JPH0640823B2 - 精製α−アミラ−ゼ含有液の製造方法 - Google Patents

精製α−アミラ−ゼ含有液の製造方法

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JPH0640823B2
JPH0640823B2 JP62185460A JP18546087A JPH0640823B2 JP H0640823 B2 JPH0640823 B2 JP H0640823B2 JP 62185460 A JP62185460 A JP 62185460A JP 18546087 A JP18546087 A JP 18546087A JP H0640823 B2 JPH0640823 B2 JP H0640823B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、酵素の精製方法に係り、特に、純度の低い、
若しくは希薄なα−アミラーゼ含有溶液から、殿粉の液
化に好適で、純度が高く、かつ保存安定性の高い、精製
α−アミラーゼ含有濃縮液の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
現在、ぶどう糖や異性化糖は、殿粉をα−アミラーゼや
グルコアミラーゼを用いて加水分解して工業生産されて
いる。このように、アミラーゼやプロテアーゼをはじめ
とする高分子加水分解酵素は、天然高分子原料から有用
な低分子物質を工業生産するのに極めて有用である。
一般に、酵素は酵素生産菌を液体培養して製造される。
工業用酵素製剤としては、一般には培養液をそのまゝ
濃縮した濃縮液か、培養液若しくは培養液をそのまま
乾燥した粉末、あるいは部分精製して得られる濃縮液、
又はその乾燥粉末が用いられている。しかし、培養液
の濃縮液や粗乾燥品には、培養液中に含まれる有臭成分
及び着臭成分が多量に含まれるため、目的とする反応生
成物を分離精製する際、最終的に除去することが必要と
なつてくる。また、培養液中には、目的酵素を破壊する
プロテアーゼをも含むことが多い。
特に細菌を酵素生産菌として酵素を培養生産する際には
プロテアーゼの副生を伴うことが多い。このため、酵素
反応を利用して、有用物質を生産する際には、これら不
利益となる不純物を除去することが必要となつてくる。
酵素の精製は、一般にモレキユラシーブ、イオン交換ク
ロマト、塩折、pH沈殿等の各種の物理的、化学的方法を
組合せた複雑なプロセスにより行うこととなり極めて多
大な労力、時間、経費を必要とする。
一方、以前より、α−アミラーゼは基質の殿粉に選択的
に吸着することが知られており、殿粉粒子に吸着後、脱
着する方法も報告されている。しかし、脱着に際して
は、塩溶液、酸若しくはアルカリ溶液を脱離液として用
いることとなり、後処理として塩や酸、アルカリの除去
が必要となる。これらの精製した溶液中の酵素は重量濃
度では極めて希薄であるため、通常の工業的な方法では
損失が多く乾燥しにくい。また、精製した酵素の水溶液
は、室温下ではもちろん、冷所保存においても、失活す
るか、微生物の繁殖により失活するため、長期保存に耐
えず、実用的ではない。一方、これらの不安定性を解決
するため、α−アミラーゼを吸着した殿粉ケーキをその
まま乾燥し、これを酵素として用いることも考えられ
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、このα−アミラーゼ吸着殿粉をα−アミラーゼ
として殿粉糊液の液化反応、すなわち、殿粉を原料とし
てぶどう糖、麦芽糖、異性化糖を製造する際の前工程、
を行おうとすると、原料の殿粉糊液は液化してデキスト
リンになるが、吸着剤として用いた殿粉粉末は液化せ
ず、溶解はしているが未分解の殿粉分子や殿粉の粒子の
状態で残つてしまうことを見出した。α−アミラーゼ吸
着殿粉として乾燥前の湿潤ケーキを用いても同様に分解
されにくいことがわかつた。したがつて、糖化反応に送
る前にこれら未分解の溶解あるいは未溶解の殿粉を分離
除去するか、糖化反応後、目的とする糖製品から分離除
去しなければならない。
本発明の目的は、α−アミラーゼを含む純度の低い若し
くは希薄な溶液から効率良く該酵素を分離・濃縮して安
定な酵素水溶液を製造する方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明は精製α−アミラーゼ含有
液の製造方法に関する発明であつて、粗α−アミラーゼ
含有溶液を、氷点を越えるが実質的に殿粉の液化反応が
起らない温度で殿粉粒子と接触させて、α−アミラーゼ
を殿粉粒子に吸着させる工程、該α−アミラーゼを吸着
した殿粉粒子を分離する工程、及び該分離した殿粉粒子
から得られるα−アミラーゼ含有液を、グルコアミラー
ゼ及びβ−アミラーゼの少なくとも一方を含有する酵素
で処理してオリゴ糖以下の分子量をもつ糖まで加水分解
する工程、の各工程を包含することを特徴とする。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明方法に用いうるα−アミラーゼは特に限定はな
い。すなわち、細菌、糸状菌等各種の起源のα−アミラ
ーゼが用いられる。それ故、常温性のα−アミラーゼ、
及び耐熱性のα−アミラーゼのいずれでもよいが、特に
耐熱性のα−アミラーゼが有用である。したがつて、本
発明方法の原料である粗α−アミラーゼ含有溶液の例に
は、α−アミラーゼ生産菌の液体培養液から固形物を除
去した液、及び固体培養物若しくは培養菌体から抽出
し、固形物を除去した抽出液が挙げられる。
上記のような原料中のα−アミラーゼを殿粉粒子に吸着
させ、吸着した殿粉粒子を分離するのは、既述の公知の
常法で行うことができる。
こうして得られたα−アミラーゼ・殿粉複合体は、次の
処理を行う前に、実質的に殿粉の液化反応が起らない温
度の水で洗浄してもよく、またそうすることが好適であ
る。
次いで、グルコアミラーゼ又はβ−アミラーゼ含有酵素
を作用させる方法としては、下記に述べるいくつかの方
法がある。
(1) 上記複合体(すなわち、あらかじめ水洗を行つた
もの、又は水洗を行わないもののいずれでもよい。以下
同じ)を、水性スラリーとし、それに酵素を作用させ
る。
(2) 上記(1)の方法において、殿粉の共存下に酵素を作
用させる。
(3) 複合体の水性スラリーに、あらかじめ殿粉を作用
させてヨード殿粉反応を陰性としてから酵素を作用させ
る。
(4) 複合体の水性スラリーを加熱処理して、ヨード殿
粉反応を陰性としてから、殿粉の共存下又は不存在下に
酵素を作用させる。
(5) 複合体の水性スラリーを加熱処理し、ヨード殿粉
反応を陰性としたものに殿粉を作用させてデキストリン
化し、これに酵素を作用させる。いずれの方法において
も、複合体中の殿粉、及び必要に応じて添加した殿粉は
いずれも液化され、更にオリゴ糖以下の分子量をもつ糖
まで加水分解されて、本発明の殿粉及び高分子のデキス
トリンを含まない、精製α−アミラーゼ含有液を生成さ
せる。
使用する酵素は、グルコアミラーゼ及びβ−アミラーゼ
の少なくとも一方を含有していればよい。したがつて、
両酵素を併用して、同時に、又は別工程で経時的に使用
してもよい。更に他の酵素を同時に、又は別工程で経時
的に併用してもよい。
併用してもよい他の酵素の例としては、α−アミラーゼ
はもちろんのこと、ブルラナーゼ及びグルコースイソメ
ラーゼが挙げられる。
また、反応におけるスラリーは、殿粉を30〜50重量
%含有するものが好適である。それは、30重量%未満
では酵素との反応が不充分となりやすく、他方50重量
%を越えると粘度が高くなつて、操作性が低下するから
である。
なお、原料酵素の起源、その形態については、特に制限
はない。
本発明方法によつて得られるα−アミラーゼ含有液は、
室温に10日間保存してもα−アミラーゼ活性が低下せ
ず、かつ微生物の繁殖も認められない極めて安定性の高
い溶液である。
本発明による酵素液を用いて、殿粉糊の液化を行い、更
に糖化しても、各糖製品液中に未分解の殿粉や高分子の
デキストリンが混入することはなく、殿粉糊液の処理に
極めて有効である。
また、本発明による酵素液は、好ましくない有臭、着色
成分を含まず、糖製品をこれらの不純物で汚染しないた
め、そのまま、あるいは濃縮して製品とすることができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されない。
なお、各例中の%は、特に断らない限り、重量/重量で
ある。
実施例1 可溶性殿粉1.6%、ポリペプトン0.6%、酵母エキ
ス0.5%、りん酸第1カリウム0.7%、りん酸第2
ナトリウム0.35%、硫酸マグネシウム・7水和物
0.001%及び水道水を含む液体倍地(pH 6.0)を、
内容積5の培養槽に1.52kg分注し、120℃で2
0分間殺菌する。これに上記と同組成の培地を用いて嫌
気的に培養した耐熱性α−アミラーゼ生産菌〔クロスツ
リジウム(Clostridium)属細菌RS-0001、微工研条寄第1
043号(FERM BP-1043)〕の菌体懸濁液80gを添加
した。次いで、培養槽気相部をアルゴンガスで置換後、
嫌気条件下で培養した。培養槽内のpHを6.0に、温度
を60℃に自動調整しながら46時間培養した。この培
養液を6000rpmで10分間、遠心分離して菌体を除
去し、α−アミラーゼ活性4.8単位/mlの培養液
1.5を得た。本培養液中には無機塩1.1%、α−
アミラーゼ以外の有機物を2.3%含む。また、本培養
液の固形分当りの比活性は98.2単位/gであつ
た。
特に有機物中には、酢酸、プロピオン酸を主成分とする
揮発性脂肪酸を約0.3%含むため、不快な酸臭と硫化
物臭を有する。
次に、本培養液0.5(α−アミラーゼ2,100単位
含有、pH 6.0)を5℃に冷却し、局方の馬鈴しよ殿粉1
0gと水15gを混合した殿粉スラリー25gを添加
し、かくはん下で1分間保持した。上記の液を遠心分離
(3,000rpm、5分間)してα−アミラーゼ・殿粉
複合体のスラリー25gと清澄液0.5を得た。上記
清澄液について、α−アミラーゼ活性を測定した結果、
α−アミラーゼの90%をα−アミラーゼ・殿粉複合体
として回収したと推算した。
上記のα−アミラーゼ・殿粉複合体のスラリー25gを
60℃で1時間反応させた。その結果、反応液はヨード
殿粉反応で陰性を示し、液化反応が十分進行したことを
確認した。かつ反応液のα−アミラーゼ総活性を測定し
た結果、1856単位であり、培養液中に含まれていた
α−アミラーゼの88%が残存していることを把握し
た。また、本液はわずかな酸臭を有し、淡黄色を呈して
いる。本液の容積当りの比活性は74.2単位/mlであ
り、容積当り15.5倍に濃縮されている。本液は糖以
外の成分の乾物基準の比活性は5.46×103単位/
gとなり、培養液に対し57倍精製されている。
本液5ml(α−アミラーゼ371単位含有)を、30%
馬鈴しよ殿粉スラリー1000gの100℃、10分加
熱処理したものに添加し、かくはん下70℃、1時間加
熱した。その結果、反応液はヨード殿粉反応が陰性を示
し、下記式: で定義されるデキストロース当量(Dextrose Equivale
nt)DEが12のデキストリン溶液1005gを得た。
本デキストリン液は無色で、50℃以上に加熱すると培
養液由来の酸臭が極くわずか感じられるが、室温では
無色無臭の透明な液体である。
上記のデキストリン液100gにグルコアミラーゼ〔ア
スペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)起源、常
温性〕(ノボインダストリー社製、商品名 アミログル
コシダーゼ・ノボAMG-200L、なお、本明細書の下記の実
施例及び比較例で使用しているグルコアミラーゼは、す
べてこのものを意味する)液をセロフアン半透膜チユー
ブに封入し、蒸留水に対して透析後、凍結乾燥して得た
精製粉末200単位(0.1g)を加えて溶解し、50
℃で48時間保温し、デキストリンをぶどう糖に加水分
解した。反応後のぶどう糖濃度は96.5%に達した。
本液は培養液由来の臭いや色もなく透明な液体である。
本液を精製アミラーゼ溶液として、低温及び室温での保
存性を試験した。本液を2℃及び25℃に10日間及び
6か月間保存して、その酵素活性を測定した。その結
果、2℃保存では6か月保存でも99%以上、25℃、
6か月保存では98%以上の活性を保持していることを
確認した。
また、本液1ml(α−アミラーゼ7.4単位を含有)を
精製α−アミラーゼ含有溶液として、30%馬鈴しよ殿
粉スラリー200gに添加し、70℃、1時間加熱し
た。その結果、反応液はヨード殿粉反応が陰性を示し、
DEが12.5のデキストリン溶液を約200g得た。
本デキストリン液は、培養液由来の不快臭もなく無色透
明の液体である。
実施例2 実施例1と同様に培養して、培養液の固形分当り14
2単位/gの比活性をもつ培養液を得た。
次にこの培養液を、馬鈴しよ殿粉と実施例1と同様に
反応させて、α−アミラーゼ・殿粉複合体のスラリー2
5gと清澄液0.5gを得た。
上記スラリー25gに蒸留水100ml(5℃、pH 6.2)
を添加し、混合した後、遠心分離(3000rpm、5分間)
して、洗浄した複合体スラリー30gと、洗浄廃液95ml
を得た。上記清澄液と洗浄廃液とについて、α−アミラ
ーゼ活性を測定した結果、殿粉に吸着しなかつたα−ア
ミラーゼ活性は102単位以下であつた。したがつて、
供試培養液のα−アミラーゼの95%をα−アミラー
ゼ・殿粉複合体として回収したと推算した。
上記のα−アミラーゼ・殿粉複合体のスラリー30gを
60℃で1時間反応させた。その結果、反応液はヨード
殿粉反応で陰性を示し、液化反応が十分進行したことを
確認した。かつ反応液のα−アミラーゼ総活性を測定し
た結果、1990単位であり、培養液中に含まれてい
たα−アミラーゼの95%が残存していることを把握し
た。また、本液はほぼ無色透明、無臭であり、無機塩濃
度は0.01%以下であつた。なお、本液の容積当りの
比活性は74.2単位/mlであり、容積当り15.5倍
に濃縮されている。更に本液は糖以外の成分の乾物基準
の比活性は1.92×104単位/gとなり、培養液
に対し135倍に精製されている。
本液5ml(α−アミラーゼ322単位含有)を、30%
馬冷しよ殿粉スラリー1000gに添加し、70℃で1
時間加熱して、ヨード殿粉反応が陰性を示し、DEが1
2のデキストリン溶液1005gを得た。
本デキストリン液は培養液由来の臭いや色もない透明な
液体である。
上記のデキストリン液100gにグルコアミラーゼ(ア
スペルギルス・ニガー起源、常温性)の精製粉末180
単位(0.09g)を加えて溶解し、50℃で48時間
保温し、デキストリンをぶどう糖に加水分解した。反応
後のぶどう糖濃度は96.6%に達した。本ぶどう糖液は培
養液由来の臭いや色もなく透明な液体である。
また、本液1ml(α−アミラーゼ6.4単位含有)を精
製α−アミラーゼ溶液として、30%馬冷しよ殿粉スラ
リー200gの100℃、10分加熱処理したものに添
加し、70℃、1時間加熱した。その結果、反応液はヨ
ード殿粉反応が陰性を示し、DEが12.4のデキスト
リン溶液を約200g得た。本デキストリン液は培養液
由来の不快臭もなく無色透明の液体である。
なお、上記の精製アミラーゼ溶液の保存性を試験した。
本液を2℃及び25℃に10日間及び6か月間保存し
て、その酵素活性を測定した。その結果、2℃保存では
6か月保存でも99%以上、25℃、6か月保存では9
9%以上の活性を保持していることを確認した。
実施例3 実施例2で得られたデキストリン液100gにβ−アミ
ラーゼ(麦芽起源、常温性)の精製粉末500単位
(0.2g)を加えて溶解し、45℃で48時間保温
し、デキストリンを麦芽糖及び少量のマルトトリオース
及びグルコースの混合物に加水分解した。反応後の麦芽
糖濃度は93%に達した。本麦芽糖液は培養液由来の臭
いや色もなく透明な液体である。
本液を精製アミラーゼ溶液として、低温及び室温での保
存性を試験した。本液を2℃及び25℃に10日間及び
6か月間保存して、その酵素活性を測定した。その結
果、2℃及び25℃下で、6か月保存でも98%以上の
活性を保持していることを確認した。
また、本液1ml(α−アミラーゼ6.4単位含有)を精
製アミラーゼ溶液として、30%馬鈴しよ殿粉スラリー
200gの100℃、10分加熱処理したものに添加
し、70℃、1時間加熱した。その結果、反応液はヨー
ド殿粉反応が陰性を示し、DEが12.2のデキストリ
ン溶液を約200g得た。本デキストリン液は培養液由
来の不快臭もなく無色透明の液体である。
実施例4 実施例1と同様に培養して、培養液の固形分当り8
9.0単位/gの比活性をもつ培養液を得た。
次に実施例2と同様に処理して、清澄液、複合体スラリ
ー、及び洗浄廃液を得た。清澄液と洗浄廃液についてα
−アミラーゼ活性を測定した結果、殿粉に吸着しなかつ
たα−アミラーゼ活性は100単位以下であつた。したが
つて、供試培養液中のα−アミラーゼの95.8%をα
−アミラーゼ・殿粉複合体として回収したと推算した。
上記のα−アミラーゼ・殿粉複合体のスラリー25gに
グルコアミラーゼ(アスペルギルス・ニガー起源、常温
性)の精製粉末50単位(0.05g)を加えて溶解し、5
5℃で48時間保温し、α−アミラーゼ・殿粉複合体の
殿粉を、複合体に含まれているα−アミラーゼと、添加
したグルコアミラーゼにより、同時に液化及び糖化し
た。その結果、反応液はヨード殿粉反応が陰性を示し、
糖組成においてグルコースが95%のα−アミラーゼ、
グルコアミラーゼ含有精製酵素溶液を得た。本酵素液は
ほぼ無色透明で、無臭であり、本液の容積当りのα−ア
ミラーゼ比活性は90単位/mlであり、容積当り18.
9倍に濃縮された。このときの回収した総活性は225
0単位であり、培養液中に含まれていたα−アミラーゼ
活性の97.8%が残存していることを把握した。更
に、糖及びグルコアミラーゼを除外した成分の乾物当り
の比活性は1.8×104単位/gとなり、本培養液
に対し183倍に精製されたことになる。
上記の精製酵素液1ml(α−アミラーゼ90単位含有)
を精製α−アミラーゼ溶液として、30%馬鈴しよ殿粉
スラリー200gの100℃、10分加熱処理したものに
添加し、70℃、1時間加熱した。その結果、反応液は
ヨード殿粉反応が陰性を示し、DEが12.6の糖溶液
を約200g得た。本糖液は培養液由来の不快臭もな
く、無色透明の液体である。
なお、上記の精製アミラーゼ溶液の保存性を試験した。
本液を2℃及び25℃に6か月間保存して、その酵素活
性を測定した。その結果、2℃保存では6か月保存でも
98%以上、25℃では99%以上の活性を保持している
ことを確認した。
実施例5 実施例1と同様に培養して、5.1単位/mlのα−アミ
ラーゼ活性、及び培養液の固形分当り102単位/g
の比活性をもつ培養液を得た。
次に実施例2と同様に処理した。清澄液と洗浄廃液につ
いてα−アミラーゼ活性を測定した結果、殿粉に吸着し
なかつたα−アミラーゼ活性は102単位以下であつた。
したがつて、供試培養液中のα−アミラーゼの96%を
α−アミラーゼ・殿粉複合体として回収したと推算し
た。
上記のα−アミラーゼ・殿粉複合体のスラリー25gに
グルコアミラーゼ(アスペルギルス・ニガー起源、常温
性)の精製粉末50単位(0.05g)とブルラナーゼ
〔バシルス・セレウス(Bacillus cereus)起源〕の精製
粉末10単位(0.02g)を添加して溶解し、55℃48
時間保温し、α−アミラーゼ・殿粉複合体の殿粉を、複
合体に含まれるα−アミラーゼと添加したグルコアミラ
ーゼ及びブルラナーゼにより、同時に液化及び糖化し
た。その結果、反応液はヨード殿粉反応が陰性を示し、
糖組成においてグルコースが95%の、グルコアミラー
ゼ及びプルラワーゼを含有したα−アミラーゼ精製酵素
溶液を得た。本液はほぼ無色透明で、無臭であり、本液
の容積当りのα−アミラーゼ比活性は96単位/mlであ
り、容積当り18.8倍に濃縮された。このときの回収
した液の総活性は2401単位であり、培養液中に含ま
れていたα−アミラーゼ活性の98%が残存しているこ
とを把握した。
更に、糖及びグルコアミラーゼ、プルラナーゼを除外し
た成分の乾物当りの比活性は1.9×104単位/gとな
り、本培養液に対し186倍に精製されたことにな
る。
上記の精製α−アミラーゼ液1ml(α−アミラーゼ96
単位含有)を30%馬鈴しよ殿粉スラリー200gに添
加し、70℃、1時間加熱した。その結果、反応液はヨ
ード殿粉反応が陰性を示し、DEが12.6の糖液を約
200g得た。本液は培養液由来の不快臭もなく、無色
透明の液体である。
なお、上記の精製アミラーゼ溶液の保存性を試験した。
本液を2℃及び25℃に6か月間保存して、その酵素活
性を測定した。その結果、2℃保存では6か月保存でも
98%以上、25℃では99%以上の活性を保持している
ことを確認した。
実施例6 可溶性殿粉1.5%、ポリペプトン0.5%、酵母エキ
ス0.5%、りん酸第1カリウム0.7%、りん酸第2
ナトリウム0.35%、硫酸マグネシウム・7水和物
0.001%及び水道水を含む液体培地(pH 7.0)を内
容積500mlの坂口フラスコに100mlずつ15本に分注
し、120℃で15分間殺菌する。これに、同上培地で
好気的に培養したバシルス・ズブチリス(Bacillus sub
tilis)属に属するα−アミラーゼ生産菌の好気培養液
を10mlずつ分注し、37℃で15時間(120ストロ
ーク/分)で振とう培養した。この培養液を5000rpmで
15分間遠心分離して菌体を除去し、α−アミラーゼ活
性8.1単位/mlの培養液1.5を得た。本培養
液中には無機塩1.1%、α−アミラーゼ以外の有機物
として1.2%を含む。特に有機物中には酢酸、酪酸を
主成分とする揮発性脂肪酸を約0.05%含む。このた
め不快な酸臭を有する。本培養液の固形分当りの比活
性は352単位/gであつた。
次に、本培養液0.5を5℃に冷却し、これに馬鈴
しよ殿粉10gを添加し、かくはん下で1分間保持し
た。上記の液を遠心分離(3000rpm、5分間)し
て、α−アミラーゼ・殿粉複合体のスラリー25gと清
澄板0.5を得た。上記スラリー25gに蒸留水10
0ml(5℃、pH6.2)を添加し、混合した後、遠心分離
(3000rpm、5分間)して、洗浄したα−アミラー
ゼ・殿粉複合体スラリー25gを洗浄廃液100mlを得
た。上記清澄液と洗浄廃液について、α−アミラーゼ活
性を測定した結果、殿粉に吸着しなかつたα−アミラー
ゼ活性は、全培養液1.5に換算して250単位以
下であることから、供試培養液中のα−アミラーゼの
98%を、α−アミラーゼ・殿粉複合体として回収した
ことになる。
次いで、局方の馬鈴しよ殿粉100gと50℃の温水2
30mlとの混合物に上記のα−アミラーゼ・殿粉複合体
29g、及びグルコアミラーゼ粉末200単位(アスペ
ルギルス・ニガー起源、0.1g)を添加し、50℃で
48時間反応させた。その後、グルコースイソメラーゼ
粉末300単位〔ストルペトミセス(Streptomyces)属
起源、0.2g〕を添加し、50℃で10時間反応させ
た。反応後の糖化率(液中全固形分に対する果糖とぶど
う糖の合計量の比を%で表示)は96%であつた。この
異性化糖液は、培養液由来の臭いも色もない透明液で、
無機塩濃度は0.01%以下である。なお、本液の容積
当りのα−アミラーゼの比活性は35.3単位/mlであ
り、容積当り4.4倍に濃縮されている。
更に、本液は糖、グルコアミラーゼ、グルコースイソメ
ラーゼ以外の成分の乾物基準のα−アミラーゼ比活性は
1.5×104単位/gであり、培養液に対し42.6
倍に精製されている。
上記精製アミラーゼ溶液の保存性を試験した。本液を2
5℃に10日間保存して、その酵素活性を測定した。そ
の結果、85%以上の活性を保持していることを確認し
た。
比較例1 実施例1に対応する従来技術として次の実験を行つた。
すなわち、培養液中のα−アミラーゼを吸着させたα
−アミラーゼ・殿粉複合体をグルコアミラーゼで処理し
て複合体の殿粉粒子を糖化して高濃度糖含有精製アミラ
ーゼ液を得、それを殿粉の液化及び糖化に用いる実施例
1に対して、α−アミラーゼ・殿粉複合体をそのままα
−アミラーゼとして殿粉の液化及び糖化に用いた。
実施例1と同じロツトの培養液及び殿粉を用い、同じ
手順でα−アミラーゼ・殿粉複合体のスラリー25gを
調製した。この複合体5g(α−アミラーゼ371単位
含有)を30%馬鈴しよ殿粉スラリーの100℃、10
分加熱処理したものに添加し、かくはん下で70℃に1
時間加熱した。その結果、反応液は未分解の殿粉粒子を
含む、DE9.5のデキストイン溶液1005gを得た。
本デキストリン液には、複合体の殿粉粒子起源の未分解
の殿粉粒子が残存するため、半透明を呈している。
上記のデキストリン液100gにグルコアミラーゼ(ア
スペルギルス・ニガー起源、常温性)の精製粉末200
単位(0.1g)を加えて溶解し、50℃で48時間保
温して糖化反応を行つた。反応後のぶどう糖濃度は8
8.1%で、複合体起源の未分解殿粉粒子を含み半透明
を呈している。本糖液の糖組成を分析した結果、ぶどう
糖のほかにオリゴ糖が9.8%、オリゴ糖より高分子の
グリコースポリマーが2%含有されていることが判明し
た。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明方法により得られる精製α
−アミラーゼ含有液は、臭いや着色がなく、かつこれを
ぶどう糖や異性化糖製造に用いた場合には、吸着担体と
して用いた殿粉が未分解のまま残留、混入することな
く、糖化、異性化を行うことができるという顕著な効果
を奏するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粗α−アミラーゼ含有溶液を、氷点を越え
    るが実質的に殿粉の液化反応が起らない温度で殿粉粒子
    と接触させて、α−アミラーゼを殿粉粒子に吸着させる
    工程、該α−アミラーゼを吸着した殿粉粒子を分離する
    工程、及び該分離した殿粉粒子から得られるα−アミラ
    ーゼ含有液を、グルコアミラーゼ及びβ−アミラーゼの
    少なくとも一方を含有する酵素で処理してオリゴ糖以下
    の分子量をもつ糖まで加水分解する工程、の各工程を包
    含することを特徴とする精製α−アミラーゼ含有液の製
    造方法。
  2. 【請求項2】該分離した殿粉粒子を、実質的に殿粉の液
    化反応が起らない温度の水で洗浄したのち、次の工程を
    行う特許請求の範囲第1項記載の精製α−アミラーゼ含
    有液の製造方法。
  3. 【請求項3】該粗α−アミラーゼ含有溶液が、α−アミ
    ラーゼ生産菌の液体培養液から固形物を除去した液、又
    は固体培養物若しくは培養菌体から抽出し固形物を除去
    した抽出液である特許請求の範囲第1項又は第2項記載
    の精製α−アミラーゼ含有液の製造方法。
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