JPH0357935B2 - - Google Patents
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- JPH0357935B2 JPH0357935B2 JP19091681A JP19091681A JPH0357935B2 JP H0357935 B2 JPH0357935 B2 JP H0357935B2 JP 19091681 A JP19091681 A JP 19091681A JP 19091681 A JP19091681 A JP 19091681A JP H0357935 B2 JPH0357935 B2 JP H0357935B2
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- Japan
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- acid
- water
- hydrophobic
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Description
本発明は比較的孔径の大きい疎水性多孔膜製造
用ドープに関するものである。更に具体的に述べ
るならば、殆んど同一の溶媒組成物及び凝固溶媒
を用いて、種々の疎水性高分子の多孔質性成形品
を製造するためのドープに関するものである。 従来、疎水性高分子の多孔質性成形品は、疎水
性高分子をその良溶媒に溶解し、その良溶媒と混
合し得る該ポリマーの非溶剤に浸漬し、ポリマー
中を良溶媒又は非溶剤が通過し、除去される事に
よつて多孔質性化する方法、又は、疎水性高分子
溶液に、それに溶解し得る無機塩や液状ポリマー
を添加し、その凝固時に無機塩や液状ポリマーを
除去することによつて多孔性化する方法、又は、
疎水性高分子溶液にその非溶媒を直接添加し、こ
れによつてミクロ相分離を生じせしめた液を用い
て湿式製造したり疎水性高分子溶液を流延後、こ
れを非溶剤雰囲気に置き、ミクロ相分離を生起さ
せる方法などによつて製造されることが知られて
いる。しかしこの方法は製膜時の条件設定が困難
である。一方、疎水性高分子を比較的低沸点溶媒
に溶解し溶媒蒸発法にて成形後電子線等を照射し
て多孔化する方法がある。これら従来の方法では
比較的大きな孔、例えば1000Å以上の孔を均一に
生じせしめる事は困難である。又、上記した湿式
製造法によつて疎水性高分子の多孔質性成形品の
製造に用いる非溶剤は、通常経済的見地より水と
かアルコール類のような安価な溶剤であることが
一般的である。従つて疎水性高分子の溶剤として
は、水やアルコール類と相容するアミド類、スル
ホキシド類、ケトン類、エステル類、エーテル
類、フエノール類、カルボン酸類、ラクタム類等
に限定される。得られる疎水性高分子の孔径を制
御するために疎水性高分子溶液中に組み入れられ
る第三成分、例えば無機塩を溶解し得るのは、上
記のうちのアミド類、スルホキシド類、カルボン
酸類、フエノール類だけであり、しかも金属塩の
これら溶媒に対する溶解度は小さく、金属塩を混
合溶解させて多孔膜を得たとしても、その平均孔
径はせいぜい500Å以下であつて、これよりも大
孔径の多孔質性成形品を製造する事は難しい。
又、上記の第三成分として水やアルコールに可溶
なポリマーで、かつ、疎水性高分子の溶媒に混合
し、強度的にも有用な該疎水性高分子の多孔質性
成形品を与え得るポリマーは少なく、液状のジオ
ール型ポリマーを利用するのが一般的である。し
かし、これらには、疎水性高分子の水での凝固過
程で成形された膜からの除去性が悪いという欠点
があり従つて孔径制御の役をなさない。一般に水
を凝固浴とする観点から、水可溶性高分子を孔径
制御剤として用いる事が考えられるが従来技術及
び知見では不可能に近いとされていた。つまり、
水に溶けるポリマーが同時に目的の多孔質性成形
品を与える疎水性高分子を溶解する有機溶媒に溶
解する例は稀であり、例え、水可溶性ポリマーを
水に溶解し、これを疎水性高分子溶液に強制的に
混合出来たとしても溶液はゲル化し相分離がはげ
しく、とても多孔質性成形品の製造用原液とはな
し得ない。又、疎水性高分子の溶媒と、非溶媒で
ある水を分離し、溶媒を再利用するには、かなり
のコストを要する。いわんや、上記溶媒、非溶媒
の混合液を簡単な操作で完全分離することなく再
度利用することは従来技術をもつてしては不可能
に近い。 本発明者等は比較的孔径の大きな、例えば、
1000Å以上の均一な孔径をもつ疎水性高分子多孔
質性成形品の湿式製造に於ける上記従来技術の欠
点について鋭意検討した結果、おどろくべき事に
極めて経済的にしかも同一溶媒、同一非溶媒の組
合せで種々の疎水性高分子及び水可溶性高分子を
溶解する方法を見い出すとともに、疎水性高分子
多孔質性成形品を製造する事に成功し、本発明を
完成したものである。 本発明を詳述すると、本発明は、種々な疎水性
高分子を、溶解し得る共通溶媒組成物に溶解し、
更に前記した共通溶媒組成物に溶解し得る水溶性
高分子との混合液を疎水性高分子多孔質性成形品
の製造ドープに関するものであり、特に、水の如
き安価な溶媒を凝固非溶媒とし該水溶性高分子を
除去し去る事を特徴として得られる種々の疎水性
高分子多孔質性成形品用ドープに関するものであ
る。更には、凝固非溶媒/疎水性高分子の溶媒/
水溶性高分子よりなる製造残液を濃縮等の簡単な
操作で再び疎水性高分子及び水溶性高分子の溶媒
となし得る事を特徴とする疎水性高分子多孔質性
膜の製造用ドープに関するものである。 本発明の最大の特徴して最大の作用効果を発現
する事項は、疎水性高分子と水溶性高分子を同時
に溶解する溶媒組成の発現にあり、しかもその溶
媒組成が水の如き安価な非溶媒に相容する点にあ
る。本発明の多孔質性成形品製造用ドープに用い
られる溶媒は、ハロゲン化酢酸、例えばモノクロ
ル酸、ジクロル酸、トリクロル酢酸、モノフルオ
ロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、モ
ノブロム酢酸、ジブロム酢酸、トリブロム酢酸及
びそれらと水の混合物である。特に水との混合物
が種々の疎水性高分子の溶媒となることは従来知
られておらず、この点が水溶性高分子との混合過
程で有利な点となる。勿論、前述の如く上記溶媒
群及びそれらと水の混合溶媒は多くの水溶性高分
子をも溶解する。上記溶媒群と水との比率は該混
合物中に占める水の量が4〜60重量%である必要
がある。60重量%以上になると、多孔質性成形品
基材となる疎水性高分子を溶解しない。他方ハロ
ゲン化酢酸がモノクロル酢酸の様に常温で固体の
場合には、水は溶媒組成中の重量%で4%以上必
要である。又、トリフルオロ酢酸の様に水を全く
必要とせずに疎水性高分子および水溶性高分子を
溶解し得る場合でも、水を凝固非溶媒とする限り
に於いては、水との混合物として利用する方が、
溶媒の再利用の点でコストが低減される。 本発明のドープに用いられる疎水性高分子、つ
まり本発明に云う多孔質性成形品基材としては、
置換度1.0以上の疎水性側鎖をもつセルロースエ
ステル類、例えば、セルロースアセテート、セル
ロースプロピオネート、セルロースブチレート及
びそれらの混合エステル、置換度1.0以上の疎水
性側鎖をもつセルロースエーテル類例えば、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、置換度1.0以
上のセルロースカルバミン酸誘導体エステル類例
えばセルロースカーバニレート、置換度1.0以上
のセルローススルホニレート類例えばドールセル
ロース、ポリペプチド、更に合成疎水性高分子と
してポリアミド、ポリエステル、ポリエステル型
ウレタン、ポリエーテル型ウレタン、ポリエステ
ルエーテル、ポリエステルポリアミド等が好適に
用いられる。一方、最終成形膜より除去されるべ
き水可溶性高分子としては、置換度0.35以上のイ
オン性側鎖をもつセルロース誘導体、例えば、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセ
ルロース、カルボキシエチル−カルバモイルエチ
ルセルロース及びそれらの塩、置換度0.35以上の
ヒドロキシル残基を側鎖にもつセルロース誘導
体、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチ
ルセルロース等、又、置換度0.4〜0.95の上記以
外のセルロース誘導体、例えば、シアノエチルセ
ルロース、カルバモイルエチルセルロース、セル
ロースアセテート等がある。更に、合成水溶性高
分子としては、ポリアクリルアミド、ポリアクリ
ル酸及び塩、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、その他天然物として、アルギン酸及
び塩、グアーガム類等が好適に用いられる。上記
の疎水性及び水可溶性高分子群は前に記した本発
明のドープに用いられる溶媒群のいずれかを選択
する事によつて任意の組合せの製造用ドープとな
し得る。しかし勿ら最終的には疎水性高分子の多
孔質性成形品を得る為、該ドープ中には疎水性高
分子100重量部に対し、水可溶性高分子が2〜150
重量部の比率で混合されるのが適当である。水可
溶性高分子の量が2重量部以下では得られる成形
品の多孔質性は極度に低下し、150重量部以上で
は得られる成形品は、機械的強度の点で劣る。本
発明のドープの調製に当つては、疎水性高分子と
水可溶性高分子を前記のいずれかの溶媒に同時に
溶解してもよく、又、別個に同一溶媒成分を含む
組成物に溶解した高分子溶液を混合してもよい。
疎水性高分子の溶解に当つては加熱操作を必要と
する事もある。この様にして得た本発明のドープ
の均質性は当然、使用する疎水性高分子と水可溶
性高分子との相容性によつて定まる。場合によつ
てはミクロ的に相分離する原液を得る事も出来
る。ドープの均質性及び水溶性高分子の均質的除
去、つまり、得られる多孔質性成形品の均一な孔
径分布を得るためには、ドープ中の疎水性高分子
と水可溶性高分子の適切な組合せを選択すること
が好ましい。好ましい組合せは限定的ではない
が、例えば、疎水性高分子がセルロース誘導体の
場合、水溶性高分子もセルロース誘導体の中から
選択される。疎水性高分子がポリアミドやポリウ
レタンの場合には、水溶性高分子として、ポリア
クリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール等から選択される。均一なドープと
しては、例えば任意の割り合いに混合した置換度
2.4のセルロースアセテートとカルボキシエチル
セルロースナトリウム塩を重量比50/50のモノク
ロル酢酸/水混合溶媒に溶解した物や、ポリアミ
ドとポリビニルアルコールを重量比で80/20のモ
ノクロル酢酸/水混合物に溶解したもの、ポリエ
ステルと水溶性セルロースアセテートを重量比で
96/4のトリフルオロ酢酸/水に溶解したもの等
があげられる。用いる疎水性高分子の重合度は通
常100以上のものが好適である。水溶性高分子の
重合度は目的の疎水性高分子多孔性膜の孔径に依
つて適宜選択される。一般的には重合度10以上あ
れば良い。上述の如くして得た製造用ドープは、
疎水性高分子の非溶媒でかつ水溶性高分子の良溶
媒中で処理される。かかる非溶媒としては、水、
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水/アル
コール混合液等を用い得る。しかし、本発明のド
ープに用いる疎水性高分子の共通非溶媒は水であ
り、しかも、水が水溶性高分子の最も良い溶媒で
あり、又最も安価である。又、製造ドープが水を
一成分とする事が出きるため、非溶媒としては水
が最適である。更に水を凝固非溶媒とする事に依
つて、製造ドープを水で凝固しハロゲン化酢酸及
び水溶性高分子が溶解混入した残液は、水を濃縮
しただけで、水溶性高分子を溶解したハロゲン化
酢酸/水溶液となり、再び疎水性高分子を溶解す
ることができ、これにより製造ドープが得られ
る。この事は孔径製御剤としての水溶性高分子
が、当初の負荷だけで済む事を可能にし経済的効
果は計り知れない程大きい。 以下、実施例によつて、本発明を説明するが、
本発明の範囲はこれに限定されるべきものではな
い。 実施例 1 本実施例はセルロースアセテート(DS=2.46)
の有用な多孔性膜及びその製造法を例示する。 モノクロル酢酸/水の混合比が1/1の混合溶
媒にセルロースアセテート(DS=2.46、平均DP
=170)を常温で加え撹拌するだけで12wt%の透
明溶液()を得た。 一方、上記、同一組成混合溶媒12wt%となる
様に、カルボキシエチルカルバモイルセルロース
(原セルロースDP=900、TotalDS=0.52、カル
ボキシル;0.35、カルバモイル;0.17)を溶解
し、透明溶液()を得た。 これらの溶液(),()はいかなる割り合い
でも透明性を失うことなく相溶した。溶液()
の1重量部に対し溶液()の0.1,0.3,0.5重量
部を混合した3種の製膜原液をそれぞれガラス板
上に流延後、水に浸漬した所、すべての場合で失
透膜が得られた。よく水洗後、乾燥し、これら膜
の走査型電子顕微鏡写真を観察した所すべて平均
孔径1000Å以上膜である事が判かつた。一方、溶
液()のみをガラス板上に流延後、水に浸漬、
水洗、乾燥した所、やはり失透膜を得たが、電子
顕微鏡では孔の平均径は300Å程度であつた。本
発明で得た膜中の残留水溶性ポリマー量をIR(赤
外分光)及びCHN(原子分析)を定量した所、殆
んど残留は認められなかつた。 実施例 2 本実施例は99重量%の蟻酸中に8.4重量%の割
り合いで溶解した場合の相対粘度が36であるナイ
ロン6より有用な多孔膜を製造する方法を例示す
る。 上記ナイロンをモノクロル酢酸/水(重量比、
9/1)混合溶媒に8重量%の割に室温で溶解
し、他方、同一組成の溶媒に溶解した同一濃度の
ポリビニルピロリドン(岸田化学製、分子量
10000)、ポリアクリルアミド(岸田化学製)、ポ
リビニルアルコール(岸田化学製、けん化度86.5
〜89mol%、分子量約24000)、平均分子量()
31000のセルロースジアセテートより酸加水分解
で得たDS=0.49のセルロースアセテート溶液を
調製した。それぞれを、上記ナイロン溶液と9:
1の重量比を混合し均一な製膜原液を得たこれら
原液をガラス板上に流延後、同一条件で水に浸透
後、乾燥し失透膜を得た。電子顕微鏡による観察
から得られた膜の平均孔径は、水溶性高分子とし
てポリビニルピロリドンを用いた場合700〜800
Å、ポリアリルアミドを用いた場合1000Å〜1400
Å、ポリビニルアルコールを用いた場合は900〜
1000Å、セルロースアセテートを用いた場合は
1000〜1500Åであつた。他方、上記ポリアミド溶
液から水を凝固剤として得た膜の平均孔径は400
Å以下であつた。 実施例 3 本実施例は水を凝固溶媒とした場合に有用な多
孔質性成形品を与えるドープ組成を例示する。
用ドープに関するものである。更に具体的に述べ
るならば、殆んど同一の溶媒組成物及び凝固溶媒
を用いて、種々の疎水性高分子の多孔質性成形品
を製造するためのドープに関するものである。 従来、疎水性高分子の多孔質性成形品は、疎水
性高分子をその良溶媒に溶解し、その良溶媒と混
合し得る該ポリマーの非溶剤に浸漬し、ポリマー
中を良溶媒又は非溶剤が通過し、除去される事に
よつて多孔質性化する方法、又は、疎水性高分子
溶液に、それに溶解し得る無機塩や液状ポリマー
を添加し、その凝固時に無機塩や液状ポリマーを
除去することによつて多孔性化する方法、又は、
疎水性高分子溶液にその非溶媒を直接添加し、こ
れによつてミクロ相分離を生じせしめた液を用い
て湿式製造したり疎水性高分子溶液を流延後、こ
れを非溶剤雰囲気に置き、ミクロ相分離を生起さ
せる方法などによつて製造されることが知られて
いる。しかしこの方法は製膜時の条件設定が困難
である。一方、疎水性高分子を比較的低沸点溶媒
に溶解し溶媒蒸発法にて成形後電子線等を照射し
て多孔化する方法がある。これら従来の方法では
比較的大きな孔、例えば1000Å以上の孔を均一に
生じせしめる事は困難である。又、上記した湿式
製造法によつて疎水性高分子の多孔質性成形品の
製造に用いる非溶剤は、通常経済的見地より水と
かアルコール類のような安価な溶剤であることが
一般的である。従つて疎水性高分子の溶剤として
は、水やアルコール類と相容するアミド類、スル
ホキシド類、ケトン類、エステル類、エーテル
類、フエノール類、カルボン酸類、ラクタム類等
に限定される。得られる疎水性高分子の孔径を制
御するために疎水性高分子溶液中に組み入れられ
る第三成分、例えば無機塩を溶解し得るのは、上
記のうちのアミド類、スルホキシド類、カルボン
酸類、フエノール類だけであり、しかも金属塩の
これら溶媒に対する溶解度は小さく、金属塩を混
合溶解させて多孔膜を得たとしても、その平均孔
径はせいぜい500Å以下であつて、これよりも大
孔径の多孔質性成形品を製造する事は難しい。
又、上記の第三成分として水やアルコールに可溶
なポリマーで、かつ、疎水性高分子の溶媒に混合
し、強度的にも有用な該疎水性高分子の多孔質性
成形品を与え得るポリマーは少なく、液状のジオ
ール型ポリマーを利用するのが一般的である。し
かし、これらには、疎水性高分子の水での凝固過
程で成形された膜からの除去性が悪いという欠点
があり従つて孔径制御の役をなさない。一般に水
を凝固浴とする観点から、水可溶性高分子を孔径
制御剤として用いる事が考えられるが従来技術及
び知見では不可能に近いとされていた。つまり、
水に溶けるポリマーが同時に目的の多孔質性成形
品を与える疎水性高分子を溶解する有機溶媒に溶
解する例は稀であり、例え、水可溶性ポリマーを
水に溶解し、これを疎水性高分子溶液に強制的に
混合出来たとしても溶液はゲル化し相分離がはげ
しく、とても多孔質性成形品の製造用原液とはな
し得ない。又、疎水性高分子の溶媒と、非溶媒で
ある水を分離し、溶媒を再利用するには、かなり
のコストを要する。いわんや、上記溶媒、非溶媒
の混合液を簡単な操作で完全分離することなく再
度利用することは従来技術をもつてしては不可能
に近い。 本発明者等は比較的孔径の大きな、例えば、
1000Å以上の均一な孔径をもつ疎水性高分子多孔
質性成形品の湿式製造に於ける上記従来技術の欠
点について鋭意検討した結果、おどろくべき事に
極めて経済的にしかも同一溶媒、同一非溶媒の組
合せで種々の疎水性高分子及び水可溶性高分子を
溶解する方法を見い出すとともに、疎水性高分子
多孔質性成形品を製造する事に成功し、本発明を
完成したものである。 本発明を詳述すると、本発明は、種々な疎水性
高分子を、溶解し得る共通溶媒組成物に溶解し、
更に前記した共通溶媒組成物に溶解し得る水溶性
高分子との混合液を疎水性高分子多孔質性成形品
の製造ドープに関するものであり、特に、水の如
き安価な溶媒を凝固非溶媒とし該水溶性高分子を
除去し去る事を特徴として得られる種々の疎水性
高分子多孔質性成形品用ドープに関するものであ
る。更には、凝固非溶媒/疎水性高分子の溶媒/
水溶性高分子よりなる製造残液を濃縮等の簡単な
操作で再び疎水性高分子及び水溶性高分子の溶媒
となし得る事を特徴とする疎水性高分子多孔質性
膜の製造用ドープに関するものである。 本発明の最大の特徴して最大の作用効果を発現
する事項は、疎水性高分子と水溶性高分子を同時
に溶解する溶媒組成の発現にあり、しかもその溶
媒組成が水の如き安価な非溶媒に相容する点にあ
る。本発明の多孔質性成形品製造用ドープに用い
られる溶媒は、ハロゲン化酢酸、例えばモノクロ
ル酸、ジクロル酸、トリクロル酢酸、モノフルオ
ロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、モ
ノブロム酢酸、ジブロム酢酸、トリブロム酢酸及
びそれらと水の混合物である。特に水との混合物
が種々の疎水性高分子の溶媒となることは従来知
られておらず、この点が水溶性高分子との混合過
程で有利な点となる。勿論、前述の如く上記溶媒
群及びそれらと水の混合溶媒は多くの水溶性高分
子をも溶解する。上記溶媒群と水との比率は該混
合物中に占める水の量が4〜60重量%である必要
がある。60重量%以上になると、多孔質性成形品
基材となる疎水性高分子を溶解しない。他方ハロ
ゲン化酢酸がモノクロル酢酸の様に常温で固体の
場合には、水は溶媒組成中の重量%で4%以上必
要である。又、トリフルオロ酢酸の様に水を全く
必要とせずに疎水性高分子および水溶性高分子を
溶解し得る場合でも、水を凝固非溶媒とする限り
に於いては、水との混合物として利用する方が、
溶媒の再利用の点でコストが低減される。 本発明のドープに用いられる疎水性高分子、つ
まり本発明に云う多孔質性成形品基材としては、
置換度1.0以上の疎水性側鎖をもつセルロースエ
ステル類、例えば、セルロースアセテート、セル
ロースプロピオネート、セルロースブチレート及
びそれらの混合エステル、置換度1.0以上の疎水
性側鎖をもつセルロースエーテル類例えば、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、置換度1.0以
上のセルロースカルバミン酸誘導体エステル類例
えばセルロースカーバニレート、置換度1.0以上
のセルローススルホニレート類例えばドールセル
ロース、ポリペプチド、更に合成疎水性高分子と
してポリアミド、ポリエステル、ポリエステル型
ウレタン、ポリエーテル型ウレタン、ポリエステ
ルエーテル、ポリエステルポリアミド等が好適に
用いられる。一方、最終成形膜より除去されるべ
き水可溶性高分子としては、置換度0.35以上のイ
オン性側鎖をもつセルロース誘導体、例えば、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセ
ルロース、カルボキシエチル−カルバモイルエチ
ルセルロース及びそれらの塩、置換度0.35以上の
ヒドロキシル残基を側鎖にもつセルロース誘導
体、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチ
ルセルロース等、又、置換度0.4〜0.95の上記以
外のセルロース誘導体、例えば、シアノエチルセ
ルロース、カルバモイルエチルセルロース、セル
ロースアセテート等がある。更に、合成水溶性高
分子としては、ポリアクリルアミド、ポリアクリ
ル酸及び塩、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、その他天然物として、アルギン酸及
び塩、グアーガム類等が好適に用いられる。上記
の疎水性及び水可溶性高分子群は前に記した本発
明のドープに用いられる溶媒群のいずれかを選択
する事によつて任意の組合せの製造用ドープとな
し得る。しかし勿ら最終的には疎水性高分子の多
孔質性成形品を得る為、該ドープ中には疎水性高
分子100重量部に対し、水可溶性高分子が2〜150
重量部の比率で混合されるのが適当である。水可
溶性高分子の量が2重量部以下では得られる成形
品の多孔質性は極度に低下し、150重量部以上で
は得られる成形品は、機械的強度の点で劣る。本
発明のドープの調製に当つては、疎水性高分子と
水可溶性高分子を前記のいずれかの溶媒に同時に
溶解してもよく、又、別個に同一溶媒成分を含む
組成物に溶解した高分子溶液を混合してもよい。
疎水性高分子の溶解に当つては加熱操作を必要と
する事もある。この様にして得た本発明のドープ
の均質性は当然、使用する疎水性高分子と水可溶
性高分子との相容性によつて定まる。場合によつ
てはミクロ的に相分離する原液を得る事も出来
る。ドープの均質性及び水溶性高分子の均質的除
去、つまり、得られる多孔質性成形品の均一な孔
径分布を得るためには、ドープ中の疎水性高分子
と水可溶性高分子の適切な組合せを選択すること
が好ましい。好ましい組合せは限定的ではない
が、例えば、疎水性高分子がセルロース誘導体の
場合、水溶性高分子もセルロース誘導体の中から
選択される。疎水性高分子がポリアミドやポリウ
レタンの場合には、水溶性高分子として、ポリア
クリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール等から選択される。均一なドープと
しては、例えば任意の割り合いに混合した置換度
2.4のセルロースアセテートとカルボキシエチル
セルロースナトリウム塩を重量比50/50のモノク
ロル酢酸/水混合溶媒に溶解した物や、ポリアミ
ドとポリビニルアルコールを重量比で80/20のモ
ノクロル酢酸/水混合物に溶解したもの、ポリエ
ステルと水溶性セルロースアセテートを重量比で
96/4のトリフルオロ酢酸/水に溶解したもの等
があげられる。用いる疎水性高分子の重合度は通
常100以上のものが好適である。水溶性高分子の
重合度は目的の疎水性高分子多孔性膜の孔径に依
つて適宜選択される。一般的には重合度10以上あ
れば良い。上述の如くして得た製造用ドープは、
疎水性高分子の非溶媒でかつ水溶性高分子の良溶
媒中で処理される。かかる非溶媒としては、水、
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水/アル
コール混合液等を用い得る。しかし、本発明のド
ープに用いる疎水性高分子の共通非溶媒は水であ
り、しかも、水が水溶性高分子の最も良い溶媒で
あり、又最も安価である。又、製造ドープが水を
一成分とする事が出きるため、非溶媒としては水
が最適である。更に水を凝固非溶媒とする事に依
つて、製造ドープを水で凝固しハロゲン化酢酸及
び水溶性高分子が溶解混入した残液は、水を濃縮
しただけで、水溶性高分子を溶解したハロゲン化
酢酸/水溶液となり、再び疎水性高分子を溶解す
ることができ、これにより製造ドープが得られ
る。この事は孔径製御剤としての水溶性高分子
が、当初の負荷だけで済む事を可能にし経済的効
果は計り知れない程大きい。 以下、実施例によつて、本発明を説明するが、
本発明の範囲はこれに限定されるべきものではな
い。 実施例 1 本実施例はセルロースアセテート(DS=2.46)
の有用な多孔性膜及びその製造法を例示する。 モノクロル酢酸/水の混合比が1/1の混合溶
媒にセルロースアセテート(DS=2.46、平均DP
=170)を常温で加え撹拌するだけで12wt%の透
明溶液()を得た。 一方、上記、同一組成混合溶媒12wt%となる
様に、カルボキシエチルカルバモイルセルロース
(原セルロースDP=900、TotalDS=0.52、カル
ボキシル;0.35、カルバモイル;0.17)を溶解
し、透明溶液()を得た。 これらの溶液(),()はいかなる割り合い
でも透明性を失うことなく相溶した。溶液()
の1重量部に対し溶液()の0.1,0.3,0.5重量
部を混合した3種の製膜原液をそれぞれガラス板
上に流延後、水に浸漬した所、すべての場合で失
透膜が得られた。よく水洗後、乾燥し、これら膜
の走査型電子顕微鏡写真を観察した所すべて平均
孔径1000Å以上膜である事が判かつた。一方、溶
液()のみをガラス板上に流延後、水に浸漬、
水洗、乾燥した所、やはり失透膜を得たが、電子
顕微鏡では孔の平均径は300Å程度であつた。本
発明で得た膜中の残留水溶性ポリマー量をIR(赤
外分光)及びCHN(原子分析)を定量した所、殆
んど残留は認められなかつた。 実施例 2 本実施例は99重量%の蟻酸中に8.4重量%の割
り合いで溶解した場合の相対粘度が36であるナイ
ロン6より有用な多孔膜を製造する方法を例示す
る。 上記ナイロンをモノクロル酢酸/水(重量比、
9/1)混合溶媒に8重量%の割に室温で溶解
し、他方、同一組成の溶媒に溶解した同一濃度の
ポリビニルピロリドン(岸田化学製、分子量
10000)、ポリアクリルアミド(岸田化学製)、ポ
リビニルアルコール(岸田化学製、けん化度86.5
〜89mol%、分子量約24000)、平均分子量()
31000のセルロースジアセテートより酸加水分解
で得たDS=0.49のセルロースアセテート溶液を
調製した。それぞれを、上記ナイロン溶液と9:
1の重量比を混合し均一な製膜原液を得たこれら
原液をガラス板上に流延後、同一条件で水に浸透
後、乾燥し失透膜を得た。電子顕微鏡による観察
から得られた膜の平均孔径は、水溶性高分子とし
てポリビニルピロリドンを用いた場合700〜800
Å、ポリアリルアミドを用いた場合1000Å〜1400
Å、ポリビニルアルコールを用いた場合は900〜
1000Å、セルロースアセテートを用いた場合は
1000〜1500Åであつた。他方、上記ポリアミド溶
液から水を凝固剤として得た膜の平均孔径は400
Å以下であつた。 実施例 3 本実施例は水を凝固溶媒とした場合に有用な多
孔質性成形品を与えるドープ組成を例示する。
【表】
【表】
実施例 4
本実施例は再生浴が簡単な操作によつて再び、
製膜原液に利用できる事を例示する。 モノクロル酢酸/水=1/1の溶媒組成物100
部に対し、セルロースジアセテート15部、カルボ
キシエチルカルバモイルエチルセルロースナトリ
ウム塩3部を添加し、強く撹拌して均一製膜原液
を得たこの原液354gを水1000gに滴下した所、
凝集沈殿したのはセルロースジアセテートだけで
あつた。これを別して得た液約1309g中には
モノクロル酢酸150g、水溶性ポリマー9gが含
まれていた。この液を減圧下で全量300gまで
濃縮したものをモノクロル酢酸/水=1/1の溶
媒に15重量%濃度で溶解したセルロースジアセテ
ート溶液(A)に混合した所、製膜原液として充分使
用出来た。一方、先の液約1309gにモノクロル
酢酸500gを溶解し、更にカルボキシエチルカル
バモイルエチルセルロースナトリウム塩170gを
溶解した。この液の任意の量と先記溶液(A)とを混
合した所、有用な製膜原液となる事が判明した。 以上、実施例で示した如く、本発明のドープを
用いれば多数の疎水性ポリマーの有用な多孔膜が
殆んど同じ条件で製造出来るばかりか、膜中への
残留水溶性ポリマーもなく、凝固浴も簡単に再利
用することができ、極めて経済的である。又、本
発明にいう製膜原液は、繊維製品に対してコーテ
イング方式でも応用できるものであり、製膜原液
自体の使途も広い。
製膜原液に利用できる事を例示する。 モノクロル酢酸/水=1/1の溶媒組成物100
部に対し、セルロースジアセテート15部、カルボ
キシエチルカルバモイルエチルセルロースナトリ
ウム塩3部を添加し、強く撹拌して均一製膜原液
を得たこの原液354gを水1000gに滴下した所、
凝集沈殿したのはセルロースジアセテートだけで
あつた。これを別して得た液約1309g中には
モノクロル酢酸150g、水溶性ポリマー9gが含
まれていた。この液を減圧下で全量300gまで
濃縮したものをモノクロル酢酸/水=1/1の溶
媒に15重量%濃度で溶解したセルロースジアセテ
ート溶液(A)に混合した所、製膜原液として充分使
用出来た。一方、先の液約1309gにモノクロル
酢酸500gを溶解し、更にカルボキシエチルカル
バモイルエチルセルロースナトリウム塩170gを
溶解した。この液の任意の量と先記溶液(A)とを混
合した所、有用な製膜原液となる事が判明した。 以上、実施例で示した如く、本発明のドープを
用いれば多数の疎水性ポリマーの有用な多孔膜が
殆んど同じ条件で製造出来るばかりか、膜中への
残留水溶性ポリマーもなく、凝固浴も簡単に再利
用することができ、極めて経済的である。又、本
発明にいう製膜原液は、繊維製品に対してコーテ
イング方式でも応用できるものであり、製膜原液
自体の使途も広い。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 実質的に、疎水性高分子と、水可溶性高分子
と及び、ハロゲン化酢酸又はハロゲン化酢酸と水
との混合物、とから構成される溶液であつて、前
記疎水性高分子100重量に対して、2〜150重量の
前記水可溶性高分子が含有されている事を特徴と
するドープ。 2 前記疎水性高分子が、置換度1.0以上の疎水
性側鎖をもつセルロースエステル、置換度1.0以
上の疎水性側鎖をもつセルロースエーテル、置換
度1.0以上の疎水性置換基をもつセルロースカル
バニレート、置換度1.0以上の疎水性置換基をも
つセルローススルホニレート、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリペプチド、ポリエーテル型ウレタ
ンおよびポリエステル型ウレタンからなる群から
選ばれる事を特徴とする特許請求の範囲第1項記
載のドープ。 3 前記水可溶性高分子が、置換度0.35以上のイ
オン性置換基をもつセルロース誘導体、置換度が
0.4〜0.95の疎水性側鎖をもつセルロース誘導体、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリルアミド、ポリオキシメチレン、ポリ
エチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸塩、アルギン酸塩、アルギン酸および天然
ガム類からなる群から選ばれる事を特徴とする特
許請求の範囲第1項記載のドープ。 4 前記ハロゲン化酢酸が、モノクロル酢酸、ジ
クロル酢酸、トリクロル酢酸、モノフルオロ酢
酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、モノブ
ロム酢酸、ジブロム酢酸およびトリブロム酢酸か
らなる群から選ばれる事を特徴とする特許請求の
範囲条1項記載のドープ。 5 前記ハロゲン化酢酸と水との混合物に於い
て、この水の含有率が4重量%〜60重量%の範囲
内にあることを特徴とする特許請求の範囲第1項
記載のドープ。 6 前記ハロゲン化酢酸が、モノクロル酢酸であ
る事を特徴とする特許請求の範囲第5項記載のド
ープ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19091681A JPS5893733A (ja) | 1981-11-30 | 1981-11-30 | 多孔質性成形品製造用ド−プ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19091681A JPS5893733A (ja) | 1981-11-30 | 1981-11-30 | 多孔質性成形品製造用ド−プ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5893733A JPS5893733A (ja) | 1983-06-03 |
| JPH0357935B2 true JPH0357935B2 (ja) | 1991-09-03 |
Family
ID=16265833
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19091681A Granted JPS5893733A (ja) | 1981-11-30 | 1981-11-30 | 多孔質性成形品製造用ド−プ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5893733A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0611810B2 (ja) * | 1984-08-23 | 1994-02-16 | ユニチカ株式会社 | 多孔性キチン成形体及びその製造方法 |
| JP5077935B2 (ja) * | 2007-07-18 | 2012-11-21 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | 高連通性多孔体の製造方法 |
-
1981
- 1981-11-30 JP JP19091681A patent/JPS5893733A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5893733A (ja) | 1983-06-03 |
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