JPH0362146B2 - - Google Patents
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- JPH0362146B2 JPH0362146B2 JP61256877A JP25687786A JPH0362146B2 JP H0362146 B2 JPH0362146 B2 JP H0362146B2 JP 61256877 A JP61256877 A JP 61256877A JP 25687786 A JP25687786 A JP 25687786A JP H0362146 B2 JPH0362146 B2 JP H0362146B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は良好な耐食性を有するポリプロピレン
フイルムを金属板に貼合せてなる金属−ポリプロ
ピレンフイルム積層体に関するものであり、主な
目的とするところは優れた接着加工性と耐食性を
有する樹脂被覆金属板を提供することにある。 (従来技術) 従来、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリ
オレフインフイルムを接着剤または変性オレフイ
ン組成物等の接着層を介して金属板上に形成せし
めた金属−ポリオレフイン積層体は、ポリオレフ
インフイルムの特性、例えば、通常の耐薬品性、
耐溶剤性および耐熱性等の諸特性を生かし、主に
容器材料や屋内外建材への適用がなされている。 この金属−ポリオレフインフイルム積層体の製
造方法については従来よりいくつかの方法が提案
されてきている。例えば、カルボキシル基変性ポ
リオレフインを含む金属基板上に熱圧着して接着
せしめる方法、金属面上にエポキシ樹脂プライマ
ー、変性ポリオレフイン、オレフインフイルムの
三層構成で接着せしめる方法(特開昭56−117642
号公報)、硬化剤を含むエポキシ樹脂中にカルボ
キシル変性ポリオレフイン粉末を分散させた接着
剤を用いてポリオレフインフイルムを金属基材に
接着せしめる方法(特開昭53−133242号公報、特
開昭54−85号公報)、カルボキシル基等を有する
飽和炭化水素とエポキシ樹脂を反応させた接着剤
を用いる方法(特開昭59−124812号公報)等がそ
れである。これらの方法で製造された金属−ポリ
オレフインフイルムの積層体は接着強さも充分で
あり、一般の薬品や溶剤に対しても良好な耐食性
および耐久性を示す。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、通常のポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフインフイルムは酢酸、酪酸といつ
た低級脂肪酸や四塩化炭素などの塩素化溶剤等を
比較的速く吸収・透過させる性質を有すこと、ま
た酸素ガス透過性も比較的大きいため、ポリオレ
フイン側がこれらを含む物質に長期間暴されると
条件によつてはこれらの酸や酸素はフイルムを透
過し、極く短時間で金属面に到達し腐食を生じせ
しめることがある。この様な現象は、前述した従
来技術のエポキシ樹脂をプライマーに用いる方法
やエポキシ樹脂中にカルボキシル基ポリオレフイ
ン粉末を分散させる方法等によつても防止するこ
とはできない。従つて、例えば金属−ポリオレフ
イン積層体を容器材料用途に向ける様な場合に
は、この欠点が容器としての適用範囲を著しく制
約していた。 (問題点を解決するための手段) 本発明者は金属−ポリプロピレン積層体に於て
有機酸等腐食性物質のフイルム中透過という特徴
的な問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エ
ポキシエステル樹脂、レゾール型フエノール樹脂
およびカルボキシル基変性ポリプロピレンより成
る接着剤組成物において、エポキシエステル樹脂
に可撓性を付与すると共に生成する樹脂の酸価を
低く押えることにより、フイルム層を浸透して来
る腐食性物質に対し接着剤層が有力なバリアー能
を発揮することを見出した。後の実施例でも示す
が、こうすることで加工接着性を阻害せずに被覆
層全体の耐食性が著しく改良される。 すなわち、本発明は金属基材上に形成せしめた
接着層を介してポリプロピレンフイルムを積層し
てなる積層体において、上記接着層が、ビスフエ
ノールA型エポキシ樹脂100重量部を飽和二塩基
酸1〜20重量部で変性せしめてなる酸価が10以下
であるエポキシエステル樹脂の組成物(A)90〜40重
量%と、レゾール型フエノール樹脂(B)10〜60重量
%からなる溶剤可溶樹脂100重量部に対し、分散
体化したカルボキシル基変性ポリプロピレン(C)を
3〜100重量部を配合した焼付硬化した塗膜であ
る金属−ポリプロピレンフイルム積層体の構成と
したことである。 本発明におけるビスフエノールA型エポキシ樹
脂とはエピクロルヒドリンと2,2−ビス(4−
ヒドロキシフエニル)プロパンの反応によつて得
られ、エポキシ当量から算出した平均分子量が
800以上のものが使用できるが2000〜4000の平均
分子量のものが好適である。 本発明で言うエポキシエステル樹脂の組成物(A)
とは、ビスフエノールA型エポキシ樹脂の一部を
脂肪酸で変性せしめてなる樹脂組成物で、たとえ
ば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸等の飽和二塩基酸等によりエポキシエス
テル化した樹脂である。エポキシエステル化の方
法としてはエポキシ樹脂100重量部に対し、1〜
20重量部の脂肪酸を加え、100〜200℃の温度で4
〜8時間反応させる。この際エステル化により生
成した樹脂の酸価は、最終的に調製される接着剤
組成物において、たとえばポリプロピレンフイル
ムを浸透して来る低級脂肪酸に対するバリアー能
に対し強い影響を及ぼす。本発明で効果的なエポ
キシエステルの酸価は10以下、好ましくは3以下
にすることにより顕著な効果を示す。 本発明におけるレゾール型フエノール樹脂(B)は
触媒下でフエノール類にホルムアルデヒドを付加
縮合させる公知の方法によつて得られ、フエノー
ル性水酸基あるいはアルコール性水酸基を変性し
たものも含まれる。なお、フエノール類としては
フエノール、o−クレゾール、m−クレゾール、
p−クレゾール、p−tert−ブチルフエノール、
p−ノニルフエノール、p−オクチルフエノー
ル、p−フエニルフエノール、メチルフエノー
ル、エチルフエノール、プロピルフエノール、イ
ソプロピルフエノール、ブチルフエノール、p−
tert−アミルフエノール、4,4′−sec−ブチリデ
ンフエノール、p−シクロヘキシルフエノール、
4,4′−イソプロピリデン−ジフエノール(ビス
フエノールA)、キシレノール、フエニル−o−
クレゾール等を単独又は2種以上混合し、触媒と
してはアンモニア、エチルアミン、ブチルアミ
ン、ジエタノールアミン等のような有機アミン、
水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム等の塩基性化合物が
またホルムアルデヒドとしては37%水溶液あるい
は40%ブタノール溶液等が用いられる。 本発明に係る溶剤可溶樹脂はエポキシエステル
樹脂の組成物(A)90〜40重量%とレゾール型フエノ
ール樹脂(B)10〜60重量%とからなるものである。
エポキシエステル樹脂(A)の配合量が90重量%を超
えると塗膜のバリアー能が低下し、また40重量%
より少ないと塗膜の加工性が低下し好ましくな
い。 本発明におけるカルボキシル基変性ポリプロピ
レン(C)とはマレイン酸や無水マレイン酸のような
不飽和カルボン酸またはその酸無水物をグラフト
重合せしめたポリプロピレンである。カルボキシ
ル基変性ポリプロピレン分散体は、カルボキシル
基変性ポリプロピレンを物理的に粉砕し適当な溶
媒中に分散せしめるか、またはキシレンのような
溶剤中に熱時溶解し、冷却して溶液中に樹脂を分
散させる方法によつても得ることができる。 本発明における接着剤組成物は、前記溶剤可溶
樹脂100重量部に対し、分散体化したカルボキシ
ル基変性ポリプロピレン(C)と3〜100重量部、好
ましくは3〜30重量部の範囲で使用する。樹脂(C)
の配合量が3重量部より少ないとポリプロピレン
フイルムに対する接着力が小さくなり、逆に100
重量部より多いと溶剤可溶樹脂のもつ防食性を相
対的に低下させるので好ましくない。 本発明の接着剤組成物に使用する有機溶剤とし
てはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等
のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、他
のアルキルベンゼン等の芳香族類、メチルセルソ
ルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等の
セロソルブ類、メチルセロソルブアセテート、ブ
