JPH0368810B2 - - Google Patents
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- JPH0368810B2 JPH0368810B2 JP59062447A JP6244784A JPH0368810B2 JP H0368810 B2 JPH0368810 B2 JP H0368810B2 JP 59062447 A JP59062447 A JP 59062447A JP 6244784 A JP6244784 A JP 6244784A JP H0368810 B2 JPH0368810 B2 JP H0368810B2
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J5/00—Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
- C08J5/18—Manufacture of films or sheets
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C55/00—Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor
- B29C55/02—Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2323/00—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers
- C08J2323/02—Characterised by the use of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Derivatives of such polymers not modified by chemical after treatment
- C08J2323/10—Homopolymers or copolymers of propene
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Description
本発明は、衝撃強度、特に低温における耐衝撃性
が著しく改善された異方性がなくかつ成形性およ
び高温における寸法安定性に優れたポリプロピレ
ン系シートに関する。 ポリプロピレン系シートの多くは、各種容器、
自動車部品、電気器具部品、包装材料等にそのま
まの形、あるいは真空成形、圧空成形、プレス成
形等の加工を経て広く使用されている。しかしな
がら、ポリプロピレンは、耐衝撃性に劣り、とく
に低温における耐衝撃性が著しく不良であるとい
う大きな欠点を有するため、その応用範囲に制限
がある。従来よりこの欠点を改良すべく種々の提
案がなされている。例えば、ポリプロピレンに他
の重合体や、可塑性をブレンドしたり、他の単量
体との共重合により耐衝撃性を改善する提案があ
る。特にエチレンとプロピレンのブロツク共重合
体は低温耐衝撃性を改良したプロピレン系樹脂と
して広く用いられている。しかしながらこれらの
方法においては、衝撃強度についての改良は十分
でない上に強度、弾性率が低下するという欠点を
生ずる。さらにこれらの方法においては、用いら
れる変性剤により成形性、加工性、各種電気特性
や耐水性、耐溶剤溶解性、耐薬品性、耐候性等に
おいてそれぞれの性能が低下し易すいという欠点
を生ずる。 他の方法としてポリプロピレンシートを一軸又
は二軸に延伸することにより衝撃強度が向上する
ことが知られているが、これらの提案されている
方法においては、耐衝撃性の向上は前述の方法よ
りはやや優れた効果は認められるもののその効果
はなお十分でなく、また得られたシート中の樹脂
の結晶部分や非晶部分が著しく配向しているため
異方性を生じる。それ故、真空成形や圧空成形の
予熱時に張力がかかつて破れたり、長期に保存し
た場合に成形物の形状がもとの成形前の形にもど
ろうとする効果(いわゆるスプリングバツク現
象)があつたりするため成形性や成形物の形態安
定性が劣るという欠点を生ずる。 本発明者らはこれらの欠点を改良すべく鋭意研
究した結果、メルトインデツクスが5以下であ
り、その構成単位の70重量%以上がプロピレン単
位からなる重合体を素材とし、後述する特定の方
法でシートを製造すると耐衝撃性に関して格段に
優れたシートが他の物性を低下させずにむしろ向
上して得られることを認め、さらにその物性につ
いて種々検討を行つた結果、プロピレン系重合体
シートの物性、特にシート内部の樹脂の結晶部分
と非晶部分の構造を規定する物性値を有するプロ
ピレン系シートはその耐衝撃性が飛躍的に増大
し、かつ成形性及び成形物の安定性に優れている
ことを認め本発明に至つた。 即ち本発明は下記シートを提供するものであ
る。 1) (a)メルトインデツクスが5以下であり、そ
の構成単位の70重量%以上がプロピレン単位か
らなるプロピレン系重合体を素材とし、(b)シー
トを融点以上に加熱した時に発生するシート面
に平行な力を、その力が発生している時間で積
分した値(Ft)の最大値(Ftmax)が0.5Kg・
分/cm2以上45Kg・分/cm2以下であり、(c)シート
平面内で互に直交する方向について測定した
Ftの比(RFt)が10以内であり、(d)シートの融
点(Tms)と該シートを加熱溶融した後放冷
したシートについて再測定した融点(Tmr)
との融点差(△Tms=Tms−Tmr)が少なく
とも3℃以上であるポリプロピレン系シート。 2) シートを構成するプロピレン系重合体の結
晶化度が65%以上であり、配向係数(fc)が
0.4を特徴とする上記1)記載のシート。 3) 0℃における平均ノツチ付アイゾツト衝撃
強度が50Kg・cm/cm以上であることを特徴とす
る上記1)又は2)に記載のシート。 4) −30℃における平均ノツチ付アイゾツト衝
撃強度が30Kg・cm/cm以上であることを特徴と
する上記シート。 5) 120℃に加熱した時の厚さ変化率が5%以
下であることを特徴とする上記シート。 6) シート平面内で互に直交する方向について
測定した0℃におけるノツチ付アイゾツト衝撃
強度の比(RIzo)が3以内である上記シート。 なお上記した物性値は以下に定義される測定法
による。 (a) メルトインデツクス(以下MIと略記するこ
とがある) ASTM−D−1238に定める方法による(単
位:g/10分)。 (b) 融点(Tm) 試料5〜15mgを示差走査型熱量計(DSC)
を用い窒素雰囲気下で10℃/分の昇温速度にて
昇温し測定した樹脂の結晶の融解にもとずく吸
熱ピークの頂点(ピークが複数個存在するとき
には、最大吸熱量を示すピークの頂点)に対応
する温度を示す。 (c) 加熱時に発生するシート面に平行な力の時間
積分値(Ft) シートより幅10mm、長さ90mm、厚さはシート
厚さのままの短冊型のテストピースを切出し試
料とする。槽内を185℃に保つた恒温槽付の引
張試験機(インストロン万能試験機)を用いチ
ヤツク間距離を30mmとして試料を挿入し、無引
張下で(可動クロスヘツドを動かすことなく)
試料が熱により長さ方向に収縮する力とその力
が発生している時間を測定する。インストロン
万能試験のチヤート上において横軸に力が発生
している時間、縦軸に収縮力に対応したピーク
をえがきこのピーク面積を計算し、該ピーク面
積をテストピースの断面積で割つた値をFtと
する。測定するテストピースの数は少なくとも
3個以上とし、Ftはその平均値で示す。 (d) Ftの最大値(Ftmax) シート平面内において各方向に対してFt値
を求め、その内で最も高いFtを示す値を
Ftmaxとする。 (e) Ftの比(RFt) シート平面内において上記Ftmaxを示す方
向と直向する方向においてFt値を測定してそ
れをFtminとしたときRFtは次式で計算され
る。 RFt=Ftmax/Ftmin (f) 融点差(△Tms) シートの一部の融点(Tms)を上記したTm
の測定法に則して測定する。一方シートの再測
定した融点(Tmr)は該シートの残片を190℃
以上に加熱溶融した後、水冷した冷却板を用い
て上下面より充分に冷却し、少なくとも48時間
室温に放置することにより十分に結晶化させた
シートについて上記したTmの測定法に則して
測定する。融点差(△Tms)は次式により計
算される。 △Tms=Tms−Tmr (g) 結晶化度:X線回折法によつて常法によつて
定める。 (h) 結晶のC軸の配向係数(fc) X線の入射方向をシート面に垂直にした場合
のX線回折法により得られた値からSteinの方
法により計算される値である。即ち、プロピレ
ンの結晶の(110)面および(040)面の方位角
方向に沿つての配向分布曲線より次式により計
算される値である。 <cos2φ110>=∫〓/0I(φ)cos2φsinφdφ/∫〓
/0I(φ)sinφdφ <cos2φ040>=∫〓/0I(φ)cos2φsinφdφ/∫〓
/0I(φ)sinφdφ fc=1/2{3(1−1.099<cos2φ110> −0.901<cos2φ040>)−1} ここでφは方位角、I(φ)はX線強度を示
す。 (i) ノツチ付アイゾツト衝撃強度(Iz) ASTMD256に準じて測定する。 (j) 平均ノツチ付アイゾツト衝撃強度(z) シート平面内において各方向にノツチ付アイ
ゾツト強度を測定する。その内で最も高い値を
Izamxとし、それにシート平面内で直交する方
向におけるノツチ付アイゾツト衝撃強度を
Izminとし、その平均値をzと定義する。 (k) アイゾツト衝撃強度比(RIz) 上記した方法によりIzmax及びIzminを測定
し、次式により求める。 RIz=Izmax/Izmin (l) シートの厚さ変化率 シート全体を均等に区分した地点よりえらん
だ少なくとも4点以上の測定点でシートの厚さ
を測定する。次いで該シートを120℃で1時間
加熱後、室温まで放冷し少なくとも24時間放置
後同じ点の厚さを測定する。シートの厚さの変
化率は次式により%で示す。 厚さ変化率(%) =加熱後の厚さ−加熱前の厚さ/加熱前の厚さ×10
0 本発明におけるプロピレン系重合体とは、その
構成単位の70重量%以上、好ましくは85重量%以
上がプロピレン単位からなる重合体で、例えばプ
ロピレン単独重合体、エチレンもしくは他のオレ
フインとのランダムまたはブロツク共重合体、プ
ロピレンと無水マレイン酸、アクリル酸との共重
合体等であり、特に好適なものはプロピレン単独
重合体やエチレンがブロツク状に共重合されたブ
ロツク共重合体である。 ここで該重合体のメルトインデツクスは5より
小さいことが重要である。本発明において耐衝撃
性が著しく改善されるポリマーは分子量が十分に
高いことが要求され、その尺度としてメルトイン
デツクスは適当である。メルトインデツクスが5
以上の重合体を使用した場合は、後述するプロピ
レン系重合体の好ましい結晶及び非晶状態を得る
ことはできず、後述する製造法を同じくしてもシ
ートの耐衝撃性を十分増大させることはできな
い。また重合体中のプロピレン単位の占める割合
が70重量%未満の場合、本発明の後述するポリプ
ロピレンの結晶構造に起因すると思われるパラメ
ーターを十分満足させることができなくなるのは
明らかである。 本発明シートの第1の特徴は、加熱時に該シー
トを融点以上に加熱した時に発生するシート面に
平行な力の時間積分値(Ft)の最大値(Ftmax)
が0.5Kg・分/cm2以上45Kg・分/cm2以下であるこ
とである。該Ft値はシート中のポリプロピレン
分子の非晶部分の状態を表現する物性値であり、
この値が低いということは非晶部分の分子の配向
が小さいことを示している。即ち、非晶部分の分
子構造が衝撃エネルギーを吸収しやすい構造をと
つているものと考えられる。本来この値は小さけ
れば小さい程(即ち、分子の配向値が小さい程)
耐衝撃性は大きいと考えられるが実際には下限値
が存在しその値以下では衝撃性が低下する。その
原因は明らかでない。該値が実質的に零である通
常の押出成形シートや圧延温度がポリマーの軟化
点以下のいわゆる冷間圧延にて圧延倍率を上昇し
た場合の該Ftmax値が45Kg・分/cm2を越える場
合は耐衝撃性が極端に低下する。該Ftmax値は
0.5〜35Kg・分/cm2、特に1〜20Kg・分/cm2の範
囲にあるのがよい。 本発明シートの第2の特徴は、その融点にあ
る。本発明シートは、該シートを溶融し、再結晶
させた樹脂シートと比較すると融点差(△Tms)
が少なくとも3℃以上、充分な性能を有する樹脂
にあつては5℃以上、好ましくは8℃以上もあ
る。即ち本発明シート中の樹脂の結晶は溶融した
場合に融点が低下するという特徴をもつている。
融点差(ΔTms)が3℃未満の場合、高温におけ
るシートの寸法安定性は改善されない。 本発明シートの他の特徴はRFt値が定義される
ようにシートに方向性(異方性)が少ないことで
ある。RFt値が大きいシートは従来のロール圧延
の方法により得られるが、該ロール圧延シートは
特定の方向に対しては充分な衝撃強度を有するが
一般にそれと直交する方向に対する性能が極めて
不充分であるばかりか、JISK−7211に定められ
る落球衝撃テストやJIST8131に定められる貫通
試験などの平面に対して垂直方向の力に対する強
度が極端に低い。該シートの方向性(異方性)は
前述したノツチ付アイゾツト衝撃強度の比RIzに
よつても容易に確認することができる。 本発明においては上述したとおり素材を限定し
Ftmax値、△Tms値、RFt値を規定することに
より0℃における平均ノツチ付アイゾツト強度
()が50Kg・cm/cm以上、特に−30℃における
平均ノツチ付アイゾツト強度(−30)が30Kg・
cm/cm以上という特に低温での衝撃強度の著しく
改善されたシートが得られる。そして、本発明に
おいてはそれらの物性値をさらに好ましい条件に
限定することによつては値が70Kg・cm/cm以
上、特には100Kg・cm/cm以上、−30値が35
Kg・cm/cm以上、特には45Kg・cm/cm以上と従来
の常識では想像できない程高めることが可能であ
る。 本発明のシートの更に好ましい態様は120℃に
加熱した場合の厚さ変化率が5%以下と定義する
ことにより達成される。従来技術による延伸、圧
延技術による製品の有する大きな欠点の一つは延
伸又は圧延処理をした後室温に長期間放置されま
たは高温に短時間さらされた場合、延伸又は圧延
前の厚さにもどる傾向(いわゆるスプリングバツ
ク現象)があることでありシートまたはその成形
物の形態安定性が非常に悪いという欠点を有す
る。本発明にいう厚さ変化率は、スプリングバツ
ク現象を定量的に把握できる尺度であり、厚さ変
化率が小さいほどスプリングバツクが小さいとい
える。本発明に見られる如くFtが小さく△Tmが
大きい値を示す時、厚さ変化率は一般に著しく小
さくなり、室温における形態安定性、高温におけ
る寸法安定性が改良される。また該物性値を満足
するシートは成形性が良好であり、通常のポリプ
ロピレンシートにおいて、真空成形、圧空成形等
の熱成形で大型成形品を製造する場合の重大な障
害となる「たれ」がなく、また本発明外の延伸、
圧延シートに見られる様な型沿いが不良となるこ
ともない。 本発明のシートはさらにそれを構成する重合体
の結晶化度が予期に反して比較的高いという特徴
を有する。一般にシート、成形物の強度、弾性率
を改良するために重合体の結晶化度を低下せしめ
て、耐衝撃性を向上させるのが通常であるが、本
発明のシートにおいては前述の物性値を満足する
限りにおいては、結晶化度が通常より高いにもか
かわらず耐衝撃性は極めて高い。したがつて本発
明のシートにおいては耐衝撃性が向上すると同時
に強度、弾性率も改良される特徴を有する。該結
晶化度は一般に65%以上であり、おおむね70%よ
りも大きい。そしてその結晶化度においても前記
△Tmを求めると同条件で該シートを加熱溶融し
放冷後の結晶化度と比較するならば向上してお
り、3%或は5%以上も向上していることが多
い。 本発明のシートのC軸方向の結晶配向性は一般
に0.4以下であり、一般の圧延シートに比し配向
性が著しく低く単に押出成形して得たシートと同
等或はそれ以下である。 本発明のシートの赤外線吸収スペクトル(IR)
はその吸収位置において従来のロール圧延や冷間
圧延シートとの差がなく、基本的な化学構造にお
いて変化が認められていない。 本発明では耐衝撃性を増大させるために特別の
添加剤や配合剤を必要とせず、またポリプロピレ
ンの分子構造においても変性することを要しない
のでポリプロピレンの本来保有する機械的強度、
電気特性、耐水性、耐薬品性などの性質はそのま
ま保持されるという特徴を有する。 本発明におけるシートとは通常の意味で使われ
るシートであり、厚さ100μm〜10mmのシートをい
うが、本発明においては特に200μm〜8mmの範囲
のシートが前記特定の物性値を取り易くよい。 次に本発明シートの製法の一例について述べ
る。 まずMIが5以下のプロピレン系重合体をT型
ダイスを取り付けた押出機と冷却ロール、引取装
置よりなるシート成形機を用いて極めて配向性の
少ない原料シートを製造する。該配向性の少ない
原料シートを得るにはダイスのリツプ間隔と得ら
れる原料シートの厚さの比(一般にドロー比と呼
ばれる)を極めて特定の範囲にすることが必要で
ありこのドロー比は1.5〜2.0の間である。より配
向性の少ない原料シートを得るためには、該原料
シートを数枚〜数拾枚を積層し融点以上の温度で
融解させ平板状の原料ブロツクとしておくのが望
ましい。 該原料シート(又は原料ブロツク)は単に押出
加工されたシートであるので、前記したFtと△
Tmは小さく、ノツチ付アイゾツト衝撃強度も数
Kg・cm/cmと低いものである。該原料シート(又
は原料ブロツク)を軟化点以上特に融点付近のご
く狭い範囲の温度に加熱後十分な時間を要して高
い圧延比で圧延することにより所望の物性値並び
に耐衝撃性などの物性の改良されたシートが得ら
れる。圧延温度が高すぎる場合、圧延時間や他の
条件を選択しても所望の物性値、特に得られるシ
ートのFt値が充分大きくならず従つてノツチ付
アイゾツト衝撃強度の高いシートは得られない。
一方、圧延温度が低い場合、Ft値が大きくなり
すぎたり△Tmが小さすぎて耐衝撃性が低くな
り、かつ寸法安定性、成形性、形態安定性が悪く
なる。圧延温度がDSC分析による重合体の結晶
融解が始まる温度以下のいわゆる冷間圧延により
定義される条件においては他の如何なる条件設定
をしても本発明のシートを得ることは極めて困難
である。好ましい圧延温度はポリプロピレンの融
点(Tm)の上下数℃の極めて狭い温度領域に有
る。 本発明のシートを得るために圧延時間は重要な
因子である。従来のロール圧延の如き瞬時に圧延
される場合、その圧延温度が最も好ましい融点近
傍であつても好ましいFt値、融点差(△Tms)
を兼ね備えた本発明のシートを得ることは極めて
困難である。従つて該シートは衝撃強度が十分で
ないばかりか、寸法安定性、成形性も悪い。本発
明のシートを得るには、1分以上の実質的な圧延
時間が必要であり好ましくは2分以上必要であ
る。圧延に要する時間は長時間であればある程本
発明のシートは得られ易い。特に15Kg・分/cm2以
下のFtmax値を有するシートを得るためには3
分以上の圧延時間が必要である。経済上またはシ
ートの劣化を考慮すれば一般にある範囲が選択さ
れるべきで、この点好ましい圧延時間は2分〜60
分、特には3分〜30分の間である。 圧延前のシートの厚さと圧延後のシートの厚さ
で定義される圧延倍率も同様に重要な条件であ
る。シートを圧延しない場合、いくら長時間融点
近傍に放置しても所望のシートは得られない。こ
の点圧延倍率には下限が存在する。一方圧延倍率
をむやみに増大させるとFt値が増加するため、
アイゾツト強度、寸法安定性、成形性が低下す
る。圧延は分子鎖を伸ばす傾向が有るので必要最
低限の倍率にとどめるべきである。これらの観点
より通常2〜15倍、好ましくは3〜10倍の範囲に
設定することにより目的のシートが得られる。 以上のようなシートを製造する装置としては油
圧式プレス、機械式プレス等の平板式プレスがよ
く、ロール圧延は温度制御上及び充分な圧延時間
がとれない等の理由から好まれない。 本発明のシートは圧延中又は圧延後に該シート
が融点より高い温度に長時間さらされるとそのシ
ートの微細構造が破壊されてしまうため耐衝撃性
等の物性の低下を余義なくされてしまう。 本発明のシートは本発明の物性を損なわない範
囲で従来公知の方法で改良されることが可能であ
る。例えば他の樹脂とブレンドすることにより、
また少量の、具体的には約20重量%以下の増量
剤、着色剤、顔料、難燃剤、熱安定剤、劣化防止
剤、透明化剤、帯電防止剤、滑剤、螢光剤、殺菌
剤等を本発明の効果を損しない範囲で配合するこ
ともできる。 本発明のシートは公知のシートの成形加工法に
より必要に応じて加工されることにより従来のポ
リプロピレンシートの用途にそのまま使用できる
が、特にその耐衝撃性という性質を利用した分野
に用いるのがよく、例えばヘルメツト、コンテナ
−容器、パレツトや自動車部品をはじめとする輸
送機器部品、電気部品、建材等がある。 以下に実施例及び比較例をもつて本発明をさら
に具体的に説明するが、例中において使用される
試験法又は物性値は前記定義された測定法による
他は以下のとおりである。 引張り強度:ASTM−D−638に準拠。 曲げ弾性率:ASTM D 790に準拠。 曲げ強度:ASTM D 790に準拠。 貫通性:JIS−T−8131に準拠。 不合格のうちおもりが完全に貫通した
ものを破壊として表示した。 成形性:圧空成形を行い加熱時のシートの「た
れ」金型への型沿い、成形物の厚さむら
の三項目により成形性を評価した。 実施例1〜8及び比較例1〜6 MI=1のポリプロピレンホモポリマーを直径
40mmφのスクリユーをもつ単軸押出機及びリツプ
間隔を3.7mmに調節したT型ダイス及び約80℃に
調節した冷却ロールをもつシート引取機よりなる
シート成形機により厚さ2mm(ドロー比=1.85)、
幅180mm、の素材シートを得た。該素材シートを
長さ180mmに切り2枚〜13枚積層し、油圧プレス
を用いて厚さ3mm〜30mmの原料ブロツクを得た。
プレス時の圧力は25Kg/cm2であり積層物の実温度
は185℃であつた。 該原料ブロツクを第1表に示す条件でシンドウ
式卓上型テストプレスYS−5(神藤金属工業所
製)を用い圧延した後、水冷した冷却プレスで加
圧しつつ5分間冷却してシートを得た。結果は第
1表に示した如く、Ftmax値、RFt値、△Tms
を満足するいずれの実施例においても室温におけ
る平均ノツチ付アイゾツト衝撃強度はもとより、
特に低温における耐衝撃性が著しく改善されたシ
ートが得られている。そして該シートは他の強
度、曲げ弾性率の低下もなく、むしろ向上して、
特に通常のポリプロピレンシートの欠点とされる
圧空成形性も良好なシートであつた。 圧延前の素材シート(比較例1に示されるシー
トであり、通常の押出成形シートと同じ)や圧延
温度が極端に高い場合(比較例2)、Ftmax値や
△Tmsがほとんど0であり耐衝撃性、貫通性が
低く成形に際してはたれが生じる。 圧延温度が170℃である比較例3のシートは比
較例2に比し△Tmsは満足するが△Ftmax値が
なお低く素材シートに比し衝撃強度はやや増大す
るもその値は十分ではなく成形性も悪い。 圧延温度が158℃である比較例4では衝撃強度
は改良されるものの△Tmsが小さいため、その
程度が小さくかつ厚さ変化率が高くなつているた
め、成形性に劣る。 圧延倍率の高い比較例5や120℃のいわゆる冷
間圧延シートの例を示す比較例6ではFtmaxや
厚さ変化率が伴に高く、成形性が劣る。また耐衝
撃性も低い。 比較例 7〜8 実施例1と同じ素材ブロツクを使用し、平板プ
レス機に換えて大東製作所製DBR−50型小型ロ
ール圧延機を用い、圧延温度を変えてロール通過
回数10回(実圧延時間10秒以内)で圧延した後、
冷却プレスで冷却して厚さ2mmのシートを得た。
得られたシートの物性値を第1表に示す。比較例
8で得られたシートは異方性が大きく衝撃強度、
成形性の悪いシートであつた。 実施例9及び比較例9 MI=1のポリプロピレンホモポリマーに換え
て種々のMI値を示すプロピレン系重合体を用い
て実施例1に準じてシートを作製した。シート作
製条件及び結果を第2表に示した。 実施例 10〜11 実施例1と同じ素材シートを加熱溶融し素材ブ
ロツクを造ることなく単に積層したものを直接圧
延する以外は実施例1に準じてシートを作製し
た。結果を第2表に示した。 比較例 10〜11 T−型ダイスのリツプ間隔を調節することによ
りドロー比を変えて素材シートを用いる以外は実
施例4と全く同様にして圧延シートを作製した。
結果を第2表に示したが、いずれも異方性が大き
く、衝撃性、成形性ともに満足するシートではな
かつた。 実施例12〜15及び比較例12〜13 プロピレンホモポリマーに換えてエチレンプロ
ピレンブロツクコポリマー(エチレン含有率15重
量%)を用いた以外は実施例1に準じてシートを
作製した。結果を第3表に示した。 実施例 16 プロピレンホモポリマーに換えてエチレンプロ
ピレンブロツクコポリマー(エチレン含有率15重
量%)を用いた以外は実施例10に準じてシートを
作製した。結果を第3表に示した。
が著しく改善された異方性がなくかつ成形性およ
び高温における寸法安定性に優れたポリプロピレ
ン系シートに関する。 ポリプロピレン系シートの多くは、各種容器、
自動車部品、電気器具部品、包装材料等にそのま
まの形、あるいは真空成形、圧空成形、プレス成
形等の加工を経て広く使用されている。しかしな
がら、ポリプロピレンは、耐衝撃性に劣り、とく
に低温における耐衝撃性が著しく不良であるとい
う大きな欠点を有するため、その応用範囲に制限
がある。従来よりこの欠点を改良すべく種々の提
案がなされている。例えば、ポリプロピレンに他
の重合体や、可塑性をブレンドしたり、他の単量
体との共重合により耐衝撃性を改善する提案があ
る。特にエチレンとプロピレンのブロツク共重合
体は低温耐衝撃性を改良したプロピレン系樹脂と
して広く用いられている。しかしながらこれらの
方法においては、衝撃強度についての改良は十分
でない上に強度、弾性率が低下するという欠点を
生ずる。さらにこれらの方法においては、用いら
れる変性剤により成形性、加工性、各種電気特性
や耐水性、耐溶剤溶解性、耐薬品性、耐候性等に
おいてそれぞれの性能が低下し易すいという欠点
を生ずる。 他の方法としてポリプロピレンシートを一軸又
は二軸に延伸することにより衝撃強度が向上する
ことが知られているが、これらの提案されている
方法においては、耐衝撃性の向上は前述の方法よ
りはやや優れた効果は認められるもののその効果
はなお十分でなく、また得られたシート中の樹脂
の結晶部分や非晶部分が著しく配向しているため
異方性を生じる。それ故、真空成形や圧空成形の
予熱時に張力がかかつて破れたり、長期に保存し
た場合に成形物の形状がもとの成形前の形にもど
ろうとする効果(いわゆるスプリングバツク現
象)があつたりするため成形性や成形物の形態安
定性が劣るという欠点を生ずる。 本発明者らはこれらの欠点を改良すべく鋭意研
究した結果、メルトインデツクスが5以下であ
り、その構成単位の70重量%以上がプロピレン単
位からなる重合体を素材とし、後述する特定の方
法でシートを製造すると耐衝撃性に関して格段に
優れたシートが他の物性を低下させずにむしろ向
上して得られることを認め、さらにその物性につ
いて種々検討を行つた結果、プロピレン系重合体
シートの物性、特にシート内部の樹脂の結晶部分
と非晶部分の構造を規定する物性値を有するプロ
ピレン系シートはその耐衝撃性が飛躍的に増大
し、かつ成形性及び成形物の安定性に優れている
ことを認め本発明に至つた。 即ち本発明は下記シートを提供するものであ
る。 1) (a)メルトインデツクスが5以下であり、そ
の構成単位の70重量%以上がプロピレン単位か
らなるプロピレン系重合体を素材とし、(b)シー
トを融点以上に加熱した時に発生するシート面
に平行な力を、その力が発生している時間で積
分した値(Ft)の最大値(Ftmax)が0.5Kg・
分/cm2以上45Kg・分/cm2以下であり、(c)シート
平面内で互に直交する方向について測定した
Ftの比(RFt)が10以内であり、(d)シートの融
点(Tms)と該シートを加熱溶融した後放冷
したシートについて再測定した融点(Tmr)
との融点差(△Tms=Tms−Tmr)が少なく
とも3℃以上であるポリプロピレン系シート。 2) シートを構成するプロピレン系重合体の結
晶化度が65%以上であり、配向係数(fc)が
0.4を特徴とする上記1)記載のシート。 3) 0℃における平均ノツチ付アイゾツト衝撃
強度が50Kg・cm/cm以上であることを特徴とす
る上記1)又は2)に記載のシート。 4) −30℃における平均ノツチ付アイゾツト衝
撃強度が30Kg・cm/cm以上であることを特徴と
する上記シート。 5) 120℃に加熱した時の厚さ変化率が5%以
下であることを特徴とする上記シート。 6) シート平面内で互に直交する方向について
測定した0℃におけるノツチ付アイゾツト衝撃
強度の比(RIzo)が3以内である上記シート。 なお上記した物性値は以下に定義される測定法
による。 (a) メルトインデツクス(以下MIと略記するこ
とがある) ASTM−D−1238に定める方法による(単
位:g/10分)。 (b) 融点(Tm) 試料5〜15mgを示差走査型熱量計(DSC)
を用い窒素雰囲気下で10℃/分の昇温速度にて
昇温し測定した樹脂の結晶の融解にもとずく吸
熱ピークの頂点(ピークが複数個存在するとき
には、最大吸熱量を示すピークの頂点)に対応
する温度を示す。 (c) 加熱時に発生するシート面に平行な力の時間
積分値(Ft) シートより幅10mm、長さ90mm、厚さはシート
厚さのままの短冊型のテストピースを切出し試
料とする。槽内を185℃に保つた恒温槽付の引
張試験機(インストロン万能試験機)を用いチ
ヤツク間距離を30mmとして試料を挿入し、無引
張下で(可動クロスヘツドを動かすことなく)
試料が熱により長さ方向に収縮する力とその力
が発生している時間を測定する。インストロン
万能試験のチヤート上において横軸に力が発生
している時間、縦軸に収縮力に対応したピーク
をえがきこのピーク面積を計算し、該ピーク面
積をテストピースの断面積で割つた値をFtと
する。測定するテストピースの数は少なくとも
3個以上とし、Ftはその平均値で示す。 (d) Ftの最大値(Ftmax) シート平面内において各方向に対してFt値
を求め、その内で最も高いFtを示す値を
Ftmaxとする。 (e) Ftの比(RFt) シート平面内において上記Ftmaxを示す方
向と直向する方向においてFt値を測定してそ
れをFtminとしたときRFtは次式で計算され
る。 RFt=Ftmax/Ftmin (f) 融点差(△Tms) シートの一部の融点(Tms)を上記したTm
の測定法に則して測定する。一方シートの再測
定した融点(Tmr)は該シートの残片を190℃
以上に加熱溶融した後、水冷した冷却板を用い
て上下面より充分に冷却し、少なくとも48時間
室温に放置することにより十分に結晶化させた
シートについて上記したTmの測定法に則して
測定する。融点差(△Tms)は次式により計
算される。 △Tms=Tms−Tmr (g) 結晶化度:X線回折法によつて常法によつて
定める。 (h) 結晶のC軸の配向係数(fc) X線の入射方向をシート面に垂直にした場合
のX線回折法により得られた値からSteinの方
法により計算される値である。即ち、プロピレ
ンの結晶の(110)面および(040)面の方位角
方向に沿つての配向分布曲線より次式により計
算される値である。 <cos2φ110>=∫〓/0I(φ)cos2φsinφdφ/∫〓
/0I(φ)sinφdφ <cos2φ040>=∫〓/0I(φ)cos2φsinφdφ/∫〓
/0I(φ)sinφdφ fc=1/2{3(1−1.099<cos2φ110> −0.901<cos2φ040>)−1} ここでφは方位角、I(φ)はX線強度を示
す。 (i) ノツチ付アイゾツト衝撃強度(Iz) ASTMD256に準じて測定する。 (j) 平均ノツチ付アイゾツト衝撃強度(z) シート平面内において各方向にノツチ付アイ
ゾツト強度を測定する。その内で最も高い値を
Izamxとし、それにシート平面内で直交する方
向におけるノツチ付アイゾツト衝撃強度を
Izminとし、その平均値をzと定義する。 (k) アイゾツト衝撃強度比(RIz) 上記した方法によりIzmax及びIzminを測定
し、次式により求める。 RIz=Izmax/Izmin (l) シートの厚さ変化率 シート全体を均等に区分した地点よりえらん
だ少なくとも4点以上の測定点でシートの厚さ
を測定する。次いで該シートを120℃で1時間
加熱後、室温まで放冷し少なくとも24時間放置
後同じ点の厚さを測定する。シートの厚さの変
化率は次式により%で示す。 厚さ変化率(%) =加熱後の厚さ−加熱前の厚さ/加熱前の厚さ×10
0 本発明におけるプロピレン系重合体とは、その
構成単位の70重量%以上、好ましくは85重量%以
上がプロピレン単位からなる重合体で、例えばプ
ロピレン単独重合体、エチレンもしくは他のオレ
フインとのランダムまたはブロツク共重合体、プ
ロピレンと無水マレイン酸、アクリル酸との共重
合体等であり、特に好適なものはプロピレン単独
重合体やエチレンがブロツク状に共重合されたブ
ロツク共重合体である。 ここで該重合体のメルトインデツクスは5より
小さいことが重要である。本発明において耐衝撃
性が著しく改善されるポリマーは分子量が十分に
高いことが要求され、その尺度としてメルトイン
デツクスは適当である。メルトインデツクスが5
以上の重合体を使用した場合は、後述するプロピ
レン系重合体の好ましい結晶及び非晶状態を得る
ことはできず、後述する製造法を同じくしてもシ
ートの耐衝撃性を十分増大させることはできな
い。また重合体中のプロピレン単位の占める割合
が70重量%未満の場合、本発明の後述するポリプ
ロピレンの結晶構造に起因すると思われるパラメ
ーターを十分満足させることができなくなるのは
明らかである。 本発明シートの第1の特徴は、加熱時に該シー
トを融点以上に加熱した時に発生するシート面に
平行な力の時間積分値(Ft)の最大値(Ftmax)
が0.5Kg・分/cm2以上45Kg・分/cm2以下であるこ
とである。該Ft値はシート中のポリプロピレン
分子の非晶部分の状態を表現する物性値であり、
この値が低いということは非晶部分の分子の配向
が小さいことを示している。即ち、非晶部分の分
子構造が衝撃エネルギーを吸収しやすい構造をと
つているものと考えられる。本来この値は小さけ
れば小さい程(即ち、分子の配向値が小さい程)
耐衝撃性は大きいと考えられるが実際には下限値
が存在しその値以下では衝撃性が低下する。その
原因は明らかでない。該値が実質的に零である通
常の押出成形シートや圧延温度がポリマーの軟化
点以下のいわゆる冷間圧延にて圧延倍率を上昇し
た場合の該Ftmax値が45Kg・分/cm2を越える場
合は耐衝撃性が極端に低下する。該Ftmax値は
0.5〜35Kg・分/cm2、特に1〜20Kg・分/cm2の範
囲にあるのがよい。 本発明シートの第2の特徴は、その融点にあ
る。本発明シートは、該シートを溶融し、再結晶
させた樹脂シートと比較すると融点差(△Tms)
が少なくとも3℃以上、充分な性能を有する樹脂
にあつては5℃以上、好ましくは8℃以上もあ
る。即ち本発明シート中の樹脂の結晶は溶融した
場合に融点が低下するという特徴をもつている。
融点差(ΔTms)が3℃未満の場合、高温におけ
るシートの寸法安定性は改善されない。 本発明シートの他の特徴はRFt値が定義される
ようにシートに方向性(異方性)が少ないことで
ある。RFt値が大きいシートは従来のロール圧延
の方法により得られるが、該ロール圧延シートは
特定の方向に対しては充分な衝撃強度を有するが
一般にそれと直交する方向に対する性能が極めて
不充分であるばかりか、JISK−7211に定められ
る落球衝撃テストやJIST8131に定められる貫通
試験などの平面に対して垂直方向の力に対する強
度が極端に低い。該シートの方向性(異方性)は
前述したノツチ付アイゾツト衝撃強度の比RIzに
よつても容易に確認することができる。 本発明においては上述したとおり素材を限定し
Ftmax値、△Tms値、RFt値を規定することに
より0℃における平均ノツチ付アイゾツト強度
()が50Kg・cm/cm以上、特に−30℃における
平均ノツチ付アイゾツト強度(−30)が30Kg・
cm/cm以上という特に低温での衝撃強度の著しく
改善されたシートが得られる。そして、本発明に
おいてはそれらの物性値をさらに好ましい条件に
限定することによつては値が70Kg・cm/cm以
上、特には100Kg・cm/cm以上、−30値が35
Kg・cm/cm以上、特には45Kg・cm/cm以上と従来
の常識では想像できない程高めることが可能であ
る。 本発明のシートの更に好ましい態様は120℃に
加熱した場合の厚さ変化率が5%以下と定義する
ことにより達成される。従来技術による延伸、圧
延技術による製品の有する大きな欠点の一つは延
伸又は圧延処理をした後室温に長期間放置されま
たは高温に短時間さらされた場合、延伸又は圧延
前の厚さにもどる傾向(いわゆるスプリングバツ
ク現象)があることでありシートまたはその成形
物の形態安定性が非常に悪いという欠点を有す
る。本発明にいう厚さ変化率は、スプリングバツ
ク現象を定量的に把握できる尺度であり、厚さ変
化率が小さいほどスプリングバツクが小さいとい
える。本発明に見られる如くFtが小さく△Tmが
大きい値を示す時、厚さ変化率は一般に著しく小
さくなり、室温における形態安定性、高温におけ
る寸法安定性が改良される。また該物性値を満足
するシートは成形性が良好であり、通常のポリプ
ロピレンシートにおいて、真空成形、圧空成形等
の熱成形で大型成形品を製造する場合の重大な障
害となる「たれ」がなく、また本発明外の延伸、
圧延シートに見られる様な型沿いが不良となるこ
ともない。 本発明のシートはさらにそれを構成する重合体
の結晶化度が予期に反して比較的高いという特徴
を有する。一般にシート、成形物の強度、弾性率
を改良するために重合体の結晶化度を低下せしめ
て、耐衝撃性を向上させるのが通常であるが、本
発明のシートにおいては前述の物性値を満足する
限りにおいては、結晶化度が通常より高いにもか
かわらず耐衝撃性は極めて高い。したがつて本発
明のシートにおいては耐衝撃性が向上すると同時
に強度、弾性率も改良される特徴を有する。該結
晶化度は一般に65%以上であり、おおむね70%よ
りも大きい。そしてその結晶化度においても前記
△Tmを求めると同条件で該シートを加熱溶融し
放冷後の結晶化度と比較するならば向上してお
り、3%或は5%以上も向上していることが多
い。 本発明のシートのC軸方向の結晶配向性は一般
に0.4以下であり、一般の圧延シートに比し配向
性が著しく低く単に押出成形して得たシートと同
等或はそれ以下である。 本発明のシートの赤外線吸収スペクトル(IR)
はその吸収位置において従来のロール圧延や冷間
圧延シートとの差がなく、基本的な化学構造にお
いて変化が認められていない。 本発明では耐衝撃性を増大させるために特別の
添加剤や配合剤を必要とせず、またポリプロピレ
ンの分子構造においても変性することを要しない
のでポリプロピレンの本来保有する機械的強度、
電気特性、耐水性、耐薬品性などの性質はそのま
ま保持されるという特徴を有する。 本発明におけるシートとは通常の意味で使われ
るシートであり、厚さ100μm〜10mmのシートをい
うが、本発明においては特に200μm〜8mmの範囲
のシートが前記特定の物性値を取り易くよい。 次に本発明シートの製法の一例について述べ
る。 まずMIが5以下のプロピレン系重合体をT型
ダイスを取り付けた押出機と冷却ロール、引取装
置よりなるシート成形機を用いて極めて配向性の
少ない原料シートを製造する。該配向性の少ない
原料シートを得るにはダイスのリツプ間隔と得ら
れる原料シートの厚さの比(一般にドロー比と呼
ばれる)を極めて特定の範囲にすることが必要で
ありこのドロー比は1.5〜2.0の間である。より配
向性の少ない原料シートを得るためには、該原料
シートを数枚〜数拾枚を積層し融点以上の温度で
融解させ平板状の原料ブロツクとしておくのが望
ましい。 該原料シート(又は原料ブロツク)は単に押出
加工されたシートであるので、前記したFtと△
Tmは小さく、ノツチ付アイゾツト衝撃強度も数
Kg・cm/cmと低いものである。該原料シート(又
は原料ブロツク)を軟化点以上特に融点付近のご
く狭い範囲の温度に加熱後十分な時間を要して高
い圧延比で圧延することにより所望の物性値並び
に耐衝撃性などの物性の改良されたシートが得ら
れる。圧延温度が高すぎる場合、圧延時間や他の
条件を選択しても所望の物性値、特に得られるシ
ートのFt値が充分大きくならず従つてノツチ付
アイゾツト衝撃強度の高いシートは得られない。
一方、圧延温度が低い場合、Ft値が大きくなり
すぎたり△Tmが小さすぎて耐衝撃性が低くな
り、かつ寸法安定性、成形性、形態安定性が悪く
なる。圧延温度がDSC分析による重合体の結晶
融解が始まる温度以下のいわゆる冷間圧延により
定義される条件においては他の如何なる条件設定
をしても本発明のシートを得ることは極めて困難
である。好ましい圧延温度はポリプロピレンの融
点(Tm)の上下数℃の極めて狭い温度領域に有
る。 本発明のシートを得るために圧延時間は重要な
因子である。従来のロール圧延の如き瞬時に圧延
される場合、その圧延温度が最も好ましい融点近
傍であつても好ましいFt値、融点差(△Tms)
を兼ね備えた本発明のシートを得ることは極めて
困難である。従つて該シートは衝撃強度が十分で
ないばかりか、寸法安定性、成形性も悪い。本発
明のシートを得るには、1分以上の実質的な圧延
時間が必要であり好ましくは2分以上必要であ
る。圧延に要する時間は長時間であればある程本
発明のシートは得られ易い。特に15Kg・分/cm2以
下のFtmax値を有するシートを得るためには3
分以上の圧延時間が必要である。経済上またはシ
ートの劣化を考慮すれば一般にある範囲が選択さ
れるべきで、この点好ましい圧延時間は2分〜60
分、特には3分〜30分の間である。 圧延前のシートの厚さと圧延後のシートの厚さ
で定義される圧延倍率も同様に重要な条件であ
る。シートを圧延しない場合、いくら長時間融点
近傍に放置しても所望のシートは得られない。こ
の点圧延倍率には下限が存在する。一方圧延倍率
をむやみに増大させるとFt値が増加するため、
アイゾツト強度、寸法安定性、成形性が低下す
る。圧延は分子鎖を伸ばす傾向が有るので必要最
低限の倍率にとどめるべきである。これらの観点
より通常2〜15倍、好ましくは3〜10倍の範囲に
設定することにより目的のシートが得られる。 以上のようなシートを製造する装置としては油
圧式プレス、機械式プレス等の平板式プレスがよ
く、ロール圧延は温度制御上及び充分な圧延時間
がとれない等の理由から好まれない。 本発明のシートは圧延中又は圧延後に該シート
が融点より高い温度に長時間さらされるとそのシ
ートの微細構造が破壊されてしまうため耐衝撃性
等の物性の低下を余義なくされてしまう。 本発明のシートは本発明の物性を損なわない範
囲で従来公知の方法で改良されることが可能であ
る。例えば他の樹脂とブレンドすることにより、
また少量の、具体的には約20重量%以下の増量
剤、着色剤、顔料、難燃剤、熱安定剤、劣化防止
剤、透明化剤、帯電防止剤、滑剤、螢光剤、殺菌
剤等を本発明の効果を損しない範囲で配合するこ
ともできる。 本発明のシートは公知のシートの成形加工法に
より必要に応じて加工されることにより従来のポ
リプロピレンシートの用途にそのまま使用できる
が、特にその耐衝撃性という性質を利用した分野
に用いるのがよく、例えばヘルメツト、コンテナ
−容器、パレツトや自動車部品をはじめとする輸
送機器部品、電気部品、建材等がある。 以下に実施例及び比較例をもつて本発明をさら
に具体的に説明するが、例中において使用される
試験法又は物性値は前記定義された測定法による
他は以下のとおりである。 引張り強度:ASTM−D−638に準拠。 曲げ弾性率:ASTM D 790に準拠。 曲げ強度:ASTM D 790に準拠。 貫通性:JIS−T−8131に準拠。 不合格のうちおもりが完全に貫通した
ものを破壊として表示した。 成形性:圧空成形を行い加熱時のシートの「た
れ」金型への型沿い、成形物の厚さむら
の三項目により成形性を評価した。 実施例1〜8及び比較例1〜6 MI=1のポリプロピレンホモポリマーを直径
40mmφのスクリユーをもつ単軸押出機及びリツプ
間隔を3.7mmに調節したT型ダイス及び約80℃に
調節した冷却ロールをもつシート引取機よりなる
シート成形機により厚さ2mm(ドロー比=1.85)、
幅180mm、の素材シートを得た。該素材シートを
長さ180mmに切り2枚〜13枚積層し、油圧プレス
を用いて厚さ3mm〜30mmの原料ブロツクを得た。
プレス時の圧力は25Kg/cm2であり積層物の実温度
は185℃であつた。 該原料ブロツクを第1表に示す条件でシンドウ
式卓上型テストプレスYS−5(神藤金属工業所
製)を用い圧延した後、水冷した冷却プレスで加
圧しつつ5分間冷却してシートを得た。結果は第
1表に示した如く、Ftmax値、RFt値、△Tms
を満足するいずれの実施例においても室温におけ
る平均ノツチ付アイゾツト衝撃強度はもとより、
特に低温における耐衝撃性が著しく改善されたシ
ートが得られている。そして該シートは他の強
度、曲げ弾性率の低下もなく、むしろ向上して、
特に通常のポリプロピレンシートの欠点とされる
圧空成形性も良好なシートであつた。 圧延前の素材シート(比較例1に示されるシー
トであり、通常の押出成形シートと同じ)や圧延
温度が極端に高い場合(比較例2)、Ftmax値や
△Tmsがほとんど0であり耐衝撃性、貫通性が
低く成形に際してはたれが生じる。 圧延温度が170℃である比較例3のシートは比
較例2に比し△Tmsは満足するが△Ftmax値が
なお低く素材シートに比し衝撃強度はやや増大す
るもその値は十分ではなく成形性も悪い。 圧延温度が158℃である比較例4では衝撃強度
は改良されるものの△Tmsが小さいため、その
程度が小さくかつ厚さ変化率が高くなつているた
め、成形性に劣る。 圧延倍率の高い比較例5や120℃のいわゆる冷
間圧延シートの例を示す比較例6ではFtmaxや
厚さ変化率が伴に高く、成形性が劣る。また耐衝
撃性も低い。 比較例 7〜8 実施例1と同じ素材ブロツクを使用し、平板プ
レス機に換えて大東製作所製DBR−50型小型ロ
ール圧延機を用い、圧延温度を変えてロール通過
回数10回(実圧延時間10秒以内)で圧延した後、
冷却プレスで冷却して厚さ2mmのシートを得た。
得られたシートの物性値を第1表に示す。比較例
8で得られたシートは異方性が大きく衝撃強度、
成形性の悪いシートであつた。 実施例9及び比較例9 MI=1のポリプロピレンホモポリマーに換え
て種々のMI値を示すプロピレン系重合体を用い
て実施例1に準じてシートを作製した。シート作
製条件及び結果を第2表に示した。 実施例 10〜11 実施例1と同じ素材シートを加熱溶融し素材ブ
ロツクを造ることなく単に積層したものを直接圧
延する以外は実施例1に準じてシートを作製し
た。結果を第2表に示した。 比較例 10〜11 T−型ダイスのリツプ間隔を調節することによ
りドロー比を変えて素材シートを用いる以外は実
施例4と全く同様にして圧延シートを作製した。
結果を第2表に示したが、いずれも異方性が大き
く、衝撃性、成形性ともに満足するシートではな
かつた。 実施例12〜15及び比較例12〜13 プロピレンホモポリマーに換えてエチレンプロ
ピレンブロツクコポリマー(エチレン含有率15重
量%)を用いた以外は実施例1に準じてシートを
作製した。結果を第3表に示した。 実施例 16 プロピレンホモポリマーに換えてエチレンプロ
ピレンブロツクコポリマー(エチレン含有率15重
量%)を用いた以外は実施例10に準じてシートを
作製した。結果を第3表に示した。
【表】
【表】
【表】
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (a)メルトインデツクスが5以下であり、その
構成単位の70重量%以上がプロピレン単位からな
るプロピレン系重合体を素材とし、(b)シートを融
点以上に加熱した時に発生するシート面に平行な
力を、その力が発生している時間で積分した値
(Ft)の最大値(Ftmax)が0.5Kg・分/cm2以上45
Kg・分/cm2以下であり、(c)シート平面内で互に直
交する方向について測定したFtの比(RFt)が10
以内であり、(d)シートの融点(Tms)と該シー
トを加熱溶融した後放冷することにより再結晶さ
せたシートについて再測定した融点(Tmr)と
の融点差(ΔTms=Tms−Tmr)が少なくとも
3℃以上高いことを特徴とするポリプロピレン系
シート。 2 シートを構成するプロピレン系重合体の結晶
化度が65%以上であり、配向係数(fc)が0.4以
下であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
記載のシート。 3 シートの0℃における平均ノツチ付アイゾツ
ト衝撃強度が50Kg・cm/cm以上であることを特徴
とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載のシ
ート。 4 シートの−30℃における平均ノツチ付アイゾ
ツト衝撃強度が30Kg・cm/cm以上であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項、第2項、又は第
3項記載のシート。 5 シートを120℃に加熱した時の厚さ変化率が
5%以下であることを特徴とする特許請求の範囲
第1項、第2項、第3項、又は第4項記載のシー
ト。 6 シート平面内で、互に直交する方向について
測定した0℃におけるノツチ付アイゾツト衝撃強
度の比(RIzo)が3以内である特許請求の範囲
第1項、第2項、第3項、第4項、又は第5項記
載のシート。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59062447A JPS60204310A (ja) | 1984-03-29 | 1984-03-29 | 耐衝撃性に優れたポリプロピレン系シ−ト |
| US06/713,829 US4604441A (en) | 1984-03-29 | 1985-03-20 | Polypropylene sheet |
| EP85301984A EP0157554B1 (en) | 1984-03-29 | 1985-03-22 | Polypropylene sheet |
| DE8585301984T DE3574026D1 (en) | 1984-03-29 | 1985-03-22 | Polypropylene sheet |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59062447A JPS60204310A (ja) | 1984-03-29 | 1984-03-29 | 耐衝撃性に優れたポリプロピレン系シ−ト |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60204310A JPS60204310A (ja) | 1985-10-15 |
| JPH0368810B2 true JPH0368810B2 (ja) | 1991-10-29 |
Family
ID=13200468
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59062447A Granted JPS60204310A (ja) | 1984-03-29 | 1984-03-29 | 耐衝撃性に優れたポリプロピレン系シ−ト |
Country Status (4)
| Country | Link |
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| JP (1) | JPS60204310A (ja) |
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