JPH0250227B2 - - Google Patents
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- JPH0250227B2 JPH0250227B2 JP61040584A JP4058486A JPH0250227B2 JP H0250227 B2 JPH0250227 B2 JP H0250227B2 JP 61040584 A JP61040584 A JP 61040584A JP 4058486 A JP4058486 A JP 4058486A JP H0250227 B2 JPH0250227 B2 JP H0250227B2
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Landscapes
- Woven Fabrics (AREA)
- Looms (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、高速紡糸の一工程方式で得られるナ
イロン6繊維糸条(以下「ナイロン6POY糸条」
という)であつて、引取速度が3500m/分以上の
ものを経糸としてウオータージエツトルームやエ
アージエツトルーム等の流体噴射式織機(以下
「流体噴射式織機」という)を用いて製織するナ
イロン6織物の製造方法に関するものである。 (従来の技術) 最近の製織分野においては、高付加価値品等の
特殊な織物を扱う分野を除き、生産性の高い流体
噴射式織機等を中心としてその製織技術の進歩に
伴い、織加工賃の合理化が益々推進されたり、又
特に通常の紡糸−延伸の二工程方式で製造される
ナイロン6糸条(以下「ナイロン6FDY」とい
う)を経糸として扱うタフタ、ツイル等の製織技
術では、経糸の無糊化や織機回転の高速化等が計
られたりして、大きな進展が認められている。こ
こにおいて、3500m/分以上の引取速度で得られ
るナイロン6POY糸条についても、その原糸原価
の低減という単に原糸製造面における合理化効果
に甘んじているのみではなく、生産性の優れた流
体噴射式織機を使用しての製織面における合理化
も強く要求されるようになつてきた。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、3500m/分以上の引取速度で得
られる複屈折率が0.035〜0.045のナイロン6POY
糸条は、切断伸度40%〜65%で熱水収縮率12%以
下の物性値を有し、特定の用途に対しては、例え
ば特開昭52−99345号公報や特開昭55−80535号公
報に記載されているように、ナイロン6FDY糸条
とよく似た性質を有しており、織物用の緯糸とし
て比較的容易に使用できるが、流体噴射式織機で
製織する際の経糸として使用する場合には、その
得られる織物に品質上の重大な欠点を生じさせる
ことが判つた。即ちナイロン6POY糸条を経糸と
して使用した織物には、ナイロン6FDY糸条を経
糸として使用した織物の場合には生じないその経
糸方向に光沢斑を有する経筋状の欠点、通称イラ
ツキ状欠点と称される欠点が発生して、ナイロン
6FDY糸条を経糸とするものとは全く品位の異な
つたものとなり、著しく商品価値の低下した織物
となることが判つた。 このようなイラツキ状欠点を生じる原因につい
ては、鋭意検討の結果、次のようなものがその主
原因であるとの結論に達した。即ち、それは、ナ
イロン6POY糸条を有する物性値自体もさること
ながら、根本的には一本の糸条を構成する各フイ
ラメントの糸軸方向の配列の乱れが、通常の紡糸
−延伸糸であるナイロン6FDY糸条の場合に比較
して極めて少ないことにあるということである。
言いかえれば、ナイロン6POY糸条の場合には、
数千本からなる経糸を構成する個々のフイラメン
トの配列の乱れが少ないために、ある確率をもつ
て発生するフイラメントの配列の乱れの多い部分
が、乱れの少ない部分と隣接することによつて一
種の光沢斑となり、イラツキ状欠点となるもので
ある。 このように、ナイロン6POY糸条を構成する各
フイラメントについては、その糸軸方向の配列の
乱れが少なく、ナイロン6FDY糸条を構成する各
フイラメントについてはナイロン6POY糸条より
も配列の乱れが多いのは、ナイロン6POY糸条
は、原糸の製造工程がナイロン6FDY糸条のよう
に二工程方式ではなく一工程方式であるので、糸
条の原糸製造段階においての通過距離が短かくな
り、必然的に、ナイロン6FDY糸条に比べて各ガ
イドやローラとの接触の頻度が少なくなり、又通
常は高速捲取りのために捲取りパツケージがチー
ズ形態となり、元撚も1〜2回/m程度しかかけ
られないので、糸条を構成する各フイラメントの
配列の乱れが本質的に少ないからであるのに対し
て、ナイロン6FDY糸条は、ナイロン6POY糸条
よりも各ガイドやローラ等との接触の頻度が多
く、特に延伸工程においてはパツケージがパーン
形態で生産されるためにリング式延伸機を使用す
るので、リングと糸条との接触等もあり、元撚も
10回/m程度かけられるので、糸条を構成する各
フイラメントの配列がナイロン6POY糸条を構成
するフイラメントの場合よりも乱されるからであ
る。さらに又、ナイロン6POY糸条のフイラメン
トの配列の乱れがナイロン6FDY糸条のフイラメ
ントの乱れよりも少ないのはナイロン6POY糸条
は、その物性面からみてもナイロン6FDY糸条に
比較すると伸度が高いためということがある。流
体噴射式織機で製織する場合開口運動からくる経
糸張力変動に起因する歪をナイロン6FDY糸条の
経糸では伸度が低いので吸収しないのに対して、
ナイロン6POY糸条を経糸とすれば伸度が高いた
めこの歪を吸収してしまうので、そのPOY糸条
のフイラメント配列に乱れを生じにくくなるから
でもある。 なお、糸条を構成するフイラメントの配列を乱
すための有力な手段として、インターレース交絡
処理があるが、3500m/分以上の引取速度で得ら
れるナイロン6POY糸条を経糸として流体噴射式
織機により製織する場合に生じるイラツキ状欠点
解消のためには、テストの結果、最低限35ケ/m
以上好ましくは40ケ/m以上の交絡数を必要とす
るが、現時点でのインターレース技術では工業的
に高々30ケ/mの交絡数しか得ることが出来ない
ので、インターレース交絡処理により、イラツキ
状欠点を解消させることは、目下のところでは到
底困難である。なお又、この糸条を構成するフイ
ラメントの配列の乱れの大小に起因して発生する
イラツキ状欠点に関連のある知見として、例えば
特公昭57−25658号及び特公昭60−25531号の公報
等に記載されているものがあるが、該記載に係る
ものは、本発明に係るフイラメントの配列の乱れ
とは根本的に異なるものである。即ち、特公昭57
−25658号及び特公昭60−25531号の公報の記載に
係るものは、何れもフイラメントの構成が二段配
列又は三段配列を基本として、その配列の段数の
混合比率により一種のイラツキ状欠点となるもの
であり、従来の紡糸−延伸の二工程方式で得られ
る糸条に固有の現象であるのに対して、本発明に
係るフイラメントの配列の乱れとは、例えば二段
配列のフイラメントの中でのフイラメントの配列
の乱れ、又は三段配列のフイラメントの中でのフ
イラメントの配列の乱れに起因するイラツキ状欠
点であるのであつて、従来の紡糸−延伸の二工程
方式で得られた高交絡を与えられた糸条とは異な
る高速紡糸の一工程方式で得られた糸条に特有の
現象と言えるものである。 本発明は以上の点に鑑み、3500m/分以上の引
取速度で得られる複屈折率が0.035〜0.045で、切
断伸度が40%〜60%、熱水収縮率が12%以下であ
る、ナイロン6FDY糸条よりもフイラメントの乱
れの少ないナイロン6POY糸条であつて、かつそ
の交絡数が30ケ/m未満の糸条を経糸として、流
体噴射式織機で製織する場合にもその織物の表面
に、イラツキ状欠点を生じないナイロン6織物の
製造方法の提供を目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は3500m/分以上の引取速度で得
られる複屈折率△nが0.035〜0.045で切断伸度が
40%〜60%、熱水収縮率が12%以下のナイロン
6POYであつて、交絡数が30ケ/m未満の無撚無
糊の糸条を経糸として用い、流体噴射式織機によ
り、クランク角度10゜〜35゜のクロスビーテイング
を行つて製織することを特徴とするナイロン6織
物の製造方法である。 以下に本発明に係るナイロン6織物の製造方法
(以下「本発明製造方法」という)について詳細
に説明する。 即ち、本発明製造方法は、複屈折率△nが
0.035〜0.045、切断伸度が40%〜60%、熱水収縮
率が12%以下で引取速度が3500m/分以上の高速
紡糸の一工程方式で得られたナイロン6POY糸条
であつて、交絡数が30ケ/m未満の無撚無糊のも
のを経糸に使用して、流体噴射式織機でナイロン
6織物を製造する方法であるが、その際の筬打ち
をクランク角度10゜〜35゜のクロスビーテイングで
行うことを特徴とするものである。 以上の場合において、糸条の引取速度を3500
m/分以上に限定しているのは、ナイロン6POY
糸条を得るためと本発明製造方法の効果を大なら
しめるためである。 又複屈折率を0.035〜0.045に限定しているの
は、若し0.035未満であると伸度が高過ぎて本発
明製造方法を実施しても織物表面への経筋状欠点
の発生を防止し難いからであり、若し0.045を超
えると熱収縮率が大になり過ぎて寸法安定性が悪
くなるからであるが、又このことは切断伸度が60
%を超え、熱水収縮率が12%を超える場合におい
ても同様であるので、該切断伸度を60%以下該熱
水収縮率を12%以下に限定しているものである。
また切断伸度を40%以上、交絡数を30ケ/m未満
としているのは、切断伸度が40%未満で交絡数が
30ケ/m以上の場合には、切断伸度と交絡数に関
する限り、経筋状欠点発生の要因となる虞れがな
いことが判明しているからである。 なお、上記の交絡数とは、米国特許第2985995
号公報の明細書に記載の測定方法に準拠する方法
で測定して得られたもので、すなわち試料長1m
の結束の下端に「糸条のデニール×0.2g」の荷
重をかけ、試料上端の糸束中央部に「単糸デニー
ル×1g」のフツクを挿入し、一秒当り1〜2cm
の速度で静かに該フツクを落下させて停止する迄
の距離を測り、その100回測定の平均距離をLcm
とするとき100/L×1/2で算定された値である。 なお、前記の場合におけるクロスビーテイング
とは、製織の際の緯入れ後、開口中の上下経糸が
閉口して交錯し、該交錯後筬により緯糸を筬打ち
する筬打ち方法を言い、これに対して緯入れ後、
開口中の上下経糸の閉口前に筬により緯糸を筬打
ちする筬打ち方法をオープンビーテイングと言
う。そして10゜〜35゜のクロスビーテイングとは緯
入れ後上下経糸が閉口し、次に該経糸の上下位置
が逆転しながら開口し初めてクランク角度で10゜
〜35゜開口した時点で、筬が最前進してビーテイ
ングする筬打ち方法をいうもので、例え開口し初
めてクランク角度で10゜となつた時点で、筬が最
前進して筬打ちした時には、これを10゜クロスビ
ーテイングというが如きである。 なお又、本発明製造方法において、筬打ち方法
をクロスビーテイングに限定しているのは、本発
明製造方法では上下の経糸間や経糸と緯糸との間
の摺動摩擦効果等により経糸を構成する各フイラ
メント内の配列の乱れを生じさせようとするもの
である。オープンビーテイングでは、その摺動摩
擦力が小さく、到底、所要の、フイラメントの配
列の乱れを得ることが出来ないのに対して、クロ
スビーテイングでは、緯入れされた緯糸と経糸と
の微少時間における摩擦効果と、これに付随して
必然的に生じる上下の経糸間の摺動摩擦効果との
相剰効果により、経糸を構成する個々のフイラメ
ントの配列を乱れさせ得ることが出来るからであ
る。 又このクロスビーテイングを10゜から35゜までの
ものに限定しているのは、若し10゜未満のクロス
ビーテイングであると前記の摺動摩擦効果等が不
足して各フイラメントに所要の配列の乱れを生じ
させることが出来ないからであり、又若し35゜を
超えるクロスビーテイングであると緯入れ不良や
生機巾の収縮が大きくなつてテンプル外れを生じ
させる等製織性に著しい悪影響を与えることにな
るからである。 (作用) 本発明製造方法では、筬打ちの際の開口クラン
ク角度と各フイラメントの糸軸方向の配列の乱れ
との間に大きな関連のあることに着目して、引取
速度3500m/分以上のナイロン6POY糸条を経糸
として、流体噴射式織機を用いて製織する場合に
該織物表面に生じる経糸を構成する各フイラメン
トの配列の乱れに起因するイラツキ状欠点の発生
を防止するため、10゜から35゜までの範囲内でクロ
スビーテイングを行い、その際筬羽により各フイ
ラメントに過不足のない摺動作用を行い、イラツ
キ状欠点発生防止のために必要な配列の乱れを各
経糸糸条のフイラメントに生じさせるようにする
ものである。 (実施例) 経糸として紡糸速度4000m/分で紡糸した複屈
折率が0.040、切断伸度が58%、熱水収縮率が9.2
%のナイロン6POY70D/12Fの糸条であつて、
その交絡数を15ケ/m、25ケ/m、35ケ/mの3
種にしたものを用い、又緯糸として同様なナイロ
ン6POY70D/24Fの糸条を用い、生機経密度107
本/吋、緯糸密度82本/吋で、回転数650回/分
の津田駒製ZW−200型のウオータージエツトル
ームにより、タフタを製織した。その際本発明製
造方法と、本発明製造方法を採用しない比較例と
の両者について実施して第1表に示すが如き結果
を得た。なお、糸条への交絡付与のための所要コ
ストの大小と、その技術的難度についても同表に
示した。
イロン6繊維糸条(以下「ナイロン6POY糸条」
という)であつて、引取速度が3500m/分以上の
ものを経糸としてウオータージエツトルームやエ
アージエツトルーム等の流体噴射式織機(以下
「流体噴射式織機」という)を用いて製織するナ
イロン6織物の製造方法に関するものである。 (従来の技術) 最近の製織分野においては、高付加価値品等の
特殊な織物を扱う分野を除き、生産性の高い流体
噴射式織機等を中心としてその製織技術の進歩に
伴い、織加工賃の合理化が益々推進されたり、又
特に通常の紡糸−延伸の二工程方式で製造される
ナイロン6糸条(以下「ナイロン6FDY」とい
う)を経糸として扱うタフタ、ツイル等の製織技
術では、経糸の無糊化や織機回転の高速化等が計
られたりして、大きな進展が認められている。こ
こにおいて、3500m/分以上の引取速度で得られ
るナイロン6POY糸条についても、その原糸原価
の低減という単に原糸製造面における合理化効果
に甘んじているのみではなく、生産性の優れた流
体噴射式織機を使用しての製織面における合理化
も強く要求されるようになつてきた。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、3500m/分以上の引取速度で得
られる複屈折率が0.035〜0.045のナイロン6POY
糸条は、切断伸度40%〜65%で熱水収縮率12%以
下の物性値を有し、特定の用途に対しては、例え
ば特開昭52−99345号公報や特開昭55−80535号公
報に記載されているように、ナイロン6FDY糸条
とよく似た性質を有しており、織物用の緯糸とし
て比較的容易に使用できるが、流体噴射式織機で
製織する際の経糸として使用する場合には、その
得られる織物に品質上の重大な欠点を生じさせる
ことが判つた。即ちナイロン6POY糸条を経糸と
して使用した織物には、ナイロン6FDY糸条を経
糸として使用した織物の場合には生じないその経
糸方向に光沢斑を有する経筋状の欠点、通称イラ
ツキ状欠点と称される欠点が発生して、ナイロン
6FDY糸条を経糸とするものとは全く品位の異な
つたものとなり、著しく商品価値の低下した織物
となることが判つた。 このようなイラツキ状欠点を生じる原因につい
ては、鋭意検討の結果、次のようなものがその主
原因であるとの結論に達した。即ち、それは、ナ
イロン6POY糸条を有する物性値自体もさること
ながら、根本的には一本の糸条を構成する各フイ
ラメントの糸軸方向の配列の乱れが、通常の紡糸
−延伸糸であるナイロン6FDY糸条の場合に比較
して極めて少ないことにあるということである。
言いかえれば、ナイロン6POY糸条の場合には、
数千本からなる経糸を構成する個々のフイラメン
トの配列の乱れが少ないために、ある確率をもつ
て発生するフイラメントの配列の乱れの多い部分
が、乱れの少ない部分と隣接することによつて一
種の光沢斑となり、イラツキ状欠点となるもので
ある。 このように、ナイロン6POY糸条を構成する各
フイラメントについては、その糸軸方向の配列の
乱れが少なく、ナイロン6FDY糸条を構成する各
フイラメントについてはナイロン6POY糸条より
も配列の乱れが多いのは、ナイロン6POY糸条
は、原糸の製造工程がナイロン6FDY糸条のよう
に二工程方式ではなく一工程方式であるので、糸
条の原糸製造段階においての通過距離が短かくな
り、必然的に、ナイロン6FDY糸条に比べて各ガ
イドやローラとの接触の頻度が少なくなり、又通
常は高速捲取りのために捲取りパツケージがチー
ズ形態となり、元撚も1〜2回/m程度しかかけ
られないので、糸条を構成する各フイラメントの
配列の乱れが本質的に少ないからであるのに対し
て、ナイロン6FDY糸条は、ナイロン6POY糸条
よりも各ガイドやローラ等との接触の頻度が多
く、特に延伸工程においてはパツケージがパーン
形態で生産されるためにリング式延伸機を使用す
るので、リングと糸条との接触等もあり、元撚も
10回/m程度かけられるので、糸条を構成する各
フイラメントの配列がナイロン6POY糸条を構成
するフイラメントの場合よりも乱されるからであ
る。さらに又、ナイロン6POY糸条のフイラメン
トの配列の乱れがナイロン6FDY糸条のフイラメ
ントの乱れよりも少ないのはナイロン6POY糸条
は、その物性面からみてもナイロン6FDY糸条に
比較すると伸度が高いためということがある。流
体噴射式織機で製織する場合開口運動からくる経
糸張力変動に起因する歪をナイロン6FDY糸条の
経糸では伸度が低いので吸収しないのに対して、
ナイロン6POY糸条を経糸とすれば伸度が高いた
めこの歪を吸収してしまうので、そのPOY糸条
のフイラメント配列に乱れを生じにくくなるから
でもある。 なお、糸条を構成するフイラメントの配列を乱
すための有力な手段として、インターレース交絡
処理があるが、3500m/分以上の引取速度で得ら
れるナイロン6POY糸条を経糸として流体噴射式
織機により製織する場合に生じるイラツキ状欠点
解消のためには、テストの結果、最低限35ケ/m
以上好ましくは40ケ/m以上の交絡数を必要とす
るが、現時点でのインターレース技術では工業的
に高々30ケ/mの交絡数しか得ることが出来ない
ので、インターレース交絡処理により、イラツキ
状欠点を解消させることは、目下のところでは到
底困難である。なお又、この糸条を構成するフイ
ラメントの配列の乱れの大小に起因して発生する
イラツキ状欠点に関連のある知見として、例えば
特公昭57−25658号及び特公昭60−25531号の公報
等に記載されているものがあるが、該記載に係る
ものは、本発明に係るフイラメントの配列の乱れ
とは根本的に異なるものである。即ち、特公昭57
−25658号及び特公昭60−25531号の公報の記載に
係るものは、何れもフイラメントの構成が二段配
列又は三段配列を基本として、その配列の段数の
混合比率により一種のイラツキ状欠点となるもの
であり、従来の紡糸−延伸の二工程方式で得られ
る糸条に固有の現象であるのに対して、本発明に
係るフイラメントの配列の乱れとは、例えば二段
配列のフイラメントの中でのフイラメントの配列
の乱れ、又は三段配列のフイラメントの中でのフ
イラメントの配列の乱れに起因するイラツキ状欠
点であるのであつて、従来の紡糸−延伸の二工程
方式で得られた高交絡を与えられた糸条とは異な
る高速紡糸の一工程方式で得られた糸条に特有の
現象と言えるものである。 本発明は以上の点に鑑み、3500m/分以上の引
取速度で得られる複屈折率が0.035〜0.045で、切
断伸度が40%〜60%、熱水収縮率が12%以下であ
る、ナイロン6FDY糸条よりもフイラメントの乱
れの少ないナイロン6POY糸条であつて、かつそ
の交絡数が30ケ/m未満の糸条を経糸として、流
体噴射式織機で製織する場合にもその織物の表面
に、イラツキ状欠点を生じないナイロン6織物の
製造方法の提供を目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は3500m/分以上の引取速度で得
られる複屈折率△nが0.035〜0.045で切断伸度が
40%〜60%、熱水収縮率が12%以下のナイロン
6POYであつて、交絡数が30ケ/m未満の無撚無
糊の糸条を経糸として用い、流体噴射式織機によ
り、クランク角度10゜〜35゜のクロスビーテイング
を行つて製織することを特徴とするナイロン6織
物の製造方法である。 以下に本発明に係るナイロン6織物の製造方法
(以下「本発明製造方法」という)について詳細
に説明する。 即ち、本発明製造方法は、複屈折率△nが
0.035〜0.045、切断伸度が40%〜60%、熱水収縮
率が12%以下で引取速度が3500m/分以上の高速
紡糸の一工程方式で得られたナイロン6POY糸条
であつて、交絡数が30ケ/m未満の無撚無糊のも
のを経糸に使用して、流体噴射式織機でナイロン
6織物を製造する方法であるが、その際の筬打ち
をクランク角度10゜〜35゜のクロスビーテイングで
行うことを特徴とするものである。 以上の場合において、糸条の引取速度を3500
m/分以上に限定しているのは、ナイロン6POY
糸条を得るためと本発明製造方法の効果を大なら
しめるためである。 又複屈折率を0.035〜0.045に限定しているの
は、若し0.035未満であると伸度が高過ぎて本発
明製造方法を実施しても織物表面への経筋状欠点
の発生を防止し難いからであり、若し0.045を超
えると熱収縮率が大になり過ぎて寸法安定性が悪
くなるからであるが、又このことは切断伸度が60
%を超え、熱水収縮率が12%を超える場合におい
ても同様であるので、該切断伸度を60%以下該熱
水収縮率を12%以下に限定しているものである。
また切断伸度を40%以上、交絡数を30ケ/m未満
としているのは、切断伸度が40%未満で交絡数が
30ケ/m以上の場合には、切断伸度と交絡数に関
する限り、経筋状欠点発生の要因となる虞れがな
いことが判明しているからである。 なお、上記の交絡数とは、米国特許第2985995
号公報の明細書に記載の測定方法に準拠する方法
で測定して得られたもので、すなわち試料長1m
の結束の下端に「糸条のデニール×0.2g」の荷
重をかけ、試料上端の糸束中央部に「単糸デニー
ル×1g」のフツクを挿入し、一秒当り1〜2cm
の速度で静かに該フツクを落下させて停止する迄
の距離を測り、その100回測定の平均距離をLcm
とするとき100/L×1/2で算定された値である。 なお、前記の場合におけるクロスビーテイング
とは、製織の際の緯入れ後、開口中の上下経糸が
閉口して交錯し、該交錯後筬により緯糸を筬打ち
する筬打ち方法を言い、これに対して緯入れ後、
開口中の上下経糸の閉口前に筬により緯糸を筬打
ちする筬打ち方法をオープンビーテイングと言
う。そして10゜〜35゜のクロスビーテイングとは緯
入れ後上下経糸が閉口し、次に該経糸の上下位置
が逆転しながら開口し初めてクランク角度で10゜
〜35゜開口した時点で、筬が最前進してビーテイ
ングする筬打ち方法をいうもので、例え開口し初
めてクランク角度で10゜となつた時点で、筬が最
前進して筬打ちした時には、これを10゜クロスビ
ーテイングというが如きである。 なお又、本発明製造方法において、筬打ち方法
をクロスビーテイングに限定しているのは、本発
明製造方法では上下の経糸間や経糸と緯糸との間
の摺動摩擦効果等により経糸を構成する各フイラ
メント内の配列の乱れを生じさせようとするもの
である。オープンビーテイングでは、その摺動摩
擦力が小さく、到底、所要の、フイラメントの配
列の乱れを得ることが出来ないのに対して、クロ
スビーテイングでは、緯入れされた緯糸と経糸と
の微少時間における摩擦効果と、これに付随して
必然的に生じる上下の経糸間の摺動摩擦効果との
相剰効果により、経糸を構成する個々のフイラメ
ントの配列を乱れさせ得ることが出来るからであ
る。 又このクロスビーテイングを10゜から35゜までの
ものに限定しているのは、若し10゜未満のクロス
ビーテイングであると前記の摺動摩擦効果等が不
足して各フイラメントに所要の配列の乱れを生じ
させることが出来ないからであり、又若し35゜を
超えるクロスビーテイングであると緯入れ不良や
生機巾の収縮が大きくなつてテンプル外れを生じ
させる等製織性に著しい悪影響を与えることにな
るからである。 (作用) 本発明製造方法では、筬打ちの際の開口クラン
ク角度と各フイラメントの糸軸方向の配列の乱れ
