JPH04114350U - 熱交換器および貯血槽 - Google Patents

熱交換器および貯血槽

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JPH04114350U
JPH04114350U JP2675891U JP2675891U JPH04114350U JP H04114350 U JPH04114350 U JP H04114350U JP 2675891 U JP2675891 U JP 2675891U JP 2675891 U JP2675891 U JP 2675891U JP H04114350 U JPH04114350 U JP H04114350U
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blood
heat medium
heat exchanger
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善明 若山
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 貯血槽1は、内部に血液を貯留する貯血空間
5を有するハウジング2と、血液を加温又は冷却する熱
交換器9とを有する。熱交換器9は、下方の貯血空間5
内に平行にかつ水平面Hに対し所定角度傾斜して架設さ
れた金属製の複数の管体10を有する。各管体10の鉛
直方向上側端部には、他所より縮径した縮径部101が
形成されている。これにより、隣接する縮径部101同
士の間隙に気泡が浮上しうる通路102が形成される。
各管体10の両端は、各々筺体14内の熱媒体室16お
よび筺体15内の熱媒体室17に連通している。貯血空
間5をプライミングした際、プライミング液中に混入し
ている気泡は、各管体10の傾斜に沿って斜め上方に集
まり、更に通路102を通って浮上し、排出される。 【効果】 気泡の除去性能に優れ、熱交換効率が高い。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、体外血液循環回路に設置され、血液を加温または冷却する熱交換器 およびこれを備える貯血槽に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、心臓外科手術においては、送血ポンプを作動して患者の静脈より脱血 し、人工肺によりガス交換を行なった後、この血液を再び患者の動脈に戻すとい う人工肺体外血液循環が行なわれる。この人工肺体外血液循環回路には、脱血し た血液を一時的に貯留しておく貯血槽と、血液の温度を調整する熱交換器とが設 置される。
【0003】 貯血槽は、回路内の血液量を調整し、返血量を一定に保つための緩衝機能を有 するとともに、脱血した血液の除泡能をも有している。
【0004】 また、熱交換器は、例えば、手術中には血液の温度を20℃程度に冷却し、手 術終了時には血液を加温して体温に戻すように使用される。
【0005】 このような体外血液循環回路においては、患者の負担を軽減するために、回路 内における血液のプライミング量をできるだけ少なくすることが課題とされてお り、そのため、熱交換器を内蔵した貯血槽が開発されている。この貯血槽は、内 部に貯血空間を有するハウジングを有し、前記貯血空間内にコイル状の金属管を 設置し、この金属管内に熱交換用の媒体(以下、熱媒体という)を通し、金属管 の管壁を介して熱媒体と血液との熱交換を行なうことにより、貯血空間内の血液 を加温または冷却するものである。
【0006】 また、さらに熱交換効率を向上するため、コイル状の金属管に代え、平行に配 設された複数の金属製直管を用いた熱交換器およびこれを内蔵する貯血槽も開発 されている。
【0007】 このような熱交換器および貯血槽では、熱交換効率を高めるために、直管の配 設密度を高くするとともに、ハウジング内壁とこれに隣接する直管との間隙距離 を小さくし、チャネリングを防止することが必要であるが、そのため、次のよう な問題が生じる。
【0008】 すなわち、体外血液循環を開始するのに先立って、血液循環回路内を生理食塩 水のようなプライミング液にてプライミングするが、プライミング液自体が気泡 を含んでいたり、あるいはチューブや部材の接合部で発生した気泡がプライミン グ液に混入したりすることがあり、それらの気泡は直管同士の間隙や直管とハウ ジング内壁との間隙を通って浮上することができず、熱交換器内に残留する。
【0009】 このような気泡の残留があると、体外血液循環を開始した際に、動脈に返血す る血液中にその気泡が混入するおそれが生じ、生体にとって非常に危険である。 また、このような気泡を除去するために、熱交換器や貯血槽に揺動、振動を与え ることが行なわれるが、装置が複雑化する上、十分な効果が得られるものではな かった。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の目的は、気泡の残留が生じない熱交換器および貯血槽を提供すること にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(3)の本考案により達成される。 (1)内部に貯血空間が形成されたハウジングと、前記貯血空間に連通する血 液流入口および血液流出口と、前記貯血空間内に架設され、主に直管部で構成さ れる複数の管体と、該管体内に熱媒体を供給する熱媒体供給部と、前記管体内を 通過した熱媒体を排出する熱媒体排出部とを備える熱交換器であって、 前記各管体の直管部が、水平面に対し傾斜して設置され、かつ、この傾斜した 直管部の鉛直方向上方側の端部の外径が縮径していることを特徴とする熱交換器 。
【0012】 (2)内部に貯血空間が形成されハウジングと、前記貯血空間に連通する血液 流入口および血液流出口と、前記貯血空間内に架設され、主に直管部で構成され る複数の管体と、該管体内に熱媒体を供給する熱媒体供給部と、前記管体内を通 過した熱媒体を排出する熱媒体排出部とを備える熱交換器であって、 前記各管体の直管部が、水平面に対し傾斜して設置され、かつ、この傾斜した 直管部の鉛直方向上方側の端部が偏平形状をなしていることを特徴とする熱交換 器。
【0013】 (3)前記各管体は平行に配置された直管であり、各直管の両端の開口を閉塞 することなく各直管の両端部を隔壁により支持してなる上記(1)または(2) に記載の熱交換器。
【0014】 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱交換器を備えることを特徴と する貯血槽。
【0015】
【作用】
このような構成の本考案によれば、貯血空間内に架設された各管体の直管部が 、水平面に対し傾斜しているため、管体より下方の空間、管体同士の間隙および 管体とハウジング内壁との間隙に存在する微小な気泡は、各直管部の傾斜に沿っ て斜め上方へ移動し、各直管部の鉛直方向上方部付近に集まる。
【0016】 そして、この直管部の鉛直方向上方側端部は、外径が縮径しているかまたは偏 平形状をなしており、この縮径部間または偏平部間に気泡が浮上しうる通路が形 成されるため、集まった気泡は、この通路を通って浮上し熱交換器の上方に排出 される。
【0017】 なお、この通路は、直管部の長手方向の一部に形成されているため、通路内を 流れる血液の量は少なく、よって、チャネリングによる熱交換効率の低下はほと んどない。
【0018】
【考案の構成】
以下、本考案の熱交換器および貯血槽を、添付図面に示す好適実施例に基いて 詳細に説明する。
【0019】 図1は、本考案の貯血槽の構成例を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線で の断面図、図3は、図2中のB−B線での断面図、図4は、図2中のC−C線で の断面図である。これらの図に示すように、本考案の貯血槽1は、ハウジング本 体3と蓋体4とで構成されるハウジング2を有する。このハウジング2の内部に は、血液を貯留する貯血空間5が形成されている。
【0020】 ハウジング本体3は、図3中上部右側に突出部31を有する箱形をなしている 。
【0021】 蓋体4は、ハウジング本体3の上部開口を覆うように載置されており、貯血空 間5を密封するのではなく、例えば、ハウジング本体3と蓋体4との隙間を介し て貯血空間5と外部とが通気可能なようになっている。これにより、貯血空間5 内の貯血量が増減可能となる。なお、ハウジング2に、貯血空間5と外部とを連 通する通気口(図示せず)を設置してもよい。
【0022】 蓋体4には、貯血空間5に連通する管状の血液流入口6が固着されている。こ の血液流入口6は、例えば、体外血液循環回路における脱血ラインのチューブに 接続される。
【0023】 また、ハウジング本体3の下部には、貯血空間5に連通する管状の血液流出口 7が形成されている。この血液流出口7は、例えば、体外血液循環回路における 人工肺等へのチューブに接続される。
【0024】 貯血空間5の容積は特に限定されないが、成人用では3000〜5000ml程 度、小児用では1000〜2000ml程度とするのが好ましい。
【0025】 また、後述する管体10が配設されている部分の空間(管体10同士の間隙お よび管体10とハウジング内壁との間隙)およびそれより下方の空間51を合計 した貯血空間の実質容積が約300ml以下、特に、100〜200ml程度(成人 用)であるのが好ましい。このような小さい容積とすることができるのは、後述 するように、熱交換器9が小型で高性能であるからであり、よって、貯血槽の最 低限界貯血量を従来より少なくすることができ、回路のプライミング量の減少に 寄与する。
【0026】 ハウジング本体3および蓋体4の構成材料としては、ポリカーボネート、アク リル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ スチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−ブタジエ ン−スチレン共重合体等を挙げることができ、このなかでも特に、ポリカーボネ ート、ポリ塩化ビニルが好ましい。
【0027】 また、ハウジング本体3および蓋体4は、貯血量を目視で確認することができ るように、透明であるのが好ましい。
【0028】 なお、ハウジング本体3の側面には、貯血量を示す目盛り(図示せず)を設け ることもできる。
【0029】 ハウジング本体3の突出部31の図中下方には、水平面Hに対し例えば1〜4 5°程度傾斜した傾斜面32が形成されている。
【0030】 また、突出部31における貯血空間5には、血液流入口6から流入した血液中 に含まれる気泡を除去する消泡部材8が設置されている。この消泡部材8は、そ の両側端部を、ハウジング本体3の対向する内壁にそれぞれ一対づつ形成された リブ33間に挿入することにより固定されている。また、消泡部材8の下端は、 傾斜面32に接触している。
【0031】 この消泡部材8としては、例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発 泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン等の発泡体、織布、不織布、メッシュ、ま たは、多孔質セラミックスのような多孔質材等を挙げることができ、そのなかで も特に、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレンが好ましい。
【0032】 消泡部材8として、発泡体や多孔質材を用いる場合、その孔径は20μm 〜5 mm程度、特に、30μm 〜2mm程度とするのが好ましい。
【0033】 このような貯血槽1は、本考案の熱交換器9を備えている。この熱交換器9は 、貯血空間5に貯留された血液を必要に応じ加温または冷却するものである。
【0034】 熱交換器9は、貯血空間5内に架設された複数の熱交換用の管体10と、これ らの管体10を支持する一対の隔壁11と、各管体10内に熱媒体を供給する熱 媒体供給部12と、各管体10内を通過した熱媒体を排出する熱媒体排出部13 とを備えている。以下、熱交換器9の各構成要素について説明する。
【0035】 管体10は、主に直管部で構成されるものであり、図示の構成例では、直管で ある。なお、本考案における管体は、直管に限らず、例えば、直管の途中を折り 返すように屈曲させたU字管や、直管の途中を例えば開き角度が160〜175 °程度の山型に屈曲させたV字管のように、直管部が大半を占めるものであれば いかなるものでもよい。
【0036】 各管体10は、それぞれ、平行に設置され、かつ、水平面(血液の液面)Hに 対し、所定角度傾斜して設置されている。
【0037】 管体10の水平面Hに対する傾斜角度θは、3〜20°程度、特に、5〜15 °程度とするのが好ましい。θが3°未満であると、気泡が管体10の傾斜に沿 って上方に移動し難くなり、また、θが20°を越えてもそれ以上効果が向上せ ず、むしろ製造上困難になるからである。
【0038】 なお、このよう管体10の傾斜等により、血液流出口7付近には、管体10が 存在しない空間51があるのが好ましい。これにより、血液流出口7から血液が 流出する際の圧力損失が減少し、また、血液が貯血空間5内で循環して滞留する のを防止することができる。
【0039】 本考案の熱交換器9は、小型で熱交換効率の高いものであり、そのために、管 体10を下記のような条件とするのが好ましい。
【0040】 管体10は、熱伝導率の高い材料、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、銅 、チタン等の金属で構成されている。
【0041】 管体10の外径(縮径部101以外)は、0.5〜10mm程度、特に、2〜5 mm程度であるのが好ましく、内径(縮径部101以外)は、0.1〜9.0mm程 度、特に1〜4mm程度であるのが好ましい。
【0042】 管体10の貯血空間5内における長さ(有効長)は、30〜300mm程度、特 に、70〜150mm程度であるのが好ましい。
【0043】 また、管体10の内壁には、熱媒体に旋回流を生じさせるためのらせん状部材 (図示せず)が配設されていてもよい。
【0044】 管体10の配設本数は、10〜2000本程度、特に、50〜1000本程度 とするのが好ましい。
【0045】 管体10の配設密度は全体にわたり均一であるのが好ましく、隣接する管体1 0同士(縮径部101以外)の最小間隙距離が0.3〜3.0mm程度、特に、0 .6〜2.0mm程度であるのが好ましい。この間隙距離が0.3mm未満であると 血液の流通が困難となり、また、3.0mmを超えると間隙を通過する血液の速度 が速くなり、管体10の配設本数等の他の条件によっては、熱媒体との熱交換が 不十分となる。
【0046】 ハウジング本体3の内壁34と、該内壁34に隣接する管体10(縮径部10 1以外)との間の間隙距離は、0.2〜3.0mm程度、特に、0.3〜2.0mm 程度とするのが好ましい。この間隙距離が0.2mm未満であると、その部分に気 泡がトラップされ易くなり、また、3.0mmを超えると、この間隙を血液が優先 的に流通し、すなわちチャネリングを生じ、熱交換効率が低下する。
【0047】 このような各管体10の鉛直方向上方側(図2中右側)の端部には、その外径 が他所より縮径した縮径部101が形成されている。これにより、隣接する縮径 部101間に気泡が浮上しうる通路102が形成される。
【0048】 縮径部101の外径は、前述した管体10の外径の10〜95%程度、特に、 20〜90%程度であるのが好ましく、具体的には、0.25〜8.0mm程度、 特に、0.5〜5.0mm程度であるのが好ましい。
【0049】 縮径部101の内径は、前述した管体10の内径の10〜95%程度、特に、 20〜90%程度であるのが好ましく、具体的には、0.1〜2.5mm程度、特 に、0.2〜2.0mm程度であるのが好ましい。
【0050】 隣接する縮径部101同士の最小間隙距離は、0.6〜5.0mm程度、特に、 1.2〜2.5mm程度とするのが好ましい。この間隙距離が0.6mm未満である と、気泡が浮上する通路102の面積(横断面積)が十分に確保されず、また、 5.0mmを超えると、このために管体10の配設密度が粗となり、熱交換率が低 下するからである。
【0051】 縮径部101の長さは、前述した管体10の有効長の1〜30%程度、特に、 2〜25%程度であるのが好ましく、具体的には、1〜50mm程度、特に、1. 5〜20mm程度であるのが好ましい。縮径部101の長さが管体10の有効長の 1%未満であると、気泡が浮上する通路102の面積が十分に確保されず、また 、30%を超えると、通路102内を流れる血液の量が多くなり、熱交換効率が 低下するからである。
【0052】 図5は、管体10の他の構成例を示す部分断面側面図、図6は、図5中のD− D線での断面図である。これらの図に示すように、各管体10の鉛直方向上方側 の端部には、前記縮径部101に代り、偏平形状をなす偏平部103が形成され ている。
【0053】 この偏平部103は、鉛直方向に延在し、水平方向に隣接する偏平部103同 士はほぼ平行に配置されている。これにより、隣接する偏平部103間に気泡が 浮上しうる通路104が形成される。
【0054】 なお、管体10にこのような偏平部103を形成した場合、偏平部103内の 熱媒体の流路105の横断面積を、管体10の他の箇所の流路の横断面積とほぼ 等しい値にすることができるので、熱媒体が偏平部103内の流路105を通過 する際に、流通抵抗の増大が生じないという利点がある。
【0055】 偏平部103の厚さTは、前述した管体10の外径の10〜95%程度、特に 、20〜90%程度であるのが好ましく、具体的には、0.1〜8.0mm程度、 特に、0.4〜5.0mm程度であるのが好ましい。
【0056】 水平方向に隣接する偏平部103同士の間隙距離S(通路104の幅)は、0 .6〜5.0mm程度、特に、1.2〜2.5mm程度であるのが好ましい。間隙距 離Sが0.6mm未満であると、気泡が浮上する通路104の面積(横断面積)が 十分に確保されず、また、5.0mmを超えると、このために管体10の配設密度 が粗となり、熱交換効率が低下するからである。
【0057】 偏平部103の管体軸方向の長さは、前述した管体10の有効長の1〜30% 程度、特に、2〜25%程度であるのが好ましく、具体的には、1〜50mm程度 、特に、1.5〜20mm程度であるのが好ましい。偏平部103の長さが管体1 0の有効長の1%未満であると、気泡が浮上する通路104の面積が十分に確保 されず、また、30%を超えると、通路104内を流れる血液の量が多くなり、 熱交換効率が低下するからである。
【0058】 なお、前記縮径部101や偏平部103は、全ての管体10に形成されていな くてもよい。
【0059】 図示の管体10は、横断面が円形であるが、本発明ではこれに限らず、管体1 0の横断面が、例えば、楕円形や、三角形、四角形、六角形、八角形等の多角形 であってもよい。
【0060】 このような管体10は、両端の開口を閉塞することなく、その両端部を一対の 隔壁11に埋設し、液密に固着することにより支持されている。この隔壁11は 、例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム、エポキシ樹脂等の高分子材料よりな るポッティング材で構成されているのが好ましい。これにより、各管体10の固 定が確実になされ、隔壁11の液密性も保持される。
【0061】 また、隔壁11の厚さは、5〜50mm程度が好ましく、より好ましくは、10 〜30mm程度とされる。
【0062】 管体10の一端側には熱媒体供給部12が設けられ、他端側には熱媒体排出部 13が設けられている。
【0063】 熱媒体供給部12は、ハウジング本体3の側面に液密に固着された筺体14を 有し、この筺体14と前記隔壁11とで熱媒体室16が規制される。また、筺体 14には、熱媒体室16に連通する管状の熱媒体流入口18が設置されている。
【0064】 熱媒体排出部13は、ハウジング本体3の側面に液密に固着された筺体15を 有し、この筺体15と前記隔壁11とで熱媒体室17が規制される。また、筺体 15には、熱媒体室17に連通する管状の熱媒体流出口19が設置されている。
【0065】 筺体14および15の構成材料としては、前記ハウジング本体3と同様のもの が挙げられる。
【0066】 また、熱媒体室16および17の容積は特に限定されないが、それぞれ、10 〜200ml程度、特に、30〜150ml程度とするのが好ましい。
【0067】 熱媒体としは、所定の温度に調整された水、アルコール等の液体が好適に使用 されるが、空気等の気体であってもよい。
【0068】 各管体10内を流れる熱媒体の合計量(熱媒体供給量)は、熱交換器9の熱媒 体流路の圧力損失、熱媒体ポンプの能力等により適宜決定されるが、通常、5〜 30リットル/分程度、特に、8〜20リットル/分程度程度とするのが好まし い。
【0069】 次に、貯血槽1の作用について説明する。 例えば、脱血ラインを経て血液流入口6よりハウジング2内に流入した血液は 、まず消泡部材8を通過して消泡され、次いで傾斜面32に沿って流下し、貯血 空間5に貯留される。また、血液流出口7に接続されるラインに設置されたポン プ(図示せず)の吸引等により、貯血空間5の上部にある血液は、管体10同士 の間隙や管体10とハウジング本体2の内壁34との間隙等を通って、ハウジン グ2の下方へ徐々に流れ、空間51に到達した後、血液流出口7よりハウジング 2外へ流出する。
【0070】 なお、血液は、縮径部101(または偏平部103)同士の間隙である通路1 02(または104)も流れるが、これらは、管体10の全長に対し一部に形成 されているため、この通路102を流れる血液の量は少なく、よって、チャネリ ングによる熱交換効率の低下はほとんどない。
【0071】 一方、熱媒体流入口18より熱媒体を熱媒体室16に供給すると、この熱媒体 は、各管体10内、熱媒体室17を順次経て、熱媒体流出口19より排出される 。熱媒体が各管体10内を通過する際に、管体10の管壁を介して熱媒体と血液 との間で熱交換がなされ、貯血空間5内の血液が加温または冷却される。
【0072】 例えば、体外血液循環回路に設置された貯血槽1の場合、手術中には、熱媒体 として冷水を用い、血液の温度を20℃程度に冷却し、手術終了時には、熱媒体 として温水を用い、前記20℃程度の血液を加温して体温程度に戻すという操作 を行なう。
【0073】 このような血液循環を開始するのに先立って、血液循環回路内を生理食塩水の ようなプライミング液にてプライミングする。プライミング液の貯血空間5への 注入は、例えば血液流入口6より行なう。
【0074】 プライミング操作時に発生した気泡やプライミング液中に予め混入していた気 泡は、貯血空間5をプライミングした際、空間51、管体10同士の間隙および 管体10と内壁34との間隙に入るが、この気泡は、その浮力により、傾斜する 各管体10に沿って斜め上方(図2中右方)へ自然に移動し、各管体10の鉛直 方向上方側に集まる。これにより、気泡同士が結合して大きな気泡となり、浮力 が増す。さらに、この気泡は、通路102(または104)を通って上昇し、プ ライミング液の液面(各管体10より上方)に浮上して破泡する。
【0075】 このようして、貯血空間5におけるプライミング液中の気泡のほとんどは、残 留することなく排出される。また、残留気泡があったとしても、貯血槽に振動ま たは揺動を与えることにより、その気泡は前記と同様にして容易に排出される。
【0076】 以上、本考案の熱交換器およびこれを備える貯血槽を図示の構成例について説 明したが、本考案はこれに限定されるものではない。
【0077】 なお、本考案の熱交換器は、貯血槽に組み込む場合に限らず、熱交換器単独で 用いるものにも適用することができる。このような熱交換器としては、例えば、 人工肺体外血液循環回路において、貯血槽(熱交換器なし)と人工肺との間に設 置される熱交換器が挙げられる。
【0078】
【実施例】
以下、本考案の具体的実施例について説明する。 (実施例1) 図1、2、3および4に示す構成の貯血槽を作製した。貯血槽各部の条件は、 下記の通りである。 ハウジング容積:4000ml 管体設置部およびその下方の空間の容積:計200ml ハウジング材質:ポリカーボネート(透明) 隔壁材質:ポリウレタン(2液混合型) 消泡部材:発泡ポリウレタン(孔径1000μm ) 管体形状:断面が円形の直管 管体材質:ステンレス鋼 管体内径:2.00mm 管体外径:2.38mm 管体長さ:116mm(有効長78mm) 管体配設本数:405本 管体設置角度(水平面に対する傾斜角度):θ=10° 隣接する管体の最小間隙距離:0.9mm ハウジング内壁と隣接する管体との間隙距離:0.5mm 管体縮径部内径:0.5mm 管体縮径部外径:1.0mm 管体縮径部長さ:2.0mm 隣接する縮径部の最小間隙距離:2.28mm 筺体材質:ポリカーボネート(透明) 熱媒体室容積(熱媒体供給側):100ml 熱媒体室容積(熱媒体排出側):100ml
【0079】 (実施例2) 管体設置角度θを15°とし、各管体の縮径部の寸法を下記のようにした以外 は、上記実施例1と同様の貯血槽を作製した。 管体縮径部内径:0.3mm 管体縮径部外径:0.8mm 管体縮径部長さ:2.5mm 隣接する縮径部の最小間隙距離:2.48mm
【0080】 (実施例3) 縮径部に代え、図5および図6に示す構造の偏平部を形成した管体を用いた以 外は、上記実施例1と同様の貯血槽を作製した。偏平部の寸法は、下記の通りと した。 管体偏平部厚さT:1.0mm 管体偏平部長さ:2.0mm 偏平部内の流路の横断面積:4.0mm2 水平方向に隣接する偏平部の間隙距離S:2.28mm
【0081】 (比較例1) 各管体を水平に設置(管体設置角度θ=0)し、各管体に縮径部や偏平部を設 けない以外は上記実施例1と同様の貯血槽を作製した。
【0082】 (比較例2) ハウジング内壁とこれに隣接する管体との間隙距離を1.5mmとした以外は上 記比較例1と同様の貯血槽を作製した。
【0083】実験1 上記実施例1、2、3、比較例1、2の各貯血槽について、その血液流出口か ら貯血空間内にプライミング液(生理食塩水)を注入した。このプライミング液 中には、直径1〜3mm程度の微小な気泡が混入していた。
【0084】 この気泡の状態を目視により観察したところ、実施例1、2および3の貯血槽 では、気泡の95%程度は、傾斜する各管体に沿って、斜め上方に移動し、さら に縮径部または偏平部間の通路を通って浮上し、少量の気泡がハウジング内壁や 管体表面に付着していた。また、比較例1の貯血槽では、ほとんどの気泡が、管 体の下方、管体同士の間隙およびハウジング内壁とこれに隣接する管体との間隙 に残存しており、比較例2の貯血槽では、管体の下方および管体同士の間隙に気 泡が残存していた。
【0085】 次に、各貯血槽に振動を与え、気泡の抜け具合を目視により観察し、気泡抜け 性を評価した。その結果を下記表1に示す。
【0086】 なお、表1中における気泡抜け性の評価は次の通りである。 ○:気泡の残存なし △:気泡の残存ややあり ×:気泡の残存かなりあり
【0087】実験2 上記各貯血槽について、貯血量2000mlを保つ状態で、血液流入口から貯血 空間内に20℃の牛血(Ht=12g/dl)を流量4000ml/minで供給し、また、 血液流出口側にはチューブおよびローラーポンプを接続し、供給量と同量の血液 を血液流出口から排出した。
【0088】 一方、このような血液の流入、流出と同時に、熱媒体流入口から、熱媒体とし て37℃の水を流量15000ml/minで供給し、各管体を介して貯血空間内の血 液を加温した。
【0089】 上記操作の開始から15分経過後、血液流出口から流出する血液の温度を測定 し、熱交換器の熱交換性能を調べた。その結果を下記表1に示す。なお、表1に おいて、血液流出口から流出する血液の温度(熱交換性能)が、熱媒体の温度( 37℃)に近いほど、熱交換器の熱交換効率が高い。
【0090】
【表1】
【0091】 上記表1に示すように、本考案の実施例1、2および3の貯血槽では、気泡抜 け性に優れ、かつ熱交換器の熱交換効率が高い。
【0092】 これに対し、比較例1の貯血槽では、熱交換器の熱交換効率は高いが、気泡抜 け性が劣り、逆に、比較例2の貯血槽では、気泡抜け性はほぼ良好であるが、熱 交換器の熱交換効率が低い。
【0093】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案の熱交換器およびおよびこれを備える貯血槽によれ ば、気泡、特に、プライミングの際に混入する微小な気泡の除去性能が優れ、か つ熱交換率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の貯血槽の構成例を示す斜視図である。
【図2】図1中のA−A線での断面図である。
【図3】図2中のB−B線での断面図である。
【図4】図2中のC−C線での断面図である。
【図5】本考案における管体の他の構成例を示す部分断
面側面図である。
【図6】図5中のD−D線での断面図である。
【符号の説明】
1 貯血槽 2 ハウジング 3 ハウジング本体 31 突出部 32 傾斜面 33 リブ 34 内壁 4 蓋体 5 貯血空間 51 空間 6 血液流入口 7 血液流出口 8 消泡部材 9 熱交換器 10 管体 101 縮径部 102 通路 103 偏平部 104 通路 105 流路 11 隔壁 12 熱媒体供給部 13 熱媒体排出部 14、15 筺体 16、17 熱媒体室 18 熱媒体流入口 19 熱媒体流出口 H 水平面

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に貯血空間が形成されたハウジング
    と、前記貯血空間に連通する血液流入口および血液流出
    口と、前記貯血空間内に架設され、主に直管部で構成さ
    れる複数の管体と、該管体内に熱媒体を供給する熱媒体
    供給部と、前記管体内を通過した熱媒体を排出する熱媒
    体排出部とを備える熱交換器であって、前記各管体の直
    管部が、水平面に対し傾斜して設置され、かつ、この傾
    斜した直管部の鉛直方向上方側の端部の外径が縮径して
    いることを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 内部に貯血空間が形成されハウジング
    と、前記貯血空間に連通する血液流入口および血液流出
    口と、前記貯血空間内に架設され、主に直管部で構成さ
    れる複数の管体と、該管体内に熱媒体を供給する熱媒体
    供給部と、前記管体内を通過した熱媒体を排出する熱媒
    体排出部とを備える熱交換器であって、前記各管体の直
    管部が、水平面に対し傾斜して設置され、かつ、この傾
    斜した直管部の鉛直方向上方側の端部が偏平形状をなし
    ていることを特徴とする熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記各管体は平行に配置された直管であ
    り、各直管の両端の開口を閉塞することなく各直管の両
    端部を隔壁により支持してなる請求項1または2に記載
    の熱交換器。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換
    器を備えることを特徴とする貯血槽。
JP2675891U 1991-03-27 1991-03-27 熱交換器および貯血槽 Pending JPH04114350U (ja)

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