チルセルソロブアセテート、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル類、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のア
ルコール類など、またはこれらの混合溶媒を用い
ることができる。 本発明で用いるポリプロピレンフイルムとして
は、ホモポリマー、エチレンあるいはブテン等と
のコポリマーおよびポリイソブチレンあるいはブ
タジエンゴム等とのポリマーブレンドのものを用
いることができる。フイルムの厚みは30〜300μ
mの範囲が汎用で実用的である。 一方、基材金属板としては、冷延鋼板、電気あ
るいは溶融亜鉛めつき鋼板およびそれらの合金め
つき鋼板、電解クロム酸処理鋼板、錫めつき鋼
板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板また
はこれらのフオイル等であり、これらをそのまゝ
用いるか又は通常行われている化成処理を適用し
たものを用いることができる。 本発明に係わる接着剤組成物を用いて金属−ポ
リプロピレンフイルム積層体を得るには、接着剤
組成物を通常のロールコーテイング、カーテンフ
ローコーテイング等の方法により金属板上に乾燥
後の塗布厚みが1〜50μmになる様塗布した後、
金属板温度が180〜280℃になる様に0.3〜20分間
程度加熱・乾燥する。その後直ちにロールラミネ
ーシヨン法により前記のポリプロピレンフイルム
を貼り合せる。貼り合せ圧力は0.1〜20Kg/cm2程
度で良い。その後冷却して被覆金属板を得る。 (作用) こうして得られる金属−ポリプロピレンフイル
ム積層体は、良好な接着性に併せ対熱性、耐食性
および耐薬品性等に優れることから一般建材はも
とより、比較的高度な耐食性を要求される分野、
例えば容器材料等へも充分に適用することが可能
とされる。 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。 実施例 1 エピコート1007(油化シエルエポキシ(株)社製ビ
スフエノールA型エポキシ樹脂)100重量部とセ
バシン酸5重量部を105重量部のセロソルブアセ
テートに溶解し、N,Nジメチルベンジルアミン
0.22重量部を加え、150℃にて4時間反応させて、
固形分50%のエポキシエステル樹脂の組成物を合
成した。この時の生成したエポキシエステル樹脂
の組成物の酸価は2.1mgKHO/g・樹脂であつ
た。 次にビスフエノールA0.3モルとp−tert−ブチ
ルフエノール0.7モルをホルムアルデヒド(37%
水溶液)2.4モルに溶解しアンモニア(25%アン
モニア水)0.2モルを加え95℃で3時間反応した。
得られた縮合物をメチルイソブチルケトン、30重
量部、シクロヘキサノン30重量部、キシレン40重
量部からなる混合溶剤で抽出し水洗後−昼夜静置
し水層を分離して、60%固形分のレゾール型フエ
ノール樹脂の溶液を合成した。 そして、上記エポキシエステル樹脂の組成物を
固形分として77重量部に対し、レゾール型フエノ
ール樹脂を固形分として23重量部を混合して、固
形分52%のエポキシフエノール樹脂溶液を作製し
た。該溶剤可溶樹脂を固形分として100重量部に
対し、カルボキシル基変性ポリプロピレンの溶剤
分散体(東洋インキ製造(株)製、商品名リオフレツ
クス4188、固形分10%)を固形分として12重量部
加えて、濃度35.9重量%の接着剤を調製した。 こうして得られた接着剤を0.32m/m厚みのテ
インフリースチール(新日本製鐵(株)製、商品名キ
ヤンスーパー)の片面上に乾燥後の塗布量が5/
m2となる様にリバースロールコーターにて塗布し
た。次いで、ガスオーブンにより乾燥並びに加熱
を30秒間で鋼板温度が240℃になる様に行つた後、
そのまゝの温度を保持させたまゝ、直ちにロール
ラミネーターを用いて60μm厚みのポリプロピレ
ンフイルム(出光石油化学(株)製、商品名F−
200S)を4Kg/cm2の圧力でラミネーシヨン、直
ちに冷却して金属−ポリプロピレン積層体を作製
した。 実施例 2 エピコート1009(油化シエルエポキシ(株)製、ビ
スフエノールA型エポキシ樹脂)100重量部とア
ゼライン酸4重量部を104重量部のセロソルブア
セテートに溶解し、N,N−ジメチルベンジンア
ミン0.25重量部を加え、150℃にて5時間反応さ
せて固形分50%のエポキシエステル樹脂の組成物
を合成した。この時の生成したエポキシエステル
樹脂の組成物の酸価は1.8mgKOH/g樹脂であつ
た。一方レゾール型フエノール樹脂の合成と配合
およびカルボキシル基変性ポリプロピレンの溶剤
分散体については実施例1と同様に行い、濃度
35.9重量%の接着剤を調製した。本接着剤組成物
を用い実施例1と同様にして金属−ポリプロピレ
ンフイルム積層体を作製した。 実施例 3 実施例1において使用したカルボキシル基変性
ポリプロピレンの量を4重量部に変え、他は同様
にして接着剤を調製し、実施例1と同様にして金
属−ポリプロピレンフイルム積層体を作製した。 実施例 4 実施例2において使用したカルボキシル基変性
ポリプロピレンの量を95重量部に変え、他は同様
にして接着剤を調製し、実施例1と同様にして金
属−ポリプロピレンフイルム積層体を作製した。 比較例 1 実施例1におけるエポキシエステル樹脂組成物
の合成において、N,N−ジメチルベンジルアミ
ンを0.11重量部に変え、3時間の反応を行つて得
たエポキシエステル樹脂の組成物の酸価は13.5mg
KOH/g樹脂であつた。該エポキシエステル樹
脂の組成物を用い、他は同様にして接着剤を調製
し、実施例1と同様にして金属−ポリプロピレン
フイルム積層体を作製した。 比較例 2 実施例2において使用したアゼライン酸の代わ
りに、ステアリン酸5重量部を用いてエポキシエ
ステル樹脂の組成物を合成した。この時の生成し
たエポキシエステル樹脂の組成物の酸価は3.5mg
KOH/g樹脂であつた。該エポキシエステル樹
脂の組成物を用い、他は実施例1と同様にして接
着剤を調製し、実施例1と同様にして金属−ポリ
プロピレンフイルム積層体を作製した。 比較例 3 実施例1において、エポキシエステル樹脂の組
成物溶液の代わりにエピコート1007をセロソルブ
アセテートに固形分として50%になるように溶解
した樹脂溶液を用い、他は実施例1と同様にして
接着剤を調製し、実施例1と同様にして金属−ポ
リプロピレンフイルム積層体を作製した。 比較例 4 実施例1においてカルボキシル基変性ポリプロ
ピレンを用いずに金属−ポリプロピレンフイルム
積層体を作製したところ、ポリプロピレンフイル
ムは手で簡単に剥離し、良好な金属−ポリプロピ
レン積層体となり得なかつた。 比較例 5 実施例1で用いた分散体化したカルボキシル基
変性ポリプロピレンだけを接着剤として用い、実
施例1と同様にして金属−ポリプロピレンフイル
ム積層体を作製した。 実施例1〜4および比較例1〜5において作製
した金属−ポリプロピレンフイルム積層体につい
て、JIS K−6744に従いエリクセン試験にて加工
接着性を測定した。そして加工部も含めた耐食性
を調べるため20℃の温度でデユポン衝撃試験(径
2/1インチ、荷重500g、高さ30cm)を裏面より行
つた後、5%酢酸水溶液中に浸漬し、37℃にて
480時間経過後に平面部及び凸加工部の発錆状況
を目視観察し評価した。 これらの結果を第1表にまとめて示した。これ
によつても本発明品は充分なる接着加工性耐食性
能を有していることが分る。また、エポキシエス
テル樹脂の組成物の中でも酸価の小さい程、耐食
性に優れてることが分る。
フイルムを金属板に貼合せてなる金属−ポリプロ
ピレンフイルム積層体に関するものであり、主な
目的とするところは優れた接着加工性と耐食性を
有する樹脂被覆金属板を提供することにある。 (従来技術) 従来、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリ
オレフインフイルムを接着剤または変性オレフイ
ン組成物等の接着層を介して金属板上に形成せし
めた金属−ポリオレフイン積層体は、ポリオレフ
インフイルムの特性、例えば、通常の耐薬品性、
耐溶剤性および耐熱性等の諸特性を生かし、主に
容器材料や屋内外建材への適用がなされている。 この金属−ポリオレフインフイルム積層体の製
造方法については従来よりいくつかの方法が提案
されてきている。例えば、カルボキシル基変性ポ
リオレフインを含む金属基板上に熱圧着して接着
せしめる方法、金属面上にエポキシ樹脂プライマ
ー、変性ポリオレフイン、オレフインフイルムの
三層構成で接着せしめる方法(特開昭56−117642
号公報)、硬化剤を含むエポキシ樹脂中にカルボ
キシル変性ポリオレフイン粉末を分散させた接着
剤を用いてポリオレフインフイルムを金属基材に
接着せしめる方法(特開昭53−133242号公報、特
開昭54−85号公報)、カルボキシル基等を有する
飽和炭化水素とエポキシ樹脂を反応させた接着剤
を用いる方法(特開昭59−124812号公報)等がそ
れである。これらの方法で製造された金属−ポリ
オレフインフイルムの積層体は接着強さも充分で
あり、一般の薬品や溶剤に対しても良好な耐食性
