JPH0262560B2 - - Google Patents
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- JPH0262560B2 JPH0262560B2 JP60246241A JP24624185A JPH0262560B2 JP H0262560 B2 JPH0262560 B2 JP H0262560B2 JP 60246241 A JP60246241 A JP 60246241A JP 24624185 A JP24624185 A JP 24624185A JP H0262560 B2 JPH0262560 B2 JP H0262560B2
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明は、細胞増殖促進作用およびDNA合成
促進作用を有する新規生理活性蛋白性物質を提供
する。本発明物質は、免疫賦活剤、抗癌剤として
の用途が期待される。 従来技術 従来、DNA合成促進作用および細胞増殖促進
作用を有する物質としては、下記のごとき例が知
られている。 (1) PDGF(Platelet−derived growth factor)
Proc.Natl.Acad.Sci.,76,1809(1979) (2) TGF(Transforming growth factor)J.
Biol.Chem.257,5220(1982) (3) EGF(Epidermal growth factor)Anal.
Biochem.111,195(1981) (4) FGF(Fibroblast growth factor)Ann.Rev.
Biochem.45,531(1976) (5) FSLA(Fibroblast Somatomedin like
activity) J.Cellular Physiology107,317(1981) (6) IGF−(Insulin like growth factor)J.
Endocr.85,267(1980) (7) IGF−(Insulin like growth factor)
Diabetes31,2823(1982) (8) MSA(Multiplication stimulating activity
Nature272(23),776(1978) これらのうちNo.1〜4,6および7の物質につ
いて一次構造が明らかにされているが、本発明物
質とはN末端構造において明らかに異なる。他の
物質については、培地成分との分離が困難で実用
的価値を有さない。 特開昭59−181293には、骨髄性白血病細胞が生
産するDNA合成促進活性蛋白性物質の開示があ
るが、分子量その他の性質で本発明物質とは明ら
かに異なる。 発明の解決課題および解決手段 本発明者らは、有用な免疫賦活剤、抗癌剤を得
るために、動物細胞におけるDNA合成促進作用
ならびに細胞増殖促進作用を有する物質の検索を
行つた。その結果、骨髄性白血病細胞を蛋白質を
含まない培地を用いて培養した場合、培養上清中
にバーキツトリンパ腫由来リンパ芽球細胞を顕著
に増殖促進させる新規物質が蓄積することを見出
した。この物質は動物細胞のDNA合成促進作用
および細胞増殖促進作用を持つ蛋白性物質であ
り、その顕著な活性に基づいて免疫賦活剤および
抗癌剤としての用途が期待される。 発明の構成 本発明は、動物細胞のDNA合成促進作用およ
び細胞増殖促進作用を有する新規蛋白性物質を提
供する。 本発明物質は、下記理化学的性質を有する。 (1) 分子量:20000±2000 分子量は、SDS(sodium dodecyl sulfate)−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法〔SDS−
PAGE法、新実験化学講座(20)生物化学()
p118,目本化学会編丸善社出版〕によつて測定
した。濃縮ゲル3%および分離ゲル16%アクリル
アミド濃度で分析した結果、流動サンプル量20μl
で単一バンドを示した。なお、染色には、第一化
学薬品社製 銀染色試薬「第一」を用いた。分子
量マーカーとしては、リゾチーム(MW14400)、
大豆トリプシンインヒビター(MW21500)、カー
ボニツク・アンヒドラーゼ(MW31000)、卵白ア
ルブミン(MW45000)、牛血清アルブミン
(MW66200)およびフオスフオリラーゼB
(MW92500)を用いた。分子量マーカーはすべて
BIO−RAD Lab.社製。 (2) N末端側蛋白質一次構造 Met−Gln−Ile−Phe−Val−Lys−Thr−Leu
−Thr−Gly−Lys−Thr−Ile−Thr−Leu−Glu
−Val−Glu−Pro−X−Asp−X−ILe−X−
Asn−Val−X−Ala−X−Ile− (Xは未同定アミノ酸を示す。) アミノ酸配列は、アプライド・バイオシステム
ズ(Applied Biosystems)社製470A型シーケン
サーおよびスペクトラ・フイジクス(Spectra
Physics)社製 高速液体クロマトグラフイーと
の組合せによつて決定した。 (3) 熱安定性:PH7.3,50℃,30分間の処理に安
定。 本発明物質(凍結乾燥粉末)を培養上清の20倍
濃度となるようにPH7.3のPBS(−)(NaCl 8
g/、KCl 0.2g/、Na2HPO4 1.15g/、
KH2PO4 0.2g/)に溶かし、50℃の水溶中で
30分間加温後、リンパ芽球細胞ナマルバ株を用
い、下記方法で細胞増殖促進活性を測定した。 (4) PH安定性:4℃,PH2〜3,24時間の処理に
安定。 K562−T1株の培養上清を分子量カツト3000の
ホロフアイバーで200倍に濃縮し、これを0.1%酢
酸を用い4℃で24時間透析を行い、透析液の細胞
増殖促進活性をリンパ芽球細胞ナマルバ株を用
い、下記方法で測定した。 (5) 等電点:6.5±0.5 等電点電気泳動法は、110mlのLKB8100(LKB
社製スウエーデン)カラムを用い、両性電解質ア
ンホライトの濃度を1.9〜0.625%とし、PH3〜10
の勾配を用いる。4℃に冷却し、900V、10mA
で48時間の泳動を行い、終了後、フラクシヨンコ
レクターにて分画し、各フラクシヨンのPHおよび
活性を測定する。 (6) DNA合成促進活性および細胞増殖促進活性
DNA合成促進活性測定法 被検細胞1〜5×105細胞/mlをRPMI−1640
培地(日水製薬社製)にグルタミン(4mM)、ス
トレプトマイシン(25μg/ml)、ペニシリン
(25U/ml)、ヘペス(10mM)、重曹(0.01%)お
よび仔牛血清(10%)を加えた培地25mlで2日
間、37℃で培養した。培養物を800×g、5分間
遠心して細胞を集め、5×105細胞/mlの濃度と
なるように、上記培地から仔牛血清を除いた培地
に懸濁し、24穴マルチデイツシユプレートに分注
し、37℃で24時間培養後、新鮮な培地に交換し、
37℃、16時間培養した。再び、新鮮な培地に交換
し、試料0.1ml、培地0.9mlを添加した。37℃、6
時間培養後、トリチウムチミジン0.5μCi/穴にな
るように加え、液体シンチレイシヨンカウンター
により、その取込み活性を測定した。測定値は、
2回以上の実験の平均値を示した。 細胞増殖促進活性 被検細胞株5〜10×105細胞/mlをRPMI−
1640培地(日水製薬社製)にグルタミン
(4mM)、ストレプトマイシン(25μg/ml)、ペ
ニシリン(25U/ml)、ヘペス(10mM)、重曹
(0.01%)および仔牛血清(10%)を加えた培地
75mlで37℃で48時間培養した。培養物を800×g、
5分間遠心して細胞を集め、上記の培地から血清
を除いた培地で洗浄し、24穴マルチデイツシユプ
レートに分注し、0.9mlの血清を含まない培地と、
0.1mlの試料液を添加した。37℃、CO2インキユ
ベーターで3日間培養後、細胞数を血球計算板を
用いて測定した。 接着依存性細胞の場合には、測定する直前に、
0.1%トリプシンを加えて、細胞を浮遊化した後
に測定した。活性は、試料液無添加のものを100
とし、試料添加の場合の細胞数を無添加の場合の
細胞数で割つた値をもつて示した。 以上の測定方法で得られた本発明物質の各種細
胞に対するDNA合成促進活性および細胞増殖促
進活性は第1表に示すとおりであつた。第1表中
の細胞は*印以外はすべてヒト由来細胞である。 【表】 性なしを示す。
本発明物質は上記のとおり各種動物細胞に対し
てDNA合成促進活性および細胞増殖促進活性を
有しており、下記のごとき用途が期待される。 (1) 抗体産生能を有するB−cell系細胞の増殖を
促進するので、免疫賦活剤として用いることが
できる。 (2) Erythro leukemia細胞(K562)の増殖を促
進するので、貧血症への応用ができる。 (3) T−cell系細胞の増殖を促進するので、細胞
性免疫機能を向上させ抗癌剤として用いること
ができる。 (4) 顆粒球(K562)、マクロフアージ細胞
(Monocyte)の増殖を促進するので抗癌剤と
して、また上皮系細胞のDNA合成を高めるの
で創傷などの治療剤として用いることができ
る。 (5) B−cell系やMyeloma系細胞の増殖を促進
するので、生体外での抗体産生に応用できる。 本発明物質の諸性質から、本発明物質に類似す
る物質として仔牛胸腺より分画採取したユビキチ
ンがあげられる。本発明物質のN末端より30番目
のアミノ酸配列はユビキチンとほぼ同じ配列を示
す。しかしユビキチンは分子量約8500であること
とナマルバ細胞に対して増殖促進作用を示さない
ことから、本発明物質はユビキチンと異なる物質
であることが明らかである。ユビキチンにピスト
ン蛋白の付いた物質、ユビキチンの分子が連なつ
た前駆体などが知られている〔ネイチヤー
(Nature)225,423,1975;ジヤーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリイ(JBC),250,
7182,1975:ネイチヤー(Nature)312,663,
1984〕。これら物質も分子量などにおいて異なり、
またこれら物質の生物活性も明らかにされていな
い。 最近、ユビキチン前駆体の遺伝子が見出された
という報告がある〔JBC260,7609,1985〕が、
これを用いて蛋白質を製造したとの記載はない。
また、この遺伝子でコードされるアミノ酸配列に
は塩基性アミノ酸が多いので、生体内では蛋白質
分解酵素によつて分解されてしまい、蛋白質とし
ては存在しないものと考えられる。 本発明物質は、下記のごとく製造することがで
きる。 本発明物質は、ヒト骨髄性白血病細胞を培地に
培養し、培養物中に蓄積させ、該培養物から採取
することによつて製造することができる。 本発明に用いるヒト骨髄性白血病細胞は、本発
明物質を生産することができるものなら、いかな
る細胞も用いることができる。好適な一例とし
て、骨髄性白血病細胞K562−T1株を用いること
ができる。 K562−T1株は、K562株を胎児子牛血清10%を
含有するハムF10培地から順次血清濃度を低下さ
せ、約1年間の馴化期間を経た後、得られた無蛋
白培地馴化細胞である。K562株は、プロシイー
デイング・オブ・ザ・ナシヨナル・アカデミイ・
オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.),
USA.,76,1293(1979),ブラツド(Blood),
45,321(1975),ガン(GANN),73,97(1982)
などに記載されている公知の細胞株で一般的に入
手可能な細胞株である。 培地としては、ハムF10培地、ハムF12培地
(以上フローラボ社製)、ダルベツコMEM培地、
MEM培地、RPMI−1640培地(以上日水製薬社
製)などの無蛋白培地およびそれらの混合培地が
用いられる。培地には、必要により、グルタミン
0.5〜5mM、抗生物質〔ペニシリン(25U/ml)、
ストレプトマイシン(25μg/ml)など〕、重曹
(0.01%)などを適量加えてもよい。 培養には、種々の培養ビン、シヤーレ、ローラ
ボトル、スピンナーフラスコ、ジヤーフアーメン
ターなどを用いることができる。培地は、通常種
細胞密度5×104〜1×106細胞/mlとし、30〜40
℃、2〜4日間行うと、各細胞密度に応じ、本発
明物質が主に培養液中に生成する。たとえば、1
×105細胞/mlの種細胞密度、37℃、2日間の培
養では、培養液中に300単位/mlの活性物質が生
成する。 培養物からの本発明物質の採取は次のとおり行
う。すなわち、得られた培養液上清を、凍結乾
燥、限外濾過、強酸性イオン交換樹脂などを用い
て濃縮する。溶出には、弱塩基性の緩衝液または
低濃度のアルカリ溶液を用いる。 濃縮液中には、低分子の塩や不純物が多く含ま
れるので、1%酢酸で透析する。これによつて多
くの不純蛋白が沈澱として除かれる。凍結乾燥に
よつて酢酸を除き、さらに濃縮し、粗精製物とす
る。粗精製物を陽イオン交換樹脂に通塔する。活
性物質は陽イオン交換樹脂に弱い相互作用を有す
るのみで吸着せず溶離してくる。この活性画分を
集め、凍結乾燥などで濃縮後、さらにゲル濾過法
により、培地由来の低分子物質を除く。ゲル濾過
剤としては、セフアデツクス類(フアルマシア・
フアイン・ケミカル社製)、バイオゲル類(バイ
オラツド社製)、コントロール・ポア・グラス
(コーニング・グラス・ワークス社製)、トヨパー
ル(東洋曹達社製)などを用いる。 Bio−Gel P−60などを用いると、活性画分は
ボイドボリウム(Vo)と塩などの低分子物質と
の間に位置する。 上記操作で得られる濃縮物は、さらに高速液体
クロマトグラフイーを行うことによつて単一成分
として精製することができる。 実施例 1 骨髄性白血病細胞株K562−T1株を8×105
個/mlの濃度で、8の下記培地を含む20大型
スピンナフラスコに入れ、37℃で3日間培養し
た。培地は、基礎培地として、ハム−F10培地
(フローラボ社製)およびダルベツコらのMEM
培地(日水製薬社製)を3:1の比率で混合した
ものに、ピルビン酸(5mM)、亜セレン酸(1.25
×10-7M)、ガラクトース(1mg/ml)、グルタミ
ン(4mM)、ペニシリン(25U/ml)、ストレプ
トマイシン(25μg/ml)および重曹(0.01%)
を加えた無蛋白培地を用いた。培養物上清120
をホローフアイバー(分子量カツト−3000、アミ
コン社製)を用い約100mlに濃縮した。濃縮物約
100mmを1%酢酸を用い、4℃24時間透析した。
生じた沈澱物を遠心分離(12000rpm、10分間)
で除き、上清を酢酸除去のために凍結乾燥した粉
末を得た。これを蒸留水120mlに溶解した。 160ml容量のQAE−Sephadex−A50(フアルマ
シア・フアイン・ケミカル社製)カラムに上記で
得られた溶液を60mlずつ二度に分けて通塔した。
PBS(−)150mlで溶出し、さらに0.1%の酢酸190
mlで溶出し、PBS(−)で溶出した活性画分300
mlを得た。活性回収率は、約8.3%であり、活性
は1.9倍に上昇した。 この活性画分300mlを凍結乾燥し、20mlの蒸留
水に溶解し、Bio−Gel P−60 400mlを含むカラ
ムにSV5.0で2回に分けて通塔した。PBS(−)
で溶出し、溶出液を6mlずつに分画し、41〜45番
目の画分60mlを得た。活性の回収率は1.7%で、
比活性は13.3倍に上昇した。この活性画分をフア
ルマシア・フアイン・ケミカル社製FPLC(Fast
protein liquid chromatography)Mono S 5
mlを含むカラムに通塔した。PBS(−)で洗浄
し、0〜0.5M食塩水で溶出した。溶出液を1ml
ずつに分画し、53番目の画分に活性が認められ
た。活性の回収率は0.2%で、比活性は3600倍に
上昇した。本活性物質をLGF−1とよぶ。 上記精製工程の結果は第2表のとおりである。 【表】 実施例 2 実施例1で得られた、精製ステツプBio−Gel
P−60活性画分を用いてNamalva細胞(B−cell
系)、K562−T1(Erythroleukemia,non T
non B系)、CCRF−CEM(T−cell系)の各細胞
に対する増殖促進活性を前記のとおり測定した。
結果を第3表に示す。 【表】 実施例 3 実施例1で得られた精製ステツプBio−Gel P
−60の活性画分を用いて、KB細胞およびHeLa
細胞のDNA合成促進活性を前記のとおり測定し
た。活性画分無添加時の3H−チミジン取り込み
量を1とし、活性画分を添加したときの3H−チ
ミジン取り込み率を第4表に示した。 【表】 発明の効果 本発明は、動物とくにヒトの細胞における
DNA合成促進作用および細胞増殖促進作用を有
する新規蛋白性物質を提供する。
促進作用を有する新規生理活性蛋白性物質を提供
する。本発明物質は、免疫賦活剤、抗癌剤として
の用途が期待される。 従来技術 従来、DNA合成促進作用および細胞増殖促進
作用を有する物質としては、下記のごとき例が知
られている。 (1) PDGF(Platelet−derived growth factor)
Proc.Natl.Acad.Sci.,76,1809(1979) (2) TGF(Transforming growth factor)J.
Biol.Chem.257,5220(1982) (3) EGF(Epidermal growth factor)Anal.
Biochem.111,195(1981) (4) FGF(Fibroblast growth factor)Ann.Rev.
Biochem.45,531(1976) (5) FSLA(Fibroblast Somatomedin like
activity) J.Cellular Physiology107,317(1981) (6) IGF−(Insulin like growth factor)J.
Endocr.85,267(1980) (7) IGF−(Insulin like growth factor)
Diabetes31,2823(1982) (8) MSA(Multiplication stimulating activity
Nature272(23),776(1978) これらのうちNo.1〜4,6および7の物質につ
いて一次構造が明らかにされているが、本発明物
質とはN末端構造において明らかに異なる。他の
物質については、培地成分との分離が困難で実用
的価値を有さない。 特開昭59−181293には、骨髄性白血病細胞が生
産するDNA合成促進活性蛋白性物質の開示があ
るが、分子量その他の性質で本発明物質とは明ら
かに異なる。 発明の解決課題および解決手段 本発明者らは、有用な免疫賦活剤、抗癌剤を得
るために、動物細胞におけるDNA合成促進作用
ならびに細胞増殖促進作用を有する物質の検索を
行つた。その結果、骨髄性白血病細胞を蛋白質を
含まない培地を用いて培養した場合、培養上清中
にバーキツトリンパ腫由来リンパ芽球細胞を顕著
に増殖促進させる新規物質が蓄積することを見出
した。この物質は動物細胞のDNA合成促進作用
および細胞増殖促進作用を持つ蛋白性物質であ
り、その顕著な活性に基づいて免疫賦活剤および
抗癌剤としての用途が期待される。 発明の構成 本発明は、動物細胞のDNA合成促進作用およ
び細胞増殖促進作用を有する新規蛋白性物質を提
供する。 本発明物質は、下記理化学的性質を有する。 (1) 分子量:20000±2000 分子量は、SDS(sodium dodecyl sulfate)−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法〔SDS−
PAGE法、新実験化学講座(20)生物化学()
p118,目本化学会編丸善社出版〕によつて測定
した。濃縮ゲル3%および分離ゲル16%アクリル
アミド濃度で分析した結果、流動サンプル量20μl
で単一バンドを示した。なお、染色には、第一化
学薬品社製 銀染色試薬「第一」を用いた。分子
量マーカーとしては、リゾチーム(MW14400)、
大豆トリプシンインヒビター(MW21500)、カー
ボニツク・アンヒドラーゼ(MW31000)、卵白ア
ルブミン(MW45000)、牛血清アルブミン
(MW66200)およびフオスフオリラーゼB
(MW92500)を用いた。分子量マーカーはすべて
BIO−RAD Lab.社製。 (2) N末端側蛋白質一次構造 Met−Gln−Ile−Phe−Val−Lys−Thr−Leu
−Thr−Gly−Lys−Thr−Ile−Thr−Leu−Glu
−Val−Glu−Pro−X−Asp−X−ILe−X−
Asn−Val−X−Ala−X−Ile− (Xは未同定アミノ酸を示す。) アミノ酸配列は、アプライド・バイオシステム
ズ(Applied Biosystems)社製470A型シーケン
サーおよびスペクトラ・フイジクス(Spectra
Physics)社製 高速液体クロマトグラフイーと
の組合せによつて決定した。 (3) 熱安定性:PH7.3,50℃,30分間の処理に安
定。 本発明物質(凍結乾燥粉末)を培養上清の20倍
濃度となるようにPH7.3のPBS(−)(NaCl 8
g/、KCl 0.2g/、Na2HPO4 1.15g/、
KH2PO4 0.2g/)に溶かし、50℃の水溶中で
30分間加温後、リンパ芽球細胞ナマルバ株を用
い、下記方法で細胞増殖促進活性を測定した。 (4) PH安定性:4℃,PH2〜3,24時間の処理に
安定。 K562−T1株の培養上清を分子量カツト3000の
ホロフアイバーで200倍に濃縮し、これを0.1%酢
酸を用い4℃で24時間透析を行い、透析液の細胞
増殖促進活性をリンパ芽球細胞ナマルバ株を用
い、下記方法で測定した。 (5) 等電点:6.5±0.5 等電点電気泳動法は、110mlのLKB8100(LKB
社製スウエーデン)カラムを用い、両性電解質ア
ンホライトの濃度を1.9〜0.625%とし、PH3〜10
の勾配を用いる。4℃に冷却し、900V、10mA
で48時間の泳動を行い、終了後、フラクシヨンコ
レクターにて分画し、各フラクシヨンのPHおよび
活性を測定する。 (6) DNA合成促進活性および細胞増殖促進活性
DNA合成促進活性測定法 被検細胞1〜5×105細胞/mlをRPMI−1640
培地(日水製薬社製)にグルタミン(4mM)、ス
トレプトマイシン(25μg/ml)、ペニシリン
(25U/ml)、ヘペス(10mM)、重曹(0.01%)お
よび仔牛血清(10%)を加えた培地25mlで2日
間、37℃で培養した。培養物を800×g、5分間
遠心して細胞を集め、5×105細胞/mlの濃度と
なるように、上記培地から仔牛血清を除いた培地
に懸濁し、24穴マルチデイツシユプレートに分注
し、37℃で24時間培養後、新鮮な培地に交換し、
37℃、16時間培養した。再び、新鮮な培地に交換
し、試料0.1ml、培地0.9mlを添加した。37℃、6
時間培養後、トリチウムチミジン0.5μCi/穴にな
るように加え、液体シンチレイシヨンカウンター
により、その取込み活性を測定した。測定値は、
2回以上の実験の平均値を示した。 細胞増殖促進活性 被検細胞株5〜10×105細胞/mlをRPMI−
1640培地(日水製薬社製)にグルタミン
(4mM)、ストレプトマイシン(25μg/ml)、ペ
ニシリン(25U/ml)、ヘペス(10mM)、重曹
(0.01%)および仔牛血清(10%)を加えた培地
75mlで37℃で48時間培養した。培養物を800×g、
5分間遠心して細胞を集め、上記の培地から血清
を除いた培地で洗浄し、24穴マルチデイツシユプ
レートに分注し、0.9mlの血清を含まない培地と、
0.1mlの試料液を添加した。37℃、CO2インキユ
ベーターで3日間培養後、細胞数を血球計算板を
用いて測定した。 接着依存性細胞の場合には、測定する直前に、
0.1%トリプシンを加えて、細胞を浮遊化した後
に測定した。活性は、試料液無添加のものを100
とし、試料添加の場合の細胞数を無添加の場合の
細胞数で割つた値をもつて示した。 以上の測定方法で得られた本発明物質の各種細
胞に対するDNA合成促進活性および細胞増殖促
進活性は第1表に示すとおりであつた。第1表中
の細胞は*印以外はすべてヒト由来細胞である。 【表】 性なしを示す。
本発明物質は上記のとおり各種動物細胞に対し
てDNA合成促進活性および細胞増殖促進活性を
有しており、下記のごとき用途が期待される。 (1) 抗体産生能を有するB−cell系細胞の増殖を
促進するので、免疫賦活剤として用いることが
できる。 (2) Erythro leukemia細胞(K562)の増殖を促
進するので、貧血症への応用ができる。 (3) T−cell系細胞の増殖を促進するので、細胞
性免疫機能を向上させ抗癌剤として用いること
ができる。 (4) 顆粒球(K562)、マクロフアージ細胞
(Monocyte)の増殖を促進するので抗癌剤と
して、また上皮系細胞のDNA合成を高めるの
で創傷などの治療剤として用いることができ
る。 (5) B−cell系やMyeloma系細胞の増殖を促進
するので、生体外での抗体産生に応用できる。 本発明物質の諸性質から、本発明物質に類似す
る物質として仔牛胸腺より分画採取したユビキチ
ンがあげられる。本発明物質のN末端より30番目
のアミノ酸配列はユビキチンとほぼ同じ配列を示
す。しかしユビキチンは分子量約8500であること
とナマルバ細胞に対して増殖促進作用を示さない
ことから、本発明物質はユビキチンと異なる物質
であることが明らかである。ユビキチンにピスト
ン蛋白の付いた物質、ユビキチンの分子が連なつ
た前駆体などが知られている〔ネイチヤー
(Nature)225,423,1975;ジヤーナル・オブ・
バイオロジカル・ケミストリイ(JBC),250,
7182,1975:ネイチヤー(Nature)312,663,
1984〕。これら物質も分子量などにおいて異なり、
またこれら物質の生物活性も明らかにされていな
い。 最近、ユビキチン前駆体の遺伝子が見出された
という報告がある〔JBC260,7609,1985〕が、
これを用いて蛋白質を製造したとの記載はない。
また、この遺伝子でコードされるアミノ酸配列に
は塩基性アミノ酸が多いので、生体内では蛋白質
分解酵素によつて分解されてしまい、蛋白質とし
ては存在しないものと考えられる。 本発明物質は、下記のごとく製造することがで
きる。 本発明物質は、ヒト骨髄性白血病細胞を培地に
培養し、培養物中に蓄積させ、該培養物から採取
することによつて製造することができる。 本発明に用いるヒト骨髄性白血病細胞は、本発
明物質を生産することができるものなら、いかな
る細胞も用いることができる。好適な一例とし
て、骨髄性白血病細胞K562−T1株を用いること
ができる。 K562−T1株は、K562株を胎児子牛血清10%を
含有するハムF10培地から順次血清濃度を低下さ
せ、約1年間の馴化期間を経た後、得られた無蛋
白培地馴化細胞である。K562株は、プロシイー
デイング・オブ・ザ・ナシヨナル・アカデミイ・
オブ・サイエンス(Proc.Natl.Acad.Sci.),
USA.,76,1293(1979),ブラツド(Blood),
45,321(1975),ガン(GANN),73,97(1982)
などに記載されている公知の細胞株で一般的に入
手可能な細胞株である。 培地としては、ハムF10培地、ハムF12培地
(以上フローラボ社製)、ダルベツコMEM培地、
MEM培地、RPMI−1640培地(以上日水製薬社
製)などの無蛋白培地およびそれらの混合培地が
用いられる。培地には、必要により、グルタミン
0.5〜5mM、抗生物質〔ペニシリン(25U/ml)、
ストレプトマイシン(25μg/ml)など〕、重曹
(0.01%)などを適量加えてもよい。 培養には、種々の培養ビン、シヤーレ、ローラ
ボトル、スピンナーフラスコ、ジヤーフアーメン
ターなどを用いることができる。培地は、通常種
細胞密度5×104〜1×106細胞/mlとし、30〜40
℃、2〜4日間行うと、各細胞密度に応じ、本発
明物質が主に培養液中に生成する。たとえば、1
×105細胞/mlの種細胞密度、37℃、2日間の培
養では、培養液中に300単位/mlの活性物質が生
成する。 培養物からの本発明物質の採取は次のとおり行
う。すなわち、得られた培養液上清を、凍結乾
燥、限外濾過、強酸性イオン交換樹脂などを用い
て濃縮する。溶出には、弱塩基性の緩衝液または
低濃度のアルカリ溶液を用いる。 濃縮液中には、低分子の塩や不純物が多く含ま
れるので、1%酢酸で透析する。これによつて多
くの不純蛋白が沈澱として除かれる。凍結乾燥に
よつて酢酸を除き、さらに濃縮し、粗精製物とす
る。粗精製物を陽イオン交換樹脂に通塔する。活
性物質は陽イオン交換樹脂に弱い相互作用を有す
るのみで吸着せず溶離してくる。この活性画分を
集め、凍結乾燥などで濃縮後、さらにゲル濾過法
により、培地由来の低分子物質を除く。ゲル濾過
剤としては、セフアデツクス類(フアルマシア・
フアイン・ケミカル社製)、バイオゲル類(バイ
オラツド社製)、コントロール・ポア・グラス
(コーニング・グラス・ワークス社製)、トヨパー
ル(東洋曹達社製)などを用いる。 Bio−Gel P−60などを用いると、活性画分は
ボイドボリウム(Vo)と塩などの低分子物質と
の間に位置する。 上記操作で得られる濃縮物は、さらに高速液体
クロマトグラフイーを行うことによつて単一成分
として精製することができる。 実施例 1 骨髄性白血病細胞株K562−T1株を8×105
個/mlの濃度で、8の下記培地を含む20大型
スピンナフラスコに入れ、37℃で3日間培養し
た。培地は、基礎培地として、ハム−F10培地
(フローラボ社製)およびダルベツコらのMEM
培地(日水製薬社製)を3:1の比率で混合した
ものに、ピルビン酸(5mM)、亜セレン酸(1.25
×10-7M)、ガラクトース(1mg/ml)、グルタミ
ン(4mM)、ペニシリン(25U/ml)、ストレプ
トマイシン(25μg/ml)および重曹(0.01%)
を加えた無蛋白培地を用いた。培養物上清120
をホローフアイバー(分子量カツト−3000、アミ
コン社製)を用い約100mlに濃縮した。濃縮物約
100mmを1%酢酸を用い、4℃24時間透析した。
生じた沈澱物を遠心分離(12000rpm、10分間)
で除き、上清を酢酸除去のために凍結乾燥した粉
末を得た。これを蒸留水120mlに溶解した。 160ml容量のQAE−Sephadex−A50(フアルマ
シア・フアイン・ケミカル社製)カラムに上記で
得られた溶液を60mlずつ二度に分けて通塔した。
PBS(−)150mlで溶出し、さらに0.1%の酢酸190
mlで溶出し、PBS(−)で溶出した活性画分300
mlを得た。活性回収率は、約8.3%であり、活性
は1.9倍に上昇した。 この活性画分300mlを凍結乾燥し、20mlの蒸留
水に溶解し、Bio−Gel P−60 400mlを含むカラ
ムにSV5.0で2回に分けて通塔した。PBS(−)
で溶出し、溶出液を6mlずつに分画し、41〜45番
目の画分60mlを得た。活性の回収率は1.7%で、
比活性は13.3倍に上昇した。この活性画分をフア
ルマシア・フアイン・ケミカル社製FPLC(Fast
protein liquid chromatography)Mono S 5
mlを含むカラムに通塔した。PBS(−)で洗浄
し、0〜0.5M食塩水で溶出した。溶出液を1ml
ずつに分画し、53番目の画分に活性が認められ
た。活性の回収率は0.2%で、比活性は3600倍に
上昇した。本活性物質をLGF−1とよぶ。 上記精製工程の結果は第2表のとおりである。 【表】 実施例 2 実施例1で得られた、精製ステツプBio−Gel
P−60活性画分を用いてNamalva細胞(B−cell
系)、K562−T1(Erythroleukemia,non T
non B系)、CCRF−CEM(T−cell系)の各細胞
に対する増殖促進活性を前記のとおり測定した。
結果を第3表に示す。 【表】 実施例 3 実施例1で得られた精製ステツプBio−Gel P
−60の活性画分を用いて、KB細胞およびHeLa
細胞のDNA合成促進活性を前記のとおり測定し
た。活性画分無添加時の3H−チミジン取り込み
量を1とし、活性画分を添加したときの3H−チ
ミジン取り込み率を第4表に示した。 【表】 発明の効果 本発明は、動物とくにヒトの細胞における
DNA合成促進作用および細胞増殖促進作用を有
する新規蛋白性物質を提供する。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記理化学的および生物学的性質を有する新
規蛋白性物質。 (1) 分子量:20000±2000(SDS−PAGE法) (2) N末端側蛋白質一次構造 Met−Gln−Ile−Phe−Val−Lys−Thr−
Leu−Thr−Gly−Lys−Thr−Ile−Thr−Leu
−Glu−Val−Glu−Pro−X−Asp−X−Ile−
X−Asn−Val−X−Ala−X−Ile− (Xは未同定アミノ酸を示す。) (3) 熱安定性:PH7.3,50℃,30分間の処理に安
定。 (4) PH安定性:4℃,PH2〜3,24時間の処理に
安定 (5) 等電点:6.5±0.5 (6) 下記細胞に対し増殖促進作用を有する。 ヒトBリンパ球系細胞 ヒトTリンパ球系細胞 ヒトMyeloma系細胞 ヒトMonocyte系細胞 ヒト非T非B系細胞 (7) 下記細胞に対してDNA合成促進作用を有す
る。 ヒトBリンパ球系細胞 ヒトTリンパ球系細胞 ヒトMyeloma系細胞 ヒトMonocyte系細胞 ヒト非T非B系細胞 ヒト上皮細胞
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60246241A JPS62108819A (ja) | 1985-11-05 | 1985-11-05 | 新規蛋白性物質 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60246241A JPS62108819A (ja) | 1985-11-05 | 1985-11-05 | 新規蛋白性物質 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62108819A JPS62108819A (ja) | 1987-05-20 |
| JPH0262560B2 true JPH0262560B2 (ja) | 1990-12-26 |
Family
ID=17145604
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60246241A Granted JPS62108819A (ja) | 1985-11-05 | 1985-11-05 | 新規蛋白性物質 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62108819A (ja) |
-
1985
- 1985-11-05 JP JP60246241A patent/JPS62108819A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62108819A (ja) | 1987-05-20 |
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