JPH0261398B2 - - Google Patents
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- JPH0261398B2 JPH0261398B2 JP57063951A JP6395182A JPH0261398B2 JP H0261398 B2 JPH0261398 B2 JP H0261398B2 JP 57063951 A JP57063951 A JP 57063951A JP 6395182 A JP6395182 A JP 6395182A JP H0261398 B2 JPH0261398 B2 JP H0261398B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- layer
- laminate
- stretching
- stamping foil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Duplication Or Marking (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明はスタンピングホイルの製造法に関す
る。更に詳しくは、本発明は光沢及び加工性の優
れたスタンピングホイルの製造法に係るものであ
る。 スタンピングホイルは、プラスチツク成形品,
レーザ類,本製品,雑誌,カレンダー等の紙製品
等の対象物に金属色の模様、あるいは文字などを
スタンプし、製品を豪華ならしめ、その商品価値
を高めるのに用いられる。 スタンピングホイルは基材フイルムに剥離層,
保護層,光反射層及び接着剤層を通常この順序に
積層したものである。スタンピングホイルの接着
剤層面を印刷すべき物品に重ね、基材フイルム側
から加熱した型で押圧すると、型の部分の接着剤
が熔融して接着する。そして、型とスタンピング
ホイルを物品から引離すと、型に押された部分の
みが基材フイルムと剥離して物品に押箔され印刷
される。印刷の装飾効果,美的効果等の観点か
ら、スタンピングホイルの光沢が優れていること
が望まれる。そのためには光反射層ができるだけ
平滑であることが必要であり、光反射層に多少の
凹凸は存在しても全体として平滑な面の占める割
合がきわめて多いことが望ましい。光反射層は基
材フイルム面上に剥離層や保護層を塗布した上に
設けられるが、これらの層は薄くて塗布表面に基
材フイルムの表面粗さがほぼそのままに現われ
る。従つて光反射層と平滑にするには、基材フイ
ルムの表面を平滑にするか又は基材フイルムの表
面を凹凸が多少存在しても全体として平滑な面の
占める割合がきわめて多くなるような状態とする
必要がある。 ところが基材フイルムの表面を平滑にすると、
フイルムの滑り性が低下し、スタンピングホイル
に加工する際に種々の支障が生ずる。例えば滑り
性の悪いフイルムの巻き上げロールには、フイル
ム層に瘤状の突起が生じ、その部分の塗布層が傷
ついたり割れたりしてスタンピングホイルに欠陥
を生ずることになる。 従来技術では、このような理由から、ある程度
粗面化された基材フイルムを使用し、光沢を犠性
にしたスタンピングホイルが製造されてきた。 本発明者は上述のような背景にかんがみ光沢と
加工性とが共に優れたスタンピングホイルを得る
べく鋭意研究の結果、フイルム表面に微細粒子に
よる突起と該突起を核とした窪とからなる凹凸単
位をもち厚み方向の屈折率が1.492〜1.505の範囲
のポリエステルフイルムを基材フイルムとして用
いるならば光沢を損なうことなく、優れた加工性
を付与できることを見出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、(a)ポリエステルフイルム
の片面に剥離層,光反射層及び接着剤層をこの順
序に設けた積層体A,(b)積層体Aの剥離層と光反
射層との間に保護層を設けた積層体B,及び(c)積
層体Bの保護層と光反射層との間に着色層を設け
た積層体Cのいずれかの積層体からなるスタンピ
ングホイルの製造法において、基材となるポリエ
ステルフイルムが平均粒径0.05〜5μmの微細粒子
を0.01〜2.0重量%含有した未延伸ポリエステル
フイルムを105〜135℃の温度、2.6〜3.4の倍率で
第一軸方向に延伸し、次いで100〜150℃の温度、
3.0〜4.0倍の倍率で第一軸方向と直角な方向に延
伸して製造された、その表面に該微細粒子による
突起と該突起を核とした窪とからなる凹凸単位を
もちかつフイルム厚さ方向の屈折率が1.492〜
1.505の範囲のものであることを特徴とするスタ
ンピングホイルの製造法である。 本発明を説明する。 本発明におけるポリエステルとは、テレフタル
酸,イソフタル酸,ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸の如き芳香族二塩基酸成分とエチレングリ
コール,テトラメチレングリコール,ネオペンチ
ルグリコール等の如きグリコール成分との縮重合
によつて得られる重合体又は共重合体をいう。こ
れらの代表的重合体としてポリエチレン,テレフ
テレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
などのホモポリマー、これらの部分変性した共重
合体,ポリエチレンテレフタレートに〔エチレン
テレフタレート/ポリエチレングリコール〕ブロ
ツク共重合体を添加した如きポリマーブレンドが
例示できる。勿論重合体や共重合体は充填剤,顔
料着色剤,酸化防止剤,光安定剤などを添加する
こともできる。これらのものから得たフイルムは
本発明のポリエステルフイルムに含まれる。 本発明のフイルム表面に形成された突起は、ポ
リマーに添加した無酸化合物の粒子;ポリマーの
重合に際し生成した不溶性の触媒残渣に基づく粒
子;または両者の粒子の存在による。 本発明にいう突起の周りに生じた該突起を核と
した窪とは、従来のエンボス等機械的なスタンプ
による凹状のものではなく、フイルムを延伸する
工程において、フイルム自身の変形によつて生じ
たものである。 粒子を含有した未延伸フイルムを第一軸方向
(例えば幅方向)に延伸すると、粒子変形せずに
ポリマーが塑性変形するから、大変形(延伸)に
際しポリマーと粒子との境にボイドが生じる。こ
のボイドを含むフイルムを、次に第一軸延伸方向
とほぼ直角方向(機械方向)に延伸して二軸配向
フイルムにすると、第一軸延伸時に生じていたボ
イドは更に機械方向に変形されて、図1−1に示
す如く、突起21の周りにボイド22が楕円形状
に形成される。この場合は図1−2の断面図に示
す如くフイルム表面近傍の浅い部分に存在する粒
子とその周囲のボイドは粒子を核とする突起をも
たらすが、粒子周囲には窪を形成することはな
い。 本発明にいう窪とは、上記のボイドをフイルム
表面の窪に変化させたものである。未延伸フイル
ムを一軸(幅方向)延伸するに際し、延伸前のフ
イルム予備加熱を高い温度に設定するか、または
(及び)延伸倍率を低く設定することによつて第
一軸延伸を経たフイルムが粒子(無機添加物によ
る外部粒子又は触媒残渣を含む内部粒子)周辺に
ボイドが実質的に形成されないようにする。次い
でこの状態の延伸フイルムを機械方向に延伸する
とこの長手方向に沿つて粒子を核としたフイルム
の陥没部分(窪)が形成される。そして楕円状の
窪の長径は長手方向に沿つたものとなる。 第一軸延伸に際し、僅かなボイドが粒子周辺に
形成された場合でもこの粒子を核として窪が生ず
る。 二軸延伸を経たフイルム表面は図2−1(平面
図)の如き状態にあり、第二軸延伸が粒子を中心
に応力集中されるような延伸条件であれば陥没部
分は応力集中の程度に応じて深く窪み、かつ第二
軸方向に沿つて長径が大となる傾向がある。図2
−2(断面図)は表面近傍のフイルム断面を示す
ものであつて、粒子を含む突起21とその周辺に
形成された窪24とがポリエステルフイルム23
に生じる。 次に、本発明におけるポリエステルフイルムの
製膜方法を説明する。カオリン,シリカ等の平均
粒子径が0.05〜5μmの微細粒子を0.01〜2.0重量%
含有したポリエステルの溶融物をダイより押出
し、急冷して未延伸ポリエステルフイルムを得、
次いで該未延伸ポリエステルフイルムを第一軸方
向に延伸するに際し、80〜120℃に予備加熱する。
この未延伸フイルムを約90〜120℃に予備加熱す
る場合には表面がマツト加工された硬質クロム鍍
金ロールやセラミツク製のロールが好ましい。未
延伸フイルムはロール表面に粘着することなく実
質的な結晶化の起きない条件で所定の予熱温度に
達し得る。勿論非接触的に未延伸フイルムを予備
加熱することができる。未延伸フイルムは105〜
135℃の温度、2.6〜3.4倍の延伸倍率で延伸され
る。 次に第二延伸は一軸配向フイルムを一旦ガラス
転移点以下に冷却するか、又は冷却することな
く、100〜150℃の温度に予備加熱し、更にほぼ同
程度の温度下において第二軸方向に3.0〜4.0倍
(好ましくは3.2〜3.8倍)に延伸する。第二軸延
伸の温度が高い場合は凹凸単位の窪部の境界が明
瞭となるが、低温では境界が明らかとならない場
合が多い。第二軸方向の延伸倍率は凹凸単位の発
生頻度に著しい影響を及ぼすことはない。ただ第
二軸延伸倍率として3.8倍以上を選択すると、第
二軸方向の機械的強度(ヤング率)が第一軸方向
の機械的強度に比較して高くなり所謂テンシライ
ズドフイルムとなり、しかもフイルムの易滑性が
低下する傾向がある。 本発明では第一軸延伸を施す方向は、フイルム
の長手方向でも幅方向のいずれでもよい。第二軸
延伸を施す方向はフイルムの第一軸方向に直角な
方向である。但し第一軸延伸を施す前後及び二軸
延伸後において上記延伸方向と異なる方向に低倍
率で延伸することは窪の方向を乱さない範囲で差
しつかえない。 この窪の最も偏奇した長軸を長径と称するとこ
の窪の長径は少なくとも4μmとなることがフイル
ムの滑り性の改良の面から必要となる。 またこの窪の長径が50μmを超えるとフイルム
表面の品位低下を起こし結果的にスタンプの光沢
が減殺されてしまう。フイルム表面における窪の
発生頻度は長径が4〜50μmのものが5個/mm2以
上、好ましくは50個/mm2以上存在することであ
る。 表面の窪の数0.5個/mm2以下では滑り性の改良
効果が現われない。このような窪が存在し易滑性
を有するフイルムは厚み方向の屈折率が1.492以
上となることも1つの特徴である。なお、厚み方
向の屈折率が1.505を超えるとフイルムは厚みむ
らが悪化する。 本発明で用いるポリエステルフイルムは、フイ
ルム−フイルム間の静摩擦係数が0.7以下であり、
好ましくは0.6以下である。測定方法は後述する。
静摩擦係数が0.7を超えるとスタンピングホイル
加工を施す際に、塗布面がフイルムのブロツキン
グによつて損われる惧れがある。 本発明のポリエステルフイルムは、その用途か
ら光沢が要求される。そして基材フイルムとして
高い透明性が必要となる。本発明のポリエステル
フイルムは、全ヘーズが5%以下であり、特に4
%以下が好ましい。また表面ヘーズは3%以下が
必須であり、2%以下が好ましい。尚、ここでい
う全ヘーズとは、JIS K−6714の手法に従い市販
のヘーズメーターで測定した値であり、表面ヘー
ズとは屈折率ができるだけポリエステルに近く、
且つ粘性を有する液体としてセダー油を塗布し、
2枚重ね合せ、3枚重ね合せを行い、重ね合せた
時の全ヘーズを測定し、1枚ヘーズ、2枚ヘー
ズ、3枚ヘーズより外挿して0枚時のヘーズを求
めた値である。 またフイルムの光沢は80%以上であることが好
ましい。 本発明の改良点は、フイルムの滑り性を改良す
る為に添加または析出させた粒子の周囲に、ボイ
ドをつくらずあるいは極力小さく押えて、しかも
この粒子の周囲に窪を形成せしめたところにあ
る。 本発明におけるポリエステルフイルムはスタン
ピングフイルム基材に要求される光沢性及び透明
性は、ボイドがないことに起因して、極めてい
い。更にフイルム表面の突起の形状は、通常の延
伸方法で製膜したフイルムと比較して、極めて峻
しくなること、この突起形状に基因してフイルム
とフイルムとを接触させたときに、両フイルム間
における真の接触面積が小さくなり、滑り性が向
上し加工性が改良されたものである。 本発明において、ポリエステルフイルム基材の
片面に設ける剥離層、その上に設ける光反射層及
び接着層、要すれば該剥離層と光反射層との間に
設ける保護層、さらに要すれば該保護層と光反射
層との間に設ける着色層は従来からスタンピング
ホイルの製造に用いられたものであつてよく、ま
たこれらの積層手段は従来から用いられている手
段を用いることができる。 本発明における物性測定法は次の通りである。 (1) 静摩擦係数 重ね合せた2枚のフイルムの下側に固定したガ
ラス板を置き、重ね合せたフイルムの下側(ガラ
ス板と接しているフイルム)のフイルムを定速ロ
ールにて引きとり(約10〜15cm/分)上側のフイ
ルムの一端(下側フイルムの引きとり方向と逆
端)に検出端を固定し、フイルム/フイルム間の
引張力を検出する。尚、その時に用いるスレツド
は重さ1〜5Kg下側面積60〜100cm2のものを使用
する。 (2) 巻姿 1級〜5級に格付する。幅500mm、長さ2000m
のフイルムに剥離層及び保護層を設けた後、ロー
ルに巻き上げた。この巻き上げロールの外観を詳
細に検査し、瘤状の突起で長径1mm以上のものの
個数を数え、次のように格付した。 0個 1級 1〜2個 2級 3〜5個 3級 6〜10個 4級(不合格) 11個以上 5級(不合格) (3) 光沢 村上色彩技術研究所製の光沢計GM−3Mを使
用してスタンピングホイルにより印刷された面の
光沢を測定した。スタンピングホイルで印刷した
面の光沢は非常に高いので、ガラス標準板(屈折
率1.5275)の鏡面反射率を10.0に設定し、これと
比較した値で光沢を表示した。なお入射角及び反
射角は60度である。 (4) 厚み方向の屈折率 アツベの屈折計(株式会社アタゴ製)を用いて
25℃で測定されるNa−D線に対する値。 (5) 窪み(凹凸単位)の数 フイルム表面に薄くアルミニウム蒸着をしたも
のをNikon微分干渉顕微鏡装置R型を用いて写真
撮影し、その大きさをスケールで測定し窪みの長
径が4μm以上の凹凸単位の数を計数する。 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明
する。 実施例1〜3及び比較例1〜2 平均粒径0.9μmのカオリンを0.09重量パーセン
ト含有した極限粘度数0.65dl/g(オルソクロロ
フエノールを溶媒として用い25℃で測定した値)
のポリエチレンテレフタレートを160℃で乾燥し
たのち280℃で溶融押出し、50℃に保持したキヤ
ステイングドラム上に急冷固化せしめ160μmの未
延伸フイルムを得た。 引続き該未延伸フイルムを図3に示した如く4
本の加熱ローラー31,32,33及び34で予
熱したのち赤外線ヒーター38でフイルムを加熱
しながらローラー34とローラー35の間で縦方
向に一段延伸した。更に該フイルムを115℃の温
度で横方向に延伸し、次いで210℃で熱処理を施
した。なお、このときの延伸速度は55m/分であ
つた。 ここで縦延伸時の加熱ローラー31〜34での
予熱温度及び赤外ヒーター38の条件を変更しな
がら、ローラー35直前のフイルム温度を変更
し、さらに又縦延伸倍率及び横延伸倍率も変更し
て製膜し、表−1の如き結果を得た。 実施例4〜6,比較例3〜4 平均粒径1.2μmの炭酸カルシウムを0.12重量パ
ーセント含有した極限粘度0.65dl/g(オルソク
ロロフエノールを溶媒として用い35℃で測定した
値)のポリエチレンテレフタレートを実施例1〜
3,比較例1〜2と同様に製膜し、表−1のごと
き結果を得た。 【表】
る。更に詳しくは、本発明は光沢及び加工性の優
れたスタンピングホイルの製造法に係るものであ
る。 スタンピングホイルは、プラスチツク成形品,
レーザ類,本製品,雑誌,カレンダー等の紙製品
等の対象物に金属色の模様、あるいは文字などを
スタンプし、製品を豪華ならしめ、その商品価値
を高めるのに用いられる。 スタンピングホイルは基材フイルムに剥離層,
保護層,光反射層及び接着剤層を通常この順序に
積層したものである。スタンピングホイルの接着
剤層面を印刷すべき物品に重ね、基材フイルム側
から加熱した型で押圧すると、型の部分の接着剤
が熔融して接着する。そして、型とスタンピング
ホイルを物品から引離すと、型に押された部分の
みが基材フイルムと剥離して物品に押箔され印刷
される。印刷の装飾効果,美的効果等の観点か
ら、スタンピングホイルの光沢が優れていること
が望まれる。そのためには光反射層ができるだけ
平滑であることが必要であり、光反射層に多少の
凹凸は存在しても全体として平滑な面の占める割
合がきわめて多いことが望ましい。光反射層は基
材フイルム面上に剥離層や保護層を塗布した上に
設けられるが、これらの層は薄くて塗布表面に基
材フイルムの表面粗さがほぼそのままに現われ
る。従つて光反射層と平滑にするには、基材フイ
ルムの表面を平滑にするか又は基材フイルムの表
面を凹凸が多少存在しても全体として平滑な面の
占める割合がきわめて多くなるような状態とする
必要がある。 ところが基材フイルムの表面を平滑にすると、
フイルムの滑り性が低下し、スタンピングホイル
に加工する際に種々の支障が生ずる。例えば滑り
性の悪いフイルムの巻き上げロールには、フイル
ム層に瘤状の突起が生じ、その部分の塗布層が傷
ついたり割れたりしてスタンピングホイルに欠陥
を生ずることになる。 従来技術では、このような理由から、ある程度
粗面化された基材フイルムを使用し、光沢を犠性
にしたスタンピングホイルが製造されてきた。 本発明者は上述のような背景にかんがみ光沢と
加工性とが共に優れたスタンピングホイルを得る
べく鋭意研究の結果、フイルム表面に微細粒子に
よる突起と該突起を核とした窪とからなる凹凸単
位をもち厚み方向の屈折率が1.492〜1.505の範囲
のポリエステルフイルムを基材フイルムとして用
いるならば光沢を損なうことなく、優れた加工性
を付与できることを見出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、(a)ポリエステルフイルム
の片面に剥離層,光反射層及び接着剤層をこの順
序に設けた積層体A,(b)積層体Aの剥離層と光反
射層との間に保護層を設けた積層体B,及び(c)積
層体Bの保護層と光反射層との間に着色層を設け
た積層体Cのいずれかの積層体からなるスタンピ
ングホイルの製造法において、基材となるポリエ
ステルフイルムが平均粒径0.05〜5μmの微細粒子
を0.01〜2.0重量%含有した未延伸ポリエステル
フイルムを105〜135℃の温度、2.6〜3.4の倍率で
第一軸方向に延伸し、次いで100〜150℃の温度、
3.0〜4.0倍の倍率で第一軸方向と直角な方向に延
伸して製造された、その表面に該微細粒子による
突起と該突起を核とした窪とからなる凹凸単位を
もちかつフイルム厚さ方向の屈折率が1.492〜
1.505の範囲のものであることを特徴とするスタ
ンピングホイルの製造法である。 本発明を説明する。 本発明におけるポリエステルとは、テレフタル
酸,イソフタル酸,ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸の如き芳香族二塩基酸成分とエチレングリ
コール,テトラメチレングリコール,ネオペンチ
ルグリコール等の如きグリコール成分との縮重合
によつて得られる重合体又は共重合体をいう。こ
れらの代表的重合体としてポリエチレン,テレフ
テレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート
などのホモポリマー、これらの部分変性した共重
合体,ポリエチレンテレフタレートに〔エチレン
テレフタレート/ポリエチレングリコール〕ブロ
ツク共重合体を添加した如きポリマーブレンドが
例示できる。勿論重合体や共重合体は充填剤,顔
料着色剤,酸化防止剤,光安定剤などを添加する
こともできる。これらのものから得たフイルムは
本発明のポリエステルフイルムに含まれる。 本発明のフイルム表面に形成された突起は、ポ
リマーに添加した無酸化合物の粒子;ポリマーの
重合に際し生成した不溶性の触媒残渣に基づく粒
子;または両者の粒子の存在による。 本発明にいう突起の周りに生じた該突起を核と
した窪とは、従来のエンボス等機械的なスタンプ
による凹状のものではなく、フイルムを延伸する
工程において、フイルム自身の変形によつて生じ
たものである。 粒子を含有した未延伸フイルムを第一軸方向
(例えば幅方向)に延伸すると、粒子変形せずに
ポリマーが塑性変形するから、大変形(延伸)に
際しポリマーと粒子との境にボイドが生じる。こ
のボイドを含むフイルムを、次に第一軸延伸方向
とほぼ直角方向(機械方向)に延伸して二軸配向
フイルムにすると、第一軸延伸時に生じていたボ
イドは更に機械方向に変形されて、図1−1に示
す如く、突起21の周りにボイド22が楕円形状
に形成される。この場合は図1−2の断面図に示
す如くフイルム表面近傍の浅い部分に存在する粒
子とその周囲のボイドは粒子を核とする突起をも
たらすが、粒子周囲には窪を形成することはな
い。 本発明にいう窪とは、上記のボイドをフイルム
表面の窪に変化させたものである。未延伸フイル
ムを一軸(幅方向)延伸するに際し、延伸前のフ
イルム予備加熱を高い温度に設定するか、または
(及び)延伸倍率を低く設定することによつて第
一軸延伸を経たフイルムが粒子(無機添加物によ
る外部粒子又は触媒残渣を含む内部粒子)周辺に
ボイドが実質的に形成されないようにする。次い
でこの状態の延伸フイルムを機械方向に延伸する
とこの長手方向に沿つて粒子を核としたフイルム
の陥没部分(窪)が形成される。そして楕円状の
窪の長径は長手方向に沿つたものとなる。 第一軸延伸に際し、僅かなボイドが粒子周辺に
形成された場合でもこの粒子を核として窪が生ず
る。 二軸延伸を経たフイルム表面は図2−1(平面
図)の如き状態にあり、第二軸延伸が粒子を中心
に応力集中されるような延伸条件であれば陥没部
分は応力集中の程度に応じて深く窪み、かつ第二
軸方向に沿つて長径が大となる傾向がある。図2
−2(断面図)は表面近傍のフイルム断面を示す
ものであつて、粒子を含む突起21とその周辺に
形成された窪24とがポリエステルフイルム23
に生じる。 次に、本発明におけるポリエステルフイルムの
製膜方法を説明する。カオリン,シリカ等の平均
粒子径が0.05〜5μmの微細粒子を0.01〜2.0重量%
含有したポリエステルの溶融物をダイより押出
し、急冷して未延伸ポリエステルフイルムを得、
次いで該未延伸ポリエステルフイルムを第一軸方
向に延伸するに際し、80〜120℃に予備加熱する。
この未延伸フイルムを約90〜120℃に予備加熱す
る場合には表面がマツト加工された硬質クロム鍍
金ロールやセラミツク製のロールが好ましい。未
延伸フイルムはロール表面に粘着することなく実
質的な結晶化の起きない条件で所定の予熱温度に
達し得る。勿論非接触的に未延伸フイルムを予備
加熱することができる。未延伸フイルムは105〜
135℃の温度、2.6〜3.4倍の延伸倍率で延伸され
る。 次に第二延伸は一軸配向フイルムを一旦ガラス
転移点以下に冷却するか、又は冷却することな
く、100〜150℃の温度に予備加熱し、更にほぼ同
程度の温度下において第二軸方向に3.0〜4.0倍
(好ましくは3.2〜3.8倍)に延伸する。第二軸延
伸の温度が高い場合は凹凸単位の窪部の境界が明
瞭となるが、低温では境界が明らかとならない場
合が多い。第二軸方向の延伸倍率は凹凸単位の発
生頻度に著しい影響を及ぼすことはない。ただ第
二軸延伸倍率として3.8倍以上を選択すると、第
二軸方向の機械的強度(ヤング率)が第一軸方向
の機械的強度に比較して高くなり所謂テンシライ
ズドフイルムとなり、しかもフイルムの易滑性が
低下する傾向がある。 本発明では第一軸延伸を施す方向は、フイルム
の長手方向でも幅方向のいずれでもよい。第二軸
延伸を施す方向はフイルムの第一軸方向に直角な
方向である。但し第一軸延伸を施す前後及び二軸
延伸後において上記延伸方向と異なる方向に低倍
率で延伸することは窪の方向を乱さない範囲で差
しつかえない。 この窪の最も偏奇した長軸を長径と称するとこ
の窪の長径は少なくとも4μmとなることがフイル
ムの滑り性の改良の面から必要となる。 またこの窪の長径が50μmを超えるとフイルム
表面の品位低下を起こし結果的にスタンプの光沢
が減殺されてしまう。フイルム表面における窪の
発生頻度は長径が4〜50μmのものが5個/mm2以
上、好ましくは50個/mm2以上存在することであ
る。 表面の窪の数0.5個/mm2以下では滑り性の改良
効果が現われない。このような窪が存在し易滑性
を有するフイルムは厚み方向の屈折率が1.492以
上となることも1つの特徴である。なお、厚み方
向の屈折率が1.505を超えるとフイルムは厚みむ
らが悪化する。 本発明で用いるポリエステルフイルムは、フイ
ルム−フイルム間の静摩擦係数が0.7以下であり、
好ましくは0.6以下である。測定方法は後述する。
静摩擦係数が0.7を超えるとスタンピングホイル
加工を施す際に、塗布面がフイルムのブロツキン
グによつて損われる惧れがある。 本発明のポリエステルフイルムは、その用途か
ら光沢が要求される。そして基材フイルムとして
高い透明性が必要となる。本発明のポリエステル
フイルムは、全ヘーズが5%以下であり、特に4
%以下が好ましい。また表面ヘーズは3%以下が
必須であり、2%以下が好ましい。尚、ここでい
う全ヘーズとは、JIS K−6714の手法に従い市販
のヘーズメーターで測定した値であり、表面ヘー
ズとは屈折率ができるだけポリエステルに近く、
且つ粘性を有する液体としてセダー油を塗布し、
2枚重ね合せ、3枚重ね合せを行い、重ね合せた
時の全ヘーズを測定し、1枚ヘーズ、2枚ヘー
ズ、3枚ヘーズより外挿して0枚時のヘーズを求
めた値である。 またフイルムの光沢は80%以上であることが好
ましい。 本発明の改良点は、フイルムの滑り性を改良す
る為に添加または析出させた粒子の周囲に、ボイ
ドをつくらずあるいは極力小さく押えて、しかも
この粒子の周囲に窪を形成せしめたところにあ
る。 本発明におけるポリエステルフイルムはスタン
ピングフイルム基材に要求される光沢性及び透明
性は、ボイドがないことに起因して、極めてい
い。更にフイルム表面の突起の形状は、通常の延
伸方法で製膜したフイルムと比較して、極めて峻
しくなること、この突起形状に基因してフイルム
とフイルムとを接触させたときに、両フイルム間
における真の接触面積が小さくなり、滑り性が向
上し加工性が改良されたものである。 本発明において、ポリエステルフイルム基材の
片面に設ける剥離層、その上に設ける光反射層及
び接着層、要すれば該剥離層と光反射層との間に
設ける保護層、さらに要すれば該保護層と光反射
層との間に設ける着色層は従来からスタンピング
ホイルの製造に用いられたものであつてよく、ま
たこれらの積層手段は従来から用いられている手
段を用いることができる。 本発明における物性測定法は次の通りである。 (1) 静摩擦係数 重ね合せた2枚のフイルムの下側に固定したガ
ラス板を置き、重ね合せたフイルムの下側(ガラ
ス板と接しているフイルム)のフイルムを定速ロ
ールにて引きとり(約10〜15cm/分)上側のフイ
ルムの一端(下側フイルムの引きとり方向と逆
端)に検出端を固定し、フイルム/フイルム間の
引張力を検出する。尚、その時に用いるスレツド
は重さ1〜5Kg下側面積60〜100cm2のものを使用
する。 (2) 巻姿 1級〜5級に格付する。幅500mm、長さ2000m
のフイルムに剥離層及び保護層を設けた後、ロー
ルに巻き上げた。この巻き上げロールの外観を詳
細に検査し、瘤状の突起で長径1mm以上のものの
個数を数え、次のように格付した。 0個 1級 1〜2個 2級 3〜5個 3級 6〜10個 4級(不合格) 11個以上 5級(不合格) (3) 光沢 村上色彩技術研究所製の光沢計GM−3Mを使
用してスタンピングホイルにより印刷された面の
光沢を測定した。スタンピングホイルで印刷した
面の光沢は非常に高いので、ガラス標準板(屈折
率1.5275)の鏡面反射率を10.0に設定し、これと
比較した値で光沢を表示した。なお入射角及び反
射角は60度である。 (4) 厚み方向の屈折率 アツベの屈折計(株式会社アタゴ製)を用いて
25℃で測定されるNa−D線に対する値。 (5) 窪み(凹凸単位)の数 フイルム表面に薄くアルミニウム蒸着をしたも
のをNikon微分干渉顕微鏡装置R型を用いて写真
撮影し、その大きさをスケールで測定し窪みの長
径が4μm以上の凹凸単位の数を計数する。 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明
する。 実施例1〜3及び比較例1〜2 平均粒径0.9μmのカオリンを0.09重量パーセン
ト含有した極限粘度数0.65dl/g(オルソクロロ
フエノールを溶媒として用い25℃で測定した値)
のポリエチレンテレフタレートを160℃で乾燥し
たのち280℃で溶融押出し、50℃に保持したキヤ
ステイングドラム上に急冷固化せしめ160μmの未
延伸フイルムを得た。 引続き該未延伸フイルムを図3に示した如く4
本の加熱ローラー31,32,33及び34で予
熱したのち赤外線ヒーター38でフイルムを加熱
しながらローラー34とローラー35の間で縦方
向に一段延伸した。更に該フイルムを115℃の温
度で横方向に延伸し、次いで210℃で熱処理を施
した。なお、このときの延伸速度は55m/分であ
つた。 ここで縦延伸時の加熱ローラー31〜34での
予熱温度及び赤外ヒーター38の条件を変更しな
がら、ローラー35直前のフイルム温度を変更
し、さらに又縦延伸倍率及び横延伸倍率も変更し
て製膜し、表−1の如き結果を得た。 実施例4〜6,比較例3〜4 平均粒径1.2μmの炭酸カルシウムを0.12重量パ
ーセント含有した極限粘度0.65dl/g(オルソク
ロロフエノールを溶媒として用い35℃で測定した
値)のポリエチレンテレフタレートを実施例1〜
3,比較例1〜2と同様に製膜し、表−1のごと
き結果を得た。 【表】
図−1は従来法で延伸した場合に粒子の周りに
出来たボイドの状態を示し、図1−1は平面図、
図1−2は断面図である。図−2は本発明のポリ
エステルフイルムであつて、粒子を含む突起とそ
の周辺に窪が形成されたものであり、図2−1は
平面図、図2−2は断面図である。図−3は本発
明の実施例に用いた延伸機の模式図である。図−
4は従来技術によるポリエステルフイルムの表面
を示す顕微鏡写真であり、図−5は本発明のポリ
エステルフイルムの表面の顕微鏡写真である。
(いずれも拡大倍率900倍)。なお、図4は比較例
1,図5は実施例1に該当する。
出来たボイドの状態を示し、図1−1は平面図、
図1−2は断面図である。図−2は本発明のポリ
エステルフイルムであつて、粒子を含む突起とそ
の周辺に窪が形成されたものであり、図2−1は
平面図、図2−2は断面図である。図−3は本発
明の実施例に用いた延伸機の模式図である。図−
4は従来技術によるポリエステルフイルムの表面
を示す顕微鏡写真であり、図−5は本発明のポリ
エステルフイルムの表面の顕微鏡写真である。
(いずれも拡大倍率900倍)。なお、図4は比較例
1,図5は実施例1に該当する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (a) ポリエステルフイルム基材の片面に剥離
層,光反射層及び接着剤層をこの順序に設けた
積層体A, (b) 積層体Aの剥離層と光反射層との間に保護層
を設けた積層体B及び (c) 積層体Bの保護層と光反射層との間に着色層
を設けた積層体Cのいずれかの積層体 からなるスタンピングホイルの製造法において、
基材となるポリエステルフイルムが平均粒径0.05
〜5μmの微細粒子を0.01〜2.0重量%含有した未延
伸ポリエステルフイルムを105〜135℃の温度、
2.6〜3.4倍の倍率で第一軸方向に延伸し、次いで
100〜150℃の温度、3.0〜4.0倍の倍率で第一軸方
向と直角な方向に延伸して製造された、その表面
に該微細粒子による突起と該突起を核とした窪と
からなる凹凸単位をもちかつフイルム厚さ方向の
屈折率が1.492〜1.505の範囲のものであることを
特徴とするスタンピングホイルの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57063951A JPS58181683A (ja) | 1982-04-19 | 1982-04-19 | スタンピングホイルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57063951A JPS58181683A (ja) | 1982-04-19 | 1982-04-19 | スタンピングホイルの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58181683A JPS58181683A (ja) | 1983-10-24 |
| JPH0261398B2 true JPH0261398B2 (ja) | 1990-12-19 |
Family
ID=13244144
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57063951A Granted JPS58181683A (ja) | 1982-04-19 | 1982-04-19 | スタンピングホイルの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58181683A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4660906B2 (ja) * | 2000-10-03 | 2011-03-30 | 東レ株式会社 | 成形加工用二軸延伸ポリエステルフィルム |
| JP4660909B2 (ja) * | 2000-10-16 | 2011-03-30 | 東レ株式会社 | 成形用二軸延伸ポリエステルフィルム |
-
1982
- 1982-04-19 JP JP57063951A patent/JPS58181683A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58181683A (ja) | 1983-10-24 |
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