JPH04240022A - 放電加工電極用黒鉛材の製造方法 - Google Patents
放電加工電極用黒鉛材の製造方法Info
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- JPH04240022A JPH04240022A JP3002561A JP256191A JPH04240022A JP H04240022 A JPH04240022 A JP H04240022A JP 3002561 A JP3002561 A JP 3002561A JP 256191 A JP256191 A JP 256191A JP H04240022 A JPH04240022 A JP H04240022A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黒鉛材料の製造方法に
関し、特に放電加工装置において採用される電極に適し
た高強度・高密度でかつ低消耗である黒鉛材の製造方法
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、放電加工装置において使用され
ている電極は、一般には黒鉛材によって形成されている
が、この製造方法は基本的には炭素質骨材とバインダー
ピッチとを混合してから形成するものである。しかしな
がら、この方法においては、製品の均質化を図るために
炭素質骨材を微粉砕しなければならないものであり、例
えば針状コークス等を微粉砕すると、その微粉を覆うた
めのバインダーは多くならざるを得ないものである。バ
インダー成分が多くなると、その炭化処理工程において
これが熱分解・重縮合することにより気孔を生成したり
、炭素質骨材とバインダーとが異なる収縮特性を示して
高強度を得られないことも起こり得るものである。しか
しながら、この黒鉛材を高密度で高強度なものとしない
と良好な放電性や耐久性が得られないものである。そこ
で、最近は、例えば、特公平1−23405号公報ある
いは特公平1−58125号公報にて提案されているよ
うな種々な製造方法を採用することによって、この種の
黒鉛材を製造するようにしていたのである。 【0003】特公平1−23405号公報にて提案され
ている「炭素成形体の製造方法」においては、上記公報
の特許請求の範囲の記載からすると、「石炭系バインダ
ーピッチまたは石油系バインダーピッチと、炭素質骨材
とを混合し焼成して炭素成形体を製造するにあたり、バ
ルクメソフェーズを、前記バインダーピッチまたは炭素
質骨材に予め添加するかあるいは前記バインダーピッチ
と炭素質骨材との混合物に予め添加することを特徴とす
る、炭素成形体の製造方法」であるが、この製造方法は
基本的には炭素質骨材とバインダーピッチとを混合する
ものである。しかしながら、この方法においては、製品
の均質化を図るために炭素質骨材を微粉砕しなければな
らないものであり、例えば針状コークス等を微粉砕する
と、その微粉を覆うためのバインダーは多くならざるを
得ないものである。バインダー成分が多くなると、その
炭化処理工程においてこれが熱分解・重縮合することに
より気孔を生成したり、炭素質骨材とバインダーとが異
なる収縮特性を示して高強度を得られないことも起こり
得るものであることは前述した通りである。 【0004】そのために、上記特公平1−58125号
公報にて示されているような、「ピッチを10〜70T
orrの減圧下で、または400〜600℃の加熱スチ
ームを吹き込みながら昇温し400〜530℃まで加熱
するとともに低分子成分および分解油分の除去を行い、
炭素含有率92重量%以上、900℃までの揮発分が7
〜13重量%、500℃まで加熱したときの成形体の線
収縮率が6%以下の原料を、平均粒径10μm以下に粉
砕した後、成形し焼成することを特徴とする高強度・高
密度炭素材の製造方法」なる方法を採用することも提案
されているのである。しかしながら、この製造方法にお
いては、電極としたときに大きく影響を与えることのあ
るピッチ中の灰分については何等規定していないもので
あり、この方法によって製造した炭素材をそのまま放電
加工装置の電極等を構成するための材料として採用する
ことはできないものである。 【0005】そこで、本発明者等は、放電加工装置の電
極等を構成するために最良な黒鉛材を製造するにはどう
したらよいかについて種々検討を重ねてきた結果、本発
明を完成したものである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な実情に鑑みてなされたもので、その解決しようとする
課題は、放電加工電極用黒鉛材のさらなる高密度化、高
強度化、低消耗化である。 【0007】そして、本発明の目的とするところは、放
電加工装置の電極等を形成するのに適した、高密度・高
強度でかつ消耗しにくい黒鉛材を製造するための方法を
提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段及び作用】以上の課題を解
決するために、本発明の採った手段は、原料にメソカー
ボンマイクロビーズまたはバルクメソフェーズ粉砕品等
のメソフェーズ系材料を用いて放電加工電極用黒鉛材を
製造する方法であって、前記メソフェーズ系材料として
、 (a)βレジン成分が20〜30% (b)灰分が0.15%以下 (c)水分が0.15〜0.79% (d)揮発分が8.8〜15.1% (e)固定炭素が86〜91.5% (f)レーザー回折式粒度計による平均粒直径が15.
0μm以下 であるものを使用して、これを冷間プレスにて成形し、
この成形物に対して所定の昇温度で最高温度840〜1
200℃の温度範囲で炭化処理を施し、この炭化物に対
して2400〜3000℃の温度範囲で黒鉛化処理を施
すことにより、放電加工電極用黒鉛材を製造する方法で
ある。 【0009】すなわち、本発明の製造方法は、メソカー
ボンマイクロビーズまたはバルクメソフェーズ粉砕品等
のメソフェーズ系材料のみを原料とするものであり、こ
の種のメソフェーズ系材料としては、平均粒径10〜1
5μmのメソカーボンマイクロビーズを原料に用いた黒
鉛材(カサ密度1.90g/cm3、曲げ強度1000
kg/cm2)やバルクメソフェーズ粉砕品(カサ密度
1.94g/cm3、曲げ強度750kg/cm2)が
ある。 【0010】そして、このメソフェーズ系材料の各性質
を上記(a)〜(f)のように規定しているのは、本発
明の製造方法によって形成した黒鉛材が放電加工装置の
電極等を構成するためのものとして、十分な高強度性、
高密度性及び耐消耗性を有したものとするためであり、
具体的には各々次のような理由による。 【0011】・(a)について βレジン成分、すなわちベンゼンには溶解しないがキノ
リンには溶解する成分が20〜30%であることの必要
性は、焼成時の粒子の融着性と熱分解生成物から揮散し
てできる気孔の発生とを防止する必要があるからである
。 【0012】・(b)について 灰分は、所謂ピットホールの原因となるものであるが、
このピットホールが放電加工装置のための電極に採用さ
れる黒鉛在中に存在していると、放電特性を著しく阻害
するだけでなく、放電箇所が集中して電極の消耗を早め
る原因ともなるものである。そのために原料中に含まれ
る灰分は0であるのが理想ではあるが、原料中の灰分を
0にすることは不可能に近い。そこで、放電加工電極用
黒鉛材として許容でき、しかも現時点での技術によって
低コストで可能な限りの上限を設定するとすると、上述
した範囲が最適なものとなるのである。 【0013】すなわち、原料中に含まれる灰分の最大限
を0.15%とすることにより、少なくともこの灰分の
含有量を規定しないものに比較した場合に、黒鉛材の放
電加工装置用の電極等としての機能をより向上させ得る
のである。 【0014】・(c)について 水分は、黒鉛材として完成した後には全く不要のもので
あるが、成形する前の原料中にはある程度含まれていな
ければならないものである。その理由は、微粉化した原
料を焼成前に一定形状のものに成形するには、この原料
が形を保持し得る湿気が必要だからである。しかしなが
ら、あまり水分が多いと、成形のための最密充填ができ
ないから、自ずと上限も決ってくるのである。 【0015】そこで、放電加工電極用黒鉛材を形成する
ために、平均粒径が15.0μm以下に微粉化されたメ
ソフェーズ系材料の水分は、0.15〜0.79%が最
適なものとなるのである。このような水分含有量であれ
ば、成形が十分に行えるとともに、高密度充填及び製品
の高密度化を達成し得るのである。 【0016】・(d)について (d)の揮発分も(a)と同様に少なすぎると粒子の融
着性が減少し高強度材が得られない。多すぎると熱分解
によって発生したガスのために黒鉛材内に気孔が生じ高
密度材が得られない。 【0017】・(e)について 固定炭素分は、これが黒鉛材となるものであるから10
0%存在しているのが理想ではあるが、微粉原料を一定
形状に成形して焼成するためには、素材収縮をさせるた
めに他の成分を含ませなければならないから、この範囲
中に納まるものである。つまり、原料中の固定炭素分が
86%より低いということは、揮発分と灰分、水分の総
計が14%以上あるということである。揮発分が多すぎ
ると前記の様に熱分解によって発生したガスのために高
密度材が得られない。灰分が多いとピットホールの原因
となる。水分が多いと原料粉を最密充填できない。一方
91.5%以上であると粒子の融着性が減少し高強度材
が得られない。 【0018】・(f)について 原料の平均粒直径は、これを焼成して一定物を形成する
にあたって、その焼成条件を決定するものである。つま
り、原料の粒度が小さいと、焼成による時間が相当多く
かかるものであり、一方粒度が余り大きすぎると、これ
を放電加工の電極として使用した場合、放電加工面が粗
くなってしまい電極消耗も大きい。従って、放電加工電
極用黒鉛材として必要な高密度性と高強度性を確保する
ためには、出発原料の平均粒直径を上記のように設定す
るのが最適なのである。 【0019】以上のような原料を使用して、これを例え
ば電極のための形に固める。すなわち成形するのである
が、この成形は原料が前述した条件を満たすものである
ことによって、容易かつ確実に行われるものである。こ
の原料の成形を冷間プレスによって行なうのは、黒鉛材
料の異方比をできる限り小さくするためであり、また電
極の製品形状に近い形で成形し加工ロスを小さくするこ
ともできるためである。 【0020】次いで、以上のように成形したものを、ま
ず炭素化処理するのである。ここでのメソフェーズ系原
料は、固定炭素分が86〜91.5%であり、まだ水分
と揮発分と灰分を有する。ここでいう炭素化処理とは、
最高温度840〜1200℃の温度範囲で加熱して大部
分の水分と揮発成分を揮発させ、収縮させて高密度化、
高強度化を図ることである。 【0021】そして、このように炭素化処理を施したも
のに対して黒鉛化処理を施す。この処理によってピット
ホールの原因となる灰分の除去や炭素化処理で除去され
なかった揮発分や水分を除去することができる。また、
黒鉛化処理をすることにより硬度が下がって電極形状に
加工しやすくなる。また、黒鉛化温度を調整することに
より放電加工電極として最適な電気比抵抗を有する黒鉛
材料を得ることができる。そのために、非酸化雰囲気中
で2400〜3000℃まで加熱して放電加工用電極材
を製造する。 【0022】 【実施例】次に、上記のような本発明の製造方法を採用
して、放電加工電極用黒鉛材を製造する場合を、実施例
に基づいて説明する。 【0023】まず、出発原料であるメソフェーズ系材料
としてバルクメソフェーズ粉砕品を使用し、その諸元が
次のようになるように調整した。 【0024】βレジン成分→25.6%灰分→0.00
5% 水分→0.29% 揮発分→10.8% 固定炭素分→88.95% 平均粒直径→9.18μm 【0025】このような原料約200gを、冷間プレス
によって1300kg/cm2の圧力で所定の形状に成
形してから、平均昇温速度17℃で920℃まで炭化処
理を行い、その後約2800℃まで4.5時間加熱して
黒鉛化することにより、放電加工電極用黒鉛材を得た。 【0026】得られた放電加工電極用黒鉛材の物性値を
測定したところ、次のような結果を得た。なお、()内
の数値は、原料の諸元を本発明に係る方法に従って決定
した場合に得られる各値の範囲を示しているものである
。 【0027】見掛密度→1.96g/cm3(1.93
〜1.97) 電気比抵抗→1190μΩ・cm(1160〜1230
) 曲げ強度→900kg/cm2(770〜990)ショ
アー硬度→70(65〜72) 【0028】そして、この放電加工電極用黒鉛材を使用
して電極を形成し、現在市販されている他の黒鉛材によ
って形成した電極との各特性を測定し比較したところ、
次に示す表1のような結果が得られた。 【0029】 【表1】 【0030】この結果によれば、本発明に係る方法によ
って形成した放電加工電極用黒鉛材によって電極を形成
した場合、電極消耗率を他の比較例に対して小さくする
ことができるため、極めて適した材料とすることが理解
できる。なお、電極消耗率とは電極深さ/電極減寸法×
100(%)であり、表1中の比較例1及び比較例2は
市販のコークスとピッチを用いて作られた電極材、比較
例3及び比較例4は市販のメソファーズ系原料を一部ま
たは全部用いて作られた電極材である。 【0031】 【発明の効果】以上詳述した通り、本発明に係る製造方
法においては、まず出発原料をメソフェーズ原材料のみ
とするとともに、その諸元を前述したように設定してか
ら、これを所定の形状のものに成形してから炭化を行い
、そしてこれを黒鉛化するようにしたから、放電加工装
置の電極等の各種部品を形成するのに適した、高密度か
つ高強度で耐消耗性に優れた黒鉛材を製造することがで
きるのである。
関し、特に放電加工装置において採用される電極に適し
た高強度・高密度でかつ低消耗である黒鉛材の製造方法
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】例えば、放電加工装置において使用され
ている電極は、一般には黒鉛材によって形成されている
が、この製造方法は基本的には炭素質骨材とバインダー
ピッチとを混合してから形成するものである。しかしな
がら、この方法においては、製品の均質化を図るために
炭素質骨材を微粉砕しなければならないものであり、例
えば針状コークス等を微粉砕すると、その微粉を覆うた
めのバインダーは多くならざるを得ないものである。バ
インダー成分が多くなると、その炭化処理工程において
これが熱分解・重縮合することにより気孔を生成したり
、炭素質骨材とバインダーとが異なる収縮特性を示して
高強度を得られないことも起こり得るものである。しか
しながら、この黒鉛材を高密度で高強度なものとしない
と良好な放電性や耐久性が得られないものである。そこ
で、最近は、例えば、特公平1−23405号公報ある
いは特公平1−58125号公報にて提案されているよ
うな種々な製造方法を採用することによって、この種の
黒鉛材を製造するようにしていたのである。 【0003】特公平1−23405号公報にて提案され
ている「炭素成形体の製造方法」においては、上記公報
の特許請求の範囲の記載からすると、「石炭系バインダ
ーピッチまたは石油系バインダーピッチと、炭素質骨材
とを混合し焼成して炭素成形体を製造するにあたり、バ
ルクメソフェーズを、前記バインダーピッチまたは炭素
質骨材に予め添加するかあるいは前記バインダーピッチ
と炭素質骨材との混合物に予め添加することを特徴とす
る、炭素成形体の製造方法」であるが、この製造方法は
基本的には炭素質骨材とバインダーピッチとを混合する
ものである。しかしながら、この方法においては、製品
の均質化を図るために炭素質骨材を微粉砕しなければな
らないものであり、例えば針状コークス等を微粉砕する
と、その微粉を覆うためのバインダーは多くならざるを
得ないものである。バインダー成分が多くなると、その
炭化処理工程においてこれが熱分解・重縮合することに
より気孔を生成したり、炭素質骨材とバインダーとが異
なる収縮特性を示して高強度を得られないことも起こり
得るものであることは前述した通りである。 【0004】そのために、上記特公平1−58125号
公報にて示されているような、「ピッチを10〜70T
orrの減圧下で、または400〜600℃の加熱スチ
ームを吹き込みながら昇温し400〜530℃まで加熱
するとともに低分子成分および分解油分の除去を行い、
炭素含有率92重量%以上、900℃までの揮発分が7
〜13重量%、500℃まで加熱したときの成形体の線
収縮率が6%以下の原料を、平均粒径10μm以下に粉
砕した後、成形し焼成することを特徴とする高強度・高
密度炭素材の製造方法」なる方法を採用することも提案
されているのである。しかしながら、この製造方法にお
いては、電極としたときに大きく影響を与えることのあ
るピッチ中の灰分については何等規定していないもので
あり、この方法によって製造した炭素材をそのまま放電
加工装置の電極等を構成するための材料として採用する
ことはできないものである。 【0005】そこで、本発明者等は、放電加工装置の電
極等を構成するために最良な黒鉛材を製造するにはどう
したらよいかについて種々検討を重ねてきた結果、本発
明を完成したものである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な実情に鑑みてなされたもので、その解決しようとする
課題は、放電加工電極用黒鉛材のさらなる高密度化、高
強度化、低消耗化である。 【0007】そして、本発明の目的とするところは、放
電加工装置の電極等を形成するのに適した、高密度・高
強度でかつ消耗しにくい黒鉛材を製造するための方法を
提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段及び作用】以上の課題を解
決するために、本発明の採った手段は、原料にメソカー
ボンマイクロビーズまたはバルクメソフェーズ粉砕品等
のメソフェーズ系材料を用いて放電加工電極用黒鉛材を
製造する方法であって、前記メソフェーズ系材料として
、 (a)βレジン成分が20〜30% (b)灰分が0.15%以下 (c)水分が0.15〜0.79% (d)揮発分が8.8〜15.1% (e)固定炭素が86〜91.5% (f)レーザー回折式粒度計による平均粒直径が15.
0μm以下 であるものを使用して、これを冷間プレスにて成形し、
この成形物に対して所定の昇温度で最高温度840〜1
200℃の温度範囲で炭化処理を施し、この炭化物に対
して2400〜3000℃の温度範囲で黒鉛化処理を施
すことにより、放電加工電極用黒鉛材を製造する方法で
ある。 【0009】すなわち、本発明の製造方法は、メソカー
ボンマイクロビーズまたはバルクメソフェーズ粉砕品等
のメソフェーズ系材料のみを原料とするものであり、こ
の種のメソフェーズ系材料としては、平均粒径10〜1
5μmのメソカーボンマイクロビーズを原料に用いた黒
鉛材(カサ密度1.90g/cm3、曲げ強度1000
kg/cm2)やバルクメソフェーズ粉砕品(カサ密度
1.94g/cm3、曲げ強度750kg/cm2)が
ある。 【0010】そして、このメソフェーズ系材料の各性質
を上記(a)〜(f)のように規定しているのは、本発
明の製造方法によって形成した黒鉛材が放電加工装置の
電極等を構成するためのものとして、十分な高強度性、
高密度性及び耐消耗性を有したものとするためであり、
具体的には各々次のような理由による。 【0011】・(a)について βレジン成分、すなわちベンゼンには溶解しないがキノ
リンには溶解する成分が20〜30%であることの必要
性は、焼成時の粒子の融着性と熱分解生成物から揮散し
てできる気孔の発生とを防止する必要があるからである
。 【0012】・(b)について 灰分は、所謂ピットホールの原因となるものであるが、
このピットホールが放電加工装置のための電極に採用さ
れる黒鉛在中に存在していると、放電特性を著しく阻害
するだけでなく、放電箇所が集中して電極の消耗を早め
る原因ともなるものである。そのために原料中に含まれ
る灰分は0であるのが理想ではあるが、原料中の灰分を
0にすることは不可能に近い。そこで、放電加工電極用
黒鉛材として許容でき、しかも現時点での技術によって
低コストで可能な限りの上限を設定するとすると、上述
した範囲が最適なものとなるのである。 【0013】すなわち、原料中に含まれる灰分の最大限
を0.15%とすることにより、少なくともこの灰分の
含有量を規定しないものに比較した場合に、黒鉛材の放
電加工装置用の電極等としての機能をより向上させ得る
のである。 【0014】・(c)について 水分は、黒鉛材として完成した後には全く不要のもので
あるが、成形する前の原料中にはある程度含まれていな
ければならないものである。その理由は、微粉化した原
料を焼成前に一定形状のものに成形するには、この原料
が形を保持し得る湿気が必要だからである。しかしなが
ら、あまり水分が多いと、成形のための最密充填ができ
ないから、自ずと上限も決ってくるのである。 【0015】そこで、放電加工電極用黒鉛材を形成する
ために、平均粒径が15.0μm以下に微粉化されたメ
ソフェーズ系材料の水分は、0.15〜0.79%が最
適なものとなるのである。このような水分含有量であれ
ば、成形が十分に行えるとともに、高密度充填及び製品
の高密度化を達成し得るのである。 【0016】・(d)について (d)の揮発分も(a)と同様に少なすぎると粒子の融
着性が減少し高強度材が得られない。多すぎると熱分解
によって発生したガスのために黒鉛材内に気孔が生じ高
密度材が得られない。 【0017】・(e)について 固定炭素分は、これが黒鉛材となるものであるから10
0%存在しているのが理想ではあるが、微粉原料を一定
形状に成形して焼成するためには、素材収縮をさせるた
めに他の成分を含ませなければならないから、この範囲
中に納まるものである。つまり、原料中の固定炭素分が
86%より低いということは、揮発分と灰分、水分の総
計が14%以上あるということである。揮発分が多すぎ
ると前記の様に熱分解によって発生したガスのために高
密度材が得られない。灰分が多いとピットホールの原因
となる。水分が多いと原料粉を最密充填できない。一方
91.5%以上であると粒子の融着性が減少し高強度材
が得られない。 【0018】・(f)について 原料の平均粒直径は、これを焼成して一定物を形成する
にあたって、その焼成条件を決定するものである。つま
り、原料の粒度が小さいと、焼成による時間が相当多く
かかるものであり、一方粒度が余り大きすぎると、これ
を放電加工の電極として使用した場合、放電加工面が粗
くなってしまい電極消耗も大きい。従って、放電加工電
極用黒鉛材として必要な高密度性と高強度性を確保する
ためには、出発原料の平均粒直径を上記のように設定す
るのが最適なのである。 【0019】以上のような原料を使用して、これを例え
ば電極のための形に固める。すなわち成形するのである
が、この成形は原料が前述した条件を満たすものである
ことによって、容易かつ確実に行われるものである。こ
の原料の成形を冷間プレスによって行なうのは、黒鉛材
料の異方比をできる限り小さくするためであり、また電
極の製品形状に近い形で成形し加工ロスを小さくするこ
ともできるためである。 【0020】次いで、以上のように成形したものを、ま
ず炭素化処理するのである。ここでのメソフェーズ系原
料は、固定炭素分が86〜91.5%であり、まだ水分
と揮発分と灰分を有する。ここでいう炭素化処理とは、
最高温度840〜1200℃の温度範囲で加熱して大部
分の水分と揮発成分を揮発させ、収縮させて高密度化、
高強度化を図ることである。 【0021】そして、このように炭素化処理を施したも
のに対して黒鉛化処理を施す。この処理によってピット
ホールの原因となる灰分の除去や炭素化処理で除去され
なかった揮発分や水分を除去することができる。また、
黒鉛化処理をすることにより硬度が下がって電極形状に
加工しやすくなる。また、黒鉛化温度を調整することに
より放電加工電極として最適な電気比抵抗を有する黒鉛
材料を得ることができる。そのために、非酸化雰囲気中
で2400〜3000℃まで加熱して放電加工用電極材
を製造する。 【0022】 【実施例】次に、上記のような本発明の製造方法を採用
して、放電加工電極用黒鉛材を製造する場合を、実施例
に基づいて説明する。 【0023】まず、出発原料であるメソフェーズ系材料
としてバルクメソフェーズ粉砕品を使用し、その諸元が
次のようになるように調整した。 【0024】βレジン成分→25.6%灰分→0.00
5% 水分→0.29% 揮発分→10.8% 固定炭素分→88.95% 平均粒直径→9.18μm 【0025】このような原料約200gを、冷間プレス
によって1300kg/cm2の圧力で所定の形状に成
形してから、平均昇温速度17℃で920℃まで炭化処
理を行い、その後約2800℃まで4.5時間加熱して
黒鉛化することにより、放電加工電極用黒鉛材を得た。 【0026】得られた放電加工電極用黒鉛材の物性値を
測定したところ、次のような結果を得た。なお、()内
の数値は、原料の諸元を本発明に係る方法に従って決定
した場合に得られる各値の範囲を示しているものである
。 【0027】見掛密度→1.96g/cm3(1.93
〜1.97) 電気比抵抗→1190μΩ・cm(1160〜1230
) 曲げ強度→900kg/cm2(770〜990)ショ
アー硬度→70(65〜72) 【0028】そして、この放電加工電極用黒鉛材を使用
して電極を形成し、現在市販されている他の黒鉛材によ
って形成した電極との各特性を測定し比較したところ、
次に示す表1のような結果が得られた。 【0029】 【表1】 【0030】この結果によれば、本発明に係る方法によ
って形成した放電加工電極用黒鉛材によって電極を形成
した場合、電極消耗率を他の比較例に対して小さくする
ことができるため、極めて適した材料とすることが理解
できる。なお、電極消耗率とは電極深さ/電極減寸法×
100(%)であり、表1中の比較例1及び比較例2は
市販のコークスとピッチを用いて作られた電極材、比較
例3及び比較例4は市販のメソファーズ系原料を一部ま
たは全部用いて作られた電極材である。 【0031】 【発明の効果】以上詳述した通り、本発明に係る製造方
法においては、まず出発原料をメソフェーズ原材料のみ
とするとともに、その諸元を前述したように設定してか
ら、これを所定の形状のものに成形してから炭化を行い
、そしてこれを黒鉛化するようにしたから、放電加工装
置の電極等の各種部品を形成するのに適した、高密度か
つ高強度で耐消耗性に優れた黒鉛材を製造することがで
きるのである。
Claims (1)
- 【請求項1】原料にメソカーボンマイクロビーズまたは
バルクメソフェーズ粉砕品等のメソフェーズ系材料を用
いて放電加工電極用黒鉛材を製造する方法であって、前
記メソフェーズ系材料として、 (a)βレジン成分が20〜30% (b)灰分が0.15%以下 (c)水分が0.15〜0.79% (d)揮発分が8.8〜15.1% (e)固定炭素が86〜91.5% (f)レーザー回折式粒度計による平均粒直径が15.
0μm以下 であるものを使用して、これを冷間プレスにて成形し、
この成形物に対して所定の昇温度で最高温度840〜1
200℃の温度範囲で炭化処理を施し、この炭化物に対
して2400〜3000℃の温度範囲で黒鉛化処理を施
すことにより、放電加工電極用黒鉛材を製造する方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3002561A JPH04240022A (ja) | 1991-01-14 | 1991-01-14 | 放電加工電極用黒鉛材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3002561A JPH04240022A (ja) | 1991-01-14 | 1991-01-14 | 放電加工電極用黒鉛材の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04240022A true JPH04240022A (ja) | 1992-08-27 |
Family
ID=11532790
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3002561A Pending JPH04240022A (ja) | 1991-01-14 | 1991-01-14 | 放電加工電極用黒鉛材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH04240022A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1306539C (zh) * | 2003-03-24 | 2007-03-21 | 中国科学院电子学研究所 | 微珠去栅极毛刺法 |
| EP2017241A2 (en) | 2007-06-07 | 2009-01-21 | Ibiden Co., Ltd. | Graphite material and a method of producing graphite material |
| JP2018145079A (ja) * | 2017-03-09 | 2018-09-20 | クアーズテック株式会社 | 石英ガラスルツボの製造方法 |
-
1991
- 1991-01-14 JP JP3002561A patent/JPH04240022A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1306539C (zh) * | 2003-03-24 | 2007-03-21 | 中国科学院电子学研究所 | 微珠去栅极毛刺法 |
| EP2017241A2 (en) | 2007-06-07 | 2009-01-21 | Ibiden Co., Ltd. | Graphite material and a method of producing graphite material |
| EP2017241A3 (en) * | 2007-06-07 | 2010-10-20 | Ibiden Co., Ltd. | Graphite material and a method of producing graphite material |
| US8048515B2 (en) | 2007-06-07 | 2011-11-01 | Ibiden Co., Ltd. | Graphite material and a method of producing graphite material |
| US8367196B2 (en) | 2007-06-07 | 2013-02-05 | Ibiden Co., Ltd. | Graphite material |
| JP2018145079A (ja) * | 2017-03-09 | 2018-09-20 | クアーズテック株式会社 | 石英ガラスルツボの製造方法 |
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