JPH0380863B2 - - Google Patents
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- JPH0380863B2 JPH0380863B2 JP62200118A JP20011887A JPH0380863B2 JP H0380863 B2 JPH0380863 B2 JP H0380863B2 JP 62200118 A JP62200118 A JP 62200118A JP 20011887 A JP20011887 A JP 20011887A JP H0380863 B2 JPH0380863 B2 JP H0380863B2
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/18—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
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- C22C38/42—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with copper
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は二相ステンレス鋼合金組成物に関する
ものであり、更に詳しくは、並はずれた耐孔食性
を有する銅を含んでいる二相ステンレス鋼合金組
成物に関する。本発明は1984年8月6日に米国出
願された出願番号637892号の米国一部継続出願に
対応しているものである。 本発明の合金は、化学、パルプ及び製紙工業で
有益な用途を有する。その合金は容器、レトルト
及びパイプとして、抄紙機ロールシエル例えばコ
ーターロール、みぞロール及びブラインド−ドリ
ルロールとして、及び抄紙機用吸込ロールアプリ
ケーシヨン例えばブレストロール、コーチロー
ル、ピツクアツプロール、プレスロール及びリン
ガーロールとしての用途に用いられる。 [従来の技術] オーステナイト系ステンレス鋼中に銅を使用す
るとこ、例えばカーペンタ合金20及びCN−7M、
そして二相ステンレス鋼中に銅を使用すること、
例えばCD−4M Cu(米国特許第3082082号)及び
フエラリウム(登録商標)アロイ255(米国特許第
3567434号)は周知である。CD−4M Cu及びフ
エラリウム(登録商標)アロイ255合金は鋳造合
金として開発された二相ステンレス鋼でオーステ
ナイトとフエライトを約等量含む。二相ステンレ
ス鋼は完全オーステナイト系ステンレス鋼よりも
ある点においてまさつており、例えば降伏強さと
引張強さがはるかに高く、そして鋭敏化処理、粒
界腐食及び粒界腐食割れに対する感受性が減少す
る。アロイ75はサンドウスキー フアンダリーア
ンドマシンカンパニーによつてこれらの特性を利
用して吸込みロールシエル用途のために開発され
た。 CD−4M Cu合金とフエラリウム(登録商標)
255合金はアロイ75組成物と幾つかの類似点を有
する。3つの合金の公称化学組成は以下の通りで
ある。
ものであり、更に詳しくは、並はずれた耐孔食性
を有する銅を含んでいる二相ステンレス鋼合金組
成物に関する。本発明は1984年8月6日に米国出
願された出願番号637892号の米国一部継続出願に
対応しているものである。 本発明の合金は、化学、パルプ及び製紙工業で
有益な用途を有する。その合金は容器、レトルト
及びパイプとして、抄紙機ロールシエル例えばコ
ーターロール、みぞロール及びブラインド−ドリ
ルロールとして、及び抄紙機用吸込ロールアプリ
ケーシヨン例えばブレストロール、コーチロー
ル、ピツクアツプロール、プレスロール及びリン
ガーロールとしての用途に用いられる。 [従来の技術] オーステナイト系ステンレス鋼中に銅を使用す
るとこ、例えばカーペンタ合金20及びCN−7M、
そして二相ステンレス鋼中に銅を使用すること、
例えばCD−4M Cu(米国特許第3082082号)及び
フエラリウム(登録商標)アロイ255(米国特許第
3567434号)は周知である。CD−4M Cu及びフ
エラリウム(登録商標)アロイ255合金は鋳造合
金として開発された二相ステンレス鋼でオーステ
ナイトとフエライトを約等量含む。二相ステンレ
ス鋼は完全オーステナイト系ステンレス鋼よりも
ある点においてまさつており、例えば降伏強さと
引張強さがはるかに高く、そして鋭敏化処理、粒
界腐食及び粒界腐食割れに対する感受性が減少す
る。アロイ75はサンドウスキー フアンダリーア
ンドマシンカンパニーによつてこれらの特性を利
用して吸込みロールシエル用途のために開発され
た。 CD−4M Cu合金とフエラリウム(登録商標)
255合金はアロイ75組成物と幾つかの類似点を有
する。3つの合金の公称化学組成は以下の通りで
ある。
【表】
CD−4M Cu合金とフエラリウム(登録商標)
アロイ255とは非常に類似しているが、一つの重
要な相違はフエラリウム(登録商標)アロイ255
が故意に高い窒素添加物を含むことである。CD
−4M Cu及びフエラリウム(登録商標)合金の
どちらにも析出硬化能力を付与するために銅が加
えられる。480℃で2時間の時効処理で降伏強さ
と引張強さが約15〜20%増加するが該時効処理は
CD−4M Cu合金に対してはもはやそれ以上勧め
られない。また、CD−4M Cu合金とフエラリウ
ム(登録商標)アロイ255はどちらも2%又はそ
れ以上のモリブデンを含むが、アロイ75は無視で
きる量のモリブデンしか含まない。 モリブデンを添加すると塩化物を含む環境中で
ステンレス鋼の耐孔食性を増進する。ステンレス
鋼中の耐孔食性と割れ耐食性に対するモリブデン
の有益な効果は化学組成に基づく実験的孔食イン
デツクスで予想されうる。孔食インデツクスはク
ロム含有量プラスその3〜4倍のモリブデン含有
量を加えて決定される。孔食インデツクス値が高
いほど耐孔食性は良くなる。 モリブデンは強いフエライト促進剤であり、二
相ステンレス鋼中でフエライト相に濃縮する傾向
がある。従つて、オーステナイト相はフエライト
のモリブデン含有量の半分より少ないモリブデン
しか含まないかもしれない。モリブデンはまた約
650〜870℃の温度範囲でゆつくり冷却される間に
フエライト内にシグマ及びカイ相の形成を促進す
る。モリブデンはまた約370〜540℃の温度範囲内
でフエライト中にアルフア第1相及び他の無名の
鉄−クロム化合物の形成を促進する。シグマ、カ
イ、アルフア第1相及び無名の鉄−クロム化合物
はきわめてかなりな程度ステンレス鋼の延性及び
靭性を減少させる。従つて、良い機械的性質を得
るためにはモリブデン含有二相ステンレス鋼は溶
体化焼なまし温度から急冷されなければならな
い。急冷によりモリブデン含有ステンレス鋼の脆
性化を防止出来るが、それはまた物質中に望まし
くない高水準の引張残留応力を生じる事により新
たな問題を発生させる。 これらの残留応力は全冶金工業に関係する。な
ぜならば、それらは外部荷重を受けない部分に存
在する閉じ込められた応力だからである。吸込ロ
ールシエルで、加えた応力と引張残留応力の有意
義な割合が合計されてより高い全応力を生じる。
この残留応力はある種の熱工程段階後に鋳物の異
なる部分が不均一に冷却されて生じ、そして熱処
理は熱工程の一例である。吸込ロールシエルで、
不均一冷却は断面厚さ、その長さ方向又は内側表
面と外側表面の間を通して生じ得る。冷却不均一
性の大きさそしてそれ故に引張残留応力は最も急
速な冷却速度、即ち水中冷却で最大であり、そし
て最も遅い冷却速度、即ち密閉した熱処理炉内で
の非常にゆつくりな調節冷却で最小である。 高引張残留応力は抄紙機で用いられる吸込ロー
ルシエルの使用性能に害を与える。モリブデン含
有二相ステンレス鋼例えばアロイA171、アロイ
63、CD−4M Cu及びフエラリウム(登録商標)
アロイ255は溶体化焼なまし温度から急速に冷却
されねばならないが、非常に高水準の引張残留応
力を持つため、使用性能に劣つている。例えば、
従来技術の二相物質であるアロイ63は、公称(重
量%)で;C:0.05%、Si:1.3%、Mn:0.8%、
Cr:21.8%、Ni:9.4%、Mo:2.7%及び残余が
Fe及び不可避の不純物からなり、特別の耐食性
及び非常に高い腐食疲労強さを有するが抄紙機で
は実用に劣つている。約34%のアロイ63の吸込ロ
ールシエルは高水準の引張残留応力に起因した受
入れられない初期破壊を有する。高水準の引張残
留応力は受入れられる延性及び耐食性を有する物
質を造るために鋳造ステンレス鋼の製造業者によ
つて通常用いられる溶体化焼なまし水中急冷熱処
理で生じる。 他の従来技術の吸込ロールシエル物質である
A171は公称(重量%)で;C:0.06%、Si:1.5
%、Mn:0.8%、Cr:23.0%、Ni:8.3%、Mo:
1.2%からなる。アロイA171はまた溶体化焼なま
し水中急冷熱処理で生ずる高水準の引張残留応力
に起因する早期破壊を生じた。 もし従来技術物質のアロイ63及びA171が980〜
1090℃の溶体化焼なまし温度から非常にゆつくり
と調節冷却熱処理されるならば合金中のフエライ
トは約650〜870℃の温度範囲で合金が費やした長
時間の間に脆いシグマ及び/又はカイ相に変態
し、そして約370〜540℃の温度範囲で他の二つの
脆い相であるアルフア第1及び他の無名の鉄−ク
ロム化合物に変態する。その結果、アロイ63及び
A171の延性は一軸引張試験での伸び率で測定さ
れるような受入れられない程の低い値に激減す
る。脆性化は溶体化焼なましそして水中急冷条件
下のアロイ63と非常にゆつくりした調節冷却条件
下のアロイ63との一軸引張試験結果を比較して証
明される。伸び%は溶体化焼なましそして水中急
冷条件中の39%から非常にゆつくりした調節冷却
条件中の2%に減少した。この脆性化はアロイ63
及びA171のようなモリブデンを含む二相ステン
レス鋼で促進する。従来技術のヒライシ等の米国
特許第4218268号及び4224061号の物質の引用した
化学分析の試験及びこれらの物質を冷却すべき温
度範囲の知識はヒライシ等の’268及び’061物質
もゆつくりした冷却工程で脆性化することを示し
ている。 従来技術のアロイ75は非常にゆつくりと調節冷
却したとき受入れられる腐食性及び延性を有する
物質として開発されたものであり、公称(重量
%)で;C:0.02%、Si:0.5%、Mn:0.8%、
Cr:25.7%、Ni:6.8%、N:0.07%及び残余が
Fe及び不可避の不純物からなる。モリブデン含
有二相ステンレス鋼と対比して、アロイ75は脆い
相が過剰に形成されるおそれもなく高温度から非
常にゆつくりと炉内調節冷却されうる。さらに、
非常にゆつくりした調節冷却では残留応力は非常
に低い水準となる。 アロイ75シエルの炉冷は非常に低い水準の残留
応力と良好な使用性能をもたらすが、アロイ75
は、高い腐食環境においてモリブデン含有ステン
レス鋼の耐孔食性に欠ける。たいていの製紙工場
の白水で、アロイ75は充分な耐孔食性を有する。
しかし、アロイ75は腐食条件が非常に厳しくなる
と孔食が出来る。例えば、工場が白水システムを
閉鎖すると塩化物及びチオ硫酸塩イオン濃度が増
大しその結果さらに腐食環境となる。 アロイ75ロールシエルの孔食は塩化物及びチオ
硫酸塩イオンを高い水準で含む環境における製紙
工場の使用で生じている。アロイ75はまた類似の
環境中の実験室試験においても孔食を起こす事が
知られている。孔食はオーステナイト中及びオー
ステナイト/フエライト界面で開始することが知
られている。フエライト相中の孔食の発生は確認
されていない。エネルギー分散型X−線分析によ
ればアロイ75中のフエライト及びオーステナイト
の化学組成は以下の通りである。 化学組成(%) Cr Ni オーステナイト 22 10 フエライト 31 5 オーステナイト相のクロム含有量が比較的低い
事がその耐孔食性が減少した原因であると考えら
れている。 [発明が解決しようとする問題点] 要約すると、モリブデンは塩化物を含む腐食環
境に対する耐孔食性を増大するために伝統的に従
来技術の合金に添加されてきた。モリブデンを使
用した従来技術の二相ステンレス鋼の例はアロイ
63、A171、フエラリウム255、CD4MCu及びヒラ
イシ等の前記米国特許’061及び’268合金であ
る。これらの従来技術の鋼は約900〜1150℃の溶
体化焼なましの少なくとも1熱処理工程を必要と
し、次いて望ましくない脆い相の形成を防止する
ために急速冷却工程を採る。急速冷却工程が慣用
のステンレス鋼鋳物中に有害な引張り残留応力を
誘発することが知られている。無視できる程度の
モリブデンを含みそして低い引張り残留応力を有
するように開発された従来技術のアロイ75は猛烈
な腐食性の白水環境においては十分な耐孔食性に
欠ける。従つて本発明の本質的な目的は二相ステ
ンレス鋼の耐孔食性を改良することである。 本発明の目的及び利点は、本明細書および特許
請求の範囲を読んだ当業者にとつて明らかであろ
う。 [問題点を解決するための手段] 本発明は吸込ロールシエルに有益であり改良さ
れた耐孔食性を有する改良二相ステンレス鋼合金
に関するものであり、それは銅の有効量を合金に
添加し、意識的にはモリブデンを添加しないこと
によつて残留元素として0.5%以下のモリブデン
含量とすることによつて得られる。 本発明は有害な引張残留応力を最小とし、一方
優れた延性と耐食性を保持するように非常にゆつ
くりと調節冷却された高い耐孔食性フエライト−
オーステナイト系二相鋳造ステンレス鋼合金を提
供する。それは、重量%で、C:0.10%以下、
Si:1.5%以下、Mn:2.0%以下、Cr:25.0%から
27.0%、Ni:5.0%から7.5%、Cu:1.5%から3.5
%、N:0.15%以下、Mo:0.5%以下、そして残
余が実質的にFeから成り、高度に耐孔食性の二
相ステンレス鋼合金の物質を形成する。 特に、本発明は改良された耐孔食性、良好な腐
食疲労抵抗そして低い引張残留応力を有する吸込
ロールシエルを製造するのに用いられる二相ステ
ンレス鋼合金に関する。本発明(X−6)は有害
な引張残留応力を最小にし、一方優れた延性と耐
食性を保持するために非常にゆつくりと調節冷却
された高耐孔食性及び腐食疲労抵抗性のフエライ
ト−オーステナイト系鋳物二相ステンレス鋼を目
的とするものであつて、(重量%)でC:0.10%
以下、Si:1.5%以下、Mn:2.0%以下、Cr:25.0
%から27.0%、Ni:5.0%から7.5%、Cu:1.5%か
ら3.5%、N:0.15%以下、Mo:0.5%以下、そし
て残余はFe及び不可避の不純物から成る。 本発明の合金は独特のものであつて慣用の合金
には見られない予期出来ない特性を有する。合金
は高耐孔食性、優れた延性及び最小の引張残留応
力を有する。本発明の合金は溶体化焼なまし水中
急冷熱処理工程もあるいは望ましい性質を得るた
めの合金元素としてモリブデンを添加することも
必要としない。 本発明の合金は耐孔食性及び腐食疲労抵抗を改
善するため故意に1.5%から3.5%添加した銅を含
有する。これらの改良は約17%の優れた延性を保
持し、非常にゆつくりした調節冷却熱処理を用い
て最小引張残留応力を保持し、そしてなお耐孔食
性を増大させる慣用のモリブデン添加をさけるこ
とによつて行なうことができる。 もし1.5%よりも少ない銅しか本発明の合金中
に存在しないと、合金の耐孔食性は従来技術のア
ロイ75のものに減少する。第3表は、従来技術の
アロイ75、0.8%銅を含むアロイ75物質を修正し
たもの及び1.10%Moを含むX−6物質を修正し
たものと2種のX−6合金物質との電気化学的分
極試験における破壊電位によつて測定された耐孔
食性の比較表である。銅を2.0%及び3.2%含有す
る本発明の合金の耐孔食性は破壊電位が+150ミ
リボルトより大きいため優れていると考えられ
る。従来技術のアロイ75、0.8%銅を含む修正さ
れたアロイ75及び1.10%Moを含む修正されたX
−6物質では電位が0であるため耐孔食性が乏し
いことが証明される。3.5%より多い銅が存在す
ると、オーステナイトの過剰量が存在するため特
許請求されている合金の微構造における好ましい
オーステナイト−フエライトの均衡がくつがえさ
れる。 銅を添加すると、オーステナイト相への分配、
そしてその際従来技術のアロイ75中で孔食発生位
置として作用する相であるオーステナイトの耐孔
食性が改良することにより、塩化物及びチオ硫酸
塩イオンを含有する酸性溶液中での本発明の合金
の耐孔食性は改良される。 エネルギー分散型X線分析によれば約2%銅を
含有する本発明のX−6合金中で、オーステナイ
ト及びフエライト相の化学組成は以下の通りであ
る。 化学組成(%) Cr Ni Cu オーステナイト 20 11 3.8 フエライト 31 4.7 0.9 本発明のX−6合金中の銅の大部分はオーステ
ナイトに分配される。分配されて低い耐孔食性の
オーステナイト相の耐孔食性を増大するので銅添
加は合金全体にとつて有益である。銅添加はX−
6合金を特に酸性塩化物−チオ硫酸塩溶液中で孔
食から保護するようである。2%の銅の添加が二
相ステンレス鋼の耐孔食性を増進するという発見
は予期しないものであつて独特のものである。 本発明の合金は従来技術のアロイ75と比較して
腐食疲労強さの挙動を改良した。第1図に示すグ
ラフは腐食疲労挙動の改良を例示する。本発明の
改良された合金を示す曲線は従来技術のアロイ75
を示す曲線の上及び右側にあり、このことは、よ
り多数の応力サイクルが最大応力の任意の水準に
おいて疲労を起こすために必要であるため、本発
明の合金が上述した攻撃的な白水中で従来技術の
アロイ75よりもより長い使用寿命を経験すること
を示している。 本発明の合金中の銅の存在は合金に意識的にモ
リブデンを添加する必要性を取り除く。モリブデ
ンは延性が過度に減少するため非常にゆつくりと
調節冷却する二相ステンレス鋼鋳物には添加出来
ない。本発明の合金中で、0.5%以上のモリブデ
ンの存在は延性及び耐孔食性の両方が減少するた
め有害である。本発明によれば、0.5%までのモ
リブデンは、鋳物工場で入手出来るステンレス鋼
スクラツプの使用を最大にし、それによつてステ
ンレス鋼鋳物の費用的に効率良い製造を維持する
だけのために容認されるべき意図的でない添加で
ある。 比較延性試験は本発明の合金中のモリブデン割
合の変化による効果を示す。第2図は非常にゆつ
くりと調節冷却した修正されたX−6合金中のモ
リブデンの割合が増加すると一軸引張中の伸び%
の減少で測定されるように合金の延性が受入れら
れない程減少することを示すグラフである。本発
明のX−6合金よりも大きな重量割合である1.10
%のモリブデンを含有する修正されたX−6合金
は(重量%で)C:0.02%、Mn:0.67%、Si:
0.87%、Cr:24.89%、Ni:7.33%、Mo:1.10%、
Cu:2.13%、N:0.069%及び残余のFe及び不可
避の不純物から成る。脆いシグマ相及びカイ相が
1.10%のMoを含有する非常にゆつくりと調節冷
却した修正されたX−6合金の微構造中に存在す
