JPH0330710B2 - - Google Patents
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- JPH0330710B2 JPH0330710B2 JP58156115A JP15611583A JPH0330710B2 JP H0330710 B2 JPH0330710 B2 JP H0330710B2 JP 58156115 A JP58156115 A JP 58156115A JP 15611583 A JP15611583 A JP 15611583A JP H0330710 B2 JPH0330710 B2 JP H0330710B2
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- Japan
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- piston
- alumina
- ring
- ring groove
- fibers
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J9/00—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
- F16J9/12—Details
- F16J9/22—Rings for preventing wear of grooves or like seatings
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F7/00—Casings, e.g. crankcases
- F02F7/0085—Materials for constructing engines or their parts
- F02F7/0087—Ceramic materials
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2201/00—Metals
- F05C2201/02—Light metals
- F05C2201/021—Aluminium
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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- F05C2201/00—Metals
- F05C2201/04—Heavy metals
- F05C2201/0433—Iron group; Ferrous alloys, e.g. steel
- F05C2201/0448—Steel
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2203/00—Non-metallic inorganic materials
- F05C2203/08—Ceramics; Oxides
- F05C2203/0865—Oxide ceramics
- F05C2203/0869—Aluminium oxide
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2253/00—Other material characteristics; Treatment of material
- F05C2253/16—Fibres
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
本発明は、内燃機関に係り、更に詳細にはその
ピストンに係る。 内燃機関のピストンは、シリンダ及びシリンダ
ヘツドと共働して燃焼室を郭定するピストン本体
と、該ピストン本体のピストンリング溝に嵌込ま
れた複数個のピストンリングとを有しており、ピ
ストン本体は軽量化の要請から一般にアルミニウ
ム合金にて構成されており、ピストンリングは耐
摩耗性等に優れていることが要請されることか
ら、一般にピストンリング用特殊鋳鉄や球状黒鉛
鋳鉄の如き鋳鉄にて構成されている。 最近の内燃機関の高出力化に伴い、ピストンは
益々苛酷な条件下に曝されるようになつてきてお
り、このためピストンの耐熱性及び耐摩耗性を向
上させるべく、ピストン本体の一部、特に最も苛
酷な熱負荷を受け且摩耗し易いヘツド部の側部外
周面やピストンリング溝(トツプリング溝)の壁
面部を強化繊維にて複合強化することが試みられ
ており、またコスト低減及び耐久性向上などの要
請からピストンリング(コンプレツシヨンリン
グ)を鋼にて構成することが試みられている。こ
の場合強化繊維としてはアルミニウム合金との密
着性及び高温での安定性に優れたアルミナ短繊維
が一般に使用され、またピストンリング構成材料
としては耐熱性、耐摩耗性及びコストの点から一
般にSi−Cr鋼が使用されている。 しかしピストンリング溝の壁面部がアルミナ短
繊維にて複合強化されたアルミニウム合金にて構
成されたピストン本体とSi−Cr鋼にて構成され
たピストンリングとを組合せて使用すると、特に
内燃機関が苛酷な条件(冷却水温100℃以上、油
温130℃以上)にて運転された場合には、ピスト
ンリングがピストンリング溝の下壁(シリンダヘ
ツドとは反対側の壁面)に固着する所謂リングス
テイツクを生じることがあり、このためピストン
リングの機能が充分に発揮されなくなつてブロー
バイガス量の増大、機関性能の低下、オイル消費
量の増大などの問題が生じることがある。X線分
析の結果リングステイツクを生じたピストンリン
グの下面にはアルミニウム合金が付着しているこ
とが確かめられており、またピストンリングは内
燃機関の燃焼室内に於ける混合気の燃焼により生
じた高温高圧のガスによりピストンリング溝の下
面に強く押付けられまた高温度に加熱されること
から、これらの共働作用によりリングステイツク
が惹起こされるものと推測される。 本願発明者等は、内燃機関用ピストンとして、
ピストンリング溝の壁面部がアルミナ短繊維にて
複合強化されたアルミニウム合金にて構成された
ピストン本体とSi−Cr鋼にて構成されたピスト
ンリングとを組合せて使用する場合に於ける上述
の如き種々の問題に鑑み、種々の炭素鋼や特殊鋼
にてピストンリングコンプレツシヨンリングを構
成しこれとピストンリング溝の壁面部がアルミナ
短繊維にて複合強化されたアルミニウム合金にて
構成されたピストン本体とを組合せて種々の実験
的研究を行つた結果、マルテンサイト系ステンレ
ス鋼、特に或る特定量以上の炭素を含有するマル
テンサイト系ステンレス鋼にてコンプレツシヨン
リングを構成すれば、リング及びこれを受けるリ
ング溝壁面の摩耗を抑制しつつリングステイツク
の発生を防止し得ることを見出した。 本発明は、本願発明者等が行つた種々の実験的
研究の結果得られた知見に基き、コンプレツシヨ
ンリング及びこれを受けるリング溝壁面の摩耗を
抑制すると共にリングステイツクの発生を防止す
ることにより、内燃機関を長期間に亙り正常な運
転状態にて使用することを可能にするピストンを
提供することを目的としている。 かかる目的は、本発明によれば、内燃機関用ピ
ストンにして、アルミニウム合金にて構成されピ
ストンリング溝の壁面部が80wt%以上のアルミ
ナと残部のシリカとよりなるアルミナ短繊維にて
複合強化されたピストン本体と、炭素含有量が
0.55wt%以上のマルテンサイト系ステンレス鋼に
て構成され前記ピストンリング溝に嵌込まれたコ
ンプレツシヨンリングとを有する内燃機関用ピス
トンによつて達成される。 本発明によれば、ピストンリング溝の壁面部が
アルミナ短繊維により複合強化されることにより
ピストンの耐熱性及び耐摩耗性が向上され、また
コンプレツシヨンリングがマルテンサイト系ステ
ンレス鋼にて構成されることによりその耐摩耗性
が向上されるので、ピストンの耐久性を向上させ
ることができ、しかもその理由は明らかではない
がアルミニウム合金の凝着によるリングステイツ
クの発生を確実に防止することができ、これによ
り内燃機関を長期間に亙り正常な運転状態にて使
用することが可能になる。 本願発明者等が行つた実験的研究の結果によれ
ば、アルミナ短繊維の繊維長や繊維径の如何に拘
らずアルミナ短繊維のかさ密度が0.08g/c.c.以下
である場合には、ピストン本体の耐熱性やピスト
ンリング溝壁面の耐摩耗性を充分に向上させるこ
とができず、またアルミナ短繊維のかさ密度を
0.3g/c.c.以上に増大させてもピストンリング溝
壁面の耐摩耗性はそれほど向上せず、またアルミ
ナ短繊維のかさ密度が0.3g/c.c.以上になると相
手材としてのコンプレツシヨンリングの摩耗量が
著しく増大し、更にはアルミニウム合金とアルミ
ナ短繊維との熱膨張係数の相違によりアルミナ短
繊維にて複合強化された部分と複合強化されてい
ない部分との境界部に熱疲労亀裂が発生すること
があることが確認されている。従つて本発明の一
つの詳細な特徴によれば、アルミナ短繊維のかさ
密度は0.08〜0.3g/c.c.に、好ましくは0.08〜0.25
g/c.c.に設定される。 またアルミナ短繊維の製造に際しては、その製
法上完全には繊維の形態になりきらない所謂非繊
維粒子の発生が避けられず、この非繊維粒子は非
常に硬く(Hv(25g)=700以上)、またその大き
さも直径数μの繊維に比して数十〜数百μと非常
に大きなものであるため、かかる非繊維粒子、特
に粒径150μ以上の非繊維粒子が比較的多量に含
まれている場合には、ピストンリング溝の機械加
工が非常に困難であり、また相手部材としてのコ
ンプレツシヨンリングの摩耗量が増大したり、更
には非繊維粒子がマトリツクスより脱落すること
によりコンプレツシヨンリングの下面等にスカツ
フイングなどの異常摩耗を発生させることがある
ことが実験的に確認されている。従つて本発明の
他の一つの詳細な特徴によれば、ピストン本体を
複合強化するために使用されるアルミナ短繊維集
合体中に含まれる粒径150μ以上の非繊維粒子は
7wt%以下に抑えられる。 一般にアルミナには種々の結晶構造のものがあ
り、これらのうちαアルミナが最も安定な構造で
あり、硬さや弾性率も高いことが知られている。
例えば耐熱材として市販されているアルミナ短繊
維は耐熱性や寸法安定性等の点からαアルミナ含
有率(アルミナ短繊維中の全アルミナの重量に対
するαアルミナの重量の割合)が60wt%以上で
あるものが多い。かかるαアルミナ及びαアルミ
ナを含有するアルミナ短繊維の性質から判断する
と、αアルミナを含有するアルミナ短繊維にてア
ルミニウム合金が複合強化される場合には、αア
ルミナ含有率が高くなればなるほど複合部の機械
的強度や耐摩耗性などが向上するが、相手部材の
摩耗量が増大しまた加工性が低下するものと推測
される。しかし本願発明者等が行つた実験的研究
の結果によれば、上記予想に反し、αアルミナ含
有率が5〜60wt%、好ましくは10〜50wt%の場
合に複合部の耐摩耗性や加工性を向上させること
ができ、しかも相手部材の摩耗量を低減し得るこ
とが認められた。従つて本発明の更に他の一つの
詳細な特徴によれば、アルミナ短繊維のαアルミ
ナ含有率は上述の範囲に選定される。 また本願発明者等が行つた実験的研究の結果に
よれば、コンプレツシヨンリングをマルテンサイ
ト系ステンレス鋼にて構成すればリングステイツ
クの発生を回避することができるが、マルテンサ
イト系ステンレス鋼の中でも炭素含有量が0.55wt
%以上、好ましくは0.60wt%以上のマルテンサイ
ト系ステンレス鋼でなければリングステイツクの
発生を有効に防止することができないことが確か
められている。また炭素含有量が多くなればなる
ほど炭素とクロムとが化合して炭化物を形成し、
それに相当する量だけ基地組織に固溶するクロム
量が減少するため、マルテンサイト系ステンレス
鋼の耐食性が低下する。更に炭素含有量が多くな
るとステンレス鋼が硬くなり過ぎるため、コンプ
レツシヨンリングをピストン本体に組付ける際に
ピストンリングが析損し易くなつてしまう。 従つて本発明の更に他の一つの詳細な特徴によ
れば、コンプレツシヨンリングを構成するマルテ
ンサイト系ステンレス鋼の炭素含有量は0.55〜
1.2wt%、好ましくは0.60〜0.85wt%に設定され
る。かかる要件に適合するマルテンサイト系ステ
ンレス鋼としてはJIS規格SUS420J2(炭素含有量
を上述の範囲に増量修正)、SUS440B、
SUS440A(炭素含有量を上述の範囲に増量修正)
などがある。またこれらのマルテンサイト系ステ
ンレス鋼にて構成されたピストンリングは、基地
が微細なマルテンサイト組織となり硬度がHv(1
Kg)=380〜450となるよう焼入れ及び焼き戻しの
熱処理が施された上で使用される。 以下に本願発明者等が行つた種々の実験的研究
の結果との関連に於て本発明を実施例について詳
細に説明する。 ピストンリング溝の壁面部がアルミナ短繊維に
て複合強化されたアルミニウム合金よりなるピス
トン本体と種々の鋼にて構成されたコンプレツシ
ヨンリングとを組合せてデイーゼル機関に組込
み、該デイーゼル機関を試験運転したところ、コ
ンプレツシヨンリングがマルテンサイト系ステン
レス鋼にて構成されている場合にリングステイツ
クが発生しないことがあり、マルテンサイト系ス
テンレス鋼の中でも炭素含有量の如何によりリン
グステイツクが発生する場合と発生しない場合が
あることが認められたことから、炭素含有量が異
る種々のマルテンサイト系ステンレス鋼にて第一
の円柱試験片を形成し、これとアルミナ短繊維に
て複合強化されたアルミニウム合金よりなる第二
の円柱試験片とをフアンデアホルフト摩擦摩耗試
験機にセツトし、凝着が生じるか否かの模擬試験
を行つた。 まず下記の表1に示された種々のマルテンサイ
ト系ステンレス鋼(但しA1は従来より使用され
ている比較例としてのSi−Cr鋼である)にて外
径10mm、長さ15mmの円柱体を形成し、該円柱体を
1050℃に40分間加熱した後空気中にて急冷するこ
とにより焼入れし、しかる後480〜520℃に2時間
加熱し、水冷にて冷却させる焼戻し処理を行うこ
とにより第一の円柱試験片を作成した。 また平均繊維径3.1μ、αアルミナ含有率30wt
%のアルミナ短繊維(95.5wt%Al2O3、4.5wt%
SiO2)の集合体をかさ密度0.15g/c.c.にて外径86
mm、内径53mm、長さ100mmの円筒体に無機質バイ
ンダとしてのシリカを用いて成形した。尚この場
合、アルミナ短繊維集合体はそれに含まれる粒径
150μ以上の非繊維粒子の総量が0.8wt%となるよ
う処理され、またアルミナ短繊維は円筒体の軸線
に垂直な平面に沿う二次元ランダムにて配向され
た。次いでかくして形成された繊維成形体を600
℃に予熱した後、高圧鋳造装置の鋳型(温度270
℃)内に配置し、該鋳型内にアルミニウム合金
(JIS規格AC8A)の溶湯(湯温750℃)を注湯し、
該溶湯をプランジヤにより1000Kg/cm2の圧力にて
加圧して溶湯を個々のアルミナ短繊維間に浸透さ
せ、その加圧状態を溶湯が完全に凝固するまで保
持した。溶湯が完全に凝固した後鋳型内より円柱
状の凝固体を取出し、該凝固体に対し機械加工を
施すことにより外径83mm、長さ100mmの第二の円
柱試験片を作成し、該試験片に対しT7の熱処理
を施した。 次いで上述の如く作成された第一及び第二の円
柱試験片をそれらの軸線が直交するようフアンデ
アホルフト摩擦摩耗試験機にセツトし、第一の円
柱試験片の側面を第二の円柱試験片の側面に対し
3.75Kgの押圧力にて押圧し、それらの接触部に常
温の潤滑油(キヤツスルモータオイル5W−30)
を供給しつつ周速度0.9m/secにて第二の円柱試
験片を20分間回転させる凝着試験を行つた。その
試験結果を下記の表1の欄に示す。尚この表1
に於て「発生」とは凝着の前段階である第二の円
柱試験片のマトリツクス中のアルミニウムが第一
の円柱試験片の表面に移着する現象が発生したこ
とを意味している。
ピストンに係る。 内燃機関のピストンは、シリンダ及びシリンダ
ヘツドと共働して燃焼室を郭定するピストン本体
と、該ピストン本体のピストンリング溝に嵌込ま
れた複数個のピストンリングとを有しており、ピ
ストン本体は軽量化の要請から一般にアルミニウ
ム合金にて構成されており、ピストンリングは耐
摩耗性等に優れていることが要請されることか
ら、一般にピストンリング用特殊鋳鉄や球状黒鉛
鋳鉄の如き鋳鉄にて構成されている。 最近の内燃機関の高出力化に伴い、ピストンは
益々苛酷な条件下に曝されるようになつてきてお
り、このためピストンの耐熱性及び耐摩耗性を向
上させるべく、ピストン本体の一部、特に最も苛
酷な熱負荷を受け且摩耗し易いヘツド部の側部外
周面やピストンリング溝(トツプリング溝)の壁
面部を強化繊維にて複合強化することが試みられ
ており、またコスト低減及び耐久性向上などの要
請からピストンリング(コンプレツシヨンリン
グ)を鋼にて構成することが試みられている。こ
の場合強化繊維としてはアルミニウム合金との密
着性及び高温での安定性に優れたアルミナ短繊維
が一般に使用され、またピストンリング構成材料
としては耐熱性、耐摩耗性及びコストの点から一
般にSi−Cr鋼が使用されている。 しかしピストンリング溝の壁面部がアルミナ短
繊維にて複合強化されたアルミニウム合金にて構
成されたピストン本体とSi−Cr鋼にて構成され
たピストンリングとを組合せて使用すると、特に
内燃機関が苛酷な条件(冷却水温100℃以上、油
温130℃以上)にて運転された場合には、ピスト
ンリングがピストンリング溝の下壁(シリンダヘ
ツドとは反対側の壁面)に固着する所謂リングス
テイツクを生じることがあり、このためピストン
リングの機能が充分に発揮されなくなつてブロー
バイガス量の増大、機関性能の低下、オイル消費
量の増大などの問題が生じることがある。X線分
析の結果リングステイツクを生じたピストンリン
グの下面にはアルミニウム合金が付着しているこ
とが確かめられており、またピストンリングは内
燃機関の燃焼室内に於ける混合気の燃焼により生
じた高温高圧のガスによりピストンリング溝の下
面に強く押付けられまた高温度に加熱されること
から、これらの共働作用によりリングステイツク
が惹起こされるものと推測される。 本願発明者等は、内燃機関用ピストンとして、
ピストンリング溝の壁面部がアルミナ短繊維にて
複合強化されたアルミニウム合金にて構成された
ピストン本体とSi−Cr鋼にて構成されたピスト
ンリングとを組合せて使用する場合に於ける上述
の如き種々の問題に鑑み、種々の炭素鋼や特殊鋼
にてピストンリングコンプレツシヨンリングを構
成しこれとピストンリング溝の壁面部がアルミナ
短繊維にて複合強化されたアルミニウム合金にて
構成されたピストン本体とを組合せて種々の実験
的研究を行つた結果、マルテンサイト系ステンレ
ス鋼、特に或る特定量以上の炭素を含有するマル
テンサイト系ステンレス鋼にてコンプレツシヨン
リングを構成すれば、リング及びこれを受けるリ
ング溝壁面の摩耗を抑制しつつリングステイツク
の発生を防止し得ることを見出した。 本発明は、本願発明者等が行つた種々の実験的
研究の結果得られた知見に基き、コンプレツシヨ
ンリング及びこれを受けるリング溝壁面の摩耗を
抑制すると共にリングステイツクの発生を防止す
ることにより、内燃機関を長期間に亙り正常な運
転状態にて使用することを可能にするピストンを
提供することを目的としている。 かかる目的は、本発明によれば、内燃機関用ピ
ストンにして、アルミニウム合金にて構成されピ
ストンリング溝の壁面部が80wt%以上のアルミ
ナと残部のシリカとよりなるアルミナ短繊維にて
複合強化されたピストン本体と、炭素含有量が
0.55wt%以上のマルテンサイト系ステンレス鋼に
て構成され前記ピストンリング溝に嵌込まれたコ
ンプレツシヨンリングとを有する内燃機関用ピス
トンによつて達成される。 本発明によれば、ピストンリング溝の壁面部が
アルミナ短繊維により複合強化されることにより
ピストンの耐熱性及び耐摩耗性が向上され、また
コンプレツシヨンリングがマルテンサイト系ステ
ンレス鋼にて構成されることによりその耐摩耗性
が向上されるので、ピストンの耐久性を向上させ
ることができ、しかもその理由は明らかではない
がアルミニウム合金の凝着によるリングステイツ
クの発生を確実に防止することができ、これによ
り内燃機関を長期間に亙り正常な運転状態にて使
用することが可能になる。 本願発明者等が行つた実験的研究の結果によれ
ば、アルミナ短繊維の繊維長や繊維径の如何に拘
らずアルミナ短繊維のかさ密度が0.08g/c.c.以下
である場合には、ピストン本体の耐熱性やピスト
ンリング溝壁面の耐摩耗性を充分に向上させるこ
とができず、またアルミナ短繊維のかさ密度を
0.3g/c.c.以上に増大させてもピストンリング溝
壁面の耐摩耗性はそれほど向上せず、またアルミ
ナ短繊維のかさ密度が0.3g/c.c.以上になると相
手材としてのコンプレツシヨンリングの摩耗量が
著しく増大し、更にはアルミニウム合金とアルミ
ナ短繊維との熱膨張係数の相違によりアルミナ短
繊維にて複合強化された部分と複合強化されてい
ない部分との境界部に熱疲労亀裂が発生すること
があることが確認されている。従つて本発明の一
つの詳細な特徴によれば、アルミナ短繊維のかさ
密度は0.08〜0.3g/c.c.に、好ましくは0.08〜0.25
g/c.c.に設定される。 またアルミナ短繊維の製造に際しては、その製
法上完全には繊維の形態になりきらない所謂非繊
維粒子の発生が避けられず、この非繊維粒子は非
常に硬く(Hv(25g)=700以上)、またその大き
さも直径数μの繊維に比して数十〜数百μと非常
に大きなものであるため、かかる非繊維粒子、特
に粒径150μ以上の非繊維粒子が比較的多量に含
まれている場合には、ピストンリング溝の機械加
工が非常に困難であり、また相手部材としてのコ
ンプレツシヨンリングの摩耗量が増大したり、更
には非繊維粒子がマトリツクスより脱落すること
によりコンプレツシヨンリングの下面等にスカツ
フイングなどの異常摩耗を発生させることがある
ことが実験的に確認されている。従つて本発明の
他の一つの詳細な特徴によれば、ピストン本体を
複合強化するために使用されるアルミナ短繊維集
合体中に含まれる粒径150μ以上の非繊維粒子は
7wt%以下に抑えられる。 一般にアルミナには種々の結晶構造のものがあ
り、これらのうちαアルミナが最も安定な構造で
あり、硬さや弾性率も高いことが知られている。
例えば耐熱材として市販されているアルミナ短繊
維は耐熱性や寸法安定性等の点からαアルミナ含
有率(アルミナ短繊維中の全アルミナの重量に対
するαアルミナの重量の割合)が60wt%以上で
あるものが多い。かかるαアルミナ及びαアルミ
ナを含有するアルミナ短繊維の性質から判断する
と、αアルミナを含有するアルミナ短繊維にてア
ルミニウム合金が複合強化される場合には、αア
ルミナ含有率が高くなればなるほど複合部の機械
的強度や耐摩耗性などが向上するが、相手部材の
摩耗量が増大しまた加工性が低下するものと推測
される。しかし本願発明者等が行つた実験的研究
の結果によれば、上記予想に反し、αアルミナ含
有率が5〜60wt%、好ましくは10〜50wt%の場
合に複合部の耐摩耗性や加工性を向上させること
ができ、しかも相手部材の摩耗量を低減し得るこ
とが認められた。従つて本発明の更に他の一つの
詳細な特徴によれば、アルミナ短繊維のαアルミ
ナ含有率は上述の範囲に選定される。 また本願発明者等が行つた実験的研究の結果に
よれば、コンプレツシヨンリングをマルテンサイ
ト系ステンレス鋼にて構成すればリングステイツ
クの発生を回避することができるが、マルテンサ
イト系ステンレス鋼の中でも炭素含有量が0.55wt
%以上、好ましくは0.60wt%以上のマルテンサイ
ト系ステンレス鋼でなければリングステイツクの
発生を有効に防止することができないことが確か
められている。また炭素含有量が多くなればなる
ほど炭素とクロムとが化合して炭化物を形成し、
それに相当する量だけ基地組織に固溶するクロム
量が減少するため、マルテンサイト系ステンレス
鋼の耐食性が低下する。更に炭素含有量が多くな
るとステンレス鋼が硬くなり過ぎるため、コンプ
レツシヨンリングをピストン本体に組付ける際に
ピストンリングが析損し易くなつてしまう。 従つて本発明の更に他の一つの詳細な特徴によ
れば、コンプレツシヨンリングを構成するマルテ
ンサイト系ステンレス鋼の炭素含有量は0.55〜
1.2wt%、好ましくは0.60〜0.85wt%に設定され
る。かかる要件に適合するマルテンサイト系ステ
ンレス鋼としてはJIS規格SUS420J2(炭素含有量
を上述の範囲に増量修正)、SUS440B、
SUS440A(炭素含有量を上述の範囲に増量修正)
などがある。またこれらのマルテンサイト系ステ
ンレス鋼にて構成されたピストンリングは、基地
が微細なマルテンサイト組織となり硬度がHv(1
Kg)=380〜450となるよう焼入れ及び焼き戻しの
熱処理が施された上で使用される。 以下に本願発明者等が行つた種々の実験的研究
の結果との関連に於て本発明を実施例について詳
細に説明する。 ピストンリング溝の壁面部がアルミナ短繊維に
て複合強化されたアルミニウム合金よりなるピス
トン本体と種々の鋼にて構成されたコンプレツシ
ヨンリングとを組合せてデイーゼル機関に組込
み、該デイーゼル機関を試験運転したところ、コ
ンプレツシヨンリングがマルテンサイト系ステン
レス鋼にて構成されている場合にリングステイツ
クが発生しないことがあり、マルテンサイト系ス
テンレス鋼の中でも炭素含有量の如何によりリン
グステイツクが発生する場合と発生しない場合が
あることが認められたことから、炭素含有量が異
る種々のマルテンサイト系ステンレス鋼にて第一
の円柱試験片を形成し、これとアルミナ短繊維に
て複合強化されたアルミニウム合金よりなる第二
の円柱試験片とをフアンデアホルフト摩擦摩耗試
験機にセツトし、凝着が生じるか否かの模擬試験
を行つた。 まず下記の表1に示された種々のマルテンサイ
ト系ステンレス鋼(但しA1は従来より使用され
ている比較例としてのSi−Cr鋼である)にて外
径10mm、長さ15mmの円柱体を形成し、該円柱体を
1050℃に40分間加熱した後空気中にて急冷するこ
とにより焼入れし、しかる後480〜520℃に2時間
加熱し、水冷にて冷却させる焼戻し処理を行うこ
とにより第一の円柱試験片を作成した。 また平均繊維径3.1μ、αアルミナ含有率30wt
%のアルミナ短繊維(95.5wt%Al2O3、4.5wt%
SiO2)の集合体をかさ密度0.15g/c.c.にて外径86
mm、内径53mm、長さ100mmの円筒体に無機質バイ
ンダとしてのシリカを用いて成形した。尚この場
合、アルミナ短繊維集合体はそれに含まれる粒径
150μ以上の非繊維粒子の総量が0.8wt%となるよ
う処理され、またアルミナ短繊維は円筒体の軸線
に垂直な平面に沿う二次元ランダムにて配向され
た。次いでかくして形成された繊維成形体を600
℃に予熱した後、高圧鋳造装置の鋳型(温度270
℃)内に配置し、該鋳型内にアルミニウム合金
(JIS規格AC8A)の溶湯(湯温750℃)を注湯し、
該溶湯をプランジヤにより1000Kg/cm2の圧力にて
加圧して溶湯を個々のアルミナ短繊維間に浸透さ
せ、その加圧状態を溶湯が完全に凝固するまで保
持した。溶湯が完全に凝固した後鋳型内より円柱
状の凝固体を取出し、該凝固体に対し機械加工を
施すことにより外径83mm、長さ100mmの第二の円
柱試験片を作成し、該試験片に対しT7の熱処理
を施した。 次いで上述の如く作成された第一及び第二の円
柱試験片をそれらの軸線が直交するようフアンデ
アホルフト摩擦摩耗試験機にセツトし、第一の円
柱試験片の側面を第二の円柱試験片の側面に対し
3.75Kgの押圧力にて押圧し、それらの接触部に常
温の潤滑油(キヤツスルモータオイル5W−30)
を供給しつつ周速度0.9m/secにて第二の円柱試
験片を20分間回転させる凝着試験を行つた。その
試験結果を下記の表1の欄に示す。尚この表1
に於て「発生」とは凝着の前段階である第二の円
柱試験片のマトリツクス中のアルミニウムが第一
の円柱試験片の表面に移着する現象が発生したこ
とを意味している。
【表】
またトツプリング溝の壁面部がアルミナ短繊維
にて複合強化されたピストン本体と炭素含有量が
種々の値であるマルテンサイト系ステンレス鋼に
て構成されたトツプリングとを有するピストンを
順次デイーゼル機関に組込み、実機による凝着試
験を行つた。 先ず上述の試験片による凝着試験の第二の円柱
試験片の作成に於て使用されたアルミナ短繊維集
合体と同一のアルミナ短繊維集合体を無機質バイ
ンダとしてシリカを用いて、外径95mm、内径75
mm、高さ21mmの円筒状の繊維成形体を作成した。
尚この場合、アルミナ短繊維集合体はそれに含ま
れる粒径150μ以上の非繊維粒子の総量が0.8wt%
となるよう処理され、またアルミナ短繊維は繊維
成形体の筒状外周面に平行な実質的に二次元ラン
ダムにて配向された。次いで繊維成形体を600℃
に予熱した後、高圧鋳造装置の鋳型(温度270℃)
内に配置し、該鋳型内にマトリツクス金属として
のアルミニウム合金(JIS規格AC8A)の溶湯
(湯温750℃)を注湯し、該溶湯をプランジヤにて
1000Kg/cm2の圧力に加圧することにより個々のア
ルミナ短繊維間に溶湯を浸透させ、その加圧状態
を溶湯が完全に凝固するまで維持した。溶湯が完
全に凝固した後鋳型より凝固体を取出し、該凝固
体よりアルミナ短繊維にて複合強化されたアルミ
ニウム合金よりなる外径93mm、内径75mm、高さ21
mmの円筒体を機械加工によつて切出した。次いで
円筒体をピストン鋳造用の鋳型内に配置し、該鋳
型内にアルミニウム合金(JIS規格AC8A)の溶
湯(湯温750℃)を注湯してピストン本体の素材
を形成し、該ピストン本体の素材に対しT7の熱
処理を施した後、機械加工によつてピストンリン
グ溝等を形成し、直径90mm、長さ99mmのピストン
本体を形成した。尚ピストンヘツドよりトツプリ
ング溝の下壁までの距離は18.5mmであり、トツプ
リング溝の最小幅は2mmであり、トツプリング溝
の深さは4.5mmであり、トツプリング溝の上壁の
傾斜角は7゜であつた。 また上掲の表1に示されたマルテンサイト系ス
テンレス鋼A2〜A9及びSi−Cr鋼A1にて外径90
mm、内径82.6mm、最大厚さ2.2mm、上面の傾斜角7゜
のC字形のトツプリング素材を形成し、該素材を
1050℃に20〜30秒間加熱した後空気中にて急冷し
て焼入れし、しかる後580℃に20〜30秒間加熱し
て冷却する焼戻し処理を行うことによりハーフキ
ーストン型のトツプリングを形成した。 第1図は上述の如く形成されたピストン本体及
びトツプリングを有するピストンを一部切欠いて
示す斜視図、第2図は第1図に示されたピストン
の要部を拡大して示す部分縦断面図である。これ
らの図に於て、1はピストン本体を示しており、
該本体の側部外周面2には燃焼ガスがピストン本
体1とシリンダブロツク3のシリンダボア壁面4
との間を経て燃焼室よりクランク室へ漏洩するこ
とを防止するコンプレツシヨンリング5を受入れ
る二つのリング溝7及び8と、余分のオイルを掻
き落すオイルリング9を受入れるリング溝10と
が形成されている。図示の実施例に於ては、側部
外周面2に沿つてヘツド部11よりトツプリング
溝7の下壁12の下方までの部分がアルミナ短繊
維にて複合強化されている。複合強化部13はト
ツプリング5を受入れるトツプリング溝7の壁面
を郭定しており、また側部外周面2に露出する部
分にてトツプランド14及びセカンドランド15
の一部を郭定している。尚セカンドリング6は従
来よりピストンリング構成材料として使用されて
いるピストンリング用特殊鋳鉄にて形成されてい
る。 上述の如く構成されたピストンを順次デイーゼ
ル機関に組込み、下記の表2に示された試験条件
にて実機による凝着試験を行つた。 表2 使用機関:4気筒4サイクルデイーゼル機関 シリンダボア径:90mm ストローク:86mm 圧縮比:21.5 総排気量:2188c.c. 使用燃料:軽油 機関回転数:4400rpm 機関負荷:フルロード 冷却水温:105℃ 試験時間:50時間 この凝着試験の結果を上掲の表1の欄に示
す。尚表1の欄に於て「発生」とはトツプリン
グ5がトツプリング溝7の下壁12に固着しリン
グステイツクが発生したことを示している。 表1の欄及びより、トツプリングの構成材
料としては炭素含有量が0.55wt%以上、好ましく
は0.60wt%以上のマルテンサイト系ステンレス鋼
が好ましいことが解る。 尚、アルミナ短繊維のかさ密度が0.11g/c.c.、
0.21g/c.c.、0.26g/c.c.に修正された点を除き上
述の各試験と同一の条件にて行われた試験片及び
実機による凝着試験、強化繊維として平均繊維径
3.1μ、αアルミナ含有率50wt%、粒径150μ以上
の非繊維粒子の総量1wt%のアルミナ短繊維
(95wt%Al2O3、5wt%SiO2)が使用された点を
除き上述の各試験と同一の条件にて行われた試験
片及び実機による凝着試験、及びマトリツクス金
属としてJIS規格AC8P、AC4Cが使用さた点を除
き上述の各試験と同一の条件にて行われた試験片
及び実機による凝着試験に於ても、上掲の表1に
示された結果と同様の結果が得られた。 上述の試験片及び実機による凝着試験の結果よ
り、アルミナ短繊維の諸元及びアルミニウム合金
の組成に拘らず、トツプリング構成材料としては
炭素含有量が0.55wt%、更には0.60wt%以上のマ
ルテンサイト系ステンレス鋼が好ましいことが解
つたので、上述の要件に適合するマルテンサイト
系ステンレス鋼にて円筒試験片を形成し、αアル
ミナ含有率が種々の値であるアルミナ短繊維にて
複合強化されたアルミニウム合金にてブロツク試
験片を形成し、これらの試験片を順次フアンデア
ホルフト摩擦摩耗試験機にセツトして、トツプリ
ングの下面及びトツプリング溝の下壁の摩耗量を
最小限に抑えるためにはアルミナ短繊維のαアル
ミナ含有率が如何なる範囲のものが適切であるか
についての摩耗試験を行つた。 先ず上掲の表1のマルテンサイト系ステンレス
鋼A5にて外径35mm、内径31mm、長さ8.7mmの円筒
体を形成し、該円筒体に対し前述の試験片による
凝着試験の場合と同一の熱処理を行うことにより
円筒試験片を作成した。 またαアルミナ含有率がそれぞれ2wt%、8wt
%、20wt%、34wt%、43wt%、61wt%、81wt
%、93wt%である平均繊維径3.1μのアルミナ短
繊維(95.5wt%Al2O3、4.5wt%SiO2)の各集合
体をかさ密度0.15g/c.c.にて80×80×20mmの直方
体に無機質バインダとしてのシリカを用いて成形
した。尚この場合、アルミナ短繊維集合体はそれ
に含まれる粒径150μ以上の非繊維粒子の総量が
0.8wt%となるよう処理され、またアルミナ短繊
維は80×80mmの平面に沿う二次元ランダムにて配
向された。次いでかくして形成された繊維成形体
を600℃に予熱した後、高圧鋳造装置の鋳型(温
度270℃)内に配置し、該鋳型内にアルミニウム
合金(JIS規格AC8A)の溶湯(湯温750℃)を注
湯し、該溶湯をプランジヤにより1000Kg/cm2の圧
力にて加圧して溶湯を個々のアルミナ短繊維間に
浸透させ、その加圧状態を溶湯が完全に凝固する
まで保持した。溶湯が完全に凝固した後鋳型内よ
り凝固体を取出し、該凝固体よりアルミナ短繊維
にて強化されたアルミニウム合金よりなる部分を
機械加工によつて取出すことにより10.16×15.7
×6.35mm(アルミナ短繊維は15.7×6.35mmの面に
平行な二次元ランダム配向)のブロツク試験片
B1〜B8を作成し、各ブロツク試験片に対しT7の
熱処理を施した。 次いで上述の如く作成された円筒試験片及びブ
ロツク試験片を順次LFW摩擦摩耗試験機にセツ
トし、円筒試験片をブロツク試験片に接触させ、
それらの接触部に常温の潤滑油(キヤツスルモー
タオイル5W−30)を供給しつつ、接触面圧20
Kg/mm2、滑り速度0.3mm/secにて1時間円筒試験
片を回転させる摩耗試験を行つた。 この摩耗試験の結果を第3図及び第4図に示
す。尚第3図及び第4図に於て、上半分はブロツ
ク試験片の摩耗量(摩耗恨深さμ)を表してお
り、下半分は円筒試験片の摩耗量(摩耗減量mg)
を表している。また第4図は第3図に示された試
験結果に基きアルミナ短繊維のαアルミナ含有率
と円筒試験片及びブロツク試験片の摩耗量との関
係を示すグラフである。 これら第3図及び第4図、特に第4図よりαア
ルミナ含有率が5wt%以上の場合に、特に10〜
70wt%の場合にブロツク試験片の摩耗量が小さ
いことが解る。一方円筒試験片の摩耗量はアルミ
ナ短繊維のαアルミナ含有率が5〜60wt%の場
合に、特に10〜50wt%程度の場合に小さいこと
が解る。従つてピストン本体のトツプリング溝の
壁面部を複合強化するアルミナ短繊維のαアルミ
ナ含有率は5〜60wt%、特に10〜50wt%である
ことが好ましい。 以上に於ては種々の試験の結果との関連に於て
本発明を幾つかの実施例について説明したが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではな
く、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能であ
ることか当業者にとつて明らかであろう。
にて複合強化されたピストン本体と炭素含有量が
種々の値であるマルテンサイト系ステンレス鋼に
て構成されたトツプリングとを有するピストンを
順次デイーゼル機関に組込み、実機による凝着試
験を行つた。 先ず上述の試験片による凝着試験の第二の円柱
試験片の作成に於て使用されたアルミナ短繊維集
合体と同一のアルミナ短繊維集合体を無機質バイ
ンダとしてシリカを用いて、外径95mm、内径75
mm、高さ21mmの円筒状の繊維成形体を作成した。
尚この場合、アルミナ短繊維集合体はそれに含ま
れる粒径150μ以上の非繊維粒子の総量が0.8wt%
となるよう処理され、またアルミナ短繊維は繊維
成形体の筒状外周面に平行な実質的に二次元ラン
ダムにて配向された。次いで繊維成形体を600℃
に予熱した後、高圧鋳造装置の鋳型(温度270℃)
内に配置し、該鋳型内にマトリツクス金属として
のアルミニウム合金(JIS規格AC8A)の溶湯
(湯温750℃)を注湯し、該溶湯をプランジヤにて
1000Kg/cm2の圧力に加圧することにより個々のア
ルミナ短繊維間に溶湯を浸透させ、その加圧状態
を溶湯が完全に凝固するまで維持した。溶湯が完
全に凝固した後鋳型より凝固体を取出し、該凝固
体よりアルミナ短繊維にて複合強化されたアルミ
ニウム合金よりなる外径93mm、内径75mm、高さ21
mmの円筒体を機械加工によつて切出した。次いで
円筒体をピストン鋳造用の鋳型内に配置し、該鋳
型内にアルミニウム合金(JIS規格AC8A)の溶
湯(湯温750℃)を注湯してピストン本体の素材
を形成し、該ピストン本体の素材に対しT7の熱
処理を施した後、機械加工によつてピストンリン
グ溝等を形成し、直径90mm、長さ99mmのピストン
本体を形成した。尚ピストンヘツドよりトツプリ
ング溝の下壁までの距離は18.5mmであり、トツプ
リング溝の最小幅は2mmであり、トツプリング溝
の深さは4.5mmであり、トツプリング溝の上壁の
傾斜角は7゜であつた。 また上掲の表1に示されたマルテンサイト系ス
テンレス鋼A2〜A9及びSi−Cr鋼A1にて外径90
mm、内径82.6mm、最大厚さ2.2mm、上面の傾斜角7゜
のC字形のトツプリング素材を形成し、該素材を
1050℃に20〜30秒間加熱した後空気中にて急冷し
て焼入れし、しかる後580℃に20〜30秒間加熱し
て冷却する焼戻し処理を行うことによりハーフキ
ーストン型のトツプリングを形成した。 第1図は上述の如く形成されたピストン本体及
びトツプリングを有するピストンを一部切欠いて
示す斜視図、第2図は第1図に示されたピストン
の要部を拡大して示す部分縦断面図である。これ
らの図に於て、1はピストン本体を示しており、
該本体の側部外周面2には燃焼ガスがピストン本
体1とシリンダブロツク3のシリンダボア壁面4
との間を経て燃焼室よりクランク室へ漏洩するこ
とを防止するコンプレツシヨンリング5を受入れ
る二つのリング溝7及び8と、余分のオイルを掻
き落すオイルリング9を受入れるリング溝10と
が形成されている。図示の実施例に於ては、側部
外周面2に沿つてヘツド部11よりトツプリング
溝7の下壁12の下方までの部分がアルミナ短繊
維にて複合強化されている。複合強化部13はト
ツプリング5を受入れるトツプリング溝7の壁面
を郭定しており、また側部外周面2に露出する部
分にてトツプランド14及びセカンドランド15
の一部を郭定している。尚セカンドリング6は従
来よりピストンリング構成材料として使用されて
いるピストンリング用特殊鋳鉄にて形成されてい
る。 上述の如く構成されたピストンを順次デイーゼ
ル機関に組込み、下記の表2に示された試験条件
にて実機による凝着試験を行つた。 表2 使用機関:4気筒4サイクルデイーゼル機関 シリンダボア径:90mm ストローク:86mm 圧縮比:21.5 総排気量:2188c.c. 使用燃料:軽油 機関回転数:4400rpm 機関負荷:フルロード 冷却水温:105℃ 試験時間:50時間 この凝着試験の結果を上掲の表1の欄に示
す。尚表1の欄に於て「発生」とはトツプリン
グ5がトツプリング溝7の下壁12に固着しリン
グステイツクが発生したことを示している。 表1の欄及びより、トツプリングの構成材
料としては炭素含有量が0.55wt%以上、好ましく
は0.60wt%以上のマルテンサイト系ステンレス鋼
が好ましいことが解る。 尚、アルミナ短繊維のかさ密度が0.11g/c.c.、
0.21g/c.c.、0.26g/c.c.に修正された点を除き上
述の各試験と同一の条件にて行われた試験片及び
実機による凝着試験、強化繊維として平均繊維径
3.1μ、αアルミナ含有率50wt%、粒径150μ以上
の非繊維粒子の総量1wt%のアルミナ短繊維
(95wt%Al2O3、5wt%SiO2)が使用された点を
除き上述の各試験と同一の条件にて行われた試験
片及び実機による凝着試験、及びマトリツクス金
属としてJIS規格AC8P、AC4Cが使用さた点を除
き上述の各試験と同一の条件にて行われた試験片
及び実機による凝着試験に於ても、上掲の表1に
示された結果と同様の結果が得られた。 上述の試験片及び実機による凝着試験の結果よ
り、アルミナ短繊維の諸元及びアルミニウム合金
の組成に拘らず、トツプリング構成材料としては
炭素含有量が0.55wt%、更には0.60wt%以上のマ
ルテンサイト系ステンレス鋼が好ましいことが解
つたので、上述の要件に適合するマルテンサイト
系ステンレス鋼にて円筒試験片を形成し、αアル
ミナ含有率が種々の値であるアルミナ短繊維にて
複合強化されたアルミニウム合金にてブロツク試
験片を形成し、これらの試験片を順次フアンデア
ホルフト摩擦摩耗試験機にセツトして、トツプリ
ングの下面及びトツプリング溝の下壁の摩耗量を
最小限に抑えるためにはアルミナ短繊維のαアル
ミナ含有率が如何なる範囲のものが適切であるか
についての摩耗試験を行つた。 先ず上掲の表1のマルテンサイト系ステンレス
鋼A5にて外径35mm、内径31mm、長さ8.7mmの円筒
体を形成し、該円筒体に対し前述の試験片による
凝着試験の場合と同一の熱処理を行うことにより
円筒試験片を作成した。 またαアルミナ含有率がそれぞれ2wt%、8wt
%、20wt%、34wt%、43wt%、61wt%、81wt
%、93wt%である平均繊維径3.1μのアルミナ短
繊維(95.5wt%Al2O3、4.5wt%SiO2)の各集合
体をかさ密度0.15g/c.c.にて80×80×20mmの直方
体に無機質バインダとしてのシリカを用いて成形
した。尚この場合、アルミナ短繊維集合体はそれ
に含まれる粒径150μ以上の非繊維粒子の総量が
0.8wt%となるよう処理され、またアルミナ短繊
維は80×80mmの平面に沿う二次元ランダムにて配
向された。次いでかくして形成された繊維成形体
を600℃に予熱した後、高圧鋳造装置の鋳型(温
度270℃)内に配置し、該鋳型内にアルミニウム
合金(JIS規格AC8A)の溶湯(湯温750℃)を注
湯し、該溶湯をプランジヤにより1000Kg/cm2の圧
力にて加圧して溶湯を個々のアルミナ短繊維間に
浸透させ、その加圧状態を溶湯が完全に凝固する
まで保持した。溶湯が完全に凝固した後鋳型内よ
り凝固体を取出し、該凝固体よりアルミナ短繊維
にて強化されたアルミニウム合金よりなる部分を
機械加工によつて取出すことにより10.16×15.7
×6.35mm(アルミナ短繊維は15.7×6.35mmの面に
平行な二次元ランダム配向)のブロツク試験片
B1〜B8を作成し、各ブロツク試験片に対しT7の
熱処理を施した。 次いで上述の如く作成された円筒試験片及びブ
ロツク試験片を順次LFW摩擦摩耗試験機にセツ
トし、円筒試験片をブロツク試験片に接触させ、
それらの接触部に常温の潤滑油(キヤツスルモー
タオイル5W−30)を供給しつつ、接触面圧20
Kg/mm2、滑り速度0.3mm/secにて1時間円筒試験
片を回転させる摩耗試験を行つた。 この摩耗試験の結果を第3図及び第4図に示
す。尚第3図及び第4図に於て、上半分はブロツ
ク試験片の摩耗量(摩耗恨深さμ)を表してお
り、下半分は円筒試験片の摩耗量(摩耗減量mg)
を表している。また第4図は第3図に示された試
験結果に基きアルミナ短繊維のαアルミナ含有率
と円筒試験片及びブロツク試験片の摩耗量との関
係を示すグラフである。 これら第3図及び第4図、特に第4図よりαア
ルミナ含有率が5wt%以上の場合に、特に10〜
70wt%の場合にブロツク試験片の摩耗量が小さ
いことが解る。一方円筒試験片の摩耗量はアルミ
ナ短繊維のαアルミナ含有率が5〜60wt%の場
合に、特に10〜50wt%程度の場合に小さいこと
が解る。従つてピストン本体のトツプリング溝の
壁面部を複合強化するアルミナ短繊維のαアルミ
ナ含有率は5〜60wt%、特に10〜50wt%である
ことが好ましい。 以上に於ては種々の試験の結果との関連に於て
本発明を幾つかの実施例について説明したが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではな
く、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能であ
ることか当業者にとつて明らかであろう。
第1図は本発明による内燃機関用ピストンの一
つの実施例を一部切欠いて示す斜視図、第2図は
第1図に示された実施例の要部を拡大して示す部
分縦断面図、第3図及び第4図は強化繊維として
のアルミナ短繊維のαアルミナ含有率をパラメー
タとして行われた摩擦摩耗試験の結果を示すグラ
フである。 1…ピストン本体、2…側部外周面、3…シリ
ンダブロツク、4…シリンダボア壁面、5…トツ
プリング、6…セカンドリング、7…トツプリン
グ溝、8…セカンドリング溝、9…オイルリン
グ、10…リング溝、11…ヘツド部、12…下
壁、13…複合強化部。
つの実施例を一部切欠いて示す斜視図、第2図は
第1図に示された実施例の要部を拡大して示す部
分縦断面図、第3図及び第4図は強化繊維として
のアルミナ短繊維のαアルミナ含有率をパラメー
タとして行われた摩擦摩耗試験の結果を示すグラ
フである。 1…ピストン本体、2…側部外周面、3…シリ
ンダブロツク、4…シリンダボア壁面、5…トツ
プリング、6…セカンドリング、7…トツプリン
グ溝、8…セカンドリング溝、9…オイルリン
グ、10…リング溝、11…ヘツド部、12…下
壁、13…複合強化部。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 内燃機関用ピストンにして、アルミニウム合
金にて構成されピストンリング溝の壁面部が
80wt%以上のアルミナと残部のシリカとよりな
るアルミナ短繊維にて複合強化されたピストン本
体と、炭素含有量が0.55wt%以上のマルテンサイ
ト系ステンレス鋼にて構成され前記ピストンリン
グ溝に嵌込まれたコンプレツシヨンリングとを有
する内燃機関用ピストン。 2 特許請求の範囲第1項の内燃機関用ピストン
に於て、前記ピストンリング溝はトツプリング溝
であり、前記コンプレツシヨンリングはトツプリ
ングであることを特徴とする内燃機関用ピスト
ン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15611583A JPS6047849A (ja) | 1983-08-26 | 1983-08-26 | 内燃機関用ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15611583A JPS6047849A (ja) | 1983-08-26 | 1983-08-26 | 内燃機関用ピストン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6047849A JPS6047849A (ja) | 1985-03-15 |
| JPH0330710B2 true JPH0330710B2 (ja) | 1991-05-01 |
Family
ID=15620639
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15611583A Granted JPS6047849A (ja) | 1983-08-26 | 1983-08-26 | 内燃機関用ピストン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6047849A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2790807B2 (ja) * | 1987-11-16 | 1998-08-27 | 昭和電工株式会社 | 複合ピストン |
| JPH0448461U (ja) * | 1990-08-29 | 1992-04-24 | ||
| JPH082222Y2 (ja) * | 1991-01-16 | 1996-01-24 | アロン化成株式会社 | 排水桝 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS57171049A (en) * | 1981-04-16 | 1982-10-21 | Nippon Piston Ring Co Ltd | Combination of oil ring and cylinder liner |
| JPS5893835A (ja) * | 1981-11-30 | 1983-06-03 | Toyota Motor Corp | 摺動部材の組合せ |
-
1983
- 1983-08-26 JP JP15611583A patent/JPS6047849A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6047849A (ja) | 1985-03-15 |
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