JPH0328194B2 - - Google Patents

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JPH0328194B2
JPH0328194B2 JP6097385A JP6097385A JPH0328194B2 JP H0328194 B2 JPH0328194 B2 JP H0328194B2 JP 6097385 A JP6097385 A JP 6097385A JP 6097385 A JP6097385 A JP 6097385A JP H0328194 B2 JPH0328194 B2 JP H0328194B2
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starch
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amylase
complex
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Masahiko Ishida
Ryoichi Haga
Masako Katsurayama
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Hitachi Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業分野〕 本発明は、澱粉、イヌリン等の高分子有機物質
の酵素による加水分解方法に係り、特に純度の低
いもしくは希薄な加水分解酵素の溶液を用いてこ
れら高分子有機物質を加水分解する方法に関す
る。
〔従来の技術〕
現在、ぶどう糖や異性化糖は澱粉をα−アミラ
ーゼやグルコアミラーゼ糖の澱粉加水分解酵素
(アミラーゼ)を用いて加水分解することにより
大量生産されている。また、セルロース含有物質
をセルラーゼを用いてセルビオースやぶどう糖に
加水分解する研究も盛んである。これらの加水分
解酵素も含め、一般に酵素は微生物を液体培養
し、その培養濾液から分離精製して用いている。
培養濾液中には各種の無機塩や低分子有機物及び
高分子有機物を不純物として含む他、目的酵素を
破壊する蛋白分解酵素(プロテアーゼ)を含むこ
とが多い。このため、酵素反応を利用して有用物
質を生産する際には酵素の分離精製が不可欠とな
る。酵素の精製は一般に、モレキユラシーブ、イ
オン交換クロマト、塩析、PH沈澱等、物理、化学
的な各種の方法を組み合わせた複雑なプロセスに
より行うこととなり、極めて多大な労力、時間、
経費を必要とする。一方、以前により、アミラー
ゼは基質の澱粉に選択的に吸着することが知られ
ており、澱粉粒子に吸着後、脱着する方法も報告
されている。しかし、脱着に際しては塩溶液、酸
アルカリ溶液等の脱離液を用いることとなり、ア
ミラーゼの回収率も低く、また後処理として塩や
酸アルカリを除去と濃縮が必要となる。
そこで本発明者らは、上記欠点に鑑み加水分解
酵素を含む培養濾液などの純度の低いかつ比較的
希薄な溶液を用いて、高分子物質を加水分解する
実用性の高い方法につき鋭意研究した。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、高分子物質の加水分解酵素を
含む純度の低いもしくは比較的希薄な溶液を用
い、該溶液中に含まれる酵素を固体高分子基質に
吸着し、得られる酵素・基質複合体を酵素剤とし
て用いることにより、反応系に不純物を持ち込む
ことなく、かつ反応液の稀釈なしに効率よく高分
子基質を加水分解する方法を提供することにあ
る。
〔発明の構成〕
本発明は、高分子有機物を加水分解酵素により
加水分解する方法において、酵素剤として加水分
解酵素の水溶液と不溶性又は難溶性の固体高分子
基質とを氷点を越え、かつ両者が実質的に反応し
ない温度以下で接触させて得られる酵素・基質複
合体を用いることを特徴とする高分子有機物の加
水分解方法である。
発明者らは従来と発想を変え、α−アミラーゼ
を含む細菌培養濾液と澱粉粒とを実質上反応がお
こらない低温下で接触させ、生成したα−アミラ
ーゼ・澱粉粒複合体を分離して洗浄後、この複合
体そのままα−アミラーゼとして澱粉溶液中に加
え反応させた。その結果、培養濾液中に含まれて
いた不純物を反応系に持ち込まずに、基質の澱粉
以外に吸着剤として使用した澱粉粒も含めて効率
よく加水分解できることを見い出した。
本発明は澱粉の加水分解にとどまらず、各種の
加水分解反応に適用できる。例えば、デキストリ
ンやオリゴぶどう糖の加水分解、セルロースの加
水分解、イヌリンの加水分解、蛋白の加水分解等
があげられる。
使用する酵素の吸着剤としては、氷点以上でか
つ実質的に反応がおこらない温度以下で(具体的
には0〜10℃)不溶もしくは難溶性の固体高分子
の基質が用いられる。具体例としては、澱粉では
馬鈴薯、甘薯、とうもろこしなどの澱粉粒全般、
セルロースではセルロース及び、リグノセルロー
スを含有する粉末もしくは微細繊維、イヌリンで
は植物のイヌリン粒やイヌリンの結晶、蛋白質で
はカゼイン、コラーゲン等が用いられる。吸着剤
固体高分子基質の溶解度の許容温度は、酵素の種
類、酵素の目標回収率、温度、共存溶質、PH等に
よつて変わるが、0.1%以下、好ましくは0.01%
以下である。溶解度が高いと、酵素分子が溶解し
ている基質分子と結合した分だけ、酵素・固体基
質複合体として回収できなくなるためである。吸
着剤としての基質の使用量は、酵素の種類、濃
度、目的酵素以外の不純物特に無機塩もしくは高
分子電解質の濃度、PH等によつて変化するため特
定できない。しかし、実用的には酵素含有液の
20wt%以下の範囲で用いられる。
酵素としては、以下の例に示す加水分解酵素を
用いることができる。澱粉やデキストリンを基質
とするアミラーゼ類、すなわちα−アミラーゼ、
グルコアミラーゼ、β−アミラーゼ等が使用でき
る。この他、セルロースやリグノセルロースを基
質とするセルラーゼ、イヌリンを基質とするイヌ
ラーゼ、蛋白質を基質とする各種プロテアーゼが
含まれる。
酵素含有液としては、主として生体の分泌液、
すなわち培養濾液や体液、消化液等、及び生体か
らの抽出液が用いられる。その他、酵素利用にお
いて出てくる酵素含有液、例えば反応生成物と残
存酵素を含む反応終了液や酵素の分離精製プロセ
スにおける酵素を含有する溶液が含まれる。
酵素含有液と吸着剤用固体基質とを接触する方
法は特に限定されず、各種の公知の方法が十分適
用できる。例えば、酵素含有液に吸着剤として固
体基質を添加しても、吸着剤用固体基質の充填床
に酵素含有液を通してもよい。接触時の温度や時
間等は、酵素の特性、吸着剤用固体基質の特性、
酵素と吸着剤用固体基質の濃度、目的酵素以外の
不純物の組成等によつて適宜選択される。一般に
は、温度は氷点以上、10度以下、時間は10分以内
で達成される。
酵素・固体基質複合体の分離方法は特に限定さ
れず、公知の固体分離方法が十分適用できる。酵
素含有液と固体基質とを混合接触した場合には、
遠心力や重力による沈降分離及び濾過法が用いら
れる。分離した酵素・固体基質複合体には母液が
付着しているが、彫液中の不純物をさらに除去し
たい時には、酵素・固体基質複合体を洗浄すれば
よい。洗浄方法は特に限定されず、各種の公知の
方法が適用できる。洗浄剤は通常、水が用いられ
るが、酵素、固体基質の種類と複合体の性質によ
り、適宜選択して使用できる。例えば、塩、酸、
アルカリを含む溶液も用いられる。
酵素、固体基質複合体は基質の高分子有機物の
加水分解に使用するが、該基質は吸着剤用固体基
質と化学的に同種のものであつても、重合度や分
岐の異なつたものであつてもよい。吸着剤用固体
基質のように、反応温度で固体である必要はな
く、溶液でもよい。例えば、α−アミラーゼ含有
液をとうもろこし澱粉粒と低温下で接触させ、こ
れを固液分離してα−アミラーゼ・とうもろこし
澱粉粒複合体を得る。こうして得た複合体をα−
アミラーゼとして反応に用いる場合、基質は同じ
とうもろこし澱粉粒でも、馬鈴薯澱粉粒でも或い
はこれらの可溶化澱粉でも差し支えない。澱粉の
種類もアミロースでもアミロペクチンでもよい。
また、グルコアミラーゼ・とうもろこし澱粉粒複
合体を用いて、とうもろこし澱粉粒やデキストリ
ン溶液を基質としてもよい。なお反応の条件は使
用酵素の種類、基質、目的等により適宜選択す
る。
次に本発明の実施態様の一例を第1図に示すフ
ローを用いて説明する。
加水分解酵素生産菌の培養槽2に倍地溶液を入
れ、所定の温度、PH、雰囲気下で、所定時間培養
後、培養液1を移送配管3により貯槽4に貯留す
る。貯槽中の培養液1は配管5により遠心分離機
6に導かれ、培養濾液11は配管7を経て、培養
濾液貯槽12へ、菌体スラリー8は配管10を経
て、菌体スラリー貯槽9に貯留される。菌体外に
分泌される酵素であれば、本培養濾液11を酵素
原料液として使用する。次に、培養濾液11を配
管13を経て酵素、固体基質複合体調整槽14に
導き、固体基質スラリー貯槽21から配管16を
経て供給する固体基質スラリー20と接触させ、
酵素・固体基質複合体を形成させる。生成した酵
素・固体基質複合体懸濁液15は移送配管17を
経て遠心濾過機19に導き個液分離する。濾液は
配管29を経て貯槽28に貯留する。次いで、水
貯槽22から配管18により水21を遠心濾過機
19に導き、遠心濾過機19中の酵素・固体基質
複合体を洗浄して洗浄廃液を配管29を経て貯槽
28に導き、濾液と合わせ貯槽28に貯留する。
回収した酵素・固体基質複合体25は配管24を
経て貯槽26に貯留する。酵素・固体基質複合体
スラリー25は配管30を経て反応槽32に導か
れ、原料基質スラリー貯槽21から配管23を経
て供給する原料基質スラリー20と混合し、撹拌
下に所定条件下で所定時間滞留させ、基質を加水
分解する。この際の加熱は、例えば水蒸気33を
配管34を経て反応槽32に供給してもよい。反
応終了後、反応液35を系外に抜きだす。
〔実施例〕
以下、本発明の効果を実施例及び比較実施例を
用いてさらに詳しく説明する。
実施例 1 可溶性澱粉1.5%、ポリペプトン0.5%、酵母エ
キス0.5%、りん酸第1カリウム0.7%、りん酸第
2ソーダ0.35%、硫酸マグネシウム・7水和物
0.01%及び水道水を含む液体倍地(PH6.5)を内
容積5の培養槽に1.52Kg分注し、120℃で20分
間殺菌する。
これに同上培地で嫌気的に培養した耐熱制α−
アミラーゼ生産菌(クロスツリジユウム属細菌、
微工研菌寄第7918号)の菌体懸濁液80gを添加し
た。次いで、気相部をアルゴンガスで置換後、嫌
気条件下で培養した。培養槽内のPHを6.0に、温
度を60℃に自動調整しながら46時間培養した。こ
の培養液を6000rpmで10分間遠心分離して菌体を
除去し、α−アミラーゼ活性5.2単位/ml培養濾
液1.5を得た。本培養濾液中には無機塩1.1%、
α−アミラーゼ以外の有機物を2.4%含む。特に
有機物中には酢酸、プロピオン酸を主成分とする
揮発性脂肪酸を約0.3%含むため、不快な酸臭と
硫化物臭を有する。
次に、本培養濾液0.5α−アミラーゼ2600単
位含有、PH6.0)を5℃に冷却し、局方とうもろ
こし澱粉10gを添加し、撹件下で1分間保持し
た。上記の液を遠心分離(3000rpm、5分間)し
てα−アミラーゼ・澱粉複合体のスラリー30gと
清澄液0.51を得た。上記スラリー30g蒸溜水100
ml(5℃、PH6.2)を添加し、混合した後、遠心
分離(3000rpm、5分間)して洗浄した複合体ス
ラリー30gと洗浄廃液100mlを得た。上記清澄液
と洗浄廃液を合わせ、α−アミラーゼ活性を測定
した結果、澱粉に吸着しなかつたα−アミラーゼ
活性は52単位以下であることから、供試培養濾液
中のα−アミラーゼの98%をα−アミラーゼ・澱
粉複合体として回収したと推算した。
次いで、局方とうもろこし澱粉100gと60℃の
温水230mlとの混合物に上記のα−アミラーゼ・
澱粉複合体29gを添加した。そのあと、80℃で30
分間加熱してDE(Dextrose Equivalent Value:DE=直接還元糖(ぶどう糖として標示
)/固形分×100 )が10.2のデキストリン溶液359gを得た、本反
応液は培養濾液由来の臭や色もなく、半透明の澱
粉臭を有する溶液である。本実施例では反応液が
α−アミラーゼ・澱粉複合体に含まれていた19ml
の水の分だけ(稀釈倍率=359/330≒1.09なお、稀釈 倍率の定義は 基質+酵素または酵素基質複合体の液量/基質
液量×100 である。〔以下同様〕。)ごくわずか稀釈されるに
すぎず、ほとんど供試基質液の基質に近い濃度で
反応できる。
実施例 2 実施例1で得たDE10.2の反応液357g(α−ア
ミラーゼ活性2540単位)を5℃に冷却した。これ
に局方とうもろこし澱粉10gを添加し1分間保持
した。上記の液を遠心分離(3000rpm、5分間)
してα−アミラーゼ・澱粉複合体のスラリー30g
と清澄液337gを得た。上記スラリー30gのα−
アミラーゼ活性を測定した結果2390単位(回収率
94%)であつた。次いで、局法とうもろこし澱粉
100gと60℃の温水200mlとの混合物に上記のα−
アミラーゼ・澱粉複合体30gを添加し330gの反
応液を得た。これを80℃で30分間反応させ、
DE10.0の反応液を得た。本反応液は培養濾液由
来の臭や色もなく、半透明の澱粉臭を有する溶液
である。本実施例では、反応液がα−アミラー
ゼ・澱粉複合体に含まれていた20mlの水の分だ
け、(稀釈率=330/300≒1.10)わずかに稀釈される にすぎず、実施例1と同様供試基質液の基質濃度
に近い濃度で反応できる。
比較例 1 実施例1と同一バツチで調整した洗浄ずみのα
−アミラーゼ・澱粉複合体のスラリー30gをフイ
ルタ付カラムに充填した。カラム上部から2M食
塩水(PH9)0.5で溶出し、α−アミラーゼ含
有溶出液0.5を得た。次に本液をポアサイズ分
子量2+104モレキユラシープ膜で0.1まで濾過
濃縮し、水洗を2回繰り返して最終的に0.2の
脱塩処理α−アミラーゼ含有溶出液を得た。上記
液中のα−アミラーゼ活性を測定し、使用酵素活
性量の90%を回収したことを確認した。次いで、
局法とうもろこし澱粉100gと60℃の温水230mlと
の混合物に上記のα−アミラーゼ含有溶出液を加
え反応混液530mlを調整した。これを80℃、30分
間反応させ、DE10.1の反応液を得た。本反応液
は培養濾液由来の臭や色もなく、半透明の澱粉臭
を有する溶液である。本比較例では実施例1及び
2と同じく、反応液の着色、着臭は見られない
が、反応系に添加する酵素溶液の水量分だけ稀釈
される(稀釈率=530/300≒1.61)欠点を有する。
比較例 2 実施例1と同一バツチで調整した培養濾液0.5
をそのまま供試酵素として、局法とうもろこし
澱粉100gと60℃温水230mlとの混合物に加え反応
混液830gを調整した。これを80℃、30分間反応
させ、DE9.2の反応液を得た。本反応液は培養濾
液由来の酸臭を有しかつ黄色に着色している。さ
らに、酵素液として培養濾液をそのまま反応系に
添加するため、培養濾液中の水分量だけ反応液が
大巾に稀釈される(稀釈率=830/330≒2.52)。
実施例 3 可溶性澱粉1.5%、ポリペプトン0.5%、酵母エ
キス0.5%、りん酸第一カリウム0.7%、りん酸第
二ソーダ0.35%、硫酸マグネシウム・7水和物
0.01%及び水道水を含む液体培地(PH7.0)を内
容積500ml坂口フラスコに100mlづつ15本分注し、
120℃で15分間殺菌する。これに、同上培地で好
気的に培養したバシルス・ズブチリス属に属する
α−アミラーゼ生産菌の好気培養液を10mlづつ分
注し、37℃で15時間(120ストロークス/分)で
振盪培養した。この培養液を6000rpmで10分間遠
心分離して菌体を除去し、α−アミラーゼ活性
8.0単位/mlの培養濾液1.5を得た。本培養濾液
中には無機塩1.1%、α−アミラーゼ以外の有機
物1.2%を含む。特に有機物中には酢酸、酪酸を
主成分とする揮発性脂肪酸を約0.5%含むため不
快な酸臭を有する。次に、本培養濾液を5℃に冷
却し、馬鈴薯澱粉10gを添加し、撹拌下で1分間
保持した。上記の液を遠心分離(3000rpm、5分
間)して、洗浄したα−アミラーゼ・澱粉複合体
スラリー25gと洗浄廃液100mlを得た。上記清澄
液と洗浄廃液を合わせ、α−アミラーアゼ活性を
測定した結果、澱粉に吸着しなかつたα−アミラ
ーゼ活性は250単位以下であることから、供試培
養濾液中のα−アミラーゼの99%をα−アミラー
ゼ・澱粉複合体として回収したと推算した。
次いで、局法馬鈴薯澱粉100gと50℃の温水230
mlとの混合物に上記のα−アミラーゼ・澱粉複合
体29gを添加し、355gの反応液を得た。これを
50℃で1時間加熱した結果、反応後のDEは12.3
を示した。本反応液は培養濾液由来の臭や色もな
く、ほぼ透明の澱粉臭を有する溶液である。本実
施例で反応液が複合体に含まれていた15mlの水分
量の分だけ稀釈されるにすぎず、ほとんど供試基
質濃度に近い濃度で反応できる(稀釈率=355/330≒ 1.08)。
比較例 3 実施例1と同一バツチで調整した培養濾液0.5
そのまま供試酵素として、局法馬鈴薯澱粉100
gと50℃温水230mlとの混合物に加え、反応混液
830gを調整した。これを50℃で1時間反応させ、
DE9.2の反応液を得た。本比較例では反応液が培
養濾液由来の酸臭を有し、かつ黄褐色に着色して
いる。さらに、酵素液として培養濾液をそのまま
反応系に添加するため、培養濾液中の水分量だけ
反応液が大巾に稀釈される(稀釈率=830/330≒ 2.51)。
実施例 4 アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus orizae
ATCC 1003)を起源とするグルコアミラーゼの
稀薄溶液(3.5単位/ml、PH6.8、無機塩濃度0.01
%)0.41を10℃に冷却し、馬鈴薯澱粉10gを添加
し、撹拌下で2分間保持した。上記の液を遠心分
離(3000rpm、5分間)して、洗浄したグルコア
ミラーゼ・澱粉複合体スラリー25gと洗浄廃液
100mlを得た。上記清澄液と洗浄廃液とを合わせ、
グルコアミラーゼ活性を測定した結果、澱粉に吸
着しなかつたグルコアミラーゼ活性は120単位以
下であることから、供試培養濾液中のグルコアミ
ラーゼの91%をグルコアミラーゼ・澱粉複合体と
して回収したと推算した。
次いで、可溶性澱粉100gと50℃の温水230mlと
の混合物に上記のグルコアミラーゼ・澱粉複合体
29gを添加し、355gの反応液を得た。これを55
℃で40時間反応させた結果DE90.2の糖液を得た。
本反応液は無色半透明であり、澱粉臭以外は感
じられない。本実施例では、反応液が、複合体に
含まれていた19mlの水分量だけ(稀釈率=355/330≒ 1.07)、わずかに稀釈されるにすぎない。
比較例 4 実施例4と同一バツチのグルコアミラーゼ溶液
0.4をそのまま供試酵素として、可溶性澱粉100
gと50℃温水230mlとの混合物に加えPHを4.0に調
節し、反応混液730gを調製した。これを55℃で
44時間反応させ、DE90.5の糖液を得た。本比較
例ではグルコアミラーゼの溶液をそのまま反応系
に添加するため、添加グルコアミラーゼ液の水分
量だけ反応液が大巾に稀釈される(稀釈率=730/330 ≒2.21)。
実施例 5 イヌリン1.5%、酵母エキス0.1%、りん酸第一
カリウム0.05%、りん酸第二カリウム0.01%、硫
酸マグネシウム7水和物0.05%、硫酸アンモニウ
ム0.2%、及び水道水を含む液体培地2、PH
5.7)を内容積51の培養槽に入れ、120℃で20分間
殺菌する。これに同上培地で嫌気的に培養したイ
ヌラーゼ生産菌(サツカロミセス・フラジリス:
Saccharomyces fragilis IF0−0288)の菌体懸
濁液100gを添加し、嫌気条件下でPHを5.7に自動
調整しながら30℃で48時間培養した。次いで、こ
の培養液を6000rpmで5分間、遠心分離して菌体
を除去し、イヌラーゼ活性1.1単位/mlの培養濾
液を1.95を得た。本培養濾液中には無機塩0.25
%、イヌラーゼ以外の有機物を0.95%含む。特に
有機物中にはエチルアルコール0.3%の他、酢酸
を含み、アルコール臭と弱い酸臭を有する。
次に、本培養濾液0.51(イヌラーゼ550単位含
有、PH5.8)を2℃に冷却した。これにイヌリン
粉末5gを添加し、撹拌下で1分間保持した。上
記の液を遠心分離(3000rpm、5分間)してイヌ
ラーゼ・イヌリン複合体のスラリー19gと清澄液
0.5mlを得た。上記スラリー19gに1℃の冷水20
mlを加えて混合後、遠心分離(3000rpm、5分
間)して洗浄した複合体スラリー21gと洗浄廃液
22mlを得た。上記清澄液と洗浄廃液とを合わせ、
イヌラーゼ活性を測定した結果、澱粉に吸着しな
かつたイヌラーゼ活性は62単位以下であることか
ら、供試培養濾液中のイヌラーゼの89%をイヌラ
ーゼ・イヌリン複合体として回収したと推算し
た。
次いで、イヌリン10gに水190mlを加え80℃に
加熱して溶解した。本イヌリン溶液を50℃に冷却
し、これに上記のイヌラーゼ・イヌリン複合体を
加えて50℃で3時間反応した。反応後のDEを測
定し82.3を得た。
本反応液は培養濾液由来のアルコール臭や酵母
臭もなく、無色透明の溶液である。本実施例では
反応液が複合体に含まれていた11mlの水分量の分
だけ稀釈されるにすぎず、ほとんど供試基質液の
濃度に近い濃度で反応できる(稀釈率=221/200≒ 1.11)。
〔発明の効果〕
本発明によれば、原酵素液に不純物を含んでい
ても、あるいは酵素の濃度が希薄であつても、反
応系に不純物を混入することなく、かつほとんど
反応系を稀釈することなく基質の高分子物質を加
水分解できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一例を示すフロー図である。 1……酵素生産菌培養液、2……培養槽、3,
5……培養液移送配管、4……培養液貯槽、6…
…遠心分離機、7,13……培養濾液移送配管、
8……菌体スラリー、9……菌体スラリー貯槽、
10……菌体スラリー移送配管、11……培養濾
液、12……培養濾液貯槽、14……酵素・固体
基質複合体調製槽、15……酵素・固体基質複合
体懸濁液、16……固体基質スラリー移送配管、
17……酵素・固体基質複合体懸濁液移送管、1
8……水移送配管、19……遠心濾過機、20…
…澱粉スラリー、21……澱粉スラリー貯槽、2
2……水貯槽、23……原料基質移送配管、24
……酵素・固体基質複合体スラリー移送配管、2
5……酵素・固体基質複合体スラリー、26……
酵素・固体基質複合体スラリー貯槽、27……濾
液及び洗浄廃水、28……廃液貯槽、29……濾
液及び洗浄廃水移送配管、30……酵素・固体基
質複合体スラリー移送配管、31……基質加水分
解反応液、32……反応槽、33……スチーム、
34……スチーム供給配管、35……反応液。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高分子有機物を加水分解酵素により加水分解
    する方法において、酵素剤として、加水分解酵素
    の水溶液と不溶性又は難溶性の固体高分子基質と
    を氷点を越えかつ両者が実質的に反応しない温度
    以下で接触させて得られる酵素・基質複合体を用
    いることを特徴とする高分子有機物の酵素による
    加水分解方法。 2 高分子有機物として、澱粉、セルロース、イ
    ヌリン、蛋白質を用いることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の高分子有機物の酵素による
    加水分解方法。 3 加水分解酵素として、α−アミラーゼ、グル
    コアミラーゼ、セルラーゼ、イヌラーゼ、プロテ
    アーゼを用いることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の高分子有機物質の加水分解方法。 4 固体高分子基質として、澱粉、セルロース、
    イヌリン、カゼインを用いることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の高分子有機物の加水分
    解方法。
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