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