る。 比較耐孔食性試験は本発明の合金中のモリブデ
ンの割合の変化による効果を示す。再び第4表を
参照して、2.1%Cuを含有する非常にゆつくりと
調節冷却した修正されたX−6合金中でモリブデ
ンの割合が1.10%に増加すると零ミリボルト破壊
電位値によつて証明されるように合金の耐孔食性
が受入れられない程の減少を生ずる。再び、本発
明の合金は破壊電位の+184及び+239ミリボルト
で証明されるように優れた耐孔食性を有する。 引張残留応力はサクス(Sachs)法により熱処
理を受けた後種々の方法で冷却された吸込ロール
シエル物質で測定された。第3図に示したグラフ
は本発明の非常にゆつくりと調節冷却した合金
と、非常にゆつくりと調節冷却した従来技術のア
ロイ75、VK−A378と同定された空冷されたヒラ
イシ等の合金及び水中冷却した従来技術による物
質のアロイ63及びA171との引張り残留応力の比
較を示す。本発明の合金は従来技術のアロイ75と
同じ強度の最小引張残留応力を有し、そして従来
技術の物質アロイ63、A171及びヒライシ等の合
金VK−A378よりもかなり低い引張残留応力しか
有さない。 フエライト−オーステナイト系平衡に関する
C,Si,Mn,Cr,Ni,Cu,N及びMoの定量的
効果が溶接物(シエフラーダイヤグラム)及び高
温度で溶体化焼なまし後水中急冷された鋳物
(ASTM仕様書A800/A800M−84 P.560)につ
いて評価された。しかし、本発明の合金には、非
常にゆつくりと調節冷却すると溶接物及び鋳物に
対して予期される慣用のフエライトとオーステナ
イトとの関係に於けるよりも多くのオーステナイ
トが存在する。これらの慣用の評価は本発明の合
金に対して微構造中のフエライト及びオーステナ
イトの最適平衡を得るための元素重量割合範囲を
決定するのに用いることが出来なかつた。 本発明の合金の広い組成範囲は以下の通りであ
る。 本発明の合金は30〜70容量%のフエライトと残
りのオーステナイトを含有する微細構造を有する
二相ステンレス鋼に関するが、この微細構造中の
フエライトの量は、一部は、フエライトを形成し
ている元素とオーステナイトを形成している元素
の割合によつて決定される。これらフエライト形
成元素とオーステナイト形成元素の割合は、一部
以下のASTM A800に基づく組成割合により数
学的に表現される(スチール鋳造の為の標準法、
オーステナイト合金、そのフエライト含量の評
価)。 組成割合=クロム当量/ニツケル当量=Cr(%)
+1.5Si(%)−4.99/Ni%+18C%+0.5Mn%+26(N
−0.02%)+0.25Cu%+2.77 フエライト相を増やす元素はクロム当量中に含
まれている。オーステナイト相を増やす元素はニ
ツケル当量中に含まれている。高い組成割合は低
い組成割合よりもより多くフエライトが存在する
ことを意味する。なぜなら、より多くの割合のフ
エライト形成元素が存在するからである。本発明
の合金については、組成割合は1.55〜2.15である
べきであり、好ましい目標は1.84である。 フエライト相はより堅く、オーステナイト相よ
りも高い耐応力腐食亀裂を有する。本発明の合金
のような二相ステンレス鋼はフエライト相の存在
に結果高い強度と優れた耐応力腐食亀裂を示す。
完全にフエライトで、従つて強度が高い合金で
も、粒の境界が感受性となりやすいこと、再び粒
間の腐食を受けやすいことがあり得るので、製紙
機械吸込みロールシエルとしては望ましくない。
オーステナイトのフエライトとの混合物は、ステ
ンレス鋼中で境界の感受性化及び粒間の腐食を防
止するので吸込みロールシエル及び他の応用に最
良の材料である。逆に、微細構造中にオーステナ
イトが多すぎると脆い相を形成する元素の濃度が
フエライトの小さい容積中で非常に増加する。そ
のときはフエライトは非常にゆつくりと制御冷却
した熱処理の間に脆い相に転換し得、延性及び/
又は耐孔食性を減少する。破壊前に維持できる塑
性変形の量である延性は、一軸引張り試験での伸
び率が目安である。従つて、フエライトとオース
テナイトとの最も望ましい組合せは組成割合に従
つて本発明の合金に加えられる元素の割合を均衡
させることによつて達成される。 多くの元素が微細構造に影響を与え、二相の微
細構造を達成する為に制御されなければならな
い。本発明の合金に加えられる特定の合金元素の
量の数値限定理由を以下に述べる。 C:ステンレス鋼製造に使用した物質から生じる
不純物として、不可避的に鋼中に含まれる(経
済的に0%のものを鋳造出来ない)元素である
が、0.10重量%を越えると、オーステナイト相
が多く形成されすぎ、また延性が悪影響をうけ
るので、0.10重量%以下とした。 Mn:オーステナイト相を安定化することによつ
て、組成割合で表される鋼の微細構造の均衡を
保つ助けをするのに用いられるが、2.0%を越
えるとσ及びχ相などの脆い相の形成によつて
延性が減少するので2.0重量%以下とした。Mn
の少しの量が、存在する硫黄と優先的に結合
し、延性を減少するスルフイドフイルム封入物
の生成を防止するので、Mnは実用上必要であ
る。 Si:シリコンは、溶融したステンレス鋼の流動性
を良くし、そのステンレス鋼溶融物から良好な
鋳造物を製造出るようにするために用いられる
が、全くシリコンが存在しないと、非常に大き
なオキシド封入物が形成され、これによつて延
性を非常に悪くして受入れがたい鋳造物を生
じ、またシリコンの量が1.5重量%を越えると、
流動性の向上が小さくなるだけでなく、フエラ
イトが多く形成されすぎるために延性が非常に
悪くなるので、1.5重量%以下とした。シリコ
ンは溶融金属中の酸素と優先的に結合し、シリ
コンの存在はクリーンな鋳造品が製造できるよ
うにする。シリコンはまたフエライトを安定化
することによつて、組成割合により表される鋼
の微細構造の均衡をとる助けもする。 Cr:有意義なチオサルフエートイオンを含有し
ない還元酸中での良好な一般的耐食性及び耐孔
食性を与えるために使用されるが、25重量%未
満だと、耐食性及び耐孔食性が受入れ難いもの
となり、またオーステナイトが多くなりすぎて
僅かに強度が小さくなり、一方、27重量%を越
えると、フエライトが多すぎるようになつて強
度は僅かに増すものの結果として延性が減少す
るので、25重量%以上〜27重量%以下とした。
チオサルフエートイオンの存在下での耐孔食性
には銅が必要であるが、クロムの方は基本的な
耐孔食性を与える。クロムは微細構造中でフエ
ライトを安定化させる最も重要な元素である。
クロムは、フエライトの安定化によつて、組成
割合によつて表されるフエライトとオーステナ
イトの微細構造の均衡に強い影響を与える。 Ni:還元酸中での一般的な耐食性、耐孔食性を
与えることに幾らかの寄与をする為に使用され
るが、5.0重量%未満ではこの目的を達成出来
ず、一方、7.5重量%を越えると耐応力腐食亀
裂が減少するので5.0重量%以上〜7.5重量%以
下とした。耐応力腐食亀裂は腐食疲労挙動と関
連しているので、腐食疲労性能が重要である吸
込みロールシエルの用途では7.5重量%を越え
るニツケル含量は望ましくない。ニツケルはま
た組成割合によつて表される微細構造の均衡で
オーステナイトを安定化させるのに最も重要な
元素である。ニツケルの量が5.0重量%未満で
は、フエライトが多く形成してしまい、一方、
7.5重量%を越えると多すぎるオーステナイト
を安定化させてしまう。これら両極端とも延性
を減少させる。 N:オーステナイトを安定化することによつて、
組成割合によつて表される微細構造の均衡を保
つ助けをするのに使用されるが、オーステナイ
トとフエライトの間の微細構造に於ける化学的
変化が減少し、局所的な耐孔食性が改良される
ようにクロムの分配を変化させる為に幾らか少
量は必要であり、一方0.15重量%を越える量だ
とオーステナイトが多すぎるようになるので、
0.15重量%以下とした。例えば以下の表は窒素
含量が異なる二つの鋳造物のオーステナイト相
とフエライト相のクロム含量を示す。より高い
窒素含量(0.130重量%)の鋳造物Bは鋳造物
Aと比較してオーステナイトとフエライトの間
でクロム含量の差が小さくなつている。 異なる二つの鋳造物のオーステナイト相とフエ
ライト相のクロム含量
アロイ255とは非常に類似しているが、一つの重
要な相違はフエラリウム(登録商標)アロイ255
が故意に高い窒素添加物を含むことである。CD
−4M Cu及びフエラリウム(登録商標)合金の
どちらにも析出硬化能力を付与するために銅が加
えられる。480℃で2時間の時効処理で降伏強さ
と引張強さが約15〜20%増加するが該時効処理は
CD−4M Cu合金に対してはもはやそれ以上勧め
られない。また、CD−4M Cu合金とフエラリウ
ム(登録商標)アロイ255はどちらも2%又はそ
れ以上のモリブデンを含むが、アロイ75は無視で
きる量のモリブデンしか含まない。 モリブデンを添加すると塩化物を含む環境中で
ステンレス鋼の耐孔食性を増進する。ステンレス
鋼中の耐孔食性と割れ耐食性に対するモリブデン
の有益な効果は化学組成に基づく実験的孔食イン
デツクスで予想されうる。孔食インデツクスはク
ロム含有量プラスその3〜4倍のモリブデン含有
量を加えて決定される。孔食インデツクス値が高
いほど耐孔食性は良くなる。 モリブデンは強いフエライト促進剤であり、二
相ステンレス鋼中でフエライト相に濃縮する傾向
がある。従つて、オーステナイト相はフエライト
のモリブデン含有量の半分より少ないモリブデン
しか含まないかもしれない。モリブデンはまた約
650〜870℃の温度範囲でゆつくり冷却される間に
フエライト内にシグマ及びカイ相の形成を促進す
る。モリブデンはまた約370〜540℃の温度範囲内
でフエライト中にアルフア第1相及び他の無名の
鉄−クロム化合物の形成を促進する。シグマ、カ
イ、アルフア第1相及び無名の鉄−クロム化合物
はきわめてかなりな程度ステンレス鋼の延性及び
靭性を減少させる。従つて、良い機械的性質を得
るためにはモリブデン含有二相ステンレス鋼は溶
体化焼なまし温度から急冷されなければならな
い。急冷によりモリブデン含有ステンレス鋼の脆
性化を防止出来るが、それはまた物質中に望まし
くない高水準の引張残留応力を生じる事により新
たな問題を発生させる。 これらの残留応力は全冶金工業に関係する。な
ぜならば、それらは外部荷重を受けない部分に存
在する閉じ込められた応力だからである。吸込ロ
ールシエルで、加えた応力と引張残留応力の有意
義な割合が合計されてより高い全応力を生じる。
この残留応力はある種の熱工程段階後に鋳物の異
なる部分が不均一に冷却されて生じ、そして熱処
理は熱工程の一例である。吸込ロールシエルで、
不均一冷却は断面厚さ、その長さ方向又は内側表
面と外側表面の間を通して生じ得る。冷却不均一
性の大きさそしてそれ故に引張残留応力は最も急
速な冷却速度、即ち水中冷却で最大であり、そし
て最も遅い冷却速度、即ち密閉した熱処理炉内で
の非常にゆつくりな調節冷却で最小である。 高引張残留応力は抄紙機で用いられる吸込ロー
ルシエルの使用性能に害を与える。モリブデン含
有二相ステンレス鋼例えばアロイA171、アロイ
63、CD−4M Cu及びフエラリウム(登録商標)
アロイ255は溶体化焼なまし温度から急速に冷却
されねばならないが、非常に高水準の引張残留応
力を持つため、使用性能に劣つている。例えば、
従来技術の二相物質であるアロイ63は、公称(重
量%)で;C:0.05%、Si:1.3%、Mn:0.8%、
Cr:21.8%、Ni:9.4%、Mo:2.7%及び残余が
Fe及び不可避の不純物からなり、特別の耐食性
及び非常に高い腐食疲労強さを有するが抄紙機で
は実用に劣つている。約34%のアロイ63の吸込ロ
ールシエルは高水準の引張残留応力に起因した受
入れられない初期破壊を有する。高水準の引張残
留応力は受入れられる延性及び耐食性を有する物
質を造るために鋳造ステンレス鋼の製造業者によ
つて通常用いられる溶体化焼なまし水中急冷熱処
理で生じる。 他の従来技術の吸込ロールシエル物質である
A171は公称(重量%)で;C:0.06%、Si:1.5
%、Mn:0.8%、Cr:23.0%、Ni:8.3%、Mo:
1.2%からなる。アロイA171はまた溶体化焼なま
し水中急冷熱処理で生ずる高水準の引張残留応力
に起因する早期破壊を生じた。 もし従来技術物質のアロイ63及びA171が980〜
1090℃の溶体化焼なまし温度から非常にゆつくり
と調節冷却熱処理されるならば合金中のフエライ
トは約650〜870℃の温度範囲で合金が費やした長
時間の間に脆いシグマ及び/又はカイ相に変態
し、そして約370〜540℃の温度範囲で他の二つの
脆い相であるアルフア第1及び他の無名の鉄−ク
ロム化合物に変態する。その結果、アロイ63及び
A171の延性は一軸引張試験での伸び率で測定さ
れるような受入れられない程の低い値に激減す
る。脆性化は溶体化焼なましそして水中急冷条件
下のアロイ63と非常にゆつくりした調節冷却条件
下のアロイ63との一軸引張試験結果を比較して証
明される。伸び%は溶体化焼なましそして水中急
冷条件中の39%から非常にゆつくりした調節冷却
条件中の2%に減少した。この脆性化はアロイ63
及びA171のようなモリブデンを含む二相ステン
レス鋼で促進する。従来技術のヒライシ等の米国
特許第4218268号及び4224061号の物質の引用した
化学分析の試験及びこれらの物質を冷却すべき温
度範囲の知識はヒライシ等の’268及び’061物質
もゆつくりした冷却工程で脆性化することを示し
ている。 従来技術のアロイ75は非常にゆつくりと調節冷
却したとき受入れられる腐食性及び延性を有する
物質として開発されたものであり、公称(重量
%)で;C:0.02%、Si:0.5%、Mn:0.8%、
Cr:25.7%、Ni:6.8%、N:0.07%及び残余が
Fe及び不可避の不純物からなる。モリブデン含
有二相ステンレス鋼と対比して、アロイ75は脆い
相が過剰に形成されるおそれもなく高温度から非
常にゆつくりと炉内調節冷却されうる。さらに、
非常にゆつくりした調節冷却では残留応力は非常
に低い水準となる。 アロイ75シエルの炉冷は非常に低い水準の残留
応力と良好な使用性能をもたらすが、アロイ75
は、高い腐食環境においてモリブデン含有ステン
レス鋼の耐孔食性に欠ける。たいていの製紙工場
の白水で、アロイ75は充分な耐孔食性を有する。
しかし、アロイ75は腐食条件が非常に厳しくなる
と孔食が出来る。例えば、工場が白水システムを
閉鎖すると塩化物及びチオ硫酸塩イオン濃度が増
大しその結果さらに腐食環境となる。 アロイ75ロールシエルの孔食は塩化物及びチオ
硫酸塩イオンを高い水準で含む環境における製紙
工場の使用で生じている。アロイ75はまた類似の
環境中の実験室試験においても孔食を起こす事が
知られている。孔食はオーステナイト中及びオー
ステナイト/フエライト界面で開始することが知
られている。フエライト相中の孔食の発生は確認
されていない。エネルギー分散型X−線分析によ
ればアロイ75中のフエライト及びオーステナイト
の化学組成は以下の通りである。 化学組成(%) Cr Ni オーステナイト 22 10 フエライト 31 5 オーステナイト相のクロム含有量が比較的低い
事がその耐孔食性が減少した原因であると考えら
れている。 [発明が解決しようとする問題点] 要約すると、モリブデンは塩化物を含む腐食環
境に対する耐孔食性を増大するために伝統的に従
来技術の合金に添加されてきた。モリブデンを使
用した従来技術の二相ステンレス鋼の例はアロイ
63、A171、フエラリウム255、CD4MCu及びヒラ
イシ等の前記米国特許’061及び’268合金であ
る。これらの従来技術の鋼は約900〜1150℃の溶
体化焼なましの少なくとも1熱処理工程を必要と
し、次いて望ましくない脆い相の形成を防止する
ために急速冷却工程を採る。急速冷却工程が慣用
のステンレス鋼鋳物中に有害な引張り残留応力を
誘発することが知られている。無視できる程度の
モリブデンを含みそして低い引張り残留応力を有
するように開発された従来技術のアロイ75は猛烈
な腐食性の白水環境においては十分な耐孔食性に
欠ける。従つて本発明の本質的な目的は二相ステ
ンレス鋼の耐孔食性を改良することである。 本発明の目的及び利点は、本明細書および特許
請求の範囲を読んだ当業者にとつて明らかであろ
う。 [問題点を解決するための手段] 本発明は吸込ロールシエルに有益であり改良さ
れた耐孔食性を有する改良二相ステンレス鋼合金
に関するものであり、それは銅の有効量を合金に
添加し、意識的にはモリブデンを添加しないこと
によつて残留元素として0.5%以下のモリブデン
含量とすることによつて得られる。 本発明は有害な引張残留応力を最小とし、一方
優れた延性と耐食性を保持するように非常にゆつ
くりと調節冷却された高い耐孔食性フエライト−
オーステナイト系二相鋳造ステンレス鋼合金を提
供する。それは、重量%で、C:0.10%以下、
Si:1.5%以下、Mn:2.0%以下、Cr:25.0%から
27.0%、Ni:5.0%から7.5%、Cu:1.5%から3.5
%、N:0.15%以下、Mo:0.5%以下、そして残
余が実質的にFeから成り、高度に耐孔食性の二
相ステンレス鋼合金の物質を形成する。 特に、本発明は改良された耐孔食性、良好な腐
食疲労抵抗そして低い引張残留応力を有する吸込
ロールシエルを製造するのに用いられる二相ステ
ンレス鋼合金に関する。本発明(X−6)は有害
な引張残留応力を最小にし、一方優れた延性と耐
食性を保持するために非常にゆつくりと調節冷却
された高耐孔食性及び腐食疲労抵抗性のフエライ
ト−オーステナイト系鋳物二相ステンレス鋼を目
的とするものであつて、(重量%)でC:0.10%
以下、Si:1.5%以下、Mn:2.0%以下、Cr:25.0
%から27.0%、Ni:5.0%から7.5%、Cu:1.5%か
ら3.5%、N:0.15%以下、Mo:0.5%以下、そし
て残余はFe及び不可避の不純物から成る。 本発明の合金は独特のものであつて慣用の合金
には見られない予期出来ない特性を有する。合金
は高耐孔食性、優れた延性及び最小の引張残留応
力を有する。本発明の合金は溶体化焼なまし水中
急冷熱処理工程もあるいは望ましい性質を得るた
めの合金元素としてモリブデンを添加することも
必要としない。 本発明の合金は耐孔食性及び腐食疲労抵抗を改
善するため故意に1.5%から3.5%添加した銅を含
有する。これらの改良は約17%の優れた延性を保
持し、非常にゆつくりした調節冷却熱処理を用い
て最小引張残留応力を保持し、そしてなお耐孔食
性を増大させる慣用のモリブデン添加をさけるこ
とによつて行なうことができる。 もし1.5%よりも少ない銅しか本発明の合金中
に存在しないと、合金の耐孔食性は従来技術のア
ロイ75のものに減少する。第3表は、従来技術の
アロイ75、0.8%銅を含むアロイ75物質を修正し
たもの及び1.10%Moを含むX−6物質を修正し
たものと2種のX−6合金物質との電気化学的分
極試験における破壊電位によつて測定された耐孔
食性の比較表である。銅を2.0%及び3.2%含有す
る本発明の合金の耐孔食性は破壊電位が+150ミ
リボルトより大きいため優れていると考えられ
