JPH04211376A - フザリン酸耐性遺伝子 - Google Patents
フザリン酸耐性遺伝子Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フザリン酸分解もしく
はフザリン酸無毒化微生物よりクローン化したフザリン
酸耐性遺伝子、当該遺伝子を有するプラスミド、当該プ
ラスミドにより形質転換された宿主細胞、当該遺伝子の
塩基配列から明らかにされるアミノ酸配列を有するフザ
リン酸分解・無毒化に関係するタンパク質及びその製造
法並びに当該遺伝子又は蛋白質の利用に関する。 【0002】 【従来の技術】植物がしおれて枯死する病気(萎凋病)
は、キュウリ、スイカ、メロンなどのウリ類、トマト、
ナスなどのナス科植物では深刻な病害である。萎凋病は
、土壌生息性のフザリウム(Fusarium)属糸状
菌によって引き起こされる病害である。フザリウム属糸
状菌による萎凋病に対しては、土壌殺菌や特定作物の連
作回避が唯一有効な防除法であるが、一般農家では技術
的にも経済的にも困難な点が多く、これらに代わる有効
な防除法はまだ確立されていない。 【0003】フザリン酸(5−n−butylpico
linic acid)は、萎凋病を引き起こすフザリ
ウム属植物病原菌によって生産され、広く植物細胞に非
特異的に働く毒素として知られている( Wood,R
.K. et al., ” Phytotoxins
in plant diseases ”, Aca
demicPress, New York (19
72). Durbin, R.D., ” Toxi
ns in plant diseases ”,A
cademic Press, New York
(1982). Gaumann, E., Phyt
opathology, 47, 34(1958))
。 フザリン酸の作用機構は確定していないが、トマト
カルス細胞やトマト枝葉において強い毒性を示すこと、
トマト細胞の原形質膜透過性を高め組織液の浸出を引き
起こして枯死作用を促進すること(松尾早見ら、「作物
のフザリウム病」、全国農村協会)、大麦における発芽
・発根の抑制作用( Foy, C. L.and
Change, I., Adv. Pestic
. Sci., 3, 499 (1979))、真菌
・細菌に対する増殖抑制効果( Kalyamasun
dram, R., Plant Dis. Pr
obl., 1, 142 (1970))などが知ら
れている。 【0004】一方、フザリウム属糸状菌による病害に抵
抗性を示すトマトの品種が存在し、この抵抗性トマトの
植物組織内では、フザリン酸が代謝されN−メチルフザ
リン酸アミドに変換されており、このフザリン酸変換作
用はフザリン酸抵抗性の強い品種ほど大きい。 実際に
、このようなフザリン酸に抵抗性の植物体が、フザリウ
ム・オキスポリウム(Fusarium oxyspo
rium )によって引き起こされる萎凋病に対して抵
抗性になることが示された(Shahin, E.A.
and Spirey, R., Theor.Ap
pl. Genet., 73, 164 (1986
). Toyoda, H., et al., Ph
ytopathology, 78,1307 (19
88))。 【0005】フザリン酸は単に植物に萎凋毒性を示すだ
けでなく、細菌等の微生物に対しても毒性を示すことが
知られている。 本発明者らは、土壌中よりフザリン酸
を含む培地上で生育できるフザリン酸耐性菌として、数
種の微生物を分離した。 これらフザリン酸耐性微生物
の分離方法、菌学的性質、フザリン酸耐性機構等につい
ては、特開昭 63−198974号、同63−19
8987号において詳しく開示されている。 上記フザ
リン酸耐性微生物の一つは、シュードモナス・セパシア
(Pseudomonas cepasia)と同定さ
れ、フザリン酸分解能を有し、フザリン酸を唯一炭素源
として生育できる、すなわちフザリン酸資化能を有する
ことが明らかにされた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】防除が非常に困難なフ
ザリウム属糸状菌による萎凋病等に対して、フザリウム
属糸状菌が産生する非特異的毒素であるフザリン酸を分
解・消失することができれば、フザリウム属糸状菌によ
る感染症の発現は回避されうると考えられる。この目的
のために、上記フザリン酸耐性微生物によって、フザリ
ン酸を分解し、無毒化することは有効な手段となりうる
。しかしながら、フザリン酸耐性微生物を、フザリウム
属糸状菌の感染によって植物体内に産生されるフザリン
酸と接触させることが、非常に困難となる。 【0007】このような問題点を解決する手段として、
上記フザリン酸耐性微生物よりフザリン酸耐性遺伝子を
単離し、該遺伝子を植物体に導入・発現させることによ
り、フザリン酸を分解し、無毒化できる植物を育種する
ことがある。 このようなフザリン酸耐性能を有した植
物は、フザリウム属糸状菌による萎凋病の防除に有効な
手段となる。しかしながら、このような遺伝子工学的手
段を講じるためには、当該フザリン酸耐性遺伝子および
該遺伝子の構造についての知見が必要である。 【0008】本発明は、フザリウム属糸状菌による萎凋
病などの植物病を防除するうえで有効な、微生物由来の
フザリン酸分解もしくはフザリン酸無毒化に関与する遺
伝子および該遺伝子の構造に関する知見を提供すること
にある。さらに、該遺伝子によってコードされるフザリ
ン酸分解ないしは無毒化に関係する蛋白質を提供するこ
とにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた。 そしてその
結果、フザリン酸耐性遺伝子は、フザリン酸耐性微生物
、すなわちフザリン酸を含有する培地中で生育が可能で
あり、かつフザリン酸を分解もしくは植物に対して無毒
化しうる微生物に由来し、これらから取得できることを
見いだした。また、このフザリン酸耐性遺伝子からフザ
リン酸分解・無毒化に関係するペプチドが得られること
を見いだした。 【0010】すなわち、本発明は、シュードモナス・セ
パシア由来のフザリン酸の分解ないしは無毒化に関係す
るタンパク質をコードするDNA断片の塩基配列、およ
び当該塩基配列から明らかにされるフザリン酸分解・無
毒化に関係するタンパク質のアミノ酸配列を提供するも
のである。さらに、本発明は、クレブシエラ・オキシト
ーカ由来のフザリン酸の分解・無毒化に関係するタンパ
ク質をコードするDNA断片および当該DNA断片の制
限酵素地図を提供するものである。 【0011】既に発明者らにより、いくつかの種類の細
菌や糸状菌がフザリン酸耐性微生物として見いだされて
いる。 例えば、シュードモナス(Pseudomon
as)属に属する微生物およびクレブシエラ(Kleb
siella)属に属する微生物が知られている。本発
明で用いるフザリン酸耐性微生物のうち、シュードモナ
ス属に属する微生物としては、シュードモナス・セパシ
ア(Pseudomonas cepasia)、特に
シュードモナス・セパシアUK−1株(微工研条寄第1
385号)が好適である。 クレブシエラ属に属する微
生物としてはクレブシエラ・オキシトーカ(Klebs
iellaoxytoca)、特にクレブシエラ・オキ
シトーカHY−1株(微工研条寄第3221号)が好適
である。 上記微生物の菌学的性質、培養条件およびフザリン酸の
分解ないし無毒化については、特開昭63−19897
4号、特願平2−22957号に詳しく開示されている
。 【0012】シュードモナス・セパシアUK−1株はフ
ザリン酸を分解・無毒化し、フザリン酸を唯一炭素源と
して生育できる。 また、クレブシエラ・オキシトーカ
HY−1株は、フザリン酸を分解・無毒化することはで
きるが、フザリン酸を唯一炭素源として生育することは
できない。 【0013】本発明のフザリン酸耐性遺伝子は、上記フ
ザリン酸分解もしくは無毒化能を有する微生物の遺伝子
ライブラリーを大腸菌を宿主として作成し、該遺伝子ラ
イブラリーよりフザリン酸耐性の大腸菌組換え体をスク
リーニングすることにより取得できる。 通常、遺伝子
ライブラリーは、当該微生物の菌体より単離したDNA
を適当な制限酵素で切断した後、ベクターに挿入し、得
られた組換えプラスミドにより大腸菌を形質転換するこ
とにより作成する。 宿主大腸菌はフザリン酸を含む培
地中では生育できないので、フザリン酸の分解ないしは
無毒化に関与する遺伝子を含む大腸菌組換え体だけが当
該培地上で生育可能となる。 【0014】このようにして得られたフザリン酸耐性の
大腸菌組換え体よりプラスミドを回収して、その挿入D
NA断片の制限酵素地図を作成する。 この制限酵素地
図をもとに、当該挿入DNA断片を各種制限酵素で切断
して得られたDNA断片をベクターに挿入後、大腸菌を
形質転換してフザリン酸耐性を示すクローンを選択する
。 フザリン酸耐性を示すクローンのうち、挿入DNA
断片が最も短いものについてその全塩基配列を決定する
。 【0015】このようにして決定された塩基配列を解析
することにより、タンパク質をコードしている領域(O
RF:オープンリーデイングフレーム)を推定し、各O
RFがコードしているタンパク質のアミノ酸配列を推測
する。 さらに、各ORF中に存在する制限酵素切断部
位を当該制限酵素で切断後、クレノー(Klenow)
酵素で切断点を平滑末端にした後、各ORFの平滑断片
を再結合することにより各ORFの読み枠をずらした変
異体遺伝子を作成する。これらの変異体遺伝子で形質転
換した大腸菌はいずれもフザリン酸耐性を消失すること
から、上記各ORFがフザリン酸の分解・無毒化に関係
するタンパク質をコードしていることを確認できる。 【0016】由来微生物としてシュードモナス・セパシ
アを用い、上記の様にして決定された、フザリン酸耐性
関連塩基配列およびこれから導かれるアミノ酸配列の一
例は次の通りである。 (塩基配列) 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 (アミノ酸配列) 【化16】 【化17】 【化18】 【化19】 【化20】 但し、式(I)ないし(V)中のアルファベットは、下
のアミノ酸を示す。A:アラニン、C:システイン、D
:アスパラギン酸、E:グルタミン酸、F:フェニルア
ラニン、G:グリシン、H:ヒスチジン、I:イソロイ
シン、K:リシン、L:ロイシン、M:メチオニン、N
:アスパラギン、P:プロリン、Q:グルタミン、R:
アルギニン、S:セリン、T:スレオニン、V:バリン
、W:トリプトファン、Y:チロシン。 【0017】得られたフザリン酸の分解・無毒化に関与
する遺伝子およびそれらの遺伝子の構造を基に、当該遺
伝子を植物細胞で機能するプロモーターとターミネータ
ーの間に挿入し、植物細胞を形質転換することによりフ
ザリン酸耐性の植物細胞を得ることができる。さらにこ
の形質転換された植物細胞を植物体まで再生させること
により、フザリン酸耐性の植物体を得ることができる。 このようにして得られたフザリン酸耐性の植物はフザリ
ウム属糸状菌による病害に抵抗性となるので、現在、防
除が非常に困難な当該糸状菌による萎凋病等に対する有
効な防除法となる。また、当該フザリン酸の分解・無毒
化に関与する遺伝子によって形質転換された植物細胞は
フザリン酸耐性となるので、植物細胞を形質転換する際
の選択マーカーとしても利用できる。 植物細胞は公知
の方法、例えば、Tiプラスミドを利用した方法(「続
生化学実験講座1、遺伝子研究法II」、205頁、日
本生化学会編、1986年、東京化学同人)あるいは遺
伝子直接導入法(同書、211頁)に従って形質転換す
ることができる。 【0018】さらに、フザリン酸耐性遺伝子の構造が明
らかにされることにより、フザリン酸分解ないしはフザ
リン酸無毒化に関係する蛋白質の構造も明らかになり、
当該蛋白質を遺伝子工学的手法により大量生産し、フザ
リウム属糸状菌による萎稠病などの防除に役立てること
ができる。 【0019】 【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実 施 例 1 遺伝子ライブラリーの作成:シュードモナス・セパシア
UK−1株より常法により全DNAを単離した。細菌D
NAの単離法としては、例えばサイトウ・ミウラ法(S
aito, H. and Miura,K., Bi
ochim. Biophys. Acta, 72,
619 (1963))が挙げられる。 分離したD
NAを制限酵素EcoRIで切断し、アガロース電気泳
動により分画し、4kb以上のDNA断片を回収した。 この回収したDNA断片と、EcoRIで切断後、フ
ォスファターゼ処理したベクターpUC19とをT4リ
ガーゼを用いて結合し、これで大腸菌JM109を形質
転換して、アンピシリン耐性形質転換体としてシュード
モナス・セパシアの遺伝子ライブラリーを作成した。 【0020】クレブシエラ・オキシトーカHY−1株に
ついても、上記記載の方法と同様の方法により遺伝子ラ
イブラリーを作成した。 但し、制限酵素BamHI/
HindIIIで切断したDNA断片をベクターpUC
19に挿入した。 【0021】実 施 例 2 遺伝子ライブラリーのスクリーニング:アンピシリン5
0μg/mlを含むLB培地に形成させた上記遺伝子ラ
イブラリーのコロニーを、二次選択培地(アンピシリン
50μg/ml、IPTG 1mM、フザリン酸 1
00μg/mlを含むデイビス最小培地)にレプリカし
、フザリン酸耐性のクローンを選択した。シュードモナ
ス・セパシアの遺伝子ライブラリーからは、プラスミド
pBE1を持つクローンが選択された。 pBE1は、
シュードモナス・セパシア由来の8.5kbのDNA断
片をEcoRI切断部位に挿入断片として有する。 な
お、pBE1を含む大腸菌JM109は、エシェリヒア
・コリ SAM 1552(Escherichia
coli SAM 1552)と命名され、工業技術
院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第11317号(
FERM P−11317)として寄託されている。 【0022】クレブシエラ・オキシトーカの遺伝子ライ
ブラリーからは、プラスミドpFAR1を持つクローン
が選択された。 pFAR1は、クレブシエラ・オキシ
トーカ由来の、3.6kbのDNA断片をBamH/H
indIII切断部位に挿入断片として有する。 なお
、pFAR1を含む大腸菌JM109は、エシェリヒア
・コリ SAM 1553(Escherichia
coli SAM 1553)と命名され、工業技術院
微生物工業研究所に微工研菌寄第11318号(FER
M P−11318)として寄託されている。 【0023】実 施 例 3 制 限 酵 素 地 図 :プラスミドpBE1および
pFAR1を各種制限酵素で切断し、アガロース電気泳
動により切断DNA断片の大きさを測定して、制限酵素
地図を作成した。図1に上記プラスミドの挿入DNA断
片の制限酵素地図を示した。なお、pBE1の8.5k
b挿入DNA断片を逆向きに挿入したpBE11を持つ
大腸菌はフザリン酸耐性を消失すること、またpBE1
を持つ大腸菌でもIPTG非存在下ではやはりフザリン
酸耐性を消失することから、フザリン酸分解・無毒化遺
伝子はベクターpUC19上に存在するlacプロモー
ターの制御下で発現し、その転写・翻訳の方向は図1中
左から右であることがわかった。一方、pFAR1の3
.6kb挿入DNA断片を逆向きに挿入したpFAR2
を持つクローンもフザリン酸耐性能を有することから、
フザリン酸分解・無毒化遺伝子は3.6kb挿入DNA
断片上に存在するクレブシエラ・オキシトーカ由来のプ
ロモーターの制御下で発現していると考えられる。 【0024】実 施 例 4 サブクローニング−フザリン酸耐性遺伝子のマッピング
:上記制限酵素地図をもとに各種欠失プラスミドを作成
し、該欠失プラスミドで形質転換した大腸菌のフザリン
酸耐性を調べることにより、フザリン酸耐性遺伝子の位
置をより詳細に決定した。 また、この結果をもとにフ
ザリン酸遺伝子のサブクローニングを行った。シュード
モナス・セパシア由来の8.5kb EcoRI挿入断
片を有するプラスミドpBE1の欠失プラスミドと、こ
れらのプラスミドによって形質転換された大腸菌JM1
09のフザリン酸耐性については、図2に示した。 な
お、pBE1で形質転換された大腸菌は、500μg/
mlのフザリン酸を含む培地で生育可能であることがわ
かったので、以後、フザリン酸耐性は500μg/ml
のフザリン酸を含むデイビス最小培地(アンピシリン
50μg/ml、IPTG 1mMを含む)での生育で
検定した。 【0025】図1に示すプラスミドpBE1のEcoR
I挿入断片中、6.4kb付近に唯一存在するStuI
サイトで切断後、SacIリンカー(5’−CGAGC
TCG−3’)を挿入することによって、以後の読み枠
をずらしたプラスミドpBE−taを作成した。 プラ
スミドpBE−taをSacIで切断して生じた6.4
kbのSacI断片をベクターpUC19のSacIサ
イトに挿入したプラスミドをpBAA1とした。 次に
、プラスミドpBAA1の左側から1kbの所(図2参
照)と、ベクターpUC19のマルチクローニングサイ
トに存在する SmaIサイトの間を欠失させたプラス
ミドpBAMを作成した。これらのプラスミドで大腸菌
JM109を形質転換し、フザリン酸耐性を調べたとこ
ろ、pBE1−taおよびpBAA1の形質転換体はフ
ザリン酸耐性を示したが、プラスミドpBAMによる形
質転換体はフザリン酸耐性を示さなかった。 【0026】また、プラスミドpBAA1中に存在する
数カ所のSphIサイトを利用して、各種欠失プラスミ
ドを作成した。 pBAA1を制限酵素SphIで部分
分解した後、T4リガーゼで再結合して、大腸菌JM1
09を形質転換した。 形質転換体のうちフザリン酸耐
性を示すクローンからプラスミドを回収して、その制限
酵素地図を調べたところ、プラスミドpBAA1の右側
に存在する約1.0kbのSphI断片(図2参照)が
欠失したプラスミドpKLR1が見いだされた。さらに
、プラスミドpBAA1を制限酵素XhoIで部分分解
し、再結合することによって、pBAA1の右側の約1
.3kbが欠落したプラスミドpFZR1が得られた。 このpFZR1で形質転換された大腸菌JM109は
フザリン酸耐性能を消失した。 【0027】以上の結果から、シュードモナス・セパシ
ア由来の8.5kb EcoRI断片中、左側のEco
RIサイトから5.4kbにあるSphIサイトまでが
、フザリン酸耐性を示す必須領域であることがわかった
(図2参照)。 【0028】実 施 例 5 塩 基 配 列 の 決 定 :シュードモナス・セパ
シア由来のフザリン酸耐性遺伝子をコードするDNA断
片の塩基配列を決定した。 塩基配列を決定した部分は
、プラスミドpBE1の8.5kbEcoRI断片中、
EcoRIサイトからAccIサイトまでの約 7.
0kb(図3参照)で、実施例3で述べたフザリン酸耐
性遺伝子をコードしている。 塩基配列の決定は、まず
7.0kbのEcoRI/AccI断片を、図1に示し
た制限酵素地図を基に各種制限酵素で切断して、生成す
るDNA断片をファージM13にクローン化した。 こ
こで、図3に示すように各DNA断片は互いに重複する
ようになっている。 各断片をクローン化したファージ
M13を大腸菌JM109に感染させ、二本鎖DNAを
調製した。 【0029】これらの二本鎖DNAを大腸菌エキソヌク
レアーゼIIIと反応させ、一方向に欠失が導入された
二本鎖DNAを調製した。エキソヌクレアーゼIIIを
利用した一方向欠失挿入プラスミドの作成法に関しては
、「続生化学実験講座、第1巻、遺伝子研究法II」の
289−305頁に詳しく記載されている。 前記の方
法により得られた一方向に欠失が挿入された各二本鎖D
NAを大腸菌JM109に形質転換して、一方向に欠失
が挿入されたファージクローンを作成した。 各ファー
ジクローンから二本鎖DNAを調製して、制限酵素によ
る切断パターンから欠失の程度を調べ、適当なクローン
から一本鎖ファージDNAを調製した。 これら一本鎖
ファージDNAを鋳型として、ジデオキシ法(Sang
er, F., et al., Proc. Nat
l.Acad. Sci. USA, 74, 546
3 (1977))によって塩基配列を決定した。 各
クローンの塩基配列をつなぎ合わせることにより、各D
NA断片の塩基配列を決定し、さらに各DNA断片の塩
基配列をつなぎ合わせることにより、7.0kbのEc
oRI/AccI断片全体の塩基配列を決定した。 【0030】また、クレブシエラ・オキシトーカ由来の
フザリン酸耐性遺伝子をコードするDNA断片の塩基配
列も決定した。 塩基配列を決定した部分は、プラスミ
ドpFAR1のBamHIからHindIIIまでの3
.6kb(図1参照)で、前記のシュードモナス・セパ
シア由来のフザリン酸耐性遺伝子の場合と同様にして、
一方向に欠失が挿入された一本鎖ファージの塩基配列を
決定し、それらをつなぎあわせることにより3.6kb
DNA断片全体の塩基配列を決定した。 【0031】実 施 例 6 塩 基 配 列 の 解 析 :シュードモナス・セパ
シア由来の7.0kbのEcoRI/AccI断片は
7006塩基対からなるが、そのうちEcoRIから
SphIまでのフザリン酸耐性を示す最小領域の全塩基
配列(5437塩基対)を図4〜図8に示した。 【0032】この塩基配列中のタンパク質をコードでき
る領域として、開始コドン(ATGないしGTG)で始
まり終止コドン(TAA、TAGないしTGA)で終わ
るオープンリーデイング・フレーム(ORF: Ope
n Reading Frame)を探索した。 プラ
スミドpBE1の8.5kbEcoRI断片を逆向きに
挿入したプラスミドpBE11の形質転換体はフザリン
酸耐性を示さないことから、ORFの向きは図9中左か
ら右側方向とした。250塩基対以上のORFとして1
0個のORFが見いだされたが(図9参照)、これらの
内、開始コドンATGの直前にリボソームと結合できる
SD配列(Shine, J. and Dalgar
no, L., Nature,254, 34−38
(1975))を有し、かつ互いに重複しないORFと
して、ORF3−1;531→1830(531番目の
開始コドンATGから始まり、1830番目の終止コド
ンで終わることを示す、以下同じ)、ORF2−2;1
847→2273、ORF1−2;2314→3352
、ORF3−2;3414→4038およびORF3−
3;4473→4977の5つのORFをフザリン酸耐
性に関係するタンパク質のORFと推定した。 【0033】また、5125塩基から5157塩基の間
には安定なヘアピン構造をとり、転写のターミネイター
として機能しうるインバーテイド・リピート(逆方向反
復配列)構造が認められる。 【0034】更に、クレブシエラ・オキシトーカ由来の
3.6kb DNA断片の全塩基配列を図11〜図
に示した。 この塩基配列中、タンパク質をコード
する領域として、開始コドン(ATGないしGTG)で
始まり、終止コドン(TAA、TAGないしTGA)で
終わるORFを探索した。 300塩基対以上のORF
として、両方向に計7個のORFが見出された。 【0035】実 施 例 7 オープンリーデイングフレームの確認:実施例6に示し
たシュードモナス・セパシアのORFが実際にフザリン
酸耐性に関与するタンパク質をコードしているかを以下
の方法で確認した。 決定された塩基配列から、詳細な
制限酵素地図を作成した。プラスミドpBE1などを適
当な制限酵素サイトで切断後、クレノー(Klenow
)酵素で処理して平滑末端にし、再結合することにより
、切断点以降の読み枠をずらした変異プラスミドを作成
した。 これらの変異プラスミドで大腸菌JM109を形質転
換し、形質転換体のフザリン酸耐性を調べることにより
、変異を導入した部位に存在するORFがフザリン酸耐
性に必要かを調べた。 図9にその結果を示した。 【0036】プラスミドpBE1の8.5kbEcoR
I挿入断片中には、制限酵素BstPIによる切断サイ
ト(1828;切断部位の塩基対の番号を示す)が唯一
箇所存在する。pBE1を制限酵素BstPIで切断後
、クレノー酵素で平滑末端して EcoRIリンカー(
5’−GGAATTCC−3’)を挿入したプラスミド
pBE1−scを作成した。 プラスミドpBE1−s
cをEcoRIで切断して得られる1.8kbおよび6
.7kbのEcoRI断片の各々を、ベクターpUC
19に挿入したプラスミドpSC−181およびpSC
−671を作成した。 【0037】プラスミドpBE1の8.5kbEcoR
I挿入断片中には制限酵素SmaIの切断サイト(10
34)が唯一存在する。 SmaIサイトはベクターp
UC19のマルチクローニングサイトにもう一箇所存在
するので、pBE1−taを SmaIで部分分解
後、アガロース電気泳動法により分画してpBE1が直
鎖状になったDNA分子を回収した。 この直鎖状DN
A分子とEcoRIリンカー (5’−GGAATTC
C−3’)と混合して、T4リガーゼで結合した後、大
腸菌JM109を形質転換した。 形質転換体からプラ
スミドを調製し制限酵素で切断して解析した結果、上記
1036塩基対目のSmaIサイトにEcoRIリンカ
ーが挿入されたプラスミドをpTA−S1とした。 【0038】プラスミドpBE1の挿入DNA断片中に
は2箇所のApaIサイト(1031、1920)が存
在する。 プラスミドpBE1−taを制限酵素ApaIで部分
分解し、前記の方法により直鎖状DNA分子を回収して
切断末端をクレノー酵素により平滑末端にした後、T4
リガーゼで再結合することによりそれ以降の読み枠をず
らした変異プラスミドを作成した。 1031番目のA
paIサイトで読み枠のずれたプラスミドをpTA−A
1、1920番目のApaIサイトで読み枠のずれたプ
ラスミドをpTA−A2とした。 制限酵素PstIの
サイトは、挿入DNA中に5箇所(897、2926、
3921、4544、4740)存在するが、これらの
PstIサイトを利用して上記の方法により読み枠のず
れた変異プラスミドpTA−P2 (2926)、
pTA−P3(3921)、pTA−P4(4544)
およびpTA−P5(4740)を作成した(カッコ内
の数字は読み枠をずらした場所の塩基番号を示 す)。 これらのプラスミドでは各挿入断片中のORFの向き
が、ベクターpUC19のlacプロモーターと同一方
向に挿入されている。 このようにして作成した変異プ
ラスミドで形質転換した大腸菌JM109のフザリン酸
耐性を調べたところ、プラスミドpBE1−scで形質
転換した大腸菌はフザリン酸耐性であったのに対して、
その他のプラスミド(pSC181、pSC671、p
TA−S1、pTA−A1、pTA−A2、pTA−P
2、pTA−P3、pTA−P4およびpTA−P5)
で形質転換した大腸菌はフザリン酸耐性を示さなかった
(図9)参照。 【0039】制限酵素SmaI(1034)にEcoR
Iリンカーを挿入したり、ApaIサイト(1031)
で読み枠をずらした場合はフザリン酸耐性が消失するこ
とから、ORF1−1(301→586)およびORF
2−1(368→959)はフザリン酸耐性には関与し
ていないが、ORF3−1(459→1837)は、フ
ザリン酸耐性に関与していることが明らかになった(O
RFの後の括弧内の数字は翻訳開始コドンおよび終止コ
ドンの塩基番号を示し、制限酵素の後の括弧内の数字は
切断箇所の塩基番号を示す)。 ORF3−1中のSm
aIサイト(1031)の上流には4つの開始コドンA
TGがあるが、このうち直前にSD配列が認められる5
31番目のATGを開始コドンとし、このORFをコー
ドする遺伝子をfadAとした(図9参照)。
【0040】制限酵素BstP1(1828)は、OR
F3−1の終止コドン(1830)の直後でORF2−
2の開始コドン(1847)の直前を切断するが、この
BstPIサイトにEcoRIリンカーを挿入して読み
枠をずらした場合はフザリン酸耐性が存続する。 さら
に、ApaIサイト(1920)およびPstIサイト
(2926)で読み枠をずらすとフザリン酸耐性が消失
することから、ORF2−2(1847→2273)お
よびORF1−2(1708→3352)の2314塩
基にあるATG以降がフザリン酸耐性に必要であること
が明らかになった。 これらのORFをコードする遺伝
子を各々fadB(1847→2273)、fadC(
2314→3352)とした(図9参照)。 fadB
およびfadCのいずれも開始コドンの直前にSD配列
が認められる。また、PstIサイト(3921、45
44、4740)で読み枠をずらした場合はフザリン酸
耐性が消失すること、および開始コドンの直前にあるS
D配列の存在から、fadD(3414→4038)お
よびfadE(4473→4977)をフザリン酸耐性
に必要なタンパク質をコードする領域とした。 【0041】以上の結果をまとめると、フザリン酸耐性
には5つのタンパク質が必要であり、それらタンパク質
をコードする遺伝子として各々fadA、fadB、f
adC、fadDおよびfadEが明らかになった。
これらの遺伝子の塩基配列から推測されるタンパク質の
アミノ酸配列を図4〜図8に示した。 また、当該タン
パク質の予想分子量は、各々45.7kd(キロダルト
ン)、37.9kd、23.0kd、18.5kdおよ
び14.8kdであった。 この値は、実施例8に述べ
る細菌無細胞抽出液による試験管内転写・翻訳産物の分
子量とよく一致した。 【0042】更に、実施例6に示したクレブシエラ・オ
キシトーカ由来の3.6kb DNA断片中に存在する
7個のORFの内、どのORFが実際にフザリン酸耐性
に関与するタンパク質にコードしているかを、前記シュ
ードモナス・セパシアの場合と同様な方法で調べた。
すなわち、プラスミドpFAR1において、各種の欠失
プラスミドおよび読み枠をずらせた変異プラスミドを作
成した。 作成したプラスミドで大腸菌JM109を形
質転換し、形質転換体のフザリン酸耐性を調べることに
より、欠失ないし変異を導入した部分に存在するORF
がフザリン酸耐性に必要かを調べた。 その結果、フザ
リン酸耐性には3つのタンパク質が必要であり、それら
のタンパク質をコードする遺伝子としてfdt1、fd
t2およびfdt3が明かとなった。 これら3つの遺
伝子のそれぞれの開始コドンの直前には、リボソームと
結合できるSD配列が認められた。 これらの遺伝子に
コードされるタンパク質のアミノ酸配列を図11〜図1
3に示した。 【0043】実 施 例 8 試験管内転写・翻訳産物の解析:実施例7において同定
した各遺伝子の転写・翻訳産物が実際に存在することを
、転写と翻訳が共役した細菌無細胞抽出液(DeVri
es, J.K. and Zubay, G., P
roc.Natl. Acad. Sci. USA,
57, 267 (1967))による遺伝子産物の
解析によって確認した。 試験管内での転写・翻訳の反
応は、原核DNA依存翻訳キット(Proーkaryo
tic DNA−directed translat
ion kit、アマシャム社製)用い、キットの指示
書どうりに行った。 鋳型として用いたDNAはフザリ
ン酸耐性を示すプラスミドpBE1−scおよび対照と
して上記キットに含まれるプラスミドpAT153を用
いた。 【0044】プラスミドDNA 2.5μgに、サプリ
メント液 7.5μl、アミノ酸液 3μl、L−[3
5Sメチオニン]2μl(1.11MBq)およびS−
30抽出液 5μlを順次加え、よく混合した後、37
℃で1時間保温した。 メチオニンチェース液を5μl
加えて37℃で5分間保温した後、氷冷して反応を停止
させた。 反応液 6μlに等量の2倍濃度のサンプル
緩衝液を加え、95℃で5分間処理した後、SDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動法によりタンパク質を分
画した。 SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法は、
ラミリーらの方法(Laemmli, U.K., N
ature, 227, 680 (1970))に従
って行い、ゲル濃度は15%とした。電気泳動後のゲル
をゲルドライヤーで乾燥し、オートラジオグラフィーを
行って、試験管内転写・翻訳産物の解析を行った。 【0045】図10に示したように、フザリン酸耐性を
示すプラスミドpBE1−taを鋳型とした転写・翻訳
産物には、対照としたプラスミドpAT153を鋳型と
した場合のβ−ラクタマーゼに相当するバンド以外に、
5つのバンドが認められた。これらの5つのバンドに対
応するタンパク質の分子量を、同時に泳動した分子量マ
ーカーの泳動距離から推定すると、47kd、38kd
、23kd、18.5kdおよび15kdとなった。
この分子量は、実施例7において記載したフザリン酸耐
性に関与する5つの遺伝子、fadA、fadC、fa
dD、fadEおよびfadBによってコードされるタ
ンパク質の予想分子量と各々よく一致した。 【0046】この結果から、シュードモナス・セパシア
由来のフザリン酸耐性遺伝子によって形質転換された大
腸菌中では、上記5つのフザリン酸耐性遺伝子群が発現
し、該形質転換大腸菌をフザリン酸耐性にしていること
が明らかになった。 【0047】 【発明の効果】本発明によれば、シュードモナス・セパ
シア由来のフザリン酸耐性遺伝子を含む5.4kbのD
NA断片の全塩基配列を決定し、当該フザリン酸耐性遺
伝子構造、さらにはタンパク質構造(アミノ酸配列)が
明らかになった。また、クレブシエラ・オキシトーカ由
来のフザリン酸耐性遺伝子を含む、 3.6kb
DNA断片についても、その全塩基配列を決定し、遺伝
子構造、更にはタンパク質構造(アミノ酸配列)が明ら
かにされた。 【0048】これらのフザリン酸耐性遺伝子を植物細胞
に導入することにより、フザリン酸耐性の植物を得るこ
とができる。このようにして得られるフザリン酸耐性の
植物は、フザリウム属糸状菌による萎凋病等に抵抗性と
なるので、当該糸状菌による病害防除上の問題点が解消
される。 【0049】また、当該フザリン酸耐性遺伝子によって
コードされるフザリン酸分解ないしは無毒化に関係する
蛋白質を、遺伝子工学的手法により大量生産し、フザリ
ウム属糸状菌等による病害防除に役立てることもできる
。
はフザリン酸無毒化微生物よりクローン化したフザリン
酸耐性遺伝子、当該遺伝子を有するプラスミド、当該プ
ラスミドにより形質転換された宿主細胞、当該遺伝子の
塩基配列から明らかにされるアミノ酸配列を有するフザ
リン酸分解・無毒化に関係するタンパク質及びその製造
法並びに当該遺伝子又は蛋白質の利用に関する。 【0002】 【従来の技術】植物がしおれて枯死する病気(萎凋病)
は、キュウリ、スイカ、メロンなどのウリ類、トマト、
ナスなどのナス科植物では深刻な病害である。萎凋病は
、土壌生息性のフザリウム(Fusarium)属糸状
菌によって引き起こされる病害である。フザリウム属糸
状菌による萎凋病に対しては、土壌殺菌や特定作物の連
作回避が唯一有効な防除法であるが、一般農家では技術
的にも経済的にも困難な点が多く、これらに代わる有効
な防除法はまだ確立されていない。 【0003】フザリン酸(5−n−butylpico
linic acid)は、萎凋病を引き起こすフザリ
ウム属植物病原菌によって生産され、広く植物細胞に非
特異的に働く毒素として知られている( Wood,R
.K. et al., ” Phytotoxins
in plant diseases ”, Aca
demicPress, New York (19
72). Durbin, R.D., ” Toxi
ns in plant diseases ”,A
cademic Press, New York
(1982). Gaumann, E., Phyt
opathology, 47, 34(1958))
。 フザリン酸の作用機構は確定していないが、トマト
カルス細胞やトマト枝葉において強い毒性を示すこと、
トマト細胞の原形質膜透過性を高め組織液の浸出を引き
起こして枯死作用を促進すること(松尾早見ら、「作物
のフザリウム病」、全国農村協会)、大麦における発芽
・発根の抑制作用( Foy, C. L.and
Change, I., Adv. Pestic
. Sci., 3, 499 (1979))、真菌
・細菌に対する増殖抑制効果( Kalyamasun
dram, R., Plant Dis. Pr
obl., 1, 142 (1970))などが知ら
れている。 【0004】一方、フザリウム属糸状菌による病害に抵
抗性を示すトマトの品種が存在し、この抵抗性トマトの
植物組織内では、フザリン酸が代謝されN−メチルフザ
リン酸アミドに変換されており、このフザリン酸変換作
用はフザリン酸抵抗性の強い品種ほど大きい。 実際に
、このようなフザリン酸に抵抗性の植物体が、フザリウ
ム・オキスポリウム(Fusarium oxyspo
rium )によって引き起こされる萎凋病に対して抵
抗性になることが示された(Shahin, E.A.
and Spirey, R., Theor.Ap
pl. Genet., 73, 164 (1986
). Toyoda, H., et al., Ph
ytopathology, 78,1307 (19
88))。 【0005】フザリン酸は単に植物に萎凋毒性を示すだ
けでなく、細菌等の微生物に対しても毒性を示すことが
知られている。 本発明者らは、土壌中よりフザリン酸
を含む培地上で生育できるフザリン酸耐性菌として、数
種の微生物を分離した。 これらフザリン酸耐性微生物
の分離方法、菌学的性質、フザリン酸耐性機構等につい
ては、特開昭 63−198974号、同63−19
8987号において詳しく開示されている。 上記フザ
リン酸耐性微生物の一つは、シュードモナス・セパシア
(Pseudomonas cepasia)と同定さ
れ、フザリン酸分解能を有し、フザリン酸を唯一炭素源
として生育できる、すなわちフザリン酸資化能を有する
ことが明らかにされた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】防除が非常に困難なフ
ザリウム属糸状菌による萎凋病等に対して、フザリウム
属糸状菌が産生する非特異的毒素であるフザリン酸を分
解・消失することができれば、フザリウム属糸状菌によ
る感染症の発現は回避されうると考えられる。この目的
のために、上記フザリン酸耐性微生物によって、フザリ
ン酸を分解し、無毒化することは有効な手段となりうる
。しかしながら、フザリン酸耐性微生物を、フザリウム
属糸状菌の感染によって植物体内に産生されるフザリン
酸と接触させることが、非常に困難となる。 【0007】このような問題点を解決する手段として、
上記フザリン酸耐性微生物よりフザリン酸耐性遺伝子を
単離し、該遺伝子を植物体に導入・発現させることによ
り、フザリン酸を分解し、無毒化できる植物を育種する
ことがある。 このようなフザリン酸耐性能を有した植
物は、フザリウム属糸状菌による萎凋病の防除に有効な
手段となる。しかしながら、このような遺伝子工学的手
段を講じるためには、当該フザリン酸耐性遺伝子および
該遺伝子の構造についての知見が必要である。 【0008】本発明は、フザリウム属糸状菌による萎凋
病などの植物病を防除するうえで有効な、微生物由来の
フザリン酸分解もしくはフザリン酸無毒化に関与する遺
伝子および該遺伝子の構造に関する知見を提供すること
にある。さらに、該遺伝子によってコードされるフザリ
ン酸分解ないしは無毒化に関係する蛋白質を提供するこ
とにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた。 そしてその
結果、フザリン酸耐性遺伝子は、フザリン酸耐性微生物
、すなわちフザリン酸を含有する培地中で生育が可能で
あり、かつフザリン酸を分解もしくは植物に対して無毒
化しうる微生物に由来し、これらから取得できることを
見いだした。また、このフザリン酸耐性遺伝子からフザ
リン酸分解・無毒化に関係するペプチドが得られること
を見いだした。 【0010】すなわち、本発明は、シュードモナス・セ
パシア由来のフザリン酸の分解ないしは無毒化に関係す
るタンパク質をコードするDNA断片の塩基配列、およ
び当該塩基配列から明らかにされるフザリン酸分解・無
毒化に関係するタンパク質のアミノ酸配列を提供するも
のである。さらに、本発明は、クレブシエラ・オキシト
ーカ由来のフザリン酸の分解・無毒化に関係するタンパ
ク質をコードするDNA断片および当該DNA断片の制
限酵素地図を提供するものである。 【0011】既に発明者らにより、いくつかの種類の細
菌や糸状菌がフザリン酸耐性微生物として見いだされて
いる。 例えば、シュードモナス(Pseudomon
as)属に属する微生物およびクレブシエラ(Kleb
siella)属に属する微生物が知られている。本発
明で用いるフザリン酸耐性微生物のうち、シュードモナ
ス属に属する微生物としては、シュードモナス・セパシ
ア(Pseudomonas cepasia)、特に
シュードモナス・セパシアUK−1株(微工研条寄第1
385号)が好適である。 クレブシエラ属に属する微
生物としてはクレブシエラ・オキシトーカ(Klebs
iellaoxytoca)、特にクレブシエラ・オキ
シトーカHY−1株(微工研条寄第3221号)が好適
である。 上記微生物の菌学的性質、培養条件およびフザリン酸の
分解ないし無毒化については、特開昭63−19897
4号、特願平2−22957号に詳しく開示されている
。 【0012】シュードモナス・セパシアUK−1株はフ
ザリン酸を分解・無毒化し、フザリン酸を唯一炭素源と
して生育できる。 また、クレブシエラ・オキシトーカ
HY−1株は、フザリン酸を分解・無毒化することはで
きるが、フザリン酸を唯一炭素源として生育することは
できない。 【0013】本発明のフザリン酸耐性遺伝子は、上記フ
ザリン酸分解もしくは無毒化能を有する微生物の遺伝子
ライブラリーを大腸菌を宿主として作成し、該遺伝子ラ
イブラリーよりフザリン酸耐性の大腸菌組換え体をスク
リーニングすることにより取得できる。 通常、遺伝子
ライブラリーは、当該微生物の菌体より単離したDNA
を適当な制限酵素で切断した後、ベクターに挿入し、得
られた組換えプラスミドにより大腸菌を形質転換するこ
とにより作成する。 宿主大腸菌はフザリン酸を含む培
地中では生育できないので、フザリン酸の分解ないしは
無毒化に関与する遺伝子を含む大腸菌組換え体だけが当
該培地上で生育可能となる。 【0014】このようにして得られたフザリン酸耐性の
大腸菌組換え体よりプラスミドを回収して、その挿入D
NA断片の制限酵素地図を作成する。 この制限酵素地
図をもとに、当該挿入DNA断片を各種制限酵素で切断
して得られたDNA断片をベクターに挿入後、大腸菌を
形質転換してフザリン酸耐性を示すクローンを選択する
。 フザリン酸耐性を示すクローンのうち、挿入DNA
断片が最も短いものについてその全塩基配列を決定する
。 【0015】このようにして決定された塩基配列を解析
することにより、タンパク質をコードしている領域(O
RF:オープンリーデイングフレーム)を推定し、各O
RFがコードしているタンパク質のアミノ酸配列を推測
する。 さらに、各ORF中に存在する制限酵素切断部
位を当該制限酵素で切断後、クレノー(Klenow)
酵素で切断点を平滑末端にした後、各ORFの平滑断片
を再結合することにより各ORFの読み枠をずらした変
異体遺伝子を作成する。これらの変異体遺伝子で形質転
換した大腸菌はいずれもフザリン酸耐性を消失すること
から、上記各ORFがフザリン酸の分解・無毒化に関係
するタンパク質をコードしていることを確認できる。 【0016】由来微生物としてシュードモナス・セパシ
アを用い、上記の様にして決定された、フザリン酸耐性
関連塩基配列およびこれから導かれるアミノ酸配列の一
例は次の通りである。 (塩基配列) 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 (アミノ酸配列) 【化16】 【化17】 【化18】 【化19】 【化20】 但し、式(I)ないし(V)中のアルファベットは、下
のアミノ酸を示す。A:アラニン、C:システイン、D
:アスパラギン酸、E:グルタミン酸、F:フェニルア
ラニン、G:グリシン、H:ヒスチジン、I:イソロイ
シン、K:リシン、L:ロイシン、M:メチオニン、N
:アスパラギン、P:プロリン、Q:グルタミン、R:
アルギニン、S:セリン、T:スレオニン、V:バリン
、W:トリプトファン、Y:チロシン。 【0017】得られたフザリン酸の分解・無毒化に関与
する遺伝子およびそれらの遺伝子の構造を基に、当該遺
伝子を植物細胞で機能するプロモーターとターミネータ
ーの間に挿入し、植物細胞を形質転換することによりフ
ザリン酸耐性の植物細胞を得ることができる。さらにこ
の形質転換された植物細胞を植物体まで再生させること
により、フザリン酸耐性の植物体を得ることができる。 このようにして得られたフザリン酸耐性の植物はフザリ
ウム属糸状菌による病害に抵抗性となるので、現在、防
除が非常に困難な当該糸状菌による萎凋病等に対する有
効な防除法となる。また、当該フザリン酸の分解・無毒
化に関与する遺伝子によって形質転換された植物細胞は
フザリン酸耐性となるので、植物細胞を形質転換する際
の選択マーカーとしても利用できる。 植物細胞は公知
の方法、例えば、Tiプラスミドを利用した方法(「続
生化学実験講座1、遺伝子研究法II」、205頁、日
本生化学会編、1986年、東京化学同人)あるいは遺
伝子直接導入法(同書、211頁)に従って形質転換す
ることができる。 【0018】さらに、フザリン酸耐性遺伝子の構造が明
らかにされることにより、フザリン酸分解ないしはフザ
リン酸無毒化に関係する蛋白質の構造も明らかになり、
当該蛋白質を遺伝子工学的手法により大量生産し、フザ
リウム属糸状菌による萎稠病などの防除に役立てること
ができる。 【0019】 【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実 施 例 1 遺伝子ライブラリーの作成:シュードモナス・セパシア
UK−1株より常法により全DNAを単離した。細菌D
NAの単離法としては、例えばサイトウ・ミウラ法(S
aito, H. and Miura,K., Bi
ochim. Biophys. Acta, 72,
619 (1963))が挙げられる。 分離したD
NAを制限酵素EcoRIで切断し、アガロース電気泳
動により分画し、4kb以上のDNA断片を回収した。 この回収したDNA断片と、EcoRIで切断後、フ
ォスファターゼ処理したベクターpUC19とをT4リ
ガーゼを用いて結合し、これで大腸菌JM109を形質
転換して、アンピシリン耐性形質転換体としてシュード
モナス・セパシアの遺伝子ライブラリーを作成した。 【0020】クレブシエラ・オキシトーカHY−1株に
ついても、上記記載の方法と同様の方法により遺伝子ラ
イブラリーを作成した。 但し、制限酵素BamHI/
HindIIIで切断したDNA断片をベクターpUC
19に挿入した。 【0021】実 施 例 2 遺伝子ライブラリーのスクリーニング:アンピシリン5
0μg/mlを含むLB培地に形成させた上記遺伝子ラ
イブラリーのコロニーを、二次選択培地(アンピシリン
50μg/ml、IPTG 1mM、フザリン酸 1
00μg/mlを含むデイビス最小培地)にレプリカし
、フザリン酸耐性のクローンを選択した。シュードモナ
ス・セパシアの遺伝子ライブラリーからは、プラスミド
pBE1を持つクローンが選択された。 pBE1は、
シュードモナス・セパシア由来の8.5kbのDNA断
片をEcoRI切断部位に挿入断片として有する。 な
お、pBE1を含む大腸菌JM109は、エシェリヒア
・コリ SAM 1552(Escherichia
coli SAM 1552)と命名され、工業技術
院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第11317号(
FERM P−11317)として寄託されている。 【0022】クレブシエラ・オキシトーカの遺伝子ライ
ブラリーからは、プラスミドpFAR1を持つクローン
が選択された。 pFAR1は、クレブシエラ・オキシ
トーカ由来の、3.6kbのDNA断片をBamH/H
indIII切断部位に挿入断片として有する。 なお
、pFAR1を含む大腸菌JM109は、エシェリヒア
・コリ SAM 1553(Escherichia
coli SAM 1553)と命名され、工業技術院
微生物工業研究所に微工研菌寄第11318号(FER
M P−11318)として寄託されている。 【0023】実 施 例 3 制 限 酵 素 地 図 :プラスミドpBE1および
pFAR1を各種制限酵素で切断し、アガロース電気泳
動により切断DNA断片の大きさを測定して、制限酵素
地図を作成した。図1に上記プラスミドの挿入DNA断
片の制限酵素地図を示した。なお、pBE1の8.5k
b挿入DNA断片を逆向きに挿入したpBE11を持つ
大腸菌はフザリン酸耐性を消失すること、またpBE1
を持つ大腸菌でもIPTG非存在下ではやはりフザリン
酸耐性を消失することから、フザリン酸分解・無毒化遺
伝子はベクターpUC19上に存在するlacプロモー
ターの制御下で発現し、その転写・翻訳の方向は図1中
左から右であることがわかった。一方、pFAR1の3
.6kb挿入DNA断片を逆向きに挿入したpFAR2
を持つクローンもフザリン酸耐性能を有することから、
フザリン酸分解・無毒化遺伝子は3.6kb挿入DNA
断片上に存在するクレブシエラ・オキシトーカ由来のプ
ロモーターの制御下で発現していると考えられる。 【0024】実 施 例 4 サブクローニング−フザリン酸耐性遺伝子のマッピング
:上記制限酵素地図をもとに各種欠失プラスミドを作成
し、該欠失プラスミドで形質転換した大腸菌のフザリン
酸耐性を調べることにより、フザリン酸耐性遺伝子の位
置をより詳細に決定した。 また、この結果をもとにフ
ザリン酸遺伝子のサブクローニングを行った。シュード
モナス・セパシア由来の8.5kb EcoRI挿入断
片を有するプラスミドpBE1の欠失プラスミドと、こ
れらのプラスミドによって形質転換された大腸菌JM1
09のフザリン酸耐性については、図2に示した。 な
お、pBE1で形質転換された大腸菌は、500μg/
mlのフザリン酸を含む培地で生育可能であることがわ
かったので、以後、フザリン酸耐性は500μg/ml
のフザリン酸を含むデイビス最小培地(アンピシリン
50μg/ml、IPTG 1mMを含む)での生育で
検定した。 【0025】図1に示すプラスミドpBE1のEcoR
I挿入断片中、6.4kb付近に唯一存在するStuI
サイトで切断後、SacIリンカー(5’−CGAGC
TCG−3’)を挿入することによって、以後の読み枠
をずらしたプラスミドpBE−taを作成した。 プラ
スミドpBE−taをSacIで切断して生じた6.4
kbのSacI断片をベクターpUC19のSacIサ
イトに挿入したプラスミドをpBAA1とした。 次に
、プラスミドpBAA1の左側から1kbの所(図2参
照)と、ベクターpUC19のマルチクローニングサイ
トに存在する SmaIサイトの間を欠失させたプラス
ミドpBAMを作成した。これらのプラスミドで大腸菌
JM109を形質転換し、フザリン酸耐性を調べたとこ
ろ、pBE1−taおよびpBAA1の形質転換体はフ
ザリン酸耐性を示したが、プラスミドpBAMによる形
質転換体はフザリン酸耐性を示さなかった。 【0026】また、プラスミドpBAA1中に存在する
数カ所のSphIサイトを利用して、各種欠失プラスミ
ドを作成した。 pBAA1を制限酵素SphIで部分
分解した後、T4リガーゼで再結合して、大腸菌JM1
09を形質転換した。 形質転換体のうちフザリン酸耐
性を示すクローンからプラスミドを回収して、その制限
酵素地図を調べたところ、プラスミドpBAA1の右側
に存在する約1.0kbのSphI断片(図2参照)が
欠失したプラスミドpKLR1が見いだされた。さらに
、プラスミドpBAA1を制限酵素XhoIで部分分解
し、再結合することによって、pBAA1の右側の約1
.3kbが欠落したプラスミドpFZR1が得られた。 このpFZR1で形質転換された大腸菌JM109は
フザリン酸耐性能を消失した。 【0027】以上の結果から、シュードモナス・セパシ
ア由来の8.5kb EcoRI断片中、左側のEco
RIサイトから5.4kbにあるSphIサイトまでが
、フザリン酸耐性を示す必須領域であることがわかった
(図2参照)。 【0028】実 施 例 5 塩 基 配 列 の 決 定 :シュードモナス・セパ
シア由来のフザリン酸耐性遺伝子をコードするDNA断
片の塩基配列を決定した。 塩基配列を決定した部分は
、プラスミドpBE1の8.5kbEcoRI断片中、
EcoRIサイトからAccIサイトまでの約 7.
0kb(図3参照)で、実施例3で述べたフザリン酸耐
性遺伝子をコードしている。 塩基配列の決定は、まず
7.0kbのEcoRI/AccI断片を、図1に示し
た制限酵素地図を基に各種制限酵素で切断して、生成す
るDNA断片をファージM13にクローン化した。 こ
こで、図3に示すように各DNA断片は互いに重複する
ようになっている。 各断片をクローン化したファージ
M13を大腸菌JM109に感染させ、二本鎖DNAを
調製した。 【0029】これらの二本鎖DNAを大腸菌エキソヌク
レアーゼIIIと反応させ、一方向に欠失が導入された
二本鎖DNAを調製した。エキソヌクレアーゼIIIを
利用した一方向欠失挿入プラスミドの作成法に関しては
、「続生化学実験講座、第1巻、遺伝子研究法II」の
289−305頁に詳しく記載されている。 前記の方
法により得られた一方向に欠失が挿入された各二本鎖D
NAを大腸菌JM109に形質転換して、一方向に欠失
が挿入されたファージクローンを作成した。 各ファー
ジクローンから二本鎖DNAを調製して、制限酵素によ
る切断パターンから欠失の程度を調べ、適当なクローン
から一本鎖ファージDNAを調製した。 これら一本鎖
ファージDNAを鋳型として、ジデオキシ法(Sang
er, F., et al., Proc. Nat
l.Acad. Sci. USA, 74, 546
3 (1977))によって塩基配列を決定した。 各
クローンの塩基配列をつなぎ合わせることにより、各D
NA断片の塩基配列を決定し、さらに各DNA断片の塩
基配列をつなぎ合わせることにより、7.0kbのEc
oRI/AccI断片全体の塩基配列を決定した。 【0030】また、クレブシエラ・オキシトーカ由来の
フザリン酸耐性遺伝子をコードするDNA断片の塩基配
列も決定した。 塩基配列を決定した部分は、プラスミ
ドpFAR1のBamHIからHindIIIまでの3
.6kb(図1参照)で、前記のシュードモナス・セパ
シア由来のフザリン酸耐性遺伝子の場合と同様にして、
一方向に欠失が挿入された一本鎖ファージの塩基配列を
決定し、それらをつなぎあわせることにより3.6kb
DNA断片全体の塩基配列を決定した。 【0031】実 施 例 6 塩 基 配 列 の 解 析 :シュードモナス・セパ
シア由来の7.0kbのEcoRI/AccI断片は
7006塩基対からなるが、そのうちEcoRIから
SphIまでのフザリン酸耐性を示す最小領域の全塩基
配列(5437塩基対)を図4〜図8に示した。 【0032】この塩基配列中のタンパク質をコードでき
る領域として、開始コドン(ATGないしGTG)で始
まり終止コドン(TAA、TAGないしTGA)で終わ
るオープンリーデイング・フレーム(ORF: Ope
n Reading Frame)を探索した。 プラ
スミドpBE1の8.5kbEcoRI断片を逆向きに
挿入したプラスミドpBE11の形質転換体はフザリン
酸耐性を示さないことから、ORFの向きは図9中左か
ら右側方向とした。250塩基対以上のORFとして1
0個のORFが見いだされたが(図9参照)、これらの
内、開始コドンATGの直前にリボソームと結合できる
SD配列(Shine, J. and Dalgar
no, L., Nature,254, 34−38
(1975))を有し、かつ互いに重複しないORFと
して、ORF3−1;531→1830(531番目の
開始コドンATGから始まり、1830番目の終止コド
ンで終わることを示す、以下同じ)、ORF2−2;1
847→2273、ORF1−2;2314→3352
、ORF3−2;3414→4038およびORF3−
3;4473→4977の5つのORFをフザリン酸耐
性に関係するタンパク質のORFと推定した。 【0033】また、5125塩基から5157塩基の間
には安定なヘアピン構造をとり、転写のターミネイター
として機能しうるインバーテイド・リピート(逆方向反
復配列)構造が認められる。 【0034】更に、クレブシエラ・オキシトーカ由来の
3.6kb DNA断片の全塩基配列を図11〜図
に示した。 この塩基配列中、タンパク質をコード
する領域として、開始コドン(ATGないしGTG)で
始まり、終止コドン(TAA、TAGないしTGA)で
終わるORFを探索した。 300塩基対以上のORF
として、両方向に計7個のORFが見出された。 【0035】実 施 例 7 オープンリーデイングフレームの確認:実施例6に示し
たシュードモナス・セパシアのORFが実際にフザリン
酸耐性に関与するタンパク質をコードしているかを以下
の方法で確認した。 決定された塩基配列から、詳細な
制限酵素地図を作成した。プラスミドpBE1などを適
当な制限酵素サイトで切断後、クレノー(Klenow
)酵素で処理して平滑末端にし、再結合することにより
、切断点以降の読み枠をずらした変異プラスミドを作成
した。 これらの変異プラスミドで大腸菌JM109を形質転
換し、形質転換体のフザリン酸耐性を調べることにより
、変異を導入した部位に存在するORFがフザリン酸耐
性に必要かを調べた。 図9にその結果を示した。 【0036】プラスミドpBE1の8.5kbEcoR
I挿入断片中には、制限酵素BstPIによる切断サイ
ト(1828;切断部位の塩基対の番号を示す)が唯一
箇所存在する。pBE1を制限酵素BstPIで切断後
、クレノー酵素で平滑末端して EcoRIリンカー(
5’−GGAATTCC−3’)を挿入したプラスミド
pBE1−scを作成した。 プラスミドpBE1−s
cをEcoRIで切断して得られる1.8kbおよび6
.7kbのEcoRI断片の各々を、ベクターpUC
19に挿入したプラスミドpSC−181およびpSC
−671を作成した。 【0037】プラスミドpBE1の8.5kbEcoR
I挿入断片中には制限酵素SmaIの切断サイト(10
34)が唯一存在する。 SmaIサイトはベクターp
UC19のマルチクローニングサイトにもう一箇所存在
するので、pBE1−taを SmaIで部分分解
後、アガロース電気泳動法により分画してpBE1が直
鎖状になったDNA分子を回収した。 この直鎖状DN
A分子とEcoRIリンカー (5’−GGAATTC
C−3’)と混合して、T4リガーゼで結合した後、大
腸菌JM109を形質転換した。 形質転換体からプラ
スミドを調製し制限酵素で切断して解析した結果、上記
1036塩基対目のSmaIサイトにEcoRIリンカ
ーが挿入されたプラスミドをpTA−S1とした。 【0038】プラスミドpBE1の挿入DNA断片中に
は2箇所のApaIサイト(1031、1920)が存
在する。 プラスミドpBE1−taを制限酵素ApaIで部分
分解し、前記の方法により直鎖状DNA分子を回収して
切断末端をクレノー酵素により平滑末端にした後、T4
リガーゼで再結合することによりそれ以降の読み枠をず
らした変異プラスミドを作成した。 1031番目のA
paIサイトで読み枠のずれたプラスミドをpTA−A
1、1920番目のApaIサイトで読み枠のずれたプ
ラスミドをpTA−A2とした。 制限酵素PstIの
サイトは、挿入DNA中に5箇所(897、2926、
3921、4544、4740)存在するが、これらの
PstIサイトを利用して上記の方法により読み枠のず
れた変異プラスミドpTA−P2 (2926)、
pTA−P3(3921)、pTA−P4(4544)
およびpTA−P5(4740)を作成した(カッコ内
の数字は読み枠をずらした場所の塩基番号を示 す)。 これらのプラスミドでは各挿入断片中のORFの向き
が、ベクターpUC19のlacプロモーターと同一方
向に挿入されている。 このようにして作成した変異プ
ラスミドで形質転換した大腸菌JM109のフザリン酸
耐性を調べたところ、プラスミドpBE1−scで形質
転換した大腸菌はフザリン酸耐性であったのに対して、
その他のプラスミド(pSC181、pSC671、p
TA−S1、pTA−A1、pTA−A2、pTA−P
2、pTA−P3、pTA−P4およびpTA−P5)
で形質転換した大腸菌はフザリン酸耐性を示さなかった
(図9)参照。 【0039】制限酵素SmaI(1034)にEcoR
Iリンカーを挿入したり、ApaIサイト(1031)
で読み枠をずらした場合はフザリン酸耐性が消失するこ
とから、ORF1−1(301→586)およびORF
2−1(368→959)はフザリン酸耐性には関与し
ていないが、ORF3−1(459→1837)は、フ
ザリン酸耐性に関与していることが明らかになった(O
RFの後の括弧内の数字は翻訳開始コドンおよび終止コ
ドンの塩基番号を示し、制限酵素の後の括弧内の数字は
切断箇所の塩基番号を示す)。 ORF3−1中のSm
aIサイト(1031)の上流には4つの開始コドンA
TGがあるが、このうち直前にSD配列が認められる5
31番目のATGを開始コドンとし、このORFをコー
ドする遺伝子をfadAとした(図9参照)。
【0040】制限酵素BstP1(1828)は、OR
F3−1の終止コドン(1830)の直後でORF2−
2の開始コドン(1847)の直前を切断するが、この
BstPIサイトにEcoRIリンカーを挿入して読み
枠をずらした場合はフザリン酸耐性が存続する。 さら
に、ApaIサイト(1920)およびPstIサイト
(2926)で読み枠をずらすとフザリン酸耐性が消失
することから、ORF2−2(1847→2273)お
よびORF1−2(1708→3352)の2314塩
基にあるATG以降がフザリン酸耐性に必要であること
が明らかになった。 これらのORFをコードする遺伝
子を各々fadB(1847→2273)、fadC(
2314→3352)とした(図9参照)。 fadB
およびfadCのいずれも開始コドンの直前にSD配列
が認められる。また、PstIサイト(3921、45
44、4740)で読み枠をずらした場合はフザリン酸
耐性が消失すること、および開始コドンの直前にあるS
D配列の存在から、fadD(3414→4038)お
よびfadE(4473→4977)をフザリン酸耐性
に必要なタンパク質をコードする領域とした。 【0041】以上の結果をまとめると、フザリン酸耐性
には5つのタンパク質が必要であり、それらタンパク質
をコードする遺伝子として各々fadA、fadB、f
adC、fadDおよびfadEが明らかになった。
これらの遺伝子の塩基配列から推測されるタンパク質の
アミノ酸配列を図4〜図8に示した。 また、当該タン
パク質の予想分子量は、各々45.7kd(キロダルト
ン)、37.9kd、23.0kd、18.5kdおよ
び14.8kdであった。 この値は、実施例8に述べ
る細菌無細胞抽出液による試験管内転写・翻訳産物の分
子量とよく一致した。 【0042】更に、実施例6に示したクレブシエラ・オ
キシトーカ由来の3.6kb DNA断片中に存在する
7個のORFの内、どのORFが実際にフザリン酸耐性
に関与するタンパク質にコードしているかを、前記シュ
ードモナス・セパシアの場合と同様な方法で調べた。
すなわち、プラスミドpFAR1において、各種の欠失
プラスミドおよび読み枠をずらせた変異プラスミドを作
成した。 作成したプラスミドで大腸菌JM109を形
質転換し、形質転換体のフザリン酸耐性を調べることに
より、欠失ないし変異を導入した部分に存在するORF
がフザリン酸耐性に必要かを調べた。 その結果、フザ
リン酸耐性には3つのタンパク質が必要であり、それら
のタンパク質をコードする遺伝子としてfdt1、fd
t2およびfdt3が明かとなった。 これら3つの遺
伝子のそれぞれの開始コドンの直前には、リボソームと
結合できるSD配列が認められた。 これらの遺伝子に
コードされるタンパク質のアミノ酸配列を図11〜図1
3に示した。 【0043】実 施 例 8 試験管内転写・翻訳産物の解析:実施例7において同定
した各遺伝子の転写・翻訳産物が実際に存在することを
、転写と翻訳が共役した細菌無細胞抽出液(DeVri
es, J.K. and Zubay, G., P
roc.Natl. Acad. Sci. USA,
57, 267 (1967))による遺伝子産物の
解析によって確認した。 試験管内での転写・翻訳の反
応は、原核DNA依存翻訳キット(Proーkaryo
tic DNA−directed translat
ion kit、アマシャム社製)用い、キットの指示
書どうりに行った。 鋳型として用いたDNAはフザリ
ン酸耐性を示すプラスミドpBE1−scおよび対照と
して上記キットに含まれるプラスミドpAT153を用
いた。 【0044】プラスミドDNA 2.5μgに、サプリ
メント液 7.5μl、アミノ酸液 3μl、L−[3
5Sメチオニン]2μl(1.11MBq)およびS−
30抽出液 5μlを順次加え、よく混合した後、37
℃で1時間保温した。 メチオニンチェース液を5μl
加えて37℃で5分間保温した後、氷冷して反応を停止
させた。 反応液 6μlに等量の2倍濃度のサンプル
緩衝液を加え、95℃で5分間処理した後、SDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動法によりタンパク質を分
画した。 SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法は、
ラミリーらの方法(Laemmli, U.K., N
ature, 227, 680 (1970))に従
って行い、ゲル濃度は15%とした。電気泳動後のゲル
をゲルドライヤーで乾燥し、オートラジオグラフィーを
行って、試験管内転写・翻訳産物の解析を行った。 【0045】図10に示したように、フザリン酸耐性を
示すプラスミドpBE1−taを鋳型とした転写・翻訳
産物には、対照としたプラスミドpAT153を鋳型と
した場合のβ−ラクタマーゼに相当するバンド以外に、
5つのバンドが認められた。これらの5つのバンドに対
応するタンパク質の分子量を、同時に泳動した分子量マ
ーカーの泳動距離から推定すると、47kd、38kd
、23kd、18.5kdおよび15kdとなった。
この分子量は、実施例7において記載したフザリン酸耐
性に関与する5つの遺伝子、fadA、fadC、fa
dD、fadEおよびfadBによってコードされるタ
ンパク質の予想分子量と各々よく一致した。 【0046】この結果から、シュードモナス・セパシア
由来のフザリン酸耐性遺伝子によって形質転換された大
腸菌中では、上記5つのフザリン酸耐性遺伝子群が発現
し、該形質転換大腸菌をフザリン酸耐性にしていること
が明らかになった。 【0047】 【発明の効果】本発明によれば、シュードモナス・セパ
シア由来のフザリン酸耐性遺伝子を含む5.4kbのD
NA断片の全塩基配列を決定し、当該フザリン酸耐性遺
伝子構造、さらにはタンパク質構造(アミノ酸配列)が
明らかになった。また、クレブシエラ・オキシトーカ由
来のフザリン酸耐性遺伝子を含む、 3.6kb
DNA断片についても、その全塩基配列を決定し、遺伝
子構造、更にはタンパク質構造(アミノ酸配列)が明ら
かにされた。 【0048】これらのフザリン酸耐性遺伝子を植物細胞
に導入することにより、フザリン酸耐性の植物を得るこ
とができる。このようにして得られるフザリン酸耐性の
植物は、フザリウム属糸状菌による萎凋病等に抵抗性と
なるので、当該糸状菌による病害防除上の問題点が解消
される。 【0049】また、当該フザリン酸耐性遺伝子によって
コードされるフザリン酸分解ないしは無毒化に関係する
蛋白質を、遺伝子工学的手法により大量生産し、フザリ
ウム属糸状菌等による病害防除に役立てることもできる
。
【図1】 フザリン酸耐性遺伝子を含むDNA断片の
制限酵素地図を示す図面である。 図中、太線は、挿入
DNA断片を示し、pBE1は、シュードモナス・セパ
シア由来のフザリン酸耐性遺伝子を含むプラスミドを、
pFAR1は、クレブシエラ・オキシトーカ由来のフザ
リン酸耐性遺伝子である。
制限酵素地図を示す図面である。 図中、太線は、挿入
DNA断片を示し、pBE1は、シュードモナス・セパ
シア由来のフザリン酸耐性遺伝子を含むプラスミドを、
pFAR1は、クレブシエラ・オキシトーカ由来のフザ
リン酸耐性遺伝子である。
【図2】 シュードモナス・セパシア由来のフザリン
酸耐性遺伝子の最小領域を示す図面である。 図中、太
線は、左端に示した欠失・変異プラスミドの挿入DNA
断片を示し、右端に該プラスミドで形質転換した大腸菌
のフザリン酸耐性を示す(+はフザリン酸耐性であるこ
とを、−はフザリン酸耐性がないことを示す)。 太線
上のアルファベットは、制限酵素の切断部位を示す:E
;EcoRI、Sa;SacI、Sm;SmaI、Sp
;SphI、St;StuI、X;XhoI)。 Sa
(St)は、制限酵素StuIで切断後、SacIリン
カーを挿入したことを示す。 左端の矢印はベクターp
UC19上にあるプロモーター(Plac)の位置と方
向を示し、下端の矢印は、フザリン酸耐性遺伝子の最小
領域と転写の向きを示す。
酸耐性遺伝子の最小領域を示す図面である。 図中、太
線は、左端に示した欠失・変異プラスミドの挿入DNA
断片を示し、右端に該プラスミドで形質転換した大腸菌
のフザリン酸耐性を示す(+はフザリン酸耐性であるこ
とを、−はフザリン酸耐性がないことを示す)。 太線
上のアルファベットは、制限酵素の切断部位を示す:E
;EcoRI、Sa;SacI、Sm;SmaI、Sp
;SphI、St;StuI、X;XhoI)。 Sa
(St)は、制限酵素StuIで切断後、SacIリン
カーを挿入したことを示す。 左端の矢印はベクターp
UC19上にあるプロモーター(Plac)の位置と方
向を示し、下端の矢印は、フザリン酸耐性遺伝子の最小
領域と転写の向きを示す。
【図3】 シュードモナス・セパシア由来のフザリン
酸耐性遺伝子を含むDNAの塩基配列を決定した際の概
略を示す図面である。 図中、太線は、塩基配列を決定
したDNA部分を示し、太線上のアルファベットは各種
DNA断片を調製するのに用いた制限酵素の切断部位を
示す:Ac;AccI、E;EcoRI、H;Hind
III、P;PstI、Sm;SmaI、Sp;Sph
I。 両方向の矢印は、調製した各種DNA断片を示す
。
酸耐性遺伝子を含むDNAの塩基配列を決定した際の概
略を示す図面である。 図中、太線は、塩基配列を決定
したDNA部分を示し、太線上のアルファベットは各種
DNA断片を調製するのに用いた制限酵素の切断部位を
示す:Ac;AccI、E;EcoRI、H;Hind
III、P;PstI、Sm;SmaI、Sp;Sph
I。 両方向の矢印は、調製した各種DNA断片を示す
。
【図4】〜
【図8】 シュードモナス・セパシア由来のフザリン
酸耐性遺伝子を含むDNA断片の塩基配列およびアミノ
酸配列を示す図面である。 塩基配列は、EcoRIサ
イトからSphIサイトまでの5437塩基を示し、そ
の下側に推定されるタンパク質のアミノ酸配列を示した
。 各開始コドンの上部に遺伝子(fadA、fadB、f
adC、fadD、fadE)を示した。 開始コドン
の直前の下線は推定リボソーム結合部位(SD配列)を
示す。 両端の数字は、上が塩基対番号、下がアミノ酸
番号を示す。
酸耐性遺伝子を含むDNA断片の塩基配列およびアミノ
酸配列を示す図面である。 塩基配列は、EcoRIサ
イトからSphIサイトまでの5437塩基を示し、そ
の下側に推定されるタンパク質のアミノ酸配列を示した
。 各開始コドンの上部に遺伝子(fadA、fadB、f
adC、fadD、fadE)を示した。 開始コドン
の直前の下線は推定リボソーム結合部位(SD配列)を
示す。 両端の数字は、上が塩基対番号、下がアミノ酸
番号を示す。
【図9】 フザリン酸耐性に関与するタンパク質の解
析を行った結果を示す図面である。 図中、太線は左端
に記した変異プラスミド中の挿入DNA断片を示す。
挿入したDNA断片(8.5kb)の一部である、5.
4kbのEcoRI/SphI断片が示される。 太線
上のアルファベットは以下の制限酵素の切断点を示す:
Ap;ApaI、Bp;BstPI、E;EcoRI、
P;PstI、Sm;SmaI、Sp;SphI。 括
弧は、括弧内に記した制限酵素で切断後、クレノー酵素
処理することにより、読み枠をずらしたことを示す。
また、例えば、E(Sm)は、SmaIで切断後、Ec
oRIリンカーを挿入することにより、読み枠をずらし
たことを示す。右端に、これらの変異プラスミドで形質
転換した大腸菌JM109のフザリン酸耐性を示す。
図中、上部の矢印は、このDNA断片中のオープンリー
デイングフレーム(ORF)を示し、このうち欠失プラ
スミドを持つ大腸菌のフザリン酸耐性の解析から、実際
にフザリン酸耐性に関与するORF(fadA、fad
B、fadC、fadD、fadE)を太矢印で示した
。
析を行った結果を示す図面である。 図中、太線は左端
に記した変異プラスミド中の挿入DNA断片を示す。
挿入したDNA断片(8.5kb)の一部である、5.
4kbのEcoRI/SphI断片が示される。 太線
上のアルファベットは以下の制限酵素の切断点を示す:
Ap;ApaI、Bp;BstPI、E;EcoRI、
P;PstI、Sm;SmaI、Sp;SphI。 括
弧は、括弧内に記した制限酵素で切断後、クレノー酵素
処理することにより、読み枠をずらしたことを示す。
また、例えば、E(Sm)は、SmaIで切断後、Ec
oRIリンカーを挿入することにより、読み枠をずらし
たことを示す。右端に、これらの変異プラスミドで形質
転換した大腸菌JM109のフザリン酸耐性を示す。
図中、上部の矢印は、このDNA断片中のオープンリー
デイングフレーム(ORF)を示し、このうち欠失プラ
スミドを持つ大腸菌のフザリン酸耐性の解析から、実際
にフザリン酸耐性に関与するORF(fadA、fad
B、fadC、fadD、fadE)を太矢印で示した
。
【図10】 試験管内転写・翻訳産物の解析の結果を
示す模式図である。 左端の矢印は、同時に泳動した分
子量マーカーの泳動位置を示し、数字は分子量マーカー
の分子量を示す。 右端の矢印は、フザリン酸耐性に関
与する5つのタンパク質の泳動位置を示す。
示す模式図である。 左端の矢印は、同時に泳動した分
子量マーカーの泳動位置を示し、数字は分子量マーカー
の分子量を示す。 右端の矢印は、フザリン酸耐性に関
与する5つのタンパク質の泳動位置を示す。
【図11】〜
Priority Applications (6)
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|---|---|---|---|
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| EP91103006A EP0444664B1 (en) | 1990-02-28 | 1991-02-28 | Fusaric acid resistant genes |
| ES91103006T ES2169020T3 (es) | 1990-02-28 | 1991-02-28 | Genes resistentes al acido fusarico. |
| DE69132828T DE69132828T2 (de) | 1990-02-28 | 1991-02-28 | Resistenzgene gegen Fusarsäure |
| AT91103006T ATE209440T1 (de) | 1990-02-28 | 1991-02-28 | Resistenzgene gegen fusarsäure |
| US07/661,610 US5292643A (en) | 1990-02-28 | 1991-02-28 | Fusaric acid resistant genes |
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| JP2-45481 | 1990-02-28 | ||
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|---|---|---|---|---|
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| JPH03228673A (ja) * | 1990-01-31 | 1991-10-09 | Daikin Ind Ltd | フザリン酸を無毒化する微生物およびそれを用いたフザリン酸の無毒化方法 |
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- 1991-02-28 AT AT91103006T patent/ATE209440T1/de not_active IP Right Cessation
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- 1991-02-28 ES ES91103006T patent/ES2169020T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1991-02-28 EP EP91103006A patent/EP0444664B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1991-02-28 DE DE69132828T patent/DE69132828T2/de not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2022521497A (ja) * | 2019-02-14 | 2022-04-08 | コパート ベスローテン フェンノートシャップ | Dna分子の混合物を含む組成物、生物学的阻害剤としてのその使用及び製造方法 |
| JP2025060642A (ja) * | 2019-02-14 | 2025-04-10 | コパート ベスローテン フェンノートシャップ | Dna分子の混合物を含む組成物、生物学的阻害剤としてのその使用及び製造方法 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
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| EP0444664B1 (en) | 2001-11-28 |
| DE69132828T2 (de) | 2002-06-20 |
| ES2169020T3 (es) | 2002-07-01 |
| EP0444664A3 (en) | 1991-10-23 |
| US5292643A (en) | 1994-03-08 |
| EP0444664A2 (en) | 1991-09-04 |
| DE69132828D1 (de) | 2002-01-10 |
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