および耐久性を示す。 (発明が解決しようとする問題点) しかし、通常のポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフインフイルムは酢酸、酪酸といつ
た低級脂肪酸や四塩化炭素などの塩素化溶剤等を
比較的速く吸収・透過させる性質を有すこと、ま
た酸素ガス透過性も比較的大きいため、ポリオレ
フイン側がこれらを含む物質に長期間暴されると
条件によつてはこれらの酸や酸素はフイルムを透
過し、極く短時間で金属面に到達し腐食を生じせ
しめることがある。この様な現象は、前述した従
来技術のエポキシ樹脂をプライマーに用いる方法
やエポキシ樹脂中にカルボキシル基ポリオレフイ
ン粉末を分散させる方法等によつても防止するこ
とはできない。従つて、例えば金属−ポリオレフ
イン積層体を容器材料用途に向ける様な場合に
は、この欠点が容器としての適用範囲を著しく制
約していた。 (問題点を解決するための手段) 本発明者は金属−ポリプロピレン積層体に於て
有機酸等腐食性物質のフイルム中透過という特徴
的な問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エ
ポキシエステル樹脂、レゾール型フエノール樹脂
およびカルボキシル基変性ポリプロピレンより成
る接着剤組成物において、エポキシエステル樹脂
に可撓性を付与すると共に生成する樹脂の酸価を
低く押えることにより、フイルム層を浸透して来
る腐食性物質に対し接着剤層が有力なバリアー能
を発揮することを見出した。後の実施例でも示す
が、こうすることで加工接着性を阻害せずに被覆
層全体の耐食性が著しく改良される。 すなわち、本発明は金属基材上に形成せしめた
接着層を介してポリプロピレンフイルムを積層し
てなる積層体において、上記接着層が、ビスフエ
ノールA型エポキシ樹脂100重量部を飽和二塩基
酸1〜20重量部で変性せしめてなる酸価が10以下
であるエポキシエステル樹脂の組成物(A)90〜40重
量%と、レゾール型フエノール樹脂(B)10〜60重量
%からなる溶剤可溶樹脂100重量部に対し、分散
体化したカルボキシル基変性ポリプロピレン(C)を
3〜100重量部を配合した焼付硬化した塗膜であ
る金属−ポリプロピレンフイルム積層体の構成と
したことである。 本発明におけるビスフエノールA型エポキシ樹
脂とはエピクロルヒドリンと2,2−ビス(4−
ヒドロキシフエニル)プロパンの反応によつて得
られ、エポキシ当量から算出した平均分子量が
800以上のものが使用できるが2000〜4000の平均
分子量のものが好適である。 本発明で言うエポキシエステル樹脂の組成物(A)
とは、ビスフエノールA型エポキシ樹脂の一部を
脂肪酸で変性せしめてなる樹脂組成物で、たとえ
ば、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸等の飽和二塩基酸等によりエポキシエス
テル化した樹脂である。エポキシエステル化の方
法としてはエポキシ樹脂100重量部に対し、1〜
20重量部の脂肪酸を加え、100〜200℃の温度で4
〜8時間反応させる。この際エステル化により生
成した樹脂の酸価は、最終的に調製される接着剤
組成物において、たとえばポリプロピレンフイル
ムを浸透して来る低級脂肪酸に対するバリアー能
に対し強い影響を及ぼす。本発明で効果的なエポ
キシエステルの酸価は10以下、好ましくは3以下
にすることにより顕著な効果を示す。 本発明におけるレゾール型フエノール樹脂(B)は
触媒下でフエノール類にホルムアルデヒドを付加
縮合させる公知の方法によつて得られ、フエノー
ル性水酸基あるいはアルコール性水酸基を変性し
たものも含まれる。なお、フエノール類としては
フエノール、o−クレゾール、m−クレゾール、
p−クレゾール、p−tert−ブチルフエノール、
p−ノニルフエノール、p−オクチルフエノー
ル、p−フエニルフエノール、メチルフエノー
ル、エチルフエノール、プロピルフエノール、イ
ソプロピルフエノール、ブチルフエノール、p−
tert−アミルフエノール、4,4′−sec−ブチリデ
ンフエノール、p−シクロヘキシルフエノール、
4,4′−イソプロピリデン−ジフエノール(ビス
フエノールA)、キシレノール、フエニル−o−
クレゾール等を単独又は2種以上混合し、触媒と
してはアンモニア、エチルアミン、ブチルアミ
ン、ジエタノールアミン等のような有機アミン、
水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム等の塩基性化合物が
またホルムアルデヒドとしては37%水溶液あるい
は40%ブタノール溶液等が用いられる。 本発明に係る溶剤可溶樹脂はエポキシエステル
樹脂の組成物(A)90〜40重量%とレゾール型フエノ
ール樹脂(B)10〜60重量%とからなるものである。
エポキシエステル樹脂(A)の配合量が90重量%を超
えると塗膜のバリアー能が低下し、また40重量%
より少ないと塗膜の加工性が低下し好ましくな
い。 本発明におけるカルボキシル基変性ポリプロピ
レン(C)とはマレイン酸や無水マレイン酸のような
不飽和カルボン酸またはその酸無水物をグラフト
重合せしめたポリプロピレンである。カルボキシ
ル基変性ポリプロピレン分散体は、カルボキシル
基変性ポリプロピレンを物理的に粉砕し適当な溶
媒中に分散せしめるか、またはキシレンのような
溶剤中に熱時溶解し、冷却して溶液中に樹脂を分
散させる方法によつても得ることができる。 本発明における接着剤組成物は、前記溶剤可溶
樹脂100重量部に対し、分散体化したカルボキシ
ル基変性ポリプロピレン(C)と3〜100重量部、好
ましくは3〜30重量部の範囲で使用する。樹脂(C)
の配合量が3重量部より少ないとポリプロピレン
フイルムに対する接着力が小さくなり、逆に100
重量部より多いと溶剤可溶樹脂のもつ防食性を相
対的に低下させるので好ましくない。 本発明の接着剤組成物に使用する有機溶剤とし
てはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等
のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、他
のアルキルベンゼン等の芳香族類、メチルセルソ
ルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等の
セロソルブ類、メチルセロソルブアセテート、ブ
チルセルソロブアセテート、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル類、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のア
ルコール類など、またはこれらの混合溶媒を用い
ることができる。 本発明で用いるポリプロピレンフイルムとして
は、ホモポリマー、エチレンあるいはブテン等と
のコポリマーおよびポリイソブチレンあるいはブ
タジエンゴム等とのポリマーブレンドのものを用
いることができる。フイルムの厚みは30〜300μ
mの範囲が汎用で実用的である。 一方、基材金属板としては、冷延鋼板、電気あ
るいは溶融亜鉛めつき鋼板およびそれらの合金め
つき鋼板、電解クロム酸処理鋼板、錫めつき鋼
板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板また
はこれらのフオイル等であり、これらをそのまゝ
用いるか又は通常行われている化成処理を適用し
たものを用いることができる。 本発明に係わる接着剤組成物を用いて金属−ポ
リプロピレンフイルム積層体を得るには、接着剤
組成物を通常のロールコーテイング、カーテンフ
ローコーテイング等の方法により金属板上に乾燥
後の塗布厚みが1〜50μmになる様塗布した後、
金属板温度が180〜280℃になる様に0.3〜20分間
程度加熱・乾燥する。その後直ちにロールラミネ
ーシヨン法により前記のポリプロピレンフイルム
を貼り合せる。貼り合せ圧力は0.1〜20Kg/cm2程
度で良い。その後冷却して被覆金属板を得る。 (作用) こうして得られる金属−ポリプロピレンフイル
ム積層体は、良好な接着性に併せ対熱性、耐食性
および耐薬品性等に優れることから一般建材はも
とより、比較的高度な耐食性を要求される分野、
例えば容器材料等へも充分に適用することが可能
とされる。 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。 実施例 1 エピコート1007(油化シエルエポキシ(株)社製ビ
スフエノールA型エポキシ樹脂)100重量部とセ
バシン酸5重量部を105重量部のセロソルブアセ
テートに溶解し、N,Nジメチルベンジルアミン
0.22重量部を加え、150℃にて4時間反応させて、
固形分50%のエポキシエステル樹脂の組成物を合
成した。この時の生成したエポキシエステル樹脂
の組成物の酸価は2.1mgKHO/g・樹脂であつ
た。 次にビスフエノールA0.3モルとp−tert−ブチ
ルフエノール0.7モルをホルムアルデヒド(37%
水溶液)2.4モルに溶解しアンモニア(25%アン
モニア水)0.2モルを加え95℃で3時間反応した。
得られた縮合物をメチルイソブチルケトン、30重
量部、シクロヘキサノン30重量部、キシレン40重
量部からなる混合溶剤で抽出し水洗後−昼夜静置
し水層を分離して、60%固形分のレゾール型フエ
ノール樹脂の溶液を合成した。 そして、上記エポキシエステル樹脂の組成物を
固形分として77重量部に対し、レゾール型フエノ
ール樹脂を固形分として23重量部を混合して、固
形分52%のエポキシフエノール樹脂溶液を作製し
た。該溶剤可溶樹脂を固形分として100重量部に
対し、カルボキシル基変性ポリプロピレンの溶剤
分散体(東洋インキ製造(株)製、商品名リオフレツ
クス4188、固形分10%)を固形分として12重量部
加えて、濃度35.9重量%の接着剤を調製した。 こうして得られた接着剤を0.32m/m厚みのテ
インフリースチール(新日本製鐵(株)製、商品名キ
ヤンスーパー)の片面上に乾燥後の塗布量が5/
m2となる様にリバースロールコーターにて塗布し
た。次いで、ガスオーブンにより乾燥並びに加熱
を30秒間で鋼板温度が240℃になる様に行つた後、
そのまゝの温度を保持させたまゝ、直ちにロール
ラミネーターを用いて60μm厚みのポリプロピレ
ンフイルム(出光石油化学(株)製、商品名F−
200S)を4Kg/cm2の圧力でラミネーシヨン、直
ちに冷却して金属−ポリプロピレン積層体を作製
した。 実施例 2 エピコート1009(油化シエルエポキシ(株)製、ビ
スフエノールA型エポキシ樹脂)100重量部とア
ゼライン酸4重量部を104重量部のセロソルブア
セテートに溶解し、N,N−ジメチルベンジンア
ミン0.25重量部を加え、150℃にて5時間反応さ
せて固形分50%のエポキシエステル樹脂の組成物
を合成した。この時の生成したエポキシエステル
樹脂の組成物の酸価は1.8mgKOH/g樹脂であつ
た。一方レゾール型フエノール樹脂の合成と配合
およびカルボキシル基変性ポリプロピレンの溶剤
分散体については実施例1と同様に行い、濃度
35.9重量%の接着剤を調製した。本接着剤組成物
を用い実施例1と同様にして金属−ポリプロピレ
ンフイルム積層体を作製した。 実施例 3 実施例1において使用したカルボキシル基変性
ポリプロピレンの量を4重量部に変え、他は同様
にして接着剤を調製し、実施例1と同様にして金
属−ポリプロピレンフイルム積層体を作製した。 実施例 4 実施例2において使用したカルボキシル基変性
ポリプロピレンの量を95重量部に変え、他は同様
にして接着剤を調製し、実施例1と同様にして金
属−ポリプロピレンフイルム積層体を作製した。 比較例 1 実施例1におけるエポキシエステル樹脂組成物
の合成において、N,N−ジメチルベンジルアミ
ンを0.11重量部に変え、3時間の反応を行つて得
たエポキシエステル樹脂の組成物の酸価は13.5mg
KOH/g樹脂であつた。該エポキシエステル樹
脂の組成物を用い、他は同様にして接着剤を調製
し、実施例1と同様にして金属−ポリプロピレン
フイルム積層体を作製した。 比較例 2 実施例2において使用したアゼライン酸の代わ
りに、ステアリン酸5重量部を用いてエポキシエ
ステル樹脂の組成物を合成した。この時の生成し
たエポキシエステル樹脂の組成物の酸価は3.5mg
KOH/g樹脂であつた。該エポキシエステル樹
脂の組成物を用い、他は実施例1と同様にして接
着剤を調製し、実施例1と同様にして金属−ポリ
プロピレンフイルム積層体を作製した。 比較例 3 実施例1において、エポキシエステル樹脂の組
成物溶液の代わりにエピコート1007をセロソルブ
アセテートに固形分として50%になるように溶解
した樹脂溶液を用い、他は実施例1と同様にして
接着剤を調製し、実施例1と同様にして金属−ポ
リプロピレンフイルム積層体を作製した。 比較例 4 実施例1においてカルボキシル基変性ポリプロ
ピレンを用いずに金属−ポリプロピレンフイルム
積層体を作製したところ、ポリプロピレンフイル
ムは手で簡単に剥離し、良好な金属−ポリプロピ
レン積層体となり得なかつた。 比較例 5 実施例1で用いた分散体化したカルボキシル基
変性ポリプロピレンだけを接着剤として用い、実
施例1と同様にして金属−ポリプロピレンフイル
ム積層体を作製した。 実施例1〜4および比較例1〜5において作製
した金属−ポリプロピレンフイルム積層体につい
て、JIS K−6744に従いエリクセン試験にて加工
接着性を測定した。そして加工部も含めた耐食性
を調べるため20℃の温度でデユポン衝撃試験(径
2/1インチ、荷重500g、高さ30cm)を裏面より行
つた後、5%酢酸水溶液中に浸漬し、37℃にて
480時間経過後に平面部及び凸加工部の発錆状況
を目視観察し評価した。 これらの結果を第1表にまとめて示した。これ
によつても本発明品は充分なる接着加工性耐食性
能を有していることが分る。また、エポキシエス
テル樹脂の組成物の中でも酸価の小さい程、耐食
性に優れてることが分る。
【表】
(発明の効果)
本発明の接着層はエポキシ樹脂成分を脂肪酸で
変性したことによつて、エポキシ樹脂を高分子量
化し可撓性を付与し得たので、金属−ポリプロピ
レンフイルム積層体を一般の金属板の様に成形加
工しても、加工部における接着層のクラツクの発
生が防止される。また変性物は腐食性物質に対す
るバリヤー性も高く、ポリプロピレンフイルムを
浸透してくる腐食性物質等に対し接着層でカバー
することができる。従つて、これまで内容物に対
する制約が大きく適用が遅れていた缶加工用途に
対しても十分に適用できるものである。
変性したことによつて、エポキシ樹脂を高分子量
化し可撓性を付与し得たので、金属−ポリプロピ
レンフイルム積層体を一般の金属板の様に成形加
工しても、加工部における接着層のクラツクの発
生が防止される。また変性物は腐食性物質に対す
るバリヤー性も高く、ポリプロピレンフイルムを
浸透してくる腐食性物質等に対し接着層でカバー
することができる。従つて、これまで内容物に対
する制約が大きく適用が遅れていた缶加工用途に
対しても十分に適用できるものである。
Claims (1)
- 1 金属基材上に形成せしめた接着層を介してポ
リプロピレンフイルムを積層してなる積層体にお
いて、上記接着層が、ビスフエノールA型エポキ
シ樹脂100重量部を飽和二塩基酸1〜20重量部で
変性せしめてなる酸価が10以下であるエポキシエ
ステル樹脂の組成物(A)90〜40重量%と、レゾール
型フエノール樹脂(B)10〜60重量%からなる溶剤可
溶樹脂100重量部に対し、分散体化したカルボキ
シル基変性ポリプロピレン(C)を3〜100重量部を
配合した焼付硬化した塗膜である金属−ポリプロ
ピレンフイルム積層体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25687786A JPS63111047A (ja) | 1986-10-30 | 1986-10-30 | 金属−ポリプロピレンフイルム積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25687786A JPS63111047A (ja) | 1986-10-30 | 1986-10-30 | 金属−ポリプロピレンフイルム積層体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63111047A JPS63111047A (ja) | 1988-05-16 |
| JPH0362146B2 true JPH0362146B2 (ja) | 1991-09-25 |
Family
ID=17298653
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25687786A Granted JPS63111047A (ja) | 1986-10-30 | 1986-10-30 | 金属−ポリプロピレンフイルム積層体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63111047A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5343408B2 (ja) * | 2008-06-02 | 2013-11-13 | 横浜ゴム株式会社 | 塩水接着性に優れた金属・オレフィン系樹脂接着剤組成物 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59169852A (ja) * | 1983-03-15 | 1984-09-25 | 住友金属工業株式会社 | ポリオレフイン被覆鋼管 |
-
1986
- 1986-10-30 JP JP25687786A patent/JPS63111047A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63111047A (ja) | 1988-05-16 |
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