JPH0259863B2 - - Google Patents
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- JPH0259863B2 JPH0259863B2 JP3613784A JP3613784A JPH0259863B2 JP H0259863 B2 JPH0259863 B2 JP H0259863B2 JP 3613784 A JP3613784 A JP 3613784A JP 3613784 A JP3613784 A JP 3613784A JP H0259863 B2 JPH0259863 B2 JP H0259863B2
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- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C14/00—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
- C23C14/06—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the coating material
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Description
本発明は高硬度窒化ホウ素膜の製造方法に係
り、詳細には真空蒸着法及びイオン照射法から構
成される高硬度窒化ホウ素膜(以下、窒化ホウ素
をBNと略す)の製造方法に関する。 BNには、立方晶窒化ホウ素(以下、CBNと略
す)、六方最密充填窒化ホウ素(以下、WBNと
略す)、六方晶窒化ホウ素(以下、HBNと略す)
の結晶構造があり、この中で、CBN及びWBN
は、耐熱衝撃性、熱伝導性、硬度及び耐摩耗性、
並びに高温での鉄族金属に対する耐性にも優れて
いるため、種々の広範な用途に注目されており、
これに伴い、良質のCBNやWBNの製造が研究さ
れている。 公知の製法技術として、高価な装置を使用して
数万気圧且つ千数百度という超高圧・超高温のも
とで合成できる方法があるが、近時、気相成長法
によつて、基体の表面に効率的にCBNやWBNを
合成して、その薄膜を生成することも研究されて
いる。 薄膜形成技術には、化学蒸着法及び物理蒸着法
に大きく分類され、就中、イオンを用いた物理蒸
着法がBN膜の研究の主流になつている。これに
は、イオン化された原子を加速し、その後、減速
して基体上に被着させるというイオンビームデポ
ジシヨン法、クラスターイオンを加速して基体に
衝突させて一度に多量の原子を被着させるという
クラスターイオンプレーテイング法、イオン化し
て加速した希ガス等でスパツタした原子を基体に
被着させるというイオンビームスパツタリング法
等がある。この方法においては、そのイオンの運
動エネルギーは数eV〜数百eVであり、イオン種
が基体の内部に注入されることはほとんどなく、
そのために、薄膜と基体との密着性については十
分でなかつた。 更に、イオンミキシング法においては、基体上
にある物質を蒸着し、次いで、希ガスなどのイオ
ン種を数百KeV以上の運動エネルギーで照射す
ると、蒸着物質の原子はイオン種の衝突によつて
反跳するため、基体内部に侵入し、これに伴つ
て、基体と蒸着層との間に両者の成分から構成さ
れる新しい薄膜が形成され、然る後、残余の蒸着
膜を化学的方法で除去し、そして、基体表面上に
新しい薄膜を形成するのであり、これによれば、
イオン種のエネルギーが大きくなつてもイオン電
流を大きくする必要もなく、また、多量の異種原
子を基体表面近くに注入することができるが、注
入される原子と基体の構成原子との混合比を一定
に保つことが困難である。 したがつて、上述のようなイオンを用いる薄膜
形成技術においても、未だCBNやWBNの合成が
報告されていなかつた。 本発明者等は上記事情に鑑み、鋭意研究の結
果、先に、ホウ素を含有する蒸発源及び少なくと
も窒素から成るイオン種を発生せしめるイオン発
生源によつて、基体上にそれぞれ蒸着及びイオン
照射することによつて、良質のCBNやWBNが形
成できることを見い出した。 本発明は上記知見に基づき完成されたものであ
り、その目的は良質のCBNやWBNから成る薄膜
を基体上に合成する新規な高硬度BN膜の製造方
法を提供せんとするものである。 本発明の他の目的は、上述した高品質のCBN
やWBNから成る薄膜を、高い膜生成速度で基体
上に形成させる方法を提供するにある。 本発明の他の目的は、高いエネルギー効率で、
高品質窒化ホウ素膜を基体上に形成させ得る方法
を提供するにある。 本発明によれば、ホウ素を含有する蒸発源から
基体上にホウ素分を蒸着させると共に、少なくと
も窒素を含むイオン種を発生せしめるイオン発生
源から基体上に該イオン種を照射して、該基体上
にBNを生成させるBN膜の製造方法であつて、
該イオン種のイオン加速エネルギーを該イオン種
の原子当り5乃至100KeVとし、且つ蒸着及び照
射を、イオン種よりも低エネルギーのレベルに活
性化された窒素原子又は窒素化合物の雰囲気中で
行うと同時に、該基体に負のバイアス電圧を印加
したことを特徴とする高硬度BN膜の製造方法が
提供される。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明においては、基体上に、ホウ素を含有す
る蒸発源からその蒸着物質を蒸着させると同時
に、少なくとも窒素から成るイオン種を発生せし
めるイオン発生源からそのイオン種を基体上に照
射することにより、CBNやWBNが合成される。
また、基体上に前記蒸着物質が蒸着された後に、
前記イオン種を照射してCBNやWBNを合成し、
かように蒸着層の形成とイオン照射を交互に繰り
返して高硬度BN膜の膜厚を大きくすることもで
きる。 これによれば、蒸着ホウ素膜の形成と同時に、
又はその形成後に、打ち込まれた窒素原子による
めり込み効果、並びにイオンが膜中で静止する時
に発生するエネルギーの熱的効果によつて、数万
気圧且つ千数百度に似かよつた高励起状態を瞬間
的且つ局部的につくり出し、CBNやWBNを生成
させるのに不可欠なホウ素原子及び窒素原子の
SP3混成軌道が形成される。この現象に基づい
て、かかるホウ素原子と窒素原子がSP3結合を
し、それがCBNやWBNの結晶核となり、CBN
やWBNを形成していく。 前記ホウ素を含有する蒸発源には、金属ホウ素
又はホウ素化合物(チツ化ホウ素、酸化ホウ素、
硫化ホウ素、ホウ化リン、ホウ化水素、アルミニ
ウム若しくはマグネシウム含有の金属ホウ化物、
遷移金属のホウ化物)の中から一種又は二種以上
が用いられる。 前記イオン種には、所定のイオン加速エネルギ
ーを有するイオン種でBを含有する蒸発源に作用
してCBNの薄膜を形成するものであればよい。
具体的には、窒素原子イオン(N+);窒素分子イ
オン(N2 +);アンモニアイオン(NH3 +)のよう
な窒素化合物イオン;窒化ホウ素イオン(BN+)
の如きホウ素化合物イオン;又は不活性ガスイオ
ン(例えばAr+)のいずれか1種であることが好
ましい。また、B3N3H6或いはAl2B2N4等をイオ
ン化してイオン種として用いることもできる。更
に、上述した窒素含有イオン種と共に、ホウ素イ
オン(B+)、ホウ化水素イオン(B2H6 +)等のイ
オン種を併用することもできる。 このようなイオン種は、後述する装置によつて
創生され、必要により、質量分析用のマグネトロ
ンを用いて磁気的に選択されて、基体表面に供給
される。 前記基体には、セラミツクス、超硬合金、サー
メツト又は各種の金属若しくは合金など何であつ
てもよく、その材質は問わない。ただし、基体が
電気絶縁体の場合には、荷電している場所と荷電
していない場所とではそこに形成された蒸着膜の
特性が異なり膜全体の特性のバラツキが生じ易す
くなるので、基体としては電気伝導体であること
が好ましい。しかし、電気絶縁体であつてもその
表面に常法により電気伝導体の薄膜を形成すれば
よい。 本発明においては、前記イオン種のイオン加速
エネルギーがイオン種の原子当り5〜100KeVで
あることが重要である。 このイオン種のイオン加速エネルギーが5KeV
未満の場合には、蒸着膜へのイオン種の注入量が
減少してスパツタ現象が支配的となり、また
100KeVを超えると基体表面の蒸着層よりも可成
り深くイオン種が注入されるので蒸着層にCBN
やWBNを主体とする高硬度BNが生成しにくく
なり、また、蒸着層が高温になりすぎてHBNの
生成が支配的となつてCBNを主体とする高硬度
BNが生成しにくくなる。 なお、ホウ素を含有する蒸発源としてBNを用
いれば、必要とするイオン加速エネルギーが小さ
くてすみ、かつ効率よくCBNやWBNの薄膜を成
長させることができる。 また、本発明においては、 前述した蒸着及びイオン種の照射処理を、該イ
オン種よりも低エネルギーのレベルに活性化され
た窒素原子又は窒素化合物の雰囲気中で行うこと
も重要である。即ち、本発明は、ホウ素含有蒸発
源と高エネルギー窒素含有イオン種とが共存する
条件下においては、該イオン種よりも低レベルに
活性化された窒素原子も、CBN及び/又はWBN
の生成に有効に関与するという新規知見に基づく
ものである。 本発明のイオン化合成法に用いるイオン種は、
既に指摘した通り原子当り5乃至100KeVの高エ
ネルギーを有する。一方、イオンビームデポジシ
ヨン法、クラスターイオンプレーテイング法、イ
オンビームスパツタリング法等の通常の薄膜形成
技術に用いられるイオンの運動エネルギーは、イ
オン化合成法のそれに比してはるかに低い数eV
〜数百eVのオーダーである。 本発明においては、このように低レベルに励起
された窒素原子や窒素化合物をイオン化合成の雰
囲気中に共存させることにより、蒸発源及びイオ
ン種に窒素原子が著しく不足している状態を補完
し、良質なBN膜が形成されるようにしたのであ
る。 しかも、本発明によれば、蒸発源及びイオン種
におけるB/N原子比を0.2乃至10の範囲とする
ことにより、極めて質の高いBN膜が形成される
ことは、後述する例に示す通りであり、更に雰囲
気からの窒素原子の補完により単位時間当りの膜
の生成速度が著しく増大することも後述する例か
ら明白である。更に、イオン種照射をめり込み効
果及び熱的効果に主として利用し、反応体を低エ
ネルギーレベルに励起された雰囲気として補給す
ることにより、膜生成のエネルギー効率をも顕著
に向上させ得る。 本発明において、低エネルギーレベルに励起さ
れた窒素或いは窒素化合物の雰囲気を、基体表面
の近傍に形成させるには種々の手段を採用し得
る。最も簡便な手段は、前述したイオン発生源か
ら高エネルギーのイオン種と共に低エネルギーレ
ベルに活性化された窒素原子や窒素化合物をも、
基体表面に供給することである。また、別法とし
て、窒素ガスや窒素化合物の気流中でアーク放電
を生じさせて、低レベルに活性化された窒素原子
や窒素化合物を形成させ、これを蒸着及び照射域
に導入することもできる。 前記したごとく、低エネルギレベルに活性化さ
れた窒素原子や窒素化合物の雰囲気中でイオン照
射と真空蒸着を行ない、雰囲気より不足の窒素分
を自然と補完されることにより良質なBN膜を形
成させることができる。更に本発明においては、
前記基体に負のバイアス電圧を印加することが重
要である。 即ち、低エネルギレベルに活性化された窒素原
子や窒素化合物の雰囲気が全体として正に帯電し
ているという新たな知見に基づき、後述の実施例
が示すように、基体に負のバイアス電圧を印加す
れば、雰囲気が引き寄せられ、積極的に窒素成分
が基体表面に取り込ませることができ、BN膜形
成に雰囲気が有効に寄与することができる。 そして斯様なバイアス電圧の印加に伴つて蒸発
源から発散されたホウ素分のなかで蒸発、イオン
照射の際にイオン化される成分も生じ、加速され
て基体表面に引き寄せられ、BN膜形成に有効に
作用する。 更に、イオン発生源から発生されたイオン種が
イオン照射に伴つて散乱されるため、一部の散乱
イオン種がBN膜の形成に関与せずに消滅してい
たが、この散乱イオン種が基体に引き寄せられ、
無駄なイオン照射が避けることができる。 本発明者等が実験上確かめたところ、基体に印
加されるバイアス電圧は−イオン種のイオン加速
エネルギーにも関連するが、−100V〜−10KV位
の範囲内に設定されているのが最適である。 更に斯様なバイアス電圧の印加に伴つて、雰囲
気からの窒素原子の補完が一層進行しやすくなり
単位時間当りの膜の生成速度が一段と増大させる
と共に、イオン種照射をめり込み効果及び熱的効
果に主として利用し、反応体を低エネルギーレベ
ルに励起された雰囲気として効率的に補給するこ
とにより、膜生成のエネルギー効率をも一段と顕
著に向上させ得ることが実験上確かめられてい
る。 本発明においては、更に、蒸発源及びイオン種
に含有されるなかで、窒素に対するホウ素の原子
比(B/N原子比)が0.2〜1.0に設定されている
と高硬度のBN膜が形成され易くなる。 このB/N原子比が0.2未満であると非晶質状
態のBNが形成され易くなり、 10を越えるとホウ素が過剰となり、膜中に、非
晶質状態のホウ素が形成されやすくなる。 この最適条件は0.5〜5の範囲であることが実
験上確かめられている。 本発明においてはまた、イオン種のイオン加速
エネルギーを所定範囲に設定するに伴つて、基体
に対するイオン種のdose rate(基体単位面積当り
のイオン電流)を、イオン種の照射によつて基体
に発生する熱量が、基体の単位面積(cm2)当り
0.01〜20Wになるように設定することが重要であ
る。20Wを超すと、ホウ素蒸着層が高温になりす
ぎてHBNの生成が支配的となり、CBNやWBN
から成る高硬度BNが形成されにくくなり、他
方、0.01W未満では、イオン種によるめり込み効
果及び熱的効果が得られず、CBNやWBNが合成
されにくくなる。 更に、本発明においては、基体の温度を−200
〜700℃に設定するのがよい。 基体の温度が−200〜700℃に設定されている
と、局所的且つ瞬間的に生成された高励起状態が
保持されやすくなると同時に、生成したCBNや
WBNがHBNに変換しないように凍結させるこ
とができる。この基体温度が−200℃未満である
と基体表面に形成したBN膜が剥離しやすくな
り、700℃を超えると、生成したCBNやWBNが
HBNに変換しやすくなる。この基体温度の最適
温度は0〜400℃であることが実験上、確かめら
れている。 次に、本発明による高硬度BN膜の製造に用い
られる装置を第1図により説明する。 まず、イオン化されるべきガス例えばN2はリ
ークパルプ1を経てイオン源2に導入され、ここ
でイオン化されたのち、加速器3で加速されて所
定のイオン加速エネルギーが付与される。イオン
は次に分析マグネツト4に導入され、ここで必要
とするイオン種のみが磁気的に選択されて反応室
5に供給される。 反応室5は真空ポンプ(例えばターボ分子ポン
プ)6によつて10-5Torr以下の高真空に維持さ
れる。基体7は基体ホルダ8に固定され、ここに
上記したイオン種が照射される。照射に際して
は、基体に均一にイオン種を照射するために、収
速レンズ9にイオン種を通過させる。 10は、基体7の下に配置された蒸着装置であ
る。装置の加熱方法は、電子ビーム加熱、レーザ
線加熱など適宜な方法が用いられる。この中には
Bを含有する蒸発源が収容されている。Bを含有
する蒸発源の蒸着量及び蒸着速度は、基体ホルダ
8の横に配設した例えば石英板使用の振動型膜厚
計11によつて測定すればよい。 また、イオン種の原子数、すなわち、イオン電
流は、二次電子追返し電極12を付設した電流積
算計13によつて正確に測定することができる。 更に、低レベルに活性化された窒素原子の雰囲
気を形成するために、アーク放電室14を設け、
この放電室にN2ガスを供給し、差動排気で励起
された窒素原子を反応室5内に導く。 そして、基体7と二次電子追返し電極12の間
に、基体7に負のバイアス電圧されるように電圧
の調節可能なバイアス電源15が接続されてい
る。 このような装置において、基体7を所定位置に
セツトし、反応室5内を所定の真空度に保ち、蒸
着装置10を作動してホウ素を含有する蒸発源を
基体7に所定量蒸着させ、且つそこに所定のイオ
ン種を所定のイオン加速エネルギーで照射すると
同時に、基体7に所定の負のバイアス電圧を印加
すれば、基体表面にはCBN及びWBNを主体とす
る高硬度BNの薄膜が形成される。 なお、このときBを含有する蒸発源、イオン種
はいずれも基体の1方向からのみ蒸着又は照射さ
れるので、基体の全表面にCBN及びWBN主体の
高硬度BN薄膜を形成する場合にはこの基体に回
転、揺動などの運動を与えればよい。 以下、本発明の実施例を述べる。 実施例 1 図に示した装置を用いて高純度N2ガスをリー
クパル1からPIG型イオン源2に導入した。 発生したイオンに加速器3で種々の加速エネル
ギーを付与した。このイオンビームを分析マグネ
ツト4で質量分析しN2 +のみを磁気的に選択し
た。 他方基体としてシリコン板を用い、これを基体
ホルダ8にセツトし反応室5内を650/secのタ
ーボ分子ポンプで1×10-5Torrの真空度に保持
した。 ついでバイアス電源15によつて基体7に負の
バイアス電圧を印加すると共に金属Bを収容する
電子ビーム蒸着装置10を作動して金属Bを蒸発
させ、N2 +イオンの照射と同時にシリコン板7の
上に蒸着させた。この時反応室5内のガス分析し
たところ活性化した窒素ガス雰囲気になつてい
た。 Bの蒸着量、蒸着速度は振動型膜厚計11で測
定し、N2 +イオンの個数は電流積算計13で測定
しB/Nを算出した。バイアス電圧を変化させる
と共に、N2 +イオンのイオン加速エネルギを変
え、Bの蒸着量も変化させて薄膜形成を行なつ
た。 N2 +イオンの加速エネルギ35KeV、B/N=
1.5、バイアス電圧−1KV、基体温度200℃の条
件、及び真空度0.5×10-5Torrの状態で2時間続
け、厚さ2.5μmのBN膜を形成させた。 得られたBN膜をX線回折により分析したとこ
ろ、CBN(111)及びWBN(002)と同定できるピ
ークが確認でき、その存在が判明できた。更にこ
のBN膜のビツカース硬度を測定したところ、
6900Kg/mm2と著しく大きな値を得ることができ
た。 比較例 1 前述の実施例1の中で、基体に対して無バイア
スにし、且つB/N=10に設定し、他は実施例と
全く同一の条件で2時間成膜し、厚さ2μmのBN
膜を形成させた。 このように得られたBN膜をX線回折により分
析したところ、CBN(111)及びWBN(002)と同
定できるピークが確認できた。更に、ビツカース
硬度を測定したところ、4850Kg/mm2の値が得られ
た。 比較例においてB/N比を算出するとき雰囲気
から窒素成分の補給量は入いらず、照射イオンの
みから計算される。一方、実施例1では照射イオ
ンとそれ以外の低エネルギレベルのイオン種の和
となるため、イオン電流が比較例に比べ5、6倍
になり、実際に反応に関与している値になつてい
る。したがつてCBN又はWBNを合成するときの
反応が実施例1と比較例が同じ位であつても合成
条件のB/N比というパラメータで表わすと前者
が1.5で後者が10となる。ただ異なるのは低エネ
ルギレベルに活性化された雰囲気を積極的にBN
膜形成に参加させることでより良質となり、硬度
が向上させることができた。 実施例 2 B/N比を変化(バイアス電圧−1.0KV)
り、詳細には真空蒸着法及びイオン照射法から構
成される高硬度窒化ホウ素膜(以下、窒化ホウ素
をBNと略す)の製造方法に関する。 BNには、立方晶窒化ホウ素(以下、CBNと略
す)、六方最密充填窒化ホウ素(以下、WBNと
略す)、六方晶窒化ホウ素(以下、HBNと略す)
の結晶構造があり、この中で、CBN及びWBN
は、耐熱衝撃性、熱伝導性、硬度及び耐摩耗性、
並びに高温での鉄族金属に対する耐性にも優れて
いるため、種々の広範な用途に注目されており、
これに伴い、良質のCBNやWBNの製造が研究さ
れている。 公知の製法技術として、高価な装置を使用して
数万気圧且つ千数百度という超高圧・超高温のも
とで合成できる方法があるが、近時、気相成長法
によつて、基体の表面に効率的にCBNやWBNを
合成して、その薄膜を生成することも研究されて
いる。 薄膜形成技術には、化学蒸着法及び物理蒸着法
に大きく分類され、就中、イオンを用いた物理蒸
着法がBN膜の研究の主流になつている。これに
は、イオン化された原子を加速し、その後、減速
して基体上に被着させるというイオンビームデポ
ジシヨン法、クラスターイオンを加速して基体に
衝突させて一度に多量の原子を被着させるという
クラスターイオンプレーテイング法、イオン化し
て加速した希ガス等でスパツタした原子を基体に
被着させるというイオンビームスパツタリング法
等がある。この方法においては、そのイオンの運
動エネルギーは数eV〜数百eVであり、イオン種
が基体の内部に注入されることはほとんどなく、
そのために、薄膜と基体との密着性については十
分でなかつた。 更に、イオンミキシング法においては、基体上
にある物質を蒸着し、次いで、希ガスなどのイオ
ン種を数百KeV以上の運動エネルギーで照射す
ると、蒸着物質の原子はイオン種の衝突によつて
反跳するため、基体内部に侵入し、これに伴つ
て、基体と蒸着層との間に両者の成分から構成さ
れる新しい薄膜が形成され、然る後、残余の蒸着
膜を化学的方法で除去し、そして、基体表面上に
新しい薄膜を形成するのであり、これによれば、
イオン種のエネルギーが大きくなつてもイオン電
流を大きくする必要もなく、また、多量の異種原
子を基体表面近くに注入することができるが、注
入される原子と基体の構成原子との混合比を一定
に保つことが困難である。 したがつて、上述のようなイオンを用いる薄膜
形成技術においても、未だCBNやWBNの合成が
報告されていなかつた。 本発明者等は上記事情に鑑み、鋭意研究の結
果、先に、ホウ素を含有する蒸発源及び少なくと
も窒素から成るイオン種を発生せしめるイオン発
生源によつて、基体上にそれぞれ蒸着及びイオン
照射することによつて、良質のCBNやWBNが形
成できることを見い出した。 本発明は上記知見に基づき完成されたものであ
り、その目的は良質のCBNやWBNから成る薄膜
を基体上に合成する新規な高硬度BN膜の製造方
法を提供せんとするものである。 本発明の他の目的は、上述した高品質のCBN
やWBNから成る薄膜を、高い膜生成速度で基体
上に形成させる方法を提供するにある。 本発明の他の目的は、高いエネルギー効率で、
高品質窒化ホウ素膜を基体上に形成させ得る方法
を提供するにある。 本発明によれば、ホウ素を含有する蒸発源から
基体上にホウ素分を蒸着させると共に、少なくと
も窒素を含むイオン種を発生せしめるイオン発生
源から基体上に該イオン種を照射して、該基体上
にBNを生成させるBN膜の製造方法であつて、
該イオン種のイオン加速エネルギーを該イオン種
の原子当り5乃至100KeVとし、且つ蒸着及び照
射を、イオン種よりも低エネルギーのレベルに活
性化された窒素原子又は窒素化合物の雰囲気中で
行うと同時に、該基体に負のバイアス電圧を印加
したことを特徴とする高硬度BN膜の製造方法が
提供される。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明においては、基体上に、ホウ素を含有す
る蒸発源からその蒸着物質を蒸着させると同時
に、少なくとも窒素から成るイオン種を発生せし
めるイオン発生源からそのイオン種を基体上に照
射することにより、CBNやWBNが合成される。
また、基体上に前記蒸着物質が蒸着された後に、
前記イオン種を照射してCBNやWBNを合成し、
かように蒸着層の形成とイオン照射を交互に繰り
返して高硬度BN膜の膜厚を大きくすることもで
きる。 これによれば、蒸着ホウ素膜の形成と同時に、
又はその形成後に、打ち込まれた窒素原子による
めり込み効果、並びにイオンが膜中で静止する時
に発生するエネルギーの熱的効果によつて、数万
気圧且つ千数百度に似かよつた高励起状態を瞬間
的且つ局部的につくり出し、CBNやWBNを生成
させるのに不可欠なホウ素原子及び窒素原子の
SP3混成軌道が形成される。この現象に基づい
て、かかるホウ素原子と窒素原子がSP3結合を
し、それがCBNやWBNの結晶核となり、CBN
やWBNを形成していく。 前記ホウ素を含有する蒸発源には、金属ホウ素
又はホウ素化合物(チツ化ホウ素、酸化ホウ素、
硫化ホウ素、ホウ化リン、ホウ化水素、アルミニ
ウム若しくはマグネシウム含有の金属ホウ化物、
遷移金属のホウ化物)の中から一種又は二種以上
が用いられる。 前記イオン種には、所定のイオン加速エネルギ
ーを有するイオン種でBを含有する蒸発源に作用
してCBNの薄膜を形成するものであればよい。
具体的には、窒素原子イオン(N+);窒素分子イ
オン(N2 +);アンモニアイオン(NH3 +)のよう
な窒素化合物イオン;窒化ホウ素イオン(BN+)
の如きホウ素化合物イオン;又は不活性ガスイオ
ン(例えばAr+)のいずれか1種であることが好
ましい。また、B3N3H6或いはAl2B2N4等をイオ
ン化してイオン種として用いることもできる。更
に、上述した窒素含有イオン種と共に、ホウ素イ
オン(B+)、ホウ化水素イオン(B2H6 +)等のイ
オン種を併用することもできる。 このようなイオン種は、後述する装置によつて
創生され、必要により、質量分析用のマグネトロ
ンを用いて磁気的に選択されて、基体表面に供給
される。 前記基体には、セラミツクス、超硬合金、サー
メツト又は各種の金属若しくは合金など何であつ
てもよく、その材質は問わない。ただし、基体が
電気絶縁体の場合には、荷電している場所と荷電
していない場所とではそこに形成された蒸着膜の
特性が異なり膜全体の特性のバラツキが生じ易す
くなるので、基体としては電気伝導体であること
が好ましい。しかし、電気絶縁体であつてもその
表面に常法により電気伝導体の薄膜を形成すれば
よい。 本発明においては、前記イオン種のイオン加速
エネルギーがイオン種の原子当り5〜100KeVで
あることが重要である。 このイオン種のイオン加速エネルギーが5KeV
未満の場合には、蒸着膜へのイオン種の注入量が
減少してスパツタ現象が支配的となり、また
100KeVを超えると基体表面の蒸着層よりも可成
り深くイオン種が注入されるので蒸着層にCBN
やWBNを主体とする高硬度BNが生成しにくく
なり、また、蒸着層が高温になりすぎてHBNの
生成が支配的となつてCBNを主体とする高硬度
BNが生成しにくくなる。 なお、ホウ素を含有する蒸発源としてBNを用
いれば、必要とするイオン加速エネルギーが小さ
くてすみ、かつ効率よくCBNやWBNの薄膜を成
長させることができる。 また、本発明においては、 前述した蒸着及びイオン種の照射処理を、該イ
オン種よりも低エネルギーのレベルに活性化され
た窒素原子又は窒素化合物の雰囲気中で行うこと
も重要である。即ち、本発明は、ホウ素含有蒸発
源と高エネルギー窒素含有イオン種とが共存する
条件下においては、該イオン種よりも低レベルに
活性化された窒素原子も、CBN及び/又はWBN
の生成に有効に関与するという新規知見に基づく
ものである。 本発明のイオン化合成法に用いるイオン種は、
既に指摘した通り原子当り5乃至100KeVの高エ
ネルギーを有する。一方、イオンビームデポジシ
ヨン法、クラスターイオンプレーテイング法、イ
オンビームスパツタリング法等の通常の薄膜形成
技術に用いられるイオンの運動エネルギーは、イ
オン化合成法のそれに比してはるかに低い数eV
〜数百eVのオーダーである。 本発明においては、このように低レベルに励起
された窒素原子や窒素化合物をイオン化合成の雰
囲気中に共存させることにより、蒸発源及びイオ
ン種に窒素原子が著しく不足している状態を補完
し、良質なBN膜が形成されるようにしたのであ
る。 しかも、本発明によれば、蒸発源及びイオン種
におけるB/N原子比を0.2乃至10の範囲とする
ことにより、極めて質の高いBN膜が形成される
ことは、後述する例に示す通りであり、更に雰囲
気からの窒素原子の補完により単位時間当りの膜
の生成速度が著しく増大することも後述する例か
ら明白である。更に、イオン種照射をめり込み効
果及び熱的効果に主として利用し、反応体を低エ
ネルギーレベルに励起された雰囲気として補給す
ることにより、膜生成のエネルギー効率をも顕著
に向上させ得る。 本発明において、低エネルギーレベルに励起さ
れた窒素或いは窒素化合物の雰囲気を、基体表面
の近傍に形成させるには種々の手段を採用し得
る。最も簡便な手段は、前述したイオン発生源か
ら高エネルギーのイオン種と共に低エネルギーレ
ベルに活性化された窒素原子や窒素化合物をも、
基体表面に供給することである。また、別法とし
て、窒素ガスや窒素化合物の気流中でアーク放電
を生じさせて、低レベルに活性化された窒素原子
や窒素化合物を形成させ、これを蒸着及び照射域
に導入することもできる。 前記したごとく、低エネルギレベルに活性化さ
れた窒素原子や窒素化合物の雰囲気中でイオン照
射と真空蒸着を行ない、雰囲気より不足の窒素分
を自然と補完されることにより良質なBN膜を形
成させることができる。更に本発明においては、
前記基体に負のバイアス電圧を印加することが重
要である。 即ち、低エネルギレベルに活性化された窒素原
子や窒素化合物の雰囲気が全体として正に帯電し
ているという新たな知見に基づき、後述の実施例
が示すように、基体に負のバイアス電圧を印加す
れば、雰囲気が引き寄せられ、積極的に窒素成分
が基体表面に取り込ませることができ、BN膜形
成に雰囲気が有効に寄与することができる。 そして斯様なバイアス電圧の印加に伴つて蒸発
源から発散されたホウ素分のなかで蒸発、イオン
照射の際にイオン化される成分も生じ、加速され
て基体表面に引き寄せられ、BN膜形成に有効に
作用する。 更に、イオン発生源から発生されたイオン種が
イオン照射に伴つて散乱されるため、一部の散乱
イオン種がBN膜の形成に関与せずに消滅してい
たが、この散乱イオン種が基体に引き寄せられ、
無駄なイオン照射が避けることができる。 本発明者等が実験上確かめたところ、基体に印
加されるバイアス電圧は−イオン種のイオン加速
エネルギーにも関連するが、−100V〜−10KV位
の範囲内に設定されているのが最適である。 更に斯様なバイアス電圧の印加に伴つて、雰囲
気からの窒素原子の補完が一層進行しやすくなり
単位時間当りの膜の生成速度が一段と増大させる
と共に、イオン種照射をめり込み効果及び熱的効
果に主として利用し、反応体を低エネルギーレベ
ルに励起された雰囲気として効率的に補給するこ
とにより、膜生成のエネルギー効率をも一段と顕
著に向上させ得ることが実験上確かめられてい
る。 本発明においては、更に、蒸発源及びイオン種
に含有されるなかで、窒素に対するホウ素の原子
比(B/N原子比)が0.2〜1.0に設定されている
と高硬度のBN膜が形成され易くなる。 このB/N原子比が0.2未満であると非晶質状
態のBNが形成され易くなり、 10を越えるとホウ素が過剰となり、膜中に、非
晶質状態のホウ素が形成されやすくなる。 この最適条件は0.5〜5の範囲であることが実
験上確かめられている。 本発明においてはまた、イオン種のイオン加速
エネルギーを所定範囲に設定するに伴つて、基体
に対するイオン種のdose rate(基体単位面積当り
のイオン電流)を、イオン種の照射によつて基体
に発生する熱量が、基体の単位面積(cm2)当り
0.01〜20Wになるように設定することが重要であ
る。20Wを超すと、ホウ素蒸着層が高温になりす
ぎてHBNの生成が支配的となり、CBNやWBN
から成る高硬度BNが形成されにくくなり、他
方、0.01W未満では、イオン種によるめり込み効
果及び熱的効果が得られず、CBNやWBNが合成
されにくくなる。 更に、本発明においては、基体の温度を−200
〜700℃に設定するのがよい。 基体の温度が−200〜700℃に設定されている
と、局所的且つ瞬間的に生成された高励起状態が
保持されやすくなると同時に、生成したCBNや
WBNがHBNに変換しないように凍結させるこ
とができる。この基体温度が−200℃未満である
と基体表面に形成したBN膜が剥離しやすくな
り、700℃を超えると、生成したCBNやWBNが
HBNに変換しやすくなる。この基体温度の最適
温度は0〜400℃であることが実験上、確かめら
れている。 次に、本発明による高硬度BN膜の製造に用い
られる装置を第1図により説明する。 まず、イオン化されるべきガス例えばN2はリ
ークパルプ1を経てイオン源2に導入され、ここ
でイオン化されたのち、加速器3で加速されて所
定のイオン加速エネルギーが付与される。イオン
は次に分析マグネツト4に導入され、ここで必要
とするイオン種のみが磁気的に選択されて反応室
5に供給される。 反応室5は真空ポンプ(例えばターボ分子ポン
プ)6によつて10-5Torr以下の高真空に維持さ
れる。基体7は基体ホルダ8に固定され、ここに
上記したイオン種が照射される。照射に際して
は、基体に均一にイオン種を照射するために、収
速レンズ9にイオン種を通過させる。 10は、基体7の下に配置された蒸着装置であ
る。装置の加熱方法は、電子ビーム加熱、レーザ
線加熱など適宜な方法が用いられる。この中には
Bを含有する蒸発源が収容されている。Bを含有
する蒸発源の蒸着量及び蒸着速度は、基体ホルダ
8の横に配設した例えば石英板使用の振動型膜厚
計11によつて測定すればよい。 また、イオン種の原子数、すなわち、イオン電
流は、二次電子追返し電極12を付設した電流積
算計13によつて正確に測定することができる。 更に、低レベルに活性化された窒素原子の雰囲
気を形成するために、アーク放電室14を設け、
この放電室にN2ガスを供給し、差動排気で励起
された窒素原子を反応室5内に導く。 そして、基体7と二次電子追返し電極12の間
に、基体7に負のバイアス電圧されるように電圧
の調節可能なバイアス電源15が接続されてい
る。 このような装置において、基体7を所定位置に
セツトし、反応室5内を所定の真空度に保ち、蒸
着装置10を作動してホウ素を含有する蒸発源を
基体7に所定量蒸着させ、且つそこに所定のイオ
ン種を所定のイオン加速エネルギーで照射すると
同時に、基体7に所定の負のバイアス電圧を印加
すれば、基体表面にはCBN及びWBNを主体とす
る高硬度BNの薄膜が形成される。 なお、このときBを含有する蒸発源、イオン種
はいずれも基体の1方向からのみ蒸着又は照射さ
れるので、基体の全表面にCBN及びWBN主体の
高硬度BN薄膜を形成する場合にはこの基体に回
転、揺動などの運動を与えればよい。 以下、本発明の実施例を述べる。 実施例 1 図に示した装置を用いて高純度N2ガスをリー
クパル1からPIG型イオン源2に導入した。 発生したイオンに加速器3で種々の加速エネル
ギーを付与した。このイオンビームを分析マグネ
ツト4で質量分析しN2 +のみを磁気的に選択し
た。 他方基体としてシリコン板を用い、これを基体
ホルダ8にセツトし反応室5内を650/secのタ
ーボ分子ポンプで1×10-5Torrの真空度に保持
した。 ついでバイアス電源15によつて基体7に負の
バイアス電圧を印加すると共に金属Bを収容する
電子ビーム蒸着装置10を作動して金属Bを蒸発
させ、N2 +イオンの照射と同時にシリコン板7の
上に蒸着させた。この時反応室5内のガス分析し
たところ活性化した窒素ガス雰囲気になつてい
た。 Bの蒸着量、蒸着速度は振動型膜厚計11で測
定し、N2 +イオンの個数は電流積算計13で測定
しB/Nを算出した。バイアス電圧を変化させる
と共に、N2 +イオンのイオン加速エネルギを変
え、Bの蒸着量も変化させて薄膜形成を行なつ
た。 N2 +イオンの加速エネルギ35KeV、B/N=
1.5、バイアス電圧−1KV、基体温度200℃の条
件、及び真空度0.5×10-5Torrの状態で2時間続
け、厚さ2.5μmのBN膜を形成させた。 得られたBN膜をX線回折により分析したとこ
ろ、CBN(111)及びWBN(002)と同定できるピ
ークが確認でき、その存在が判明できた。更にこ
のBN膜のビツカース硬度を測定したところ、
6900Kg/mm2と著しく大きな値を得ることができ
た。 比較例 1 前述の実施例1の中で、基体に対して無バイア
スにし、且つB/N=10に設定し、他は実施例と
全く同一の条件で2時間成膜し、厚さ2μmのBN
膜を形成させた。 このように得られたBN膜をX線回折により分
析したところ、CBN(111)及びWBN(002)と同
定できるピークが確認できた。更に、ビツカース
硬度を測定したところ、4850Kg/mm2の値が得られ
た。 比較例においてB/N比を算出するとき雰囲気
から窒素成分の補給量は入いらず、照射イオンの
みから計算される。一方、実施例1では照射イオ
ンとそれ以外の低エネルギレベルのイオン種の和
となるため、イオン電流が比較例に比べ5、6倍
になり、実際に反応に関与している値になつてい
る。したがつてCBN又はWBNを合成するときの
反応が実施例1と比較例が同じ位であつても合成
条件のB/N比というパラメータで表わすと前者
が1.5で後者が10となる。ただ異なるのは低エネ
ルギレベルに活性化された雰囲気を積極的にBN
膜形成に参加させることでより良質となり、硬度
が向上させることができた。 実施例 2 B/N比を変化(バイアス電圧−1.0KV)
【表】
実験番号1〜8とB/N比を変化してBN膜を
形成した(他は実施例1と同じ条件)。 結果を第1表に示す。 B/N比が10を越えると電気抵抗、硬度の低下
を生じ、またB/N比が0.2よりも低いとHBNの
生成が顕著となつて硬度の低下が生じる。 実施例 3 バイアスの有無によりイオン電流の差
形成した(他は実施例1と同じ条件)。 結果を第1表に示す。 B/N比が10を越えると電気抵抗、硬度の低下
を生じ、またB/N比が0.2よりも低いとHBNの
生成が顕著となつて硬度の低下が生じる。 実施例 3 バイアスの有無によりイオン電流の差
【表】
実験番号1〜4はバイアス電圧を0KV、実験
番号5〜8はバイアス電圧を−1.0KV印加し、
N2 +イオンの加速電圧を25〜40KVと変化したと
きのイオン電流の変化を第2表に示した。負のバ
イアスを印加することにより約5倍の電流が流れ
ることがわかる。これにより成膜スピードが顕著
に大きくなることがわかる。 実施例 4 温度の効果 TiC−TiN系サーメツトを使用し、イオン種を
35KeV、バイアス電圧1.0KV及びB/N比を1.5
とし、基体の温度を変える以外は実施例1と同様
にBN膜を形成した。結果を第3表に示す。
番号5〜8はバイアス電圧を−1.0KV印加し、
N2 +イオンの加速電圧を25〜40KVと変化したと
きのイオン電流の変化を第2表に示した。負のバ
イアスを印加することにより約5倍の電流が流れ
ることがわかる。これにより成膜スピードが顕著
に大きくなることがわかる。 実施例 4 温度の効果 TiC−TiN系サーメツトを使用し、イオン種を
35KeV、バイアス電圧1.0KV及びB/N比を1.5
とし、基体の温度を変える以外は実施例1と同様
にBN膜を形成した。結果を第3表に示す。
添付図面は本発明に用いるBN膜製造装置の配
置図である。 2……イオン源、7……基体、10……蒸発
源、14……アーク放電室、15……バイアス電
源。
置図である。 2……イオン源、7……基体、10……蒸発
源、14……アーク放電室、15……バイアス電
源。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ホウ素を含有する蒸発源から基体上にホウ素
分を蒸着させると共に、少なくとも窒素を含むイ
オン種を発生せしめるイオン発生源から基体上に
該イオン種を照射して、該基体上に窒化ホウ素を
生成させる窒化ホウ素膜の製造方法であつて、該
イオン種のイオン加速エネルギーを該イオン種の
原子当り5乃至100KeVとし、且つ蒸着及び照射
を、イオン種よりも低エネルギーのレベルに活性
化された窒素原子又は窒素化合物の雰囲気中で行
うと同時に、該基体に負のバイアス電圧を印加し
たことを特徴とする高硬度窒化ホウ素膜の製造方
法。 2 前記蒸発源及び前記イオン種に含まれる窒素
当りのホウ素の原子比(B/N)を0.2乃至10に
設定して行うことを特徴とする特許請求の範囲第
1項記載の高硬度窒化ホウ素膜の製造方法。 3 前記基体の温度を−200乃至700℃に設定する
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の高
硬度窒化ホウ素膜の製造方法。 4 前記イオン種の照射を、イオン種の照射に伴
つて基体に発生する熱量が1cm2当り0.01乃至20W
になるように設定して行うことを特徴とする特許
請求の範囲第1項記載の高硬度窒化ホウ素膜の製
造方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3613784A JPS60181262A (ja) | 1984-02-29 | 1984-02-29 | 高硬度窒化ホウ素膜の製造方法 |
| US06/700,697 US4656052A (en) | 1984-02-13 | 1985-02-12 | Process for production of high-hardness boron nitride film |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3613784A JPS60181262A (ja) | 1984-02-29 | 1984-02-29 | 高硬度窒化ホウ素膜の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60181262A JPS60181262A (ja) | 1985-09-14 |
| JPH0259863B2 true JPH0259863B2 (ja) | 1990-12-13 |
Family
ID=12461396
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3613784A Granted JPS60181262A (ja) | 1984-02-13 | 1984-02-29 | 高硬度窒化ホウ素膜の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60181262A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2593441B2 (ja) * | 1986-01-16 | 1997-03-26 | 日新電機株式会社 | 高硬度膜被覆工具材料とその製造方法 |
| JPH0742571B2 (ja) * | 1986-07-11 | 1995-05-10 | 三菱重工業株式会社 | Cbn被覆法 |
| JPH01225767A (ja) * | 1988-03-07 | 1989-09-08 | Nissin Electric Co Ltd | 窒化ケイ素膜の製造方法 |
-
1984
- 1984-02-29 JP JP3613784A patent/JPS60181262A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60181262A (ja) | 1985-09-14 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |