JPH0929833A - オーバヘッドプロジェクタ用フィルム - Google Patents

オーバヘッドプロジェクタ用フィルム

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JPH0929833A
JPH0929833A JP20395895A JP20395895A JPH0929833A JP H0929833 A JPH0929833 A JP H0929833A JP 20395895 A JP20395895 A JP 20395895A JP 20395895 A JP20395895 A JP 20395895A JP H0929833 A JPH0929833 A JP H0929833A
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JP
Japan
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film
less
temperature
shrinkage
overhead projector
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JP20395895A
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English (en)
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Mika Aeba
美加 饗場
Katsutoshi Miyagawa
克俊 宮川
Kenji Tsunashima
研二 綱島
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 150℃で30分の熱収縮率が0.3%
以下であり、熱機械特性試験機による昇温、降温時の伸
縮量から求めたフィルム長手方向の真の収縮量の微分曲
線において、ガラス転移点以上200℃以下の範囲で収
縮量微分値dL/dT(L:長さ、T:温度)が、常に
0.01%/℃以下であり、また、示差走査熱量計によ
る、結晶融解前に現れる微小吸熱ピークが融点以下、
(融点−30)℃以上の範囲にあり、さらに、フィルム
ヘイズが10%以下である、二軸配向されたポリエステ
ルフィルムからなることを特徴とする、オーバヘッドプ
ロジェクタ用フィルム。 【効果】 熱収縮率が小さく、耐熱軟化性、透明性、帯
電防止性に優れ、また、複写機などの通過後もカールや
部分的なたるみを生じない平面性良好な、易接着性に優
れたOHP用フィルムを得ることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸延伸(二軸配
向)されたポリエステルフィルムからなるオーバヘッド
プロジェクタ(以下、OHPと略称することもある。)
用フィルムに関する。更に詳しくは、熱収縮率が低く、
耐熱軟化性、透明性に優れ、複写機やプリンタ、印刷機
などを通過後の平面性が良好で、帯電防止性、易接着性
にも優れたOHP用フィルムに関するもので、OHP用
のシートとして利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】OHPフィルムには、熱的特性に優れ、
平面性良好なポリエステルフィルムが多く用いられてい
るが、特に、長手方向、幅方向の二軸方向に延伸をかけ
たポリエステルフィルムは、機械的特性などにも優れて
いるため、好ましく用いられている。また、特にポリエ
ステルの中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET
とも称する)やポリエチレン−2,6−ナフタレート
(PENとも称する)は、その機械的、熱的特性が優
れ、特にPETは低価格であることなどから、より好ま
しく用いられている。
【0003】ポリエステルの二軸延伸フィルムは、延伸
により分子配向をかけることで、強度などの機械的特性
を向上させているが、逆に、延伸による歪が分子鎖に残
留するため、熱をかけることによりこの分子鎖の歪が解
放され、収縮するという性質を持っており、この熱収縮
性はOHPフィルムとしては障害の一つとなっている。
そこで、二軸延伸後に、熱処理(熱固定とも呼ばれる)
を行うことで、この分子鎖の歪を解放する方法が行われ
ている。一般に、この熱処理の温度に応じて熱収縮量は
低下していくが、この熱処理だけでは完全に歪を除去す
ることはできず、熱収縮が残留し、また逆に熱処理の温
度を高くし過ぎると、分子配向が緩和し機械特性が低下
するという問題があった。
【0004】そこで、この残留する歪を除去するため
に、テンタ(幅方向延伸装置)のレール幅を先細りにな
るようにして(トウイン、リラックスなどと呼ばれ
る)、幅方向に若干収縮させるようにして、この残留歪
を完全に除去する方法が採用されている。
【0005】しかし、この方法では、幅方向の熱収縮は
除去可能であるが、長手方向(機械方向)の熱収縮を除
去することはできない。このため、長手方向の熱収縮を
除去する方法について、過去からいろいろな方法が検討
されてきた。例えば、特公平4−28218号公報に示
されるように、テンタのクリップ間隔が徐々に狭くなる
ようにすることで、長手方向にリラックス処理を行う方
法が提案されている。この方法では、機械的な問題で、
リラックスの量に上限があり、また、リラックスの量を
大きくすると、リラックス処理前のクリップの間隔が広
くなり、クリップ把持部と、非把持部の物性の差が大き
くなるという問題があり、熱収縮の低減効果が十分でな
いといった問題があった。
【0006】また、一旦フィルムを巻取った後に、ゆっ
くりと巻き出しながら、オーブンなどにより加熱処理
し、また、その際、長手方向に速度差をつけて、リラッ
クス処理を行う方法が行われている。しかしながら、こ
の方法では、フィルムが幅固定されていないので平面性
が悪化してしまうという問題がある。
【0007】さらに、特公昭60−226160号公報
などに示されるように、フィルムの製造工程中に、オー
ブンによる長手方向のリラックス処理装置を設ける方法
が提案されているが、フィルムの製造速度との兼ね合い
で、処理温度を高めると、フィルムの平面性と機械特性
が悪化するため、温度をあまり高められず、結果とし
て、特に150℃や200℃といった高温にさらされた
際の熱収縮が十分に除去されないという問題が起こり、
OHPフィルムとして十分満足のいくフィルムを得るこ
とができなかった。
【0008】OHPフィルムは、低熱収縮性であると同
時に、耐熱軟化性にも優れていないと、複写機やプリン
タ、印刷機などで使用した際に、比較的高温にさらされ
るため、平面性が悪化し、カールや部分的なたるみなど
が起きる。また、帯電防止性、透明性、易接着性に欠け
ても、使用の際に問題が起きる。例えば、帯電防止性に
欠けると塵やほこりのフィルム表面への付着や、複写機
などでのフィルム搬送時に重送が起き易くなり、透明性
に欠けるとOHPなどで透写した際に鮮明な画像が得ら
れず、また、易接着性に欠けるとフィルム表面に焼付け
たトナーが剥離し易くなるという問題が生じる。しかし
ながら、従来の方法ではこれら全ての特性を充分に兼ね
備えたOHP用フィルムが得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、二軸延伸フィルムの宿命である熱収縮を、長手方
向、幅方向について、安価に、十分に低減させ、かつ、
透明性、平面性、また、熱軟化による複写機などでの搬
送時の平面性悪化の問題を生じさせずに、帯電防止性、
易接着性、透明性にも優れたポリエステルフィルムから
なるOHP用フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を達成するため
に、本発明のOHPフィルムは、150℃で30分の熱
収縮が0.3%以下であり、熱機械特性試験機(以下、
TMAとも言う)による昇温、降温時の伸縮量から求め
たフィルム長手方向の真の収縮量の微分曲線において、
ガラス転移点(Tg)以上200℃以下の範囲で収縮量
微分値dL/dT(L:長さ、T:温度)が、常に0.
01%/℃以下であり、また、示差走査熱量計(以下、
DSCとも言う)による、結晶融解前に現れる微小吸熱
ピーク(以下、Tmetaとも言う)が融点(以下、T
mとも言う)以下、(Tm−30)℃以上の範囲にあ
り、さらに、その時のフィルムヘイズが10%以下であ
る、二軸配向されたポリエステルフィルムからなること
を特徴とするものからなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で言うポリエステルとは、ジオールとジカルボン
酸とから縮重合により得られるポリマであり、ジカルボ
ン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸
などで代表されるものであり、また、ジオールとは、エ
チレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどで
代表されるものである。具体的には例えば、ポリメチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
テトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オ
キシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートなどを用いることができる。もちろん、これらの
ポリエステルは、ホモポリマであってもコポリマであっ
てもよく、共重合成分としては、例えば、ジエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレング
リコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバチン
酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸などのジカルボン酸成分を用いることができ
る。本発明の場合、特に、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが機械的強
度、耐熱性、耐薬品性、耐久性などの観点から好まし
い。
【0012】また、これらポリエステルの中には、各種
添加剤、例えば、酸化防止剤、結晶核剤、無機粒子、有
機粒子などが添加されていてもよい。特に、無機粒子や
有機粒子は、フィルム表面に易滑性を与え、フィルムの
取扱い性を高めるために有効である。
【0013】本発明における二軸配向フィルムとは、フ
ィルムの長手方向と、長手方向と直角な方向(幅方向)
に、分子を配向させたフィルムを言う。具体的には、溶
融押出された実質的に無配向なフィルムを、長手方向に
延伸後、幅方向に延伸するもの、幅方向に延伸後、長手
方向に延伸するもの、あるいは、長手方向、幅方向同時
に延伸するもの、また、長手方向の延伸、幅方向の延伸
を複数回組み合わせて行うものであってもよい。
【0014】本発明においては、フィルム長手方向、幅
方向の150℃で30分の熱収縮率が0.3%以下であ
ることが必要であり、好ましくは0.1%以下である。
0.3%を越えると、複写機やプリンタ、印刷機などの
機械において、高速化のためにかなりの熱がかかる場合
があり、そのために、使用中にフィルムが収縮し、カー
ルや部分的なたるみなどの平面性悪化を招くなどの不具
合が生じる。そのため、150℃といった高温での熱収
縮率が小さい必要がある。
【0015】本発明においては、TMAによる昇温、降
温時の伸縮量から求めたフィルム長手方向の真の収縮量
の微分曲線において、該ポリエステルのTg以上200
℃以下の範囲で、収縮量微分値dL/dTが、常に0.
01%/℃以下である必要がある。TMAとは、電気炉
の中にセットしたフィルムに無荷重あるいは一定の荷重
をかけておいて、炉の温度を一定速度で昇温、あるいは
降温しながら長さの変化を測定する装置で、温度変化に
伴うフィルムの伸縮量が測定できるものである。
【0016】ここで、一般に、二軸配向フィルムの長手
方向についてTMAにより伸縮量測定した場合の挙動を
説明する。室温より一定速度で昇温していくと、ポリマ
の熱膨張により、フィルムが伸長する。この熱膨張は可
逆的な挙動であり、温度が下がれば元の長さに戻ってい
く。昇温を続けると、ポリマのガラス転移点近傍から、
熱膨張に加えて、延伸による歪が解放されるため、フィ
ルムが収縮を始める。この収縮は、一旦収縮すると元に
戻らない不可逆変化である。ここで実際に測定されてい
るのは、この熱収縮から熱膨張を引いた値である。次
に、ある温度まで昇温してから、一定速度で降温する
と、可逆的な熱膨張分が元の長さに戻るための収縮が起
こる。これら一連の挙動を図1に示す。
【0017】ここで、本発明者らは、二軸配向ポリエス
テルフィルムの低熱収縮化を図るにあたって、上述の可
逆的な伸縮挙動と不可逆的な収縮挙動を分離する必要が
あると気づき、以下のような処理を行った。すなわち、
上述の昇温時の測定曲線は、可逆伸縮と不可逆収縮が合
わせられたものであり、降温時の測定曲線は可逆伸縮の
みが表現されている。そこで、TMAからの測定出力
を、ADコンバータを介してデジタル値に変換してコン
ピュータに取り込み、数値化した。ここで、図2に示す
ように、昇温曲線と、降温曲線の室温における長さを、
それぞれ0として、表現し直してから、昇温曲線から降
温曲線の値を差し引く処理を行った。この処理により、
可逆的な伸縮分が消去され、不可逆収縮のみを表した曲
線(Lとする)を得ることができる。この曲線を、真の
収縮量の曲線と呼ぶことにする。次に、この曲線を、ダ
グラス・アバキアン法により(例えば、平田、須田、竹
本著、「パソコンによる数値計算」、株式会社朝倉書店
発行、第34頁に記載)、温度Tで数値微分して、真の
収縮量の微分曲線(dL/dT)を得た。この微分曲線
により、どの温度でどれだけの収縮が生じているかを調
べることができる。すなわち、横軸(温度軸)と微分曲
線で囲まれた部分の面積が不可逆的な伸縮量になってい
る。なお、これらの処理の詳細な方法は、後述する。
【0018】本発明者らは、フィルムの伸縮量をTMA
にて測定し、上述の処理を行うことにより、フィルムの
不可逆的な収縮挙動を解析し、二軸配向フィルムの低熱
収縮化には、フィルム長手方向について、上述の真の収
縮量の微分曲線において、該ポリエステルのTg以上2
00℃以下の範囲で収縮量微分値dL/dTが、常に
0.01%/℃以下であることが必要であることを見い
だした。すなわち、通常の方法で製造されたフィルム
は、図3に示すように、Tgから150℃の間に一つ目
のdL/dTのピークを有し、また、150℃以上の領
域に二つ目のピークを有している。これらは共に0.0
1%/℃を越えるような大きなピークであり、熱収縮を
増大させている。本発明者らは、鋭意検討してTgから
200℃までの範囲でdL/dTを0.01%/℃以下
にする方法を見いだし、このような条件を満たすフィル
ムは熱収縮を非常に低く抑えることができることを見い
だした。
【0019】また、本発明においては、DSCによるT
metaがTm以下、(Tm−30)℃以上の範囲にあ
ることが必要であり、好ましくはTm以下、(Tm−4
0)℃以上である。このTmetaは、フィルムの熱処
理温度に相当する温度における微小ピークとして観測さ
れ、熱処理によって形成された結晶構造のうち、不完全
な部分が融解するために生じるものである。前述したよ
うに、150℃以上の領域の不可逆収縮は、延伸による
歪みが残留していることにより生じており、この歪みを
完全に除去するためには、フィルムの結晶構造が一部融
解するするような温度で熱処理することが好ましいこと
を本発明者らは見出した。そのためにはTmetaがT
m以下、(Tm−30)℃以上の範囲に観測されること
が好ましい。
【0020】なお、フィルムの配向状態によってTme
taが小さくなり過ぎて観測できない場合もあるが、こ
のような場合にはTmをTmetaの温度とした。
【0021】さらに、本発明においては、フィルムヘイ
ズが10%以下であることが必要であり、好ましくは、
ヘイズが5%以下である。上述したような範囲にTme
taがあると、通常、ヘイズは高くなるが、本発明者ら
はヘイズが熱処理前の分子の配向状態に依存しているこ
とを見出し、熱処理前の分子配向が10%以下のヘイズ
になるような状態になっている必要があることを見出し
た。また、ヘイズが10%を越えると、OHPなどで透
写した際に画像がぼやけて不鮮明になるため好ましくな
い。
【0022】また、本発明においては、フィルムの広角
X線回析による(100)面結晶サイズが60オングス
トローム以上、80オングストローム以下であり、面配
向係数が0.1以下であることが好ましい。さらに好ま
しくは、結晶サイズが65オングストローム以上、75
オングストローム以下、面配向係数が0.07以下であ
る。結晶サイズが60オングストローム未満では結晶化
度不足により、また、面配向係数が0.1を超えるフィ
ルムは分子配向が弱いため、150℃で30分の熱収縮
率が0.3%以下のフィルムが得にくくなり、複写機な
どでの搬送後にカールし易くするなるという問題が生じ
る。また、結晶サイズが80オングストロームを超える
フィルムを得るには長時間の熱処理が必要であり、熱処
理温度もかなり高くしなければならないため、実質上、
このような結晶サイズのフィルムを得るのは不可能であ
る。
【0023】本発明においては、TMAでのピン慣入温
度が115℃以上で、慣入距離がフィルム厚さの8%以
下であることが好ましい。さらに好ましくは、ピン慣入
開始温度が125℃以上で、慣入距離がフィルム厚さの
5%以下である。これらを外れると、複写機などでの搬
送時に機内が高温になるため、熱軟化によるフィルムの
変形が起こり、平面性悪化を招くなどの問題が生じ易く
なる。特に、最近は複写機やプリンタ、印刷機などでの
搬送が高速化しているため、かなりの熱、圧力がかか
り、使用時に、熱収縮と熱や圧力による変形により平面
性が悪化することを見い出し、そのため、優れた耐熱軟
化性を両立していることが好ましいことを見い出した。
【0024】また、本発明においては、印加電圧100
Vでの20℃、60%RHにおける表面抵抗が1×10
11Ω/□以下であることが好ましい。ポリエステルは疎
水性であるため摩擦などによって極めて容易に帯電す
る。特に、表面抵抗が1×1011Ω/□を越えると、複
写機などによるフィルム搬送時に重送したり、フィルム
表面に塵やほこりなどが付着し易くなり、OHPなどで
透写した際に、その塵やほこりが影となって画像に写っ
てしまうため好ましくない。表面抵抗が小さいフィルム
を得るために、透明性、機械特性を阻害しない程度に帯
電防止剤を添加してもよい。帯電防止剤としては、四級
アンモニウム塩類、アミン類、イミダゾリン類、アミン
酸化エチレン付加体類、ポリアルキレングリコール類、
ソルビタンエステル類などを用いることができる。その
中でも例えばポルアルキレングリコールの場合、分子量
が約600〜20000が好ましく、そのようなものと
して、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレング
リコールポリプロピレングリコール共重合などを用いる
ことができる。これらを添加する場合には、0重量%
超、15重量%以内の添加量とするのがよい。また、後
述するように、フィルム表面に帯電防止性の樹脂をコー
ティングすることも好ましい。
【0025】本発明において、トナー剥離試験におけ
る、トナー剥離率が10%以下であることが好ましく、
さらに好ましくは5%以下である。トナー剥離率が10
%を越えると、複写機などによる搬送時に、機内の部品
などとの接触によりフィルムに焼き付けられたトナーが
剥離したり、また、搬送後、他の物との接触により焼き
付けられたトナーが剥離するなどの問題が生じ易くな
る。
【0026】そこで、トナーなどに対する接着性が良い
フィルムを得るためには、共押出により易接着性ポリエ
ステルをフィルムの両面に積層したり、易接着性の樹脂
をフィルム表面にコーティングすることが好ましい。易
接着性ポリエステルとしては、ジカルボン酸とジオール
成分からの縮重合によって得られるエステル基を含むポ
リマー、例えば、ジカルボン酸としてはイソフタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などがあり、ジオー
ルとしてはエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ポリエチレングリコールなどがある。また、2種以
上のジカルボン酸やジオールからの共重合体やさらに他
のモノマーやポリマーを共重合させたものでもよい。
【0027】また、易接着性の樹脂としては、水溶性あ
るいは水分散性の樹脂としてポリウレタン、ポリエステ
ル、アクリル樹脂を使用することが、接着性だけでな
く、透明性の点からも好適である。例えば、ポリウレタ
ンとしては、ポリウレタンがカルボン酸基、スルホン酸
基、硫酸半エステル塩基の少なくとも一種類を有するも
の、中でもアンモニウム塩となったものを用いることが
できる。また、ポリエステルの具体例としては、5−5
−スルホソジウムイソフタリックアシドを0.5〜20
モル%共重合したポリエステルやポリエチレングリコー
ル、又はエチレンオキシド、プロピレンオキシドを1〜
30モル%共重合したものを用いることができる。中で
も、酸性分としてテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン
酸の少なくとも1種を、またアルコール成分としてエチ
レングリコールあるいはヘキシレングリコール、1,4
−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、テトラメチレングリコール、ポリエチレ
ングリコールの少なくとも1種を持ち、5重量%希釈時
の水溶性分や水分散液の粘度が3〜6cpsなるポリエ
ステルを使用した場合は、接着性にのみならず帯電防止
性にも優れたフィルムを得ることができる。また、アク
リル樹脂としては、アルキルアクリレートあるいはアル
キルメタクリレートを主成分とするものを用いることが
できる。
【0028】次に本発明フィルムの製造法について説明
するが、かかる例に限定されるものではない。ポリエス
テルとして、ポリエチレンテレフタレートを用いた例を
示すが、樹脂により、乾燥条件、押出条件、延伸温度な
どの条件は異なる。常法に従って、テレフタル酸とエチ
レングリコールからエステル化し、または、テレフタル
酸ジメチルとエチレングリコールのエステル交換によ
り、ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート(BH
T)を得た。次にこのBHTを重合槽に移行し、撹拌し
ながら、真空下で280℃に加熱して重合反応を進め
た。ここで、撹拌のトルクを検出して、所定のトルクに
なったところで反応を終了した。この際、フィルムの表
面抵抗を低下させるために帯電防止剤を添加させてもよ
い。
【0029】前記にて重合したポリエチレンテレフタレ
ートのペレットを、180℃で5時間真空乾燥した後、
270〜300℃の温度に加熱された押出機Aに供給
し、Tダイよりシート状に押し出す。また、易接着性を
付与するために、乾燥、別途重合した後、易接着性の共
重合ポリエステルを押出機Bに供給してTダイ3層口金
で押出機B層のポリマーが両表層になったB/A/Bの
3層構造に積層してもシート状に形成することができ
る。この際、B層に帯電防止剤を添加しておいてもよ
い。
【0030】上記のようにして溶融されたシートを、表
面温度25℃に冷却されたドラム上に静電気力により密
着させて固化し、実質的に非晶状態の成形フィルムを得
る。このフィルムを、80〜120℃の加熱ロール群で
加熱し、長手方向に3〜6倍、一段もしくは多段階で縦
延伸し、20〜50℃のロール群で冷却する。次にテン
タへ導いて、該フィルムの両端をクリップで把持しなが
ら、80〜140℃に加熱された熱風雰囲気中で予熱
し、幅方向に3〜6倍に横延伸する。上記の長手方向、
幅方向に延伸する際、分子配向が10%以下のヘイズに
なるような状態にするために、厚み方向の屈折率が1.
5以上になるように倍率を調整しながら延伸を行う。こ
こで、コーティング剤により帯電防止性、易接着性のフ
ィルムを得る場合には、縦延伸ロール群で延伸後、冷却
して得られる一軸延伸フィルム上に、所定の樹脂を水に
分散させた塗剤を含有した塗布層を設けた後、テンタへ
導き、該フィルムの両端をクリップで把持しながら、上
記予熱温度を高めにするか、もしくは予熱ゾーンを増や
すなどし、充分予熱工程で脱水してから幅方向に延伸す
る。
【0031】ここで、本発明におけるフィルムを得るた
めには、フィルムの長手方向について、まず、150℃
以上におけるdL/dTのピークを抑える必要があり、
そのための一つの方法として、熱処理の温度をポリエス
テルの融点近くまで高める方法がある。すなわち、こう
して二軸延伸されたフィルムを、低熱収縮性、平面性、
耐熱軟化性を付与するために熱処理を行なうが、ポリエ
チレンテレフタレートの場合には、(Tm−30)℃〜
Tmに設定し、急速昇温、短時間熱処理を行うことで、
上述のような特性を得ることができる。また、このよう
な熱処理温度にすることで、フィルムの結晶化度が高ま
り、(100)面結晶サイズが大きく、分子配向の乱れ
が小さい、面配向性の良好なフィルムを得ることができ
る。しかしながら、このような熱処理温度にするだけで
は、ガラス転移点から150℃の範囲におけるdL/d
Tを下げることが不可能である。すなわち、このような
高温から冷却することにより、高温時の熱膨張分が可逆
的に収縮するため、歪が蓄積され、ガラス転移点から1
50℃といった範囲にdL/dTのピークが発現してく
るものである。そこで、このピークを抑えるために、テ
ンタの熱処理から冷却する工程において、この冷却に伴
う可逆収縮分を吸収するような長手方向のリラックスを
かけることが好ましい。しかし、熱処理温度からすぐに
リラックス処理を行うと分子配向の緩和が大きくなるた
め、耐熱軟化性の良好なフィルムが得られなくなる。そ
こで、分子配向緩和を制御し、耐熱軟化性の良好なフィ
ルムを得るために、熱処理後、約200℃まで緊張下で
冷却した後にリラックス処理を施すことがさらに好まし
い。このリラックス処理としては、各種の方法が考えら
れるが、特に平面性を維持するためには、フィルムをテ
ンタのクリップで把持しながらクリップの間隔を縮めて
いく方法がより好ましい。また、必要に応じてテンタの
レール幅を狭める、幅方向のリラックス処理を行い、室
温まで徐冷して巻き取ることで、本発明のフィルムを得
ることができる。
【0032】このように帯電防止性、易接着性の樹脂を
コーティング剤として用いたり、帯電防止剤の添加や、
易接着性のポリエステルによる積層フィルムを成形する
ことで優れた帯電防止性、易接着性を得ることができ、
またリラックス処理を行うことで、フィルムの分子配向
の乱れを制御することができ、低熱収縮性と平面性、耐
熱軟化性、透明性に優れたフィルムを得られ、OHPフ
ィルムとして優れたフィルムを得ることが可能となっ
た。
【0033】[物性値の評価法] (1)Tg、Tmeta、Tm サンプルをアルミのパンに約5mg採取し、セイコー電
子工業株式会社製ロボットDSC:RDC220に、デ
ータ解析部:SSC5200Hを用いて、昇温速度20
℃/分で300℃まで加熱していく過程でTmeta、
Tmを測定した。引き続き300℃で5分間保持した
後、液体窒素で急冷し、昇温速度20℃/分でTgを測
定した。融解のピークに付随する、Tmetaが観測し
にくい場合は、データ解析部にてピーク付近を拡大し
て、ピークを読みとった。また、Tmetaが小さくな
り過ぎて観測できない場合はTmをTmetaとした。
【0034】(2)TMAによる真の収縮量の微分曲線 サンプルを幅2mmにサンプリングし、試長15mmに
なるように、真空理工株式会社製TMA:TM−300
0および、加熱制御部:TA−1500にセットした。
ここで、伸縮量の出力を記録計に描かせるとともに、カ
ノープス電子株式会社製ADコンバータ:ADX−98
Eを介して、日本電気株式会社製パーソナルコンピュー
タ:PC−9801にデータを取込むように設置した。
ここで、荷重を1gかけ、室温から昇温速度10℃/分
でTMAを昇温し、200℃まで昇温した後、10℃/
分で室温まで降温した。この際の昇、降温時の伸縮量
を、1℃ごとにパーソナルコンピュータに取り込み、こ
のデータを、ロータス株式会社製表計算ソフト:ロータ
ス1−2−3に取り込んだ。このデータを表計算ソフト
上で、昇温時のデータ、および、降温時のデータそれぞ
れを、30℃における伸縮量の値を0%として、各温度
における値を、30℃からの伸びあるいは縮み量(試長
15mmで割って100を掛けて、%表示とする)に変
換する。このときの昇温時の伸縮量をLu(%)、降温
時の伸縮量をLd(%)として、L=Lu−Ld(%)
を各温度で計算して、Lを真の収縮量とした。次に、こ
のLを温度Tによって、表計算ソフト上で数値微分し
た。数値微分の方法は、ダグラス・アバキアン法により
(例えば、平田、須田、竹本著、「パソコンによる数値
計算」、株式会社朝倉書店発行、第34頁に記載)、行
った。なお、Lにおいて、ノイズなどによる細かな変動
が大きい場合には、5℃づつの移動平均を取り、スムー
ジングしてから微分処理を行った。移動平均とは、例え
ば、T1 におけるLの値を、(T1 −2)〜(T1 +
2)℃までの5点のLの平均値で表す方法である。
【0035】(3)熱収縮率 サンプルを幅10mm、長さ約250mmにサンプリン
グし、約200mmの間隔で点を打ち、間隔を定規によ
り正確に測定し、L0 (mm)とする。このサンプル
を、150℃に加熱されたオーブン中で30分間処理
し、室温で放冷してから、再び、点の間隔を定規で正確
に測定して、L(mm)とする。ここで、熱収縮率=
[(L0 −L)/L0 ]×100(%)とし、2サンプ
ルの平均値を採用した。
【0036】(4)結晶サイズ フィルムを約50μm以上の厚さに積層し、X線回折用
資料とし、理学電機(株)製のX線回折装置の試料ホル
ダーに設置し、フィルム幅方向とX線の入射角を変えな
がら反射法で回折ピークを観測したとき、2θが約26
°の回折ピークから同ピークの回折結晶(100)面方
向の結晶サイズD(オングストローム)をシェラーの式
に従って算出した。 D=λ/(B−b)COS θ ここで、B:回折ピーク半価幅、b=0.12 λ:CuのKa線波長(1.5418オンク゛ストローム) θ:ピーク回折角度
【0037】(5)面配向係数 結晶サイズの測定と同じように、フィルムを約50μm
以上の厚さに積層したものをX線回折用試料とし、理学
電機(株)製のX線回折装置の試料ホルダーに設置し、
フィルムの幅方向とX線の入射角を変えながら反射法で
回折ピークを観測したとき、PETの結晶の(10
0)、下記数2の回折角2θに相当する26°、22.
5°での回折強度をそれぞれI1 、II2 とし、それら
の比(II2/I1 )で面配向係数を算出した。
【0038】
【数2】
【0039】(6)平面性 富士ゼロックス株式会社製複写機「Vivace50
0」において、A4サイズにカットした厚み約100μ
mのフィルムの複写機通過前と通過後の平面性を、台の
上に広げて目視で以下のように判定した。 ○:湾曲部分が見られないもの △:湾曲部分が3箇所以下であるもの ×:湾曲部分が3箇所を越えるもの
【0040】(7)透明性 日本精密光学株式会社製ヘイズメーター「SEP−H
2」を用いて、ASTM−D1003−52に従い、入
射光量、全光線透過量、装置による散乱光量、装置と試
験片による散乱光量を測定し、それらから全光線透過率
(%)、散乱光透過率(%)、フィルムヘイズ(%)を
以下の式に従い算出した。 T1 :入射光量 T2 :全光線透過量 T3 :装置による散乱光量 T4 :装置試験片による散乱光量 Tt :全光線透過率(%) Td :散乱光透過率(%)
【0041】
【数3】
【0042】なお、T3 (T2 /T1 )は試験装置によ
る拡散(試験片による分ではなく)に対する補正であ
る。
【0043】(8)熱軟化試験 真空理工株式会社製TMA:TM−3000およびTA
−1500を用いて、図4に示すようにサポート管1の
上に、8mmφ、高さ5mmの石英円筒台座2を置き、
その上に、約5×5mmのサンプル3を置き、0.8m
mφの金属ピン4を検出棒5にセットし、荷重Pとして
10gを負荷した状態で、昇温速度5℃/分で200℃
まで昇温して熱寸法変化曲線を求め、図5に示すよう
に、金属ピンとフィルム厚さ方向の熱膨張を含む直線部
分に接線を引き、この接線より慣入(縮み)側へ外れる
温度をピン慣入(軟化)開始温度とし、延長線から熱寸
法曲線が最も大きく外れる寸法差をフィルム厚さで除し
た値を慣入距離とした。また、ピン慣入が観測されない
ものは軟化温度を200℃以上とした。
【0044】(9)帯電防止性 超絶縁抵抗計MODEL−VE40(川口電機工業株式
会社製)にて印加電圧100Vでの20℃、60%RH
における表面抵抗を測定した。
【0045】(10)易接着性 A4サイズにカットした厚み約100μmのフィルムを
富士ゼロックス株式会社製複写機「Vivace50
0」により、黒ベタのトナー焼付けを行った後、その面
にセロハンテープ「CT−24」(ニチバン株式会社
製)を貼り付け、ハンドローラーを用いて約5kgの荷
重をかけ、10回往復して圧着させ、セロハンテープを
手で90°方向に引き剥がし、イメージアナライザー
(株式会社ピアス製、「PIASIV/HDTV」)に
より、剥離された部分と剥離されなかった部分の剥離面
積より、トナー剥離率を算出した。
【0046】(11)厚み方向の屈折率 株式会社アタゴ製のアッベ屈折率計4型を用い、接眼レ
ンズ部に偏光板を挿入して、屈折率のプリズムにヨウ化
メチレンを中間液として1滴垂らして、サンプルを乗
せ、その上に、さらにヨウ化メチレンを垂らして、屈折
率1.70の測定用プリズムを乗せて、サンプルの表裏
両面において、長手方向、及び幅方向から測定を行い、
それぞれの方向から測定された厚み方向の屈折率の平均
値を採用した。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1 極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(T
g:69℃)のペレットを180℃で5時間真空乾燥し
た後に、270〜300℃に加熱された押出機に供給
し、Tダイにてシート状に成形した。さらにこのフィル
ムを表面温度25℃の冷却ドラム上に静電気力で密着さ
せて固化し、未延伸フィルムを得た。
【0048】該未延伸フィルムを、80〜100℃の加
熱ロール群で加熱し、長手方向(MD)に3.3倍、一
段階で縦延伸し、20〜50℃のロール群で冷却し、空
気中で延伸フィルムの表面を放電処理し、次に示す水系
コーティング剤を塗布した。
【0049】アクリル系重合体(A):メチルメタクリ
レート/エチルアクリレート(50/50)モル%に官
能基としてカルボキシル基、メチロール基を各2.5重
量部導入したアクリル系重合体(平均分子量50万)を
用いた。 スルホン化ポリスチレン及び/又はその塩(B):SO
2 O- X+ 基のX+ イオンとしてH+ を有し、分子量約
7万のスルホン化ポリスチレンを用いた。(A)/
(B)の重量比率を80/20とし、水で6重量%に希
釈したものをコーティング剤とした。
【0050】コーティング剤を二軸延伸後の厚みが0.
07μmになるようにグラビアコーターで塗布し、11
0℃に加熱された熱風雰囲気中で充分に乾燥させ、幅方
向に3.5倍に横延伸した。
【0051】こうして二軸延伸されたフィルムを引続き
テンタ中で、250℃の熱処理を行い、一旦200℃ま
で緊張下で冷却し、200〜110℃の徐冷区間でテン
タのレール幅を縮めて幅方向(TD)に5%、また、テ
ンタのクリップ間隔を縮めて長手方向に2%リラックス
処理を施した後テンタから取り出し、フィルムの両端部
のエッジ部分をトリミングして巻り取り、厚み100μ
mの二軸延伸フィルムを得た。
【0052】得られたフィルムの長手方向の真の収縮量
の微分曲線は、図6の特性線6に示す通りであり、物性
は表1、表2に示す通りである。ガラス転移点から20
0℃までの範囲で、収縮のピークが見られず、熱収縮率
も小さいフィルムが得られた。また、透明性、帯電防止
性、平面性に優れ、軟化開始温度、ピン慣入が観測され
ない耐熱軟化性のフィルムが得られた。このフィルムを
A4版に切り、富士ゼロックス株式会社製複写機Viv
ace500に通したところ、カールや部分的なたるみ
などの見られない、平面性の良い状態で排出され、易接
着性にも優れていた。
【0053】実施例2 実施例1と同様にして、縦延伸、コーティング、横延伸
を施した二軸延伸フィルムを、引続きテンタ中で、24
0℃の熱処理を行った後、240〜110℃の徐冷区間
でテンタのレール幅を縮めて幅方向に5%、また、テン
タのクリップ間隔を縮めて長手方向に2%リラックス処
理を施した後テンタから取り出し、フィルムの両端部の
エッジ部分をトリミングして巻き取り、厚み100μm
の二軸延伸フィルムを得た。
【0054】得られたフィルムの長手方向の真の収縮量
の微分曲線は、図6の特性線7に示す通りであり、物性
は表1、表2に示す通りである。ガラス転移点から20
0℃までの範囲で、実施例1と比較すると、200℃近
傍にピークが見られるが、まだ充分に小さいピークであ
った。また、熱収縮率も小さいフィルムが得られたが、
リラックス開始温度が高いため、分子配向の乱れが大き
くなり、軟化開始温度の低下とピン慣入の増加が少し観
測されたが、透明性、帯電防止性に優れ、平面性良好な
フィルムが得られた。このフィルムをA4版に切り、富
士ゼロックス株式会社製複写機Vivace500に通
したところ、カールや部分的なたるみなどの見られな
い、平面性の良い状態で排出され、易接着性にも優れて
いた。
【0055】比較例1 実施例1と同様にして、縦延伸、コーティング、横延伸
を施したフィルムを、引続きテンタ中で、230℃の熱
処理を行った後、一旦200℃まで緊張下で冷却し、2
00〜110℃の徐冷区間でテンタのレール幅を縮めて
幅方向に5%、また、テンタのクリップ間隔を縮めて長
手方向に2%リラックス処理を施した後テンタから取り
出し、フィルムの両端部のエッジ部分をトリミングして
巻り取り、厚み100μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0056】得られたフィルムの機械方向の真の収縮量
の微分曲線は、図6の特性線8に示す通りであり、物性
は表1、表2に示す通りである。透明性、帯電防止性に
優れ、また、ガラス転移点から200℃までの範囲で、
100〜140℃までは、特にピークは認められない
が、170℃以上に大きなピークが見られる。また、軟
化開始温度の低下とピン慣入の増加が観測され、熱収縮
率もまだ大きい。平面性は比較的良好な状態で採取でき
た。このフィルムをA4版に切り、富士ゼロックス株式
会社製複写機Vivace500に通したところ、カー
ルが大きく、面内に部分的なたるみが発生したが、易接
着性には優れていた。
【0057】実施例3 実施例1と同様にして、縦延伸を行い、コーティングは
施さずに95℃の熱風雰囲気中で横延伸を施した二軸延
伸フィルムを引続きテンタ中で、250℃の熱処理を行
い、一旦200℃まで緊張下で冷却し、200〜110
℃の徐冷区間でテンタのレール幅を縮めて幅方向に5
%、また、テンタのクリップ間隔を縮めて長手方向に2
%リラックス処理を施した後テンタから取り出し、フィ
ルムの両端部のエッジ部分をトリミングして巻き取り、
厚み100μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0058】得られたフィルムの長手方向の真の収縮量
の微分曲線は、図7の特性線9に示す通りであり、物性
は表1、表2に示す通りである。ガラス転移点から20
0℃までの範囲で、収縮のピークが見られず、熱収縮率
も小さいフィルムが得られた。また、透明性、平面性に
優れ、軟化開始温度、ピン慣入が観測されない耐熱軟化
性のフィルムが得られたが、実施例1と比較し、帯電防
止性が悪化したフィルムとなった。このフィルムをA4
版に切り、富士ゼロックス株式会社製複写機Vivac
e500に通したところ、カールや部分的なたるみなど
の見られない、平面性の良い状態で排出されたが、接着
性は低下した。
【0059】実施例4 実施例1と同様にして縦延伸、コーティング、横延伸を
施した二軸延伸フィルムを、引続きテンタ中で、240
℃の熱処理を行った後、一旦200℃まで緊張下で冷却
し、200〜110℃の徐冷区間でテンタのレール幅を
縮めて幅方向に6%、また、テンタのクリップ間隔を縮
めて長手方向に3%リラックス処理を施した後テンタか
ら取り出し、フィルムの両端部のエッジ部分をトリミン
グして巻き取り、厚み100μmの二軸延伸フィルムを
得た。
【0060】得られたフィルムの長手方向の真の収縮量
の微分曲線は、図7の特性線10に示す通りであり、物
性は表1、表2の通りである。ガラス転移点から200
℃までの範囲で、収縮のピークは見られず、熱収縮率も
小さく、透明性、帯電防止性に優れ、比較的平面性の良
いフィルムが得られたが、実施例1と比較し、軟化開始
温度の低下とピン慣入の増加が観測された。このフィル
ムをA4版に切り、富士ゼロックス株式会社製複写機V
ivace500に通したところ、カールや部分的なた
るみが若干発生したが易接着性には優れていた。
【0061】比較例2 実施例1と同様にして、縦延伸、コーティング、横延伸
を施したフィルムを、引続きテンタ中で、240℃の熱
処理を行った後、一旦200℃まで緊張下で冷却し、2
00〜110℃の徐冷区間でテンタのレール幅を縮めて
幅方向に5%リラックス処理を施し、長手方向にはリラ
ックス処理を施さずに、テンタから取り出し、フィルム
の両端部のエッジ部分をトリミングして巻き取り、厚み
100μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0062】得られたフィルムの長手方向の真の収縮量
の微分曲線は、図7の特性線11に示す通りであり、物
性は表1、表2に示す通りである。透明性、帯電防止性
に優れ、ガラス転移点から200℃までの範囲で、16
0℃以上には、特にピークは認められないが、実施例1
と比較し、100〜140℃付近に大きなピークが見ら
れる。また、熱収縮率が大きく、軟化開始温度の低下と
ピン慣入の増加が少し観測されたが、平面性は良好な状
態で採取できた。このフィルムをA4版に切り、富士ゼ
ロックス株式会社製複写機Vivace500に通した
ところ、カールが大きく、面内に部分的なたるみが発生
したが、易接着性には優れていた。
【0063】比較例3 実施例1と同様にして縦延伸、コーティング、横延伸を
施した二軸延伸フィルムを、引続きテンタ中で、250
℃の熱処理を行い、熱処理後の幅方向、長手方向のリラ
ックス処理を施さずに、110℃までの徐冷した後、テ
ンタから取り出し、フィルムの両端部のエッジ部分をト
リミングして巻き取り、厚み100μmの二軸延伸フィ
ルムを得た。
【0064】得られたフィルムの長手方向の真の収縮量
の微分曲線は、図8の特性線12に示す通りであり、物
性は表1、表2に示す通りである。透明性、帯電防止性
に優れ、熱軟化開始温度、ピン慣入が観測されず、ガラ
ス転移点から200℃までの範囲で、160℃以上に
は、特にピークは認められないが、100〜140℃付
近に大きなピークが見られた。また、熱収縮率は大きい
が、平面性は良好な状態で採取できた。このフィルムを
A4版に切り、富士ゼロックス株式会社製複写機Viv
ace500に通したところ、カールが大きく、中には
機械中で紙詰まりしてしまうものもあった。
【0065】比較例4 実施例1と同様にして、縦延伸倍率を2.5倍に変更
し、コーティングを施さずに、95℃の熱風雰囲気中で
横延伸倍率を2.5倍に変更して得た二軸延伸フィルム
を、引続きテンタ中で、250℃の熱処理を行った後、
一旦200℃まで緊張下で冷却し、200〜110℃の
徐冷区間でテンタのレール幅を縮めて幅方向に5%、ま
た、テンタのクリップ間隔を縮めて長手方向に2%リラ
ックス処理を施した後テンタから取り出し、フィルムの
両端部のエッジ部分をトリミングして巻き取り、厚み1
00μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0066】得られたフィルムの長手方向の真の収縮量
の微分曲線は、図8の特性線13に示す通りであり、物
性は表1、表2に示す通りである。ガラス転移点から2
00℃までの範囲で、収縮のピークが見られず、また、
熱収縮率が小さく、帯電防止性に優れたフィルムが得ら
れたが、実施例1と比較し、分子配向が弱いため、軟化
開始温度が低く、ピン慣入の増加が観測され、熱処理に
よりヘイズが悪化し、透明性、平面性の悪化が見られ
た。このフィルムをA4版に切り、富士ゼロックス株式
会社製複写機Vivace500に通したところ、カー
ルや部分的なたるみが発生し、接着性も低下した。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明のOHP用フィルムにより、熱収
縮率が小さく、耐熱軟化性、透明性、帯電防止性に優
れ、また、複写機などの通過後もカールや部分的なたる
みを生じない平面性良好な、易接着性に優れたOHP用
フィルムを得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TMAにおける、熱膨張、熱収縮の挙動を示し
た図である。
【図2】TMAの測定曲線から、真の収縮量の微分曲線
を求める処理を示した図である。
【図3】通常の方法にて製造された二軸延伸フィルムを
TMAにて測定し、真の収縮量の微分曲線に変換した図
である。
【図4】熱機械特性試験機を用いて熱軟化性を測定する
方法を示す概略構成図である。
【図5】図4の測定で求められる熱軟化性の一例を示す
特性図である。
【図6】実施例1〜2、比較例1のフィルムの機械方向
のTMAによる真の収縮量の微分曲線を表した図であ
る。
【図7】実施例3〜4、比較例2のフィルムの機械方向
のTMAによる真の収縮量の微分曲線を表した図であ
る。
【図8】比較例3〜4のフィルムの機械方向のTMAに
よる真の収縮量の微分曲線を表した図である。
【符号の説明】
1 サポート管 2 台座 3 サンプル 4 金属ピン 5 検出棒 P 荷重 6 実施例1の機械方向のTMAによる真の収縮量の微
分曲線 7 実施例2の機械方向のTMAによる真の収縮量の微
分曲線 8 比較例1の機械方向のTMAによる真の収縮量の微
分曲線 9 実施例3の機械方向のTMAによる真の収縮量の微
分曲線 10 実施例4の機械方向のTMAによる真の収縮量の
微分曲線 11 比較例2の機械方向のTMAによる真の収縮量の
微分曲線 12 比較例3の機械方向のTMAによる真の収縮量の
微分曲線 13 比較例4の機械方向のTMAによる真の収縮量の
微分曲線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 150℃で30分の熱収縮率が0.3%
    以下であり、熱機械特性試験機による昇温、降温時の伸
    縮量から求めたフィルム長手方向の真の収縮量の微分曲
    線において、ガラス転移点以上200℃以下の範囲で収
    縮量微分値dL/dT(L:長さ、T:温度)が、常に
    0.01%/℃以下であり、また、示差走査熱量計によ
    る、結晶融解前に現れる微小吸熱ピークが融点以下、
    (融点−30)℃以上の範囲にあり、さらに、フィルム
    ヘイズが10%以下である、二軸配向されたポリエステ
    ルフィルムからなることを特徴とする、オーバヘッドプ
    ロジェクタ用フィルム。
  2. 【請求項2】 熱軟化試験における、ピン慣入開始温度
    が115℃以上であり、ピン慣入距離がフィルムの厚さ
    の8%以下である、請求項1に記載のオーバヘッドプロ
    ジェクタ用フィルム。
  3. 【請求項3】 広角X線回折による(100)面結晶サ
    イズが60オングストローム以上、80オングストロー
    ム以下である、請求項1または2に記載のオーバヘッド
    プロジェクタ用フィルム。
  4. 【請求項4】 【数1】 と(100)面のX線回折強度比から求めた面配向係数
    が0.1以下である、請求項1ないし3のいずれかに記
    載のオーバヘッドプロジェクタ用フィルム。
  5. 【請求項5】 印加電圧100Vでの20℃、60%R
    Hにおける表面抵抗が1×1011Ω/□以下である、請
    求項1ないし4のいずれかに記載のオーバヘッドプロジ
    ェクタ用フィルム。
  6. 【請求項6】 トナー剥離試験におけるトナー剥離率が
    10%以下である、請求項1ないし5のいずれかに記載
    のオーバヘッドプロジェクタ用フィルム。
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