JPH0230334B2 - Horipurenirukagobutsuoyobisonoseizoho - Google Patents
HoripurenirukagobutsuoyobisonoseizohoInfo
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- JPH0230334B2 JPH0230334B2 JP56056168A JP5616881A JPH0230334B2 JP H0230334 B2 JPH0230334 B2 JP H0230334B2 JP 56056168 A JP56056168 A JP 56056168A JP 5616881 A JP5616881 A JP 5616881A JP H0230334 B2 JPH0230334 B2 JP H0230334B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明はポリプレニル化合物およびその製造法
に関する。さらに詳しくは、本発明は、下記の一
般式() 〔式中Aは水酸基、アシルオキシ基またはハロ
ゲン原子を表わし、mはトランス型イソプレン単
位の数を表わし、nはシス型イソプレン単位の数
を表わし、mは2であり、nは11から19までの整
数である〕で示されるポリプレニル化合物および
その製造法に関する。 一般式()においてAがアシルオキシ基であ
る場合の該アシルオキシ基はたとえばホルミルオ
キシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリ
ルオキシ、ヘキサノイルオキシ、オクタノイルオ
キシ、デカノイルオキシ、パルミトイルオキシ、
ステアロイルオキシ、オレオイルオキシ、フアル
ネシルアセトキシなどの炭素数1〜20の飽和また
は不飽和の脂肪酸残基であることが好ましいが、
その他のアシルオキシ基たとえばベンゾイルオキ
シ基などであつてもよい。またAがハロゲン原子
である場合の該ハロゲン原子は好ましくはClまた
はBrである。 本発明により提供される前記の一般式()で
示されるポリプレニル化合物は公知文献に未載の
新規化合物であり、たとえばドリコール類
(dolichols)の合成原料として有用である。 ドリコール類は1960年にHemmingらによつて
動物体内からはじめて単離され、のちに下記の一
般式() (式中iはトランス型イソプレン単位の数、j
はシス型イソプレン単位の数を表わし、iは2で
あり、jは12から18までの整数である)で示され
る構造を有することが明らかにされた物質であ
り、哺乳動物体内に広範囲に分布し、生体の生命
維持のうえで極めて重要な機能を果していること
が知られている。たとえばJ.B.Harfordらは外因
性ドリコールがマンノースなどの糖成分の脂質へ
の取り込みを促進し、その結果、生体の生命維持
のうえで重要な糖蛋白質の形成を増大させること
を明らかにしている(Biochemical and
Biophysical Research Communication76,
1036(1977)参照)。上記脂質への糖成分の取り込
み促進効果は成長期の生体におけるよりも既に成
熟している動物において顕著であることから、老
化防止の点でのドリコールの働きが注目されてい
る。また、R.W.Keenanらは幼年期などの急速に
成長を続けている生体にとつては外からドリコー
ルを摂取し、自己の体内で生合成して得られるド
リコールを補うことが重要であると述べている
(Archives of Biochemistry and Biophysics,
179,634(1977)参照)。このようにドリコール類
は医薬品として有用であるほか、生化学試験用薬
品、化粧品基材などとして有用である。しかしな
がら、従来ドリコール類の入手は容易でなく、た
とえば豚の肝臓10Kgから複雑な分離操作を経て約
0.6gのドリコールが得られるに過ぎなかつた
(F.Burgos et al.,Biochemical Journal,88,
470(1963)参照)。ドリコール類を全合成するこ
とはそれらの特異的分子構造に徴して明らかなよ
うに現在の有機合成化学の技術では至難のことで
ある。合成中間体を天然物に依存し、これに簡単
な合成化学的処理を加えるのみでドリコール類を
得ることができるならば有利であるが、従来その
ような好都合な物質は見出されていなかつた。従
来、種々の植物からポリプレノールを採取しうる
ことが知られており、下記のポリプレノール類が
採取されていた。 (1) ソラネソール (2) フイカプレノール類 (3) ベツラプレノール類 ベツラプレノール類はドリコール類と同様にω
−末端イソプレン単位に2個のトランス型イソプ
レン単位が連なりついでこれにシス型イソプレン
単位が連なつた構造を有するが、これまでに知ら
れているベツラプレノール類は上記のようにシス
型イソプレン単位の数が最大でも6しかなく、こ
れらからドリコール類を合成するために6個以上
ものイソプレン単位をシス型に規制して延長する
ことはほとんど不可能である。 本発明者らは、このたび、イチヨウ(Ginkgo
biloba)の葉から下記の一般式(−a) 〔式中mおよびnは一般式()中のそれらと
同じ意味を有する〕で示されるポリプレノール類
および/またはそれらの脂肪酸エステル類を採取
しうることを見出した。 上記の知見に基づき、一般式(−a)で示さ
れるポリプレノールおよび/またはそのエステル
を含有する植物体から有機溶媒を用いて該ポリプ
レノールおよび/またはそのエステルを抽出し、
必要に応じて該ポリプレノールおよび/またはそ
のエステルを加水分解、エステル化、エステル交
換およびハロゲン化のうちの1またはそれ以上の
処理に付することにより一般式()で示される
ポリプレニル化合物を製造する方法が提供され
る。 一般式(−a)で示される新規なポリプレノ
ール類はイチヨウの葉の中に遊離のアルコールお
よび/または脂肪酸エステルの形で高濃度に蓄積
されており、イチヨウの葉から脂質成分を抽出
し、これを種々の分離手段によつて処理すること
により遊離のアルコールおよび/または脂肪酸エ
ステルの形で容易に単離される。イチヨウの葉か
ら脂質成分を抽出するために用いることができる
