JPH031959B2 - - Google Patents
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- JPH031959B2 JPH031959B2 JP59254186A JP25418684A JPH031959B2 JP H031959 B2 JPH031959 B2 JP H031959B2 JP 59254186 A JP59254186 A JP 59254186A JP 25418684 A JP25418684 A JP 25418684A JP H031959 B2 JPH031959 B2 JP H031959B2
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
a 産業上の利用分野
本発明ヒト・プロテインCに対してカルシウム
イオン(Ca++)の非存在下では認識せず、カル
シウムイオン(Ca++)存在下で認識するモノク
ローナル抗体、それを産生するハイブリドーマ、
その抗体の製造方法及びヒト・プロテインCの分
離方法に関する。 b 従来技術 プロテインCはビタミンK依存性血漿蛋白質す
なわちγ−カルボキシグルタミン酸含有蛋白の一
つであり、血管内皮細胞表層のトロンボモジユリ
ン存在下トロンビンにより活性されて[Esmon,
C.T&Owen,W.G:Proc.Natl.Acad.Sci.USA.
78:2249−2251(1981)参照]活性化プロテイン
C(APC)となる。活性化プロテインCはセリン
プロテアーゼの一種であり、血液凝固系の補酸素
である第V因子(FV.FVa)と第因子(F,
Fa)を分解し、強い抗凝固作用[Suzuki.K.
et.al.:J.Biol.Chem.258:1914−1920(1983),
Vehar,G.A.&Davie,E.W.:
Biochemistry.19:401−409(1980)参照]を示す
と共に血管壁からプラスミノーゲン・アクチベー
タを放出させ、線溶系を促進させる[Comp,P.
C.&Esmon,C.T:J.Clin.Invest.8:1221−1228
(1981)参照]ことが知られている。 さらにプロテインC欠損症は重度の血栓症を呈
することも報告されており、[Griffin,J.H.et
al:J.Clin.Invest.,68,1370−1373(1980),
Bertina,R.M.et al:Thromb.Haemostas.,48
1〜5(1982)]プロテインCは血液凝固線溶系の
重要な制御因子であることが明らかにされてい
る。 したがつてプロテインCの作用機構を明らかに
すること、また、プロテインCの血中における抗
原量、活性量を測定し、その動向を把握すること
ができれば、それは基礎医学、臨床医学の領域に
おいて非常に重量な意味を持つと考えられる。 一方モノクローナル抗体は単一の抗原決定基に
たいして特異的であり、かつ同一の特異性を有す
る抗体を安定的に産生できるという利点から抗原
蛋白質の機能および構造の解析、あるいは免疫測
定(EIA,RIA)に近時一般的に広く利用される
ようになつて来た。特に抗原蛋白質の機能解析、
分子解析には抗原蛋白の機能に関与する部位、ま
た特殊な構造部位を認識する抗体を見出すことが
有力な手段となり得る。 ヒト・プロテインCの構造は、分子量約41000
のH鎖と分子量的21000のL鎖がS−S架橋で結
合されており、H鎖にセリンプロテアーゼ活性部
位を有し、また、L鎖アミノ末端には、9個のカ
ルシウムイオン結合性アミノ酸、すなわち、γ−
カルボキシグルタミン酸(Gla)残基を含むGla
ドメインが存在することが知られている。Glaド
メインを有する血液凝固因子は、プロテインCを
含め、第因子(プロトロンビン)、第因子、
第因子、第因子いずれもカルシウムイオン
(Ca++)存在下でGlaに依存した立体的構造変化
を生じることが知られており、この機構は、血液
凝固系発現の上で重要な役割を果していることが
知られている。 従来、ヒト・プロテインCのモノクロナール抗
体は鈴木らにより作成されたことが報告されてお
り[鈴木宏治他:“血液と脈管”,15:171−174
(1984)参照]、この抗体はヒト・プロテインCの
抗原量の測定、活性の測定に利用されているが、
カルシウムイオン(Ca++)存在下で構造変化を
受けたヒト・プロテインCを認識するモノクロナ
ール抗体についての報告はまだなされていない。 そこで本発明者らは、プロテインCがカルシウ
ムイオン(Ca++)存在下で立体的構造変化を受
けることに着目し、カルシウムイオン(Ca++)
の存在下で構造変化を受けたプロテインCを特異
的に認識するモノクローナル抗体について研究進
めた結果本発明に到達した。 c 発明の構造 すなわち、本発明は、カルシウムイオン
(Ca++)の非存在下ではヒト・プロテインCに対
して認識せず且つカルシウムイオン(Ca++)の
存在下ではヒト・プロテインCに対して特異的に
認識するヒト・プロテインCに対するモノクロー
ナル抗体である。 また他の本発明は、前記ヒト・プロテインCに
対するモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマであり、そのハイブリドーマの産生する産生
物からの前記ヒト・プロテインCに対するモノク
ローナル抗体の製造方法である。 さらに他の本発明は、カルシウムイオン
(Ca++)の非存在下では、ヒト・プロテインCに
対して認識せず且つカルシウムイオン(Ca++)
の存在下ではヒト・プロテインCに対して特異的
に認識するヒト・プロテインCに対するモノクロ
ーナル抗体を不溶性担体と結合させた吸着体に、
ヒト・プロテインC含有混合物を、カルシウムイ
オン(Ca++)の存在下に接触せしめて、該吸着
体にヒト・プロテインCを結合せしめることを特
徴とするヒト・プロテインC含有混合物からのヒ
ト・プロテインCの分離法である。 本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマ細胞はケーラーとミルシユタインの方法
[Ko¨hler&Milstein,Nature:256495−497
(1975)]として知られた方法によつて得られる。
すなわち、ヒト・プロテインCでマウスを免疫し
た後、このマウスの脾臓細胞をマウス・ミエロー
マ細胞と融合させ、得られたハイブリドーマ細胞
はマイクロタイタープレートに固定されたヒト・
プロテインCと反応する抗体に対し、系統的に検
査し、選択される。この際に、カルシウムイオン
(Ca++)存在下における検査と、カルシウムイオ
ン非存在下における検査を同時に行い前者におい
てのみ陽性を示すハイブリドーマを選別すること
により、目的とする抗体を合成し分泌するハイブ
リドーマを単離することができる。 本発明のモノクローナル抗体はかかる新規なハ
イブリドーマ細胞が産生する産生物から得られ、
カルシウムイオン(Ca++)の存在下におけるヒ
ト・プロテインC分子上の特定の抗原決定基に対
して単一特異的に作用する。 本発明のモノクローナル抗体はその特性からヒ
ト・プロテインCの精製に利用する場合非常に有
利である。すなわち、不溶性担体に本発明におけ
るモノクローナル抗体を固定化し、カルシウムイ
オン(Ca++)が存在する溶液中で血漿(カルシ
ウムイオン存在下で凝固しないように調製したも
の)または、他のヒト・プロテインCを含む原
料、あるいはそれらの粗抽出物、粗精製物および
溶液からヒト・プロテインCを吸着・分離しカル
シウムイオン(Ca++)存在下で洗浄後、溶液を
カルシウムイオンを含まないもの(例えば
EDTAが存在する溶液)に置き換えて、ヒト・
プロテインCを溶出することができる。この方法
によれば、従来の不溶化抗体による抗原蛋白質の
精製のように、過激な条件下(例えば、0.2Mグ
リシン塩酸あるいは8M尿素のような)に蛋白質
をさらすことなく、穏和な条件下で精製を行うこ
とができる。 また、ヒト・プロテインCその他のγ−カルボ
キシグルタミン酸含有蛋白質にはGlaを含まず、
Glaに依存する構造変化を受けない異常分子が存
在することが知られているが、本発明におけるモ
ノクローナル抗体を用いることにより、この異常
分子の測定が可能になると考えられる。すなわ
ち、カルシウムイオン(Ca++)の存在の有無に
拘らず、ヒト・プロテインCを認識する抗体を用
いて免疫学的手段(例えばEIA,RIA)により血
漿その他の試料中のヒト・プロテインC抗原量を
測定し、更に本発明によるモノクローナル抗体を
用いて、血漿、その他の試料中のヒト・プロテイ
ンCをカルシウムイオン存在下で免疫学的手法
(EIA,RIA)により測定すれば、その測定値の
差から、異常ヒト・プロテインCの量を把握する
ことができる。 次に本発明におけるモノクローナル抗体を作性
する具体的方法について詳細に説明する。 A 抗原の単離・精製; 抗原に用いるヒト・プロテインCは鈴木らの
方法[Suzuki.K.et al,J.Biol.Chem.258:
1914−1920(1983)]によりヒト・血漿から単
離・精製される。 B ヒト・プロテインCによるマウスの免疫; 雌Balb/Cマウスを用いることができるが
他の系(Strain)のマウスを使用してもよい。
その際、免疫計画、及びヒト・プロテインCの
濃度は十分な量の抗原刺戟を受けた、リンパ球
が形成されるよう選ばれるべきである。例えば
マウスに50μgのヒト・プロテインCを2週間
間隔で腹腔に3回投与の後、さらに30μgを静
脈に投与する。最終免疫の数日後に融合の為に
脾臓細胞をとり出す。 C 細胞融合; 上記の如く免疫したマウスの脾臓を無菌的に
取り出し、そこから単細胞懸濁液を調製する。
それらの脾臓細胞を適当なラインからのマウス
骨髄腫細胞と適当な融合促進剤の使用により、
細胞融合させる。脾臓細胞対、骨髄腫細胞の好
ましい比率約20:1〜約2:1の範囲である。
約108個の脾臓細胞について0.5〜1.5mlの融合媒
体の使用適当である。 細胞融合に用いるマウス骨髄腫細胞は、良く
知られているが、本発明では、P3−X63−Ag8
−U1細胞(P3−U1)[Yelton,D.E et al,
Current.Topics in Microbiology and
Immunology,811(1978)参照]を用いた。 好ましい融合促進剤としては、例えば、平均
分子量1000〜4000のポリエチレングリコールを
有利に使用できるが、この分野で知られている
他の融合促進剤を使用することもできる。本発
明においては、平均分子量1540のポリエチレン
グリコールを用いた。 D 融合した細胞の選択; 別の容器内(例えばマイクロタイタープレー
ト)で未融合の脾臓細胞、未融合のマウス骨髄
腫細胞および融合したハイブリドーマ細胞の混
合物を未融合のマウス骨髄腫細胞を支持しない
選択培地で希釈し、未融合の細胞を死滅させる
のに十な時間(約1週間)培養する。培地は、
未融合のマウス骨髄腫細胞を支持しないもの、
(例えばHAT培地)が使用される。この選択
培地中では、未融合の骨髄腫細胞は死滅する。
この未融合の脾臓細胞は非腫瘍性細胞なので、
ある一定期間後(1週間後)死滅する。これら
に対して融合した細胞は、骨髄腫の親細胞の腫
瘍性と、親脾細胞の性質を合わせ持つため、選
択培地中で生存できる。 E 各容器中のヒト・プロテインC抗体の確認; かくして、ハイブリドーマ細胞が検出された
後、その培養上清を採取し、ヒト・プロテイン
Cに対する抗体について酵素免疫定量法
(Enzyme Linked Immunosobent Assay)に
よりスクリーニングする。この際、培養上清、
酵素標識抗体溶液および洗浄液に一定濃度の
CaC2を加えた条件下の測定と、CaCl2を加えな
い条件下の測定の両方を行い、前者に対しての
み陽性を示すハイブリドーマを選択することに
より、カルシウムイオン非存在下では、ヒト・
プロテインCを認識せず、カルシウムイオン存
在下で、ヒト・プロテインCを認識する抗体を
産生、分泌するハイブリドーマを選別すること
ができる。 F 目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞の
クローン化と抗体の産生 目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を
適当な方法(例えば限界希釈法)でクローン化
すると、抗体は2つの異なつた方法で産生され
る。その第1の方法によれば、ハイブリドーマ
細胞を一定時間、適当な培地で培養することに
より、その培養上清からそのハイブリドーマ細
胞の産生するモノクローナル抗体を得ることが
できる。第2の方法によれば、ハイブリドーマ
細胞は同質遺伝子、又は半同質遺伝子を持つマ
ウスの腹腔に注射することができる。一定時間
後の宿主動物の血液中および腹水中より、その
ハイブリドーマ細胞の産生するモノクローナル
抗体を得ることができる。 G ヒト・プロテインC含有混合物からのヒト・
プロテインCの分離; 本発明におけるモノクローナル抗体は、前記
した如く、カルシウムイオン(Ca++)の非存
在下ではヒト・プロテインCに対して認識せ
ず、且つカルシウムイオン(Ca++)の存在下
ではヒト・プロテインCに対して特異的に認識
するという性質を有しているので、この性質を
利用して、ヒト・プロテインCを含有している
混合物(例えばヒト血漿など)からヒト・プロ
テインCを簡単に分離することができる。 そのため、先ず前記ヒト・プロテインCに対
するモノクローナル抗体を不溶性担体に固定化
又は結合させて吸着体を得る。その際使用され
る不溶性担体としては、モノクローナル抗体を
用いた測定試薬又は測定用キツトの基材として
一般的使用されるものであればよい。例えば材
質としてアガロース、ポリアクリルアミド、セ
ルロース、デキストラン、またはマレイン酸ポ
リマー或いはこれらの混合物が好ましく用いら
れる。これら不活性担体の形態としては、粉末
状、粒状、ペレツト状、ビーズ状、フイルム
状、繊維状などの種々の形態であることができ
る。また一般に血漿、またはその分画成分の測
定や分離に用いられる多数の凹状のくぼみを有
するプレート(ウエル)を用いることが有利で
ある。 前記吸着体を用い、これにヒト・プロテイン
C含有混合物を、カルシウムイオン(Ca++)
の存在下に接触せしめると、該吸着体に固定化
したモノクローナル抗体とヒト・プロテインC
とが結合して、結果的にヒト・プロテインCが
該吸着体に結合する。かくすることによりヒ
ト・プロテインCを分離、除去することが可能
である。 又前記の如くしてヒト・プロテインCを吸着
体に結合させ、出来れば残余の混合物を洗滌し
て除去し、次いで吸着体に結合したヒト・プロ
テインCをカルシウムイオン(Ca++)を実質
的に含まない液体と接触又は洗滌すると、ヒ
ト・プロテインCは該吸着体から離脱し、これ
を取得することによつて、ヒト・プロテインC
を単離することができる。 かくして前記本発明の分離法によれば、ヒ
ト・プロテインCを含有する混合物からのヒ
ト・プロテインCの除去、該混合物からのヒ
ト・プロテインCの分離及び精製、該混合物中
のヒト・プロテインCの含有量の測定などが極
めて簡単な操作で達成される。 以下実施例を上げ本発明を詳細に説明する。以
下実施例ではプロテインCをPCと略称すること
がある。 実施例 1 精製したヒト・PCを雌のBalb/Cマウス(4
週齢)2匹に対して14日間隔で4回免疫した。 初回の免疫はPBSに溶解した。50μgのヒト・
PCを等量のフロントの完全アジユバント
(Complete Freund's adjuvant)と混合し、その
エマルジヨンを、腹腔内に投与した(0.5mg/
head)、2回目,3回目は、同じく50μgのヒト・
PCをフロントの不完全アジユバント(Freund's
incomplete adjuvant)と混合し、同じく腹腔内
に投与した。最終免疫は30μgのヒト・PCをPBS
溶液のまま、マウス尾静脈から投与した。最終免
疫の3日後に免疫したマウスの脾臓細胞を細胞融
合に用いた。 免疫したマウスの脾臓細胞と、同系マウスの骨
髄腫細胞(P3U1)を約2:1〜約15:1の割合
で混合し、50%ポリエチレングリコール1540(和
光)を融合促進剤としてKo¨hlerとMilsteinの方
法に従い細胞融合を行つた。融合後の細胞は、1
×106cell/mlの細胞濃度となるように10%FCS−
RPMI−1640培地に懸濁し、96we11sマイクロプ
レート(Coster)に1ウエル当り100μずつ分
注した。 融合細胞は、CO2インキユベーター(5%
CO2,37℃)中で培養し、ヒポキサンチン,アミ
ノプリテン;チミジンを含む培地(HAT培地)
で培地交換を行い、HAT培地中で増殖させて、
脾臓細胞と、骨髄腫細胞から成るハイブリドーマ
のスクリーニングを行つた。 ハイブリドーマの培養上清中の抗体は抗原ヒ
ト・PCをコーテイングしたマイクロタイタープ
レートを用いELISA法により検出した。第2抗
体には、アルカリホスフアターゼ標識ウサギ抗マ
ウスIgG抗体を用い、カルシウムイオン存在下非
存在下におけるヒト・PCとの結合の違いを見る
ため、一方の培養上清には5mMCaCl2を添加した
TBS(0.02MTris/HCl,0.14MNaCl,PH7.4)ま
たもう一方にはTBSを加えた。更に第2抗体の
希釈液、および洗浄液には、5mMCaCl2添加
TBS,0.05%Tween20,0.02%NaN3または
TBS,0.05%Tween20,0.02%NaN3を使用し
た。 融合細胞をまいた合計541のウエルのうち523の
ウエルにコロニーの形成が認められ。このうち抗
体産生陽性ウエルは下記表−1に示すようにカル
シウムイオン存在下で44,カルシウムイオン非存
在下で32であつた。 これらの抗体産生陽性ウエルのうち12のウエル
について限界希釈法によるクローニングを2回繰
り返して行ない、13個のクローンを得た。得られ
たクローンは90%FCS−10%DMSO中に懸濁さ
せ液体窒素中に保存した。 各クローンの産生するモノクローナル抗体はク
ローンをBalb/Cマウス腹腔内で増殖させ、そ
の腹水からプロテインA−SepharoseBカラムを
用いて精製した。 【表】 【表】 実施例 2 (精製したIgGの性質) マウス腹水から精製した各クローンのIgGにつ
いてサブクラス,ヒト・PC活性への影響L鎖あ
るいはL鎖への結合性を調べた。 サブクラスは、各クラス特異性の抗マウス抗血
清を用いて、オクタロニー法により決定した。ヒ
ト・PC活性への影響は、ヒト・PCにIgGをモル
比1:5で加えて4℃で一夜インキユベーシヨン
し、トロンビン−トロンボモジユリンコンプレツ
クスによりヒトPCを活性化し、その活性は次合
成基質の分解活性を測定することにより測定し
た。この合成基質としては [ここでVelはD形の光学活性のバリン,Leuは
L形の光学活性のロイシン,ArgはL形の光学活
性のアルギンを示す。KabiVitrumAB(スウエー
デン)社製のS−2266を用いた]を使用した。L
鎖、H鎖への結合性は、ヒト・PCを還元条件で
電気泳動し、ニトロセルロース膜及びHRP標識
Goat anti−mouse IgGを用いたイムノブロツテ
イングを行つて判定した。 各性質について得られた結果を下記表−2に示
した。カルシウムイオン依存性抗体はいずれもL
鎖結合性であり、ヒト・PCの活性には影響を及
ぼさなかつた。 【表】 実施例 3 (カルシウムイオンの影響) ヒト・PCと精製したIgGとの反応に及ぼすカ
ルシウムイオンの影響について検討した。 ヒト・PCをコーテイングしたELISA法におい
てカルシウムイオン依存性の抗体B12及び10E12
を5mMCaCl2添加TBS−Tween(0.02M Tris/
HCl,0.14M NaCl,PH7.4 0.05%Tween20,
0.02%NaN3)またはTBS−Tweenで希釈してヒ
ト・PCと反応させアルカリホスフアターゼ標識
ウサギ抗マウスIgGを用いた発色から結合量を測
定すると、5mMCaCl2を添加したバツフアーで希
釈した場合には抗体濃度に依存したヒト・PCと
の結合を示したが、CaCl2を添加しないバツフア
ーで希釈した場合には、抗体濃度を高くしても結
合は認められなかつた。その結集を下記表−3に
示した。 なお、カルシウムイオン非依存性の抗体6B10
−1及び10H11を用いて同様にカルシウムイオン
の影響について調べた結果も同表−3に併記して
示した。 【表】 実施例 4 (カルシウムイオン濃度の影響) 前記実施例3におけるカルシウムイオン依存性
の抗体7B12及び10E12を用い、それらの濃度を一
定(1μg/ml)とし、抗体溶液中のカルシウムイ
オン濃度を変化させたところ、ヒト・PCとの結
合はCaCl2濃度が高まるにつれて増加し、約1mM
の濃度で飽和となつた。その結果を下記表−4に
示した。またカルシウムイオン非依存性の抗体
6E2を用い同様にCaCl2濃度の変化の影響を調べ
た結果を、下記表−5に示した。表−5の結果か
らカルシウムイオン非存在性の抗体では、カルシ
ウムイオン濃度に影響なく、ヒト・PCとの結合
はほぼ一定の値を示していることがわかる。 なお、測定は、所定濃度のCaCl2を含むTBS−
Tweenで1μg/mlIgG溶液を調製し、100μを、
ヒト・PCをコーテイングしたwellに加えて行つ
た。インキユベーシヨン後のwellの洗浄にも各濃
度のCaCl2を含むTBS−Tweenを用いた。 【表】 【表】 【表】 実施例 5 (1) 抗体の不溶性担体への固定化; ブロムシアン活性化セフアロース4B(フアル
マシア・フアイン・ケミカルズ社製)の乾燥ゲ
ル0.5gを、G3グラスフイルター上で100mlの
1mM HClを用いて膨潤、洗浄し、更にカツプ
リングバツフアー(0.5M NaClを含む
0.1MNaHCO3PH8.3)で洗浄した。カツプリン
グバツフアーを吸引除去した後、直ちにゲルを
抗体(6H2)のカツプリングバツフアー溶液
(3mg/ml)2ml中に加えて懸濁させ、4℃で
一夜ゆるやかに振とうした。次にゲルと1Mエ
タノールアミン−HCl(PH8.0,2ml)中に移
し、室温で2時間振とうして残存する活性基を
ブロツクした。ブロツキング後、抗体結合セフ
アロースゲルをグラスフイルター上で、0.5M
NaClを含む0.1M酢酸バツフアーPH4.0,と
0.5M NaClを含む0.1Mホウ酸バツフアーPH‐
8.0を交互に用いて洗浄した。液の280nmに
おける吸光度が0.01以下になつたところで、
5mM CaCl2、および1mMベンザミジンを含む
0.05M Tris/HClPH7.4で平衡化し、カラムに
充てんした。このようにして調製した抗ヒト
PCモノクローナル抗体(6H2)結合セフアロ
ース4Bカラムを用いてアフイニテイクロマト
を行つた。 (2) プロテインCの抗体結合セフアロース4Bへ
の吸着、溶出; 血漿100mlに1M BaCl2溶液8mlを加え4℃
で1時間撹拌した。沈澱を遠心分離して集め
5mM BaCl2,5mMベンザミジンを含む0.1M
NaClで洗浄した後、15mlの5mMベンザミジン
を含む0.2M EDTAPH7.4で沈澱物を溶解し、
バリウム吸着分画を得た。このバリウム吸着分
画を1mMベンザミジンを含む0.05M Tris/
HClPH7.4に透析し、終濃度5mMとなるように
CaCl溶液を加え、5mM CaCl2および1mMベ
ンザミジンを含む0.05M Tris/HClで平衡化
した抗体(6H2)結合カラムにかけた。5mM
CaCl2,1mMベンザミジンおよび1MNaClを含
む0.05M Tris/HClで洗浄し、50mM EDTA
および1mMベンザミジンを含む0.05M Tris/
HClで溶出したところ、PCを含むシングルピ
ークが得られた。抗体セフアロース4B溶出分
画のPCはバリウム吸着分画に比べ約52倍に精
製されており、回収率は約48.2%であつた。
イオン(Ca++)の非存在下では認識せず、カル
シウムイオン(Ca++)存在下で認識するモノク
ローナル抗体、それを産生するハイブリドーマ、
その抗体の製造方法及びヒト・プロテインCの分
離方法に関する。 b 従来技術 プロテインCはビタミンK依存性血漿蛋白質す
なわちγ−カルボキシグルタミン酸含有蛋白の一
つであり、血管内皮細胞表層のトロンボモジユリ
ン存在下トロンビンにより活性されて[Esmon,
C.T&Owen,W.G:Proc.Natl.Acad.Sci.USA.
78:2249−2251(1981)参照]活性化プロテイン
C(APC)となる。活性化プロテインCはセリン
プロテアーゼの一種であり、血液凝固系の補酸素
である第V因子(FV.FVa)と第因子(F,
Fa)を分解し、強い抗凝固作用[Suzuki.K.
et.al.:J.Biol.Chem.258:1914−1920(1983),
Vehar,G.A.&Davie,E.W.:
Biochemistry.19:401−409(1980)参照]を示す
と共に血管壁からプラスミノーゲン・アクチベー
タを放出させ、線溶系を促進させる[Comp,P.
C.&Esmon,C.T:J.Clin.Invest.8:1221−1228
(1981)参照]ことが知られている。 さらにプロテインC欠損症は重度の血栓症を呈
することも報告されており、[Griffin,J.H.et
al:J.Clin.Invest.,68,1370−1373(1980),
Bertina,R.M.et al:Thromb.Haemostas.,48
1〜5(1982)]プロテインCは血液凝固線溶系の
重要な制御因子であることが明らかにされてい
る。 したがつてプロテインCの作用機構を明らかに
すること、また、プロテインCの血中における抗
原量、活性量を測定し、その動向を把握すること
ができれば、それは基礎医学、臨床医学の領域に
おいて非常に重量な意味を持つと考えられる。 一方モノクローナル抗体は単一の抗原決定基に
たいして特異的であり、かつ同一の特異性を有す
る抗体を安定的に産生できるという利点から抗原
蛋白質の機能および構造の解析、あるいは免疫測
定(EIA,RIA)に近時一般的に広く利用される
ようになつて来た。特に抗原蛋白質の機能解析、
分子解析には抗原蛋白の機能に関与する部位、ま
た特殊な構造部位を認識する抗体を見出すことが
有力な手段となり得る。 ヒト・プロテインCの構造は、分子量約41000
のH鎖と分子量的21000のL鎖がS−S架橋で結
合されており、H鎖にセリンプロテアーゼ活性部
位を有し、また、L鎖アミノ末端には、9個のカ
ルシウムイオン結合性アミノ酸、すなわち、γ−
カルボキシグルタミン酸(Gla)残基を含むGla
ドメインが存在することが知られている。Glaド
メインを有する血液凝固因子は、プロテインCを
含め、第因子(プロトロンビン)、第因子、
第因子、第因子いずれもカルシウムイオン
(Ca++)存在下でGlaに依存した立体的構造変化
を生じることが知られており、この機構は、血液
凝固系発現の上で重要な役割を果していることが
知られている。 従来、ヒト・プロテインCのモノクロナール抗
体は鈴木らにより作成されたことが報告されてお
り[鈴木宏治他:“血液と脈管”,15:171−174
(1984)参照]、この抗体はヒト・プロテインCの
抗原量の測定、活性の測定に利用されているが、
カルシウムイオン(Ca++)存在下で構造変化を
受けたヒト・プロテインCを認識するモノクロナ
ール抗体についての報告はまだなされていない。 そこで本発明者らは、プロテインCがカルシウ
ムイオン(Ca++)存在下で立体的構造変化を受
けることに着目し、カルシウムイオン(Ca++)
の存在下で構造変化を受けたプロテインCを特異
的に認識するモノクローナル抗体について研究進
めた結果本発明に到達した。 c 発明の構造 すなわち、本発明は、カルシウムイオン
(Ca++)の非存在下ではヒト・プロテインCに対
して認識せず且つカルシウムイオン(Ca++)の
存在下ではヒト・プロテインCに対して特異的に
認識するヒト・プロテインCに対するモノクロー
ナル抗体である。 また他の本発明は、前記ヒト・プロテインCに
対するモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマであり、そのハイブリドーマの産生する産生
物からの前記ヒト・プロテインCに対するモノク
ローナル抗体の製造方法である。 さらに他の本発明は、カルシウムイオン
(Ca++)の非存在下では、ヒト・プロテインCに
対して認識せず且つカルシウムイオン(Ca++)
の存在下ではヒト・プロテインCに対して特異的
に認識するヒト・プロテインCに対するモノクロ
ーナル抗体を不溶性担体と結合させた吸着体に、
ヒト・プロテインC含有混合物を、カルシウムイ
オン(Ca++)の存在下に接触せしめて、該吸着
体にヒト・プロテインCを結合せしめることを特
徴とするヒト・プロテインC含有混合物からのヒ
ト・プロテインCの分離法である。 本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマ細胞はケーラーとミルシユタインの方法
[Ko¨hler&Milstein,Nature:256495−497
(1975)]として知られた方法によつて得られる。
すなわち、ヒト・プロテインCでマウスを免疫し
た後、このマウスの脾臓細胞をマウス・ミエロー
マ細胞と融合させ、得られたハイブリドーマ細胞
はマイクロタイタープレートに固定されたヒト・
プロテインCと反応する抗体に対し、系統的に検
査し、選択される。この際に、カルシウムイオン
(Ca++)存在下における検査と、カルシウムイオ
ン非存在下における検査を同時に行い前者におい
てのみ陽性を示すハイブリドーマを選別すること
により、目的とする抗体を合成し分泌するハイブ
リドーマを単離することができる。 本発明のモノクローナル抗体はかかる新規なハ
イブリドーマ細胞が産生する産生物から得られ、
カルシウムイオン(Ca++)の存在下におけるヒ
ト・プロテインC分子上の特定の抗原決定基に対
して単一特異的に作用する。 本発明のモノクローナル抗体はその特性からヒ
ト・プロテインCの精製に利用する場合非常に有
利である。すなわち、不溶性担体に本発明におけ
るモノクローナル抗体を固定化し、カルシウムイ
オン(Ca++)が存在する溶液中で血漿(カルシ
ウムイオン存在下で凝固しないように調製したも
の)または、他のヒト・プロテインCを含む原
料、あるいはそれらの粗抽出物、粗精製物および
溶液からヒト・プロテインCを吸着・分離しカル
シウムイオン(Ca++)存在下で洗浄後、溶液を
カルシウムイオンを含まないもの(例えば
EDTAが存在する溶液)に置き換えて、ヒト・
プロテインCを溶出することができる。この方法
によれば、従来の不溶化抗体による抗原蛋白質の
精製のように、過激な条件下(例えば、0.2Mグ
リシン塩酸あるいは8M尿素のような)に蛋白質
をさらすことなく、穏和な条件下で精製を行うこ
とができる。 また、ヒト・プロテインCその他のγ−カルボ
キシグルタミン酸含有蛋白質にはGlaを含まず、
Glaに依存する構造変化を受けない異常分子が存
在することが知られているが、本発明におけるモ
ノクローナル抗体を用いることにより、この異常
分子の測定が可能になると考えられる。すなわ
ち、カルシウムイオン(Ca++)の存在の有無に
拘らず、ヒト・プロテインCを認識する抗体を用
いて免疫学的手段(例えばEIA,RIA)により血
漿その他の試料中のヒト・プロテインC抗原量を
測定し、更に本発明によるモノクローナル抗体を
用いて、血漿、その他の試料中のヒト・プロテイ
ンCをカルシウムイオン存在下で免疫学的手法
(EIA,RIA)により測定すれば、その測定値の
差から、異常ヒト・プロテインCの量を把握する
ことができる。 次に本発明におけるモノクローナル抗体を作性
する具体的方法について詳細に説明する。 A 抗原の単離・精製; 抗原に用いるヒト・プロテインCは鈴木らの
方法[Suzuki.K.et al,J.Biol.Chem.258:
1914−1920(1983)]によりヒト・血漿から単
離・精製される。 B ヒト・プロテインCによるマウスの免疫; 雌Balb/Cマウスを用いることができるが
他の系(Strain)のマウスを使用してもよい。
その際、免疫計画、及びヒト・プロテインCの
濃度は十分な量の抗原刺戟を受けた、リンパ球
が形成されるよう選ばれるべきである。例えば
マウスに50μgのヒト・プロテインCを2週間
間隔で腹腔に3回投与の後、さらに30μgを静
脈に投与する。最終免疫の数日後に融合の為に
脾臓細胞をとり出す。 C 細胞融合; 上記の如く免疫したマウスの脾臓を無菌的に
取り出し、そこから単細胞懸濁液を調製する。
それらの脾臓細胞を適当なラインからのマウス
骨髄腫細胞と適当な融合促進剤の使用により、
細胞融合させる。脾臓細胞対、骨髄腫細胞の好
ましい比率約20:1〜約2:1の範囲である。
約108個の脾臓細胞について0.5〜1.5mlの融合媒
体の使用適当である。 細胞融合に用いるマウス骨髄腫細胞は、良く
知られているが、本発明では、P3−X63−Ag8
−U1細胞(P3−U1)[Yelton,D.E et al,
Current.Topics in Microbiology and
Immunology,811(1978)参照]を用いた。 好ましい融合促進剤としては、例えば、平均
分子量1000〜4000のポリエチレングリコールを
有利に使用できるが、この分野で知られている
他の融合促進剤を使用することもできる。本発
明においては、平均分子量1540のポリエチレン
グリコールを用いた。 D 融合した細胞の選択; 別の容器内(例えばマイクロタイタープレー
ト)で未融合の脾臓細胞、未融合のマウス骨髄
腫細胞および融合したハイブリドーマ細胞の混
合物を未融合のマウス骨髄腫細胞を支持しない
選択培地で希釈し、未融合の細胞を死滅させる
のに十な時間(約1週間)培養する。培地は、
未融合のマウス骨髄腫細胞を支持しないもの、
(例えばHAT培地)が使用される。この選択
培地中では、未融合の骨髄腫細胞は死滅する。
この未融合の脾臓細胞は非腫瘍性細胞なので、
ある一定期間後(1週間後)死滅する。これら
に対して融合した細胞は、骨髄腫の親細胞の腫
瘍性と、親脾細胞の性質を合わせ持つため、選
択培地中で生存できる。 E 各容器中のヒト・プロテインC抗体の確認; かくして、ハイブリドーマ細胞が検出された
後、その培養上清を採取し、ヒト・プロテイン
Cに対する抗体について酵素免疫定量法
(Enzyme Linked Immunosobent Assay)に
よりスクリーニングする。この際、培養上清、
酵素標識抗体溶液および洗浄液に一定濃度の
CaC2を加えた条件下の測定と、CaCl2を加えな
い条件下の測定の両方を行い、前者に対しての
み陽性を示すハイブリドーマを選択することに
より、カルシウムイオン非存在下では、ヒト・
プロテインCを認識せず、カルシウムイオン存
在下で、ヒト・プロテインCを認識する抗体を
産生、分泌するハイブリドーマを選別すること
ができる。 F 目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞の
クローン化と抗体の産生 目的の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を
適当な方法(例えば限界希釈法)でクローン化
すると、抗体は2つの異なつた方法で産生され
る。その第1の方法によれば、ハイブリドーマ
細胞を一定時間、適当な培地で培養することに
より、その培養上清からそのハイブリドーマ細
胞の産生するモノクローナル抗体を得ることが
できる。第2の方法によれば、ハイブリドーマ
細胞は同質遺伝子、又は半同質遺伝子を持つマ
ウスの腹腔に注射することができる。一定時間
後の宿主動物の血液中および腹水中より、その
ハイブリドーマ細胞の産生するモノクローナル
抗体を得ることができる。 G ヒト・プロテインC含有混合物からのヒト・
プロテインCの分離; 本発明におけるモノクローナル抗体は、前記
した如く、カルシウムイオン(Ca++)の非存
在下ではヒト・プロテインCに対して認識せ
ず、且つカルシウムイオン(Ca++)の存在下
ではヒト・プロテインCに対して特異的に認識
するという性質を有しているので、この性質を
利用して、ヒト・プロテインCを含有している
混合物(例えばヒト血漿など)からヒト・プロ
テインCを簡単に分離することができる。 そのため、先ず前記ヒト・プロテインCに対
するモノクローナル抗体を不溶性担体に固定化
又は結合させて吸着体を得る。その際使用され
る不溶性担体としては、モノクローナル抗体を
用いた測定試薬又は測定用キツトの基材として
一般的使用されるものであればよい。例えば材
質としてアガロース、ポリアクリルアミド、セ
ルロース、デキストラン、またはマレイン酸ポ
リマー或いはこれらの混合物が好ましく用いら
れる。これら不活性担体の形態としては、粉末
状、粒状、ペレツト状、ビーズ状、フイルム
状、繊維状などの種々の形態であることができ
る。また一般に血漿、またはその分画成分の測
定や分離に用いられる多数の凹状のくぼみを有
するプレート(ウエル)を用いることが有利で
ある。 前記吸着体を用い、これにヒト・プロテイン
C含有混合物を、カルシウムイオン(Ca++)
の存在下に接触せしめると、該吸着体に固定化
したモノクローナル抗体とヒト・プロテインC
とが結合して、結果的にヒト・プロテインCが
該吸着体に結合する。かくすることによりヒ
ト・プロテインCを分離、除去することが可能
である。 又前記の如くしてヒト・プロテインCを吸着
体に結合させ、出来れば残余の混合物を洗滌し
て除去し、次いで吸着体に結合したヒト・プロ
テインCをカルシウムイオン(Ca++)を実質
的に含まない液体と接触又は洗滌すると、ヒ
ト・プロテインCは該吸着体から離脱し、これ
を取得することによつて、ヒト・プロテインC
を単離することができる。 かくして前記本発明の分離法によれば、ヒ
ト・プロテインCを含有する混合物からのヒ
ト・プロテインCの除去、該混合物からのヒ
ト・プロテインCの分離及び精製、該混合物中
のヒト・プロテインCの含有量の測定などが極
めて簡単な操作で達成される。 以下実施例を上げ本発明を詳細に説明する。以
下実施例ではプロテインCをPCと略称すること
がある。 実施例 1 精製したヒト・PCを雌のBalb/Cマウス(4
週齢)2匹に対して14日間隔で4回免疫した。 初回の免疫はPBSに溶解した。50μgのヒト・
PCを等量のフロントの完全アジユバント
(Complete Freund's adjuvant)と混合し、その
エマルジヨンを、腹腔内に投与した(0.5mg/
head)、2回目,3回目は、同じく50μgのヒト・
PCをフロントの不完全アジユバント(Freund's
incomplete adjuvant)と混合し、同じく腹腔内
に投与した。最終免疫は30μgのヒト・PCをPBS
溶液のまま、マウス尾静脈から投与した。最終免
疫の3日後に免疫したマウスの脾臓細胞を細胞融
合に用いた。 免疫したマウスの脾臓細胞と、同系マウスの骨
髄腫細胞(P3U1)を約2:1〜約15:1の割合
で混合し、50%ポリエチレングリコール1540(和
光)を融合促進剤としてKo¨hlerとMilsteinの方
法に従い細胞融合を行つた。融合後の細胞は、1
×106cell/mlの細胞濃度となるように10%FCS−
RPMI−1640培地に懸濁し、96we11sマイクロプ
レート(Coster)に1ウエル当り100μずつ分
注した。 融合細胞は、CO2インキユベーター(5%
CO2,37℃)中で培養し、ヒポキサンチン,アミ
ノプリテン;チミジンを含む培地(HAT培地)
で培地交換を行い、HAT培地中で増殖させて、
脾臓細胞と、骨髄腫細胞から成るハイブリドーマ
のスクリーニングを行つた。 ハイブリドーマの培養上清中の抗体は抗原ヒ
ト・PCをコーテイングしたマイクロタイタープ
レートを用いELISA法により検出した。第2抗
体には、アルカリホスフアターゼ標識ウサギ抗マ
ウスIgG抗体を用い、カルシウムイオン存在下非
存在下におけるヒト・PCとの結合の違いを見る
ため、一方の培養上清には5mMCaCl2を添加した
TBS(0.02MTris/HCl,0.14MNaCl,PH7.4)ま
たもう一方にはTBSを加えた。更に第2抗体の
希釈液、および洗浄液には、5mMCaCl2添加
TBS,0.05%Tween20,0.02%NaN3または
TBS,0.05%Tween20,0.02%NaN3を使用し
た。 融合細胞をまいた合計541のウエルのうち523の
ウエルにコロニーの形成が認められ。このうち抗
体産生陽性ウエルは下記表−1に示すようにカル
シウムイオン存在下で44,カルシウムイオン非存
在下で32であつた。 これらの抗体産生陽性ウエルのうち12のウエル
について限界希釈法によるクローニングを2回繰
り返して行ない、13個のクローンを得た。得られ
たクローンは90%FCS−10%DMSO中に懸濁さ
せ液体窒素中に保存した。 各クローンの産生するモノクローナル抗体はク
ローンをBalb/Cマウス腹腔内で増殖させ、そ
の腹水からプロテインA−SepharoseBカラムを
用いて精製した。 【表】 【表】 実施例 2 (精製したIgGの性質) マウス腹水から精製した各クローンのIgGにつ
いてサブクラス,ヒト・PC活性への影響L鎖あ
るいはL鎖への結合性を調べた。 サブクラスは、各クラス特異性の抗マウス抗血
清を用いて、オクタロニー法により決定した。ヒ
ト・PC活性への影響は、ヒト・PCにIgGをモル
比1:5で加えて4℃で一夜インキユベーシヨン
し、トロンビン−トロンボモジユリンコンプレツ
クスによりヒトPCを活性化し、その活性は次合
成基質の分解活性を測定することにより測定し
た。この合成基質としては [ここでVelはD形の光学活性のバリン,Leuは
L形の光学活性のロイシン,ArgはL形の光学活
性のアルギンを示す。KabiVitrumAB(スウエー
デン)社製のS−2266を用いた]を使用した。L
鎖、H鎖への結合性は、ヒト・PCを還元条件で
電気泳動し、ニトロセルロース膜及びHRP標識
Goat anti−mouse IgGを用いたイムノブロツテ
イングを行つて判定した。 各性質について得られた結果を下記表−2に示
した。カルシウムイオン依存性抗体はいずれもL
鎖結合性であり、ヒト・PCの活性には影響を及
ぼさなかつた。 【表】 実施例 3 (カルシウムイオンの影響) ヒト・PCと精製したIgGとの反応に及ぼすカ
ルシウムイオンの影響について検討した。 ヒト・PCをコーテイングしたELISA法におい
てカルシウムイオン依存性の抗体B12及び10E12
を5mMCaCl2添加TBS−Tween(0.02M Tris/
HCl,0.14M NaCl,PH7.4 0.05%Tween20,
0.02%NaN3)またはTBS−Tweenで希釈してヒ
ト・PCと反応させアルカリホスフアターゼ標識
ウサギ抗マウスIgGを用いた発色から結合量を測
定すると、5mMCaCl2を添加したバツフアーで希
釈した場合には抗体濃度に依存したヒト・PCと
の結合を示したが、CaCl2を添加しないバツフア
ーで希釈した場合には、抗体濃度を高くしても結
合は認められなかつた。その結集を下記表−3に
示した。 なお、カルシウムイオン非依存性の抗体6B10
−1及び10H11を用いて同様にカルシウムイオン
の影響について調べた結果も同表−3に併記して
示した。 【表】 実施例 4 (カルシウムイオン濃度の影響) 前記実施例3におけるカルシウムイオン依存性
の抗体7B12及び10E12を用い、それらの濃度を一
定(1μg/ml)とし、抗体溶液中のカルシウムイ
オン濃度を変化させたところ、ヒト・PCとの結
合はCaCl2濃度が高まるにつれて増加し、約1mM
の濃度で飽和となつた。その結果を下記表−4に
示した。またカルシウムイオン非依存性の抗体
6E2を用い同様にCaCl2濃度の変化の影響を調べ
た結果を、下記表−5に示した。表−5の結果か
らカルシウムイオン非存在性の抗体では、カルシ
ウムイオン濃度に影響なく、ヒト・PCとの結合
はほぼ一定の値を示していることがわかる。 なお、測定は、所定濃度のCaCl2を含むTBS−
Tweenで1μg/mlIgG溶液を調製し、100μを、
ヒト・PCをコーテイングしたwellに加えて行つ
た。インキユベーシヨン後のwellの洗浄にも各濃
度のCaCl2を含むTBS−Tweenを用いた。 【表】 【表】 【表】 実施例 5 (1) 抗体の不溶性担体への固定化; ブロムシアン活性化セフアロース4B(フアル
マシア・フアイン・ケミカルズ社製)の乾燥ゲ
ル0.5gを、G3グラスフイルター上で100mlの
1mM HClを用いて膨潤、洗浄し、更にカツプ
リングバツフアー(0.5M NaClを含む
0.1MNaHCO3PH8.3)で洗浄した。カツプリン
グバツフアーを吸引除去した後、直ちにゲルを
抗体(6H2)のカツプリングバツフアー溶液
(3mg/ml)2ml中に加えて懸濁させ、4℃で
一夜ゆるやかに振とうした。次にゲルと1Mエ
タノールアミン−HCl(PH8.0,2ml)中に移
し、室温で2時間振とうして残存する活性基を
ブロツクした。ブロツキング後、抗体結合セフ
アロースゲルをグラスフイルター上で、0.5M
NaClを含む0.1M酢酸バツフアーPH4.0,と
0.5M NaClを含む0.1Mホウ酸バツフアーPH‐
8.0を交互に用いて洗浄した。液の280nmに
おける吸光度が0.01以下になつたところで、
5mM CaCl2、および1mMベンザミジンを含む
0.05M Tris/HClPH7.4で平衡化し、カラムに
充てんした。このようにして調製した抗ヒト
PCモノクローナル抗体(6H2)結合セフアロ
ース4Bカラムを用いてアフイニテイクロマト
を行つた。 (2) プロテインCの抗体結合セフアロース4Bへ
の吸着、溶出; 血漿100mlに1M BaCl2溶液8mlを加え4℃
で1時間撹拌した。沈澱を遠心分離して集め
5mM BaCl2,5mMベンザミジンを含む0.1M
NaClで洗浄した後、15mlの5mMベンザミジン
を含む0.2M EDTAPH7.4で沈澱物を溶解し、
バリウム吸着分画を得た。このバリウム吸着分
画を1mMベンザミジンを含む0.05M Tris/
HClPH7.4に透析し、終濃度5mMとなるように
CaCl溶液を加え、5mM CaCl2および1mMベ
ンザミジンを含む0.05M Tris/HClで平衡化
した抗体(6H2)結合カラムにかけた。5mM
CaCl2,1mMベンザミジンおよび1MNaClを含
む0.05M Tris/HClで洗浄し、50mM EDTA
および1mMベンザミジンを含む0.05M Tris/
HClで溶出したところ、PCを含むシングルピ
ークが得られた。抗体セフアロース4B溶出分
画のPCはバリウム吸着分画に比べ約52倍に精
製されており、回収率は約48.2%であつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 カルシウムイオン(Ca++)の非存在下では
ヒト・プロテインCに対して認識せず且つカルシ
ウムイオン(Ca++)の存在下ではヒト・プロテ
インCに対して特異的に認識するヒト・プロテイ
ンCに対するモノクローナル抗体。 2 ヒト・プロテインCで免疫されたマウスの脾
臓細胞とマウスのミエローマ細胞を融合させたハ
イブリドーマであつて、カルシウムイオン
(Ca++)の非存在下ではヒト・プロテインCに対
して認識せず且つカルシウムイオン(Ca++)の
存在下ではヒト・プロテインCに対して特異的に
認識するヒト・プロテインCに対するモノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマの産生物から
カルシウムイオン(Ca++)の非存在下ではヒ
ト・プロテインCに対して認識せず且つカルシウ
ムイオン(Ca++)の存在下ではヒト・プロテイ
ンCに対して特異的に認識するヒト・プロテイン
Cに対するモノクローナル抗体を分離することを
特徴とするモノクローナル抗体の製造方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59254186A JPS61134399A (ja) | 1984-12-03 | 1984-12-03 | モノクローナル抗体及びその製造方法 |
| US06/804,255 US4902614A (en) | 1984-12-03 | 1985-12-03 | Monoclonal antibody to human protein C |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59254186A JPS61134399A (ja) | 1984-12-03 | 1984-12-03 | モノクローナル抗体及びその製造方法 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1288684A Division JPH0636741B2 (ja) | 1989-11-08 | 1989-11-08 | ヒト・プロテインcの分離方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61134399A JPS61134399A (ja) | 1986-06-21 |
| JPH031959B2 true JPH031959B2 (ja) | 1991-01-11 |
Family
ID=17261426
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59254186A Granted JPS61134399A (ja) | 1984-12-03 | 1984-12-03 | モノクローナル抗体及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61134399A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB8327860D0 (en) * | 1983-10-18 | 1983-11-16 | Fujisawa Pharmaceutical Co | Monoclonal antiprotein c antibody |
-
1984
- 1984-12-03 JP JP59254186A patent/JPS61134399A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61134399A (ja) | 1986-06-21 |
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