との間に大きな関連のあることに着目して、引取
速度3500m/分以上のナイロン6POY糸条を経糸
として、流体噴射式織機を用いて製織する場合に
該織物表面に生じる経糸を構成する各フイラメン
トの配列の乱れに起因するイラツキ状欠点の発生
を防止するため、10゜から35゜までの範囲内でクロ
スビーテイングを行い、その際筬羽により各フイ
ラメントに過不足のない摺動作用を行い、イラツ
キ状欠点発生防止のために必要な配列の乱れを各
経糸糸条のフイラメントに生じさせるようにする
ものである。 (実施例) 経糸として紡糸速度4000m/分で紡糸した複屈
折率が0.040、切断伸度が58%、熱水収縮率が9.2
%のナイロン6POY70D/12Fの糸条であつて、
その交絡数を15ケ/m、25ケ/m、35ケ/mの3
種にしたものを用い、又緯糸として同様なナイロ
ン6POY70D/24Fの糸条を用い、生機経密度107
本/吋、緯糸密度82本/吋で、回転数650回/分
の津田駒製ZW−200型のウオータージエツトル
ームにより、タフタを製織した。その際本発明製
造方法と、本発明製造方法を採用しない比較例と
の両者について実施して第1表に示すが如き結果
を得た。なお、糸条への交絡付与のための所要コ
ストの大小と、その技術的難度についても同表に
示した。
【表】
第1表から明らかなように、筬打時の開口クラ
ンク角度とイラツキ状欠点の発生状態との間には
強い関係があり、No.5の交絡数35ケ/mの場合は
別として、交絡数が30ケ/m未満である本発明製
造方法に係るNo.1〜No.4の場合と、比較例のNo.
7、No.8の場合とに関して、このことを見てみる
と、No.1〜No.4の10゜〜35゜クロスビーテイングで
はイラツキ状欠点の発生はないが、有つても少な
くて実用上支障のない程度であるのに対して、No.
7、No.8の5゜クロスビーテイングの場合にはイラ
ツキ状欠点の発生が多くなつている。なお、比較
例のNo.6のオープンビーテイングでは第1表実施
例中の最多のイラツキ状欠点を発生した。又No.2
に示す如く、開口クランク角度が35゜の時には、
その製織性は普通となつている。しかしこれは、
No.1、No.3、No.4の場合に比べると製織性が低下
していることになる。即ち35゜は、製織性を不良
の状態にしないための上限の角度であることが判
る。又No.4、No.5、No.8を比較してみると、No.5
の交絡数が35ケ/mのものは、本発明製造方法の
実施とはならない5゜程度の角度のクロスビーテイ
ングでもイラツキ状欠点を発生しないが、交絡数
が30ケ/m未満の25ケ/mのものは本発明製造方
法の実施であるクロスビーテイングの角度が20゜
であるNo.4はイラツキ状欠点を発生していない
が、本発明製造方法の実施でないクロスビーテイ
ングの角度が5゜であるNo.8ではイラツキ状欠点を
多く発生していることが判る。なお又、第1図に
製織後の経糸中のフイラメントの糸軸方向の配列
の乱れを示すための、No.4、No.6、No.8の各場合
の模式図を掲げてあるが、本発明製造方法に係る
No.4の場合のa図でのフイラメントの配列の乱れ
が最大であり、本発明製造方法に係らない比較例
のNo.8の場合のb図での乱れがこれに次ぎ、オー
プンビーテイングのNo.6場合のc図での乱れが最
小であることが判る。 (発明の効果) 本発明製造方法は、引取速度3500m/分以上で
得られたナイロン6POY糸条を、無撚無糊の経糸
として流体噴射式織機を用いて製織する際に、そ
の筬打時の開口クランク角度が10゜〜35゜のクロス
ビーテイングに設定することにより、織物の表面
に生じるイラツキ状欠点の発生を完全に防止する
ことが出来るもので、これにより本発明製造方法
は、従来は極めて困難とされていた高速引取紡糸
のナイロン6POY糸条を経糸に用いての、高速高
稼動率下での高品質織物の製造を可能とするもの
でであつて、生産性と品質の向上に寄与するとこ
ろ誠に大である。
ンク角度とイラツキ状欠点の発生状態との間には
強い関係があり、No.5の交絡数35ケ/mの場合は
別として、交絡数が30ケ/m未満である本発明製
造方法に係るNo.1〜No.4の場合と、比較例のNo.
7、No.8の場合とに関して、このことを見てみる
と、No.1〜No.4の10゜〜35゜クロスビーテイングで
はイラツキ状欠点の発生はないが、有つても少な
くて実用上支障のない程度であるのに対して、No.
7、No.8の5゜クロスビーテイングの場合にはイラ
ツキ状欠点の発生が多くなつている。なお、比較
例のNo.6のオープンビーテイングでは第1表実施
例中の最多のイラツキ状欠点を発生した。又No.2
に示す如く、開口クランク角度が35゜の時には、
その製織性は普通となつている。しかしこれは、
No.1、No.3、No.4の場合に比べると製織性が低下
していることになる。即ち35゜は、製織性を不良
の状態にしないための上限の角度であることが判
る。又No.4、No.5、No.8を比較してみると、No.5
の交絡数が35ケ/mのものは、本発明製造方法の
実施とはならない5゜程度の角度のクロスビーテイ
ングでもイラツキ状欠点を発生しないが、交絡数
が30ケ/m未満の25ケ/mのものは本発明製造方
法の実施であるクロスビーテイングの角度が20゜
であるNo.4はイラツキ状欠点を発生していない
が、本発明製造方法の実施でないクロスビーテイ
ングの角度が5゜であるNo.8ではイラツキ状欠点を
多く発生していることが判る。なお又、第1図に
製織後の経糸中のフイラメントの糸軸方向の配列
の乱れを示すための、No.4、No.6、No.8の各場合
の模式図を掲げてあるが、本発明製造方法に係る
No.4の場合のa図でのフイラメントの配列の乱れ
が最大であり、本発明製造方法に係らない比較例
のNo.8の場合のb図での乱れがこれに次ぎ、オー
プンビーテイングのNo.6場合のc図での乱れが最
小であることが判る。 (発明の効果) 本発明製造方法は、引取速度3500m/分以上で
得られたナイロン6POY糸条を、無撚無糊の経糸
として流体噴射式織機を用いて製織する際に、そ
の筬打時の開口クランク角度が10゜〜35゜のクロス
ビーテイングに設定することにより、織物の表面
に生じるイラツキ状欠点の発生を完全に防止する
ことが出来るもので、これにより本発明製造方法
は、従来は極めて困難とされていた高速引取紡糸
のナイロン6POY糸条を経糸に用いての、高速高
稼動率下での高品質織物の製造を可能とするもの
でであつて、生産性と品質の向上に寄与するとこ
ろ誠に大である。
第1図は製織後の経糸中のフイラメントの模式
図で、aは本発明の場合、bとcは比較例の場合
を示す。
図で、aは本発明の場合、bとcは比較例の場合
を示す。
Claims (1)
- 1 3500m/分以上の引取速度で得られる複屈折
率△nが0.035〜0.045で切断伸度が40%〜60%、
熱水収縮率が12%以下のナイロン6であつて、交
絡数が30ケ/m未満の無撚無糊の糸条を経糸とし
て流体噴射式織機を用いクランク角度10゜〜35゜の
クロスビーテイングを行つて製織することを特徴
とするナイロン6織物の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61040584A JPS62199843A (ja) | 1986-02-26 | 1986-02-26 | ナイロン6織物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61040584A JPS62199843A (ja) | 1986-02-26 | 1986-02-26 | ナイロン6織物の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62199843A JPS62199843A (ja) | 1987-09-03 |
| JPH0250227B2 true JPH0250227B2 (ja) | 1990-11-01 |
Family
ID=12584544
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61040584A Granted JPS62199843A (ja) | 1986-02-26 | 1986-02-26 | ナイロン6織物の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62199843A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01213433A (ja) * | 1988-02-17 | 1989-08-28 | Unitika Ltd | ナイロン6織物の製織方法 |
| JPH01306640A (ja) * | 1988-06-03 | 1989-12-11 | Unitika Ltd | 透明性ナイロン6織物 |
| JPH01314752A (ja) * | 1988-06-14 | 1989-12-19 | Unitika Ltd | 透明性ナイロン6織物 |
| JPH0291246A (ja) * | 1988-09-22 | 1990-03-30 | Toyobo Co Ltd | 高品位ポリアミド織物の製造方法 |
-
1986
- 1986-02-26 JP JP61040584A patent/JPS62199843A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62199843A (ja) | 1987-09-03 |
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