JPH038046B2 - - Google Patents
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- JPH038046B2 JPH038046B2 JP20929081A JP20929081A JPH038046B2 JP H038046 B2 JPH038046 B2 JP H038046B2 JP 20929081 A JP20929081 A JP 20929081A JP 20929081 A JP20929081 A JP 20929081A JP H038046 B2 JPH038046 B2 JP H038046B2
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Description
この発明は電力ケーブルに特に送電々圧
500KV以上のOFケーブル、POFケーブルとして
使用される電力ケーブルに関するものである。 近時このような電力ケーブルの絶縁体としては
ポリオレフインとクラフト紙とを貼り合わせたラ
ミネートテープと、ポリオレフイン繊維をクラフ
トパルプ中に混抄した混抄紙が開発され、一応の
成果を収めている。 本発明は前者のラミネート構造のテープを油浸
絶縁層とする電力ケーブルに関するものである
が、次のような問題が残つていた。 即ちポリオレフインとしてシラン架橋ポリエチ
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ4−メ
チルペンテン−1(TP−X)、四フツ化エチレ
ン・六フツ化ポリプロピレン(FEP)等のプラ
スチツクをクラフト紙とラミネートしたテープを
絶縁テープとして油浸構造の電力ケーブルとした
場合、プラスチツクとしてPEを用いた場合は電
力ケーブル網の一部の事故により、該ケーブルに
過負荷送電すると120℃程度にケーブル温度が上
昇することが予想され、このような温度ではPE
の大半が融解し、絶縁油に溶解する危険があり、
絶縁層の油流抵抗が増大して好ましくない。この
ためラミネートテープに使用されるプラスチツク
は融解温度が少なくも150℃以上である必要があ
る。FEPは融点が300℃程度であり、かつ絶縁油
にも溶解しない材料であるので好ましいが、何分
にも高価で汎用性が薄くケーブル価格が経済的に
実用化し難いものである。従つて、融点が150℃
以上のプラスチツクで、しかも経済的にも成り立
つ材料としてはPP.TP−X等のポリオレフイン
があげられるが、次のような問題を包含するもの
である。 ポリオレフインとクラフト紙の貼り合わせ面に
おける接着力はポリオレフインが無極性であるた
めに、親和性が悪く、化学的親和力の寄与がな
く、機械的絡み合いと摩擦力によるものであるの
で、絶縁油の含浸によつて接着力が著るしく低下
し、更に高温に曝されるとクラフト紙とポリオレ
フインの熱膨脹の相違なども関係して、両者の接
着力は極度に低下し、場合によつては貼り合わせ
面に剥離が生ずるおそれがあり、電力ケーブルの
長期的信頼性の点で問題を有している。又、ポリ
オレフインは絶縁油として一般に用いられている
アルキルベンセン油(JIS C 2320 2種1、3
号油等)とは化学構造の近似性から親和性があ
り、吸油、膨潤し易く、膨潤の程度は温度が高い
程大きい。 従つて通常のポリオレフインとクラフト紙のラ
ミネートを油浸絶縁層とした電力ケーブルではテ
ープの膨潤によつてテープ間の圧縮力が高まり、
油流抵抗も増大し好ましくない。 本発明は上述のような現況に鑑み絶縁テープと
して使用されるラミネートとして化学的親和力を
基礎とした接着力を有し、吸油膨潤の少ない材料
を用いることにより前述の問題の生じない電力ケ
ーブルを提供することを目的としてなされたもの
である。即ち本発明では、電力ケーブルの油浸絶
縁層を構成する絶縁テープとして、 (1) 結晶融点150℃以上のポリオレフインシート
に、一般式RR′SiY2(式中Rはオレフイン性不
飽和の一価の炭化水素基またはハイドロカーボ
ンオキシ基、または水素基及び−NH−、
500KV以上のOFケーブル、POFケーブルとして
使用される電力ケーブルに関するものである。 近時このような電力ケーブルの絶縁体としては
ポリオレフインとクラフト紙とを貼り合わせたラ
ミネートテープと、ポリオレフイン繊維をクラフ
トパルプ中に混抄した混抄紙が開発され、一応の
成果を収めている。 本発明は前者のラミネート構造のテープを油浸
絶縁層とする電力ケーブルに関するものである
が、次のような問題が残つていた。 即ちポリオレフインとしてシラン架橋ポリエチ
レン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ4−メ
チルペンテン−1(TP−X)、四フツ化エチレ
ン・六フツ化ポリプロピレン(FEP)等のプラ
スチツクをクラフト紙とラミネートしたテープを
絶縁テープとして油浸構造の電力ケーブルとした
場合、プラスチツクとしてPEを用いた場合は電
力ケーブル網の一部の事故により、該ケーブルに
過負荷送電すると120℃程度にケーブル温度が上
昇することが予想され、このような温度ではPE
の大半が融解し、絶縁油に溶解する危険があり、
絶縁層の油流抵抗が増大して好ましくない。この
ためラミネートテープに使用されるプラスチツク
は融解温度が少なくも150℃以上である必要があ
る。FEPは融点が300℃程度であり、かつ絶縁油
にも溶解しない材料であるので好ましいが、何分
にも高価で汎用性が薄くケーブル価格が経済的に
実用化し難いものである。従つて、融点が150℃
以上のプラスチツクで、しかも経済的にも成り立
つ材料としてはPP.TP−X等のポリオレフイン
があげられるが、次のような問題を包含するもの
である。 ポリオレフインとクラフト紙の貼り合わせ面に
おける接着力はポリオレフインが無極性であるた
めに、親和性が悪く、化学的親和力の寄与がな
く、機械的絡み合いと摩擦力によるものであるの
で、絶縁油の含浸によつて接着力が著るしく低下
し、更に高温に曝されるとクラフト紙とポリオレ
フインの熱膨脹の相違なども関係して、両者の接
着力は極度に低下し、場合によつては貼り合わせ
面に剥離が生ずるおそれがあり、電力ケーブルの
長期的信頼性の点で問題を有している。又、ポリ
オレフインは絶縁油として一般に用いられている
アルキルベンセン油(JIS C 2320 2種1、3
号油等)とは化学構造の近似性から親和性があ
り、吸油、膨潤し易く、膨潤の程度は温度が高い
程大きい。 従つて通常のポリオレフインとクラフト紙のラ
ミネートを油浸絶縁層とした電力ケーブルではテ
ープの膨潤によつてテープ間の圧縮力が高まり、
油流抵抗も増大し好ましくない。 本発明は上述のような現況に鑑み絶縁テープと
して使用されるラミネートとして化学的親和力を
基礎とした接着力を有し、吸油膨潤の少ない材料
を用いることにより前述の問題の生じない電力ケ
ーブルを提供することを目的としてなされたもの
である。即ち本発明では、電力ケーブルの油浸絶
縁層を構成する絶縁テープとして、 (1) 結晶融点150℃以上のポリオレフインシート
に、一般式RR′SiY2(式中Rはオレフイン性不
飽和の一価の炭化水素基またはハイドロカーボ
ンオキシ基、または水素基及び−NH−、
【式】SH基、
【式】基を1個以上
含む炭化水素等、Yは加水分解し得る有機基で
あつて、R′はRあるいは基Yである)で表わ
される有機シランをグラフト化したシラングラ
フトポリオレフインシートの少なくもその片面
にセルロース系絶縁紙がラミネートされてお
り、 (2) 前記ポリオレフインのASTM D−1525によ
るビカツト軟化点以上の温度で熱圧着によりシ
ラングラフトポリオレフインシートにセルロー
ス系絶縁紙とがラミネートされており、 (3) 熱圧着後絶対温度(〓)で表わしたポリオレ
フインの融点の70〜95%の範囲の温度に少なく
も5秒以上保持冷却されているラミネートテー
プを用いたことを特徴とする電力ケーブルであ
る。 より具体的には本発明に於て絶縁テープ材料と
して結晶融点150℃以上のプラスチツクとして経
済的にも問題のない材料はポリプロピレン
(PP)、ポリ4−メチルペンテン−1(TP−X)
等のポリオレフインがあるが、これを用いてその
片面もしくは両面にセルロース系絶縁紙例えばク
ラフト紙をラミネートさせたものであるが、この
ポリオレフインはシラン架橋によりグラフト化さ
れているので、セルロース系絶縁紙とは化学的親
和力によつて一体化されており、好ましくはシラ
ンの一般式RR′SiY2のRとしてNH2−、−SH基
を含まない有機基の方が絶縁体の誘電正接を悪化
しないので好ましい。即ちRとしてビニル基、ビ
ニル基を含む炭化水素基である場合にはこの誘電
正接の低下がないので好ましいものである。 又、Yとしては加水分解し得る有機基例えば
CH3O−、C2H5−、−OCH2CH2−OCH3基などの
基は加水分解により例えば(ポリオレフイン)−
R−Si(OH)3のようになるもので、その分解生成
物例えばCH3OH、O2H5OH等がケーブルの乾燥
時に容易に気化して、ケーブルに悪影響を与えな
いものが好ましい。例えばYとしてハロゲン、−
CO2CH3等のシランもあるが、これはクラフト紙
に吸着されて残留し易く、ケーブルの誘電正接及
び絶縁抵抗を悪化させるので好ましいとは云い難
い。 シラングラフトに当つては有機過酸化物例えば
ジクミルパーオキサイドの如きものを用いて加熱
下で行なわれる。例えば押出機でポリオレフイン
テープを押出する際に配合されているシランによ
り押出機中でグラフト化が行なわれる。 次にシラングラフトポリオレフインとセルロー
ス系絶縁紙例えばグラフト紙は通常の条件で貼り
合わせても強固な結合は生じないが、その理由は
加水分解したシランと、クラフト紙間の接近程度
が足らず、例えば水素結合を生じて強固な一体化
をするということにはならないためと思われる。 本発明ではポリオレフインのビカツト軟化点
(ASTM D−1525)以上の温度でポリオレフイ
ンとセルロース系絶縁紙とを熱圧処理をして強固
に一体化している。本発明で使用されるポリオレ
フインのビカツト軟化点はPPの場合135〜155℃、
TPXは180℃程度であり、密着に当つてはポリオ
レフインの塑性変形が関係してくるため、温度及
び圧力の両者が条件となるが、この温度は低いと
きは大きな圧力を要し、小さい圧力で密着を良く
するには温度を高めなければならない。ところで
ポリオレフインとクラフト紙との貼り合わせは前
述したように押出ラミネートで行われるのが一般
的であるが、ポリオレフインの押出温度は当該ポ
リオレフインのビカツト軟化点よりもかなりの高
温であるので、貼り合わせと熱圧処理を同時に行
なうことは容易である。この場合貼り合わせロー
ル温度を該ポリオレフインのビカツト軟化点程度
の温度にすればよい。又、貼り合せと熱圧処理は
別工程で行なつてもよい。 次に熱圧処理は該ポリオレフインのビカツト軟
化点以上の温度で行なわれ、この温度では該ポリ
オレフインのかなりの部分が融解した条件となつ
ているため、そのまま急冷すると、該ポリオレフ
インの結晶化の程度は低く、その結果ラミネート
絶縁体の吸油膨潤程度も大きいものとなるが、本
発明では熱圧処理後の冷却をコントロールし、絶
対温度(〓)で表わしたポリオレフインの融点の
70〜95%の範囲で少なくも5秒以上保持冷却する
ようにしたものである。この温度は例えばPPで
は30〜138℃、TP−Xでは86〜214℃の温度範囲
に少くも5秒以上になるように制御して結晶化を
極度に高め、吸油膨潤現象を著るしく改善したも
のである。 本発明の実施例としてポリオレフインに炭化水
素油を配合する方法については既に本発明者の提
案したところであるが、本発明のポリオレフイン
として当然これを適用することができ、その配合
比はポリオレフイン100重量部に対し、初溜温度
300℃以上の炭化水素油を5〜30重量部配合した
混和物として使用することができる。 以下本発明の電力ケーブル使用されるラミネー
トテープの実施例について述べる。 実施例 1 ポリプロピレンホモポリマー100重量部、CH2
=CHSi(OCH2CH2OCH3)32重量部、ベンゾイル
パーオキサイド(BPO)0.1重量部の混和物を220
℃で押出しグラフト化したPPペレツトを得、こ
のグラフト化PPペレツトを280℃でフイルム状に
押出し、その両面に厚さ40μmのクラフト紙を貼
り合わせて150μm厚のラミネート絶縁体とした。
貼り合わせはロール温度を150℃とし、冷却ロー
ル温度は80℃とし、その後部に50℃の空気徐冷槽
を設けて、ラミネート絶縁体とした。 比較例 1 実施例1と同じPPとクラフト紙を用い150μm
厚のラミネートを作つた。この場合貼り合せロー
ルを水冷し、その表面温度は100℃以下で、徐冷
はしなかつた。 実施例 2 PP100重量部に重質アルキルベンゼン(JIS C
−2320 2種2号油)20重量部、CH2=CH−Si
(OCH2CH2OCH3)33重量部、BPO0.2重量部の配
合粉体を220℃で押出しシラングラフトしたPP
(重質アルキルベンゼン含有)ペレツトとし、実
施例1と同様にしてクラフト紙とラミネートし
150μm厚のラミネート絶縁体とした。 冷却条件も全く実施例1と同じである。 上記の三者について120℃のアルキルベンゼン
油(JIS C−2320 2種1号油)中に10日間浸漬
した後のテープ状態を観察し、かつPP−クラフ
ト紙の接着力を測定した。接着力は15mm幅のテー
プの片端についてクラフト紙を剥がし、180℃で
の剥離条件を測定した。 その結果は実施例1、2とも試片端部には剥離
等の異常がなく、かつPPとクラフト紙間を剥が
すことができず、接着力は測定できなかつた。こ
れに対し、比較例のものは油浸によつて試料の片
端部に部分的に剥離による浮きが生じ、接着力は
5個平均23g/15mm幅であつた。 又、各試料について100℃のアルキルベンゼン
油(2種1号)中に3日間浸漬して浸漬前後の厚
さの変化から 厚さ膨潤率〔浸漬後の厚さ−浸漬前の厚さ)/(浸漬
前の厚さ)× 100〕を求めた。 本発明の実施例1は6.4%、実施例2は3.2%比
較例1は10.5%であつた。 実施例 3 TPXの粉末100重量部、老化防止剤0.5重量部、
重質アルキルベンゼン(2種3号)油25重量部、
CH2=CHSi(−OCH2CH2CCH3)33重量部、B.P.
O.0.2重量部の混和物を押出温度260℃でグラフト
化TPXペレツトとした。このペレツトを用い、
270℃で押出し、両面に40μm厚のクラフト紙を
貼り合わせて150μm厚のラミネートとした。貼
り合わせのロール温度は80℃で次にラミネートを
ロール表面温度230℃、圧縮力5Kg/cmロール長
の条件で熱圧処理し、冷却ロールは表面温度を
140℃とし、その後に温度100℃の徐冷槽により冷
却した。 比較例 2 実施例3と同様だが、熱圧処理及び徐冷をせず
に(急冷)ラミネートとした。 上記実施例3と比較例2とを150℃のアルキル
ベンゼン(2種1号)に3日間浸漬して接着程度
を観察した。 実施例3は剥離等の異常がなくかつTP−Xと
クラフト紙を剥がすことができないため、接着力
を測定できなかつたが、比較例2はTP−Xとク
ラフト紙の間が完全に剥離していた。 実施例 4 重質アルキルベンゼン18重量%を配合した
PP100重量部に、CH2=CHSi(OC2H4OCH3)32重
量部BPO0.1重量部を配合し、220℃でグラフト化
したPPを用いて本発明によりPP分率40%の120μ
m厚のラミネート絶縁体、PP分率50%の150μm
厚のラミネート絶縁体、PP分率70%の220μm厚
のラミネート絶縁体を作つた。熱圧着及び冷却条
件は実施例1と同じにした。 実施例 5 重質アルキルベンゼン20重量%を配合したTP
−X100重量部当り、CH2=CHSi
(OC2H4OC2H3)32重量部、BPO0.1重量部を配合
して、260℃にてグラフト化したペレツトを作り、
TPX分率70%の220μm厚のラミネート絶縁体を
作つた。熱圧着は200℃で行ない、冷却は150〜
100℃に10秒保持した。 但し上記に於てPP及びTP−X分率とはラミネ
ート絶縁体の総厚に占める当該ポリオレフインの
厚さの比率である。 比較例 3 上記実施例4と同じ材料を用い、同じ厚さのラ
ミネートを作つた。但し熱圧着はせず、ロールを
水冷により急冷した。 比較例 4 上記実施例5と同じ材料を用い、同じ厚さのラ
ミネートを作つた。但し、熱圧着はせず、ロール
を水冷により急冷した。 これらの実施例4、5及び比較例3、4に示し
たラミネート絶縁体を用いて下記のような電力ケ
ーブルを製造した。 即ち電力ケーブルは導体として2500mm2(外径約
68mm)のものを用い、カーボン紙及び金属化紙に
よる遮蔽層を設け、その上に絶縁層として前記ラ
ミネートの120μmのPPラミネートを用い層厚約
2mmに、150μmのPPラミネートを用い層厚約4
mmに、220μmのTP−Xラミネートを用い層厚約
19mmに合計25mmの絶縁層を設け、更に金属化紙を
用いて外部遮蔽層を設け、脱気加熱乾燥後40℃ま
で冷却してアルキルベンゼン油(2種1号)を含
浸した。その後アルミニウムシースを施し、更に
塩化ビニルコンパウンドによる防食層を設けた。 なお前記ケーブルの絶縁層を構成するラミネー
トには実施例4、5に示すものを用いた本発明の
ケーブルと比較例3、4に示すものを用いた比較
用ケーブルとを作り、その性能を試験したところ
下記の通りである。
あつて、R′はRあるいは基Yである)で表わ
される有機シランをグラフト化したシラングラ
フトポリオレフインシートの少なくもその片面
にセルロース系絶縁紙がラミネートされてお
り、 (2) 前記ポリオレフインのASTM D−1525によ
るビカツト軟化点以上の温度で熱圧着によりシ
ラングラフトポリオレフインシートにセルロー
ス系絶縁紙とがラミネートされており、 (3) 熱圧着後絶対温度(〓)で表わしたポリオレ
フインの融点の70〜95%の範囲の温度に少なく
も5秒以上保持冷却されているラミネートテー
プを用いたことを特徴とする電力ケーブルであ
る。 より具体的には本発明に於て絶縁テープ材料と
して結晶融点150℃以上のプラスチツクとして経
済的にも問題のない材料はポリプロピレン
(PP)、ポリ4−メチルペンテン−1(TP−X)
等のポリオレフインがあるが、これを用いてその
片面もしくは両面にセルロース系絶縁紙例えばク
ラフト紙をラミネートさせたものであるが、この
ポリオレフインはシラン架橋によりグラフト化さ
れているので、セルロース系絶縁紙とは化学的親
和力によつて一体化されており、好ましくはシラ
ンの一般式RR′SiY2のRとしてNH2−、−SH基
を含まない有機基の方が絶縁体の誘電正接を悪化
しないので好ましい。即ちRとしてビニル基、ビ
ニル基を含む炭化水素基である場合にはこの誘電
正接の低下がないので好ましいものである。 又、Yとしては加水分解し得る有機基例えば
CH3O−、C2H5−、−OCH2CH2−OCH3基などの
基は加水分解により例えば(ポリオレフイン)−
R−Si(OH)3のようになるもので、その分解生成
物例えばCH3OH、O2H5OH等がケーブルの乾燥
時に容易に気化して、ケーブルに悪影響を与えな
いものが好ましい。例えばYとしてハロゲン、−
CO2CH3等のシランもあるが、これはクラフト紙
に吸着されて残留し易く、ケーブルの誘電正接及
び絶縁抵抗を悪化させるので好ましいとは云い難
い。 シラングラフトに当つては有機過酸化物例えば
ジクミルパーオキサイドの如きものを用いて加熱
下で行なわれる。例えば押出機でポリオレフイン
テープを押出する際に配合されているシランによ
り押出機中でグラフト化が行なわれる。 次にシラングラフトポリオレフインとセルロー
ス系絶縁紙例えばグラフト紙は通常の条件で貼り
合わせても強固な結合は生じないが、その理由は
加水分解したシランと、クラフト紙間の接近程度
が足らず、例えば水素結合を生じて強固な一体化
をするということにはならないためと思われる。 本発明ではポリオレフインのビカツト軟化点
(ASTM D−1525)以上の温度でポリオレフイ
ンとセルロース系絶縁紙とを熱圧処理をして強固
に一体化している。本発明で使用されるポリオレ
フインのビカツト軟化点はPPの場合135〜155℃、
TPXは180℃程度であり、密着に当つてはポリオ
レフインの塑性変形が関係してくるため、温度及
び圧力の両者が条件となるが、この温度は低いと
きは大きな圧力を要し、小さい圧力で密着を良く
するには温度を高めなければならない。ところで
ポリオレフインとクラフト紙との貼り合わせは前
述したように押出ラミネートで行われるのが一般
的であるが、ポリオレフインの押出温度は当該ポ
リオレフインのビカツト軟化点よりもかなりの高
温であるので、貼り合わせと熱圧処理を同時に行
なうことは容易である。この場合貼り合わせロー
ル温度を該ポリオレフインのビカツト軟化点程度
の温度にすればよい。又、貼り合せと熱圧処理は
別工程で行なつてもよい。 次に熱圧処理は該ポリオレフインのビカツト軟
化点以上の温度で行なわれ、この温度では該ポリ
オレフインのかなりの部分が融解した条件となつ
ているため、そのまま急冷すると、該ポリオレフ
インの結晶化の程度は低く、その結果ラミネート
絶縁体の吸油膨潤程度も大きいものとなるが、本
発明では熱圧処理後の冷却をコントロールし、絶
対温度(〓)で表わしたポリオレフインの融点の
70〜95%の範囲で少なくも5秒以上保持冷却する
ようにしたものである。この温度は例えばPPで
は30〜138℃、TP−Xでは86〜214℃の温度範囲
に少くも5秒以上になるように制御して結晶化を
極度に高め、吸油膨潤現象を著るしく改善したも
のである。 本発明の実施例としてポリオレフインに炭化水
素油を配合する方法については既に本発明者の提
案したところであるが、本発明のポリオレフイン
として当然これを適用することができ、その配合
比はポリオレフイン100重量部に対し、初溜温度
300℃以上の炭化水素油を5〜30重量部配合した
混和物として使用することができる。 以下本発明の電力ケーブル使用されるラミネー
トテープの実施例について述べる。 実施例 1 ポリプロピレンホモポリマー100重量部、CH2
=CHSi(OCH2CH2OCH3)32重量部、ベンゾイル
パーオキサイド(BPO)0.1重量部の混和物を220
℃で押出しグラフト化したPPペレツトを得、こ
のグラフト化PPペレツトを280℃でフイルム状に
押出し、その両面に厚さ40μmのクラフト紙を貼
り合わせて150μm厚のラミネート絶縁体とした。
貼り合わせはロール温度を150℃とし、冷却ロー
ル温度は80℃とし、その後部に50℃の空気徐冷槽
を設けて、ラミネート絶縁体とした。 比較例 1 実施例1と同じPPとクラフト紙を用い150μm
厚のラミネートを作つた。この場合貼り合せロー
ルを水冷し、その表面温度は100℃以下で、徐冷
はしなかつた。 実施例 2 PP100重量部に重質アルキルベンゼン(JIS C
−2320 2種2号油)20重量部、CH2=CH−Si
(OCH2CH2OCH3)33重量部、BPO0.2重量部の配
合粉体を220℃で押出しシラングラフトしたPP
(重質アルキルベンゼン含有)ペレツトとし、実
施例1と同様にしてクラフト紙とラミネートし
150μm厚のラミネート絶縁体とした。 冷却条件も全く実施例1と同じである。 上記の三者について120℃のアルキルベンゼン
油(JIS C−2320 2種1号油)中に10日間浸漬
した後のテープ状態を観察し、かつPP−クラフ
ト紙の接着力を測定した。接着力は15mm幅のテー
プの片端についてクラフト紙を剥がし、180℃で
の剥離条件を測定した。 その結果は実施例1、2とも試片端部には剥離
等の異常がなく、かつPPとクラフト紙間を剥が
すことができず、接着力は測定できなかつた。こ
れに対し、比較例のものは油浸によつて試料の片
端部に部分的に剥離による浮きが生じ、接着力は
5個平均23g/15mm幅であつた。 又、各試料について100℃のアルキルベンゼン
油(2種1号)中に3日間浸漬して浸漬前後の厚
さの変化から 厚さ膨潤率〔浸漬後の厚さ−浸漬前の厚さ)/(浸漬
前の厚さ)× 100〕を求めた。 本発明の実施例1は6.4%、実施例2は3.2%比
較例1は10.5%であつた。 実施例 3 TPXの粉末100重量部、老化防止剤0.5重量部、
重質アルキルベンゼン(2種3号)油25重量部、
CH2=CHSi(−OCH2CH2CCH3)33重量部、B.P.
O.0.2重量部の混和物を押出温度260℃でグラフト
化TPXペレツトとした。このペレツトを用い、
270℃で押出し、両面に40μm厚のクラフト紙を
貼り合わせて150μm厚のラミネートとした。貼
り合わせのロール温度は80℃で次にラミネートを
ロール表面温度230℃、圧縮力5Kg/cmロール長
の条件で熱圧処理し、冷却ロールは表面温度を
140℃とし、その後に温度100℃の徐冷槽により冷
却した。 比較例 2 実施例3と同様だが、熱圧処理及び徐冷をせず
に(急冷)ラミネートとした。 上記実施例3と比較例2とを150℃のアルキル
ベンゼン(2種1号)に3日間浸漬して接着程度
を観察した。 実施例3は剥離等の異常がなくかつTP−Xと
クラフト紙を剥がすことができないため、接着力
を測定できなかつたが、比較例2はTP−Xとク
ラフト紙の間が完全に剥離していた。 実施例 4 重質アルキルベンゼン18重量%を配合した
PP100重量部に、CH2=CHSi(OC2H4OCH3)32重
量部BPO0.1重量部を配合し、220℃でグラフト化
したPPを用いて本発明によりPP分率40%の120μ
m厚のラミネート絶縁体、PP分率50%の150μm
厚のラミネート絶縁体、PP分率70%の220μm厚
のラミネート絶縁体を作つた。熱圧着及び冷却条
件は実施例1と同じにした。 実施例 5 重質アルキルベンゼン20重量%を配合したTP
−X100重量部当り、CH2=CHSi
(OC2H4OC2H3)32重量部、BPO0.1重量部を配合
して、260℃にてグラフト化したペレツトを作り、
TPX分率70%の220μm厚のラミネート絶縁体を
作つた。熱圧着は200℃で行ない、冷却は150〜
100℃に10秒保持した。 但し上記に於てPP及びTP−X分率とはラミネ
ート絶縁体の総厚に占める当該ポリオレフインの
厚さの比率である。 比較例 3 上記実施例4と同じ材料を用い、同じ厚さのラ
ミネートを作つた。但し熱圧着はせず、ロールを
水冷により急冷した。 比較例 4 上記実施例5と同じ材料を用い、同じ厚さのラ
ミネートを作つた。但し、熱圧着はせず、ロール
を水冷により急冷した。 これらの実施例4、5及び比較例3、4に示し
たラミネート絶縁体を用いて下記のような電力ケ
ーブルを製造した。 即ち電力ケーブルは導体として2500mm2(外径約
68mm)のものを用い、カーボン紙及び金属化紙に
よる遮蔽層を設け、その上に絶縁層として前記ラ
ミネートの120μmのPPラミネートを用い層厚約
2mmに、150μmのPPラミネートを用い層厚約4
mmに、220μmのTP−Xラミネートを用い層厚約
19mmに合計25mmの絶縁層を設け、更に金属化紙を
用いて外部遮蔽層を設け、脱気加熱乾燥後40℃ま
で冷却してアルキルベンゼン油(2種1号)を含
浸した。その後アルミニウムシースを施し、更に
塩化ビニルコンパウンドによる防食層を設けた。 なお前記ケーブルの絶縁層を構成するラミネー
トには実施例4、5に示すものを用いた本発明の
ケーブルと比較例3、4に示すものを用いた比較
用ケーブルとを作り、その性能を試験したところ
下記の通りである。
【表】
本発明の実施例によるものはtanδ(20℃)の値
が比較例より極めて優れているが、これはTP−
Xの誘電分散が絶縁油を含浸したことにより低温
側にシフトした効果によるものである。 又、前記の両ケーブルを100℃に加圧した条件
で、5日間保つた後、ケーブル外径の20倍で2往
復の屈曲を2回行なつた後、ケーブルを解体し絶
縁層の状態を調べたところ下記の通りである。 本発明の実施例のケーブルではテープの移動に
よるギヤツプの変化は認められたものの、テープ
端部の剥離や皺は生成せず総合的に良好な状態で
あつたのに対し、比較例のケーブルではテープ端
部の部分に剥離が多数認められ、屈曲による皺の
発生も数個所認められ、この部分では紙層が裂け
ているのが確認された。
が比較例より極めて優れているが、これはTP−
Xの誘電分散が絶縁油を含浸したことにより低温
側にシフトした効果によるものである。 又、前記の両ケーブルを100℃に加圧した条件
で、5日間保つた後、ケーブル外径の20倍で2往
復の屈曲を2回行なつた後、ケーブルを解体し絶
縁層の状態を調べたところ下記の通りである。 本発明の実施例のケーブルではテープの移動に
よるギヤツプの変化は認められたものの、テープ
端部の剥離や皺は生成せず総合的に良好な状態で
あつたのに対し、比較例のケーブルではテープ端
部の部分に剥離が多数認められ、屈曲による皺の
発生も数個所認められ、この部分では紙層が裂け
ているのが確認された。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 導体と油浸紙絶縁層と金属シースと油通路と
を設けた電力ケーブルに於て、油浸紙絶縁層を構
成する絶縁テープに下記のものを用いたことを特
徴とする電力ケーブル。 (a) 結晶融点150℃以上のポリオレフインシート
に、一般式RR′SiY2(式中Rはオレフイン性不
飽和の一価の炭化水素基またはハイドロカーボ
ンオキシ基及び水素基及び−NH−、
【式】SH基、【式】基を一個以上 含む炭化水素基、Yは加水分解し得る有機基で
あつて、R′はRあるいは基Yである)で表わ
される有機シランをグラフト化したシラングラ
フトポリオレフインシートの少くもその片面に
セルロース系絶縁紙がラミネートされており、 (b) 前記ポリオレフインのASTM D−1525によ
るビカツト軟化点以上の温度で熱圧着によりシ
ラングラフトポリオレフインシートとセルロー
ス系絶縁紙とがラミネートされており (c) 熱圧着後絶対温度(〓)で表わしたポリオレ
フインの融点の70〜95%の範囲の温度に少なく
も5秒以上保持冷却されているラミネートテー
プ。 2 ポリオレフインとして初溜温度300℃以上の
炭化水素系絶縁油が配合されていることを特徴と
する特許請求の範囲第1項記載の電力ケーブル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20929081A JPS58111211A (ja) | 1981-12-25 | 1981-12-25 | 電力ケ−ブル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20929081A JPS58111211A (ja) | 1981-12-25 | 1981-12-25 | 電力ケ−ブル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58111211A JPS58111211A (ja) | 1983-07-02 |
| JPH038046B2 true JPH038046B2 (ja) | 1991-02-05 |
Family
ID=16570490
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20929081A Granted JPS58111211A (ja) | 1981-12-25 | 1981-12-25 | 電力ケ−ブル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58111211A (ja) |
-
1981
- 1981-12-25 JP JP20929081A patent/JPS58111211A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58111211A (ja) | 1983-07-02 |
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