JPH039938B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH039938B2 JPH039938B2 JP59182741A JP18274184A JPH039938B2 JP H039938 B2 JPH039938 B2 JP H039938B2 JP 59182741 A JP59182741 A JP 59182741A JP 18274184 A JP18274184 A JP 18274184A JP H039938 B2 JPH039938 B2 JP H039938B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- gas
- hydrogen
- content
- groups
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、ポリ塩化ビニル系樹脂成形体の表面
改質方法に関するものであり、更に詳しく述べる
ならば、ポリ塩化ビニル系樹脂成形体の表面に、
フツ素化処理と同時に低温プラズマ処理を施し、
可塗剤などの表面移行を恒久的に防止する、表面
改質方法に関するものである。 従来の技術 軟質ポリ塩化ビニル系樹脂は良好な加工性、お
よび高い強度を有し、かつ価格が低廉なため、広
範な用途に使用されている。しかしながら、軟質
ポリ塩化ビニル系樹脂成形体は、多量の可塑剤や
充填剤を含有しており、これらが時間の経過とと
もに、成形体表面に移行し滲出する傾向があるた
め、その防汚性や耐久性が不満足なものとなつて
いる。 上記の問題点を解消するために、軟質ポリ塩化
ビニル系樹脂成形体の表面に、可塑剤などの添加
物を含まないアクリル樹脂フイルムまたはポリテ
トラフルオロエチレンフイルムを貼着する方法が
とられている。しかしながら、この方法にも種々
の欠点が認められている。例えば、アクリル樹脂
フイルムが用いられたとき、ポリ塩化ビニル系樹
脂成形体と、アクリル樹脂フイルムとの接着力が
過大になると、ストレスのかかり方によつてはポ
リ塩化ビニル系樹脂成形体側に亀裂を生ずること
があり、また、接着力が過小になると、両者が剥
離しやすいという欠点を生じ、両者の接着力のコ
ントロールが困難である。また、ポリテトラフル
オロエチレンフイルムを用いるときは、接着剤の
使用、および特殊な接着工程が必要となり、原料
費および工程費が高くなるという問題点がある。 そこで軟質ポリ塩化ビニル系樹脂成形体を、無
機ガス雰囲気内で低温プラズマ処理する方法が開
発された。この方法により得られる成形体表面に
は、ポリ塩化ビニル架橋層が形成され、添加物の
移行・滲出が低減する。しかし、この方法では可
塑剤移行防止能の紫外線に対する持続性が低い。
実際、無機ガスの低温プラズマで処理したポリ塩
化ビニル系樹脂シートをサンシヤイン・ウエザー
メーター(スガ試験機(株)製WFL−SUN−TC)
により紫外線照射処理すると低温プラズマ処理直
後には、完全な可塑剤移行防止能を有するシート
が、僅か20時間の紫外線照射により、プラズマ未
処理シートと同等の可塑剤移行量レベルに回帰す
ることが判明している。 特開昭56−118430号には、ポリ塩化ビニル系樹
脂成形物品の表面に放射線照射、紫外線照射、あ
るいは低温プラズマ処理により架橋層を形成し、
この架橋層の一部をフツ素ガスによりフツ素化す
る方法、および、ポリ塩化ビニル系樹脂成形物品
の表面を、フツ素、あるいは、フレオン系ガスを
含む雰囲気中で低温プラズマ処理し、一部フツ素
化された架橋層を形成する方法が開示されてい
る。しかしながら、これらの方法でも、その紫外
線に対する可塑剤移行防止効果の持続性は不満足
なものであり、成形品表面のフツ素残留度(島津
製作所製ESCA−750にて測定)も小さく、尚一
層の改良が望まれていた。 そこで本発明者らは改良方法として、少くとも
1種のフルオロカーボンとともに水素を含有して
いる混合ガススをフツ素化処理ガスとして用いる
ことを提案した。 また本発明者らは別の改良方法として、ポリ塩
化ビニル系樹脂に、末端基としてアクリロイル基
および/又はメタアクリロイル基を有する少くと
も1種の有機化合物からなる改質剤を混合し、こ
の組成物から作られた成形品の表面を、低温プラ
ズマにより処理することも提案した。 これらの方法は、実用的にすぐれたものであつ
たが、当業界では、更に紫外線による可塑剤移行
をより一層恒久的に防止できる改良方法の開発が
望まれていた。 発明が解決しようとする問題点 (イ) ポリ塩化ビニル系樹脂成形品表面の少くとも
一部を恒久的にフツ素化すること。 (ロ) 可塑剤等添加物の表面移行滲出を、恒久的に
防止すること。 (ハ) 上記問題点(イ)、(ロ)の解決を簡便な方法と少量
の改質剤の使用で達成し、しかもポリ塩化ビニ
ル系樹脂成形品の化学的又は物理的特性を損う
ことのないこと。 問題点を解決するための手段および作用 本発明のポリ塩化ビニル系樹脂成形品の表面改
質法は、 100重量部のポリ塩化ビニル系樹脂と、 0.2〜30重量部の、アクリロイル基、およびメ
タアクリロイル基から選ばれた少くとも1個の末
端基を有する少なくとも1種の有機化合物からな
る改質剤と、 を含んでなる組成物から作られた成形品の表面
に、低温プラズマ処理を施す方法において、前記
プラズマ処理を、少なくとも1種のフルオロカー
ボンと、水素ガスとの混合物からなり、かつ、下
記関係式: 0.2A≦B<2.0A 〔但し、上式中Aはフルオロカーボンの含有量
(体積)を表し、Bは水素の含有量(体積)を表
わす〕を満足するフツ素処理ガスの雰囲気中で施
すことを特徴とするものである。 上記本発明方法によりポリ塩化ビニル系樹脂成
形品の表面に少くとも一部フツ素化された架橋層
が形成され、それにより可塑剤等添加物の表面移
行・滲出防止性能が極めて高く、しかも、その紫
外線に対する耐久性も極めて高い改質された表面
を得ることができる。 本発明方法に用いられるポリ塩化ビニル系樹脂
としては、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、硬質ポリ塩
化ビニル樹脂、塩化ビニルと、オレフイン類、例
えば、エチレン、プロピレン、またはイソブチレ
ンとの共重合体樹脂、塩化ビニルと、スチレンと
の共重合体樹脂、塩化ビニルとジエン類、例えば
ブタジエン、又は、イソプレンとの共重合体樹
脂、塩化ビニルと、アクリル酸、ハロゲン化オレ
フイン、又は、酢酸ビニルとの共重合体樹脂、お
よび、上記の樹脂と、改質用樹脂、例えば、
ABS,SBR、又は、NBRなどのゴム類との混合
樹脂などがある。 ポリ塩化ビニル系樹脂は、可塑剤、安定剤、充
填剤、防炎剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、防徽剤、滑剤、顔料等を目的に応じ適宜含有
していてもよい。 本発明方法において、100重量部のポリ塩化ビ
ニル系樹脂に対し、0.2〜30重量部の改質剤が混
合される。改質剤の量が0.2重量部より少いとき
は、得られる表面改質効果が不十分であり、30重
量部より多いときは、得られる成形品の化学的又
は物理的特性が不満足なものとなる。 本発明方法に用いられる改質剤は、アクリロイ
ル基(CH2=CH−CO−)およびメタアクリロイ
ル基(CH2=C(CH3)−CO−)から選ばれた少
くとも1個の末端基を有する少くとも1種の有機
化合物からなるものであり、少量の使用で所期の
表面改質効果を得ることができる。 本発明の改質剤に用いられる有機化合物は、例
えば、下記一般式()〜(): A(−M)−o1R () A1(−M1)−o2A2 ) A3(−M2−N)−o3A4 () 〔但し、上式()〜()中、A,A1,A2,
A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10およびA11
は、それぞれ、他とは独立に、アクリロイル基、
又は、メタアクリロイル基を表わし、M,M1お
よびM2は、それぞれ、他とは独立に、脂肪族2
価アルコール残基を表わし、M3,M4およびM5
は、それぞれ、他とは独立に、脂肪族3価アルコ
ール残基を表わし、Rは、アルキル基、少くとも
1個の水酸基で置換されたアルキル基、少くとも
1個のカルボキシル基で置換されたアルキル基、
フエニル基、アルキルフエニル基、少くとも1個
の水酸基で置換されたフエニル基およびアルキル
フエニル基、および、少くとも1個のカルボキシ
ル基で置換されたフエニル基およびアルキルフエ
ニル基から選ばれた一員を表わし、Nは、2塩基
酸残基を表わし、n1は0又は1以上の整数を表わ
し、n2,n3,n4およびn5は、それぞれ、他とは独
立に、1以上の整数を表わす〕 の化合物から選ぶことができる。 上記一般式()で表わされる化合物として
は、フエニルポリエチレングリコールアクリレー
ト又はメタクリレート、p−(ノニフエニル)−ポ
リエチレングリコールアクリレート又はメタクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フエノキシプロピ
ルアクリレートまたはメタクリレート、モノフタ
ル酸エステルエチレングリコールアクリレート又
はメタクリレート、および2−エチルヘキシルア
クリレート又はメタクリレートなどがある。 一般式()、および()で表わされる化合
物としては、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート又はジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノアクリレートモノメタクリレート、トリ
プロピレングリコールジアクリレート又はジメタ
クリレート、トリプロピレングリコールモノアク
リレートモノメタクリレート、1,4−ブチレン
グリコールジアクリレート又はジメタクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールモノアクリレー
トモノメタクリレートフタル酸エチレングリコー
ルオリゴエステルジアクリレート又はジメタクリ
レート、およびフタル酸エチレングリコールオリ
ゴエステルモノアクリレートモノメタクリレート
などがある。 一般式()の化合物としては、ペンタエリト
リツトトリアクリレート又はトリメタクリレート
がある。 一般式()の多官能オリゴエステル化合物と
しては、例えばフタル酸ペンタエリトリツトオリ
ゴエステルトリアクリレート又はトリメタクリレ
ートなどがある。上記一般式()−()の化合
物において、M,M1,M2により表わされている
脂肪族2価アルコール残基、M3,M4,M5によ
り表わされている脂肪族3価アルコール残基、お
よびNにより表わされている2塩基酸残基の少く
とも1種の分子鎖中には、イソシアネート基およ
びエポキシ基から選ばれた少くとも1種が含まれ
ていてもよい。 本発明に用いられる改質剤とともにその表面改
質効果を促進するために架橋剤を用いてもよい。
このような架橋剤としては、t−ブチルハイドロ
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド
等のハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド等
のジアルキルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、ステアロイルパーオキサイド等のジア
シルパーオキサイドが有効であるがこれに限られ
るものではなくその他公知の増感剤を選択して使
用することが出来る。 架橋剤の使用量は、適宜必要量を選択して使用
し得るが通常改質剤の使用重量に対し0.1〜3重
量%の範囲内にあることが好ましい。ポリ塩化ビ
ニル系樹脂と、改質剤とは、通常の方法により混
練され、得られる組成物を用いて所望の成形品を
形成する。この成形方法は格別の限定はなく通常
の押出成形、デイツピング法、コーテイング法、
流延法、射出成形、カレンダー成形、インフレー
シヨン成形、圧縮成形などを用いることができ
る。 得られた成形品は、フツ素化処理ガス雰囲気内
における低温プラズマ表面処理に供される。 本発明方法の低温プラズマ処理はフツ素化処理
ガス雰囲気中で行われるものであり、このフツ素
化処理ガスには、少なくとも1種のフルオロカー
ボンと水素とが含まれ必要により少くとも1種の
無機ガスが含まれることが好ましい。 フルオロカーボンは、パーフルオロカーボン、
不飽和フルオロカーボン、環状フルオロカーボ
ン、およびこれらの置換体から選ぶことができる
が、パーフルオロカーボン、例えばテトラフルオ
ロメタン、ヘキサフルオロエタン、パーフルオロ
プロパン、パーフルオロ−n−ブタン、パーフル
オロペンタン、および、パーフルオロ−n−ヘキ
サンなどから選ばれることが好ましい。本発明方
法に特に好ましいフルオロカーボンは、一般式 CoF2o+2 〔但し、上式中nは1,2、又は3を表わす〕 で表わされるパーフルオロカーボンである。 フツ素化処理ガスの組成において、可塑剤など
の添加物の表面移行・滲出防止効果、および、得
られる成形物改質表面の撥水性などを考慮する
と、フツ素化処理ガス中のフルオロカーボン含有
量と、水素含有量は、下記式(イ)の関係: 0.2A≦B≦2.0A (イ) 〔但し、上式中Aは、フルオロカーボンの含有量
(体積)を表わし、Bは水素の含有量(体積)を
表わす〕 を満たすことが必要である。 0.2A>Bの場合は、成形体の改質表面におけ
る添加物移行・滲出防止効果が不満足なものにな
る。また、水素の含有量Bが2.0Aよりも大きく
なると、成形体の改質表面の撥水性が低下し親水
性が過度になる傾向があることが本発明者らによ
つて発見された。この現象は本発明者により、成
形体表面のコンタクトアングルメーター(協和科
学製CA−D型)による水接触角測定および、
ESA(島津製作所製ESCA−750)による表面に導
入されたフツ素量の測定などによつて確認され
た。 本発明方法に用いられるフツ素化処理ガスは、
上述のように、フルオロカーボンの含有量Aと、
水素の含有量Bとを調節することによつて、改質
表面の水接触角が約125〜70度の範囲になるよう
に、その親水性および撥水性をコントロールする
ことが可能である。特に、得られる改質表面が、
好適な防汚性、耐摩耗性、撥水撥油性を有し、か
つ可塑剤など添加剤の表面移行・滲出を完全に防
止するためには、上記関係式(イ)の関係を満足する
ようにフルオロカーボンおよび水素の含有量を調
整することが必要である。 フツ素化処理ガスに添加することのできる無機
ガスは、好ましくはCO,Ar,He,CO2、および
N2などから選ばれるが、特にCOおよびArから選
ばれることが好ましい。 無機ガスの含有量には格別の限定はない。しか
し、本発明者らは、無機ガスの含有量を、水素ガ
スの含有量との関係において適当な値に設定する
と、所望効果を達成するために必要な水素含有量
処理に必要な電力、および処理時間などの節約が
可能となることを見出した。すなわちフツ素化処
理ガス中の無機ガスおよび水素の含有量を、下記
式(ロ)の関係: C≧50/B (ロ) 〔但し、上式中Bは前述のように水素の含有量
(体積)を表わし、Cは無機ガスの含有量(体積)
を表わす〕 を満足するように設定することによつて、水素使
用量や処理電力を低減し、処理時間を短縮し、か
つ、処理工程の安全性および経済性を高めること
が可能となる。 本発明方法における低温プラズマの発生方法に
も格別の限定はなく、従来公知のグロー放電法、
コロナ放電法、マイクロ波放電法などのいずれを
用いてもよい。また、低温プラズマ発生装置にお
ける電極形式についても格別の限定はなく、従来
使用されている無電極方式、平行平板電極方式お
よび、内部電極方式、外部電極方式のいずれのも
のであつてもよい。 低温プラズマ処理は、処理装置内の圧力が0.01
〜10Torrの低圧で行われる。処理電力は特に限
定されるものではないが極度に低いと、放電が困
難で、プラズマ形成が困難となり、また極度に高
くなると、成形体表面におけるフツ素によるエツ
チング効果が過大となり、可塑剤など添加物の表
面移行・滲出を防止する効果が不十分となる傾向
がある。また、処理時間も特に限定されるもので
はないが過度に長くなると成形体表面が黄変する
傾向がある。また過短になると、処理効果が不十
分になる。 以下に、実施例により本発明方法を更に説明す
る。 実施例1および比較例1 下記組成のポリ塩化ビニル樹脂: ポリ塩化ビニル(カネビニールS1003)
100重量部 DOP 60 〃 エポキシ化大豆油 3 〃 Ba−Zn系安定剤 2 〃 を加熱ロールにより、加熱温度160℃、混練時間
10分間の条件で加熱混練し、厚さ0.3mmのフイル
ムに成形した。これを試料1(比較例1)とした。
次に前記組成の混合物にアクリロイル基含有機化
合物としてフエニルポリエチレングリコールアク
リレートを15部添加したものを前記と同条件でフ
イルムに成形し、これを試料2(実施例1)とし
た。 これらのポリ塩化ビニル樹脂フイルムから採取
した試験片を、低温プラズマ処理装置内の所定位
置に配置し、装置内圧力を10-5Torrに排気し、
これにヘキサフルオロエタンガスと水素との体積
比2:1の混合ガスを導入し、装置内圧力を
3Torrに調節し、下記条件の低温プラズマ処理を
施した。 高周波電源:13.56MHz(日本高周波社製) 消費電力:50ワツト 処理時間:10分間 得られた処理ずみ試験片の水接触角を、協和科学
社製、コンタクトアングルメーターCA−D型を
用いて測定し、またその表面からの可塑剤抽出量
を下記の方法より測定した。 すなわちベルジヤー型抽出試験器を底に試験片
を置き、これに50mlのヘキサンを入れた。ヘキサ
ンと試験片との接触面積は23.7cm2であつた。この
試験器を40℃の温度で5時間振盪した。次にジノ
ニルフタレートを内部標準として、ヘキサン中に
抽出されたDOP(ジオクチルフタレート)の量を
ガスクロマトグラフイーにより測定した。耐候性
促進試験は、WEL−SUN−TC型(スガ試験機
(株)製)を用いて行なつた。又、汚れ試験は
JISL1021に準じて行なつた。ここで、回転数は
100回吸引力は1.1cm3/分であり汚染の度合は
JISL0805汚染用グレースケールを用いて測定し
た。結果は表1に示す。 表1から明らかなようにアクリロイル基含有化
合物を添加すると、表面フツ素化された架橋層の
耐候性促進試験に対する持続性又は耐久性が向上
する。
改質方法に関するものであり、更に詳しく述べる
ならば、ポリ塩化ビニル系樹脂成形体の表面に、
フツ素化処理と同時に低温プラズマ処理を施し、
可塗剤などの表面移行を恒久的に防止する、表面
改質方法に関するものである。 従来の技術 軟質ポリ塩化ビニル系樹脂は良好な加工性、お
よび高い強度を有し、かつ価格が低廉なため、広
範な用途に使用されている。しかしながら、軟質
ポリ塩化ビニル系樹脂成形体は、多量の可塑剤や
充填剤を含有しており、これらが時間の経過とと
もに、成形体表面に移行し滲出する傾向があるた
め、その防汚性や耐久性が不満足なものとなつて
いる。 上記の問題点を解消するために、軟質ポリ塩化
ビニル系樹脂成形体の表面に、可塑剤などの添加
物を含まないアクリル樹脂フイルムまたはポリテ
トラフルオロエチレンフイルムを貼着する方法が
とられている。しかしながら、この方法にも種々
の欠点が認められている。例えば、アクリル樹脂
フイルムが用いられたとき、ポリ塩化ビニル系樹
脂成形体と、アクリル樹脂フイルムとの接着力が
過大になると、ストレスのかかり方によつてはポ
リ塩化ビニル系樹脂成形体側に亀裂を生ずること
があり、また、接着力が過小になると、両者が剥
離しやすいという欠点を生じ、両者の接着力のコ
ントロールが困難である。また、ポリテトラフル
オロエチレンフイルムを用いるときは、接着剤の
使用、および特殊な接着工程が必要となり、原料
費および工程費が高くなるという問題点がある。 そこで軟質ポリ塩化ビニル系樹脂成形体を、無
機ガス雰囲気内で低温プラズマ処理する方法が開
発された。この方法により得られる成形体表面に
は、ポリ塩化ビニル架橋層が形成され、添加物の
移行・滲出が低減する。しかし、この方法では可
塑剤移行防止能の紫外線に対する持続性が低い。
実際、無機ガスの低温プラズマで処理したポリ塩
化ビニル系樹脂シートをサンシヤイン・ウエザー
メーター(スガ試験機(株)製WFL−SUN−TC)
により紫外線照射処理すると低温プラズマ処理直
後には、完全な可塑剤移行防止能を有するシート
が、僅か20時間の紫外線照射により、プラズマ未
処理シートと同等の可塑剤移行量レベルに回帰す
ることが判明している。 特開昭56−118430号には、ポリ塩化ビニル系樹
脂成形物品の表面に放射線照射、紫外線照射、あ
るいは低温プラズマ処理により架橋層を形成し、
この架橋層の一部をフツ素ガスによりフツ素化す
る方法、および、ポリ塩化ビニル系樹脂成形物品
の表面を、フツ素、あるいは、フレオン系ガスを
含む雰囲気中で低温プラズマ処理し、一部フツ素
化された架橋層を形成する方法が開示されてい
る。しかしながら、これらの方法でも、その紫外
線に対する可塑剤移行防止効果の持続性は不満足
なものであり、成形品表面のフツ素残留度(島津
製作所製ESCA−750にて測定)も小さく、尚一
層の改良が望まれていた。 そこで本発明者らは改良方法として、少くとも
1種のフルオロカーボンとともに水素を含有して
いる混合ガススをフツ素化処理ガスとして用いる
ことを提案した。 また本発明者らは別の改良方法として、ポリ塩
化ビニル系樹脂に、末端基としてアクリロイル基
および/又はメタアクリロイル基を有する少くと
も1種の有機化合物からなる改質剤を混合し、こ
の組成物から作られた成形品の表面を、低温プラ
ズマにより処理することも提案した。 これらの方法は、実用的にすぐれたものであつ
たが、当業界では、更に紫外線による可塑剤移行
をより一層恒久的に防止できる改良方法の開発が
望まれていた。 発明が解決しようとする問題点 (イ) ポリ塩化ビニル系樹脂成形品表面の少くとも
一部を恒久的にフツ素化すること。 (ロ) 可塑剤等添加物の表面移行滲出を、恒久的に
防止すること。 (ハ) 上記問題点(イ)、(ロ)の解決を簡便な方法と少量
の改質剤の使用で達成し、しかもポリ塩化ビニ
ル系樹脂成形品の化学的又は物理的特性を損う
ことのないこと。 問題点を解決するための手段および作用 本発明のポリ塩化ビニル系樹脂成形品の表面改
質法は、 100重量部のポリ塩化ビニル系樹脂と、 0.2〜30重量部の、アクリロイル基、およびメ
タアクリロイル基から選ばれた少くとも1個の末
端基を有する少なくとも1種の有機化合物からな
る改質剤と、 を含んでなる組成物から作られた成形品の表面
に、低温プラズマ処理を施す方法において、前記
プラズマ処理を、少なくとも1種のフルオロカー
ボンと、水素ガスとの混合物からなり、かつ、下
記関係式: 0.2A≦B<2.0A 〔但し、上式中Aはフルオロカーボンの含有量
(体積)を表し、Bは水素の含有量(体積)を表
わす〕を満足するフツ素処理ガスの雰囲気中で施
すことを特徴とするものである。 上記本発明方法によりポリ塩化ビニル系樹脂成
形品の表面に少くとも一部フツ素化された架橋層
が形成され、それにより可塑剤等添加物の表面移
行・滲出防止性能が極めて高く、しかも、その紫
外線に対する耐久性も極めて高い改質された表面
を得ることができる。 本発明方法に用いられるポリ塩化ビニル系樹脂
としては、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、硬質ポリ塩
化ビニル樹脂、塩化ビニルと、オレフイン類、例
えば、エチレン、プロピレン、またはイソブチレ
ンとの共重合体樹脂、塩化ビニルと、スチレンと
の共重合体樹脂、塩化ビニルとジエン類、例えば
ブタジエン、又は、イソプレンとの共重合体樹
脂、塩化ビニルと、アクリル酸、ハロゲン化オレ
フイン、又は、酢酸ビニルとの共重合体樹脂、お
よび、上記の樹脂と、改質用樹脂、例えば、
ABS,SBR、又は、NBRなどのゴム類との混合
樹脂などがある。 ポリ塩化ビニル系樹脂は、可塑剤、安定剤、充
填剤、防炎剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、防徽剤、滑剤、顔料等を目的に応じ適宜含有
していてもよい。 本発明方法において、100重量部のポリ塩化ビ
ニル系樹脂に対し、0.2〜30重量部の改質剤が混
合される。改質剤の量が0.2重量部より少いとき
は、得られる表面改質効果が不十分であり、30重
量部より多いときは、得られる成形品の化学的又
は物理的特性が不満足なものとなる。 本発明方法に用いられる改質剤は、アクリロイ
ル基(CH2=CH−CO−)およびメタアクリロイ
ル基(CH2=C(CH3)−CO−)から選ばれた少
くとも1個の末端基を有する少くとも1種の有機
化合物からなるものであり、少量の使用で所期の
表面改質効果を得ることができる。 本発明の改質剤に用いられる有機化合物は、例
えば、下記一般式()〜(): A(−M)−o1R () A1(−M1)−o2A2 ) A3(−M2−N)−o3A4 () 〔但し、上式()〜()中、A,A1,A2,
A3,A4,A5,A6,A7,A8,A9,A10およびA11
は、それぞれ、他とは独立に、アクリロイル基、
又は、メタアクリロイル基を表わし、M,M1お
よびM2は、それぞれ、他とは独立に、脂肪族2
価アルコール残基を表わし、M3,M4およびM5
は、それぞれ、他とは独立に、脂肪族3価アルコ
ール残基を表わし、Rは、アルキル基、少くとも
1個の水酸基で置換されたアルキル基、少くとも
1個のカルボキシル基で置換されたアルキル基、
フエニル基、アルキルフエニル基、少くとも1個
の水酸基で置換されたフエニル基およびアルキル
フエニル基、および、少くとも1個のカルボキシ
ル基で置換されたフエニル基およびアルキルフエ
ニル基から選ばれた一員を表わし、Nは、2塩基
酸残基を表わし、n1は0又は1以上の整数を表わ
し、n2,n3,n4およびn5は、それぞれ、他とは独
立に、1以上の整数を表わす〕 の化合物から選ぶことができる。 上記一般式()で表わされる化合物として
は、フエニルポリエチレングリコールアクリレー
ト又はメタクリレート、p−(ノニフエニル)−ポ
リエチレングリコールアクリレート又はメタクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フエノキシプロピ
ルアクリレートまたはメタクリレート、モノフタ
ル酸エステルエチレングリコールアクリレート又
はメタクリレート、および2−エチルヘキシルア
クリレート又はメタクリレートなどがある。 一般式()、および()で表わされる化合
物としては、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート又はジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールモノアクリレートモノメタクリレート、トリ
プロピレングリコールジアクリレート又はジメタ
クリレート、トリプロピレングリコールモノアク
リレートモノメタクリレート、1,4−ブチレン
グリコールジアクリレート又はジメタクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールモノアクリレー
トモノメタクリレートフタル酸エチレングリコー
ルオリゴエステルジアクリレート又はジメタクリ
レート、およびフタル酸エチレングリコールオリ
ゴエステルモノアクリレートモノメタクリレート
などがある。 一般式()の化合物としては、ペンタエリト
リツトトリアクリレート又はトリメタクリレート
がある。 一般式()の多官能オリゴエステル化合物と
しては、例えばフタル酸ペンタエリトリツトオリ
ゴエステルトリアクリレート又はトリメタクリレ
ートなどがある。上記一般式()−()の化合
物において、M,M1,M2により表わされている
脂肪族2価アルコール残基、M3,M4,M5によ
り表わされている脂肪族3価アルコール残基、お
よびNにより表わされている2塩基酸残基の少く
とも1種の分子鎖中には、イソシアネート基およ
びエポキシ基から選ばれた少くとも1種が含まれ
ていてもよい。 本発明に用いられる改質剤とともにその表面改
質効果を促進するために架橋剤を用いてもよい。
このような架橋剤としては、t−ブチルハイドロ
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド
等のハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパ
ーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド等
のジアルキルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、ステアロイルパーオキサイド等のジア
シルパーオキサイドが有効であるがこれに限られ
るものではなくその他公知の増感剤を選択して使
用することが出来る。 架橋剤の使用量は、適宜必要量を選択して使用
し得るが通常改質剤の使用重量に対し0.1〜3重
量%の範囲内にあることが好ましい。ポリ塩化ビ
ニル系樹脂と、改質剤とは、通常の方法により混
練され、得られる組成物を用いて所望の成形品を
形成する。この成形方法は格別の限定はなく通常
の押出成形、デイツピング法、コーテイング法、
流延法、射出成形、カレンダー成形、インフレー
シヨン成形、圧縮成形などを用いることができ
る。 得られた成形品は、フツ素化処理ガス雰囲気内
における低温プラズマ表面処理に供される。 本発明方法の低温プラズマ処理はフツ素化処理
ガス雰囲気中で行われるものであり、このフツ素
化処理ガスには、少なくとも1種のフルオロカー
ボンと水素とが含まれ必要により少くとも1種の
無機ガスが含まれることが好ましい。 フルオロカーボンは、パーフルオロカーボン、
不飽和フルオロカーボン、環状フルオロカーボ
ン、およびこれらの置換体から選ぶことができる
が、パーフルオロカーボン、例えばテトラフルオ
ロメタン、ヘキサフルオロエタン、パーフルオロ
プロパン、パーフルオロ−n−ブタン、パーフル
オロペンタン、および、パーフルオロ−n−ヘキ
サンなどから選ばれることが好ましい。本発明方
法に特に好ましいフルオロカーボンは、一般式 CoF2o+2 〔但し、上式中nは1,2、又は3を表わす〕 で表わされるパーフルオロカーボンである。 フツ素化処理ガスの組成において、可塑剤など
の添加物の表面移行・滲出防止効果、および、得
られる成形物改質表面の撥水性などを考慮する
と、フツ素化処理ガス中のフルオロカーボン含有
量と、水素含有量は、下記式(イ)の関係: 0.2A≦B≦2.0A (イ) 〔但し、上式中Aは、フルオロカーボンの含有量
(体積)を表わし、Bは水素の含有量(体積)を
表わす〕 を満たすことが必要である。 0.2A>Bの場合は、成形体の改質表面におけ
る添加物移行・滲出防止効果が不満足なものにな
る。また、水素の含有量Bが2.0Aよりも大きく
なると、成形体の改質表面の撥水性が低下し親水
性が過度になる傾向があることが本発明者らによ
つて発見された。この現象は本発明者により、成
形体表面のコンタクトアングルメーター(協和科
学製CA−D型)による水接触角測定および、
ESA(島津製作所製ESCA−750)による表面に導
入されたフツ素量の測定などによつて確認され
た。 本発明方法に用いられるフツ素化処理ガスは、
上述のように、フルオロカーボンの含有量Aと、
水素の含有量Bとを調節することによつて、改質
表面の水接触角が約125〜70度の範囲になるよう
に、その親水性および撥水性をコントロールする
ことが可能である。特に、得られる改質表面が、
好適な防汚性、耐摩耗性、撥水撥油性を有し、か
つ可塑剤など添加剤の表面移行・滲出を完全に防
止するためには、上記関係式(イ)の関係を満足する
ようにフルオロカーボンおよび水素の含有量を調
整することが必要である。 フツ素化処理ガスに添加することのできる無機
ガスは、好ましくはCO,Ar,He,CO2、および
N2などから選ばれるが、特にCOおよびArから選
ばれることが好ましい。 無機ガスの含有量には格別の限定はない。しか
し、本発明者らは、無機ガスの含有量を、水素ガ
スの含有量との関係において適当な値に設定する
と、所望効果を達成するために必要な水素含有量
処理に必要な電力、および処理時間などの節約が
可能となることを見出した。すなわちフツ素化処
理ガス中の無機ガスおよび水素の含有量を、下記
式(ロ)の関係: C≧50/B (ロ) 〔但し、上式中Bは前述のように水素の含有量
(体積)を表わし、Cは無機ガスの含有量(体積)
を表わす〕 を満足するように設定することによつて、水素使
用量や処理電力を低減し、処理時間を短縮し、か
つ、処理工程の安全性および経済性を高めること
が可能となる。 本発明方法における低温プラズマの発生方法に
も格別の限定はなく、従来公知のグロー放電法、
コロナ放電法、マイクロ波放電法などのいずれを
用いてもよい。また、低温プラズマ発生装置にお
ける電極形式についても格別の限定はなく、従来
使用されている無電極方式、平行平板電極方式お
よび、内部電極方式、外部電極方式のいずれのも
のであつてもよい。 低温プラズマ処理は、処理装置内の圧力が0.01
〜10Torrの低圧で行われる。処理電力は特に限
定されるものではないが極度に低いと、放電が困
難で、プラズマ形成が困難となり、また極度に高
くなると、成形体表面におけるフツ素によるエツ
チング効果が過大となり、可塑剤など添加物の表
面移行・滲出を防止する効果が不十分となる傾向
がある。また、処理時間も特に限定されるもので
はないが過度に長くなると成形体表面が黄変する
傾向がある。また過短になると、処理効果が不十
分になる。 以下に、実施例により本発明方法を更に説明す
る。 実施例1および比較例1 下記組成のポリ塩化ビニル樹脂: ポリ塩化ビニル(カネビニールS1003)
100重量部 DOP 60 〃 エポキシ化大豆油 3 〃 Ba−Zn系安定剤 2 〃 を加熱ロールにより、加熱温度160℃、混練時間
10分間の条件で加熱混練し、厚さ0.3mmのフイル
ムに成形した。これを試料1(比較例1)とした。
次に前記組成の混合物にアクリロイル基含有機化
合物としてフエニルポリエチレングリコールアク
リレートを15部添加したものを前記と同条件でフ
イルムに成形し、これを試料2(実施例1)とし
た。 これらのポリ塩化ビニル樹脂フイルムから採取
した試験片を、低温プラズマ処理装置内の所定位
置に配置し、装置内圧力を10-5Torrに排気し、
これにヘキサフルオロエタンガスと水素との体積
比2:1の混合ガスを導入し、装置内圧力を
3Torrに調節し、下記条件の低温プラズマ処理を
施した。 高周波電源:13.56MHz(日本高周波社製) 消費電力:50ワツト 処理時間:10分間 得られた処理ずみ試験片の水接触角を、協和科学
社製、コンタクトアングルメーターCA−D型を
用いて測定し、またその表面からの可塑剤抽出量
を下記の方法より測定した。 すなわちベルジヤー型抽出試験器を底に試験片
を置き、これに50mlのヘキサンを入れた。ヘキサ
ンと試験片との接触面積は23.7cm2であつた。この
試験器を40℃の温度で5時間振盪した。次にジノ
ニルフタレートを内部標準として、ヘキサン中に
抽出されたDOP(ジオクチルフタレート)の量を
ガスクロマトグラフイーにより測定した。耐候性
促進試験は、WEL−SUN−TC型(スガ試験機
(株)製)を用いて行なつた。又、汚れ試験は
JISL1021に準じて行なつた。ここで、回転数は
100回吸引力は1.1cm3/分であり汚染の度合は
JISL0805汚染用グレースケールを用いて測定し
た。結果は表1に示す。 表1から明らかなようにアクリロイル基含有化
合物を添加すると、表面フツ素化された架橋層の
耐候性促進試験に対する持続性又は耐久性が向上
する。
【表】
実施例2および比較例2
実施例2において実施1と同様の操作を行つ
た。但し、アクリロイル基含有機化合物として、
1,4−ブチレングリコールジアクリレート5部
を用いた。また、ヘキサフルオロエタンの導入圧
力は0.15Torrとし、これに混合する水素の量は、
第1図に示されているようにヘキサフルオロエタ
ンの量(体積)に対し、1〜300%の間に変化さ
せた。また、低温プラズマ処理における消費電力
を100ワツトとした。 比較例2において改質材を用いず、比較例1と
同一のフイルムに対し、実施例2と同様の処理を
施した。 実施例2および比較例2の表面処理されたフイ
ルムにおいて、水素/ヘキサフルオロエタン体積
比と、改質成形物の可塑剤抽出量および改質表面
の水接触角との関係を第1図に示す。又、第1図
に示した実施例2および比較例2の試料のうち、
水素/ヘキサフルオロエタンの体積比が1:1
(100%)の試料について実施例1と同様の試験を
行なつた。その結果を表2に示す。
た。但し、アクリロイル基含有機化合物として、
1,4−ブチレングリコールジアクリレート5部
を用いた。また、ヘキサフルオロエタンの導入圧
力は0.15Torrとし、これに混合する水素の量は、
第1図に示されているようにヘキサフルオロエタ
ンの量(体積)に対し、1〜300%の間に変化さ
せた。また、低温プラズマ処理における消費電力
を100ワツトとした。 比較例2において改質材を用いず、比較例1と
同一のフイルムに対し、実施例2と同様の処理を
施した。 実施例2および比較例2の表面処理されたフイ
ルムにおいて、水素/ヘキサフルオロエタン体積
比と、改質成形物の可塑剤抽出量および改質表面
の水接触角との関係を第1図に示す。又、第1図
に示した実施例2および比較例2の試料のうち、
水素/ヘキサフルオロエタンの体積比が1:1
(100%)の試料について実施例1と同様の試験を
行なつた。その結果を表2に示す。
【表】
第1図および表2から明らかなように、ヘキサ
フルオロエタンに水素を添加することに依つて、
ヘキサフルオロエタンの導入量を少くしてもすぐ
れた表面改質効果を上げることができる。 また、第1図は、比較的高い水接触角すなわち
親水性を示し、かつ可塑剤抽出量の少ない改質表
面を得るには、水素の含有量をヘキサフルオロエ
タンの含有量の20〜200%の範囲にすることが好
ましいことを示している。 実施例 3および4 実施例3および4の各々において、実施1と同
様の操作を行つた。但し改質剤とし、フタル酸エ
チレングリコールオリゴエエステルジアクリレー
トを2部(実施例3)、および0.5部(実施例4)
用いた。 各実施例において調製された未表面処理フイル
ムに対し、フツ素化処理ガスの組成を、 ヘキサフルオロエタン 20sccm 水素ガス 4,6,8sccm アルゴンガス 0〜20sccm の範囲で変化させて、実施例1と同様の条件で表
面処理を施した。また。低温プラズマ処理におい
て、消費電力を50ワツトとし、処理時間を5分間
とした。 得られた改質成形体の可塑剤抽出量を第2図に
示す。 第2図は、フツ素化処理ガスにアルゴンガスを
添加することによつて、可塑剤抽出量の低下を増
進することができるこを示している。 特に、本実施例においては、低温プラズマ処理
における消費電力および処理時間がそれぞれ、実
施例2の場合の半分になつているにも拘らず、ア
ルゴンガスの添加量を調節することにより、可塑
剤抽出量をゼロにすることができることを示して
いる。すなわち水素ガスの送入量が8sccmで B/A=0.4 のとき、アルゴンガスの送入量を8sccm以上にす
ると、(C≧8)>(50/8=6.25)の関係が成し、
可塑剤抽出量はゼロとなる。 また、水素ガスの送入量が、6sccmで、 B/A=0.3 のとき、アルゴンガスの送入量を10sccm以上に
すると、(C≧10)>(50/6=8.33)の関係が成
立し、可塑剤抽出量はゼロとなる。 更に、水素ガスの送入量が4sccmで B/A=0.2 のとき、アルゴンガスの送入量を14sccm以上に
すると、(C≧14)>(50/4=12.5)の関係が成
立し、可塑剤抽出量はゼロとなる。 上記の事実から明らかなようにアルゴンガスの
量を増大することによつて水素ガスの使用量を低
下させても、可塑剤抽出量をゼロにすることが可
能になるのである。 又、このようにして表面処理された実施例3お
よび4の試料の内、ヘキサフルオロエタン/水
素/アルゴンの流量が20sccm/6sccm/10sccm
のときの試料に対し実施例1,2と同様の試験を
繰り返した。その結果を表3に示す。
フルオロエタンに水素を添加することに依つて、
ヘキサフルオロエタンの導入量を少くしてもすぐ
れた表面改質効果を上げることができる。 また、第1図は、比較的高い水接触角すなわち
親水性を示し、かつ可塑剤抽出量の少ない改質表
面を得るには、水素の含有量をヘキサフルオロエ
タンの含有量の20〜200%の範囲にすることが好
ましいことを示している。 実施例 3および4 実施例3および4の各々において、実施1と同
様の操作を行つた。但し改質剤とし、フタル酸エ
チレングリコールオリゴエエステルジアクリレー
トを2部(実施例3)、および0.5部(実施例4)
用いた。 各実施例において調製された未表面処理フイル
ムに対し、フツ素化処理ガスの組成を、 ヘキサフルオロエタン 20sccm 水素ガス 4,6,8sccm アルゴンガス 0〜20sccm の範囲で変化させて、実施例1と同様の条件で表
面処理を施した。また。低温プラズマ処理におい
て、消費電力を50ワツトとし、処理時間を5分間
とした。 得られた改質成形体の可塑剤抽出量を第2図に
示す。 第2図は、フツ素化処理ガスにアルゴンガスを
添加することによつて、可塑剤抽出量の低下を増
進することができるこを示している。 特に、本実施例においては、低温プラズマ処理
における消費電力および処理時間がそれぞれ、実
施例2の場合の半分になつているにも拘らず、ア
ルゴンガスの添加量を調節することにより、可塑
剤抽出量をゼロにすることができることを示して
いる。すなわち水素ガスの送入量が8sccmで B/A=0.4 のとき、アルゴンガスの送入量を8sccm以上にす
ると、(C≧8)>(50/8=6.25)の関係が成し、
可塑剤抽出量はゼロとなる。 また、水素ガスの送入量が、6sccmで、 B/A=0.3 のとき、アルゴンガスの送入量を10sccm以上に
すると、(C≧10)>(50/6=8.33)の関係が成
立し、可塑剤抽出量はゼロとなる。 更に、水素ガスの送入量が4sccmで B/A=0.2 のとき、アルゴンガスの送入量を14sccm以上に
すると、(C≧14)>(50/4=12.5)の関係が成
立し、可塑剤抽出量はゼロとなる。 上記の事実から明らかなようにアルゴンガスの
量を増大することによつて水素ガスの使用量を低
下させても、可塑剤抽出量をゼロにすることが可
能になるのである。 又、このようにして表面処理された実施例3お
よび4の試料の内、ヘキサフルオロエタン/水
素/アルゴンの流量が20sccm/6sccm/10sccm
のときの試料に対し実施例1,2と同様の試験を
繰り返した。その結果を表3に示す。
【表】
第2図および表3から明らかなように、アクリ
ロイル基含有化合物を添加する場合、その添加量
が少量であつても、所期の効果を十分に達成でき
る。 発明の効果 本発明方法によつて得られる、表面改質された
ポリ塩化ビニル系樹脂成形品の表面には改質剤を
含むフツ素化された架橋層が形成されており、こ
のフツ素化された架橋表面層は可塑剤等の添加剤
の表面移行および滲出・揮発を十分に防止し、こ
れによつて成形品の硬化や劣化を有効に阻止する
ことができる。特に、フツ素化された架橋表面層
は紫外線照射下においてもすぐれた耐久持続性を
有し、従つて、戸外においても、長期にわたつて
すぐれた耐汚染性を発揮する。 上記の本発明の効果により、本発明方法により
表面改質されたポリ塩化ビニル系樹脂成形品は、
戸外用軒出しテント、日除け用シート、自動車用
シート、フレキシブルコンテナーなどに極めて有
用であり、また屋内用としても壁紙、ブライン
ド、テーブルクロスなどの用途にも広く用いるこ
とができる。
ロイル基含有化合物を添加する場合、その添加量
が少量であつても、所期の効果を十分に達成でき
る。 発明の効果 本発明方法によつて得られる、表面改質された
ポリ塩化ビニル系樹脂成形品の表面には改質剤を
含むフツ素化された架橋層が形成されており、こ
のフツ素化された架橋表面層は可塑剤等の添加剤
の表面移行および滲出・揮発を十分に防止し、こ
れによつて成形品の硬化や劣化を有効に阻止する
ことができる。特に、フツ素化された架橋表面層
は紫外線照射下においてもすぐれた耐久持続性を
有し、従つて、戸外においても、長期にわたつて
すぐれた耐汚染性を発揮する。 上記の本発明の効果により、本発明方法により
表面改質されたポリ塩化ビニル系樹脂成形品は、
戸外用軒出しテント、日除け用シート、自動車用
シート、フレキシブルコンテナーなどに極めて有
用であり、また屋内用としても壁紙、ブライン
ド、テーブルクロスなどの用途にも広く用いるこ
とができる。
第1図は本発明方法および比較方法における、
フツ素化処理ガスの水素/ヘキサフルオロエタン
体積比と、得られた成形品の可塑剤抽出量および
水接触角との関係を示すグラフであり、第2図
は、本発明方法におけるフツ素化処理ガス中の水
素ガス含有量と、アルゴン導入量と、得られた成
形品の可塑剤抽出量との関係を示すグラフであ
る。
フツ素化処理ガスの水素/ヘキサフルオロエタン
体積比と、得られた成形品の可塑剤抽出量および
水接触角との関係を示すグラフであり、第2図
は、本発明方法におけるフツ素化処理ガス中の水
素ガス含有量と、アルゴン導入量と、得られた成
形品の可塑剤抽出量との関係を示すグラフであ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 100重量部のポリ塩化ビニル系樹脂と、 0.2〜30重量部の、アクリロイル基およびメタ
アクリロイル基から選ばれた少なくとも1個の末
端基を有する少なくとも1種の有機化合物からな
る改質剤と、を含んでなる組成物から作られた成
形品の表面に、低温プラズマ処理を施す方法にお
いて、前記プラズマ処理を、少なくとも1種のフ
ルオロカーボンと、水素ガスとの混合物からな
り、かつ下記関係式: 0.2A≦B<2.0A 〔但し、上式中Aはフルオロカーボンの含有量
(体積)を表し、Bは水素の含有量(体積)を表
わす〕を満足するフツ素化処理ガスの雰囲気中で
施すことを特徴とする、ポリ塩化ビニル系樹脂成
形品の表面改質方法。 2 前記改質剤が、下記一般式()〜(): A(−M)−o1R () A1(−M1)−o2A2 () A3(−M2−N)−o3A4 () 〔但し、上式中、A,A1,A2,A3,A4,A5,
A6,A7,A8,A9,A10およびA11はそれぞれ他と
は独立にアクリロイル基を又はメタアクリロイル
基を表し、M,M1、およびM2はそれぞれ他とは
独立に脂肪族2価アルコール残基を表し、M3,
M4およびM5は、それぞれ他とは独立に脂肪族3
価アルコール残基を表し、Rは、アルキル基、少
なくとも1個の水酸基で置換されたアルキル基、
少なくとも1個のカルボキシル基で置換されたア
ルキル基、フエニル基、アルキルフエニル基、少
なくとも1個の水酸基で置換されたフエニル基お
よびアルキルフエニル基並びに少なくとも1個の
カルボキシル基で置換されたフエニル基およびア
ルキルフエニル基から選ばれた一員を表し、N
は、2塩基酸残基を表し、n1は、0又は1以上の
整数を表し、n2,n3,n4およびn5はそれぞれ他と
は独立に1以上の整数を表す〕を有する有機化合
物から選ばれた少なくとも1種を含んでなる、特
許請求の範囲第1項記載の方法。 3 前記一般式()〜()において、M,
M1、およびM2により表された脂肪族2価アルコ
ール残基、M3,M4およびM5により表された脂
肪族3価アルコール残基、およびNにより表され
た2塩基酸残基の少なくとも1種の分子鎖中のイ
ソシアネート基、およびエポキシ基から選ばれた
少なくとも1種が含まれている、特許請求の範囲
第2項記載の方法。 4 前記フルオロカーボンが、一般式: CoF2o+2 〔但し、上式中nは1,2又は3を表す〕 のパーフルオロカーボンから選ばれる、特許請求
の範囲第1項記載の方法。 5 前記フツ素化処理ガスが、前記少なくとも1
種のフルオロカーボンおよび水素に加えて、少な
くとも1種の無機ガスを含有している、特許請求
の範囲第1項記載の方法。 6 前記フツ素化処理ガス中の無機ガスおよび水
素の含有量(体積)が、次式の関係: C≧50/B 〔但し、上式中Bは水素の含有量(体積)を表
し、Cは無機ガスの含有量(体積)を表す〕を満
たしている、特許請求の範囲第5項記載の方法。 7 前記無機ガスが、CO,Ar,He,CO2および
N2から選ばれる、特許請求の範囲第5項記載の
方法。 8 前記低温プラズマ処理が、0.01〜10トルの低
圧下で行われる、特許請求の範囲第1項記載の方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18274184A JPS6160730A (ja) | 1984-09-03 | 1984-09-03 | ポリ塩化ビニル系樹脂成形品の表面改質方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18274184A JPS6160730A (ja) | 1984-09-03 | 1984-09-03 | ポリ塩化ビニル系樹脂成形品の表面改質方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6160730A JPS6160730A (ja) | 1986-03-28 |
| JPH039938B2 true JPH039938B2 (ja) | 1991-02-12 |
Family
ID=16123621
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18274184A Granted JPS6160730A (ja) | 1984-09-03 | 1984-09-03 | ポリ塩化ビニル系樹脂成形品の表面改質方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6160730A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61133239A (ja) * | 1984-12-03 | 1986-06-20 | Sachiko Okazaki | フツ素含有表面薄層を有する成形品 |
| JP2542750B2 (ja) * | 1985-12-09 | 1996-10-09 | 益弘 小駒 | プラスチックの表面エネルギ―制御方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5316085A (en) * | 1976-07-29 | 1978-02-14 | Kogyo Gijutsuin | Method of prevention of dissolving of additive agents contained in formed product of polyvinyl chloride |
| JPS6014773B2 (ja) * | 1979-06-28 | 1985-04-16 | 信越化学工業株式会社 | 塩化ビニル系樹脂成形品の製造方法 |
-
1984
- 1984-09-03 JP JP18274184A patent/JPS6160730A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6160730A (ja) | 1986-03-28 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4530970A (en) | Fluoroelastomer composition and lining material made thereof | |
| EP0743329A1 (en) | Fluororubber copolymer and curing composition thereof | |
| CN1930218A (zh) | 用于将后向反射性模制品着黄色的耐候性膜片 | |
| US5300587A (en) | Oil repellent polymeric composition and use thereof, for preparing formed articles having surfaces endowed with a high stability formed articles having surfaces endowed with a high stability to solvents and a high resistance to soiling | |
| EP1160285B1 (en) | Fluororubber composition | |
| GB2054612A (en) | Method for modifying surface properties of shaped articles of polymeric materials | |
| GB2051087A (en) | Method for surface properties of shaped articles of vinyl chloride-based resin with low temperature plasma | |
| AU780862B2 (en) | UV curable elastomer composition | |
| EP0534847B1 (en) | Plastisol compositions | |
| JPS60101135A (ja) | 重合体混合物及びそれから製造された共加硫物 | |
| JPH04501127A (ja) | ポリアルキレングリコールを含有する耐候性スチレン系ポリマーブレンド | |
| JPH039938B2 (ja) | ||
| US4310564A (en) | Method for modifying surface properties in polyvinyl chloride shaped articles | |
| JPS59189152A (ja) | 軟質ポリマ−アロイ | |
| JP2593962B2 (ja) | パーフルオロエラストマー類の照射硬化 | |
| KR101566118B1 (ko) | 충격강도가 향상된 아크릴계 공중합체 | |
| CN1232573C (zh) | 发泡性氯乙烯树脂组合物 | |
| US4372986A (en) | Polyvinyl alcohol-clad shaped article of vinyl chloride resin | |
| US5055515A (en) | Flexible overpolymers of vinyl chloride polymers on ethylene copolymers | |
| JPH0327019B2 (ja) | ||
| TWI431059B (zh) | 全氟彈性體組成物及全氟橡膠模製物件 | |
| GB2025982A (en) | Method for preventing plasticizer bleeding on polyvinyl chloride shaped articles | |
| EP3650498A1 (en) | Fluorine-containing elastic copolymer composition and crosslinked rubber article | |
| JPH0160173B2 (ja) | ||
| JPH039937B2 (ja) |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |