JPH0425971B2 - - Google Patents
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- JPH0425971B2 JPH0425971B2 JP58244338A JP24433883A JPH0425971B2 JP H0425971 B2 JPH0425971 B2 JP H0425971B2 JP 58244338 A JP58244338 A JP 58244338A JP 24433883 A JP24433883 A JP 24433883A JP H0425971 B2 JPH0425971 B2 JP H0425971B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cellulose
- processing method
- modification processing
- treatment liquid
- field component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Description
技術分野
本発明は高分子材料の改質加工法に関するもの
であり、更に詳しく述べるならば、アルカリ可溶
セルロースを改質剤として用い、高分子材料に改
善された特性を付与する高分子材料の改質加工法
に関するものである。 技術的背景 一般に高分子材料は使用用途、使用方法、使用
条件等により種々の性能が要求されるが、素材固
有の性質だけでは、その要求性能のすべてを満た
すことは出来ず、材料の用途に応じて何らかの改
質加工が必要とされている。ただ改質と一口で云
つてみてもその目的は様々であり、全てに合つた
要件を規定することは出来ない。高分子材料の性
能としては、天然高分子と合成高分子の両者の性
質を合せ持つように改質を設計することが理想で
あり、この目的のための種々の方向からの加工方
法が考案あるいは検討されている現状にある。本
発明も目的を同じくするものであり、思想的には
被改質高分子材料の表面にセルロースを付与して
性状を変えようとするもので化学的な改質加工法
として位置付けられる。 高分子材料の改質を目的とした従来技術を検討
考察してみると、その数は膨大で、例えば化学的
な加工法だけを取つてみても枚挙にいとまがない
程である。しかし、本発明者らの知る限りセルロ
ースのアルカリ溶液を用いて高分子材料の改質を
試みた例をみたことがなく、関連先行技術文献を
見出すことができなかつた。 1970年代に入つて、セルロースの種々の有機溶
剤、例えば、DMSO/PFA、DMF/クロラー
ル/ピリジン、ホルムアミド/SO2/アミン、
DMAc/N2O4、N−メチルモルホリンN−オキ
シド、ヒドラジン水溶液等が見出され、その利用
が広く検討された。これらの有機溶剤を利用して
も本発明方法と同じカテゴリーの処理は可能と考
えられる。しかし、この場合、性能面では基本的
に同程度の効果が期待できるものの、プロセス的
に多くの問題点を抱えており、工業的実現性は極
めて低い。 一方、今までに知られているセルロース誘導体
の多くは、一般に有機溶媒可溶性を示すものであ
る。これらのセルロース誘導体を有機溶媒に溶か
して同様な処理を行なうことができるが、この場
合、溶媒自体の毒性や爆発生の危険性はもとよ
り、工程的にも危険が伴う。また、置換基の種類
や置換度によつてセルロース本来の性質が損われ
るため改質効果が半減することは云うまでもな
い。例えば、セルロースアセテート(二あるいは
三酢酸セルロース)の場合、アルカリ溶媒中でケ
ン化してセルロースに戻すこともできるが、プロ
セス的にも経済的にもメリツトは少ない。 本発明者らは、かかる事実に鑑み、安価で安全
でしかも改質効果の優れた改質剤を見い出すべく
鋭意検討した結果、実質的にセルロースとアルカ
リから成る系が高分子材料の改質に対して極めて
効果的でしかも処理工程が容易であることを発見
し、本発明を完成するに至つたのである。 発明の目的 本発明は、特に安価で危険性が少なく、しかも
改質効果の優れた高分子材料の改質加工法の提供
を目的とするものである。 本発明の他の目的は、高分子材料の吸水性、制
電性、風合い、色調、光沢等を改善することので
きる、高分子材料の改質加工法を提供することに
ある。 発明の構成 本発明の高分子材料の改質加工法は、セルロー
スと、アルカリとの水溶液を処理液として、高分
子材料を処理する方法であつて、前記セルロース
が、その核磁気共鳴スペクトルの80〜90ppmの共
鳴領域において、約88ppmに主ピークを有する低
磁場成分と、約84ppmに主ピークを有する高磁場
成分の合計量に対し、前記高磁場成分の量が80%
以上を占めるものであることを特徴とするもので
ある。 上記処理によつて高分子材料に付着したセルロ
ース類含有アルカリ処理液は、中和され、それに
よつてセルロース類が高分子材料上に固定され
る。 発明の具体的説明 本発明方法に用いられる高分子材料とは、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル類、ポ
リアミド類、ポリアクリロニトリル類、綿、再生
セルロース、セルロース誘導体等の汎用高分子で
あつて、その形態は問わず、繊維材料であつても
よい。 本発明方法は、セルロースで高分子材料を改質
するに際し、基本的にアルカリを介して処理する
ことにより高分子材料の帯電性を防止したり、こ
れに吸水性を付与したりすることのできるもので
あり、更に本発明方法に用いられる特定のセルロ
ースを含有するアルカリ溶液は、従来のセルロー
ス溶液よりも安全性の点で優れたものである。 即ち、本発明は、実質的に特定のセルロースと
アルカリとから成る水溶液を改質処理液として用
いるところに新規性を有し、高分子材料に制電性
や吸水性を付与すること以外に、その色調や風合
いを改良することも可能である。本発明改質加工
法の骨子は、かかる改質処理液をコーテイングや
デイツピング等の手段で該高分子材料に付着させ
る点にあり、その後、中和、洗浄、乾燥処理を施
して高分子材料に改質効果を与えるものである。
本発明方法によれば、合成高分子材料・天然高分
子材料のいづれをも改質することができる。すな
わち、本発明方法は疎水性の高分子材料に対して
は吸水性や制電性を容易にかつ経済的に付与する
ことができ、この効果に付随して、その風合い、
色調等の改良も可能となる。本発明方法を適用す
る高分子材料の形態には特に限定はないが、一般
に表面積の多い布帛や不織布等の繊維材料に対し
て、本発明方法は特に効果的である。 本発明方法特に好適なセルロースは、そのヒド
ロキシル基が他の置換基により置換されていない
純粋なセルロースであつて、天然セルロース、お
よび再生セルロースのいずれであつてもよいが、
下記の核磁気共鳴スペクトル特性を有するものか
ら選ばれる。即ち、第1図および第2図は本発明
方法に使用できるセルロース(第1図)と、使用
できないセルロース(第2図)の、固体高分解能
核磁気共鳴スペクトル(13C核)の共鳴領域80〜
90ppmの部分を示したものである。この共鳴領域
には、セルロースのC4位のカーボンに基づくピ
ークが表われ、すなわち、約88ppmを主ピークと
する低磁場成分と約84ppmを主ピークとする高磁
場成分の2つのピークが表われる。これらの磁場
成分量を、88ppmと84ppmをメインピークとする
ローレンツヤンタイプの曲線に近似させて求めた
とき、低磁場成分と高磁場成分の合計量に対し、
該高磁場成分が80%以上を占めるセルロースは本
発明に使用できるものである。 第1図および第2図において、斜線部1はセル
ロースの高磁場成分を示し、ドツト部2は低磁場
成分を示し、それらの量(面積)は、ローレンヤ
ンタイプの曲線に近似させることによつて求める
ことができる。第1図に示されたセルロースAの
高磁場成分量の比率は、85.9%であつて、このセ
ルロースAは、本発明方法に用いることができ
る。しかし、第2図に示されたセルロースBの高
磁場成分量の比率は55.7%であつて、このセルロ
ースBは、本発明方法には用いることができな
い。 上記高磁場成分量の効果については、未だ定説
はないが、これがセルロースの水素結合性に関係
している可能性が高く、実際に高磁場成分の比率
はセルロースのアルカリに対する溶解性に対応し
ている。例えば、該高磁場成分が87%のセルロー
スAは、10重量%の苛性ソーダ水溶液に2重量%
の濃度で溶解したとき均一溶液を形成する。しか
し、これに対し、高磁場成分が56%しかないセル
ロースBを同一条件でアルカリ溶液に溶解する
と、不溶部分が分散した不均一溶液となり、この
ような溶液は本発明方法に適用することはできな
い。高磁場成分が80%以上のセルロースは、例え
ば、天然セルロースを、銅安溶液に溶解後、アン
モニアを蒸散させ、希酸で再生する事によつて製
造することができる。また、水素結合解裂剤、例
えば、トリフルオロ酢酸、ジクロル酢酸、尿素、
両性水酸化物等を処理剤として用い、グラインダ
ー、エクストルーダー等や高圧、超音波等の処理
を併用することによつても製造できる。 本発明に用いることのできるセルロースの重合
度は少なくとも100以上であることが好ましく、
通常200〜700のものが更に好ましい。重合度が
100より小さいときは、セルロースの皮膜形成性
が不満足なものになり、また得られる皮膜の耐久
性が不十分となることがある。また重合度が700
より大きいと、得られる処理液の粘度が過大にな
ることがある。 本発明方法に使用できるアルカリは、アルカリ
金属の水酸化物およびアンモニアから選ぶことが
できる。処理液中におけるアルカリの濃度は、使
用するセルロース類や高分子材料の種類、改質の
目的等によつて適宜選択される。例えばアルカリ
金属の水酸化物の場合、6〜15重量%の濃度が好
ましく、また、アンモニアの場合、14〜32重量%
の濃度が好ましい。 かかるセルロースとアルカリとの水溶液中のセ
ルロース類の濃度は、通常0.5〜10重量%の範囲
にあることが好ましい。セルロースの濃度が10重
量%より大きくなると、得られる処理液の粘度が
過大となり、処理操作が難しくなつたり、過付着
や不均一付着が起りやすくなるので好ましくな
い。また、逆に0.5重量%より少くなると、セル
ロースの凝集時の均質化が困難となり、部分的に
剥離が生起し実用に耐えなくなることがあり、特
に好ましいセルロースの濃度は、1〜3重量%で
ある。 本発明方法に用いられる処理液の調整は、ミキ
サーやホモジナイザーでセルロース−アルカリ−
水混合物を撹拌することにより容易に可能で、溶
解、保存共に0〜25℃の範囲が望ましい。 かくして得られた溶液を高分子材料に付着させ
るには、通常の処理液付着方法や装置を用いるこ
とができ、例えば、ナイフコーテイング、スプレ
ー噴露ハケ塗り、デイツピング等の手段が用いら
れ、必要に応じてマングル、セントル脱水機、圧
搾機等で脱液してもよく、又、付着処理を数回く
り返しても何ら支障はない。高分子材料に対する
処理液の付着量は、高分子材料の種類、形態、セ
ルロース類の濃度、期待効果等によつて適宜調整
すればよく、通常1回の処理操作で、処理液が30
〜500%(対高分子材料重量)の範囲で付着され
る。前記付着処理工程に引続く中和(希酸浸漬)
工程は、処理液付着後直ちに施されてもよく、ま
た、一且付着処理液層を乾燥させてから施しても
よい。中和に用いられる中和液は酸を含むもの
で、この酸としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸
等の鉱酸が用いられる。中和液は水溶液であつて
もアルコール溶液であつても良い。通常、数%の
塩酸や硫酸の水溶液が好適に用いられる。中和後
は、材料をよく水洗し、所望の条件で乾燥して、
処理を完了する。 本発明方法をポリエステル繊維材料に適用した
場合、その処理条件(処理温度・時間・アルカリ
濃度)によつては、アルカリ減量処理と同時に行
つて、この繊維材料を改質することができる。ま
た、ポリアクリロニトリル繊維材料の場合、改質
処理液を付着させながらこれに熱処理を施すと、
アルカリの作用でポリアクリロニトリル分子中の
ニトリル基がアミドオキシム基やカルボキシル基
に変化し、このため、繊維材料に化学変性による
改質効果が加味される。更に、綿や再生セルロー
ス繊維に対して本発明方法を適用すると、マーセ
リゼーシヨンの効果を伴なつた改質が可能とな
る。このように本発明法では、改質処理剤中にア
ルカリを含むため、種々の派生的効果が期待でき
ると共に、安価でしかも安全な改質方法を提供す
ることができる。この改質効果は、繊維材料以外
についても同様であることは云うまでもない。 以下、実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれらによつて何ら限定されるものではな
い。 実施例に於いて、帯電防止性の1つの尺度であ
る半減期時間は、試料を20℃で相対湿度を40%に
制御した人工気候室で48時間コンデイシヨニング
した後、JISL−1094のA法に基き帯電した電位
が半分に減少するまでの時間を求め、この時間に
より表示した。 吸水性能はバイレツク法に準拠して25×2.5
cm/cmの布帛の一端(2.5cm側)を水に10分間浸
し、その時点に於いて吸水上昇した高さを測定
し、その値で表わした。又、洗濯条件は、40℃の
水で50分間洗濯した後、流水下で10分間すすいで
完了とした。 実施例 1 本実施例は第1表に示した繊維高分子材料をセ
ルロースと苛性ソーダとから成る改質剤で処理
し、吸湿性、並びに制電性の付与を試みた例を示
す。 13C核の固体高分解能NMRスペクトルに於け
るC4共鳴領域の高磁場成分の含有量比率が87%
である再生セルロース30gを10重量%の苛性ソー
ダ水溶液3に溶解し、均一溶液を調製した。15
℃に保持した該溶液に各試料布帛5gを浸漬し充
分浸透せしめた後、溶液の付着率が約200%にな
るように絞つた。しかる後、これを1重量%硫酸
水溶液に浸漬し中和した。試料を流水下で洗浄し
70℃下で乾燥した。各テストは、処理した布帛を
所定の条件で染色した後行なつた。
であり、更に詳しく述べるならば、アルカリ可溶
セルロースを改質剤として用い、高分子材料に改
善された特性を付与する高分子材料の改質加工法
に関するものである。 技術的背景 一般に高分子材料は使用用途、使用方法、使用
条件等により種々の性能が要求されるが、素材固
有の性質だけでは、その要求性能のすべてを満た
すことは出来ず、材料の用途に応じて何らかの改
質加工が必要とされている。ただ改質と一口で云
つてみてもその目的は様々であり、全てに合つた
要件を規定することは出来ない。高分子材料の性
能としては、天然高分子と合成高分子の両者の性
質を合せ持つように改質を設計することが理想で
あり、この目的のための種々の方向からの加工方
法が考案あるいは検討されている現状にある。本
発明も目的を同じくするものであり、思想的には
被改質高分子材料の表面にセルロースを付与して
性状を変えようとするもので化学的な改質加工法
として位置付けられる。 高分子材料の改質を目的とした従来技術を検討
考察してみると、その数は膨大で、例えば化学的
な加工法だけを取つてみても枚挙にいとまがない
程である。しかし、本発明者らの知る限りセルロ
ースのアルカリ溶液を用いて高分子材料の改質を
試みた例をみたことがなく、関連先行技術文献を
見出すことができなかつた。 1970年代に入つて、セルロースの種々の有機溶
剤、例えば、DMSO/PFA、DMF/クロラー
ル/ピリジン、ホルムアミド/SO2/アミン、
DMAc/N2O4、N−メチルモルホリンN−オキ
シド、ヒドラジン水溶液等が見出され、その利用
が広く検討された。これらの有機溶剤を利用して
も本発明方法と同じカテゴリーの処理は可能と考
えられる。しかし、この場合、性能面では基本的
に同程度の効果が期待できるものの、プロセス的
に多くの問題点を抱えており、工業的実現性は極
めて低い。 一方、今までに知られているセルロース誘導体
の多くは、一般に有機溶媒可溶性を示すものであ
る。これらのセルロース誘導体を有機溶媒に溶か
して同様な処理を行なうことができるが、この場
合、溶媒自体の毒性や爆発生の危険性はもとよ
り、工程的にも危険が伴う。また、置換基の種類
や置換度によつてセルロース本来の性質が損われ
るため改質効果が半減することは云うまでもな
い。例えば、セルロースアセテート(二あるいは
三酢酸セルロース)の場合、アルカリ溶媒中でケ
ン化してセルロースに戻すこともできるが、プロ
セス的にも経済的にもメリツトは少ない。 本発明者らは、かかる事実に鑑み、安価で安全
でしかも改質効果の優れた改質剤を見い出すべく
鋭意検討した結果、実質的にセルロースとアルカ
リから成る系が高分子材料の改質に対して極めて
効果的でしかも処理工程が容易であることを発見
し、本発明を完成するに至つたのである。 発明の目的 本発明は、特に安価で危険性が少なく、しかも
改質効果の優れた高分子材料の改質加工法の提供
を目的とするものである。 本発明の他の目的は、高分子材料の吸水性、制
電性、風合い、色調、光沢等を改善することので
きる、高分子材料の改質加工法を提供することに
ある。 発明の構成 本発明の高分子材料の改質加工法は、セルロー
スと、アルカリとの水溶液を処理液として、高分
子材料を処理する方法であつて、前記セルロース
が、その核磁気共鳴スペクトルの80〜90ppmの共
鳴領域において、約88ppmに主ピークを有する低
磁場成分と、約84ppmに主ピークを有する高磁場
成分の合計量に対し、前記高磁場成分の量が80%
以上を占めるものであることを特徴とするもので
ある。 上記処理によつて高分子材料に付着したセルロ
ース類含有アルカリ処理液は、中和され、それに
よつてセルロース類が高分子材料上に固定され
る。 発明の具体的説明 本発明方法に用いられる高分子材料とは、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル類、ポ
リアミド類、ポリアクリロニトリル類、綿、再生
セルロース、セルロース誘導体等の汎用高分子で
あつて、その形態は問わず、繊維材料であつても
よい。 本発明方法は、セルロースで高分子材料を改質
するに際し、基本的にアルカリを介して処理する
ことにより高分子材料の帯電性を防止したり、こ
れに吸水性を付与したりすることのできるもので
あり、更に本発明方法に用いられる特定のセルロ
ースを含有するアルカリ溶液は、従来のセルロー
ス溶液よりも安全性の点で優れたものである。 即ち、本発明は、実質的に特定のセルロースと
アルカリとから成る水溶液を改質処理液として用
いるところに新規性を有し、高分子材料に制電性
や吸水性を付与すること以外に、その色調や風合
いを改良することも可能である。本発明改質加工
法の骨子は、かかる改質処理液をコーテイングや
デイツピング等の手段で該高分子材料に付着させ
る点にあり、その後、中和、洗浄、乾燥処理を施
して高分子材料に改質効果を与えるものである。
本発明方法によれば、合成高分子材料・天然高分
子材料のいづれをも改質することができる。すな
わち、本発明方法は疎水性の高分子材料に対して
は吸水性や制電性を容易にかつ経済的に付与する
ことができ、この効果に付随して、その風合い、
色調等の改良も可能となる。本発明方法を適用す
る高分子材料の形態には特に限定はないが、一般
に表面積の多い布帛や不織布等の繊維材料に対し
て、本発明方法は特に効果的である。 本発明方法特に好適なセルロースは、そのヒド
ロキシル基が他の置換基により置換されていない
純粋なセルロースであつて、天然セルロース、お
よび再生セルロースのいずれであつてもよいが、
下記の核磁気共鳴スペクトル特性を有するものか
ら選ばれる。即ち、第1図および第2図は本発明
方法に使用できるセルロース(第1図)と、使用
できないセルロース(第2図)の、固体高分解能
核磁気共鳴スペクトル(13C核)の共鳴領域80〜
90ppmの部分を示したものである。この共鳴領域
には、セルロースのC4位のカーボンに基づくピ
ークが表われ、すなわち、約88ppmを主ピークと
する低磁場成分と約84ppmを主ピークとする高磁
場成分の2つのピークが表われる。これらの磁場
成分量を、88ppmと84ppmをメインピークとする
ローレンツヤンタイプの曲線に近似させて求めた
とき、低磁場成分と高磁場成分の合計量に対し、
該高磁場成分が80%以上を占めるセルロースは本
発明に使用できるものである。 第1図および第2図において、斜線部1はセル
ロースの高磁場成分を示し、ドツト部2は低磁場
成分を示し、それらの量(面積)は、ローレンヤ
ンタイプの曲線に近似させることによつて求める
ことができる。第1図に示されたセルロースAの
高磁場成分量の比率は、85.9%であつて、このセ
ルロースAは、本発明方法に用いることができ
る。しかし、第2図に示されたセルロースBの高
磁場成分量の比率は55.7%であつて、このセルロ
ースBは、本発明方法には用いることができな
い。 上記高磁場成分量の効果については、未だ定説
はないが、これがセルロースの水素結合性に関係
している可能性が高く、実際に高磁場成分の比率
はセルロースのアルカリに対する溶解性に対応し
ている。例えば、該高磁場成分が87%のセルロー
スAは、10重量%の苛性ソーダ水溶液に2重量%
の濃度で溶解したとき均一溶液を形成する。しか
し、これに対し、高磁場成分が56%しかないセル
ロースBを同一条件でアルカリ溶液に溶解する
と、不溶部分が分散した不均一溶液となり、この
ような溶液は本発明方法に適用することはできな
い。高磁場成分が80%以上のセルロースは、例え
ば、天然セルロースを、銅安溶液に溶解後、アン
モニアを蒸散させ、希酸で再生する事によつて製
造することができる。また、水素結合解裂剤、例
えば、トリフルオロ酢酸、ジクロル酢酸、尿素、
両性水酸化物等を処理剤として用い、グラインダ
ー、エクストルーダー等や高圧、超音波等の処理
を併用することによつても製造できる。 本発明に用いることのできるセルロースの重合
度は少なくとも100以上であることが好ましく、
通常200〜700のものが更に好ましい。重合度が
100より小さいときは、セルロースの皮膜形成性
が不満足なものになり、また得られる皮膜の耐久
性が不十分となることがある。また重合度が700
より大きいと、得られる処理液の粘度が過大にな
ることがある。 本発明方法に使用できるアルカリは、アルカリ
金属の水酸化物およびアンモニアから選ぶことが
できる。処理液中におけるアルカリの濃度は、使
用するセルロース類や高分子材料の種類、改質の
目的等によつて適宜選択される。例えばアルカリ
金属の水酸化物の場合、6〜15重量%の濃度が好
ましく、また、アンモニアの場合、14〜32重量%
の濃度が好ましい。 かかるセルロースとアルカリとの水溶液中のセ
ルロース類の濃度は、通常0.5〜10重量%の範囲
にあることが好ましい。セルロースの濃度が10重
量%より大きくなると、得られる処理液の粘度が
過大となり、処理操作が難しくなつたり、過付着
や不均一付着が起りやすくなるので好ましくな
い。また、逆に0.5重量%より少くなると、セル
ロースの凝集時の均質化が困難となり、部分的に
剥離が生起し実用に耐えなくなることがあり、特
に好ましいセルロースの濃度は、1〜3重量%で
ある。 本発明方法に用いられる処理液の調整は、ミキ
サーやホモジナイザーでセルロース−アルカリ−
水混合物を撹拌することにより容易に可能で、溶
解、保存共に0〜25℃の範囲が望ましい。 かくして得られた溶液を高分子材料に付着させ
るには、通常の処理液付着方法や装置を用いるこ
とができ、例えば、ナイフコーテイング、スプレ
ー噴露ハケ塗り、デイツピング等の手段が用いら
れ、必要に応じてマングル、セントル脱水機、圧
搾機等で脱液してもよく、又、付着処理を数回く
り返しても何ら支障はない。高分子材料に対する
処理液の付着量は、高分子材料の種類、形態、セ
ルロース類の濃度、期待効果等によつて適宜調整
すればよく、通常1回の処理操作で、処理液が30
〜500%(対高分子材料重量)の範囲で付着され
る。前記付着処理工程に引続く中和(希酸浸漬)
工程は、処理液付着後直ちに施されてもよく、ま
た、一且付着処理液層を乾燥させてから施しても
よい。中和に用いられる中和液は酸を含むもの
で、この酸としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸
等の鉱酸が用いられる。中和液は水溶液であつて
もアルコール溶液であつても良い。通常、数%の
塩酸や硫酸の水溶液が好適に用いられる。中和後
は、材料をよく水洗し、所望の条件で乾燥して、
処理を完了する。 本発明方法をポリエステル繊維材料に適用した
場合、その処理条件(処理温度・時間・アルカリ
濃度)によつては、アルカリ減量処理と同時に行
つて、この繊維材料を改質することができる。ま
た、ポリアクリロニトリル繊維材料の場合、改質
処理液を付着させながらこれに熱処理を施すと、
アルカリの作用でポリアクリロニトリル分子中の
ニトリル基がアミドオキシム基やカルボキシル基
に変化し、このため、繊維材料に化学変性による
改質効果が加味される。更に、綿や再生セルロー
ス繊維に対して本発明方法を適用すると、マーセ
リゼーシヨンの効果を伴なつた改質が可能とな
る。このように本発明法では、改質処理剤中にア
ルカリを含むため、種々の派生的効果が期待でき
ると共に、安価でしかも安全な改質方法を提供す
ることができる。この改質効果は、繊維材料以外
についても同様であることは云うまでもない。 以下、実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれらによつて何ら限定されるものではな
い。 実施例に於いて、帯電防止性の1つの尺度であ
る半減期時間は、試料を20℃で相対湿度を40%に
制御した人工気候室で48時間コンデイシヨニング
した後、JISL−1094のA法に基き帯電した電位
が半分に減少するまでの時間を求め、この時間に
より表示した。 吸水性能はバイレツク法に準拠して25×2.5
cm/cmの布帛の一端(2.5cm側)を水に10分間浸
し、その時点に於いて吸水上昇した高さを測定
し、その値で表わした。又、洗濯条件は、40℃の
水で50分間洗濯した後、流水下で10分間すすいで
完了とした。 実施例 1 本実施例は第1表に示した繊維高分子材料をセ
ルロースと苛性ソーダとから成る改質剤で処理
し、吸湿性、並びに制電性の付与を試みた例を示
す。 13C核の固体高分解能NMRスペクトルに於け
るC4共鳴領域の高磁場成分の含有量比率が87%
である再生セルロース30gを10重量%の苛性ソー
ダ水溶液3に溶解し、均一溶液を調製した。15
℃に保持した該溶液に各試料布帛5gを浸漬し充
分浸透せしめた後、溶液の付着率が約200%にな
るように絞つた。しかる後、これを1重量%硫酸
水溶液に浸漬し中和した。試料を流水下で洗浄し
70℃下で乾燥した。各テストは、処理した布帛を
所定の条件で染色した後行なつた。
【表】
加工前の布帛の半減期はいずれも90sec以上で
あり、本発明法が帯電防止に極めて有効な手段で
あることが判かる。表中半減期Aの欄は洗濯前の
値、Bは洗濯後の値を示している。 比較例 1 13C核の固体高分解能NMRスペクトルに於け
るC4共鳴領域の高磁場成分含有量比率が63%の
セルロース30gを、10重量%の苛性ソーダ水溶液
3に溶解したが、均一溶液は得られず不溶部を
含む分散液が得られただけである。この分散液を
用いてポリエステルフイルムに実施例1と同様の
コーテイングを試みたが、全面に付着ムラが生起
し、全く実用的なものが得られなかつた。 実施例2および比較例2 重合度470のセルロースを、高温下(約120℃)
でDMSO/PFAに溶解し、1重量%の均一溶液
を得た。この溶液(比較例2)および実施例1で
調製したセルロース/アルカリ溶液(実施例2)
を、それぞれポリエステルフイルムとポリアクリ
ロニトリルフイルムに処理を試みた結果を第2表
に示す。表中の数字は半減期を示す。
あり、本発明法が帯電防止に極めて有効な手段で
あることが判かる。表中半減期Aの欄は洗濯前の
値、Bは洗濯後の値を示している。 比較例 1 13C核の固体高分解能NMRスペクトルに於け
るC4共鳴領域の高磁場成分含有量比率が63%の
セルロース30gを、10重量%の苛性ソーダ水溶液
3に溶解したが、均一溶液は得られず不溶部を
含む分散液が得られただけである。この分散液を
用いてポリエステルフイルムに実施例1と同様の
コーテイングを試みたが、全面に付着ムラが生起
し、全く実用的なものが得られなかつた。 実施例2および比較例2 重合度470のセルロースを、高温下(約120℃)
でDMSO/PFAに溶解し、1重量%の均一溶液
を得た。この溶液(比較例2)および実施例1で
調製したセルロース/アルカリ溶液(実施例2)
を、それぞれポリエステルフイルムとポリアクリ
ロニトリルフイルムに処理を試みた結果を第2表
に示す。表中の数字は半減期を示す。
【表】
ポリエステルフイルムに対しては比較例2でも
耐電性改質効果が認められたが、処理中ホルマリ
ン臭が生起したり、DMSOの回収が困難で実際
の処理には適さないことが確認された。 発明の効果 本発明の効果は下記の通りである。 高分子表面にセルロースを付与できるため、
制電性や吸水性が向上する。 綿製品や不織布に処理を備すことにより、風
合いが改善される。 従つて、本発明方法は、繊維材料に対する化学
改質加工法として極めて高い技術的意義を有する
ものである。
耐電性改質効果が認められたが、処理中ホルマリ
ン臭が生起したり、DMSOの回収が困難で実際
の処理には適さないことが確認された。 発明の効果 本発明の効果は下記の通りである。 高分子表面にセルロースを付与できるため、
制電性や吸水性が向上する。 綿製品や不織布に処理を備すことにより、風
合いが改善される。 従つて、本発明方法は、繊維材料に対する化学
改質加工法として極めて高い技術的意義を有する
ものである。
第1図は、本発明方法に用いることのできるセ
ルロースの一例の、固体高分子解能核磁気共鳴ス
ペクトルの、C4共鳴領域を示すグラフであり、
第2図は、本発明方法に用いることのできないセ
ルロースの一例の、固体高分解能核磁気共鳴スペ
クトルの、C4共鳴領域を示すグラフである。 1…高磁場成分、2…低磁場成分。
ルロースの一例の、固体高分子解能核磁気共鳴ス
ペクトルの、C4共鳴領域を示すグラフであり、
第2図は、本発明方法に用いることのできないセ
ルロースの一例の、固体高分解能核磁気共鳴スペ
クトルの、C4共鳴領域を示すグラフである。 1…高磁場成分、2…低磁場成分。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 セルロースと、アルカリとの水溶液を処理液
として、高分子材料を処理する方法であつて、 前記セルロースが、その核磁気共鳴スペクトル
の80〜90ppmの共鳴領域において、約88ppmに主
ピークを有する低磁場成分と、約84ppmに主ピー
クを有する高磁場成分の合計量に対し、前記高磁
場成分の量が80%以上を占めるものであることを
特徴とする高分子材料の改質加工法。 2 前記高分子材料が、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリア
クリロニトリル類、綿、再生セルロース、および
セルロース誘導体から選ばれた少くとも1種から
なるものである、特許請求の範囲第1項記載の改
質加工法。 3 前記セルロースが、100以上の重合度を有す
るものである、特許請求の範囲第1項記載の改質
加工法。 4 前記セルロースの重合度が200〜700の範囲内
にある、特許請求の範囲第1項記載の改質加工
法。 5 前記アルカリが、アルカリ金属の酸化物およ
びアンモニヤから選ばれる、特許請求の範囲第1
項記載の改質加工法。 6 前記処理液中のセルロースの濃度が0.5〜10
重量%の範囲内にある、特許請求の範囲第1項記
載の改質加工法。 7 前記アルカリ金属の酸化物の、前記処理液中
における、濃度が6〜15重量%の範囲内にある、
特許請求の範囲第5項記載の改質加工法。 8 前記アンモニアの、前記処理液における濃度
が、14〜32重量%の範囲内にある、特許請求の範
囲第5項記載の改質加工法。 9 前記処理によつて前記高分子材料に付着する
処理液の量が、前記高分子材料の重量に対し、30
〜500%の範囲内にある、特許請求の範囲第1項
記載の改質加工法。 10 前記処理によつて、前記高分子材料に付着
した前記処理液に対して中和処理を施す、特許請
求の範囲第1項記載の改質加工法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58244338A JPS60137937A (ja) | 1983-12-26 | 1983-12-26 | 高分子材料の改質加工法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58244338A JPS60137937A (ja) | 1983-12-26 | 1983-12-26 | 高分子材料の改質加工法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60137937A JPS60137937A (ja) | 1985-07-22 |
| JPH0425971B2 true JPH0425971B2 (ja) | 1992-05-06 |
Family
ID=17117218
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58244338A Granted JPS60137937A (ja) | 1983-12-26 | 1983-12-26 | 高分子材料の改質加工法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60137937A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63211373A (ja) * | 1987-02-27 | 1988-09-02 | 株式会社 麻絲商会 | 織編用原糸 |
-
1983
- 1983-12-26 JP JP58244338A patent/JPS60137937A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60137937A (ja) | 1985-07-22 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |