JPH0373662B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPH0373662B2 JPH0373662B2 JP58026660A JP2666083A JPH0373662B2 JP H0373662 B2 JPH0373662 B2 JP H0373662B2 JP 58026660 A JP58026660 A JP 58026660A JP 2666083 A JP2666083 A JP 2666083A JP H0373662 B2 JPH0373662 B2 JP H0373662B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- yarn
- twisted
- raised
- napping
- crimped
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Description
〔技術分野〕
この発明は、合成繊維使いの起毛織物に関す
る。さらに詳しくは、合成繊維使いでありなが
ら、ウールのトツプ染め調の杢こなれを有し、風
合、耐ピリング性および抗フアスナー性にすぐれ
た起毛織物に関する。 〔背景技術〕 従来、ウール等の天然繊維を用いた起毛織物は
広く実施されてきた。特に、縮絨とカツト起毛を
利用したフラノなどは品位がよいので、起毛品と
しては最高級品として市場的評価が高い。しかし
ながら、カツト起毛品は抗ピリング性が悪く、こ
れが致命的な欠点となつていた。しかも、天然繊
維の起毛品は、耐水性および寸法安定性等が劣つ
ている。そのため、家庭洗濯はできずかつ、雨や
汗で濡れると品位が劣つたものになるという欠点
も有していた。 他方、最近では合成繊維を使用した起毛織物
が、一部市場に出始めている。しかし、これらは
いずれもループ起毛品であるため、構成単繊維が
引掛りなどにより、組織より飛び出して毛羽状と
なる性質(フアスナー性)があり、いわゆる耐フ
アスナー性に劣るものであつた。さらに、合成繊
維使いの起毛織物は、ウール等の天然繊維を用い
たものに比べて、色彩表現の品位でも劣つてい
る。 〔発明の目的〕 この発明は、合成繊維使いでありながら、ウー
ルトツプ染め調のすぐれた杢こなれを有し、か
つ、ウールフラノ等の起毛織物に近似した風合を
有し、耐ピリング性および抗フアスナー性に優れ
た合成繊維起毛織物を提供することを目的とす
る。 〔発明の開示〕 このような目的を達成するために、この発明
は、タテ糸が分散染料可染ポリエステル糸とカチ
オン染料可染ポリエステル糸との少なくとも2種
類の混繊捲縮糸からなり、ヨコ糸が分散染料可染
ポリエステル糸を芯成分としカチオン染料可染ポ
リエステル糸を鞘成分とする二層構造混繊捲縮糸
と非捲縮ポリアミドマルチフイラメント糸とを下
ヨリ合撚したもの2本以上を該下ヨリのヨリ方向
と逆方向に上ヨリ合撚してなる多層構造糸からな
ることを特徴とする合成繊維起毛織物をその要旨
としている。 以下にこれを詳細に説明する。 この発明でいう分散染料可染ポリエステル糸と
は、分散染料によつて染色できる通常のポリエチ
レンテレフタレート糸をいう。また、カチオン染
料可染ポリエステル糸とは、カチオン染料によつ
て染色できるポリエチレンテレフタレート糸であ
つて、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸成分などを共重合したポリエチレンテレフタレ
ート糸をいう。 この発明にかかる合成繊維起毛織物は、タテ糸
として前記分散染料可染ポリエステル糸と前記カ
チオン染料可染ポリエステル糸との少なくとも2
種類の混繊捲縮糸が用いられる。上記2種類の糸
のほかに用いられる糸としては、ポリアミド糸、
原着糸、ポリブチレンテレフタレート糸、アセテ
ート糸、酸性染料可染ポリエステル糸などがあ
る。この混繊捲縮糸は例えば、両者の引揃え仮ヨ
リなどにより得ることができる。ヨコ糸として
は、前記混繊捲縮糸と非捲縮ポリアミドマルチフ
イラメント糸とを下ヨリ合撚したもの2本以上を
該下ヨリのヨリ方向と逆方向に上ヨリ合撚してな
る多層構造糸が用いられる。ヨコ糸に使用する混
繊捲縮糸は、分散染料可染ポリエステル糸を芯成
分とし、これにカチオン染料可染ポリエステル糸
を鞘成分として約10%のオーバフイードにより芯
成分に仮ヨリ捲回して混繊した芯鞘状の二層構造
糸に形成されている必要がある。芯鞘状の二層構
造糸と非捲縮ポリアミドマルチフイラメント糸と
は、例えば両者をZ方向に200T/m程度の撚数
で下ヨリ合撚し、この合撚糸の2本以上をS方向
へ200T/m程度の撚数で諸ヨリ合撚することに
より多層構造糸に構成するのが好ましい。 このようなタテ糸とヨコ糸を用いて織成した織
物は、通常、リラツクス処理、乾燥、起毛油剤施
与、下起毛、剪毛、中間セツト、染色、乾燥、仕
上起毛および仕上セツトの各工程を経て最終製品
としての起毛織物になる。この場合、加工工程で
のポイントは起毛および剪毛工程にある。起毛工
程では、起毛機の型式、針布の形状(カツトパイ
ルロール、パイルロール)、起毛回数、起毛張力、
起毛回転数などの各要因が起毛状態を左右する
が、特に起毛機の型式、針布の形状および起毛回
数が布帛の起毛状態に影響を大きく及ぼす。ルー
プ状起毛には、ループパイプローラ処理方式を採
用した仏式起毛機が最適であり、カツト状起毛に
は、カツトパイルロール処理方式を採用した英式
起毛機が最適である。したがつて、これら仏式起
毛機と英式起毛機を組合わせて起毛をおこなう
と、それぞれの起毛機を経由した回数によりルー
プ状起毛毛羽とカツト状起毛毛羽の比率を任意に
変えることができる。この発明にかかる起毛織物
の起毛は、ほとんどがヨコ糸に対して行なわれて
いる。これは、ヨコ糸が諸ヨリ合撚によつて織組
織より遊離しやすくなつていて、かつ、強度の弱
いカチオン染料可染ポリエステル糸が混繊されて
いるからである。つまり、通常タイプの分散染料
可染ポリエステル糸およびポリアミド繊維の単繊
維強度が約4.7〜6.0g/dであるのに対し、カチ
オン染料可染ポリエステル糸の単繊維強度が約
3.5〜4.1g/dと弱い。そのため、殆どの起毛は
ヨコ糸に対して行なわれるのである。つぎに、起
毛毛羽の大きさ(高さ)は、起毛回数と剪毛条件
の2要因に大きく左右される。特に、剪毛機の剪
毛刃と布帛の間隔がもつとも大きな要因になる。
しかし、剪毛条件がループ状起毛毛羽とカツト状
起毛毛毛羽の分布に与える影響は小さい。剪毛条
件は、むしろ、布帛表面の毛羽長を均一にする効
果が大きい。 このようにして得られたこの発明にかかる起毛
織物は、杢こなれのすぐれたものとなつているの
である。その理由を以下に述べる。 異染性である2種以上の糸を合撚する場合、下
ヨリと上ヨリの合撚数を同一撚数で逆方向に合撚
すると、その合撚数による規則的な杢ピツチ(モ
アレ状欠点)を防止する効果が得られる。この発
明では、この考え方を利用して、ヨコ糸について
は、異染性である分散染料可染ポリエステル糸と
カチオン染料可染ポリエステル糸の少なくとも2
層構造糸に、異染性であるポリアミドマルチフイ
ラメント糸を下ヨリ合撚したもの2本以上を該下
ヨリのヨリ方向と逆方向に上ヨリ合撚してなる多
層構造糸を使用するようにしている。そのため、
多色効果による杢こなれが、ウールのトツプ染調
に近似したすぐれたものとなるのである。より詳
しい理由は、次のように考えられる。 分散染料可染ポリエステル糸を芯成分としカ
チオン染料可染ポリエステル糸を鞘成分とする
二層構造糸と非捲縮ポリアミドマルチフイラメ
ント糸のような異染性繊維同士を撚糸すると、
ヨリに対応する規則的な斜めの柄である杢ピツ
チが現れてモアレ状欠点を生じさせる。この欠
点を解消するため、この発明では、該ヨリを利
用しているのである。これにより、諸ヨリのう
ちの下ヨリで形成された杢ピツチを有する糸が
諸ヨリのうちの上ヨリで斜めの柄を形成するた
め、糸を構成する繊維の配列が全体的により不
規則になつて杢ピツチが防止され、トツプ染め
調の杢こなれが向上するのである。下ヨリ(例
えば200T/mZ)と上ヨリ(例えば200T/m
S)の合計ヨリ数が零(または零に近い状態)
となるため、ポリアミド糸と、分散染料可染お
よびカチオン染料可染の両ポリエステル糸の2
層構造糸とは、同一ヨリ方向への杢ピツチを起
こしていない。 ヨコ糸を構成するポリアミド糸とポリエステ
ル二層構造糸が諸ヨリ合撚によつて拘束力の弱
い状態となつているため、染色加工時の熱収縮
によりマイグレーシヨンが起こり、異染性繊維
の配列の規則性がさらにくずれ、杢こなれがさ
らに改善された、ランダムマイグレーシヨンの
糸形態になり易い。 前記、の構造をベースとして酸性染料、
分散染料、カチオン染料による3色ミツクスの
表現が可能となる。 この発明の起毛織物は、上記のような糸使いを
しているので、先染調多色効果が得られる。これ
はウールの最も高級品として扱われているすぐれ
た杢こなれを表現するものであり、ウールのトツ
プ染調、グレーの段落状、チヤコールの段落状と
いつた高級感を与えるものである。このようなこ
とを可能とするために、諸ヨリ条件としては、先
にも述べたように、2層構造糸とポリアミドマル
チフイラメント糸のZ方向への下ヨリ合撚が
200T/mであれば、S方向の諸ヨリ合撚数は、
残存ヨリ数が零となる200T/mとすることが最
も好ましい。しかし、S方向の諸ヨリ合撚数が、
100T/m〜300T/mの範囲内であれば、杢こな
れ状態は、許容した品位のものを得ることができ
る。この範囲を外れると段落ち不良となり、モア
レ状となり易い。 起毛毛羽と各特性の関係を観察したとき、次の
ようなことが言える。起毛織物にウールフラノ調
に近似した風合や耐フアスナー性を与える点で
は、カツト起毛がすぐれている。他方、抗ピリン
グ性を与える点では、ループ起毛がすぐれてい
る。したがつて、このような観点から判断したと
き、カツト起毛とループ起毛の割合は、70/30〜
30/70とすることが好ましい。カツト起毛とルー
プ起毛の分布測定法には、樹脂接着・剥離による
方法、顕微鏡写真による方法などがあるが、投影
写真による方法が簡易かつ確実でよい。 風合の面においては、非捲縮ポリアミドマルチ
フイラメント糸が良い影響を与えている。すなわ
ち、この糸がヨコ糸の一成分として用いられてい
るので、これが一部起毛され、表面タツチにぬめ
り感を与え、ウールライク触感を与えるのであ
る。しかも、地組織部分のポリアミドは、後染時
(染色温度100〜130℃)に収縮し、縮絨効果を生
み、ウールに近い物性を与えるようにもなるので
ある。 〔発明の効果〕 この発明にかかる合成繊維起毛織物は、タテ糸
に分散染料可染ポリエステル糸とカチオン染料可
染ポリエステル糸との少なくとも2種の混繊捲縮
糸を使用し、ヨコ糸に分散染料可染ポリエステル
糸を芯成分としカチオン染料可染ポリエステル糸
を鞘成分とする二層構造混繊捲縮糸と非捲縮ポリ
アミドマルチフイラメント糸とを下ヨリ合撚した
もの2本以上を該下ヨリのヨリ方向と逆方向に上
ヨリ合撚してなる多層構造糸を使用しているの
で、ウールのトツプ染め調に酷似したすぐれた杢
こなれを有し、かつ、ウールフラノ等の起毛織物
にも近似した風合を有し、しかも耐ピリングおよ
び抗フアスナー性に優れたものとなつている。こ
の他、ウオツシユアンドウエアー性、寸法安定
性、防しわ性、抗引き裂き性などについても優れ
た性能を具備したものとなつているのである。 次に、実施例について説明する。 〔実施例〕 タテ糸として、分散染料で染色可能な75デニー
ル36フイラメントのポリエチレンテレフタレート
糸とカチオン染料で染色可能な75デニール24フイ
ラメントのポリエチレンテレフタレート糸を引揃
え仮ヨリした混繊糸をさらにS方向の100T/m
で合撚した糸を用いた。ヨコ糸として次のような
ものを用いた。すなわち、分散染料で染色可能な
50デニール48フイラメントのポリエチレンテレフ
タレート糸を芯成分とし、これにカチオン染料で
染色可能な75デニール36フイラメントのポリエチ
