JPH0329292B2 - - Google Patents
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- JPH0329292B2 JPH0329292B2 JP59205253A JP20525384A JPH0329292B2 JP H0329292 B2 JPH0329292 B2 JP H0329292B2 JP 59205253 A JP59205253 A JP 59205253A JP 20525384 A JP20525384 A JP 20525384A JP H0329292 B2 JPH0329292 B2 JP H0329292B2
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- polyimide film
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- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10P—GENERIC PROCESSES OR APPARATUS FOR THE MANUFACTURE OR TREATMENT OF DEVICES COVERED BY CLASS H10
- H10P14/00—Formation of materials, e.g. in the shape of layers or pillars
- H10P14/60—Formation of materials, e.g. in the shape of layers or pillars of insulating materials
- H10P14/68—Organic materials, e.g. photoresists
- H10P14/683—Organic materials, e.g. photoresists carbon-based polymeric organic materials, e.g. polyimides, poly cyclobutene or PVC
Landscapes
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
Description
〔技術分野〕
この発明は、半導体素子のP−N接合部の露出
面等の素子表面にポリイミド絶縁皮膜を形成する
半導体素子表面への皮膜形成方法に関するもので
ある。 〔背景技術〕 従来、半導体素子のP−N接合部ジヤンクシヨ
ン保護膜あるいは半導体素子表面のパツシベーシ
ヨン膜等として、耐湿性と密着性に優れるポリイ
ミドシリコン、すなわち、シロキサン変性ポリイ
ミドが用いられてきた。ところが高圧大電流の半
導体素子、特に高圧ダイオードには、角形チツプ
形状の半導体素子からなるダイオードがあり、こ
のP−N接合部のジヤンクシヨン保護膜として、
従来のシロキサン変性ポリアミド酸溶液の加熱硬
化により得られるポリイミド膜を用いると、角形
チツプのエツジの部分の膜厚が薄くなりすぎて放
電する場合があり、製品歩留が低下し、初期良品
率の向上の点で問題があつた。すなわち、第1図
に示すような、通常用いられている丸型円筒状の
メサ型半導体素子製のシリコンダイオードでは、
N型領域3aとP型領域3bとをP−N接合面5
で接合してなる半導体素子4がリード線1a,1
bにハンダで接着され、これらがエポキシ樹脂等
のモールド材2で封止されている。半導体素子4
の表面は、リード線の一部を含んでポリイミド膜
6で被覆されている。ところが第2図のように半
導体素子4が角形チツプの場合、四隅のエツジ部
分では、ポリイミド膜6は非常に薄くなり、これ
がために放電し逆方向の漏れ電流が著しく増大す
ることがあつた。これはポリイミド膜形成用の塗
布溶液であるシロキサン変性ポリアミド酸のポリ
イミド形成成分濃度である固形分濃度が低いこと
に原因があつた。 一般に、ポリイミド絶縁皮膜の形成に用いられ
る塗布溶液は、不活性溶剤中にポリアミド酸もし
くはその誘導体を溶解して構成されている。しか
しながら、上記重合体は、高分子量のため、実使
用上溶解できる重合体濃度は一般に5〜30重量%
であり、さらに上記ダイオード等へ塗布する場合
には、ハケ塗り、デイスペンス法等の塗布作業性
をよくするため、さらに溶剤で希釈して溶液粘度
を通常50〜130センチポイズ(cps)に低下させて
いる。しかし、この粘度での重合体濃度は通常2
〜20重量%にも低下し、このため、角形チツプの
エツジの部分は極めて薄肉となる。そこでエツジ
カバー性を向上させるため複数回塗布によりエツ
ジの部分に肉付けする方法が試みられているが、
この方法では工程の増加となり作業性の低下を招
く。少なくとも、一回の塗布で充分なエツジカバ
ーを実現するためには、塗布溶液が固形分濃度の
高い高濃度溶液であることが必要である。さら
に、半導体素子のリード線への接着部分の段差が
100μm以上あつて最大皮膜厚みが100μm以上とな
つても透明強靭な皮膜を形成できることも必要で
ある。第4図は個別半導体である高圧トランジス
タの一実施例の横断面図である。すなわち、放熱
板の付いた銀メツキ銅フレーム8の上にパワート
ランジスタ素子11が固定され、アルミニウムワ
イヤ9でリードフレームとボンデイングされてお
り、この素子表面上に従来のポリアミド酸もしく
はその誘導体から形成されたポリイミド保護膜1
2が設けられ、これらがエポキシ樹脂等のモール
ド材10で封止されている。このポリイミド保護
膜12は、主に半導体の耐湿性向上の目的で使用
され、通常5〜20μm程度の膜厚で充分な特性を
発揮するが、アルミニウムワイヤ9のボンデイン
グ部(素子表面上)では、塗布溶液の表面張力の
ため、100μm以上の肉厚となる場合が多々あり、
この肉厚部でポリイミド膜が透明皮膜とならず粉
化する現象が生じていた。これは、従来のポリア
ミド酸系塗布溶液は厚膜形成能に欠けることに起
因する。このように粉化したポリイミド膜では、
絶縁耐電圧が著しく低下し、リーク電流の増加,
耐圧低下の原因となつていた。また、300μm以上
の厚みのある半導体素子の側面でも同様の問題が
生じていた。 〔発明の目的〕 この発明は、このような事情に鑑みなされたも
ので、煩雑な塗布作業を行うことなく、厚膜のポ
リイミド皮膜を形成しうる半導体素子表面への皮
膜形成方法の提供をその目的とする。 〔発明の開示〕 上記の目的を達成するため、この発明の半導体
素子表面への皮膜形成方法は、素子表面にポリイ
ミド皮膜形成用溶液が塗工された半導体素子を準
備する工程と、ポリイミド皮膜形成用溶液中の皮
膜形成成分を加熱硬化させてポリイミド皮膜化す
る工程を備えた半導体素子表面への皮膜形成方法
であつて、上記ポリイミド皮膜形成用溶液とし
て、下記のA成分99〜80モル%およびB成分1〜
20モル%からなるジアミノ化合物と芳香族テトラ
カルボン酸エステルとを不活性溶媒に等モルもし
くは略等モル溶解し加熱処理することにより得ら
れたイミド環含有低分子量重合体溶液を用いると
いう構成をとる。 A:(a)下記の一般式(1)で表わされる芳香族4核体
ジアミン 〔式(1)中、R1,R2は水素、炭素1〜4のアル
キル基またはCF3であり、互いに同じであつても
異なつていてもよい。R3,R4,R5,R6は水素、
ハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキル基であ
り、互いに同じであつても異なつていてもよい。〕 (b)上記(a)およびB成分以外の分子内にケイ素
原子を含まないジアミン からなるジアミン。 ただし、(a)と(b)の相互のモル比は100:0〜
70:30である。 B:下記の一般式(2)で示されるジアミノシロキサ
ン 〔式(2)中、R7は二価の有機基、R8は一価の有
機基であり、nは1〜1000の整数である。〕 すなわち、この発明は、有機溶媒に対する親和
性をもつ前記一般式(1)の芳香族4核体ジアミン
と、半導体素子表面に対する接着性の高い上記一
般式(2)のジアミノシロキサンとを併用し、これら
ジアミンと、ジアミンに対して鋭敏に反応する芳
香族テトラカルボン酸二無水物ではなく、それよ
りもやや反応性の低いエステルとを不活性溶媒中
に溶解し加熱処理を施すことにより、ポリアミド
酸よりも著しく低分子量体であつて、イミド環を
有しているにもかかわらず溶解性の極めてよい分
子量200000以下の、イミド環を含む重合体(縮合
部分が全てイミド化したポリイミド、一部未閉環
部分を残し残余がイミド化したポリイミド−ポリ
アミド酸構造のポリマーもしくはオリゴマー)を
生成させ、ポリイミド皮膜形成用溶液の高濃度化
を図り、半導体素子表面に形成するポリイミド膜
の厚膜形成を可能にするものである。 上記、イミド環含有低分子量重合体溶液(ポリ
イミド皮膜形成用溶液)の処理対象となる半導体
