JPH0256072B2 - - Google Patents
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- JPH0256072B2 JPH0256072B2 JP59161678A JP16167884A JPH0256072B2 JP H0256072 B2 JPH0256072 B2 JP H0256072B2 JP 59161678 A JP59161678 A JP 59161678A JP 16167884 A JP16167884 A JP 16167884A JP H0256072 B2 JPH0256072 B2 JP H0256072B2
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- arthrobacter
- coli
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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- C12Y302/00—Hydrolases acting on glycosyl compounds, i.e. glycosylases (3.2)
- C12Y302/01—Glycosidases, i.e. enzymes hydrolysing O- and S-glycosyl compounds (3.2.1)
- C12Y302/01006—Endo-1,3(4)-beta-glucanase (3.2.1.6)
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
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- C12N9/24—Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2)
- C12N9/2402—Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2) hydrolysing O- and S- glycosyl compounds (3.2.1)
- C12N9/2405—Glucanases
- C12N9/2434—Glucanases acting on beta-1,4-glucosidic bonds
- C12N9/244—Endo-1,3(4)-beta-glucanase (3.2.1.6)
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- Microbiology (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Description
(技術分野)
本発明は細胞壁溶解酵素系遺伝子を含有する組
み換え体プラスミドにより形質転換されたエスチ
エリチア属菌に関する。 (従来技術) 酵母やクロレラなどの微生物の蛋白質を食料源
もしくは飼料源として利用するうえで、これら微
生物の菌体細胞壁を溶解除去することが必要であ
る。しかしながら、これら菌体細胞壁を分解しう
る酵素を工業的に効果的に生産しうる技術はいま
だ確立されていない。 (発明の目的) 本発明の目的は、細胞壁溶解酵素系遺伝子を有
する組み換え体プラスミドを導入したエスチエリ
チア属菌を提供することにある。 (発明の構成) 本発明に用いられる組み換え体プラスミドは、
アルスロバクター属菌の細胞壁溶解酵素系遺伝子
をエスチエリチア、コリーtrpC−9830のベクタ
ープラスミドYRp7に導入して得られる。これを
エスチエリチア・コリーHB101もしくはエスチ
エリチア・コリーJA221などのエスチエリチア属
菌に導入することにより細胞壁溶解酵素系遺伝子
を発現させる。 また、本発明による細胞壁溶解酵素の製造方法
は、上記組み換え体プラスミドを含有するエスチ
エリチア・コリー属菌を培養しその菌体内もしく
は培地中に蓄積される細胞壁溶解酵素を採集する
ことを包含する。この細胞壁溶解酵素の生産は、
親株アルスロバクターYCWD3が誘導的であるの
に対し、形質転換株エスチエリチア・コリーでは
構成的である。 本発明におけるアルスロバクターYCWD3の細
胞壁溶解酵素系遺伝子のエスチエリチア・コリー
へのクローニングは次のようにして行われる: アルスロバクター(Arthrobacter)YCWD3の
対数増殖期の細胞からJ.Marmurの方法(J.
Marmur、J.Mol.Biol.3 208(1961))により染
色体DNAが調製される。これを制限酵素Bam
HIで不完全分解して2本鎖DNA断片を得る。他
方、ベクタープラスミドYRp7は制限酵素Bam
HIによりテトラサイクリン(Tc)耐性遺伝子上
に1ケ所のみ切れる配列を有する。このベクター
プラスミドYRp7を切り直線状にする。次いで、
アルカリフオスフアターゼで末端のリン酸を切り
取る。こうすることにより、後に加える修復酵素
T4DNAリガーゼによりYRp7が元の環状DNAに
戻るのを防ぐ。両DNAを混合してT4DNAリガ
ーゼを加えて、切れているリン酸結合をつなぐこ
とにより目的の組み換え体プラスミド(pX20と
命名)を含む種々のプラスミドの混合物を得る。
これを、次いで、あらかじめCaCl2処理などによ
り外来DNAを受け入れやすくした宿主微生物エ
スチエリチア・コリー(Escherichia coli)
HB101またはエスチエリチア・コリー
(Escherichia coli)JA221へ入れる。組み換え体
プラスミドpX20はYRp7のTcr中へ染色体DNA
断片が入り込んだものであるから、これが導入さ
れたエスチエリチア・コリーHB101(pX20)ま
たはJA221(pX20)はテトラサイクリン耐性遺伝
子が分離されてテトラサイクリン感受性(Tcs)
となる。YRp7のもつもう一つのアンピシリン耐
性遺伝子(Amr)は生かされているため、エス
チエリチア・コリーHB101(pX20)またはJA221
(pX20)はアンピシリン耐性(Amr)である。 アルスロバクターYCWD3由来の細胞壁溶解酵
素系遺伝子を発現する形質転換体を選び出すため
に、Amrのエスチエリチア・コリーHB101また
はJA221のコロニーを選択し、そのうちで細胞壁
溶解酵素活性を有する株をスクリーニングする。
細胞壁溶解酵素活性を有するエスチエリチア・コ
リーHB101(pX20)またはJA221(pX20)のスク
リーニングは、Amrのコロニーをパン酵母細胞
壁基質と共にインキユベートしてコロニー周辺に
細胞壁溶解斑の生じる株を選択することにより行
われる。選択培地にアンピシリンと細胞壁とを共
存させておくことにより、Amrでかつ細胞壁溶
解活性陽性の株を同時に選択することが可能であ
る。 このようにして本発明において得られた形質転
換株エスチエリチア属・コリーHB101(pX20(受
託番号:微工研菌寄第7742号)およびJA221
(pX20)(受託番号:微工研菌寄第7744号)は細
胞壁溶解酵素系遺伝子、特に、β−1・3グルカ
ナーゼ遺伝子を有している。この酵素活性は主と
してペリプラズム区分に見出される。 形質転換株エスチエリチア・コリーHB101
(pX20)およびJA221(pX20)の生産するβ−
1・3グルカナーゼは、酵母グルカンなどに作用
させて得られるオリゴ糖のペーパークロマトグラ
ム、アビセル吸着クロマトグラフイによる吸着性
およびポリアクリルアミドゲル電気泳動により、
親株の生産するグルカナーゼと同一であること
が確認された。 (実施例) 以下に本発明を実施例について詳述する。 実施例 1 (組み換え体プラスミドの調製) 親株:本発明で用いる親株アルスロバクター
(Arthrobacter)YCWD3(受託番号:微工研菌
寄第7739号)は細胞壁溶解酵素β−1・3・グ
ルカナーゼ(グルカナーゼおよびグルカナー
ゼ)の生産株として空気中に放置して腐敗し
たコンニヤクの表面から分離され固定された。
その同定データは第1表に示される。この菌株
はこの同定データからR.E.Buchanan and N.
E.Gibbons、Bergey's Manual of
Determinative Bacteriology、7th Edition、
The willams&Wilkins Company、
Baltimore.によりアルスロバクターに属する新
菌種であり、アルスロバクター・シトレウスの
変異株であると同定された。この菌株はβ−
1・3グルカナーゼを含有する細胞壁溶解酵素
遺伝子を有する。 第一表 (1) 形態:液体振盪培養(Difco nutrient
broth)中の最初はほぼ球形(直径約1μm)
であり、5時間後には桿体(屈曲した桿棒状
で全長約1.0μm)となり、9〜10時間後には
再び球形細胞が現れ、24時間後には全てほぼ
球形(直径1μm)の細胞となる。 (2) 胞子:形成しない。 (3) 運動性:球形のものは非運動性であるが、
長桿体が現れる前後の短い間においてのみ運
動性のある個体の存在が認められた。 (4) 鞭毛:生育中における運動性のある個体が
現れる時期の菌体を電子顕微鏡で観察すると
周毛の長桿形菌の存在が認められる。 (5) 色素:大抵の場合黄色を呈する。若い培養
ではこの色素が倍地中に拡散することはない
が、長時間はげしく振盪倍養するときには倍
地中にわずかに色素がでてくる。 (6) 液体培養(Difco nutrient broth)30℃の
精置倍養では菌体の生育はあまりよくない
が、振盪培養するときには良好に生育した。
精置培養では表面に被膜、及びリングを生じ
ない。 (7) 寒天平面 倍養(Difco nutrient agar)
37℃で生育し、1日目コロニーは全縁が凸円
状を形成し、5日目コロニーの周縁は絲状と
なり仮菌絲(各菌絲は球菌の集団)の生育が
認められた。コロニーの色は常にレモン黄色
で、古くなると濃黄色赤味を帯びる。 (8) 肉汁培養 生育:表面の生育ないし 濁度:わずかににごる 香り:わずかにアンモニア臭 沈渣:微黄色の沈渣を生じる (9) 肉汁寒天培養(30℃、72時間培養) 生育:中等度、直径0.8〜1.0mm 形状:円形 表面:平滑 辺縁:完全、ただし古い培養(5日間以後)
では放射状となる。 隆起:隆起する 粘性:バター状 光沢:あり 色素:黄色 深部集落:集落の直下、または中央に直径
0.5mm以下の固い集落が認められる。 (10) 生育温度:20〜40℃。(最適30〜37℃) (11) 生育PH:PH6.0〜9.0。(最適PH7.0〜8.0) (12) 嫌・好気性:好気性。 (13) グラム染色性:陽性 (14) 抗酸性:陰性 (15) メチルレツドテスト:陽性 (16) フオーゲス・プロスカウエル反応:陰性 (17) インドールの生成:陰性(Ehrlich法、
亜硝酸法30℃、3日) (18) 硫化水素の生成:陽性(Difco nutrient
broth、NaCl pbCO3寒天培地) (19) アンモニアの生成:陽性 (20) 硝酸塩の還元:陽性 (21) カタラーゼの生成:陽性 (22) ウレアーゼの生成:陰性(30℃、3日振
盪培養) (23) ゼラチンの液化:陽性(20℃、7日) (24) 澱粉の加水分解:陰性(30℃、3日) (25) クエン酸の利用性:利用しない(30℃、
3日 振盪培養) (26) 牛乳の凝固:陽性もしくは陰性(30℃、
5日) (27) リトマスの還元性:陰性(30℃、5日) (28) 硝酸塩の利用性:陰性(37℃、13日振盪
培養) (29) セルロースの分解:陰性(37℃、10日) (30) 耐塩性:7%まで生育する(30℃、5日
振盪培養) (31) 各種炭素源の利用性 37℃、8日精置培養でグルコース、マンノー
ス、フラクトース、ガラクトース、マルトース、
シユクロースより酸を生成する。ラクトース、マ
ンニトール、ソルビトール、でんぷん、セルロー
スからは酸の生成は認められない。 染色体DNAの調製:L−broth寒天斜面から
アルスロバクターYCWD3の一白金耳をとり、
これを100mlのL−broth(1%Bactopeptone−
0.5%Difco yeastextract−0.5%NaCl)に植え
37℃にて一夜振盪培養した。この培養液の10ml
を1000mlの2%グリシンを含むL−brothに加
え、37℃にて2時間振盪した。得られた細胞を
遠心分離して集めた。これを0.15M NaCl−
0.1M EDTA(PH8.0)に懸濁し、同じ溶媒に溶
かしたリゾチーム(20mg/ml、Sigma社製、
grade I)を2mg/mlになるように加え37℃
で65分間保温した。10%硫酸ドデシルナトリウ
ム(SDS)を2%(終濃度)に加え、65℃にて
20分間加熱し溶菌液を得た。これにProteinase
K(Merck社製)を120μg/mlになるように加
え、37℃で2.5時間保温した。NaClO4を終濃度
1Mになるように加えたのち等容のクロロホル
ム−イソアミルアルコール(24:1v/v)と
振つた。遠心(10000rpm.、10分、20℃)して
上層をとり2容のエタノールを重層して撹拌し
生じた糸状沈澱をガラス棒にまきとつた。これ
を0.01Mトリス塩酸(PH7.5)−0.001MEDTAに
とかし、NaClを0.25Mに、そしてEDTAを
0.02Mになるように加えた。これに、さらに、
RNAase A(Sigma社製Type−A)を100μ
g/mlになるように加え、37℃で30分間保温し
た。これ等容のクロロホルム−イソアミルアル
コールを加えて振つたのち、遠心(2400rpm.、
15分、室温)し上層をとり2容のエタノールを
加えた。生じた糸状沈澱をガラス棒にまきとつ
た。これを再び0.01Mトリス塩酸(PH7.5)−
0.001M EDTAにとかし、NaClを0.1Mに、そ
してEDTAを0.01Mになるように追加した。そ
してα−アミラーゼ(Worthington社製)を
0.05ユニツト/mlに加え、37℃で1時間保温し
た。これ等容のフエノール(0.05Mトリス塩酸
(PH8.0)−0.1M NaClで平衡化)と振り、遠心
(2400rpm.、10分、室温)し上層をとつた。エ
ーテル抽出してフエノールを除いたのち2容の
エタノールを加えた。生じた糸状沈澱を0.01M
トリス塩酸(PH7.5)−0.001M EDTAにとかし
た(390μg/ml)。 グリシン処理を行つた定常状態の培養10mlに
つき約1mgの染色体DNA標品を得る。この染
色体DNAはBam HIやPst Iよりよく分解さ
れるが、EcoRI、HindおよびXbaIではほと
んど分解されない。 染色体DNA断片の調製:上で得た染色体
DNA100μg/mlを制限酵素Bam HI(37.5ユニ
ツト/ml、宝酒造(株)製)を用い、Bam HI緩衝
液(0.01Mトリス塩酸(PH8.0)、0.1MNaCl、
0.007M MgCl2、および0.002M β−メルカプ
トエタノール)中で30℃にて15、30、45および
60分間処理した。各処理物を合わせ、フエノー
ル抽出を行い、次いで、2容のエタノールで生
じる沈澱物をエタノールで洗浄し、乾燥させ
た。得られた染色体DNA断片を0.01Mトリス
塩酸(PH7.5)−0.001MEDTAに溶かした(約
550μg/ml)。 ベクタープラスミド:本発明で用いるベクタ
ープラスミドはYRp7である。このベクタープ
ラスミドは、酵母菌のtrpI遺伝子を含む断片と
pBR332とを結び合わせたベクターで、分子量
が3.8×106ダルトンである。テトラサイクリン
とアンピシリンとトリプトフアン(trpI)の選
択マーカーをもつ。制限酵素Bam HIにより1
カ所で切断され、この切断点に外来DNAが挿
入されるとテトラサイクリン耐性(Tcr)を失
う。このベクタープラスミドYRp7はよく知ら
れ容易に入手しうるが、本実施例ではこれを保
持するエスチエリチア・コリー(Escherichia
coli)trPC−9830(YRp7)(受託番号:微工研
菌寄第7740号)から取り出した。ベクタープラ
スミドYRp7を得るには、まず、これを保持す
る上記エスチエリチア・コリーtrpC−9830
(YRp7)を100mlのL−broth(1%
Bactopeptone−0.5%Difco Yeastextract−0.5
%NaCl)に植え、37℃で一夜培養した。この
培養液の10mlを1のL−brothに加え37℃で
2.5時間培養し、クロラムフエニコールを170μ
g/mlに加え、37℃でさらに一夜培養した。遠
心して菌体をあつめ、氷冷した15mlの0.05Mト
リス塩酸(PH8.0)−25%蔗糖にけん濁しリゾチ
ーム(Sigma社製、grade Iを20mg/mlにな
るように0.01Mトリス塩酸(PH8.0)にとかし
たもの)を3ml加えて混ぜ氷上に5分おいた。
次いで、0.25M EDTA(PH8.0)を6ml加えて
混ぜ氷上に10分おき、さらに5M NaCl7.5mlを
加えて混ぜた後10%SDS3mlを加えて混ぜた。
氷上に一夜放置したのち遠心(20000rpm.、45
分、0℃)し、上澄みをとつた。これを65℃の
湯浴に15分浸した。生じた沈澱を遠心して除
き、上澄みを等容のフエノール(0.05Mトリス
塩酸(PH8.0)−0.1M NaClに対し平衡化)と振
り上層をすて下層をとりこれをエーテル抽出後
2容のエタノールで沈澱させた。沈澱を遠心し
て集め、エタノールで洗つた後、風乾した。こ
れを0.01Mトリス塩酸(PH7.5)−0.001M
EDTAにとかし、NaClを0.25Mになるように
加えた。次いで、2容のエタノールで沈澱さ
せ、沈澱をエタノールで洗つた後風乾した。こ
れを再び0.01Mトリス塩酸(PH7.5)−0.001M
EDTAに溶かした。これにCsClを重量で48%
に加えて溶かしエチジウムブロミドを400μ
g/mlに加え室温しばらく置いた。生じた沈澱
を遠心(3000rpm.、20分)して除き、上澄み
を遠心(40000rpm.、44時間、15℃)した。遠
心管を柴外線下で観察しプラスミドのバンドを
注射針で取り出し、これを等容のn−ブタノー
ルで2回抽出した。下層を水で5倍にうすめ、
2容のエタノールで沈澱させた。沈澱を遠心し
て集め、エタノールで洗つた後、風乾した。こ
れを0.01Mトリス塩酸(PH7.5)−0.001M
EDTAに溶かし、NaClを0.25Mになるように
加えた。そして2容のエタノールで再び沈澱さ
せ、沈澱を遠心して集め、エタノールで洗つた
後、風乾した。これを最後に0.01Mトリス塩酸
(PH7.5)−0.001M EDTAに溶かし、4℃に保
存した。このようにして精製プラスミドDNA
YRp7を得た。 ベクタープラスミドYRp7の切断:上記精製
ベクタープラスミドDNA YRp7 50μg/ml
を、制限酵素Bam HI(宝酒蔵社製)60ユニツ
ト/mlを用い、Bam HI緩衝液中で30℃で65分
間処理した。65℃で15分間加熱し、EDTAを
0.025MにそしてNaClを0.25Mになるように加
え、2容のエタノールで沈澱させた。沈澱を遠
心して集め、エタノールで洗つた後、0.05Mト
リス塩酸(PH8.0)に溶かした(YRp7につき
100μg/ml)。次いで、仔牛小腸アルカリホス
フアターゼ(Boehringer社製、Grade〔〕を
0.1Mトリス塩酸(PH8.5)−0.001M MgCl2−
0.0001M Zn(OAc)2に対して透析した後、等容
のグリセリンを加えたもの;3.3ユニツト/μ
)を80ユニツト/mlに加え、37℃に30分間保
温後68℃で15分間加熱した。EDTAを0.02Mに
なるように加えてから等容のフエノール
(0.05Mトリス塩酸(PH8.0)−0.1M NaClに対
して平衡化)で抽出し水層にNaClを0.25Mに
なるように加えた後、2容のエタノールで沈澱
させた。沈澱を遠心して集め、エタノールで洗
つた後風乾した。これを0.01Mトリス塩酸(PH
7.5)−0.001M EDTAに溶かした。こうして、
アルカリフオスフアターゼ処理YRp7を得た。 組み換え体プラスミドpX20を含む種々のプ
ラスミドの混合物の調製:上記で得た親株の
染色体DNA断片100μg/mlと上記Bam HI切
断されかつアルカリフオスフアターゼ処理され
たYRp7 20μg/mlとを、T4DNAリガーゼ緩
衝液(0.01Mトリス塩酸(PH7.5)、0.05M
NaCl、0.01M MgCl2、および0.01Mジチオス
レイトール)中で1mMのATPとT4DNAリガ
ーゼ(宝酒造(株)製)40ユニツト/mlと共に4℃
にて24時間反応させ組み換え体プラスミド
pX20を含む種々のプラスミドの混合物を得た。
これに0.5M EDTA(PH8.0)を1/25容加えた
後、65℃にて15分間加熱し、氷冷後4℃に保存
した。 実施例 2 (組み換え体プラスミドpX20の宿主微生物へ
の導入) 宿主微生物:宿主微生物としてエスチエリチ
ア・コリー(E.coli)HB101(受託番号:微工
研菌寄第7741号)およびJA221(受託番号:微
工研菌寄第7743号)を用いた。その遺伝子型
は、それぞれ、F-rk-mk-recA-pro leu thi
lacY Strr endoI-およびrecA-leuB6 trp
ΔE5 hsdR-M+lacY thr thiである。 宿主菌株の前処理:L−brothで一晩培養し
たエスチエリチア・コリーHB101の培養液を
同培地に1%植菌し、2.5時間培養する。細胞
を遠心分離で集め、100mMのMgCl2で遠心洗
浄し、100mMのCaCl2に懸濁する。次いで、
0℃で20分間保つ。そして、遠心で菌体を集
め、100mMのCaCl2に約200×108セル/mlに再
懸濁する。 宿主菌株への組み換え体プラスミドの導入:
前記組み換え体プラスミドpX20を含む種々の
プラスミドの混合物0.05ml(アルスロバクター
DNA断片を5μg含有)を0.02Mトリス塩酸
(PH8.0)−0.001M EDTA−0.02M NaClでうす
めて0.2mlにし、これをCaCl2処理された上記エ
スチエリチア・コリーHB101のけん濁液0.4ml
と混ぜ0℃にて30分間保持する。次いで、42℃
に2分間置いた後L−broth6ml加え、37℃で
1.5時間培養した。 組み換え体DNAプラスミドpX20を有するエ
スチエリチア・コリー形質転換株の検索:上記
にて組み換え体プラスミドの混合物を導入さ
れ形質転換したエスチエリチア・コリー
HB101株のすべての細胞を、100μg/mlのア
ンピシリンと0.5%のパン酵母細胞壁(H.
Tanaka&H.J.Phaff、J.Bacteriol.89、1570
(1965)に従つて調製したもの)を含むL−
broth寒天平板に播き37℃で保温した。生育し
た約3500個のコロニーのうちの1つが細胞壁溶
解斑を示した。この形質転換株を同じ寒天倍地
に塗布して生じるコロニーはすべて細胞壁溶解
斑を示した。宿主菌株エスチエリチア・コリー
HB101はこのような細胞壁溶解斑を示さなか
つた。 細胞壁溶解酵素系遺伝子を含む組み換え体プ
ラスミドpX20の同定:上記形質転換株をアン
ピシリンを含むL−brothで液体培養し、その
細胞から前記ベクタープラスミドYRp7と同じ
手法でプラスミドを調製した。この組み換え体
プラスミドは既述のようにpX20と命名された。
この組み換え体プラスミドpX20は約14.5Kb
(キロベースペアーズ)の大きさで、制限酵素
Bam HIにより、5.8kbのYRp7部分と約8.5kb
の外来DNA部分とに分かれた。この外来DNA
部分はEcoRI、HindおよびXbaIでは切断さ
れないアルスロバクターYCWD3の染色体
DNAの特徴をもつていた。この組み換え体プ
ラスミドpX20は約3×105コロニー/μgの程
度で宿主菌株エスチエリチア・コリーHB101
またはJA221にアンピシリン耐性形質転換株を
生ぜしめる。そして、これらすべての形質転換
株がパン酵母細胞壁を含むL−broth寒天平板
上で細胞壁溶解斑を示した。ちなみに、YRp7
を導入されたエスチエリチア・コリーHB101
株およびpBR322を導入されたエスチエリチ
ア・コリーJA221株は、いづれも、同寒天平板
上で細胞壁溶解斑を示さない。 実施例 3 (形質転換株による細胞壁溶解酵素の生産) エスチエリチア・コリー形質転換体株の培養
条件:形質転換株をアンピシリン100μg/ml
を含むL−broth寒天平板上で37℃にて一夜培
養し、生育したコロニーの一部を100mlのL−
brothに接種し37℃で24時間振盪培養した。 細胞壁溶解酵素活性:0℃にて遠心分離して
得た菌体を以下の二つの方法のいづれかにより
処理し、細胞壁溶解活性を調べた。 (i) 菌体を冷PBS緩衝液(0.137M NaCl−
0.01Mリン酸ナトリウム、PH7.2)で洗浄し、
これを5mlの同緩衝液に懸濁し超音波処理を
施した。これを0℃のもとで11000rpmで20
分間遠心しその上澄を回収した。 (ii) 菌体を冷0.01Mトリス塩酸(PH7.3)−
0.03M NaClで洗浄し、これを40mlの0.033M
トリス塩酸(PH7.3)に懸濁した。これを40
mlの0.033Mトリス塩酸(PH7.3)−40%蔗糖
と混ぜ、0.5M EDTA(PH7.5)0.16mlを追加
した。これを20〜24℃で15分間ゆるやかにか
き混ぜた。遠心(11000rpm.、15分、0℃)
して上澄みをすて菌体を氷水80mlと混ぜ、0
℃で15分間ゆるやかにかきまぜたのち遠心
(11000rpm.、15分、0℃)して上澄みを取
ることによりステージ画分を調製した。
(N.G.Nossal&L.A.Heppel;J.Biol.Chem.
Vo1241、P.3055(1966))。上記(i)により調製
された抽出液から得た細胞壁溶解活性を第2
表に示す。活性測定は0.01Mリン酸緩衝液
(PH6.25)−0.1%パン酵母細胞壁の組成を有
する反応液2.5mlを37℃に保温し、反応混合
液の濁度の低下をKlett−Summerson光度計
(フイルタ−No.66使用;Klett MFG.CO.、
Inc.N.Y.U.S.A.)にて測定した。活性は酵素
を加えないままの対照の値との差(ΔKlett
値)として表示される。 比較のために示した親株のアルスロバクタ
ーYCWD3については、この親株を1%
Difcoトリプトン−0.1%Difco yeast
extract中で35℃で2〜3日前培養したもの
の1/20容を1容(600ml)の8%パン酵母
(オリエンタル酵母社製)−1%K2HPO4−
0.01%MgSO4・7H2Oに加え、35℃にて48時
間培養して得た培養液(K.Doi、A.Doi&T.
Fukui;Agr.Biol.Chem.Vol32、P.1261
(1963))の上澄の細胞壁溶解活性をみたもの
である。
み換え体プラスミドにより形質転換されたエスチ
エリチア属菌に関する。 (従来技術) 酵母やクロレラなどの微生物の蛋白質を食料源
もしくは飼料源として利用するうえで、これら微
生物の菌体細胞壁を溶解除去することが必要であ
る。しかしながら、これら菌体細胞壁を分解しう
る酵素を工業的に効果的に生産しうる技術はいま
だ確立されていない。 (発明の目的) 本発明の目的は、細胞壁溶解酵素系遺伝子を有
する組み換え体プラスミドを導入したエスチエリ
チア属菌を提供することにある。 (発明の構成) 本発明に用いられる組み換え体プラスミドは、
アルスロバクター属菌の細胞壁溶解酵素系遺伝子
をエスチエリチア、コリーtrpC−9830のベクタ
ープラスミドYRp7に導入して得られる。これを
エスチエリチア・コリーHB101もしくはエスチ
エリチア・コリーJA221などのエスチエリチア属
菌に導入することにより細胞壁溶解酵素系遺伝子
を発現させる。 また、本発明による細胞壁溶解酵素の製造方法
は、上記組み換え体プラスミドを含有するエスチ
エリチア・コリー属菌を培養しその菌体内もしく
は培地中に蓄積される細胞壁溶解酵素を採集する
ことを包含する。この細胞壁溶解酵素の生産は、
親株アルスロバクターYCWD3が誘導的であるの
に対し、形質転換株エスチエリチア・コリーでは
構成的である。 本発明におけるアルスロバクターYCWD3の細
胞壁溶解酵素系遺伝子のエスチエリチア・コリー
へのクローニングは次のようにして行われる: アルスロバクター(Arthrobacter)YCWD3の
対数増殖期の細胞からJ.Marmurの方法(J.
Marmur、J.Mol.Biol.3 208(1961))により染
色体DNAが調製される。これを制限酵素Bam
HIで不完全分解して2本鎖DNA断片を得る。他
方、ベクタープラスミドYRp7は制限酵素Bam
HIによりテトラサイクリン(Tc)耐性遺伝子上
に1ケ所のみ切れる配列を有する。このベクター
プラスミドYRp7を切り直線状にする。次いで、
アルカリフオスフアターゼで末端のリン酸を切り
取る。こうすることにより、後に加える修復酵素
T4DNAリガーゼによりYRp7が元の環状DNAに
戻るのを防ぐ。両DNAを混合してT4DNAリガ
ーゼを加えて、切れているリン酸結合をつなぐこ
とにより目的の組み換え体プラスミド(pX20と
命名)を含む種々のプラスミドの混合物を得る。
これを、次いで、あらかじめCaCl2処理などによ
り外来DNAを受け入れやすくした宿主微生物エ
スチエリチア・コリー(Escherichia coli)
HB101またはエスチエリチア・コリー
(Escherichia coli)JA221へ入れる。組み換え体
プラスミドpX20はYRp7のTcr中へ染色体DNA
断片が入り込んだものであるから、これが導入さ
れたエスチエリチア・コリーHB101(pX20)ま
たはJA221(pX20)はテトラサイクリン耐性遺伝
子が分離されてテトラサイクリン感受性(Tcs)
となる。YRp7のもつもう一つのアンピシリン耐
性遺伝子(Amr)は生かされているため、エス
チエリチア・コリーHB101(pX20)またはJA221
(pX20)はアンピシリン耐性(Amr)である。 アルスロバクターYCWD3由来の細胞壁溶解酵
素系遺伝子を発現する形質転換体を選び出すため
に、Amrのエスチエリチア・コリーHB101また
はJA221のコロニーを選択し、そのうちで細胞壁
溶解酵素活性を有する株をスクリーニングする。
細胞壁溶解酵素活性を有するエスチエリチア・コ
リーHB101(pX20)またはJA221(pX20)のスク
リーニングは、Amrのコロニーをパン酵母細胞
壁基質と共にインキユベートしてコロニー周辺に
細胞壁溶解斑の生じる株を選択することにより行
われる。選択培地にアンピシリンと細胞壁とを共
存させておくことにより、Amrでかつ細胞壁溶
解活性陽性の株を同時に選択することが可能であ
る。 このようにして本発明において得られた形質転
換株エスチエリチア属・コリーHB101(pX20(受
託番号:微工研菌寄第7742号)およびJA221
(pX20)(受託番号:微工研菌寄第7744号)は細
胞壁溶解酵素系遺伝子、特に、β−1・3グルカ
ナーゼ遺伝子を有している。この酵素活性は主と
してペリプラズム区分に見出される。 形質転換株エスチエリチア・コリーHB101
(pX20)およびJA221(pX20)の生産するβ−
1・3グルカナーゼは、酵母グルカンなどに作用
させて得られるオリゴ糖のペーパークロマトグラ
ム、アビセル吸着クロマトグラフイによる吸着性
およびポリアクリルアミドゲル電気泳動により、
親株の生産するグルカナーゼと同一であること
が確認された。 (実施例) 以下に本発明を実施例について詳述する。 実施例 1 (組み換え体プラスミドの調製) 親株:本発明で用いる親株アルスロバクター
(Arthrobacter)YCWD3(受託番号:微工研菌
寄第7739号)は細胞壁溶解酵素β−1・3・グ
ルカナーゼ(グルカナーゼおよびグルカナー
ゼ)の生産株として空気中に放置して腐敗し
たコンニヤクの表面から分離され固定された。
その同定データは第1表に示される。この菌株
はこの同定データからR.E.Buchanan and N.
