JPH0411615B2 - - Google Patents
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- JPH0411615B2 JPH0411615B2 JP5667883A JP5667883A JPH0411615B2 JP H0411615 B2 JPH0411615 B2 JP H0411615B2 JP 5667883 A JP5667883 A JP 5667883A JP 5667883 A JP5667883 A JP 5667883A JP H0411615 B2 JPH0411615 B2 JP H0411615B2
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Landscapes
- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
Description
タツプ、ブローチ、ドリルなどの切削工具に使
用される高速度工具鋼は、耐摩耗性、耐熱性、靱
性など直接的に工具の寿命を支配する特性が要求
されるのはもちろんである。一方、仕上研削時の
研削熱による切刃の軟化や、刃先のカエリ、ダレ
などが工具寿命を低下させている場合も多く、被
研削性は間接的に工具寿命を支配していると言え
る。さらに、研削能率の向上や、研削仕上精度の
向上のためにも被研削性は重要である。特に
SKH52で代表される2.5%V系やSKH53で代表さ
れる3%V系高速度鋼は耐摩耗性が良好なため難
削材切削用や汎用の高性能工具用として効果が高
いが、被研削性が極めて悪いため、極く一部の使
用に留まつているのが実情である。 これまでに、被研削性をよくするにはVの含有
量を1.0〜1.2%に低く抑えると効果があることは
よく知られており、AISIM42に代表される数種
の高速度工具鋼が実用されている。しかし、Vの
含有量が低いために耐摩耗性に不足する問題があ
る。また、Zr,Hf,REMを微量添加して被研削
性を改良する方法も提案されている(特開昭52−
120216号)が、微量元素の添加量を一定に制御す
ることに難があり、実用化されていない。 本発明の目的は、上記に鑑みVを1.8%以上含
有する高速度工具鋼において、既存材より被研削
性に著しく優れた材料を提供することにある。特
に2.5%V系および3%V系高速度工具鋼におい
て、これまでに得られない被研削性に優れた材料
を提供することにある。 上記目的を達成するために、被研削性に及ぼす
各合金元素の影響を系統的に研究した。その結
果、C 0.9〜1.4%、Si 0.1〜1.0%、Mn 0.1〜
1.0%、Cr 3〜7%、W 0.5〜7%、Mo 6〜
12%(但し18%≦W+2Mo≦25%)、V 1.8〜
3.6%、N≦0.03%でかつ K=0.21Mo+0.12W−17.7N−0.13C−0.35Vに
よつて得られるKの値が、C 0.9〜1.15%、V
1.8〜2.25%のときK≧0.95 C 1.0%〜1.25%、V 2.25をこえ2.8%以下
のときK≧0.70、 C 1.15〜1.40%、V 2.8をこえ3.6%以下の
ときK≧0.6、 を満足し、残部Feおよび、不純物からなるよ
うに各合金元素を含有せしめると、本発明の目的
を達成し得ることを発見したものである。 以下に本発明において、各合金元素を上記に限
定した理由を実施例に従い述べる。 第1表は既存のAISIM7(第1表中のNo.2に相
当)を基準にMo含有量(No.1〜4)、W含有量
(No.5〜7)、N含有量(No.8〜12)、C含有量
(No.13,14)、V含有量(No.15,16および第2表中
No.23、第3表中No.27)が被研削性に及ぼす影響を
調べた供試材の化学組成である。各材料は高周波
溶解炉にて、大気中あるいは真空中で溶製後、10
Kgの小鋼塊を得、これを熱間鍛造、焼なまし、焼
入−焼もどしして用いた。
用される高速度工具鋼は、耐摩耗性、耐熱性、靱
性など直接的に工具の寿命を支配する特性が要求
されるのはもちろんである。一方、仕上研削時の
研削熱による切刃の軟化や、刃先のカエリ、ダレ
などが工具寿命を低下させている場合も多く、被
研削性は間接的に工具寿命を支配していると言え
る。さらに、研削能率の向上や、研削仕上精度の
向上のためにも被研削性は重要である。特に
SKH52で代表される2.5%V系やSKH53で代表さ
れる3%V系高速度鋼は耐摩耗性が良好なため難
削材切削用や汎用の高性能工具用として効果が高
いが、被研削性が極めて悪いため、極く一部の使
用に留まつているのが実情である。 これまでに、被研削性をよくするにはVの含有
量を1.0〜1.2%に低く抑えると効果があることは
よく知られており、AISIM42に代表される数種
の高速度工具鋼が実用されている。しかし、Vの
含有量が低いために耐摩耗性に不足する問題があ
る。また、Zr,Hf,REMを微量添加して被研削
性を改良する方法も提案されている(特開昭52−
120216号)が、微量元素の添加量を一定に制御す
ることに難があり、実用化されていない。 本発明の目的は、上記に鑑みVを1.8%以上含
有する高速度工具鋼において、既存材より被研削
性に著しく優れた材料を提供することにある。特
に2.5%V系および3%V系高速度工具鋼におい
て、これまでに得られない被研削性に優れた材料
を提供することにある。 上記目的を達成するために、被研削性に及ぼす
各合金元素の影響を系統的に研究した。その結
果、C 0.9〜1.4%、Si 0.1〜1.0%、Mn 0.1〜
1.0%、Cr 3〜7%、W 0.5〜7%、Mo 6〜
12%(但し18%≦W+2Mo≦25%)、V 1.8〜
3.6%、N≦0.03%でかつ K=0.21Mo+0.12W−17.7N−0.13C−0.35Vに
よつて得られるKの値が、C 0.9〜1.15%、V
1.8〜2.25%のときK≧0.95 C 1.0%〜1.25%、V 2.25をこえ2.8%以下
のときK≧0.70、 C 1.15〜1.40%、V 2.8をこえ3.6%以下の
ときK≧0.6、 を満足し、残部Feおよび、不純物からなるよ
うに各合金元素を含有せしめると、本発明の目的
を達成し得ることを発見したものである。 以下に本発明において、各合金元素を上記に限
定した理由を実施例に従い述べる。 第1表は既存のAISIM7(第1表中のNo.2に相
当)を基準にMo含有量(No.1〜4)、W含有量
(No.5〜7)、N含有量(No.8〜12)、C含有量
(No.13,14)、V含有量(No.15,16および第2表中
No.23、第3表中No.27)が被研削性に及ぼす影響を
調べた供試材の化学組成である。各材料は高周波
溶解炉にて、大気中あるいは真空中で溶製後、10
Kgの小鋼塊を得、これを熱間鍛造、焼なまし、焼
入−焼もどしして用いた。
【表】
【表】
【表】
※:比較鋼
【表】
※:比較鋼
各材料の被研削性を定量的に把握するために、
タツプ溝ネジ研削盤を使用し、一定条件にて、一
定量の研削を行なつた後に、砥石山の摩耗量を測
定した。条件を下記する。 使用機械:マトリツクス33番ネジ研削機 使用砥石:WA320MI0V 砥石速度:1570m/min 切 込:0.02mm/Pass ピッチ :1.0mm 総切込量:0.9mm 第1図は、被研削性に及ぼすMo含有量の影響
をまとめた結果を図示したものである。ここで
G2は第1表中のNo.2(M7相当)を研削した時の
砥石山摩耗量△T2を基準にして、各供試材の研
削後の砥石摩耗量△Txとの比を示す指数で、 G2=△T2/△Tx より求められる値である。従つて、比研削性指数
G2の大きいほど、被研削性に優れている。第1
図の結果よりMo含有量が多くなるほど、ほぼ直
線的にG2は大きくなり、その直線の傾きは約0.21
である。すなわちMo含有量1%につき、G2は
0.21増加することが第1図より明らかとなつた。
第2図は、W含有量と被研削性指数G2との相関
を求めた結果で、第1図と童謡、W含有量の増加
とともにG2は大きくなり、その傾きは約0.12であ
る。第3図はC含有量とG2の相関性を示す図で、
Cの場合はMo、Wと逆にC含有量が増えると被
研削性指数G2は小さくなる。その傾きは、−0.13
である。同様に第4図ではV含有量に対し、−
0.35、第5図ではN含有量に対して−17.70の傾
きを持つた直線が得られた。 すなわち、被研削性に及ぼす各合金元素の影響
は、W,Moは含有量の多いほど、C,V,Nは
含有量の少ないほど被研削性を良好ならしめ、し
かもそれぞれの合金元素によつて、その寄与率
(各図の直線の傾き)が異なることが明らかとな
つた。そこで、 K=0.21Mo+0.12W−17.7N−0.13C−0.35Vに
おいて、全合金元素の含有量と被研削性指数G2
との関係を求めると第6図,第7図,第8図の如
く被研削性はK値によつて、相関づけられること
を発見した。 第6図は、AISIM7やSKH9などの2%V系高
速度工具鋼における、被研削性指数G2とK値の
相関性を示す図である。第6図より被研削性を向
上させ得る化学組成を検討すると、既存材
AISIM7(No.2)の被研削性を20%以上(G2≧
1.2)向上するには、K≧0.95となるようにC,
W,Mo,V,Nを含有させしめる必要があり、
具体的には第1表のNo.4,No.7,No.11,No.12の化
学組成がこれに相当する。これらは、いずれも既
存の高速度工具鋼の化学組成とは全く異なる新規
な体系の合金組成からなる高速度工具鋼である。
(No.15はK≧0.95を満足するが、V含有量が1.21
%と低く、本発明の目的と合致しない。)なお、
さらに望ましくはK≧1.01となるようにC,W,
Mo,V,Nを配合調整すると、既存材AISIM7
に比較して50%以上(G2≧1.5)被研削性は向上
する。 次に第2表に示す多くの2.5%V系高速度工具
鋼の化学組成について前記と同様の被研削性の実
験を行なつた。この場合は、SKH52(第2表中No.
19相当)の砥石山摩耗量を基準とする。 G19=△T19/△Tx T19はNo.19を研削後の砥石山摩耗量 △TxはNo.20〜26を研削後の砥石山摩耗量 を被研削性指数として用いた。第7図に示すごと
く、No.19〜26の2.5%系高速度工具鋼においても
被研削性指数G19はK値によつて相関づけること
ができる。 第7図より、既存材SKH52に比較して被研削
性を20%以上向上させるにはK≧0.7となるよう
にC,W,Mo,V,N含有量をコントロールす
ればよく、さらにK≧0.95となるように成分配合
するとSKH52対比で50%以上も被研削性を向上
し得る。具体的には第2表中のNo.22,24,25,26
の化学組成によつて本発明の目的を達成できる。 同じように、第3表に示す3%V系高速度工具
鋼について被研削性指数とK値の関係を求めた。
このとき、被研削性指数はSKH53(第3表中No.27
に相当)を研削したときの砥石山摩耗量を基準と
するG27を用いた。第8図に3%V系高速度工具
鋼における被研削性指数G27とK値の関係を示す
が、既存材SKH53と比較して被研削性を20%以
上(G27≧1.2)向上させるには、K≧0.6となる
ように、C,W,Mo,V,Nの含有量を制御す
るとよいことがわかる。さらにK≧0.92となるよ
うにC,W,Mo,V,Nの含有量を制御すると
被研削性はSKH53対比で50%以上向上する。す
なわち、第3表中のNo.30〜35のごとき化学組成に
よつて本発明の目的は達成される。 以上、実施例に示したように高速度工具鋼の被
研削性は、 K=0.21Mo+0.12W−17.7N−0.13C−0.35Vなる
値と相関づけられ、2%V系高速度工具鋼(C
0.9〜1.15%、V 1.8〜2.25%)の場合にはK≧
0.95、2.5%V系高速度工具鋼(C 1.0〜1.25%、
V 2.25を越え2.8%以下)の場合にはK≧0.70、
および3%V系高速度工具鋼(C 1.15〜1.40
%、V 2.8を越え3.6%以下)の場合にはK≧
0.60となるように、C,W,Mo,V,Nを含有
せしめると被研削性に優れた材質を提供できる。 次に各添加元素の成分限定範囲の限定理由を述
べる。 Cは0.9〜1.4%の範囲で上記のK値を満足する
ように含有される。Cは被研削性の点ではできる
限り少量がよいが、しかし、含有量が少ないと焼
入−焼もどし硬さが低下し、耐摩耗性、耐熱性を
減じるので本発明の目的と合致しない。したがつ
て、Cは0.9%以上を目的とする焼入−焼もどし
硬さが得られるようにCr,W,Mo,V含有量と
バランスさせて含有させる。また、1.4%を越え
ると靱性が著しく低下するのでCは0.9〜1.4%に
限定した。 SiおよびMnは主に脱酸を目的として0.1〜1.0
%添加する。またSiを0.5〜1.0%の範囲で含有さ
せると靱性も向上する。0.1%未満では効果が少
なく、1.0%を越えても効果が収れんするのでSi
およびMnは0.1〜1.0%に限定した。 Crは焼入性、耐摩耗性、耐酸化性をよくする
が、3%未満では効果が少なく、逆に7%を越え
ると、靱性が低下し、焼もどし硬さも低下するの
で3〜7%に限定した。 WおよびMoはCと結合して硬いM6C型炭化物
を形成し、耐摩耗性を向上させる。また焼もどし
による二次硬化作用が大きく、耐熱性をも付与す
る。さらに第1図,第2図に示した如く、被研削
性を向上する有用な合金元素である。したがつ
て、W 0.5〜7%、Mo6〜12%の範囲で前記の
K値を満足するように含有されなければならな
い。W 0.5未満、Mo6%未満では耐摩耗性、耐
熱性が十分でなく、Wが7%を越え、Moが12%
を越えると靱性、熱間加工性が低下するのでW
0.5〜7%、Mo6〜12%に限定した。またW、Mo
はW+2Mo量として18%以上ないと前記のK値
を合理的な化学組成で満足できず逆に25%を越え
ると靱性および熱間加工性を害するので18%≦W
+2Mo≦25%とした。 VはCと結合して硬いVC炭化物を形成し、耐
摩耗性をを付与する元素である。逆にVC炭化物
は、砥粒よりも硬いために研削砥石を早期に磨滅
させるので、被研削性の点からは多量にVを含有
するのは一般に好ましくなく、被研削性を重視す
る場合は1.2%以下にとどめている。しかし、前
記のK値を満足するように合金配合すると、1.8
%以上多量にVを含有しても被研削性が向上でき
ることを発見したので、本発明では1.8〜3.6%の
範囲で用途に応じて適宜な量を含有できる。3.6
%を越えたV含有量では被研削性を50%程度向上
させても、まだ工業的に能率よく研削するのは難
しいので、V含有量の上限は3.6%に限定した。 Coは耐熱強度を向上して、工具性能を向上す
る。この効果が顕著に表れるのは4.5%以上であ
る。しかし、8.5%を越えて添加すると靱性を低
下する。したがつて、本発明ではCo4.5〜8.5%と
する。 Nは第5図に示すごとく、被研削性を向上させ
るには含有量をできる限り少なくするとよい。し
たがつて、前記のK値を満足するように厳密にコ
ントロールする必要がある。Nは0.03%を越える
と合理的な化学組成でK値を満足できなくなるの
で、N≦0.03に限定した。なお、上記以外にB,
Ti,Zrを微量含有してもよい。また、靱性を向
上させる目的でNiを0.5〜2.0%添加しても効果が
ある。 次に本発明により得られた化学組成の高速度工
具鋼を工業的に製造し、被研削性の向上とタツプ
溝研削時の砥石ドレツシングごとの研削可能本数
で比較した。その結果、従来材のAISIM7がドレ
ツシング毎に12本の溝研削加工しかできなかつた
のに対し、本発明を適用した、第1表No.12に相当
する化学組成の鋼ではきドレツシング毎に17本の
溝研削加工ができた。さらに3%のVを含む
SKH53では実質的にタツプの溝加工が不可能で
あつたが、第3表のNo.33に相当する化学組成の鋼
ではドレツシング毎に13本の溝研削加工ができ、
2%VのAISIM7と大差のない被研削性を有する
ことが確認された。
各材料の被研削性を定量的に把握するために、
タツプ溝ネジ研削盤を使用し、一定条件にて、一
定量の研削を行なつた後に、砥石山の摩耗量を測
定した。条件を下記する。 使用機械:マトリツクス33番ネジ研削機 使用砥石:WA320MI0V 砥石速度:1570m/min 切 込:0.02mm/Pass ピッチ :1.0mm 総切込量:0.9mm 第1図は、被研削性に及ぼすMo含有量の影響
をまとめた結果を図示したものである。ここで
G2は第1表中のNo.2(M7相当)を研削した時の
砥石山摩耗量△T2を基準にして、各供試材の研
削後の砥石摩耗量△Txとの比を示す指数で、 G2=△T2/△Tx より求められる値である。従つて、比研削性指数
G2の大きいほど、被研削性に優れている。第1
図の結果よりMo含有量が多くなるほど、ほぼ直
線的にG2は大きくなり、その直線の傾きは約0.21
である。すなわちMo含有量1%につき、G2は
0.21増加することが第1図より明らかとなつた。
第2図は、W含有量と被研削性指数G2との相関
を求めた結果で、第1図と童謡、W含有量の増加
とともにG2は大きくなり、その傾きは約0.12であ
る。第3図はC含有量とG2の相関性を示す図で、
Cの場合はMo、Wと逆にC含有量が増えると被
研削性指数G2は小さくなる。その傾きは、−0.13
である。同様に第4図ではV含有量に対し、−
0.35、第5図ではN含有量に対して−17.70の傾
きを持つた直線が得られた。 すなわち、被研削性に及ぼす各合金元素の影響
は、W,Moは含有量の多いほど、C,V,Nは
含有量の少ないほど被研削性を良好ならしめ、し
かもそれぞれの合金元素によつて、その寄与率
(各図の直線の傾き)が異なることが明らかとな
つた。そこで、 K=0.21Mo+0.12W−17.7N−0.13C−0.35Vに
おいて、全合金元素の含有量と被研削性指数G2
との関係を求めると第6図,第7図,第8図の如
く被研削性はK値によつて、相関づけられること
を発見した。 第6図は、AISIM7やSKH9などの2%V系高
速度工具鋼における、被研削性指数G2とK値の
相関性を示す図である。第6図より被研削性を向
上させ得る化学組成を検討すると、既存材
AISIM7(No.2)の被研削性を20%以上(G2≧
1.2)向上するには、K≧0.95となるようにC,
W,Mo,V,Nを含有させしめる必要があり、
具体的には第1表のNo.4,No.7,No.11,No.12の化
学組成がこれに相当する。これらは、いずれも既
存の高速度工具鋼の化学組成とは全く異なる新規
な体系の合金組成からなる高速度工具鋼である。
(No.15はK≧0.95を満足するが、V含有量が1.21
%と低く、本発明の目的と合致しない。)なお、
さらに望ましくはK≧1.01となるようにC,W,
Mo,V,Nを配合調整すると、既存材AISIM7
に比較して50%以上(G2≧1.5)被研削性は向上
する。 次に第2表に示す多くの2.5%V系高速度工具
鋼の化学組成について前記と同様の被研削性の実
験を行なつた。この場合は、SKH52(第2表中No.
19相当)の砥石山摩耗量を基準とする。 G19=△T19/△Tx T19はNo.19を研削後の砥石山摩耗量 △TxはNo.20〜26を研削後の砥石山摩耗量 を被研削性指数として用いた。第7図に示すごと
く、No.19〜26の2.5%系高速度工具鋼においても
被研削性指数G19はK値によつて相関づけること
ができる。 第7図より、既存材SKH52に比較して被研削
性を20%以上向上させるにはK≧0.7となるよう
にC,W,Mo,V,N含有量をコントロールす
ればよく、さらにK≧0.95となるように成分配合
するとSKH52対比で50%以上も被研削性を向上
し得る。具体的には第2表中のNo.22,24,25,26
の化学組成によつて本発明の目的を達成できる。 同じように、第3表に示す3%V系高速度工具
鋼について被研削性指数とK値の関係を求めた。
このとき、被研削性指数はSKH53(第3表中No.27
に相当)を研削したときの砥石山摩耗量を基準と
するG27を用いた。第8図に3%V系高速度工具
鋼における被研削性指数G27とK値の関係を示す
が、既存材SKH53と比較して被研削性を20%以
上(G27≧1.2)向上させるには、K≧0.6となる
ように、C,W,Mo,V,Nの含有量を制御す
るとよいことがわかる。さらにK≧0.92となるよ
うにC,W,Mo,V,Nの含有量を制御すると
被研削性はSKH53対比で50%以上向上する。す
なわち、第3表中のNo.30〜35のごとき化学組成に
よつて本発明の目的は達成される。 以上、実施例に示したように高速度工具鋼の被
研削性は、 K=0.21Mo+0.12W−17.7N−0.13C−0.35Vなる
値と相関づけられ、2%V系高速度工具鋼(C
0.9〜1.15%、V 1.8〜2.25%)の場合にはK≧
0.95、2.5%V系高速度工具鋼(C 1.0〜1.25%、
V 2.25を越え2.8%以下)の場合にはK≧0.70、
および3%V系高速度工具鋼(C 1.15〜1.40
%、V 2.8を越え3.6%以下)の場合にはK≧
0.60となるように、C,W,Mo,V,Nを含有
せしめると被研削性に優れた材質を提供できる。 次に各添加元素の成分限定範囲の限定理由を述
べる。 Cは0.9〜1.4%の範囲で上記のK値を満足する
ように含有される。Cは被研削性の点ではできる
限り少量がよいが、しかし、含有量が少ないと焼
入−焼もどし硬さが低下し、耐摩耗性、耐熱性を
減じるので本発明の目的と合致しない。したがつ
て、Cは0.9%以上を目的とする焼入−焼もどし
硬さが得られるようにCr,W,Mo,V含有量と
バランスさせて含有させる。また、1.4%を越え
ると靱性が著しく低下するのでCは0.9〜1.4%に
限定した。 SiおよびMnは主に脱酸を目的として0.1〜1.0
%添加する。またSiを0.5〜1.0%の範囲で含有さ
せると靱性も向上する。0.1%未満では効果が少
なく、1.0%を越えても効果が収れんするのでSi
およびMnは0.1〜1.0%に限定した。 Crは焼入性、耐摩耗性、耐酸化性をよくする
が、3%未満では効果が少なく、逆に7%を越え
ると、靱性が低下し、焼もどし硬さも低下するの
で3〜7%に限定した。 WおよびMoはCと結合して硬いM6C型炭化物
を形成し、耐摩耗性を向上させる。また焼もどし
による二次硬化作用が大きく、耐熱性をも付与す
る。さらに第1図,第2図に示した如く、被研削
性を向上する有用な合金元素である。したがつ
て、W 0.5〜7%、Mo6〜12%の範囲で前記の
K値を満足するように含有されなければならな
い。W 0.5未満、Mo6%未満では耐摩耗性、耐
熱性が十分でなく、Wが7%を越え、Moが12%
を越えると靱性、熱間加工性が低下するのでW
0.5〜7%、Mo6〜12%に限定した。またW、Mo
はW+2Mo量として18%以上ないと前記のK値
を合理的な化学組成で満足できず逆に25%を越え
ると靱性および熱間加工性を害するので18%≦W
+2Mo≦25%とした。 VはCと結合して硬いVC炭化物を形成し、耐
摩耗性をを付与する元素である。逆にVC炭化物
は、砥粒よりも硬いために研削砥石を早期に磨滅
させるので、被研削性の点からは多量にVを含有
するのは一般に好ましくなく、被研削性を重視す
る場合は1.2%以下にとどめている。しかし、前
記のK値を満足するように合金配合すると、1.8
%以上多量にVを含有しても被研削性が向上でき
ることを発見したので、本発明では1.8〜3.6%の
範囲で用途に応じて適宜な量を含有できる。3.6
%を越えたV含有量では被研削性を50%程度向上
させても、まだ工業的に能率よく研削するのは難
しいので、V含有量の上限は3.6%に限定した。 Coは耐熱強度を向上して、工具性能を向上す
る。この効果が顕著に表れるのは4.5%以上であ
る。しかし、8.5%を越えて添加すると靱性を低
下する。したがつて、本発明ではCo4.5〜8.5%と
する。 Nは第5図に示すごとく、被研削性を向上させ
るには含有量をできる限り少なくするとよい。し
たがつて、前記のK値を満足するように厳密にコ
ントロールする必要がある。Nは0.03%を越える
と合理的な化学組成でK値を満足できなくなるの
で、N≦0.03に限定した。なお、上記以外にB,
Ti,Zrを微量含有してもよい。また、靱性を向
上させる目的でNiを0.5〜2.0%添加しても効果が
ある。 次に本発明により得られた化学組成の高速度工
具鋼を工業的に製造し、被研削性の向上とタツプ
溝研削時の砥石ドレツシングごとの研削可能本数
で比較した。その結果、従来材のAISIM7がドレ
ツシング毎に12本の溝研削加工しかできなかつた
のに対し、本発明を適用した、第1表No.12に相当
する化学組成の鋼ではきドレツシング毎に17本の
溝研削加工ができた。さらに3%のVを含む
SKH53では実質的にタツプの溝加工が不可能で
あつたが、第3表のNo.33に相当する化学組成の鋼
ではドレツシング毎に13本の溝研削加工ができ、
2%VのAISIM7と大差のない被研削性を有する
ことが確認された。
第1図〜第5図は、被研削性に及ぼすMo,
W,C,V,N含有量の影響を求めた図である。
図中丸中の数字は第1表記載の供試材No.を示す。
第6図は、第1表に記載した2%V系高速度工具
鋼の被研削性指数とK値の関係を示す図である。
第7図は、第2表に記載した2.5%V系高速度工
具鋼の被研削性指数とK値の関係を示す図であ
る。図中丸中の数字は第2表記載の供試材No.であ
る。第8図は、第3表に記載した3%V系高速度
工具鋼の被研削性指数とK値の関係を示す図であ
る。
W,C,V,N含有量の影響を求めた図である。
図中丸中の数字は第1表記載の供試材No.を示す。
第6図は、第1表に記載した2%V系高速度工具
鋼の被研削性指数とK値の関係を示す図である。
第7図は、第2表に記載した2.5%V系高速度工
具鋼の被研削性指数とK値の関係を示す図であ
る。図中丸中の数字は第2表記載の供試材No.であ
る。第8図は、第3表に記載した3%V系高速度
工具鋼の被研削性指数とK値の関係を示す図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で、 C 0.9〜1.4%、 Si 0.1〜1.0%、 Mn 0.1〜1.0%、 Cr 3〜7%、 W 0.5〜7%、 Mo 6〜12%(但し18%≦W+2Mo≦25%)、 V 1.8〜3.6%、 N≦0.03%でかつ K=0.21Mo+0.12W−17.7N−0.13C−0.35Vに
よつて得られるKの値が、C 0.9〜1.15%、V
1.8〜2.25%のとき K≧0.95、 C 1.0〜1.25%、V 2.25をこえ2.8%以下の
ときK≧0.70、 C 1.15〜1.40%、V 2.8をこえ3.6%以下の
ときK≧0.6、 を満足し、残部Feおよび、不純物からなる被研
削性にすぐれた高速度工具鋼。 2 重量%で、 C 0.9〜1.15%、V 1.8〜2.25%のとき K
≧1.01を満足する特許請求の範囲第1項記載の被
研削性にすぐれた高速度工具鋼。 3 重量%で、 C 1.0〜1.25%、V 2.25をこえ2.8%以下の
ときK≧0.95を満足する特許請求の範囲第1項記
載の被研削性にすぐれた高速度工具鋼。 4 重量%で、C 1.15〜1.40%、V 2.8をこえ
3.6%以下のときK≧0.92を満足する特許請求の
範囲第1項記載の被研削性にすぐれた高速度工具
鋼。 5 重量%で、 C 0.9〜1.4%、 Si 0.1〜1.0%、 Mn 0.1〜1.0%、 Cr 3〜7%、 W 0.5〜7%、 Mo 6〜12%(但し18%≦W+2Mo≦25%)、 V 1.8〜3.6%、 Co 4.5〜8.5%、 N≦0.03%でかつ K=0.21Mo+0.12W−17.7N−0.13C−0.35Vに
よつて得られるKの値が、C 0.9〜1.15%、V
1.8〜2.25%のときK≧0.95、 C 1.0〜1.25%、V 2.25をこえ2.8%以下の
ときK≧0.70、 C 1.15〜1.40%、V 2.8をこえ3.6%以下の
ときK≧0.6、 を満足し、残部Feおよび、不純物からなる被研
削性にすぐれた高速度工具鋼。 6 重量%で、 C 0.9〜1.15%、V 1.8〜2.25%のときK≧
1.01を満足する特許請求の範囲第5項記載の被研
削性にすぐれた高速度工具鋼。 7 重量%で、 C 1.0〜1.25%、V 2.25をこえ2.8%以下の
ときK≧0.95を満足する特許請求の範囲第5項記
載の被研削性にすぐれた高速度工具鋼。 8 重量%で、 C 1.15〜1.40%、V 2.8をこえ3.6%以下の
ときK≧0.92を満足する特許請求の範囲第5項記
載の被研削性にすぐれた高速度工具鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5667883A JPS59182953A (ja) | 1983-03-31 | 1983-03-31 | 被研削性にすぐれた高速度工具鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5667883A JPS59182953A (ja) | 1983-03-31 | 1983-03-31 | 被研削性にすぐれた高速度工具鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59182953A JPS59182953A (ja) | 1984-10-17 |
| JPH0411615B2 true JPH0411615B2 (ja) | 1992-03-02 |
Family
ID=13034079
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5667883A Granted JPS59182953A (ja) | 1983-03-31 | 1983-03-31 | 被研削性にすぐれた高速度工具鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59182953A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0726175B2 (ja) * | 1986-03-12 | 1995-03-22 | 大同特殊鋼株式会社 | 高速度工具鋼の製造方法 |
| JP2760001B2 (ja) * | 1989-01-24 | 1998-05-28 | 大同特殊鋼株式会社 | 高速度工具鋼 |
-
1983
- 1983-03-31 JP JP5667883A patent/JPS59182953A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59182953A (ja) | 1984-10-17 |
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