溶剤として、石油エーテル、石油ベンジン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの炭化水素類、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブ
チルアルコールなどのアルコール類、クロロホル
ム、塩化メチレン、四塩化炭素、四塩化エタン、
バークロルエチレン、トリクロルエチレンなどの
ハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンなどのエーテル類、アセトン、ジエチルケ
トン、ジイソプロピルケトンなどのケトン類、酢
酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチルなど
のエステル類などを例示することができる。これ
らの溶剤はそれぞれを単独使用してもよく、2種
以上を混合して使用してもよい。イチヨウの葉の
中に含まれる脂質成分とくに一般式(−a)で
示されるポリプレノールまたはこれとその脂肪酸
エステルを溶解しうる溶剤であれば、上記以外の
溶剤でも使用可能である。抽出は、通常、環境温
度で便利に行われるが、所望ならばたとえば約0
℃〜約200℃のごとき広い範囲内で環境温度以外
の温度を使用して行うことも可能である。抽出溶
剤は、その種類および組成にもよるが、一般にイ
チヨウの葉1重量部(乾燥基準)あたり約1〜
100重量部の割合で使用される。ただし、これ以
外の使用割合でも抽出は可能である。抽出処理に
供するイチヨウの葉は緑色の若葉から完全に紅葉
した葉まであるいは落葉後のいずれの段階の葉で
もよく、またこれらの葉は乾燥されていてもよ
く、未乾燥のままでもよい。抽出された脂質成分
をクロマト法、分別溶解法、分別冷凍沈殿法、分
子蒸留法、ゲル分離法もしくはそれ以外の分離方
法またはそれらの2以上の方法の組み合わせによ
り分離することによつて、一般式(−a)で示
されるポリプレノール類および/またはそれらの
脂肪酸エステル類をシス型イソプレン単位数すな
わちnの値が11から19までの全域もしくはその一
部分に分布する混合物としてまたはnの値が一様
である単一化合物として得ることができる。上記
ポリプレノール類またはそれらの脂肪酸エステル
類の混合物は混合物のままでもドリコール類の合
成その他の用途に使用可能であるが、必要に応じ
て該混合物から各ポリプレノールまたはその脂肪
酸エステルを単離するためには、たとえば分配型
高速液体クロマトグラフイーによる分離が有効で
ある。上記のようにイチヨウの葉から抽出された
脂質成分をそのまま分離工程に供することができ
るが、該脂質成分を分離工程に供する前に該脂質
成分中に含まれるポリプレノールの脂肪酸エステ
ルを加水分解してポリプレノールに転化しておく
方が分離精製工程が簡単になり、好ましい。この
加水分解は公知の脂肪酸エステル類を加水分解す
るために知られている任意の方法を適用して行う
ことが可能であり、たとえば含水メタノールまた
はエタノール中に水酸化ナトリウムまたは水酸化
カリウムを溶解させた溶液(アルカリ金属水酸化
物濃度約0.1〜30重量%)100重量部に対して上記
の脂質を約5〜50重量部の割合で加えて約25〜90
℃で約0.5〜5時間反応させればよい。 また、イチヨウの葉から抽出された脂質中のも
しくは該脂質から分離したのちの一般式(−
a)で示されるポリプレノール類をハロゲン化ま
たはエステル化することにより、対応するポリプ
レニルハライド類またはポリプレニルエステル類
を容易に製造することができる。この場合、公知
のアルコール類を対応する有機ハライド類または
エステル類に導くために用いられている公知の反
応方法および反応条件を適用することができる。
たとえばハロゲン化は、その反応条件下で不活性
な有機溶媒の存在下または不存在下に上記のポリ
プレノールまたはそれらの混合物に対し約1〜5
当量のハロゲン化剤(たとえばチオニルクロリ
ド、三塩化リン、三臭化リンなど)を加えて反応
させることにより容易に行われる。この際に反応
系内にピリジン、トリエチルアミンなどのハロゲ
ン化反応促進剤を加えるとハロゲン化反応は一層
容易となる。反応温度は使用するハロゲン化剤に
応じてそれが通常一般に用いられている温度範囲
で適宜に選べばよい。別法として上記のポリプレ
ノールまたはそれらの混合物を溶媒の存在下また
は不存在下に大過剰の濃塩酸または濃臭化水素酸
と約0〜30℃の温度下で混合することによつても
容易に対応するポリプレニルハライドまたはそれ
らの混合物を製造することができる。さらに、上
記のポリプレノールまたはそれらの混合物を溶媒
の存在下または不存在下に当モルもしくは過剰の
トリフエニルホスフインと四塩化炭素との混合物
と加熱することによつて対応するポリプレニルク
ロリドまたはそれらの混合物を製造することも可
能である。また、エステル化反応は、上記のポリ
プレノールまたはそれらの混合物をエステル化触
媒および溶媒の存在または不存在下にギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、フアルネシル酢酸、安息香酸などのカルボン
酸またはそれらの酸ハライドもしくは酸無水物と
混合し、必要に応じて加熱撹拌することにより容
易に行われる。上記のポリプレノール類のかわり
にそれらから誘導される上記のポリプレニルハラ
イド類を用いてこれらを上記カルボン酸類のアル
カリ金属塩と反応させることにより対応するポリ
プレニルエステル類を合成することも可能であ
る。また、上記カルボン酸の低級アルキルエステ
ル類と上記のポリプレノール類とをエステル交換
触媒の任意の存在下において反応させることによ
つて対応するポリプレニルエステル類を合成する
こともできる。 一般式()で示される本発明のポリプレニル
化合物およびそれらの混合物はたとえば下記の合
成経路により容易にドリコール類に導くことがで
きるので、この点において従来知られているポリ
プレニル化合物に比較してまつたく特異な有用性
を備えるものである。 上記において、Xはハロゲン原子好ましくはCl
またはBrを表わし、Zは水酸基の保護基たとえ
ばテトラヒドロピラニル基、メトキシメチル基、
ベンジル基などを表わし、R1はアシルオキシ基
を表わし、Rは下記の基を表わす。 ここでnは一般式()中のそれと同じ意味を
有する。 本発明のポリプレニル化合物およびそれらの混
合物は、上記のほかに、たとえば化粧品基材、軟
膏基材あるいはそれらの製造原料などとしても有