レンテレフタレート糸を鞘成分として10%のオバ
フイードにより仮ヨリ捲回した芯鞘状2層構造捲
縮糸に、酸性染料で染色可能な50デニール40フイ
ラメントの6−ナイロンマルチフイラメント非捲
縮糸を200T/mZで下ヨリ合撚した後、この合
撚糸を100T/mS、200T/mS、300T/mSに
諸ヨリ2本合撚した多層構造糸を用いた。 タテ密度61本/吋、ヨコ密度57本/吋で2〓2
ツイルを織成した。生機に対し、リラツクス、乾
燥、起毛油剤施与、下起毛、剪毛、中間セツト、
染色、仕上げ起毛および仕上げセツトを行なつ
た。 ヨコ糸条件のみを変えたほかは、上記実施例と
同様にして作つた起毛織物につき、ヨコ糸条件と
杢こなれの関係を調べた結果を第1表に示す。
る。さらに詳しくは、合成繊維使いでありなが
ら、ウールのトツプ染め調の杢こなれを有し、風
合、耐ピリング性および抗フアスナー性にすぐれ
た起毛織物に関する。 〔背景技術〕 従来、ウール等の天然繊維を用いた起毛織物は
広く実施されてきた。特に、縮絨とカツト起毛を
利用したフラノなどは品位がよいので、起毛品と
しては最高級品として市場的評価が高い。しかし
ながら、カツト起毛品は抗ピリング性が悪く、こ
れが致命的な欠点となつていた。しかも、天然繊
維の起毛品は、耐水性および寸法安定性等が劣つ
ている。そのため、家庭洗濯はできずかつ、雨や
汗で濡れると品位が劣つたものになるという欠点
も有していた。 他方、最近では合成繊維を使用した起毛織物
が、一部市場に出始めている。しかし、これらは
いずれもループ起毛品であるため、構成単繊維が
引掛りなどにより、組織より飛び出して毛羽状と
なる性質(フアスナー性)があり、いわゆる耐フ
アスナー性に劣るものであつた。さらに、合成繊
維使いの起毛織物は、ウール等の天然繊維を用い
たものに比べて、色彩表現の品位でも劣つてい
る。 〔発明の目的〕 この発明は、合成繊維使いでありながら、ウー
ルトツプ染め調のすぐれた杢こなれを有し、か
つ、ウールフラノ等の起毛織物に近似した風合を
有し、耐ピリング性および抗フアスナー性に優れ
た合成繊維起毛織物を提供することを目的とす
る。 〔発明の開示〕 このような目的を達成するために、この発明
は、タテ糸が分散染料可染ポリエステル糸とカチ
オン染料可染ポリエステル糸との少なくとも2種
類の混繊捲縮糸からなり、ヨコ糸が分散染料可染
ポリエステル糸を芯成分としカチオン染料可染ポ
リエステル糸を鞘成分とする二層構造混繊捲縮糸
と非捲縮ポリアミドマルチフイラメント糸とを下
ヨリ合撚したもの2本以上を該下ヨリのヨリ方向
と逆方向に上ヨリ合撚してなる多層構造糸からな
ることを特徴とする合成繊維起毛織物をその要旨
としている。 以下にこれを詳細に説明する。 この発明でいう分散染料可染ポリエステル糸と
は、分散染料によつて染色できる通常のポリエチ
レンテレフタレート糸をいう。また、カチオン染
料可染ポリエステル糸とは、カチオン染料によつ
て染色できるポリエチレンテレフタレート糸であ
つて、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸成分などを共重合したポリエチレンテレフタレ
ート糸をいう。 この発明にかかる合成繊維起毛織物は、タテ糸
として前記分散染料可染ポリエステル糸と前記カ
チオン染料可染ポリエステル糸との少なくとも2
種類の混繊捲縮糸が用いられる。上記2種類の糸
のほかに用いられる糸としては、ポリアミド糸、
原着糸、ポリブチレンテレフタレート糸、アセテ
ート糸、酸性染料可染ポリエステル糸などがあ
る。この混繊捲縮糸は例えば、両者の引揃え仮ヨ
リなどにより得ることができる。ヨコ糸として
は、前記混繊捲縮糸と非捲縮ポリアミドマルチフ
イラメント糸とを下ヨリ合撚したもの2本以上を
該下ヨリのヨリ方向と逆方向に上ヨリ合撚してな
る多層構造糸が用いられる。ヨコ糸に使用する混
繊捲縮糸は、分散染料可染ポリエステル糸を芯成
分とし、これにカチオン染料可染ポリエステル糸
を鞘成分として約10%のオーバフイードにより芯
成分に仮ヨリ捲回して混繊した芯鞘状の二層構造
糸に形成されている必要がある。芯鞘状の二層構
造糸と非捲縮ポリアミドマルチフイラメント糸と
は、例えば両者をZ方向に200T/m程度の撚数
で下ヨリ合撚し、この合撚糸の2本以上をS方向
へ200T/m程度の撚数で諸ヨリ合撚することに
より多層構造糸に構成するのが好ましい。 このようなタテ糸とヨコ糸を用いて織成した織
物は、通常、リラツクス処理、乾燥、起毛油剤施
与、下起毛、剪毛、中間セツト、染色、乾燥、仕
上起毛および仕上セツトの各工程を経て最終製品
としての起毛織物になる。この場合、加工工程で
のポイントは起毛および剪毛工程にある。起毛工
程では、起毛機の型式、針布の形状(カツトパイ
ルロール、パイルロール)、起毛回数、起毛張力、
起毛回転数などの各要因が起毛状態を左右する
が、特に起毛機の型式、針布の形状および起毛回
数が布帛の起毛状態に影響を大きく及ぼす。ルー
プ状起毛には、ループパイプローラ処理方式を採
用した仏式起毛機が最適であり、カツト状起毛に
は、カツトパイルロール処理方式を採用した英式
起毛機が最適である。したがつて、これら仏式起
毛機と英式起毛機を組合わせて起毛をおこなう
と、それぞれの起毛機を経由した回数によりルー
プ状起毛毛羽とカツト状起毛毛羽の比率を任意に
変えることができる。この発明にかかる起毛織物
の起毛は、ほとんどがヨコ糸に対して行なわれて
いる。これは、ヨコ糸が諸ヨリ合撚によつて織組
織より遊離しやすくなつていて、かつ、強度の弱
いカチオン染料可染ポリエステル糸が混繊されて
いるからである。つまり、通常タイプの分散染料
可染ポリエステル糸およびポリアミド繊維の単繊
維強度が約4.7〜6.0g/dであるのに対し、カチ
オン染料可染ポリエステル糸の単繊維強度が約
3.5〜4.1g/dと弱い。そのため、殆どの起毛は
ヨコ糸に対して行なわれるのである。つぎに、起
毛毛羽の大きさ(高さ)は、起毛回数と剪毛条件
の2要因に大きく左右される。特に、剪毛機の剪
毛刃と布帛の間隔がもつとも大きな要因になる。
しかし、剪毛条件がループ状起毛毛羽とカツト状
起毛毛毛羽の分布に与える影響は小さい。剪毛条
件は、むしろ、布帛表面の毛羽長を均一にする効
果が大きい。 このようにして得られたこの発明にかかる起毛
織物は、杢こなれのすぐれたものとなつているの
である。その理由を以下に述べる。 異染性である2種以上の糸を合撚する場合、下
ヨリと上ヨリの合撚数を同一撚数で逆方向に合撚
すると、その合撚数による規則的な杢ピツチ(モ
アレ状欠点)を防止する効果が得られる。この発
明では、この考え方を利用して、ヨコ糸について
は、異染性である分散染料可染ポリエステル糸と
カチオン染料可染ポリエステル糸の少なくとも2
層構造糸に、異染性であるポリアミドマルチフイ
ラメント糸を下ヨリ合撚したもの2本以上を該下
ヨリのヨリ方向と逆方向に上ヨリ合撚してなる多
層構造糸を使用するようにしている。そのため、
多色効果による杢こなれが、ウールのトツプ染調
に近似したすぐれたものとなるのである。より詳
しい理由は、次のように考えられる。 分散染料可染ポリエステル糸を芯成分としカ
チオン染料可染ポリエステル糸を鞘成分とする
二層構造糸と非捲縮ポリアミドマルチフイラメ
ント糸のような異染性繊維同士を撚糸すると、
ヨリに対応する規則的な斜めの柄である杢ピツ
チが現れてモアレ状欠点を生じさせる。この欠
点を解消するため、この発明では、該ヨリを利
用しているのである。これにより、諸ヨリのう
ちの下ヨリで形成された杢ピツチを有する糸が
諸ヨリのうちの上ヨリで斜めの柄を形成するた
め、糸を構成する繊維の配列が全体的により不
規則になつて杢ピツチが防止され、トツプ染め
調の杢こなれが向上するのである。下ヨリ(例
えば200T/mZ)と上ヨリ(例えば200T/m
S)の合計ヨリ数が零(または零に近い状態)
となるため、ポリアミド糸と、分散染料可染お
よびカチオン染料可染の両ポリエステル糸の2
層構造糸とは、同一ヨリ方向への杢ピツチを起
こしていない。 ヨコ糸を構成するポリアミド糸とポリエステ
ル二層構造糸が諸ヨリ合撚によつて拘束力の弱
い状態となつているため、染色加工時の熱収縮
によりマイグレーシヨンが起こり、異染性繊維
の配列の規則性がさらにくずれ、杢こなれがさ
らに改善された、ランダムマイグレーシヨンの
糸形態になり易い。 前記、の構造をベースとして酸性染料、
分散染料、カチオン染料による3色ミツクスの
表現が可能となる。 この発明の起毛織物は、上記のような糸使いを
しているので、先染調多色効果が得られる。これ
はウールの最も高級品として扱われているすぐれ
た杢こなれを表現するものであり、ウールのトツ
プ染調、グレーの段落状、チヤコールの段落状と
いつた高級感を与えるものである。このようなこ
とを可能とするために、諸ヨリ条件としては、先
にも述べたように、2層構造糸とポリアミドマル
チフイラメント糸のZ方向への下ヨリ合撚が
200T/mであれば、S方向の諸ヨリ合撚数は、
残存ヨリ数が零となる200T/mとすることが最
も好ましい。しかし、S方向の諸ヨリ合撚数が、
100T/m〜300T/mの範囲内であれば、杢こな
れ状態は、許容した品位のものを得ることができ
る。この範囲を外れると段落ち不良となり、モア
レ状となり易い。 起毛毛羽と各特性の関係を観察したとき、次の
ようなことが言える。起毛織物にウールフラノ調
に近似した風合や耐フアスナー性を与える点で
は、カツト起毛がすぐれている。他方、抗ピリン
グ性を与える点では、ループ起毛がすぐれてい
る。したがつて、このような観点から判断したと
き、カツト起毛とループ起毛の割合は、70/30〜
30/70とすることが好ましい。カツト起毛とルー
プ起毛の分布測定法には、樹脂接着・剥離による
方法、顕微鏡写真による方法などがあるが、投影
写真による方法が簡易かつ確実でよい。 風合の面においては、非捲縮ポリアミドマルチ
フイラメント糸が良い影響を与えている。すなわ
ち、この糸がヨコ糸の一成分として用いられてい
るので、これが一部起毛され、表面タツチにぬめ
り感を与え、ウールライク触感を与えるのであ
る。しかも、地組織部分のポリアミドは、後染時
(染色温度100〜130℃)に収縮し、縮絨効果を生
み、ウールに近い物性を与えるようにもなるので
ある。 〔発明の効果〕 この発明にかかる合成繊維起毛織物は、タテ糸
に分散染料可染ポリエステル糸とカチオン染料可
染ポリエステル糸との少なくとも2種の混繊捲縮
糸を使用し、ヨコ糸に分散染料可染ポリエステル
糸を芯成分としカチオン染料可染ポリエステル糸
を鞘成分とする二層構造混繊捲縮糸と非捲縮ポリ
アミドマルチフイラメント糸とを下ヨリ合撚した
もの2本以上を該下ヨリのヨリ方向と逆方向に上
ヨリ合撚してなる多層構造糸を使用しているの
で、ウールのトツプ染め調に酷似したすぐれた杢
こなれを有し、かつ、ウールフラノ等の起毛織物
にも近似した風合を有し、しかも耐ピリングおよ
び抗フアスナー性に優れたものとなつている。こ
の他、ウオツシユアンドウエアー性、寸法安定
性、防しわ性、抗引き裂き性などについても優れ
た性能を具備したものとなつているのである。 次に、実施例について説明する。 〔実施例〕 タテ糸として、分散染料で染色可能な75デニー
ル36フイラメントのポリエチレンテレフタレート
糸とカチオン染料で染色可能な75デニール24フイ
ラメントのポリエチレンテレフタレート糸を引揃
え仮ヨリした混繊糸をさらにS方向の100T/m
で合撚した糸を用いた。ヨコ糸として次のような
ものを用いた。すなわち、分散染料で染色可能な
50デニール48フイラメントのポリエチレンテレフ
タレート糸を芯成分とし、これにカチオン染料で
染色可能な75デニール36フイラメントのポリエチ
レンテレフタレート糸を鞘成分として10%のオバ
フイードにより仮ヨリ捲回した芯鞘状2層構造捲
縮糸に、酸性染料で染色可能な50デニール40フイ
ラメントの6−ナイロンマルチフイラメント非捲
縮糸を200T/mZで下ヨリ合撚した後、この合
撚糸を100T/mS、200T/mS、300T/mSに
諸ヨリ2本合撚した多層構造糸を用いた。 タテ密度61本/吋、ヨコ密度57本/吋で2〓2
ツイルを織成した。生機に対し、リラツクス、乾
燥、起毛油剤施与、下起毛、剪毛、中間セツト、
染色、仕上げ起毛および仕上げセツトを行なつ
た。 ヨコ糸条件のみを変えたほかは、上記実施例と
同様にして作つた起毛織物につき、ヨコ糸条件と
杢こなれの関係を調べた結果を第1表に示す。
【表】
【表】
第1表にみるように、杢こなれ状態は、水準
3、4、5が最もすぐれている。これに対し、ポ
リアミド繊維の混率を減少した水準2、諸ヨリを
省略した水準1および水準2は、杢こなれ状態が
十分でなく、モアレ状となつている。また、ポリ
アミド繊維を全く混入せず諸ヨリを省略した水準
6は段落ち不良なつている。 次に、水準3について起毛毛羽と各特性の関係
を第2表に示す。
3、4、5が最もすぐれている。これに対し、ポ
リアミド繊維の混率を減少した水準2、諸ヨリを
省略した水準1および水準2は、杢こなれ状態が
十分でなく、モアレ状となつている。また、ポリ
アミド繊維を全く混入せず諸ヨリを省略した水準
6は段落ち不良なつている。 次に、水準3について起毛毛羽と各特性の関係
を第2表に示す。
【表】
第2表にみるように、ループ起毛毛羽/カツト
起毛毛羽の比率30/70〜70/30の水準10、水準11
および水準12は、抗ピリング性、風合、抗フアス
ナー性共にすぐれている。これに対し、前記比率
を外れる水準7〜水準9および水準13〜水準15
は、抗ピリング性、風合、抗フアスナー性のいず
れかを満足させることが困難であつた。 起毛織物の特性評価法は、次のようにして行な
つた。 杢こなれ:グレーの段落ちに染めた布帛で判定し
た。なお、染料濃度はカチオン染料>酸性染料
>分散染料の順になつている。 抗ピリング性:ICI法により10時間後に測定した。 風合:ソフト感、圧縮性、ぬめり感などにより総
合判定した。 抗フアスナー性:布−布面の接触摩擦によるステ
イツクスリツプ状態を判定した。 起毛毛羽:起毛毛羽には、ヨコ糸1のマルチフイ
ラメント単糸が切断されて出来た第1図のモデ
ル図にあらわす如きカツト起毛毛羽2と、第2
図のモデル図にあらわす如きループ起毛毛羽3
の2種類がある。カツト起毛毛羽とループ起毛
毛羽の分布測定方法は、試長1cmのヨコ糸を3
本並べて18倍の投影写真を作成し、上記2種の
起毛毛羽の分布を観察し、それぞれの占有率を
求めた。
起毛毛羽の比率30/70〜70/30の水準10、水準11
および水準12は、抗ピリング性、風合、抗フアス
ナー性共にすぐれている。これに対し、前記比率
を外れる水準7〜水準9および水準13〜水準15
は、抗ピリング性、風合、抗フアスナー性のいず
れかを満足させることが困難であつた。 起毛織物の特性評価法は、次のようにして行な
つた。 杢こなれ:グレーの段落ちに染めた布帛で判定し
た。なお、染料濃度はカチオン染料>酸性染料
>分散染料の順になつている。 抗ピリング性:ICI法により10時間後に測定した。 風合:ソフト感、圧縮性、ぬめり感などにより総
合判定した。 抗フアスナー性:布−布面の接触摩擦によるステ
イツクスリツプ状態を判定した。 起毛毛羽:起毛毛羽には、ヨコ糸1のマルチフイ
ラメント単糸が切断されて出来た第1図のモデ
ル図にあらわす如きカツト起毛毛羽2と、第2
図のモデル図にあらわす如きループ起毛毛羽3
の2種類がある。カツト起毛毛羽とループ起毛
毛羽の分布測定方法は、試長1cmのヨコ糸を3
本並べて18倍の投影写真を作成し、上記2種の
起毛毛羽の分布を観察し、それぞれの占有率を
求めた。
第1図はカツト起毛毛羽のモデル図、第2図は
ループ起毛毛羽のモデル図であり、いずれも典型
的例をあらわす。 1……ヨコ糸、2……カツト起毛毛羽、3……
ループ起毛毛羽。
ループ起毛毛羽のモデル図であり、いずれも典型
的例をあらわす。 1……ヨコ糸、2……カツト起毛毛羽、3……
ループ起毛毛羽。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 タテ糸が分散染料可染ポリエステル糸とカチ
オン染料可染ポリエステル糸との少なくとも2種
類の混繊捲縮糸からなり、ヨコ糸が分散染料可染
ポリエステル糸を芯成分としカチオン染料可染ポ
リエステル糸を鞘成分とする二層構造混繊捲縮糸
と非捲縮ポリアミドマルチフイラメント糸とを下
ヨリ合撚したもの2本以上を該下ヨリのヨリ方向
と逆方向に上ヨリ合撚してなる多層構造糸からな
ることを特徴とする合成繊維起毛織物。 2 カチオン染料可染ポリエステル糸が5−ナト
リウムスルホイソフタル酸を共重合したポリエス
テルである特許請求の範囲第1項記載の合成繊維
起毛織物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58026660A JPS59157352A (ja) | 1983-02-18 | 1983-02-18 | 合成繊維起毛織物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58026660A JPS59157352A (ja) | 1983-02-18 | 1983-02-18 | 合成繊維起毛織物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59157352A JPS59157352A (ja) | 1984-09-06 |
| JPH0373662B2 true JPH0373662B2 (ja) | 1991-11-22 |
Family
ID=12199573
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58026660A Granted JPS59157352A (ja) | 1983-02-18 | 1983-02-18 | 合成繊維起毛織物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59157352A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61266635A (ja) * | 1985-05-14 | 1986-11-26 | ユニチカ株式会社 | 起毛織物の製造方法 |
| JPS61266636A (ja) * | 1985-05-14 | 1986-11-26 | ユニチカ株式会社 | 起毛織物の製造方法 |
| CN114232158A (zh) * | 2021-12-20 | 2022-03-25 | 福建长源纺织有限公司 | 一种保暖透气混纺纱线、面料及其制备方法 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS504380A (ja) * | 1973-05-16 | 1975-01-17 | ||
| JPS5043275A (ja) * | 1973-08-27 | 1975-04-18 | ||
| JPS54101972A (en) * | 1978-01-19 | 1979-08-10 | Unitika Ltd | Production of knitted article with spun like feeling |
| SE7809880L (sv) * | 1978-09-20 | 1980-03-21 | Zemlyakova Valentina Porfiriev | Vaccin for profylax och behandling av clostridiosis hos djur och fjederfe |
-
1983
- 1983-02-18 JP JP58026660A patent/JPS59157352A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59157352A (ja) | 1984-09-06 |
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