JPH0261262B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0261262B2
JPH0261262B2 JP58186620A JP18662083A JPH0261262B2 JP H0261262 B2 JPH0261262 B2 JP H0261262B2 JP 58186620 A JP58186620 A JP 58186620A JP 18662083 A JP18662083 A JP 18662083A JP H0261262 B2 JPH0261262 B2 JP H0261262B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ser
polyurethane
ome
mdi
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58186620A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6077767A (ja
Inventor
Yukio Imanishi
Akihisa Mori
Kiichiro Sakaoku
Takashi Ito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP58186620A priority Critical patent/JPS6077767A/ja
Publication of JPS6077767A publication Critical patent/JPS6077767A/ja
Publication of JPH0261262B2 publication Critical patent/JPH0261262B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は生体機能性に優れたポリウレタン膜
の製造法に係わるものである。 ポリウレタンはオリゴマージオールとジイソシ
アナートとの重付加反応によつてプレポリマーを
合成した後、鎖延長剤で高分子量化したものであ
り、通常エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結
合が含まれている。このウレタン結合、ウレア結
合のN−Hがプロトンドナーとなり、エーテル結
合のエーテル酸素、ウレタン、ウレア結合のカル
ボニル酸素がプロトンアクセプターとなつて、こ
の結合グループの間で分子間水素結合を形成し、
ポリウレタンは球晶構造や抗血栓性に有効なミク
ロ相分離構造をとつている。 α−アミノ酸の線状あるいは環状の2量体には
水素結合能の強いペプチド結合が含まれている。
α−アミノ酸の環状2量体は分子骨格が剛直であ
るため結晶性が良い。これに対しα−アミノ酸の
線状2量体では柔軟な分子骨格を有するため結晶
性は環状2量体の場合より低くなる。従つてα−
アミノ酸の側鎖に水酸基を有するL−セリンの線
状または環状2量体はポリウレタンの鎖延長剤と
して使用できるだけでなく、従来のポリウレタン
には含まれていなかつた水素結合能の高いペプチ
ド結合を含むため新しい形態の相構造の発現が期
待される。また環状2量体と線状2量体の使い分
けによつてポリウレタンの結晶性を変える事がで
き、ポリウレタン膜の膜機能の微妙な調節が可能
となる。 オリゴマージオールはその種類や重合度を変え
る事によつてソフトセグメント部分の性質を調節
できる。オリゴマージオールとしてポリテトラメ
チレングリコールのみを用いた場合、膜の含水率
は小さいが、これに親水性のポリエチレングリコ
ールを共存させると得られたポリウレタン膜の含
水率は高くなり、尿毒関連物質の分離、除去に適
し、透析療法用透析膜としての利用が考えらる。 このような背景下にあつて、本発明者等は尿毒
関連物質透過性に優れ、しかも生体適合性を有す
る膜材料を提供することを目的として鋭意研究を
重ね、本発明を完成するに到つた。即ち本発明の
要旨は水酸基をもつたα−アミノ酸の線状2量体
又は環状2量体とポリテトラメチレングリコール
及びポリエチレングリコールを共存させてジイソ
シアナートと重付加反応させ、得られたポリウレ
タンを成膜することを特徴とする生体機能性膜の
製造法に存するものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 () 線状ジペプチドを一成分とするポリウレ
タンの合成: このものは側鎖に水酸基を有するα−アミノ酸
を縮合させてジペプチドジオールを合成し、これ
を鎖延長剤としてポリテトラメチレングリコール
及びポリエチレングリコールを共存させ、ジイソ
シアナートとの重付加反応を行なわせることによ
つて得られる。 (A) 線状ジペプチドジオールの合成: 側鎖に水酸基を有するα−アミノ酸としてL−
セリン(以下L−セリンをH−Ser−OHと略記
する)を使用する例について述べる。H−Ser−
OHの線状ジペプチドは、アミノ末端をカルボベ
ンジルオキシ化(以下カルボベンジルオキシ基を
Zと略記する)したZ−Ser−OHのカルボキシ
ル末端を活性化し、これを、別にH−Ser−OH
のカルボキシル基をメチルエステル化したH−
Ser−OMeと縮合させることにより、両末端基を
保護したセリンの線状ジペプチド、すなわちZ−
Ser−Ser−OMeが得られる。 これを具体的に例示すると、20gのH−Ser−
OHをメタノール中に懸濁させ、0℃に保つて塩
化水素ガスを約6時間通気する。次いでメタノー
ルを留去し、得られる固体をメタノールから再結
晶することにより、H−Ser−OMe・HCl 17.7g
を得た(収率59%)。このものの融点は162〜165
℃であり、薄層クロマトグラフイ(以下TLCと
いう)と赤外(以下IRという)スペクトルによ
り純粋なH−Ser−OMe・HClの得られたことが
確認された。 8gのH−Ser−OMe・HClを炭酸水素ナトリ
ウムの飽和水溶液に加え、約20℃に保ち、撹拌し
ながら10gのZ−Cl(H−Ser−OMe・HClの1.1
倍当量となる)を滴下し、4時間反応させる。分
離した油層を酢酸エチルで抽出し、抽出液を5%
塩酸、次いで水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上
で乾燥したのち、酢酸エチルを留去する。得られ
た固体をペンタンとエーテルとの混合溶媒から再
結晶してZ−Ser−OMe10.4gを得た(収率80
%)。このものの融点は27〜32℃であり、TLC、
IRスペクトル、高速液体クロマトグラフイ(以
下HPLCという)により、純粋なZ−Ser−OMe
の得られたことが確認された。 9.7gのZ−Ser−OMeをメタノールに溶かし、
抱水ヒドラジン5.75g(Z−Ser−OMeの3倍当
量)を加え、約20℃で24時間反応させた。次にエ
ーテルを加え、さらに0℃で5〜6時間反応させ
る。沈澱を取し、メタノールとエーテルの混合
溶媒から再結晶してZ−Ser−NHNH2の針状結
晶7.8gを得た(収率80%)。このものの融点は
180〜181℃であり、TLCおよびIRスペクトルに
より純粋なZ−Ser−NHNH2の得られたことが
確認された。 以上のようにして得られたZ−Ser−
NHNH27.59gをジメチルホルムアミドに溶か
し、−5℃で撹拌しながら3.51gの亜硝酸イソア
ミル(Z−Ser−NHNH2と等モル量)を加える。
溶媒中にはZ−Ser−N3が生成したと考えられる
が、このものを単離することなく、以下の反応に
供した。すなわち、この反応液に、上に合成した
H−Ser−OMe・HCl 4.67g(Z−Ser−
NHNH2と等モル量)のジメチルホルムアミド溶
液(少量のトリエチルアミンを含む)を加え、0
℃で2日間反応させた。揮発分を留去し、残渣を
酢酸エチルで抽出し、この抽出液を4%炭酸水素
ナトリウム水溶液、3%塩酸、そして水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥したのち、酢酸
エチルを留去した。得られた固体を酢酸エチルと
石油エーテルの混合物で再結晶し、Z−Ser−
Ser−OMeの針状結晶3.3gを得た(収率32.3%)。
このものの融点は142〜144℃であり、TLC、IR
スペクトルおよび元素分析により純粋なZ−Ser
−Ser−OMeの得られたことが確認された。メタ
ノール溶液の〔α〕24/Dは−3.1゜であつた。 上記の反応を式で示すと次の通りである。 H−Ser−OHMeOH/HCl ―――――――――→ H−Ser −OMe・HCl2Cl ―――→ Z−Ser −OMe・HClNH2NH2 ―――――――→ Z−Ser −NHNH2C5H11NO2 ――――――――→ Z−Ser−N3 H−Ser−OMe・HCl ――――――――――――→ Z−Ser−Sef−OMe この方法によればセリンの側鎖基は保護しなく
とも修飾や妨害なしに所定の反応が進行し、極め
て効率よくZ−Ser−Ser−OMeを得ることがで
きる。Z−Ser−Ser−OMeは下記の化学構造を
有し、ジオール成分としてジイソシアナートとの
重付加反応によるポリウレタンの合成が可能であ
る。 (B) 線状ジペプチドジオールを含むポリウレタン
の合成: 上記(A)記載のようにして得られた線状ジペプチ
ドジオールに種々の重合度のポリテトラメチレン
グリコール(以下、ポリテトラメチレングリコー
ルをPTMGと略記する)及びポリエチレングリ
コール(以下、ポリエチレングリコールをPEG
と略記する)を共存させ、これをジイソシアナー
トと重付加反応を行なわせる。PTMGとPEGと
の使用割合は通常、モル比で約1対1の範囲から
選ばれるのがよい。 上記重付加反応において、ジイソシアナートと
して、メチレンビス(4−ジイソシアナートベン
ゼン)(以下、これをMDIと略記する)を使用し
た場合の例を説明する。 例 1 分子量1336のPTMG(以下、PTMG1336と略
記する。その後の記載においてもPTMGの後に
付した数値はそのものの分子量を表わす。)、分子
量1540のPEG(以下、PEG1540と略記する。その
後の記載においてもPEGの後に付した数値はそ
のものの分子量を表わす。)、MDI及び上記(A)に
よつて得られたZ−Ser−Ser−OMeを成分とす
るポリウレタン〔以下、このポリウレタンをPU
(PTMG1336/PEG1540、MDI、Z−Ser−Ser
−OMe)と略記する〕の製造: 0.39gのPTMG1336と0.45gのPEG1540との等
量混合物を8mlのジメチルホルムアミドに溶か
し、0.29gのMDI(PTMG,PEGの2倍モルに相
当する)を2mlのホルムアミドに溶かした溶液と
混合し、窒素置換した後60℃で1時間反応させ
た。その後、0.20gのZ−Ser−Ser−OMe
(PTMG,PEGと等モル)を2mlのジメチルホル
ムアミドに溶かした溶液を加え、50℃で24時間反
応させた。その後、溶媒のジメチルホルムアミド
を留去し、粘い溶液を水中に注ぐと粘性のある少
し褐色に着色したポリマーが得られた。これを蒸
留水で2回洗浄した後、光を遮断して五酸化リン
上で24時間乾燥させた。このポリウレタンをジメ
チルホルムアミドに溶かし、30℃における粘度を
測定したところ、〔η〕=0.35であつた。この条件
でポリメタクリル酸メチルに対して報告されてい
る〔η〕と分子量の関係式を適用して計算した分
子量は約31万であつた。 分子量1100のPTMG(以下PTGM1100と略記
する)と分子量1000のPEG(以下、PEG100と略
記する)との組合せ及び分子量2117のPTMG(以
下PTMG2117と略記する)と分子量2000のPEG
(以下、PEG2000と略記する)との組合せを用
い、同様の操作によりポリウレタンを合成した。
得られたPU(PTMG1100/PEG1000、MDI、Z
−Ser−Ser−OMe)は褐色で、〔η〕=0.31、換
算分子量は約23万であつた。またPU
(PTMG2117/PEG2000、MDI、Z−Ser−Ser
−OMe)は淡黄色で、〔η〕=0.36、換算分子量
は約34万であつた。 これらのポリウレタンの溶解性は、ヘキサメチ
ルホスホアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルホルムアミドに可溶、水、アセトニトリル、メ
タノール、クロロホルム、ベンゼン、ジオキサン
に不溶であつた。 PU(PTMG2117/PEG2000、MDI、Z−Ser
−Ser−OMe)のぬりつけ法によるIRスペクトル
を図1に示す。このIRスペクトルにおいて1720
cm-1(図中、Aで示す箇所)に観測される吸収は
ウレタン結合とエステル基に基づくものである。
1650cm-1(図中、Bで示す箇所)に観測される吸
収はZ−Ser−Ser−OMe成分のアミド基のアミ
ドに基づくものである。1540cm-1(図中、Cで
示す箇所)に観測される吸収はZ−Ser−Ser−
OMe成分のアミド基のアミドとフエニル基
【式】に基づく吸収が観測され、MDIが ポリウレタン鎖中に存在することが確認された。
また1100cm-1(図中、Dで示す箇所)に観測され
る吸収はアルキルエーテル基−CH2−O−CH2
に基づくものである。 これらの事実に基づき、上記の反応は次のよう
になり、その得られたポリウレタンは下記の構造
をとると考えられる。 () 線状ジペプチドを一成分とするポリウレ
タンの合成: このものは側鎖に水酸基を有するα−アミノ酸
を環化縮合させて環状ジペプチドジオールを合成
し、これを鎖延長剤としてポリテトラメチレング
リコール及びポリエチレングリコールを共存さ
せ、ジイソシアナートとの重付加反応を行なうこ
とによつて得られる。 (A) 環状ジペプチドジオールの合成: 側鎖に水酸基を有するα−アミノ酸としてL−
セリンを使用する例について述べる。 上記()の(A)の方法で合成したZ−Ser−
Ser−OMe1.5gを40mlのメタノール(HClを飽和
させておく)に溶かし、0.3gのPd黒を加え、水
素を約5時間通気する。溶液を過し、メタノー
ルを留去して得られる残渣を数回n−ヘキサンで
洗浄し、Z−Ser−Ser−OMe・HCl 1.0gを得
た(収率93.6%)。TLCとIRスペクトルにより純
粋なZ−Ser−Ser−OMe・HClの得らたことが
確認された。 このようにして得られたH−Ser−Ser−
OMe・HCl 1.0gを41mlのメタノール(NH3
飽和させておく)に溶かし(H−Ser−Ser−
OMeの濃度が0.1Mとなる)、室温で24時間反応
させた。揮発分を留去し、残渣をn−ヘキサンで
洗うと、L−セリンが環化縮合したジペプチドジ
オール〔以下これをC−(Ser)2と略記する〕の針
状結晶が0.55g得られた(収率76.7%)。このも
のの融点は245〜248℃であり、元素分析及びIR
スペクトルにより純粋なC−(Ser)2の得られたこ
とが確認された。 上記の反応を式で示すと次の通りである。 Z−Ser−Ser−OMeH2/Pd ――――――――――→ HCl/MeOHH −Ser−Ser−OMe・HClNH3/MeOH ―――――――――→ C(Ser)2 この方法によれば、セリンの側鎖水酸基は保護
しなくとも修飾が妨害なしに所定の反応が進行
し、極めて効率よくC−(Ser)2を得ることができ
る。C−(Ser)2は下記の化学構造を有し、ジオー
ル成分としてジイソシアナートとの重付加反応に
よりポリウレタンを合成することができる。 (B) 環状ジペプチドジオールを含むポリウレタン
の合成: 上記(A)記載のようにして得られた環状ジペプチ
ドジオールを種々の重合度のPTMG及びPEGと
混合し、ジイソシアナートでもつて重付加反応を
行なわせる。PTMGとPEGとの混合割合は、一
般的にいつて上記()の場合におけると同様で
よい。ジイソシアナートとしてMDIを使用した
場合の例を次に示す。 例 2 PTMG1100/PEG1000、MDI及びC−(Ser)2
を成分とするポリウレタン〔以下、このポリウレ
タンをPU〔PTMG1100/PEG1000、MDI、C−
(Ser)2〕と略記する〕の製造: 0.32gのPTMG1100と0.29gのPEG1000との等
量混合物を8mlのジメチルホルムアミドに溶か
し、0.29gのMDI(PTMG,PEGの2倍モルに相
当する)を2mlのホルムアミドに溶かした溶液と
混合し、窒素置換した後60℃で1時間反応させ
た。その後、0.1gのC−(Ser)2(PTMG,PEG
と等モル)を10mlのジメチルホルムアミドに溶か
した溶液を加え、50℃で24時間反応させた。反応
終了後、溶媒のジメチルホルムアミドを留去して
濃縮し、残渣を水に注いでポリウレタンを沈澱さ
せる。これを五酸化リン上で減圧乾燥すると淡褐
色のポリウレタンが得られた。このものは含水率
が高く、23%の含水率を示した。アルキレンジオ
ールとしてPTMG1336/PEG1540、または
PTMG2117/PEG2000の組合せを用い、同様の
操作によりポリウレタンを合成した。含水率は、
PU〔PTMG1336/PEG1540,MDI,C−(Ser)2
では42%、PU〔PTMG2117/PEG2000,MDI,
C−(Ser)2〕では41%であつた。また、これらの
ポリウレタンをジメチルホルムアミドに溶かし、
30℃における粘度を測定して〔η〕を求め、この
条件でポリメタクリル酸メチルに対して報告され
ている〔η〕と分子量の関係式を適用して分子量
を求めたところ、PU〔PTMG1110/PEG1000,
MDI,C−(Ser)2〕では〔η〕=0.29、分子量20
万、PU〔PTMG1336/PEG1540,MDI,C−
(Ser)2〕では〔η〕=0.32、分子量25万、PU
〔PTMG2117/PEG2000,MDI,C−(Ser)2〕で
は〔η〕=0.34、分子量29万であつた。 PU〔PTMG1100/PEG1000,MDI,C−
(Ser)2〕のKBr法によるIRスペクトルを図2に
示す。このIRスペクトルにおいて、1520cm-1
(図中、D)と1660cm-1(図中、B)に観測され
る吸収はC−(Ser)2成分のアミド基に基づくもの
である。1700cm-1(図中、A)に観測される吸収
はポリウレタンの生成に伴つて生じるウレタン結
合に基づくものである。1590cm-1(図中、C)に
観測される吸収はMDIのフエニル基に基づくも
のである。これらの事実に基づき、上記の反応に
おいて得られたポリウレタンは下記の構造をとる
と考えられる。 本発明によるセグメント化ポリウレタンの製造
は上に述べた場合に限られるものでなく、その他
の場合をも含むものである。例えば、ポリウレタ
ンを製造する場合に使用するジペプチドジオール
の成分の水酸基をもつたアミノ酸としては上に挙
げたセリンだけでなく、トレオニンやチロシンを
使用することができる。 これらのα−アミノ酸にはD体とL体が存在す
るが、いずれを使用してもかまわない。また両方
の混合物、ラセミ体の使用も可能である。2種以
上の異なるα−アミノ酸を混合して使用すること
もできる。これらのすべての場合に、線状ジペプ
チドと環状ジペプチドの両方を合成することがで
き、ポリウレタンの原料とすることができる。 線状ジペプチドの場合にはアミノ基とカルボキ
シル基を保護しておく必要がある。アミノ基の保
護基としてはカルボベンジルオキシ基のほかに、
t−ブチロキシカルボニル基やホルミル基を用い
ることができる。またカルボキシル基の保護基と
してはメチルエステル以外にベンジルエステルや
アミドを用いることができる。 本発明方法に従つてPTMGとPEGを混合使用
するときはPTMG単独使用の場合よりも得られ
たポリウレタンの含水率は高くなり、透析膜とし
ての利用価値が高くなる。 ポリウレタンを製造する場合に使用し得るジイ
ソシアナートとしては、上記MDIのほかに、ヘ
キサメチレンジイソシアナート、トルエンジイソ
シアナート、フエニレンジイソシアナート、キシ
リレンジイソシアナートなどの芳香族ジイソシア
ナート、またメチレンビス(4−イソシアナート
シクロヘキサン)、1−カルボメトキシ−1,6
−ジイソシアナートヘキサンなど脂肪族ジイソシ
アナートを挙げることができる。 () 線状または還状ジペプチドジオールを含
むポリウレタン膜の造膜方法: 上記()及び()で説明したようにして得
られたポリウレタンから膜を得るには従来知られ
ている成膜方法に従つて行なうことができる。以
下にその方法を例示する。 例 3 赤外ランプ照射下におけるポリウレタンの造膜
方法: 0.05gのポリウレタンを2mlのジメチルホルム
アミドに溶かし、一昼夜、撹拌して均質溶液とす
る。これを清浄な水平ガラス板上に流延し、ガラ
ス板上方30cmの位置に250Wの赤外線乾燥用ラン
プを1台設置し、防塵用の透明ケースを被せ、蒸
発してくるジメチルホルムアミドを除去するため
の空気を透明ケース内に送り込みながら、ランプ
を5時間、点燈した。得られたポリウレタン膜は
蒸留水中に浸漬すると容易にガラス板からはがれ
てくる。これを五酸化リン上で2日間乾燥させ
た。得られたポリウレタン膜は透明な均質膜で、
膜厚は約20μmであつた。この膜のATR−IRスペ
クトルを測定したが、膜の両面に差はなかつた。
また、この膜の断面構造を調べるために液体窒素
中(−195℃)で膜を破断し、走査型電子顕微鏡
で調べた。その結果、膜の造膜時の空気側表面に
は多数の微細孔が観察されたが、これは赤外ラン
プ照射によるジメチルホルムアミドの急激な蒸散
によつて生じたものと考えられる。 例 4 室温、大気圧下におけるポリウレタンの造膜方
法: 0.05gのポリウレタンを2mlのジメチルホルム
アミドに溶かし、一昼夜、撹拌して均質溶液とす
る。これを清浄な水平ガラス板上に流延し、約25
℃の室温、大気圧下に2日間静置して、徐々にジ
メチルホルムアミドを飛散させた後、3日間真空
乾燥した。得られたポリウレタン膜は蒸留水中に
浸漬すると容易にガラス板から、はがれた。これ
を五酸化リン上でさらに2日間真空乾燥した。得
られた膜は、赤外ランプ照射によつて得られた膜
と同様に透明な均質膜で、膜厚は約20μmであつ
た。この膜のATR−IRスペクトルを測定したが
膜の両面に差はなかつた。 またこの膜の断面構造を調べるために液体窒素
で膜を破断し、走査型電子顕微鏡で調べたとこ
ろ、赤外ランプ照射によつて得られた膜の破断面
にみられるような微細孔はみられなかつた。 造膜方法としては上に例示した以外の方法をと
ることができる。温度は溶媒としてジメチルホル
ムアミドを用いる場合、室温乃至100℃程度の範
囲が適当である。圧力は1気圧乃至0mmHgの範
囲で調節できる。造膜溶媒としてはジメチルホル
ムアミドの他に、ヘキサメチルホスホアミド、ジ
メチルスルホキシド等が使用できる。 次に本発明方法によつて得られるポリウレタン
膜の生体機能性を説明する。 () 尿毒関連物質透過性試験: 本発明方法によつて得られるようなアミノ酸成
分を含む膜では、溶質との選択的相互作用が期待
できるので、生体からの排泄物であるNaCl、ク
レアチニン、尿素、尿酸の溶質を用いて透過性を
測定した。 この試験において用いた試料は次の通りであ
る。 試料(1) PU(PTMG1100/PEG1000,MDI,Z
−Ser−Ser−OMe) 試料(2) PU(PTMG1336/PEG1540,MDI,Z
−Ser−Ser−OMe) 試料(3) PU(PTMG2117/PEG2000,MDI,Z
−Ser−Ser−OMe) 試料(4) PU〔PTMG1100/PEG1000,MDI,C
−(Ser)2〕 試料(5) PU〔PTMG1336/PEG1540,MDI,C
−(Ser)2〕 試料(6) PU〔PTMG2117/PEG2000,MDI,C
−(Ser)2〕 試料(7) 酢酸セルロース 上記の試料(1)〜(7)は、これをジメチルホルムア
ミド溶液とし、赤外ランプ照射法で成膜した。試
料(7)の酢酸セルロースは従来人工腎臓の透析膜素
材として利用されているものであり、比較のため
挙げた。 試験は次のようにして行なつた。試料膜を
0.785cm2の円形の穴のあいた2枚のシリコンゴム
で挾み、両側からメタアクリル樹脂製の透析セル
2個で固定化する。(シリコンゴム、試料膜の密
着性を良くするために、穴以外の部分にシリコン
グリースを用いた。)透析セルの一方に濃度既知
の溶液、他方に蒸留水をそれぞれ100ml入れ、ス
ターラーで撹拌して透過してくる溶質濃度の経時
変化を調べた。また、この試験においては透析セ
ルを25℃の恒温槽中に設置した。透過してくる溶
質濃度の経時変化は、時間毎に蒸留水側の溶液1
mlを採取して濃度決定した。そして理論透過式に
基づきlnC″/C″−2Ctと時間tをプロツトする事によ り、その傾きから、それぞれの膜に対する透過係
数Pを求めた。 lnC″/C″−2Ct=2PA/δVt P:透過係数(cm2/min) A:透過膜面積(cm2) δ:膜厚(cm) V:透過セルの容積(cm3) C″:供給液側の初濃度(mole/cm3) Ct:t時間後に透過してきた溶質濃度 (mole/cm3) 膜厚は簡易膜厚計を用いて測定した。 各溶質の濃度測定について示すと次のようにな
る。 NaClについては、Mohr法によるCl-の適定で、
クロム酸カリウムを指示薬として定量した。
0.01Nの硝酸銀溶液を滴下していくと最初AgCl
の白沈が生じ、終点を過ぎるとAg2CrO4の赤沈
を生じる。 尿素においては、パラジメチルアミノベンズア
ルデヒドを用い、下記に示したようなシツフ塩基
に誘導して定量した。試料1mlにPDAB・H+
液を0.5ml添加し、10分間放置後UVで440nmの吸
光度を測定した。一方濃度既知の尿素標準溶液を
用いて検量線を作成した。この検量線を最小自乗
法によつて求めた。従つて、吸光度から尿素の濃
度を求めることができる。またPDAB・H+溶液
はPDAB5gを特級エタノールに溶解させ、100
mlとし約50mlをメスフラスコ(100ml)に取り、
濃硫酸5mlを静かに加え、PDAB溶液を加えて
100mlとしてPDAB・H+溶液を調製した。 クレアチニン、尿酸はそれぞれの検量線を作成
し、その傾きにより最大吸光係数〓maxを求めた。
そしてこの〓maxを用いて試料の溶質濃度を定量
した。次に尿酸においては水に難溶性なために、
PH9.18のホウ酸緩衝液を用いた。測定結果を次表
に示す。
【表】 透過係数の値は約10%の誤差を含んでいる。こ
の表からPTMG/PEGの分子量が大きくなると
含水率が大きくなり透過係数も大きくなる事がわ
かる。また溶質の分子量がNaCl、尿素、クレア
チニン、尿酸と大きくなるにつれて、透過係数が
小さくなることもわかる。セルロース(試料7)
では、含水率が低いため溶質はほとんど透過しな
い。 本発明方法によつて製造された膜は上述のよう
な特異な物性を表わし、かつ抗血栓性も良好であ
ることが確認された。従つて得られた膜は人工腎
臓の透析材として優れた効果が期待される。 以上説明したところは本発明の理解を助けるた
めの代表的例示に係わるものであり、本発明はこ
れら例示に制限されることなく、発明の要旨内で
その他の変更例をとることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本文中、例1によつて得られたPU
(PTMG2117/PEG2000、MDI,Z−Ser−Ser
−OMe)のIRスペクトル図、図2は本文中、例
2によつて得られた〔PTMG1100/PEG1000、
MDI,C−(Ser)2〕のIRスペクトル図を示す。 図1及び2において、縦軸は透過率(%)、横
軸は波数(cm-1)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 水酸基をもつたα−アミノ酸の線状2量体又
    は環状2量体とポリテトラメチレングリコール及
    びポリエチレングリコールを共存させてジイソシ
    アナートと重付加反応させ、得られたポリウレタ
    ンを成膜することを特徴とする生体機能性膜の製
    造法。
JP58186620A 1983-10-05 1983-10-05 生体機能性膜の製造法 Granted JPS6077767A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58186620A JPS6077767A (ja) 1983-10-05 1983-10-05 生体機能性膜の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58186620A JPS6077767A (ja) 1983-10-05 1983-10-05 生体機能性膜の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6077767A JPS6077767A (ja) 1985-05-02
JPH0261262B2 true JPH0261262B2 (ja) 1990-12-19

Family

ID=16191763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP58186620A Granted JPS6077767A (ja) 1983-10-05 1983-10-05 生体機能性膜の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6077767A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201809049A (zh) * 2016-03-31 2018-03-16 盧伯利索先進材料有限公司 生物可分解及/或生物可吸收的熱塑性聚胺甲酸酯
CN120484327B (zh) * 2025-07-10 2025-09-16 中国科学院长春应用化学研究所 一种聚氨酯海绵及其制备方法与应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6077767A (ja) 1985-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5777060A (en) Silicon-containing biocompatible membranes
US6784274B2 (en) Hydrophilic, swellable coatings for biosensors
US4623347A (en) Antithrombogenic elastomer products
US4743629A (en) Crosslinked polyetherurethane membranes useful in blood electrolyte sensors
Grainger et al. Poly (dimethylsiloxane)‐poly (ethyleneoxide)‐heparin block copolymers. I. Synthesis and characterization
JPS588700B2 (ja) 抗血栓性高弾性ポリウレタン化合物の製造方法
CN115417963B (zh) 生物相容性聚碳酸酯聚氨酯,制备方法及应用
JPS6252602B2 (ja)
Liu et al. Preparation and characterisation of zwitterionic sulfobetaine containing siloxane-based biostable polyurethanes
CN108530606B (zh) 一种pH敏感性医用聚氨酯脲材料及其制备方法
JPH0261262B2 (ja)
CN117946367A (zh) 一种含天然抗菌因子的水性聚氨酯皮革涂层的制备方法
JPS62102815A (ja) 選択性気体透過膜
Su et al. Honeycomb-like polymeric films from dendritic polymers presenting reactive pendent moieties
Petrini et al. Linear poly (ethylene oxide)-based polyurethane hydrogels: polyurethane-ureas and polyurethane-amides
WO1998013685A1 (en) Silicon-containing biocompatible membranes
WO2021184843A1 (zh) 植入式生物传感器用三嵌段共聚物及其应用和制备方法
WO2020220261A1 (en) Biosensors coated with co-polymers and their uses thereof
JPS5858123B2 (ja) 気体分離膜
Huang et al. Surface composition and protein adsorption of polyurethane membrane
KR100424138B1 (ko) 온도 감응 투습 방수 재료
Tan et al. Synthesis and properties of novel segmented polyurethanes containing alkyl phosphatidylcholine side groups
JPS646220B2 (ja)
JPH0239263B2 (ja)
JPS61430A (ja) 選択性ガス透過膜