JPH03500469A - 厚いターゲットを用い、方向制御されたアーク・コーティング - Google Patents

厚いターゲットを用い、方向制御されたアーク・コーティング

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JPH03500469A
JPH03500469A JP63507271A JP50727188A JPH03500469A JP H03500469 A JPH03500469 A JP H03500469A JP 63507271 A JP63507271 A JP 63507271A JP 50727188 A JP50727188 A JP 50727188A JP H03500469 A JPH03500469 A JP H03500469A
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ラマリンガム,サビア
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 厚いターゲットを用い、方向制御されたアーク・コーティング 発明の背景 1、発明の分野 本発明は、厚いカソードまたはターゲットを使用し、方向制御されたアーク・コ ーティング方法および装置に関するものである。
2、従来技術の説明 米国特許第4,673,477号は、物質のコーティングのための、制御された アーク・コーティング方法および装置を開示している。この特許は、それに沿っ てアークが連続的に移動する閉じたアーク・トラック(軌跡)を規定するため、 カソードに対して既知の関係で位置された磁界を使用することによる、アーク経 路の制御を教示している。
サブレブ(Sablev)等に対して発行された米国特許第4.563.262 号は、複合ターゲットを使って合金を付着させる方法を開示している。この方法 では、特定の形状の複合ターゲットに作用するランダムアーク、すなわち操向制 御されていないアークが使用される。
1986年4月4日に出願されたラマリンガム(Ramal 1ngaa+)等 による米国特許出願第848.720号は、基板上への合金の付着を可能にする ように、アークの滞留時間が固体複合カソードの異なる部分毎に制御されるよう になった、方向制御されたアーク・コーティング方法および装置を開示している 。機械的リンク機構が、アーク経路を規定する磁石を動かすことによってアーク 経路を制御し、複合カソードの幾何学的構成(プロポーション)ならびに電流等 のアーク動作パラメータが、付着された合金の組成を制御するための基本条件を もたらす。
このシステムは機械的リンク機構によってうまく作動するが、コーティング材料 の適切な供給が可能であるように、厚いカソードまたはターゲットを使用すると き、大きな粒子を含まないコーティングをもたらすためには、アーク経路の制御 の改善および厳格なアーク方向制御が必要である。ラマリンガムの米国特許第4 ,873,477号に開示された方法および装置が、大きな粒子を含まない付着 物を生成するために使用されるとき、カソードの厚みは通常約20ミリメートル (約13/16インチ)以下に制限される。
1986年4月4日に出願されたラマリンガム等の米国特許出願第848.72 0号およびサブレブ等の米国特許第4.563,282号では、基板/付着膜の 界面で組成変化が急激であるような基板上にコーティングを生ずることができる 。これらの類似の従来技術の開示は、多層コーティングを生成するために使用す ることができるが、そうするためには複数のアーク発生源が必要である。
どのようなコーティングでも、均一な微小粒子または結晶粒子寸法を有すること が望ましく、かつすべてではないが、はとんど必要なことであり、したがって、 大きな粒子の付着は不満足であり、所望の許容範囲から外れたコーティングを生 じる。
本発明は、厚いターゲットまたはカソードを用いて、大きな粒子を含まないコー ティングを形成でき、さらに所望ならば、厚い複合カソードを使って多層コーテ ィングをも形成できるために必要なアーク方向制御(Steering)を提供 する。
発明の要約 本発明の方法および装置は、厚いカソードまたはターゲットを使ったアーク発生 コーテイング材を提供し、このコーテイング材は基板上はぼ均一な微小粒子また は結晶粒子寸法の合金コーティングを生成し、さらに、所望時には、厚い複合カ ソードを使って多層コーティングを生成する。
ここに開示した装置および方法によれば、アーク経路の正確な制御が可能であり 、所望の場合は、機械的制御も使用することができる。アーク発生源および制御 要素は真空室に置かれるので、コーティングは、既知のアーク発生技術を使って 、真空中で付着される2種類以上の材料から作られた適当な大きさの厚いカソー ドが用いられるので、合金コーティングまたは層状コーティングを提供すること ができる。
アーク経路を規定し、またアークを捕捉して、カソード表面に垂直な磁界成分が 0であるカソード表面上の場所に位置する閉じた経路に沿ってこれを移動させる ように、電磁界が発生され、かつ制御される。アークのための閉じた経路を、厚 いカソードのカソード表面上に正確に設定するため、電極片組立体が所望の方法 で配置される。
磁石構造を適切に選択し、それを適切に配置することにより、アーク経路がカソ ード表面の所望部分を横切るようにアーク経路の大きさを制御することができる 。これによって、さらに、適切に選択された複合材料のカソードを用いて、所望 の構成成分の薄膜付着に適した蒸気束(flux)を生じさせられるようになる 。
アーク経路の大きさは、所望ならば、カソードの所望部分を横切って動くように 調整することができるので、アーク経路の大きさの制御によってアークの装荷率 (duty cycle)を変えることにより、すなわち、アークの滞留時間を 変えることにより、合金組成を所定の周期で連続的に変えることができる。磁気 構造部分を所望の経路で動かすため、機械的装置を使用することもできる。
図示した種々の構造はアーク経路の正確な電気的および機械的制御を可能にする ので、直径が200ないし300ミリメートル以上の範囲のカソードを使用する ことができる。
十分な真空をもたらし、さらに、アークを維持し、かつ組成を制御するための反 応ガスの注入をも可能にする真空室を有することに関する従来の考慮も、当業者 には既知のように、なされている。水冷されたアノードおよびカソードを使用す ることが望ましく、さらにこれらも既知の手順に従って実現することができる。
アルゴン、ネオン等のアーク維持希ガスを真空雰囲気中に加えることができ、作 られた真空は水銀柱10−2ないし10−6ミリメ一ドル程度またはそれ以下で なければならない。
種々の実施例は、所望のコーティング組成物を得るため、磁気的に作られた閉じ た経路を、種々の形状で、カソードの作用表面上に形成するための磁極片の配置 を示している。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明によるアノードおよびカソード構造を有し、本発明によるアー ク方向制御を利用した代表的な真空室の概略図である。
第2図は、複合材料から作られ、第1図の装置に使用される代表的なカソードの 断面図である。
第3図ないし第7図は、カソード上にアーク経路を確立し、かつこれを制御する ために使用される、第1図に示すカソードおよび磁石組立体の構造のそれぞれの 変形例の断面図である。
第8図は、第9図に示すカソード組立体の中心線に関して、カソード表面に対す る磁界の垂直および水平成分を示す代表的な磁界分布図である。
第9図は、第8図に示す磁界を確立するカソードおよび磁石組立体の断面図であ る。
第10図は、変調された磁界を第9図の磁石組立体に印加して、より小さな、ま たはより大きなアーク・トラックをカソード表面上に形成することの効果を示す 概略図である。
第11図は、第8図および第10図のアーク・トラックを適所に示すカソード作 用表面の概略図である。
第12図は、本発明にしたがって作られた変形例のカソードおよび磁石組立体の 断面図である。
第13図は、複合コーティングを形成するため、異なる材料から成る複数のイン サートを有するカソードの平面図である。
第14図は、本発明に従って作られた他の変形例のカソードおよび磁石組立体の 断面図である。
第15図は、制御部分が真空室壁部の外側に置かれ、一方、カソードおよびアノ ードが真空室内に置かれた状態を示す横断面図である。
好ましい実施例の詳細な説明 第1図は、符号10で全体的に示す真空アーク沈着(deposition)装 置の概略図である。概略的に示した真空室11内には、12で全体的に示すカソ ード組立体が、このカソード組立体を取り巻いて環状に離隔されたリング状アノ ード13に隣接して設けられている。カソードおよびアノード組立体は、通常の 方法で水冷されることが好ましい。
そのような水冷は一般的であるので、第1図には示されていない。
真空室11には、通常の方法で内部を排気するための適当な真空ポンプ14が接 続されている。また15で示すような反応またはアーク保持ガスの発生源も、1 6で示す適当な弁を介して真空室の内部に対して接続される。周知の他のガス、 または混合ガスを使用することもできる。
図示の形態において、リング状アノード13は適当な方法で、真空室11の壁に 対して支持され、かつカソード組立体12に対しても支持される。本発明のこの 形態におけるカソード組立体12はカソードまたはターゲットを含み、このカソ ードまたはターゲットは、適当な材料で作られ、20で全体的に示す円板であり 、カップ状の磁極片組立体21を含む磁石組立体19に対して支持されている。
磁極片組立体21は外周壁22を有し、外周壁22はカソードまたはターゲット 20を取り巻き、カソードまたはターゲット20の上面28と同じ高さの第1磁 極を形成する縁面(端面)23を有し、さらに、底壁25から突出してカソード またはターゲット20の下面と接する中央磁極片またはコア(第2の磁極)24 を有する。磁極片組立体21の外周壁22、および外周壁22に固定された底壁 25は、その内部に磁束発生コイル26が巻かれたチャンバを形成する。
コイル26はカソードまたはターゲット20の下側に配置され、中央磁極片また はコア24を取り巻いている。
カソード組立体12は、適当なブラケット等により、所望の任意の方法でハウジ ング11内に支持することができる。
さらに、補助磁束発生用の中央コイル30がハウジング11内に配置され、磁極 片組立体21の外周壁22を取り巻くように適当に支持される。さらにこの中央 コイル30は、ターゲット20の中心を通り、ターゲットまたはカソード20の 活性すなわち作用表面28に平行な中央2等分面33上に、はぼその中心が位置 するような高さになるように、適当に支持されている。したがって補助コイル3 0は外周壁22にすぐ隣接すると共に、さらに、磁極片を形成するそのような壁 の縁部23の外側にも隣接し、かつそのわずか下側に位置する。
図示のように、アノード13およびカソードまたはターゲット20に対する電力 を供給し、かつ制御するためのアーク発生電源40が設けられている。この電源 は定電圧、定電流電源であることが好ましいが、また所望ならば、もつと簡略化 された電源でもよい。電源は、通常の方法でアークを点弧または放電させるため の補助部品を含むこともでき、またカソードまたはターゲット20から発生して 、点線41で概略的に示す加工物または基板上に付着する蒸気束を、雰囲気に保 持させるアークを維持するための、十分な電力を供給することができる。
磁極片21に設けられたコイル26は、通常の方法で、適当な導線を介して電源 43から電流を供給される。電源43はプログラム制御装置44によって制御さ れ、プログラム制御装置44を使って、電流レベルを調節することによって発生 される磁界を変調し、または他の方法で、コイル26によって発生される磁界を 制御することができる。プログラム制御は、時間の関数としてコイル電流の変調 と関連づけられることができる。
補助コイル30は電源45に接続され、電源45も独立したプログラム制御装置 46を有する(プログラム制御装置44および46は共通のハウジング内にあっ てよい)。プログラム制御装置46は、導線を介してコイル30に至る電流を制 御し、コイル30における電流のレベルを制御、調節するか、または、後で明ら かになるように、所望される結果に応じて電源をオフにしておく。
第2図には、カソードまたはターゲット20の拡大図を示す。第1の材料からな るリング50(ターゲットは、平面図で、円形、正方形または他の形を取ること ができる)が、第2の材料からなる中央部分51を取り巻き、これらの材料はカ ソードまたはターゲット20の中心軸52の回りに配置することができる。
第1図で、磁極片ハウジング21および磁極片またはコア24からなる磁石組立 体19のN極およびS極は、カソードまたはターゲット20をまたいでいる。N 極は縁面23に位置すると共に、カソードの作用表面または外面28に隣接する か、またはこれと同じ高さにあり、さらにカソードまたはターゲット20を取囲 んでいる。反対の磁極(この場合はS極)は作用表面28とは反対側のカソード の表面と同じ平面に配置され、カソードの中心軸52に沿って心合わせされてい る。このことは、電源43が電流をコイル26に供給するときに発生される磁界 を、特定の方向に向けることを可能にする。カソードは、表面23上に載置され た環状フランジで形成することができる。電極面23はこのとき作用表面よりも わずかに下になる。
磁極片およびカソード組立体の種々の構成を、第3図ないし第7図に示す。第3 図では、カソード組立体12Aは、中央磁極片またはコア24が、カソード20 Aを貫いて延在し1カソードの上面において28で示す作用表面と同じ高さにな る延長コア部分24Aによって延長されている点を除いて、第1図に示すものと ほぼ同じである。作用表面28は、使用中にアークが移動する表面である。磁界 (flux field)の成分が0になる作用表面28上に閉じたアーク経路 が形成され、アークはその閉じた経路に捕捉され、保持される。追加の磁極片ま たはコア24Aは、コイル26が通電されたとき、閉じた経路の位置および制御 パラメータを変更する。追加の磁極片24Aは、所望に応じて、永久磁石または 軟磁性材料のいずれかで作られる。
第3図に示す追加の磁極片24Aは、所望ならば、カソードの作用表面よりも低 い高さで終わることができる。
第4図は、カソード組立体の他の変形例を示し、カソード組立体12Bはターゲ ット部材60および磁石組立体59を含む。磁石組立体59は、磁極片組立体6 1および、コイル26に対応するコイル62を含む。この例では、外周壁63は 磁極片組立体61の一部を形成し、一方の磁極(Nと表示された)を形成する縁 面64がカソードまたはターゲット60の作用表面28とは反対の表面と同じ高 さになるように、その壁がくぼまされている。縁面64は、第1図および第3図 でもそうであったように、N極となるが、この例では、磁石組立体59のN極お よびS極は、カソードまたはターゲット20の非作用表面、すなわち、反対面と 同じ高さであり、かつそれに近接している。
第1図、第3図および第4図では、使用される磁石手段は、必要とされる強度の 磁界を発生するように電気的に励磁される。このことは、電源43からの基準( base)電流loを調整、制御することによって行なわれる。電源は、第3図 および第4図の磁石組立体に示すコイルに通常の方法で接続される。
全ての場合に、それぞれのカソードの作用表面上での制御されたアーク経路の確 立は、磁石組立体のN極およびS極を交換することによっては、何らの影響も受 けない。
第4図では、図示の磁極片組立体61の中央磁極片またはコア65は、その端面 を縁面64と同じ平面にされているが、磁極片65は、第3図で延長磁極片24 Aに関して示したのと同様な方法で、カソード60の作用表面に向かって突出す るように延長することができる。
磁極片組立体21および61は鉄またはその他の透磁性材料で構成することがで きる。軟磁性材料を使って磁極片組立体を構成することは、一般に有利である。
適当な材料の一例は、「ハーマロイ」という商標で販売されている合金である。
第5図には、円板状カソードまたはターゲット72を取り巻く壁を形成する環状 の(リング)永久磁石71を備えた磁石組立体69を含む複合カソード構造70 を示す。リング磁石71は永久磁石であり、カソードまたはターゲット72の作 用表面と同じ高さにある縁面73に、その磁極の一方を有する。反対の磁極(す なわち、図示のS極)はコイル支持部74の底壁の近くにある。
中央磁極片またはコア75は底壁に取りつけられ、そこから外方に延長される。
コイル26に対応する磁束発生コイル76は、コア75を取り巻いている。カソ ードまたはターゲット72に関連して、リング永久磁石71によって発生された 磁界は、アークを制御するために、カソード作用表面上に所望の閉じたアーク経 路を実現するように、定常磁界を発生するか、または磁界を変調することのいず れかにより、所望の方法でコイル76に通電することによって変更することがで きる。
第6図では、カソード組立体80は磁石組立体79、およびカソード支持組立体 82の底壁を形成する円板形磁石81を備える。円板形磁石は開口された中心部 を有し、半径方向に磁化されるので1.83で示すその外周面に一方の磁極(図 示のN極)を有し、84で示す開口の内周面に第2の磁極S磁石81は、所望な らば、一方の磁極が上側に、他方の磁極が下側になるように磁化することもでき る。磁極片は、適当な磁束経路が確立されるように、円板の厚み方向に沿って磁 化された円板磁石を収容するよう変更されるであろう。
環状壁の縁面が一方の磁極になり、中心コアが反対の磁極になるように、磁気回 路が設けられる。
図示のように磁化された円板磁石の場合には、外周支持壁85は磁石81の外縁 に結合される。壁85は、カソードまたはターゲット88のための支持壁を形成 する。開口84内で適所に保持された中央磁極またはコア86が配置される。
コイル26に対応するコイル87がコア86に巻かれ、周壁85内に配置される 。コイル87は、所望の方法でプログラム制御装置44を介して電源43から給 電され、永久磁石81およびその結合された環状磁極片85および中央磁極片ま たはコア86によって発生された、カソード表面上の磁界を変更するための磁束 を供給することができる。供給された磁界は、カソード表面に垂直な磁界の成分 が0であるカソード作用表面上の位置に、閉じた経路を形成する。
カソードまたはターゲット88はコイル87の上部で、かつ環状壁85内に支持 されているので、コイル87に通電されると、磁界が壁85(適当な磁性材料か ら成る)を通して発生され、円板磁石81によって発生される磁界を変調する。
円板磁石の磁化方向は円板磁石の面に平行であり、さらにカソードまたはターゲ ット88の作用表面および反対側表面に平行である。
この種の構成は、カソードまたはターゲット88の作用表面上に閉じたアーク経 路を確立し、かつ制御するための磁石組立体または磁石手段の別の変形をもたら す。
第7図は、以上に説明したその他の変形例と同様に、第1図で使用可能なカソー ド組立体のさらに他の変形例であり、磁石組立体91を含むカソード組立体90 から成る。磁石組立体91は、カソードまたはターゲット93を取り巻き、その 上縁面94がカソードまたはターゲット93の作用表面に平行で、かつこれと同 じ平面にある環状外壁92を有する磁極片組立体を備える。
すなわち、磁極片を形成する縁面94はカソードまたはターゲット93の作用表 面と同じ高さにあるか、またはそれに接近している。全体を95で示す柱状磁石 が、壁92の中心軸上で、かつ壁92を通して電磁的効果を与えるために使用さ れるコイル96の内側に設けられている。磁石95は永久磁石であり、磁極片ま たはコアを形成する。永久磁石の一方の磁極(図示のS極)は、カソードまたは ターゲット93の非作用表面に隣接し、その反対の磁極(N極)は磁極片組立体 の下壁97の上側表面と接している。
磁石95の横断面(その長袖に垂直な)は、図示の円筒形に加えて、三角形、六 角形、またはその他の任意所望の形状にすることができる。
永久磁石および磁極片組立体に使用される材料は当該技術で既知のものでよく、 強磁性または軟磁性材料のいずれでもよい。使用される磁石手段は、基準電流レ ベルで電気的に励磁されて、必要とされる磁界を発生することができ、またカソ ード上のアーク経路の大きさおよび(または)位置に所望の変化をもたらすよう に、変動または変調されることができる。磁石構造の設計は、適度に小さな空隙 を有する磁極片の構成を可能にする。この空隙は真の空隙、真空ギャップまたは 、常磁性または反磁性材料から成るギャップでよい。
磁石はもちろん、組立体の他の部分と接触する場所で短絡させることはできない 。また、構成が完全に永久磁石等の強の制御を実現するため、軟磁性の磁極片組 立体およびコイルを使用することができる。永久磁石が、第5図、第6図および 第7図に示すようなものである場合は、これらは、図示のコイルによって付勢さ れる磁極片の軟磁性材料と組み合わせることができる。
第3図ないし第7図では、カソードまたはターゲットの各々は、第2図に示すよ うに構成された材料の複合物から作ることができる。横断面は、図では同一のも のとして示されているが、点線で示した垂直線は別の相異なる材料の中央部分を 示す。
第8図、第9図、第10図および第11図には、代表的なカソード組立体の構成 および、それによって発生される磁界を示し、また設けられたカソードの作用表 面に平行および垂直な、表面28等のカソード作用表面上における磁界の成分を 示す。
第8図では、中心線100が、第9図に示すカソード組立体から上に向かって引 かれており、第9図のカソード組立体は、第1図に示すカソード組立体に対応し 、同じ番号を付されている。第2の磁極片またはコア24の中心線は中心線10 0に一致させられている。基準電流1oでコイル26が励磁されると、第8図の グラフに示されているような、通常の磁束パターンが発生される。カソードの活 性または作用表面に垂直な磁束は曲線101により表わされ、カソード作用表面 に平行な磁束の成分は曲線102で表わされる。
例えば、カソードまたはターゲット20の表面上に向かって下向きに引かれた線 103は、カソード作用表面28を表わすグラフ基線を横切り、104で示すア ーク経路を指示する。垂直線105もまた、磁界の垂直成分が0になり、平行成 分がその最大の負の値になるところに引かれる。アーク経路104は、この場合 は環状軌跡(track)であり、第11図でも破線104によって示されてい る。
アーク経路が確立され、かつ制御されるのは、垂直磁界成分が0になる点の軌跡 においてである。
変調された電流をコイル26に供給するか、または他の態様では、設けられたコ イルに通電し、永久磁石によって反対磁界として発生された磁界を変調すること により、第10図に示すように、磁界の垂直成分が0になる位置を移動させるこ とができる。
第10図には、曲線101が再び示されている。アーク軌跡104を確立した磁 界に、反対の、または変更された磁界を印加したときの、磁界の垂直成分を表わ す磁界成分曲線を110で見ることができ、この曲線は、垂直線111によって 示される、垂直成分がOになる位置が中心線100に向かって内方に移動するこ とを示している。これにより、第11図において112で示すアーク経路または 軌跡が確立されるが、これはアーク経路104とは位置および(または)大きさ が異なっている。アーク経路の大きさは、曲線11311:よって示す磁界成分 を与えることにより拡大される。
したがって、例えば、コイル26の電流を変えて反対の、または変更された磁界 を供給することにより、および(または)コイルを励磁してカソード作用表面上 の磁界を変調することにより、アーク経路の位置を変えることができ、またカソ ード組立体で使用される代表的コイルの励磁を適切にプログラムすることにより 、アーク経路の位置を所望通り変えることができる。
後でさらに十分に説明するように、磁界の強さは第8図および第10図で垂直尺 度によって示され、カソードの作用または活性面に平行な磁界成分の垂直尺度、 すなわち、垂直成分がOになる点での平行成分の大きさが、閉じたアーク経路の 回りでの入力アークの移動速度を決定する。したがって、第8図の点102Aお よび102Bにおける平行磁界の値は、アーク経路周囲でのアークの運動速度を 制御するのに重要である。
本発明では、作られる磁極は、閉じられたアーク経路が、所望のとおりに、カソ ードの作用表面上に形成されるように、それぞれのカソードの作用表面に対して 配置され、また磁界によって形成されるアーク経路の大きさおよび(または)位 置は、所望通りに変更することができる。上述のように、アーク経路は、閉じた 曲線であり、この曲線に沿った位置では、アーク経路を発生させるために印加さ れた磁界の、カソード表面に垂直な成分(「垂直成分」と呼ばれる)が0になる 。
このことは、磁極の一方がカソードを取り囲んでいる限り、磁界成分が適切に配 置されることを保証するため、磁極の一方(または両方)が作用表面と同じ高さ であるか、またはほぼ同じ高さであれば容易に実現することができる。磁界を変 調することによってカソード表面上でアーク経路を再配置する能力、すなわち、 高いカソード利用効率が実現される。
磁界を発生するために別々のコイルを使用することは、印加された磁界の半径方 向の勾配、すなわち、中心軸からの半径の変化に対するカソード表面に垂直な磁 界成分の変化を制御するための能力をもたらすので、閉じた経路を移動するとき のアークの横方向運動に対する厳格な制御が実現される。
適切な勾配は、アークが左右に揺れたり、踊ったりして幅広い経路またはトラッ クを形成するのを防止する。したがって、狭い経路および、アークに対する厳密 な制御を保証するためには、磁界の垂直成分が0になる場所で、磁界垂直成分曲 線の傾斜を極めて急峻に保つことが望ましい。
経路に沿ったアークの運動、およびアーク経路を横切るアークの運動は、開示し た制御手段によって制御することができる。電源40を調整してアークを流れる 電流を制御することによってもまた、磁界によって確立された経路に沿ったアー クの移動速度を部分的に制御できる。垂直成分が0になるカソード作用表面上の 点において、磁界の垂直成分が大きな傾斜または勾配を有することは、非常に狭 いアーク経路を保証し、左右の揺れをなくし、アーク経路の厳格な制御をもたら す。
大きな横方向運動を防ぐためには、カソード表面に垂直な磁界の勾配(傾斜)は 、所望のアーク経路の両側で5ガウス/lllX11以上でなければならないこ と、すなわち、磁界の垂直成分はカソードの作用表面の真上および真下で所望の 勾配を有していなければならないことが確認された。
第12図では、120で全体的に示す、変形されたカソード組立体が設けられる 。このカソード組立体は、複合磁石手段であって、全体的に121で示す磁石手 段を含み、この磁石手段は、軟磁性材料の環状壁123を有する磁石ハウジング 122と、アーム125に磁気的に結合された中央コアまたは磁極片124と、 アーム125に固定され、同様に環状壁123内に嵌合するカソードまたはター ゲット127の下側表面の真下に配置された磁極片126とを備える。
壁123は、カソード127の作用または活性表面と面一、またはほぼ面一をな す端面128を有する。軸131を駆動して、アーム125を所望通り回転させ るため、可変速度モータ130が設けられている。コイル133は、ハウジング および壁123を通る電磁界を発生するために使用される。
軸131が回転されると、磁極片126はカソード127の下面の種々の位置に 移動して、磁束流の向きを変調し、したがって、135で示すアーク経路を移動 させる。アーク経路は磁極片126の位置によって決定され、磁極片126は、 磁界の垂直成分がカソードの活性表面上で0になる場所を決定する。
したがって、アーム125の運動は、カソードの活性表面を横切ってアーク経路 135を走査的に動かす。アーク経路の大きさならびにその位置を設定するため に、複合磁石を使用することができる。カソードは複合材料から作ることができ る。
第13図には、141A、141B、141C,141D。
141Eおよび141Fで示す、異種材料からなる複数のインサートを有するカ ソードまたはターゲット140を示す。
これらのインサートの材料は、所望ならば、全て同じ種類の材料にすることもで きるが、または、135や152で示すようなアーク経路が、140で示すよう なカソードの表面上を移動するとき、異なる材料成分がカソードから放出される ように、各々を異なる材料にすることもできる。
第14図では、第13図に示すカソードと共に使用可能な、さらに変形されたカ ソードおよび磁極片組立体を142で全体的に示す。カソード140は磁石組立 体143内に装着され、磁石組立体143は円筒状外壁144を有し、壁144 はカソード140を壁144の外縁面145の近くに支持する。縁面145は1 つの磁極(N)を形成する。コイル146が壁144内に取りつけられ、支持板 148に磁気的に結合された中央磁極片またはファ147を取り巻(。また支持 板148は(例えば)6個の磁極片またはスパイダー状の補助コア149をその 上に有するので、磁極片149に対する磁気的結合が生ずる。
磁極片149は、第13図に示す個々のカソードインサート141A−141F と一線上に整列されることができる。
磁極片149Bおよび149Eが第14図に示されている。
これらの磁極片149の各々を、独立したコイル150によって取り巻くことが できる。コイル150は、前述のように動作される電源43等の独立した電源を 使って、選択的に励磁することができる。コイル150からの磁界は、152に よって示すアークの閉じた経路を、カソード140またはインサート141A− 141F上で制御することを可能にする。コイル150Bおよび150Eが第1 4図に示されている。
面145および磁極片149の端部を含む磁極の位置決めは、前述の電源に対す るプログラム制御の使用によってコイル150をプログラム通りに励磁すること により、152で示すアーク経路をカソード上の異なる個所に、かつカソードイ ンサートのそれぞれの上に位置させることができるようなものである。アーク・ トラックをインサート141A−141F上に順に位置させるため、コイル15 0が順に通電される場合は、多層膜の付着が容易に実現され、異なる材料からの 付着層の各々で多層コーティングを得ることができる。
アーク位置を制御するためのもう1つの方法は、電源40からアークへの全電流 を制御することである。アークの全電流が臨界電流I を超えたとき、アークの 分割が行なわれるに とは既知である。■ は、部分的にはカソード材料に左右され、■ をかなり超 える値にまでI を上昇させ、2つのC ・補助コイル150のうち、例えば第14図に示す2つの補助コイルに通電する ことにより、2個の予め選択されたインサート(この例では、第13図に示す1 41Bおよび141 E)で2本の独立に方向制御されたアークを発生すること ができる。このとき、合金または硬質化合物(eoaipound)の付着が可 能である。
コイル146に対する電流は基準磁界を発生させることもできるが、またアーク 経路制御のため変調されることも可能である。窒素等の反応ガスの導入を制御し た反応雰囲気の中で付着が行われる場合は、付着膜の硬度の制御を容易に実現す ることができる。アーク配置のため、第14図の装置を使って、第13図に示す ような複合ターゲットのカソードインサートの電気的選択が行われるときは、磁 極片145および149を軟磁性材料で構成するのが望ましい。支持部材148 または磁極片の部分は、所望ならば、全体的または部分的に強磁性材料、すなわ ち永久磁石材料で構成することができる。支持部材148は、コア147および コイル146に対して空隙を形成するように、材料上に支持される。
第15図は、前述した構成原理を適用した一層複雑な装置を示す。第15図では 、160で示す真空室は、その中に配置されたカソード組立体161と、カソー ドを取り巻き、図示のリング状アノードを形成するアノード162とを有する。
真空室は、容器の一部を形成する下部壁163を有する。本について、さらに十 分に示されている。外部リング164は、軟磁性材料から成る環状磁極片165 を装着するため使用される。磁極片165は、中央磁極片168を内部に有する 環状カソードまたはターゲット167の周囲に密閉リングを形成する内部溝16 6を有する。
水は外部スリーブ170に装着された管169に導入される。この水は溝166 に導入され、次に、管169とスリーブ170の間に形成された管状通路171 を通して排出される。水の制御は、所望される任意の形式の制御でよい。
アノード162およびカソード167は、概略的に示す適当なリード線を存し、 これらのリード線は適当な電源に接続されている。
本発明のこの形態では、カソードまたはターゲット167は、環状外部磁極片1 65の上面174および磁極片168の上面175と同じ高さにある上面173 を有する。カソード組立体161を構成するこれらの磁極片は、空隙によって底 壁163から離隔されるか、または非磁性材料上に支持されることができる。1 80で全体的に示す磁石組立体が、真空室の下部壁163の外側に設けられてお り、環状外部磁極片182および中央磁極片またはコア183を有する外部磁極 片組立体ハウジング181を備えている。
磁界制御用コイル184が環状壁182内に装着され、磁極片183を取り巻い ている。磁極片182および183は、185で全体的に示す平面上で終り、平 面185は真空室の底部壁163の下面から離隔されている。磁極片182およ び183は磁極片165および168にそれぞれ磁気的に結合されているので、 磁束がカソードにもたらされる。
スリーブ170は、概略的に示す/Xブにより、ビボ・ソトピン170Aに支持 された旋回アームまたは可動アームを備えるので、カソードはアノードとの整列 から外れるようにアノードに対して動かされることが可能である。アノードも、 所望の結果を得るため可動的に取りつけることができる。
補助制御コイル190がアノード162に隣接して装着され、磁極片165を取 り巻き、さらに、前述したような電源に接続する適当なリード線を有する。補助 コイル190は、コイル184を励磁することによって発生されるアーク経路の 大きさの変化に伴なうアーク・インピーダンスの変化を相殺するように励磁され る。コイル184によって発生され、維持される変調磁界は、確立されたアーク ・トラックまたはアーク経路に従いながら、アークにカソードを掃引させるため に使用される。アーク経路を191で示すが、このアーク経路は、コイル184 によって発生される磁界を変化させることにより、その大きさおよび位置を変化 させることができる。アーク経路の直径は、カソード表面上のアーク腐食領域を 分散させるため、コイル184を使って変えることができる。
補助コイル190は、所望に応じて、アーク・インピーダンスの変化を相殺する ために使用することができ、さらにまた、定電圧が供給されたとき、アーク電源 を調節することなしにアーク電流を変えることが望まれるならば、アーク・イン ピーダンスを変えるために使用することができる。これと同じ効果をコイル30 で得ることもできる。定電圧が使用されるときは、インピーダンスの変化はアー ク電流を変化させる。アーク電流の変化は、アークがその閉じた経路を移動する 速度の変化に影響を及ぼすので、補助コイルに対する電流制御は、アノードの実 効的位置を変える方法、すなわちアーク・インピーダンスを変える方法を提供す る。
カソードが、持続的動作によって一旦消耗された場合は、揺動アームまたはスリ ーブ170を用い、カソード組立体を揺動させてずらすことにより、アーク発生 は終了させられ、その後、次のカソード組立体を揺動させて所定の場所に装填し 、アークを点火し、方向を制御して膜付着を継続し、厚い膜付着を確実にするこ とができる。
図示の磁極片組立体を含む磁石手段は軟磁性材料、強磁性材料および複合磁性材 料から構成することができる。永久磁石を電磁石と組み合わせることができる。
カソードの作用表面上に閉じたアーク経路を確立する際にも、カソードの厚みが もはや重大な制限にはならないような方法で、カソードをまたいで磁極が配置さ れる。このことは、磁極の少なくとも1つを、作用表面であるカソード表面の平 面に接近して、高く保持することによって実現される。機械的運動および真空の 破壊なしに、カソード表面上でアーク経路を選択し、かつ制御する能力が本発明 の特徴である。
開示したように、基板または部品上への合金付着コーティングは、アーク経路の 大きさを急速に変調することによって得られる。このことは、アーク経路を限定 する磁石手段の磁界の位置を変化させることにより実現される。合金組成は予定 の基準で連続的に変化させることができる。アークの装荷率、すなわち複合材料 からできてはいるが、単一のカソードを使ってアーク経路の寸法を制御すること によってアーク滞留時間を変えることは、コーティングの組成の変動をもたらす 。弁16を調整することによって、ガス源15から反応ガスを付着用真空室に導 入することは、広範な合金化硬質化合物の形成を可能にする。
また、同じ材料のカソードの一部を、コーティングが付着されるべき基板または 部品とすることにより、高品質の基板−付着膜界面を得ることが可能である。言 い換えると、基板は基板と同じ材料の膜の初期付着を有することができ、次に、 膜またはコーティングはコーティングを厚くするための所望の合金に切換えられ ることができる。部品または基板とコーティングの間の改善されたインターフェ ースは、例え。
ば、基板または部品および膜の熱膨張係数がかなり異なるときに有利である。こ のようなことは、窒化チタン、窒化ジルコニウム、炭化チタン等の硬質化合物が 金属またはポリマー基板上に付着されるときに起こる。
高品質の界面を確実にするために、アークが点火され、アーク経路が完全に複合 カソードの基板材料部分内にあるように、前述のように選択される。例えば、複 合カソードが第2図に示すような中央部分を有し、部品または基板と同じ材料か ら成る場合は、アーク経路が完全にカソードの部分51内にあるように磁界が制 御される。それから、コイル30に対する電流と共に、磁石手段のコイルに対す る電流の大きさを変えることによりアーク経路の寸法が変えられる。
コイル30はまた、アークがカソードの材料の各部分に部分的にある経路に従う ように、アーク電流制御のみならず経路制御をも達成する。
次に、カソードの第2の部分または外側部分50から付着される膜に対する寄与 がますます増大するように選択されるので、予定の時間期間にわたって、基板に 付着されるコーティングの組成が、基板−膜界面から、主としてアーク経路寸法 の変調によって選択された硬質コーティングに、最終的に変化する。
改善された界面の厚みは、アークが一方のカソード部分から他方のカソード部分 に移動される時間時期を変えることによって制御される。アーク経路の大きさを 、相異なる構成成分の複合ターゲットまたはカソードの間で急速に変え、かつア ーク経路を一定の予定時間時期の間カソードの各部分に滞留させることにより、 多層膜の付着がもたらされる。
言い換えると、多種材料カソード、およびアーク経路を厳密に制御する能力を有 することにより、付着されようとしているコーティングのための所望の構成成分 が得られるように、アーク経路を所望通りにときどきカソードの一つの部分から 他方の部分へ、単に移動するだけで、多層膜を付着させることができる。多層コ ーティングの層間の改善された界面は、基板材料と膜との間の改善された界面を 得る方法として前述したのと同じ方法で得ることができる。
カソードを形成する部材に対するアーク経路の位置を変えることがこの構造を可 能にする。従来技術と比べた利点は、複合ターゲットでのカソード材料の特定の インデックシングまたは方向づけが必要とされないことである。言い換えると、 カソードは、従来技術に示されるように、正確な位置に構成される必要はない。
何故ならば、アーク経路は磁気的に位置決めされることができ、したがって高価 な材料が複合カソードの、より小さな領域を占め、その使用を経済的なものにす ることができるように、カソードを形成する種々の材料を配置することができる からである。
従来技術の方法であるマグネトロン・スパッタリングは、印加される磁界の変化 により、付着される膜の組成上の変化を得ることを可能にする。マグネトロン・ スパッタリング技術では、コーティングの組成を変えるため、複合ターゲット上 の異なる領域でスパッタリング比率を変えるように、電子の軌道を再指向させる 。これに対し、本発明では、大電流、低電圧のアーク放電のアーク根部(roo t)が制御され、動かされるが、このことはイオン運動(ton motion )に対する制御を必要とする。磁界を使用することにより、本発明の装置および 方法では、複合カソードの特定領域を蒸気源として完全に不活性にすることがで きる一方、他の部分は蒸気源として使用することができる。このことは、変調さ れた磁界を用いるマグネトロン・スパッタリングでは行うことができない。
アーク位置を正確に制御することにより、カソード上の所望の材料から蒸気を特 定的に得る能力は、単一の複合カソードから、明らかに異なる多層コーティング の付着を可能にする。アーク経路および軌道の寸法は、本書で開示されるように 制御される。
前述のように、規定されたアーク経路でのアーク速度は、垂直成分が0になる場 所でのカソード表面に平行な磁界成分の大きさに部分的に依存し、一方、垂直成 分が0である点はアーク経路を規定する。カソードに平行な磁界成分(「平行磁 界」という)の値を選択することにより、毎秒数メートルから数10メートルの アーク速度を得ることができる。
また、閉じた経路を繰り返して横切るようにアークを方向制御することにより、 アーク経路に沿ったカソードの温度が、浅い溶融トラックまたは経路を形成する のに十分なだけ上昇させられる。溶融トラックは、形成される蒸気中に大きな粒 子が形成されるのを抑え、したがって、高品質で均一なコーティングをもたらす 。このことは望ましいことであり、結果として、経路とカソード表面の残り部分 との間で異なる蒸気圧分布を生じさせ、このことが磁界分布のみによって最初に 発生されたカソード表面上のアーク経路を安定化するのに役立つ。アーク経路で の蒸気圧分布は、アークが確立されたアーク経路に継続的に従う傾向をもたらし 、アーク経路が制御状態に保たれるのを助ける。蒸気圧は、連続したアーク放電 を得るのを助ける。
第8図で、曲線102の、垂直軸に沿った値(B)は平行磁界の値を示す。点1 02Aおよび102Bでは、平行磁界の値は最大であり、垂直磁界は0である。
点102Aおよび102Bにおける大きな値は、磁石手段によって確立されたア ーク経路での大きなアーク移動速度を保証する。
従来技術では、同じトラックまたは経路に対して広幅にされたアーク動作があり 、材料の著しい局部的な蒸発損失があったので、深い溝が急速に形成され、その 結果、カソードの使用が非効率的になっていた。
例えば、第1図で、永久磁石磁極片または基準電流コイル26を使って、図示の N極およびS極(第3図および第4図にも示すような)を通るアーク・トラック を発生する場合は、プログラムおよび電源43の使用によってコイル26に対す る電流を付勢および変化させることは、元の磁界に重ねられるか、または元の磁 界とは異ならせられた重畳(charged)磁界を生じるであろう。この効果 は、第10図および第11図に示した、アーク経路の位置の変化によって明らか である。
コイルの磁界が永久磁石の磁界とは反対であるか、または基準磁界を減少させる ものである場合には、アーク経路を一層小さくする。これと反対に、磁石手段の 一部を形成するコイル26を流れる電流の方向を適切にすることにより、助長磁 界(または、増大された磁界)を印加すると、第10図の上部曲線113により 示すような、一層大きなアーク・トラックを生じる。変調されていない元の磁界 は中間の曲線104に対応し、結果として生じる経路は第11図のリング104 によって示される。
プログラム制御装置44を使って、磁石電源43からコイルに供給される電流を 制御することにより発生される変調磁界は、アーク経路の大きさを制御する。し たがって、プログラム制御装置44を使って所望のパラメータの間で磁界を変調 することにより、カソードターゲットでの溝の形成を防止する。
磁極組立体21が強磁性材料なしに(すなわち、どのような永久磁石をも使わな いで)作られた場合は、アーク経路が、最初に発生されたときに、完全にカソー ド表面上にあるように、十分な大きさの初期電流IOがコイル26または図示の 他のコイルに供給される。それからアークが点弧され、アークは予め選択された 軌道または経路に沿って捕捉され、この軌道に沿って方向制御される。同様に、 前記経路でのアーク移動の速度は、平行磁界成分によって制御される。この経路 に一旦溶融トラックが生じることによってアークが安定化されると、コイル26 、または使用される他のコイルに供給される電流が、第10図および第11図に 説明的に示すアークの経路を変更するように変調され、カソード使用効率を向上 させる。
第3図、第5図、第6図および第7図に示すカソード組立体の磁極片組立体は、 第8図に示す垂直磁界を発生する働きをし、コイル26または62に基準電流を Io供給することにより、同じ種類の磁界を、第1図および第4図に示す構造で 得ることができる。これら2つの図において、基準電流Ioがない場合は、アー クは制御不能にふらつき、実際に、カソードの側面に移動する可能性がある。こ のときは、膜の汚染および(または)装置の損傷が起こる可能性がある。したが って、システム設計が、第1図および第4図のカソードおよび磁極片構成に従う 場合は、基準電流工。の使用が望ましい。
第3図、第5図、第6図および第7図に示す永久磁石は、基準電流の必要性を相 殺するためのものである。何故ならば、磁界の垂直成分、すなわち、カソードの 作用表面に垂直な磁界成分が0になる位置に、アーク・トラックを規定する固定 磁界を、前記永久磁石が発生するからである。それらの図に示すような永久磁石 の使用は、装備されたコイルが接続される電源の故障の場合のフェイルセイフ設 計である。この危険は、永久磁石が備えられていない第1図、または第4図に示 すような設計にとって、避けることのできない固有のものである。
アーク方向制御磁界が変調されるとき、すなわち、磁界が、第10図に示す形で 変調されるとき、アーク・インピーダンスは、補助コイル30または190が励 起されるときと同じように、印加されるバイアス磁界に応じて増大または減少さ れる点に注意すべきである。負の傾斜をもった電流電圧負荷線を有するアーク溶 接電源等の通常のアーク電源、およびそれらの変形が使用されるときは、アーク の電圧および電流は共に、印加されたバイアス磁界と共に変動する。
定電力アーク電源が使用されるときの、このアーク電圧および電流の変動を相殺 するため、アノードを半径または軸方向のいずれか一方、または両方向に動かし てアーク電流/電圧変動を最小にすることかできる。アノードの運動は、この目 的を達成するためには、カソードに対し相対的なものである。しかし、定電流お よび定電圧をもたらす安定化電源の使用は、定電圧または定電流でのアーク電源 の動作を可能にし、アノード運動の必要性をなくする。したがって、この種の電 源が好ましい。
電源45およびプログラム制御装置46によって電力を供給され、30または1 90で示すような1個または複数の2次コイルによってアノードの近傍で発生さ れた補助磁界は、カソード表面上のアーク経路を変化または変調させるのに有利 なことが多い。補助コイルはまた、変動するアーク・インピーダンスに起因して 生じる影響を最小にするのに役立つが、そのような補助コイルは、本明細書に開 示した、方向制御されたアーク・コーティング方法および装置の動作にとって、 絶対に必要なものではない。前述したように補助コイル30または190によっ て発生された磁界を使ってアーク・インピーダンスを制御することができるが、 このことは、アノードを移動させるか、またはアーク電源を制御してアーク電流 を変化させるときと同じ結果を実効的に与える。
所望ならば、真空室の壁または補助壁をアーク発生源のアノードにすることがで きることは、注目されるべきである。
第12図に示した構造は、簡単で通常のアーク溶接電源が使用される場合に有用 である。構成要素(アーム)125上に載置された磁極126の運動は、第12 図に示したアーク・トラックを得るように、磁束を再指向させるであろう。その とき、130で示した電気モータと同様に、水またはガス動力モータを使っても 、カソード作用表面を横切るアークの掃引を行うことができる。前述と同じ方法 で、コイル133に供給する電流を制御することにより、第12図に示す構造で 、アーク経路の変調も実現することができる。
永久磁石が使用される場合は、永久磁石からの磁界を変えるためにコイル電流が 使用され、もしも初期磁界を発生するため基準電流l。が使用される場合は、そ の電流の変化を使って所望の変調が得られる。磁極片組立体の変形を第12図の 装置でも行うことができ、その場合は、磁石手段の一方の磁極が動かされ、図示 のように、アーク経路に対する制御機能を失うことなしに、環状壁を形成するN 極に対して中央のS極が動かされる。図示の全ての場合において、アーク経路に 対する制御機能を失うことなく、N極およびS極を、図示のものから反転させる ことができる。
運動リンケージを変えることによって得られるサイクロイド運動等の、既知の運 動発生装置を使って、もっと複雑な運動を一方の磁極に関連して他方の磁極に与 えることができる。
ゼネバ機構、または割出し組立体も、使用可能な機械的リンケージの他の形態で ある。
第13および第14図に示す装置を使って種々のコーティング組成および多層コ ーティングを得ることについても説明した。第14図に示す装置で、それぞれが 磁極片組立体の個々の磁極または磁極片を取り巻いている、複数のコイルを選択 的に励磁することは、アークを方向制御してそれを所望の個所に位置決めし、次 にそれをカソードインサートの一つにおけるアーク経路内に捕捉することを可能 にする。コイル146を流れる電流を変化させることにより、実効的なアーク経 路を変調することができる。前述したように、臨界電流I。を超える過大なアー ク電流が供給されると、アークは分裂する。
第14図の装置の適当な磁気コイルを適切に励磁することにより、使用される磁 極がカソードにまたがり、選択された時間ニ厚いカソード上でのアーク経路制御 を可能にし、第2または第3の閉じたアーク経路をカソード表面上で規定するこ とができる。
好ましい実施例と関連して本発明を説明したが、当業者は、本発明の精神および 範囲から逸脱することなしに形式および細部において変更をなすことができるこ とを認識するであろ困my(。
国際調査報告 国際調査報告 USε802500 : −−−WO二合二号乙?巳ツー−−−−=−oニニ玉?二一−一一−−合? 二合二−−−2ニジ二−−−−費二三?ニニ乙 1

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.活性表面を有するカソードターゲットと、アノードと、上記カソードに隣接 して取りつけられた磁石手段とを備え、上記カソードターゲットとアノードの間 で、カソード活性表面上にアークが形成され、上記磁石手段は、上記カソードに 対して環状トラックを形成する1つの磁極を表わす環状磁極片と、上記環状トラ ック内に配置され、前記カソードの活性表面を横切って磁界を発生する第2の磁 極片とを含み、前記カソード活性表面上では、カソード活性表面に垂直な磁界成 分が前記表面上でほぼ0になる閉じた経路を規定し、かつその中でアークを強制 移動させるための閉じた経路を形成する点の軌跡にそってアークが生成され、 さらに磁界を調節して、上記カソードの表面上で磁界の垂直成分が0になる上記 閉じた経路の位置を変えるためのコイル手段を備えたことを特徴とする、アーク 付着技術を使ってコーティング膜を基板上に付着させるための装置。
  2. 2.上記カソードが外周縁面を有し、上記環状磁極がカソード周縁面を取り巻く 請求の範囲第1項記載の装置。
  3. 3.上記磁石手段が、上記環状壁内に配置され、かつ上記第2の磁極片を取り巻 くコイルを含む電磁石からなる請求の範囲第1項記載の装置。
  4. 4.上記環状壁が磁極を形成する縁面を有し、上記縁面はカソード活性表面とほ ぼ同じ高さにある平面上で終端している請求の1項記載の装置。
  5. 5.上記磁石手段が、上記環状壁から成る永久磁石を含み、磁界、したがってア ーク経路の位置を変えるための上記手段が電磁石コイル、および上記コイルに対 する電流を制御して所望の磁界の向きを実現するための手段から成る請求の範囲 第1項記載の装置。
  6. 6.上記カソードがほぼ平坦な円板形状であり、かつカソードの平坦面に沿った 平面を有し、上記磁石手段が上記カソード平面にほぼ平行な円板磁石を含み、か つ上記第2の磁極片が装着されてそれと磁気的に結合された中央開口部を有し、 上記円板は上記環状壁と連絡した磁気回路内に外周縁を有する請求の範囲第2項 記載の装置。
  7. 7.上記カソードが、各々互いに異なる材料から成る少なくとも2つの独立した 部分から成り、上記アーク経路は、上記カソードの上記独立した部分の複数を、 少なくとも部分的に通過するように、選択的に制御可能である請求の範囲第1項 記載の装置。
  8. 8.上記磁石手段が、上記カソードを取り巻く環状壁に磁気的に結合された第1 および第2の磁極を有する独立した電磁石から成り、上記電磁石は、カソードが 取りつけられている室の外側に配置された請求の範囲第2項記載の装置。
  9. 9.カソード活性表面に垂直な磁界成分の勾配を、磁界成分が0になる場所で、 5ガウス/mm以上に設定するための手段を備えた請求の範囲第1項記載の装置 。
  10. 10.アノードと、相当な厚み、およびアークが形成される活性表面を有する板 状カソードとの間にアークを発生させること、 カソードを取り巻く第1の環状磁極を配置し、上記第1の磁極の周縁部内で中央 に配置された第2の磁極を設けることにより、その位置ではカソードの活性表面 にほぼ垂直な磁束が実質上0の値を有する、閉じた経路を形成するような磁界を 発生すること、および 磁界がカソード上の所望の位置で、規定されたアーク経路をもたらすように発生 されるように、前記磁界を制御することから成ることを特徴とする、室内の基板 上にアーク付着コーティングを形成する方法。
  11. 11.第1の環状磁極内に配置された電磁石コイルに対する電流を調節すること により、磁界の強さを変えることを含む請求の範囲第10項の方法。
  12. 12.カソードの下側の所望の位置の、上記第1の磁極によって規定された周縁 部内に、複数の第2磁極片を設け、上記第2の磁極片の各々の回りに独立したコ イルを設け、磁界およびアーク経路をカソード活性表面上の所望位置に調節する ように、所望の方法で上記コイルの各々の電流を制御するステップを含む請求の 範囲第10項の方法。
  13. 13.アノードとカソードの間で発生されたアークのインピーダンスを調整する ように、磁界を制御するステップを含む請求の範囲第10項の方法。
  14. 14.それぞれが異なる材料から成る少なくとも2つの部分を有するカソードを 設け、かつ上記カソード部分に対して所望の相対位置になるように、カソード上 のアーク経路の位置を制御することにより、カソード上でのアーク経路の位置の 関数として密度が変化するアーク放電からの蒸気を発生するステップを含む請求 の範囲第13項の方法。
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