JPH0328506B2 - - Google Patents
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- JPH0328506B2 JPH0328506B2 JP15142783A JP15142783A JPH0328506B2 JP H0328506 B2 JPH0328506 B2 JP H0328506B2 JP 15142783 A JP15142783 A JP 15142783A JP 15142783 A JP15142783 A JP 15142783A JP H0328506 B2 JPH0328506 B2 JP H0328506B2
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Description
この発明は、表面エツチング性に優れた、特に
簡単なエツチング処理を施すのみで塗膜密着性の
良好な表面を常に安定して得ることのできるチタ
ン及びチタン合金材の製造方法に関するものであ
る。 近年、チタン及びチタン合金自体の有する優れ
た耐食性をそのまま利用し、加えて隙間腐食を発
生しやすい環境で用いられる部材や食塩電解用電
極等に要求される諸特性をも備えしめた材料とし
て、表面に貴金属塩化物等を焼付けた、いわゆる
機能性被覆を有するチタン又はチタン合金材が多
用されるようになつてきた。 ところで、チタン又はチタン合金材表面に前述
のような機能性被覆を付与するにあたつては、ま
ず、該チタン及びチタン合金材表面の強靭なチタ
ン酸化物の薄膜を取り除くとともに、その表面状
態を凹凸に富んだ均一なものにする必要のあるこ
とが知られており、これまで、このような表面状
態を実現するための様々な方法が提案され、実際
に使用されてきた。その代表的な例として、弗化
水素酸又は弗化水素酸を主成分とする混合溶液、
塩酸、硫酸、シユウ酸、或いはアルカリ溶融塩等
を表面に適用して酸化皮膜を除去するとともに地
肌をエツチングするという方法があげられる。 しかしながら、このような方法では、作業中に
有害ガスを発生する処理剤を比較的多量に使用し
たり、多量に排出される有害廃液の処理に多大な
対策を必要とする等の問題を無視できないばかり
でなく、特に、エツチング処理剤に工夫を凝らし
たとしても、前記機能性被覆を付与するのに好適
な凹凸に富んだ表面を短時間に安定して形成せし
めるには十分満足できるものではなかつたのであ
る。 そこで、このような事情を背景として、有害ガ
スの発生や廃液処理等の問題の少ない希硫酸を使
用して、しかも比較的短時間のエツチング処理に
てチタン又はチタン合金材に所望性状表面を付与
しようとの提案もなされた(特公昭57−57951号
公報)。この提案内容は、まずチタン又はチタン
合金材を酸素含有気体中で加熱処理して表面酸化
を進行させ、これによつて表面酸化皮膜に微細な
多数のヒビ割れを生ぜしめてエツチング処理液が
地肌に作用するのを容易化してから、該表面に希
硫酸を適用しようというものである。 確かに、この方法は、場合によつて比較的容易
に適度な凹凸を有する地肌のチタン又はチタン合
金材を得ることのできるものではあつたが、最近
になつて、この方法による処理効果には極めて大
きなムラがあり、前記提案方法によつては塗膜密
着性の良好な表面性状を有する材料を常に安定し
て実現できないとの報告がなされるようになり、
事実、その後の本発明者等の実験・検討によつて
も、該手段は、均一な凹凸に富んだ活性表面をチ
タン又はチタン合金材に付与するための完全な手
段であるとは言えないことが確認されたのであ
る。 そこで、本発明者等は、上述のような従来法に
みられる各種の不都合な問題を伴うことなく、機
能性被覆等の塗膜密着性の良好な、凹凸に富んだ
表面肌を有するチタン又はチタン合金材の製造手
段を模索しつつ、各種チタン材及びエツチング処
理液を使用した基礎的研究を繰り返したところ、
チタン又はチタン合金材をエツチング処理して得
られる表面性状は、材料表面の酸化皮膜の有無や
その性状、或いはエツチング処理剤の種類やエツ
チング手段によるよりも、チタン又はチタン合金
材そのものの特性に大きく影響されるものであ
り、従つて、機能性被覆等の密着性が良好な表面
性状を有するチタン及びチタン合金材を得るに
は、エツチング処理手段自体を改良するよりも、
材質的にチタン及びチタン合金材そのもののエツ
チング特性を改善する必要がある、 との結論が得られ、このような観点から、優れた
表面エツチング性を常に安定して発揮するチタン
及びチタン合金材を製造すべく、該チタン材の材
質面からの研究を続けた結果、 冷間圧延等によつて製造されたチタン又はチタ
ン合金材を、まず650〜850℃の温度範囲に加熱処
理し、その後更に400〜600℃の温度範囲に加熱処
理するという2段熱処理又は多段熱処理に付す
と、その表面エツチング性が格段に向上し、例え
希硫酸のようなエツチング処理液で表面処理を行
つたとしても、比較的短時間で凹凸に富んだ塗膜
密着性の良好な表面肌を安定して得ることができ
るようになる、 との知見を得るに至つたのである。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であり、 チタン又はチタン合金材を650〜850℃で熱処理
した後、更に400〜600℃で熱処理することによ
り、表面エツチング性の優れたチタン及びチタン
合金材を製造する点に特徴を有するものである。 なお、この発明の方法において対象とするチタ
ン又はチタン合金材とは、純チタン或いは各種チ
タン合金(合金の種類によつて限定されるもので
はない)によつて作られた部材はもちろんのこ
と、装置その他の1構成部分として使用されてい
るチタン材をも当然に意味するものであり、これ
らの材料は、圧延、鍛造、プレス等によつて結晶
組織を破壊されたものであつても、またその後の
650℃未満の加熱処理によつて結晶組織を有する
に至つたものであつても良く、いずれにしても十
分な効果を得ることができる。 また、ここで言う「熱処理」とは、材料を所定
温度域にまで加熱するすべての処理を意味するも
のであつて、加熱や冷却条件の如何を問うもので
はない。 そして、熱処理雰囲気も、真空中、不活性ガス
中、或いは空気等の酸素含有気体中など、いずれ
を採用しても差し支えないが、酸素含有気体中に
て熱処理を行うと、酸化皮膜が厚くなつて研削、
溶融塩浴処理、酸洗、或いはシヨツトブラスト等
によつて脱スケールを行わないと次のエツチング
処理をスムーズに実施できなくなる場合も生ずる
恐れがあるので、前記熱処理は不活性ガス等の非
酸化性雰囲気中又は真空中で行うことが推奨され
る。特に、スケール除去のためにシヨツトブラス
ト等を施すと、熱処理目的に応力除去もがもくろ
まれていた場合には、応力除去された材料に再び
応力が残留することとなつて所望部材を得ること
ができなくなる恐れもでてくる。 第1回目の加熱処理と第2回目の加熱処理はそ
れぞれ別工程として行う必要はなく、例えば第1
回目の加熱処理後の降温の途中、処理材の温度が
600〜400℃の温度域になつた時点で所定時間その
温度に保持し、しかる後冷却するという一工程で
行つても十分な効果が得られるものであり、ま
た、各熱処理を別工程で行う場合には、必ずしも
連続して処理する必要もない。従つて、チタン又
はチタン合金に冷間圧延を施した後第1回目の熱
処理温度に相当する温度域で焼鈍した材料を、別
の場所へ移動し、エツチング処理の必要を生じた
際に400〜600℃で熱処理を施したとしても、得ら
れる表面エツチング性改善効果には何の差もみら
れないのである。 このような2段熱処理によつて表面エツチング
性の優れたチタン又はチタン合金材の得られる理
由は未だ十分に解明されてはいないが、恐らく
は、第1回目の高温熱処理によつて再結晶したチ
タン又はチタン合金材が第2回目の熱処理で低温
域に保持されると、Feを主体とする不純物の化
合物を析出してエツチングされやすい材質に変化
するためであると推測される。 次に、この発明の方法において、第1回目及び
第2回目の熱処理温度を前記の如くに限定した理
由を説明する。 (a) 第1回目の熱処理温度 第1回目の熱処理温度が650℃未満であると、
その後400〜600℃で第2回目の熱処理を施して
も優れた表面エツチング性を呈する材料となら
ず、エツチング処理によつても凹凸に富んだ表
面肌を得ることができず、一方該熱処理温度が
850℃を越えた場合にも表面エツチング性は低
下するばかりでなく、熱処理のためのエネルギ
ーコストが割高となる。また、酸素を含有する
気体中で850℃以上で熱処理する場合には、除
去困難な酸化スケールが生じやすく、地金の酸
化ロスも大きい。 従つて、第1回目の熱処理温度を650〜850℃
と定めた。 なお、このときの加熱保持時間は格別に限定
されるべきではなく、要求される機械的性質や
結晶粒度を満足させるように決めれば良いが、
表面エツチング性確保の面からは1〜120min
とすることが好ましい。 (b) 第2回目の熱処理温度 第2回目の熱処理温度が400℃未満では、表
面エツチング性の良いものが得られない。一
方、該加熱温度が600℃を越えると、やはり表
面エツチング性は悪化することから、第2回目
の熱処理温度を400〜600℃と定めた。 なお、このときの保持時間も、特に限定され
るものではないが、経済性をも考慮して1〜
60min程度とすることが好ましい。 次いで、この発明を実施例により比較例と対比
しながら説明する。 実施例 1 まず、重量割合で、Fe:0.054%、O:0.096
%、C:0.005%、N:0.007%、H:0.0003%を
含み、残りが実質的にTiである成分組成(JIS第
2種純チタン相当材)を有する板厚:1.0mmの純
チタン板(冷間圧延したままのもの)から15mm×
60mmの寸法の試験片を複数枚切り出し、550℃、
600℃、650℃、700℃、750℃又は800℃の各温度
にて5〜90分間真空中で熱処理した後常温まで空
冷した。続いて、これを更に550℃で30分間真空
中にて加熱し、空冷した。 また、比較のために、第2回目の熱処理(550
℃で30分加熱のもの)を省いた試料も用意した。 次いで、これらの試験片表面を#400湿式研摩
した後、25%硫酸水溶液に浸漬し、85℃で5時間
のエツチング処理を施した。 得られたエツチング処理材について、 Γ目視による表面状態の判定、 Γエツチングによる溶解減量の測定、 Γ表面粗さの測定、 の3項目についての判定試験を行い、その結果を
第1表に示した。 なお、各判定試験の詳細は次の通りであつた。
即ち、 (A) 目視による判定
簡単なエツチング処理を施すのみで塗膜密着性の
良好な表面を常に安定して得ることのできるチタ
ン及びチタン合金材の製造方法に関するものであ
る。 近年、チタン及びチタン合金自体の有する優れ
た耐食性をそのまま利用し、加えて隙間腐食を発
生しやすい環境で用いられる部材や食塩電解用電
極等に要求される諸特性をも備えしめた材料とし
て、表面に貴金属塩化物等を焼付けた、いわゆる
機能性被覆を有するチタン又はチタン合金材が多
用されるようになつてきた。 ところで、チタン又はチタン合金材表面に前述
のような機能性被覆を付与するにあたつては、ま
ず、該チタン及びチタン合金材表面の強靭なチタ
ン酸化物の薄膜を取り除くとともに、その表面状
態を凹凸に富んだ均一なものにする必要のあるこ
とが知られており、これまで、このような表面状
態を実現するための様々な方法が提案され、実際
に使用されてきた。その代表的な例として、弗化
水素酸又は弗化水素酸を主成分とする混合溶液、
塩酸、硫酸、シユウ酸、或いはアルカリ溶融塩等
を表面に適用して酸化皮膜を除去するとともに地
肌をエツチングするという方法があげられる。 しかしながら、このような方法では、作業中に
有害ガスを発生する処理剤を比較的多量に使用し
たり、多量に排出される有害廃液の処理に多大な
対策を必要とする等の問題を無視できないばかり
でなく、特に、エツチング処理剤に工夫を凝らし
たとしても、前記機能性被覆を付与するのに好適
な凹凸に富んだ表面を短時間に安定して形成せし
めるには十分満足できるものではなかつたのであ
る。 そこで、このような事情を背景として、有害ガ
スの発生や廃液処理等の問題の少ない希硫酸を使
用して、しかも比較的短時間のエツチング処理に
てチタン又はチタン合金材に所望性状表面を付与
しようとの提案もなされた(特公昭57−57951号
公報)。この提案内容は、まずチタン又はチタン
合金材を酸素含有気体中で加熱処理して表面酸化
を進行させ、これによつて表面酸化皮膜に微細な
多数のヒビ割れを生ぜしめてエツチング処理液が
地肌に作用するのを容易化してから、該表面に希
硫酸を適用しようというものである。 確かに、この方法は、場合によつて比較的容易
に適度な凹凸を有する地肌のチタン又はチタン合
金材を得ることのできるものではあつたが、最近
になつて、この方法による処理効果には極めて大
きなムラがあり、前記提案方法によつては塗膜密
着性の良好な表面性状を有する材料を常に安定し
て実現できないとの報告がなされるようになり、
事実、その後の本発明者等の実験・検討によつて
も、該手段は、均一な凹凸に富んだ活性表面をチ
タン又はチタン合金材に付与するための完全な手
段であるとは言えないことが確認されたのであ
る。 そこで、本発明者等は、上述のような従来法に
みられる各種の不都合な問題を伴うことなく、機
能性被覆等の塗膜密着性の良好な、凹凸に富んだ
表面肌を有するチタン又はチタン合金材の製造手
段を模索しつつ、各種チタン材及びエツチング処
理液を使用した基礎的研究を繰り返したところ、
チタン又はチタン合金材をエツチング処理して得
られる表面性状は、材料表面の酸化皮膜の有無や
その性状、或いはエツチング処理剤の種類やエツ
チング手段によるよりも、チタン又はチタン合金
材そのものの特性に大きく影響されるものであ
り、従つて、機能性被覆等の密着性が良好な表面
性状を有するチタン及びチタン合金材を得るに
は、エツチング処理手段自体を改良するよりも、
材質的にチタン及びチタン合金材そのもののエツ
チング特性を改善する必要がある、 との結論が得られ、このような観点から、優れた
表面エツチング性を常に安定して発揮するチタン
及びチタン合金材を製造すべく、該チタン材の材
質面からの研究を続けた結果、 冷間圧延等によつて製造されたチタン又はチタ
ン合金材を、まず650〜850℃の温度範囲に加熱処
理し、その後更に400〜600℃の温度範囲に加熱処
理するという2段熱処理又は多段熱処理に付す
と、その表面エツチング性が格段に向上し、例え
希硫酸のようなエツチング処理液で表面処理を行
つたとしても、比較的短時間で凹凸に富んだ塗膜
密着性の良好な表面肌を安定して得ることができ
るようになる、 との知見を得るに至つたのである。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であり、 チタン又はチタン合金材を650〜850℃で熱処理
した後、更に400〜600℃で熱処理することによ
り、表面エツチング性の優れたチタン及びチタン
合金材を製造する点に特徴を有するものである。 なお、この発明の方法において対象とするチタ
ン又はチタン合金材とは、純チタン或いは各種チ
タン合金(合金の種類によつて限定されるもので
はない)によつて作られた部材はもちろんのこ
と、装置その他の1構成部分として使用されてい
るチタン材をも当然に意味するものであり、これ
らの材料は、圧延、鍛造、プレス等によつて結晶
組織を破壊されたものであつても、またその後の
650℃未満の加熱処理によつて結晶組織を有する
に至つたものであつても良く、いずれにしても十
分な効果を得ることができる。 また、ここで言う「熱処理」とは、材料を所定
温度域にまで加熱するすべての処理を意味するも
のであつて、加熱や冷却条件の如何を問うもので
はない。 そして、熱処理雰囲気も、真空中、不活性ガス
中、或いは空気等の酸素含有気体中など、いずれ
を採用しても差し支えないが、酸素含有気体中に
て熱処理を行うと、酸化皮膜が厚くなつて研削、
溶融塩浴処理、酸洗、或いはシヨツトブラスト等
によつて脱スケールを行わないと次のエツチング
処理をスムーズに実施できなくなる場合も生ずる
恐れがあるので、前記熱処理は不活性ガス等の非
酸化性雰囲気中又は真空中で行うことが推奨され
る。特に、スケール除去のためにシヨツトブラス
ト等を施すと、熱処理目的に応力除去もがもくろ
まれていた場合には、応力除去された材料に再び
応力が残留することとなつて所望部材を得ること
ができなくなる恐れもでてくる。 第1回目の加熱処理と第2回目の加熱処理はそ
れぞれ別工程として行う必要はなく、例えば第1
回目の加熱処理後の降温の途中、処理材の温度が
600〜400℃の温度域になつた時点で所定時間その
温度に保持し、しかる後冷却するという一工程で
行つても十分な効果が得られるものであり、ま
た、各熱処理を別工程で行う場合には、必ずしも
連続して処理する必要もない。従つて、チタン又
はチタン合金に冷間圧延を施した後第1回目の熱
処理温度に相当する温度域で焼鈍した材料を、別
の場所へ移動し、エツチング処理の必要を生じた
際に400〜600℃で熱処理を施したとしても、得ら
れる表面エツチング性改善効果には何の差もみら
れないのである。 このような2段熱処理によつて表面エツチング
性の優れたチタン又はチタン合金材の得られる理
由は未だ十分に解明されてはいないが、恐らく
は、第1回目の高温熱処理によつて再結晶したチ
タン又はチタン合金材が第2回目の熱処理で低温
域に保持されると、Feを主体とする不純物の化
合物を析出してエツチングされやすい材質に変化
するためであると推測される。 次に、この発明の方法において、第1回目及び
第2回目の熱処理温度を前記の如くに限定した理
由を説明する。 (a) 第1回目の熱処理温度 第1回目の熱処理温度が650℃未満であると、
その後400〜600℃で第2回目の熱処理を施して
も優れた表面エツチング性を呈する材料となら
ず、エツチング処理によつても凹凸に富んだ表
面肌を得ることができず、一方該熱処理温度が
850℃を越えた場合にも表面エツチング性は低
下するばかりでなく、熱処理のためのエネルギ
ーコストが割高となる。また、酸素を含有する
気体中で850℃以上で熱処理する場合には、除
去困難な酸化スケールが生じやすく、地金の酸
化ロスも大きい。 従つて、第1回目の熱処理温度を650〜850℃
と定めた。 なお、このときの加熱保持時間は格別に限定
されるべきではなく、要求される機械的性質や
結晶粒度を満足させるように決めれば良いが、
表面エツチング性確保の面からは1〜120min
とすることが好ましい。 (b) 第2回目の熱処理温度 第2回目の熱処理温度が400℃未満では、表
面エツチング性の良いものが得られない。一
方、該加熱温度が600℃を越えると、やはり表
面エツチング性は悪化することから、第2回目
の熱処理温度を400〜600℃と定めた。 なお、このときの保持時間も、特に限定され
るものではないが、経済性をも考慮して1〜
60min程度とすることが好ましい。 次いで、この発明を実施例により比較例と対比
しながら説明する。 実施例 1 まず、重量割合で、Fe:0.054%、O:0.096
%、C:0.005%、N:0.007%、H:0.0003%を
含み、残りが実質的にTiである成分組成(JIS第
2種純チタン相当材)を有する板厚:1.0mmの純
チタン板(冷間圧延したままのもの)から15mm×
60mmの寸法の試験片を複数枚切り出し、550℃、
600℃、650℃、700℃、750℃又は800℃の各温度
にて5〜90分間真空中で熱処理した後常温まで空
冷した。続いて、これを更に550℃で30分間真空
中にて加熱し、空冷した。 また、比較のために、第2回目の熱処理(550
℃で30分加熱のもの)を省いた試料も用意した。 次いで、これらの試験片表面を#400湿式研摩
した後、25%硫酸水溶液に浸漬し、85℃で5時間
のエツチング処理を施した。 得られたエツチング処理材について、 Γ目視による表面状態の判定、 Γエツチングによる溶解減量の測定、 Γ表面粗さの測定、 の3項目についての判定試験を行い、その結果を
第1表に示した。 なお、各判定試験の詳細は次の通りであつた。
即ち、 (A) 目視による判定
【表】
【表】
光沢の無い灰色を呈している材料は良好にエ
ツチングされた材料であり、鋭い光沢を有する
材料はエツチングが十分でない材料である。こ
れは表面粗さ計により表面の凹凸のパターンを
調べることによつて確認された。 即ち、良好にエツチングされた材料は、第1
図aに示すような多数の凹凸を伴つた比較的規
則正しい凹凸のパターンとなつているのに対し
て、エツチング不良の材料は、第1図bに示す
ように不規則な凹凸のパターンを有していて比
較的平坦な部分が多いため、機能性被覆等を施
した場合に十分な耐剥離強度が得られない。 そして、第1表においては、目視評価を次の
3段階に分けて行つた。 ×:鋭い光沢の残存多し、 〇:わずかに光沢残る、 ◎:光沢なし(灰色)。 (B) エツチングによる溶解減量の測定 良好にエツチングされる場合には、酸による
材料の溶解速度が大きいために一定時間での溶
解減量が多いのに対して、エツチング性の悪い
材料は溶解速度が遅いために溶解減量が少な
い。 第1表における溶解減量は、エツチング前後
の試料の重量差から求めた値であり、単位面積
当りの溶解減量で表示したものである。 (C) 表面粗さの測定 表面粗さは、エツチング後の材料の表面を表
面粗さ計で調べたものである。 良好にエツチングされた場合には表面の凹凸
が大きく、最大粗さ(μmRmax:JIS B0601
−1976)が大きくなるのに対して、エツチング
不良の場合には最大粗さが比較的小さくなる傾
向がある。 第1表に示される結果からは、冷間圧延され
た純チタン材料を650〜850℃(望ましくは700
〜800℃)の温度域で熱処理した後、550℃で30
分間の再度の熱処理を行うと良好なエツチング
性を示すようになるが、1回目の熱処理温度が
550〜600℃と低い場合には(試験番号1〜6)、
エツチング後にも光沢が多く残つており、溶解
減量及び最大粗さが共に小さな値を示している
ことがわかる。 また、2回目の熱処理(550℃に30分加熱の
もの)を行わなかつた場合には、いずれもエツ
チング性の良好なものが得られないことも明ら
かである。 なお、これとは別に、同様の冷延材に700℃
Cにて60分の加熱処理を施し、続いて550℃に
まで空冷した後該温度に30分間保持して空冷し
たものについても同様の判定試験を行つたとこ
ろ、第1表の試験番号10によるものと同じ結果
が得られることを確認した。 実施例 2 実施例1におけると同一成分組成の、冷間圧延
によつて製造した帯状の純チタン冷延板(板厚:
1.0mm)を、連続焼鈍酸洗設備を用いた800℃で
2.6分間の焼鈍処理に付した後、溶融塩浴処理及
び酸洗によつて表面酸化スケールを除去し、更に
圧下率:0.8%以下の調質圧延を施して、いわゆ
る2B材を製造した。 次に、これより15mm×60mmの試験片を切り出
し、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600
℃、650℃、700℃、750℃又は800℃の各温度で
120〜15分間の大気中加熱保持処理を行い、溶融
塩浴処理及び硝酸−弗化水素酸混酸を用いた酸洗
によつて表面酸化スケールを除去した後、85℃の
25%硫酸水溶液に5時間浸漬した。 このような浸漬処理後の試験片表面の光沢残存
程度を、実施例1と同様に判定し、更に25%硫酸
による溶解減量及び試験片表面の最大粗さを表面
粗さ計を用いて測定してエツチング性の良否を調
べた。 このようにして得られた結果を第2表に示し
た。 第2表に示される結果からも、800℃で2.6分間
熱処理することにより再結晶させて製造した純チ
タン2B板を再熱処理すると、再熱処理温度が400
〜600℃の範囲にあると表面エツチング性の良好
なチタン材料を得ることができるが、再熱処理温
度が350℃以下、或いは650℃以
ツチングされた材料であり、鋭い光沢を有する
材料はエツチングが十分でない材料である。こ
れは表面粗さ計により表面の凹凸のパターンを
調べることによつて確認された。 即ち、良好にエツチングされた材料は、第1
図aに示すような多数の凹凸を伴つた比較的規
則正しい凹凸のパターンとなつているのに対し
て、エツチング不良の材料は、第1図bに示す
ように不規則な凹凸のパターンを有していて比
較的平坦な部分が多いため、機能性被覆等を施
した場合に十分な耐剥離強度が得られない。 そして、第1表においては、目視評価を次の
3段階に分けて行つた。 ×:鋭い光沢の残存多し、 〇:わずかに光沢残る、 ◎:光沢なし(灰色)。 (B) エツチングによる溶解減量の測定 良好にエツチングされる場合には、酸による
材料の溶解速度が大きいために一定時間での溶
解減量が多いのに対して、エツチング性の悪い
材料は溶解速度が遅いために溶解減量が少な
い。 第1表における溶解減量は、エツチング前後
の試料の重量差から求めた値であり、単位面積
当りの溶解減量で表示したものである。 (C) 表面粗さの測定 表面粗さは、エツチング後の材料の表面を表
面粗さ計で調べたものである。 良好にエツチングされた場合には表面の凹凸
が大きく、最大粗さ(μmRmax:JIS B0601
−1976)が大きくなるのに対して、エツチング
不良の場合には最大粗さが比較的小さくなる傾
向がある。 第1表に示される結果からは、冷間圧延され
た純チタン材料を650〜850℃(望ましくは700
〜800℃)の温度域で熱処理した後、550℃で30
分間の再度の熱処理を行うと良好なエツチング
性を示すようになるが、1回目の熱処理温度が
550〜600℃と低い場合には(試験番号1〜6)、
エツチング後にも光沢が多く残つており、溶解
減量及び最大粗さが共に小さな値を示している
ことがわかる。 また、2回目の熱処理(550℃に30分加熱の
もの)を行わなかつた場合には、いずれもエツ
チング性の良好なものが得られないことも明ら
かである。 なお、これとは別に、同様の冷延材に700℃
Cにて60分の加熱処理を施し、続いて550℃に
まで空冷した後該温度に30分間保持して空冷し
たものについても同様の判定試験を行つたとこ
ろ、第1表の試験番号10によるものと同じ結果
が得られることを確認した。 実施例 2 実施例1におけると同一成分組成の、冷間圧延
によつて製造した帯状の純チタン冷延板(板厚:
1.0mm)を、連続焼鈍酸洗設備を用いた800℃で
2.6分間の焼鈍処理に付した後、溶融塩浴処理及
び酸洗によつて表面酸化スケールを除去し、更に
圧下率:0.8%以下の調質圧延を施して、いわゆ
る2B材を製造した。 次に、これより15mm×60mmの試験片を切り出
し、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600
℃、650℃、700℃、750℃又は800℃の各温度で
120〜15分間の大気中加熱保持処理を行い、溶融
塩浴処理及び硝酸−弗化水素酸混酸を用いた酸洗
によつて表面酸化スケールを除去した後、85℃の
25%硫酸水溶液に5時間浸漬した。 このような浸漬処理後の試験片表面の光沢残存
程度を、実施例1と同様に判定し、更に25%硫酸
による溶解減量及び試験片表面の最大粗さを表面
粗さ計を用いて測定してエツチング性の良否を調
べた。 このようにして得られた結果を第2表に示し
た。 第2表に示される結果からも、800℃で2.6分間
熱処理することにより再結晶させて製造した純チ
タン2B板を再熱処理すると、再熱処理温度が400
〜600℃の範囲にあると表面エツチング性の良好
なチタン材料を得ることができるが、再熱処理温
度が350℃以下、或いは650℃以
【表】
【表】
上の例では材料のエツチング性向上の認められな
いことが明らかである。 上述のように、本発明によれば、表面エツチン
グ性の優れたチタン及びチタン合金材を簡単かつ
確実に製造することができ、例えば希硫酸等のよ
うな取り扱いの容易なエツチング処理液によつて
も、機能性被覆等の塗膜密着性の良好な表面肌が
安定して得られるなど工業上有用な効果がもたら
されるのである。
いことが明らかである。 上述のように、本発明によれば、表面エツチン
グ性の優れたチタン及びチタン合金材を簡単かつ
確実に製造することができ、例えば希硫酸等のよ
うな取り扱いの容易なエツチング処理液によつて
も、機能性被覆等の塗膜密着性の良好な表面肌が
安定して得られるなど工業上有用な効果がもたら
されるのである。
第1図は表面粗さ計によつて測定したエツチン
グ後の材料の表面凹凸パターンを比較したもので
あり、第1図aは良好にエツチングされた材料の
表面凹凸パターン、第1図bはエツチング不良の
材料の表面凹凸パターンである。
グ後の材料の表面凹凸パターンを比較したもので
あり、第1図aは良好にエツチングされた材料の
表面凹凸パターン、第1図bはエツチング不良の
材料の表面凹凸パターンである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 チタン又はチタン合金材を650〜850℃で熱処
理した後、更に400〜600℃で熱処理することを特
徴とする表面エツチング性の優れたチタン及びチ
タン合金材の製造方法。 2 各熱処理を非酸化性雰囲気中又は真空中で実
施する、特許請求の範囲第1項に記載の表面エツ
チング性の優れたチタン及びチタン合金材の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15142783A JPS6043475A (ja) | 1983-08-19 | 1983-08-19 | 表面エツチング性の優れたチタン及びチタン合金材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15142783A JPS6043475A (ja) | 1983-08-19 | 1983-08-19 | 表面エツチング性の優れたチタン及びチタン合金材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6043475A JPS6043475A (ja) | 1985-03-08 |
| JPH0328506B2 true JPH0328506B2 (ja) | 1991-04-19 |
Family
ID=15518379
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15142783A Granted JPS6043475A (ja) | 1983-08-19 | 1983-08-19 | 表面エツチング性の優れたチタン及びチタン合金材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6043475A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20220089085A (ko) * | 2020-12-21 | 2022-06-28 | 주식회사 포스코 | 티타늄 판재의 열처리 방법 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113521384B (zh) * | 2021-07-05 | 2022-05-10 | 湖南湘投金天钛金属股份有限公司 | 一种钛基材料及其制备方法和应用 |
-
1983
- 1983-08-19 JP JP15142783A patent/JPS6043475A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20220089085A (ko) * | 2020-12-21 | 2022-06-28 | 주식회사 포스코 | 티타늄 판재의 열처리 방법 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6043475A (ja) | 1985-03-08 |
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