用である。 以下、本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらの実施例によつて限定されるものでは
ない。 実施例 1 10月末に倉敷市内で採取したイチヨウの葉10Kg
(未乾燥重量)を約40℃で24時間熱風乾燥したの
ち室温(約15℃)7日間でクロロホルム80中に
浸漬して抽出した。この抽出液からクロロホルム
を留去して得た濃縮物中に石油エーテル5を加
えて不溶性成分を別し、液を濃縮後クロロホ
ルムを展開溶剤として用いてシリカゲルカラムに
より分離し約37gの油状物を得た。この油状物に
アセトン約400mlを加えてアセトン可溶成分を溶
解し、得られた混合物を過し、液を濃縮し、
得られた油状物をメタノール400ml、水40mlおよ
び水酸化ナトリウム20gと共に2時間65℃に加熱
したのちメタノールを留去し、残留物にジエチル
エーテル(500ml)を加えて抽出し、エーテル層
を約100mlの水で5回水洗したあと無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶剤を留去して24.2gの油状物
を得た。 次いでこの油状物を約1Kgのシリカゲルを用い
n―ヘキサン/イソプロピルエーテル=90/10
(容量比)の混合液で分離して21.8gの油状物を
得た。この油状物は95%以上の純度を有するポリ
プレノールであり、このものについて測定した分
子量分布は第1図のとおりであつた。第1図は上
記油状物についてメルク社製セミ分取用高速液体
クロマトカラムLiChrosorb RD18−10(C18タイ
プ)を用いアセトン/メタノール=90/10(容量
比)の混合溶剤を溶離液とし、示差屈折計を検出
器として用いた高速液体クロマトグラフイーによ
り得られたクロマトグラムであり、図中の1から
9までの各ピークは一般式(−a)においてm
=2で、nの値が11から19までのものにそれぞれ
相当し、それらの面積比率は下記のとおりであ
る。 ピーク番号 nの値 面積比率(%) 1 11 0.3 2 12 1.1 3 13 5.9 4 14 25.6 5 15 39.4 6 16 19.2 7 17 5.9 8 18 1.8 9 19 0.8 この高速液体クロマトグラフイーを用いて上記
の油状物から各成分を分取し、質量分析、赤外線
吸収スペクトル、1H−NMRスペクトルおよび13C
−NMRスペクトルによりそれらの成分が一般式
(−a)で示される構造を有するポリプレノー
ルであることを確認した。ここで得られた一般式
(−a)においてm=2、n=15であるポリプ
レノールについて測定した赤外線吸収スペクト
ル、1H−NMRスペクトルおよび13C−NMRスペ
クトルをそれぞれ第2図、第3図および第4図に
示した。また、各成分についての電界電離法質量
分析(FD−MASS)の結果ならびに1H−NMR
のδ値を表1に、13C−NMRのδ値を表2にまと
めて示した。表1において、FD−MASS分析の
m/e値は炭素、水素および酸素の各原子量を
12C、1Hおよび16Oとして補正した値である。また
1H−NMRのデータ中、bは幅広シグナル、dは
二重線シグナル、tは三重線シグナルを意味す
る。 【表】 【表】 実施例 2 晩秋から初冬にかけて東京都内で採集したイチ
ヨウの葉5Kg(未乾燥重量)をミキサーで小さく
粉砕したのち室温(約20℃)で7日間石油エーテ
ル/アセトン=4/1(容量比)の混合溶剤(40
)を用いて抽出した。抽出液を水洗後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥したのち溶剤を留去して約
100gの残留物を得た。このものにn―ヘキサン
1を加えてn―ヘキサン可溶成分を溶解し、
過し、液を濃縮後にシリカゲルカラムを用いて
n―ヘキサン/ジエチルエーテル=95/5(容量
比)の混合溶剤で粗分離して約17gの油状物を得
た。 この油状物にアセトン約200mlを加えてアセト
ン可溶性成分を溶解し、過して得た液を、約
500gのシリカゲルを用いn−ヘキサン/ジエチ
ルエーテル=95/5(容量比)の混合溶剤で分離
して12.1gの油状物を得た。この油状物は95%以
上の純度を有するポリプレノールの酢酸エステル
(以下、これをポリプレニルアセテートと記す)
であり、このものについて測定した分子量分布は
第5図のとおりであつた。第5図は上記油状物に
ついてウオーターズ社製高速液体クロマトカラム
μBondapak/C18を用いアセトン/メタノール=
70/30(容量比)の混合溶剤を溶離液とし、示差
屈折計を検出器として用いた高速液体クロマトグ
ラフイーにより得られたクロマトグラムであり、
図中の1から9までの各ピークは一般式()に
おいてA=アセトキシ基、m=2で、nの値が11
から19までのものにそれぞれ相当し、それらの面
積比率は下記のとおりである。 ピーク番号 nの値 面積比率(%) 1 11 1.8 2 12 3.1 3 13 9.4 4 14 31.1 5 15 35.2 6 16 12.7 7 17 3.8 8 18 1.7 9 19 1.2 実施例1で示したと同じ高速液体クロマトグラ
フイーを用いて上記の油状物(ポリプレニルアセ
テート含量95%以上)から各成分を分取し、質量
分析、赤外線吸収スペクトル、1H−NMRスペク
トルおよび13C−NMRスペクトルによりそれら
の成分が一般式()で示される構造(ただしA
=アセトキシ基である)を有するポリプレニルア
セテートであることを確認した。ここで得られた
一般式()においてA=アセトキシ基、m=
2、n=14であるポリプレニルアセテートについ
て測定した赤外線吸収スペクトル、1H−NMRス
ペクトルおよび13C−NMRスペクトルをそれぞ
れ第6図、第7図および第8図に示した。また、
各成分についての電界電離法質量分析(FD−
MASS)の結果を表3に示した。表3において、
FD−MASS分析のm/e値は炭素、水素および
酸素の各原子量を12C、1Hおよび16Oとして補正し
た値である。 【表】 さらに、各成分を実施例1で行なつた加水分解
反応に準じて同様に加水分解することにより得た
ポリプレノール類は、これらとnの値が等しい実
施例1で得られた各ポリプレノール類と全く同じ
1H−NMRスペクトル及び赤外線吸収スペクトル
を与えた。 実施例 3 実施例1と同様にしてイチヨウの葉から単離し
た一般式(−a)においてm=2、n=15であ
るポリプレノール12.4gおよびピリジン1mlを
200mlのn―ヘキサン中に加え、得られた溶液に
室温(約20℃)で窒素ガス雰囲気下に2.0gの三
臭化リンを滴下し、滴下完了後、室温、窒素ガス
雰囲気下に一夜撹拌した。ついでこのn−ヘキサ
ン溶液を分液ロートに入れ、約50mlの水で10回洗
浄したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥し、n―
ヘキサンを留去することにより微黄色の液状物
12.0gを得た。このものについてNMR分析を行
なつたところ、原料ポリプレノールの―CH
2OH基に帰属されるシグナル(doublet,δ=
4.08)が消失し、新らたに―CH 2Brに帰属され
るシグナル(doublet,δ=3.91)が現われた。
またこの液状物を電界電離法質量分析(FD−
MASS)により分析したところm/e=1304(各
原子量を12C、1H、16O、79Brとして補正した値)で
あつた。これらの分析結果により、上記の生成物
は一般式()においてA=Br、m=2、n=
15であるポリプレニルブロミドであることが確認
された。 実施例 4 実施例3における三臭化リン2.0gのかわりに
チオニルクロリド1.5gを使用した以外は実施例
3と同様にして一般式(−a)においてm=
2、n=15であるポリプレノールをチオニルクロ
リドと反応させたところ、一般式()において
A=Cl、m=2、n=15であるポリプレニルクロ
リドが11.2g得られた。このものについてFD−
MASS分析を行なつた結果、m/e=1260(12C、
1H、16O、35Clとして補正した値)であつた。 実施例 5 実施例3で得られたポリプレニルブロミド0.66
gをジメチルホルムアミド10mlに溶解し、これに
無水酢酸ナトリウム1.0gを加えて約50℃で一夜
撹拌したのちジエチルエーテル約50mlを加えて
過した。その液を水約20mlで10回洗浄したのち
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去する
ことにより0.58gの淡黄色液状物を得た。このも
のについてNMR分析を行なつたところ、原料ポ
リプレニルブロミドの―CH 2―Brに帰属される
シグナル(doublet、δ=3.91)が消失し、―C
H2OCOCH3に帰属される新らたなシグナル
(doublet、δ=4.55)が観測された。―
CH2OCOCH 3に帰属されるべきシグナルはポリ
プレニル鎖中の【式】に帰属されるべきシ グナル(δ=2.04)と重なるために観察されなか
つた。また、FD−MASS分析により質量数m/
e=1284(12C、1H、16Oとして補正した値)を得
た。これらの分析結果により、上記の生成物は一
般式()においてAがアセトキシ基でありm=
2、n=15の化合物であることが確認された。 実施例 6 実施例1と同様にしてイチヨウの葉から単離し
た一般式(−a)においてm=2、n=14であ
るポリプレノール1.17g、オレイン酸メチル0.3
gおよび水酸化カリウム0.05gをトルエン50ml中
に溶解し、110℃で8時間、窒素ガス雰囲気下に
加熱した。反応終了後、反応混合物を水洗、乾燥
し、ついで溶媒を留去することにより淡黄色の液
状物1.2gを得た。この液状物をFD−MASS分析
したところ、このものが一般式()においてA
がCH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COO基でありm=
2、n=14であるポリプレニル化合物であること
を示す質量ピークm/e=1438(12C、1H、16Oとし
て補正した値)を与えた。 実施例 7 実施例6におけるオレイン酸メチル0.3gのか
わりにステアリン酸メチル0.3gを使用した以外
は実施例6と同様にして一般式(−a)におい
てm=2、n=14であるポリプレノールとステア
リン酸メチルをエステル交換反応させたところ、
淡黄色の液状物1.2gを得た。このものをFD−
MASS分析したところ、このものが一般式()
においてAがCH3(CH2)16COO基でありm=2、
n=14であるポリプレニル化合物であることを示
す質量ピークm/e=1440(12C、1H、16Oとして補
正した値)を与えた。
に関する。さらに詳しくは、本発明は、下記の一
般式() 〔式中Aは水酸基、アシルオキシ基またはハロ
ゲン原子を表わし、mはトランス型イソプレン単
位の数を表わし、nはシス型イソプレン単位の数
を表わし、mは2であり、nは11から19までの整
数である〕で示されるポリプレニル化合物および
その製造法に関する。 一般式()においてAがアシルオキシ基であ
る場合の該アシルオキシ基はたとえばホルミルオ
キシ、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリ
ルオキシ、ヘキサノイルオキシ、オクタノイルオ
キシ、デカノイルオキシ、パルミトイルオキシ、
ステアロイルオキシ、オレオイルオキシ、フアル
ネシルアセトキシなどの炭素数1〜20の飽和また
は不飽和の脂肪酸残基であることが好ましいが、
その他のアシルオキシ基たとえばベンゾイルオキ
シ基などであつてもよい。またAがハロゲン原子
である場合の該ハロゲン原子は好ましくはClまた
はBrである。 本発明により提供される前記の一般式()で
示されるポリプレニル化合物は公知文献に未載の
新規化合物であり、たとえばドリコール類
(dolichols)の合成原料として有用である。 ドリコール類は1960年にHemmingらによつて
動物体内からはじめて単離され、のちに下記の一
般式() (式中iはトランス型イソプレン単位の数、j
はシス型イソプレン単位の数を表わし、iは2で
あり、jは12から18までの整数である)で示され
る構造を有することが明らかにされた物質であ
り、哺乳動物体内に広範囲に分布し、生体の生命
維持のうえで極めて重要な機能を果していること
が知られている。たとえばJ.B.Harfordらは外因
性ドリコールがマンノースなどの糖成分の脂質へ
の取り込みを促進し、その結果、生体の生命維持
のうえで重要な糖蛋白質の形成を増大させること
を明らかにしている(Biochemical and
Biophysical Research Communication76,
1036(1977)参照)。上記脂質への糖成分の取り込
み促進効果は成長期の生体におけるよりも既に成
熟している動物において顕著であることから、老
化防止の点でのドリコールの働きが注目されてい
る。また、R.W.Keenanらは幼年期などの急速に
成長を続けている生体にとつては外からドリコー
ルを摂取し、自己の体内で生合成して得られるド
リコールを補うことが重要であると述べている
(Archives of Biochemistry and Biophysics,
179,634(1977)参照)。このようにドリコール類
は医薬品として有用であるほか、生化学試験用薬
品、化粧品基材などとして有用である。しかしな
がら、従来ドリコール類の入手は容易でなく、た
とえば豚の肝臓10Kgから複雑な分離操作を経て約
0.6gのドリコールが得られるに過ぎなかつた
(F.Burgos et al.,Biochemical Journal,88,
470(1963)参照)。ドリコール類を全合成するこ
とはそれらの特異的分子構造に徴して明らかなよ
うに現在の有機合成化学の技術では至難のことで
ある。合成中間体を天然物に依存し、これに簡単
な合成化学的処理を加えるのみでドリコール類を
得ることができるならば有利であるが、従来その
ような好都合な物質は見出されていなかつた。従
来、種々の植物からポリプレノールを採取しうる
ことが知られており、下記のポリプレノール類が
採取されていた。 (1) ソラネソール (2) フイカプレノール類 (3) ベツラプレノール類 ベツラプレノール類はドリコール類と同様にω
−末端イソプレン単位に2個のトランス型イソプ
レン単位が連なりついでこれにシス型イソプレン
単位が連なつた構造を有するが、これまでに知ら
れているベツラプレノール類は上記のようにシス
型イソプレン単位の数が最大でも6しかなく、こ
れらからドリコール類を合成するために6個以上
ものイソプレン単位をシス型に規制して延長する
ことはほとんど不可能である。 本発明者らは、このたび、イチヨウ(Ginkgo
biloba)の葉から下記の一般式(−a) 〔式中mおよびnは一般式()中のそれらと
同じ意味を有する〕で示されるポリプレノール類
および/またはそれらの脂肪酸エステル類を採取
しうることを見出した。 上記の知見に基づき、一般式(−a)で示さ
れるポリプレノールおよび/またはそのエステル
を含有する植物体から有機溶媒を用いて該ポリプ
レノールおよび/またはそのエステルを抽出し、
必要に応じて該ポリプレノールおよび/またはそ
のエステルを加水分解、エステル化、エステル交
換およびハロゲン化のうちの1またはそれ以上の
処理に付することにより一般式()で示される
ポリプレニル化合物を製造する方法が提供され
る。 一般式(−a)で示される新規なポリプレノ
ール類はイチヨウの葉の中に遊離のアルコールお
よび/または脂肪酸エステルの形で高濃度に蓄積
されており、イチヨウの葉から脂質成分を抽出
し、これを種々の分離手段によつて処理すること
により遊離のアルコールおよび/または脂肪酸エ
ステルの形で容易に単離される。イチヨウの葉か
ら脂質成分を抽出するために用いることができる
溶剤として、石油エーテル、石油ベンジン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの炭化水素類、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブ
チルアルコールなどのアルコール類、クロロホル
ム、塩化メチレン、四塩化炭素、四塩化エタン、
バークロルエチレン、トリクロルエチレンなどの
ハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンなどのエーテル類、アセトン、ジエチルケ
トン、ジイソプロピルケトンなどのケトン類、酢
酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチルなど
のエステル類などを例示することができる。これ
らの溶剤はそれぞれを単独使用してもよく、2種
以上を混合して使用してもよい。イチヨウの葉の
中に含まれる脂質成分とくに一般式(−a)で
示されるポリプレノールまたはこれとその脂肪酸
エステルを溶解しうる溶剤であれば、上記以外の
溶剤でも使用可能である。抽出は、通常、環境温
度で便利に行われるが、所望ならばたとえば約0
℃〜約200℃のごとき広い範囲内で環境温度以外
の温度を使用して行うことも可能である。抽出溶
剤は、その種類および組成にもよるが、一般にイ
チヨウの葉1重量部(乾燥基準)あたり約1〜
100重量部の割合で使用される。ただし、これ以
外の使用割合でも抽出は可能である。抽出処理に
供するイチヨウの葉は緑色の若葉から完全に紅葉
した葉まであるいは落葉後のいずれの段階の葉で
もよく、またこれらの葉は乾燥されていてもよ
く、未乾燥のままでもよい。抽出された脂質成分
をクロマト法、分別溶解法、分別冷凍沈殿法、分
子蒸留法、ゲル分離法もしくはそれ以外の分離方
法またはそれらの2以上の方法の組み合わせによ
り分離することによつて、一般式(−a)で示
されるポリプレノール類および/またはそれらの
脂肪酸エステル類をシス型イソプレン単位数すな
わちnの値が11から19までの全域もしくはその一
部分に分布する混合物としてまたはnの値が一様
である単一化合物として得ることができる。上記
ポリプレノール類またはそれらの脂肪酸エステル
類の混合物は混合物のままでもドリコール類の合
成その他の用途に使用可能であるが、必要に応じ
て該混合物から各ポリプレノールまたはその脂肪
酸エステルを単離するためには、たとえば分配型
高速液体クロマトグラフイーによる分離が有効で
ある。上記のようにイチヨウの葉から抽出された
脂質成分をそのまま分離工程に供することができ
るが、該脂質成分を分離工程に供する前に該脂質
成分中に含まれるポリプレノールの脂肪酸エステ
ルを加水分解してポリプレノールに転化しておく
方が分離精製工程が簡単になり、好ましい。この
加水分解は公知の脂肪酸エステル類を加水分解す
るために知られている任意の方法を適用して行う
ことが可能であり、たとえば含水メタノールまた
はエタノール中に水酸化ナトリウムまたは水酸化
カリウムを溶解させた溶液(アルカリ金属水酸化
物濃度約0.1〜30重量%)100重量部に対して上記
の脂質を約5〜50重量部の割合で加えて約25〜90
℃で約0.5〜5時間反応させればよい。 また、イチヨウの葉から抽出された脂質中のも
しくは該脂質から分離したのちの一般式(−
a)で示されるポリプレノール類をハロゲン化ま
たはエステル化することにより、対応するポリプ
レニルハライド類またはポリプレニルエステル類
を容易に製造することができる。この場合、公知
のアルコール類を対応する有機ハライド類または
エステル類に導くために用いられている公知の反
応方法および反応条件を適用することができる。
たとえばハロゲン化は、その反応条件下で不活性
な有機溶媒の存在下または不存在下に上記のポリ
プレノールまたはそれらの混合物に対し約1〜5
当量のハロゲン化剤(たとえばチオニルクロリ
ド、三塩化リン、三臭化リンなど)を加えて反応
させることにより容易に行われる。この際に反応
系内にピリジン、トリエチルアミンなどのハロゲ
ン化反応促進剤を加えるとハロゲン化反応は一層
容易となる。反応温度は使用するハロゲン化剤に
応じてそれが通常一般に用いられている温度範囲
で適宜に選べばよい。別法として上記のポリプレ
ノールまたはそれらの混合物を溶媒の存在下また
は不存在下に大過剰の濃塩酸または濃臭化水素酸
と約0〜30℃の温度下で混合することによつても
容易に対応するポリプレニルハライドまたはそれ
らの混合物を製造することができる。さらに、上
記のポリプレノールまたはそれらの混合物を溶媒
の存在下または不存在下に当モルもしくは過剰の
トリフエニルホスフインと四塩化炭素との混合物
と加熱することによつて対応するポリプレニルク
ロリドまたはそれらの混合物を製造することも可
能である。また、エステル化反応は、上記のポリ
プレノールまたはそれらの混合物をエステル化触
媒および溶媒の存在または不存在下にギ酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、フアルネシル酢酸、安息香酸などのカルボン
酸またはそれらの酸ハライドもしくは酸無水物と
混合し、必要に応じて加熱撹拌することにより容
易に行われる。上記のポリプレノール類のかわり
にそれらから誘導される上記のポリプレニルハラ
イド類を用いてこれらを上記カルボン酸類のアル
カリ金属塩と反応させることにより対応するポリ
プレニルエステル類を合成することも可能であ
る。また、上記カルボン酸の低級アルキルエステ
ル類と上記のポリプレノール類とをエステル交換
触媒の任意の存在下において反応させることによ
つて対応するポリプレニルエステル類を合成する
こともできる。 一般式()で示される本発明のポリプレニル
化合物およびそれらの混合物はたとえば下記の合
成経路により容易にドリコール類に導くことがで
きるので、この点において従来知られているポリ
プレニル化合物に比較してまつたく特異な有用性
を備えるものである。 上記において、Xはハロゲン原子好ましくはCl
またはBrを表わし、Zは水酸基の保護基たとえ
ばテトラヒドロピラニル基、メトキシメチル基、
ベンジル基などを表わし、R1はアシルオキシ基
を表わし、Rは下記の基を表わす。 ここでnは一般式()中のそれと同じ意味を
有する。 本発明のポリプレニル化合物およびそれらの混
合物は、上記のほかに、たとえば化粧品基材、軟
膏基材あるいはそれらの製造原料などとしても有
用である。 以下、本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれらの実施例によつて限定されるものでは
ない。 実施例 1 10月末に倉敷市内で採取したイチヨウの葉10Kg
(未乾燥重量)を約40℃で24時間熱風乾燥したの
ち室温(約15℃)7日間でクロロホルム80中に
浸漬して抽出した。この抽出液からクロロホルム
を留去して得た濃縮物中に石油エーテル5を加
えて不溶性成分を別し、液を濃縮後クロロホ
ルムを展開溶剤として用いてシリカゲルカラムに
より分離し約37gの油状物を得た。この油状物に
アセトン約400mlを加えてアセトン可溶成分を溶
解し、得られた混合物を過し、液を濃縮し、
得られた油状物をメタノール400ml、水40mlおよ
び水酸化ナトリウム20gと共に2時間65℃に加熱
したのちメタノールを留去し、残留物にジエチル
エーテル(500ml)を加えて抽出し、エーテル層
を約100mlの水で5回水洗したあと無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、溶剤を留去して24.2gの油状物
を得た。 次いでこの油状物を約1Kgのシリカゲルを用い
n―ヘキサン/イソプロピルエーテル=90/10
(容量比)の混合液で分離して21.8gの油状物を
得た。この油状物は95%以上の純度を有するポリ
プレノールであり、このものについて測定した分
子量分布は第1図のとおりであつた。第1図は上
記油状物についてメルク社製セミ分取用高速液体
クロマトカラムLiChrosorb RD18−10(C18タイ
プ)を用いアセトン/メタノール=90/10(容量
比)の混合溶剤を溶離液とし、示差屈折計を検出
器として用いた高速液体クロマトグラフイーによ
り得られたクロマトグラムであり、図中の1から
9までの各ピークは一般式(−a)においてm
=2で、nの値が11から19までのものにそれぞれ
相当し、それらの面積比率は下記のとおりであ
る。 ピーク番号 nの値 面積比率(%) 1 11 0.3 2 12 1.1 3 13 5.9 4 14 25.6 5 15 39.4 6 16 19.2 7 17 5.9 8 18 1.8 9 19 0.8 この高速液体クロマトグラフイーを用いて上記
の油状物から各成分を分取し、質量分析、赤外線
吸収スペクトル、1H−NMRスペクトルおよび13C
−NMRスペクトルによりそれらの成分が一般式
(−a)で示される構造を有するポリプレノー
ルであることを確認した。ここで得られた一般式
(−a)においてm=2、n=15であるポリプ
レノールについて測定した赤外線吸収スペクト
ル、1H−NMRスペクトルおよび13C−NMRスペ
クトルをそれぞれ第2図、第3図および第4図に
示した。また、各成分についての電界電離法質量
分析(FD−MASS)の結果ならびに1H−NMR
のδ値を表1に、13C−NMRのδ値を表2にまと
めて示した。表1において、FD−MASS分析の
m/e値は炭素、水素および酸素の各原子量を
12C、1Hおよび16Oとして補正した値である。また
1H−NMRのデータ中、bは幅広シグナル、dは
二重線シグナル、tは三重線シグナルを意味す
る。 【表】 【表】 実施例 2 晩秋から初冬にかけて東京都内で採集したイチ
ヨウの葉5Kg(未乾燥重量)をミキサーで小さく
粉砕したのち室温(約20℃)で7日間石油エーテ
ル/アセトン=4/1(容量比)の混合溶剤(40
)を用いて抽出した。抽出液を水洗後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥したのち溶剤を留去して約
100gの残留物を得た。このものにn―ヘキサン
1を加えてn―ヘキサン可溶成分を溶解し、
過し、液を濃縮後にシリカゲルカラムを用いて
n―ヘキサン/ジエチルエーテル=95/5(容量
比)の混合溶剤で粗分離して約17gの油状物を得
た。 この油状物にアセトン約200mlを加えてアセト
ン可溶性成分を溶解し、過して得た液を、約
500gのシリカゲルを用いn−ヘキサン/ジエチ
ルエーテル=95/5(容量比)の混合溶剤で分離
して12.1gの油状物を得た。この油状物は95%以
上の純度を有するポリプレノールの酢酸エステル
(以下、これをポリプレニルアセテートと記す)
であり、このものについて測定した分子量分布は
第5図のとおりであつた。第5図は上記油状物に
ついてウオーターズ社製高速液体クロマトカラム
μBondapak/C18を用いアセトン/メタノール=
70/30(容量比)の混合溶剤を溶離液とし、示差
屈折計を検出器として用いた高速液体クロマトグ
ラフイーにより得られたクロマトグラムであり、
図中の1から9までの各ピークは一般式()に
おいてA=アセトキシ基、m=2で、nの値が11
から19までのものにそれぞれ相当し、それらの面
積比率は下記のとおりである。 ピーク番号 nの値 面積比率(%) 1 11 1.8 2 12 3.1 3 13 9.4 4 14 31.1 5 15 35.2 6 16 12.7 7 17 3.8 8 18 1.7 9 19 1.2 実施例1で示したと同じ高速液体クロマトグラ
フイーを用いて上記の油状物(ポリプレニルアセ
テート含量95%以上)から各成分を分取し、質量
分析、赤外線吸収スペクトル、1H−NMRスペク
トルおよび13C−NMRスペクトルによりそれら
の成分が一般式()で示される構造(ただしA
=アセトキシ基である)を有するポリプレニルア
セテートであることを確認した。ここで得られた
一般式()においてA=アセトキシ基、m=
2、n=14であるポリプレニルアセテートについ
て測定した赤外線吸収スペクトル、1H−NMRス
ペクトルおよび13C−NMRスペクトルをそれぞ
れ第6図、第7図および第8図に示した。また、
各成分についての電界電離法質量分析(FD−
MASS)の結果を表3に示した。表3において、
FD−MASS分析のm/e値は炭素、水素および
酸素の各原子量を12C、1Hおよび16Oとして補正し
た値である。 【表】 さらに、各成分を実施例1で行なつた加水分解
反応に準じて同様に加水分解することにより得た
ポリプレノール類は、これらとnの値が等しい実
施例1で得られた各ポリプレノール類と全く同じ
1H−NMRスペクトル及び赤外線吸収スペクトル
を与えた。 実施例 3 実施例1と同様にしてイチヨウの葉から単離し
た一般式(−a)においてm=2、n=15であ
るポリプレノール12.4gおよびピリジン1mlを
200mlのn―ヘキサン中に加え、得られた溶液に
室温(約20℃)で窒素ガス雰囲気下に2.0gの三
臭化リンを滴下し、滴下完了後、室温、窒素ガス
雰囲気下に一夜撹拌した。ついでこのn−ヘキサ
ン溶液を分液ロートに入れ、約50mlの水で10回洗
浄したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥し、n―
ヘキサンを留去することにより微黄色の液状物
12.0gを得た。このものについてNMR分析を行
なつたところ、原料ポリプレノールの―CH
2OH基に帰属されるシグナル(doublet,δ=
4.08)が消失し、新らたに―CH 2Brに帰属され
るシグナル(doublet,δ=3.91)が現われた。
またこの液状物を電界電離法質量分析(FD−
MASS)により分析したところm/e=1304(各
原子量を12C、1H、16O、79Brとして補正した値)で
あつた。これらの分析結果により、上記の生成物
は一般式()においてA=Br、m=2、n=
15であるポリプレニルブロミドであることが確認
された。 実施例 4 実施例3における三臭化リン2.0gのかわりに
チオニルクロリド1.5gを使用した以外は実施例
3と同様にして一般式(−a)においてm=
2、n=15であるポリプレノールをチオニルクロ
リドと反応させたところ、一般式()において
A=Cl、m=2、n=15であるポリプレニルクロ
リドが11.2g得られた。このものについてFD−
MASS分析を行なつた結果、m/e=1260(12C、
1H、16O、35Clとして補正した値)であつた。 実施例 5 実施例3で得られたポリプレニルブロミド0.66
gをジメチルホルムアミド10mlに溶解し、これに
無水酢酸ナトリウム1.0gを加えて約50℃で一夜
撹拌したのちジエチルエーテル約50mlを加えて
過した。その液を水約20mlで10回洗浄したのち
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去する
ことにより0.58gの淡黄色液状物を得た。このも
のについてNMR分析を行なつたところ、原料ポ
リプレニルブロミドの―CH 2―Brに帰属される
シグナル(doublet、δ=3.91)が消失し、―C
H2OCOCH3に帰属される新らたなシグナル
(doublet、δ=4.55)が観測された。―
CH2OCOCH 3に帰属されるべきシグナルはポリ
プレニル鎖中の【式】に帰属されるべきシ グナル(δ=2.04)と重なるために観察されなか
つた。また、FD−MASS分析により質量数m/
e=1284(12C、1H、16Oとして補正した値)を得
た。これらの分析結果により、上記の生成物は一
般式()においてAがアセトキシ基でありm=
2、n=15の化合物であることが確認された。 実施例 6 実施例1と同様にしてイチヨウの葉から単離し
た一般式(−a)においてm=2、n=14であ
るポリプレノール1.17g、オレイン酸メチル0.3
gおよび水酸化カリウム0.05gをトルエン50ml中
に溶解し、110℃で8時間、窒素ガス雰囲気下に
加熱した。反応終了後、反応混合物を水洗、乾燥
し、ついで溶媒を留去することにより淡黄色の液
状物1.2gを得た。この液状物をFD−MASS分析
したところ、このものが一般式()においてA
がCH3(CH2)7CH=CH(CH2)7COO基でありm=
2、n=14であるポリプレニル化合物であること
を示す質量ピークm/e=1438(12C、1H、16Oとし
て補正した値)を与えた。 実施例 7 実施例6におけるオレイン酸メチル0.3gのか
わりにステアリン酸メチル0.3gを使用した以外
は実施例6と同様にして一般式(−a)におい
てm=2、n=14であるポリプレノールとステア
リン酸メチルをエステル交換反応させたところ、
淡黄色の液状物1.2gを得た。このものをFD−
MASS分析したところ、このものが一般式()
においてAがCH3(CH2)16COO基でありm=2、
n=14であるポリプレニル化合物であることを示
す質量ピークm/e=1440(12C、1H、16Oとして補
正した値)を与えた。
第1図は実施例1において得られたポリプレノ
ール混合物についての分配型高速液体クロマトグ
ラフイーによるクロマトグラムである。第2図、
第3図および第4図は実施例1において単離され
たイソブレン単位数18のポリプレノールについて
測定された赤外線吸収スペクトル(第2図)、1H
−NMRスペクトル(第3図)および13C−NMR
スペクトル(第4図)である。第5図は実施例2
において得られたポリプレニルアセテート混合物
についての分配型高速液体クロマトグラフイーに
よるクロマトグラムである。第6図、第7図およ
び第8図は実施例2において単離されたイソブレ
ン単位数17のポリプレニルアセテートについて測
定された赤外線吸収スペクトル(第6図)、1H−
NMRスペクトル(第7図)および13C−NMRス
ペクトル(第8図)である。
ール混合物についての分配型高速液体クロマトグ
ラフイーによるクロマトグラムである。第2図、
第3図および第4図は実施例1において単離され
たイソブレン単位数18のポリプレノールについて
測定された赤外線吸収スペクトル(第2図)、1H
−NMRスペクトル(第3図)および13C−NMR
スペクトル(第4図)である。第5図は実施例2
において得られたポリプレニルアセテート混合物
についての分配型高速液体クロマトグラフイーに
よるクロマトグラムである。第6図、第7図およ
び第8図は実施例2において単離されたイソブレ
ン単位数17のポリプレニルアセテートについて測
定された赤外線吸収スペクトル(第6図)、1H−
NMRスペクトル(第7図)および13C−NMRス
ペクトル(第8図)である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式 〔式中Aは水酸基、アシルオキシ基またはハロ
ゲン原子を表わし、mはトランス型イソプレン単
位の数を表わし、nはシス型イソプレン単位の数
を表わし、mは2であり、nは11から19までの整
数である〕で示されるポリプレニル化合物。 2 一般式においてAが水酸基である特許請求の
範囲第1項記載のポリプレニル化合物。 3 一般式においてAがアシルオキシ基である特
許請求の範囲第1項記載のポリプレニル化合物。 4 アシルオキシ基が炭素数1〜20の飽和または
不飽和の脂肪酸残基である特許請求の範囲第3項
記載のポリプレニル化合物。 5 一般式においてAがハロゲン原子である特許
請求の範囲第1項記載のポリプレニル化合物。 6 ハロゲン原子がClまたはBrである特許請求
の範囲第5項記載のポリプレニル化合物。 7 一般式 〔式中mはトランス型イソプレン単位の数を表
わし、nはシス型イソプレン単位の数を表わし、
mは2であり、nは11から19までの整数である〕
で示されるポリプレノールおよび/またはそのエ
ステルを含有する植物体から有機溶媒を用いて該
ポリプレノールおよび/またはそのエステルを抽
出し、必要に応じて該ポリプレノールおよび/ま
たはそのエステルを加水分解、エステル化、エス
テル交換およびハロゲン化のうちの1またはそれ
以上の処理に付することを特徴とする一般式 〔式中Aは水酸基、アシルオキシ基またはハロ
ゲン原子を表わし、mおよびnは上記の意味を有
する〕で示されるポリプレニル化合物の製造法。 8 植物体がイチヨウの葉である特許請求の範囲
第7項記載のポリプレニル化合物の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56056168A JPH0230334B2 (ja) | 1981-04-13 | 1981-04-13 | Horipurenirukagobutsuoyobisonoseizoho |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56056168A JPH0230334B2 (ja) | 1981-04-13 | 1981-04-13 | Horipurenirukagobutsuoyobisonoseizoho |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57170930A JPS57170930A (en) | 1982-10-21 |
| JPH0230334B2 true JPH0230334B2 (ja) | 1990-07-05 |
Family
ID=13019559
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56056168A Expired - Lifetime JPH0230334B2 (ja) | 1981-04-13 | 1981-04-13 | Horipurenirukagobutsuoyobisonoseizoho |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0230334B2 (ja) |
-
1981
- 1981-04-13 JP JP56056168A patent/JPH0230334B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS57170930A (en) | 1982-10-21 |
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