JPH0364152B2 - - Google Patents
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- JPH0364152B2 JPH0364152B2 JP58116538A JP11653883A JPH0364152B2 JP H0364152 B2 JPH0364152 B2 JP H0364152B2 JP 58116538 A JP58116538 A JP 58116538A JP 11653883 A JP11653883 A JP 11653883A JP H0364152 B2 JPH0364152 B2 JP H0364152B2
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Description
本発明は精密過による体液成分の分離、濃
縮、特に血球や細胞の分離に好適な陰イオン性多
孔膜に関するものである。 詳細には特に腹水中のガン細胞を別したり、
血液中の血球成分、血小板を損傷、漏洩させる事
なく血漿を別するのに好適な、負荷電を有する
ビニルアルコール系多孔膜に関するものである。 血漿分離膜や腹水濃縮膜としては、従来セルロ
ースアセテート膜、ポリビニルアルコール膜、ポ
リプロピレン膜、ポリメチルメタクリレート膜、
ポリエチレン膜、ポリスルホン膜などが公知であ
るが、イオン基を有するものは特開昭56−57836
に簡単に触れられているのみである。濃厚な血清
蛋白溶液中に血球、血小板が浮遊している血液か
ら血漿を効率よく分離するためには、膜の孔径は
血小板の漏洩のない範囲でできる限り大きい方が
望ましい。孔径が大きくなると膜の耐圧性は低下
するが、医療用膜に対して要求される耐圧は500
mmHg程度の低圧であり、通常殆んど問題になら
ない。また大孔径化にともなう膜の機械的強度の
低下はモジユール化の際などに膜の取り扱いを困
難にするが、例えば中空繊維の場合には細径化に
より破壊圧力P P∝(t/OD)3 t 膜厚、OD 外径 を高めて、こうした欠点をかなり相殺できる。大
孔径化の最大の、本質的問題はむしろ赤血球など
の漏洩、溶血である。赤血球は直径8μで厚さ1.5
〜2μ程度の中心が凹んだ円板状物であるが、0.7
〜1μ程度の毛細血管中をも変形して通過すると
言われており、これが血球成分の漏洩、膜孔への
目詰り、溶血の原因となる。従つて現在公知の血
漿分離膜の平均孔径は、孔径分布を考慮して0.2
〜0.5μ程度に抑えられているのが現状であるが、
それでも尚、相当の溶血、血球成分や蛋白成分の
目詰り、それに伴なう血漿分離速度の経時的低下
が避けられない。本発明者等はこの様な問題を解
決すべく鋭意研究を重ねた結果、以外にも水中で
陰イオンに電離可能な基を0.3〜45モル%の範囲
内で含有するビニルアルコール系重合体よりなる
多孔膜は、従来公知の血漿分離膜より孔径が大き
くとも溶血が少なく、血漿分離速度の経時的低下
も小さく、血液親和性も優れている事を見い出
し、本発明にいたつた。 すなわち本発明はビニルアルコール残基を少な
くとも25モル%含み、かつ水中で陰イオンに電離
可能な基を0.3〜45モル%含む重合体よりなる体
液処理膜が、膜表面および膜内部に孔径0.05〜5μ
の多数の微細孔を空孔率40〜85%の割合で有する
多孔構造であり、かつ透水性が500ml/mmHg・
m2・hr以下を示し、血清アルブミンの阻止率が20
%以下を示すことを特徴とする陰イオン性体液
過膜である。以下本発明をさらに詳しく説明す
る。 本発明でいう体液とは血液、血漿、血清、リン
パ液、骨髄液、腹水およびこれらの液に何らかの
処理を施したもの、例えば白血球を除去したり、
コレステロールを除去したり、あるいは冷却(加
熱)して蛋白ゲルを生成させたり、ヒドロキシエ
チルスターチを添加したものなどの総称である。 本発明における膜の素材としては、ビニルアル
コール残基を少なくとも25モル%含む重合体を使
用することが必要である。このような重合体とし
てはポリビニルアルコール、またはビニルアルコ
ール共重合体、たとえばエチレン、プロピレンな
どのオレフイン、スチレン、塩化ビニル、アクリ
ロニトリル、アクリル酸およびその誘導体のうち
の少なくとも1種と、酢酸ビニルなどのビニルエ
ステルとの共重合物のケン化物などがあげられ
る。これらの重合体のうちエチレンビニルアルコ
ール共重合体は抗血栓性が優れており、好まし
い。ここでエチレン−ビニルアルコール共重合体
中のエチレン残基は少なくとも10モル%、好まし
くは20〜50モル%である。 重合体中のビニルアルコール残基は少なくとも
25モル%であることが必要である。25モル%未満
の場合には血液との親和性が低下する。その理由
は明確ではないが、抗凝血性の重要な因子のひと
つである重合体の親水性と疎水性のバランスを、
水酸基の水和によつて緩やかに調整する効果を発
揮している事が考えられる。ビニルアルコール残
基の好ましい含有量は50〜95モル%である。ここ
でいうビニルアルコール残基の含有量とは膜を構
成するポリマーの単位モノマー(残基)数に対す
るビニルアルコールモノマー数の比率である。 重合体中における、水中で陰イオンに電離可能
な基(以下陰イオン性基と記す。)の含有量は0.3
モル%〜45モル%である。ここでいう含有量は膜
を構成するポリマーの単位モノマー(残基)数に
対する陰イオン基の比率である。 陰イオン性基の含有量が0.3モル%未満では、
孔径が0.05μより大きくなつた場合に、血漿の
過速度を経時的に安定に保つ効果がない。一方、
上限は45モル%であるが、これ以上では膜の膨潤
が大きく、耐圧性が著しく低くなるので、多くの
架橋を行なう必要が生じ、そのため過速度、蛋
白透過性が共に低下して好ましくない。 架橋反応には、公知の一般的方法を用いる事が
できるが、例えば、ジビニル化合物、ホルムアル
デヒド、ジアルデヒド、ジイソシアナート等の有
機系架橋剤や、硼素化合物等の無機架橋剤による
架橋や、γ線、電子線などの放射線や光による架
橋反応が挙げられる。架橋構造は予め架橋構造を
有する重合体との共重合によつて導入する事がで
きる。また重合時、製膜時に架橋反応を行なう事
もできる。特に架橋反応のみを行なわせる工程を
実施しても良い。必要なら製膜後に架橋反応を行
なう事もできる。またアセタール化、エステル
化、エーテル化を始めとする各種の反応も随時行
なうことができる。これらは架橋ではないが、膜
の親水性、疎水性を調節する上で意味がある。 イオン性基の例としては、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、スルフイン酸基、ホスホン酸基、ホ
スフイン酸基、およびそれらの塩、フエノール性
水酸基およびそれ等の塩、サルフエート、フオス
フエートなどのエステル、およびその塩などがあ
げられる。これ等の基は同一残基中に2種以上あ
つても良いし、膜を形成する重合体中に2種以上
存在しても良い。イオン性基は、それ等を含むビ
ニルモノマーあるいはポリマー、多元共重合体
と、他のモノマーとの共重合体によつて、膜を形
成する重合物中に導入する事ができる。あるいは
重合後に化学反応によつて導入する事もできる。
光、放射線などによつてイオン性基を導入しても
よい。また、必要ならば製膜後、あるいはモジユ
ールに成形した後に導入しても良い。 陰イオン基の導入には、アセタール化、エステ
ル化、エーテル化、スルホン化、酸化、還元、付
加、置換、交換、グラフト等、公知の反応を用い
る事ができる。使用される溶媒、反応剤、触媒等
は体液処理を行なう前に十分に除去されねばなら
ない。 本発明の体液処理膜は膜表面および膜内部に孔
径0.05〜5μの多数の微細孔を有する多孔構造であ
り、その空孔率は40%以上85%以下である。そし
てこの体液処理膜の透水性は500ml/mmHg・m2・
hr以上、好ましくは2000ml/mmHg・m2・hr以上、
血清アルブミン(分子量67000)の阻止率は20%
以下、好ましくは10%以下である。空孔率がこれ
より小さいと、あるいは透水性がこれより小さい
と濃厚蛋白溶液である体液の過速度が小さく、
かつ目詰りによる過速度の経時的低下も大き
い。一方、空孔率が85%を越えると溶血が起こり
易く、かつ膜の機械的強度が極端に不足し、モジ
ユールの組み立てる事が困難である。また体液中
の蛋白質の主成分である血清アルブミンの阻止率
が20%を越えると血漿の過速度が小さくなりす
ぎる。コレステロールの阻止率が25%以下のもの
はさらに好ましい。 血漿分離、腹水濃縮に本発明の膜を用いる場合
には、孔径0.05μ以上、より好ましくは0.2μ以上
の孔が多い程本発明の効果が顕著であり、血球、
血小板、細胞の漏出が防止され、溶液は少なく、
血漿や腹水の過速度は大きく、かつ経時的にも
安定している。しかしながら、孔径が5μを越え
るとこうした効果は不明瞭となる。この理由は明
らかではないが、血球、血小板、細胞の表面が若
干負に帯電しているため、膜に対して電気的反撥
力が作用し、これ等の有形成分が膜孔へ目詰まり
したり、粘着するのが抑制されるためではないか
と推定される。 次に本発明の体液処理膜の製膜法について、さ
らに詳細に説明する。膜を形成する重合体の平均
分子量は大略3万以上である。通常は3万5千〜
20万程度が用いられる。平均分子量の高い方が、
膜の機械的性質は優れている。重合体の溶媒は
水、あるいは有機溶剤のうちから、原料とする重
合体を完全に溶解し、かつ凝固浴に速やかに溶解
し得るものを選ぶ。例えばジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、テトラヒドロフラン、ピロリドン、N−メチ
ルピロリドン、およびメタノール、エタノール、
イソプロパノール等の1価アルコール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン
等の多価アルコール、フエノール、メタクレゾー
ル、蟻酸、水またはこれらの混合物が挙げられ
る。 本発明でいう多孔性膜を得る為には、ポリマー
と溶媒のみの溶液を製膜原液としてよ良いが、通
常は孔を形成するために製膜原液に添加剤を加え
る場合が多い。添加剤としては例えばホウ酸、芒
硝、炭酸カルシウムなどの無機酸や無機塩、有機
酸やその塩類、アルカリ類、ポリエチレングリコ
ールやポリプロピレングリコールあるいはアセト
ン、ヘキサン、ベンゼンなどの非溶媒、コロイダ
ルシリカ、微粉状シリカなどの分散質をあげる事
ができる。これらの物質の添加量は対重合体比で
10%以上300%以下、好ましくは50%以上200%以
下である。これ以上では血清アルブミン阻止率が
20%以下の膜を得る事が困難であり、またこれ以
上では空孔率が大きくなりすぎて機械的強度が不
足する。 製膜原液中の重合体の濃度は5〜50重量%、好
ましくは10〜35重量%の範囲にある。これより低
濃度では粘度が低すぎて、これより高濃度では粘
度が高すぎて均一な膜を安定に得る事が困難にな
る。 製膜原液の温度は0℃〜120℃、好適には5℃
〜95℃が良い。これより低温では粘度が高くなり
すぎて製膜が困難になり、これより高温では重合
体の分解、変質がおこる恐れがある。 この様にして得られる製膜原液を公知の種々の
湿式凝固法又は乾湿式凝固法によつて製膜する。
少数の例を示せば、製膜原液を細長いスリツト状
の孔をもつ口金から押出し、凝固浴に接触あるい
は浸漬させて固化、平膜を成膜する方法、円環状
の孔をもつ口金から製膜原液を押出し、管状や中
空糸状の膜を成膜する方法などが挙げられる。ま
た製膜原液を所望の形状に流延した後、あるいは
流延しつつ凝固浴に接触、あるいは浸漬して製膜
しても良い。 凝固浴としては製膜原液の溶媒と相溶性が高