E.Gibbons、Bergey's Manual of
Determinative Bacteriology、7th Edition、
The willams&Wilkins Company、
Baltimore.によりアルスロバクターに属する新
菌種であり、アルスロバクター・シトレウスの
変異株であると同定された。この菌株はβ−
1・3グルカナーゼを含有する細胞壁溶解酵素
遺伝子を有する。 第一表 (1) 形態:液体振盪培養(Difco nutrient
broth)中の最初はほぼ球形(直径約1μm)
であり、5時間後には桿体(屈曲した桿棒状
で全長約1.0μm)となり、9〜10時間後には
再び球形細胞が現れ、24時間後には全てほぼ
球形(直径1μm)の細胞となる。 (2) 胞子:形成しない。 (3) 運動性:球形のものは非運動性であるが、
長桿体が現れる前後の短い間においてのみ運
動性のある個体の存在が認められた。 (4) 鞭毛:生育中における運動性のある個体が
現れる時期の菌体を電子顕微鏡で観察すると
周毛の長桿形菌の存在が認められる。 (5) 色素:大抵の場合黄色を呈する。若い培養
ではこの色素が倍地中に拡散することはない
が、長時間はげしく振盪倍養するときには倍
地中にわずかに色素がでてくる。 (6) 液体培養(Difco nutrient broth)30℃の
精置倍養では菌体の生育はあまりよくない
が、振盪培養するときには良好に生育した。
精置培養では表面に被膜、及びリングを生じ
ない。 (7) 寒天平面 倍養(Difco nutrient agar)
37℃で生育し、1日目コロニーは全縁が凸円
状を形成し、5日目コロニーの周縁は絲状と
なり仮菌絲(各菌絲は球菌の集団)の生育が
認められた。コロニーの色は常にレモン黄色
で、古くなると濃黄色赤味を帯びる。 (8) 肉汁培養 生育:表面の生育ないし 濁度:わずかににごる 香り:わずかにアンモニア臭 沈渣:微黄色の沈渣を生じる (9) 肉汁寒天培養(30℃、72時間培養) 生育:中等度、直径0.8〜1.0mm 形状:円形 表面:平滑 辺縁:完全、ただし古い培養(5日間以後)
では放射状となる。 隆起:隆起する 粘性:バター状 光沢:あり 色素:黄色 深部集落:集落の直下、または中央に直径
0.5mm以下の固い集落が認められる。 (10) 生育温度:20〜40℃。(最適30〜37℃) (11) 生育PH:PH6.0〜9.0。(最適PH7.0〜8.0) (12) 嫌・好気性:好気性。 (13) グラム染色性:陽性 (14) 抗酸性:陰性 (15) メチルレツドテスト:陽性 (16) フオーゲス・プロスカウエル反応:陰性 (17) インドールの生成:陰性(Ehrlich法、
亜硝酸法30℃、3日) (18) 硫化水素の生成:陽性(Difco nutrient
broth、NaCl pbCO3寒天培地) (19) アンモニアの生成:陽性 (20) 硝酸塩の還元:陽性 (21) カタラーゼの生成:陽性 (22) ウレアーゼの生成:陰性(30℃、3日振
盪培養) (23) ゼラチンの液化:陽性(20℃、7日) (24) 澱粉の加水分解:陰性(30℃、3日) (25) クエン酸の利用性:利用しない(30℃、
3日 振盪培養) (26) 牛乳の凝固:陽性もしくは陰性(30℃、
5日) (27) リトマスの還元性:陰性(30℃、5日) (28) 硝酸塩の利用性:陰性(37℃、13日振盪
培養) (29) セルロースの分解:陰性(37℃、10日) (30) 耐塩性:7%まで生育する(30℃、5日
振盪培養) (31) 各種炭素源の利用性 37℃、8日精置培養でグルコース、マンノー
ス、フラクトース、ガラクトース、マルトース、
シユクロースより酸を生成する。ラクトース、マ
ンニトール、ソルビトール、でんぷん、セルロー
スからは酸の生成は認められない。 染色体DNAの調製:L−broth寒天斜面から
アルスロバクターYCWD3の一白金耳をとり、
これを100mlのL−broth(1%Bactopeptone−
0.5%Difco yeastextract−0.5%NaCl)に植え
37℃にて一夜振盪培養した。この培養液の10ml
を1000mlの2%グリシンを含むL−brothに加
え、37℃にて2時間振盪した。得られた細胞を
遠心分離して集めた。これを0.15M NaCl−
0.1M EDTA(PH8.0)に懸濁し、同じ溶媒に溶
かしたリゾチーム(20mg/ml、Sigma社製、
grade I)を2mg/mlになるように加え37℃
で65分間保温した。10%硫酸ドデシルナトリウ
ム(SDS)を2%(終濃度)に加え、65℃にて
20分間加熱し溶菌液を得た。これにProteinase
K(Merck社製)を120μg/mlになるように加
え、37℃で2.5時間保温した。NaClO4を終濃度
1Mになるように加えたのち等容のクロロホル
ム−イソアミルアルコール(24:1v/v)と
振つた。遠心(10000rpm.、10分、20℃)して
上層をとり2容のエタノールを重層して撹拌し
生じた糸状沈澱をガラス棒にまきとつた。これ
を0.01Mトリス塩酸(PH7.5)−0.001MEDTAに
とかし、NaClを0.25Mに、そしてEDTAを
0.02Mになるように加えた。これに、さらに、
RNAase A(Sigma社製Type−A)を100μ
g/mlになるように加え、37℃で30分間保温し
た。これ等容のクロロホルム−イソアミルアル
コールを加えて振つたのち、遠心(2400rpm.、
15分、室温)し上層をとり2容のエタノールを
加えた。生じた糸状沈澱をガラス棒にまきとつ
た。これを再び0.01Mトリス塩酸(PH7.5)−
0.001M EDTAにとかし、NaClを0.1Mに、そ
してEDTAを0.01Mになるように追加した。そ
してα−アミラーゼ(Worthington社製)を
0.05ユニツト/mlに加え、37℃で1時間保温し
た。これ等容のフエノール(0.05Mトリス塩酸
(PH8.0)−0.1M NaClで平衡化)と振り、遠心
(2400rpm.、10分、室温)し上層をとつた。エ
ーテル抽出してフエノールを除いたのち2容の
エタノールを加えた。生じた糸状沈澱を0.01M
トリス塩酸(PH7.5)−0.001M EDTAにとかし
た(390μg/ml)。 グリシン処理を行つた定常状態の培養10mlに
つき約1mgの染色体DNA標品を得る。この染
色体DNAはBam HIやPst Iよりよく分解さ
れるが、EcoRI、HindおよびXbaIではほと
んど分解されない。 染色体DNA断片の調製:上で得た染色体
DNA100μg/mlを制限酵素Bam HI(37.5ユニ
ツト/ml、宝酒造(株)製)を用い、Bam HI緩衝
液(0.01Mトリス塩酸(PH8.0)、0.1MNaCl、
0.007M MgCl2、および0.002M β−メルカプ
トエタノール)中で30℃にて15、30、45および
60分間処理した。各処理物を合わせ、フエノー
ル抽出を行い、次いで、2容のエタノールで生
じる沈澱物をエタノールで洗浄し、乾燥させ
た。得られた染色体DNA断片を0.01Mトリス
塩酸(PH7.5)−0.001MEDTAに溶かした(約
550μg/ml)。 ベクタープラスミド:本発明で用いるベクタ
ープラスミドはYRp7である。このベクタープ
ラスミドは、酵母菌のtrpI遺伝子を含む断片と
pBR332とを結び合わせたベクターで、分子量
が3.8×106ダルトンである。テトラサイクリン
とアンピシリンとトリプトフアン(trpI)の選
択マーカーをもつ。制限酵素Bam HIにより1
カ所で切断され、この切断点に外来DNAが挿
入されるとテトラサイクリン耐性(Tcr)を失
う。このベクタープラスミドYRp7はよく知ら
れ容易に入手しうるが、本実施例ではこれを保
持するエスチエリチア・コリー(Escherichia
coli)trPC−9830(YRp7)(受託番号:微工研
菌寄第7740号)から取り出した。ベクタープラ
スミドYRp7を得るには、まず、これを保持す
る上記エスチエリチア・コリーtrpC−9830
(YRp7)を100mlのL−broth(1%
Bactopeptone−0.5%Difco Yeastextract−0.5
%NaCl)に植え、37℃で一夜培養した。この
培養液の10mlを1のL−brothに加え37℃で
2.5時間培養し、クロラムフエニコールを170μ
g/mlに加え、37℃でさらに一夜培養した。遠
心して菌体をあつめ、氷冷した15mlの0.05Mト
リス塩酸(PH8.0)−25%蔗糖にけん濁しリゾチ
ーム(Sigma社製、grade Iを20mg/mlにな
るように0.01Mトリス塩酸(PH8.0)にとかし
たもの)を3ml加えて混ぜ氷上に5分おいた。
次いで、0.25M EDTA(PH8.0)を6ml加えて
混ぜ氷上に10分おき、さらに5M NaCl7.5mlを
加えて混ぜた後10%SDS3mlを加えて混ぜた。
氷上に一夜放置したのち遠心(20000rpm.、45
分、0℃)し、上澄みをとつた。これを65℃の
湯浴に15分浸した。生じた沈澱を遠心して除
き、上澄みを等容のフエノール(0.05Mトリス
塩酸(PH8.0)−0.1M NaClに対し平衡化)と振
り上層をすて下層をとりこれをエーテル抽出後
2容のエタノールで沈澱させた。沈澱を遠心し
て集め、エタノールで洗つた後、風乾した。こ
れを0.01Mトリス塩酸(PH7.5)−0.001M
EDTAにとかし、NaClを0.25Mになるように
加えた。次いで、2容のエタノールで沈澱さ
せ、沈澱をエタノールで洗つた後風乾した。こ
れを再び0.01Mトリス塩酸(PH7.5)−0.001M
EDTAに溶かした。これにCsClを重量で48%
に加えて溶かしエチジウムブロミドを400μ
g/mlに加え室温しばらく置いた。生じた沈澱
を遠心(3000rpm.、20分)して除き、上澄み
を遠心(40000rpm.、44時間、15℃)した。遠
心管を柴外線下で観察しプラスミドのバンドを
注射針で取り出し、これを等容のn−ブタノー
ルで2回抽出した。下層を水で5倍にうすめ、
2容のエタノールで沈澱させた。沈澱を遠心し
て集め、エタノールで洗つた後、風乾した。こ
れを0.01Mトリス塩酸(PH7.5)−0.001M
EDTAに溶かし、NaClを0.25Mになるように
加えた。そして2容のエタノールで再び沈澱さ
せ、沈澱を遠心して集め、エタノールで洗つた
後、風乾した。これを最後に0.01Mトリス塩酸
(PH7.5)−0.001M EDTAに溶かし、4℃に保
存した。このようにして精製プラスミドDNA
YRp7を得た。 ベクタープラスミドYRp7の切断:上記精製
ベクタープラスミドDNA YRp7 50μg/ml
を、制限酵素Bam HI(宝酒蔵社製)60ユニツ
ト/mlを用い、Bam HI緩衝液中で30℃で65分
間処理した。65℃で15分間加熱し、EDTAを
0.025MにそしてNaClを0.25Mになるように加
え、2容のエタノールで沈澱させた。沈澱を遠
心して集め、エタノールで洗つた後、0.05Mト
リス塩酸(PH8.0)に溶かした(YRp7につき
100μg/ml)。次いで、仔牛小腸アルカリホス
フアターゼ(Boehringer社製、Grade〔〕を
0.1Mトリス塩酸(PH8.5)−0.001M MgCl2−
0.0001M Zn(OAc)2に対して透析した後、等容
のグリセリンを加えたもの;3.3ユニツト/μ
)を80ユニツト/mlに加え、37℃に30分間保
温後68℃で15分間加熱した。EDTAを0.02Mに
なるように加えてから等容のフエノール
(0.05Mトリス塩酸(PH8.0)−0.1M NaClに対
して平衡化)で抽出し水層にNaClを0.25Mに
なるように加えた後、2容のエタノールで沈澱
させた。沈澱を遠心して集め、エタノールで洗
つた後風乾した。これを0.01Mトリス塩酸(PH
7.5)−0.001M EDTAに溶かした。こうして、
アルカリフオスフアターゼ処理YRp7を得た。 組み換え体プラスミドpX20を含む種々のプ
ラスミドの混合物の調製:上記で得た親株の
染色体DNA断片100μg/mlと上記Bam HI切
断されかつアルカリフオスフアターゼ処理され
たYRp7 20μg/mlとを、T4DNAリガーゼ緩
衝液(0.01Mトリス塩酸(PH7.5)、0.05M
NaCl、0.01M MgCl2、および0.01Mジチオス
レイトール)中で1mMのATPとT4DNAリガ
ーゼ(宝酒造(株)製)40ユニツト/mlと共に4℃
にて24時間反応させ組み換え体プラスミド
pX20を含む種々のプラスミドの混合物を得た。
これに0.5M EDTA(PH8.0)を1/25容加えた
後、65℃にて15分間加熱し、氷冷後4℃に保存
した。 実施例 2 (組み換え体プラスミドpX20の宿主微生物へ
の導入) 宿主微生物:宿主微生物としてエスチエリチ
ア・コリー(E.coli)HB101(受託番号:微工
研菌寄第7741号)およびJA221(受託番号:微
工研菌寄第7743号)を用いた。その遺伝子型
は、それぞれ、F-rk-mk-recA-pro leu thi
lacY Strr endoI-およびrecA-leuB6 trp
ΔE5 hsdR-M+lacY thr thiである。 宿主菌株の前処理:L−brothで一晩培養し
たエスチエリチア・コリーHB101の培養液を
同培地に1%植菌し、2.5時間培養する。細胞
を遠心分離で集め、100mMのMgCl2で遠心洗
浄し、100mMのCaCl2に懸濁する。次いで、
0℃で20分間保つ。そして、遠心で菌体を集
め、100mMのCaCl2に約200×108セル/mlに再
懸濁する。 宿主菌株への組み換え体プラスミドの導入:
前記組み換え体プラスミドpX20を含む種々の
プラスミドの混合物0.05ml(アルスロバクター
DNA断片を5μg含有)を0.02Mトリス塩酸
(PH8.0)−0.001M EDTA−0.02M NaClでうす
めて0.2mlにし、これをCaCl2処理された上記エ
スチエリチア・コリーHB101のけん濁液0.4ml
と混ぜ0℃にて30分間保持する。次いで、42℃
に2分間置いた後L−broth6ml加え、37℃で
1.5時間培養した。 組み換え体DNAプラスミドpX20を有するエ
スチエリチア・コリー形質転換株の検索:上記
にて組み換え体プラスミドの混合物を導入さ
れ形質転換したエスチエリチア・コリー
HB101株のすべての細胞を、100μg/mlのア
ンピシリンと0.5%のパン酵母細胞壁(H.
Tanaka&H.J.Phaff、J.Bacteriol.89、1570
(1965)に従つて調製したもの)を含むL−
broth寒天平板に播き37℃で保温した。生育し
た約3500個のコロニーのうちの1つが細胞壁溶
解斑を示した。この形質転換株を同じ寒天倍地
に塗布して生じるコロニーはすべて細胞壁溶解
斑を示した。宿主菌株エスチエリチア・コリー
HB101はこのような細胞壁溶解斑を示さなか
つた。 細胞壁溶解酵素系遺伝子を含む組み換え体プ
ラスミドpX20の同定:上記形質転換株をアン
ピシリンを含むL−brothで液体培養し、その
細胞から前記ベクタープラスミドYRp7と同じ
手法でプラスミドを調製した。この組み換え体
プラスミドは既述のようにpX20と命名された。
この組み換え体プラスミドpX20は約14.5Kb
(キロベースペアーズ)の大きさで、制限酵素
Bam HIにより、5.8kbのYRp7部分と約8.5kb
の外来DNA部分とに分かれた。この外来DNA
部分はEcoRI、HindおよびXbaIでは切断さ
れないアルスロバクターYCWD3の染色体
DNAの特徴をもつていた。この組み換え体プ
ラスミドpX20は約3×105コロニー/μgの程
度で宿主菌株エスチエリチア・コリーHB101
またはJA221にアンピシリン耐性形質転換株を
生ぜしめる。そして、これらすべての形質転換
株がパン酵母細胞壁を含むL−broth寒天平板
上で細胞壁溶解斑を示した。ちなみに、YRp7
を導入されたエスチエリチア・コリーHB101
株およびpBR322を導入されたエスチエリチ
ア・コリーJA221株は、いづれも、同寒天平板
上で細胞壁溶解斑を示さない。 実施例 3 (形質転換株による細胞壁溶解酵素の生産) エスチエリチア・コリー形質転換体株の培養
条件:形質転換株をアンピシリン100μg/ml
を含むL−broth寒天平板上で37℃にて一夜培
養し、生育したコロニーの一部を100mlのL−
brothに接種し37℃で24時間振盪培養した。 細胞壁溶解酵素活性:0℃にて遠心分離して
得た菌体を以下の二つの方法のいづれかにより
処理し、細胞壁溶解活性を調べた。 (i) 菌体を冷PBS緩衝液(0.137M NaCl−
0.01Mリン酸ナトリウム、PH7.2)で洗浄し、
これを5mlの同緩衝液に懸濁し超音波処理を
施した。これを0℃のもとで11000rpmで20
分間遠心しその上澄を回収した。 (ii) 菌体を冷0.01Mトリス塩酸(PH7.3)−
0.03M NaClで洗浄し、これを40mlの0.033M
トリス塩酸(PH7.3)に懸濁した。これを40
mlの0.033Mトリス塩酸(PH7.3)−40%蔗糖
と混ぜ、0.5M EDTA(PH7.5)0.16mlを追加
した。これを20〜24℃で15分間ゆるやかにか
き混ぜた。遠心(11000rpm.、15分、0℃)
して上澄みをすて菌体を氷水80mlと混ぜ、0
℃で15分間ゆるやかにかきまぜたのち遠心
(11000rpm.、15分、0℃)して上澄みを取
ることによりステージ画分を調製した。
(N.G.Nossal&L.A.Heppel;J.Biol.Chem.
Vo1241、P.3055(1966))。上記(i)により調製
された抽出液から得た細胞壁溶解活性を第2
表に示す。活性測定は0.01Mリン酸緩衝液
(PH6.25)−0.1%パン酵母細胞壁の組成を有
する反応液2.5mlを37℃に保温し、反応混合
液の濁度の低下をKlett−Summerson光度計
(フイルタ−No.66使用;Klett MFG.CO.、
Inc.N.Y.U.S.A.)にて測定した。活性は酵素
を加えないままの対照の値との差(ΔKlett
値)として表示される。 比較のために示した親株のアルスロバクタ
ーYCWD3については、この親株を1%
Difcoトリプトン−0.1%Difco yeast
extract中で35℃で2〜3日前培養したもの
の1/20容を1容(600ml)の8%パン酵母
(オリエンタル酵母社製)−1%K2HPO4−
0.01%MgSO4・7H2Oに加え、35℃にて48時
間培養して得た培養液(K.Doi、A.Doi&T.
Fukui;Agr.Biol.Chem.Vol32、P.1261
(1963))の上澄の細胞壁溶解活性をみたもの
である。
【表】
また、形質転換株エスチエリチア・コリー
HB101(pX20)の培養菌体を上記(ii)の方法に
従つて処理したとき、0℃にて集めた培養液上
澄および菌体洗浄液にはパン酵母細胞壁溶解活
性はほとんど検出されず、ステージ液(いわ
ゆるペリプラズム区分)に全活性の約70%が検
出された。 細胞壁溶解酵素の生産形態:形質転換株エス
チエリチア・コリーHB101(pX20)をL−
brothまたはT−broth(Difcoトリプトン1%、
グルコース0.1%、NaCl0.3%、CaCl20.1mM、
MgCl21mM、KH2PO40.32mM)の寒天平板
上に37℃で一夜生育させ、得られた菌体をクロ
ロフオルムの蒸気で殺す。これにパン酵母細胞
壁を含む寒天を重層し、37℃に保温する。する
と、いづれの培地で生育したコロニーにもその
周辺に明瞭な細胞壁溶解斑が認められた。親株
アルスロバクターYCWD3をL−brothまたは
T−brothの寒天平板上で生育させ、これを形
質転換株と同じ処理に供した。L−broth寒天
平板上で生育したコロニーにごくわずかな細胞
壁溶解斑が認められたが、T−broth寒天平板
上で生育したコロニーは細胞壁溶解斑を生じな
かつた。 以上の事実から、親株アルスロバクター
YCWD3は細胞壁溶解酵素を誘導的に生産する
のに対し、形質転換株エスチエリチア・コリー
HB101(pX20)は該酵素を構成的に生産する
ことがわかる。形質転換株エスチエリチア・コ
リーJA221(pX20)についても、同様に、該酵
素を構成的に生産することが確認された。それ
ゆえ、本発明により得られる形質転換株は、培
養に際しインデユーサーを必要としない。 細胞壁溶解酵素の精製:前項の(i)の方法に
より調製された形質転換株エスチエリチア・コ
リーHB101(pX20)およびJA221(pX20)の菌
体抽出液をそれぞれプロタミン硫酸処理し、次
いで、硫酸アンモニウムで沈澱させる。あるい
は(ii)の方法により得た菌体抽出液をロータリー
エバポレーターなどで濃縮した。 得られた流安沈澱物もしくは濃縮物を0.01Mリ
ン酸緩衝液(PH6.25)(0.01M EDTAを含むこと
もある)に透析した。同じ、緩衝液に対して平衡
化したAvicel TG101(旭化成(株)製)を透析内液
の10倍容のカラムに充填し室温にてクロマトグラ
フイーを行つた(K.Doi、A.Doi&S.
NaKamura;Agr.Biol.Chem.Vol40、P.1669
(1976))。細胞壁溶解活性をもつ画分を合わせ、
これをロータリーエバポレーターで濃縮し、水に
対して4℃にて一夜透析した。得られた酵素は単
一蛋白に精製されていた。 上記精製酵素の電気泳動(ポリアクリルアミド
ゲルおよびSDS−ポリアクリルアミドゲル)にお
いて観察されるグルカナーゼ蛋白のバンドの染色
度から、100mlのL−broth中で37℃にて24時間培
養した定常期に達した菌体から約50μgのグルカ
ナーゼ蛋白(後述の親株アルスロバクター
YCWD3のグルカナーゼI−3およびI−4にそ
れぞれ相当する二つのバンドの和)が得られる。
なお、親株アルスロバクターYCWD3についての
35℃約48時間培養して得られる培養上澄100mlか
らは、Avicel TG101のカラムクロマトグラフイ
ーによりグルカナーゼとグルカナーゼとの混
合物が得られ、このうちグルカナーゼについて
は上記の方法により約500μgであることがわか
つた。 形質転換株の生産する細胞壁溶解酵素と親株
の細胞壁溶解酵素との同一性:前記の(i)の方
法で得た菌体抽出液をプロタミン硫酸処理後、
硫酸アンモニウム沈澱で濃縮し、0.01Mリン酸
緩衝液(PH7.0)に透析した。得た溶液0.2mlを
酵母グルカン(D.J.Bell&D.H.Northcote、J.
Chem.Soc.19501944に従つて調製したもの)ま
たはPachman(H.Saito、A.Misaki&T.
Harada、Agr.Biol.Chem.32 1261(1968)に
従つて調製したもの。)の0.5%懸濁液に混ぜ全
量を1mlとした。これを37℃にて3時間保温し
た。反応液の濁度は著しく低下した。これを
100℃で10分間加熱して反応を止め、遠心分離
した。得た上澄に含まれる糖をペーパークロマ
トグラフイーにかけたところ、そのクロマトグ
ラムは、親株アルスロバクターYCWD3のグル
カナーゼによる酵母グルカンまたは
Pachymanの分解物が示すクロマトグラム(K.
Doi、A.Doi、& T.Fukui;Agr.Biol.Chem
Vol37、1619(1973))と本質的に一致した。 前記のAvicel吸着クロマトグラフイーに
よる精製標品を、同様に、酵母グルカンまたは
Pachymanに作用させたとき生ずるオリゴ糖の
ペーパークロマトグラムは、親株アルスロバク
ターYCWD3のグルカナーゼによつて得られ
るものと本質的に一致した。 また、上記精製標品をポリアクリルアミドゲル
電気泳動にかけてアミドブラツクで蛋白質の染色
を行つた。その結果、例えば、エスチエリチア・
コリーHB101(pX20)についていえば、図に示
すように、2本のバンドがみとめられ、これらは
標品により量比が異なるものの親株アルスロバク
ターYCWD3の既知のグルカナーゼ分子種(グル
カナーゼ−a,−1,−2,−3および
−4)のうちのグルカナーゼ−3およびグル
カナーゼ−4のそれぞれに一致した。図中矢印
は蛋白の泳動方向を示す。また同一条件下で泳動
した2本のゲルのうちの1つを用いて酵母グルカ
ンおよびパン酵母細胞壁に対するザイモグラムを
つくり、他の1本については上記蛋白染色を行つ
てこれらを比較したところ、いづれのバンドもそ
れぞれ酵母グルカン分解活性およびパン酵母細胞
壁分解活性を持つことが認められた。さらに、上
記精製標品をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動にかけ、クーマシーブル−R−250で蛋白染
色を行つたところ、どの標品にも一本のバンドが
認められ、その移動度は親株アルスロバクター
YCWD3のグルカナーゼ−4(分子量55000)
の移動度と一致した。エスチエリチア・コリー
JA221(pX20)についても同様な結果が得られ
た。 (発明の効果) 本発明により得られる組み換え体プラスミド
pX20およびこれにより形質転換されたエスチエ
リチア・コリーHB101(pX20)およびエスチエ
リチア・コリーJA221(pX20)は、菌体細胞壁溶
解活性を有するβ−1・3グルカナーゼ遺伝子を
含有する。形質転換株はβ−1・3グルカナーゼ
を構成的に生産するため、培養が容易かつ安価に
行われうる。
HB101(pX20)の培養菌体を上記(ii)の方法に
従つて処理したとき、0℃にて集めた培養液上
澄および菌体洗浄液にはパン酵母細胞壁溶解活
性はほとんど検出されず、ステージ液(いわ
ゆるペリプラズム区分)に全活性の約70%が検
出された。 細胞壁溶解酵素の生産形態:形質転換株エス
チエリチア・コリーHB101(pX20)をL−
brothまたはT−broth(Difcoトリプトン1%、
グルコース0.1%、NaCl0.3%、CaCl20.1mM、
MgCl21mM、KH2PO40.32mM)の寒天平板
上に37℃で一夜生育させ、得られた菌体をクロ
ロフオルムの蒸気で殺す。これにパン酵母細胞
壁を含む寒天を重層し、37℃に保温する。する
と、いづれの培地で生育したコロニーにもその
周辺に明瞭な細胞壁溶解斑が認められた。親株
アルスロバクターYCWD3をL−brothまたは
T−brothの寒天平板上で生育させ、これを形
質転換株と同じ処理に供した。L−broth寒天
平板上で生育したコロニーにごくわずかな細胞
壁溶解斑が認められたが、T−broth寒天平板
上で生育したコロニーは細胞壁溶解斑を生じな
かつた。 以上の事実から、親株アルスロバクター
YCWD3は細胞壁溶解酵素を誘導的に生産する
のに対し、形質転換株エスチエリチア・コリー
HB101(pX20)は該酵素を構成的に生産する
ことがわかる。形質転換株エスチエリチア・コ
リーJA221(pX20)についても、同様に、該酵
素を構成的に生産することが確認された。それ
ゆえ、本発明により得られる形質転換株は、培
養に際しインデユーサーを必要としない。 細胞壁溶解酵素の精製:前項の(i)の方法に
より調製された形質転換株エスチエリチア・コ
リーHB101(pX20)およびJA221(pX20)の菌
体抽出液をそれぞれプロタミン硫酸処理し、次
いで、硫酸アンモニウムで沈澱させる。あるい
は(ii)の方法により得た菌体抽出液をロータリー
エバポレーターなどで濃縮した。 得られた流安沈澱物もしくは濃縮物を0.01Mリ
ン酸緩衝液(PH6.25)(0.01M EDTAを含むこと
もある)に透析した。同じ、緩衝液に対して平衡
化したAvicel TG101(旭化成(株)製)を透析内液
の10倍容のカラムに充填し室温にてクロマトグラ
フイーを行つた(K.Doi、A.Doi&S.
NaKamura;Agr.Biol.Chem.Vol40、P.1669
(1976))。細胞壁溶解活性をもつ画分を合わせ、
これをロータリーエバポレーターで濃縮し、水に
対して4℃にて一夜透析した。得られた酵素は単
一蛋白に精製されていた。 上記精製酵素の電気泳動(ポリアクリルアミド
ゲルおよびSDS−ポリアクリルアミドゲル)にお
いて観察されるグルカナーゼ蛋白のバンドの染色
度から、100mlのL−broth中で37℃にて24時間培
養した定常期に達した菌体から約50μgのグルカ
ナーゼ蛋白(後述の親株アルスロバクター
YCWD3のグルカナーゼI−3およびI−4にそ
れぞれ相当する二つのバンドの和)が得られる。
なお、親株アルスロバクターYCWD3についての
35℃約48時間培養して得られる培養上澄100mlか
らは、Avicel TG101のカラムクロマトグラフイ
ーによりグルカナーゼとグルカナーゼとの混
合物が得られ、このうちグルカナーゼについて
は上記の方法により約500μgであることがわか
つた。 形質転換株の生産する細胞壁溶解酵素と親株
の細胞壁溶解酵素との同一性:前記の(i)の方
法で得た菌体抽出液をプロタミン硫酸処理後、
硫酸アンモニウム沈澱で濃縮し、0.01Mリン酸
緩衝液(PH7.0)に透析した。得た溶液0.2mlを
酵母グルカン(D.J.Bell&D.H.Northcote、J.
Chem.Soc.19501944に従つて調製したもの)ま
たはPachman(H.Saito、A.Misaki&T.
Harada、Agr.Biol.Chem.32 1261(1968)に
従つて調製したもの。)の0.5%懸濁液に混ぜ全
量を1mlとした。これを37℃にて3時間保温し
た。反応液の濁度は著しく低下した。これを
100℃で10分間加熱して反応を止め、遠心分離
した。得た上澄に含まれる糖をペーパークロマ
トグラフイーにかけたところ、そのクロマトグ
ラムは、親株アルスロバクターYCWD3のグル
カナーゼによる酵母グルカンまたは
Pachymanの分解物が示すクロマトグラム(K.
Doi、A.Doi、& T.Fukui;Agr.Biol.Chem
Vol37、1619(1973))と本質的に一致した。 前記のAvicel吸着クロマトグラフイーに
よる精製標品を、同様に、酵母グルカンまたは
Pachymanに作用させたとき生ずるオリゴ糖の
ペーパークロマトグラムは、親株アルスロバク
ターYCWD3のグルカナーゼによつて得られ
るものと本質的に一致した。 また、上記精製標品をポリアクリルアミドゲル
電気泳動にかけてアミドブラツクで蛋白質の染色
を行つた。その結果、例えば、エスチエリチア・
コリーHB101(pX20)についていえば、図に示
すように、2本のバンドがみとめられ、これらは
標品により量比が異なるものの親株アルスロバク
ターYCWD3の既知のグルカナーゼ分子種(グル
カナーゼ−a,−1,−2,−3および
−4)のうちのグルカナーゼ−3およびグル
カナーゼ−4のそれぞれに一致した。図中矢印
は蛋白の泳動方向を示す。また同一条件下で泳動
した2本のゲルのうちの1つを用いて酵母グルカ
ンおよびパン酵母細胞壁に対するザイモグラムを
つくり、他の1本については上記蛋白染色を行つ
てこれらを比較したところ、いづれのバンドもそ
れぞれ酵母グルカン分解活性およびパン酵母細胞
壁分解活性を持つことが認められた。さらに、上
記精製標品をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動にかけ、クーマシーブル−R−250で蛋白染
色を行つたところ、どの標品にも一本のバンドが
認められ、その移動度は親株アルスロバクター
YCWD3のグルカナーゼ−4(分子量55000)
の移動度と一致した。エスチエリチア・コリー
JA221(pX20)についても同様な結果が得られ
た。 (発明の効果) 本発明により得られる組み換え体プラスミド
pX20およびこれにより形質転換されたエスチエ
リチア・コリーHB101(pX20)およびエスチエ
リチア・コリーJA221(pX20)は、菌体細胞壁溶
解活性を有するβ−1・3グルカナーゼ遺伝子を
含有する。形質転換株はβ−1・3グルカナーゼ
を構成的に生産するため、培養が容易かつ安価に
行われうる。
第1図aおよびbは、それぞれ、親株アルスロ
バクターYCWD3および本発明の形質転換株エス
チエリチア・コリーHB101(pX20)の生産する
細胞壁溶解酵素のポリアクリルアミド電気泳動に
よる蛋白バンドを示す。 −a,−b,−1,−2,−3およ
び−4……親株のグルカナーゼ分子種。
バクターYCWD3および本発明の形質転換株エス
チエリチア・コリーHB101(pX20)の生産する
細胞壁溶解酵素のポリアクリルアミド電気泳動に
よる蛋白バンドを示す。 −a,−b,−1,−2,−3およ
び−4……親株のグルカナーゼ分子種。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アルスロバクター属由来のβ−1・3グルカ
ナーゼ遺伝子DNAを含有する組み換え体プラス
ミドで形質転換されたβ−1・3グルカナーゼを
構成的に生産するエスチエリチア属に属する微生
物であつて、 該組み換え体プラスミドが、該β−1・3グル
カナーゼ遺伝子DNAをベクタープラスミド
YRp7に連結して得られ、 該β−1・3グルカナーゼ遺伝子が、該アルス
ロバクター属由来の染色体遺伝子を制限酵素
BamHIで切断して得られる、 微生物。 2 前記β−1・3グルカナーゼ遺伝子DNAが
アルスロバクターYCWD3に由来する特許請求の
範囲第1項に記載の微生物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59161678A JPS6140792A (ja) | 1984-07-31 | 1984-07-31 | 細胞壁溶解酵素系遺伝子を有する組み換え体プラスミドにより形質転換されたエスチェリチア属菌 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59161678A JPS6140792A (ja) | 1984-07-31 | 1984-07-31 | 細胞壁溶解酵素系遺伝子を有する組み換え体プラスミドにより形質転換されたエスチェリチア属菌 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6140792A JPS6140792A (ja) | 1986-02-27 |
| JPH0256072B2 true JPH0256072B2 (ja) | 1990-11-29 |
Family
ID=15739758
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59161678A Granted JPS6140792A (ja) | 1984-07-31 | 1984-07-31 | 細胞壁溶解酵素系遺伝子を有する組み換え体プラスミドにより形質転換されたエスチェリチア属菌 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6140792A (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62157993U (ja) * | 1986-03-24 | 1987-10-07 | ||
| EP0496861A1 (en) * | 1990-08-17 | 1992-08-05 | Her Majesty In Right Of Canada As Represented By The National Research Council Of Canada | RECOMBINANT DNA PRODUCTION OF $g(b)-1,3-GLUCANASE |
| US5637745A (en) * | 1995-01-30 | 1997-06-10 | Elf Atochem North America, Inc. | Organometallic compounds and polymers made therefrom |
| EP2655644B1 (en) | 2010-12-22 | 2018-12-12 | Direvo Industrial Biotechnology GmbH | Improving fermentation processes and by-products |
| DK2958437T3 (da) | 2013-02-21 | 2020-03-30 | Direvo Ind Biotechnology Gmbh | Præbiotiske dyrefoderprodukter |
| DK2958438T3 (en) | 2013-02-21 | 2019-02-25 | Direvo Ind Biotechnology Gmbh | Mycotoxin binders |
| WO2014184054A1 (en) | 2013-05-16 | 2014-11-20 | Direvo Industrial Biotechnology Gmbh | Animal feed product for monogastric animals |
-
1984
- 1984-07-31 JP JP59161678A patent/JPS6140792A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6140792A (ja) | 1986-02-27 |
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