る。従来技術のアロイ75、0.8%銅を含む修正さ
れたアロイ75及び1.10%Moを含む修正されたX
−6物質では電位が0であるため耐孔食性が乏し
いことが証明される。3.5%より多い銅が存在す
ると、オーステナイトの過剰量が存在するため特
許請求されている合金の微構造における好ましい
オーステナイト−フエライトの均衡がくつがえさ
れる。 銅を添加すると、オーステナイト相への分配、
そしてその際従来技術のアロイ75中で孔食発生位
置として作用する相であるオーステナイトの耐孔
食性が改良することにより、塩化物及びチオ硫酸
塩イオンを含有する酸性溶液中での本発明の合金
の耐孔食性は改良される。 エネルギー分散型X線分析によれば約2%銅を
含有する本発明のX−6合金中で、オーステナイ
ト及びフエライト相の化学組成は以下の通りであ
る。 化学組成(%) Cr Ni Cu オーステナイト 20 11 3.8 フエライト 31 4.7 0.9 本発明のX−6合金中の銅の大部分はオーステ
ナイトに分配される。分配されて低い耐孔食性の
オーステナイト相の耐孔食性を増大するので銅添
加は合金全体にとつて有益である。銅添加はX−
6合金を特に酸性塩化物−チオ硫酸塩溶液中で孔
食から保護するようである。2%の銅の添加が二
相ステンレス鋼の耐孔食性を増進するという発見
は予期しないものであつて独特のものである。 本発明の合金は従来技術のアロイ75と比較して
腐食疲労強さの挙動を改良した。第1図に示すグ
ラフは腐食疲労挙動の改良を例示する。本発明の
改良された合金を示す曲線は従来技術のアロイ75
を示す曲線の上及び右側にあり、このことは、よ
り多数の応力サイクルが最大応力の任意の水準に
おいて疲労を起こすために必要であるため、本発
明の合金が上述した攻撃的な白水中で従来技術の
アロイ75よりもより長い使用寿命を経験すること
を示している。 本発明の合金中の銅の存在は合金に意識的にモ
リブデンを添加する必要性を取り除く。モリブデ
ンは延性が過度に減少するため非常にゆつくりと
調節冷却する二相ステンレス鋼鋳物には添加出来
ない。本発明の合金中で、0.5%以上のモリブデ
ンの存在は延性及び耐孔食性の両方が減少するた
め有害である。本発明によれば、0.5%までのモ
リブデンは、鋳物工場で入手出来るステンレス鋼
スクラツプの使用を最大にし、それによつてステ
ンレス鋼鋳物の費用的に効率良い製造を維持する
だけのために容認されるべき意図的でない添加で
ある。 比較延性試験は本発明の合金中のモリブデン割
合の変化による効果を示す。第2図は非常にゆつ
くりと調節冷却した修正されたX−6合金中のモ
リブデンの割合が増加すると一軸引張中の伸び%
の減少で測定されるように合金の延性が受入れら
れない程減少することを示すグラフである。本発
明のX−6合金よりも大きな重量割合である1.10
%のモリブデンを含有する修正されたX−6合金
は(重量%で)C:0.02%、Mn:0.67%、Si:
0.87%、Cr:24.89%、Ni:7.33%、Mo:1.10%、
Cu:2.13%、N:0.069%及び残余のFe及び不可
避の不純物から成る。脆いシグマ相及びカイ相が
1.10%のMoを含有する非常にゆつくりと調節冷
却した修正されたX−6合金の微構造中に存在す
る。 比較耐孔食性試験は本発明の合金中のモリブデ
ンの割合の変化による効果を示す。再び第4表を
参照して、2.1%Cuを含有する非常にゆつくりと
調節冷却した修正されたX−6合金中でモリブデ
ンの割合が1.10%に増加すると零ミリボルト破壊
電位値によつて証明されるように合金の耐孔食性
が受入れられない程の減少を生ずる。再び、本発
明の合金は破壊電位の+184及び+239ミリボルト
で証明されるように優れた耐孔食性を有する。 引張残留応力はサクス(Sachs)法により熱処
理を受けた後種々の方法で冷却された吸込ロール
シエル物質で測定された。第3図に示したグラフ
は本発明の非常にゆつくりと調節冷却した合金
と、非常にゆつくりと調節冷却した従来技術のア
ロイ75、VK−A378と同定された空冷されたヒラ
イシ等の合金及び水中冷却した従来技術による物
質のアロイ63及びA171との引張り残留応力の比
較を示す。本発明の合金は従来技術のアロイ75と
同じ強度の最小引張残留応力を有し、そして従来
技術の物質アロイ63、A171及びヒライシ等の合
金VK−A378よりもかなり低い引張残留応力しか
有さない。 フエライト−オーステナイト系平衡に関する
C,Si,Mn,Cr,Ni,Cu,N及びMoの定量的
効果が溶接物(シエフラーダイヤグラム)及び高
温度で溶体化焼なまし後水中急冷された鋳物
(ASTM仕様書A800/A800M−84 P.560)につ
いて評価された。しかし、本発明の合金には、非
常にゆつくりと調節冷却すると溶接物及び鋳物に
対して予期される慣用のフエライトとオーステナ
イトとの関係に於けるよりも多くのオーステナイ
トが存在する。これらの慣用の評価は本発明の合
金に対して微構造中のフエライト及びオーステナ
イトの最適平衡を得るための元素重量割合範囲を
決定するのに用いることが出来なかつた。 本発明の合金の広い組成範囲は以下の通りであ
る。 本発明の合金は30〜70容量%のフエライトと残
りのオーステナイトを含有する微細構造を有する
二相ステンレス鋼に関するが、この微細構造中の
フエライトの量は、一部は、フエライトを形成し
ている元素とオーステナイトを形成している元素
の割合によつて決定される。これらフエライト形
成元素とオーステナイト形成元素の割合は、一部
以下のASTM A800に基づく組成割合により数
学的に表現される(スチール鋳造の為の標準法、
オーステナイト合金、そのフエライト含量の評
価)。 組成割合=クロム当量/ニツケル当量=Cr(%)
+1.5Si(%)−4.99/Ni%+18C%+0.5Mn%+26(N
−0.02%)+0.25Cu%+2.77 フエライト相を増やす元素はクロム当量中に含
まれている。オーステナイト相を増やす元素はニ
ツケル当量中に含まれている。高い組成割合は低
い組成割合よりもより多くフエライトが存在する
ことを意味する。なぜなら、より多くの割合のフ
エライト形成元素が存在するからである。本発明
の合金については、組成割合は1.55〜2.15である
べきであり、好ましい目標は1.84である。 フエライト相はより堅く、オーステナイト相よ
りも高い耐応力腐食亀裂を有する。本発明の合金
のような二相ステンレス鋼はフエライト相の存在
に結果高い強度と優れた耐応力腐食亀裂を示す。
完全にフエライトで、従つて強度が高い合金で
も、粒の境界が感受性となりやすいこと、再び粒
間の腐食を受けやすいことがあり得るので、製紙
機械吸込みロールシエルとしては望ましくない。
オーステナイトのフエライトとの混合物は、ステ
ンレス鋼中で境界の感受性化及び粒間の腐食を防
止するので吸込みロールシエル及び他の応用に最
良の材料である。逆に、微細構造中にオーステナ
イトが多すぎると脆い相を形成する元素の濃度が
フエライトの小さい容積中で非常に増加する。そ
のときはフエライトは非常にゆつくりと制御冷却
した熱処理の間に脆い相に転換し得、延性及び/
又は耐孔食性を減少する。破壊前に維持できる塑
性変形の量である延性は、一軸引張り試験での伸
び率が目安である。従つて、フエライトとオース
テナイトとの最も望ましい組合せは組成割合に従
つて本発明の合金に加えられる元素の割合を均衡
させることによつて達成される。 多くの元素が微細構造に影響を与え、二相の微
細構造を達成する為に制御されなければならな
い。本発明の合金に加えられる特定の合金元素の
量の数値限定理由を以下に述べる。 C:ステンレス鋼製造に使用した物質から生じる
不純物として、不可避的に鋼中に含まれる(経
済的に0%のものを鋳造出来ない)元素である
が、0.10重量%を越えると、オーステナイト相
が多く形成されすぎ、また延性が悪影響をうけ
るので、0.10重量%以下とした。 Mn:オーステナイト相を安定化することによつ
て、組成割合で表される鋼の微細構造の均衡を
保つ助けをするのに用いられるが、2.0%を越
えるとσ及びχ相などの脆い相の形成によつて
延性が減少するので2.0重量%以下とした。Mn
の少しの量が、存在する硫黄と優先的に結合
し、延性を減少するスルフイドフイルム封入物
の生成を防止するので、Mnは実用上必要であ
る。 Si:シリコンは、溶融したステンレス鋼の流動性
を良くし、そのステンレス鋼溶融物から良好な
鋳造物を製造出るようにするために用いられる
が、全くシリコンが存在しないと、非常に大き
なオキシド封入物が形成され、これによつて延
性を非常に悪くして受入れがたい鋳造物を生
じ、またシリコンの量が1.5重量%を越えると、
流動性の向上が小さくなるだけでなく、フエラ
イトが多く形成されすぎるために延性が非常に
悪くなるので、1.5重量%以下とした。シリコ
ンは溶融金属中の酸素と優先的に結合し、シリ
コンの存在はクリーンな鋳造品が製造できるよ
うにする。シリコンはまたフエライトを安定化
することによつて、組成割合により表される鋼
の微細構造の均衡をとる助けもする。 Cr:有意義なチオサルフエートイオンを含有し
ない還元酸中での良好な一般的耐食性及び耐孔
食性を与えるために使用されるが、25重量%未
満だと、耐食性及び耐孔食性が受入れ難いもの
となり、またオーステナイトが多くなりすぎて
僅かに強度が小さくなり、一方、27重量%を越
えると、フエライトが多すぎるようになつて強
度は僅かに増すものの結果として延性が減少す
るので、25重量%以上〜27重量%以下とした。
チオサルフエートイオンの存在下での耐孔食性
には銅が必要であるが、クロムの方は基本的な
耐孔食性を与える。クロムは微細構造中でフエ
ライトを安定化させる最も重要な元素である。
クロムは、フエライトの安定化によつて、組成
割合によつて表されるフエライトとオーステナ
イトの微細構造の均衡に強い影響を与える。 Ni:還元酸中での一般的な耐食性、耐孔食性を
与えることに幾らかの寄与をする為に使用され
るが、5.0重量%未満ではこの目的を達成出来
ず、一方、7.5重量%を越えると耐応力腐食亀
裂が減少するので5.0重量%以上〜7.5重量%以
下とした。耐応力腐食亀裂は腐食疲労挙動と関
連しているので、腐食疲労性能が重要である吸
込みロールシエルの用途では7.5重量%を越え
るニツケル含量は望ましくない。ニツケルはま
た組成割合によつて表される微細構造の均衡で
オーステナイトを安定化させるのに最も重要な
元素である。ニツケルの量が5.0重量%未満で
は、フエライトが多く形成してしまい、一方、
7.5重量%を越えると多すぎるオーステナイト
を安定化させてしまう。これら両極端とも延性
を減少させる。 N:オーステナイトを安定化することによつて、
組成割合によつて表される微細構造の均衡を保
つ助けをするのに使用されるが、オーステナイ
トとフエライトの間の微細構造に於ける化学的
変化が減少し、局所的な耐孔食性が改良される
ようにクロムの分配を変化させる為に幾らか少
量は必要であり、一方0.15重量%を越える量だ
とオーステナイトが多すぎるようになるので、
0.15重量%以下とした。例えば以下の表は窒素
含量が異なる二つの鋳造物のオーステナイト相
とフエライト相のクロム含量を示す。より高い
窒素含量(0.130重量%)の鋳造物Bは鋳造物
Aと比較してオーステナイトとフエライトの間
でクロム含量の差が小さくなつている。 異なる二つの鋳造物のオーステナイト相とフエ
ライト相のクロム含量
【表】
Cu:銅は本発明の合金にすばらしい耐孔食性を
与え、この目的に1.5%以上が要求される。オ
ーステナイト化で微細構造のバランスにも影響
する。3.5%を越えると過度のオーステナイト
化を生じる。本発明はモリブデンやモリブデン
と銅の組合せを用いる代りに、耐孔食性の改良
に銅のみを使用する。本発明の合金はモリブデ
ンを含有しないので、加熱処理でゆつくりと冷
却出来、優れた延性及び耐腐食性を保ちつつ低
い引張り残留応力しか生じない。 Mo:残留元素として存在する。意図的に加えな
いが、買つたステンレス鋼スクラツプ中に汚染
物として存在しうる。0.5%までは遅い冷加熱
処理で副作用なし。害ある引張り残留応力を減
少するために必要な遅い冷熱処理をするので、
本発明では耐孔食性と延性とに、モリブデンは
助けとはならず害になる。 第1表 元素 範囲(重量%) C 0.10最大限 Si 1.5最大限 Mn 2.0最大限 Cr 25.0〜27.0 Ni 5.0〜7.5 Cu 1.5〜3.5 N 0.15最大限 Mo 0.5最大限 Fe 残余及び不可避の不純物 例えば抄紙機シエルに用いるためには以下の組
成が有効である。 第2表 元素 好ましい組成(重量%) C 0.02 Si 0.5 Mn 0.8 Cr 25.7 Ni 6.0 Cu 2.8 N 0.07 Mo 0.5最大限 Fe 残余及び不可避の不純物 本発明の銅含有ステンレス鋼合金(X−6)は
抄紙機ロールシエル用途に用いられる従来技術の
いかなる合金も対抗することの出来ない以下の特
質を有する。 (1) 本合金は引張り残留応力を非常に低い水準と
するため高温度から非常にゆつくりと炉内調節
冷却できる、 (2) ゆつくりした炉内冷却の間、シグマ及び他の
脆い相が最小限となる、 (3) 二相ステンレス鋼である合金は、鋭敏化処
理、粒界腐食又は粒界応力腐食割れに対して抵
抗性が有る、 (4) 本合金は非常に良好な腐食疲労強さを有す
る、そして (5) 本合金は、塩化物及びチオ硫酸塩イオンを含
む製紙工場の酸性白水中で孔食及び割れ腐食に
対し優れた抵抗性を有する。上記の性質の組合
せは他の二相ステンレス鋼においては予期でき
ないものであつて得ることが出来るとは考えら
れないものである。 第4表は、X−6合金と従来技術のCF−3M及
びアロイ75の3種の加熱とを比較した対応する化
学的及び機械的性質を含む表である。合金は以下
に記述したようなシユミレートした白水媒体中で
耐孔食性を電気化学的に評価した。 1 溶液Aの化学 化合物 イオン種濃度 660ppmNaCl 400ppmCl-(塩化物) 750ppmNa2SO4 507ppmSO4 --(硫酸塩) 15ppmNa2S2O3 11ppmS2O3 --(チオ硫酸塩) (a) 溶液のPHは硫酸で4.1に調節した。 (b) 試験中の溶液温度=125〜130〓 ASTM G61−78中に記載されているように、
電気化学的サイクル分極測定に基づく耐孔食性度
は、受動(Passive)フイルム破壊に対応する電
位で最も良く示されている。正の値が大きい程耐
孔食性が良好となる。
与え、この目的に1.5%以上が要求される。オ
ーステナイト化で微細構造のバランスにも影響
する。3.5%を越えると過度のオーステナイト
化を生じる。本発明はモリブデンやモリブデン
と銅の組合せを用いる代りに、耐孔食性の改良
に銅のみを使用する。本発明の合金はモリブデ
ンを含有しないので、加熱処理でゆつくりと冷
却出来、優れた延性及び耐腐食性を保ちつつ低
い引張り残留応力しか生じない。 Mo:残留元素として存在する。意図的に加えな
いが、買つたステンレス鋼スクラツプ中に汚染
物として存在しうる。0.5%までは遅い冷加熱
処理で副作用なし。害ある引張り残留応力を減
少するために必要な遅い冷熱処理をするので、
本発明では耐孔食性と延性とに、モリブデンは
助けとはならず害になる。 第1表 元素 範囲(重量%) C 0.10最大限 Si 1.5最大限 Mn 2.0最大限 Cr 25.0〜27.0 Ni 5.0〜7.5 Cu 1.5〜3.5 N 0.15最大限 Mo 0.5最大限 Fe 残余及び不可避の不純物 例えば抄紙機シエルに用いるためには以下の組
成が有効である。 第2表 元素 好ましい組成(重量%) C 0.02 Si 0.5 Mn 0.8 Cr 25.7 Ni 6.0 Cu 2.8 N 0.07 Mo 0.5最大限 Fe 残余及び不可避の不純物 本発明の銅含有ステンレス鋼合金(X−6)は
抄紙機ロールシエル用途に用いられる従来技術の
いかなる合金も対抗することの出来ない以下の特
質を有する。 (1) 本合金は引張り残留応力を非常に低い水準と
するため高温度から非常にゆつくりと炉内調節
冷却できる、 (2) ゆつくりした炉内冷却の間、シグマ及び他の
脆い相が最小限となる、 (3) 二相ステンレス鋼である合金は、鋭敏化処
理、粒界腐食又は粒界応力腐食割れに対して抵
抗性が有る、 (4) 本合金は非常に良好な腐食疲労強さを有す
る、そして (5) 本合金は、塩化物及びチオ硫酸塩イオンを含
む製紙工場の酸性白水中で孔食及び割れ腐食に
対し優れた抵抗性を有する。上記の性質の組合
せは他の二相ステンレス鋼においては予期でき
ないものであつて得ることが出来るとは考えら
れないものである。 第4表は、X−6合金と従来技術のCF−3M及
びアロイ75の3種の加熱とを比較した対応する化
学的及び機械的性質を含む表である。合金は以下
に記述したようなシユミレートした白水媒体中で
耐孔食性を電気化学的に評価した。 1 溶液Aの化学 化合物 イオン種濃度 660ppmNaCl 400ppmCl-(塩化物) 750ppmNa2SO4 507ppmSO4 --(硫酸塩) 15ppmNa2S2O3 11ppmS2O3 --(チオ硫酸塩) (a) 溶液のPHは硫酸で4.1に調節した。 (b) 試験中の溶液温度=125〜130〓 ASTM G61−78中に記載されているように、
電気化学的サイクル分極測定に基づく耐孔食性度
は、受動(Passive)フイルム破壊に対応する電
位で最も良く示されている。正の値が大きい程耐
孔食性が良好となる。
【表】
2 溶液Bの化学
化合物 イオン種濃度
660ppmNaCl 400ppmCl-(塩化物)
2958ppmNa2SO4 2000ppmSO4 --(硫酸塩)
82ppmNa2S2O3 58ppmS2O3 --(チオ硫酸塩)
(a) PHは硫酸で4.9に調節した。
(b) 試験中の溶液温度=125〓
【表】
第5表と第6表に与えられたデータは一連の修
正されたアロイX−6鋳物に対する化学組成及び
機械的性質を示す。第5表はシリコン、マンガン
及び炭素に関して本発明のX−6合金の化学につ
いてなされた修正を示す。表に載せた全ての金属
は、各々の機械的性質を決定する前に炉内で非常
にゆつくりと調節冷却された。第6表は第5表で
各々に変化させたものの機械的性質の結果を載せ
る。同時に3つの元素の全てを高水準に増加する
と受入れできない延性(項目8、第6表)を有す
る金属を生じる事に注意されたい。また、シリコ
ンだけを1.59%に増加するし(項目5、第6表)
又はマンガンだけを2.59%に増加(項目5、第6
表)すると受入れできない延性を有する金属を生
じる。第4,5及び6図は、アロイX−6中の炭
素、マンガン又はシリコンの水準が増加すると延
性に何が起きるかを示すグラフである。炭素を
0.099%まで増加しても延性に悪影響を与えない
しまたマンガンを2.0%まで又はシリコンを1.5%
まで増加しても延性に悪影響を与えない。本発明
のX−6合金は、炭素を0.10%まで、マンガンを
2.0%まで、そしてシリコンを1.50%まで増加し
た水準で含有する事ができ、それでも非常に低い
水準の引張残留応力とするために高温度から非常
にゆつくりと炉内調節冷却できる改良された銅含
有ステンレス鋼合金を提供する。シグマ及び他の
脆い相はゆつくりした炉内冷却の間最小となる。
本発明の合金は完全オーステナイト系合金よりも
鋭敏化処理、粒界腐食又は粒界応力腐食に対して
影響されにくい。本発明の合金は非常に良好な腐
食疲労強さを有する。同時に、本発明の合金は塩
化物及びチオ硫酸塩イオンを含む酸性溶液中で孔
食及び割れ腐食に対して優れた抵抗を有する。 上述した発明の詳細な記述は、単に説明のため
のみに与えられる。言及したものの他に多くの修
正及び代替えが特許請求の範囲に定められる発明
の範囲を逸脱しないでなされうる。 表の説明 第3表は種々の非常にゆつくりと調節冷却した
物質の耐孔食性試験結果を示す表である。 第4表はX−6合金と従来技術の合金とを比較
した化学的及び機械的性質のデータを示す表であ
る。 第5表は炭素、マンガン及びシリコン含有量を
変化させて実験的に修正したX−6合金の化学分
析を示す表である。 第6表は炭素、マンガン及びシリコン含有量を
変化させて実験的に修正したX−6合金の化学的
性質を示す表である。
正されたアロイX−6鋳物に対する化学組成及び
機械的性質を示す。第5表はシリコン、マンガン
及び炭素に関して本発明のX−6合金の化学につ
いてなされた修正を示す。表に載せた全ての金属
は、各々の機械的性質を決定する前に炉内で非常
にゆつくりと調節冷却された。第6表は第5表で
各々に変化させたものの機械的性質の結果を載せ
る。同時に3つの元素の全てを高水準に増加する
と受入れできない延性(項目8、第6表)を有す
る金属を生じる事に注意されたい。また、シリコ
ンだけを1.59%に増加するし(項目5、第6表)
又はマンガンだけを2.59%に増加(項目5、第6
表)すると受入れできない延性を有する金属を生
じる。第4,5及び6図は、アロイX−6中の炭
素、マンガン又はシリコンの水準が増加すると延
性に何が起きるかを示すグラフである。炭素を
0.099%まで増加しても延性に悪影響を与えない
しまたマンガンを2.0%まで又はシリコンを1.5%
まで増加しても延性に悪影響を与えない。本発明
のX−6合金は、炭素を0.10%まで、マンガンを
2.0%まで、そしてシリコンを1.50%まで増加し
た水準で含有する事ができ、それでも非常に低い
水準の引張残留応力とするために高温度から非常
にゆつくりと炉内調節冷却できる改良された銅含
有ステンレス鋼合金を提供する。シグマ及び他の
脆い相はゆつくりした炉内冷却の間最小となる。
本発明の合金は完全オーステナイト系合金よりも
鋭敏化処理、粒界腐食又は粒界応力腐食に対して
影響されにくい。本発明の合金は非常に良好な腐
食疲労強さを有する。同時に、本発明の合金は塩
化物及びチオ硫酸塩イオンを含む酸性溶液中で孔
食及び割れ腐食に対して優れた抵抗を有する。 上述した発明の詳細な記述は、単に説明のため
のみに与えられる。言及したものの他に多くの修
正及び代替えが特許請求の範囲に定められる発明
の範囲を逸脱しないでなされうる。 表の説明 第3表は種々の非常にゆつくりと調節冷却した
物質の耐孔食性試験結果を示す表である。 第4表はX−6合金と従来技術の合金とを比較
した化学的及び機械的性質のデータを示す表であ
る。 第5表は炭素、マンガン及びシリコン含有量を
変化させて実験的に修正したX−6合金の化学分
析を示す表である。 第6表は炭素、マンガン及びシリコン含有量を
変化させて実験的に修正したX−6合金の化学的
性質を示す表である。
【表】
2 ppm 百万分の一
【表】
【表】
【表】
【表】
第1図は従来技術のアロイ75と比較してX−6
合金の改良された腐食疲労挙動を示すグラフであ
る。第2図は公称2%Cuを含有する非常にゆつ
くりと調節冷却されたX−6合金の延性に関する
モリブデンの効果を示すグラフである。第3図は
従来技術の合金の最大引張残留応力とX−6合金
のそれとの比較を示すグラフである。第4,5及
び6図はX−6合金の延性に関する炭素、マンガ
ン及びシリコン各々の水準の増加の効果を示すグ
ラフである。第7図は鋳造ステンレス鋼の降伏強
度と応力腐食割が出始める最小応力に対するフエ
ライト含量の影響を示すグラフである。
合金の改良された腐食疲労挙動を示すグラフであ
る。第2図は公称2%Cuを含有する非常にゆつ
くりと調節冷却されたX−6合金の延性に関する
モリブデンの効果を示すグラフである。第3図は
従来技術の合金の最大引張残留応力とX−6合金
のそれとの比較を示すグラフである。第4,5及
び6図はX−6合金の延性に関する炭素、マンガ
ン及びシリコン各々の水準の増加の効果を示すグ
ラフである。第7図は鋳造ステンレス鋼の降伏強
度と応力腐食割が出始める最小応力に対するフエ
ライト含量の影響を示すグラフである。
1 重量%で、
C:0.03%未満、Si:0.4%以下、Mn:2.0%以
下、Cr:15〜30%、Ni:7〜28%、P:0.005%
以下、Nb:Nb(%)≧10C(%)、ただし0.4%以
下、 残部実質的にFeよりなる、耐硝酸性オーステ
ナイトステレンス鋼。
下、Cr:15〜30%、Ni:7〜28%、P:0.005%
以下、Nb:Nb(%)≧10C(%)、ただし0.4%以
下、 残部実質的にFeよりなる、耐硝酸性オーステ
ナイトステレンス鋼。
Claims (1)
- 張残留応力を最小とするように非常にゆつくりと
調節冷却され、そして実質的に重量割合で、C:
0.02%、Si:0.5%、Mn:0.8%、Cr:25.7%、
Ni:6.0%、Cu:2.8%、N:0.07%、Mo:0.5%
以下、そして残余がFe及び不可避の不純物から
なる、特許請求の範囲第2項に記載の高度に耐孔
食性のフエライト−オーステナイト系二相鋳造ス
テンレス鋼合金。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US06/902,416 US4740254A (en) | 1984-08-06 | 1986-08-29 | Pitting resistant duplex stainless steel alloy |
| US902416 | 1986-08-29 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6360261A JPS6360261A (ja) | 1988-03-16 |
| JPH0380863B2 true JPH0380863B2 (ja) | 1991-12-26 |
Family
ID=25415833
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62200118A Granted JPS6360261A (ja) | 1986-08-29 | 1987-08-12 | 耐孔食性二相ステンレス鋼合金 |
Country Status (9)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4740254A (ja) |
| EP (1) | EP0261345B1 (ja) |
| JP (1) | JPS6360261A (ja) |
| AT (1) | ATE62279T1 (ja) |
| BR (1) | BR8704466A (ja) |
| CA (1) | CA1317131C (ja) |
| DE (1) | DE3769055D1 (ja) |
| ES (1) | ES2021646B3 (ja) |
| FI (1) | FI86747C (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH08511829A (ja) * | 1993-06-21 | 1996-12-10 | サンドビック アクティエボラーグ | フェライト−オーステナイトステンレス鋼とその使用方法 |
Families Citing this family (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6487750A (en) * | 1987-09-30 | 1989-03-31 | Nippon Yakin Kogyo Co Ltd | Two-phase stainless steel excellent in pitting corrosion resistance in weld zone |
| US5201583A (en) * | 1989-08-17 | 1993-04-13 | British Technology Group Limited | Temperature history indicator |
| GB8918774D0 (en) * | 1989-08-17 | 1989-09-27 | Nat Res Dev | Temperature llistory indicator |
| FI100422B (fi) * | 1994-07-11 | 1997-11-28 | Metso Paper Inc | Telan valmistus |
| US6033497A (en) * | 1997-09-05 | 2000-03-07 | Sandusky International, Inc. | Pitting resistant duplex stainless steel alloy with improved machinability and method of making thereof |
| US20060266439A1 (en) * | 2002-07-15 | 2006-11-30 | Maziasz Philip J | Heat and corrosion resistant cast austenitic stainless steel alloy with improved high temperature strength |
| JP2008179844A (ja) * | 2007-01-23 | 2008-08-07 | Yamaha Marine Co Ltd | 二相ステンレス鋼及び二相ステンレス鋼製鋳造品 |
| CA2770378C (en) * | 2009-09-10 | 2014-02-18 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Duplex stainless steel |
| KR20120132691A (ko) * | 2010-04-29 | 2012-12-07 | 오또꿈뿌 오와이제이 | 높은 성형성을 구비하는 페라이트-오스테나이트계 스테인리스 강의 제조 및 사용 방법 |
| EP2677054B1 (en) * | 2011-02-14 | 2020-03-25 | Nippon Steel Corporation | Duplex stainless steel plate or pipe, and process for production thereof |
Family Cites Families (16)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE767167C (de) * | 1937-06-17 | 1951-12-06 | Fried Krupp A G | Gegen Spannungskorrosion bestaendige Gegenstaende |
| US3082082A (en) * | 1958-09-18 | 1963-03-19 | Univ Ohio State Res Found | High strength, corrosionresistant alloy |
| US3567434A (en) * | 1967-03-17 | 1971-03-02 | Langley Alloys Ltd | Stainless steels |
| JPS5340656A (en) * | 1973-02-07 | 1978-04-13 | Nippon Yakin Kogyo Co Ltd | Electrode core wire provided for stainless steel welding |
| US4172716A (en) * | 1973-05-04 | 1979-10-30 | Nippon Steel Corporation | Stainless steel having excellent pitting corrosion resistance and hot workabilities |
| US3833359A (en) * | 1973-08-13 | 1974-09-03 | Kubota Ltd | High cr low ni stainless steel |
| US4101347A (en) * | 1977-05-06 | 1978-07-18 | Daido Tokushuko Kabushiki Kaisha | Ferrite-austenite stainless steel castings having an improved erosion-corrosion resistance |
| US4218268A (en) * | 1977-06-30 | 1980-08-19 | Kubota Ltd. | High corrosion resistant and high strength medium Cr and low Ni stainless cast steel |
| JPS5413414A (en) * | 1977-06-30 | 1979-01-31 | Kubota Ltd | Medium cr low ni stainless cast steel of high corrosion resistance and high strength |
| JPS5544528A (en) * | 1978-09-21 | 1980-03-28 | Hitachi Metals Ltd | High strength ferrite austenite two-phase stainless steel |
| JPS55158256A (en) * | 1979-05-29 | 1980-12-09 | Daido Steel Co Ltd | Ferritic-austenitic two-phase stainless steel |
| JPS5747852A (en) * | 1980-09-05 | 1982-03-18 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | High-cr low-ni two-phase stainless steel |
| US4391635A (en) * | 1980-09-22 | 1983-07-05 | Kubota, Ltd. | High Cr low Ni two-phased cast stainless steel |
| JPS5877555A (ja) * | 1981-11-04 | 1983-05-10 | Nippon Yakin Kogyo Co Ltd | 耐孔食性・耐候性に優れるオ−ステナイトステンレス鋼 |
| SE451465B (sv) * | 1984-03-30 | 1987-10-12 | Sandvik Steel Ab | Ferrit-austenitiskt rostfritt stal mikrolegerat med molybden och koppar och anvendning av stalet |
| US4612069A (en) * | 1984-08-06 | 1986-09-16 | Sandusky Foundry & Machine Company | Pitting resistant duplex stainless steel alloy |
-
1986
- 1986-08-29 US US06/902,416 patent/US4740254A/en not_active Expired - Lifetime
-
1987
- 1987-07-23 CA CA000542806A patent/CA1317131C/en not_active Expired - Fee Related
- 1987-07-27 EP EP87110854A patent/EP0261345B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1987-07-27 AT AT87110854T patent/ATE62279T1/de active
- 1987-07-27 DE DE8787110854T patent/DE3769055D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1987-07-27 ES ES87110854T patent/ES2021646B3/es not_active Expired - Lifetime
- 1987-08-12 JP JP62200118A patent/JPS6360261A/ja active Granted
- 1987-08-21 FI FI873633A patent/FI86747C/fi not_active IP Right Cessation
- 1987-08-28 BR BR8704466A patent/BR8704466A/pt not_active IP Right Cessation
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH08511829A (ja) * | 1993-06-21 | 1996-12-10 | サンドビック アクティエボラーグ | フェライト−オーステナイトステンレス鋼とその使用方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| BR8704466A (pt) | 1988-04-19 |
| ATE62279T1 (de) | 1991-04-15 |
| FI873633L (fi) | 1988-03-01 |
| ES2021646B3 (es) | 1991-11-16 |
| DE3769055D1 (de) | 1991-05-08 |
| FI86747C (fi) | 1992-10-12 |
| US4740254A (en) | 1988-04-26 |
| FI86747B (fi) | 1992-06-30 |
| JPS6360261A (ja) | 1988-03-16 |
| EP0261345A1 (en) | 1988-03-30 |
| CA1317131C (en) | 1993-05-04 |
| FI873633A0 (fi) | 1987-08-21 |
| EP0261345B1 (en) | 1991-04-03 |
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