JPH0416060B2 - - Google Patents
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- JPH0416060B2 JPH0416060B2 JP60299029A JP29902985A JPH0416060B2 JP H0416060 B2 JPH0416060 B2 JP H0416060B2 JP 60299029 A JP60299029 A JP 60299029A JP 29902985 A JP29902985 A JP 29902985A JP H0416060 B2 JPH0416060 B2 JP H0416060B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester resin
- stretching
- film
- resin
- crystalline polyester
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
[発明の利用分野]
本発明は、厚み均一性に優れたヒートシール可
能なチーブラー法での共押出し延伸積層ポリエス
テルフイルムの製造方法に関する。 [従来技術] 従来より、二軸延伸ポリエステルフイルムは、
優れた耐熱性と機械的強度及び光学的特性を有す
るため、食品包材をはじめとする各種包材あるい
は工業用フイルムとして多用されている。ところ
がポリエステルフイルムは融点が高いためにヒー
トシール性に乏しく、従つて一般包材用途に供す
る場合は通常このポリエステルフイルムの表面に
ヒートシール性を有するポリオレフイン等のフイ
ルムをドライラミネートあるいは押出しラミネー
トしたり、またヒートシール性の良好な例えば塩
化ビニルー酢酸ビニル共重合体の如きコーテイン
グ剤を塗布してヒートシール性を付与する方法が
採られている。 しかしながら、これらの方法ではヒートシール
性の付与が二次工程で行われる関係上、工程が極
めて複雑でコスト高となり、しかもラミネートあ
るいは塗布工程で用いられる有機溶剤による引火
爆発等の危険性や衛生上の問題から、作業環境へ
の対応も必要であるなど、煩わしい数多くの問題
を抱えている。 一方かかる問題を解決するために、近年ホモポ
リエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂を共押
出しした後連続的に延伸する所謂共押出し延伸法
が提案され、多くの注目をあびているが、この共
押出し延伸法は熱的特性の異なる樹脂を一度に延
伸しようとするために、特にチユーブラー法で延
伸する場合はその条件設定が極めて困難で、安定
して延伸することすら容易でないばかりか、得ら
れるフイルムの厚さも周方向に不均一であるなど
決して満足できるものではなかつた。 [本発明が解決しようとする問題] 本発明は、かかる従来のホモポリエステル樹脂
と非晶性ポリエステル樹脂との共押出し延伸方法
にみられた延伸時の安定性と厚み均一性の問題を
一挙に解決した積層ポリエステルフイルムの製造
方法に係り、その目的とするところはヒートシー
ル性にして、しかも耐熱熱、機械的強度、光学的
性質等に優れた厚みの均一な積層ポリエステルフ
イルムを安定して製造し得る方法を提供する点に
有る。 [問題点を解決するための手段] 本発明者等はヒートシール性、耐熱性、機械的
強度及び光学的性質に優れ、しかも厚みが均一な
積層ポリエステルフイルムを安定して製造するた
めに、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエス
テル樹脂をチユーブラー法により共押出し延伸す
る方法について鋭意検討の結果、共押出し未延伸
フイルムのチユーブラー延伸法においては、延伸
の開始が周方向にほぼ同時に起こるような条件下
で延伸しないかぎり、満足できる厚み均一性に優
れた積層フイルムを安定して製造することができ
ず、しかもこれらは延伸の際の加熱温度等の条件
をいかに精度よくコントロールしても安定性の点
でどうしても限界があるとの結論に達し、かかる
知見のもと更に検討を進めたところ、支持体とし
ての結晶性ポリエステル樹脂を特定の結晶化誘導
時間を持つ共重合ポリエステル樹脂で構成すれば
厚み均一性と延伸安定性の問題が一挙に解決でき
ることを見出し本発明を完成させた。 即ち、本発明は、結晶性ポリエステル樹脂と非
晶性ポリエステル樹脂を別々の押出機に供給し、
ダイ内で接合させつつ同時に溶融押出し、急冷し
てなる全厚さの50%以上が結晶性ポリエステル樹
脂で構成されたチユーブ状共押出し未延伸フイル
ムを、上下のニツプロール間で加熱しながら圧縮
空気を吹き込むことにより同時二軸延伸し、更に
必要に応じて熱固定する積層フイルムの製造方法
において、該結晶性ポリエステル樹脂がその非晶
質無配向の状態下150℃の温度で結晶化した場合
に30乃至400秒の結晶化誘導時間を持つ共重合ポ
リエステル樹脂であることを特徴とする厚み均一
性に優れた積層ポリエステルフイルムの製造方法
に係るものである。 [作用] 以下、本発明の製造方法にもとずく作用を図面
を引用しながら詳しく説明する。 本発明の厚み均一性に優れた積層ポリエステル
フイルムの製造方法は、全厚さの50%以上を占め
る結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル
樹脂との共押出し未延伸フイルムをチユーブラー
法にて延伸するに際し、第1図に示す如く延伸の
開始が周方向に沿つてほぼ同時に起こるように延
伸することによつて、厚み均一性に優れた積層ポ
リエステルフイルムを安定して製造しようとする
ものである。 即ち、ポリエチレンテレフタレートに代表され
る結晶性ポリエステル樹脂は周知の如く70〜80℃
近辺にガラス転移温度を有するが、このガラス転
移温度を境にして分子の自由運動エネルギーが極
めて狭い温度範囲で極端に変化するため、これを
チユーブラー法で延伸する場合は第2図に示すよ
うに延伸開始点2が周方向の数個所以上に集中し
て不揃いになりやすく、それによつて延伸が不安
定となり、また得られるフイルムの厚みも不均一
なものになつてしまうのである。 かかる結晶性ポリエステル樹脂特有の不安定な
延伸によつて誘発されるフイルム厚み均一性の問
題は、本発明のように全厚さの50%以上が結晶性
ポリエステル樹脂で構成される共押出しフイルム
にも共通してみられる現象であるため、この種の
問題解決を計る目的で従来より温度分布を均一化
したり、あるいは温度勾配の最適条件を選択する
など、主として延伸操作の面から数多くの提案が
なされてきたが、これらの方法では延伸時のフイ
ルムの微妙な変化に対応しきれずどうしても限界
があり、従つて厚み均一性の問題に対して満足で
きる解決策とは言い難いのである。 本発明の厚み均一性に優れた積層ポリエステル
フイルムの製造方法は、結晶性ポリエステル樹脂
と非晶性ポリエステル樹脂よりなる共押出し未延
伸フイルムをチユーブラー法にて延伸するに際
し、支持体としての結晶性ポリエステル樹脂を
150℃の温度で結晶化させた場合に、30乃至400秒
の結晶化誘導時間を持つ共重合ポリエステル樹脂
で構成することによつて、延伸開始点の不揃いを
防止し、同時に厚み均一性と延伸安定性の問題を
も一挙に解決したものである。 即ち、本発明者等は結晶性ポリエステル樹脂を
支持体としてなる共押出し未延伸フイルムのチユ
ーブラー延伸の際に見られる厚み均一性と延伸安
定性の問題に関して、その根本的な要因である延
伸開始点の不揃いを防止するには支持体としての
結晶性ポリエステル樹脂を、ガラス転移温度を境
にして起こる分子の自由運動エネルギーがあ程度
の温度幅をもつて変化するような共重合ポリエス
テル樹脂で構成することが必須の要件であり、そ
してこれらの要件を満たす共重合ポリエステル樹
脂として、150℃の温度で結晶化させた場合に30
乃至400秒の結晶化誘導時間を持つポリエステル
樹脂が基本的に適用できることを見出し、本発明
に到達したものである。 ここで結晶化誘導時間とガラス転移温度を境に
して起こる分子の挙動変化との相関関係について
は完全には明らかでないが、おそらく結晶化誘導
時間を決定する直接の要因とみられる結晶化核生
成の難易度と、ガラス転移温度を境にして起こる
分子の挙動変化との間に何らかの関係があつて、
結晶化核の生成しにくい、換言すれば結晶化誘導
時間が長い樹脂ほどガラス転移温度を境にして分
子の挙動変化が緩やかに起こり、これが延伸開始
点の不揃い防止に大きく関与しているものと推察
される。 従つて本発明において、150℃での結晶化誘導
時間が30秒未満の共重合ポリエステル樹脂を用い
た場合は、ガラス転移温度を境とする分子の自由
運動エネルギーが比較的狭い温度範囲で変化する
ため、チユーブラー延伸時の延伸開始点の不揃い
を防止できず、その結果厚み均一性と延伸安定性
が悪化するものと考えられる。一方、150℃での
結晶化誘導時間が400秒より大きいポリエステル
樹脂を用いた場合は、チユーブラー延伸の際の延
伸開始点の不揃いは防止できるが、延伸による配
向結晶化が遅いため、延伸時のチユーブの安定性
が著しく悪化し、満足な延伸ができなくなる。 尚本発明でいう結晶化誘導時間とは、非晶質無
配向のポリマーを150℃のグリセリン浴中で等温
結晶化処理した場合の密度の変化によつて求める
ことができ、具体的には第3図に例示するように
処理初期の密度がほとんど変化しない部分Aの延
長線と、密度が急激に増加する部分Bの延伸線と
の交点Cにおける処理時間で表されるものであ
る。 本発明において、かかる結晶化誘導時間によつ
て特徴づけられる共重合ポリエステル樹脂とは、
テレフタル酸とエチレングリコールを出発原料と
するポリエステル樹脂のうち、テレフタル酸の一
部をイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の
ジカルボン酸に置き換えたもの、あるいはエチレ
ングリコールの一部をプロピレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等で置き換えた
共重合ポリエステル樹脂の単独又はこれらとポリ
エチレンテレフタレートとの混合物が使用可能で
あるが、要は150℃での結晶化誘導時間が30乃至
400秒にある共重合ポリエステル樹脂で有ること
が肝要であり、その最も好適な例としては、テレ
フタル酸90モル%とイソフタル酸10モル%からな
るジカルボン酸成分とエチレングリーコールから
合成される共重合ポリエステル樹脂が挙げられ
る。 またかかる共重合ポリエステル樹脂の片面又は
両面に共押出し積層される非晶性ポリエステル樹
脂とは、テレフタル酸とエチレングリコール及び
シクロヘキサンジメタノールの三成分からなる共
重合非晶性ポリエステルが好適であるが、その他
テレフタル酸及びイソフタル酸とシクロヘキサン
ジメタノールの三成分からなる共重合体あるいは
これらに準ずる非晶性ポリエステル樹脂でもさし
つかえなく、更に完全非晶性でなくてもヒートシ
ール性等において、これに近い性質を有する共重
合ポリエステル樹脂でも使用可能である。 またこれらポリエステル樹脂には、その性質を
大きく変えない範囲内でポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の熱可塑性樹脂を添加してもよく、更に
必要に応じて滑材、紫外線吸収剤、帯電防止剤等
を適宜添加してもさしつかえないことはいうまで
もない。 尚、本発明の積層ポリエステルフイルムは、前
記結晶性ポリエステル樹脂が、全厚さの50%以上
を占めるものでなければならず、その理由は結晶
性ポリエステル樹脂が全厚さの50%未満になると
延伸の際の配向結晶化が不充分で延伸が極めて不
安定になるばかりか、得られる積層フイルムの耐
熱性も悪化するという問題を有するためである。 ところで本発明の厚み均一性に優れた積層ポリ
エステルフイルムは次の工程を経て製造される。
即ち、前記結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリ
エステル樹脂は各々異なる押出機によつて同一口
金を有する環状ダイスに導かれチユーブ状に共押
出しされた後直ちに急冷される。こうして得たチ
ユーブ状共押出し未延伸フイルムは、適宜の予熱
過程を経た後、上下に配置されたニツプロールの
間で約60乃至120℃の温度に加熱しながら圧縮空
気を吹き込むことにより延伸されるが、その際、
フイルムの延伸は第1図に示すように延伸の開始
が未延伸フイルム1の周方向でほぼ同時に起こる
ため、延伸開始点2の狂いがほとんどなく、従つ
て延伸性が極めて安定で、しかも得られる積層フ
イルムの厚み均一性も極めて優れたものになる。
尚、かかる延伸操作は長手方向及び径方向の二方
向について行われ、更に必要に応じて熱固定する
ことにより本発明の目的とする積層ポリエステル
フイリムが得られる。 [実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に
説明するが、本発明は勿論これらの例に限定され
るものではない。 評価方法は、次の如くである。 (1) 延伸開始点の状態 延伸開始点のネツキング状態を評価したもの
で、延伸の開始が周方向にほぼ同時に起こつて
いる場合を(○)、時々不揃いになる場合を
(△)、常時不揃いの場合を(×)とした。 (2) 延伸安定性 延伸帯域てのバブルのふらつき、パンクの頻
度を評価したもので、これらを総合的にみて、
安定して延伸できたものを(良)、バルブのふ
らつきあるいはパンクが頻繁に発生したものを
(不良)とした。 (3) 厚み均一性 公称厚み12.4ミクロンに対する厚みのバラツ
キ範囲をA、B、Cにランク付けて評価したも
ので、バラツキ範囲が1.0ミクロンより小さい
ものを(A)、1.0乃至1.5ミクロンのものを(B)、1.5
ミクロンより大きいものを(C)とした。 実施例1〜4、比較例1〜4 第1表に示す結晶性ポリエステル樹脂を第1の
押出機に、またジカルボン酸成分がテレフタル
酸、ジオール成分が60モル%のエチレングリコー
ルと40モル%のシクロヘキサンジメタノールより
なる非晶性ポリエステル樹脂を第2の押出機にそ
れぞれ供給し、前記結晶性ポリエステル樹脂の全
厚さに占める比率が80%になるように同一口金か
ら非晶性ポリエステル樹脂と共に押出して、全厚
さが170ミクロンの二層未延伸チユーブを得た。
引続きこの未延伸チユーブを60乃至110℃に加熱
下圧縮空気を吹き込んで長手及び径方向にそれぞ
れ3.7倍づつ同時二軸延伸した後、更に180乃至
230℃の温度で緊張熱固定して公称厚み12.4ミク
ロンの積層ポリエステルフイルムを製造した。 これら積層ポリエステルフイルムの製造に際
し、結晶化誘導時間の種々異なる結晶性ポリエス
テル樹脂を用いた場合について、それぞれ延伸開
始点の状態及び延伸安定性と更に得られた積層ポ
リエステルフイルムの厚み均一性を評価した結果
を第1表にまとめたが、同表より結晶化誘導時間
が本発明の範囲にある結晶化ポリエステル樹脂を
用いた積層ポリエステルフイルムは、延伸の開始
が周方向に沿つてほぼ同時に起こつており、しか
も延伸時のバブルのふらつき、パンク等のトラブ
ルが長時間にわたつて全くなく、更に得られた積
層ポリエステルフイルムの厚み均一性も極めて優
れていることが確認された。
能なチーブラー法での共押出し延伸積層ポリエス
テルフイルムの製造方法に関する。 [従来技術] 従来より、二軸延伸ポリエステルフイルムは、
優れた耐熱性と機械的強度及び光学的特性を有す
るため、食品包材をはじめとする各種包材あるい
は工業用フイルムとして多用されている。ところ
がポリエステルフイルムは融点が高いためにヒー
トシール性に乏しく、従つて一般包材用途に供す
る場合は通常このポリエステルフイルムの表面に
ヒートシール性を有するポリオレフイン等のフイ
ルムをドライラミネートあるいは押出しラミネー
トしたり、またヒートシール性の良好な例えば塩
化ビニルー酢酸ビニル共重合体の如きコーテイン
グ剤を塗布してヒートシール性を付与する方法が
採られている。 しかしながら、これらの方法ではヒートシール
性の付与が二次工程で行われる関係上、工程が極
めて複雑でコスト高となり、しかもラミネートあ
るいは塗布工程で用いられる有機溶剤による引火
爆発等の危険性や衛生上の問題から、作業環境へ
の対応も必要であるなど、煩わしい数多くの問題
を抱えている。 一方かかる問題を解決するために、近年ホモポ
リエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂を共押
出しした後連続的に延伸する所謂共押出し延伸法
が提案され、多くの注目をあびているが、この共
押出し延伸法は熱的特性の異なる樹脂を一度に延
伸しようとするために、特にチユーブラー法で延
伸する場合はその条件設定が極めて困難で、安定
して延伸することすら容易でないばかりか、得ら
れるフイルムの厚さも周方向に不均一であるなど
決して満足できるものではなかつた。 [本発明が解決しようとする問題] 本発明は、かかる従来のホモポリエステル樹脂
と非晶性ポリエステル樹脂との共押出し延伸方法
にみられた延伸時の安定性と厚み均一性の問題を
一挙に解決した積層ポリエステルフイルムの製造
方法に係り、その目的とするところはヒートシー
ル性にして、しかも耐熱熱、機械的強度、光学的
性質等に優れた厚みの均一な積層ポリエステルフ
イルムを安定して製造し得る方法を提供する点に
有る。 [問題点を解決するための手段] 本発明者等はヒートシール性、耐熱性、機械的
強度及び光学的性質に優れ、しかも厚みが均一な
積層ポリエステルフイルムを安定して製造するた
めに、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエス
テル樹脂をチユーブラー法により共押出し延伸す
る方法について鋭意検討の結果、共押出し未延伸
フイルムのチユーブラー延伸法においては、延伸
の開始が周方向にほぼ同時に起こるような条件下
で延伸しないかぎり、満足できる厚み均一性に優
れた積層フイルムを安定して製造することができ
ず、しかもこれらは延伸の際の加熱温度等の条件
をいかに精度よくコントロールしても安定性の点
でどうしても限界があるとの結論に達し、かかる
知見のもと更に検討を進めたところ、支持体とし
ての結晶性ポリエステル樹脂を特定の結晶化誘導
時間を持つ共重合ポリエステル樹脂で構成すれば
厚み均一性と延伸安定性の問題が一挙に解決でき
ることを見出し本発明を完成させた。 即ち、本発明は、結晶性ポリエステル樹脂と非
晶性ポリエステル樹脂を別々の押出機に供給し、
ダイ内で接合させつつ同時に溶融押出し、急冷し
てなる全厚さの50%以上が結晶性ポリエステル樹
脂で構成されたチユーブ状共押出し未延伸フイル
ムを、上下のニツプロール間で加熱しながら圧縮
空気を吹き込むことにより同時二軸延伸し、更に
必要に応じて熱固定する積層フイルムの製造方法
において、該結晶性ポリエステル樹脂がその非晶
質無配向の状態下150℃の温度で結晶化した場合
に30乃至400秒の結晶化誘導時間を持つ共重合ポ
リエステル樹脂であることを特徴とする厚み均一
性に優れた積層ポリエステルフイルムの製造方法
に係るものである。 [作用] 以下、本発明の製造方法にもとずく作用を図面
を引用しながら詳しく説明する。 本発明の厚み均一性に優れた積層ポリエステル
フイルムの製造方法は、全厚さの50%以上を占め
る結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル
樹脂との共押出し未延伸フイルムをチユーブラー
法にて延伸するに際し、第1図に示す如く延伸の
開始が周方向に沿つてほぼ同時に起こるように延
伸することによつて、厚み均一性に優れた積層ポ
リエステルフイルムを安定して製造しようとする
ものである。 即ち、ポリエチレンテレフタレートに代表され
る結晶性ポリエステル樹脂は周知の如く70〜80℃
近辺にガラス転移温度を有するが、このガラス転
移温度を境にして分子の自由運動エネルギーが極
めて狭い温度範囲で極端に変化するため、これを
チユーブラー法で延伸する場合は第2図に示すよ
うに延伸開始点2が周方向の数個所以上に集中し
て不揃いになりやすく、それによつて延伸が不安
定となり、また得られるフイルムの厚みも不均一
なものになつてしまうのである。 かかる結晶性ポリエステル樹脂特有の不安定な
延伸によつて誘発されるフイルム厚み均一性の問
題は、本発明のように全厚さの50%以上が結晶性
ポリエステル樹脂で構成される共押出しフイルム
にも共通してみられる現象であるため、この種の
問題解決を計る目的で従来より温度分布を均一化
したり、あるいは温度勾配の最適条件を選択する
など、主として延伸操作の面から数多くの提案が
なされてきたが、これらの方法では延伸時のフイ
ルムの微妙な変化に対応しきれずどうしても限界
があり、従つて厚み均一性の問題に対して満足で
きる解決策とは言い難いのである。 本発明の厚み均一性に優れた積層ポリエステル
フイルムの製造方法は、結晶性ポリエステル樹脂
と非晶性ポリエステル樹脂よりなる共押出し未延
伸フイルムをチユーブラー法にて延伸するに際
し、支持体としての結晶性ポリエステル樹脂を
150℃の温度で結晶化させた場合に、30乃至400秒
の結晶化誘導時間を持つ共重合ポリエステル樹脂
で構成することによつて、延伸開始点の不揃いを
防止し、同時に厚み均一性と延伸安定性の問題を
も一挙に解決したものである。 即ち、本発明者等は結晶性ポリエステル樹脂を
支持体としてなる共押出し未延伸フイルムのチユ
ーブラー延伸の際に見られる厚み均一性と延伸安
定性の問題に関して、その根本的な要因である延
伸開始点の不揃いを防止するには支持体としての
結晶性ポリエステル樹脂を、ガラス転移温度を境
にして起こる分子の自由運動エネルギーがあ程度
の温度幅をもつて変化するような共重合ポリエス
テル樹脂で構成することが必須の要件であり、そ
してこれらの要件を満たす共重合ポリエステル樹
脂として、150℃の温度で結晶化させた場合に30
乃至400秒の結晶化誘導時間を持つポリエステル
樹脂が基本的に適用できることを見出し、本発明
に到達したものである。 ここで結晶化誘導時間とガラス転移温度を境に
して起こる分子の挙動変化との相関関係について
は完全には明らかでないが、おそらく結晶化誘導
時間を決定する直接の要因とみられる結晶化核生
成の難易度と、ガラス転移温度を境にして起こる
分子の挙動変化との間に何らかの関係があつて、
結晶化核の生成しにくい、換言すれば結晶化誘導
時間が長い樹脂ほどガラス転移温度を境にして分
子の挙動変化が緩やかに起こり、これが延伸開始
点の不揃い防止に大きく関与しているものと推察
される。 従つて本発明において、150℃での結晶化誘導
時間が30秒未満の共重合ポリエステル樹脂を用い
た場合は、ガラス転移温度を境とする分子の自由
運動エネルギーが比較的狭い温度範囲で変化する
ため、チユーブラー延伸時の延伸開始点の不揃い
を防止できず、その結果厚み均一性と延伸安定性
が悪化するものと考えられる。一方、150℃での
結晶化誘導時間が400秒より大きいポリエステル
樹脂を用いた場合は、チユーブラー延伸の際の延
伸開始点の不揃いは防止できるが、延伸による配
向結晶化が遅いため、延伸時のチユーブの安定性
が著しく悪化し、満足な延伸ができなくなる。 尚本発明でいう結晶化誘導時間とは、非晶質無
配向のポリマーを150℃のグリセリン浴中で等温
結晶化処理した場合の密度の変化によつて求める
ことができ、具体的には第3図に例示するように
処理初期の密度がほとんど変化しない部分Aの延
長線と、密度が急激に増加する部分Bの延伸線と
の交点Cにおける処理時間で表されるものであ
る。 本発明において、かかる結晶化誘導時間によつ
て特徴づけられる共重合ポリエステル樹脂とは、
テレフタル酸とエチレングリコールを出発原料と
するポリエステル樹脂のうち、テレフタル酸の一
部をイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の
ジカルボン酸に置き換えたもの、あるいはエチレ
ングリコールの一部をプロピレングリコール、テ
トラメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール等で置き換えた
共重合ポリエステル樹脂の単独又はこれらとポリ
エチレンテレフタレートとの混合物が使用可能で
あるが、要は150℃での結晶化誘導時間が30乃至
400秒にある共重合ポリエステル樹脂で有ること
が肝要であり、その最も好適な例としては、テレ
フタル酸90モル%とイソフタル酸10モル%からな
るジカルボン酸成分とエチレングリーコールから
合成される共重合ポリエステル樹脂が挙げられ
る。 またかかる共重合ポリエステル樹脂の片面又は
両面に共押出し積層される非晶性ポリエステル樹
脂とは、テレフタル酸とエチレングリコール及び
シクロヘキサンジメタノールの三成分からなる共
重合非晶性ポリエステルが好適であるが、その他
テレフタル酸及びイソフタル酸とシクロヘキサン
ジメタノールの三成分からなる共重合体あるいは
これらに準ずる非晶性ポリエステル樹脂でもさし
つかえなく、更に完全非晶性でなくてもヒートシ
ール性等において、これに近い性質を有する共重
合ポリエステル樹脂でも使用可能である。 またこれらポリエステル樹脂には、その性質を
大きく変えない範囲内でポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の熱可塑性樹脂を添加してもよく、更に
必要に応じて滑材、紫外線吸収剤、帯電防止剤等
を適宜添加してもさしつかえないことはいうまで
もない。 尚、本発明の積層ポリエステルフイルムは、前
記結晶性ポリエステル樹脂が、全厚さの50%以上
を占めるものでなければならず、その理由は結晶
性ポリエステル樹脂が全厚さの50%未満になると
延伸の際の配向結晶化が不充分で延伸が極めて不
安定になるばかりか、得られる積層フイルムの耐
熱性も悪化するという問題を有するためである。 ところで本発明の厚み均一性に優れた積層ポリ
エステルフイルムは次の工程を経て製造される。
即ち、前記結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリ
エステル樹脂は各々異なる押出機によつて同一口
金を有する環状ダイスに導かれチユーブ状に共押
出しされた後直ちに急冷される。こうして得たチ
ユーブ状共押出し未延伸フイルムは、適宜の予熱
過程を経た後、上下に配置されたニツプロールの
間で約60乃至120℃の温度に加熱しながら圧縮空
気を吹き込むことにより延伸されるが、その際、
フイルムの延伸は第1図に示すように延伸の開始
が未延伸フイルム1の周方向でほぼ同時に起こる
ため、延伸開始点2の狂いがほとんどなく、従つ
て延伸性が極めて安定で、しかも得られる積層フ
イルムの厚み均一性も極めて優れたものになる。
尚、かかる延伸操作は長手方向及び径方向の二方
向について行われ、更に必要に応じて熱固定する
ことにより本発明の目的とする積層ポリエステル
フイリムが得られる。 [実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に
説明するが、本発明は勿論これらの例に限定され
るものではない。 評価方法は、次の如くである。 (1) 延伸開始点の状態 延伸開始点のネツキング状態を評価したもの
で、延伸の開始が周方向にほぼ同時に起こつて
いる場合を(○)、時々不揃いになる場合を
(△)、常時不揃いの場合を(×)とした。 (2) 延伸安定性 延伸帯域てのバブルのふらつき、パンクの頻
度を評価したもので、これらを総合的にみて、
安定して延伸できたものを(良)、バルブのふ
らつきあるいはパンクが頻繁に発生したものを
(不良)とした。 (3) 厚み均一性 公称厚み12.4ミクロンに対する厚みのバラツ
キ範囲をA、B、Cにランク付けて評価したも
ので、バラツキ範囲が1.0ミクロンより小さい
ものを(A)、1.0乃至1.5ミクロンのものを(B)、1.5
ミクロンより大きいものを(C)とした。 実施例1〜4、比較例1〜4 第1表に示す結晶性ポリエステル樹脂を第1の
押出機に、またジカルボン酸成分がテレフタル
酸、ジオール成分が60モル%のエチレングリコー
ルと40モル%のシクロヘキサンジメタノールより
なる非晶性ポリエステル樹脂を第2の押出機にそ
れぞれ供給し、前記結晶性ポリエステル樹脂の全
厚さに占める比率が80%になるように同一口金か
ら非晶性ポリエステル樹脂と共に押出して、全厚
さが170ミクロンの二層未延伸チユーブを得た。
引続きこの未延伸チユーブを60乃至110℃に加熱
下圧縮空気を吹き込んで長手及び径方向にそれぞ
れ3.7倍づつ同時二軸延伸した後、更に180乃至
230℃の温度で緊張熱固定して公称厚み12.4ミク
ロンの積層ポリエステルフイルムを製造した。 これら積層ポリエステルフイルムの製造に際
し、結晶化誘導時間の種々異なる結晶性ポリエス
テル樹脂を用いた場合について、それぞれ延伸開
始点の状態及び延伸安定性と更に得られた積層ポ
リエステルフイルムの厚み均一性を評価した結果
を第1表にまとめたが、同表より結晶化誘導時間
が本発明の範囲にある結晶化ポリエステル樹脂を
用いた積層ポリエステルフイルムは、延伸の開始
が周方向に沿つてほぼ同時に起こつており、しか
も延伸時のバブルのふらつき、パンク等のトラブ
ルが長時間にわたつて全くなく、更に得られた積
層ポリエステルフイルムの厚み均一性も極めて優
れていることが確認された。
【表】
【表】
[発明の効果]
以上の如き本発明の製造方法によつて得られる
積層ポリエステルフイルムは、チユーブラー延伸
の際の所謂ネツキング部分が極めて安定している
ために、得られたフイルムの厚み均一性が良好で
あるほか、ヒートシール性、耐熱性、機械的強
度、光学的性質等にも優れたものである。 また本発明の製造方法は、かかる優れた諸性質
を兼備する積層ポリエステルフイルムを共押出し
延伸法によつて安定して製造することができるた
め、歩留りが高く、しかも煩雑な工程を必要とし
ないので、その工業的利用価値は極めて高いもの
である。
積層ポリエステルフイルムは、チユーブラー延伸
の際の所謂ネツキング部分が極めて安定している
ために、得られたフイルムの厚み均一性が良好で
あるほか、ヒートシール性、耐熱性、機械的強
度、光学的性質等にも優れたものである。 また本発明の製造方法は、かかる優れた諸性質
を兼備する積層ポリエステルフイルムを共押出し
延伸法によつて安定して製造することができるた
め、歩留りが高く、しかも煩雑な工程を必要とし
ないので、その工業的利用価値は極めて高いもの
である。
第1図は、本発明製造方法における延伸開始部
分の一例を示す説明図であり、第2図は従来の積
層ポリエステルフイルムのチユーブラー延伸時に
みられた延伸開始部分を示す説明図である。また
第3図は、非晶質無配向ポリマーの等温結晶化処
理における密度の時間変化を示す図である。 1……チユーブ状共押出し未延伸フイルム、2
……延伸開始点、A……結晶化初期の密度がほと
んど変化しない部分、B……密度が急激に増加す
る部分、C……結晶化誘導時間(AとBの延長線
の交点までの時間)。
分の一例を示す説明図であり、第2図は従来の積
層ポリエステルフイルムのチユーブラー延伸時に
みられた延伸開始部分を示す説明図である。また
第3図は、非晶質無配向ポリマーの等温結晶化処
理における密度の時間変化を示す図である。 1……チユーブ状共押出し未延伸フイルム、2
……延伸開始点、A……結晶化初期の密度がほと
んど変化しない部分、B……密度が急激に増加す
る部分、C……結晶化誘導時間(AとBの延長線
の交点までの時間)。
Claims (1)
- 1 結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステ
ル樹脂を別々の押出機に供給し、ダイ内で接合さ
せつつ同時に溶融押出し、急冷してなる全厚さの
50%以上が結晶性ポリエステル樹脂で構成された
チユーブ状共押出し未延伸フイルムを、上下のニ
ツプロール間で加熱しながら圧縮空気を吹き込む
ことにより同時二軸延伸し、更に必要に応じて熱
固定する積層フイルムの製造方法において、該結
晶性ポリエステル樹脂が、その非晶質無配向の状
態下150℃の温度で結晶化した場合に30乃至400秒
の結晶化誘導時間を持つ共重合ポリエステル樹脂
であることを特徴とする厚み均一性に優れた積層
ポリエステルフイルの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60299029A JPS62156925A (ja) | 1985-12-28 | 1985-12-28 | 厚み均一性に優れた積層ポリエステルフイルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60299029A JPS62156925A (ja) | 1985-12-28 | 1985-12-28 | 厚み均一性に優れた積層ポリエステルフイルムの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62156925A JPS62156925A (ja) | 1987-07-11 |
| JPH0416060B2 true JPH0416060B2 (ja) | 1992-03-19 |
Family
ID=17867293
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60299029A Granted JPS62156925A (ja) | 1985-12-28 | 1985-12-28 | 厚み均一性に優れた積層ポリエステルフイルムの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62156925A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH03121825A (ja) * | 1989-10-05 | 1991-05-23 | Unitika Ltd | 低温ヒートシール性ポリエステルフィルムの製造方法 |
| JPH03258437A (ja) * | 1990-03-06 | 1991-11-18 | Kubota Corp | 石膏型製作用芯金 |
| JPH088815Y2 (ja) * | 1990-05-21 | 1996-03-13 | 凸版印刷株式会社 | 積層包装材料 |
-
1985
- 1985-12-28 JP JP60299029A patent/JPS62156925A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62156925A (ja) | 1987-07-11 |
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