く、かつ膜を形成する成分に対する相溶性が実質
的にないものを用いる。一般的には水、メタノー
ル、エタノール等の一価アルコール類、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、グリセリン
などの多価アルコール類、アセトンまたはそれら
の混合物を用いる。凝固速度を調節する為に、あ
るいはゲル化や相分離を制御する為に凝固浴に混
和性のある有機溶媒、芒硝、塩化カルシウム等の
無機塩類および酸、アルカリなどを添加する事も
ある。特殊な場合には、製膜は一面のみが凝固浴
に接し、反対側の一面は空気、窒素等のガスに、
あるいはベンゼン、トルエン、ヘキサン、水銀等
の製膜原液の溶媒とも、凝固浴とも非混和性の液
体に接触した状態で行なわれる。特開昭55−
148209号の様に、凝固浴に接触する直前に気相中
を通過させる場合もある。 凝固浴の温度は体液処理に適した性能の膜を得
る為の重要な因子であり、一般には−10℃〜50
℃、好適には10〜40℃の範囲にある。これより低
温では凝固が遅く、孔径が小さくなりすぎる。こ
れより高温では凝固速度が速すぎ、空孔率が過大
になつたり、斑を生じたりし易い。 凝固浴を出た膜は、さらに必要に応じて延伸、
熱処理、洗浄を行なうことができる。 また、本発明による膜は湿潤または乾燥膜とし
て使用できる。乾燥法としては気流、熱線、電磁
波等により直接乾燥する方法のほか、例えば膜に
含まれる水分を水混和性でかつポリマーを溶解し
ない有機溶媒(例えばアセトン、メタノール、テ
トラヒドロフラン等)で置換し、次いで有機溶媒
を減圧、加熱等により除去する方法や、製膜時あ
るいは製膜後にグリセリン、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アル
コールで処理し、しかる後に乾燥する方法、さら
には含水膜を液体窒素や、炭酸ガスで凍結し、凍
結乾燥する方法等を用いることができる。 本発明の膜をモジユール化する場合、その形状
としては中空繊維型が最良であるが、その他に平
膜型、キール型、コイル型、スパイラル型、管状
型などの公知の形態を用いる事ができる。特に中
空繊維膜の形で利用する場合、内径は40〜
3000μ、好ましくは80〜800μ、膜厚は200μ以下の
範囲が好適である。 本発明の膜で血漿分離を行なう場合、以下にし
めすようなシステムを用いると極めて効果的であ
る。すなわち陰イオン性多孔膜を用いて血漿を分
離し、得られた血漿をもう1つのモジユールによ
つて処理する装置であつても、ポンプM1をそな
えた血液流入回路と、その血液流入回路に連結し
た陰イオン性多孔膜モジユール(第1の膜モジユ
ール)と、それに接続している血液流出回路と、
該膜モジユールにより分離された血漿を血漿処理
モジユール(第2のモジユール)に導入する回路
と、その血漿導入回路に連結した血漿処理モジユ
ールと、該血漿処理モジユールに接続した処理済
の血漿を導出する回路と、第1の膜モジユールの
渦圧(TMP)が実質的に陰圧にならないよう
に調整する少なくともポンプM2を供えた圧力調
整装置とよりなるシステムを用いると血漿分離と
同時に血漿中の不要成分を除去する事ができ、極
めて効果的である。この様なシステムの例とし
て、第1図〜第3図をあげる事ができる。図中P
は圧力計、Mはポンプ、Vはバルブ、Fは流量計
を表わす。第1の陰イオン性多孔膜モジユールで
の渦圧が陰圧にならないように第1図では圧力
計P2とポンプM2が、第2図では流量計F1とポン
プM2が、第3図ではバルブV1とポンプM2が連動
制御されている。 血漿処理用の第2のモジユールは血漿成分を分
画する膜よりなるものでも良いし、吸着剤よりな
るものでも良い。 なお本願においては透水性、空隙率、および阻
止率は次のようにして測定した。 (1) 透水率は37℃、5〜50mmHg下て測定し、膜
透水性K′を求めた。 K′=V/A・t・ΔP(ml/m2・hr・mmHg) V:透過水量(ml)、A:膜面積(m2) t:透過時間(hr)、ΔP:測定圧(mmHg) (2) 空隙率は下記の式から算出した。 (1−PD/PW)×100(%) PD:乾燥膜の重量 PW:含水膜の重量(乾燥膜を水に浸漬し、
微細孔内に水を十分浸透させたのち引き上げ
て、膜表面の水分を取り除いた後の重量) (3) 阻止率はヘマトクリツト35%の牛血を用い、
37℃、TMP5〜50mmHg、QB=100ml/min、膜
面積0.5m2の条件下で測定した。 以下実施例により本発明をさらに説明する。 実施例 1 ケン化度98.5モル、重合度2400のポリビニルア
ルコールと、対ポリビニルアルコール比91.5%の
ポリエチレングリコール1000と、4%のホウ酸
と、0.4%の酢酸を加熱溶解してポリビニルアル
コール濃度17%の溶液を得た。この製膜原液を円
環状ノズルより吐出し、円環内芯からは希アルカ
リを注入しつつ、芒硝15%、苛性ソーダ8%を含
む凝固浴中で中空繊維状に固化し、次いで酸性浴
に導びきホウ酸で架橋した。さらにグルタルアル
デヒド3%、硫酸5%、芒硝12%を含む60℃の溶
液に15分浸漬してグルタルアルデヒドによる架橋
を行なつた。 得られた内径350μ、膜厚100μ、空孔率52%、
0.1%濃度の0.2μラテツクス粒子の阻止率90%、
ビニルアルコール残基の含量73モル%の中空繊維
を対照とし、これをさらに2%のオルトベルズア
ルデヒドスルホン酸Naと、10%の硫酸と、10%
の芒硝とよりなる70℃のスルホン化浴中で4時間
処理した。スルホン化された中空繊維は内径
440μ、膜圧150μ空孔率63%、スルホン化度5.2モ
ル%、ビニルアルコール残基含量67.8モル%の多
孔質中空繊維で、透水性は2900ml/mmHg・m2・
hr、血清アルブミン阻止率は0%であつた。この
スルホン化ポリビニルアルコール多孔膜とスルホ
ン化前の多孔膜(対照膜)とを常法により内径規
準膜面積0.5m2の円筒型モジユールに成形し、こ
れらの2種のモジユールを用いて牛血の血漿分離
試験を行なつた。結果を第1表に示す。 スルホン基を有するポリビニルアルコール多孔
膜は対照膜にくらべ、血漿過速度が大きく、か
つ経時的に安定しており、血清蛋白質の透過率は
高く、溶血は少なく、血小板のリークもなく、返
血後の透水性の回復も良好である。
縮、特に血球や細胞の分離に好適な陰イオン性多
孔膜に関するものである。 詳細には特に腹水中のガン細胞を別したり、
血液中の血球成分、血小板を損傷、漏洩させる事
なく血漿を別するのに好適な、負荷電を有する
ビニルアルコール系多孔膜に関するものである。 血漿分離膜や腹水濃縮膜としては、従来セルロ
ースアセテート膜、ポリビニルアルコール膜、ポ
リプロピレン膜、ポリメチルメタクリレート膜、
ポリエチレン膜、ポリスルホン膜などが公知であ
るが、イオン基を有するものは特開昭56−57836
に簡単に触れられているのみである。濃厚な血清
蛋白溶液中に血球、血小板が浮遊している血液か
ら血漿を効率よく分離するためには、膜の孔径は
血小板の漏洩のない範囲でできる限り大きい方が
望ましい。孔径が大きくなると膜の耐圧性は低下
するが、医療用膜に対して要求される耐圧は500
mmHg程度の低圧であり、通常殆んど問題になら
ない。また大孔径化にともなう膜の機械的強度の
低下はモジユール化の際などに膜の取り扱いを困
難にするが、例えば中空繊維の場合には細径化に
より破壊圧力P P∝(t/OD)3 t 膜厚、OD 外径 を高めて、こうした欠点をかなり相殺できる。大
孔径化の最大の、本質的問題はむしろ赤血球など
の漏洩、溶血である。赤血球は直径8μで厚さ1.5
〜2μ程度の中心が凹んだ円板状物であるが、0.7
〜1μ程度の毛細血管中をも変形して通過すると
言われており、これが血球成分の漏洩、膜孔への
目詰り、溶血の原因となる。従つて現在公知の血
漿分離膜の平均孔径は、孔径分布を考慮して0.2
〜0.5μ程度に抑えられているのが現状であるが、
それでも尚、相当の溶血、血球成分や蛋白成分の
目詰り、それに伴なう血漿分離速度の経時的低下
が避けられない。本発明者等はこの様な問題を解
決すべく鋭意研究を重ねた結果、以外にも水中で
陰イオンに電離可能な基を0.3〜45モル%の範囲
内で含有するビニルアルコール系重合体よりなる
多孔膜は、従来公知の血漿分離膜より孔径が大き
くとも溶血が少なく、血漿分離速度の経時的低下
も小さく、血液親和性も優れている事を見い出
し、本発明にいたつた。 すなわち本発明はビニルアルコール残基を少な
くとも25モル%含み、かつ水中で陰イオンに電離
可能な基を0.3〜45モル%含む重合体よりなる体
液処理膜が、膜表面および膜内部に孔径0.05〜5μ
の多数の微細孔を空孔率40〜85%の割合で有する
多孔構造であり、かつ透水性が500ml/mmHg・
m2・hr以下を示し、血清アルブミンの阻止率が20
%以下を示すことを特徴とする陰イオン性体液
過膜である。以下本発明をさらに詳しく説明す
る。 本発明でいう体液とは血液、血漿、血清、リン
パ液、骨髄液、腹水およびこれらの液に何らかの
処理を施したもの、例えば白血球を除去したり、
コレステロールを除去したり、あるいは冷却(加
熱)して蛋白ゲルを生成させたり、ヒドロキシエ
チルスターチを添加したものなどの総称である。 本発明における膜の素材としては、ビニルアル
コール残基を少なくとも25モル%含む重合体を使
用することが必要である。このような重合体とし
てはポリビニルアルコール、またはビニルアルコ
ール共重合体、たとえばエチレン、プロピレンな
どのオレフイン、スチレン、塩化ビニル、アクリ
ロニトリル、アクリル酸およびその誘導体のうち
の少なくとも1種と、酢酸ビニルなどのビニルエ
ステルとの共重合物のケン化物などがあげられ
る。これらの重合体のうちエチレンビニルアルコ
ール共重合体は抗血栓性が優れており、好まし
い。ここでエチレン−ビニルアルコール共重合体
中のエチレン残基は少なくとも10モル%、好まし
くは20〜50モル%である。 重合体中のビニルアルコール残基は少なくとも
25モル%であることが必要である。25モル%未満
の場合には血液との親和性が低下する。その理由
は明確ではないが、抗凝血性の重要な因子のひと
つである重合体の親水性と疎水性のバランスを、
水酸基の水和によつて緩やかに調整する効果を発
揮している事が考えられる。ビニルアルコール残
基の好ましい含有量は50〜95モル%である。ここ
でいうビニルアルコール残基の含有量とは膜を構
成するポリマーの単位モノマー(残基)数に対す
るビニルアルコールモノマー数の比率である。 重合体中における、水中で陰イオンに電離可能
な基(以下陰イオン性基と記す。)の含有量は0.3
モル%〜45モル%である。ここでいう含有量は膜
を構成するポリマーの単位モノマー(残基)数に
対する陰イオン基の比率である。 陰イオン性基の含有量が0.3モル%未満では、
孔径が0.05μより大きくなつた場合に、血漿の
過速度を経時的に安定に保つ効果がない。一方、
上限は45モル%であるが、これ以上では膜の膨潤
が大きく、耐圧性が著しく低くなるので、多くの
架橋を行なう必要が生じ、そのため過速度、蛋
白透過性が共に低下して好ましくない。 架橋反応には、公知の一般的方法を用いる事が
できるが、例えば、ジビニル化合物、ホルムアル
デヒド、ジアルデヒド、ジイソシアナート等の有
機系架橋剤や、硼素化合物等の無機架橋剤による
架橋や、γ線、電子線などの放射線や光による架
橋反応が挙げられる。架橋構造は予め架橋構造を
有する重合体との共重合によつて導入する事がで
きる。また重合時、製膜時に架橋反応を行なう事
もできる。特に架橋反応のみを行なわせる工程を
実施しても良い。必要なら製膜後に架橋反応を行
なう事もできる。またアセタール化、エステル
化、エーテル化を始めとする各種の反応も随時行
なうことができる。これらは架橋ではないが、膜
の親水性、疎水性を調節する上で意味がある。 イオン性基の例としては、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、スルフイン酸基、ホスホン酸基、ホ
スフイン酸基、およびそれらの塩、フエノール性
水酸基およびそれ等の塩、サルフエート、フオス
フエートなどのエステル、およびその塩などがあ
げられる。これ等の基は同一残基中に2種以上あ
つても良いし、膜を形成する重合体中に2種以上
存在しても良い。イオン性基は、それ等を含むビ
ニルモノマーあるいはポリマー、多元共重合体
と、他のモノマーとの共重合体によつて、膜を形
成する重合物中に導入する事ができる。あるいは
重合後に化学反応によつて導入する事もできる。
光、放射線などによつてイオン性基を導入しても
よい。また、必要ならば製膜後、あるいはモジユ
ールに成形した後に導入しても良い。 陰イオン基の導入には、アセタール化、エステ
ル化、エーテル化、スルホン化、酸化、還元、付
加、置換、交換、グラフト等、公知の反応を用い
る事ができる。使用される溶媒、反応剤、触媒等
は体液処理を行なう前に十分に除去されねばなら
ない。 本発明の体液処理膜は膜表面および膜内部に孔
径0.05〜5μの多数の微細孔を有する多孔構造であ
り、その空孔率は40%以上85%以下である。そし
てこの体液処理膜の透水性は500ml/mmHg・m2・
hr以上、好ましくは2000ml/mmHg・m2・hr以上、
血清アルブミン(分子量67000)の阻止率は20%
以下、好ましくは10%以下である。空孔率がこれ
より小さいと、あるいは透水性がこれより小さい
と濃厚蛋白溶液である体液の過速度が小さく、
かつ目詰りによる過速度の経時的低下も大き
い。一方、空孔率が85%を越えると溶血が起こり
易く、かつ膜の機械的強度が極端に不足し、モジ
ユールの組み立てる事が困難である。また体液中
の蛋白質の主成分である血清アルブミンの阻止率
が20%を越えると血漿の過速度が小さくなりす
ぎる。コレステロールの阻止率が25%以下のもの
はさらに好ましい。 血漿分離、腹水濃縮に本発明の膜を用いる場合
には、孔径0.05μ以上、より好ましくは0.2μ以上
の孔が多い程本発明の効果が顕著であり、血球、
血小板、細胞の漏出が防止され、溶液は少なく、
血漿や腹水の過速度は大きく、かつ経時的にも
安定している。しかしながら、孔径が5μを越え
るとこうした効果は不明瞭となる。この理由は明
らかではないが、血球、血小板、細胞の表面が若
干負に帯電しているため、膜に対して電気的反撥
力が作用し、これ等の有形成分が膜孔へ目詰まり
したり、粘着するのが抑制されるためではないか
と推定される。 次に本発明の体液処理膜の製膜法について、さ
らに詳細に説明する。膜を形成する重合体の平均
分子量は大略3万以上である。通常は3万5千〜
20万程度が用いられる。平均分子量の高い方が、
膜の機械的性質は優れている。重合体の溶媒は
水、あるいは有機溶剤のうちから、原料とする重
合体を完全に溶解し、かつ凝固浴に速やかに溶解
し得るものを選ぶ。例えばジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、テトラヒドロフラン、ピロリドン、N−メチ
ルピロリドン、およびメタノール、エタノール、
イソプロパノール等の1価アルコール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン
等の多価アルコール、フエノール、メタクレゾー
ル、蟻酸、水またはこれらの混合物が挙げられ
る。 本発明でいう多孔性膜を得る為には、ポリマー
と溶媒のみの溶液を製膜原液としてよ良いが、通
常は孔を形成するために製膜原液に添加剤を加え
る場合が多い。添加剤としては例えばホウ酸、芒
硝、炭酸カルシウムなどの無機酸や無機塩、有機
酸やその塩類、アルカリ類、ポリエチレングリコ
ールやポリプロピレングリコールあるいはアセト
ン、ヘキサン、ベンゼンなどの非溶媒、コロイダ
ルシリカ、微粉状シリカなどの分散質をあげる事
ができる。これらの物質の添加量は対重合体比で
10%以上300%以下、好ましくは50%以上200%以
下である。これ以上では血清アルブミン阻止率が
20%以下の膜を得る事が困難であり、またこれ以
上では空孔率が大きくなりすぎて機械的強度が不
足する。 製膜原液中の重合体の濃度は5〜50重量%、好
ましくは10〜35重量%の範囲にある。これより低
濃度では粘度が低すぎて、これより高濃度では粘
度が高すぎて均一な膜を安定に得る事が困難にな
る。 製膜原液の温度は0℃〜120℃、好適には5℃
〜95℃が良い。これより低温では粘度が高くなり
すぎて製膜が困難になり、これより高温では重合
体の分解、変質がおこる恐れがある。 この様にして得られる製膜原液を公知の種々の
湿式凝固法又は乾湿式凝固法によつて製膜する。
少数の例を示せば、製膜原液を細長いスリツト状
の孔をもつ口金から押出し、凝固浴に接触あるい
は浸漬させて固化、平膜を成膜する方法、円環状
の孔をもつ口金から製膜原液を押出し、管状や中
空糸状の膜を成膜する方法などが挙げられる。ま
た製膜原液を所望の形状に流延した後、あるいは
流延しつつ凝固浴に接触、あるいは浸漬して製膜
しても良い。 凝固浴としては製膜原液の溶媒と相溶性が高
く、かつ膜を形成する成分に対する相溶性が実質
的にないものを用いる。一般的には水、メタノー
ル、エタノール等の一価アルコール類、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、グリセリン
などの多価アルコール類、アセトンまたはそれら
の混合物を用いる。凝固速度を調節する為に、あ
るいはゲル化や相分離を制御する為に凝固浴に混
和性のある有機溶媒、芒硝、塩化カルシウム等の
無機塩類および酸、アルカリなどを添加する事も
ある。特殊な場合には、製膜は一面のみが凝固浴
に接し、反対側の一面は空気、窒素等のガスに、
あるいはベンゼン、トルエン、ヘキサン、水銀等
の製膜原液の溶媒とも、凝固浴とも非混和性の液
体に接触した状態で行なわれる。特開昭55−
148209号の様に、凝固浴に接触する直前に気相中
を通過させる場合もある。 凝固浴の温度は体液処理に適した性能の膜を得
る為の重要な因子であり、一般には−10℃〜50
℃、好適には10〜40℃の範囲にある。これより低
温では凝固が遅く、孔径が小さくなりすぎる。こ
れより高温では凝固速度が速すぎ、空孔率が過大
になつたり、斑を生じたりし易い。 凝固浴を出た膜は、さらに必要に応じて延伸、
熱処理、洗浄を行なうことができる。 また、本発明による膜は湿潤または乾燥膜とし
て使用できる。乾燥法としては気流、熱線、電磁
波等により直接乾燥する方法のほか、例えば膜に
含まれる水分を水混和性でかつポリマーを溶解し
ない有機溶媒(例えばアセトン、メタノール、テ
トラヒドロフラン等)で置換し、次いで有機溶媒
を減圧、加熱等により除去する方法や、製膜時あ
るいは製膜後にグリセリン、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等の脂肪族多価アル
コールで処理し、しかる後に乾燥する方法、さら
には含水膜を液体窒素や、炭酸ガスで凍結し、凍
結乾燥する方法等を用いることができる。 本発明の膜をモジユール化する場合、その形状
としては中空繊維型が最良であるが、その他に平
膜型、キール型、コイル型、スパイラル型、管状
型などの公知の形態を用いる事ができる。特に中
空繊維膜の形で利用する場合、内径は40〜
3000μ、好ましくは80〜800μ、膜厚は200μ以下の
範囲が好適である。 本発明の膜で血漿分離を行なう場合、以下にし
めすようなシステムを用いると極めて効果的であ
る。すなわち陰イオン性多孔膜を用いて血漿を分
離し、得られた血漿をもう1つのモジユールによ
つて処理する装置であつても、ポンプM1をそな
えた血液流入回路と、その血液流入回路に連結し
た陰イオン性多孔膜モジユール(第1の膜モジユ
ール)と、それに接続している血液流出回路と、
該膜モジユールにより分離された血漿を血漿処理
モジユール(第2のモジユール)に導入する回路
と、その血漿導入回路に連結した血漿処理モジユ
ールと、該血漿処理モジユールに接続した処理済
の血漿を導出する回路と、第1の膜モジユールの
渦圧(TMP)が実質的に陰圧にならないよう
に調整する少なくともポンプM2を供えた圧力調
整装置とよりなるシステムを用いると血漿分離と
同時に血漿中の不要成分を除去する事ができ、極
めて効果的である。この様なシステムの例とし
て、第1図〜第3図をあげる事ができる。図中P
は圧力計、Mはポンプ、Vはバルブ、Fは流量計
を表わす。第1の陰イオン性多孔膜モジユールで
の渦圧が陰圧にならないように第1図では圧力
計P2とポンプM2が、第2図では流量計F1とポン
プM2が、第3図ではバルブV1とポンプM2が連動
制御されている。 血漿処理用の第2のモジユールは血漿成分を分
画する膜よりなるものでも良いし、吸着剤よりな
るものでも良い。 なお本願においては透水性、空隙率、および阻
止率は次のようにして測定した。 (1) 透水率は37℃、5〜50mmHg下て測定し、膜
透水性K′を求めた。 K′=V/A・t・ΔP(ml/m2・hr・mmHg) V:透過水量(ml)、A:膜面積(m2) t:透過時間(hr)、ΔP:測定圧(mmHg) (2) 空隙率は下記の式から算出した。 (1−PD/PW)×100(%) PD:乾燥膜の重量 PW:含水膜の重量(乾燥膜を水に浸漬し、
微細孔内に水を十分浸透させたのち引き上げ
て、膜表面の水分を取り除いた後の重量) (3) 阻止率はヘマトクリツト35%の牛血を用い、
37℃、TMP5〜50mmHg、QB=100ml/min、膜
面積0.5m2の条件下で測定した。 以下実施例により本発明をさらに説明する。 実施例 1 ケン化度98.5モル、重合度2400のポリビニルア
ルコールと、対ポリビニルアルコール比91.5%の
ポリエチレングリコール1000と、4%のホウ酸
と、0.4%の酢酸を加熱溶解してポリビニルアル
コール濃度17%の溶液を得た。この製膜原液を円
環状ノズルより吐出し、円環内芯からは希アルカ
リを注入しつつ、芒硝15%、苛性ソーダ8%を含
む凝固浴中で中空繊維状に固化し、次いで酸性浴
に導びきホウ酸で架橋した。さらにグルタルアル
デヒド3%、硫酸5%、芒硝12%を含む60℃の溶
液に15分浸漬してグルタルアルデヒドによる架橋
を行なつた。 得られた内径350μ、膜厚100μ、空孔率52%、
0.1%濃度の0.2μラテツクス粒子の阻止率90%、
ビニルアルコール残基の含量73モル%の中空繊維
を対照とし、これをさらに2%のオルトベルズア
ルデヒドスルホン酸Naと、10%の硫酸と、10%
の芒硝とよりなる70℃のスルホン化浴中で4時間
処理した。スルホン化された中空繊維は内径
440μ、膜圧150μ空孔率63%、スルホン化度5.2モ
ル%、ビニルアルコール残基含量67.8モル%の多
孔質中空繊維で、透水性は2900ml/mmHg・m2・
hr、血清アルブミン阻止率は0%であつた。この
スルホン化ポリビニルアルコール多孔膜とスルホ
ン化前の多孔膜(対照膜)とを常法により内径規
準膜面積0.5m2の円筒型モジユールに成形し、こ
れらの2種のモジユールを用いて牛血の血漿分離
試験を行なつた。結果を第1表に示す。 スルホン基を有するポリビニルアルコール多孔
膜は対照膜にくらべ、血漿過速度が大きく、か
つ経時的に安定しており、血清蛋白質の透過率は
高く、溶血は少なく、血小板のリークもなく、返
血後の透水性の回復も良好である。
【表】
実施例 2
エチレン含有量33モル%、ケン化度99.8モル%
のエチンレン−酢酸ビニルの共重合体ケン化物と
ポリエチレングリコール600をジメチルスルホキ
シドに加熱溶解し、エチレンビニルアルコールの
濃度20重量%、ポリエチレングリコール600の濃
度26%の製膜原液を得た。これをノズル孔径が
650μm、ニードル外径が250μm、ニードル内径
が90μmの円環状ノズルから吐出し、ニードルか
らは0.42ml/minの窒素ガスを流出させつつ、20
℃のジメチルスルホキシドの20%水溶液中で凝固
させた。ポリエチレングリコール600を湯洗によ
り十分除去した後、アセトン置換を行ない、次い
で25℃の気流中で乾燥した。得られた中空繊維は
乾燥状態で内径220μ、外径380μ、膜厚80μの多孔
膜であつた。この中空繊維5680本を束ねて、その
両端部をポリウレタン樹脂により円筒形のハウジ
ングに固定し、モジユール(有効膜面積0.8m2)
を作製した。このモジユールの中空繊維の内部に
無水マレイン酸の1.5%ポリエチレングリコール
(分子量400)マレエート溶液を導入し、70℃で4
時間エステル化を行ない、カルボキシル基を結合
させた後、温水で2時間洗浄した。 マレイン化されたエチレンビニルアルコール中
空繊維のビニルアルコール残基含量は64.5モル
%、マレイン酸基含量は2.5モル%であり、その
内径は280μ、外径は460μ、空孔率58%、透水性
947ml/mmHg・m2・hrであつた。 このマレイン化エチレンビニルアルコール多孔
膜を収容したモジユールとマレイン化前の多孔膜
(対照膜)を収容したモジユールの2種のモジユ
ールを用いて牛血による血漿分離試験を行なつた
結果を第2表に示す。陰イオン基を有する多孔膜
の効果が明らかである。
のエチンレン−酢酸ビニルの共重合体ケン化物と
ポリエチレングリコール600をジメチルスルホキ
シドに加熱溶解し、エチレンビニルアルコールの
濃度20重量%、ポリエチレングリコール600の濃
度26%の製膜原液を得た。これをノズル孔径が
650μm、ニードル外径が250μm、ニードル内径
が90μmの円環状ノズルから吐出し、ニードルか
らは0.42ml/minの窒素ガスを流出させつつ、20
℃のジメチルスルホキシドの20%水溶液中で凝固
させた。ポリエチレングリコール600を湯洗によ
り十分除去した後、アセトン置換を行ない、次い
で25℃の気流中で乾燥した。得られた中空繊維は
乾燥状態で内径220μ、外径380μ、膜厚80μの多孔
膜であつた。この中空繊維5680本を束ねて、その
両端部をポリウレタン樹脂により円筒形のハウジ
ングに固定し、モジユール(有効膜面積0.8m2)
を作製した。このモジユールの中空繊維の内部に
無水マレイン酸の1.5%ポリエチレングリコール
(分子量400)マレエート溶液を導入し、70℃で4
時間エステル化を行ない、カルボキシル基を結合
させた後、温水で2時間洗浄した。 マレイン化されたエチレンビニルアルコール中
空繊維のビニルアルコール残基含量は64.5モル
%、マレイン酸基含量は2.5モル%であり、その
内径は280μ、外径は460μ、空孔率58%、透水性
947ml/mmHg・m2・hrであつた。 このマレイン化エチレンビニルアルコール多孔
膜を収容したモジユールとマレイン化前の多孔膜
(対照膜)を収容したモジユールの2種のモジユ
ールを用いて牛血による血漿分離試験を行なつた
結果を第2表に示す。陰イオン基を有する多孔膜
の効果が明らかである。
【表】
実施例 3
エチレン含量32モル%、ケン化度99.8モル%の
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のチツプ
を硫酸10%、芒硝10%、ベンズアルデヒドスルホ
ン酸ナトリウム5%の混合水溶液中に分散させ、
70℃で5.5時間アセタール化反応を行ない、スル
ホン化されたビニルアルコール残基3.4モル%を
含有する平均分子量4万2千の重合体を得た。十
分に水洗、乾燥したのち、この重合体をジメチル
スルホキシドに80℃で溶解し、さらにポリエチレ
ングリコール600を添加して、ポリマー濃度20%、
ポリエチレングリコール濃度26%の製膜原液を得
た。ノズル孔径が650μm、ニードル外径が250μ
m、ニードル内径が90μmの円環状ノズルからこ
の原液を吐出し、ニードルからは0.42ml/minの
窒素ガスを流出させつつ、23℃の水中で凝固させ
た。以下実施例2と同様にして5000本の多孔質中
空繊維よりなる0.7m2のモジユールを作製した。
この中空繊維の内径は294μ、外径は470μ、空孔
率は73%、透水性は3300ml/mmHg・m2・hrであ
つた。 またこのモジユールによる血漿分離試験結果は
第3表に示す通り良好であつた。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のチツプ
を硫酸10%、芒硝10%、ベンズアルデヒドスルホ
ン酸ナトリウム5%の混合水溶液中に分散させ、
70℃で5.5時間アセタール化反応を行ない、スル
ホン化されたビニルアルコール残基3.4モル%を
含有する平均分子量4万2千の重合体を得た。十
分に水洗、乾燥したのち、この重合体をジメチル
スルホキシドに80℃で溶解し、さらにポリエチレ
ングリコール600を添加して、ポリマー濃度20%、
ポリエチレングリコール濃度26%の製膜原液を得
た。ノズル孔径が650μm、ニードル外径が250μ
m、ニードル内径が90μmの円環状ノズルからこ
の原液を吐出し、ニードルからは0.42ml/minの
窒素ガスを流出させつつ、23℃の水中で凝固させ
た。以下実施例2と同様にして5000本の多孔質中
空繊維よりなる0.7m2のモジユールを作製した。
この中空繊維の内径は294μ、外径は470μ、空孔
率は73%、透水性は3300ml/mmHg・m2・hrであ
つた。 またこのモジユールによる血漿分離試験結果は
第3表に示す通り良好であつた。
【表】
【表】
実施例 4
実施例1で作製した0.5m2のモジユールを第1
図の装置にセツトし、牛血液の二重過プラズマ
フエレーシイスを行なつた。陰イオン性血漿分離
膜への導入血液は、ヘマトクリツト35%、総蛋白
6.7g/dl、血清アルブミン4g/dl、総コレス
テロール160mg/dlであり、流量は100ml/minで
ある。血漿分離膜TMPを10mmHgに制御しなが
ら、得られた血漿を血漿処理膜で過し、血漿処
理膜で10倍に濃縮された血漿は廃棄し、かわりに
同量の新しい血漿を加えて液と共に血漿分離膜
で濃縮された血液に合流せしめて循環した。4時
間の試験中における陰イオン性血漿分離膜の平均
血漿分離速度は22ml/minと高く安定しており、
かつ溶血も少なく、血漿処理膜により約50%のコ
レステロールを除去する効果が認められた。また
装置の圧力制御性、操作性ともに良好であつた。
図の装置にセツトし、牛血液の二重過プラズマ
フエレーシイスを行なつた。陰イオン性血漿分離
膜への導入血液は、ヘマトクリツト35%、総蛋白
6.7g/dl、血清アルブミン4g/dl、総コレス
テロール160mg/dlであり、流量は100ml/minで
ある。血漿分離膜TMPを10mmHgに制御しなが
ら、得られた血漿を血漿処理膜で過し、血漿処
理膜で10倍に濃縮された血漿は廃棄し、かわりに
同量の新しい血漿を加えて液と共に血漿分離膜
で濃縮された血液に合流せしめて循環した。4時
間の試験中における陰イオン性血漿分離膜の平均
血漿分離速度は22ml/minと高く安定しており、
かつ溶血も少なく、血漿処理膜により約50%のコ
レステロールを除去する効果が認められた。また
装置の圧力制御性、操作性ともに良好であつた。
第1図、第2図および第3図は本発明の陰イオ
ン性体液処理膜を用いて実施される血漿分離の例
を示す工程図である。 図中、P1,P1′,P2,P3……圧力計、M1,M2,
M3……ポンプ、F1……流量計、V1,V2……バル
ブを示す。
ン性体液処理膜を用いて実施される血漿分離の例
を示す工程図である。 図中、P1,P1′,P2,P3……圧力計、M1,M2,
M3……ポンプ、F1……流量計、V1,V2……バル
ブを示す。
Claims (1)
- 1 ビニルアルコール残基を少なくとも25モル%
含み、かつ水中で陰イオンに電離可能な基を0.3
〜45モル%含む重合体よりなる体液処理膜が、膜
表面および膜内部に孔径0.05〜5μの多数の微細孔
を空孔率40〜85%の割合で有する多孔構造であ
り、かつ透水性が500ml/mmHg・m2・hr以下を示
し、血清アルブミンの阻止率が20%以下を示すこ
とを特徴とする陰イオン性体液過膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58116538A JPS607856A (ja) | 1983-06-27 | 1983-06-27 | 陰イオン性体液処理膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58116538A JPS607856A (ja) | 1983-06-27 | 1983-06-27 | 陰イオン性体液処理膜 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS607856A JPS607856A (ja) | 1985-01-16 |
| JPH0364152B2 true JPH0364152B2 (ja) | 1991-10-04 |
Family
ID=14689598
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58116538A Granted JPS607856A (ja) | 1983-06-27 | 1983-06-27 | 陰イオン性体液処理膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS607856A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62218087A (ja) * | 1985-01-18 | 1987-09-25 | 帝人製機株式会社 | 産業ロボットの関節駆動用減速装置 |
| JP6397781B2 (ja) * | 2015-02-26 | 2018-09-26 | 旭化成メディカル株式会社 | 濃縮器 |
| CN113272050A (zh) * | 2019-01-11 | 2021-08-17 | 恩特格里斯公司 | 多孔聚合物中空过滤膜 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS51145474A (en) * | 1975-06-10 | 1976-12-14 | Kuraray Co Ltd | A blood dialysis membrane with outstanding dialysis performance and a process for producing it |
| JPS54132489A (en) * | 1978-04-05 | 1979-10-15 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | Production of alpha-olefin-vinyl alcohol copolymer dialytic membrane |
-
1983
- 1983-06-27 JP JP58116538A patent/JPS607856A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS607856A (ja) | 1985-01-16 |
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