JPH0320231B2 - - Google Patents
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- JPH0320231B2 JPH0320231B2 JP15622582A JP15622582A JPH0320231B2 JP H0320231 B2 JPH0320231 B2 JP H0320231B2 JP 15622582 A JP15622582 A JP 15622582A JP 15622582 A JP15622582 A JP 15622582A JP H0320231 B2 JPH0320231 B2 JP H0320231B2
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- Japan
- Prior art keywords
- film
- polymer
- enzyme
- graft
- hydrophobic
- Prior art date
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- Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
Description
本発明は酵素固定化フイルム及びその製造方法
に関するものである。 近年、医薬品工業、食品工業等に於いて、酵素
反応の基質特異性を利用した極めて有用な触媒と
して、酵素を工業プロセスに応用し、益々発展を
遂げつつある。従来の酵素反応は水に溶解して反
応を行なわしめ、反応終了後の酵素と反応生物と
の分離は容易でない。そのため酵素を都度回収し
て再利用することは困難である。したがつて従来
の工業プロセスではバツチ式を採用せざるをえな
いため酵素の利用効率は悪く、非常に不経済であ
る。そこで固定化酵素の検討がさかんに行なわ
れ、例えば物理的吸着法、イオン結合法、共有結
合法により反応中に酵素が溶出しないよう基材に
結合させ固定化する方法、及び多孔性ゲルの中に
物理的にとじこめるか又は高分子重合体で封入す
る包括法等が研究されている。 しかし例えばイオン結合法では緩衝液の種類あ
るいはPHの影響を受けやすく、反応をイオン強
度の高い状態で行うと酵素が担体から遊離するこ
とがあり、酵素の失活に拘りなく固定化の反応条
件が限られてくる。これらいくつかの固定化方法
の中で包括法が一番多く研究されている。それは
包括法が酵素タンパク自身が固定化担体と化学的
に結合していないので数多くの酵素に適用できる
利点がある。 放射線や高速電子線をもちいて重合をおこした
アクリルアミドゲル中に包括した固定化酵素は工
業的にも利用されている好例である。これらの放
射線をもちいて重合をおこし包括する方法は、し
かしながら放射線が単量体層を透過して酵素に損
傷を与え、活性を低下させてしまうという欠点を
有している。また、重合温度を非常な低温に維持
しなければならないし、放射線源や安全保護の観
点から施設的にも大規模な装置を備えなければな
らなく、高エネルギーを要する割に効率・経済性
ともに悪い。このような状況から、新しい技術に
よる酵素固定化方法が待ち望まれていた。また一
方酵素の安定性は〓糖やグリセリン中で安定化す
るように適当な化合物に保護されている時には酵
素は長期間活性を持続させるということも判明し
ている。 本発明者らは従来の欠陥を排除すべく鋭意検討
研究の結果、本発明を完成させたものである。 本発明の目的は長期間の酵素活性を持続させる
新規な酵素固定化フイルムを提供するにある。他
の目的は斯かるフイルムを工業的容易且つ安価に
製造する方法を提供するにある。 本発明は疎水性フイルムを形成する疎水性重合
体にイオン化ガスプラズマの存在下で親水性不飽
和単量体をグラフト重合せしめた親水化フイルム
に、該重合により得られたグラフト重合体と錯体
形成能を有する相補性重合体により錯体中に酵素
を包括固定化してなる酵素固定化フイルムであ
り、本発明方法は疎水性フイルムを形成する疎水
性重合体にイオン化ガスプラズマの存在下で親水
性不飽和単量体をグラフト重合せしめた親水化フ
イルムを、酵素及び該重合により得られたグラフ
ト重合体と錯体形成能を有する相補性重合体を含
有する水溶液に浸漬し錯体中に酵素を包括固定化
せしめることを特徴とする。 本発明に適用される疎水性フイルムとは疎水性
重合体をフイルムに成型したものであれば良いが
品質面や、コスト面からはポリエチレン、ポリプ
ロピレン、またはポリエチレンテレフタレートか
らなる疎水性フイルムが好ましい。 また親水性不飽和単量体としては、ビニル基ま
たはアリル基を持ちしかも親水性である単量体で
通常のラジカル重合を行なうものであれば良く特
に限定されない。一般にはアクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−ビニルピロリドン;アクリル
酸、メタクリル酸、P−スチレンスルホン酸、ビ
ニルスルホン酸、2−メタアクリロイルオキシエ
チルスルホン酸、3−メタアクリロイルオキシ−
2−ヒドロキシプロピルスルホン酸、アリルスル
ホン酸、メタクリルスルホン酸、並びにこれらの
酸のアンモニウム塩、及びアルカリ金属塩、N、
Nジメチルアミノエチルアクリレート、N、Nジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルアクリレート及びジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、2ビニルピリジン及び4ビニ
ルピリジンの塩基、硝酸、ジメチル硫酸、ジエチ
ル硫酸又は塩化エチルの4級化物である。好まし
い親水性不飽和単量体としてはアクリル酸、メタ
クリル酸、2ヒドロキシエチルメタクリレート、
2ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、メタクリルアミド、2ア
クルリアミド−2−メチルプロパンフルホン酸、
N、Nジメチルアミノエチルメタクリレート又は
N、Nジメチルアミノエチルアクリレートが挙げ
られる。 また本発明におけるグラフト重合のグラフト重
合率は目的、用途に応じ自由に可変可能である
が、好ましくはフイルムを形成する疎水性重合体
に対し少くとも1重量%、好ましくは10重量%、
更に好ましくは100重量%、特に好ましくは300重
量%である。 本発明における重合はいわゆるプラズマ開始重
合である。即ちプラズマ開始重合とは非平衡のイ
オン化ガスプラズマを用いて重合を開始もしくは
活性種を作りかつプラズマの不存在下に重合の大
部分を完結させるものである。イオン化ガスプラ
ズマの生成はプラズマを生成するための公知方法
のいずれによつても行なうことが出来る。例えば
J・R.ホラハン(Hollahan)とA・Tベル
(Bell)版“プラズマ化学の応用技術”、ワイリ
ー、ニユーヨーク1974およびM・シエン(Shen)
版“重合体のプラズマ化学”デツカー、ニユーヨ
ーク、1976に記載されている。即ち高周波発生器
に連結された平行板電極の間にモノマーを真空下
で入れ、真空室の外部又は内部のいずれかの平行
板を用いてプラズマを生成させることが出来る。
また外部誘導コイルによつて電場をつくらせ、イ
オン化ガスのプラズマを発生させてもよく、また
反対に荷電した電極に間隔をおいて直接真空室に
入れてプラズマを生成させてもよい。 本発明においては疎水性重合体よりなるフイル
ムだけをイオン化ガスプラズマの存在下に保持し
た後、該プラズマの不存在下で親水性不飽和単量
体の水溶液中で、親水性不飽和単量体を疎水性重
合体よりなるフイルムにグラフト重合させるか、
または疎水性重合体よりなるフイルムと親水性不
飽和単量体の水溶液、または疎水性重合体よりな
るフイルムと親水性不飽和単量体のガスとをイオ
ン化ガスプラズマの存在下で重合を開始し、しか
る後に前記フイルムを該単量体の水溶液中に浸漬
して該プラズマの不存在下、前記フイルム上にグ
ラフト重合させる。 イオン化ガスプラズマの不存在下親水性不飽和
単量体の水溶液で重合させる代りに、該単量体中
又は該単量体の乳化液或いは有機溶媒溶液を使用
してもよい。 本発明方法を更に詳細に説明すれば脱気を10-1
〜10-4トールで行ない疎水性重合体よりなるフイ
ルムに上記方法にてプラズマ照射を行なう。好ま
しくは20〜200ワツト、更に好ましくは40〜100ワ
ツトでグロー放電をさせ疎水性重合体に活性種を
生成させる。照射時間は通常1〜3600秒、好まし
くは1〜1800秒間照射する。プラズマ照射を行な
つた後に上記フイルムを親水性不飽和単量体の水
溶液中で該単量体を該プラズマの不存在下に重合
させると、前記フイルムの活性種より該単量体を
消費しはじめる、いわゆるグラフト重合が進行す
る。後重合温度及び時間は使用する単量体種類に
よつて異なり特に限定されないが通常温度は1〜
60℃、時間は1〜25時間で十分である。単量体種
類によつては60℃を超えると熱重合を起こし低分
子のポリマーも生成してくることがあるので注意
を要する。 かくして得られた疎水性フイルムへの親水性不
飽和単量体のグラフト重合化物は該フイルムの表
面に重合度の著大な直鎖の親水性重合体がグラフ
ト重合しているので該フイルム表面の性質が改良
され例えば本発明方法にてポリエチレンにアクリ
ル酸を24重量%グラフトしたものの水の接触角は
未処理ポリエチレン101゜に対し56゜と著しく向上
していることが判る。 本発明に適用されるグラフト重合体の相補性重
合体とはグラフト重合体と高分子間錯体を形成す
る重合体である。例えばグラフト重合体がアクリ
ル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などのカル
ボン酸基を有する単量体からなる重合体では、そ
の相補性重合体としてはポリエチレングリコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリキシルビオロー
ゲン、ポリエチレンイミン及びポリビニルピリジ
ニウムクロライドなどが挙げられる。またグラフ
ト重合体が、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、ビニルピリジン、N、N−ジメチルアミノエ
チルメタクルレート又はN、N−ジメチルアミノ
エチルアクリレートなどの塩基性単量体からなる
重合体ではその相補性重合体としてはポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリ2−アクリルアミ
ド−2メチルプロパンスルホン酸、ポリスチレン
スルホン酸、ポリビニルスルホン酸が挙げられ、
フイルムと相補性重合体を水溶液中に所定時間浸
漬すれば高分子間錯体を形成する。 また相補性重合体の量は一般にフイルムへのグ
ラフト重合体の量によつて支配され、例えばグラ
フト重合体量が多い場合は相補性重合体も多く必
要とする。従つて相補性重合体の量はグラフト化
した高分子に対し繰り返し単位で等モル以上であ
る。即ちグラフト重合体と錯体を形成する量だけ
フイルムに付着するのであるから相補性重合体の
大過剰の水溶液中で錯体を形成させればよい。水
溶液中の相補性重合体及び酵素の量は特に限定さ
れないが通常夫々0.01〜1モル濃度、0.1〜30重
量濃度程度である。水溶液の温度は室温乃至それ
以下が好ましく、フイルムの浸漬は通常15分乃至
1時間程度撹拌下に行なう。又該水溶液には食塩
等の無機化合物を添加して、イオン強度を上げる
こともできる。水溶液のPHは相補性重合体の種類
により錯体を形成し易い様に調整する。浸漬後、
必要に応じ水洗し乾燥するが、乾燥は通常常温で
必要に応じ減圧下で行なう。 本発明に使用できる酵素の種類は特に限定され
ないが、例えばインベルターゼ、ウレアーゼ、グ
ルコースイソメラーゼ、グルコースオキシター
ゼ、プロテアーゼ、ウリカラーゼ、アシラーゼ、
αアミラーゼ、βアミラーゼ、コラゲナーゼ、ア
ルギナーゼ、酸性プロテアーゼ、アルカリ性プロ
テアーゼ、L−グルタミン酸脱炭酸酵素、リバー
ゼ、D−アミノ酸オキシターゼ、βグルコシター
ゼ、グルコアミラーゼなど挙げることができる。
酵素の含有量は固定化酵素フイルムに対して0.1
〜30重量%が好ましい。 本発明では酵素を相補性重合体との水溶液中に
分散せしめ親水化(グラフト化)フイルムとの高
分子間錯体形成と同時に酵素を包括固定化する。
即ち酵素を包括固定化するのに放射線や、重合熱
やプラズマさえも照射されずそのため本発明では
酵素に損傷を与えたり活性を低下させたりするこ
とは一切ないばかりか高分子間錯体に固定化され
た酵素は酵素阻害剤やPH、温度などに対し高分
子間錯体が優れた保護作用を示すため、非常に安
定した長期間活性を持続する。そればかりか疎水
性フイルムを担体としているので機械的強度も極
めて優れているなど、従来法では得られはい画期
的なものである。 以下実施例により本発明を説明する。なお実施
中グラフト率、水の接触角、酵素の活性保持率は
次の方法にて測定した。 a グラフト率 グラフト重合したグラフトフイルムを良溶媒
にて2日間撹拌洗浄を行ない未反応単量体及び
ホモ重合体を完全に除き乾燥後重量によつてグ
ラフト率を計算 グラフト率(%)=処理後フイルム重量−初期フイルム
重量/初期フイルム重量×100 b 水の接触角 協和科学(株)製接触角形CA−P型を用いて測
定した。 c 活性保持率(%)=V1/V0×100 酵素固定化フイルムを充分洗浄し、次いで1
回目に酵素活性を測定した時の酵素活性をV0
とし、しかる後緩衝液に該フイルムを10日間浸
漬しておいた後の酵素活性をV1とした。又、
酵素活性は基質の分解速度で表わした。 実施例 1 厚さ50μm一辺15mmの正方形をしたポリエチレ
ンフイルムを10-3トールで内径35mmのセパラブル
フラスコの器壁に設置し13.56MHzの高周波発生
装置に連結させた2枚の銅電極板間に挿入し
100Wの出力でプラズマを90秒間発生、照射させ、
その後10-3トール中で50重量%のアクリル酸水溶
液を加えて25℃で12時間後重合させた。得られた
グラフトフイルムを純水にて2日間撹拌洗浄、脱
溶媒、乾燥して試料とし、水の接触角を測定した
ところもとのポリエチレンフイルムは101゜に比較
して56゜と著しく親水化されており、またグラフ
ト率は24%であつた。該フイルムをインベルター
ゼ(活性:シヨ糖4g/ml、20℃×30分PH4)10
重量%及び1モル%のNaclを含む重合度500のポ
リエチレングリコールの10%水溶液中に浸漬して
インベルターゼを該フイルムとポリエチレングリ
コールとの高分子間錯体中に包括固定化した固定
化酵素フイルムを得た。 該固定化酵素フイルムを充分水洗した後、10重
量%のシヨ糖を含む0.2M酢酸緩衝液(PH4.6)10
mlに浸漬し25℃で90分間加水分解反応を行ない、
加水分解率を比施光度により定量し求めた。又酵
素固定化フイルムの安定性を調べる為、この値に
対し上記緩衝液に酵素固定化フイルムを10日間浸
漬しておいた後の酵素活性の比を活性保持率とし
て計算したところ0.04Mol/min、gの速度でシ
ヨ糖を加水分解する酵素活性を示し、90%の活性
保持率であつた。 実施例 2 実施例1と同様のフイルム、装置及び実験条件
を用い、以下に示すようなグラフト重合体及びそ
の相補性重合体との間の錯形成をおこなうことに
よつてインベルターゼの固定化をおこなつた。得
られた固定化酵素フイルムを実施例1と同様の条
件で固定化インベルターゼの活性を測定したとこ
ろ、下記の表のような酵素活性を有する酵素固定
化フイルムが得られた。
に関するものである。 近年、医薬品工業、食品工業等に於いて、酵素
反応の基質特異性を利用した極めて有用な触媒と
して、酵素を工業プロセスに応用し、益々発展を
遂げつつある。従来の酵素反応は水に溶解して反
応を行なわしめ、反応終了後の酵素と反応生物と
の分離は容易でない。そのため酵素を都度回収し
て再利用することは困難である。したがつて従来
の工業プロセスではバツチ式を採用せざるをえな
いため酵素の利用効率は悪く、非常に不経済であ
る。そこで固定化酵素の検討がさかんに行なわ
れ、例えば物理的吸着法、イオン結合法、共有結
合法により反応中に酵素が溶出しないよう基材に
結合させ固定化する方法、及び多孔性ゲルの中に
物理的にとじこめるか又は高分子重合体で封入す
る包括法等が研究されている。 しかし例えばイオン結合法では緩衝液の種類あ
るいはPHの影響を受けやすく、反応をイオン強
度の高い状態で行うと酵素が担体から遊離するこ
とがあり、酵素の失活に拘りなく固定化の反応条
件が限られてくる。これらいくつかの固定化方法
の中で包括法が一番多く研究されている。それは
包括法が酵素タンパク自身が固定化担体と化学的
に結合していないので数多くの酵素に適用できる
利点がある。 放射線や高速電子線をもちいて重合をおこした
アクリルアミドゲル中に包括した固定化酵素は工
業的にも利用されている好例である。これらの放
射線をもちいて重合をおこし包括する方法は、し
かしながら放射線が単量体層を透過して酵素に損
傷を与え、活性を低下させてしまうという欠点を
有している。また、重合温度を非常な低温に維持
しなければならないし、放射線源や安全保護の観
点から施設的にも大規模な装置を備えなければな
らなく、高エネルギーを要する割に効率・経済性
ともに悪い。このような状況から、新しい技術に
よる酵素固定化方法が待ち望まれていた。また一
方酵素の安定性は〓糖やグリセリン中で安定化す
るように適当な化合物に保護されている時には酵
素は長期間活性を持続させるということも判明し
ている。 本発明者らは従来の欠陥を排除すべく鋭意検討
研究の結果、本発明を完成させたものである。 本発明の目的は長期間の酵素活性を持続させる
新規な酵素固定化フイルムを提供するにある。他
の目的は斯かるフイルムを工業的容易且つ安価に
製造する方法を提供するにある。 本発明は疎水性フイルムを形成する疎水性重合
体にイオン化ガスプラズマの存在下で親水性不飽
和単量体をグラフト重合せしめた親水化フイルム
に、該重合により得られたグラフト重合体と錯体
形成能を有する相補性重合体により錯体中に酵素
を包括固定化してなる酵素固定化フイルムであ
り、本発明方法は疎水性フイルムを形成する疎水
性重合体にイオン化ガスプラズマの存在下で親水
性不飽和単量体をグラフト重合せしめた親水化フ
イルムを、酵素及び該重合により得られたグラフ
ト重合体と錯体形成能を有する相補性重合体を含
有する水溶液に浸漬し錯体中に酵素を包括固定化
せしめることを特徴とする。 本発明に適用される疎水性フイルムとは疎水性
重合体をフイルムに成型したものであれば良いが
品質面や、コスト面からはポリエチレン、ポリプ
ロピレン、またはポリエチレンテレフタレートか
らなる疎水性フイルムが好ましい。 また親水性不飽和単量体としては、ビニル基ま
たはアリル基を持ちしかも親水性である単量体で
通常のラジカル重合を行なうものであれば良く特
に限定されない。一般にはアクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−ビニルピロリドン;アクリル
酸、メタクリル酸、P−スチレンスルホン酸、ビ
ニルスルホン酸、2−メタアクリロイルオキシエ
チルスルホン酸、3−メタアクリロイルオキシ−
2−ヒドロキシプロピルスルホン酸、アリルスル
ホン酸、メタクリルスルホン酸、並びにこれらの
酸のアンモニウム塩、及びアルカリ金属塩、N、
Nジメチルアミノエチルアクリレート、N、Nジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルアクリレート及びジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、2ビニルピリジン及び4ビニ
ルピリジンの塩基、硝酸、ジメチル硫酸、ジエチ
ル硫酸又は塩化エチルの4級化物である。好まし
い親水性不飽和単量体としてはアクリル酸、メタ
クリル酸、2ヒドロキシエチルメタクリレート、
2ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、メタクリルアミド、2ア
クルリアミド−2−メチルプロパンフルホン酸、
N、Nジメチルアミノエチルメタクリレート又は
N、Nジメチルアミノエチルアクリレートが挙げ
られる。 また本発明におけるグラフト重合のグラフト重
合率は目的、用途に応じ自由に可変可能である
が、好ましくはフイルムを形成する疎水性重合体
に対し少くとも1重量%、好ましくは10重量%、
更に好ましくは100重量%、特に好ましくは300重
量%である。 本発明における重合はいわゆるプラズマ開始重
合である。即ちプラズマ開始重合とは非平衡のイ
オン化ガスプラズマを用いて重合を開始もしくは
活性種を作りかつプラズマの不存在下に重合の大
部分を完結させるものである。イオン化ガスプラ
ズマの生成はプラズマを生成するための公知方法
のいずれによつても行なうことが出来る。例えば
J・R.ホラハン(Hollahan)とA・Tベル
(Bell)版“プラズマ化学の応用技術”、ワイリ
ー、ニユーヨーク1974およびM・シエン(Shen)
版“重合体のプラズマ化学”デツカー、ニユーヨ
ーク、1976に記載されている。即ち高周波発生器
に連結された平行板電極の間にモノマーを真空下
で入れ、真空室の外部又は内部のいずれかの平行
板を用いてプラズマを生成させることが出来る。
また外部誘導コイルによつて電場をつくらせ、イ
オン化ガスのプラズマを発生させてもよく、また
反対に荷電した電極に間隔をおいて直接真空室に
入れてプラズマを生成させてもよい。 本発明においては疎水性重合体よりなるフイル
ムだけをイオン化ガスプラズマの存在下に保持し
た後、該プラズマの不存在下で親水性不飽和単量
体の水溶液中で、親水性不飽和単量体を疎水性重
合体よりなるフイルムにグラフト重合させるか、
または疎水性重合体よりなるフイルムと親水性不
飽和単量体の水溶液、または疎水性重合体よりな
るフイルムと親水性不飽和単量体のガスとをイオ
ン化ガスプラズマの存在下で重合を開始し、しか
る後に前記フイルムを該単量体の水溶液中に浸漬
して該プラズマの不存在下、前記フイルム上にグ
ラフト重合させる。 イオン化ガスプラズマの不存在下親水性不飽和
単量体の水溶液で重合させる代りに、該単量体中
又は該単量体の乳化液或いは有機溶媒溶液を使用
してもよい。 本発明方法を更に詳細に説明すれば脱気を10-1
〜10-4トールで行ない疎水性重合体よりなるフイ
ルムに上記方法にてプラズマ照射を行なう。好ま
しくは20〜200ワツト、更に好ましくは40〜100ワ
ツトでグロー放電をさせ疎水性重合体に活性種を
生成させる。照射時間は通常1〜3600秒、好まし
くは1〜1800秒間照射する。プラズマ照射を行な
つた後に上記フイルムを親水性不飽和単量体の水
溶液中で該単量体を該プラズマの不存在下に重合
させると、前記フイルムの活性種より該単量体を
消費しはじめる、いわゆるグラフト重合が進行す
る。後重合温度及び時間は使用する単量体種類に
よつて異なり特に限定されないが通常温度は1〜
60℃、時間は1〜25時間で十分である。単量体種
類によつては60℃を超えると熱重合を起こし低分
子のポリマーも生成してくることがあるので注意
を要する。 かくして得られた疎水性フイルムへの親水性不
飽和単量体のグラフト重合化物は該フイルムの表
面に重合度の著大な直鎖の親水性重合体がグラフ
ト重合しているので該フイルム表面の性質が改良
され例えば本発明方法にてポリエチレンにアクリ
ル酸を24重量%グラフトしたものの水の接触角は
未処理ポリエチレン101゜に対し56゜と著しく向上
していることが判る。 本発明に適用されるグラフト重合体の相補性重
合体とはグラフト重合体と高分子間錯体を形成す
る重合体である。例えばグラフト重合体がアクリ
ル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などのカル
ボン酸基を有する単量体からなる重合体では、そ
の相補性重合体としてはポリエチレングリコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリキシルビオロー
ゲン、ポリエチレンイミン及びポリビニルピリジ
ニウムクロライドなどが挙げられる。またグラフ
ト重合体が、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、ビニルピリジン、N、N−ジメチルアミノエ
チルメタクルレート又はN、N−ジメチルアミノ
エチルアクリレートなどの塩基性単量体からなる
重合体ではその相補性重合体としてはポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリ2−アクリルアミ
ド−2メチルプロパンスルホン酸、ポリスチレン
スルホン酸、ポリビニルスルホン酸が挙げられ、
フイルムと相補性重合体を水溶液中に所定時間浸
漬すれば高分子間錯体を形成する。 また相補性重合体の量は一般にフイルムへのグ
ラフト重合体の量によつて支配され、例えばグラ
フト重合体量が多い場合は相補性重合体も多く必
要とする。従つて相補性重合体の量はグラフト化
した高分子に対し繰り返し単位で等モル以上であ
る。即ちグラフト重合体と錯体を形成する量だけ
フイルムに付着するのであるから相補性重合体の
大過剰の水溶液中で錯体を形成させればよい。水
溶液中の相補性重合体及び酵素の量は特に限定さ
れないが通常夫々0.01〜1モル濃度、0.1〜30重
量濃度程度である。水溶液の温度は室温乃至それ
以下が好ましく、フイルムの浸漬は通常15分乃至
1時間程度撹拌下に行なう。又該水溶液には食塩
等の無機化合物を添加して、イオン強度を上げる
こともできる。水溶液のPHは相補性重合体の種類
により錯体を形成し易い様に調整する。浸漬後、
必要に応じ水洗し乾燥するが、乾燥は通常常温で
必要に応じ減圧下で行なう。 本発明に使用できる酵素の種類は特に限定され
ないが、例えばインベルターゼ、ウレアーゼ、グ
ルコースイソメラーゼ、グルコースオキシター
ゼ、プロテアーゼ、ウリカラーゼ、アシラーゼ、
αアミラーゼ、βアミラーゼ、コラゲナーゼ、ア
ルギナーゼ、酸性プロテアーゼ、アルカリ性プロ
テアーゼ、L−グルタミン酸脱炭酸酵素、リバー
ゼ、D−アミノ酸オキシターゼ、βグルコシター
ゼ、グルコアミラーゼなど挙げることができる。
酵素の含有量は固定化酵素フイルムに対して0.1
〜30重量%が好ましい。 本発明では酵素を相補性重合体との水溶液中に
分散せしめ親水化(グラフト化)フイルムとの高
分子間錯体形成と同時に酵素を包括固定化する。
即ち酵素を包括固定化するのに放射線や、重合熱
やプラズマさえも照射されずそのため本発明では
酵素に損傷を与えたり活性を低下させたりするこ
とは一切ないばかりか高分子間錯体に固定化され
た酵素は酵素阻害剤やPH、温度などに対し高分
子間錯体が優れた保護作用を示すため、非常に安
定した長期間活性を持続する。そればかりか疎水
性フイルムを担体としているので機械的強度も極
めて優れているなど、従来法では得られはい画期
的なものである。 以下実施例により本発明を説明する。なお実施
中グラフト率、水の接触角、酵素の活性保持率は
次の方法にて測定した。 a グラフト率 グラフト重合したグラフトフイルムを良溶媒
にて2日間撹拌洗浄を行ない未反応単量体及び
ホモ重合体を完全に除き乾燥後重量によつてグ
ラフト率を計算 グラフト率(%)=処理後フイルム重量−初期フイルム
重量/初期フイルム重量×100 b 水の接触角 協和科学(株)製接触角形CA−P型を用いて測
定した。 c 活性保持率(%)=V1/V0×100 酵素固定化フイルムを充分洗浄し、次いで1
回目に酵素活性を測定した時の酵素活性をV0
とし、しかる後緩衝液に該フイルムを10日間浸
漬しておいた後の酵素活性をV1とした。又、
酵素活性は基質の分解速度で表わした。 実施例 1 厚さ50μm一辺15mmの正方形をしたポリエチレ
ンフイルムを10-3トールで内径35mmのセパラブル
フラスコの器壁に設置し13.56MHzの高周波発生
装置に連結させた2枚の銅電極板間に挿入し
100Wの出力でプラズマを90秒間発生、照射させ、
その後10-3トール中で50重量%のアクリル酸水溶
液を加えて25℃で12時間後重合させた。得られた
グラフトフイルムを純水にて2日間撹拌洗浄、脱
溶媒、乾燥して試料とし、水の接触角を測定した
ところもとのポリエチレンフイルムは101゜に比較
して56゜と著しく親水化されており、またグラフ
ト率は24%であつた。該フイルムをインベルター
ゼ(活性:シヨ糖4g/ml、20℃×30分PH4)10
重量%及び1モル%のNaclを含む重合度500のポ
リエチレングリコールの10%水溶液中に浸漬して
インベルターゼを該フイルムとポリエチレングリ
コールとの高分子間錯体中に包括固定化した固定
化酵素フイルムを得た。 該固定化酵素フイルムを充分水洗した後、10重
量%のシヨ糖を含む0.2M酢酸緩衝液(PH4.6)10
mlに浸漬し25℃で90分間加水分解反応を行ない、
加水分解率を比施光度により定量し求めた。又酵
素固定化フイルムの安定性を調べる為、この値に
対し上記緩衝液に酵素固定化フイルムを10日間浸
漬しておいた後の酵素活性の比を活性保持率とし
て計算したところ0.04Mol/min、gの速度でシ
ヨ糖を加水分解する酵素活性を示し、90%の活性
保持率であつた。 実施例 2 実施例1と同様のフイルム、装置及び実験条件
を用い、以下に示すようなグラフト重合体及びそ
の相補性重合体との間の錯形成をおこなうことに
よつてインベルターゼの固定化をおこなつた。得
られた固定化酵素フイルムを実施例1と同様の条
件で固定化インベルターゼの活性を測定したとこ
ろ、下記の表のような酵素活性を有する酵素固定
化フイルムが得られた。
【表】
実施例 3
実施例1と同様の方法、装置を用いてポリエチ
レンフイルム(15mm×15mm)に、アクリル酸及び
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸(AMPS)を等モル含む50重量%水溶液を
10ml用いてグラフトさせたところ、グラフト化率
240%のポリエチレンフイルムが得られた。 グラフトしたこのポリエチレンフイルムをポリ
(ビニルトリメチルアンモニウムクロライド)10
重量%水溶液25mlとアミラーゼ5重量%水溶液10
mlとの混合水溶液に室温下で30分間浸漬し、高分
子間錯形成と同時にアミラーゼを固定化した。 この固定化酵素フイルムをデンプン1.0重量%
含有する水溶液に浸漬させ酵素活性を施光度変化
より求めたところ、このフイルムは8×
10-4mol/min、gの速度でデンプンを加水分解
する能力を有することが判明した。
レンフイルム(15mm×15mm)に、アクリル酸及び
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸(AMPS)を等モル含む50重量%水溶液を
10ml用いてグラフトさせたところ、グラフト化率
240%のポリエチレンフイルムが得られた。 グラフトしたこのポリエチレンフイルムをポリ
(ビニルトリメチルアンモニウムクロライド)10
重量%水溶液25mlとアミラーゼ5重量%水溶液10
mlとの混合水溶液に室温下で30分間浸漬し、高分
子間錯形成と同時にアミラーゼを固定化した。 この固定化酵素フイルムをデンプン1.0重量%
含有する水溶液に浸漬させ酵素活性を施光度変化
より求めたところ、このフイルムは8×
10-4mol/min、gの速度でデンプンを加水分解
する能力を有することが判明した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 疎水性フイルムを形成する疎水性重合体にイ
オン化ガスプラズマを照射した後、該プラズマの
不存在下で親水性不飽和単量体をグラフト重合せ
しめた親水化フイルムに、該重合により得られた
グラフト重合体と錯体形成能を有する相補性重合
体とにより錯体中に酵素を包括固定化してなる酵
素固定化フイルム。 2 疎水性重合体がポリエチレン、ポリプロピレ
ン又はポリエチレンテレフタレートである特許請
求の範囲第1項記載のフイルム。 3 親水性不飽和単量体がアクリル酸、メタクリ
ル酸、2ヒドロキシエチルメタクリレート、2ヒ
ドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、
メタクリルアミド、2アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、N、Nジメチルアミノエ
チルメタクリレート又はN、Nジメチルアミノエ
チルアクリレートである特許請求の範囲第1項記
載のフイルム。 4 グラフト重合のグラフト率がフイルムを形成
する疎水性重合体に対して少なくとも1重量%で
ある特許請求の範囲第1項記載のフイルム。 5 相補性重合体がポリエチレングリコール、ポ
リアクリル酸、ポリキシリルビオローゲン又はポ
リエチレンイミンである特許請求の範囲第1項記
載のフイルム。 6 相補性重合体の量がグラフト化した高分子に
対し繰り返し単位で等モル以上である特許請求の
範囲第1項記載のフイルム。 7 酵素の含有量が0.1〜30重量%である特許請
求の範囲第1項記載のフイルム。 8 疎水性フイルムを形成する疎水性重合体にイ
オン化ガスプラズマを照射した後、該プラズマの
不存在下で親水性不飽和単量体をグラフト重合せ
しめた親水化フイルムを、酵素及び該重合により
得られたグラフト重合体と錯体形成能を有する相
補性重合体を含有する水溶液に浸漬し錯体中に酵
素を包括固定化せしめることを特徴とする酵素固
定化フイルムの製造方法。 9 疎水性重合体がポリエチレン、ポリプロピレ
ン又はポリエチレンテレフタレートである特許請
求の範囲第8項記載の方法。 10 親水性不飽和単量体がアクリル酸、メタク
リル酸、2ヒドロキシエチルメタクリレート、2
ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、2アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸、N、Nジメチルアミ
ノエチルメタクリレート又はN、Nジメチルアミ
ノエチルアクリレートである特許請求の範囲第8
項記載の方法。 11 グラフト重合のグラフト率がフイルムを形
成する疎水性重合体に対し少なくとも1重量%で
ある特許請求の範囲第8項記載の方法。 12 相補性重合体がポリエチレングリコール、
ポリアクリル酸、ポリキシリルビオローゲン又は
ポリエチレンイミンである特許請求の範囲第8項
記載の方法。 13 相補性重合体の量がグラフト化した高分子
に対し繰り返し単位で等モル以上である特許請求
の範囲第8項記載の方法。 14 酵素の含有量が0.1〜30重量%である特許
請求の範囲第8項記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15622582A JPS5945882A (ja) | 1982-09-07 | 1982-09-07 | 酵素固定化フイルム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15622582A JPS5945882A (ja) | 1982-09-07 | 1982-09-07 | 酵素固定化フイルム及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5945882A JPS5945882A (ja) | 1984-03-14 |
| JPH0320231B2 true JPH0320231B2 (ja) | 1991-03-18 |
Family
ID=15623089
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15622582A Granted JPS5945882A (ja) | 1982-09-07 | 1982-09-07 | 酵素固定化フイルム及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5945882A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| IT1243864B (it) * | 1990-10-24 | 1994-06-28 | Donegani Guido Ist | Corpi formati in materiale polimerico con migliorate caratteristiche superficiali e processo per il loro ottenimento. |
| DE19548152A1 (de) * | 1995-12-22 | 1997-06-26 | Boehringer Mannheim Gmbh | Verfahren zur Bedeckung einer Oberfläche mit einem Film eines Oligoethylenglykolderivates |
-
1982
- 1982-09-07 JP JP15622582A patent/JPS5945882A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5945882A (ja) | 1984-03-14 |
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