JPH0419292B2 - - Google Patents
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- JPH0419292B2 JPH0419292B2 JP58170805A JP17080583A JPH0419292B2 JP H0419292 B2 JPH0419292 B2 JP H0419292B2 JP 58170805 A JP58170805 A JP 58170805A JP 17080583 A JP17080583 A JP 17080583A JP H0419292 B2 JPH0419292 B2 JP H0419292B2
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Description
本発明は印刷版用高強度アルミニウム合金冷間
圧延板に関するものである。 現在アルミニウムは平版印刷版を製造する基材
として広く使用されている。そして、アルミニウ
ムの平版印刷版はアルミニウム表面を粗面化して
砂目を形成させ、感光性組成物を塗布しこれを露
光現像して印刷すべき画像部をレジスト層として
残すことによつて得られる。 しかして、アルミニウム表面に砂目を形成させ
る目的は2つあり、その第一は印刷操作中に刷版
に適切な保水性を与えること、第二にホトレジス
ト被覆とアルミニウム表面との接着性を高め、充
分な耐刷力を与えることである。 この砂目立ての方法としては、ボールグレイニ
ング、ワイヤーグレイニング、ブラシグレーニン
グ等の機械的方法や酸またはアルカリ溶液中でエ
ツチングする化学的方法、さらに、主として酸系
の溶液中で電解エツチングする電気化学的方法等
が実用化されている。しかして、機械的砂目立て
法を行なう場合の問題点は、機械や研磨剤の調整
に相当の熟練度を必要とすること、粗面化された
アルミニウム板の表面に食い込んだ研磨剤、アル
ミニウム屑等を取除く作業を要することであり、
また、化学的砂目立て法の問題は、浴組成、浴温
度等を可成り狭い範囲に管理する必要があるばか
りでなく、平版印刷版支持体として必要な表面粗
さを得るために、比較的長時間のエツチングを要
することであり、さらに、最も高性能の砂目が得
られる電気化学的砂目立て法を採用した場合は、
その電力消費が印刷版の製造原価に占める割合が
相当大きくなるという問題がある。 このような砂目立て法の問題点を解消する方法
として、特開昭55−074898号公報にはグレーニン
グ面を有するロールにアルミニウムを通して、深
さ3.5μ以下の孔を形成させること特徴とする砂目
製造法が記載されている。この公報の砂目立て法
は、操作が単純で、かつ、従来の機械的砂目立て
法のように、研磨剤、アルミニウム屑等を取除く
作業は不要で、さらに、処理速度も大きいので製
造プロセスが大幅に合理化される可能性を有して
いるが、プレスにより孔を作成する際、孔の深さ
だけをコントロールしたのでは、平版印刷版とし
ての好ましい砂目を提供することができず、この
方法は未だ実用化に致つていない。また、特開昭
54−063902号公報には、ブラシ研磨により比較的
粗い大きなピツチの凹構造を形成させ、次いで、
化学洗浄により研磨剤やアルミニウム屑を化学的
に除去させた後、電気化学エツチングにより微細
なピツチの凹構造を形成させることにより、大き
なピツチと小さなピツチの二種の凹構造を有する
砂目立の製造法が記載されているが、このよう
な、粗面構造を有する砂目は印刷版としての保水
性、レジストの接着性の点で優れているが、この
公報記載の方法では製造プロセスが複雑となり、
製造コストが高くなるという問題点があり、即
ち、機械的砂目立て法と電気化学的砂目立て法の
両方の問題点を有する。 一方、従来平版印刷版用アルミニウム合金板と
しては機械的粗面化法に対してA1050、A1100、
A3003に相当する材料が用いられ、電解粗面化法
に対しては電解粗面化のし易さの点からA1050相
当材が用いられている。しかしながら、純アルミ
ニウムを薄肉化すると取扱い時の「折れ」「ペ
コ」、印刷時の「版の伸び」の問題が発生し易く、
バーニング処理(通常200〜300℃で3〜10分間)
を施した場合には、これらの問題がさらに顕著と
なる。このA1050相当材では冷間圧延により強度
上昇をしても耐力(0.2%耐力以下では単に耐力
という)はせいぜい15Kg/mm2程度しかならないた
め、特に、大面積の版の場合には、板厚0.24mm以
上の印刷版支持体でなければ上記の問題点が発生
し印刷版として使用しにくい面があつた。 本発明者はこのような事情に鑑み、支持体の薄
肉化を可能にし、かつ、その粗面化プロセスを大
幅に合理化し、平版印刷版支持体としての性能を
満足する印刷版用アルミニウム合金冷間圧延板を
開発した。そして、この支持体の薄肉化の要求に
対して、先ず、取扱い性、特に、ハンドリング時
の「折れ」についてアルミニウム合金の板厚と耐
力との関係を究明した。 「折れ」の評価に当つて第1図に示す評価法が
最適である。この評価法は幅15mmのアルミニウム
板の一端を水平に固定し、固定端より100mmの先
端部に荷重を負荷し除荷した時の「折れ」が観察
される時の最低荷重を求めるものである。この方
法で生じる最低荷重(W「g」と耐力(σ0.2〔Kg/
mm〕)および板厚(t〔mm〕)の関係を求めると、 W≒0.6×σ2.3 0.2×t1.9 となり、A1050材Iの0.24mm厚と同等以上の性能
を有する耐力−板厚領域は第2図斜線部Hとな
る。即ち、A1050材0.24mm厚を比較した場合、 板厚が0.22mmであれば耐力16Kg/mm2以上 板厚が0.17mmであれば耐力20Kg/mm2以上 板厚が0.14mmであれば耐力24Kg/mm2以上であれ
ば、同等の耐「折れ」性能が得られることは明ら
かである。 このような評価結果から、本発明者は薄肉化を
行なつても取扱い性の低下しない強度値を究明
し、さらに、強度向上のための含有元素として基
本的にMn、Feを選択し、かつ、これらを含有す
る系のアルミニウム合金に長円状のプレス凹部を
形成することにより本発明に係る印刷版用高強度
アルミニウム合金冷間圧延板を完成した。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板は、 (1) Mn 0.3〜2wt%、 Fe 0.05〜0.8wt% を含有し、残部不純物およびAlからなるアルミ
ニウム合金冷間圧延板であつて、板厚0.05〜0.3
mmで、この板厚において0.2%耐力が16Kg/mm2以上
であり、かつ、表面に長円状のプレス凹部を有
し、このプレス凹部が互いに独立或いは一部重な
り合つて波状模様を形成していることを特徴とす
る印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板。 (2) Mn 0.3〜2wt%、 Fe 0.05〜0.8wt% を含有し、さらに、 Cu 0.05〜1wt%、 Mg 0.1〜2wt% の何れか1種以上 を含有し、残部不純物およびAlからなるアルミ
ニウム合金冷間圧延板であつて、板厚0.05〜0.3
mmで、この板厚において0.2%耐力が16Kg/mm2以上
であり、かつ、表面に長円状のプレス凹部を有
し、このプレス凹部が互いに独立或いは一部重な
り合つて波状模様を形成していることを特徴とす
る印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板。 を特徴とするものである。 なお、本発明に係る印刷版用高強度アルミニウ
ム合金冷間圧延板においては、 1) 0.2%耐力(σ0.2耐力、Kg/mm2)と板厚(t、
mm)の関係が、 σ2.3 0.2×t1.9≧32 であること 2) 表面の長円状のプレス凹部が、長軸平均長
さ10〜140μm、短軸平均長さ7〜80μm、中心
線平均粗さ0.3〜1.5μmであること、 3) 表面の長円状のプレス凹部の密度が、200
個/mm2以上であること、 4) 0.05〜0.3mmの板厚において、2.5μm以上
25μm以下の共晶化合物が500個/mm2以上存在す
る表面に、長円状のプレス凹部と電気化学的エ
ツチングにより形成された1〜10μmの微細凹
部とが混在すること、 が好ましい。 本発明に係る印刷版用アルミニウム合金冷間圧
延板は、単に強度が高く粗面化プロセスを合理化
しただけではなく、電解粗面化性を著しく改善し
たものであり、しかして、従来材のA1050材は素
材の製造工程の影響が少なく交流電解粗面化性が
全般的に良好であるが、通常のA3003材は交流電
解粗面化時にエツチングムラが発生し易いため、
電解粗面化支持体用としては使用が困難であつ
た。 そこで本発明者はアルミニウム合金の交流電解
粗面化に関して鋭意研究した結果優れた材料を見
出した。即ち、Al−Mn系合金を交流電解法によ
り粗面化を行なう場合に、電気化学的特性からエ
ツチングの開始点は〔共晶化合物〕/〔マトリツ
クス〕並びに〔析出化合物〕/〔マトリツクス〕
の界面であり、適当な高さピツチの粗面を得るた
めには適当な共晶化合物分布および適当な析出物
分布状態に調整することが必要であることを究明
したので以下説明する。 即ち、鋳造時に形成されるAl−Mn−Fe系等の
共晶化合物は通常1μm〜数10μmであり、析出物
に比較して大きいため、適当な粗面状況(適当な
粗度Raおよび望ましいピツトピツチ)とするた
めには、共晶化合物のコントロールが必要であ
り、即ち、適当なピツトピツチとするためには共
晶化合物は500個/mm2以上とする必要である。ま
た、化合物サイズが巨大となり過ぎ20μmを越え
るとそれ自体で巨大なピツトとなるため、20μm
以下に調整しなければならない。共晶化合物は
1μm前後のものであつても、電解粗面化条件によ
りピツトサイズが充分な大きさにまでコントロー
ルできるためエツチングの核として充分である。
従つて、共晶化合物分布としては、20μm以下の
大きさの比較的粗大な化合物が500〜50000個/mm2
の存在が必要である。しかし、粗面状況をより望
ましい状態にコントロールするためには、最長部
が2.5μm以上の粗大な共晶化合物を1000〜10000
個/mm2に調整する。本発明に係る印刷版用アルミ
ニウム合金冷間圧延板は、共晶化合物を微細
(3μm程度以下)とすることにより適正ピツトを
形成する特開昭58−001592号公報および特開昭58
−001047号公報と、共晶化合物を比較的粗大とす
ることにおいて基本的に相違している。 そして、鋳塊均熱等の熱処理により形成される
析出化合物はエツチングの開始点(以下有効核と
いう)となるが、電気化学的エツチング(電解粗
面化)のみで平版印刷版として必要な粗度の値を
得ようとする場合には、400〜500℃の温度で形成
されるような微細な析出物(0.2μm前後)の数を
できるだけ少なくする必要がある。しかし、本発
明に係る印刷版用アルミニウム合金冷間圧延板に
おいては、プレスによる凹部と組合せることによ
りこの問題を解決したもので、従つて本発明に係
る印刷版用アルミニウム合金冷間圧延板は従来の
電解粗面化用材料に比べて比較的自由に熱処理条
件を設定できる。 次に、本発明に係る印刷版用高強度アルミニウ
ム合金冷間圧延板の含有成分および成分割合につ
いて説明する。 Mnは強度向上、取扱い性向上のためおよび電
解粗面化面の均一化のために含有させる元素であ
り、含有量が0.3wt%未満ではこのような効果が
少なく、また、2wt%を越える含有量では強度向
上、取扱い性向上の効果が飽和し、かつ、20μm
以上の粗大なAl−Mn系およびAl−Mn−Fe系の
共晶化合物の形成により電解粗面化面の均一化が
図れなくなる。よつて、Mn含有量は0.3〜2wt%
とする。 FeはMnの晶出を助長し、電解粗面化面の均一
効果を高めるためおよび強度向上のために含有さ
せる元素であり、含有量が0.05wt%未満では共晶
化合物の形成数およびサイズが充分でなく均一な
粗面が得られ難く、また、0.8wt%を越えて含有
させるとMn含有と相俟つて粗大な共晶化合物が
形成され電解粗面化面が不均一となり易い。よつ
て、Fe含有量は0.05〜0.8wt%とする。 Mn含有量が1.5wt%を越えると充分なAl−Mn
系共晶化合物の晶出があるので、Fe含有量は少
量でも性能上問題はないのである。 上記したMnおよびFeの外に、Mg、Cuを必要
に応じ含有させてもよく、Mgは強度向上、取扱
い性向上のため有効な元素であり、含有量が
0.1wt%未満ではこの効果は少なく、2wt%を越
えて含有されると本発明に係る印刷版用アルミニ
ウム合金冷間圧延板の特色の1つであるバーニン
グ処理時の低耐力低下率の効果が減少するので、
Mg含有量は0.1〜2wt%とするが、特に、低耐力
低下率を考えるならば、1wt%以下とするのがよ
く、Cuについては、〔共晶化合物〕/〔マトリツ
クス〕の電位差を高め電解粗面化によるエツチン
グ効果を高くするためおよび強度向上のために有
効な元素であり、含有量が0.05wt%未満ではこの
効果が少なく、また、1wt%を越える含有量では
電解粗面化時の溶解が過剰となり好ましくないの
で、Cu含有量は0.05〜1wt%とする。 不純物については、通常市販の工業用純アルミ
ニウムに含有される程度であれば差支えないが、
電解粗面化処理を施す場合には鋳塊組織の微細化
のためのTiの含有は、Al−Ti粒子および/また
はTi−B粒子の凝集を生じ易く、電解粗面化処
理により不均一な粗面になり易いのでTiの含有
は0.05wt%以下とするのがよく、同様にSiは
0.5wt%を越えて含有されると電解粗面化処理に
より未エツチング部が出現し易くなる傾向を示す
のでSiは0.5wt%以下とする。 上記に説明した含有成分および成分割合のアル
ミニウム合金の溶湯を常法に従いフイルターを通
過させ鋳造する。通常アルミニウムおよびアルミ
ニウム合金溶湯中には非金属介在物、酸化物等の
異物が存在するため、これを除去しなければ電解
粗面化、特に異物に起因するエツチングムラが発
生するのでフイルターを通過させる。また、鋳造
に際しては共晶化合物の分布を適正とするため冷
却速度1℃/sec以上で凝固させるが、1℃/sec
未満では20μmを越える共晶化合物が多数形成さ
れ、電解粗面化面を不均一とする。 この鋳塊を面削し均質化加熱し熱間圧延を行な
う。この時の均質化条件は500〜610℃×48Hr以
下とし、本発明に係る印刷版用アルミニウム合金
冷間圧延板は400〜500℃の温度で約0.2μmのAl−
Mn系析出物が多量に形成され易く、これら多数
の析出物の存在は充分な程度の電解粗面化が得ら
れ難くし、中間焼鈍時の再結晶粒を粗大化し、そ
の結果繰返し曲げ寿命が低下するため、500℃以
上の温度で均熱する。そして、この500℃以上の
温度では上記のように析出物形成量が少ないので
共晶化合物より表面拡大される電解粗面に対して
悪影響を与えることがなく、また、610℃を越え
る温度および48Hrを越える時間では、その効果
が飽和してしまい不経済である。 熱間圧延に関しては、アルミニウム合金の含有
成分および成分割合および鋳造時冷却速度を適正
に組合せて適正な共晶化合物分布とし、かつ、適
正な均熱条件であれば特に厳密に管理する必要は
ない。 熱間圧延終了後、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧
延を行なうが、中間焼鈍において、取扱い性向上
のために焼鈍前の冷間圧延量が充分であれば、徐
熱・徐冷方式および急熱・急冷方式の何れの方式
でも問題はない。しかし、再結晶粒サイズ(平均
粒径150μm以下)を得るためには、急熱・急冷方
式で300〜600℃×12Hr以下で100℃/min以上の
速度で昇温、降温するのがよい。そして、300℃
未満では再結晶で完全でなく、600℃を越える温
度および12Hrを越える時間ではこれ以上の効果
が期待できず不経済である。 なお、再結晶粒径が150μmを越える場合は、冷
間圧延終了時のアルミニウム合金板表面に筋模様
が肉眼視され商品価値を失なうと共に、繰返し曲
げ寿命を減少するので、150μm以下とする。 中間焼鈍後、20%以上の冷間圧延率で最終冷間
圧延を行ない、16Kg/mm2以上に強度を調整し、
0.05〜0.3mmのアルミニウム合金板とし、このア
ルミニウム合金板の調質は本発明に係る印刷版用
アルミニウム合金冷間圧延板における性能が得ら
れる限りにおいて、H1n,H2n、(H3n)の何れで
もよい。 また、本発明に係る印刷版用アルミニウム合金
冷間圧延板は印刷版としての使用時にバーニング
処理時の耐力低下率を20%以下に抑えることがで
き、純アルミニウムの場合の40%程度と比較して
取扱い性はさらに向上させることができる。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板では、中間焼鈍以後の冷間圧延工程に
おいて少くとも、最終1パスを規定された表面形
状を有する粗面化ロールを用いて圧延することに
より、ロールの表面形状をアルミニウム合金板表
面に転写する。この粗面ロールは、例えば、鋼製
および酸化物或いはカーバイド等の100〜1000μ
の微粒子をインペラー回転数1500〜3000rpm、グ
リツド投入量100〜500Kg/minの条件で回転中の
ロールに噴射させて製造しする。このロールを用
いてアルミニウム合金を圧延する際の1パス当り
の圧下率は3〜50%が好ましく、必要に応じて複
数回圧延することも可能である。そして、圧延さ
れたアルミニウム合金板は表面に長円状の凹部が
密に並び、かつ、フリンジが一部重なり合つて波
状模様を形成している。この長円状凹部の深さ
は、保水性、小点再現性の点から中心線平均粗さ
Raは0.3〜1.5μとする。この中心線平均粗さが
0.3μ未満では保水性が不充分であり、1.5μを越え
ると小点再現性が低下する。また、この長円状凹
部の大きさは平均で、長軸方向10〜140μ、短軸
方向7〜80μが保水性、小点再現性、レジストの
接着性の点からこの範囲とする。長円状凹部の大
きさがこれより大きくなると接着性、小点再現性
が低下し、また、長円状凹部の密度は200〜15000
個/mm2とし、この範囲の密度で、長円状凹部のフ
リンジは一部が重なり合い、全体として波状模様
を形成する。この密度が低いとレジストの接着
性、保水性が低下する。このように、プレスによ
り長円状の凹部が形成されたアルミニウム合金板
は、そのままで平版印刷版用支持体として使用す
ることができる。 しかして、さらに平版印刷版としての性能を改
善するために、電気化学エツチング処理を行なつ
て小さなピツチの凹部を形成させることもでき
る。即ち、プレス加工だけの砂目では表面に光沢
があり製版を行なつた時の小点や、印刷作業中の
水上り状況等が見え難いという場合があるので、
この問題解決の手段として電気化学エツチングに
よりさらに微細な凹部パターンを付与するのであ
る。そして、この電気化学エツチングは塩酸また
は硝酸浴中で行なわれ、塩酸浴の濃度は0.3〜3wt
%、硝酸浴の濃度は0.5〜5wt%であり、電流密度
は20〜200A/dm2、浴温度は10〜40℃、処理時
間は5〜100秒で行なう。この電気化学エツチン
グにより形成された凹構造のピツチは、1〜10μ
でプレス加工による長円状凹部よりは一桁低く、
この微細凹構造の密度は20000〜100000個/mm2で
あり、プレス加工による長円状凹部の上に重なつ
て形成される。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板上に形成された砂目は、従来のブラシ
研磨→化学洗浄→電解エツチングという工程で得
られる砂目に比べて、ブラシ研磨という熟練を要
する作業がなく、また、研磨剤やアルミニウム合
金屑を化学洗浄により除去するという作業も不要
となり、大幅に合理化されている。 このように砂目が形成された印刷版用アルミニ
ウム合金冷間圧延板はそのまま平版印刷版用支持
体として使用できるけれども、必要に応じて、陽
極酸化、化成処理を施すこともでき、陽極酸化処
理は、従来行なわれている方法でよく、例えば、
硫酸、燐酸、クロム酸、蓚酸、スルフアミン酸、
ベンゼンスルホン酸等或いはこれら二種以上を組
合せた水溶液中で、電流密度1〜50A/dm2、電
解時間15秒〜15分、浴温25〜75℃で行なう。この
陽極酸化後、さらに、熱水、珪酸塩、重クロム酸
塩、酢酸塩、親水性高分子化合物等を用いて封孔
処理または親水処理を行なつてもよい。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板に形成された砂目に適用される感光物
質は特に限定的ではなく、例えば、ジアゾ樹脂と
バインダーとからなるネガ作用感光性組成物、O
−キノンジアジド化合物とパインダーとからなる
ポジ作用感光性組成物、アジド化合物とバインダ
ーとからなるネガ作用感光性組成物、光二量化型
フオトポリマーよりなるネガ作用感光組成物、光
重合型モノマーとバインダーとよりなるネガ作用
感光性組成物等があげられる。これらの感光性組
成物を適当な溶媒に溶解し、本発明に係る印刷版
用アルミニウム合金冷間圧延板に形成されている
砂目に塗布し乾燥すれば、感光性平版印刷版が得
られる。これに被複写物を重ねて露光、現像すれ
ば親水性および保水性に優れ、かつ、感光層と砂
目との接着性が強固な優れた印刷版を製造するこ
とができる。以下本発明に係る印刷版用高強度ア
ルミニウム合金板の実施例を説明する。 実施例 1 第1表に示す本発明アルミニウム合金の溶湯を
フイルター通過後、面削後の表面に相当する部分
の冷却速度を4℃/secとして鋳造した。この鋳
塊を面削後540℃×6Hr均熱後、熱間圧延を4mm
厚280℃で終了し、0.75mm厚まで冷間圧延し、昇
温降温速度500℃/min、500℃×0秒の中間焼鈍
を行ない、さらに冷間圧延して0.4mm厚とした。
これを硬度(Hv)860、平均粒度250μの鋼製粒子
をインペラー回転数2000rpm、グリツド投入量
250/minの条件で表面を粗面化した圧延ロール
を用いて、2パス圧延し、0.15mm厚の粗面化され
たアルミニウム合金板を得た。表面の中心線平均
粗さは0.58μmの長円状凹構造の長軸平均長さは
26μm、短軸平均長さは11μmであり、長円状凹部
の密度は平均2000個/mm2であつた。このアルミニ
ウム合金板の機械的性質および取扱い性を0.24mm
厚のJIS1050材(比較例B)との比較を第2表に
示す。なお、本発明アルミニウム合金板の中間焼
鈍後の平均再結晶粒径は40μmであり、また、
0.15mm厚における晶出物は最長部2.5μm以上の大
きさのものが平均4400個/mm2存在していた。な
お、第1表の本発明合金Aは、特許請求の範囲第
2項記載の発明に該当する合金組成であり、
Mn、Fe、Cu以外は不純物である。 第2表において、「折れ」発生荷重は板厚の薄
い本発明アルミニウム合金板の方が大きく、大き
な荷重に耐えられることが明らかで、かつ、「折
れ」長さが小さいことことから本発明アルミニウ
ム合金板がより大きな変形を受けても「折れ」の
発生しないことも明らかで、本発明アルミニウム
合金板は耐「折れ」性に優れていることがわか
る。また、繰返し曲げ寿命についても本発明アル
ミニウム合金板が比較例の2倍以上で優れてお
り、バーニング時の耐力低下率および耐伸び性も
本発明アルミニウム合金板が優れていることがわ
かる。 次に、硫酸20wt%浴中で、電流密度6A/d
m2、電解時間20秒でアルマイト処理を施した後、
下記の組成のO−キノンジアジド系感光液を20
mg/dm2の模厚に塗布した。 ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロラ
イドとm−クレゾール・ホルムアルデヒドノボ
ラツク樹脂との縮合物 5.0g m−クレゾール・ホルムアルデヒドノボラツク
樹脂 7.6g ビクトリアピユアーブルーBOH(保土谷化学社
製) 0.1g トリクレジルホスフエート 0.14g エチルセロソルブ 100g 得られた感光性印刷版に、解像力チヤート、ス
テツプタブレツトおよびポジフイルムを密着し、
メタルハライドランプで露光し、続いて、メタ珪
酸ナトリウム4wt%水溶液で現像したところ5段
クリアで2%の網点が再現されており、次に、ロ
ーランド社オフセツト印刷機(パルバ)で印刷試
験を行なつたら、特に汚れも発生せず5万枚の印
刷が行なえた。
圧延板に関するものである。 現在アルミニウムは平版印刷版を製造する基材
として広く使用されている。そして、アルミニウ
ムの平版印刷版はアルミニウム表面を粗面化して
砂目を形成させ、感光性組成物を塗布しこれを露
光現像して印刷すべき画像部をレジスト層として
残すことによつて得られる。 しかして、アルミニウム表面に砂目を形成させ
る目的は2つあり、その第一は印刷操作中に刷版
に適切な保水性を与えること、第二にホトレジス
ト被覆とアルミニウム表面との接着性を高め、充
分な耐刷力を与えることである。 この砂目立ての方法としては、ボールグレイニ
ング、ワイヤーグレイニング、ブラシグレーニン
グ等の機械的方法や酸またはアルカリ溶液中でエ
ツチングする化学的方法、さらに、主として酸系
の溶液中で電解エツチングする電気化学的方法等
が実用化されている。しかして、機械的砂目立て
法を行なう場合の問題点は、機械や研磨剤の調整
に相当の熟練度を必要とすること、粗面化された
アルミニウム板の表面に食い込んだ研磨剤、アル
ミニウム屑等を取除く作業を要することであり、
また、化学的砂目立て法の問題は、浴組成、浴温
度等を可成り狭い範囲に管理する必要があるばか
りでなく、平版印刷版支持体として必要な表面粗
さを得るために、比較的長時間のエツチングを要
することであり、さらに、最も高性能の砂目が得
られる電気化学的砂目立て法を採用した場合は、
その電力消費が印刷版の製造原価に占める割合が
相当大きくなるという問題がある。 このような砂目立て法の問題点を解消する方法
として、特開昭55−074898号公報にはグレーニン
グ面を有するロールにアルミニウムを通して、深
さ3.5μ以下の孔を形成させること特徴とする砂目
製造法が記載されている。この公報の砂目立て法
は、操作が単純で、かつ、従来の機械的砂目立て
法のように、研磨剤、アルミニウム屑等を取除く
作業は不要で、さらに、処理速度も大きいので製
造プロセスが大幅に合理化される可能性を有して
いるが、プレスにより孔を作成する際、孔の深さ
だけをコントロールしたのでは、平版印刷版とし
ての好ましい砂目を提供することができず、この
方法は未だ実用化に致つていない。また、特開昭
54−063902号公報には、ブラシ研磨により比較的
粗い大きなピツチの凹構造を形成させ、次いで、
化学洗浄により研磨剤やアルミニウム屑を化学的
に除去させた後、電気化学エツチングにより微細
なピツチの凹構造を形成させることにより、大き
なピツチと小さなピツチの二種の凹構造を有する
砂目立の製造法が記載されているが、このよう
な、粗面構造を有する砂目は印刷版としての保水
性、レジストの接着性の点で優れているが、この
公報記載の方法では製造プロセスが複雑となり、
製造コストが高くなるという問題点があり、即
ち、機械的砂目立て法と電気化学的砂目立て法の
両方の問題点を有する。 一方、従来平版印刷版用アルミニウム合金板と
しては機械的粗面化法に対してA1050、A1100、
A3003に相当する材料が用いられ、電解粗面化法
に対しては電解粗面化のし易さの点からA1050相
当材が用いられている。しかしながら、純アルミ
ニウムを薄肉化すると取扱い時の「折れ」「ペ
コ」、印刷時の「版の伸び」の問題が発生し易く、
バーニング処理(通常200〜300℃で3〜10分間)
を施した場合には、これらの問題がさらに顕著と
なる。このA1050相当材では冷間圧延により強度
上昇をしても耐力(0.2%耐力以下では単に耐力
という)はせいぜい15Kg/mm2程度しかならないた
め、特に、大面積の版の場合には、板厚0.24mm以
上の印刷版支持体でなければ上記の問題点が発生
し印刷版として使用しにくい面があつた。 本発明者はこのような事情に鑑み、支持体の薄
肉化を可能にし、かつ、その粗面化プロセスを大
幅に合理化し、平版印刷版支持体としての性能を
満足する印刷版用アルミニウム合金冷間圧延板を
開発した。そして、この支持体の薄肉化の要求に
対して、先ず、取扱い性、特に、ハンドリング時
の「折れ」についてアルミニウム合金の板厚と耐
力との関係を究明した。 「折れ」の評価に当つて第1図に示す評価法が
最適である。この評価法は幅15mmのアルミニウム
板の一端を水平に固定し、固定端より100mmの先
端部に荷重を負荷し除荷した時の「折れ」が観察
される時の最低荷重を求めるものである。この方
法で生じる最低荷重(W「g」と耐力(σ0.2〔Kg/
mm〕)および板厚(t〔mm〕)の関係を求めると、 W≒0.6×σ2.3 0.2×t1.9 となり、A1050材Iの0.24mm厚と同等以上の性能
を有する耐力−板厚領域は第2図斜線部Hとな
る。即ち、A1050材0.24mm厚を比較した場合、 板厚が0.22mmであれば耐力16Kg/mm2以上 板厚が0.17mmであれば耐力20Kg/mm2以上 板厚が0.14mmであれば耐力24Kg/mm2以上であれ
ば、同等の耐「折れ」性能が得られることは明ら
かである。 このような評価結果から、本発明者は薄肉化を
行なつても取扱い性の低下しない強度値を究明
し、さらに、強度向上のための含有元素として基
本的にMn、Feを選択し、かつ、これらを含有す
る系のアルミニウム合金に長円状のプレス凹部を
形成することにより本発明に係る印刷版用高強度
アルミニウム合金冷間圧延板を完成した。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板は、 (1) Mn 0.3〜2wt%、 Fe 0.05〜0.8wt% を含有し、残部不純物およびAlからなるアルミ
ニウム合金冷間圧延板であつて、板厚0.05〜0.3
mmで、この板厚において0.2%耐力が16Kg/mm2以上
であり、かつ、表面に長円状のプレス凹部を有
し、このプレス凹部が互いに独立或いは一部重な
り合つて波状模様を形成していることを特徴とす
る印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板。 (2) Mn 0.3〜2wt%、 Fe 0.05〜0.8wt% を含有し、さらに、 Cu 0.05〜1wt%、 Mg 0.1〜2wt% の何れか1種以上 を含有し、残部不純物およびAlからなるアルミ
ニウム合金冷間圧延板であつて、板厚0.05〜0.3
mmで、この板厚において0.2%耐力が16Kg/mm2以上
であり、かつ、表面に長円状のプレス凹部を有
し、このプレス凹部が互いに独立或いは一部重な
り合つて波状模様を形成していることを特徴とす
る印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板。 を特徴とするものである。 なお、本発明に係る印刷版用高強度アルミニウ
ム合金冷間圧延板においては、 1) 0.2%耐力(σ0.2耐力、Kg/mm2)と板厚(t、
mm)の関係が、 σ2.3 0.2×t1.9≧32 であること 2) 表面の長円状のプレス凹部が、長軸平均長
さ10〜140μm、短軸平均長さ7〜80μm、中心
線平均粗さ0.3〜1.5μmであること、 3) 表面の長円状のプレス凹部の密度が、200
個/mm2以上であること、 4) 0.05〜0.3mmの板厚において、2.5μm以上
25μm以下の共晶化合物が500個/mm2以上存在す
る表面に、長円状のプレス凹部と電気化学的エ
ツチングにより形成された1〜10μmの微細凹
部とが混在すること、 が好ましい。 本発明に係る印刷版用アルミニウム合金冷間圧
延板は、単に強度が高く粗面化プロセスを合理化
しただけではなく、電解粗面化性を著しく改善し
たものであり、しかして、従来材のA1050材は素
材の製造工程の影響が少なく交流電解粗面化性が
全般的に良好であるが、通常のA3003材は交流電
解粗面化時にエツチングムラが発生し易いため、
電解粗面化支持体用としては使用が困難であつ
た。 そこで本発明者はアルミニウム合金の交流電解
粗面化に関して鋭意研究した結果優れた材料を見
出した。即ち、Al−Mn系合金を交流電解法によ
り粗面化を行なう場合に、電気化学的特性からエ
ツチングの開始点は〔共晶化合物〕/〔マトリツ
クス〕並びに〔析出化合物〕/〔マトリツクス〕
の界面であり、適当な高さピツチの粗面を得るた
めには適当な共晶化合物分布および適当な析出物
分布状態に調整することが必要であることを究明
したので以下説明する。 即ち、鋳造時に形成されるAl−Mn−Fe系等の
共晶化合物は通常1μm〜数10μmであり、析出物
に比較して大きいため、適当な粗面状況(適当な
粗度Raおよび望ましいピツトピツチ)とするた
めには、共晶化合物のコントロールが必要であ
り、即ち、適当なピツトピツチとするためには共
晶化合物は500個/mm2以上とする必要である。ま
た、化合物サイズが巨大となり過ぎ20μmを越え
るとそれ自体で巨大なピツトとなるため、20μm
以下に調整しなければならない。共晶化合物は
1μm前後のものであつても、電解粗面化条件によ
りピツトサイズが充分な大きさにまでコントロー
ルできるためエツチングの核として充分である。
従つて、共晶化合物分布としては、20μm以下の
大きさの比較的粗大な化合物が500〜50000個/mm2
の存在が必要である。しかし、粗面状況をより望
ましい状態にコントロールするためには、最長部
が2.5μm以上の粗大な共晶化合物を1000〜10000
個/mm2に調整する。本発明に係る印刷版用アルミ
ニウム合金冷間圧延板は、共晶化合物を微細
(3μm程度以下)とすることにより適正ピツトを
形成する特開昭58−001592号公報および特開昭58
−001047号公報と、共晶化合物を比較的粗大とす
ることにおいて基本的に相違している。 そして、鋳塊均熱等の熱処理により形成される
析出化合物はエツチングの開始点(以下有効核と
いう)となるが、電気化学的エツチング(電解粗
面化)のみで平版印刷版として必要な粗度の値を
得ようとする場合には、400〜500℃の温度で形成
されるような微細な析出物(0.2μm前後)の数を
できるだけ少なくする必要がある。しかし、本発
明に係る印刷版用アルミニウム合金冷間圧延板に
おいては、プレスによる凹部と組合せることによ
りこの問題を解決したもので、従つて本発明に係
る印刷版用アルミニウム合金冷間圧延板は従来の
電解粗面化用材料に比べて比較的自由に熱処理条
件を設定できる。 次に、本発明に係る印刷版用高強度アルミニウ
ム合金冷間圧延板の含有成分および成分割合につ
いて説明する。 Mnは強度向上、取扱い性向上のためおよび電
解粗面化面の均一化のために含有させる元素であ
り、含有量が0.3wt%未満ではこのような効果が
少なく、また、2wt%を越える含有量では強度向
上、取扱い性向上の効果が飽和し、かつ、20μm
以上の粗大なAl−Mn系およびAl−Mn−Fe系の
共晶化合物の形成により電解粗面化面の均一化が
図れなくなる。よつて、Mn含有量は0.3〜2wt%
とする。 FeはMnの晶出を助長し、電解粗面化面の均一
効果を高めるためおよび強度向上のために含有さ
せる元素であり、含有量が0.05wt%未満では共晶
化合物の形成数およびサイズが充分でなく均一な
粗面が得られ難く、また、0.8wt%を越えて含有
させるとMn含有と相俟つて粗大な共晶化合物が
形成され電解粗面化面が不均一となり易い。よつ
て、Fe含有量は0.05〜0.8wt%とする。 Mn含有量が1.5wt%を越えると充分なAl−Mn
系共晶化合物の晶出があるので、Fe含有量は少
量でも性能上問題はないのである。 上記したMnおよびFeの外に、Mg、Cuを必要
に応じ含有させてもよく、Mgは強度向上、取扱
い性向上のため有効な元素であり、含有量が
0.1wt%未満ではこの効果は少なく、2wt%を越
えて含有されると本発明に係る印刷版用アルミニ
ウム合金冷間圧延板の特色の1つであるバーニン
グ処理時の低耐力低下率の効果が減少するので、
Mg含有量は0.1〜2wt%とするが、特に、低耐力
低下率を考えるならば、1wt%以下とするのがよ
く、Cuについては、〔共晶化合物〕/〔マトリツ
クス〕の電位差を高め電解粗面化によるエツチン
グ効果を高くするためおよび強度向上のために有
効な元素であり、含有量が0.05wt%未満ではこの
効果が少なく、また、1wt%を越える含有量では
電解粗面化時の溶解が過剰となり好ましくないの
で、Cu含有量は0.05〜1wt%とする。 不純物については、通常市販の工業用純アルミ
ニウムに含有される程度であれば差支えないが、
電解粗面化処理を施す場合には鋳塊組織の微細化
のためのTiの含有は、Al−Ti粒子および/また
はTi−B粒子の凝集を生じ易く、電解粗面化処
理により不均一な粗面になり易いのでTiの含有
は0.05wt%以下とするのがよく、同様にSiは
0.5wt%を越えて含有されると電解粗面化処理に
より未エツチング部が出現し易くなる傾向を示す
のでSiは0.5wt%以下とする。 上記に説明した含有成分および成分割合のアル
ミニウム合金の溶湯を常法に従いフイルターを通
過させ鋳造する。通常アルミニウムおよびアルミ
ニウム合金溶湯中には非金属介在物、酸化物等の
異物が存在するため、これを除去しなければ電解
粗面化、特に異物に起因するエツチングムラが発
生するのでフイルターを通過させる。また、鋳造
に際しては共晶化合物の分布を適正とするため冷
却速度1℃/sec以上で凝固させるが、1℃/sec
未満では20μmを越える共晶化合物が多数形成さ
れ、電解粗面化面を不均一とする。 この鋳塊を面削し均質化加熱し熱間圧延を行な
う。この時の均質化条件は500〜610℃×48Hr以
下とし、本発明に係る印刷版用アルミニウム合金
冷間圧延板は400〜500℃の温度で約0.2μmのAl−
Mn系析出物が多量に形成され易く、これら多数
の析出物の存在は充分な程度の電解粗面化が得ら
れ難くし、中間焼鈍時の再結晶粒を粗大化し、そ
の結果繰返し曲げ寿命が低下するため、500℃以
上の温度で均熱する。そして、この500℃以上の
温度では上記のように析出物形成量が少ないので
共晶化合物より表面拡大される電解粗面に対して
悪影響を与えることがなく、また、610℃を越え
る温度および48Hrを越える時間では、その効果
が飽和してしまい不経済である。 熱間圧延に関しては、アルミニウム合金の含有
成分および成分割合および鋳造時冷却速度を適正
に組合せて適正な共晶化合物分布とし、かつ、適
正な均熱条件であれば特に厳密に管理する必要は
ない。 熱間圧延終了後、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧
延を行なうが、中間焼鈍において、取扱い性向上
のために焼鈍前の冷間圧延量が充分であれば、徐
熱・徐冷方式および急熱・急冷方式の何れの方式
でも問題はない。しかし、再結晶粒サイズ(平均
粒径150μm以下)を得るためには、急熱・急冷方
式で300〜600℃×12Hr以下で100℃/min以上の
速度で昇温、降温するのがよい。そして、300℃
未満では再結晶で完全でなく、600℃を越える温
度および12Hrを越える時間ではこれ以上の効果
が期待できず不経済である。 なお、再結晶粒径が150μmを越える場合は、冷
間圧延終了時のアルミニウム合金板表面に筋模様
が肉眼視され商品価値を失なうと共に、繰返し曲
げ寿命を減少するので、150μm以下とする。 中間焼鈍後、20%以上の冷間圧延率で最終冷間
圧延を行ない、16Kg/mm2以上に強度を調整し、
0.05〜0.3mmのアルミニウム合金板とし、このア
ルミニウム合金板の調質は本発明に係る印刷版用
アルミニウム合金冷間圧延板における性能が得ら
れる限りにおいて、H1n,H2n、(H3n)の何れで
もよい。 また、本発明に係る印刷版用アルミニウム合金
冷間圧延板は印刷版としての使用時にバーニング
処理時の耐力低下率を20%以下に抑えることがで
き、純アルミニウムの場合の40%程度と比較して
取扱い性はさらに向上させることができる。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板では、中間焼鈍以後の冷間圧延工程に
おいて少くとも、最終1パスを規定された表面形
状を有する粗面化ロールを用いて圧延することに
より、ロールの表面形状をアルミニウム合金板表
面に転写する。この粗面ロールは、例えば、鋼製
および酸化物或いはカーバイド等の100〜1000μ
の微粒子をインペラー回転数1500〜3000rpm、グ
リツド投入量100〜500Kg/minの条件で回転中の
ロールに噴射させて製造しする。このロールを用
いてアルミニウム合金を圧延する際の1パス当り
の圧下率は3〜50%が好ましく、必要に応じて複
数回圧延することも可能である。そして、圧延さ
れたアルミニウム合金板は表面に長円状の凹部が
密に並び、かつ、フリンジが一部重なり合つて波
状模様を形成している。この長円状凹部の深さ
は、保水性、小点再現性の点から中心線平均粗さ
Raは0.3〜1.5μとする。この中心線平均粗さが
0.3μ未満では保水性が不充分であり、1.5μを越え
ると小点再現性が低下する。また、この長円状凹
部の大きさは平均で、長軸方向10〜140μ、短軸
方向7〜80μが保水性、小点再現性、レジストの
接着性の点からこの範囲とする。長円状凹部の大
きさがこれより大きくなると接着性、小点再現性
が低下し、また、長円状凹部の密度は200〜15000
個/mm2とし、この範囲の密度で、長円状凹部のフ
リンジは一部が重なり合い、全体として波状模様
を形成する。この密度が低いとレジストの接着
性、保水性が低下する。このように、プレスによ
り長円状の凹部が形成されたアルミニウム合金板
は、そのままで平版印刷版用支持体として使用す
ることができる。 しかして、さらに平版印刷版としての性能を改
善するために、電気化学エツチング処理を行なつ
て小さなピツチの凹部を形成させることもでき
る。即ち、プレス加工だけの砂目では表面に光沢
があり製版を行なつた時の小点や、印刷作業中の
水上り状況等が見え難いという場合があるので、
この問題解決の手段として電気化学エツチングに
よりさらに微細な凹部パターンを付与するのであ
る。そして、この電気化学エツチングは塩酸また
は硝酸浴中で行なわれ、塩酸浴の濃度は0.3〜3wt
%、硝酸浴の濃度は0.5〜5wt%であり、電流密度
は20〜200A/dm2、浴温度は10〜40℃、処理時
間は5〜100秒で行なう。この電気化学エツチン
グにより形成された凹構造のピツチは、1〜10μ
でプレス加工による長円状凹部よりは一桁低く、
この微細凹構造の密度は20000〜100000個/mm2で
あり、プレス加工による長円状凹部の上に重なつ
て形成される。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板上に形成された砂目は、従来のブラシ
研磨→化学洗浄→電解エツチングという工程で得
られる砂目に比べて、ブラシ研磨という熟練を要
する作業がなく、また、研磨剤やアルミニウム合
金屑を化学洗浄により除去するという作業も不要
となり、大幅に合理化されている。 このように砂目が形成された印刷版用アルミニ
ウム合金冷間圧延板はそのまま平版印刷版用支持
体として使用できるけれども、必要に応じて、陽
極酸化、化成処理を施すこともでき、陽極酸化処
理は、従来行なわれている方法でよく、例えば、
硫酸、燐酸、クロム酸、蓚酸、スルフアミン酸、
ベンゼンスルホン酸等或いはこれら二種以上を組
合せた水溶液中で、電流密度1〜50A/dm2、電
解時間15秒〜15分、浴温25〜75℃で行なう。この
陽極酸化後、さらに、熱水、珪酸塩、重クロム酸
塩、酢酸塩、親水性高分子化合物等を用いて封孔
処理または親水処理を行なつてもよい。 本発明に係る印刷版用高強度アルミニウム合金
冷間圧延板に形成された砂目に適用される感光物
質は特に限定的ではなく、例えば、ジアゾ樹脂と
バインダーとからなるネガ作用感光性組成物、O
−キノンジアジド化合物とパインダーとからなる
ポジ作用感光性組成物、アジド化合物とバインダ
ーとからなるネガ作用感光性組成物、光二量化型
フオトポリマーよりなるネガ作用感光組成物、光
重合型モノマーとバインダーとよりなるネガ作用
感光性組成物等があげられる。これらの感光性組
成物を適当な溶媒に溶解し、本発明に係る印刷版
用アルミニウム合金冷間圧延板に形成されている
砂目に塗布し乾燥すれば、感光性平版印刷版が得
られる。これに被複写物を重ねて露光、現像すれ
ば親水性および保水性に優れ、かつ、感光層と砂
目との接着性が強固な優れた印刷版を製造するこ
とができる。以下本発明に係る印刷版用高強度ア
ルミニウム合金板の実施例を説明する。 実施例 1 第1表に示す本発明アルミニウム合金の溶湯を
フイルター通過後、面削後の表面に相当する部分
の冷却速度を4℃/secとして鋳造した。この鋳
塊を面削後540℃×6Hr均熱後、熱間圧延を4mm
厚280℃で終了し、0.75mm厚まで冷間圧延し、昇
温降温速度500℃/min、500℃×0秒の中間焼鈍
を行ない、さらに冷間圧延して0.4mm厚とした。
これを硬度(Hv)860、平均粒度250μの鋼製粒子
をインペラー回転数2000rpm、グリツド投入量
250/minの条件で表面を粗面化した圧延ロール
を用いて、2パス圧延し、0.15mm厚の粗面化され
たアルミニウム合金板を得た。表面の中心線平均
粗さは0.58μmの長円状凹構造の長軸平均長さは
26μm、短軸平均長さは11μmであり、長円状凹部
の密度は平均2000個/mm2であつた。このアルミニ
ウム合金板の機械的性質および取扱い性を0.24mm
厚のJIS1050材(比較例B)との比較を第2表に
示す。なお、本発明アルミニウム合金板の中間焼
鈍後の平均再結晶粒径は40μmであり、また、
0.15mm厚における晶出物は最長部2.5μm以上の大
きさのものが平均4400個/mm2存在していた。な
お、第1表の本発明合金Aは、特許請求の範囲第
2項記載の発明に該当する合金組成であり、
Mn、Fe、Cu以外は不純物である。 第2表において、「折れ」発生荷重は板厚の薄
い本発明アルミニウム合金板の方が大きく、大き
な荷重に耐えられることが明らかで、かつ、「折
れ」長さが小さいことことから本発明アルミニウ
ム合金板がより大きな変形を受けても「折れ」の
発生しないことも明らかで、本発明アルミニウム
合金板は耐「折れ」性に優れていることがわか
る。また、繰返し曲げ寿命についても本発明アル
ミニウム合金板が比較例の2倍以上で優れてお
り、バーニング時の耐力低下率および耐伸び性も
本発明アルミニウム合金板が優れていることがわ
かる。 次に、硫酸20wt%浴中で、電流密度6A/d
m2、電解時間20秒でアルマイト処理を施した後、
下記の組成のO−キノンジアジド系感光液を20
mg/dm2の模厚に塗布した。 ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロラ
イドとm−クレゾール・ホルムアルデヒドノボ
ラツク樹脂との縮合物 5.0g m−クレゾール・ホルムアルデヒドノボラツク
樹脂 7.6g ビクトリアピユアーブルーBOH(保土谷化学社
製) 0.1g トリクレジルホスフエート 0.14g エチルセロソルブ 100g 得られた感光性印刷版に、解像力チヤート、ス
テツプタブレツトおよびポジフイルムを密着し、
メタルハライドランプで露光し、続いて、メタ珪
酸ナトリウム4wt%水溶液で現像したところ5段
クリアで2%の網点が再現されており、次に、ロ
ーランド社オフセツト印刷機(パルバ)で印刷試
験を行なつたら、特に汚れも発生せず5万枚の印
刷が行なえた。
【表】
【表】
実施例 2
第3表に示す本発明アルミニウム合金Cを面削
後の表面に相当する部分の冷却速度が2℃/sec
で鋳造した。この鋳塊を面削後590℃×4Hr均熱
し、次いで、4mm厚、260℃で熱間圧延を終了し、
1mm厚まで冷間圧延した後に昇温降温速度500
℃/minで500℃×0secの中間焼鈍を行ない、さ
らに冷間圧延をして0.5mm厚とした。これを実施
例1と同様の条件で粗面化圧延し、0.2mm厚の粗
面板を作つた。この機械的性質を第4表に示す。
続いて、硫酸20wt%浴中で6A/dm2、20秒の電
解条件で陽極酸化処理をし、次に、珪酸ソーダ
1wt%溶液中で80℃の温度で1分間化成処理を行
なつた。そして得られたアルミニウム合金板の砂
目に下記組成のジアゾ系感光液を17mg/dm2の膜
厚に塗布し感光性印刷版を作つた。 P−ジアゾジフエニルアミン・ホルムアルデヒ
ド縮合物PF6塩(ジアゾニウム塩) 0.42g P−ヒドロキシフエニルメタクリルアミド・ア
クリロニトリル、アクリル酸エチルメタクリル
酸の共重合体 6.0g ビクトリアピユアーブルーBOH(保土谷化学社
製) 0.13g ポリアクリル酸(日本純薬社製、ジユリマー
AC−10L) 0.20g メチルセロソルブ 100ml この感光印刷版に解像力チヤート、ステツプタ
ブレツト、ネガフイルムを密着し、メタルハライ
ドランプで露光を行ない、下記の組成の現像液で
未露光部を除去したところ、5段ベタにおいて、
2%の網点が再現されていた。 ベンジルアルコール 30ml 炭酸ナトリウム 5g 亜硫酸ナトリウム 5g イソプロピルナフタリンスルホン酸ナトリウム
10g 水 11 このように作られた刷版を実施例1と同様にオ
フセツト印刷機にかけて印刷試験を行なつたが、
非画像部の汚れもなく、5万枚の良好な印刷物が
得られた。なお、第3表の本発明合金Cは、特許
請求の範囲第1項記載の発明に該当する合金組成
であり、Mn、Fe以外は不純物である。 実施例 3 実施例2のプレス粗面材を1.5wt%硝酸浴で30
℃、電流密度50A/dm2で15秒電気化学エツチン
グを行なつた後、実施例2と同一の処理を施し、
刷版を作成した。この刷版の電気化学的エツチン
グにより形成された微細凹部の平均サイズは約
2.7μmであつた。この刷版は5段ベタにおいて20
%の網点が再現されており、また、この刷版を実
施例1と同様にオフセツト印刷機にかけて印刷試
験を行なつたが、非画像部の汚れもなく、5万枚
の良好な印刷物が得られた。 さらに、実施例2および3と同一条件で作製し
た刷版について非画像部の汚れにくさ、汚れ回復
のし易さについて比較した。印刷中に版への水の
供給を停止して汚れが発生するまでの印刷枚数
(汚れにくさ)は実施例2の刷版が7枚、実施例
3の刷版が9枚であつた。次に、非画像部に全面
インキを付着させた状態で水の供給を再開し、非
画像部から完全に汚れがなくなるまでの印刷枚数
(汚れ回復のし易さ)は、実施例2が42枚、実施
例3が36枚であつた。このように、プレス粗面化
材を電解粗面化することにより版の汚れにくさお
よび汚れ回復のし易さは改善される。さらに、プ
レス粗面化材を電解粗面化したものは印刷中の水
上りの状態の見易さの点も改善されていた。 実施例 4 第3表に示す本発明アルミニウム合金Dを面削
後の表面に相当する部分の冷却速度が2℃/sec
となるように鋳造を行ない、得られた鋳塊を面削
後590℃×4Hr均熱し、次に4mm厚、260℃で熱間
圧延を終了し、さらに、0.5mm厚まで冷間圧延を
行なつた。次に、徐熱・徐冷方式で360℃×2Hr
の中間焼鈍を行ない、これを実施例1と同様の条
件で粗面化圧延し、0.2mm厚の粗面板を作つた。
この機械的性質を第4表に示す。続けて、1.5wt
%塩酸浴、浴温25℃、電流密度50A/dm2で10秒
間電解エツチングを施したアルミニウム合金板
を、42wt%燐酸浴中で電流密度3A/dm2、浴温
25℃で5分間陽極酸化処理を行ない、下記組成の
光二量化型フオトポリマー感光液で14mg/dm2の
膜厚に塗布した感光性印刷版を作成した、塩酸浴
による電気化学的エツチングにより形成されたこ
の刷版の微細凹部の平均サイズは約3.3μmであつ
た。 P−フエニレンジアクリル酸ジエチルエステル
と1・4−ジヒドロキシエトキシ−シクロヘキ
サンとの縮合で得られたポリエステル 4.0g 2−ベンゾイルメチレン−1−メチル−β−ナ
フトチアゾリン 0.32g 安息香酸 0.16g ハイドロキノン 0.08g フタロシアニンブルー(顔料) 0.8g モノクロロベンゼン 100ml 得られた感光性平版印刷版に網点チヤート、ス
テツプタブレツト、ネガフイルムを密着してメタ
ルハライドランプで露光し、下記組成の現像液で
未露光部を除去した。 4−ブチロラクトン 500ml トリエタノールアミン 50ml グリセリン 50ml アビエチン酸メチル 5ml 水添ウツドレジン(ハーキユレスパウダー社製
ステイベライトレジン) 0.5g 湿潤剤(デユポン社製ゾニールA) 4.5ml この刷版は5段ベタにおいて、1%の網点が再
現されていた。次に、実施例1と同様にオフセツ
ト印刷機に取付けて印刷試験を行なつたところ、
水上りも見易く、汚れも発生せずに10万枚の良好
な印刷物が得られた。なお、第3表の本発明合金
Dは、特許請求の範囲第2項記載の発明に該当す
る合金組成であり、Mn、Fe、Cu、Mg以外は不
純物である。
後の表面に相当する部分の冷却速度が2℃/sec
で鋳造した。この鋳塊を面削後590℃×4Hr均熱
し、次いで、4mm厚、260℃で熱間圧延を終了し、
1mm厚まで冷間圧延した後に昇温降温速度500
℃/minで500℃×0secの中間焼鈍を行ない、さ
らに冷間圧延をして0.5mm厚とした。これを実施
例1と同様の条件で粗面化圧延し、0.2mm厚の粗
面板を作つた。この機械的性質を第4表に示す。
続いて、硫酸20wt%浴中で6A/dm2、20秒の電
解条件で陽極酸化処理をし、次に、珪酸ソーダ
1wt%溶液中で80℃の温度で1分間化成処理を行
なつた。そして得られたアルミニウム合金板の砂
目に下記組成のジアゾ系感光液を17mg/dm2の膜
厚に塗布し感光性印刷版を作つた。 P−ジアゾジフエニルアミン・ホルムアルデヒ
ド縮合物PF6塩(ジアゾニウム塩) 0.42g P−ヒドロキシフエニルメタクリルアミド・ア
クリロニトリル、アクリル酸エチルメタクリル
酸の共重合体 6.0g ビクトリアピユアーブルーBOH(保土谷化学社
製) 0.13g ポリアクリル酸(日本純薬社製、ジユリマー
AC−10L) 0.20g メチルセロソルブ 100ml この感光印刷版に解像力チヤート、ステツプタ
ブレツト、ネガフイルムを密着し、メタルハライ
ドランプで露光を行ない、下記の組成の現像液で
未露光部を除去したところ、5段ベタにおいて、
2%の網点が再現されていた。 ベンジルアルコール 30ml 炭酸ナトリウム 5g 亜硫酸ナトリウム 5g イソプロピルナフタリンスルホン酸ナトリウム
10g 水 11 このように作られた刷版を実施例1と同様にオ
フセツト印刷機にかけて印刷試験を行なつたが、
非画像部の汚れもなく、5万枚の良好な印刷物が
得られた。なお、第3表の本発明合金Cは、特許
請求の範囲第1項記載の発明に該当する合金組成
であり、Mn、Fe以外は不純物である。 実施例 3 実施例2のプレス粗面材を1.5wt%硝酸浴で30
℃、電流密度50A/dm2で15秒電気化学エツチン
グを行なつた後、実施例2と同一の処理を施し、
刷版を作成した。この刷版の電気化学的エツチン
グにより形成された微細凹部の平均サイズは約
2.7μmであつた。この刷版は5段ベタにおいて20
%の網点が再現されており、また、この刷版を実
施例1と同様にオフセツト印刷機にかけて印刷試
験を行なつたが、非画像部の汚れもなく、5万枚
の良好な印刷物が得られた。 さらに、実施例2および3と同一条件で作製し
た刷版について非画像部の汚れにくさ、汚れ回復
のし易さについて比較した。印刷中に版への水の
供給を停止して汚れが発生するまでの印刷枚数
(汚れにくさ)は実施例2の刷版が7枚、実施例
3の刷版が9枚であつた。次に、非画像部に全面
インキを付着させた状態で水の供給を再開し、非
画像部から完全に汚れがなくなるまでの印刷枚数
(汚れ回復のし易さ)は、実施例2が42枚、実施
例3が36枚であつた。このように、プレス粗面化
材を電解粗面化することにより版の汚れにくさお
よび汚れ回復のし易さは改善される。さらに、プ
レス粗面化材を電解粗面化したものは印刷中の水
上りの状態の見易さの点も改善されていた。 実施例 4 第3表に示す本発明アルミニウム合金Dを面削
後の表面に相当する部分の冷却速度が2℃/sec
となるように鋳造を行ない、得られた鋳塊を面削
後590℃×4Hr均熱し、次に4mm厚、260℃で熱間
圧延を終了し、さらに、0.5mm厚まで冷間圧延を
行なつた。次に、徐熱・徐冷方式で360℃×2Hr
の中間焼鈍を行ない、これを実施例1と同様の条
件で粗面化圧延し、0.2mm厚の粗面板を作つた。
この機械的性質を第4表に示す。続けて、1.5wt
%塩酸浴、浴温25℃、電流密度50A/dm2で10秒
間電解エツチングを施したアルミニウム合金板
を、42wt%燐酸浴中で電流密度3A/dm2、浴温
25℃で5分間陽極酸化処理を行ない、下記組成の
光二量化型フオトポリマー感光液で14mg/dm2の
膜厚に塗布した感光性印刷版を作成した、塩酸浴
による電気化学的エツチングにより形成されたこ
の刷版の微細凹部の平均サイズは約3.3μmであつ
た。 P−フエニレンジアクリル酸ジエチルエステル
と1・4−ジヒドロキシエトキシ−シクロヘキ
サンとの縮合で得られたポリエステル 4.0g 2−ベンゾイルメチレン−1−メチル−β−ナ
フトチアゾリン 0.32g 安息香酸 0.16g ハイドロキノン 0.08g フタロシアニンブルー(顔料) 0.8g モノクロロベンゼン 100ml 得られた感光性平版印刷版に網点チヤート、ス
テツプタブレツト、ネガフイルムを密着してメタ
ルハライドランプで露光し、下記組成の現像液で
未露光部を除去した。 4−ブチロラクトン 500ml トリエタノールアミン 50ml グリセリン 50ml アビエチン酸メチル 5ml 水添ウツドレジン(ハーキユレスパウダー社製
ステイベライトレジン) 0.5g 湿潤剤(デユポン社製ゾニールA) 4.5ml この刷版は5段ベタにおいて、1%の網点が再
現されていた。次に、実施例1と同様にオフセツ
ト印刷機に取付けて印刷試験を行なつたところ、
水上りも見易く、汚れも発生せずに10万枚の良好
な印刷物が得られた。なお、第3表の本発明合金
Dは、特許請求の範囲第2項記載の発明に該当す
る合金組成であり、Mn、Fe、Cu、Mg以外は不
純物である。
【表】
【表】
比較例
鋼製ロールを回転させながら砥石で研磨を行な
い、線状模様を有する圧延ロールを作製した。こ
の圧延ロールを用いて実施例1と同様な方法でア
ルミニウム合金を圧延し、中心線平均粗さ1.4μの
線状模様の砂目を形成し、硫酸20wt%浴中で電
流密度5A/dm2、処理時間20秒でアルマイト処
理を行なつた後、実施例1と同様のO−キノンジ
アジド系感光液を20mg/dm2の膜厚に塗布し、露
光現像を行なつたところ中間調部分に砂目の線状
模様の筋が認められた。さらに、刷版をオフセツ
ト印刷機にかけて印刷試験を行なつたが、砂目の
方向が一方向だけであるためか、汚れが発生し易
く、良好な印刷物が得られなかつた。 以上詳細に説明したように、本発明に係る平版
印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板は上
記の構成を有しているものであるから、印刷版と
しての機械的性質が良好であり、かつ、印刷版と
して取扱い性の極めて良好であるという優れた効
果を奏するものである。
い、線状模様を有する圧延ロールを作製した。こ
の圧延ロールを用いて実施例1と同様な方法でア
ルミニウム合金を圧延し、中心線平均粗さ1.4μの
線状模様の砂目を形成し、硫酸20wt%浴中で電
流密度5A/dm2、処理時間20秒でアルマイト処
理を行なつた後、実施例1と同様のO−キノンジ
アジド系感光液を20mg/dm2の膜厚に塗布し、露
光現像を行なつたところ中間調部分に砂目の線状
模様の筋が認められた。さらに、刷版をオフセツ
ト印刷機にかけて印刷試験を行なつたが、砂目の
方向が一方向だけであるためか、汚れが発生し易
く、良好な印刷物が得られなかつた。 以上詳細に説明したように、本発明に係る平版
印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板は上
記の構成を有しているものであるから、印刷版と
しての機械的性質が良好であり、かつ、印刷版と
して取扱い性の極めて良好であるという優れた効
果を奏するものである。
第1図は耐「折れ」性評価法の説明図、第2図
は板厚と耐力との関係を示す図、第3図は繰返し
曲げ寿命の説明図である。
は板厚と耐力との関係を示す図、第3図は繰返し
曲げ寿命の説明図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Mn 0.3〜2wt%、 Fe 0.05〜0.8wt% を含有し、残部不純物およびAlからなるアルミ
ニウム合金冷間圧延板であつて、板厚0.05〜0.3
mmで、この板厚において0.2%耐力が16Kg/mm2以上
であり、かつ、表面に長円状のプレス凹部を有
し、このプレス凹部が互いに独立或いは一部重な
り合つて波状模様を形成していることを特徴とす
る印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板。 2 Mn 0.3〜2wt%、 Fe 0.05〜0.8wt% を含有し、さらに、 Cu 0.05〜1wt%、 Mg 0.1〜2wt% の何れか1種以上 を含有し、残部不純物およびAlからなるアルミ
ニウム合金冷間圧延板であつて、板厚0.05〜0.3
mmで、この板厚において0.2%耐力が16Kg/mm2以上
であり、かつ、表面に長円状のプレス凹部を有
し、このプレス凹部が互いに独立或いは一部重な
り合つて波状模様を形成していることを特徴とす
る印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17080583A JPS6063342A (ja) | 1983-09-16 | 1983-09-16 | 印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17080583A JPS6063342A (ja) | 1983-09-16 | 1983-09-16 | 印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6063342A JPS6063342A (ja) | 1985-04-11 |
| JPH0419292B2 true JPH0419292B2 (ja) | 1992-03-30 |
Family
ID=15911663
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17080583A Granted JPS6063342A (ja) | 1983-09-16 | 1983-09-16 | 印刷版用高強度アルミニウム合金冷間圧延板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6063342A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1625944A1 (en) | 2004-08-13 | 2006-02-15 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Method of manufacturing lithographic printing plate support |
| EP1712368A1 (en) | 2005-04-13 | 2006-10-18 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Method of manufacturing a support for a lithographic printing plate |
| WO2010150810A1 (ja) | 2009-06-26 | 2010-12-29 | 富士フイルム株式会社 | 光反射基板およびその製造方法 |
| WO2011078010A1 (ja) | 2009-12-25 | 2011-06-30 | 富士フイルム株式会社 | 絶縁基板、絶縁基板の製造方法、配線の形成方法、配線基板および発光素子 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6387288A (ja) * | 1986-09-30 | 1988-04-18 | Fuji Photo Film Co Ltd | 平版印刷版用支持体の製造方法 |
| JP7653324B2 (ja) * | 2021-07-21 | 2025-03-28 | 株式会社Uacj | アルミニウム合金板 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5239403A (en) * | 1975-09-20 | 1977-03-26 | Riken Keikinzoku Kogyo Kk | Aluminium alloy printing plate |
| JPS5463902A (en) * | 1977-10-31 | 1979-05-23 | Fuji Photo Film Co Ltd | Method of making offset printing plate |
| JPS5574898A (en) * | 1978-12-04 | 1980-06-05 | British Aluminum Co Ltd Za | Method of making flat printing plate |
| JPS581047A (ja) * | 1981-06-05 | 1983-01-06 | Fuji Photo Film Co Ltd | アルミニウム合金平版印刷版用支持体 |
-
1983
- 1983-09-16 JP JP17080583A patent/JPS6063342A/ja active Granted
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1625944A1 (en) | 2004-08-13 | 2006-02-15 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Method of manufacturing lithographic printing plate support |
| EP1712368A1 (en) | 2005-04-13 | 2006-10-18 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Method of manufacturing a support for a lithographic printing plate |
| WO2010150810A1 (ja) | 2009-06-26 | 2010-12-29 | 富士フイルム株式会社 | 光反射基板およびその製造方法 |
| WO2011078010A1 (ja) | 2009-12-25 | 2011-06-30 | 富士フイルム株式会社 | 絶縁基板、絶縁基板の製造方法、配線の形成方法、配線基板および発光素子 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6063342A (ja) | 1985-04-11 |
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