JPH0359704B2 - - Google Patents

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JPH0359704B2
JPH0359704B2 JP59232596A JP23259684A JPH0359704B2 JP H0359704 B2 JPH0359704 B2 JP H0359704B2 JP 59232596 A JP59232596 A JP 59232596A JP 23259684 A JP23259684 A JP 23259684A JP H0359704 B2 JPH0359704 B2 JP H0359704B2
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polyurethane
polysiloxane
artificial blood
blood vessels
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JP59232596A
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Hisaki Hiroyoshi
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Ube Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は血管補綴物に関し、更に詳しくは長期
開存性に優れ、殊に中口径、小口径の人工血管と
して適用可能な新しい血管補綴物に関する。 〔従来の技術〕 一般に血管系の欠陥は、その欠陥部分を切除し
た後、人工血管又はパツチを縫合あるいは吻合し
て治療される。人工血管又はパツチ等の血管補綴
物が生体内に受け入れられて成功する条件の一つ
は、移植された血管補綴物に生体組織が生長して
ゆけるように、移植物を構成する壁に有孔性を付
与する事である。したがつて人工血管等の移植体
は、一般に通水性を有する組合わされた繊維、ス
トランド、又は糸から成る多孔性構造で、かつ可
撓性のある管から成り立つている。 従来使用されている人工血管は、この様な構造
を有することによりそれが生体内の血管に縫合あ
るいは吻合されると凝血によりこの内面に極めて
薄い内膜が形成され、更に内膜への新生血管の浸
入により、内膜に永続的に栄養が補強され、内膜
の器質化が進行する。即ち、血栓の固着のために
も、又、人工血管内面に新生する内膜の器質化の
ための新生血管の浸入のためにも、人工血管壁
は、適切な編目もしくは織目等の有孔性が必要と
されている。この編目もしくは織目の網目構造は
巨視的な網目(例えば繊維の編んだ網目)であつ
て100μm〜1μmの間にある。 このような有孔性を有する人工血管として、現
在ポリエステル繊維の織物又は編物からなる人工
血管や、延伸によつて内表面をフイブリル化(小
繊維構造化)した多孔性四弗化エチレン人工血管
が実用に供されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 これら現在実用に供せられている人工血管は内
径が比較的大きい時にはかなり高い成功率で実用
化されている。特に動脈への血管補綴では内径が
約8mm以上になると、良好な成績を治めている。
それにもかかわらず細い内径血管補綴物では臨床
的に許容できるものがない。特に静脈へ適用した
時の成功率は動脈の場合よりも更に悪い。動脈と
比べて静脈の血液速度が小さく、人工静脈におい
ては抗血栓性を獲得するための血小板の粘着、凝
集能を抑制することが特に重要となるがこれが十
分には満足されていない。 適当な有孔性血管を動脈に移植すると、まず凝
血でその細孔が塞がり、血管の内面は凝血層でお
おわれる。この凝血層はフイブリンでできており
血管の材料、表面構造などによつてその厚みが変
化する。ポリエステル、四弗化エチレン系の人工
血管を用いた時のフイブリン厚みは0.5〜1mmに
も達するので、実際に安心して使用できるのは口
径10mm以上の動脈用人工血管であり、これより口
径の小さい人工血管では、長期開存に不安があ
り、このフイブリン層厚化によつても閉塞しない
程度の血管径即ち内径5〜6mm以上の動脈でしか
用いることができないし、その長期開存成績も芳
しくないのが現状である。また人工血管の厚みが
増す程内面にできるフイブリン層が厚くなる傾向
にあり、径の細い血管では厚みの薄いもの、ある
いはデニール数の小さい細い繊維の編物、織物を
使用しなくてはいけないが、その到達可能な繊維
径には限界がある。 又静脈血管補綴の場合の開存成功率は動脈血管
補綴の開存成功率より遥かに低いことが知られて
おり、静脈用人工血管として使用出来るものは現
在存在していない。動脈用人工血管も口径6mm以
下で実用に供することが可能なものは現在出現し
ていない。人工血管としての必要要件として(1)毒
性のないこと、(2)異物反応がないこと、(3)耐久性
があり劣化しないこと、(4)弾性、伸展性があるこ
と、(5)抗血栓性があること、(6)器質化治療が良好
であること、(7)縫合し易いこと、(8)各種の形態が
つくれること、(9)漏血が少ないこと、(10)滅菌が可
能であることなど多くの要求性能があるが、何よ
りも重要なのは長期に亘つて血管としての機能を
示すこと、即ち長期開存性である。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明らは血管補綴物(人工血管や血管補綴物
パツチを含む)の特殊な加工処理によつて、優れ
た長期開存性を付与する方法について鋭意研究を
進め、現在実用段階にある大口径人工血管の長期
開存成績を大幅に向上させるとともに、中口径、
小口径人工血管への実用化、更に静脈用血管の実
用化への路を開くことに成功したものである。 本発明は血管補綴物の少なくとも血液接触面の
一部に繊維編織物の形態又はフイブリル形態を残
した状態で、50重量%以上のポリウレタンを含有
する抗血栓材を含浸もしくは塗布してなる血管補
綴物に関する。 ここで重要なことはポリエステル繊維等の編織
物では繊維の編織の形態もしくは状態、弗素樹脂
系のものでは延伸によつて生じたフイブリル(繊
維状態)の形態もしくは状態を保つた状態で前記
ポリウレタンベースの抗血栓材を塗布又は含浸す
ることが重要で、若しこのフイブリル状態を全く
残さない程の厚みに前記ポリウレタンベースの抗
血栓材を塗布被覆させると、それは最早使用した
ポリウレタンベースの材料そのものによるフイル
ムと同じになつて効果は激減するのである。 本発明はフイブリル状態もしくは繊維の編織状
態(形態)を残したまま前記ポリウレタンベース
の抗血栓性材料を塗布するところの重要なポイン
トを有する。 ここでポリエステルの編織状態又は形態もしく
は弗素樹脂系のものでフイブリルを残した状態又
は形態として光学顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で
繊維状物、フイブリルが観察出来るものをいう。 本発明でいうポリウレタンベースの抗血栓材料
について説明する。 ポリウレタンベースの抗血栓材料とは少なくと
も50重量%以上がポリウレタンよりなるものであ
り、このポリウレタンに50重量%未満のポリシロ
キサンが含まれていてもよい。 本発明で使用するポリウレタンは何ら限定され
ず、ポリエステル系ポリウレタンおよびポリエー
テル系のポリウレタンであつて良い。 ポリエステル系ポリウレタンは例えばエチレン
グリコール、ジエチレングリコール等のグリコー
ルとアジピン酸、コハク酸等の2価カルボン酸と
の間で末端水酸基のポリエステルを合成し、これ
とエチレンジイソシアネート、2,4−トリレン
ジイソシアネート、4,4′−ジフエニルメタンジ
イソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート等のポリウレタンの製造に従
来から使用されているジイソシアネートとを反応
させて両末端がイソシアネート基であるプレポリ
マーとし、公知の鎖延長剤で鎖延長して調製して
もよい。 また、ポリエーテル系ポリウレタンは例えばポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル又はこれらのランダム共重合物又はブロツク共
重合物、テトラメチレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールあるいはアルキレンオキシド
とプロピレングリコール、1,2,6−ヘキサン
トリオール等の多価アルコールとを反応させて得
られるポリオールと前記のジイソシアネートとを
反応させて末端イソシアネートのプレポリマーと
し、これらを公知の鎖延長剤で分子鎖を伸長させ
て調製してもよい。 プレポリマーは一種を用いてもよいし、2種以
上のプレポリマーを混合して用いてもよい。例え
ば疎水性のポリテトラメチレンオキシドを含有す
るプレポリマーと、親水性のポリエチレンオキシ
ドを含有するプレポリマーを混合して用いてもよ
い。 尚、本発明に使用するポリウレタンを調製する
に際し、鎖延長剤としてジアミン、例えばエチレ
ンジアミン、ジエチレンジアミン、ヘキサメチエ
ンジアミン等を用いてポリウレタンウレアとして
もよい。この場合、構造はポリウレタンウレアと
なるがこのポリウレタンウレアも本発明にいうポ
リウレタンに含まれるものとする。又鎖延長剤と
してはエチレングリコール、ブタンジオール等の
公知のジオールを用いてポリウレタンとしてもよ
いことは勿論である。 本発明のポリウレタンベースの抗血栓材の中に
50重量%未満のポリシロキサンが含まれていても
よい。通常線状のポリシロキサンは液状体である
が、本発明に含まれるポリシロキサンは常温で固
体状であることが必要であり、このために液状の
末端水酸基又はアセテート基のポリシロキサンを
原料として用い、水の作用によつて水酸基を生
じ、生じた水酸基同志又は生じた水酸基と前記ポ
リシロキサン末端の水酸基とが脱水縮合して架橋
体を生ずる、いわゆるRTV(室温架橋型)用含珪
素架橋剤(以後シランカツプリング剤ということ
もある)を併用して成形の過程において架橋させ
て3次元構造とし、ポリシロキサンを固形化する
ことが推奨される。 例えばすでに述べたポリウレタンを溶液とし、
これに末端水酸基又は末端アセテート基のポリシ
ロキサンを加えて撹拌してこれを微細粒子に系内
に分散させ、これに前記シランカツプリング剤を
加えて、シランカツプリング剤を含んだポリウレ
タンとポリシロキサンとの混合乳化溶液とし、こ
れを人工血管等の血管補綴物の血液接触部にコー
テイングしてもよい。このようにするとコーテイ
ング後、雰囲気中の水分の作用によりシランカツ
プリング剤は活性化し、ポリシロキサンの架橋は
自然に進行し、分散したポリシロキサン部分を固
化する。又上記シランカツプリング剤含有溶液に
予め所定量の水分を与えて分散ポリシロキサン粒
子の一部を架橋して該粒子を安定化しておいても
よい。 本発明に用いるポリシロキサンとしてはポリジ
メチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポ
リジフエニルシロキサン等、公知の両末端水酸基
又はアセテート基のポリシロキサンが汎く用いら
れるが、抗血栓材の点ではポリジメチルシロキサ
ンが殊にすぐれている。 これらのポリシロキサンと反応してこれを固化
させるためのシランカツプリング剤としては水に
よつて活性化される官能基を有する必要があり、
これらの代表例はSiO−COR、Si−OR(Rは
CH3、C2H5、C3H7、C4H9などの炭化水素)、
Si−OX、Si−X(XはCl、Brなどのハロゲ
ン)、Si−NR2(Rは上記と同じ)などがある。こ
のような含珪素架橋剤を用いたときに生成される
架橋含珪素重合体もポリシロキサン構造をとる。 水によつて活性化して架橋能を発揮し、ポリシ
ロキサン架橋体を形成する分子内に珪素原子1ケ
を有する含珪素架橋剤の例としては一般式
RnSiR′4-o(式中Rはアルキル基、アリール基な
どの炭化水素残基を、R′はアルコキシ基、アシ
ルオキシ基、ハロゲン又はアミン残基を、nは
0、1を表す)で表される化合物がある。 具体的な例としては、例えばテトラアセトキシ
シラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルト
リアセトキシシラン、プロピルトリアセトキシシ
ラン、ブチルトリアセトキシシラン、フエニルト
リアセトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、フエニルトリエトキシシラン、プロピル
トリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルト
リメトキシシラン、ブチルトリメトキシシランあ
るいはテトラクロロシラン、メチルトリクロロシ
ラン、エチルトリクロロシラン、ブチルトリクロ
ロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビス−
(N−メチルベンジルアミド)エトキシメチルシ
ラン、トリス−(ジメチルアミノ)メチルシラン、
ビニルトリクロロシラン、トリス−(シクロヘキ
シルアミノ)メチルシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、テトラプロポキシシラン、ジビニルジエ
トキシシランなどを代表例として挙げることがで
きる。 又、珪素をその分子中に2ケ含む含珪素架橋剤
の代表例としては、例えば、テトラアセトキシジ
シロキサン、1,3−ジメチルテトラアセトキシ
ジシロキサン、1,3−ジビニルテトラエトキシ
ジシロキサンのような、一般式 RnR3-o′−Si−O−SiRnR″3-n(式中n、m=
0、1、2、3、n+m=0、1、2、3のいず
れか、Rは架橋能のない炭化水素残基、R′、
R″は適当な活性化手段で架橋能を示す基を示す) で表される化合物が挙げられる。 珪素をその分子中に3ケ含む含珪素架橋剤の例
としては1,3,5−トリメトキシ−1,1,
3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,
1,3,3,5,5−ヘキサアセトキシ−1,5
−メチルトリシロキサンなどを挙げることが出来
る。 これらの含珪素架橋剤としては公知の室温架橋
型のシランカツプリング剤が広く用いられ、例え
ばPetrarch System Inc.(ペトラーチシステムイ
ンコーポレイテツド)発行のカタログSilicon
Compounds、Registers&Review1979や同社
のSiliconqs1981に記載されているすべての含
珪素架橋剤を用いることが出来る。 尚、本発明のポリウレタンベースの抗血栓材料
に含有させるポリシロキサンは架橋構造をもつ常
温で固化するものであるとが必要であるが、加工
液の調製に必ずしも最初から重合体であるポリシ
ロキサンを使用しなくてもよい。反応によつてポ
リシロキサンとなるような前駆体を用いて、塗布
後、水分によつて縮合反応をおこさせて最終的に
架橋ポリシロキサンとすることも出来る。言い換
えると、縮合によつてポリシロキサンを生じるモ
ノマー又はオリゴーを用い、これに架橋性の3官
能又は/及び4官能のシランカツプリング剤を併
用して架橋性ポリシロキサンとしてもよい。この
場合、具体的には前記シランカツプリング剤に加
えて2官能性の縮合によつてSi−O−Si結合を順
次生じてポリシロキサンを生じるような低分子の
含珪素化合物を併用すればよい。このような2官
能性の含珪素化合物として、珪素原子に2ケの不
活性の炭化水素基を有し、分子中に2ケの水によ
つて活性化されて架橋能を生じる官能基を有す
る、例えば一般式() (式中R1〜R4は同種または異種の炭化水素基、
nは0、1、2、3等の正の整数、Y及びY′は
同種又は異種の水によつて活性化される架橋性官
能基をそれぞれ表す) で示される含珪素化合物がある。これらの化合物
の例としてはジメチルジアセトキシシラン、ジエ
チルジアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルエチル
ジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、
ジメチルジクロロシラン、メチルフエニルジアセ
トキシシラン、ジフエニルアセトキシシラン、ジ
ベンジルアセトキシシラン、ジビニルジエトキシ
シラン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3
−ジアセトキシシラン、1,1,3,3−テトラ
メチル−1,3−ジメトキシシラン、1,1,
3,3−テトラエチル−1,3−ジエトキシシラ
ン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−
1,5−ジアセトキシシラン、1,1,3,3,
5,5−ヘキサエチル−1,5−ジエトキシシラ
ン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−
1,5−ジメトキシシラン、1,1,1,5,
5,5−ヘキサメチル−3,3−ジアセトキシシ
ラン、1,1,1,3,5,5−ヘキサメチル−
3,5−ジアセトキシシランなどが挙げられる。 ポリウレタン溶液にポリシロキサン(重合体)
を混ぜた場合、ポリシロキサンは1μm〜50μmの
粒子となつて分散するので、ポリシロキサンはこ
の1μm〜50μm粒子として存在するが、ポリシロ
キサン(重合体)を用いず、モノマー又はオリゴ
マーを用いると、これらはポリウレタン溶液に均
一に溶解し、この分散状態で縮合するので生じた
ポリシロキサンは100〜1000オーダーのドメ
イン(領域)に分散していて、抗血栓性の面では
この方がはるかに好ましい。 本発明でポリウレタン溶液調製に使用する溶剤
はポリウレタンを溶解する環状エーテル類やジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメ
チルスルホキシドのような有機極性溶媒であり、
医療器への応用の観点から、塗布膜からの溶剤の
除去(蒸発、水洗など)が容易であることが必要
であり、沸点が低いことが望ましく、沸点は200
℃以下、更に好ましくは沸点160℃以下が望まし
い。また水洗除去の容易さから水溶性の溶媒であ
ることが望ましい。 従つて好ましい環状エーテル類としてはテトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられる。 本発明においては溶剤は単独であるいは混合し
て使用することができる。 またエーテル類に、本発明を実施するに際し程
度の大きい影響を及ぼさない範囲で少量の他の溶
剤、例えばアルコールやアセトン、ジメチルホル
ムアミドなどが含まれることは差支えない。 ポリウレタン溶液の固形分濃度は3重量%〜30
重量%の間にあることが好ましく、更に好ましい
濃度は5重量%〜20重量%の間である。3重量%
未満では余りに薄すぎて充分な抗血栓材をコーテ
イング出来ず、一方30重量%を超えると血管補綴
物のフイブリル形態を残せず、全体をポリウレタ
ンフイルムで覆つてしまう。 本発明に適用される人工血管等の血管補綴物は
特に限定する必要はないが、ポリエステル繊維編
織物よりなる血管補綴物、延伸フイブリル化処理
した弗素樹脂系のいわゆるEPTFE(Expanded
Pobytetrafluoroethylene)血管補綴物が用いら
れる。前者は平織とメリヤス編みがあり、有孔性
を付与して編織されている。後者は延伸によつて
フイブリル化(連結小繊維化)されていて小繊維
のオーダーは1μm〜100μm位になつているもの
である。本発明はこれ以外の人工血管にも適用出
来、例えばコラーゲン繊維の編織血管補綴物や動
物の生体の一部を利用した例えば豚の尿道組織を
利用した人工血管、牛頚動脈を利用したもの、人
臍帯静脈血管などを利用したものにも適用出来
る。本発明でいう血管補綴物には人工血管や心臓
用パツチ、心臓血管系パツチ、抹消血管系パツチ
なども含まれる。 処理する方法は、本発明のポリウレタン溶液
(処理液)に、上記血管補綴物を充分に浸漬し、
血管補綴物の表面を充分に接触させて編織網目、
ないしフイブリル化した微細繊維部に充分にぬら
して乾燥すればよい。この場合、余り厚くポリウ
レタン溶液を被覆させてフイブリル構造を完全に
なくなる程になると、効果は激減するので、あく
までフイブリル構造形態を残すことが必要であ
る。又この浸漬の前に予めグロー放電を行つて処
理液と血管補綴物の内面の親和性をあげてもよ
い。溶剤の蒸発に伴つて用いた高分子、シロキサ
ン成分は濃縮し、縮合架橋反応が進行して分子網
目を逐次形成し、本発明の加工処理が完成する。
加工処理する血管補綴物が弗素樹脂系のPTEFの
場合、処理表面の疎水性を減じるために予め水溶
性の有機溶剤、例えばテトラヒドロフラン、アセ
トン、アルコールなどで処理して、これらの溶剤
で加工表面をぬらした上で本発明の加工処理を行
うと、血管補綴物の表面を満遍なく行えて好まし
い。 〔作用〕 本発明の特徴はすでに詳細に述べたように第1
に血管補綴物の内膜にポリウレタンベースの抗血
栓材をフイブリル状態を残した状態でコーテイン
グすることによつて、血液中の血小板の粘着を抑
制し、その結果血栓膜の形成を遅延させ、第2に
フイブリル状態を残すことによつて細胞の進入を
容易にして生体化を促進し、その結果生体膜が薄
く、この膜を肥厚しないこと、したがつて第3の
特徴として小口径人工血管が長期に亘つて開存性
を保つこと、第4に本加工処理によつて、ポリエ
ステル編織物血管補綴物は漏血がほとんどなく従
来のいわゆるプレクロツテイングが不要であるこ
と、第5に本加工処理によつて編織物繊維同志が
接着するため縫合部分よりのほつれがないことな
どの特徴を有している。従来ポリエステル繊維で
は、内皮膜生成を促進するため有孔性が必要であ
り、一方この有孔性のために漏血が生じ、これを
防ぐために、治療前に患者の血液で処理してその
孔を患者自身の血液で凝血させることによつて穴
ふさぎを行うプレクロツテイングが不可欠とされ
ていた。しかし本発明はポリウレタンが繊維間に
接着剤のように作用して存在するので血液の漏血
を防ぎプレクロツテイングの必要をなくし、しか
もフイブリル状態を残しているので生体化が早
く、これによつて小口径血管においても開存性が
良好である。 以下、本発明を更に具体例によつて詳細に説明
する。 実施例 1 ポリウレタン加工液の調製 両末端水酸基のポリテトラメチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレ
ンオキシドブロツク共重合体、エチレンオキシド
−プロピレンオキシドランダム共重合体を夫々用
意し、これに4,4′−ジフエニルメタンジイソシ
アネート(MDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート(CDI)を反応させて末端
イソシアネートのプレポリマーを常法によりつく
つた。これに鎖延長剤としてエチレンジアミン、
ブタンジオールを用いて鎖延長を行い、通常ポリ
ウレタンの合成に用いられている常法によつてポ
リウレタン溶液を調製した。調製液を次の第1表
にまとめた。
【表】 実施例 2 ポリウレタン−シリコーン加工液の調製−(1) 両端末水酸基のポリテトラメチレングリコール
(分子量1350)と4,4′ジフエニルメタンジイソ
シアネートとからプレポリマーをテトラヒドロフ
ラン−ジオキサン(1:1)の混合溶媒中で合成
し、これにブタンジオールを反応させて鎖延長を
行い、ポリウレタンを合成した。このポリウレタ
ンはテトラヒドロフタン−メタノール系で3回再
沈澱を行つて精製した。 精製ポリウレタンを10%の濃度に、テトラヒド
ロフラン−ジオキサン溶液とし、これに分子量
30000の末端水酸基のポリジメチルシロキサンを
用いたポリウレタンの10重量%加え、激しく撹拌
して分散させた。この溶液の水分は140ppmであ
つた。これに、ポリジメチルシロキサンに対して
15重量%のメチルジアセトキシシランを加え、38
℃で3日間撹拌を続行して均一なエマルジヨンと
した。これを2倍に希釈して加工溶液として用い
た。 実施例 3 ポリウレタン−シリコーン加工液の調製−(2) 市販のポリウレタン(エステン5714、グツドリ
ツチ社)を、脱水したジメチルアセトアミドにと
かして5%溶液とした。これに、用いたポリウレ
タンの10重量%及び35重量%に相当する量のジメ
チルジアセトキシシラン−メチルトリアセトキシ
シラン(8:2)混合物を加え、ポリウレタン−
シリコーン加工液(A)、(B)とした。 実施例 4 中尾フイルター工業製のテトロン平織人工血管
を用い、実施例1の溶液1、2、3、4、5、
6、7及び実施例2の溶液、実施例3の溶液(A)、
(B)を用いて、これらの溶液で前記人工血管を処理
した。 中尾テトロン人工血管は4mmのものを用い、処
理方法は、上記溶液中に人工血管を浸して充分含
浸させ10分間そのままにしてから人工血管をとり
出し、湿度65%の雰囲気中で乾燥、実施例2、3
の溶液については更に1週間そのままの状態で反
応を完結させた。 実施例 5 市販のゴアテツクス 人工血管4mmに実施例4
と同様にポリウレタン溶液、ポリウレタン−ポリ
シロキサン溶液を内面処理してサンプルを調製し
た。加工溶液処理を行う前に、テトラヒドロフラ
ン溶液でしめして表面処理を円滑に行われるよう
に配慮した。 又実施例2、3の溶液で処理する前にグロー放
電処理を行つた。処理方法は実施例4と同じであ
る。 実施例 6 雑種成犬を用い、実施例4、5で処理した人工
血管を端−端結合で犬の大腿動脈に移植し、3ケ
月後の開存性を調べた。同一血管を別々の成犬平
均5匹に移植した。その結果を次の第2表にまと
めた。
【表】
〔発明の効果〕
本発明は、ポリウエステル系人工血管、ポリ弗
化樹脂系の人工血管のフイブリル状態を残した状
態でポリウレタンベースの抗血栓材料をコーテイ
ングすることによつて、血液中の血小板の粘着を
制御して、血栓生成を防止もしくは著しく遅延さ
せ、フイブリル状態の保存によつて細胞増殖を助
け、内皮膜の生成に有利な状態をつくり、血栓層
の厚さを少なくしその上に生成する生体膜の厚み
も薄くする効果を有し、このため小口径の人工血
管の実用化をもたらしたものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 血管補綴物の少なくとも血液接触面の一部に
    繊維編織物の形態又はフイブリル形態を残した状
    態で、50重量%以上のポリウレタンを含有する抗
    血栓材を含浸もしくは塗布してなる血管補綴物。
JP59232596A 1984-11-05 1984-11-05 血管補綴物 Granted JPS61109569A (ja)

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