素子表面とは、通常、P−N接合部の露出面を意
味する。しかし、この露出面にガラスパツシベー
シヨン膜等が形成されている場合も含まれる。 このイミド環含有低分子量重合体溶液は、上記
式(1)で表される芳香族4核体ジアミン(A成分)
と上記式(2)で表されるジアミノシロキサン(B成
分)を用いて構成される。芳香族4核体ジアミン
として好適なものは、2,2−ビス〔4−(4−
アミノフエノキシ)フエニル〕プロパンがあげら
れる。それ以外の好ましい代表例として、2,2
−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフエノキ
シ)フエニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ク
ロロ−4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕
プロパン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフエ
ノキシ)フエニル〕エタン、1,1−ビス〔3−
メチル−4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕
メタン、1,1−ビス〔3−クロロ−4−(4−
アミノフエノキシ)フエニル〕エタン、1,1−
ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−アミノフエ
ノキシ)フエニル〕エタン、ビス〔4−(4−ア
ミノフエノキシ)フエニル〕メタン、ビス〔3−
メチル−4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕
メタン、ビス〔3−クロロ−4−(4−アミノフ
エノキシ)フエニル〕エタン、ビス〔3,5−ジ
メチル−4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕
メタン等があげられる。 なお、上記一般式(1)で表される芳香族4核体ジ
アミンのうちの30モル%までは、従来の分子内に
ケイ素原子を含まないジアミンをA成分の一部と
して用いることができる。それ以上の使用は、得
られるポリイミド皮膜形成用溶液(以下「皮膜形
成液」と略す)の厚膜形成能が損なわれるように
なるので止める必要がある。このような従来のジ
アミンを例示すると、メタフエニレンジアミン、
パラフエニレンジアミン等の1核体ジアミン、
4,4′−ジアミノジフエニルメタン、4,4′−ジ
アミノジフエニルエーテル、2,2′−ビス(4−
アミノフエニル)プロパン、3,3′−ジアミノジ
フエニルスルホン、4,4′−ジアミノジフエニル
スルホン、4,4′−ジアミノジフエニルスルフイ
ド、ベンジジン、ベンジジン−3,3′−ジスルホ
ン酸、ベンジジン−3−モノスルホン酸、ベンジ
ジン−3−モノカルボン酸、3,3′−ジメトキシ
ベンジジン等の2核体ジアミン、4,4″−ジアミ
ノ−p−ターフエニル、1,4−ビス(m−アミ
ノフエノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(p−ア
ミノフエノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(m−
アミノスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(p
−アミノフエニルスルホニル)ベンゼン、1,4
−ビス(m−アミノフエニルチオエーテル)ベン
ゼン、1,4−ビス(p−アミノフエニルチオエ
ーテル)ベンゼン等の3核体ジアミン、4,4′−
ジアミノジフエニルエーテル−3−カルボンアミ
ド、3,4′−ジアミノジフエニルエーテル−4−
カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフエニルエ
ーテル−3′−カルボンアミド、3,3′−ジアミノ
ジフエニルエーテル−4−カルボンアミド等のジ
アミノカルボンアミド化合物、4,4′−(4−ア
ミノフエノキシ)ジフエニルスルホン、4,4′−
(3−アミノフエノキシ)ジフエニルスルホン、
4,4′−(4−アミノフエノキシ)ジフエニルス
ルフイド、4,4′−(4−アミノフエノキシ)ビ
フエニル等の一般式(1)に含まれない4核体ジアミ
ンやヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジ
アミン等の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン、イソホロンジアミン、4,4′ジア
ミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミン
があげられる。 上記一般式(2)で表されるジアミノシロキサン
(B成分)は、生成ポリイミド膜の、半導体素子
に対する密着性を向上させるため、密着性向上剤
として用いられる。しかしながら、多量に使用す
ると生成ポリイミド膜の耐熱性等が損なわれるよ
うになるため、その使用量は、ジアミノ化合物全
体の1〜20モル%に設定する必要がある。好まし
いのは1〜4モル%である。すなわち、ジアミノ
シロキサンの使用量が20モル%を超えると、生成
ポリイミド皮膜の耐熱性および耐湿性が低下し、
逆に1モル%未満になると、半導体素子に対する
密着性に劣るようになるからである。このような
ジアミノシロキサンの代表例はつぎのとおりであ
る。 この発明は、このようなA成分、B成分からな
るジアミノ化合物と反応させる酸類として、芳香
族テトラカルボン酸エステルを用いる。このよう
な芳香族テトラカルボン酸エステルとしては、通
常、分子量200〜700程度のものが用いられる。こ
の種のエステルは、例えば、芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物と、炭素数4以下の一価アルコール
とを反応させてつくられる。このようなアルコー
ルを例示すると、メタノール,エタノール,n−
プロパノール,sec−プロパノール,n−ブタノ
ール,sec−ブタノール,tert−ブタノールがあ
げられる。これらのアルコールのなかでも、メタ
ノール,エタノール,n−プロパノール,sec−
ブタノールを用いることが好ましく、最も好まし
いのはメタノール,エタノールである。上記一価
アルコールと反応させる芳香族テトラカルボン酸
二無水物の代表的なものを例示すると、ピロメリ
ツト酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフエノ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−
ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,
3′,4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、2,2′−ビス(3,4
−ジカルボキシフエニル)プロパン二無水物、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフエニル)スルホン二
無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボ
ン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフエ
ニル)エーテル二無水物、2,2′−(2,3−ジ
カルボキシフエニル)プロパン二無水物、1,
1′−ビス(2,3−ジカルボキシフエニル)エタ
ン二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラ
センテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8
−フエナントレンテトラカルボン酸二無水物があ
げられる。 エステル化は、芳香族テトラカルボン酸二無水
物に対して過剰量のアルコールを反応容器に加
え、アルコールの沸点で加熱還流し、無水物基1
個に対してアルコールを少なくとも1個以上反応
させた構造の芳香族テトラカルボン酸ジエステル
以上の多エステルとし、反応終了後に過剰のアル
コールを留去することにより行うことができる。 上記芳香族テトラカルボン酸エステルのうち、
特に好適なものは、3,3′−4,4′−ビフエニル
テトラカルボン酸ジメチルエステルおよび3−
3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸ジエチ
ルエステルである。これら好適なエステルは、通
常は酸無水物基を有していない。そして、これら
の芳香族テトラカルボン酸エステルを用いた場
合、最も厚膜のポリイミド膜が形成でき、しか
も、形成されたポリイミド膜は、ポリアミド酸を
経由して得られる同一構造のポリイミド膜と同等
の特性を備えている。もちろん上記のエステル以
外の他の二無水物エステルを使用する場合でも厚
膜形成ができるが、加熱条件をより緩和して行う
等の手段をとることが好ましい。 この発明は、まず、上記の原料を用い、例えば
つぎのようにして皮膜形成液を製造する。すなわ
ち、式(1)で表される芳香族4核体ジアミンを中心
とするA成分99〜80モル%および式(2)で表される
ジアミノシロキサンからなるB成分1〜20モル%
の組成のジアミノ化合物と、芳香族テトラカルボ
ン酸エステルとを等モルもしくは略等モル不活性
溶媒中に、室温または70℃以下の温度で溶解し、
均一透明溶液にしたのち、80〜200℃に加熱し、
脱アルコール反応により重縮合を進める。その結
果、目的とする皮膜形成液が得られる。このよう
にして得られた皮膜形成液は、イミド環含有重合
体が低分子量であり、しかもその重合体中に、溶
媒親和性の高い芳香族4核体ジアミンが導入され
ているため、ポリイミド形成成分である上記重合
体を高濃度で溶解しうる。この皮膜形成液中のポ
リイミド形成成分濃度である固形分濃度(上記重
合体濃度)は、使用する用途によつて種々変わり
得るが、目安としては塗布溶液の溶液粘度を
100cps(25±0.1℃において)に調整したときの固
形分濃度が20重量%以上になるようにすることが
好ましい。 なお、上記不活性溶媒溶液に対する加熱処理
は、上記のように80〜200℃の温度で行うことが
好ましい。加熱を上記温度条件で行うことにより
分子量が2100〜200000の低分子量の、イミド環を
含む重合体が得られるようになる。ここで、上記
分子量は、ポリスチレンを基準物質とし、展開溶
媒としてテトラヒドロフランを用いるゲルパーミ
エーシヨンクロマトグラフイーにより求めた重量
平均分子量を示している。また、芳香族テトラカ
ルボン酸エステルのエステル基の種類によつて
は、まれに脱アルコール化反応の反応速度が速く
なり、イミド環を含む重合体の分子量が200000に
とどまらずそれ以上に高分子量化し、不活性溶媒
に不溶化することも起こりうる。そのような場合
には、反応を低温で行う等により対処することが
できる。 また、芳香族テトラカルボン酸エステルおよび
ジアミノ化合物を溶解する上記不活性溶媒とは、
上記エステルおよびジアミノ化合物と反応せず、
しかも上記生成低分子量重合体を溶解しうる有機
溶媒のことである。そのような不活性溶媒の一例
として、N−メチル−2−ピロリドン、N,
N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジメチル
アセトアミド、N,N′−ジメチルスルホキシド、
ヘキサメチルホスホルアミド等の高極性塩基性溶
媒があげられる。もちろんこれ以外の溶媒、例え
ばテトラヒドロフラン,アセトフエノン,シクロ
ヘキサノン,トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル,ジオキサンも用いることができる。ま
た、これらの溶媒と、トルエン,キシレン,ベン
ゾニトリル,ベンゼン,フエノールのような汎用
溶媒を併用することもできる。しかし、その使用
量は生成重合体の溶解度を低下させない範囲に抑
制する必要がある。 つぎに、上記のようにして得られた皮膜形成液
を用い、下記のようにして半導体素子表面にポリ
イミド皮膜を形成する。すなわち、上記皮膜形成
液を半導体素子表面に塗工する。この場合、通常
は素子表面だけでなく、その近傍部分にも上記皮
膜形成液は塗工される。そして、この皮膜形成液
は高濃度液であるため、一回の塗布で厚肉の塗布
層を形成できる。ついで、これを200〜350℃に加
熱する。その結果、皮膜形成液中の低分子量重合
体が重合してポリイミド化がなされ厚膜のポリイ
ミド膜が形成される。なお、上記皮膜形成液中に
は、まれに未反応モノマーが含まれることがある
が、この未反応モノマーは、上記塗膜に対する
200〜350℃の加熱の際、低分子量重合体(ポリマ
ーとオリゴマー)と反応するため、特別に除去す
る必要はない。そして、上記のようにして半導体
素子表面に形成されたポリイミド膜は、ポリイミ
ド本来の良好な耐熱性,耐薬品性,機械的特性お
よび卓越した電気絶縁性を有する。したがつて、
従来公知の各種用途に応用しうる。 なお、上記皮膜形成液は、厚膜形成性に優れて
いると同時に成形性にも優れていることから、各
種充填剤を分散したペーストのバインダーとして
も有用である。すなわち、銀粉,金粉,パラジウ
ム粉等の導電性充填剤を分散してなる耐熱性導電
性ペーストのバインダーとして、チツプボンデイ
ング用、電子部品の電極用等に使用できる。ま
た、ウラン,トリウム含量が5ppb以下の有機ま
たは無機質フイラーを分散して、ソフトエラー防
止スクリーン印刷用ペーストとしても使用でき
る。 〔発明の効果〕 以上のように、この発明は、前記一般式(1)の芳
香族4核体ジアミンと一般式(2)のジアミノシロキ
サンを併用し、これらジアミンと、芳香族テトラ
カルボン酸エステルとを反応させることによりつ
くられた、高濃度のイミド環含有低分子量重合体
溶液をポリイミド皮膜形成用溶液として用いるた
め、この溶液の一回の塗布、加熱処理により厚膜
のポリイミド膜を半導体素子表面に形成しうるよ
うになる。したがつて、従来のように溶液を何回
も塗り重ねる手間が不要になる。すなわち、角形
のエツジ部が薄膜になるため何回もの塗り重ねを
要していた従来の角形チツプ形状の半導体素子に
対しても、一回の塗布でそのエツジ部の膜厚を充
分な厚さに仕上げうるようになる。また、これま
でのポリアミド酸溶液では粉化現象を生じるため
実現不可能であつた100μmを超える厚膜のポリイ
ミド膜を容易に形成しうるようになる。特に、こ
の発明は、上記ジアミンと芳香族テトラカルボン
酸エステルをそのまま溶解し、これをポリイミド
皮膜形成用溶液として用いるのではなく、かなり
反応させてから用いるため、半導体素子表面に対
しての塗布後の加熱処理の際、芳香族テトラカル
ボン酸エステルから遊離するアルコールが殆どな
い。したがつて、ポリイミド膜に、遊離アルコー
ルの大気中への逃散の際に生ずる微小孔が生じな
いという優れた効果が得られる。このように、こ
の発明によれば、一回の塗布で半導体素子上に
100μm以上の透明ポリイミド絶縁膜を形成しう
る。したがつて、ダイオード,トランジスタの保
護膜以外にもサイクリスタさらにはIC,LSI等の
集積回路の厚膜が必要とされる保護膜の形成に有
用である。特に、VLSIのメモリーセルのα線シ
ールド膜は、通常20〜70μmの膜厚が要求され、
この厚み出しのために従来はポリアミド酸もしく
はその誘導体からなる塗布溶液を多量にスピンナ
ー法やポツテイング法で塗布していたのである
が、ポリイミド膜が粉化しないように塗布量を厳
しく制御し、また塗布精度を管理する等高度で複
雑な工程を要していた。しかし、この発明によれ
ば、一回の塗布で所定の膜厚のものを形成するこ
とができるため、上記のような高度で複雑な工程
が不要になり、全体の工程の簡素化ならびに作業
の簡素化を実現しうるようになる。 また、この発明は、透明電極を含むガラス基板
からなる液晶セルの液晶配向膜,積層板,各種絶
縁皮膜にも応用しうる。 つぎに、実施例について説明する。 なお、以下の実施例において、溶液粘度および
固形分濃度はつぎのようにして測定した。 (1) 溶液粘度 E型回転粘度計で、25±0.1℃で測定した。 (2) 固形分濃度 固形分濃度(%)=W3−W1/W2−W1×100 ここに、W1:シヤーレの重量(g) W2:試料とシヤーレの重量(g) W3:150℃で60分さらに200℃で60分乾
燥した後の試料とシヤーレの重量
(g) 実施例 1 撹拌装置、冷却管および温度計を付したフラス
コ中に、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカル
ボン酸二無水物29.4g(0.1モル)とメタノール
160g(5モル)を加え、64〜65℃で6時間、反
応系が透明となるまで加熱還流した。その後過剰
のメタノールを留去し、さらに減圧下でメタノー
ル残分を完全に留去した。得られたエステル化物
は、酸価が311であり、IRスペクトルから3,
3′−4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸ジメチ
ルエステルであることが確認された。つぎに、こ
のようにして得られた3,3′,4,4′−ビフエニ
ルテトラカルボン酸ジメチルエステル35.8g
(0.1モル)と、2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フエノキシ)フエニル〕プロパン39.57g
(0.0965モル)とビス(3−アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサン0.87g(0.0035モル)と
をN−メチル−2−ピロリドン69.8g中に加え、
40℃で2時間撹拌して透明溶液とし、引き続いて
80℃で20時間撹拌を続け透明粘稠溶液(皮膜形成
液)とした。このようにして得られた皮膜形成液
は、固形分濃度が50.3%であり、溶液粘度が
4000cpsであつた。 つぎに、上記の皮膜形成液が水中に投じ、生成
再沈ポリマーを減圧乾燥したのち赤外吸収スペク
トル測定をしたところ、第6図に示すように、
1780cm-1および1720cm-1にイミド基にもとづく>
C=Oの特性吸収帯が現れていた。この結果から
上記ポリマーは、イミド環を含む重合体であるこ
とが確認された。 実施例 2 実施例1と同様な反応容器に、3,3′,4,
4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物29.4g
(0.1モル)とn−プロパノール300g(5モル)
を加え、97℃で4時間、反応系が透明となるまで
加熱還流した。その後過剰のn−プロパノールを
留去し、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカル
ボン酸ジn−プロピルエステルを合成した。つい
で、得られた3,3′,4,4′−ビフエニルテトラ
カルボン酸ジn−プロピルエステル41.4gに、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフエノキシ)フ
エニル〕プロパン38.95g(0.095モル)とビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン1.24g(0.005モル)とN−メチル−2−ピロ
リドン81.6gとを加え、60℃で2時間撹拌したの
ち、105℃で2時間、さらに150℃で1時間撹拌
し、目的とする皮膜形成液をつくつた。得られた
皮膜形成液の固形分濃度は50.5%、溶液粘度は
4900cpsであつた。 つぎに、上記のようにして得られた皮膜形成液
を水中に投入し、生成再沈ポリマーを減圧乾燥し
たのち赤外吸収スペクトル測定をしたところ、第
7図に示すように、1780cm- 1および1720cm-1にイ
ミド基にもとづく>C=Oの特性吸収帯が現れて
いた。これより、上記ポリマーは、イミド環を含
む重合体であることが確認された。 実施例 3 3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物に代えて、3,3′,4,4′−ベンゾフエ
ノンテトラカルボン酸二無水物を同モル使用し
た。それ以外は実施例1と同様にして固形分濃度
50.0%、溶液粘度1800cpsの皮膜形成液をつくつ
た。 つぎに、上記のようにして得られた皮膜形成液
を水中に投入し、生成再沈ポリマーを減圧乾燥し
たのち赤外吸収スペクトル測定をしたところ、第
8図に示すように、1780cm-1および1720cm-1にイ
ミド基にもとづく>C=Oの特性吸収帯が見られ
イミド環を含む重合体であることが確認された。 実施例 4 2,2−ビス〔4−(4−アミノフエノキシ)
フエニル〕プロパン41.0g(0.1モル)に代えて、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフエノキシ)フ
エニル〕プロパン33.62g(0.082モル)とビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン4.47g(0.018モル)を用いた。それ以外は実
施例1と同様にして、固形分濃度50.0%、溶液粘
度1300cpsの皮膜形成液を得た。 つぎに、上記のようにして得られた皮膜形成液
を水中に投入し、生成再沈ポリマーを減圧乾燥し
たのち赤外吸収スペクトル測定をしたところ、第
9図に示すように、1780cm-1および1720cm-1にイ
ミド基にもとづく>C=Oの特性吸収帯が見られ
イミド環を含む重合体であることが確認された。 比較例 1 芳香族テトラカルボン酸二無水物をエステル化
せず、そのまま用いた。すなわち、実施例1と同
様の反応容器に、3,3′,4,4′−ビフエニルテ
トラカルボン酸二無水物29.4g(0.1モル)と2,
2−ビス〔4−(4−アミノフエノキシ)フエニ
ル〕プロパン39.57g(0.0965モル)とビス(3
−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
0.87g(0.0035モル)とN−メチル−2−ピロリ
ドン279.4gとを加え、30℃以下(特に室温付近
ないしそれに近い温度)の温度に保ちながら撹拌
した。これによつて重合反応はすみやかに進行し
て反応系の粘度が上昇し、固形分濃度19.9%、溶
液粘度2000000cps以上のポリアミド酸溶液を得
た。つぎに、これを60℃に保つて加熱・熟成を行
い溶液粘度を3000cpsまで低下させ、引き続きN
−メチル−2−ピロリドンで溶液粘度が105cpsに
なるように希釈した。このポリアミド酸溶液の固
形分濃度は10.5%であつた。 比較例 2 実施例1と同様の反応容器に、実施例1で得ら
れた3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸ジメチルエステル35.8g(0.1モル)と4,4′−
ジアミノジフエニルエーテル19.3g(0.0965モ
ル)とビス(3−アミノプロピル)テトラメチル
ジシロキサン0.87g(0.0035モル)とをN−メチ
ル−2−ピロリドン49.6g中に加え、40℃で2時
間撹拌して完全に溶解し、引き続いて80℃で20時
間撹拌し透明粘稠溶液とした。この重合体溶液は
固形分濃度49.8%、溶液粘度は2000cpsであつた。 つぎに、実施例1〜4および比較例1〜2で得
られた塗布溶液を、角形チツプ形状を有する高圧
シリコンダイオードのP−N接合面上に、リード
フレームの一部を含んではけ塗りで塗布し、乾
燥,硬化後樹脂モールド材で封止して半導体装置
とした。第1表に、その乾燥,硬化条件、初期特
性(順方向電圧,良品率,逆方向耐電圧良品率…
…試料100ケ中の良品数で示す)および121℃,
2atmのスチーム・プレツシヤー・クツカー試験
(PCTと略す)後の逆方向漏れ電流良品率の測定
結果を示す。
面等の素子表面にポリイミド絶縁皮膜を形成する
半導体素子表面への皮膜形成方法に関するもので
ある。 〔背景技術〕 従来、半導体素子のP−N接合部ジヤンクシヨ
ン保護膜あるいは半導体素子表面のパツシベーシ
ヨン膜等として、耐湿性と密着性に優れるポリイ
ミドシリコン、すなわち、シロキサン変性ポリイ
ミドが用いられてきた。ところが高圧大電流の半
導体素子、特に高圧ダイオードには、角形チツプ
形状の半導体素子からなるダイオードがあり、こ
のP−N接合部のジヤンクシヨン保護膜として、
従来のシロキサン変性ポリアミド酸溶液の加熱硬
化により得られるポリイミド膜を用いると、角形
チツプのエツジの部分の膜厚が薄くなりすぎて放
電する場合があり、製品歩留が低下し、初期良品
率の向上の点で問題があつた。すなわち、第1図
に示すような、通常用いられている丸型円筒状の
メサ型半導体素子製のシリコンダイオードでは、
N型領域3aとP型領域3bとをP−N接合面5
で接合してなる半導体素子4がリード線1a,1
bにハンダで接着され、これらがエポキシ樹脂等
のモールド材2で封止されている。半導体素子4
の表面は、リード線の一部を含んでポリイミド膜
6で被覆されている。ところが第2図のように半
導体素子4が角形チツプの場合、四隅のエツジ部
分では、ポリイミド膜6は非常に薄くなり、これ
がために放電し逆方向の漏れ電流が著しく増大す
ることがあつた。これはポリイミド膜形成用の塗
布溶液であるシロキサン変性ポリアミド酸のポリ
イミド形成成分濃度である固形分濃度が低いこと
に原因があつた。 一般に、ポリイミド絶縁皮膜の形成に用いられ
る塗布溶液は、不活性溶剤中にポリアミド酸もし
くはその誘導体を溶解して構成されている。しか
しながら、上記重合体は、高分子量のため、実使
用上溶解できる重合体濃度は一般に5〜30重量%
であり、さらに上記ダイオード等へ塗布する場合
には、ハケ塗り、デイスペンス法等の塗布作業性
をよくするため、さらに溶剤で希釈して溶液粘度
を通常50〜130センチポイズ(cps)に低下させて
いる。しかし、この粘度での重合体濃度は通常2
〜20重量%にも低下し、このため、角形チツプの
エツジの部分は極めて薄肉となる。そこでエツジ
カバー性を向上させるため複数回塗布によりエツ
ジの部分に肉付けする方法が試みられているが、
この方法では工程の増加となり作業性の低下を招
く。少なくとも、一回の塗布で充分なエツジカバ
ーを実現するためには、塗布溶液が固形分濃度の
高い高濃度溶液であることが必要である。さら
に、半導体素子のリード線への接着部分の段差が
100μm以上あつて最大皮膜厚みが100μm以上とな
つても透明強靭な皮膜を形成できることも必要で
ある。第4図は個別半導体である高圧トランジス
タの一実施例の横断面図である。すなわち、放熱
板の付いた銀メツキ銅フレーム8の上にパワート
ランジスタ素子11が固定され、アルミニウムワ
イヤ9でリードフレームとボンデイングされてお
り、この素子表面上に従来のポリアミド酸もしく
はその誘導体から形成されたポリイミド保護膜1
2が設けられ、これらがエポキシ樹脂等のモール
ド材10で封止されている。このポリイミド保護
膜12は、主に半導体の耐湿性向上の目的で使用
され、通常5〜20μm程度の膜厚で充分な特性を
発揮するが、アルミニウムワイヤ9のボンデイン
グ部(素子表面上)では、塗布溶液の表面張力の
ため、100μm以上の肉厚となる場合が多々あり、
この肉厚部でポリイミド膜が透明皮膜とならず粉
化する現象が生じていた。これは、従来のポリア
ミド酸系塗布溶液は厚膜形成能に欠けることに起
因する。このように粉化したポリイミド膜では、
絶縁耐電圧が著しく低下し、リーク電流の増加,
耐圧低下の原因となつていた。また、300μm以上
の厚みのある半導体素子の側面でも同様の問題が
生じていた。 〔発明の目的〕 この発明は、このような事情に鑑みなされたも
ので、煩雑な塗布作業を行うことなく、厚膜のポ
リイミド皮膜を形成しうる半導体素子表面への皮
膜形成方法の提供をその目的とする。 〔発明の開示〕 上記の目的を達成するため、この発明の半導体
素子表面への皮膜形成方法は、素子表面にポリイ
ミド皮膜形成用溶液が塗工された半導体素子を準
備する工程と、ポリイミド皮膜形成用溶液中の皮
膜形成成分を加熱硬化させてポリイミド皮膜化す
る工程を備えた半導体素子表面への皮膜形成方法
であつて、上記ポリイミド皮膜形成用溶液とし
て、下記のA成分99〜80モル%およびB成分1〜
20モル%からなるジアミノ化合物と芳香族テトラ
カルボン酸エステルとを不活性溶媒に等モルもし
くは略等モル溶解し加熱処理することにより得ら
れたイミド環含有低分子量重合体溶液を用いると
いう構成をとる。 A:(a)下記の一般式(1)で表わされる芳香族4核体
ジアミン 〔式(1)中、R1,R2は水素、炭素1〜4のアル
キル基またはCF3であり、互いに同じであつても
異なつていてもよい。R3,R4,R5,R6は水素、
ハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキル基であ
り、互いに同じであつても異なつていてもよい。〕 (b)上記(a)およびB成分以外の分子内にケイ素
原子を含まないジアミン からなるジアミン。 ただし、(a)と(b)の相互のモル比は100:0〜
70:30である。 B:下記の一般式(2)で示されるジアミノシロキサ
ン 〔式(2)中、R7は二価の有機基、R8は一価の有
機基であり、nは1〜1000の整数である。〕 すなわち、この発明は、有機溶媒に対する親和
性をもつ前記一般式(1)の芳香族4核体ジアミン
と、半導体素子表面に対する接着性の高い上記一
般式(2)のジアミノシロキサンとを併用し、これら
ジアミンと、ジアミンに対して鋭敏に反応する芳
香族テトラカルボン酸二無水物ではなく、それよ
りもやや反応性の低いエステルとを不活性溶媒中
に溶解し加熱処理を施すことにより、ポリアミド
酸よりも著しく低分子量体であつて、イミド環を
有しているにもかかわらず溶解性の極めてよい分
子量200000以下の、イミド環を含む重合体(縮合
部分が全てイミド化したポリイミド、一部未閉環
部分を残し残余がイミド化したポリイミド−ポリ
アミド酸構造のポリマーもしくはオリゴマー)を
生成させ、ポリイミド皮膜形成用溶液の高濃度化
を図り、半導体素子表面に形成するポリイミド膜
の厚膜形成を可能にするものである。 上記、イミド環含有低分子量重合体溶液(ポリ
イミド皮膜形成用溶液)の処理対象となる半導体
素子表面とは、通常、P−N接合部の露出面を意
味する。しかし、この露出面にガラスパツシベー
シヨン膜等が形成されている場合も含まれる。 このイミド環含有低分子量重合体溶液は、上記
式(1)で表される芳香族4核体ジアミン(A成分)
と上記式(2)で表されるジアミノシロキサン(B成
分)を用いて構成される。芳香族4核体ジアミン
として好適なものは、2,2−ビス〔4−(4−
アミノフエノキシ)フエニル〕プロパンがあげら
れる。それ以外の好ましい代表例として、2,2
−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフエノキ
シ)フエニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ク
ロロ−4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕
プロパン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフエ
ノキシ)フエニル〕エタン、1,1−ビス〔3−
メチル−4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕
メタン、1,1−ビス〔3−クロロ−4−(4−
アミノフエノキシ)フエニル〕エタン、1,1−
ビス〔3,5−ジメチル−4−(4−アミノフエ
ノキシ)フエニル〕エタン、ビス〔4−(4−ア
ミノフエノキシ)フエニル〕メタン、ビス〔3−
メチル−4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕
メタン、ビス〔3−クロロ−4−(4−アミノフ
エノキシ)フエニル〕エタン、ビス〔3,5−ジ
メチル−4−(4−アミノフエノキシ)フエニル〕
メタン等があげられる。 なお、上記一般式(1)で表される芳香族4核体ジ
アミンのうちの30モル%までは、従来の分子内に
ケイ素原子を含まないジアミンをA成分の一部と
して用いることができる。それ以上の使用は、得
られるポリイミド皮膜形成用溶液(以下「皮膜形
成液」と略す)の厚膜形成能が損なわれるように
なるので止める必要がある。このような従来のジ
アミンを例示すると、メタフエニレンジアミン、
パラフエニレンジアミン等の1核体ジアミン、
4,4′−ジアミノジフエニルメタン、4,4′−ジ
アミノジフエニルエーテル、2,2′−ビス(4−
アミノフエニル)プロパン、3,3′−ジアミノジ
フエニルスルホン、4,4′−ジアミノジフエニル
スルホン、4,4′−ジアミノジフエニルスルフイ
ド、ベンジジン、ベンジジン−3,3′−ジスルホ
ン酸、ベンジジン−3−モノスルホン酸、ベンジ
ジン−3−モノカルボン酸、3,3′−ジメトキシ
ベンジジン等の2核体ジアミン、4,4″−ジアミ
ノ−p−ターフエニル、1,4−ビス(m−アミ
ノフエノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(p−ア
ミノフエノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(m−
アミノスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(p
−アミノフエニルスルホニル)ベンゼン、1,4
−ビス(m−アミノフエニルチオエーテル)ベン
ゼン、1,4−ビス(p−アミノフエニルチオエ
ーテル)ベンゼン等の3核体ジアミン、4,4′−
ジアミノジフエニルエーテル−3−カルボンアミ
ド、3,4′−ジアミノジフエニルエーテル−4−
カルボンアミド、3,4′−ジアミノジフエニルエ
ーテル−3′−カルボンアミド、3,3′−ジアミノ
ジフエニルエーテル−4−カルボンアミド等のジ
アミノカルボンアミド化合物、4,4′−(4−ア
ミノフエノキシ)ジフエニルスルホン、4,4′−
(3−アミノフエノキシ)ジフエニルスルホン、
4,4′−(4−アミノフエノキシ)ジフエニルス
ルフイド、4,4′−(4−アミノフエノキシ)ビ
フエニル等の一般式(1)に含まれない4核体ジアミ
ンやヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジ
アミン等の脂肪族ジアミン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン、イソホロンジアミン、4,4′ジア
ミノジシクロヘキシルメタン等の脂環族ジアミン
があげられる。 上記一般式(2)で表されるジアミノシロキサン
(B成分)は、生成ポリイミド膜の、半導体素子
に対する密着性を向上させるため、密着性向上剤
として用いられる。しかしながら、多量に使用す
ると生成ポリイミド膜の耐熱性等が損なわれるよ
うになるため、その使用量は、ジアミノ化合物全
体の1〜20モル%に設定する必要がある。好まし
いのは1〜4モル%である。すなわち、ジアミノ
シロキサンの使用量が20モル%を超えると、生成
ポリイミド皮膜の耐熱性および耐湿性が低下し、
逆に1モル%未満になると、半導体素子に対する
密着性に劣るようになるからである。このような
ジアミノシロキサンの代表例はつぎのとおりであ
る。 この発明は、このようなA成分、B成分からな
るジアミノ化合物と反応させる酸類として、芳香
族テトラカルボン酸エステルを用いる。このよう
な芳香族テトラカルボン酸エステルとしては、通
常、分子量200〜700程度のものが用いられる。こ
の種のエステルは、例えば、芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物と、炭素数4以下の一価アルコール
とを反応させてつくられる。このようなアルコー
ルを例示すると、メタノール,エタノール,n−
プロパノール,sec−プロパノール,n−ブタノ
ール,sec−ブタノール,tert−ブタノールがあ
げられる。これらのアルコールのなかでも、メタ
ノール,エタノール,n−プロパノール,sec−
ブタノールを用いることが好ましく、最も好まし
いのはメタノール,エタノールである。上記一価
アルコールと反応させる芳香族テトラカルボン酸
二無水物の代表的なものを例示すると、ピロメリ
ツト酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフエノ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−
ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,
3′,4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、2,2′−ビス(3,4
−ジカルボキシフエニル)プロパン二無水物、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフエニル)スルホン二
無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボ
ン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフエ
ニル)エーテル二無水物、2,2′−(2,3−ジ
カルボキシフエニル)プロパン二無水物、1,
1′−ビス(2,3−ジカルボキシフエニル)エタ
ン二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラ
センテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8
−フエナントレンテトラカルボン酸二無水物があ
げられる。 エステル化は、芳香族テトラカルボン酸二無水
物に対して過剰量のアルコールを反応容器に加
え、アルコールの沸点で加熱還流し、無水物基1
個に対してアルコールを少なくとも1個以上反応
させた構造の芳香族テトラカルボン酸ジエステル
以上の多エステルとし、反応終了後に過剰のアル
コールを留去することにより行うことができる。 上記芳香族テトラカルボン酸エステルのうち、
特に好適なものは、3,3′−4,4′−ビフエニル
テトラカルボン酸ジメチルエステルおよび3−
3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸ジエチ
ルエステルである。これら好適なエステルは、通
常は酸無水物基を有していない。そして、これら
の芳香族テトラカルボン酸エステルを用いた場
合、最も厚膜のポリイミド膜が形成でき、しか
も、形成されたポリイミド膜は、ポリアミド酸を
経由して得られる同一構造のポリイミド膜と同等
の特性を備えている。もちろん上記のエステル以
外の他の二無水物エステルを使用する場合でも厚
膜形成ができるが、加熱条件をより緩和して行う
等の手段をとることが好ましい。 この発明は、まず、上記の原料を用い、例えば
つぎのようにして皮膜形成液を製造する。すなわ
ち、式(1)で表される芳香族4核体ジアミンを中心
とするA成分99〜80モル%および式(2)で表される
ジアミノシロキサンからなるB成分1〜20モル%
の組成のジアミノ化合物と、芳香族テトラカルボ
ン酸エステルとを等モルもしくは略等モル不活性
溶媒中に、室温または70℃以下の温度で溶解し、
均一透明溶液にしたのち、80〜200℃に加熱し、
脱アルコール反応により重縮合を進める。その結
果、目的とする皮膜形成液が得られる。このよう
にして得られた皮膜形成液は、イミド環含有重合
体が低分子量であり、しかもその重合体中に、溶
媒親和性の高い芳香族4核体ジアミンが導入され
ているため、ポリイミド形成成分である上記重合
体を高濃度で溶解しうる。この皮膜形成液中のポ
リイミド形成成分濃度である固形分濃度(上記重
合体濃度)は、使用する用途によつて種々変わり
得るが、目安としては塗布溶液の溶液粘度を
100cps(25±0.1℃において)に調整したときの固
形分濃度が20重量%以上になるようにすることが
好ましい。 なお、上記不活性溶媒溶液に対する加熱処理
は、上記のように80〜200℃の温度で行うことが
好ましい。加熱を上記温度条件で行うことにより
分子量が2100〜200000の低分子量の、イミド環を
含む重合体が得られるようになる。ここで、上記
分子量は、ポリスチレンを基準物質とし、展開溶
媒としてテトラヒドロフランを用いるゲルパーミ
エーシヨンクロマトグラフイーにより求めた重量
平均分子量を示している。また、芳香族テトラカ
ルボン酸エステルのエステル基の種類によつて
は、まれに脱アルコール化反応の反応速度が速く
なり、イミド環を含む重合体の分子量が200000に
とどまらずそれ以上に高分子量化し、不活性溶媒
に不溶化することも起こりうる。そのような場合
には、反応を低温で行う等により対処することが
できる。 また、芳香族テトラカルボン酸エステルおよび
ジアミノ化合物を溶解する上記不活性溶媒とは、
上記エステルおよびジアミノ化合物と反応せず、
しかも上記生成低分子量重合体を溶解しうる有機
溶媒のことである。そのような不活性溶媒の一例
として、N−メチル−2−ピロリドン、N,
N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジメチル
アセトアミド、N,N′−ジメチルスルホキシド、
ヘキサメチルホスホルアミド等の高極性塩基性溶
媒があげられる。もちろんこれ以外の溶媒、例え
ばテトラヒドロフラン,アセトフエノン,シクロ
ヘキサノン,トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル,ジオキサンも用いることができる。ま
た、これらの溶媒と、トルエン,キシレン,ベン
ゾニトリル,ベンゼン,フエノールのような汎用
溶媒を併用することもできる。しかし、その使用
量は生成重合体の溶解度を低下させない範囲に抑
制する必要がある。 つぎに、上記のようにして得られた皮膜形成液
を用い、下記のようにして半導体素子表面にポリ
イミド皮膜を形成する。すなわち、上記皮膜形成
液を半導体素子表面に塗工する。この場合、通常
は素子表面だけでなく、その近傍部分にも上記皮
膜形成液は塗工される。そして、この皮膜形成液
は高濃度液であるため、一回の塗布で厚肉の塗布
層を形成できる。ついで、これを200〜350℃に加
熱する。その結果、皮膜形成液中の低分子量重合
体が重合してポリイミド化がなされ厚膜のポリイ
ミド膜が形成される。なお、上記皮膜形成液中に
は、まれに未反応モノマーが含まれることがある
が、この未反応モノマーは、上記塗膜に対する
200〜350℃の加熱の際、低分子量重合体(ポリマ
ーとオリゴマー)と反応するため、特別に除去す
る必要はない。そして、上記のようにして半導体
素子表面に形成されたポリイミド膜は、ポリイミ
ド本来の良好な耐熱性,耐薬品性,機械的特性お
よび卓越した電気絶縁性を有する。したがつて、
従来公知の各種用途に応用しうる。 なお、上記皮膜形成液は、厚膜形成性に優れて
いると同時に成形性にも優れていることから、各
種充填剤を分散したペーストのバインダーとして
も有用である。すなわち、銀粉,金粉,パラジウ
ム粉等の導電性充填剤を分散してなる耐熱性導電
性ペーストのバインダーとして、チツプボンデイ
ング用、電子部品の電極用等に使用できる。ま
た、ウラン,トリウム含量が5ppb以下の有機ま
たは無機質フイラーを分散して、ソフトエラー防
止スクリーン印刷用ペーストとしても使用でき
る。 〔発明の効果〕 以上のように、この発明は、前記一般式(1)の芳
香族4核体ジアミンと一般式(2)のジアミノシロキ
サンを併用し、これらジアミンと、芳香族テトラ
カルボン酸エステルとを反応させることによりつ
くられた、高濃度のイミド環含有低分子量重合体
溶液をポリイミド皮膜形成用溶液として用いるた
め、この溶液の一回の塗布、加熱処理により厚膜
のポリイミド膜を半導体素子表面に形成しうるよ
うになる。したがつて、従来のように溶液を何回
も塗り重ねる手間が不要になる。すなわち、角形
のエツジ部が薄膜になるため何回もの塗り重ねを
要していた従来の角形チツプ形状の半導体素子に
対しても、一回の塗布でそのエツジ部の膜厚を充
分な厚さに仕上げうるようになる。また、これま
でのポリアミド酸溶液では粉化現象を生じるため
実現不可能であつた100μmを超える厚膜のポリイ
ミド膜を容易に形成しうるようになる。特に、こ
の発明は、上記ジアミンと芳香族テトラカルボン
酸エステルをそのまま溶解し、これをポリイミド
皮膜形成用溶液として用いるのではなく、かなり
反応させてから用いるため、半導体素子表面に対
しての塗布後の加熱処理の際、芳香族テトラカル
ボン酸エステルから遊離するアルコールが殆どな
い。したがつて、ポリイミド膜に、遊離アルコー
ルの大気中への逃散の際に生ずる微小孔が生じな
いという優れた効果が得られる。このように、こ
の発明によれば、一回の塗布で半導体素子上に
100μm以上の透明ポリイミド絶縁膜を形成しう
る。したがつて、ダイオード,トランジスタの保
護膜以外にもサイクリスタさらにはIC,LSI等の
集積回路の厚膜が必要とされる保護膜の形成に有
用である。特に、VLSIのメモリーセルのα線シ
ールド膜は、通常20〜70μmの膜厚が要求され、
この厚み出しのために従来はポリアミド酸もしく
はその誘導体からなる塗布溶液を多量にスピンナ
ー法やポツテイング法で塗布していたのである
が、ポリイミド膜が粉化しないように塗布量を厳
しく制御し、また塗布精度を管理する等高度で複
雑な工程を要していた。しかし、この発明によれ
ば、一回の塗布で所定の膜厚のものを形成するこ
とができるため、上記のような高度で複雑な工程
が不要になり、全体の工程の簡素化ならびに作業
の簡素化を実現しうるようになる。 また、この発明は、透明電極を含むガラス基板
からなる液晶セルの液晶配向膜,積層板,各種絶
縁皮膜にも応用しうる。 つぎに、実施例について説明する。 なお、以下の実施例において、溶液粘度および
固形分濃度はつぎのようにして測定した。 (1) 溶液粘度 E型回転粘度計で、25±0.1℃で測定した。 (2) 固形分濃度 固形分濃度(%)=W3−W1/W2−W1×100 ここに、W1:シヤーレの重量(g) W2:試料とシヤーレの重量(g) W3:150℃で60分さらに200℃で60分乾
燥した後の試料とシヤーレの重量
(g) 実施例 1 撹拌装置、冷却管および温度計を付したフラス
コ中に、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカル
ボン酸二無水物29.4g(0.1モル)とメタノール
160g(5モル)を加え、64〜65℃で6時間、反
応系が透明となるまで加熱還流した。その後過剰
のメタノールを留去し、さらに減圧下でメタノー
ル残分を完全に留去した。得られたエステル化物
は、酸価が311であり、IRスペクトルから3,
3′−4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸ジメチ
ルエステルであることが確認された。つぎに、こ
のようにして得られた3,3′,4,4′−ビフエニ
ルテトラカルボン酸ジメチルエステル35.8g
(0.1モル)と、2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フエノキシ)フエニル〕プロパン39.57g
(0.0965モル)とビス(3−アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサン0.87g(0.0035モル)と
をN−メチル−2−ピロリドン69.8g中に加え、
40℃で2時間撹拌して透明溶液とし、引き続いて
80℃で20時間撹拌を続け透明粘稠溶液(皮膜形成
液)とした。このようにして得られた皮膜形成液
は、固形分濃度が50.3%であり、溶液粘度が
4000cpsであつた。 つぎに、上記の皮膜形成液が水中に投じ、生成
再沈ポリマーを減圧乾燥したのち赤外吸収スペク
トル測定をしたところ、第6図に示すように、
1780cm-1および1720cm-1にイミド基にもとづく>
C=Oの特性吸収帯が現れていた。この結果から
上記ポリマーは、イミド環を含む重合体であるこ
とが確認された。 実施例 2 実施例1と同様な反応容器に、3,3′,4,
4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物29.4g
(0.1モル)とn−プロパノール300g(5モル)
を加え、97℃で4時間、反応系が透明となるまで
加熱還流した。その後過剰のn−プロパノールを
留去し、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカル
ボン酸ジn−プロピルエステルを合成した。つい
で、得られた3,3′,4,4′−ビフエニルテトラ
カルボン酸ジn−プロピルエステル41.4gに、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフエノキシ)フ
エニル〕プロパン38.95g(0.095モル)とビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン1.24g(0.005モル)とN−メチル−2−ピロ
リドン81.6gとを加え、60℃で2時間撹拌したの
ち、105℃で2時間、さらに150℃で1時間撹拌
し、目的とする皮膜形成液をつくつた。得られた
皮膜形成液の固形分濃度は50.5%、溶液粘度は
4900cpsであつた。 つぎに、上記のようにして得られた皮膜形成液
を水中に投入し、生成再沈ポリマーを減圧乾燥し
たのち赤外吸収スペクトル測定をしたところ、第
7図に示すように、1780cm- 1および1720cm-1にイ
ミド基にもとづく>C=Oの特性吸収帯が現れて
いた。これより、上記ポリマーは、イミド環を含
む重合体であることが確認された。 実施例 3 3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物に代えて、3,3′,4,4′−ベンゾフエ
ノンテトラカルボン酸二無水物を同モル使用し
た。それ以外は実施例1と同様にして固形分濃度
50.0%、溶液粘度1800cpsの皮膜形成液をつくつ
た。 つぎに、上記のようにして得られた皮膜形成液
を水中に投入し、生成再沈ポリマーを減圧乾燥し
たのち赤外吸収スペクトル測定をしたところ、第
8図に示すように、1780cm-1および1720cm-1にイ
ミド基にもとづく>C=Oの特性吸収帯が見られ
イミド環を含む重合体であることが確認された。 実施例 4 2,2−ビス〔4−(4−アミノフエノキシ)
フエニル〕プロパン41.0g(0.1モル)に代えて、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフエノキシ)フ
エニル〕プロパン33.62g(0.082モル)とビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン4.47g(0.018モル)を用いた。それ以外は実
施例1と同様にして、固形分濃度50.0%、溶液粘
度1300cpsの皮膜形成液を得た。 つぎに、上記のようにして得られた皮膜形成液
を水中に投入し、生成再沈ポリマーを減圧乾燥し
たのち赤外吸収スペクトル測定をしたところ、第
9図に示すように、1780cm-1および1720cm-1にイ
ミド基にもとづく>C=Oの特性吸収帯が見られ
イミド環を含む重合体であることが確認された。 比較例 1 芳香族テトラカルボン酸二無水物をエステル化
せず、そのまま用いた。すなわち、実施例1と同
様の反応容器に、3,3′,4,4′−ビフエニルテ
トラカルボン酸二無水物29.4g(0.1モル)と2,
2−ビス〔4−(4−アミノフエノキシ)フエニ
ル〕プロパン39.57g(0.0965モル)とビス(3
−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
0.87g(0.0035モル)とN−メチル−2−ピロリ
ドン279.4gとを加え、30℃以下(特に室温付近
ないしそれに近い温度)の温度に保ちながら撹拌
した。これによつて重合反応はすみやかに進行し
て反応系の粘度が上昇し、固形分濃度19.9%、溶
液粘度2000000cps以上のポリアミド酸溶液を得
た。つぎに、これを60℃に保つて加熱・熟成を行
い溶液粘度を3000cpsまで低下させ、引き続きN
−メチル−2−ピロリドンで溶液粘度が105cpsに
なるように希釈した。このポリアミド酸溶液の固
形分濃度は10.5%であつた。 比較例 2 実施例1と同様の反応容器に、実施例1で得ら
れた3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸ジメチルエステル35.8g(0.1モル)と4,4′−
ジアミノジフエニルエーテル19.3g(0.0965モ
ル)とビス(3−アミノプロピル)テトラメチル
ジシロキサン0.87g(0.0035モル)とをN−メチ
ル−2−ピロリドン49.6g中に加え、40℃で2時
間撹拌して完全に溶解し、引き続いて80℃で20時
間撹拌し透明粘稠溶液とした。この重合体溶液は
固形分濃度49.8%、溶液粘度は2000cpsであつた。 つぎに、実施例1〜4および比較例1〜2で得
られた塗布溶液を、角形チツプ形状を有する高圧
シリコンダイオードのP−N接合面上に、リード
フレームの一部を含んではけ塗りで塗布し、乾
燥,硬化後樹脂モールド材で封止して半導体装置
とした。第1表に、その乾燥,硬化条件、初期特
性(順方向電圧,良品率,逆方向耐電圧良品率…
…試料100ケ中の良品数で示す)および121℃,
2atmのスチーム・プレツシヤー・クツカー試験
(PCTと略す)後の逆方向漏れ電流良品率の測定
結果を示す。
【表】
実施例1〜4で作製したポリイミド形成用塗布
溶液を用いると、第3図に示すように、角形のエ
ツジの部分もポリイミド膜で厚く被覆でき、この
ため、エツジでの放電を防止でき、初期良品率の
向上を実現できるようになる。また、第5図に示
すように、上記実施例で得られた溶液を高圧トラ
ンジスタの絶縁皮膜として適用した場合にも、同
様の効果が認められた。また、上記実施例1〜
4、比較例1〜2により得られた塗布溶液を、そ
の溶液を構成する溶剤で順次希釈し所定濃度にお
ける粘度(25±1℃に測定)を測定してグラフ化
し第10図に示した。直線aは実施例1,bは実
施例2,cは実施例3,dは実施例4のそれを示
し、直線eは比較例1,fは比較例2のそれを示
す。第10図から明らかなように、実施例の溶液
は比較例のそれと比べて著しく固形分濃度が高い
ことがわかる。なお、比較例2は固形分濃度は高
いが、生成ポリイミド膜が不透明状となり実用に
耐えない。
溶液を用いると、第3図に示すように、角形のエ
ツジの部分もポリイミド膜で厚く被覆でき、この
ため、エツジでの放電を防止でき、初期良品率の
向上を実現できるようになる。また、第5図に示
すように、上記実施例で得られた溶液を高圧トラ
ンジスタの絶縁皮膜として適用した場合にも、同
様の効果が認められた。また、上記実施例1〜
4、比較例1〜2により得られた塗布溶液を、そ
の溶液を構成する溶剤で順次希釈し所定濃度にお
ける粘度(25±1℃に測定)を測定してグラフ化
し第10図に示した。直線aは実施例1,bは実
施例2,cは実施例3,dは実施例4のそれを示
し、直線eは比較例1,fは比較例2のそれを示
す。第10図から明らかなように、実施例の溶液
は比較例のそれと比べて著しく固形分濃度が高い
ことがわかる。なお、比較例2は固形分濃度は高
いが、生成ポリイミド膜が不透明状となり実用に
耐えない。
第1図A,第2図Aはそれぞれ従来の半導体装
置の一例の縦断面図、第1図B,第2図Bはその
横断面図、第4図は従来の半導体装置の他の例の
縦断面図、第3図Aはこの発明の方法を用いてつ
くられた半導体装置の一例の説明図、第3図Bは
その横断面図、第5図は同じくこの発明の方法を
用いてつくられた半導体装置の他の例の縦断面
図、第6図ないし第9図は実施例で得られたポリ
イミドの赤外吸収スペクトル図、第10図は塗布
溶液の固形分濃度−溶液粘度線図である。
置の一例の縦断面図、第1図B,第2図Bはその
横断面図、第4図は従来の半導体装置の他の例の
縦断面図、第3図Aはこの発明の方法を用いてつ
くられた半導体装置の一例の説明図、第3図Bは
その横断面図、第5図は同じくこの発明の方法を
用いてつくられた半導体装置の他の例の縦断面
図、第6図ないし第9図は実施例で得られたポリ
イミドの赤外吸収スペクトル図、第10図は塗布
溶液の固形分濃度−溶液粘度線図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 素子表面にポリイミド皮膜形成用溶液が塗工
された半導体素子を準備する工程と、ポリイミド
皮膜形成用溶液中の皮膜形成成分を加熱硬化させ
てポリイミド皮膜化する工程を備えた半導体素子
表面への皮膜形成方法であつて、上記ポリイミド
皮膜形成用溶液として、下記のA成分99〜80モル
%およびB成分1〜20モル%からなるジアミノ化
合物と芳香族テトラカルボン酸エステルとを不活
性溶媒に等モルもしくは略等モル溶解し加熱処理
することにより得られたイミド環含有低分子量重
合体溶液を用いることを特徴とする半導体素子表
面への皮膜形成方法。 A:(a)下記の一般式(1)で表される芳香族4核体ジ
アミン 〔式(1)中、R1,R2は水素,炭素1〜4のアル
キル基またはCF3であり、互いに同じであつても
異なつていてもよい。R3,R4,R5,R6は水素、
ハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキル基であ
り、互いに同じであつても異なつていてもよい。〕 (b)上記(a)およびB成分以外の分子内にケイ素
原子を含まないジアミン からなるジアミン。 ただし、(a)と(b)の相互のモル比は100:0〜
70:30である。 B:下記の一般式(2)で示されるジアミノシロキサ
ン 〔式(2)中、R7は二価の有機基、R8は一価の有
機基であり、nは1〜1000の整数である。〕 2 芳香族テトラカルボン酸エステルが、3,
3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸エステ
ルである特許請求の範囲第1項記載の半導体素子
表面への皮膜形成方法。 3 イミド環含有低分子量重合体溶液が、溶液粘
度を100cps(25±1℃)に調整したときの固形分
濃度が20重量%以上になるように設定されている
特許請求の範囲第1項または第2項記載の半導体
素子表面への皮膜形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59205253A JPS6184025A (ja) | 1984-09-29 | 1984-09-29 | 半導体素子表面への皮膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59205253A JPS6184025A (ja) | 1984-09-29 | 1984-09-29 | 半導体素子表面への皮膜形成方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6184025A JPS6184025A (ja) | 1986-04-28 |
| JPH0329292B2 true JPH0329292B2 (ja) | 1991-04-23 |
Family
ID=16503923
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59205253A Granted JPS6184025A (ja) | 1984-09-29 | 1984-09-29 | 半導体素子表面への皮膜形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6184025A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5094919A (en) * | 1988-06-30 | 1992-03-10 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Polyimide copolymers and process for preparing the same |
| JP2002093958A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-03-29 | Fuji Electric Co Ltd | 半導体素子の保護膜用ポリイミド樹脂およびそれを用いた半導体装置 |
| JP7619723B2 (ja) * | 2021-08-30 | 2025-01-22 | ミネベアパワーデバイス株式会社 | 半導体装置及びその製造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5813088B2 (ja) * | 1981-02-27 | 1983-03-11 | 日東電工株式会社 | シロキサン変性ポリイミド前駆体の製造法 |
| JPS5976451A (ja) * | 1982-10-26 | 1984-05-01 | Hitachi Ltd | 半導体装置 |
-
1984
- 1984-09-29 JP JP59205253A patent/JPS6184025A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6184025A (ja) | 1986-04-28 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |