JPH0358823B2 - - Google Patents
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- JPH0358823B2 JPH0358823B2 JP62302499A JP30249987A JPH0358823B2 JP H0358823 B2 JPH0358823 B2 JP H0358823B2 JP 62302499 A JP62302499 A JP 62302499A JP 30249987 A JP30249987 A JP 30249987A JP H0358823 B2 JPH0358823 B2 JP H0358823B2
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- casting
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は圧縮機用鋳物の製造に係り、より詳細
には、渦巻巻状の比較的高いリブを有する圧縮機
用鋳物をアルミニウム合金の低圧鋳造で一体的に
製造する技術に関する。 (従来の技術及び解決しようとする問題点) 従来より、第1図に示すような中心部に渦巻形
状の比較的高いリブを有する圧縮機用部品は、高
い強度が必要とされるため、アルミニウム合金鋳
物はあまり採用されず、鋳鉄等が採用されてい
る。しかし、近年、軽量化、小型化等の要望が強
まるにつれて、アルミニウム合金で一体的に鋳造
する試みがなされるようになつてきた。 しかし乍ら、この種の形状の鋳物に試みられて
いる低圧鋳造法では、渦巻状の比較的高いリブ部
に溶湯が均一にまわらず、不廻り、湯境い等の表
面欠陥が現われるばかりでなく、型温が高いほど
シユリンケージ欠陥が増加し、大きく増大して鋳
物の疲労強度を害するという問題があつた。この
ため、圧縮機用部品をアルミニウム合金で一体的
に鋳物する技術の改善が望まれていた。 本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので
あつて、鋳造欠陥がなく所要に機械的性質を備え
た圧縮機用アルミニウム合金鋳物を提供し、また
その製造方法を提供することを目的とするもので
ある。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者は、中心部
に渦巻状の比較的高いリブを有する圧縮機用部品
をアルミニウム合金にて低圧鋳物する際の特に湯
廻り性について研究を重ねたところ、従来の低圧
鋳造法の場合、一般に350℃以上の型温が採用さ
れているが、鋳物の湯廻り性を改善するには金型
温度を高くするほど良好とされる一般的常識とは
逆に、金型、特にリブ周辺部の上型の温度が特定
の温度を超えると湯廻り不良が頻発する現象が生
ずることを究明した。 そこで、その対応策について更に種々実験研究
を重ねた結果、特定のアルミニウム合金系を用い
て上型及び下型の型温をコントロールするなら
ば、指向性凝固によつて結晶粒サイズ及び分布を
制御でき、機械的性質の確保と共に不廻り、湯境
い等の表面欠陥或いはシユリンケージ欠陥の少な
い健全な圧縮機用部品が得られることを見い出
し、ここに本発明をなしたものである。 すなわち、本発明に係る圧縮機用部品は、中心
部に渦巻状の比較的高いリブを有する圧縮機用部
品のアルミニウム合金鋳物において、該アルミニ
ウム合金がAl−Si−Mg系、Al−Si−Cu−Mg系
又はAl−Si−Cu−Ni−Mg系であつて、結晶粒
サイズが10〜50μmで且つリブ先端から根元に向
かつて大きくなる分布を有し、鋳造欠陥の大きさ
を500μm以下に規制したことを特徴とするもので
ある。 また、その製造方法は、中心部に渦巻状の比較
的高いリブを有する圧縮機用鋳物をAl−Si−Mg
系、Al−Si−Cu−Mg系、又はAl−Si−Cu−Ni
−Mg系アルミニウム合金の低圧鋳造にて製造す
るに際し、金型温度を、リブ周辺に対応する上型
中心部を200〜350℃、下型を250〜400℃に制御し
て鋳造することを特徴とするものである。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 アルミニウム合金製圧縮機用鋳物は、第1図の
断面図でも示されるとおり、リブは軸対称とはな
つておらず、当然、リブを形成する上型の部分も
熱容量的にアンバランスになつている。したがつ
て、溶湯の持込む熱を吸収する金型は各部分にお
いて温度差を生じることになる。しかも、一方で
は、断面上、高さ及び厚さの全く同じ形状のリブ
を有しているため、このような各々のリブ形状の
中に均一に且つ同じタイミングで溶湯を下方から
上方に向けて充填することは非常に困難である。 すなわち、溶湯が下方から充填されていく際、
溶湯がリブ形状の部分に差し掛かると、温度の高
いリブ形状部から先に充填され、温度の低い部分
が取り残される、所謂選択的湯流れを生ずること
になる。 このため、渦巻状の比較的高いリブを有する圧
縮機用鋳物の場合は、形状的要因から、一般鋳物
と異なり、不廻り、湯境い改善のために型温を上
げすぎることはできないことが判明した。 因みに、本発明者は、種々実験の結果、Al−
Si−Mg系、Al−Si−Cu−Mg系及びAl−Si−Cu
−Ni−Mg系合金では、通常の低圧鋳造法による
金型温度350〜550℃を採用した場合、上型温度が
350℃を超えると選択的湯流れを生じ始めること
を確認した。 本発明法においては、このような知見に基づ
き、圧縮機用鋳物の低圧鋳造に際して、上型及び
下型の型温を温度制御することとしたものであつ
て、以下の態様により低圧鋳造を実施する。 選択的湯流れ防止の面からすると、型温は低い
ほど良いのであるが、上型中心部、すなわちリブ
周辺に対応する上型温度が200℃未満では、溶湯
の充填中に局部的な凝固が始まり、別の不廻り、
湯境い等の表面欠陥が生じるので、好ましくな
い。また、350℃を超えると前述の如く選択的湯
流れが生じ、これに起因する湯廻り不良が発生す
るので好ましくない。 したがつて、上型中心部の温度は200〜350℃の
範囲にコントロールする必要がある。 一方、圧縮機用鋳物は、その使用用途からリブ
部及び下部に繰り返し荷重がかかるため、引張強
さで約36Kgf/mm2以上の強度並びに10.0Kgf/mm2
で2×107サイクル程度の疲労強度が必要である。
これらを満足するためには、指向性凝固を促進
し、内部欠陥を最小限に抑制する必要がある。し
たがつて、対応する下型温度は、この指向性凝固
を阻害するような温度であつてはならない。指向
性凝固を害さない温度とすれば、上型温度と同じ
か、或いはそれよりも高く設定すればよいが、高
すぎると凝固時間を引き伸ばし、シユリンケージ
欠陥が生じ、鋳物の機械的性質を阻害する。ま
た、凝固時間が長くなる、すなわち、凝固速度が
遅くなると、結晶粒サイズ(D.A.S.)が大きく
なる。結晶粒サイズは機械的性質に大きく影響す
ることはよく知られているところであり、圧縮機
用鋳物の場合、結晶粒サイズは50μm以下に制御
しなければならない。なお、D.A.S.はデンドラ
イト・アーム・スページングの略語で、デンド
ライト(第1技)の側面から枝状に張り出したデ
ンドライト(デンドライト・アーム・第2枝)の
アーム間の間隔を称するものである。 これらの理由から、下型温度の上限は400℃に
止める必要がある。しかし、低すぎると溶湯がリ
ブ形状部に充填する前に凝固し始め、不廻り、湯
境いの原因となるので、不型温度の下限は250℃
に止める必要がある。 したがつて、下型の温度は250〜400℃の範囲に
コントロールする必要がある。 なお、低圧鋳造の他の条件、例えば、上型及び
下型の型温制御方式としては、型内に冷却機構
(例、冷媒貫流用冷却穴)及び測温手段(例、熱
電対)を設けて型温制御部に接続させればよく、
また、溶湯温度、充填速度等は適宜決めることが
でき、特に制限はされない。 次に、上記低圧縮鋳造法により得られる圧縮機
用鋳物について説明する。 圧縮機用鋳物の形状としては、第1図に示した
形状寸法に限らず、渦巻の数、リブの高さ及び厚
さ等々は種々の変形が可能であるが、要はリブの
高さhが厚さtの約5倍以上の如く比較的高い形
状の場合に効果的である。 材質としては、圧縮機用部品に要求される機械
的性質(引張強さ、疲労強度など)、鋳造性等々
を考慮して、Al−Si−Mg系、Al−Si−Cu−Mg
系又はAl−Si−Cu−Ni−Mg系の鋳造用アルミ
ニウム合金を選択すればよい。その組成として
は、Al−Si−Mg系ではJISAC4C、AC4CHなど、
Al−Si−Cu−Ni−Mg系ではJISAC83、AC8Cな
ど、Al−Si−Cu−Ni−Mg系ではJISAC8Aなど
を挙げることができる。 このような組成のアルミニウム合金を上記低圧
鋳造法で鋳造することにより、指向性凝固が進め
られ、結晶粒サイズが50μm以下でリブ先端から
根元に向つて大きくなる分布のものが得られる。
なお、50μmを超えると圧縮機用部品に要求され
る機械的性質が不充分となり、好ましくなく、ま
た結晶粒サイズが10μm未満になるような冷却速
度を与える金型温度では鋳物全体の指向性凝固が
図れないので好ましくない。更には、指向性凝固
により不廻り、湯境い等の内部欠の極めて少ない
鋳物が得られる。 一方、疲労強度にはシユリンケージ等の鋳物内
部の不連続点の大きさや数が大きく影響するの
で、このような鋳造欠陥は少なくとも500μm以下
の大きさまで抑制されねばならない。上型及び下
型の温度差が大きすぎるとシユリンケージ等が発
生しやすくなるが、前述の型温の範囲で上型及び
下型を適宜温度制御することにより、鋳造欠陥の
大きさを上記の如く抑制することが可能である。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第2図は本発明法の実施に用いる低圧鋳造装置
及び金型関係の一例を示したものである。 本実施例における金型は、高さ約40mm、幅約7
mmの比較的高い渦巻状リブ1を中心部に有する形
状の圧縮機用鋳物を鋳造するべく設計された金型
であつて、リブ部を形成する上型2の部分の間に
約10mmφの冷却穴3が複数個設けられ、これに空
気や水或いはその混合冷媒を貫流させることによ
り、第1図に示す斜線部(リブを形成する上型部
分)を冷却するようになつている。上型2のリブ
形成部の上方には、測温用の熱電対を挿入する熱
電対用穴4が1個又は複数個設けられ、その他、
リブ部上端の適当な箇所に複数個のガス抜き機構
5が設けられている。 型温は冷媒の貫通量、貫通時期及び時間によつ
て制御できるようになつており、型の設定温度は
前記D.A.S.のサイズを確認しながら、最適温度
を選択すればよい。 一方、下型6は、中央部に湯口7を有し、スト
ーク8の上部に設置されており、製品部Wは、湯
口7をストーク8を介して下方に準備される溶湯
(図示せず)に通じている。また第2図に示すよ
うに、湯口部のの囲の下型6には冷却穴9が設け
られており、上型冷却と同様に空気や水或いはそ
の混合冷媒が貫流するようになつており、これに
て下型温度は上型温度と同様に制御される。な
お、下型6にも必要に応じ測温用熱電対を設ける
ことは云うまでもない。 準備される溶湯としては、例えば、AlrSi−
Mg系の4CH合金及びAl−Si−Cu−Mg系の
AC8C合金を常法によつて溶解し、溶湯処理(脱
ガスなど)を施した後、ストーク下部に670〜740
℃に保持する。保持温度は合金の種類によつて適
当に選択される。 そして、低圧鋳造の常法により、溶湯をストー
ク8と湯口7を介して製品部Wに押し上げ、リブ
部に平均的に充填していくようにする。この際、
湯の充填(上昇)速度は選択的湯流れを助長しな
い速度とすることが必要である。 最後に、湯口部の途中まで凝固が進んだ後、未
凝固溶湯をストーク8を介して元の湯溜め(図示
せず)に戻し、1サイクルが終了する。 本実施例においては、上述の金型及び装置を使
用し、Al−Si−Mg系のAC4CH合金とAl−Si−
Cu−Mg系のAC8C合金についてて、第1表に示
す条件にてそれぞれ鋳造数50回の低圧鋳造試験を
行つた。 試験後、得られた鋳物製品の鋳造欠陥を調べる
と共に、一部(ACB8Cのもの)について鋳物製
品の円板部から試験片を切り出し、T6処理を施
して機械的性質を調べた。それらの結果を第1表
及び第2表に示す。 本発明例はいずれも高歩留りで安定して高い強
度を示し、必要強度(引張強さ:36Kgf/mm2以
上、疲労強度:10.0Kgf/mm2で2×107サイクル
以上)を満足していた。結晶粒サイズは15〜
40μmでリブ先端から根元に向つて大きくなつて
いる分布であつた。また、ミクロ欠陥も指向性凝
固により大幅に減少し、500μmを超すものは認め
られなかつた。 一方、比較例においては、金型温度が高すぎる
例ではシユリンケージや湯境い、不廻りなどが多
発し、また金型温度が低すぎる例では不廻りが多
発し、いずれも歩留りが極めて低く、かつ機械的
性質が劣つている。
には、渦巻巻状の比較的高いリブを有する圧縮機
用鋳物をアルミニウム合金の低圧鋳造で一体的に
製造する技術に関する。 (従来の技術及び解決しようとする問題点) 従来より、第1図に示すような中心部に渦巻形
状の比較的高いリブを有する圧縮機用部品は、高
い強度が必要とされるため、アルミニウム合金鋳
物はあまり採用されず、鋳鉄等が採用されてい
る。しかし、近年、軽量化、小型化等の要望が強
まるにつれて、アルミニウム合金で一体的に鋳造
する試みがなされるようになつてきた。 しかし乍ら、この種の形状の鋳物に試みられて
いる低圧鋳造法では、渦巻状の比較的高いリブ部
に溶湯が均一にまわらず、不廻り、湯境い等の表
面欠陥が現われるばかりでなく、型温が高いほど
シユリンケージ欠陥が増加し、大きく増大して鋳
物の疲労強度を害するという問題があつた。この
ため、圧縮機用部品をアルミニウム合金で一体的
に鋳物する技術の改善が望まれていた。 本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので
あつて、鋳造欠陥がなく所要に機械的性質を備え
た圧縮機用アルミニウム合金鋳物を提供し、また
その製造方法を提供することを目的とするもので
ある。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者は、中心部
に渦巻状の比較的高いリブを有する圧縮機用部品
をアルミニウム合金にて低圧鋳物する際の特に湯
廻り性について研究を重ねたところ、従来の低圧
鋳造法の場合、一般に350℃以上の型温が採用さ
れているが、鋳物の湯廻り性を改善するには金型
温度を高くするほど良好とされる一般的常識とは
逆に、金型、特にリブ周辺部の上型の温度が特定
の温度を超えると湯廻り不良が頻発する現象が生
ずることを究明した。 そこで、その対応策について更に種々実験研究
を重ねた結果、特定のアルミニウム合金系を用い
て上型及び下型の型温をコントロールするなら
ば、指向性凝固によつて結晶粒サイズ及び分布を
制御でき、機械的性質の確保と共に不廻り、湯境
い等の表面欠陥或いはシユリンケージ欠陥の少な
い健全な圧縮機用部品が得られることを見い出
し、ここに本発明をなしたものである。 すなわち、本発明に係る圧縮機用部品は、中心
部に渦巻状の比較的高いリブを有する圧縮機用部
品のアルミニウム合金鋳物において、該アルミニ
ウム合金がAl−Si−Mg系、Al−Si−Cu−Mg系
又はAl−Si−Cu−Ni−Mg系であつて、結晶粒
サイズが10〜50μmで且つリブ先端から根元に向
かつて大きくなる分布を有し、鋳造欠陥の大きさ
を500μm以下に規制したことを特徴とするもので
ある。 また、その製造方法は、中心部に渦巻状の比較
的高いリブを有する圧縮機用鋳物をAl−Si−Mg
系、Al−Si−Cu−Mg系、又はAl−Si−Cu−Ni
−Mg系アルミニウム合金の低圧鋳造にて製造す
るに際し、金型温度を、リブ周辺に対応する上型
中心部を200〜350℃、下型を250〜400℃に制御し
て鋳造することを特徴とするものである。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 アルミニウム合金製圧縮機用鋳物は、第1図の
断面図でも示されるとおり、リブは軸対称とはな
つておらず、当然、リブを形成する上型の部分も
熱容量的にアンバランスになつている。したがつ
て、溶湯の持込む熱を吸収する金型は各部分にお
いて温度差を生じることになる。しかも、一方で
は、断面上、高さ及び厚さの全く同じ形状のリブ
を有しているため、このような各々のリブ形状の
中に均一に且つ同じタイミングで溶湯を下方から
上方に向けて充填することは非常に困難である。 すなわち、溶湯が下方から充填されていく際、
溶湯がリブ形状の部分に差し掛かると、温度の高
いリブ形状部から先に充填され、温度の低い部分
が取り残される、所謂選択的湯流れを生ずること
になる。 このため、渦巻状の比較的高いリブを有する圧
縮機用鋳物の場合は、形状的要因から、一般鋳物
と異なり、不廻り、湯境い改善のために型温を上
げすぎることはできないことが判明した。 因みに、本発明者は、種々実験の結果、Al−
Si−Mg系、Al−Si−Cu−Mg系及びAl−Si−Cu
−Ni−Mg系合金では、通常の低圧鋳造法による
金型温度350〜550℃を採用した場合、上型温度が
350℃を超えると選択的湯流れを生じ始めること
を確認した。 本発明法においては、このような知見に基づ
き、圧縮機用鋳物の低圧鋳造に際して、上型及び
下型の型温を温度制御することとしたものであつ
て、以下の態様により低圧鋳造を実施する。 選択的湯流れ防止の面からすると、型温は低い
ほど良いのであるが、上型中心部、すなわちリブ
周辺に対応する上型温度が200℃未満では、溶湯
の充填中に局部的な凝固が始まり、別の不廻り、
湯境い等の表面欠陥が生じるので、好ましくな
い。また、350℃を超えると前述の如く選択的湯
流れが生じ、これに起因する湯廻り不良が発生す
るので好ましくない。 したがつて、上型中心部の温度は200〜350℃の
範囲にコントロールする必要がある。 一方、圧縮機用鋳物は、その使用用途からリブ
部及び下部に繰り返し荷重がかかるため、引張強
さで約36Kgf/mm2以上の強度並びに10.0Kgf/mm2
で2×107サイクル程度の疲労強度が必要である。
これらを満足するためには、指向性凝固を促進
し、内部欠陥を最小限に抑制する必要がある。し
たがつて、対応する下型温度は、この指向性凝固
を阻害するような温度であつてはならない。指向
性凝固を害さない温度とすれば、上型温度と同じ
か、或いはそれよりも高く設定すればよいが、高
すぎると凝固時間を引き伸ばし、シユリンケージ
欠陥が生じ、鋳物の機械的性質を阻害する。ま
た、凝固時間が長くなる、すなわち、凝固速度が
遅くなると、結晶粒サイズ(D.A.S.)が大きく
なる。結晶粒サイズは機械的性質に大きく影響す
ることはよく知られているところであり、圧縮機
用鋳物の場合、結晶粒サイズは50μm以下に制御
しなければならない。なお、D.A.S.はデンドラ
イト・アーム・スページングの略語で、デンド
ライト(第1技)の側面から枝状に張り出したデ
ンドライト(デンドライト・アーム・第2枝)の
アーム間の間隔を称するものである。 これらの理由から、下型温度の上限は400℃に
止める必要がある。しかし、低すぎると溶湯がリ
ブ形状部に充填する前に凝固し始め、不廻り、湯
境いの原因となるので、不型温度の下限は250℃
に止める必要がある。 したがつて、下型の温度は250〜400℃の範囲に
コントロールする必要がある。 なお、低圧鋳造の他の条件、例えば、上型及び
下型の型温制御方式としては、型内に冷却機構
(例、冷媒貫流用冷却穴)及び測温手段(例、熱
電対)を設けて型温制御部に接続させればよく、
また、溶湯温度、充填速度等は適宜決めることが
でき、特に制限はされない。 次に、上記低圧縮鋳造法により得られる圧縮機
用鋳物について説明する。 圧縮機用鋳物の形状としては、第1図に示した
形状寸法に限らず、渦巻の数、リブの高さ及び厚
さ等々は種々の変形が可能であるが、要はリブの
高さhが厚さtの約5倍以上の如く比較的高い形
状の場合に効果的である。 材質としては、圧縮機用部品に要求される機械
的性質(引張強さ、疲労強度など)、鋳造性等々
を考慮して、Al−Si−Mg系、Al−Si−Cu−Mg
系又はAl−Si−Cu−Ni−Mg系の鋳造用アルミ
ニウム合金を選択すればよい。その組成として
は、Al−Si−Mg系ではJISAC4C、AC4CHなど、
Al−Si−Cu−Ni−Mg系ではJISAC83、AC8Cな
ど、Al−Si−Cu−Ni−Mg系ではJISAC8Aなど
を挙げることができる。 このような組成のアルミニウム合金を上記低圧
鋳造法で鋳造することにより、指向性凝固が進め
られ、結晶粒サイズが50μm以下でリブ先端から
根元に向つて大きくなる分布のものが得られる。
なお、50μmを超えると圧縮機用部品に要求され
る機械的性質が不充分となり、好ましくなく、ま
た結晶粒サイズが10μm未満になるような冷却速
度を与える金型温度では鋳物全体の指向性凝固が
図れないので好ましくない。更には、指向性凝固
により不廻り、湯境い等の内部欠の極めて少ない
鋳物が得られる。 一方、疲労強度にはシユリンケージ等の鋳物内
部の不連続点の大きさや数が大きく影響するの
で、このような鋳造欠陥は少なくとも500μm以下
の大きさまで抑制されねばならない。上型及び下
型の温度差が大きすぎるとシユリンケージ等が発
生しやすくなるが、前述の型温の範囲で上型及び
下型を適宜温度制御することにより、鋳造欠陥の
大きさを上記の如く抑制することが可能である。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第2図は本発明法の実施に用いる低圧鋳造装置
及び金型関係の一例を示したものである。 本実施例における金型は、高さ約40mm、幅約7
mmの比較的高い渦巻状リブ1を中心部に有する形
状の圧縮機用鋳物を鋳造するべく設計された金型
であつて、リブ部を形成する上型2の部分の間に
約10mmφの冷却穴3が複数個設けられ、これに空
気や水或いはその混合冷媒を貫流させることによ
り、第1図に示す斜線部(リブを形成する上型部
分)を冷却するようになつている。上型2のリブ
形成部の上方には、測温用の熱電対を挿入する熱
電対用穴4が1個又は複数個設けられ、その他、
リブ部上端の適当な箇所に複数個のガス抜き機構
5が設けられている。 型温は冷媒の貫通量、貫通時期及び時間によつ
て制御できるようになつており、型の設定温度は
前記D.A.S.のサイズを確認しながら、最適温度
を選択すればよい。 一方、下型6は、中央部に湯口7を有し、スト
ーク8の上部に設置されており、製品部Wは、湯
口7をストーク8を介して下方に準備される溶湯
(図示せず)に通じている。また第2図に示すよ
うに、湯口部のの囲の下型6には冷却穴9が設け
られており、上型冷却と同様に空気や水或いはそ
の混合冷媒が貫流するようになつており、これに
て下型温度は上型温度と同様に制御される。な
お、下型6にも必要に応じ測温用熱電対を設ける
ことは云うまでもない。 準備される溶湯としては、例えば、AlrSi−
Mg系の4CH合金及びAl−Si−Cu−Mg系の
AC8C合金を常法によつて溶解し、溶湯処理(脱
ガスなど)を施した後、ストーク下部に670〜740
℃に保持する。保持温度は合金の種類によつて適
当に選択される。 そして、低圧鋳造の常法により、溶湯をストー
ク8と湯口7を介して製品部Wに押し上げ、リブ
部に平均的に充填していくようにする。この際、
湯の充填(上昇)速度は選択的湯流れを助長しな
い速度とすることが必要である。 最後に、湯口部の途中まで凝固が進んだ後、未
凝固溶湯をストーク8を介して元の湯溜め(図示
せず)に戻し、1サイクルが終了する。 本実施例においては、上述の金型及び装置を使
用し、Al−Si−Mg系のAC4CH合金とAl−Si−
Cu−Mg系のAC8C合金についてて、第1表に示
す条件にてそれぞれ鋳造数50回の低圧鋳造試験を
行つた。 試験後、得られた鋳物製品の鋳造欠陥を調べる
と共に、一部(ACB8Cのもの)について鋳物製
品の円板部から試験片を切り出し、T6処理を施
して機械的性質を調べた。それらの結果を第1表
及び第2表に示す。 本発明例はいずれも高歩留りで安定して高い強
度を示し、必要強度(引張強さ:36Kgf/mm2以
上、疲労強度:10.0Kgf/mm2で2×107サイクル
以上)を満足していた。結晶粒サイズは15〜
40μmでリブ先端から根元に向つて大きくなつて
いる分布であつた。また、ミクロ欠陥も指向性凝
固により大幅に減少し、500μmを超すものは認め
られなかつた。 一方、比較例においては、金型温度が高すぎる
例ではシユリンケージや湯境い、不廻りなどが多
発し、また金型温度が低すぎる例では不廻りが多
発し、いずれも歩留りが極めて低く、かつ機械的
性質が劣つている。
【表】
【表】
(発明の効果)
以上詳述したように、本発明によれば、渦巻状
の比較的高いリブを有する圧縮機用アルミニウム
合金鋳物を低圧鋳造で製造するに際し、特定成分
系のアルミニウム合金を用いると共に上型中心部
と下型の各型温を制御するので、指向性凝固が促
進され、鋳造欠陥が極めて少なく、結晶粒サイズ
がコントロールされ且つ所望の機械的性質を有す
る高品質の圧縮機用鋳物を高歩留りで安定して得
ることができる。
の比較的高いリブを有する圧縮機用アルミニウム
合金鋳物を低圧鋳造で製造するに際し、特定成分
系のアルミニウム合金を用いると共に上型中心部
と下型の各型温を制御するので、指向性凝固が促
進され、鋳造欠陥が極めて少なく、結晶粒サイズ
がコントロールされ且つ所望の機械的性質を有す
る高品質の圧縮機用鋳物を高歩留りで安定して得
ることができる。
第1図a,bは圧縮機用鋳物を示す図で、aは
平面図、bは側面図、第2図は本発明の実施に用
いる低圧鋳造用装置及び金型関係の一例を示す説
明断面図である。 1……渦巻状リブ、2……上型、3……上型用
冷却穴、4……熱電対用穴、5……ガス抜き機
構、6……下型、7……湯口、8……ストーク、
9……下型用冷却穴、W……製品部。
平面図、bは側面図、第2図は本発明の実施に用
いる低圧鋳造用装置及び金型関係の一例を示す説
明断面図である。 1……渦巻状リブ、2……上型、3……上型用
冷却穴、4……熱電対用穴、5……ガス抜き機
構、6……下型、7……湯口、8……ストーク、
9……下型用冷却穴、W……製品部。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 中心部に渦巻状の比較的高いリブを有する圧
縮機用部品のアルミニウム合金鋳物において、該
アルミニウム合金がAl−Si−Mg系、Al−Si−Cu
−Mg系又はAl−Si−Cu−Ni−Mg系であつて、
結晶粒サイズが10〜50μmで且つリブ先端から根
元に向つて大きくなる分布を有し、鋳造欠陥の大
きさを500μm以下に規制したことを特徴とする圧
縮機用鋳物。 2 中心部に渦巻状の比較的高いリブを有する圧
縮機用鋳物をAl−Si−Mg系、Al−Si−Cu−Mg
系又はAl−Si−Cu−Ni−Mg系アルミニウム合
金の低圧鋳造にて製造するに際し、金型温度を、
リブ周辺に対応する上型中心部を200〜350℃、下
型を250〜400℃に制御して鋳造することを特徴と
する圧縮機用鋳物の製造方法。 3 前記下型温度を上型中心部温度と等しいかよ
り高く設定する特許請求の範囲第2項記載の方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30249987A JPH01143752A (ja) | 1987-11-30 | 1987-11-30 | 圧縮機用鋳物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30249987A JPH01143752A (ja) | 1987-11-30 | 1987-11-30 | 圧縮機用鋳物及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01143752A JPH01143752A (ja) | 1989-06-06 |
| JPH0358823B2 true JPH0358823B2 (ja) | 1991-09-06 |
Family
ID=17909696
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30249987A Granted JPH01143752A (ja) | 1987-11-30 | 1987-11-30 | 圧縮機用鋳物及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01143752A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5572309B2 (ja) | 2008-12-18 | 2014-08-13 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品に係るシート状部材の複合体の製造方法及び製造装置 |
| JP6511928B2 (ja) * | 2015-04-13 | 2019-05-15 | 株式会社Ihi | 測定装置および燃焼炉設備 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5666371A (en) * | 1979-10-30 | 1981-06-04 | Hitachi Metals Ltd | Die casting method of aluminum alloy casting |
-
1987
- 1987-11-30 JP JP30249987A patent/JPH01143752A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01143752A (ja) | 1989-06-06 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |